JP2004254658A - Method for producing virus-resistant plant and virus-resistant plant - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウイルス(例えば、トバモウイルス)に対して抵抗性を示す植物の生産方法、およびこの方法により生産されるウイルス抵抗性植物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トバモウイルス(tobamo virus)グループは、幅広い種類の植物に感染するウイルスグループであり、種々の植物病に対する疾病の原因として知られている。なかでも特に、タバコモザイクウイルス(tobacco mosaic virus、以下、単にTMVと称する)によって引き起こされる植物病がよく知られている。
【0003】
TMVの感染によって引き起こされるタバコモザイク病は、古くから知られた植物病の一つで、葉にモザイク症状が生じ、成長が悪くなったり葉に奇形を生じたりする植物病である。このTMVは、単子葉植物を含む数多くの植物に対して寄生性を有することが知られている。
【0004】
このようなTMV等のトバモウイルスによって引き起こされる植物病の防除手段としては、従来から農薬の散布等が知られている。さらに、近年では、遺伝子工学的手法により、ウイルス抵抗性植物の分子育種が試みられている。このような分子育種としては、ウイルス遺伝子等の外来遺伝子の導入によって植物ウイルス感染を阻害する方法が一般的に行われている。例えば、TMVのCP(coat protein)遺伝子を導入したウイルス抵抗性植物は、5%程度のみがウイルス感染によって病徴を示す(例えば、非特許文献1参照)。また、この他にも弱毒ウイルス株のゲノム遺伝子を植物体に発現させて、ウイルス抵抗性を付与する方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
【0005】
ところで、このようなTMV等のウイルスが有するウイルスゲノムは、限られた遺伝情報しかコードしていないため、ウイルスの増殖にはウイルス自身がコードする因子の他に、宿主細胞(宿主生物)内の宿主因子が必要不可欠であることが知られている。
【0006】
かかる宿主因子として、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のTOM1(tobamovirus multiplication 1)遺伝子、TOM3(tobamovirus multiplication 3)遺伝子が知られている(例えば、非特許文献3、4参照)。TOM1遺伝子、TOM3遺伝子は、シロイヌナズナのゲノムから、TMV等のトバモウイルスの増殖に関与する宿主因子をコードする遺伝子として同定、単離されたものである。これらの遺伝子は互いにホモログの関係にあり、いずれも7回膜貫通タンパク質をコードしていると予測されている。
【0007】
そして、上記TOM1遺伝子を欠損するシロイヌナズナ突然変異株では、TMVの増殖が野生型に比べて低く抑えられることが知られている。さらに、そのホモログであるTOM3遺伝子をも欠損する二重突然変異株では、TMVの増殖が完全に抑えられることがわかっている(例えば、非特許文献4参照)。
【0008】
【非特許文献1】
Powell−Abel, P.他著、「Delay of disease development in transgenic plants that express the tobacco mosaic virus coat protein gene」、Science、232、p.738−743、(1986)
【0009】
【非特許文献2】
Yamaya J.他著、「Expression of tobacco mosaic virus RNA in transgenic plants」、Mol. Gen. Genet. 315, p.173−175、1988
【0010】
【非特許文献3】
Takuya Yamanaka他著、「TOM1, an Arabidopsis gene required for efficient multiplication of a tobamovirus, encodes a putative transmembrane protein」、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、August 29, 2000、vol.97、no. 18、p.10107−10112
【0011】
【非特許文献4】
Takuya Yamanaka他著、「Complete Inhibition of Tobamovirus Multiplication by Simultaneous Mutations in Two Homologous Host Genes」、Journal of Virology、vol.76、No.5、Mar. 2002, p.2491−2497
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のような農薬による植物病の防除では、残留農薬の問題や環境、動植物、および人に対する安全上の問題がある。
【0013】
また、上述のような外来遺伝子、特にウイルス遺伝子を植物体に導入してウイルス抵抗性植物を作製する場合は、例えば、ウイルス遺伝子を導入した形質転換植物において、植物体内で発現するウイルスRNAの一部が外から感染してくるウイルスRNAと組換えを起こし、自然界に存在し得ない新たなウイルスが出現するという問題がある。また、ウイルス遺伝子を導入した植物が、長期的に人体や環境へどのような影響を及ぼすのか不明であるといった安全性や環境への問題もある。
【0014】
したがって、環境、植物、動物、および人への安全性がより高いウイルス抵抗性植物、およびその生産方法が強く望まれていた。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウイルスの増殖に関与する植物の内在性遺伝子の発現を抑制して、ウイルスに対する抵抗性を有する植物を生産する方法、および当該生産方法によって生産されたウイルス抵抗性植物を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、タバコ(Nicotiana tabacum)cDNAライブラリーから、シロイヌナズナTOM1遺伝子およびTOM3遺伝子のホモログNtTOM1(Nicotiana tabacum−TOM1 Homologue)遺伝子およびNtTOM3(Nicotiana tabacum−TOM3 Homologue)遺伝子を単離・同定し、RNAiにより当該遺伝子の発現を抑制したところ、当該形質転換タバコ体内におけるNtTOM1遺伝子、NtTOM3遺伝子の発現抑制に伴って、TMVの増殖が抑制されることを独自に見出し、本発明を完成させるに至った。
【0017】
すなわち、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法は、上記の課題を解決するために、ウイルスの増殖に関連する宿主因子をコードする遺伝子の発現を、RNAiによって抑制することにより、上記ウイルスに対して抵抗性を有する植物を生産することを特徴としている。
【0018】
