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JP2004264437A - 加熱装置 - Google Patents

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JP2004264437A
JP2004264437A JP2003053316A JP2003053316A JP2004264437A JP 2004264437 A JP2004264437 A JP 2004264437A JP 2003053316 A JP2003053316 A JP 2003053316A JP 2003053316 A JP2003053316 A JP 2003053316A JP 2004264437 A JP2004264437 A JP 2004264437A
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heating
film
image
roller
toner
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Application number
JP2003053316A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Yano
秀幸 矢野
Shunichi Ebihara
俊一 海老原
Masatake Usui
正武 臼井
Katsuhiko Oba
克彦 大庭
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

【課題】冷却分離方式で画像のグロスアップを行う加熱装置において、フィルム部材と画像を担持した被加熱材の密着不良に起因するグロスムラ画像不良を簡単な手段構成により発生させること無く、超光沢画像を安定して供給する。
【解決手段】フィルム部材41と、加熱部材42と、前記フィルム部材を挟んで前記加熱部材に当接する加圧部材45とを有し、前記フィルム部材と前記加圧部材との当接によって形成されるニップ部Nにおいて、一旦定着処理を施された被加熱材Pのトナー像担持面と前記フィルム部材を当接させて挟持搬送しながら加圧および加熱する加熱装置において、加熱装置のニップ部N内におけるフィルム部材41もしくは被加熱材Pの搬送スピードが長手中央部と比較して長手両端の方が速いことを特徴とする加熱装置。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられるトナー画像を定着または後処理する加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真装置等の画像形成装置は、高速化、高機能化、高画質化、カラー化が進められてきており、各種方式のプリンターが上市されている。
【0003】
プリンターの高速化という観点からは、異なる色画像を形成する複数の電子写真ユニットを直列に配置し、これらを同時に駆動する事によって画像形成を行うインライン方式の装置の開発が、また装置の電源オンやプリントコマンドを受信してからプリントが完了するまでのファーストプリントタイムの短縮という観点からは低熱容量のオンデマンド定着装置(定着器)の開発が進められており、これらを満足する装置では、高速でカラー画像の形成が可能であることからビジネスユースでの広い可能性を秘めている。
【0004】
高画質化という観点では、カラープリントにおいてはプリントの光沢度(以下グロス)が印字品質と大きな関係があり、高いグロスを実現することによって高級感のある、あざやかな色を実現することが可能となる。
【0005】
グロスはプリントの印字面のトナー像からの反射光量を表す指標であり、特に用紙からの正反射成分量と人間が感じる光沢感に高い相関がある。このことからトナー表面の微視的な形状が平滑であり、正反射成分量が多い条件において高いグロスを得ることができる。
【0006】
一般的にカラービジネス文書に対しては15以上のグロスを得ることが望ましく、写真画質を目的とする場合には50以上のグロスが得られることが望ましい。
【0007】
ビジネス文書に極端に高いグロスが望まれない理由は、トナー像のぎらつきが文字のてかりを生じて、書類が読みにくくなるという弊害があるためである。
【0008】
電子写真装置において、グロス値を決定するのはトナー自体の特性と定着装置の構成である。
【0009】
先に述べたように、オフィスで用いられる電子写真装置には高速性とオンデマンド性が益々要求されるようになっている。つまり、プリントやコピーボタンを押してからプリントが完了するまでのファーストプリント時間を短縮することはユーザビリティの改善には非常に大きな効果をもたらし、商品価値を大きくあげるものである。
【0010】
装置のオンデマンド性を決定する大きな要因としては、定着装置が定着可能な温度にまで達するまでのウオームアップ時間が大きな要因を閉めているため、近年は図4にその一例を示すように,薄肉の定着フィルム111を介し、ヒーター112を記録材(被加熱材、用紙)Pに押し当てて加熱するよう構成に代表される、低熱容量のフィルム定着装置を用いることが一般的である(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0011】
定着フィルム111は、例えば厚さ50μm程度の耐熱樹脂製のエンドレス(円筒状)フィルムを用い、その表面に厚さ10μm程度の離型性層(フッ素樹脂コーティング層など)を形成したものであり、フィルムガイドステー115にルーズに外嵌させてある。
【0012】
ヒーター112はセラミック基板上に抵抗発熱体を形成したものであり、フィルムガイドステー115の下面に固定支持させてある。抵抗発熱体に通電されることで迅速に昇温し、そのヒーター温度がヒーターに当接させた温度検知手段113により検知され、その検知温度に基づいて制御回路部(不図示)が給電回路(不図示)から抵抗発熱体への供給電力を制御することで、ヒーター112が所定の温度に温調される。
【0013】
114は弾性加圧ローラであり、上記ヒーター112に対して定着フィルム111を挟ませて圧接させて定着ニップ部を形成させてある。この加圧ローラ114は不図示の駆動手段により矢印の方向に回転駆動される。この加圧ローラ114の回転駆動により定着ニップ部において定着フィルム111に回転トルクが作用して定着フィルム111がヒーター112に密着して摺動しながらフィルムガイドステー115の外回りを従動回転する。
