【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネルに関し、さらに詳しくは、鮮鋭性が良好で画像のムラがなく、かつ耐久性の高い放射線画像変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
X線画像で代表される放射線画像は、病気診断用など多方面にわたり用いられている。このX線画像を得る方法としては、被写体を通過した放射線を、蛍光体層(蛍光スクリーンともいう)に照射し、蛍光体層で発生した可視光を、ハロゲン化銀写真感光材料(以下、感光材料ともいう)等に照射し、その後の現像処理を施して可視画像を得る、いわゆる放射線写真方式が主に利用されている。しかしながら、近年では、ハロゲン化銀塩を有する感光材料による画像形成方法に代わり、蛍光体層から直接画像を取り出す新たな方法が提案されている。
【0003】
上記方法としては、被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を、例えば光または熱エネルギーで励起することにより、この蛍光体がX線の吸収により蓄積した放射線エネルギーを蛍光として放射し、この蛍光を検出し、画像化する方法である。具体的には、例えば、米国特許第3,859,527号及び特開昭55−12144号公報などに記載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換方法である。
【0004】
この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線画像変換パネルを利用するもので、詳しくは、この放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層に、被写体を透過した放射線を当て、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを蓄積させ、その後、輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱による信号を、例えば光電変換した電気信号として取り出し、この信号を感光材料などの既存の画像記録材料、或いはCRTなどに代表される画像表示装置上に可視像として再生する方法である。
【0005】
上記の放射線画像記録の再生方法は、従来の放射線用感光材料と増感紙とを組み合わせて用いる放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点がある。
【0006】
この技術に用いられる輝尽性蛍光体層の表面(支持体に面していない側の表面)には、通常、保護層が設けられており、蛍光体層を化学的な変質或いは物理的な衝撃から保護している。この保護層としては、セルロース誘導体やポリメチルメタクリレートの如き透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、或いはポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートのような有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護膜形成用シートないしはフィルムを別に製作して、これを蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、或いは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが知られている。
【0007】
このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。従来より放射線画像変換パネルに用いられてきた輝尽性蛍光体の例としては、例えば、特開昭55−12145号、同55−160078号、同56−74175号、同56−116777号、同57−23673号、同57−23675号、同58−206678号、同59−27289号、同59−27980号、同59−56479号、同59−56480号等に記載の希土類元素賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体;特開昭59−75200号、同60−84381号、同60−106752号、同60−166379号、同60−221483号、同60−228592号、同60−228593号、同61−23679号、同61−120882号、同61−120883号、同61−120885号、同61−235486号、同61−235487号等に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体;特開昭59−12144号に記載の希土類元素賦活オキシハライド蛍光体;特開昭58−69281号に記載のセリウム賦活3価金属オキシハライド蛍光体;特開昭60−70484号に記載のビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体;特開昭60−141783号、同60−157100号に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロ燐酸塩蛍光体;特開昭60−157099号に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロ硼酸塩蛍光体;特開昭60−217354号に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属水素化ハロゲン化物蛍光体;特開昭61−21173号、同61−21182号に記載のセリウム賦活希土類複合ハロゲン化物蛍光体;特開昭61−40390号に記載のセリウム賦活希土類ハロ燐酸塩蛍光体;特開昭60−78151号に記載の2価のユーロピウム賦活ハロゲン化セリウム・ルビジウム蛍光体;特開昭60−78153号に記載の2価のユーロピウム賦活ハロゲン蛍光体;特開平7−233369号に記載の液相から析出させた14面体希土類金属賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体;等が知られている。
【0008】
上記の輝尽性蛍光体のうちで、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する希土類元素賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、及びヨウ素を含有するビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体は、高輝度の輝尽発光を示す。
【0009】
これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後に再度放射線画像の蓄積を行うことができ、繰り返し使用できることが利点の一つである。すなわち、従来の放射線写真法では、一回の撮影ごとに放射線用感光材料を消費するのに対して、この放射線画像変換方法では、放射線画像変換パネルを繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。
【0010】
上述したように、放射線画像記録再生方法は数々の優れた利点を有する方法であるが、この方法に用いられる放射線画像変換パネルにあっても、できる限り高感度でかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良い画像を与えるものであることが望まれている。
【0011】
また、この方法の実施における放射線画像変換パネルは、放射線の照射(放射線画像の記録)・励起光の照射(記録された放射線画像の読み取り)・消去光の照射(残存する放射線画像の消去)というサイクルで繰り返し使用される。そして放射線画像変換パネルの各ステップへの移行はベルト、ローラ等の搬送手段により行われ、このような繰り返しの使用によって励起光照射側のパネル表面(すなわち、保護層表面)に汚れや擦り傷が発生すると、得られる放射線画像の画質の低下を招くことから、パネル表面は繰り返し使用されてもできる限り汚れや擦り傷が生じにくく、耐久性が高いことが要求されている。
【0012】
一方、従来より、放射線画像変換パネルにより得られる画像の鮮鋭度は保護膜の膜厚が薄ければ薄いほど高くなると考えられていた。しかしながら、保護膜の膜厚が薄いと、繰り返しの使用により、保護膜表面に擦り傷や亀裂などが生じ易くなって耐久性が低下しがちである。そこで、保護膜の膜厚をできるだけ薄くして鮮鋭度の低下を抑制しながら、かつ防傷性や搬送耐久性など保護層として必要な機能を有するように、保護層材料として適切なものが選択された。例えば、ポリエチレンテレフタレートのような強度があって透明性が高いものを用いたり、数種類の樹脂を組み合わせたり、耐傷性の高いフッ素系樹脂含有樹脂組成物層を塗設したり、或いは保護層自体を多層構成とすることが行われている。
【0013】
しかしながら、従来技術では、機器での長期間にわたる耐久性を得るためにはどうしても、保護層を厚くしなくてはならず、その結果、鮮鋭性が低下してしまうという欠点があった。
【0014】
また、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレンナフタレートフィルム等フィルムを保護層として使用した場合、被写体の放射線画像以外の濃淡すなわち画像ムラや、フッ素系樹脂含有樹脂組成物層を塗設に起因すると思われる画像ムラが出現するという問題点もあった。これらの画像ムラに対して、特開昭59−42500号や特公平1−57759号には保護層のヘイズ率を高くしてこれらの画像ムラを解消する手段が示されている。しかしながら保護層のヘイズ率を高くすると、さらに鮮鋭性が低下してしまうという欠点がある。
【0015】
この為、保護層が、プラスチックフィルムと、その上に塗布形成された光散乱性微粒子を含むフッ素系樹脂含有樹脂組成物層で構成される技術(例えば、特許文献1参照。)や、保護フィルムが励起光吸収層を有し更に表面粗さを規定した技術(例えば、特許文献2参照。)が開示されているが、鮮鋭度の改善が不十分であったり、鮮鋭度と画像ムラを高度に両立することには未だ問題があった。
【0016】
【特許文献1】
特開平10−82899号公報
【0017】
【特許文献2】
特開2002−122698号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、高い耐久性を有しながら、上記のような画像のムラがなく、かつ鮮鋭度の向上した放射線画像を形成することができる放射線画像変換パネルを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記構成により達成することができた。
【0020】
1.支持体上に、輝尽性蛍光体層が設けられている蛍光体シートと該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように設けられた保護層からなる放射線画像変換パネルにおいて、該保護層の表面粗さの平均傾斜角Δaが0.01以上であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
【0021】
2.前記保護層が励起光を吸収するように着色された励起光吸収層を有していることを特徴とする前記1項に記載の放射線画像変換パネル。
【0022】
3.前記励起光吸収層を有する保護層の励起光波長における光透過率が、該励起光吸収層を有しないことだけが異なる保護層の光透過率の98%〜50%であることを特徴とする前記2項に記載の放射線画像変換パネル。