上記の方法によれば、RNAiによってウイルスの増殖に関連する宿主因子をコードする遺伝子の発現を効果的に抑制することができる。このため、植物に感染したウイルスが植物体内で増殖することを抑制できる。したがって、ウイルスに対して抵抗性を有する植物を容易に生産することが可能となる。さらに、本発明によれば、外来遺伝子、特にウイルス遺伝子等を植物体に導入することがないため、環境、動植物、および人に対する安全性の高い植物を生産することが可能となる。
【0019】
なお、上記宿主因子が複数ある場合は、複数の宿主因子をコードする遺伝子の発現を共に抑制することにより、ウイルスに対してより強力な抵抗性を有する植物を生産できる。
【0020】
また、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法は、上記の課題を解決するために、上記ウイルスが、トバモウイルスであることを特徴としている。
【0021】
上記の方法によれば、幅広い植物に感染するトバモウイルスに対する抵抗性を有する植物を容易に生産することができる。
【0022】
また、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法は、上記の課題を解決するために、上記ウイルスが、タバコモザイクウイルスであることを特徴としている。
【0023】
上記の方法によれば、トマト、メロン、タバコ等の多くの農業的に有用な植物資源に感染するTMVに対する抵抗性を有する植物を容易に生産することができる。
【0024】
また、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法は、上記の課題を解決するために、上記植物がシロイヌナズナである場合、上記宿主因子をコードする遺伝子は、以下の(a)または(b)のタンパク質をコードする遺伝子であることを特徴としている。(a)配列番号2、または4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。(b)配列番号2、または4に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。
【0025】
上記の方法によれば、例えば、ウイルス(例えば、トバモウイルス、TMV等)の増殖に関連する宿主因子であるTOM1遺伝子またはTOM3遺伝子の発現を確実に抑制することができる。これによって、シロイヌナズナに感染したウイルスの増殖を効果的に抑制することができるため、ウイルスに対して高い抵抗性を有するシロイヌナズナを容易に生産することができる。
【0026】
なお、TOM1遺伝子の発現を抑制した上で、さらにTOM3遺伝子の発現を抑制することがより好ましい。これによってより強力にウイルス抵抗性を有するシロイヌナズナを生産できる。
【0027】
また、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法は、上記の課題を解決するために、上記植物がタバコである場合、上記宿主因子をコードする遺伝子は、以下の(c)または(d)のタンパク質をコードする遺伝子であることを特徴としている。(c)配列番号6に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。(d)配列番号6に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。
【0028】
上記の方法によれば、例えば、ウイルス(例えば、トバモウイルス、TMV等)の増殖に関連する宿主因子であるNtTOM1遺伝子の発現を確実に抑制することができる。これによって、タバコに感染したウイルスの増殖を効果的に抑制することができるため、ウイルスに対して高い抵抗性を有するタバコを容易に生産することができる。
【0029】
また、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法は、上記の課題を解決するために、さらに、上記宿主因子である、以下の(e)または(f)のタンパク質をコードする遺伝子の発現をRNAiによって抑制することにより、ウイルスに対してより強い抵抗性を有する植物を生産することを特徴としている。(e)配列番号8に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。(f)配列番号8に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。
【0030】
上記の方法によれば、例えば、ウイルス(例えば、トバモウイルス、TMV等)の増殖に関連する宿主因子であるNtTOM1遺伝子とNtTOM3遺伝子の発現を同時に抑制することができるため、ウイルスに対してより強い抵抗性を有するタバコを容易に生産することができる。
【0031】
なお、RNAiによりNtTOM1遺伝子の発現およびNtTOM3遺伝子の発現が共に抑制された植物個体を生産する具体的な方法としては、例えば、RNAiによってNtTOM1遺伝子の発現が抑制されている個体(タバコ)と、RNAiによってNtTOM3遺伝子の発現が抑制されている個体とを掛け合わせる方法、または一個体に、NtTOM1遺伝子の発現とNtTOM3遺伝子の発現とを抑制するためのRNAiプラスミド(1または複数のプラスミドでもかまわない)を導入する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0032】
また、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法は、上記の課題を解決するために、上記植物がトマトである場合、上記宿主因子をコードする遺伝子は、以下の(g)または(h)のタンパク質をコードする遺伝子であることを特徴としている。(g)配列番号10、12、または14に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。(h)配列番号10、12、または14に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。
【0033】
上記の方法によれば、例えば、ウイルス(例えば、トバモウイルス、TMV等)の増殖に関連する宿主因子であるLeTH1遺伝子、LeTH2遺伝子、またはLeTH3遺伝子の発現を確実に抑制することができる。これによって、トマトに感染したウイルスの増殖を効果的に抑制することができるため、ウイルスに対して抵抗性を有するトマトを容易に生産することができる。
【0034】
なお、LeTH3遺伝子の発現を抑制した上で、さらにLeTH1遺伝子、及び/またはLeTH2遺伝子の発現を抑制することがより好ましい。これによってより強力にウイルス抵抗性を有するトマトを生産できる。
【0035】
また、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法は、上記の課題を解決するために、上記植物がメロンである場合、上記宿主因子をコードする遺伝子は、以下の(i)または(j)のタンパク質をコードする遺伝子であることを特徴としている。(i)配列番号16に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。(j)配列番号16に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。
【0036】
上記の方法によれば、例えば、ウイルス(例えば、トバモウイルス、またはTMV等)の増殖に関連する宿主因子であるCmTH1遺伝子の発現を確実に抑制することができる。これによって、メロンに感染したウイルスの増殖を効果的に抑制することができるため、ウイルスに対して抵抗性を有するメロンを容易に生産することができる。