【0014】
加圧ローラ114が回転駆動され、これに伴い定着フィルム111が従動回転し、かつヒーター112の抵抗発熱体に通電がなされてヒーター112が所定の温度に立ち上がって温調された状態において、未定着トナー画像tを載せた記録材Pが入口ガイド116に案内されて定着ニップ部に導入され、定着ニップ部で挟持搬送される。その挟持搬送過程で未定着トナー画像tが定着フィルム111を介してヒーター112により加熱され、またニップ部圧で加圧されて記録材P上に固着画像として定着される。記録材Pは定着ニップ部を出て定着フィルム111の面から分離され、定着排紙ローラ117で排出搬送される。
【0015】
このような構成の定着装置では、定着フィルムの熱容量が非常に小さくなっているので、ヒーターに電力を投入した後、短時間で定着ニップ部をトナー画像の定着可能温度まで昇温させることが可能である。一方で、従来用いられてきたような剛性の高い熱ロールを用いた場合に可能であったように、定着装置として高い圧力を用紙とトナーにかけることは困難となっている。
【0016】
定着後のトナー表面を平滑にする手法としては、定着装置の加圧力、定着温度、定着スピードとトナーの特性を最適化する方法が有効である。
【0017】
トナーに対して、ゆっくりと温度をかけて高い圧力を印加すると、アイロン効果によって高い平滑性を得ることが可能である。
【0018】
トナーに関しては、溶融時の粘性が少なく流動性の高いものを使用することによって、定着後のグロスを高くコントロールすることが可能である。これは、定着ニップ内で流動性が高い方が定着装置で圧力をかけた時にすばやくトナー表面にアイロン効果を及ぼすことができるためである。
【0019】
一方で、トナーは現像器内でトリボ付与のために各種パーツと摺擦されることによって自己昇温して劣化を引き起こす。具体的には一成分接触現像方式を用いた場合、トナー供給ローラ、現像ローラ、OPC(感光体ドラム)は周速差を持って回転されるため、これらの摩擦熱によってトナー劣化が引き起こされるため、グロスを高くすることができる溶融しやすいトナーは、トナー劣化に起因する画像問題を発生させる可能性が高くなる。
【0020】
また、グロスを高くするために高い圧力をかけてゆっくりと定着させる手法はプリントの高速化と、高い定着温度については省エネルギー化と背反する要素であり、一方で先に述べたように熱ローラ定着装置を代表とする高い圧力を印加することができる定着装置は一般的に大型化する傾向があるため、熱容量の増加によって定着装置のオンデマンド性を損なうことが一般的である。
【0021】
また、溶融しやすいトナーに対して過大な圧力、温度をかけると、定着ニップ内でトナーの流動性が極端に低下して定着ローラに転移、付着して画像不良を引き起こす、いわゆるホットオフセットが発生しやすくなるという問題が生じる。特にグロスを向上させるための溶融しやすく設計されたトナーではこの挙動が強い。
【0022】
一般的に定着温度を上げると一般的にグロス値は上昇するが、ホットオフセットが発生しだすと一旦溶融したトナー層が定着ニップ出口において、記録材と定着ローラに泣き別れして分離することにより、トナー表層があれてしまい、逆にグロスが低下するという現象を引き起こすため、溶融しやすいトナーにおいては高グロスを実現できる定着温度とホットオフセットの両立が非常に困難であった。
【0023】
以上のように、従来では小型、省エネルギー、オンデマンド性を有する定着装置において高いグロスを実現すること、更に溶融しやすいトナーを用いながら安定した現像性を維持することは非常に困難であった。
【0024】
これら問題点は、これら従来の定着装置はいずれも記録材が定着ニップを通過した直後に記録材のトナー像面が定着ローラもしくは定着フィルム表面から剥離される。すなわち剥離時にはトナーは十分に冷え固まっておらず、その状態でトナー層の剥離界面は定着ローラ表面もしくは定着フィルム表面との間に発生する応力にさらされる。この結果、トナー層の剥離界面つまりトナー像表面は微視的な凹凸形状を持つこととなり、この凹凸によって白色光は乱反射してしまうので光沢度(グロス)が失われ、例えば銀塩写真のような超光沢画像を得ることは極めて困難であったことに起因している。また、トナーを溶融させて記録材に固着させるプロセスと、高グロスを実現するためにトナーを平滑化するプロセスを同じ定着ニップの中で実現することに起因する問題点であった。
【0025】
このような課題に対して、冷却分離方式により光沢画像を得ることが知られている(例えば、特許文献5〜8参照)。
【0026】
特許文献5では、記録シートにコーティングされた現像剤の作用により発色する無色染料もしくはトナー材料を用いて、記録材の染料・トナー像面側に光沢化シートを重ねてこれを加熱・加圧し、さらに光沢化シートおよび記録材を加熱・加圧時の温度に比べて20℃以上低い温度まで冷却した後に光沢化シートを剥離することで超光沢画像を得る手法が提案されており、これによれば、光沢化シートの表面平滑性により、トナー像表面が高度に平滑化されて光沢度が高くなり、超光沢画像を得ることが可能となるものである。
【0027】
特許文献6には、定着ベルト表面に記録媒体のトナー画像面を密着させて加熱定着させ、該記録媒体の定着ベルト表面からの剥離は剥離部分におけるトナー画像または記録媒体の温度がトナーのガラス転移温度Tg℃+20℃以下となるように調整して行うことが提案されており、これによれば、定着ベルトへのトナー付着力が低い状態で剥離できるため、剛性の小さい記録媒体でも良好に剥離でき、オフセットなく、記録媒体上に定着ベルトの表面性にならった光沢のある定着トナー画像を得ることが可能となるものである。
【0028】
特許文献7や8にも、定着ベルト表面に記録媒体のトナー画像面を密着させて加熱定着させ、該記録媒体の定着ベルト表面からの剥離は密着を保たせて十分な冷却後に行うことで、光沢のある定着トナー画像を得ることが開示されている。
【0029】
また、一旦トナーが乗った記録材を定着装置によって定着を行い、その後、別ユニットを用いてこの定着画像のトナー像面側にフィルムを重ねてこれを再度加熱・加圧し、その後にフィルムを剥離することで超光沢画像を得る手法が提案されている。これによれば、フィルムの表面平滑性により、トナー像表面が高度に平滑化されて光沢度が高くなり、超光沢画像を得ることが可能となるものである。
【特許文献1】
特開昭63−313182号公報
【特許文献2】
特開平2−157878号公報
【特許文献3】
特開平4−44075号公報
【特許文献4】
特開平4−204980号公報
【特許文献5】
