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JP2004261967A - Lignocellulose type rotary drive body - Google Patents

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JP2004261967A
JP2004261967A JP2003025198A JP2003025198A JP2004261967A JP 2004261967 A JP2004261967 A JP 2004261967A JP 2003025198 A JP2003025198 A JP 2003025198A JP 2003025198 A JP2003025198 A JP 2003025198A JP 2004261967 A JP2004261967 A JP 2004261967A
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lignocellulose
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洋二 木方
Hiroshi Morihisa
博 森久
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a rotary drive body comprising a molded body originating from a lignocellulosic material. <P>SOLUTION: The rotary drive body such as a gear or the like is mainly composed of the molded body comprising a lignocellulosic modified material obtained by treating the lignocellulosic material with steam. By this rotary drive body, a Young's modulus of elasticity in flexure of 10.0 kN/mm<SP>2</SP>or above can be easily realized and the practicable rotary drive body can be obtained. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、リグノセルロース系材料とこの材料を利用する技術に関し、詳しくは、水蒸気処理により改質され、可塑性を発現するリグノセルロース系改質材料の成形技術を利用する回転駆動体に関する。
【0002】
【従来の技術】
資源の有効利用、自然や人体に悪影響を与える化学物質の使用の低減、有害物質の廃棄やCO排出の低減を目的として、植物資源由来のリグノセルロース系材料を利用する試みが成されている。
リグノセルロース系材料としては、木材や草本類から得られるリグノセルロース材料が典型的である。
これらのリグノセルロース系材料は、典型的には、ファイバー状あるいはチップ状とされ、熱硬化性接着剤をバインダーとする各種ボードやパネル等の成形体材料として用いられている(特許文献1)。また、熱硬化性樹脂材料中に木粉などを添加して押出し成形などにより成形体を得ることも行われている。
【0003】
【特許文献1】
特表平2002−528299号公報
【0004】
また、リグノセルロース系材料には、廃棄されるかあるいは未だ利用されていないものもある。たとえば、家屋や家具の解体廃材、新聞紙やダンボールなどの古紙、刈り草、落ち葉、刈り枝、間伐材、サトウキビなどの圧搾滓などの産業廃棄物あるいは農業廃棄物である。これらのリグノセルロース系材料は、一部がボードやパネル材料、発酵堆肥、敷料、固形燃料に再利用されているものの、破砕や乾燥などの加工コストの関係から、有用な部分を有しながらも、依然として廃棄・焼却処分が行われているのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
有用資源の循環利用、地球温暖化抑制の観点から、近年、廃棄・焼却処分されていたリグノセルロース系材料についてもさらなる利用が求められるようになってきている。しかしながら、上述のように、廃棄あるいは未利用リグノセルロース系材料は、不均質、水分含量が高いなどという観点から、再利用のためには、各種工程を経る必要があった。また、さらに、循環利用を促進するには、できるだけ他の材料を含まないことも望まれる。
一方、リグノセルロース系材料を水蒸気処理した材料を、乾燥し、解繊し、加熱及び圧締して、水蒸気処理によって生成する成分が有する接着力を利用して強固なボードを得る技術が知られている。しかしながら当該ボードは、材料形態であるファイバーを主体とするファイバーボードであるため、ボード以外への成形加工は困難であった。しかしながら、より広い再利用の途を確保するには、ボード以外への新たな用途確保が必要である。
ここに、歯車やベルト車などの回転駆動体にあっては、現在、一般的には金属製であり、限定的に樹脂製となっている。
【0006】
そこで、本発明では、リグノセルロース系材料を利用して歯車などの回転駆動体を製造する技術を提供することを、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが、リグノセルロース系材料を水蒸気処理して得られるリグノセルロース系改質材料につき種々検討した。その結果、当該処理後のリグノセルロース系材料を加熱して、当該材料の流動を発現させうることを見出し、さらに、当該流動による可塑性に基づいて、一般的な樹脂成形に適用される成形加工を利用して、歯車などの回転駆動体を製造し、当該歯車が予想を越えた特性を発揮することを見出し、本リグノセルロース系改質材料で成形した歯車などの回転駆動体がポリアセタールコポリマーなどのエンジニアリングプラスチックと同等あるいはそれ以上の性能を有していることを見出し、本発明を完成した。
本発明によれば、以下の手段が提供される。
【0008】
(1) 回転駆動体であって、
リグノセルロース系材料を水蒸気処理して得られるリグノセルロース系改質材料の成形体を主体とする回転駆動体。
(2)前記回転駆動体が歯車である、(1)記載の回転駆動体。
(3)前記歯車のかみあい部分は、切削加工あるいは前記リグノセルロース系改質材料の成形加工により形成されている、(2)記載の回転駆動体。
(4)曲げヤング係数が10.0kN/mm以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載の回転駆動体。
(5)無潤滑油あるいは低潤滑油で駆動される、(1)〜(4)のいずれかに記載の回転駆動体。
(6)歯高が0.5mm以上16mm以下で、歯数が6以上の歯車である、(1)〜(5)のいずれかに記載の回転駆動体。
(7)回転駆動体であって、
リグノセルロース系材料を水蒸気処理して得られるリグノセルロース系改質材料の成形体を主体とし、この成形体の曲げヤング係数10.0kN/mm以上であり、歯高が0.5mm以上6mm以下で歯数が6以上の歯車である、回転駆動体。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明では、リグノセルロース系材料を水蒸気処理して得られる、リグノセルロース系改質材料を少なくとも成形して回転駆動体を提供する。
リグノセルロース系材料が水蒸気処理されることにより、当該材料中に含まれていたセルロースあるいはヘミセルロースなどのセルロース系成分が加水分解等を受けて分解成分が生成される。また、当該剤材料中に含まれていたリグニン系成分も変性あるいは分解され、分解成分が生成される。したがって、リグノセルロース系材料を水蒸気処理して得られるリグノセルロース系改質材料は、セルロース系分解成分とリグニン系分解成分とを含有する。かかる材料は、理論的に十分に解明されてはいないものの、加熱により、少なくともその一部が溶融し、流動し、可塑性を発現する。また、この流動により可塑化後、一旦固化された当該材料は、再び加熱することにより、流動し、可塑性を発現する。したがって、当該リグノセルロース系材料は、加熱により可塑性を付与できる熱可塑性材料として機能する。同時に、当該リグノセルロース系改質材料を含む組成物を、加熱することにより、この組成物を流動化し、可塑性を発現させることができる。
したがって、これらの発明によれば、貴重な植物由来資源の循環利用を実現することができる。
【0010】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
以下の説明においては、まず、本発明のリグノセルロース系改質材料について説明し、次いで、当該改質材料を用いた成形体の製造方法について説明する。
【0011】
(リグノセルロース系改質材料)
本発明の改質材料(以下、本材料という。)は、リグノセルロース系材料を水蒸気処理して得られる。本明細書において「リグノセルロース系材料」とは、リグニンとセルロースとを含有する材料であればよい。好ましくは、植物細胞壁を構成するリグノセルロースの形態で含有する。したがって、リグノセルロース系材料は、好ましくは、種々の樹木、ケナフ、トウモロコシ、サトウキビ、麻、イグサ、イネなどの草本類の全体あるいは一部である。また、リグノセルロース系材料には、家屋解体物、家具解体物、木屑、間伐材、籾殻、木粉、古紙、剪定枝、刈り草、落ち葉、サトウキビの圧搾滓(バガス)などの産業あるいは農産廃棄物を包含する。リグノセルロース系材料は、セルロースやヘミセルロースとリグニンと複合体形態でなく、それぞれ別個に含有する形態で構成されていてもよい。また、これらの個別の材料を複合形態のリグノセルロースを含有するリグノセルロース系材料に添加してもよい。したがって、リグノセルロース系材料は、たとえば、殆どリグニンを含まない上質紙の古紙とパルピングの工程で廃棄物として得られるリグニン含有画分とすることでもできる。
