【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路用配線板、例えば、半導体素子収納用パッケージなどの電気絶縁膜に適した導体接着強度に優れた樹脂組成物、および、それを用いた配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子機器の内部には、LSI(大規模集積回路)とそれを搭載する電子回路の多層配線基板が搭載されている。近年、IT関連技術の革新は目覚しく、電子機器は機能を向上させながらますます小型化軽量化させるため、そうした配線基板上に形成される電気信号線路にはより微細な配線が用いられて高密度化が計られている。
【0003】
このように配線が微細となるほど、配線導体と絶縁層樹脂との接触面積が小さくなるため、それらの間の接着力は弱くなる。一方、接着力が低下すると、基板の表面においては機器の落下などの衝撃によって基板上に搭載したLSIが配線ごと剥れ落ちてしまったり、あるいは、基板内部においては、冷熱衝撃試験中に繰り返される応力に耐えきれずに配線導体と絶縁層樹脂が剥離を起こすといったように、いずれも信頼性上の大きな問題を引き起こす。こうしたことから、導体との接着強度の高い絶縁層用樹脂材料の開発が強く望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされた、導体との接着強度に優れた硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供することを目的とするものであり、さらに、硬化性ポリフェニレンエーテルの優れた誘電特性と吸湿性を活かして、高周波用途に適した高密度配線基板等の配線基板を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、上記課題を解決するための硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、および、それを用いた配線板用材料、配線基板を完成するに到った。
【0006】
すなわち、本願は以下の発明を提供する。
(1)(a)ポリフェニレンエーテル、(b)架橋性化合物、および(c)ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBからなるブロック共重合体に、水酸基、アミノ基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、シラノール基、およびアルコキシシリル基からなる群から選ばれた少なくとも一種の官能基を少なくとも1個有する原子団が結合している変性ブロック共重合体の水添物を含み、かつ、(a)成分と(b)成分の和100質量部を基準として、(a)成分を98〜30質量部、(b)成分を2〜70質量部、および(c)成分を3〜40質量部を含有する硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【0007】
(2)(b)成分の架橋性化合物としてトリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリアリルシアヌレートを含むことを特徴とする上記(1)記載の硬化性樹脂組成物。
(3)(c)成分の選ばれた官能基が1級および/または2級アミノ基であることを特徴とする上記(1)記載の硬化性樹脂組成物。
(4)シリカおよび/または難燃剤を含むことを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(5)上記1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物からなる硬化性フィルム。
(6)上記5に記載の硬化性フィルムを硬化してなる硬化フィルム。
(7)上記6記載の硬化性フィルムからなる一層以上の絶縁層、および金属よりなる一層以上の導電層から構成される樹脂付き金属箔。
(8)上記7に記載の樹脂付き金属箔を硬化してなる硬化体。
(9)上記1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物および基材からなる硬化性複合材料。
(10)上記9に記載の硬化性複合材料を硬化してなる硬化複合材料。
(11)上記5に記載の硬化性フィルムおよび/または上記7に記載の樹脂付き金属箔の各々一層以上を、基板の片面および/または両面に硬化形成してなる配線基板。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を詳細に説明する。
本発明で(a)成分として用いられるポリフェニレンエーテルは、下記の一般式(1)で表される。
【0009】
【化1】
【0010】
[式中、mは1〜6の整数であり、Jは次の一般式(A)で表される単位から構成されるポリフェニレンエーテル鎖であり
【0011】
【化2】
【0012】
(ここに、R1〜R4は各々独立に低級アルキル基、アリール基、ハロアルキル基、ハロゲン原子、水素原子を示す。)Qはmが1のとき水素原子を表し、mが2以上のときは一分子中に2〜6個のフェノール性水酸基を持ち、フェノール性水酸基のオルト位およびパラ位に重合不活性な置換基を有する多官能性フェノール化合物の残基を表す。]
【0013】
一般式(A)におけるR1〜R4の低級アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。アリール基の例としては、フェニル基等が挙げられる。ハロゲン原子の例としては臭素、塩素等が挙げられる。一般式(1)のQの代表的な例としては、次の4種の構造式単位で表される化合物群が挙げられる。
【0014】
【化3】
【0015】
(式中、A1、A2は同一または異なる炭素数1〜4の直鎖状アルキル基を表し、Xは脂肪族炭化水素残基およびそれらの置換誘導体、アラルキル基およびそれらの置換誘導体、酸素、硫黄、スルホニル基、カルボニル基を表し、Yは脂肪族炭化水素残基およびそれらの置換誘導体、芳香族炭化水素残基およびそれらの置換誘導体、アラルキル基およびそれらの置換誘導体を表し、Zは酸素、硫黄、スルホニル基、カルボニル基を表し、A2と直接結合した2つのフェニル基、A2とX,A2とY,A2とZの結合位置はすべてフェノール性水酸基のオルト位およびパラ位を示し、rは0〜4、sは2〜6の整数を表す。)
上記の具体例としては、下記式で示される基等が挙げられる。
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
上記一般式(1)中のJで表されるポリフェニレンエーテル鎖中には、一般式(A)で表される単位の他、次の下記式で表される単位(B)が含まれていてもよい。
【0019】
【化6】
【0020】
[式中、R5〜R9は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、アリール基、またはハロアルキル基を表し、R10、R11は各々独立に水素原子、無置換またはアリール基もしくはハロゲン原子などにより置換された炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基または無置換またはアリール基もしくはハロゲン原子などにより置換されたアリール基を表し、R10、R11が同時に水素であることはない。]
一般式(B)の単位の例としては、
【0021】
【化7】
【0022】
等が挙げられる。
本発明に用いられる化1に示される一般式(1)のポリフェニレンエーテルの好ましい例としては、2,6−ジメチルフェノールの単独重合で得られるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)のスチレングラフト共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,6−ジメチル−3−フェニルフェノールの共重合体、2,6−ジメチルフェノールを下記式で示される多官能性フェノール化合物の存在下で重合して得られた多官能ポリフェニレンエーテル樹脂、例えば、特開昭63−301222号公報、特開平1−297428号公報に開示されているような一般式(A)及び(B)の単位を含む共重合体等が挙げられる。
【0023】
【化8】
【0024】
(式中、mは2〜6の整数を表す。Qは一分子中に2〜6個のフェノール性水酸基を持ち、フェノール性水酸基のオルト位およびパラ位に重合不活性な置換基を有する多官能性フェノール化合物の残基を表す前記と同様に多官能フェノール化合物の残基を表す。)
【0025】
以上述べたポリフェニレンエーテルの分子量については、30℃、0.5g/dlのクロロホルム溶液で測定した粘度数ηsp/Cが0.1〜1.0の範囲にあるものが良好に使用できる。
【0026】
本発明における(b)成分の架橋性化合物としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、アリールシクロブテン樹脂、多官能性アクリロイル化合物、多官能性メタクリロイル化合物、ベンゾオキサジン化合物、エポキシ樹脂および/またはその変性樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂および/またはその変性樹脂、フェノール樹脂および/またはその変性樹脂、メラミン樹脂および/またはその変性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂および/またはその変性樹脂、シアン酸エステル樹脂および/またはその変性樹脂、イソシアネート樹脂および/またはその変性樹脂、環状ポリオレフィン樹脂が好適であり、さらにこれら二種以上の混合物でも良い。中でも誘電特性の観点でトリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリアリルシアヌレートを含むものが好ましい。トリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリアリルシアヌレートはそれそれ下記のような構造式で表される3官能性モノマーである。
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
(b)成分の配合量は、(a)成分との和を100質量部として、2〜70質量部を用いることができ、さらに好ましくは20〜60質量部である。2質量部より少ないと樹脂組成物の硬化が十分でなく、また、70質量部より多いと、均一な樹脂層が得られ難くなる。
【0030】
次に、本発明の(c)成分について以下詳細に述べる。(c)成分の変性ブロック共重合体水添物のビニル芳香族炭化水素含有量は、好ましくは剛性の点から5wt%以上、耐衝撃性の改良効果の点から95wt%以下であり、より好ましくは10〜90wt%、更に好ましくは15〜85wt%の範囲で使用できる。
【0031】
(c)成分の変性ブロック共重合体水添物のビニル芳香族炭化水素含有量が60wt%を越える、好ましくは65wt%以上の場合は樹脂的な特性を有し、60wt%以下、好ましくは55wt%以下の場合は弾性的な特性を有す。本発明においては、ビニル芳香族炭化水素含有量が5wt%以上、60wt%以下の弾性的な特性を有す変性ブロック共重合体の水添物が特に好ましい。
【0032】
本発明において、(c)成分の変性ブロック共重合体水添物は、ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBからなるブロック共重合体に官能基含有変性剤を付加反応させてなり、該ブロック共重合体に(a)成分と反応し得る官能基を少なくとも1個有する原子団が結合している、下記一般式で表されるような変性ブロック共重合体の水添物である。
【0033】
(A−B)n−X、 A−(B−A)n−X、
B−(A−B)n−X、 X−(A−B)n、
X−(A−B)n−X、 X−A−(B−A)n−X、
X−B−(A−B)n−X、 [(B−A)n]m−X、
[(A−B)n]m−X、 [(B−A)n−B]m−X、
[(A−B)n−A]m−X
【0034】
(上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする重合体である。重合体ブロックAと重合体ブロックBとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。又、nは1以上の整数、好ましくは1〜5の整数である。mは2以上の整数、好ましくは2〜11の整数である。Xは、水酸基、アミノ基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、シラノール基、アルコキシシリル基の少なくとも一つから選ばれる官能基を有する原子団が結合している変性剤の残基を示す。中でも一級および/または二級アミノ基が好ましい。変性剤を付加する反応によって、Xは重合体ブロックAおよび/または重合体ブロックBの側鎖に結合していても良い。また、Xに結合しているポリマー鎖の構造は同一でも、異なっていても良い。)
【0035】