【0023】
4.前記保護層の表面粗さの平均傾斜角Δaが、0.02以上、0.2以下であることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
【0024】
5.所定の大きさに断裁された前記蛍光体シートと、該蛍光体シートの上下に配置され、蛍光体シートと実質的に接着しておらず、その周縁が蛍光体シートの周縁より外側にあり、蛍光体シートの全表面を被覆するように設けられた防湿性保護フィルムとからなることを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
【0025】
本発明者は、放射線画像変換パネルにより得られる放射線画像の鮮鋭度について研究を重ねた結果、輝尽性蛍光体層が設けられている蛍光体シートを被覆する保護フィルムが、励起光を吸収するように着色された励起光吸収層を有し、さらに表面粗さの平均傾斜角Δaが0.01以上である場合に、充分な耐久性を有するように保護層の膜厚を厚くしても画像ムラが少なく、かつ高い鮮鋭度の放射線画像を得ることが可能となることを見出し、本発明に到達したものである。
【0026】
しかも、本研究者らは、表面粗さの平均傾斜角Δaが0.2を超えると逆に鮮鋭性の低下が見られることも見出した。
【0027】
以下、本発明について、詳細に説明する。
請求項1に係る発明では、支持体上に、輝尽性蛍光体層が設けられている蛍光体シートと該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように設けられた保護層からなる放射線画像変換パネルにおいて、該保護層の表面粗さの平均傾斜角Δaが0.01以上であることが特徴である。
【0028】
また、請求項2に係る発明では、保護層が励起光を吸収するように着色された励起光吸収層を有していることが特徴である。
【0029】
請求項3に係る発明では、励起光吸収層を有する保護層の励起光波長における光透過率が、該励起光吸収層を有しないことだけが異なる該保護層の光透過率の98%〜50%であることが特徴である。
【0030】
請求項4に係る発明では、保護層の表面粗さの平均傾斜角Δaが0.02以上、0.2以下であることが特徴である。
【0031】
請求項5に係る発明では、所定の大きさに断裁された前記蛍光体シートと、該蛍光体シートの上下に配置され、蛍光体シートと実質的に接着しておらず周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側にあり、蛍光体シートの全表面を被覆するように設けられた防湿性保護フィルムからなる放射線画像変換パネルであることが特徴である。
【0032】
本発明の保護フィルム(樹脂層、保護層)としては、ポリエステルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セルロースアセテートフィルム等が使用でき、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等のフィルムが、透明性、強さの面で保護フィルムとして好ましく、フッ素系樹脂含有樹脂組成物層としては、フッ素を含むオレフィン(フルオロオレフィン)の重合体またはフッ素を含むオレフィンを共重合体成分として含む共重合体が耐傷性の面で好ましい
本発明でいう表面粗さの平均傾斜角Δaとは、JIS−B0601(1998)による算術平均傾斜角Δaのことである。
【0033】
また本発明でいう励起光を吸収するように着色された励起光吸収層とは、励起光を選択的に吸収する着色剤を含有する層のことであって、保護フィルムの一方の面に塗設されてあってもよいし、両面に塗設されてあってもよいし、或いは保護フィルム自体が着色され励起光吸収層となっていてもよい。
【0034】
本発明でいう、保護フィルムの励起光波長における光透過率が、該励起光吸収層を有しないことだけが異なる該保護フィルムの光透過率の98%〜50%であるとは、励起光吸収層を備えていないこと以外は同一構成の保護フィルムの同じ波長における平均透過率に対して98%〜50%であることを意味する。
【0035】
本発明に用いる保護層は、前記セルロース誘導体やポリメチルメタクリレートなどのような透明な有機高分子物質、或いはポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムが、必要とされる搬送耐久性にあわせた厚さで蛍光体層上に形成すればよいが、強度の点から有機高分子フィルムの方が好ましく、必要に応じてフッ素系樹脂含有樹脂組成物層を塗設することができる。
【0036】
所定の大きさに断裁された、支持体上に輝尽性蛍光体層が設けられている蛍光体シートへの水分の進入をより確実に低減するためには、蛍光体シートの上下の防湿性保護フィルムの周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側にあり、蛍光体シートの周縁部より外側の領域で該上下の防湿性保護フィルムが融着或いは接着剤により接着している封止構造(図1)とすることで、蛍光体シートの外周部からの水分進入も阻止できる。
【0037】
また、この封止構造を実現するにあたって、該蛍光体面側の防湿性保護フィルムの蛍光体シートに接する側の最外層の樹脂層を、熱融着性を有する樹脂とすることにより、蛍光体シートの周縁部より外側の領域で、該上下の防湿性保護フィルムが融着可能となり封止作業を効率化できる。
【0038】
本発明でいう熱融着性フィルムとは、一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルムのことで、例えばエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等が挙げられるが、これに限られるものではない。
【0039】
本発明の保護フィルムとして、前記融着フィルムを使用する場合は、必要とされる防湿性にあわせて融着フィルムを複数枚積層することにより最適な防湿性とすることができる。この場合の積層方法としては、一般に知られているどのような方法でもかまわないが、望ましくは、ドライラミネート方式が作業性の面で優れている。
【0040】
また保護フィルムの表面の表面粗さの平均傾斜角Δaを0.02以上とするためには、保護フィルム表面にシリカ等の無機物を分散したフッ素系樹脂含有樹脂組成物層液を塗設する方法や、前記フィルムを複数枚積層する方法において、最表面の樹脂フィルム種を選択する方法等があるが、これに限られるものではない。
【0041】
各種表面形状の樹脂フィルムは広く市場に出回っており、必要とされる平均傾斜角Δaを有するフィルムを選択することは容易である。
【0042】
ポリプロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等のフィルムは、強さの面で保護フィルムとして優れた物性を有するにも関わらず、屈折率が大であるために、保護フィルム内部に入射した励起光の一部がフィルムの上下の界面で繰り返し反射して、走査された場所から離れた場所まで伝搬し、輝尽発光を放出させ鮮鋭性が低下する。また、保護フィルムの上下の界面で蛍光体層表面と反対方向に反射された励起光も光検出装置間や周辺部材で再反射して、走査された場所からさらに遠く離れた場所の輝尽性蛍光体層を励起させ輝尽発光を放出させるため、これによりさらに鮮鋭性が低下する。励起光は赤から赤外の長波長のコヒーレントな光であるために、積極的に散乱光や反射光を吸収しない限り、保護フィルム内部や読み取り装置内部の空間で吸収される量は少なく、離れた場所まで伝搬し鮮鋭性を悪化する。
【0043】
本発明に関わる励起光吸収層は、この散乱光や反射光を抑制する効果があると推測される。
【0044】
また本発明によりポリプロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等のフィルムを保護層の構成要素として使用した場合も、被写体の放射線画像以外の濃淡すなわち画像ムラや、保護フィルムの製造工程中に起因すると思われる線状のノイズ等が減少する。
【0045】
この効果は平均傾斜角Δaが0.01以上であることによって顕著となる。
この値付近の傾斜角Δaで、保護層界面での励起光の全反射が防止されると推測されるが、励起光吸収層が保護フィルムに備わっていない場合はこの効果は小さいことから、上記効果は励起光吸収層の散乱防止効果と、表面粗さの平均傾斜角Δaの全反射防止の相乗効果であると推測される。
【0046】
本発明により、耐傷性の高い保護フィルムを、画質を劣化させることなく必要な厚みで使用できるようになるため、長期にわたる耐久性に優れた放射線画像変換パネルの実現が可能となった。
【0047】
保護フィルムに樹脂フィルムを使用する場合、必要とされる耐傷性や防湿性にあわせて、樹脂フィルムや樹脂フィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フィルムを複数枚積層した構成とすることができる。
【0048】
またこの場合は、積層された樹脂フィルム間に励起光吸収層を設けることによって、励起光吸収層が物理的な衝撃や化学的な変質から保護され、安定したプレート性能が長期間維持できより好ましい。励起光吸収層は複数箇所に設けてもよいし、樹脂フィルムを積層するための接着層に着色剤を含有させ励起光吸収層としてもよい。
【0049】
保護フィルムと蛍光体シートを接着するに際しては、既知のどのような方法でもかまわないが、保護フィルムの蛍光体シートに接する側に予め接着剤を塗設しておき、熱ローラ等で熱融着する方法が作業的にも簡単である。
【0050】
保護フィルムの表面形状は、使用する樹脂フィルムを選択することや、樹脂フィルム表面に無機物等を含んだ塗膜を塗設することで容易に調整できる。また、この塗膜を着色し、励起光吸収層とすることも可能である。さらに近年では任意の表面形状の樹脂フィルムは容易に入手可能である。
【0051】
放射線画像変換パネルの保護フィルムを着色し、鮮鋭性を向上する方法については、特公昭59−23400号に、放射線画像変換パネルを構成する支持体、下引層、蛍光体層、中間層、保護層の各層が着色された場合の種々の実施形態の一例として記載されているが、具体的な保護フィルムについての記載はなく示唆もない。
【0052】
本発明の放射線画像変換パネルの保護フィルムに使用される着色剤としては、該放射線画像変換パネルの励起光を吸収する特性を有する色剤が用いられる。
【0053】
好ましくは、保護フィルムの励起光波長における光透過率が、該励起光吸収層を有しないことだけが異なる該保護フィルムの光透過率の98%〜50%となるように励起光吸収層を設けることである。光透過率が98%を超えると本発明の効果は小さく、50%未満では放射線画像変換パネルの輝度が急激に低下してくる。
【0054】
いかなる着色剤を用いるかは放射線画像変換パネルに用いる輝尽性蛍光体の種類によって決まるが、放射線画像変換パネル用の輝尽性蛍光体としては、通常、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が用いられる。このため、着色剤としては通常、青色〜緑色の有機系もしくは無機系の着色剤が用いられる。
【0055】