特開昭64−35452号公報
【特許文献6】
特開2002−123089号公報
【特許文献7】
特開平5−249853号公報
【特許文献8】
特開平9−190099号公報
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような超光沢画像においては、グロスアップ処理過程において、フィルムと用紙の密着不良が発生した場合に、全体のグロスが低い場合には目立たなかったグロスムラが顕著に発生してしまい、画像欠陥となってしまうという問題点が存在していた。
【0031】
特に、この手法においては、フィルム自体にシワを発生させずに安定して搬送することに加えて、用紙とフィルムを完全に均一に重ね合わせて密着させ、加熱、加圧を行わなければならないという非常に技術的難易度の高い要求を満足させることが必要であった。
【0032】
そこで本発明の目的は、冷却分離方式で画像のグロスアップを行う加熱装置において、簡単な手段構成によりグロスムラによる画像不良を防止することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては、フィルム部材と、加熱部材と、前記フィルム部材を挟んで前記加熱部材に当接する加圧部材とを有し、前記フィルム部材と前記加圧部材との当接によって形成されるニップ部においてトナー像を担持した被加熱材(記録材、用紙)を前記トナー像が担持された面と前記フィルム部材が当接するように挟持搬送して加圧および加熱する加熱装置において、以下の▲1▼〜▲6▼の構成をとることを特徴とする。これによって、前記フィルム部材を安定して搬送しながらも、かつ被加熱材とフィルム部材の密着不良に起因するグロスムラ画像不良を防止することが可能となる。
【0034】
▲1▼.加熱部材と加圧部材が形成するニップ内で、被加熱部材と加熱部材の界面において長手方向の端部の搬送速度が中央部よりも速くなるように構成する。
【0035】
▲2▼.加熱部材にフィルム部材を供給する、もしくは加熱部材からフィルム部材を引き出す少なくとも一つのローラを逆クラウン形状とする。
【0036】
▲3▼.加熱部材に対して、フィルム部材を介して対向する加圧部材がローラ形状であり、この加圧部材が逆クラウン形状とする。
【0037】
▲4▼.被加熱部材の法線方向に対して、加熱部材の長手両端部の突き出し量が中央部よりも大きく構成する。
【0038】
▲5▼.フィルムの端部の厚みを中央部より大きくする。
【0039】
▲6▼.トナー像を形成するトナーが樹脂バインダー中にワックス類を含有させたワックス内包トナーとする。
【0040】
【発明の実施の形態】
〈第1の実施例〉
(1)画像形成装置例
図3は本実施の形態における画像形成装置例の概略構成図である。本例の画像形成装置は電子写真プロセス利用、インライン方式のフルカラー画像形成装置(レーザープリンターあるいは複写機)である。
【0041】
すなわち、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBkの各色用の、画像担持体として繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと記す)1Y・1M・1C・1Bk、2)1次帯電ローラ2Y・2M・2C・2Bk、3)現像器8Y・8M・8C・8Bk、4)クリーニングブレード9Y・9M・9C・9Bkを具備したクリーニング装置10Y・10M・10C・10Bk、をそれぞれ有する4つの独立したカートリッジ(カラーステーション)31Y、31M、31C、31Bkを縦一列に配置して、これらに静電転写ベルト14に吸着させた用紙を搬送して転写を行う事によってフルカラー画像を得る構成となっている。
【0042】
各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkは矢示の反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。感光体ドラムは直径30mmの負帯電OPC感光体であり、本実施例の画像形成装置のプロセススピードは94mm/secである。
【0043】
各感光体ドラムは回転過程で、1次帯電ローラ2Y、2M、2C、2Bkにより所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで画像露光手段11Y、11M、11C、11Bk(レーザダイオード、ポリゴンスキャナー、レンズ群、等によって構成される)による画像露光を受けることによりそれぞれ目的のカラー画像の色成分像(例えばイエロー、マゼンダ、シアン、ブラック成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0044】
帯電装置は−1.2kvのDC電圧を印加した実抵抗1e6Ωのローラを、感光体ドラムに総圧9.8Nで従動当接させて帯電を行うDC接触帯電方式であり、感光体ドラム表面は−600Vに帯電される。
【0045】
また、本実施例で用いた画像露光手段はレーザダイオードを用いたポリゴンスキャナーであり、画像信号により変調されたレーザビームを感光体ドラム上に結像し、静電潜像を形成する。
【0046】
レーザ露光の書き出しは、主走査方向(記録材の進行と直交方向)では各走査ライン毎にBDと呼ばれるポリゴンスキャナー内の位置信号から、副走査方向(記録材の進行方向)は記録材搬送路内のスイッチを起点とするTOP信号から、所定の時間遅延させて行う事によって、各色ステーションでは常に記録材上の同じ位置に露光を行える構成となっている。
【0047】
次いで、静電潜像はそれぞれのステーションの現像器8Y、8M、8C、8Bkにより現像される。トナーは磁性体を含まないいわゆるノンマグトナーであり、非接触一成分ジャンピング現像方式によって現像される。現像器は、感光体ドラムに対して250μmの距離を持って対向した直径16mmのアルミニウム製の現像スリーブに対して金属薄板にナイロンコートを施した現像ブレードでトナーをコートし、感光体ドラムと等速で回転駆動される現像スリーブに周波数1kHz、ピーク間電圧1600vの矩形波を印加して感光体ドラムとの間でトナーを飛翔させて現像を行う。
【0048】
トナーは重合方式によって製造された二層構造の球状トナーであり、中心部のワックスの周りをシェルと呼ばれる樹脂バインダー層が取り囲んでいる。製造時の架橋条件を最適化することによって、溶融時のMI値は30と高くコントロールしている。
【0049】
MI値はJIS法で規定されている測定方法において、測定温度135℃、加重19.6N(2kg)にて試験した値を記載している。