上記において、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAはビニル芳香族炭化水素を好ましくは50wt%以上、より好ましくは70wt%以上含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロックおよび/またはビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックを示し、共役ジエンを主体とする重合体ブロックBは共役ジエンを好ましくは50wt%を超える量で、より好ましくは60wt%以上含有する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体ブロックおよび/または共役ジエン単独重合体ブロックを示す。共重合体ブロック中のビニル芳香族炭化水素は均一に分布していても、又テーパー状に分布していてもよい。
【0036】
また、該共重合体部分には、ビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分および/またはテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。本発明で使用するブロック共重合体は、上記一般式で表されるブロック共重合体の任意の混合物でもよい。
【0037】
また、上記一般式で表されるブロック共重合体中の共役ジエン部分のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)は、後述する極性化合物等の使用により任意に変えることができ、1,2−ビニル結合量は好ましくは5〜90%、より好ましくは10〜80%、さらに好ましくは25〜75%である。
【0038】
上記の共役ジエンとは一対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとしては1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。これらは一つのブロック共重合体の製造において一種のみならず二種以上を使用してもよい。
【0039】
また、ビニル芳香族重合体としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、などがあるが、特に一般的なものとしてはスチレンが挙げられる。これらは一つのブロック共重合体の製造において一種のみならず二種以上を使用してもよい。
【0040】
Xが結合しているブロック共重合体を得る方法は特に制限されるものではないが、例としては、ブロック共重合体のリビング末端との付加反応により該官能基を公知の方法で保護した原子団が結合している変性剤を付加反応させる方法や、ブロック共重合体に有機アルカリ金属化合物を反応させ、ブロック共重合体に有機アルカリ金属が付加した重合体に上記の変性剤を付加反応させる方法、などが挙げられる。ブロック共重合体のリビング末端に官能基含有変性剤を付加反応させる場合、ブロック共重合体のリビング末端は重合体ブロックAでも重合体ブロックBのいずれでも良いが、機械強度と耐衝撃性のバランスに優れた組成物を得るためには重合体ブロックAの末端に結合していることが好ましい。
【0041】
また、ブロック共重合体のリビング末端に変性剤を反応させる際に、一部変性されていないブロック共重合体が変性ブロック共重合体に混在しても良い。変性ブロック共重合体に混在する未変性のブロック共重合体の割合は、好ましくは70wt%以下、より好ましくは60wt%以下、更に好ましくは50wt%以下である。
【0042】
本発明において、変性ブロック共重合体の水添物は、上記で得られたブロック共重合体を水素添加することにより得られる。水添触媒としては、特に制限されず、従来から公知である(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。
【0043】
本発明に使用される変性ブロック共重合体の水添物において、共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合のトータル水素添加率は目的に合わせて任意に選択でき、特に限定されない。しかし、水素添加前の共役ジエンにもとづくビニル結合の水素添加率が、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上であることが、硬化後の熱安定性に優れた該樹脂組成物を得る上で推奨される。ここで、ビニル結合の水素添加率とは、ブロック共重合体中に組み込まれている水素添加前の共役ジエンにもとづくビニル結合のうち、水素添加されたビニル結合の割合をいう。
【0044】
なお、ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素に基づく芳香族二重結合の水添率については特に制限はないが、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下である。水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)により知ることができる。
【0045】
本発明で使用する変性ブロック共重合体の水添物の重量平均分子量は、本発明の硬化性樹脂組成物の機械的特性の点から3万以上、(a)成分との相溶性や、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物が溶融成型で用いられるときの流動特性などの加工性の観点から40万以下であることが好ましく、より好ましくは4万〜20万、さらに好ましくは5万〜10万である。重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めることができる。
【0046】
本発明で用いられる(c)成分の変性ブロック共重合体の水添物の配合量は、(a)成分と(b)成分の和100質量部を基準とし、(a)成分98〜30質量部(b)成分2〜70質量部として、3〜40質量部の範囲であり、より好ましくは5〜30質量部である。配合量が3質量部より少ないと導体層との密着強度が十分でなく、また、40質量部より多いと、難燃性や熱膨張係数が悪くなって好ましくない。
【0047】
次に、本発明において用いられるシリカについて説明する。シリカとは、化学的には二酸化ケイ素(SiO2)である。以下一般に用いられている通称であるシリカを用いる。本発明においてシリカは絶縁層および配線板の熱膨張係数の低減、強度向上、ならびに絶縁層に良好な熱伝導性を付与する目的で用いる。
【0048】
シリカは、気相法や破砕法やゾル―ゲル法などによって製造されたものが入手可能であり、それにより一次粒子の形状が異なるが、上記の目的を達成するものであれば、その製造方法、および球状か破砕型であるかといった形状には特に限定されない。また、異なる形状のものを混合しても良い。
【0049】
ここで一次粒子とは、粒子が凝集していない状態での粒子個々を指す。シリカ一次粒子の最大径で定義される粒径は、本発明の樹脂組成物ワニスを調整する際に、ワニス中でのシリカの分散や、ワニスの粘度や、該組成物の溶融成型時の流動性等を考慮して適宜選ばれる。
【0050】
また、粒径の上限については、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物が配線基板の絶縁層として用いられたときに、その膜厚以下であり、かつ、その絶縁層の両側および/または内部に形成される導体配線の間隔以下である。
【0051】
本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物には、必要に応じてシリカと樹脂との界面における接着性を改善する目的であらかじめカップリング剤処理したシリカを用いてもよい。カップリング剤としてはシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤など、一般のものが使用できる。
【0052】
シリカの配合量は、特に限定されないが、(a)成分と(b)成分の和100質量部を基準として、熱膨張係数低減や強度向上の観点から10質量部以上、組成物が溶融成型で用いられる時の流動特性の観点から400質量部以下が好ましく、より好ましくは20質量部〜200質量部である。
【0053】
本発明に用いられる難燃剤の種類に付いては特に限定されないが、塩素系、臭素系、リン系、窒素系、シリコーン系などの難燃剤を本発明の特性を損なわない範囲で用いることができる。これらの難燃剤の代表的な例としては、特に限定されないが、テトラブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、トリブロモフェニルマレイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、トリフェニルフォスフェート、トリス(トリブロモフェニル)フォスフェート、トリス(ノニルフェニル)フォスフェート、シアヌル酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メレム、ホスファゼン、9,10―ジヒドロ―9―オキサ―10―ホスファフェナントレン―10―オキシド誘導体、Siパウダーなどが挙げられる。また難燃性の一層の向上を図る目的で難燃助剤を併用することも可能である。
【0054】
また、架橋反応を促進する目的で本発明の樹脂組成物に架橋性化合物に応じた開始剤や硬化剤や硬化促進剤を含有させて使用してもよい。例えば、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物の架橋反応を促進させる目的では、ラジカル開始剤を含有させても良い。ラジカル開始剤としては、熱によって開始されるものでも光によって開始されるものでも良いが、代表的な例としては、特に限定されないが、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2, 5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス (t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキサイド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。また過酸化物ではないが、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンもラジカル開始剤として使用できる。
【0055】
これらのラジカル開始剤の量は、(a)成分と(b)成分の和100質量部を基準として、硬化させるという観点で0.1質量部以上が好ましく、脆さという観点で10質量部以下が好ましい。
【0056】
また、架橋性化合物としてエポキシ樹脂を用いる場合には、硬化剤や硬化促進剤を含有させてもよく、例えば、メタフェニレンジアミンや4’,4’−メチレンジアニリンなどのアミン系化合物、2―エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール系化合物、ポリアミド系化合物、ジシアンジアミドなどのアミドアミン系化合物、トリメリット酸無水物やベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などの酸無水物系化合物、トリフルオロボロン・モノメチルアミンなどのルイス酸化合物、などを用いることができる。これらは、それぞれ一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせてもよい。
【0057】
この他、ビスマレイミドトリアジン樹脂の適した硬化剤としてはポリアミン類が、シアン酸エステル樹脂に適した触媒としては、鉱酸、ルイス酸、炭酸ナトリウムあるいは塩化リチウムなどの塩類やトリブチルホスフィンなどのリン酸エステル類などが、またイソシアネート樹脂に適した触媒、硬化剤としては、アミン類、有機金属、多価アルコールなどがそれぞれ挙げられる。
【0058】
さらに、本発明に用いられる硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物には、その用途に応じて所望の性能を付与させる目的で本来の性質を損なわない範囲の量の充填剤や添加剤や熱可塑性樹脂を配合させることもできる。充填剤は繊維状であっても粉末状であってもよく、具体的な例としては、アルミナ、タルク、雲母、ガラスビーズ、ガラス中空球等を挙げることができる。添加剤の具体的な例としては、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤等が挙げられる。
【0059】
次に本発明で用いられる硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物フィルムについて説明する。硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物フィルムを作成する方法としては、どのような手段によってもよいが、例えば、樹脂を溶剤に溶解もしくは分散させたワニスを基材に塗布、乾燥させる方法、溶融成膜法等が挙げられる。フィルムの厚みは、好ましくは1μm〜500μm、より好ましくは3μmから100μmである。