【0037】
また、本発明にかかるウイルス抵抗性植物は、上記の課題を解決するために、上記いずれかウイルス抵抗性植物生産方法によって生産されることを特徴としている。
【0038】
上記の構成によれば、本発明にかかるウイルス抵抗性植物(例えば、タバコ、シロイヌナズナ、トマト、またはメロン等)は、ウイルスに対して高い抵抗性を有する。さらに、外来遺伝子、特にウイルス遺伝子等を植物体に導入していないため、環境、動植物、および人に対して非常に安全性が高い。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明は、RNAiを利用し、ウイルスの増殖に必要な宿主因子をコードする遺伝子の発現を抑制することによって、ウイルスが植物に感染しても当該植物体内で増殖できないウイルス抵抗性植物を生産することができる方法、およびこの方法によって生産されるウイルス抵抗性植物を提供するものである。そこで以下では、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法、およびウイルス抵抗性植物について説明することとする。
【0040】
本発明のウイルス抵抗性植物生産方法、およびウイルス抵抗性植物に関する実施の一形態について図1〜図13に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】
(1)ウイルス抵抗性植物生産方法
本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法は、ウイルスの増殖に関連する宿主因子をコードする遺伝子の発現を、RNAiによって抑制することにより、上記ウイルスに対して抵抗性を有する植物を生産する方法であればよく、その他の工程、条件等は特に限定されるものではない。
RNAiとは、RNA interference(RNA干渉)によって特定の遺伝子の発現を抑制する技術である。RNAiは、例えば、短鎖の二本鎖RNAを細胞、組織、器官、個体等に導入することにより、引き起こすことができる。短鎖の二本鎖RNAが細胞内に導入されると、それとハイブリダイズするmRNAの分解が促進されるために、標的遺伝子の発現が抑制されることになる。細胞への二本鎖RNA注入法は、リポソーム法、電気穿孔方、マイクロインジェクション等が挙げられるが、特に限定されるものではない。なお、注入する二本鎖RNAは、21〜23塩基対であることがより好ましいが、これに限定されるものではない。
【0042】
また、上記の方法以外にRNAiを実施する方法として、発現を抑制したい遺伝子のセンス鎖とアンチセンス鎖とが転写されるようにリンカー配列を介して接続した遺伝子カセットを宿主細胞内でin vivo 転写させ、分子内で2本鎖を形成するようなRNA(inverted repeat RNA)を生成させることによって、当該RNAに相当する宿主遺伝子の発現を抑制する方法が挙げられる。この方法によれば、前述の方法に比べて、より継続的に細胞、組織、器官、個体等においてRNAiを発生させることができ、その結果としてより持続的に標的遺伝子の発現を抑制することができる。
【0043】
具体的には、例えば、図2(a)に示すように、図中P35Sで示すカリフラワーモザイクウイルス35SRNAプロモーター下流に、ウイルスの増殖に関与する宿主因子であるTOM1ホモログ(例えば、NtTOM1遺伝子)の逆向きcDNA、リンカー配列としてのGUS(β−Glucuronidase)遺伝子断片、TOM1ホモログ(例えば、NtTOM1遺伝子)の順向きcDNAを順に挿入したコンストラクト(RNAiプラスミド)を作製する。そして、このRNAiプラスミドを植物内に導入して、in vivo 転写させることにより、図2(b)に示すような分子内で2本鎖を形成するinverted repeat RNAを生成させる。これによって、植物体内の当該RNA(遺伝子)に相当する内在性TOM1ホモログ遺伝子の発現が抑制されることになる。
【0044】
なお、上記RNAiプラスミドに用いる宿主因子をコードする遺伝子としては、TOM1ホモログ遺伝子に限られるものではなく、シロイヌナズナのTOM1遺伝子、TOM3遺伝子、および種々の植物のTOM1ホモログ遺伝子、TOM3ホモログ遺伝子であってもよいことはいうまでもない。また、上記RNAiプラスミドに組み込まれるアンチセンス鎖の遺伝子とセンス鎖の遺伝子との並ぶ順序、向き等は、植物体内でin vivo 転写され生成されるRNAが、inverted repeat RNAとして分子内で2本鎖を形成するような順序、向き等であればよく、特に限定されるものではない。
【0045】
また、上記RNAiの実施方法およびベクター等の材料は、植物体内の目的遺伝子の発現を抑制できる方法、材料等であればよく、上記の方法、材料等に限定されるものではなく、従来公知のRNAiの実施方法、材料等を利用することができる。具体的には、例えば、TOM1ホモログアンチセンス鎖とTOM1ホモログセンス鎖とを接続するリンカー配列は、β−Glucuronidase遺伝子断片に限られるものではなく、in vivo 転写で生成されるRNAが、分子内で2本鎖を形成するinverted repeat RNA構造をとることができる従来公知のリンカー配列であればよく、そのリンカー配列の塩基配列、長さ、向き等は特に限定されるものではない。また、プロモーター配列もカリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターに限られるわけではなく、分子内で2本鎖を形成することになるinverted repeat RNAをin vivo 転写で生成できる従来公知のプロモーター(強力で恒常的に読まれるもの)であればよい。なお、特定の発生時期あるいは特定の組織、器官等で機能するプロモーター、または特定の条件で機能するプロモーター等を用いることも可能である。
【0046】
また、上記RNAiプラスミドを作製する方法も、従来公知の方法を利用することができ、特に限定されるものではない。例えば、PCR、制限酵素処理等の従来公知の遺伝子工学的方法が利用できる。
【0047】
また、上記プラスミドを植物体内に導入する方法としては、従来公知の遺伝子工学的方法、物理的方法、または化学的方法等が挙げられる。例えば、後述する実施例に示すように、Agrobacterium tumefaciensを用いたリーフディスク法、微小ガラス管で顕微鏡下に直接DNAを注入するマイクロインジェクション法、瞬時の高電圧によって細胞膜に微小な穴を開けるエレクトロポレーション法、金粒子にDNAを結合させ特殊な銃で組織に撃ち込む粒子銃を利用した方法等の従来公知の方法が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0048】
また、上記ウイルスは、トバモウイルスであることが好ましい。トバモウイルスグループは、アルファ様ウイルススーパーグループに分類される、プラス鎖の一本鎖RNAウイルスである。また、トバモウイルスの中でも、特に、TMVであることが好ましい。TMVをはじめとするトバモウイルスは、多くの植物に感染し、植物病の原因となるウイルスである。このため、TMV等のトバモウイルスの植物体内での増殖を抑えることにより、TMV等のトバモウイルスの感染、増殖によって引き起こされる植物病の発生を確実に抑制することができる。
【0049】