【0012】
本発明においては、これらのリグノセルロース系材料を1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができるが、材料の均質性の観点、処理条件強度の抑制の観点からは、単独かあるいは2種〜3種程度を組み合わせて使用することが好ましい。
水蒸気処理をするにあたっては、リグノセルロース系材料のみとすることが好ましいが、必要に応じて、リグノセルロース以外の材料、たとえば、グルコースなどの糖類、リグニン成分、酸、水分を適宜添加することができる。
【0013】
水蒸気処理に供するリグノセルロース系材料の大きさにより、水蒸気処理による分解成分の生成程度を制御することができる。
リグノセルロース系材料は、水蒸気処理を均一に行うことができるように、細分化されていることが好ましい。細分化されていると、水蒸気処理や乾燥、粉砕の各工程で必要とされる時間も短縮される。特に、リグノセルロース系材料は、小片化ないし微粉末化、具体的には、フレーク又はウェーハ等の薄片状に形成されていると、取り扱いやすい。大きさは、例えば、厚さ1mm以下で5cm×5cm以下程度の大きさ、好ましくは、厚さ0.5mm以下で2cm×2cm以下程度とすることができる。鋸くずやプレーナ屑等をそのまま用いることもできる。
【0014】
リグノセルロース系材料の含水率(乾量基準)は、120%(以下、含水率においては重量%を意味する。)以下であることが好ましい。含水率が120%を超えると、水蒸気処理によってリグノセルロース系材料中に生成する分解成分が流出しやすくなり、有効量の分解成分が処理後のリグノセルロース系材料に保持されにくくなるからである。より好ましくは、8%以上100%以下である。かかる範囲であると、リグノセルロース系材料全体を均一に水蒸気処理して分解成分を生成させると同時に分解成分の流出を効果的に抑制できて、好ましい流動性と成形性とを備える熱可塑性材料を得ることができる。8%未満であると、水蒸気による暴露が不均一になりやすく、このため、分解成分の生成も不均一になり、流動性の良好な熱可塑性材料を得られにくくなる。一方、100%を超えると、水蒸気処理中にリグノセルロース系材料中の自由水が遊離しやすくなり、この自由水の遊離とともに分解成分がリグノセルロース系材料から流出しやすくなり、得られるリグノセルロース系材料の熱流動性が低下する。より好ましくは、15%以上100%以下である。さらに、好ましくは、30%以上100%以下である。
含水率は、リグノセルロース系材料を乾燥する工程においてその程度を調整することができる。逆に、含水率は、リグノセルロース系材料に対して外部から水分を付与することによっても調整することができる。
【0015】
(水蒸気処理)
水蒸気処理は、各種形態で実施することができるが、好ましくは、飽和水蒸気あるいは過熱水蒸気下で加熱することによって行われる。具体的には、耐圧容器内で、高圧下において、加熱水蒸気にリグノセルロース系材料を曝すことによって行う。
水蒸気処理は、約60℃以上で加熱することが好ましく、また、上限は好ましくは約260℃以下である。60℃以上250℃以下であると、ヘミセルロース、リグニン等の分解を行う一方、分解縮合等の副反応を抑制することができる。好ましくは、約110℃以上約230℃以下に加熱する。より好ましくは、約150℃以上約230℃以下とする。最も好ましくは、約200℃以上約230℃以下とし、さらに好ましくは220℃とする。
【0016】
水蒸気処理は、加熱温度が約110℃以上約230℃以下のとき、例えば、数十秒から数十分間程度処理すればよい。処理時間は、処理温度が低い場合にはより長くすることが好ましく、処理温度が高い場合には、より短くすることができる。また、リグノセルロース系材料が大きい場合には、より長くすることが好ましく、同材料が小さい場合には、より短くすることができる。
上述したようなフレーク状にまで細分化されたリグノセルロース系材料では、加熱温度が110℃以上230℃以下のとき、数十秒〜10分程度処理すれば良い。好ましく約1分〜約5分である。好ましくは、約2分〜3分程度である。一方、より大きな状態のままのリグノセルロース材料を用いた場合は、15分以上必要となる場合もある。
好ましい処理温度である200℃以上230℃以下の場合、数十秒〜5分程度の加熱で良好な処理状態を得ることができる。たとえば、一般的に入手しやすいプレーナ屑(典型的には、厚さ1mm以下で5cm×5cm以下程度の大きさ、好ましくは、厚さ0.5mm以下で2cm×2cm以下程度の細片)の場合、2分から5分程度で好ましい処理状態を得ることができる。
【0017】
なお、製造される成形材料が特有の匂いをえることを防ぐためには、水蒸気処理は、200℃未満の温度で行われることが好ましい。
【0018】
水蒸気処理を終了させるときは、徐々に圧力を下げることもできるし、一挙に大気圧まで開放することもできる。大気圧まで一挙に開放する場合には、処理装置内のセルロース含有材料内部の水分が蒸気化されることにより、セルロース含有材料内で爆発が生じてセルロース含有材料の組織が破壊される。この結果、セルロース含有材料が細分化されて繊維状や粉末状等に粉砕することができる(以下、高圧状態から一挙に圧力開放することを、爆砕という。また、加圧容器内で蒸煮後に一挙に圧力開放することを蒸煮・爆砕処理という。)。通常、爆砕を採用する場合には、蒸煮・爆砕が連続して行われる。蒸煮・爆砕処理の概念を図1に例示する。爆砕によれば、その後の粉砕工程が容易になる。また、乾燥工程も効率的に実施されるようになる。
なお、爆砕を実施する場合には、水蒸気処理における加熱温度は、180℃以上260℃以下であることが好ましい。より好ましくは、約200℃以上約230℃以下とする。
【0019】
このような水蒸気処理により、本材料を得ることができる。本材料には加水分解あるいは熱分解成分が生成され、当該分解成分が組織内に保持されあるいは組織から材料表面に浸出した状態となっている。
【0020】
(乾燥)
水蒸気処理後、本材料を乾燥することが好ましい。水分が多量に存在すると、本材料を加熱して流動化させる際、水分が気化して成形性あるいは流動性を損なう可能性がある。また、分解成分が水分の蒸発とともに移動して流動性や成形性を損なう可能性がある。
【0021】
乾燥工程は、一般には、本材料の含水率(乾量基準)が28%以下となるまで実施することが好ましい。より好ましくは、12%あるいは気乾含水率まで乾燥する。
【0022】
乾燥は、常温下でも高温下でも行い得るが、好ましくは、水蒸気処理の後、積極的に乾燥する。水蒸気処理後、早期に水分を蒸発させることにより、水分とともに水溶性の分解成分が離脱することを抑制して、分解成分をセルロース含有材料に多く残留させることができる。
なお、積極的な乾燥とは、水分蒸発を促進するための送風および/または熱を付与しながら乾燥させることをいう。具体的には、水蒸気処理温度以下の高温下での乾燥や、常温下での送風等による乾燥である。
なお、含水率は、JIS Z 2101木材の試験方法 3.2 含水率に準じて測定することができる。
【0023】
(粉砕)
水蒸気処理後において、粉砕は、必要に応じて行うことができる。例えば、成形材料を適用しようとする用途に本材料の粒径が適するように粉砕することができる。
本成形用組成物とする際の粒径は特に限定しない。1000μm程度でも、溶融時の流動性を十分確保することができる。押出し成形や射出成形のためのメルトフローを考慮すれば、好ましくは、約800μm以下であり、約200μm以下がさらに好ましく、より好ましくは180μm以下である。さらに好ましくは約100μm以下であり、一層好ましくは約90μm以下である。また、約45μm以下であってもよい。
フローに関しては、粒径の他、粒度分布も影響する。ある程度粒度分布を有する方が高い流動性を得ることができる。
全体的に好ましい範囲としては、約45μm以上約180μm以下であり、より好ましくは、約45μm以上約90μm以下であり、また、約90μm以上約180μm以下である。
なお、粒子形状は、特に限定しないで、薄片状、球状、不定形状、繊維状等とすることができる。
【0024】
粉砕には、例えばウィレーミル、ボールミル、かいらい機、ミキサー等の機械を用いることができる。水蒸気処理し乾燥したリグノセルロース系材料は、組織が脆化されているために簡単に破壊される。このため、単に粉砕するのに比較して小さな動力、短時間で微粉末に形成することができる。したがって、粉砕工程で熱が発生することもなく、安全にかつ省コストで粉砕することができる。
粉砕では、目標とされる成形材料の最大粒径以下の目開きの篩を用いて篩い分けすることができる。
なお、乾燥後には、粉砕のみならず、造粒も可能である。分解成分は接着性を有するため、造粒して、粒径を均質化したり、流動性を改善したりすることができる。また、造粒に際して、コーティング材を適用することにより、新しい複合成形材料を得ることもできる。
【0025】
本材料は、少なくともセルロース、ヘミセルロース、及びリグニンの分解成分を保持している。また、多くの場合、分解されていないリグニンおよび/またはセルロースを含有している。本材料は、既に述べたように、加熱することにより流動し、可塑性を発現する。結果として、このため、本材料は可塑化剤として使用できる。加熱流動は、一旦固化後も可能である。また、本材料を含む組成物を熱可塑性材料として使用でき、典型的には、熱による可塑化を利用した成形材料として使用できる。好ましくは、熱可塑性成形用材料として使用する。