【0060】
また、乾燥工程の際に一部樹脂を硬化させて積層工程時の樹脂のフロー特性を調節することもできる。ワニスを塗布する基材としては、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、シリコーン系の剥離剤が塗布されたポリエチレンテレフタレートフィルムなどが挙げられる。
【0061】
次に本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂付き金属箔について説明する。本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂付き金属箔は硬化性フィルムで形成される絶縁層少なくとも1層と金属よりなる導電層少なくとも1層より構成されるものである。ここで用いられる金属導電層としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔が挙げられ、また、該硬化性フィルムに蒸着、スパッタ、無電解メッキなどの方法で金属導電層を形成する方法などが挙げられる。その厚みは特に限定されないが、扱いやすさの点から500μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、105μm以下が最も好ましい。
【0062】
銅箔やアルミニウム箔などの金属箔を使用する場合は、金属箔の硬化樹脂の膜が形成される側の面に該樹脂との密着性を強めるため、粗面化および/またはシランカップリング剤やイミダゾール類などによるカップリング処理されていてもよい。こうした、金属箔を用いて本発明の硬化性樹脂付き金属箔を作成する方法としては、特に限定されるものではないが、本発明の樹脂組成物を溶剤に均一に溶解させてワニスにした後、金属箔上に塗布して成膜させる方法、あるいは本発明の硬化性フィルムと金属箔とを溶融圧着させる方法、があり、溶剤に均一に溶解させてワニスにした後、金属箔上に塗布成膜させる方法が特に好ましい。
【0063】
次に、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物および基材からなる硬化性複合材料とその硬化体について説明する。本発明の硬化性複合材料は、硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物と基材とから構成される。基材は、該樹脂組成物の硬化後の寸法を安定させたり強度を増したり熱膨張整数を低減させる目的で用いる。
【0064】
本発明に用いられる基材としては、ロービングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェッシングマットなどの各種ガラス布またはガラス不織布; 金属繊維布およびその他合成もしくは天然の無機繊維布;ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、芳香族ポリエステル繊維、アクリル繊維、全芳香族ポリアミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、などの合成繊維から得られる織布または不織布;綿布、麻布、フェルトなどの天然繊維布;カーボン繊維布;クラフト紙、コットン紙、紙−ガラス混織紙などの天然セルロース系布;以上の各繊維からなる短繊維、チョップドストランド;芳香族ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、芳香族ポリアミドフィルムなどのフィルムなどが、それぞれ単独であるいは2種以上併せて用いられる。
【0065】
基材がフィルムの形態をとっていない場合、本発明の硬化性複合材料における基材の占める割合は、硬化性複合材料100質量部を基準として、複合材料の硬化後の寸法安定性や強度の観点から5質量部以上が好ましく、複合材料の誘電特性や難燃性の観点から90質量部以下が好ましい。より好ましくは10〜80質量部、特に好ましくは20〜70質量部の範囲である。
【0066】
基材がフィルムの形態をとっている場合は、硬化性複合材料の膜厚を基準として、基材の膜厚は、複合材料の強度の観点から3%以上が好ましく、誘電特性の観点で90%以下が好ましい。より好ましくは5〜80%である。
【0067】
本発明の硬化性複合材料には、必要に応じて樹脂と基材の界面における接着性を改善する目的でカップリング剤を用いることができる。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤等一般のものが使用できる。また、プラズマ処理やオゾン処理やコロナ処理といった方法で基材表面を処理する方法を用いることもできる。
【0068】
次に、本発明の硬化配線基板について説明する。本発明の硬化配線基板は、本発明の硬化性フィルムおよび/または硬化性樹脂付き金属箔の少なくとも一層を、基板の片面および/または両面に硬化形成してなる硬化配線基板である。ここで基板とは、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の硬化時に変形や分解といった問題がない限りは、その種類は特に限定されない。
【0069】
例えば、本発明にある硬化性フィルムを絶縁層として1層以上用いて形成した硬化配線体や、本発明にある樹脂付き金属箔を1層以上用いて形成した硬化配線体や、本発明にある硬化複合材料の硬化体;紙エポキシ積層板、紙フェノール積層板、紙ポリエステル積層板といった紙基材積層板;ガラス布エポキシ積層板、ガラス布ポリイミド積層板、ガラス布BT積層板、ガラス布テフロン(登録商標)積層板といったガラス基材積層板;紙・ガラス・エポキシ積層板、ガラス不職布エポキシ積層板、合成繊維・ガラス布・エポキシ積層板といったコンポジット積層板;ポリスルフォン系樹脂基板、ポリエーテルイミド系樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリエーテルエーテルケトン樹脂基板といった耐熱熱可塑性基板;ポリエステル銅張フィルム基板、ポリイミド銅張フィルム基板などのフレキシブル基板;アルミナ基板、窒化アルミニウム基板、炭化ケイ素基板、LTCC(低温焼結)基板といったセラミック基板;金属ベース基板、メタルコア基板、ホーロー基板といった金属系基板;ガラス基板、シリコン基板などの基板;芳香族ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルムなどのフィルム、など、何れも使用することができる。それらの基板は同種の基板および/または他種の基板と積層されていてもよい。
【0070】
以上において、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化方法としては任意の方法を用いることができ、光、熱、電子線、の何れも使用できる。加熱により硬化成形する場合は、温度が80℃〜300℃、圧力が0.01〜100MPa、時間が1分間〜10時間の範囲が好ましく、温度が150℃〜250℃、圧力が0.1〜50MPa、時間が1分間〜5時間の範囲で行うことがさらに好ましい。
【0071】
【実施例】
以下、本発明を一層明確にするために実施例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例で使用した変性ブロック共重合体の水添物は、次のように合成した。
【0072】
<合成例1:変性ブロック共重合体水添物I>
攪拌機及びジャケット付きのオ−トクレ−ブを洗浄、乾燥、窒素置換し、予め精製したスチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を投入した。次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加し、70℃で1時間重合した後、予め精製したブタジエン70質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を加えて70℃で1時間重合し、さらにスチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で1時間重合した。その後、変性剤として1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを重合に使用したn−ブチルリチウムに対して当モル反応させた。得られたブロック共重合体は、スチレン含量が30wt%、ポリブタジエン部のビニル結合量が42%であった。
【0073】
上記で得られたブロック共重合体に、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルとトリメチルアルミニウム200ミリモルから調整された水添触媒をTiとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を1時間行った。その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。ブロック共重合体I中に混在する未変性のブロック共重合体
の割合は30%であった。得られたポリマーの特性を表1に示す。
【0074】
<合成例2:変性ブロック共重合体水添物II、III>
変性ブロック共重合体水添物Iの合成で用いた変性剤と同じ変性剤を用い、
合成例1の条件を変更して、分子量と水添率と未変性ブロック共重合体の割合が異なるポリマーII、IIIを合成した。得られたポリマーの特性を表1に示す。
表1中に示した変性ブロック共重合体水添物の各特性の測定は、次のようにして行った。
【0075】
(1)スチレン含有量
紫外線分光光度計(日立UV200)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。
【0076】
(2)ビニル結合量及び水添率
核磁気共鳴装置(BRUKER社製、DPX−400)を用いて測定した。
【0077】
(3)分子量
GPC(装置:島津製作所社製LC10、カラム:島津製作所社製Shimpac GPC805+GPC804+GPC804+GPC803)で測定した。溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定条件は、温度35℃で行った。分子量は、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた重量平均分子量である。
【0078】
(4)未変性ブロック共重合体の割合(未変性率)
シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに変性した成分が吸着する特性を応用し、変性ブロック共重合体と低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液について、上記(3)で測定したクロマトグラム中の標準ポリスチレンに対する変性ブロック共重合体の割合と、シリカ系カラムGPC〔装置はデュポン社製:Zorbax〕で測定したクロマトグラム中の標準ポリスチレンに対する変性ブロック共重合体の割合を比較し、それらの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定した。未変性ブロック共重合体の割合は、シリカカラムへ吸着しなかったものの割合である。
【0079】
【表1】
【0080】
実施例および比較例で用いた硬化性ポリフェニレンエーテル系組成物の、他の成分は次ぎのようなものを用いた。
【0081】
<ポリフェニレンエーテル樹脂>
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)をポリフェニレンエーテル樹脂として用いた。30℃、0.5g/dlのクロロホルム溶液で測定した還元粘度ηsp/Cは0.56である。
【0082】
<トリアリルイソシアヌレート>
商品名:タイク(日本化成(株)社製)
【0083】
<ラジカル開始剤>
商品名:パーヘキシン25B(日本油脂(株)社製)
【0084】
<エポキシ樹脂>
商品名:AER331(旭化成エポキシ(株)社製)
商品名:ECN273(旭化成エポキシ(株)社製)
【0085】
<エポキシ硬化剤>
2−エチル−4−メチルイミダゾール(和光純薬工業(株)社製)
【0086】
<ベンゾオキサジン>
商品名:B−a(6,6’−(1−メチルエチリデン)ビス(3,4−ジヒドロ−3−フェニル−2H−1,3−ベンゾオキサジン)(四国化成(株)社製)
【0087】
<シリカ>
商品名:アドマファイン(アドマテックス社製)
【0088】
<難燃剤>
商品名:melapur200(チバガイギースペシャルティケミカルズ社製)
【0089】
<未変性水添スチレンブロック/ブタジエンブロック共重合体>
商品名:未変性水添スチレン系エラストマータフテック H1041(旭化成株式会社製)
商品名:未変性水添スチレン系エラストマータフテック H1043(旭化成株式会社製)
商品名:未変性水添スチレン系エラストマータフテック H1031(旭化成株式会社製)
【0090】
<ゴム変性ポリスチレン>
商品名:ハイインパクトポリスチレン H8117(旭化成株式会社製)