青色〜緑色の有機系着色剤の例としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト社製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学社製)、スミアクリルブルーF−GSL(住友化学社製)、D&CブルーNo.1(ナショナル・アニリン社製)、スピリットブルー(保土谷化学社製)、オイルブルーNo.603(オリエント社製)、キトンブルーA(チバ・ガイギー社製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土谷化学社製)、レイクブルーA、F、H(協和産業社製)、ローダリンブルー6GX(協和産業社製)、ブリモシアニン6GX(稲畑産業社製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学社製)、シアニンブルーBNRS(東洋インキ社製)、ライオノルブルーSL(東洋インキ社製)が挙げられる。青色〜緑色の無機系着色剤の例としては、群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−CoO−NiO系顔料が挙げられるがこれらに限られるものではない。
【0056】
本発明の放射線画像変換パネルにおいて用いられる支持体としては、各種高分子材料が用いられる。特に情報記録材料としての取り扱い上、可撓性のあるシート或いはウェブに加工できるものが好適であり、この点からいえばセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルムが好ましい。
【0057】
また、これら支持体の厚みは用いる支持体の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜1000μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましくは80μm〜500μmである。
【0058】
これらの支持体の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。
【0059】
さらに、これら支持体は、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層が設けられる面に下引層を設けてもよい。
【0060】
本発明において輝尽性蛍光体層に用いられる結合剤(結着剤ともいわれている)の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライド、またはアラビアゴムのような天然高分子物質;及び、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステルなどのような合成高分子物質などにより代表される結合剤を挙げることができる。
【0061】
このような結合剤の中で特に好ましいものは、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状ポリエステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアルキル(メタ)アクリレートとの混合物及びポリウレタンとポリビニルブチラールとの混合物である。尚、これらの結合剤は架橋剤によって架橋されたものであってもよい。輝尽性蛍光体層は、例えば、次のような方法により下塗層上に形成することができる。
【0062】
まず輝尽性蛍光体、及び結合剤を適当な溶剤に添加し、これらを充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体粒子及び該化合物の粒子が均一に分散した塗布液を調製する。
【0063】
一般に結合剤は輝尽性蛍光体1質量部に対して0.01〜1質量部の範囲で使用される。しかしながら得られる放射線画像変換パネルの感度と鮮鋭性の点では結合剤は少ない方が好ましく、塗布の容易さとの兼合いから0.03〜0.2質量部の範囲がより好ましい。
【0064】
輝尽性蛍光体層用塗布液の調製に用いられる溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素及びそれらの混合物などが挙げられる。
【0065】
尚、塗布液には、該塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後の輝尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。
【0066】
上記のようにして調製された塗布液を、次に下塗層の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、例えば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどを用いることにより行うことができる。
【0067】
次いで、形成された塗膜を徐々に加熱することにより乾燥して、下塗層上への輝尽性蛍光体層の形成を完了する。輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は20μm〜1mmとする。ただし、この層厚は50μm〜500μmとするのが好ましい。
【0068】
輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、ボールミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高速インペラー分散機、Kadyミル、及び超音波分散機などの分散装置を用いて行われる。調製された塗布液をドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどの塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥することにより輝尽性蛍光体層が形成される。
【0069】
本発明の放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層の厚みは、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と輝尽性蛍光体との混合比等によって異なるが、10μm〜1000μmの範囲から選ばれるのが好ましく、10μm〜500μmの範囲から選ばれるのがより好ましい。
【0070】
支持体上に蛍光体層が塗設された蛍光体シートは、所定の大きさに断裁することが行われている。断裁に際してはどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面から化粧断裁機、打ち抜き機等を用いることが望ましい。
【0071】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を例証するが、本発明はこれらに限定はされるものではない。
【0072】
実施例1
《放射線画像変換パネルの作製》
(輝尽性蛍光体層の作製)
輝尽性蛍光体(BaFBr0.85I0.15:0.001Eu2+)200g、ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業社製、パンデックスT5265)8.0g、及び黄変防止剤:エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、EP1001)2.0gをメチルエチルケトンに添加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度が30Pa・s(25℃)の蛍光体層形成用塗布液を調製した。この塗布液をポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:300μm)の上に塗布乾燥し、輝尽性蛍光体層(厚さ:230μm)を得た。
【0073】
(保護フィルム1の作製)
蛍光体シートの保護フィルムは厚さ12μmポリエチレンテレフタレート(PET)を使用した。PETフィルムの蛍光体側に接する側に接着剤(バイロン300:東洋紡株式会社製)を塗布乾燥し、接着層(1μm)とした。
【0074】
またPETフィルムの反対面には下記の方法にて、表1に示す各種の励起光透過率と表面粗さを有する励起光吸収層を塗設した。
【0075】
(励起光吸収層の作製)
フッ素系樹脂:フルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体(旭硝子社製ルミフロンLF100、50質量%キシレン溶液)50g、架橋剤:イソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートHX、固形分:100質量%)5g、及びアルコール変性シリコーンオリゴマー(ジメチルポリシロキサン骨格を有し、両末端に水酸基(カルビノール基)を有するもの、信越化学工業社製X−22−2809、固形分:66質量%)0.5gをメチルエチルケトン溶媒に添加し、粘度0.1〜0.3Pa・sの塗布液を作った。次いで、この塗布液に、予めメチルエチルケトンに分散させた有機系青色着色剤(ザボンファーストブルー3G、ヘキスト社製)とシリカ(粒径0.2〜2.0μm)の混合分散液を添加してし、PETフィルムの表面にドクターブレードを用いて塗布し、次いで120℃で20分間熱処理して熱硬化させることで励起光吸収層を形成した。
【0076】
このときの着色剤及びシリカの添加量を調節することで任意の平均傾斜角Δaと光線透過率を有する励起光吸収層を作製した。ここでいう励起光吸収層の光線透過率とは、He−Neレーザー光(633nm)の光波長における光透過率を、該励起光吸収層を有しないことだけが異なる該保護フィルムの光透過率と比較した場合の値とした。
【0077】
(保護フィルム1の接着)
輝尽性蛍光体層塗布サンプルを20cm×20cmの正方形に断裁し、上記の各種の表面粗さと励起光吸収層を有する積層保護フィルムを使用し、接着層を下側にして重ね合わせ100℃の加熱ロールを用いて加圧圧着した。
【0078】
以上のようにして、放射線画像変換パネル1〜10を作製した。
(保護フィルム2の作製)
次いで、蛍光体シートの蛍光体面側の保護フィルムとして、下記(A)で示された構成のものを使用した。
【0079】
構成(A)
マット化フィルム/VMPET12/シーラントフィルム30
マット化フィルム:表面がマット加工された各種フィルム(市販品)
VMPET:アルミナ蒸着PET(市販品:東洋メタライジング社製)
シーラントフィルム:熱融着性フィルムでCPP(キャステングポリプロピレン)を使用
各樹脂フィルムの後ろの数字はフィルムの膜厚(μm)を示す。
【0080】
上記“/”はドライラミネーション接着層で、接着剤層の厚みが2.5μmであることを意味する。使用したドライラミ用の接着剤は2液反応型のウレタン系接着剤である。
【0081】
この時使用した接着剤溶液に、予めメチルエチルケトンに分散溶解させた有機系青色着色剤(ザボンファーストブルー3G、ヘキスト社製)を添加しておくことで、接着剤層の全てを励起光吸収層とした。またこのときの添加量を調節することで励起光吸収層の光線透過率を調節した。
【0082】
また同時にマット化フィルムの品種を変更することで表面粗さの平均傾斜角Δaを調節し、各種の粗さの積層保護フィルムを作製した。
【0083】
蛍光体シートの支持体面側の保護フィルムは、シーラントフィルム/アルミ箔フィルム9μm/ポリエチレンテレフタレート(PET)188μmの構成のドライラミネートフィルムとした。またこの場合の接着剤層の厚みは1.5μmで2液反応型のウレタン系接着剤を使用した。
【0084】
(蛍光体シートの封止)
上記により得られた蛍光体シートを45cm×45cmの正方形に断裁し、上記各種の表面粗さと励起光吸収層を有する積層保護フィルムを使用し、減圧下で周縁部をインパルスシーラーを用いて融着することで封止した。図1に本発明の放射線画像変換パネルの断面図を示す。