推論であって、本発明を拘束するものではないが、本材料の少なくとも一部であって、特に、粒子表面に存在する分解成分が溶融することにより、粒子の集合体全体に流動性と可塑性とを付与するものと思われる。したがって、本材料は、加熱により可塑性を発現するとき、完全に溶融樹脂化している場合もありうるが、多くの場合、溶融物を一部に含み、本材料の構成粒子に由来する、不定形状、球状、繊維状、あるいは薄片状等の各種形状粒子が含んでいると考えられる。
【0026】
(本材料を含む組成物)
本発明の組成物は、本材料を含有すれば足りる。
本組成物には、本組成物を加熱することにより、本材料が流動化あるいは溶融樹脂化して、本組成物自体に可塑性を発現させうる程度に本材料を含有していることが好ましい。したがって、好ましくは、本成形用組成物は、本材料を主として含有する。具体的には組成物に用いる樹脂材料100重量部のうち本材料を20重量部以上99重量部以下含有し、より好ましくは、40重量部以上99重量部以下含有する。また、本材料のみからなる組成物とすることもできる。
【0027】
組成物中に含めることのできる他の樹脂材料としては、たとえば、通常の熱可塑性樹脂材料、熱硬化性樹脂材料、生分解性樹脂材料を使用することができる。熱可塑性樹脂材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、塩化ビニルなどを用いることができるが、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレンを用いることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等を用いることができる。好ましくは、フェノール樹脂を用いることができる。
生分解性樹脂材料を用いることにより、成形体全体としての生分解性を容易に確保することができる。なお、生分解性樹脂材料としては、ポリ乳酸、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸、ポリコハク酸ブチレン等の脂肪族ポリエステル材料から選択される1種あるいは2種以上を選択して用いることができる。これらの脂肪族ポリエステル材料は、優れた生分解性と入手容易な点において好ましい。
【0028】
(本材料あるいは本組成物の利用)
本材料、あるいは本材料を含む本組成物は、加熱により流動性を発現し、可塑性を有するようになる。さらに、冷却により固化する。本材料の可塑性を利用することで、熱可塑性を利用する成形用組成物、可塑剤組成物、充填剤組成物等の各種組成物に適用することができる。
成形用組成物としての使用に際しては、可塑時に適当な形状付与工程を実施することで容易に成形体を得ることができる。成形方法は、圧縮成形、押出し成形、射出成形他、各種樹脂成形法を採用することができる。
【0029】
(前駆体)
使用前の本組成物は、特に、その形態を限定するものではない。粉末状や粒子状の他、成形・搬送・ハンドリングに適した形状や大きさを備えた前駆体とすることもできる。このような前駆体は、少なくとも加圧することによって得ることができる。本材料が本来的に有する分解成分は、常温でも粘結性を有している。このため、この粘結性を利用することにより、加圧のみによって形状を有する前駆体を得ることができる。また、同時に加熱することにより、本材料の少なくとも一部を溶融させ一層結合性が高められた状態の各種形状の前駆体を得ることができる。本材料は熱可塑性を有するため、前駆体を後段の加熱工程において、加熱することにより可塑性を発現させることができる。
【0030】
(可塑化)
可塑化のための加熱条件は、好ましくは、本材料が流動化する範囲内で設定することができる。流動化する温度(流動化開始温度)は、本材料の水蒸気処理条件によっても異なるが、約100℃以上約260℃以下とすることができる。好ましくは、約110℃以上であり、より好ましくは約150℃以上であり、さらに好ましくは約170℃以上であり、最も好ましくは約180℃以上である。また、約230℃以下とすることが好ましい。約170℃以上約180℃以下とすることが最も好ましい。
なお、加熱温度は、水蒸気処理時の温度が高い場合には、相対的に低く設定することができる。また、水蒸気処理温度が低い場合には、相対的に高く設定することが好ましい。
【0031】
特に、水蒸気処理温度が約200℃であった場合、用いたリグノセルロース系材料や処理時間にもよるが、約150℃〜約190℃の温度で流動開始させることができる。
また、水蒸気処理温度が約210℃であった場合、用いたリグノセルロース系材料や処理時間にもよるが、約160℃で流動開始させることができる。
水蒸気処理温度が約220℃であった場合、用いたリグノセルロース系材料や処理時間にもよるが、約100℃〜約140℃で流動開始させることができる。
たとえば、一般的なプレーナ屑(典型的には、厚さ1mm以下で5cm×5cm以下程度の大きさ、好ましくは、厚さ0.5mm以下で2cm×2cm以下程度の細片)を水蒸気処理温度が約200℃で処理した場合、処理時間が5分未満(2分程度)の場合には、約190℃で流動開始し、処理時間が5分〜10分の場合は、約190℃で流動開始する。
また、同様の細片につき、水蒸気処理温度が約210℃、処理時間が5分未満(2分程度)の場合には、約160℃で流動化する。水蒸気処理温度が約220℃、処理時間が5分未満(2分程度)の場合には、約140℃で流動化し、同温度で処理時間が5〜10分の場合には、100〜110℃で流動化する。特に、同様の細片について、水蒸気処理温度が約220℃、処理時間10分の場合、流動開始温度は約105℃程度である。
なお、既に述べたように、本材料の粒子径は、流動化を確保するには、好ましくは、45μm以上180μm以下であるが、粒子径が45μm以下であると、例示した温度よりもより低い温度で流動を開始することがわかっている。
ヤング物性の確保を重要視する場合には、成形温度は約170℃である。また、予熱工程を付与するとともに、加圧加熱時間を好ましくは10分以上、より好ましくは15分以上、さらに好ましくは20分以上とする。
【0032】
以上のことから、水蒸気処理温度によって流動開始温度や流動性を制御できることが明らかである。なお、流動開始温度は、一般的に入手可能な細管式レオメータ等による押出し試験によって確認することができる。
最も、一般的な細管式レオメータは、温度制御可能な加熱炉と、加熱炉内に設置され、試験試料を収容し、吐出口であるノズルを有するシリンダと、シリンダ内の試料を加圧するピストン、とを備えている。かかる細管式レオメータによる押出し試験の一例を図2に示す。本材料は、かかる細管式レオメーターにより加熱により流動を開始し、糸状体として吐出される。
【0033】
なお、加熱工程に先んじて、本材料及び本組成物を予め加熱しておくことが好ましい。すなわち、本材料が可塑化しない程度の加熱工程を予め実施することが好ましい。かかる予熱工程を実施することで、加熱条件を緩やかにすることができる。また、成形体を得る場合には、得られる成形体の密度、曲げ強さ、曲げヤング係数を飛躍的に向上させることができる。また、吸水時の膨張率や吸水率を顕著に低下させることができる。予熱工程の温度は、特に限定しないが、好ましくは、加熱工程時の加熱温度と同程度とする。
【0034】
(成形体の製造)
成形用組成物を加熱して流動化・可塑化後、あるいは流動化に伴い、適切な形状付与手段を適用することにより成形体を得ることができる。形状付与手段は、たとえば、型を使用したり、ダイを通過させたりする従来公知の手段を使用することができる。その後、冷却することにより、成形体を得ることができる。成形方法としては、回転駆動体の成形に適したものであれば特に限定しないが、好ましくは、圧縮成形方法である。
また、本成形体の製造にあたっては、成形用組成物を可塑化して成形するため、精密な成形が可能である。たとえば、円盤や円柱等の単純形状のみならず、そのまま所望の歯形を有する歯車などの回転駆動体、肉厚の異なる部位や異なる断面形状を有する回転駆動体、絞り部分などを有する回転駆動体を製造することができる。
【0035】
形状付与時の条件は、水蒸気処理条件や成形手法によって異なる。ボードやパネル等を圧縮成形により得る場合には、加圧条件を、約10MPa以上約80MPa以下とすることが好ましい。より好ましくは、約25MPa以上とし、また、60MPa以下とする。水蒸気処理温度が220℃以上の高温で所定時間(典型的には2〜5分程度)処理されていれば、50MPa以下で良好な成形を実現することができる。
【0036】
(成形体)
本成形用組成物に対して形状付与し後、冷却することにより、成形体を得ることができる。
得られた成形体は、少なくとも一部において、樹脂様となっている。特に、表面において顕著に樹脂様表面を有する。また、特に、内相において、本材料の構成粒子に由来する粒子が結合された状態が観察されることもある。多くの場合、成形体は、樹脂様部と粒子結合部分とが混在した状態となっている。
本成形体によれば、その密度、曲げ強さ、曲げヤング係数において優れた特性を確保することができる。たとえば、曲げ強さが、少なくとも10N/mm、好ましくは40N/mm以上、より好ましくは50N/mm以上の成形体を得ることができる。また、曲げヤング係数が2.0kN/mm以上、好ましくは6.0kN/mm以上、さらに好ましくは8.0kN/mm以上である成形体を得ることができる。また、吸水時の厚さ膨張率が15%以下、好ましくは、12%以下の成形体を得ることができる。また、吸水率が13%以下、好ましくは10%以下の耐水性に優れた成形体を得ることができる。
さらに、耐油性の優れた成形体を得ることができる。例えば、機械油に24時間浸漬した場合の吸油率が1%以下、好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下の成形体を得ることができる。