【0050】
このように高いMI値を有するトナーを使用することによって、高いグロス値を実現することが可能になる。
【0051】
14は記録材担持搬送体としての静電吸着搬送ベルト(以下、転写ベルトと記す)であり、駆動ローラ23、吸着対向ローラ22、テンションローラ13a、13bに懸回張設してあり、矢示方向に感光体ドラムと同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0052】
転写ベルトは1e11Ωcmに抵抗調整された厚み100μmのPVDFの単層樹脂ベルトであり、背面両側に接着されたリブによってベルトの蛇行や、寄りを規制する構成となっている。
【0053】
転写部材としては体積抵抗率1e7Ωcmに調整した高圧印加可能のエピクロルヒドリンゴムの転写ローラ4Y、4M、4C、4Bkを用いており、転写ベルト14の背面から感光体ドラムのニップ部に当接している。
【0054】
記録材Pは、給紙カセット15から給紙ローラ17、18によって画像形成装置内に送り出されると、まず、画像形成動作と同期をとりながら用紙Pを搬送するローラ状の同期回転体、即ち、搬送(レジスト)ローラ19a、及び搬送(レジスト)対向ローラ19bに一旦挟持された後、記録材Pと搬送ベルト14との吸着がおこなわれる帯電部に導かれる。
【0055】
帯電部では、例えば帯電部材としての吸着ローラ20が転写ベルト14を介して吸着対向ローラ22と対向し、転写ベルト14及び記録材Pを挟持するよう構成されている。吸着ローラ20には高電圧源である吸着バイアス電源32Aより電圧が印加されることによって、記録材Pに電荷が付与される。電荷を付与された記録材Pは、転写ベルト14を分極し、それによって転写ベルト14に静電吸着される。
【0056】
本実施例では、プリンターは接地面積を最小化するためや、カートリッジ交換やジャム処理の為に前扉のみの開閉で所望の目的が達成できるようにカートリッジを縦に配置して、転写ベルト14とカートリッジの間で本体を分割する構成となっている。
【0057】
上記構成から、記録材Pは重力に逆らって上方に搬送されるため、記録材Pと転写ベルト14が十分に吸着している事が必要である。
【0058】
記録材Pと転写ベルト14の接触点付近にはバイアスを印加した吸着ローラ20が設けられており、画像形成中は高圧電源32Aから+1KVの電圧を印加して紙に電荷を与える事によって吸着搬送力を発生させている。
【0059】
吸着ローラ20はEPDMゴムに抵抗調整のためにカーボンブラックを分散させた直径12mmのソリッドゴムローラであり、芯金に吸着用の高圧バイアスを印加できるような構成となっている。吸着ローラ20の抵抗値は幅1cmの金属箔をローラ外周に巻き付け、芯金との間に500vの電圧を印加した時の抵抗値を1e6Ωに調整してある。
【0060】
給紙カセット15から給紙され、レジストローラ19、吸着ローラ20を通過して転写ベルト14との間に吸着力を得た記録材Pは、第一色目の転写ステーションにはいる。転写部は、転写ベルト背面に設けた転写ローラによって第一色目の感光体ドラムからのトナー像を転写される。転写ローラに印加されるバイアスは、通紙中に吸着ローラに流れる電流から算出された転写ベルトや記録材のインピーダンスから計算され、通常環境の片面プリントでは各ステーション共に約+1.5kvのDCバイアスが高圧電源32Y、32M、32C、32Bkから印加される。
【0061】
以下、各カラーステーションを通過するごとに、感光体ドラムから異なる各色のトナー像を転写されてフルカラー画像を作られる。
【0062】
全色の転写が終了し、転写ベルト14の後端から曲率によって分離された記録材Pは、第1の加熱装置としての定着装置21に導入されて未定着のカラートナー画像が加熱・加圧定着されて永久画像となる。
【0063】
上記の定着装置21で画像定着を受けて該定着装置21を出た記録材Pは、次いで、ガイド板48に案内されて、定着装置21のプロセス方向下流側に配設した第2の加熱装置としての後処理装置(グロスアップユニット)Fへと搬送され、この後処理装置Fで画像の超光沢化処理を受けて排紙部49に排紙される。図1は上記の定着装置21と後処理装置Fの部分の拡大模型図である。
【0064】
(2)定着装置21
第1の加熱装置としての定着装置21は、熱ローラ定着装置やフィルム定着装置など従来公知の適宜の加熱定着装置を用いることができる。
【0065】
本例では低熱容量のオンデマンド装置であるフィルム定着装置である。22は定着フィルムアセンブリ、23は加圧部材としての弾性加圧ローラである。定着フィルムアセンブリ22は、フィルムガイドステー24、該ステー24に固定支持させたセラミックヒーター等の加熱体25、該ヒーターを固定支持させたステー24にルーズに外嵌させた円筒状の耐熱性薄肉定着フィルム26等よりなり、加熱体25側を上向きにして配設してある。弾性加圧ロ―ラ23は上記の定着フィルムアセンブリ22の上側に定着フィルムアセンブリ22に並行に配列して定着フィルム26を挟んで加熱体25に対して加圧ロ―ラ23の弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて所定幅の定着ニップ部を形成させてある。
【0066】
加熱体25は給電回路(不図示)からの給電により迅速に昇温し、その加熱体温度が温度検知手段(不図示)により検知され、その検知温度に基づいて制御回路部(不図示)が給電回路から加熱体25への供給電力を制御することで、加熱体25が所定の温度に温調される。
【0067】
加圧ローラ23は駆動手段(不図示)により矢印の方向に回転駆動される。この加圧ローラ23の回転駆動により定着ニップ部において定着フィルム26に回転トルクが作用して定着フィルム26が加熱体25に密着して摺動しながらフィルムガイドステー24の外回りを従動回転する。
【0068】
加圧ローラ23が回転駆動され、これに伴い定着フィルム26が従動回転し、かつ加熱体25に通電がなされて加熱体25が所定の温度に立ち上がって温調された状態において、未定着トナー画像を載せた記録材Pがトナー画像面下向きで定着ニップ部に導入され、定着ニップ部で挟持搬送される。その挟持搬送過程で未定着トナー画像が定着フィルム26を介して加熱体25により加熱され、またニップ部圧で加圧されて記録材P上に固着画像として定着される。記録材Pは定着ニップ部を出て定着フィルム26の面から分離され、ガイド板48に案内されて次の第2の加熱装置としての後処理装置Fへと搬送される。
【0069】
(3)後処理装置(グロスアップユニット)F