【0085】
尚、融着部から蛍光体シート周縁部までの距離は1mmとなるように融着した。融着に使用したインパルスシーラーのヒーターは8mm幅のものを使用した。
【0086】
以上のようにして、放射線画像変換パネル11〜20を作製した。
《放射線画像変換パネルの評価》
上記により作製した放射線画像変換パネル1〜20を用い、以下の評価を実施した。
【0087】
1)鮮鋭性の評価
鮮鋭性については、放射線画像変換パネルに鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光して電気信号に変換し、これをアナログ/デジタル変換してハードディスクに記録し、記録をコンピューターで分析してハードディスクに記録されているX線像の変調伝達関数(MTF)を調べた。下記の表1には空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値(%)が示されている。この場合MTF値が高いほど鮮鋭性がよい。
【0088】
2)画像ムラ、線状ノイズの評価
放射線画像変換パネルに管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によって画像として再生し出力装置より2倍に拡大してプリントアウトし、得られたプリント画像を目視により観察して画像ムラや線状ノイズの出現を評価した。画像ムラ及び線状ノイズそれぞれについて全く発生のない状態を0、一番激しい発生のものを5として下記のように評価し表1に示した。
【0089】
0:画像ムラや線状ノイズが全くない
1:面内の1〜2ヵ所に淡い画像ムラや線状ノイズが見られる
2:面内の3〜4ヵ所に淡い画像ムラや線状ノイズが見られる
3:面内の3〜4ヵ所に画像ムラや線状ノイズが見られ、うち1〜2ヵ所が濃い
4:面内の5ヵ所以上に画像ムラや線状ノイズが見られるが、濃いところが4ヵ所以下
5:面内の5ヵ所以上に濃い画像ムラや線状ノイズが見られる
3)輝度の評価
感度の測定は放射線画像変換パネルに管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光してその強度を測定することで行った。尚、表1の輝度は励起光吸収を有しない表面粗さが0.005μmの場合の保護層の輝度を1.00とした場合の相対輝度である。
【0090】
以上により得られた評価結果を、下記表1に示した。
【0091】
【表1】
【0092】
表1の結果より、本発明に係るパネルは、鮮鋭度、画像ムラ、線状ノイズが改善されており、特に励起光吸収層を設けたパネルは、高い感度を維持しながら、鮮鋭度、画像ムラ、線状ノイズが顕著に改善されることが分かった。
【0093】
【発明の効果】
本発明により、高い耐久性を有し、かつ高い感度を維持しながら、鮮鋭度、画像ムラの向上した、放射線画像変換パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線画像変換パネルの断面図である。
【符号の説明】
11 蛍光体
12 支持体
13 積層保護フィルム
14 アルミラミネートフィルム[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a radiation image conversion panel using a stimulable phosphor, and more particularly, to a radiation image conversion panel having good sharpness, no image unevenness, and high durability.
[0002]
[Prior art]
Radiation images represented by X-ray images are used in various fields such as for diagnosis of diseases. As a method for obtaining this X-ray image, radiation passing through a subject is applied to a phosphor layer (also referred to as a phosphor screen), and visible light generated in the phosphor layer is converted into a silver halide photographic material (hereinafter, photosensitive material). A so-called radiographic method is mainly used, in which a visible image is obtained by irradiating the resulting material with a material and developing it thereafter. However, in recent years, a new method for directly extracting an image from a phosphor layer has been proposed instead of an image forming method using a photosensitive material having a silver halide salt.
[0003]
As the above method, the radiation transmitted through the subject is absorbed by a phosphor, and then the phosphor is excited by, for example, light or heat energy, so that the phosphor absorbs the radiation energy accumulated by absorbing the X-rays. This is a method of detecting the fluorescence and imaging. Specifically, for example, a radiation image conversion method using a stimulable phosphor as described in U.S. Pat. No. 3,859,527 and JP-A-55-12144.
[0004]
This method utilizes a radiation image conversion panel containing a stimulable phosphor, and more specifically, irradiates the stimulable phosphor layer of the radiation image conversion panel with radiation that has passed through the subject, and applies light to each part of the subject. By accumulating radiation energy corresponding to the radiation transmission density, and then stimulating the stimulable phosphor with electromagnetic waves (excitation light) such as visible light and infrared rays in a time series manner, accumulating in the stimulable phosphor. The emitted radiation energy is emitted as stimulated emission, and a signal based on the intensity of the light is extracted, for example, as an electrical signal obtained by photoelectric conversion, and this signal is represented by an existing image recording material such as a photosensitive material or a CRT. This is a method of reproducing a visible image on an image display device.
[0005]
The above-described method of reproducing a radiographic image record obtains a radiographic image with a large amount of information with a much smaller exposure dose compared to the radiographic method using a combination of a conventional radiation-sensitive material and an intensifying screen. There is an advantage that can be.
[0006]
A protective layer is usually provided on the surface of the stimulable phosphor layer (the surface not facing the support) used in this technique, and the phosphor layer is chemically or physically changed. Protects from impact. The protective layer is formed by applying a solution prepared by dissolving a transparent organic polymer substance such as a cellulose derivative or polymethyl methacrylate in an appropriate solvent onto the phosphor layer, or a polypropylene or a polypropylene. An organic polymer film such as polyethylene terephthalate or a sheet or film for forming a protective film such as a transparent glass plate is separately manufactured and provided on a surface of the phosphor layer using a suitable adhesive, or an inorganic polymer. A compound in which a compound is formed on a phosphor layer by vapor deposition or the like is known.