【0091】
(実施例1〜6)
表2に示した組成物を、トルエンに溶解または分散し、テフロン(登録商標)板上に流して室温で成膜させた後、膜を剥離して厚さが約100μmの硬化性樹脂組成物フィルムを得た。いずれの組成物についても成膜性は良好であり、表面のべたつき等は認められなかった。得られたフィルムを60℃のエアーオーブンで30分〜1時間乾燥した。
【0092】
このフィルムを日立化成(株)社製MCLE67基板(0.6mmt)の片側に樹脂面が下になるように重ね、真空プレス機を用いて面圧が2MPaの条件下で、実施例4の場合には240℃で1時間、その他の実施例の場合には170℃で1.5時間の条件で硬化後、樹脂表面を、モリエンジニアリング(株)社製MPC−600型RIEを用いて、酸素ガス下表面処理を行った。その後、無電解銅めっきにより銅を約1μmの厚みで付着させ、電解めっきを行い銅厚を25μmとした。こうして得られたサンプルを用い、JPCA−BU01に定められた90°銅箔ピール試験法に準拠して銅の接着力を測定した。
【0093】
(比較例1〜7)
表2に示した組成で、未変性ブロック共重合体水添物またはゴム変性ポリスチレンを用いること以外は、実施例1〜6と同様の方法で組成物のフィルムを得た。なお、比較例4の真空プレス条件は実施例4と同じ条件を用いた。これらを実施例1〜6と同じ方法で銅接着強度を測定したところ、本発明の変性ブロック共重合体水添物を用いた場合より低い接着強度しか示さなかった。
【0094】
(実施例7〜9)
表2に示した組成物を、トルエンに溶解または分散させた。得られた溶液または分散液に目付107g/m2のガラスクロス を浸漬して含浸を行い、エアーオーブン中で乾燥させ硬化性複合材料を得た。その後、硬化後の厚さが約0.8mmとなるように該硬化性複合材料を6枚重ね合わせ、真空プレスを用いて、面圧4MPa、180℃、1.5時間の条件で成形・硬化させた。これらの試験片の樹脂表面を、モリエンジニアリング(株)社製MPC−600型RIEを用いて、酸素ガス使用下で表面処理を行った。
【0095】
その後、無電解銅めっきにより銅を約1μmの厚みで付着させ、電解めっきを行い銅厚を25μmとした。こうして得られたサンプルを用い、JPCA−BU01に定められた90°銅箔ピール試験法に準拠して銅の接着力を測定した。
【0096】
(比較例8〜9)
変性されていない水添ブロック共重合体またはゴム変性ポリスチレンを用いること以外は実施例7〜8と同じ組成物を、実施例7〜9と同様の方法でガラスクロスに含浸した硬化性複合材料を得た。これらを実施例7〜9と同様の方法で銅接着強度を測定した。
【0097】
何れの場合でも、実施例7〜9に示す本発明の変性ブロック共重合体水添物を用いた場合より低い銅接着強度しか示さなかった。
【0098】
【表2】
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、導体との接着強度に優れた硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物が提供され、さらに、その硬化性樹脂組成物を用いることにより、優れた誘電特性と吸湿性を有する、高周波用途に適した高密度配線基板等の配線基板が提供される。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a resin composition having excellent conductor adhesion strength suitable for an electric insulating film such as a wiring board for an electronic circuit, for example, a package for housing a semiconductor element, and a wiring board using the same.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, an LSI (Large Scale Integrated Circuit) and a multilayer wiring board for an electronic circuit on which the LSI is mounted are mounted inside an electronic device. In recent years, IT-related technology has been remarkably innovated. In order to further reduce the size and weight of electronic devices while improving their functions, finer wiring is used for electric signal lines formed on such wiring boards and higher density is used. Has been measured.
[0003]
As described above, as the wiring becomes finer, the contact area between the wiring conductor and the insulating layer resin becomes smaller, so that the adhesive force between them becomes weaker. On the other hand, when the adhesive strength is reduced, the LSI mounted on the substrate is peeled off along with the wiring on the surface of the substrate due to an impact such as a drop of equipment, or is repeatedly performed inside the substrate during a thermal shock test. Either of these causes a serious problem in reliability, such as the wiring conductor and the insulating layer resin being separated without being able to withstand the stress. For these reasons, development of a resin material for an insulating layer having high adhesive strength to a conductor has been strongly desired.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a curable polyphenylene ether-based resin composition having excellent adhesion strength to a conductor. An object of the present invention is to provide a wiring board such as a high-density wiring board suitable for high-frequency applications by utilizing excellent dielectric properties and hygroscopicity.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies, the present inventors have completed a curable polyphenylene ether-based resin composition for solving the above-mentioned problems, and a wiring board material and a wiring board using the same.
[0006]
That is, the present application provides the following inventions.
(1) (a) polyphenylene ether, (b) a crosslinkable compound, and (c) at least one polymer block A mainly composed of vinyl aromatic hydrocarbon and at least one polymer mainly composed of conjugated diene. The block copolymer comprising block B has at least one functional group selected from the group consisting of a hydroxyl group, an amino group, an epoxy group, a thioepoxy group, a sulfide group, an isocyanate group, an isothiocyanate group, a silanol group, and an alkoxysilyl group. A hydrogenated product of a modified block copolymer to which an atomic group having at least one is bonded, and based on 100 parts by mass of the total of the components (a) and (b), Curable polyphenylene ether-based resin containing 30 parts by mass, component (b) 2 to 70 parts by mass, and component (c) 3 to 40 parts by mass Composition.
[0007]
(2) The curable resin composition according to the above (1), wherein the curable resin composition contains triallyl isocyanurate and / or triallyl cyanurate as the crosslinkable compound of the component (b).
(3) The curable resin composition according to the above (1), wherein the selected functional group of the component (c) is a primary and / or secondary amino group.
(4) The curable resin composition according to any one of the above (1) to (3), further comprising silica and / or a flame retardant.
(5) A curable film comprising the curable resin composition according to any one of the above (1) to (4).
(6) A cured film obtained by curing the curable film according to the above (5).
(7) A resin-attached metal foil comprising one or more insulating layers made of the curable film described in 6 above and one or more conductive layers made of metal.
(8) A cured product obtained by curing the resin-attached metal foil according to 7 above.
(9) A curable composite material comprising the curable resin composition according to any one of the above items 1 to 4 and a substrate.
(10) A cured composite material obtained by curing the curable composite material described in 9 above.