また、上記浸漬条件で吸油厚さ膨張率及び吸油長さ膨張率がそれぞれ1%以下、好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下の成形体を得ることができる。
また、粒子流動に近い流動状態の場合には、硬化後の加熱後の収縮率が小さく、このため、容易に寸法精度の高い成形体を得ることもできる。
なお、上記した各種特性の試験方法としては、以下に示す方法を採用することが好ましい。
【0037】
1.密度
JIS A 5905繊維板5.4密度試験に準じる。なお、試験片の寸法は、20mm×20mmとする。
2.曲げ試験(曲げ強さ及び曲げヤング係数)
寸法幅10mm×長さ65mm×厚み4〜6mmの試験片に対して、スパン50mm、荷重速度2mm/分とし中央集中荷重を加えて試験を行う。曲げ強さ及び曲げヤング係数の算出は、JIS Z 5905 木材の試験方法 9 曲げ試験による。
3.吸水厚さ膨張率
JIS A 5905繊維板5.10吸水厚さ膨張率試験に準じる。水浸せき時間は24時間とする。また、試験片の寸法は20mm×20mmとする。
4.吸水率
JIS A 5905繊維板5.9吸水率試験に準じる。試験片の寸法は20mm×20mmとする。
5.吸油性
例えば、機械油などの油に一定時間(例えば24時間)浸漬し、浸漬前後の重量増加を初期重量で除することにより、吸油率を算出することができる。また、浸漬前後の厚み及び長さの変化をそれぞれ初期厚み及び初期長さで除することにより、吸油厚さ膨張率及び吸油長さ膨張率を算出することができる。
【0038】
このような成形体は、樹脂様相を備えるとともに、高い密度と高い強度を有していることから、成形後に2次的加工を施すことできる。この結果、本成形体及びその2次加工体は、従来合成樹脂成形体が用いられていた工業製品を本成形体により代替することができる。たとえば、合成樹脂に対して行われる、切削加工及び研削加工等の各種加工を実施することできる。
【0039】
(回転駆動体)
本成形体は、その表面が本質的に潤滑性に優れ、摩擦により熱が発生しにくいという特性を備えている。特に、本材料のみから得られた成形体においてはかかる特性が顕著である。このため、成形により、あるいはさらに切削加工を施して、歯車、シャフト、オーガ、ベアリング、軸受けなどの動力伝達に関わる回転駆動体に用いることができる。
特に、回転駆動体にあっては、曲げヤング係数が8.0kNmm以上であることが好ましく、より好ましくは10.0kN/mm以上である。かかる曲げヤング係数を備えることにより、一般的に使用される歯車(歯高が0.5mm以上16mm以下で歯数が6以上120以下)、特に、歯高が4mm以上の歯車を構成することができ、例えば、モジュール2.0(歯高4mm)で、歯数が6以上120以下)を実用可能な強度を付して作製することができる。
また、本成形体を用いた回転駆動体は、優れた潤滑性を有し、潤滑油を供給することなく、あるいは従来金属製の回転駆動体に必要とされているのに比べて少ない潤滑油量で回転させることができる。同時に、ポリアセタールコポリマーなどのエンジニアリングプラスチックと同等程度の磨耗量に抑制することができる。
一方、機械油24時間浸漬後における吸油率が1%以下(好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.05%以下、最も好ましくは0.01%以下)であって高い耐油性を有する。また、吸油厚さ膨張率及び吸油長さ膨張率もそれぞれ1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.05%以下、最も好ましくは0.01%以下である。これらのことから、本回転駆動体は、高い耐油性を有しているといえる。したがって、油に浸漬状態においても十分に使用可能であり、金属製歯車に代替可能である。
【0040】
(回転駆動体の再利用)
本回転駆動体は、本材料の熱可塑性に基づいて、加熱により再度可塑性を発現させることができる。したがって、本回転駆動体が不要となった場合において、再度加熱することににより、再び成形材料として使用できる。すなわち、そのままの組成で新たな形状を付与することもできるし、他の材料と組み合わせて新たな形状を付与することもできる。さらに、充填剤として別の用途に転用することもできる。
また、使用済みの本回転駆動体を可塑化させることにより、回転駆動体中の他のフィラーなどの複合材料や樹脂材料と分離したり、あるいはこれらを回収することができる。同時に、本材料のみを回収することも可能となる。
さらに、固形燃料や吸着剤としても使用することができる。
なお、本回転駆動体を再利用するにあたっては、予め、細分化しておくことが好ましい。
【0041】
(回転駆動体の生分解)
本発明の回転駆動体は、リグノセルロース系材料のみから、あるいはそれを主体としている。したがって、そのまま土中などの微生物などの生育する領域あるいは一定のセルロースやリグニン分解性微生物叢に供給することにより、生分解される。したがって、廃棄にあたっても、環境に与える影響を抑制することができる。
【0042】
【実施例】
(実施例1)
ブナのプレーナ屑を200℃で10分間水蒸気処理し、その後、一気に圧力を開放して爆砕し、繊維化した。その後、天日で気乾含水率まで乾燥させ、ウィレーミルで粉砕し、篩いにかけて500μm以下の大きさの微粉末を回収した。
【0043】
(実施例2)
実施例1で得た微粉末を成形材料として、そのまま成形用組成物として使用した。本成形材料以外には、なんら他の材料は使用しなかった。この成形用組成物をプレス金型に注入し、荷重27.7MPa下、170℃、190℃の2つの温度で20分間加圧及び加熱して、成形体を得た。なお、いずれの温度条件試料についても、成形用組成物に対して約20分間の予熱工程を付与した。
この2種類の成形体について各種機械的物性等を確認した。結果を表1に示す。
【表1】

Figure 2004261967
【0044】
表1に示すように、本成形材料を用いることにより、好ましい密度、曲げ強さ、曲げヤング強度を備える成形体を得られることがわかった。また、耐油特性の結果から、成形体を油に浸漬した状態でも機能させうることがわかった。
【0045】
(実施例3)
ブナのプレーナ屑を200℃で10分間水蒸気処理し、その後、一気に圧力を開放して爆砕し、繊維化した。その後、天日で気乾含水率まで乾燥させ、ウィレーミルで粉砕し、篩いにかけて500μm以下の大きさの微粉末を回収した。
この微粉末のみを成形材料とした成形用組成物をプレス金型に注入し、荷重27.7MPa下、170℃で20分間加圧及び加熱して、3種類の歯車成形体を得た。なお、成形用組成物に対して約20分間の予熱工程を付与した。各種歯車の形態と耐久試験機の概略をそれぞれ図1及び図2に示す。
大歯車1は、成形用組成物130gを,上記条件で100mm×100mm×9mmのサイズに圧縮成形した後、モジュール2.0、歯数38となるよう切削加工して作製した。中間歯車2は、成形用組成物13gを、上記条件でモジュール2.0、歯数18となるように熱圧成形して作製した。他の一つの歯車は、駆動歯車3であり、中間歯車2と同様の条件で成形して作製した。なお、最終歯車4は、ジュラコン(商標、ポリアセタールコポリマー)を歯切りしてモジュール2.0、歯数18となるように作製した。
【0046】
図2に示すように、最終歯車4の回転軸にコイルスプリングにより10Nの負荷を与え、モーターにより駆動歯車3に3166rpmの回転をさせ、8時間連続運転して歯車耐久試験を行った。この試験装置においては、大歯車1は、1500rpmで両歯面が相手歯車に回転接触し、中間歯車2は、3166rpmで両歯面が相手歯車に回転接触し、駆動歯車3と最終歯車4は、片歯面がそれぞれ動力伝達接触するようになっている。回転前及び回転中に潤滑油は供給しなかった。また、試験における総回転数は、歯車試料1は720000回転であり、中間歯車2及び最終歯車4は、それぞれ1519680回転であった。
本試験では、試験前後の各歯車重量を測定し、耐久試験による重量減少量を算出した。また、大歯車1と駆動歯車4について歯面(歯形)の試験前後の変化をGEARTEC TTi−300E(株式会社東京テクニカル)により測定した。
この耐久試験結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
Figure 2004261967
表2に示すように、試験前後の質量変化からは、本成形材料による歯車がジュラコンと同等あるいはそれ以上の耐久性を備えていることがわかった。また、歯面の変化量もこの結果を支持していた。
これらのことから、本改質材料を用いた成形体を歯車として実用可能であることがわかった。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、リグノセルロース系材料に由来する材料の成形体を用いて歯車などの回転駆動体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】歯車耐久試験機における歯車構成を示す正面図である。
【図2】歯車耐久試験機の側面図である。
1 大歯車
2 中間歯車
3 駆動歯車
4 最終歯車[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a lignocellulosic material and a technique using the material, and more particularly, to a rotary driving body using a molding technique of a lignocellulosic modified material that is modified by steam treatment and exhibits plasticity.