[0007]
As described above, the stimulable phosphor is a phosphor that emits stimulable light when irradiated with radiation and then irradiated with excitation light. However, in practical use, the stimulable phosphor has a wavelength of 400 to 900 nm due to the excitation light. Phosphors that exhibit stimulated emission in the 500 nm wavelength range are commonly used. Examples of stimulable phosphors conventionally used in radiation image conversion panels include, for example, JP-A-55-12145, JP-A-55-160078, JP-A-56-74175, JP-A-56-116777, and JP-A-56-116777. Rare earth element-activated alkaline earths described in 57-23673, 57-23675, 58-206678, 59-27289, 59-27980, 59-56479, 59-56480, etc. Metal fluoride halide-based phosphors: JP-A-59-75200, JP-A-60-84381, JP-A-60-106752, JP-A-60-166379, JP-A-60-221483, JP-A-60-228592, and JP-A-60-228 Nos. 228593, 61-23679, 61-120882, 61-120883, 61-120885 and 61-2 5486, 61-235487, etc .; divalent europium-activated alkaline earth metal halide-based phosphors; rare earth element-activated oxyhalide phosphors described in JP-A-59-12144; No. 69281, cerium-activated trivalent metal oxyhalide phosphor; bismuth-activated alkali metal halide phosphor described in JP-A-60-70484; JP-A-60-141783, JP-A-60-157100. Divalent europium-activated alkaline earth metal halophosphate phosphor; divalent europium-activated alkaline earth metal haloborate phosphor described in JP-A-60-157099; JP-A-60-217354 Divalent europium-activated alkaline earth metal hydride halide phosphors: JP-A-61-211173 and 61-21 No. 82, cerium-activated rare earth complex halide phosphor described in JP-A-61-40390; cerium-activated rare earth halophosphate phosphor described in JP-A-61-40390; divalent europium-activated halogenation described in JP-A-60-78151 Cerium rubidium phosphor; divalent europium-activated halogen phosphor described in JP-A-60-78153; tetradecahedral rare-earth metal-activated alkaline earth metal fluoride precipitated from a liquid phase described in JP-A-7-233369 Halide-based phosphors; and the like are known.
[0008]
Among the stimulable phosphors described above, iodine-containing divalent europium-activated alkaline earth metal fluoride halide-based phosphor, iodine-containing divalent europium-activated alkaline earth metal halide-based phosphor, iodine The rare earth element-activated rare earth oxyhalide phosphor containing iodine and the bismuth activated alkali metal halide phosphor containing iodine exhibit high luminance stimulable luminescence.
[0009]
The radiation image conversion panel using these stimulable phosphors emits stored energy by scanning the excitation light after accumulating the radiation image information, so that the radiation image can be accumulated again after scanning, and repeated. One of the advantages is that it can be used. That is, in the conventional radiographic method, the radiation-sensitive material is consumed for each one-time photographing, whereas in the radiation image conversion method, the radiation image conversion panel is used repeatedly, so that resource conservation and economic efficiency are reduced. It is also advantageous from the aspect.
[0010]
As described above, the radiation image recording / reproducing method is a method having a number of excellent advantages. However, the radiation image conversion panel used in this method has as high sensitivity and image quality (sharpness, granularity) as possible. Etc.) are desired.
[0011]
Further, the radiation image conversion panel in the implementation of this method includes radiation irradiation (recording of a radiation image), irradiation of excitation light (reading of a recorded radiation image), and irradiation of erasing light (erasing of a remaining radiation image). Used repeatedly in the cycle. The transition to each step of the radiation image conversion panel is performed by a conveying means such as a belt or a roller, and such repeated use causes dirt and scratches on the panel surface on the excitation light irradiation side (that is, the protective layer surface). Then, since the quality of the obtained radiographic image is deteriorated, the surface of the panel is required to have as little dirt and abrasion as possible and to have high durability even when repeatedly used.
[0012]
On the other hand, conventionally, it has been considered that the sharpness of an image obtained by a radiation image conversion panel increases as the thickness of the protective film decreases. However, if the thickness of the protective film is small, scratches and cracks are likely to be generated on the surface of the protective film due to repeated use, and the durability tends to be reduced. Therefore, an appropriate material for the protective layer is selected so that the thickness of the protective film is made as small as possible to suppress a decrease in sharpness and to have functions necessary for the protective layer such as scratch resistance and transport durability. Was done. For example, a strong and highly transparent material such as polyethylene terephthalate, or a combination of several types of resins, a coating of a highly scratch-resistant fluororesin-containing resin composition layer, or the protective layer itself 2. Description of the Related Art A multilayer structure has been used.
[0013]
However, in the prior art, in order to obtain long-term durability in equipment, there is a disadvantage that the protective layer must be thickened, and as a result, sharpness is reduced.
[0014]
Further, when a film such as a polypropylene film, a polyethylene terephthalate film or a polyethylene naphthalate film is used as the protective layer, shading other than the radiographic image of the subject, i.e., image unevenness, is considered to be caused by coating the fluororesin-containing resin composition layer. Also, there is a problem that image unevenness appears. To cope with these image irregularities, JP-A-59-42500 and Japanese Patent Publication No. 1-57759 disclose means for eliminating the image irregularities by increasing the haze ratio of the protective layer. However, when the haze ratio of the protective layer is increased, there is a disadvantage that sharpness is further reduced.
[0015]
For this reason, a technique in which the protective layer is composed of a plastic film and a fluororesin-containing resin composition layer containing light-scattering fine particles formed thereon by coating (for example, see Patent Document 1), and a protective film Discloses a technique having an excitation light absorbing layer and further defining the surface roughness (for example, see Patent Document 2). However, the sharpness is not sufficiently improved, or sharpness and image unevenness are increased. There was still a problem with compatibility.
[0016]
[Patent Document 1]
JP-A-10-82899
[0017]
[Patent Document 2]
JP-A-2002-122698
[0018]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a radiation image conversion panel capable of forming a radiation image with improved sharpness without the above-mentioned image unevenness while having high durability.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
The object of the present invention has been achieved by the following constitutions.
[0020]
1. In a radiation image conversion panel comprising a phosphor sheet provided with a stimulable phosphor layer on a support and a protective layer provided so as to cover the phosphor surface of the phosphor sheet, the surface of the protective layer A radiation image conversion panel, wherein the average inclination angle Δa of roughness is 0.01 or more.
[0021]
2. 2. The radiation image conversion panel according to claim 1, wherein the protective layer has an excitation light absorbing layer colored so as to absorb the excitation light.
[0022]
3. The light transmittance at the excitation light wavelength of the protective layer having the excitation light absorbing layer is 98% to 50% of the light transmittance of the protective layer which is different only in not having the excitation light absorbing layer. 3. The radiation image conversion panel according to claim 2.
[0023]
4. 4. The radiation image conversion panel according to any one of Items 1 to 3, wherein an average inclination angle Δa of surface roughness of the protective layer is 0.02 or more and 0.2 or less.
[0024]
5. The phosphor sheet cut to a predetermined size, disposed above and below the phosphor sheet, substantially not adhered to the phosphor sheet, the periphery thereof is outside the periphery of the phosphor sheet, The radiation image conversion panel according to any one of the above items 1 to 4, comprising a moisture-proof protective film provided so as to cover the entire surface of the phosphor sheet.
[0025]
The present inventors have repeatedly studied the sharpness of a radiographic image obtained by a radiographic image conversion panel. As a result, the protective film covering the phosphor sheet provided with the stimulable phosphor layer absorbs the excitation light. When the protective light absorbing layer is colored as described above, and the average inclination angle Δa of the surface roughness is 0.01 or more, even if the thickness of the protective layer is increased so as to have sufficient durability. The inventors have found that a radiographic image with little image unevenness and high sharpness can be obtained, and have reached the present invention.
[0026]
In addition, the present inventors have also found that when the average inclination angle Δa of the surface roughness exceeds 0.2, the sharpness is reduced.
[0027]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
According to the first aspect of the present invention, a radiation image conversion system includes a phosphor sheet having a stimulable phosphor layer provided on a support and a protective layer provided so as to cover the phosphor surface of the phosphor sheet. The panel is characterized in that the average inclination angle Δa of the surface roughness of the protective layer is 0.01 or more.