(11) A wiring board formed by curing one or more of each of the curable film described in (5) and / or the metal foil with resin described in (7) on one side and / or both sides of the board.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The polyphenylene ether used as the component (a) in the present invention is represented by the following general formula (1).
[0009]
Embedded image
[0010]
[In the formula, m is an integer of 1 to 6, and J is a polyphenylene ether chain composed of a unit represented by the following general formula (A).]
Embedded image
[0012]
(Here, R 1 to R 4 each independently represent a lower alkyl group, an aryl group, a haloalkyl group, a halogen atom, or a hydrogen atom.) Q represents a hydrogen atom when m is 1, and when m is 2 or more, Represents a residue of a polyfunctional phenol compound having 2 to 6 phenolic hydroxyl groups in one molecule and having a polymerization-inactive substituent at an ortho position and a para position of the phenolic hydroxyl group. ]
[0013]
Examples of the lower alkyl group of R 1 to R 4 in the general formula (A) include a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group, an n-butyl group, an isobutyl group, and the like. Examples of the aryl group include a phenyl group. Examples of the halogen atom include bromine and chlorine. Representative examples of Q in the general formula (1) include a compound group represented by the following four types of structural formula units.
[0014]
Embedded image
[0015]
(Wherein A 1 and A 2 represent the same or different linear alkyl groups having 1 to 4 carbon atoms, X represents an aliphatic hydrocarbon residue and a substituted derivative thereof, an aralkyl group and a substituted derivative thereof, oxygen , Sulfur, a sulfonyl group, a carbonyl group, Y represents an aliphatic hydrocarbon residue and a substituted derivative thereof, an aromatic hydrocarbon residue and a substituted derivative thereof, an aralkyl group and a substituted derivative thereof, and Z represents an oxygen atom. , sulfur, a sulfonyl group, a carbonyl group, two phenyl groups attached directly a 2, a 2 and X, a 2 and Y, a 2 and Z of binding positions ortho and para positions of all the phenolic hydroxyl group And r represents an integer of 0 to 4 and s represents an integer of 2 to 6.)
Specific examples of the above include groups represented by the following formulas.
[0016]
Embedded image
[0017]
Embedded image
[0018]
In the polyphenylene ether chain represented by J in the general formula (1), in addition to the unit represented by the general formula (A), a unit (B) represented by the following formula is included. Is also good.
[0019]
Embedded image
[0020]
[Wherein, R 5 to R 9 each independently represent a hydrogen atom, a halogen atom, a lower alkyl group, an aryl group, or a haloalkyl group, and R 10 and R 11 each independently represent a hydrogen atom, an unsubstituted or aryl group, Represents an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, preferably 1 to 5 carbon atoms, substituted with a halogen atom or the like, or an unsubstituted or aryl group substituted with an aryl group or a halogen atom, wherein R 10 and R 11 are hydrogen Never be. ]
Examples of the unit of the general formula (B) include:
[0021]
Embedded image
[0022]
And the like.
Preferred examples of the polyphenylene ether represented by the general formula (1) shown in Chemical formula 1 used in the present invention include poly (2,6-dimethyl-1,4-phenylene ether obtained by homopolymerization of 2,6-dimethylphenol. ), Styrene graft copolymer of poly (2,6-dimethyl-1,4-phenylene ether), copolymer of 2,6-dimethylphenol and 2,3,6-trimethylphenol, 2,6-dimethylphenol And a copolymer of 2,6-dimethyl-3-phenylphenol, and a polyfunctional polyphenylene ether resin obtained by polymerizing 2,6-dimethylphenol in the presence of a polyfunctional phenol compound represented by the following formula, for example, JP-A-63-301222 and JP-A-1-297428 disclose the general formulas (A) and (B). Copolymers comprising the like.
[0023]
Embedded image
[0024]
(In the formula, m represents an integer of 2 to 6. Q has two to six phenolic hydroxyl groups in one molecule, and has a polymerization-inactive substituent at the ortho position and the para position of the phenolic hydroxyl group. Represents the residue of a polyfunctional phenol compound in the same manner as described above, which represents the residue of a functional phenol compound.)
[0025]
Regarding the molecular weight of the polyphenylene ether described above, those having a viscosity number ηsp / C of 0.1 to 1.0 measured at 30 ° C. in a 0.5 g / dl chloroform solution can be used favorably.
[0026]
Examples of the crosslinkable compound (b) in the present invention include triallyl isocyanurate, triallyl cyanurate, arylcyclobutene resin, polyfunctional acryloyl compound, polyfunctional methacryloyl compound, benzoxazine compound, epoxy resin and / or Modified resin, bismaleimide triazine resin and / or modified resin, phenol resin and / or modified resin, melamine resin and / or modified resin, unsaturated polyester resin and / or modified resin, cyanate ester resin and / or Alternatively, a modified resin thereof, an isocyanate resin and / or a modified resin thereof, and a cyclic polyolefin resin are preferable, and a mixture of two or more of these resins may be used. Among them, those containing triallyl isocyanurate and / or triallyl cyanurate are preferable from the viewpoint of dielectric properties. Triallyl isocyanurate and / or triallyl cyanurate are trifunctional monomers represented by the following structural formulas.
[0027]
Embedded image
[0028]
Embedded image
[0029]
The amount of the component (b) can be 2 to 70 parts by mass, more preferably 20 to 60 parts by mass, based on 100 parts by mass of the sum with the component (a). When the amount is less than 2 parts by mass, curing of the resin composition is not sufficient, and when the amount is more than 70 parts by mass, it is difficult to obtain a uniform resin layer.
[0030]
Next, the component (c) of the present invention will be described in detail below. The vinyl aromatic hydrocarbon content of the modified block copolymer hydrogenated product of the component (c) is preferably 5 wt% or more from the viewpoint of rigidity and 95 wt% or less from the viewpoint of the effect of improving impact resistance, and more preferably. Can be used in the range of 10 to 90 wt%, more preferably 15 to 85 wt%.
[0031]
When the vinyl aromatic hydrocarbon content of the hydrogenated modified block copolymer of the component (c) exceeds 60 wt%, preferably 65 wt% or more, it has resin-like properties and is 60 wt% or less, preferably 55 wt% or less. % Or less, it has elastic properties. In the present invention, a hydrogenated product of a modified block copolymer having an elastic property having a vinyl aromatic hydrocarbon content of 5% by weight or more and 60% by weight or less is particularly preferable.
[0032]
In the present invention, the modified block copolymer hydrogenated component (c) comprises at least one polymer block A mainly composed of vinyl aromatic hydrocarbon and at least one polymer block mainly composed of conjugated diene. A functional group-containing modifying agent is added to the block copolymer comprising B, and an atomic group having at least one functional group capable of reacting with the component (a) is bonded to the block copolymer. It is a hydrogenated product of a modified block copolymer represented by the general formula.
[0033]
(AB) n- X, A- (BA) n- X,
B- (AB) n -X, X- (AB) n ,
X- (AB) n- X, XA- (BA) n- X,
X-B- (AB) n- X, [(BA) n ] m- X,
[(AB) n ] m- X, [(BA) n- B] m- X,
[(AB) n -A] m -X
[0034]
(In the above formula, A is a polymer block mainly composed of a vinyl aromatic hydrocarbon, and B is a polymer mainly composed of a conjugated diene. The boundary between the polymer block A and the polymer block B is not always clear. N is an integer of 1 or more, preferably an integer of 1 to 5. m is an integer of 2 or more, preferably an integer of 2 to 11. X is a hydroxyl group, amino A residue of a modifier to which an atomic group having a functional group selected from at least one of a group, an epoxy group, a thioepoxy group, a sulfide group, an isocyanate group, an isothiocyanate group, a silanol group, and an alkoxysilyl group is bonded. Among them, primary and / or secondary amino groups are preferable, and even if X is bonded to the side chain of the polymer block A and / or the polymer block B by the reaction of adding the modifying agent. There. The structure of the polymer chains bonded to X may be the same or different.)
[0035]
In the above, the polymer block A mainly composed of a vinyl aromatic hydrocarbon is preferably a copolymer of a vinyl aromatic hydrocarbon containing 50% by weight or more, more preferably 70% by weight or more of a vinyl aromatic hydrocarbon and a conjugated diene. A block and / or a vinyl aromatic hydrocarbon homopolymer block, wherein the polymer block B mainly comprising a conjugated diene is preferably a conjugated diene in an amount exceeding 50 wt%, more preferably a conjugated diene containing 60 wt% or more. 1 shows a copolymer block with a vinyl aromatic hydrocarbon and / or a conjugated diene homopolymer block. The vinyl aromatic hydrocarbons in the copolymer block may be distributed uniformly or in a tapered manner.