[0002]
[Prior art]
Effective use of resources, reduction of the use of chemicals that have a negative effect on nature and the human body, disposal of harmful substances and CO 2 Attempts have been made to utilize lignocellulosic materials derived from plant resources for the purpose of reducing emissions.
Typical lignocellulosic materials are lignocellulosic materials obtained from wood and herbs.
These lignocellulosic materials are typically in the form of fibers or chips, and are used as molding materials for various boards and panels using a thermosetting adhesive as a binder (Patent Document 1). Further, a molded product is obtained by adding wood powder or the like to a thermosetting resin material and extruding the molded product.
[0003]
[Patent Document 1]
JP-T-2002-528299
[0004]
In addition, some lignocellulosic materials are either discarded or not yet used. For example, it is industrial waste or agricultural waste such as demolition waste of houses and furniture, waste paper such as newsprint and cardboard, cut grass, fallen leaves, cuttings, thinned wood, and compressed slag such as sugarcane. Although some of these lignocellulosic materials are reused for board and panel materials, fermented compost, litter and solid fuel, they have useful parts due to processing costs such as crushing and drying. However, waste is still being disposed and incinerated.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In recent years, from the viewpoint of recycling of useful resources and suppressing global warming, further use of lignocellulosic materials that have been discarded or incinerated has been required in recent years. However, as described above, the discarded or unused lignocellulosic material has to go through various steps in order to be reused from the viewpoint of heterogeneity and high water content. Further, in order to promote recycling, it is also desirable that other materials be contained as little as possible.
On the other hand, there is known a technique in which a material obtained by subjecting a lignocellulosic material to steam treatment is dried, defibrated, heated and pressed to obtain a strong board using the adhesive force of a component generated by the steam treatment. ing. However, since the board is a fiber board mainly composed of a fiber in a material form, it has been difficult to form a board other than the board. However, in order to secure a wider range of reuse, it is necessary to secure new uses other than boards.
Here, the rotary driving body such as a gear or a belt wheel is generally made of metal at present, and is limitedly made of resin.
[0006]
Therefore, an object of the present invention is to provide a technique for manufacturing a rotary driving body such as a gear using a lignocellulose-based material.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted various studies on lignocellulose-based modified materials obtained by subjecting lignocellulose-based materials to steam treatment. As a result, it has been found that the lignocellulose-based material after the treatment can be heated to develop the flow of the material, and further, based on the plasticity due to the flow, a molding process applied to general resin molding is performed. Utilizing it, manufacturing a rotary driving body such as a gear, and finding that the gear exhibits unexpected characteristics, the rotary driving body such as a gear molded with the present lignocellulose-based modified material is used for a polyacetal copolymer or the like. They have found that they have the same or better performance than engineering plastics, and have completed the present invention.
According to the present invention, the following means are provided.
[0008]
(1) a rotary drive,
A rotary drive mainly comprising a molded product of a lignocellulosic modified material obtained by subjecting a lignocellulosic material to steam treatment.
(2) The rotary driver according to (1), wherein the rotary driver is a gear.
(3) The rotary driving body according to (2), wherein the meshing portion of the gear is formed by cutting or molding the lignocellulose-based modified material.
(4) The bending Young's modulus is 10.0 kN / mm 2 The rotation driver according to any one of (1) to (3).
(5) The rotary drive according to any one of (1) to (4), which is driven by non-lubricating oil or low lubricating oil.
(6) The rotary driving body according to any one of (1) to (5), wherein the gear has a tooth height of 0.5 mm or more and 16 mm or less and a number of teeth of 6 or more.
(7) a rotary driving body,
A molded product of a lignocellulose-based modified material obtained by subjecting a lignocellulosic material to steam treatment is mainly used, and the bending Young's modulus of the molded product is 10.0 kN / mm. 2 And a gear having a tooth height of 0.5 mm or more and 6 mm or less and a number of teeth of 6 or more.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the present invention, a rotary driving body is provided by at least molding a lignocellulose-based modified material obtained by steam-treating a lignocellulose-based material.
When the lignocellulose-based material is subjected to steam treatment, a cellulose-based component such as cellulose or hemicellulose contained in the material undergoes hydrolysis or the like to generate a decomposition component. In addition, the lignin-based component contained in the agent material is also denatured or decomposed to generate a decomposed component. Therefore, the lignocellulose-based modified material obtained by subjecting the lignocellulose-based material to steam treatment contains a cellulose-based decomposition component and a lignin-based decomposition component. Although not fully understood in theory, at least a part of such a material melts and flows by heating, and exhibits plasticity. Further, after plasticizing by this flow, the material once solidified flows by heating again and exhibits plasticity. Therefore, the lignocellulosic material functions as a thermoplastic material that can impart plasticity by heating. At the same time, by heating the composition containing the lignocellulose-based modifying material, the composition can be fluidized to exhibit plasticity.
Therefore, according to these inventions, it is possible to realize recycling of valuable plant-derived resources.
[0010]
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
In the following description, first, the lignocellulose-based modified material of the present invention will be described, and then, a method for producing a molded article using the modified material will be described.
[0011]
(Lignocellulosic modified material)
The modified material of the present invention (hereinafter, referred to as the present material) is obtained by subjecting a lignocellulosic material to steam treatment. In the present specification, the “lignocellulosic material” may be any material containing lignin and cellulose. Preferably, it is contained in the form of lignocellulose constituting a plant cell wall. Accordingly, the lignocellulosic material is preferably all or part of various trees, herbs such as kenaf, corn, sugarcane, hemp, rush and rice. In addition, lignocellulosic materials include industrial or agricultural waste such as house demolition, furniture demolition, wood chips, thinned wood, chaff, wood flour, waste paper, pruned branches, cut grass, fallen leaves, and sugarcane slag (bagasse). Things. The lignocellulose-based material may not be in the form of a complex with cellulose or hemicellulose and lignin, but may be in the form of containing each separately. Further, these individual materials may be added to a lignocellulose-based material containing lignocellulose in a composite form. Therefore, the lignocellulosic material can be, for example, a lignin-containing fraction obtained as waste in the pulping step with high-quality waste paper containing almost no lignin.
[0012]
In the present invention, these lignocellulosic materials can be used alone or in combination of two or more. However, from the viewpoint of homogeneity of the material and suppression of the strength of the processing conditions, they may be used alone or in combination of two or more. It is preferable to use a combination of about three types.
In performing the steam treatment, it is preferable to use only the lignocellulose material, but if necessary, a material other than lignocellulose, for example, a saccharide such as glucose, a lignin component, an acid, and water can be appropriately added. .
[0013]
Depending on the size of the lignocellulosic material to be subjected to the steam treatment, the degree of generation of the decomposition component by the steam treatment can be controlled.
The lignocellulosic material is preferably finely divided so that the steam treatment can be performed uniformly. When it is subdivided, the time required in each of the steps of steaming, drying, and pulverizing is also reduced. In particular, the lignocellulose-based material is easy to handle when it is formed into small pieces or fine powder, specifically, in the form of flakes or wafers. The size can be, for example, about 5 cm × 5 cm or less with a thickness of 1 mm or less, and preferably about 2 cm × 2 cm or less with a thickness of 0.5 mm or less. Sawdust, planar waste and the like can be used as they are.
[0014]
The water content (dry basis) of the lignocellulosic material is preferably 120% or less (hereinafter, the water content means weight%). If the water content exceeds 120%, the decomposed components generated in the lignocellulosic material by the steam treatment tend to flow out, and it becomes difficult for an effective amount of the decomposed components to be retained in the treated lignocellulosic material. More preferably, it is 8% or more and 100% or less. Within such a range, the entire lignocellulose-based material can be uniformly steamed to generate a decomposed component, and at the same time, the outflow of the decomposed component can be effectively suppressed, and a thermoplastic material having favorable fluidity and moldability can be obtained. Obtainable. If it is less than 8%, the exposure to water vapor tends to be uneven, so that the generation of decomposition components also becomes uneven, making it difficult to obtain a thermoplastic material having good fluidity. On the other hand, if it exceeds 100%, free water in the lignocellulose-based material is easily released during the steam treatment, and the decomposed component easily flows out of the lignocellulose-based material with the release of the free water, and the resulting lignocellulose-based material The thermal fluidity of the material decreases. More preferably, it is 15% or more and 100% or less. More preferably, it is 30% or more and 100% or less.