[0028]
The invention according to claim 2 is characterized in that the protective layer has an excitation light absorbing layer colored so as to absorb the excitation light.
[0029]
In the invention according to claim 3, the light transmittance at the excitation light wavelength of the protective layer having the excitation light absorbing layer is 98% to 50% of the light transmittance of the protective layer which is different only in that the protective layer does not have the excitation light absorbing layer. %.
[0030]
The invention according to claim 4 is characterized in that the average inclination angle Δa of the surface roughness of the protective layer is 0.02 or more and 0.2 or less.
[0031]
In the invention according to claim 5, the phosphor sheet cut into a predetermined size, and the phosphor sheet is disposed above and below the phosphor sheet, and does not substantially adhere to the phosphor sheet and has a peripheral edge that is the phosphor sheet. And a radiation image conversion panel formed of a moisture-proof protective film provided so as to cover the entire surface of the phosphor sheet.
[0032]
As the protective film (resin layer, protective layer) of the present invention, a polyester film, a polymethacrylate film, a nitrocellulose film, a cellulose acetate film and the like can be used, and a film such as a polypropylene film, a polyethylene terephthalate film and a polyethylene naphthalate film can be used. It is preferable as a protective film in terms of transparency and strength, and as the fluorine resin-containing resin composition layer, a fluorine-containing olefin (fluoroolefin) polymer or a copolymer containing fluorine-containing olefin as a copolymer component Is preferred in terms of scratch resistance
The average inclination angle Δa of the surface roughness as referred to in the present invention is an arithmetic average inclination angle Δa according to JIS-B0601 (1998).
[0033]
Further, the excitation light absorbing layer colored so as to absorb the excitation light in the present invention is a layer containing a coloring agent that selectively absorbs the excitation light, and is coated on one surface of the protective film. It may be provided, may be coated on both sides, or the protective film itself may be colored to form an excitation light absorbing layer.
[0034]
In the present invention, the light transmittance at the excitation light wavelength of the protective film is 98% to 50% of the light transmittance of the protective film which is different only in that the protective film does not have the excitation light absorbing layer. Except that no layer is provided, it means that the average transmittance of the protective film having the same configuration at the same wavelength is 98% to 50%.
[0035]
The protective layer used in the present invention is a transparent organic polymer material such as the cellulose derivative or polymethyl methacrylate, or an organic polymer film such as polypropylene or polyethylene terephthalate. The organic polymer film may be formed on the phosphor layer, but an organic polymer film is preferable from the viewpoint of strength, and a fluorine-based resin-containing resin composition layer can be applied as necessary.
[0036]
In order to more reliably reduce the intrusion of moisture into the phosphor sheet, which is cut into a predetermined size and has a stimulable phosphor layer provided on a support, it is necessary to provide a moisture proof material on the upper and lower surfaces of the phosphor sheet. A sealing structure in which the peripheral edge of the protective film is outside the peripheral edge of the phosphor sheet, and the upper and lower moisture-proof protective films are bonded by fusion or an adhesive in a region outside the peripheral edge of the phosphor sheet (FIG. By adopting 1), it is possible to prevent moisture from entering from the outer peripheral portion of the phosphor sheet.
[0037]
Further, in realizing this sealing structure, the outermost resin layer of the moisture-proof protective film on the phosphor surface side, which is in contact with the phosphor sheet, is made of a resin having a heat-fusing property. The upper and lower moisture-proof protective films can be fused to each other in a region outside the peripheral edge of the sealing material, and the sealing operation can be made more efficient.
[0038]
The heat fusible film referred to in the present invention is a resin film that can be fused with a generally used impulse sealer, such as an ethylene vinyl acetate copolymer (EVA), a polypropylene (PP) film, a polyethylene (PE) film, and the like. However, the present invention is not limited to this.
[0039]
When the above-mentioned fusion film is used as the protective film of the present invention, an optimum moisture-proof property can be obtained by laminating a plurality of fusion films according to the required moisture-proof property. As a lamination method in this case, any generally known method may be used, but desirably, a dry lamination method is excellent in workability.
[0040]
Further, in order to make the average inclination angle Δa of the surface roughness of the surface of the protective film 0.02 or more, a method of applying a fluorine-containing resin-containing resin composition layer liquid in which an inorganic substance such as silica is dispersed on the protective film surface. In addition, in the method of laminating a plurality of films, there is a method of selecting a kind of a resin film on the outermost surface, but the method is not limited thereto.
[0041]
Resin films having various surface shapes are widely available on the market, and it is easy to select a film having a required average inclination angle Δa.
[0042]
Films such as a polypropylene film, a polyethylene terephthalate film, and a polyethylene naphthalate film have excellent physical properties as a protective film in terms of strength, but have a large refractive index. Part of the light is repeatedly reflected at the upper and lower interfaces of the film, propagates to a position distant from the scanned position, emits stimulated emission, and reduces sharpness. In addition, the excitation light reflected in the opposite direction to the phosphor layer surface at the upper and lower interfaces of the protective film is also reflected again between the photodetectors and peripheral members, and the photostimulability of a place further away from the scanned place is obtained. This excites the phosphor layer to emit stimulated emission, which further reduces sharpness. Excitation light is a long-wavelength coherent light from red to infrared light.As long as it does not actively absorb scattered light or reflected light, the amount absorbed in the protective film or in the space inside the reader is small. And it deteriorates sharpness.
[0043]
It is assumed that the excitation light absorbing layer according to the present invention has an effect of suppressing the scattered light and the reflected light.
[0044]
In addition, when a film such as a polypropylene film, a polyethylene terephthalate film, or a polyethylene naphthalate film is used as a component of the protective layer according to the present invention, the shading other than the radiographic image of the subject, that is, image unevenness, and the production process of the protective film are caused. Then, a linear noise or the like which is considered to be reduced.
[0045]
This effect becomes significant when the average inclination angle Δa is 0.01 or more.
It is presumed that the total reflection of the excitation light at the interface of the protective layer is prevented at the inclination angle Δa near this value. However, when the excitation light absorbing layer is not provided on the protective film, this effect is small. The effect is presumed to be a synergistic effect of the scattering prevention effect of the excitation light absorbing layer and the total reflection prevention of the average inclination angle Δa of the surface roughness.
[0046]
According to the present invention, a protective film having high scratch resistance can be used at a required thickness without deteriorating image quality, and thus a radiation image conversion panel having excellent long-term durability can be realized.
[0047]
When a resin film is used as the protective film, a structure in which a plurality of resin films or a vapor-deposited film obtained by vapor-depositing a metal oxide or the like on the resin film can be employed in accordance with the required scratch resistance and moisture resistance.
[0048]
Further, in this case, by providing the excitation light absorbing layer between the laminated resin films, the excitation light absorbing layer is protected from physical impact and chemical deterioration, and stable plate performance can be maintained for a long time, which is more preferable. . The excitation light absorbing layer may be provided at a plurality of locations, or an adhesive layer for laminating a resin film may contain a coloring agent to form the excitation light absorbing layer.
[0049]
When bonding the protective film and the phosphor sheet, any known method may be used.However, an adhesive is applied in advance on the side of the protective film that is in contact with the phosphor sheet, and is thermally fused with a heat roller or the like. The method to do it is simple in terms of work.
[0050]
The surface shape of the protective film can be easily adjusted by selecting a resin film to be used or applying a coating film containing an inorganic substance or the like on the resin film surface. Further, this coating film may be colored to form an excitation light absorbing layer. Further, in recent years, resin films having an arbitrary surface shape are easily available.
[0051]
The method for coloring the protective film of the radiation image conversion panel and improving the sharpness is described in JP-B-59-23400, which describes a support, a subbing layer, a phosphor layer, an intermediate layer, and a protective layer constituting the radiation image conversion panel. Although described as an example of various embodiments in which each layer of the layer is colored, there is no description or suggestion of a specific protective film.
[0052]
As the colorant used for the protective film of the radiation image conversion panel of the present invention, a colorant having a property of absorbing the excitation light of the radiation image conversion panel is used.