[0036]
Further, in the copolymer portion, a plurality of portions where vinyl aromatic hydrocarbons are uniformly distributed and / or a plurality of portions where vinyl aromatic hydrocarbons are distributed in a tapered shape may coexist. The block copolymer used in the present invention may be any mixture of the block copolymers represented by the above general formula.
[0037]
Further, the microstructure (ratio of cis, trans, and vinyl) of the conjugated diene portion in the block copolymer represented by the above general formula can be arbitrarily changed by using a polar compound or the like described later. -The vinyl bond amount is preferably 5 to 90%, more preferably 10 to 80%, and still more preferably 25 to 75%.
[0038]
The conjugated diene is a diolefin having a pair of conjugated double bonds, for example, 1,3-butadiene, 2-methyl-1,3-butadiene (isoprene), 2,3-dimethyl-1,3-butadiene. , 1,3-pentadiene, 1,3-hexadiene and the like, and particularly common ones are 1,3-butadiene and isoprene. These may be used alone or in combination of two or more in the production of one block copolymer.
[0039]
Examples of the vinyl aromatic polymer include styrene, o-methylstyrene, p-methylstyrene, p-tert-butylstyrene, 1,3-dimethylstyrene, α-methylstyrene, vinylnaphthalene, and vinylanthracene. However, a particularly common one is styrene. These may be used alone or in combination of two or more in the production of one block copolymer.
[0040]
The method for obtaining the block copolymer to which X is bonded is not particularly limited, and examples thereof include an atom obtained by adding a functional group to a living terminal of the block copolymer and protecting the functional group by a known method. A method in which a modifying agent having a group bonded thereto is subjected to an addition reaction, or an organic alkali metal compound is reacted with a block copolymer, and the above modifying agent is subjected to an addition reaction with a polymer obtained by adding an organic alkali metal to a block copolymer. Method, and the like. When a functional group-containing modifying agent is added to the living end of the block copolymer, the living end of the block copolymer may be either polymer block A or polymer block B. However, the balance between mechanical strength and impact resistance can be obtained. In order to obtain an excellent composition, it is preferable that the compound is bonded to the terminal of the polymer block A.
[0041]
When a modifying agent is allowed to react with the living terminal of the block copolymer, a partially unmodified block copolymer may be mixed with the modified block copolymer. The ratio of the unmodified block copolymer mixed in the modified block copolymer is preferably 70% by weight or less, more preferably 60% by weight or less, and further preferably 50% by weight or less.
[0042]
In the present invention, the hydrogenated product of the modified block copolymer can be obtained by hydrogenating the block copolymer obtained above. The hydrogenation catalyst is not particularly limited, and (1) a supported heterogeneous hydrogenation in which a metal such as Ni, Pt, Pd, or Ru is supported on carbon, silica, alumina, or diatomaceous earth. Catalyst, (2) a so-called Ziegler-type hydrogenation catalyst using an organic acid salt such as Ni, Co, Fe, Cr or the like, or a transition metal salt such as acetylacetone salt and a reducing agent such as an organic aluminum, (3) Ti, Ru, A homogeneous hydrogenation catalyst such as a so-called organometallic complex such as an organometallic compound such as Rh and Zr is used.
[0043]
In the hydrogenated product of the modified block copolymer used in the present invention, the total hydrogenation rate of the unsaturated double bond based on the conjugated diene compound can be arbitrarily selected according to the purpose, and is not particularly limited. However, the hydrogenation rate of the vinyl bond based on the conjugated diene before hydrogenation is preferably 60% or more, more preferably 70% or more, to obtain the resin composition having excellent heat stability after curing. Recommended above. Here, the term "hydrogenation rate of vinyl bonds" refers to the ratio of hydrogenated vinyl bonds to vinyl bonds based on a conjugated diene before hydrogenation incorporated in the block copolymer.
[0044]
The hydrogenation rate of the aromatic double bond based on the vinyl aromatic hydrocarbon in the block copolymer is not particularly limited, but is preferably 50% or less, more preferably 30% or less, and further preferably 20%. It is as follows. The degree of hydrogenation can be known by a nuclear magnetic resonance apparatus (NMR).
[0045]
The hydrogenated product of the modified block copolymer used in the present invention has a weight average molecular weight of 30,000 or more in view of the mechanical properties of the curable resin composition of the present invention. The curable polyphenylene ether-based resin composition of the present invention is preferably not more than 400,000, more preferably 40,000 to 200,000, further preferably 50,000 from the viewpoint of processability such as flow characteristics when used in melt molding. It is 100,000. The weight average molecular weight can be determined by performing measurement by gel permeation chromatography (GPC) and using a calibration curve (created using the peak molecular weight of standard polystyrene) obtained from measurement of commercially available standard polystyrene. .
[0046]
The amount of the hydrogenated product of the modified block copolymer of the component (c) used in the present invention is based on 100 parts by mass of the sum of the components (a) and (b), and 98 to 30 parts by mass of the component (a). The amount of the component (b) is from 2 to 70 parts by mass, preferably from 3 to 40 parts by mass, more preferably from 5 to 30 parts by mass. If the amount is less than 3 parts by mass, the adhesion strength to the conductor layer is not sufficient, and if it is more than 40 parts by mass, the flame retardancy and the coefficient of thermal expansion deteriorate, which is not preferable.
[0047]
Next, the silica used in the present invention will be described. Silica is chemically silicon dioxide (SiO 2 ). Hereinafter, silica, which is commonly used, is used. In the present invention, silica is used for the purpose of reducing the coefficient of thermal expansion of the insulating layer and the wiring board, improving the strength, and imparting good thermal conductivity to the insulating layer.
[0048]
Silica can be obtained by a method produced by a gas phase method, a crushing method, a sol-gel method, or the like, whereby the shape of the primary particles differs. And the shape such as spherical or crushed is not particularly limited. Further, different shapes may be mixed.
[0049]
Here, the primary particles refer to individual particles in a state where the particles are not aggregated. The particle diameter defined by the maximum diameter of the silica primary particles, when adjusting the resin composition varnish of the present invention, the dispersion of silica in the varnish, the viscosity of the varnish, and the flow during melt molding of the composition It is appropriately selected in consideration of properties and the like.
[0050]
When the curable polyphenylene ether-based resin composition of the present invention is used as an insulating layer of a wiring board, the upper limit of the particle size is not more than the film thickness and on both sides of the insulating layer and / or It is equal to or less than the distance between the conductor wirings formed inside.
[0051]
In the curable polyphenylene ether-based resin composition of the present invention, if necessary, silica that has been treated with a coupling agent in advance for the purpose of improving the adhesion at the interface between silica and the resin may be used. As the coupling agent, general ones such as a silane coupling agent, a titanate coupling agent, an aluminum coupling agent, and a zircoaluminate coupling agent can be used.
[0052]
Although the amount of silica is not particularly limited, the composition is prepared by melt molding based on 100 parts by weight of the sum of the components (a) and (b) from the viewpoint of reducing the thermal expansion coefficient and improving the strength. The amount is preferably 400 parts by mass or less, more preferably 20 parts by mass to 200 parts by mass from the viewpoint of the flow characteristics when used.
[0053]
The type of the flame retardant used in the present invention is not particularly limited, but a flame retardant such as chlorine-based, bromine-based, phosphorus-based, nitrogen-based, or silicone-based flame retardant can be used as long as the properties of the present invention are not impaired. . Representative examples of these flame retardants include, but are not limited to, tetrabromodiphenyl ether, hexabromodiphenyl ether, octabromodiphenyl ether, tribromophenylmaleimide, ethylenebistetrabromophthalimide, bis (pentabromophenyl) ethane, triphenyl Phosphate, tris (tribromophenyl) phosphate, tris (nonylphenyl) phosphate, melamine cyanurate, melamine pyrophosphate, melamine polyphosphate, melam polyphosphate, melam polyphosphate, phosphazene, 9,10-dihydro-9- Oxa-10-phosphaphenanthrene-10-oxide derivatives, Si powder and the like. It is also possible to use a flame retardant auxiliary for the purpose of further improving the flame retardancy.
[0054]
Further, for the purpose of accelerating the crosslinking reaction, the resin composition of the present invention may be used by adding an initiator, a curing agent or a curing accelerator corresponding to the crosslinking compound. For example, a radical initiator may be contained for the purpose of accelerating the crosslinking reaction of a compound having a radical polymerizable unsaturated group. The radical initiator may be one initiated by heat or one initiated by light. Typical examples thereof include, but are not limited to, benzoyl peroxide, cumene hydroperoxide, and 2,5-dimethylhexane. -2,5-dihydroperoxide, 2,5-dimethyl-2,5-di (t-butylperoxy) hexyne-3, di-t-butyl peroxide, t-butylcumyl peroxide, α, α '-Bis (t-butylperoxy-m-isopropyl) benzene, 2,5-dimethyl-2,5-di (t-butylperoxy) hexane, dicumyl peroxide, di-t-butylperoxyisophthalate , T-butylperoxybenzoate, 2,2-bis (t-butylperoxy) butane, 2,2-bis (t-butylperoxybenzoate) Peroxides such as -oxy) octane, 2,5-dimethyl-2,5-di (benzoylperoxy) hexane, di (trimethylsilyl) peroxide and trimethylsilyltriphenylsilyl peroxide. Also, although not a peroxide, 2,3-dimethyl-2,3-diphenylbutane can be used as a radical initiator.