また、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法に用いられる、宿主因子をコードする遺伝子は、上記植物がシロイヌナズナである場合、以下の(a)または(b)のタンパク質をコードする遺伝子であればよい。(a)配列番号2、または4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。(b)配列番号2、または4に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。これらの遺伝子として、例えば、配列番号1に示されるTOM1cDNA、配列番号3に示されるTOM3 cDNA等が挙げられる。
【0050】
また、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法に用いられる、宿主因子をコードする遺伝子は、上記植物がタバコである場合、以下の(c)または(d)のタンパク質をコードする遺伝子であればよい。(c)配列番号6、または8に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。(d)配列番号6、または8に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。これらの遺伝子として、例えば、配列番号5で示されるNtTOM1 cDNA等が挙げられる。なお、上記タバコは、ウイルス(TMV)抵抗性遺伝子であるN遺伝子を有していることが好ましいが、特に限定されるものではない。
【0051】
また、RNAiにより、上記(c)または(d)のタンパク質をコードする遺伝子の発現を抑制し、さらに、以下の(e)または(f)のタンパク質をコードする遺伝子の発現をRNAiによって抑制することによって、ウイルスに対してより強い抵抗性を有する植物を生産する方法であることが好ましい。(e)配列番号8に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。(f)配列番号8に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。これらの遺伝子として、例えば、配列番号7で示されるNtTOM3 cDNA等が挙げられる。
【0052】
すなわち、RNAiにより、NtTOM1遺伝子の発現を抑制したうえで、さらに、RNAiにてNtTOM3遺伝子の発現を抑制する場合等が挙げられる。これは、後述する実施例に示すように、NtTOM3遺伝子の発現のみを抑制した場合は、十分なウイルス増殖抑制効果が得られなかったが、NtTOM1遺伝子の発現のみを抑制した場合は十分なウイルス増殖抑制効果が得られ、さらに、NtTOM1遺伝子およびNtTOM3遺伝子の発現を同時に抑制すると、より強力なウイルス増殖抑制効果を得ることができるためである。
【0053】
なお、RNAiによって複数のTOM1ホモログ遺伝子の発現を同時に抑制された植物個体を生産する具体的な方法としては、例えば、後述する実施例に示すように、RNAiによって一つのTOM1ホモログ遺伝子の発現が抑制されている植物個体と、RNAiによって他のTOM1ホモログ遺伝子の発現が抑制されている植物個体とを掛け合わせる方法、または複数のTOM1ホモログ遺伝子の発現を同時に抑制するためのRNAiプラスミド(1または複数のプラスミドでもかまわない)を一植物個体に導入する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0054】
ここで、NtTOM1遺伝子、NtTOM3遺伝子について詳細に説明する。NtTOM1遺伝子、NtTOM3遺伝子は、シロイヌナズナのTOM1遺伝子、TOM3遺伝子のタバコホモログとして見出された遺伝子であり、トバモウイルスのタバコ内での増殖に関与する宿主因子をコードしている。シロイヌナズナのTOM1遺伝子は、配列番号1に示される塩基配列のうち、139〜1014番目の塩基配列をオープンリーディングフレーム(ORF)として有する1215塩基対からなるcDNAに対応し、配列番号2に示される291残基のアミノ酸配列からなるTOM1タンパク質をコードしている。また、TOM3遺伝子は、配列番号3に示される塩基配列をORFとして有する912塩基対からなるcDNAに対応し、配列番号4に示される303残基のアミノ酸配列からなるTOM3タンパク質をコードしている。
【0055】
また、タバコのNtTOM1遺伝子は、配列番号5に示される塩基配列のうち、124〜990番目の塩基配列をORFとして有する1106塩基対からなるcDNAに対応し、配列番号6に示される288残基のアミノ酸配列からなるNtTOM1タンパク質をコードしている。NtTOM3遺伝子は、配列番号7に示される塩基配列のうち、98〜982番目の塩基配列をORFとして有する1122塩基対からなるcDNAに対応し、配列番号8に示される294残基のアミノ酸配列からなるNtTOM3タンパク質をコードしている。
【0056】
これらTOM1タンパク質、TOM3タンパク質、NtTOM1タンパク質、およびNtTOM3タンパク質のアミノ酸配列を比較したアライメントを図1に示す。図中、線で囲んでいる領域は、これらのタンパク質相互間で相同性の高い領域を示す。この図1に示すように、TOM1タンパク質とNtTOM1タンパク質とは高い相同性を示し、TOM3タンパク質とNtTOM3タンパク質とは高い相同性を示している。また、これら4つのタンパク質はそれぞれ高い相同性を示している。さらに、タンパク質構造予測プログラムSOSUIによれば、TOM1タンパク質、TOM3タンパク質、およびNtTOM3タンパク質は、7回膜貫通型のタンパク質であると予測され、NtTOM1タンパク質は、6回膜貫通型のタンパク質であると予測される。
【0057】
上述のように、TOM1とNtTOM1とは相同性が高く、TOM3とNtTOM3とは相同性が高いことから、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法において、植物がシロイヌナズナである場合、RNAiによりTOM1遺伝子の発現を抑制することによって、効率的に高いウイルス抵抗性シロイヌナズナを生産することができると思われる。また、RNAiによるTOM1遺伝子の発現抑制とともに、さらに、TOM3遺伝子の発現をRNAiにより抑制することによって、ほぼ完全にウイルスの増殖を抑制できるウイルス抵抗性シロイヌナズナを生産することができると考えられる。
【0058】
また、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法に用いられる、宿主因子をコードする遺伝子は、上記植物がトマト(Lycopersicon esculentum)である場合、以下の(g)または(h)のタンパク質をコードする遺伝子であればよい。(g)配列番号10、12、または14に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。(h)配列番号10、12、または14に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。これらの遺伝子としては、例えば、配列番号9で示されるLeTH1(Lycopersicon esculentum−TOM1 Homologue 1)cDNA、配列番号11で示されるLeTH2(Lycopersicon esculentum−TOM1 Homologue 2)cDNA、配列番号13で示されるLeTH3(Lycopersicon esculentum−TOM1 Homologue 3)cDNA等を挙げることができる。