上記(2)項の第1の加熱装置としての定着装置21で加熱定着されたトナー画像は、前述したように、光沢度(グロス)が低い。第2の加熱装置としての後処理装置Fはその低グロスのトナー画像の超光沢化処理をするものである。
【0070】
図1の後処理装置Fを第1の実施例の後処理装置とする。41はフィルム部材としての光沢化フィルムであり、本実施例装置ではエンドレスベルト型の耐熱性フィルム(以下、ベルトと記す)である。このベルト41は駆動ローラ43、従動ローラ44の2部材間に懸回張設してあり、ローラ43・44による駆動とテンションにより矢示の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)をもって回動駆動される。また、ベルト内面には加熱部材としての低熱容量線状加熱体(発熱ヒータ)42が設置されている。
【0071】
45は加熱体42の上面にベルト41を挟ませて圧接させた加圧部材としての圧接ローラであり、ベルト41を挾んだ加熱体42と圧接ローラ45との圧接ニップ部が加熱部Nである。
【0072】
ベルト41は一例として厚み20μmの耐熱フィルム、例えばポリイミド・ポリエーテルイミド・PES・PFA等の耐熱フィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE・PAF等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型層を10μmコートしたものである。また、必要に応じて加熱体当接面側には加熱体との摺動性を確保する目的でポリイミド・ポリエーテルイミドやフッ素樹脂・シリコン樹脂等の摺動層を0.1から10μmの範囲で設けてもよい。該ベルトは一般的には総厚100μm、より好ましくは40μm未満のものである。
【0073】
低熱容量線状加熱体42は不図示の支持部材を介して装置に固定支持させてあり、一例として厚み1.0mm・巾10mm・長さ240mmのアルミナ基板に抵抗材料(通電発熱体)を巾1.0mmに塗工したもので、その抵抗材料に長手方向両端より通電される。通電はDC100Vの周期20msecのパルス状波形で検温素子(サーミスタ)42aの抵抗値変化に基づきコントロールされた所望の温度・エネルギー放出量に応じたパルスをそのパルス巾を変化させて与える。略パルス巾は0.5msec〜5msecとなる。この様に加熱体42はエネルギー・温度制御される。本実施形態における加熱体温度は180℃一定となるように制御した。
【0074】
圧接ローラ45はシリコンゴム等の離型性の良いゴム弾性層を有するローラであり、総圧40〜70Nでベルト41を挟んで加熱体42を圧接し該ベルト41と圧接回転(従動回転)する。本実施例では外径10mmの芯金に厚さ5mmのシリコンゴムを巻き付け、更に厚さ30μmのPFAチューブを最外層に設けたものを用いた。
【0075】
定着装置21のプロセス方向下流A側から後処理装置Fへ搬送された、下面に定着済画像(トナー画像)を担持した記録材Pはガイド板48に案内されて加熱部Nのベルト41と圧接ローラ45との間に進入して、画像担持面がベルト41の上面に密着して該ベルト41と一緒に加熱部Nを通過していく。この通過過程でトナー像表面は加熱体42の熱エネルギーをベルト41を介して受けて加熱溶融もしくは軟化される。圧接ローラ45は記録材Pを背面から押圧して記録材Pの画像担持面をベルト41を介して加熱体42に圧接させて熱接触を高めるとともに、ローラ自身の蓄熱により記録材背面側から加熱する作用も有している。
【0076】
加熱部Nを通過した記録材Pはベルト41の面に密着したまま該ベルト41の回動と一緒に搬送されて分離部Bとしての従動ローラ44の位置へ至り、このローラ44の位置でベルト41がローラ44に沿って進路転向することで該ベルト41と記録材Pとは曲率分離する。ベルト41から分離した記録材Pは排紙部49へ送られる。
【0077】
上記の加熱部Nと分離部Bとの間のベルト・記録材移動パス部をベルト・記録材冷却部として、加熱部Nを通過した互いに密着しているベルト41と記録材Pとが自然冷却される。
【0078】
あるいは該冷却部に送風冷却手段等(不図示)を配設して強制冷却を行ったり、ベルト41あるいは記録材Pが所定の温度まで冷却されるのに充分な時間を確保するために制御回路部のプログラミングでベルト41あるいは記録材Pの搬送速度を減速あるいは停止させるなどの制御を行ってもよい。
【0079】
そして、分離部Bへ至るまでにベルト41の温度がトナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下に冷却され、分離部Bにおいてオフセットなしに記録材Pとベルト41との分離がなされる。
【0080】
これによってトナー像表面はベルト41表面の平滑性が維持されるので、銀塩写真のような超光沢を有する高画質で安定した印刷画像を得ることができる。
【0081】
本発明においては、グロス値は日本電飾(株)製のグロスメーターPG−3Dを使用し、用紙面の鉛直方向に対して75度の入出力角度において測定した、いわゆる75度測定値でグロス値を定義するが、本実施例の光沢処理を行った後の画像のグロスは70以上という非常に高い値を実現することができた。
【0082】
測定パターンとしては、用紙上に0.6g/mの載り量でシアン色のベタ画像を印刷したものを用いた。
【0083】
なお、ビジネス文書等においては画像に光沢感を付与すると文字のギラツキによって視認性が低下してしまう。このため一般的にはビジネス文書に対しては低グロスが求められるが、このような場合には、モード切り換え操作に連携させて後処理装置Fのヒーター42への通電を停止させればよい。これによって、定着装置21から後処理装置Fに搬送された低グロス画像の記録材Pは後処理装置Fの加熱部Nでのトナー表面の溶融あるいは軟化は抑えられ、定着装置21から排出されたままの低グロス画像が維持されて、排紙部49に排紙される。
【0084】
本実施例において使用されるトナーとしては樹脂バインダー中にワックス類を含有させたワックス内包トナーを用いることがより好ましい。これにより記録材Pが分離部Bでベルト41から曲率分離される際にトナー面のベルト41に対する離型性が大幅に上昇し、分離不良に起因したグロスムラや剥離音、あるいは記録材Pの巻き付きなどが防止でき、より安定した分離を行うことが可能となる。
【0085】