[0055]
The amount of these radical initiators is preferably at least 0.1 part by mass from the viewpoint of curing, and not more than 10 parts by mass from the viewpoint of brittleness, based on 100 parts by mass of the sum of the components (a) and (b). Is preferred.
[0056]
When an epoxy resin is used as the crosslinkable compound, a curing agent or a curing accelerator may be contained. For example, amine compounds such as metaphenylenediamine and 4 ′, 4′-methylenedianiline, Imidazole compounds such as ethyl-4-methylimidazole, polyamide compounds, amidoamine compounds such as dicyandiamide, acid anhydride compounds such as trimellitic anhydride and benzophenonetetracarboxylic anhydride, trifluoroboron monomethylamine, etc. Lewis acid compounds, etc. can be used. Each of these may be used alone or in combination of two or more.
[0057]
Other suitable curing agents for bismaleimide triazine resins are polyamines, and suitable catalysts for cyanate ester resins are mineral acids, Lewis acids, salts such as sodium carbonate or lithium chloride, and phosphoric acids such as tributylphosphine. Esters and the like, and catalysts and curing agents suitable for the isocyanate resin include amines, organic metals, and polyhydric alcohols.
[0058]
Further, the curable polyphenylene ether-based resin composition used in the present invention has a filler or an additive or a thermoplastic resin in an amount not impairing the original properties for the purpose of imparting desired performance according to its use. Can also be blended. The filler may be fibrous or powdery, and specific examples include alumina, talc, mica, glass beads, glass hollow spheres, and the like. Specific examples of the additives include an antioxidant, a heat stabilizer, an antistatic agent, a plasticizer, a pigment, a dye, and a colorant.
[0059]
Next, the curable polyphenylene ether-based resin composition film used in the present invention will be described. As a method for producing a curable polyphenylene ether-based resin composition film, any method may be used. For example, a method in which a varnish obtained by dissolving or dispersing a resin in a solvent is applied to a substrate and dried, And the like. The thickness of the film is preferably 1 μm to 500 μm, more preferably 3 μm to 100 μm.
[0060]
Also, the resin can be partially cured during the drying step to adjust the flow characteristics of the resin during the laminating step. Examples of the substrate on which the varnish is applied include a polyethylene film, a polyethylene terephthalate film, a polypropylene film, a polycarbonate film, a polyethylene naphthalate film, and a polyethylene terephthalate film coated with a silicone-based release agent.
[0061]
Next, the metal foil with a curable polyphenylene ether-based resin of the present invention will be described. The metal foil with a curable polyphenylene ether resin of the present invention comprises at least one insulating layer formed of a curable film and at least one conductive layer made of a metal. Examples of the metal conductive layer used here include, for example, copper foil and aluminum foil, and a method of forming a metal conductive layer by a method such as vapor deposition, sputtering, or electroless plating on the curable film. . The thickness is not particularly limited, but is preferably 500 μm or less, more preferably 200 μm or less, and most preferably 105 μm or less from the viewpoint of ease of handling.
[0062]
When a metal foil such as a copper foil or an aluminum foil is used, a surface roughening and / or silane coupling agent is used to enhance the adhesion of the metal foil to the surface on which the cured resin film is formed, with the resin. Or a coupling treatment with imidazoles or the like. Such a method for preparing the metal foil with a curable resin of the present invention using the metal foil is not particularly limited, but after uniformly dissolving the resin composition of the present invention in a solvent to form a varnish. , There is a method of applying a film on a metal foil to form a film, or a method of melting and pressing the curable film and the metal foil of the present invention, and after uniformly dissolving in a solvent to form a varnish, coating on the metal foil The method of forming a film is particularly preferable.
[0063]
Next, the curable composite material comprising the curable polyphenylene ether-based resin composition and the substrate of the present invention and a cured product thereof will be described. The curable composite material of the present invention comprises a curable polyphenylene ether-based resin composition and a substrate. The substrate is used for the purpose of stabilizing the dimensions of the resin composition after curing, increasing the strength, and reducing the thermal expansion integer.
[0064]
Examples of the base material used in the present invention include various glass cloths or glass nonwoven fabrics such as roving cloths, cloths, chopped mats, and surfing mats; metal fiber cloths and other synthetic or natural inorganic fiber cloths; polyvinyl alcohol fibers, polyester fibers Woven or non-woven fabric obtained from synthetic fibers such as aromatic polyester fiber, acrylic fiber, wholly aromatic polyamide fiber, polybenzoxazole fiber, etc .; natural fiber cloth such as cotton cloth, linen cloth, felt; carbon fiber cloth; Natural cellulosic fabrics such as cotton paper and paper-glass mixed paper; short fibers composed of the above fibers, chopped strands; aromatic polyester films, polyimide films, aromatic polyamide films, etc., each alone or Two or more Used.
[0065]
When the substrate is not in the form of a film, the proportion of the substrate in the curable composite material of the present invention is based on 100 parts by mass of the curable composite material, and the dimensional stability and strength of the composite material after curing are reduced. From the viewpoint, it is preferably at least 5 parts by mass, and from the viewpoint of the dielectric properties and flame retardancy of the composite material, the amount is preferably at most 90 parts by mass. It is more preferably in the range of 10 to 80 parts by mass, particularly preferably in the range of 20 to 70 parts by mass.
[0066]
When the base material is in the form of a film, the thickness of the base material is preferably 3% or more based on the thickness of the curable composite material from the viewpoint of the strength of the composite material and 90% from the viewpoint of the dielectric properties. % Or less is preferable. More preferably, it is 5 to 80%.
[0067]
In the curable composite material of the present invention, a coupling agent can be used as needed for the purpose of improving the adhesiveness at the interface between the resin and the substrate. As the coupling agent, general ones such as a silane coupling agent, a titanate coupling agent, an aluminum coupling agent, and a zircoaluminate coupling agent can be used. Further, a method of treating the surface of the base material by a method such as a plasma treatment, an ozone treatment, and a corona treatment can also be used.
[0068]
Next, the cured wiring board of the present invention will be described. The cured wiring substrate of the present invention is a cured wiring substrate obtained by curing at least one layer of the curable film and / or the metal foil with a curable resin of the present invention on one and / or both sides of the substrate. Here, the type of the substrate is not particularly limited as long as there is no problem such as deformation or decomposition during curing of the curable polyphenylene ether-based resin composition of the present invention.
[0069]
For example, a cured wiring body formed by using one or more layers of the curable film of the present invention as an insulating layer, a cured wiring body formed by using one or more layers of the resin-attached metal foil of the present invention, and the present invention A cured product of a cured composite material; a paper base laminate such as a paper epoxy laminate, a paper phenol laminate, or a paper polyester laminate; a glass cloth epoxy laminate, a glass cloth polyimide laminate, a glass cloth BT laminate, a glass cloth Teflon ( (Registered trademark) laminated glass substrate such as laminated board; composite laminated board such as paper / glass / epoxy laminated board, glass nonwoven cloth epoxy laminated board, synthetic fiber / glass cloth / epoxy laminated board; polysulfone resin substrate, polyether Heat-resistant thermoplastic substrates such as imide resin substrates, polyetherketone resin substrates, and polyetheretherketone resin substrates; polyester Flexible substrates such as stretched film substrates and polyimide copper-clad film substrates; ceramic substrates such as alumina substrates, aluminum nitride substrates, silicon carbide substrates, and LTCC (low-temperature sintering) substrates; metal-based substrates such as metal base substrates, metal core substrates, and enamel substrates; Substrates such as a glass substrate and a silicon substrate; and films such as an aromatic polyester film, a polyimide film, and a polyamide film can be used. These substrates may be laminated with the same type of substrate and / or another type of substrate.
[0070]
In the above, any method can be used as a method for curing the curable resin composition of the present invention, and any of light, heat, and electron beam can be used. When curing and molding by heating, the temperature is preferably in the range of 80 ° C. to 300 ° C., the pressure is preferably in the range of 0.01 to 100 MPa, and the time is preferably in the range of 1 minute to 10 hours. It is more preferable to carry out the treatment at 50 MPa for a period of 1 minute to 5 hours.
[0071]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described with reference to Examples to further clarify the present invention, but the present invention is not limited thereto.
The hydrogenated product of the modified block copolymer used in the examples was synthesized as follows.