【0059】
また、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法に用いられる、宿主因子をコードする遺伝子は、上記植物がメロン(Cucumis melo)である場合、以下の(i)または(j)のタンパク質をコードする遺伝子であればよい。(i)配列番号16に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。(j)配列番号16に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。これらの遺伝子としては、例えば、配列番号15に示されるCmTH1(Cucumis melo−TOM1 Homologue 1)cDNA等が挙げられる。
【0060】
上記LeTH1遺伝子、LeTH2遺伝子、およびLeTH3遺伝子は、シロイヌナズナのTOM1遺伝子のトマトホモログとして単離、同定された遺伝子である。また、CmTH1遺伝子は、シロイヌナズナのTOM1遺伝子のメロンホモログとして単離、同定された遺伝子である。これらの遺伝子はいずれも、トバモウイルスのトマトまたはメロン内での増殖に関与する宿主因子をコードしている。LeTH1遺伝子は、配列番号9に示される塩基配列のうち、160〜1047番目の塩基配列をORFとして有する1353塩基対のcDNAに対応し、配列番号10に示される295残基のアミノ酸配列からなるLeTH1タンパク質をコードしている。また、LeTH2遺伝子は、配列番号11に示される塩基配列のうち、156〜1049番目の塩基配列をORFとして有する1316塩基対のcDNAに対応し、配列番号12に示される297残基のアミノ酸配列からなるLeTH2タンパク質をコードしている。また、LeTH3遺伝子は、配列番号13に示される塩基配列のうち、31〜897番目の塩基配列をORFとして有する1278塩基対からなるcDNAに対応し、配列番号14に示される288残基のアミノ酸配列からなるLeTH3タンパク質をコードしている。
【0061】
また、CmTH1遺伝子は、配列番号15に示される塩基配列のうち、224〜1102番目の塩基配列をORFとして有する1242塩基対からなるcDNAに対応し、配列番号16に示される292残基のアミノ酸配列からなるCmTH1タンパク質をコードしている。
【0062】
これらLeTH1タンパク質、LeTH2タンパク質、LeTH3タンパク質のアミノ酸配列と、TOM1タンパク質、TOM3タンパク質のアミノ酸配列とを比較したアライメントを図9に示す。また、CmTH1タンパク質とTOM3タンパク質のアミノ酸配列を比較したアライメントを図10に示す。また、TOM1タンパク質、TOM3タンパク質、LeTH1タンパク質、LeTH2タンパク質、LeTH3タンパク質、CmTH1タンパク質のアミノ酸配列を比較したアライメントを図11に示す。なお、図中線で囲む領域は、相同性が高い領域を示す。
【0063】
これらの結果から、LeTH1タンパク質、CmTH1タンパク質は、TOM3タンパク質とより相同性が高く、LeTH3タンパク質は、TOM1タンパク質とより相同性が高いことがわかった。このため、LeTH3タンパク質はTOM1タンパク質のトマトホモログ、LeTH1タンパク質はTOM3タンパク質のトマトホモログ、CmTH1タンパク質はTOM3タンパク質のメロンホモログである可能性がある。なお、タンパク質構造予測プログラムSOSUIによれば、LeTH1タンパク質、LeTH2タンパク質は6回膜貫通型タンパク質と予測され、LeTH3タンパク質、CmTH1タンパク質は7回膜貫通型のタンパク質と予測された。
【0064】
さらに、TOM1タンパク質、TOM3タンパク質、NtTOM1タンパク質、NtTOM3タンパク質、LeTH1タンパク質、LeTH2タンパク質、LeTH3タンパク質、CmTH1タンパク質のアミノ酸配列を比較したアライメントを図12に示す。図中、線で囲んだ範囲は、同一のアミノ酸残基であることを示し、色(グレー)を付した箇所は、類似のアミノ酸残基であることを示す。また、図中の矢印は、TOM1タンパク質、NtTOM1タンパク質、およびLeTH2タンパク質と比較して、LeTH3タンパク質が有する独特のアミノ酸残基を示す。同図に示すように、これら8つのタンパク質は、相互に高い相同性を有していることがわかる。
【0065】
また、上記のタンパク質のアライメントの結果に基づいて作成したTOM1ホモログのアミノ酸配列に基づいた系統樹を図13に示す。なお、上記系統樹は、GENETYX Mac (Method: UPGMA)を用いて作成した。この図に示すように、LeTH3タンパク質とNtTOM1タンパク質とが近縁であり、いずれもTOM1ホモログと考えられる。また、LeTH1タンパク質とNtTOM3タンパク質とが近縁であり、いずれもTOM3ホモログと考えられる。また、CmTH1タンパク質もTOM3ホモログと考えられる。なお、LeTH2タンパク質は、TOM3タンパク質よりもTOM1タンパク質に近縁であることがわかった。
【0066】
これらのことから、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法において、植物がトマトである場合、RNAiによりLeTH3遺伝子の発現を抑制することによって、効率的に高いウイルス抵抗性トマトを生産することができると思われる。また、RNAiによるLeTH3遺伝子の発現抑制とともに、さらに、LeTH1遺伝子、及び/またはLeTH2遺伝子の発現をRNAiにより抑制することによって、ほぼ完全にウイルスの増殖を抑制できるウイルス抵抗性トマトを生産することができると思われる。
【0067】
また、本発明のウイルス抵抗性植物生産方法に用いられる、宿主因子をコードする「遺伝子」には、RNA及びDNAが含まれるものとする。RNAにはmRNAが含まれ、DNAには、例えばクローニングや化学合成技術またはそれらの組み合わせで得られるようなcDNAやゲノムDNAなどが含まれる。また、DNAは二本鎖でも一本鎖でもよい。さらに、本発明のウイルス抵抗性植物生産方法に用いられる、宿主因子をコードする「遺伝子」は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、または16のタンパク質をコードする配列以外に、非翻訳領域(UTR)の配列やベクター配列(発現ベクター配列を含む)などの配列を含むものであってもよい。
【0068】
以上のように、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法によれば、植物体内でウイルスの増殖に関連する宿主因子の発現がRNAiによって抑制されることにより、当該植物に感染したウイルスは増殖することができなくなる。このため、環境、動植物、および人に対して危険の大きい、ウイルス由来の遺伝子等の外来性遺伝子を導入することなく、ウイルスの増殖を効率的に抑制することが可能である。このため、TMV等のウイルスに対して優れた抵抗性を有するとともに、環境、動植物、および人に対して安全性の高い植物を容易に生産することが可能である。
【0069】
さらに、本発明は、RNAiを利用して、ウイルスの増殖に関連する宿主因子をコードする遺伝子の発現を抑制しているため、例えば、当該宿主因子をノックアウトする場合(例えば、当該宿主因子をコードする遺伝子に変異を導入して機能欠損植物を作製する場合等)に比べて、植物に対する負荷も少なくてすむ。さらに、植物の特定遺伝子をノックアウトする場合よりも、簡単に特定遺伝子の機能を抑えた植物を生産できる。したがって、本発明にかかるウイルス抵抗性生産方法は、簡便かつ安全性の高い技術であるといえる。