ワックス内包トナーを用いる場合にはベルト・記録材冷却部にてトナーのワックス類成分の凝固温度以下にまでベルト41の温度を低下させてから分離部Bにて分離させることが望ましい。これにより、少なくともトナー像表面近傍のワックス類は結晶化が阻害されてアモルファス状のまま固化して透明性を維持するため、得られた印刷画像は超光沢を有する画像となる。
【0086】
ワックス類成分の凝固温度以上、すなわちワックス類が固化する前にトナー面からベルト1が剥離されると該ワックス類のうち少なくともトナー像表面近傍のものは結晶化して粒界を生じてしまう。この結果、粒界において光の散乱が生じてしまい、上述アモルファス状の場合と比較すると光沢性が損なわれる結果となってしまう。
【0087】
上記述べた第2の加熱装置としての後処理装置(グロスアップユニット)Fを用いて超高グロス処理を行う場合に、記録材Pとベルト41の密着不良に起因する画像不良が発生することがある。
【0088】
本手法におけるグロス処理は、トナー面をベルト41の表面性を転写しながら冷却固定させるものであるため、処理を行わない場合のグロス値である約15と、処理を行った場合のグロス70の差は非常に大きい。
【0089】
一方で、記録材P上のトナー面とベルト41の密着不良部が存在すると、非常に高いグロスの領域の中に、部分的にグロスが低い領域ができてしまい、そのグロスの差の大きさゆえに非常に目に付きやすい画像欠陥となってしまう。
【0090】
このような問題は、加熱ニップNにベルト41と記録材Pが搬送される時点で、ベルト41にシワが寄っていることに起因することが多い。図1に示されるように、ベルト41は一般的に加熱部Nの前後に配置される二つのローラ43と44に張架されて搬送されるが、ベルト41を安定して搬送させるためにはテンションを強くとることが一般的であり、これによる引っ張りシワが加熱ニップN内部にまで及び、記録材Pとの間の密着不良を引き起こす。
【0091】
冷却分離においては、加熱ニップN内での密着不良のみならず加熱ニップNを出た後でも密着不良が発生してしまうと、トナーの冷えムラによってグロス差が発生してしまうため、加熱体と被加熱が完全にトナーのワックスの凝固点以下の温度にまで冷えて、ユニットによって強制的に分離されるまで、両者は良い密着状態を保たなければならないため、通常のベルト搬送と比較にならない特性が要求される。
【0092】
また、高いテンションや高い温度をかけて回転を続けることによって、ベルト41自体が部分的に伸び(クリープ)たり変形してしまい、ベルト41の形状自体にシワがはいってしまうことがある。
【0093】
このような状況下においても、記録材Pとベルト41を密着性良く接触させて加熱ニップ部Nに導入するためには、ベルト41自体を両端にひっぱりながら搬送することが有効である。
【0094】
具体的には、加熱ニップNにベルト41を供給するローラ43、もしくは加熱ニップNからベルト41を引き出すローラ44の少なくとも一方を逆クラウン形状とすることによって、ベルト41の引っ張りシワの影響がニップN内に及ばないように、また仮にクリープ等で変形してしまったベルト41に対しても両端部方向(ベルト搬送方向に直交方向、ベルト幅方向)に張力を与えながら搬送することによって、ベルト41のシワが画像に悪影響を及ぼさないようにすることができる。
【0095】
本実施例では、図1に示す第2の加熱装置としての後処理装置(グロスアップユニット)Fにおいて、外径20mmのニップ上流側の張架ローラ43に200μmの逆クラウン量を付与した。
【0096】
張架ローラ43は18mmの芯金に厚さ1mmのEPDMゴム層を形成し、これを図5に示す逆クラウン形状に研磨し、所望の形状を得たものである。すなわち、平均外径が20.0になるように端部外径が20.1、中央外径が19.9になるように構成した。
【0097】
本実施例で上流側の張架ローラ43に逆クラウン形状を設けたのは、加熱ユニットに近い張架ローラ43に対策を施した方が、ニップN内のベルトシワに対しての高い効果を見込めるためであるが、下流側の張架ローラ44に同様の処理を施しても一定の効果を上げることが可能である。また、ローラ表面にゴム層を設けることによって、ベルト41の内面とローラの摩擦係数を高くし、ベルト両端の搬送速度を中央部に対して早くする効果を高められるため、少ない逆クラウン量でより高いシワ防止効果を期待することが可能である。
【0098】
以上述べたように、本実施例ではベルトタイプのグロスアップユニットにおいて、ベルト41の張架ローラ43又は/及び44を逆クラウン形状にすることによって、冷却分離で顕著に発生するベルト41のシワに起因するグロスムラ画像不良に大きな対策効果を得ることができるようになった。
【0099】
〈第2の実施例〉
本実施例では、定着画像と光沢フィルムを対向させてグロスアップユニット内を通過させて再度加熱させ、冷却後に両者を分離させることによって光沢フィルムの平滑な表面性をトナー像に転写してグロスアップ処理を行うユニットにおいて、加熱ユニットの加圧部材もしくは加熱部材に逆クラウン形状をもたせることによって、密着不良によるグロスムラ画像不良を防止することを特徴とする。
【0100】
図2は本発明の他の実施形態例における加熱装置としての後処理装置Fの概略構成を示す横断側面図である。
【0101】
図2において、第1の加熱装置としての定着装置21は図1の装置と同じフィルム定着装置であるので再度の説明は省略する。第2の加熱装置としての後処理装置(グロスアップユニット)Fにおいて、51はフィルム部材としての光沢化フィルムである。この光沢化フィルム51は長尺の耐熱性リボン(以下、リボンと記す)であり、供給コア60に巻き取られたフィルムロール形態となっている。供給コア60から巻き出されたリボン51はガイドローラ56、加熱部材としての低熱容量線状加熱体(発熱ヒータ)52、従動ローラ54の3部材に張設された後、巻き取りコア61で巻き取られる。
【0102】
低熱容量線状加熱体52と対向する位置には加圧部材としての加圧ローラ53が設置されていて、この加圧ローラ53はシリコンゴム等の離型性の良いゴム弾性層を有しており、リボン51を挟んだ加熱体52と加圧ローラ53との圧接ニップ部が加熱部Nとなる。
【0103】
供給コア60・巻き取りコア61のトルクはリボン51が一定の張力をもって保持されるように調整されており、駆動ローラ53による駆動によって矢示の時計方向に所定のプロセススピードをもってシワやたるみを生じることなくなく駆動される。
【0104】
シワやたるみを生じさせないためには、第1の実施例で述べたように駆動ローラや従動ローラに逆クラウン形状をもたせることが有効である。
【0105】