[0053]
Preferably, the excitation light absorbing layer is provided such that the light transmittance at the excitation light wavelength of the protective film is 98% to 50% of the light transmittance of the protective film, which is different only in having no excitation light absorbing layer. That is. When the light transmittance exceeds 98%, the effect of the present invention is small, and when the light transmittance is less than 50%, the luminance of the radiation image conversion panel rapidly decreases.
[0054]
What kind of colorant is used depends on the type of stimulable phosphor used in the radiation image conversion panel, and the stimulable phosphor for the radiation image conversion panel usually has an excitation wavelength of 400 to 900 nm. A phosphor that emits photostimulated light in the wavelength range of 300 to 500 nm by light is used. For this reason, a blue to green organic or inorganic colorant is usually used as the colorant.
[0055]
Examples of blue to green organic colorants include Pomelo Fast Blue 3G (manufactured by Hoechst), Estrol Brill Blue N-3RL (manufactured by Sumitomo Chemical), Sumiacryl Blue F-GSL (manufactured by Sumitomo Chemical), D & C Blue No. 1 (manufactured by National Aniline Co.), Spirit Blue (manufactured by Hodogaya Chemical Co., Ltd.), Oil Blue No. 1 603 (manufactured by Orient), Kiton Blue A (manufactured by Ciba-Geigy), Eizenka Tiron Blue GLH (manufactured by Hodogaya Chemical Co., Ltd.), Lake Blue A, F, H (manufactured by Kyowa Sangyo), 6GX (loading blue) Kyowa Sangyo Co., Ltd.), Brimocyanin 6GX (Inabata Sangyo Co., Ltd.), Brill Acid Green 6BH (Hodogaya Chemical Co., Ltd.), Cyanine Blue BNRS (Toyo Ink Co., Ltd.), and Lionol Blue SL (Toyo Ink Co., Ltd.). . Examples of blue to green inorganic colorants include ultramarine blue, cobalt blue, cerulean blue, chromium oxide, and TiO. 2 -ZnO-CoO-NiO-based pigments, but are not limited thereto.
[0056]
As the support used in the radiation image conversion panel of the present invention, various polymer materials are used. In particular, on handling as an information recording material, those which can be processed into a flexible sheet or web are preferable, and in this regard, cellulose acetate film, polyester film, polyethylene terephthalate film, polyethylene naphthalate film, polyamide film, Plastic films such as polyimide films, triacetate films, and polycarbonate films are preferred.
[0057]
The thickness of the support varies depending on the material of the support to be used and the like, but is generally 80 μm to 1000 μm, and more preferably 80 μm to 500 μm from the viewpoint of handling.
[0058]
The surface of these supports may be a smooth surface or a mat surface for the purpose of improving the adhesion to the stimulable phosphor layer.
[0059]
Further, in these supports, an undercoat layer may be provided on the surface on which the stimulable phosphor layer is provided for the purpose of improving the adhesion to the stimulable phosphor layer.
[0060]
Examples of the binder (also referred to as a binder) used in the stimulable phosphor layer in the present invention include proteins such as gelatin, polysaccharides such as dextran, and natural polymer substances such as gum arabic; And polyvinyl butyral, polyvinyl acetate, nitrocellulose, ethyl cellulose, vinylidene chloride-vinyl chloride copolymer, polyalkyl (meth) acrylate, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, polyurethane, cellulose acetate butyrate, polyvinyl alcohol, linear polyester, etc. Binders represented by such synthetic polymer substances can be mentioned.
[0061]
Particularly preferred among such binders are nitrocellulose, linear polyesters, polyalkyl (meth) acrylates, mixtures of nitrocellulose and linear polyester, mixtures of nitrocellulose and polyalkyl (meth) acrylate and It is a mixture of polyurethane and polyvinyl butyral. In addition, these binders may be cross-linked by a cross-linking agent. The stimulable phosphor layer can be formed on the undercoat layer by the following method, for example.
[0062]
First, a stimulable phosphor and a binder are added to an appropriate solvent, and these are sufficiently mixed to prepare a coating liquid in which phosphor particles and particles of the compound are uniformly dispersed in a binder solution.
[0063]
Generally, the binder is used in the range of 0.01 to 1 part by mass with respect to 1 part by mass of the stimulable phosphor. However, from the viewpoint of the sensitivity and sharpness of the obtained radiation image conversion panel, it is preferable that the amount of the binder is small, and the range of 0.03 to 0.2 parts by mass is more preferable in consideration of the ease of application.
[0064]
Examples of the solvent used for preparing the stimulable phosphor layer coating solution include methanol, ethanol, isopropanol, lower alcohols such as n-butanol, acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, ketones such as cyclohexanone, methyl acetate, Ester of lower fatty acid and lower alcohol such as ethyl acetate, n-butyl acetate, dioxane, ether such as ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol monomethyl ether, aromatic compound such as triol, xylol, methylene chloride, ethylene chloride and the like Examples include halogenated hydrocarbons and mixtures thereof.
[0065]
The coating solution has a dispersant for improving the dispersibility of the phosphor in the coating solution, and also has a binding force between the binder and the phosphor in the stimulable phosphor layer after formation. Various additives such as a plasticizer for improvement may be mixed. Examples of dispersants used for such purposes include phthalic acid, stearic acid, caproic acid, lipophilic surfactants and the like. Examples of the plasticizer include phosphoric esters such as triphenyl phosphate, tricresyl phosphate and diphenyl phosphate; phthalic esters such as diethyl phthalate and dimethoxyethyl phthalate; ethylphthalylethyl glycolate, butylphthalylbutyl glycolate and the like. And polyesters of polyethylene glycol and aliphatic dibasic acids, such as polyesters of triethylene glycol and adipic acid, polyesters of diethylene glycol and succinic acid, and the like.
[0066]
Next, the coating solution prepared as described above is uniformly applied to the surface of the undercoat layer to form a coating film of the coating solution. This coating operation can be performed by using ordinary coating means, for example, a doctor blade, a roll coater, a knife coater, or the like.
[0067]
Next, the formed coating film is dried by gradually heating to complete the formation of the stimulable phosphor layer on the undercoat layer. The thickness of the stimulable phosphor layer varies depending on the intended properties of the radiation image conversion panel, the type of the stimulable phosphor, the mixing ratio of the binder and the phosphor, and is usually 20 μm to 1 mm. . However, it is preferable that this layer thickness be 50 μm to 500 μm.
[0068]
The preparation of the coating solution for the stimulable phosphor layer is performed using a dispersing device such as a ball mill, a sand mill, an attritor, a three-roll mill, a high-speed impeller disperser, a Kady mill, and an ultrasonic disperser. The prepared coating solution is coated on a support using a coating solution such as a doctor blade, a roll coater, or a knife coater, and dried to form a stimulable phosphor layer.
[0069]
The thickness of the stimulable phosphor layer of the radiation image conversion panel of the present invention depends on the characteristics of the intended radiation image conversion panel, the type of the stimulable phosphor, the mixing ratio of the binder and the stimulable phosphor, and the like. Although different, it is preferably selected from the range of 10 μm to 1000 μm, and more preferably selected from the range of 10 μm to 500 μm.
[0070]
A phosphor sheet in which a phosphor layer is provided on a support is cut into a predetermined size. Any method can be used for cutting, but it is desirable to use a cosmetic cutting machine, a punching machine, or the like in terms of workability and accuracy.
[0071]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described by way of examples, but the present invention is not limited thereto.
[0072]
Example 1
<< Production of radiation image conversion panel >>
(Preparation of stimulable phosphor layer)
Stimulable phosphor (BaFBr) 0.85 I 0.15 : 0.001Eu 2+ 200 g), 8.0 g of a polyurethane resin (manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Pandex T5265) and 2.0 g of a yellowing inhibitor: epoxy resin (manufactured by Yuka Shell Epoxy, EP1001) were added to methyl ethyl ketone, and propeller was added. It was dispersed by a mixer to prepare a phosphor layer forming coating liquid having a viscosity of 30 Pa · s (25 ° C.). This coating solution was applied onto a polyethylene terephthalate film (thickness: 300 μm) and dried to obtain a stimulable phosphor layer (thickness: 230 μm).