【0070】
(2)本発明にかかるウイルス抵抗性植物
本発明にかかるウイルス抵抗性植物は、上記のウイルス抵抗性植物生産方法によって生産される植物であればよく、その他の構成等は特に限定されるものではない。
【0071】
本発明にかかるウイルス抵抗性植物は、RNAiによって、ウイルスの増殖に関与する宿主因子の発現が抑制されるため、当該植物にウイルスが感染した場合でも、ウイルスの増殖が効率的に抑制されることになる。したがって、本発明にかかるウイルス抵抗性植物は、ウイルスに対して高い抵抗性を有する植物である。さらに、ウイルス由来の遺伝子等の外来性遺伝子を有しないため、環境、動植物、および人に対して非常に安全性の高い植物でもある。
【0072】
以下添付した図面に沿って実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0073】
【実施例】
〔1〕実験材料および方法
まず、本実施例に用いた実験材料および実験方法について説明する。まず、植物としてタバコを使用した。より具体的には、Nicotiana tabacum L. cv. Samsun、およびNicotiana tabacum L. cv. Samsun NNを用いた。上記Samsun系統は、TMV抵抗性遺伝子であるN遺伝子をもたず、TMVが全身感染する系統であり、上記Samsun NN系統は、TMV抵抗性遺伝子であるN遺伝子を有し、TMV感染によって壊死病斑を形成する系統である。
【0074】
植物体への接種に使用したウイルスは、TMV−L株(タバコモザイクウイルス,トマト系統)(Ohno et al., 1984、J. Biochem. 96, p.1915−1923)、CMV−Y株(キュウリモザイクウイルス,黄斑系統)(Suzuki et al.,1991、「Functional analysis of deletion mutants of cucumber mosaic virus RNA3 using an in vitro transcription system」、Virology, 183, p.106−113)である。また、タバコにRNAiを引き起こすプラスミドを導入するためのリーフディスク法に使用した菌株は、Agrobacterium tumefaciens EHA105株である。
【0075】
タバコの生育条件は、育苗用培養土を用いて、16時間日長、23℃での温室で水道水を与えて育てた。タバコの交雑は、雌親にするつぼみを選び,そのつぼみから花弁および雄しべをピンセットを用いて取り除き,雌しべを露出させた。そして、雄親にする花から雄しべをピンセットで取り出し、雌しべの柱頭に接触させて花粉を付着させた。ピンセットは70%エタノールで消毒しながら行った。また、タバコのRNA抽出は、RNeasy mini kit (Qiagen) を使用し、方法は添付の説明書に従った。
【0076】
〔2〕シロイヌナズナTOM1、TOM3のタバコホモログの単離
シロイヌナズナTOM1遺伝子(配列番号1参照)、TOM3遺伝子(配列番号3参照)のタバコにおけるホモログを同定、単離した。具体的には、シロイヌナズナTOM1遺伝子、TOM3遺伝子のホモログのcDNA断片を、degenerate PCR 法を用いてタバコcDNAライブラリーから増幅し、クローン化した後、シークエンスにより塩基配列を決定した。さらに、得られた2種類の塩基配列情報をもとに、5’末端および3’末端rapid amplification of cDNA ends (RACE) 法を用いて完全長のmRNA配列を決定した。それぞれの配列上には、図1に示すように、シロイヌナズナTOM1遺伝子、TOM3遺伝子と相同性の高いアミノ酸配列をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)が存在し、それらに対応する遺伝子をそれぞれNtTOM1遺伝子(配列番号5参照)、NtTOM3遺伝子(配列番号7参照)と命名した。
【0077】
〔3〕RNAiによるNtTOM1遺伝子、NtTOM3遺伝子の発現抑制
タバコにおいてNtTOM1遺伝子、NtTOM3遺伝子の発現を抑制することにより、TMV耐性を付与できるのではないかと考え、RNAiにより、上記遺伝子の発現抑制を試みた。
【0078】
具体的には、図2(a)に示すように、ベクターpBI121の35Sプロモーター下流に、NtTOM1の逆向きcDNA、GUSフラグメント(図中、GUS fr.で示すβ−Glucuronidaseの遺伝子断片)、NtTOM1の順向きcDNAを順に挿入したRNAiプラスミド(NtTOM1)を従来公知のPCR、制限酵素処理等によって作製した。また、同様に、ベクターpBI121の35Sプロモーター下流に、NtTOM3の逆向きcDNA、GUSフラグメント、NtTOM3の順向きcDNAを順に挿入したRNAiプラスミド(NtTOM3)を作製した。これらのRNAiプラスミドをタバコに導入することによって、図2(b)に示すように、分子内で当該遺伝子の配列が2本鎖を形成するようなRNAが in vivo 転写で生成され、タバコ体内でinverted repeat RNAが生じる。
【0079】
なお、ここで使用したベクターpBI121は、13kbの大きさを持つT−DNAベクターであり、抗生物質耐性マーカーとしてカナマイシン耐性遺伝子を有しており、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35Sプロモーターと、このプロモーターにドライブされるGUSフラグメント、およびポリA(アデニル酸)付加配列を有する。
【0080】
その後、このRNAiプラスミドをAgrobacterium tumefaciensを用いたリーフディスク法によりタバコに導入した。アグロバクテリウムを用いたリーフディスク法によるタバコの形質転換は、基本的にHolsterらの方法に従った(Holster et al., 1978、Mol. Gen. Genet., 163, p.181−187)。詳細には、RNAiプラスミドを含むAgrobacterium tumefaciensの溶液中に葉の断片を入れた後、ディスクを植物ホルモン(0.1mg/L a−naphthalen acetic acids (NAA (BA))、1mg/L 6−benzyladenine)と50mg/L カナマイシンを含むMS培地に静置した。この培地上で出芽した形質転換体シュートを選択し、この形質転換体シュートを選択培地(50mg/L カナマイシン)で生育させた。なお、形質転換にはTMVに全身感染するSamsun系統と、TMV抵抗性遺伝子であるN遺伝子を有するSamsunNN系統の2種類のタバコを用いた。そこで、RNAiプラスミド(NtTOM1)を導入し形質転換した系統を、それぞれSamsun形質転換体(NtTOM1)、Samsun NN形質転換体(NtTOM1)と示して説明し、RNAiプラスミド(NtTOM3)を導入し形質転換した系統を、それぞれSamsun形質転換体(NtTOM3)、Samsun NN形質転換体(NtTOM3)と示して以下説明する。
【0081】
〔4〕Samsun NN形質転換体(NtTOM1)の解析