逆クラウン形状を加圧ローラに持たせた場合、ローラによって搬送される被加熱部材は、ローラ外径が大きい端部の送り速度(周速)が中央部に比べて大きくなるため、非加熱部材が両端部に向かって引き伸ばされるような力を作用される。このスラスト力によって被加熱部材もしくはフィルムを両端部に引っ張って、シワを引き伸ばすような効果を期待することができる。
【0106】
リボン51は一例として厚み6μmの耐熱フィルム、例えばポリイミド・ポリエーテルイミド・PES・PFA・PET等の耐熱フィルムを用いることができる。また、必要に応じて加熱体当接面側には加熱体との摺動性を確保する目的でポリイミド・ポリエーテルイミドやフッ素樹脂・シリコン樹脂等の摺動層を0.1から10μmの範囲で設けてもよい。該リボンは一般的には総厚50μm、より好ましくは20μm未満のものである。
【0107】
低熱容量線状加熱体52として第一実施例と同様のものを用いることができ、総圧40〜70Nでリボン51を挟んで駆動ローラ53に圧接されている。本実施例においては、加熱体温度は130℃一定となるように温調制御した。52aは加熱体52に設けた温調用の検温素子(サーミスタ)である。
【0108】
定着装置21のプロセス方向下流A側から後処理装置Fへ搬送された、下面に定着済画像(トナー画像)を担持した記録材Pはガイド板58に案内されて加熱部Nのリボン51と駆動ローラ53との間に進入して、供給コア60から供給されたリボン51の上面に画像担持面が密着してリボン51と一緒に加熱部Nを通過していく。この通過過程でトナー像表面は加熱体52の熱エネルギーをリボン51を介して受けて加熱溶融もしくは軟化される。駆動ローラ53は記録材Pを背面から押圧して記録材Pの画像担持面をリボン51を介して加熱体52に圧接させて熱接触を高めるとともに、ローラ自身の蓄熱により記録材背面側から加熱する作用も有している。
【0109】
加熱部Nを通過した記録材Pはリボン51の上面に密着したままリボン51と一緒に搬送されて分離部Bとしての従動ローラ54の位置へ至り、このローラ54の位置でリボン51がローラ54に沿って進路転向することで該ローラ54と記録材Pとは曲率分離する。ローラ54から分離した記録材Pは排紙部59へ送られる。一方、分離したリボン51は巻き取りコア61に巻き取られる。
【0110】
第1の実施例と同様に、加熱部Nと分離部Bとの間のリボン・記録材移動パス部をリボン・記録材冷却部として、加熱部Nを通過した互いに密着しているリボン51と記録材Pとが自然冷却される。該冷却部に送風冷却手段57等を配設して強制冷却を行なってもよい。
【0111】
そして分離部Bへ至るまでにリボン51の温度がトナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下もしくはワックス類成分の凝固温度以下に冷却され、分離部Bにおいてオフセットなしに記録材Pとベルト1との分離がなされる。これによってトナー像表面はリボン表面の平滑性が維持されるので、銀塩写真のような超光沢を有する高画質で安定した印刷画像を得ることができる。
【0112】
本実施例においては、リボン・記録材冷却部におけるリボン51の温度を検知するための手段として検温素子(サーミスタ)62をリボン51の記録材Pと対向する面に設けた。これによって検温素子62の抵抗値変化に基づいてリボン51の温度がトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下、あるいはワックス類成分の凝固温度以下であるか否かを判別することが可能となる。
【0113】
リボン・記録材冷却部にリボン51と記録材Pが搬送されると、検温素子62の抵抗値変化は温度信号としてコントローラ部(不図示)に取り込まれる。コントローラ部ではこの温度信号が予め設定された温度(例えばトナーのワックス類成分の凝固温度)よりも高い場合には駆動ローラ53の駆動および加熱体52への通電を停止させるとともに、送風冷却手段57を稼動させて強制冷却を行う。温度信号が設定された温度以下となった時点で送風冷却手段57を停止させて駆動ローラ53の駆動を再開させ、リボン51・記録材Pは分離部Bへと搬送される。
【0114】
なお、上記の検温素子62・送風冷却手段57による冷却部におけるフィルム部材の温度検知と走行制御・強制冷却制御は第1の実施例の後処理装置Fの制御にも適用できる。
【0115】
本実施例では、加熱部材52、もしくは加圧ローラ53の形状に工夫を加えることによって、リボン51と記録材Pに対して長手両端部方向(搬送方向に直交方向、リボン幅方向)へのスラスト力を付与することにより、両者51・Pの密着不良に起因するグロスムラを防止する。
【0116】
スラスト力によって、リボン51と記録材Pの界面では長手方向両端部に向かって微小なズレが生じ、この力が両者の間の空気層を押しつぶしたり、シワを伸ばすことによって密着不良を防止することが可能である。
【0117】
以下に具体的な例を示す。
【0118】
図2に示す第2の加熱装置としての後処理装置(グロスアップユニット)Fにおいて、加圧ローラ53を逆クラウン形状として実験を行った。
【0119】
本実施例では、直径14mmの芯金に3mmのシリコーンゴム層を成型し、これに研磨を行って200μmの逆クラウン量をつけ、さらにこの上に厚さ50μmのPFAチューブを被覆した直径約20mmの部材を加圧ローラとして用いた。また、ゴム層に研磨を行わないで製造したストレート形状のローラも比較例として同様に作成した。
【0120】
この加圧ローラを図2に示す後処理装置Fに装着してプリントを行った。
【0121】
本実施例では、第1の実施例で用いたベルト41ではなく、リボン51として厚み5μmと非常に薄いフィルムを用いたためフィルム自体にシワがよりやすく、比較例として用いたストレート形状の加圧ローラでプリントを行ったところ非加熱体である記録材Pとフィルム51の微視的な密着不良によって、画像上に放射状のグロスムラ画像不良が激しく発生した。これは、記録材Pとフィルム51が密着する際に、両者が等速で重ねあわされたために、フィルム51のシワがそのまま記録材P上のトナー像をおしつぶしてしまった結果である。
【0122】
これに対して、本実施例の構成である逆クラウン形状の加圧ローラ53を用いたところ、グロスムラ画像不良は発生しなかった。これは、若干シワがよったフィルム51と非加熱体である記録材PがニップN内で重ねあわされても、加圧ローラ53の逆クラウン形状によって、ニップN内では記録材Pを長手両端方向に引っ張る力が働き、これが両者の間に存在していたシワを引き伸ばしたための効果である。
【0123】