[0073]
(Preparation of protective film 1)
As the protective film of the phosphor sheet, polyethylene terephthalate (PET) having a thickness of 12 μm was used. An adhesive (Byron 300: manufactured by Toyobo Co., Ltd.) was applied and dried on the side of the PET film that was in contact with the phosphor side to form an adhesive layer (1 μm).
[0074]
On the other side of the PET film, an excitation light absorbing layer having various excitation light transmittances and surface roughness shown in Table 1 was provided by the following method.
[0075]
(Preparation of excitation light absorption layer)
Fluorinated resin: 50 g of fluoroolefin-vinyl ether copolymer (Lumiflon LF100, 50 mass% xylene solution manufactured by Asahi Glass Co., Ltd.), crosslinker: 5 g of isocyanate (Coronate HX manufactured by Nippon Polyurethane Co., solid content: 100 mass%), and alcohol modification 0.5 g of silicone oligomer (having a dimethylpolysiloxane skeleton and having hydroxyl groups (carbinol groups) at both ends, X-22-2809 manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., solid content: 66% by mass) is added to a methyl ethyl ketone solvent. Then, a coating liquid having a viscosity of 0.1 to 0.3 Pa · s was prepared. Next, a mixed dispersion of an organic blue colorant (Zavon Fast Blue 3G, manufactured by Hoechst) and silica (particle size: 0.2 to 2.0 μm) previously dispersed in methyl ethyl ketone was added to the coating solution. The surface of the PET film was applied using a doctor blade, and then heat-treated at 120 ° C. for 20 minutes and thermally cured to form an excitation light absorbing layer.
[0076]
By adjusting the amounts of the colorant and silica added at this time, an excitation light absorbing layer having an arbitrary average inclination angle Δa and light transmittance was produced. Here, the light transmittance of the excitation light absorbing layer means the light transmittance at the light wavelength of the He-Ne laser light (633 nm), and the light transmittance of the protective film which is different only in not having the excitation light absorbing layer. The value when compared with.
[0077]
(Adhesion of protective film 1)
The stimulable phosphor layer coated sample was cut into a square of 20 cm × 20 cm, and the laminated protective film having the various surface roughness and the excitation light absorbing layer described above was laminated with the adhesive layer on the lower side at 100 ° C. Pressure bonding was performed using a heating roll.
[0078]
As described above, radiation image conversion panels 1 to 10 were produced.
(Preparation of protective film 2)
Next, as the protective film on the phosphor surface side of the phosphor sheet, one having the configuration shown in the following (A) was used.
[0079]
Configuration (A)
Matte film / VMPET12 / Sealant film 30
Matte film: Various films with matte surface (commercially available)
VMPET: Alumina-deposited PET (commercial product: manufactured by Toyo Metallizing Co., Ltd.)
Sealant film: Heat-fusible film using CPP (casting polypropylene)
The number behind each resin film indicates the film thickness (μm) of the film.
[0080]
The above “/” means that the dry lamination adhesive layer has a thickness of 2.5 μm. The adhesive used for dry laminating is a two-component reaction type urethane-based adhesive.
[0081]
By adding an organic blue colorant (Zabon Fast Blue 3G, manufactured by Hoechst) preliminarily dispersed and dissolved in methyl ethyl ketone to the adhesive solution used at this time, all of the adhesive layer becomes an excitation light absorbing layer. did. The light transmittance of the excitation light absorbing layer was adjusted by adjusting the amount of addition at this time.
[0082]
At the same time, by changing the type of the matted film, the average inclination angle Δa of the surface roughness was adjusted, and laminated protective films having various roughnesses were produced.
[0083]
The protective film on the support surface side of the phosphor sheet was a dry laminate film having a structure of sealant film / aluminum foil film 9 μm / polyethylene terephthalate (PET) 188 μm. In this case, the adhesive layer had a thickness of 1.5 μm, and a two-component reaction type urethane-based adhesive was used.
[0084]
(Seal of phosphor sheet)
The phosphor sheet obtained as described above is cut into a square of 45 cm × 45 cm, and using the laminated protective film having the various surface roughnesses and the excitation light absorbing layer, the peripheral portion is fused under reduced pressure using an impulse sealer. And sealed. FIG. 1 shows a cross-sectional view of the radiation image conversion panel of the present invention.
[0085]
The fusion was performed so that the distance from the fusion portion to the peripheral edge of the phosphor sheet was 1 mm. The heater of the impulse sealer used for fusion had a width of 8 mm.
[0086]
As described above, the radiation image conversion panels 11 to 20 were produced.
《Evaluation of radiation image conversion panel》
The following evaluations were performed using the radiation image conversion panels 1 to 20 produced as described above.
[0087]
1) Evaluation of sharpness
Regarding the sharpness, the radiation image conversion panel is irradiated with X-rays having a tube voltage of 80 kVp through an MTF chart made of lead, then excited by operating with panel He-Ne laser light (633 nm), and emitted from the phosphor layer. The photostimulated light is received by a photodetector (photoelectron image multiplier with spectral sensitivity S-5), converted into an electric signal, converted from analog to digital, recorded on a hard disk, analyzed by a computer, and analyzed on a hard disk. The modulation transfer function (MTF) of the recorded X-ray image was examined. Table 1 below shows the MTF value (%) at a spatial frequency of 1 cycle / mm. In this case, the higher the MTF value, the better the sharpness.
[0088]
2) Evaluation of image unevenness and linear noise
After irradiating the radiation image conversion panel with X-rays having a tube voltage of 80 kVp, the panel is operated by operating with a He-Ne laser beam (633 nm), and the stimulated emission emitted from the phosphor layer is detected by a photodetector (a spectral sensitivity S -5), converts it into an electric signal, reproduces it as an image by an image reproducing device, magnifies it by a factor of 2, prints it out, and visually observes the resulting printed image. Then, the appearance of image unevenness and linear noise was evaluated. Table 1 shows the evaluation results as follows, with 0 indicating no image unevenness and linear noise at all, and 5 indicating the most severe occurrence.
[0089]
0: No image unevenness or linear noise at all
1: Light image unevenness or linear noise is seen at one or two places in the plane
2: Light image unevenness and linear noise are seen at 3 to 4 places in the plane
3: Image unevenness and linear noise are observed at 3 to 4 places in the plane, and 1 to 2 places are dark
4: Image unevenness and linear noise are seen at 5 or more places in the plane, but dark places are less than 4 places
5: Dark image unevenness and linear noise are seen at five or more locations in the plane
3) Evaluation of luminance
The sensitivity is measured by irradiating the radiation image conversion panel with X-rays having a tube voltage of 80 kVp, operating the panel with a He-Ne laser beam (633 nm), exciting the panel, and detecting the stimulated emission emitted from the phosphor layer by a photodetector. (Photoelectron image intensifier with a spectral sensitivity of S-5), and the intensity was measured. In addition, the brightness | luminance of Table 1 is a relative brightness | luminance when the brightness | luminance of the protective layer when the surface roughness which does not have excitation light absorption is 0.005 micrometer is set to 1.00.
[0090]
The evaluation results obtained as described above are shown in Table 1 below.
[0091]
[Table 1]
[0092]
From the results shown in Table 1, the panel according to the present invention has improved sharpness, image unevenness, and linear noise. In particular, the panel provided with the excitation light absorbing layer has high sharpness, high image quality while maintaining high sensitivity. It was found that unevenness and linear noise were remarkably improved.
[0093]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a radiation image conversion panel having high durability, high sharpness, and improved image unevenness while maintaining high sensitivity.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view of a radiation image conversion panel of the present invention.
[Explanation of symbols]
11 phosphor
12 Support
13 Laminated protective film
14 Aluminum laminated film