次に、上記〔3〕で作製したSamsun NN形質転換体(NtTOM1)について詳細に解析した。具体的には、N遺伝子をもち、TMVの感染に伴って局所壊死病斑を形成するタバコSamsun NN系統に、RNAiプラスミド(NtTOM1)を導入し、RNAiによってNtTOM1遺伝子を発現抑制した株について、ノザンハイブリダイゼーション解析、およびTMVローカルリージョンアッセイを行った。
【0082】
まず、野生型Samsun NN(wt)、およびSamsun NN形質転換体(NtTOM1)からそれぞれRNAを抽出し、RNAiによって、内在性NtTOM1遺伝子の発現が抑制されているか否かをノザンハイブリダイゼーション解析により調べた。ノザンハイブリダイゼーションによる解析は、基本的には、Ishikawaらの方法に従った(Ishikawa, M., et al、「Effect of the toml mutation of Arabidopsis thaliana on the multiplication of tobacco mosaic virus RNA in protoplasts」、J. Virol., 67, p.5328−5338, (1993))。具体的には、RNA量は1サンプルにつき、10μgを用いた。また、プローブは、NtTOM1cDNAのORF領域を鋳型として、PCRによって増幅されたDNA断片を用いた。
【0083】
その結果、図3(b)に示すように、野生型Samsun NN(図中wtで示す)で確認された内在性NtTOM1 mRNAが、Samsun NN形質転換体(NtTOM1)1、2、4〜7では確認できなかった(図中NtTOM1 mRNAで示す位置)。一方、Samsun NN形質転換体(NtTOM1)1、2、4〜7では、RNAiプラスミド(NtTOM1)由来のRNA(NtTOM1 inverted repeat RNA)が検出された(図中IRで示す位置)。なお、Samsun NN形質転換体(NtTOM1)3は、RNAiプラスミドが導入できていないか、またはRNAiが十分に発生していないことによって、内在性のNtTOM1遺伝子の発現が抑制されていないと考えられた。これらのことから、Samsun NN形質転換体(NtTOM1)では、RNAiによって内在性のNtTOM1遺伝子の発現が抑制されることがわかった。
【0084】
続いて、TMVローカルリージョンアッセイについて説明する。TMVローカルリージョンアッセイとは、ウイルス抵抗性遺伝子であるN遺伝子を有するタバコを用いたウイルスアッセイであり、具体的には以下のように行った。
【0085】
TMV抵抗性遺伝子であるN遺伝子を有するタバコはウイルスを接種した場合、局所病斑(葉中の白い斑点)ができるが、この病斑の大きさや数によってウイルスの増殖の程度を観察できる。この性質を利用して、播種後約2ヶ月のタバコSamsun NNおよびSamsun NN形質転換体(NtTOM1)の約10〜15cmの若い葉に、精製したTMV−Lを0.05μg/mlの濃度で接種した後、5日目または7日目に感染後の局所病斑を観察した。観察時にデジタルカメラで記録を保持した。
【0086】
その結果、図3(a)に示すように、野生型Samsun NN(wt)の葉には、TMVの感染によって局所壊死病斑が形成されたが、RNAiによって内在性NtTOM1遺伝子の発現が抑制されたSamsun NN形質転換体(NtTOM1)1、2、4〜7の葉には、局所壊死病斑がほとんど形成されなかった。このことから、RNAiによるNtTOM1遺伝子の発現抑制によって、TMV感染による局所病斑の形成がほぼ完全に抑えられたと考えられる。なお、Samsun NN形質転換体(NtTOM1)3の葉には、野生型Samsunと同様に局所壊死病斑が形成された。これは、上述したように、内在性のNtTOM1遺伝子の発現が抑制されていないためと考えられた。
【0087】
以上のことから、RNAiによるNtTOM1遺伝子の発現抑制にともなって、Samsun NN形質転換体タバコ内でのTMVの増殖を抑制することができることが明らかになった。
【0088】
〔5〕Samsun NN形質転換体(NtTOM3)の解析
次いで、上記〔3〕で作製したSamsun NN形質転換体(NtTOM3)について詳細に解析した。具体的には、N遺伝子を有するSamsun NN系統に、RNAiプラスミド(NtTOM3)を導入し、RNAiによってNtTOM3遺伝子を発現抑制した株について、上記〔4〕と同様な方法で、ノザンハイブリダイゼーション解析、およびTMVローカルリージョンアッセイを行った。
【0089】
ノザンハイブリダイゼーション解析の結果を図4(b)に示す。プローブには、NtTOM3 cDNAのORF領域を用いた。この図4(b)に示すように、野生型Samsun NN(wt)で確認された内在性NtTOM3 mRNAが、Samsun NN形質転換体(NtTOM3)1、3〜5では確認できなかった(図中NtTOM3 mRNAで示す位置)。一方、Samsun NN形質転換体(NtTOM3)1、3〜5では、RNAiプラスミド(NtTOM3)由来のRNA(NtTOM3 inverted repeat RNA)が検出された(図中IRで示す位置)。また、Samsun NN形質転換体(NtTOM3)2は、RNAiプラスミドが導入できていないか、またはRNAiが十分に発生していないことによって、内在性のNtTOM3遺伝子の発現が抑制されていないと考えられた。これらのことから、Samsun NN形質転換体(NtTOM3)において、RNAiによって内在性のNtTOM3遺伝子の発現が抑制されることがわかった。
【0090】
続いて、TMVローカルリージョンアッセイの結果を図4(a)に示す。同図に示すように、野生型Samsun NN(wt)も、RNAiによってNtTOM3を発現抑制したSamsun NN形質転換体(NtTOM3)も、いずれも局所壊死病斑形成がほぼ同様に起こった。
【0091】
以上の結果から、RNAiによってNtTOM3の発現を単独で抑制しても、Samsun NN形質転換体においては、それほどTMVの増殖抑制効果が認められないことがわかった。
【0092】
〔6〕Samsun形質転換体(NtTOM1)の解析
次に、上記〔3〕で作製したSamsun形質転換体(NtTOM1)について詳細に解析した。具体的には、N遺伝子を有しない、TMVの全身感染を許容するSamsun系統タバコに、RNAiプラスミド(NtTOM1)を導入し、RNAiによってNtTOM1遺伝子を発現抑制した株について、上記〔4〕と同様な方法でノザンハイブリダイゼーション解析を行い、さらに、TMV−L外被タンパク質の蓄積について解析を行った。
【0093】
ノザンハイブリダイゼーション解析の結果を図5のパネルBに示す。プローブには、NtTOM1 cDNAのORF領域を用いた。同図に示すように、野生型Samsunタバコ(図中S wtで示す)で確認された内在性NtTOM1 mRNAが、Samsun形質転換体(NtTOM1)1〜7では確認できなかった(図中NtTOM1 mRNAで示す位置)。一方、Samsun形質転換体(NtTOM1)1〜7では、RNAiプラスミド(NtTOM1)由来のRNA(NtTOM1 inverted repeat RNA)が検出された(図中IRで示す位置)。これらのことから、Samsun形質転換体において、RNAiによって内在性のNtTOM1遺伝子の発現が抑制されることがわかった。
【0094】
続いて、TMV−L外被タンパク質の蓄積を調べた。具体的には、TMV接種後4日目の接種葉を刈り取り、抽出したタンパク質をSDS−PAGEにかけた後、CBBにて染色しTMV−L外被タンパク質の蓄積を調べた。