[0072]
<Synthesis Example 1: Hydrogenated product of modified block copolymer I>
The autoclave equipped with a stirrer and jacket was washed, dried and purged with nitrogen, and a cyclohexane solution (concentration: 20% by weight) containing 15 parts by mass of styrene previously purified was charged. Next, n-butyllithium and tetramethylethylenediamine were added, polymerization was performed at 70 ° C. for 1 hour, and a cyclohexane solution (concentration: 20 wt%) containing 70 parts by mass of butadiene purified in advance was added, and polymerization was performed at 70 ° C. for 1 hour. A cyclohexane solution containing 15 parts by mass of styrene was added, and polymerization was performed at 70 ° C. for 1 hour. Thereafter, 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone as a modifier was reacted equimolarly to n-butyllithium used for the polymerization. The obtained block copolymer had a styrene content of 30% by weight and a vinyl bond amount in the polybutadiene portion of 42%.
[0073]
The block copolymer obtained above, bis - and (eta 5 cyclopentadienyl) titanium dichloride 100 mmol and a hydrogenation catalyst which is prepared from 200 mmol of trimethylaluminum 100ppm added as Ti, hydrogen pressure 0.7 MPa, The hydrogenation reaction was performed at a temperature of 65 ° C. for 1 hour. Thereafter, methanol was added, and then 0.3 parts by mass of octadecyl-3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate as a stabilizer was added to 100 parts by mass of the block copolymer. . The ratio of the unmodified block copolymer mixed in the block copolymer I was 30%. Table 1 shows the properties of the obtained polymer.
[0074]
<Synthesis Example 2: Modified block copolymer hydrogenated products II and III>
Using the same modifier as used in the synthesis of the modified block copolymer hydrogenated I,
By changing the conditions of Synthesis Example 1, Polymers II and III having different molecular weights, hydrogenation ratios and unmodified block copolymer ratios were synthesized. Table 1 shows the properties of the obtained polymer.
The measurement of each property of the hydrogenated modified block copolymer shown in Table 1 was performed as follows.
[0075]
(1) Styrene content The styrene content was calculated from the absorption intensity at 262 nm using an ultraviolet spectrophotometer (Hitachi UV200).
[0076]
(2) Amount of vinyl bond and hydrogenation ratio Measured using a nuclear magnetic resonance apparatus (manufactured by Bruker, DPX-400).
[0077]
(3) The molecular weight was measured by GPC (apparatus: LC10 manufactured by Shimadzu Corporation, column: Shimpac GPC805 + GPC804 + GPC804 + GPC803 manufactured by Shimadzu Corporation). Tetrahydrofuran was used as a solvent, and the measurement was performed at a temperature of 35 ° C. The molecular weight is a weight average molecular weight obtained by using a calibration curve (prepared using the peak molecular weight of standard polystyrene) obtained by measuring the molecular weight of the peak of the chromatogram from the measurement of commercially available standard polystyrene.
[0078]
(4) Ratio of unmodified block copolymer (unmodified ratio)
Applying the property of adsorbing the denatured component to the GPC column using silica gel as the filler, the sample solution containing the denatured block copolymer and the low-molecular-weight internal standard polystyrene in the chromatogram measured in (3) above was used. The ratio of the modified block copolymer to the standard polystyrene was compared with the ratio of the modified block copolymer to the standard polystyrene in the chromatogram measured by a silica column GPC [apparatus: Zorbax manufactured by DuPont]. The amount of adsorption on the silica column was measured. The ratio of the unmodified block copolymer is the ratio of those not adsorbed to the silica column.
[0079]
[Table 1]
[0080]
The other components of the curable polyphenylene ether-based compositions used in Examples and Comparative Examples were as follows.
[0081]
<Polyphenylene ether resin>
Poly (2,6-dimethyl-1,4-phenylene ether) was used as the polyphenylene ether resin. The reduced viscosity ηsp / C measured with a 0.5 g / dl chloroform solution at 30 ° C. is 0.56.
[0082]
<Triallyl isocyanurate>
Product name: Taik (Nippon Kasei Co., Ltd.)
[0083]
<Radical initiator>
Trade name: Perhexin 25B (manufactured by NOF Corporation)
[0084]
<Epoxy resin>
Product name: AER331 (made by Asahi Kasei Epoxy Co., Ltd.)
Product name: ECN273 (made by Asahi Kasei Epoxy Co., Ltd.)
[0085]
<Epoxy curing agent>
2-ethyl-4-methylimidazole (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.)
[0086]
<Benzoxazine>
Trade name: Ba (6,6 '-(1-methylethylidene) bis (3,4-dihydro-3-phenyl-2H-1,3-benzoxazine) (manufactured by Shikoku Chemicals Co., Ltd.)
[0087]
<Silica>
Product name: Admafine (Admatex)
[0088]
<Flame retardant>
Product name: melapur200 (manufactured by Ciba Geigy Specialty Chemicals)
[0089]
<Unmodified hydrogenated styrene block / butadiene block copolymer>
Product name: Unmodified hydrogenated styrene-based elastomer Tuftec H1041 (manufactured by Asahi Kasei Corporation)
Product name: Unmodified hydrogenated styrene-based elastomer Tuftec H1043 (manufactured by Asahi Kasei Corporation)
Product name: Unmodified hydrogenated styrene-based elastomer Tuftec H1031 (manufactured by Asahi Kasei Corporation)
[0090]
<Rubber-modified polystyrene>
Product name: High Impact Polystyrene H8117 (manufactured by Asahi Kasei Corporation)
[0091]
(Examples 1 to 6)
The composition shown in Table 2 was dissolved or dispersed in toluene, flowed on a Teflon (registered trademark) plate to form a film at room temperature, and then the film was peeled off to obtain a curable resin composition having a thickness of about 100 μm. A film was obtained. All of the compositions had good film-forming properties, and no sticky surfaces were observed. The obtained film was dried in an air oven at 60 ° C. for 30 minutes to 1 hour.
[0092]
This film was overlaid on one side of a MCLE67 substrate (0.6 mmt) manufactured by Hitachi Chemical Co., Ltd. so that the resin surface was facing down, and the surface pressure was 2 MPa using a vacuum press machine, and the case of Example 4 was used. After curing at 240 ° C. for 1 hour and at 170 ° C. for 1.5 hours in the other examples, the resin surface was exposed to oxygen using MPC-600 type RIE manufactured by Mori Engineering Co., Ltd. Surface treatment under gas was performed. Thereafter, copper was adhered in a thickness of about 1 μm by electroless copper plating, and electrolytic plating was performed to reduce the copper thickness to 25 μm. Using the sample thus obtained, the adhesive strength of copper was measured in accordance with the 90 ° copper foil peel test method specified in JPCA-BU01.
[0093]
(Comparative Examples 1 to 7)
A film of the composition was obtained in the same manner as in Examples 1 to 6, except that the unmodified block copolymer hydrogenated product or the rubber-modified polystyrene was used in the composition shown in Table 2. Note that the same vacuum pressing conditions as in Example 4 were used in Comparative Example 4. When the copper bond strength of these was measured by the same method as in Examples 1 to 6, the bond strength was lower than when the modified block copolymer hydrogenated product of the present invention was used.
[0094]
(Examples 7 to 9)
The compositions shown in Table 2 were dissolved or dispersed in toluene. A glass cloth having a basis weight of 107 g / m 2 was immersed in the obtained solution or dispersion to perform impregnation, and dried in an air oven to obtain a curable composite material. After that, six pieces of the curable composite material are stacked so that the thickness after curing becomes about 0.8 mm, and molded and cured under the conditions of a surface pressure of 4 MPa, 180 ° C., and 1.5 hours using a vacuum press. I let it. The resin surfaces of these test pieces were subjected to surface treatment using an MPC-600 type RIE manufactured by Mori Engineering Co., Ltd. under the use of oxygen gas.
[0095]
Thereafter, copper was adhered in a thickness of about 1 μm by electroless copper plating, and electrolytic plating was performed to reduce the copper thickness to 25 μm. Using the sample thus obtained, the adhesive strength of copper was measured in accordance with the 90 ° copper foil peel test method specified in JPCA-BU01.
[0096]
(Comparative Examples 8 to 9)
A curable composite material obtained by impregnating a glass cloth with the same composition as in Examples 7 to 8 except that an unmodified hydrogenated block copolymer or rubber-modified polystyrene was used was used. Obtained. These were measured for copper adhesive strength in the same manner as in Examples 7 to 9.
[0097]
In each case, the copper bond strength was lower than when the modified block copolymer hydrogenated product of the present invention shown in Examples 7 to 9 was used.
[0098]
[Table 2]
[0099]
【The invention's effect】
According to the present invention, a curable polyphenylene ether-based resin composition having excellent adhesion strength to a conductor is provided, and further, by using the curable resin composition, a high-frequency A wiring board such as a high-density wiring board suitable for use is provided.