The degree of the water content can be adjusted in the step of drying the lignocellulosic material. Conversely, the water content can also be adjusted by externally applying moisture to the lignocellulosic material.
[0015]
(Steam treatment)
The steam treatment can be performed in various forms, but is preferably performed by heating under saturated steam or superheated steam. Specifically, this is performed by exposing the lignocellulosic material to heated steam in a pressure vessel under high pressure.
In the steam treatment, heating is preferably performed at about 60 ° C. or higher, and the upper limit is preferably about 260 ° C. or lower. When the temperature is 60 ° C. or more and 250 ° C. or less, while decomposing hemicellulose and lignin, side reactions such as decomposition condensation can be suppressed. Preferably, it is heated to about 110 ° C or more and about 230 ° C or less. More preferably, the temperature is about 150 ° C. or more and about 230 ° C. or less. Most preferably, the temperature is about 200 ° C. or more and about 230 ° C. or less, more preferably 220 ° C.
[0016]
When the heating temperature is about 110 ° C. or more and about 230 ° C. or less, the steam treatment may be performed, for example, for several tens seconds to several tens minutes. The processing time is preferably longer when the processing temperature is low, and can be shorter when the processing temperature is high. Further, when the lignocellulose-based material is large, it is preferable to make the length longer, and when the material is small, the length can be made shorter.
In the case of the lignocellulosic material finely divided into flakes as described above, when the heating temperature is 110 ° C. or higher and 230 ° C. or lower, the treatment may be performed for several tens seconds to about 10 minutes. Preferably from about 1 minute to about 5 minutes. Preferably, it is about 2 to 3 minutes. On the other hand, when a lignocellulose material in a larger state is used, 15 minutes or more may be required.
When the processing temperature is 200 ° C. or higher and 230 ° C. or lower, which is a preferable processing temperature, a good processing state can be obtained by heating for several tens of seconds to about 5 minutes. For example, generally available planar waste (typically, a piece having a thickness of about 1 cm or less and a size of about 5 cm × 5 cm or less, preferably a piece of about 0.5 cm or less and a size of about 2 cm × 2 cm or less) is used. In this case, a preferable processing state can be obtained in about 2 to 5 minutes.
[0017]
In addition, in order to prevent the produced molding material from giving a peculiar smell, the steam treatment is preferably performed at a temperature of less than 200 ° C.
[0018]
When terminating the steam treatment, the pressure can be gradually reduced or the pressure can be released all at once to the atmospheric pressure. When the pressure is released all at once to the atmospheric pressure, the moisture inside the cellulose-containing material in the processing apparatus is vaporized, so that an explosion occurs in the cellulose-containing material and the structure of the cellulose-containing material is destroyed. As a result, the cellulose-containing material can be finely divided and pulverized into a fibrous form, a powdery form, or the like (hereinafter, releasing pressure from a high pressure state at once is referred to as explosion. Relieving pressure is called steaming / explosion treatment.) Usually, when blasting is adopted, steaming and blasting are performed continuously. FIG. 1 illustrates the concept of the steaming / explosion treatment. Explosion simplifies the subsequent crushing process. In addition, the drying step can be performed efficiently.
In addition, when performing blasting, the heating temperature in the steam treatment is preferably 180 ° C. or more and 260 ° C. or less. More preferably, the temperature is about 200 ° C. or more and about 230 ° C. or less.
[0019]
This material can be obtained by such a steam treatment. A hydrolysis or thermal decomposition component is generated in the material, and the decomposition component is retained in the tissue or leached from the tissue to the material surface.
[0020]
(Dry)
After steaming, the material is preferably dried. When a large amount of water is present, when the present material is heated and fluidized, the water may be vaporized and the moldability or fluidity may be impaired. In addition, the decomposed component may move with the evaporation of the water and impair the fluidity and moldability.
[0021]
In general, the drying step is preferably performed until the water content (based on the dry amount) of the present material becomes 28% or less. More preferably, it is dried to 12% or air-dry moisture content.
[0022]
Drying can be carried out at normal temperature or high temperature, but preferably, after the steam treatment, drying is carried out positively. By evaporating the water at an early stage after the steam treatment, it is possible to prevent the water-soluble decomposed component from being released together with the water, thereby allowing a large amount of the decomposed component to remain in the cellulose-containing material.
Note that active drying means drying while applying air and / or heat to promote water evaporation. Specifically, drying at a high temperature equal to or lower than the steam treatment temperature or drying by blowing air at a normal temperature is used.
The moisture content can be measured according to JIS Z 2101 Wood Test Method 3.2 Moisture Content.
[0023]
(Crushing)
After the steam treatment, pulverization can be performed as necessary. For example, the material can be ground so that the particle size of the material is suitable for the application in which the molding material is to be applied.
The particle size of the present molding composition is not particularly limited. Even with about 1000 μm, sufficient fluidity during melting can be ensured. In consideration of the melt flow for extrusion molding and injection molding, it is preferably about 800 μm or less, more preferably about 200 μm or less, and more preferably 180 μm or less. More preferably, it is about 100 μm or less, more preferably about 90 μm or less. Further, it may be about 45 μm or less.
Regarding the flow, in addition to the particle size, the particle size distribution also affects. Higher fluidity can be obtained by having a certain particle size distribution.
An overall preferred range is from about 45 μm to about 180 μm, more preferably from about 45 μm to about 90 μm, and from about 90 μm to about 180 μm.
The shape of the particles is not particularly limited, and may be flaky, spherical, irregular, fibrous, or the like.
[0024]
For the pulverization, for example, a machine such as a wheely mill, a ball mill, a grinder, a mixer, or the like can be used. Lignocellulosic materials that have been steamed and dried are easily destroyed due to their embrittled tissue. For this reason, it can be formed into a fine powder in a short time and with a small power as compared with simply grinding. Therefore, it is possible to pulverize safely and at low cost without generating heat in the pulverization step.
In the pulverization, the material can be sieved using a sieve having a mesh size not more than the maximum particle size of the target molding material.
After drying, not only pulverization but also granulation is possible. Since the decomposed component has adhesiveness, it can be granulated to homogenize the particle size or improve the fluidity. Also, a new composite molding material can be obtained by applying a coating material during granulation.
[0025]
This material retains at least cellulose, hemicellulose, and lignin degradation components. It often contains undegraded lignin and / or cellulose. As described above, the material flows by heating and develops plasticity. As a result, this material can be used as a plasticizer. Heat flow is possible even after solidification. Further, a composition containing the present material can be used as a thermoplastic material, and typically can be used as a molding material utilizing plasticization by heat. Preferably, it is used as a thermoplastic molding material.
Although it is an inference and does not restrict the present invention, at least a part of the present material, particularly, the decomposition component present on the particle surface is melted, so that the entire aggregate of particles has fluidity and plasticity. It seems to give. Therefore, when the material develops plasticity by heating, it may be completely melted, but in many cases, the amorphous material contains a melt in part and is derived from the constituent particles of the material. It is considered that particles of various shapes such as spherical, fibrous, and flaky shapes are included.
[0026]
(Composition containing this material)
It is sufficient for the composition of the present invention to contain this material.
It is preferable that the present composition contains the present material to such an extent that the present material is fluidized or melted into a resin by heating the present composition so that the present composition itself can exhibit plasticity. Therefore, preferably, the present molding composition mainly contains the present material. Specifically, the resin composition contains 20 to 99 parts by weight, more preferably 40 to 99 parts by weight, of 100 parts by weight of the resin material used in the composition. In addition, a composition comprising only the present material can be used.
[0027]
As other resin materials that can be included in the composition, for example, ordinary thermoplastic resin materials, thermosetting resin materials, and biodegradable resin materials can be used. As the thermoplastic resin material, polyethylene, polypropylene, ABS, vinyl chloride, and the like can be used, and preferably, polypropylene and polyethylene can be used.
Further, as the thermosetting resin, a phenol resin, a urea resin, a melamine resin, or the like can be used. Preferably, a phenol resin can be used.
By using the biodegradable resin material, the biodegradability of the entire molded body can be easily secured. As the biodegradable resin material, one or more selected from aliphatic polyester materials such as polylactic acid, poly-β-hydroxybutyric acid, and butylene polysuccinate can be selected and used. These aliphatic polyester materials are preferred in terms of excellent biodegradability and easy availability.
[0028]
(Use of this material or this composition)
The present material or the present composition containing the present material develops fluidity by heating and becomes plastic. Further, it is solidified by cooling. By utilizing the plasticity of the present material, it can be applied to various compositions such as a molding composition, a plasticizer composition, and a filler composition utilizing thermoplasticity.
When used as a molding composition, a molded article can be easily obtained by performing an appropriate shape imparting step during plasticization. As the molding method, various resin molding methods such as compression molding, extrusion molding, injection molding and the like can be adopted.