つまり、ニップN内でフィルム51もしくは記録材Pを長手両端方向に引き伸ばす力を働かせることによって、グロスムラ画像不良を防止することができるのである。
【0124】
このようなスラスト力を発生させる手段としては、先に述べたように加圧ローラ53の外径を逆クラウン形状にする他、図6に示すように加熱体112側の記録材Pに対する長手両端部の突き出し量を中央部よりも大きくする方法や、フィルム51自体の端部の厚みを中央より大きくする手法が効果的である。
【0125】
どの手法においても、長手端部の記録材Pの周速を中央部と比較して早くすることによって、記録材Pもしくはフィルム51のスラスト方向への引き伸ばし力を発生させ、フィルム51と記録材Pの界面においてシェアをかけることによってシワや密着の不均一さを解消するものである。
【0126】
また一方で、図6に示すように加熱対ユニットを図2の装置に取り付けることによって同様の効果を得ることも可能である。具体的には加熱体であるセラミックヒーター52がとりつけられているプラスチックホルダーを115の形状に最適化して、記録材Pに対する長手端部の突き出し量が中央部に比べて200μm大きくなるように構成したり、その他の実現手段としては端部の膜厚が中央より2μm厚いようなフィルムを用いることによって、グロスムラ画像不良を防止することができた。113はヒーター112に当接させた温調用の温度検知手段、114は加圧ローラである。
【0127】
なお、一般的に定着装置では、加圧ローラや加熱部材に逆クラウン形状を付与する手法が用いられることがあるが、これらは記録材のシワを防止する目的で行われるものであり、リボン(を含む被加熱体)と記録材の間にズレ応力を設けて両者の密着不良を防止するという本発明の主旨とは全く異なるものである。
【0128】
また、一般的な定着装置では、定着部材と記録材と加圧部材という三つの部材の構成要素の間で記録材を挟み込んで搬送する構成であるが、本実施例では、定着部材52と被加熱体と記録材と加圧部材という四つの構成で実現されるものであり、実現手段としても異なるものである。
【0129】
以上説明した実施例・実験例は本発明の実施形態例を示したものであり、本発明の内容はこれらに限定されるものではない。
【0130】
例えば、本実施例では本願発明の加熱装置を後処理装置、すなわち未定着画像を定着する定着装置21のプロセス方向下流側に設けて定着済みのトナー像を後処理する装置として説明した。しかし、本願発明の加熱装置は未定着画像を定着させる機能も本質的に有していることは言うまでもなく、従来の定着装置の代替として機能させることも可能である。この場合においても高光沢画像を得るための具体的手段は前述実施例にて述べたのと同様の手法にて達成することが可能である。
【0131】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、冷却分離方式で画像のグロスアップを行う加熱装置において、フィルム部材と画像を担持した被加熱材(記録材)の密着不良に起因するグロスムラ画像不良を簡単な手段構成により発生させること無く、超光沢画像を安定して供給することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例のグロスアップユニットの概略図
【図2】第2の実施例のグロスアップユニットの概略図
【図3】第1の実施例の電子写真装置の概略図
【図4】従来例の定着装置(フィルム定着装置)の概略図
【図5】第2の実施例で用いた加圧ローラの逆クラウン形状を表す図
【図6】第2の実施例の加熱部材の形状を表す図
【符号の説明】
1は感光体、2は帯電ローラ、4は転写ローラ、8は現像装置、9はクリーニングブレード、10はクリーニングユニット、11はレーザスキャナ、13は転写ベルトの張架ローラ、14は転写ベルト、15は給紙カセット、17・18は搬送ローラ、19はレジストローラ、21は定着スリーブ、32は高圧電源、22は転写ベルトの従動ローラ、23は転写ベルトの駆動ローラ、41は(グロスアップ)ベルト、42はヒーター、43・44は張架ローラ、45は加圧ローラ、49は排紙部、50はリボン供給ローラ、51は(グロスアップ)フィルム、52はヒーター、53は加圧ローラ、54は(巻き取り)張架ローラ、56は(供給)張架ローラ、57は冷却装置、58は用紙、59は排紙部、61はリボン巻き取りローラ、111は定着スリーブ、112はセラミックヒーター、113はサーミスタ、114は加圧ローラ、115はプラスチックステー

Claims (6)

  1. フィルム部材と、加熱部材と、前記フィルム部材を挟んで前記加熱部材に当接する加圧部材とを有し、前記フィルム部材と前記加圧部材との当接によって形成されるニップ部において、一旦定着処理を施された被加熱材のトナー像担持面と前記フィルム部材を当接させて挟持搬送しながら加圧および加熱する加熱装置において、加熱装置のニップ部内におけるフィルム部材もしくは被加熱材の搬送スピードがフィルム部材もしくは被加熱材の搬送方向に交差方向の中央部と比較して両端の方が速いことを特徴とする加熱装置。
  2. フィルム部材と、加熱部材と、前記フィルム部材を挟んで前記加熱部材に当接する加圧部材とを有し、前記フィルム部材と前記加圧部材との当接によって形成されるニップ部において、一旦定着処理を施された被加熱材のトナー像担持面と前記フィルム部材を当接させて挟持搬送しながら加圧および加熱する加熱装置において、加熱部材にフィルム部材を供給する、もしくは加熱部材からフィルム部材を引き出す少なくとも一つのローラが逆クラウン形状をしていることを特徴とする加熱装置。
  3. 加熱部材に対してフィルム部材を介して対向する加圧部材がローラ形状であり、この加圧部材が逆クラウン形状をしていることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
  4. 被加熱部材の法線方向に対して、加熱部材の長手両端部の突き出し量が中央部よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
  5. フィルムの端部の厚みが中央よりも厚いことを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
  6. 前記トナー像を形成するトナーが樹脂バインダー中にワックス類を含有させたワックス内包トナーであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の加熱装置。
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