[0029]
(precursor)
The composition before use does not particularly limit the form. In addition to a powder or a particle, a precursor having a shape and a size suitable for molding, transportation, and handling can also be used. Such a precursor can be obtained at least by pressing. The decomposition component inherent in the present material has caking properties even at normal temperature. Therefore, by utilizing this caking property, a precursor having a shape can be obtained only by applying pressure. Further, by heating at the same time, it is possible to obtain a precursor of various shapes in a state where at least a part of the present material is melted and the bonding property is further enhanced. Since this material has thermoplasticity, plasticity can be developed by heating the precursor in a subsequent heating step.
[0030]
(Plasticization)
Heating conditions for plasticization can be preferably set within a range where the material is fluidized. The fluidization temperature (fluidization start temperature) varies depending on the steam treatment conditions of the material, but can be from about 100 ° C to about 260 ° C. Preferably, it is about 110 ° C. or more, more preferably about 150 ° C. or more, even more preferably about 170 ° C. or more, and most preferably about 180 ° C. or more. Further, the temperature is preferably set to about 230 ° C. or lower. Most preferably, the temperature is from about 170 ° C to about 180 ° C.
Note that the heating temperature can be set relatively low when the temperature during the steam treatment is high. When the steam treatment temperature is low, it is preferable to set the temperature relatively high.
[0031]
In particular, when the steam treatment temperature is about 200 ° C., the flow can be started at a temperature of about 150 ° C. to about 190 ° C., depending on the lignocellulosic material used and the treatment time.
When the steam treatment temperature is about 210 ° C., the flow can be started at about 160 ° C., depending on the lignocellulosic material used and the treatment time.
When the steaming temperature is about 220 ° C., the flow can be started at about 100 ° C. to about 140 ° C., depending on the lignocellulosic material used and the processing time.
For example, a common planar waste (typically a piece having a thickness of 1 mm or less and a size of about 5 cm × 5 cm or less, preferably a piece of a thickness of 0.5 mm or less and about 2 cm × 2 cm or less) is subjected to a steam treatment temperature. If the processing time is less than 5 minutes (about 2 minutes), the flow starts at about 190 ° C., and if the processing time is 5 minutes to 10 minutes, the flow starts at about 190 ° C. Start.
In addition, the same strip is fluidized at about 160 ° C. when the steam processing temperature is about 210 ° C. and the processing time is less than 5 minutes (about 2 minutes). When the steam treatment temperature is about 220 ° C. and the treatment time is less than 5 minutes (about 2 minutes), it is fluidized at about 140 ° C., and when the treatment time is 5 to 10 minutes at the same temperature, it is 100 to 110 ° C. Fluidize with In particular, for the same strip, when the steam treatment temperature is about 220 ° C. and the treatment time is 10 minutes, the flow start temperature is about 105 ° C.
In addition, as already described, the particle diameter of the present material is preferably 45 μm or more and 180 μm or less in order to ensure fluidization, but if the particle diameter is 45 μm or less, the temperature is lower than the exemplified temperature. It has been found that flow begins at temperature.
When importance is placed on ensuring the Young's physical properties, the molding temperature is about 170 ° C. In addition to the preheating step, the heating time under pressure is preferably 10 minutes or more, more preferably 15 minutes or more, and further preferably 20 minutes or more.
[0032]
From the above, it is clear that the flow start temperature and the flowability can be controlled by the steam treatment temperature. The flow start temperature can be confirmed by an extrusion test using a generally available capillary rheometer or the like.
Most common capillary-type rheometers are a heating furnace capable of controlling the temperature, a cylinder that is installed in the heating furnace, contains a test sample, has a nozzle that is a discharge port, and a piston that pressurizes the sample in the cylinder. And FIG. 2 shows an example of an extrusion test using such a capillary rheometer. The material starts to flow by heating by such a capillary rheometer, and is discharged as a filament.
[0033]
In addition, it is preferable to heat the present material and the present composition in advance before the heating step. That is, it is preferable to carry out a heating step before the material is not plasticized. By performing such a preheating step, heating conditions can be moderated. Moreover, when obtaining a molded body, the density, bending strength, and bending Young's modulus of the obtained molded body can be drastically improved. Further, the expansion coefficient and water absorption rate during water absorption can be significantly reduced. The temperature in the preheating step is not particularly limited, but is preferably about the same as the heating temperature in the heating step.
[0034]
(Manufacture of molded products)
After the molding composition is heated and fluidized / plasticized, or with the fluidization, a molded article can be obtained by applying an appropriate shape imparting means. As the shape imparting means, for example, a conventionally known means such as using a mold or passing through a die can be used. Thereafter, by cooling, a molded body can be obtained. The molding method is not particularly limited as long as it is suitable for molding the rotary driving body, but is preferably a compression molding method.
Further, in the production of the present molded article, since the molding composition is plasticized and molded, precise molding is possible. For example, not only a simple shape such as a disk or a cylinder, but also a rotary drive such as a gear having a desired tooth shape as it is, a rotary drive having a portion having a different thickness, a rotary drive having a different cross-sectional shape, and a rotary drive having a throttle portion. Can be manufactured.
[0035]
Conditions at the time of imparting a shape differ depending on steam treatment conditions and a molding technique. When a board, panel, or the like is obtained by compression molding, it is preferable that the pressing condition be about 10 MPa or more and about 80 MPa or less. More preferably, the pressure is set to about 25 MPa or more and 60 MPa or less. If the steam treatment is performed at a high temperature of 220 ° C. or higher for a predetermined time (typically about 2 to 5 minutes), good molding can be realized at 50 MPa or lower.
[0036]
(Molded body)
After giving the shape to the molding composition, the molded article can be obtained by cooling.
The obtained molded body is at least partially resin-like. In particular, the surface has a remarkably resin-like surface. Particularly, in the internal phase, a state where particles derived from the constituent particles of the present material may be observed. In many cases, the molded article is in a state in which the resin-like portion and the particle bonding portion are mixed.
According to the present molded article, it is possible to secure excellent characteristics in the density, bending strength, and bending Young's modulus. For example, the bending strength is at least 10 N / mm 2 , Preferably 40 N / mm 2 Above, more preferably 50 N / mm 2 The above molded product can be obtained. The bending Young's modulus is 2.0 kN / mm 2 Above, preferably 6.0 kN / mm 2 Above, more preferably 8.0 kN / mm 2 A molded article as described above can be obtained. Further, a molded product having a thickness expansion coefficient of 15% or less, preferably 12% or less when absorbing water can be obtained. In addition, a molded article excellent in water resistance having a water absorption of 13% or less, preferably 10% or less can be obtained.
Further, a molded article having excellent oil resistance can be obtained. For example, a molded article having an oil absorption of 1% or less, preferably 0.5% or less, more preferably 0.1% or less when immersed in machine oil for 24 hours can be obtained.
Further, under the above immersion conditions, a molded article having an oil absorption thickness expansion coefficient and an oil absorption length expansion coefficient of 1% or less, preferably 0.5% or less, and more preferably 0.1% or less can be obtained.
In the case of a flow state close to the flow of particles, the shrinkage after heating after curing is small, so that a molded body having high dimensional accuracy can be easily obtained.
In addition, it is preferable to employ the following method as a test method of the various characteristics described above.
[0037]
1. density
According to JIS A 5905 fiberboard 5.4 density test. The size of the test piece is 20 mm × 20 mm.
2. Bending test (bending strength and bending Young's modulus)
A test is performed by applying a centralized load to a test piece having a size of 10 mm × length 65 mm × thickness of 4 to 6 mm with a span of 50 mm and a load speed of 2 mm / min. Calculation of bending strength and bending Young's modulus is based on JIS Z 5905 Wood Test Method 9 Bending Test.
3. Water absorption thickness expansion coefficient
According to JIS A 5905 fiber board 5.10 Water absorption thickness expansion rate test. The immersion time is 24 hours. The dimensions of the test piece are 20 mm × 20 mm.
4. Water absorption
According to JIS A 5905 fiberboard 5.9 water absorption test. The dimensions of the test piece are 20 mm x 20 mm.
5. Oil absorption
For example, the oil absorption can be calculated by immersing in oil such as mechanical oil for a certain period of time (for example, 24 hours) and dividing the weight increase before and after immersion by the initial weight. Further, by dividing the change in thickness and length before and after immersion by the initial thickness and the initial length, respectively, the oil absorption thickness expansion rate and the oil absorption length expansion rate can be calculated.
[0038]
Since such a molded article has a resin aspect and high density and high strength, it can be subjected to secondary processing after molding. As a result, the present molded body and its secondary processed body can replace an industrial product in which a synthetic resin molded body has been conventionally used by the present molded body. For example, various processes such as a cutting process and a grinding process performed on a synthetic resin can be performed.
[0039]
(Rotary drive)
This molded article has such characteristics that its surface is inherently excellent in lubricity and heat is hardly generated by friction. In particular, such characteristics are remarkable in a molded article obtained from only this material. For this reason, it can be used for a rotary drive related to power transmission, such as a gear, a shaft, an auger, a bearing, or a bearing, by molding or further performing a cutting process.
In particular, in the case of a rotary driving body, the bending Young's modulus is 8.0 kNmm. 2 Or more, more preferably 10.0 kN / mm 2 That is all. By providing such a bending Young's modulus, a commonly used gear (having a tooth height of 0.5 mm or more and 16 mm or less and having 6 or more and 120 or less), particularly a gear having a tooth height of 4 mm or more can be formed. For example, a module 2.0 (having a tooth height of 4 mm) and having 6 to 120 teeth can be manufactured with practical strength.
In addition, the rotary driving body using the molded body has excellent lubricating properties, and does not supply lubricating oil or requires less lubricating oil than conventionally required for a metal rotary driving body. Can be rotated in quantity. At the same time, the amount of wear can be suppressed to a level equivalent to that of an engineering plastic such as a polyacetal copolymer.
On the other hand, the oil absorption after immersion in machine oil for 24 hours is 1% or less (preferably 0.5% or less, more preferably 0.1% or less, more preferably 0.05% or less, and most preferably 0.01% or less. ) And has high oil resistance. Further, the oil absorption thickness expansion coefficient and the oil absorption length expansion coefficient are each 1% or less, preferably 0.5% or less, more preferably 0.1% or less, further preferably 0.05% or less, and most preferably 0.1% or less. 01% or less. From these facts, it can be said that the present rotary driving body has high oil resistance. Therefore, it can be sufficiently used even when immersed in oil, and can be replaced with a metal gear.
[0040]
(Reuse of rotary drive)
The present rotary driving body can exhibit plasticity again by heating based on the thermoplasticity of the present material. Therefore, when the rotary driving body becomes unnecessary, it can be used again as a molding material by heating again. That is, a new shape can be provided with the composition as it is, or a new shape can be provided in combination with another material. Furthermore, it can be diverted to another use as a filler.
Further, by plasticizing the used rotary driving body, it can be separated from a composite material or a resin material such as another filler in the rotary driving body, or can be recovered. At the same time, it is possible to collect only this material.
Further, it can be used as a solid fuel or an adsorbent.
In reusing the rotary drive, it is preferable to subdivide the rotary drive in advance.
[0041]
(Biodegradation of rotary drive)
The rotary driving body of the present invention is made mainly of, or mainly composed of, a lignocellulosic material. Therefore, it is biodegraded by directly supplying it to an area where microorganisms and the like grow in soil or a certain cellulose or lignin-degrading microflora. Therefore, even when disposed, the influence on the environment can be suppressed.
[0042]
【Example】
(Example 1)
The beech planer waste was steamed at 200 ° C. for 10 minutes, and then the pressure was released at once to explode and fibrillate. Thereafter, it was dried to the air-dry moisture content in the sun, pulverized by a wheely mill, and sieved to recover a fine powder having a size of 500 μm or less.
[0043]
(Example 2)
The fine powder obtained in Example 1 was used as a molding material as it was as a molding composition. No other materials were used other than this molding material. This molding composition was poured into a press mold, and was pressed and heated at 170 ° C. and 190 ° C. for 20 minutes under a load of 27.7 MPa to obtain a molded body. In each of the temperature condition samples, a preheating step of about 20 minutes was applied to the molding composition.
Various mechanical properties and the like were confirmed for these two types of molded products. Table 1 shows the results.
[Table 1]
Figure 2004261967
[0044]
As shown in Table 1, it was found that by using the present molding material, a molded article having preferable density, bending strength and bending Young's strength can be obtained. Also, from the result of the oil resistance property, it was found that the molded article could function even in a state of being immersed in oil.
[0045]
(Example 3)
The beech planer waste was steamed at 200 ° C. for 10 minutes, and then the pressure was released at once to explode and fibrillate. Thereafter, it was dried to the air-dry moisture content in the sun, pulverized by a wheely mill, and sieved to recover a fine powder having a size of 500 μm or less.
A molding composition using only this fine powder as a molding material was injected into a press mold, and pressed and heated at 170 ° C. for 20 minutes under a load of 27.7 MPa to obtain three types of gear molded bodies. A preheating step for about 20 minutes was applied to the molding composition. FIGS. 1 and 2 show the configuration of various gears and the outline of the durability tester, respectively.
The large gear 1 was produced by compression-molding 130 g of the molding composition to a size of 100 mm x 100 mm x 9 mm under the above conditions, and then cutting the module 2.0 to have 38 teeth. The intermediate gear 2 was produced by subjecting 13 g of the molding composition to hot pressing under the above conditions so that the module had 2.0 and the number of teeth was 18. The other gear is a drive gear 3 and was formed by molding under the same conditions as the intermediate gear 2. The final gear 4 was manufactured by cutting gears of Duracon (trademark, polyacetal copolymer) so that the module had 2.0 and the number of teeth was 18.
[0046]
As shown in FIG. 2, a load of 10 N was applied to the rotation shaft of the final gear 4 by a coil spring, the drive gear 3 was rotated at 3166 rpm by a motor, and a gear durability test was performed by continuously operating for 8 hours. In this test apparatus, the large gear 1 has both tooth surfaces in rotational contact with the mating gear at 1500 rpm, the intermediate gear 2 has both tooth surfaces in rotational contact with the mating gear at 3166 rpm, and the driving gear 3 and the final gear 4 have , One of the tooth surfaces comes into power transmission contact. No lubricating oil was supplied before and during rotation. The total number of revolutions in the test was 720000 revolutions for the gear sample 1, and 1519680 revolutions for the intermediate gear 2 and the final gear 4 respectively.
In this test, the weight of each gear before and after the test was measured, and the amount of weight reduction by the durability test was calculated. Further, changes in the tooth surface (tooth profile) of the large gear 1 and the drive gear 4 before and after the test were measured by GEARTEC TTi-300E (Tokyo Technical).
Table 2 shows the results of the durability test.
[0047]
[Table 2]
Figure 2004261967
As shown in Table 2, the change in mass before and after the test showed that the gears made of the present molding material had durability equal to or higher than Duracon. Further, the amount of change in the tooth surface also supported this result.
From these facts, it was found that a molded article using the modified material was practically usable as a gear.
[0048]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the rotational drive body, such as a gear, can be provided using the molded object of the material derived from a lignocellulosic material.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view showing a gear configuration in a gear durability tester.
FIG. 2 is a side view of a gear durability tester.
1 large gear
2 Intermediate gear
3 Drive gear
4 Final gear

Claims (7)

回転駆動体であって、
リグノセルロース系材料を水蒸気処理して得られるリグノセルロース系改質材料の成形体を主体とする回転駆動体。
A rotary drive,
A rotary drive mainly comprising a molded product of a lignocellulosic modified material obtained by subjecting a lignocellulosic material to steam treatment.
前記回転駆動体が歯車である、請求項1記載の回転駆動体。The rotary driver according to claim 1, wherein the rotary driver is a gear. 前記歯車のかみあい部分は、切削加工あるいは前記リグノセルロース系改質材料の成形加工により形成されている、請求項2記載の回転駆動体。The rotary driving body according to claim 2, wherein the meshing portion of the gear is formed by cutting or molding the lignocellulose-based modified material. 曲げヤング係数が10.0kN/mm以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の回転駆動体。Bending Young's modulus is 10.0kN / mm 2 or more, rotary drive member according to claim 1. 無潤滑油あるいは低潤滑油で駆動される請求項1〜4のいずれかに記載の回転駆動体。The rotary drive according to any one of claims 1 to 4, which is driven by non-lubricating oil or low lubricating oil. 歯高が0.5mm以上16mm以下で、歯数が6以上の歯車である、請求項1〜5のいずれかに記載の回転駆動体。The rotary drive according to any one of claims 1 to 5, wherein the gear is a gear having a tooth height of 0.5 mm or more and 16 mm or less and having 6 or more teeth. 回転駆動体であって、
リグノセルロース系材料を水蒸気処理して得られるリグノセルロース系改質材料の成形体を主体とし、この成形体の曲げヤング係数10.0kN/mm以上であり、歯高が0.5mm以上6mm以下で歯数が6以上の歯車である、回転駆動体。
A rotary drive,
A molded product of a lignocellulose-based modified material obtained by subjecting a lignocellulose-based material to steam treatment is mainly used. The molded product has a bending Young's modulus of 10.0 kN / mm 2 or more and a tooth height of 0.5 mm or more and 6 mm or less. And a gear having six or more teeth.
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