【0095】
その結果を図5のパネルAに示す。S wtは、野生型Samsunタバコを示し、S wt(1/10)は、10倍希釈したS wtのタンパク質抽出物を示す。同図に示すように、Samsun形質転換体(NtTOM1)では、野生型Samsunタバコに比較して、TMV−L外被タンパク質の蓄積が少ないが、全く蓄積されていないわけではないことがわかった。
【0096】
以上のことから、Samsun形質転換体(NtTOM1)において、RNAiによりNtTOM1遺伝子の発現を抑制することによって、TMVの増殖を抑制することができるが、完全には抑制できないことがわかった。
【0097】
〔7〕Samsun形質転換体(NtTOM3)の解析
続いて、上記〔3〕で作製したSamsun形質転換体(NtTOM3)について詳細に解析した。具体的には、N遺伝子を有しない、TMVの全身感染を許容するSamsun系統タバコに、RNAiプラスミド(NtTOM3)を導入し、RNAiによってNtTOM3遺伝子を発現抑制した株について、上記〔4〕と同様な方法でノザンハイブリダイゼーション解析を行い、さらに上記〔6〕と同様の方法でTMV−L外被タンパク質の蓄積について解析を行った。
【0098】
ノザンハイブリダイゼーション解析の結果を図6のパネルBに示す。プローブには、NtTOM3 cDNAのORF領域を用いた。同図に示すように、野生型Samsunタバコ(図中S wtで示す)で確認された内在性NtTOM3 mRNAが、Samsun形質転換体(NtTOM3)1〜4、6では確認できなかった(図中NtTOM3 mRNAで示す位置)。一方、Samsun形質転換体(NtTOM3)1〜4、6では、RNAiプラスミド(NtTOM3)由来のRNA(NtTOM3 inverted repeat RNA)が検出された(図中IRで示す位置)。また、Samsun形質転換体(NtTOM3)5は、RNAiプラスミドが導入できていないか、またはRNAiが十分に発生していないことによって、内在性のNtTOM3遺伝子の発現が抑制されていないと考えられた。これらのことから、Samsun形質転換体において、RNAiによって内在性のNtTOM3遺伝子の発現が抑制されることがわかった。
【0099】
続いて、TMV−L外被タンパク質の蓄積を調べた。その結果を図6のパネルAに示す。S wtは、野生型Samsunタバコを示し、S wt(1/10)は、10倍希釈したS wtのタンパク質抽出物を示す。同図に示すように、Samsun形質転換体(NtTOM3)では、野生型Samsunタバコに比較して、ほぼ同様にTMV−L外被タンパク質が蓄積されることがわかった。
【0100】
以上のことから、Samsun形質転換体(NtTOM3)において、RNAiによりNtTOM3遺伝子の発現を単独で抑制しても、十分にTMVの増殖を抑制することができないことがわかった。
【0101】
〔8〕RNAiによるNtTOM1、NtTOM3の同時抑制の効果
次に、RNAiによって、内在性NtTOM1遺伝子およびNtTOM3遺伝子が共に発現抑制される個体を作製し、その性質を解析した。具体的には、図7に示すように、NtTOM1遺伝子の発現をRNAiによって抑制したSamsun形質転換体(NtTOM1)と、NtTOM3遺伝子の発現をRNAiによって抑制したSamsun形質転換体(NtTOM3)とを掛け合わせたタバコを作製した。なお、Samsun NN形質転換体(NtTOM1)では,TMV感染による局所病斑の形成がほぼ完全に見られなくなったため、掛け合わせにはSamsun形質転換体のみ用いた。また、掛け合わせには形質転換当代の株同士を用い、交雑によって得られたF1個体にSd1−1、Sd1−2、・・・、Sd1−xと名前をつけた。ここで、F0植物個体である、Samsun形質転換体(NtTOM1)とSamsun形質転換体(NtTOM3)とが、トランスジーンを独立な遺伝子座にそれぞれヘテロに有する場合、F1植物個体(Sd1−x)の約1/4が、内在性NtTOM1遺伝子およびNtTOM3遺伝子の発現が共に抑制された個体となると考えられる。
【0102】
そこで、掛け合わされたタバコ(Sd1−x)について、ノザンハイブリダイゼーション解析を行い、内在性NtTOM1遺伝子およびNtTOM3遺伝子の発現が共に抑制された個体の有無を調べた。
【0103】
その結果を図8(b)に示す。Total RNAは、全体のRNA量を示す。wtは野生型Samsunタバコを示す。同図に示すように、Sd1−8、Sd1−11、およびSd1−14以外の個体が、RNAiによって内在性NtTOM1遺伝子の発現が抑制されている個体であった。一方、RNAiによって内在性NtTOM3遺伝子の発現が抑制されている個体は、Sd1−2、Sd1−4、Sd1−9、およびSd1−16のみであった。以上の結果から、Sd1−2、Sd1−4、Sd1−9、およびSd1−16が、RNAiによって内在性NtTOM1遺伝子およびNtTOM3遺伝子の発現が共に抑制された個体であることがわかった。これらの株を図中に○(まる)をつけて示す。
【0104】
次に、掛け合わされたタバコ(Sd1−x)について、TMV−L外被タンパク質の蓄積を調べた。具体的には、TMV−Lの接種4、7、13、43日後にウイルス接種葉を刈り取り、そこからタンパク質を抽出した後、SDS−PAGE、CBB染色によって、TMV−L外被タンパク質の蓄積を調べた。その結果を図8(a)に示す。
【0105】
同図に示すように、Sd1−2、Sd1−4、Sd1−9、およびSd1−16のみ、ウイルス接種4〜13日後まで、TMV−L外被タンパク質の蓄積がみられなかった。以上のことから、RNAiによって内在性NtTOM1遺伝子およびNtTOM3遺伝子の発現が共に抑制された個体では、TMVの増殖はほぼ完全に抑制されたことがわかった。ただし、TMV接種後40日以上経過すると低レベルのTMVの増殖が観察された。
【0106】
また、RNAiによってNtTOM1遺伝子およびNtTOM3遺伝子の発現が共に抑制されても、キュウリモザイクウイルス(CMV)の増殖は影響を受けなかった(結果は不図示)。CMVは、アルファ様ウイルススーパーグループに属するが、トバモウイルスとは異なるウイルスである。これらのことから、RNAiによる内在性NtTOM1遺伝子とNtTOM3遺伝子との発現抑制によって、TMVの増殖が抑制される効果は、非特異的な効果ではないと考えられた。
【0107】
〔9〕タバコ以外の植物におけるTOM1ホモログについて
タバコの他にも、トマトに3つ、メロンに1つ、TOM1ホモログが存在することが明らかとなり、これらを同定・単離し、それぞれLeTH1遺伝子、LeTH2遺伝子、LeTH3遺伝子、およびCmTH1遺伝子と名づけた。
【0108】
これらのTOM1ホモログ遺伝子がコードするタンパク質のアミノ酸配列を比較したアライメントを図9に示す。同図に示すように、LeTH1遺伝子、LeTH2遺伝子、LeTH3遺伝子、およびCmTH1遺伝子がコードするタンパク質のアミノ酸配列と、TOM1遺伝子がコードするタンパク質のアミノ酸配列とは、高い相同性を示すことがわかった。
【0109】
まず、これらLeTH1タンパク質、LeTH2タンパク質、LeTH3タンパク質のアミノ酸配列と、TOM1タンパク質、TOM3タンパク質のアミノ酸配列とを比較したアライメントを図9に示す。図中線で囲む領域は、相同性が高い領域を示す。この図9に示すように、LeTH1タンパク質、LeTH2タンパク質、LeTH3タンパク質と、TOM1タンパク質、TOM3タンパク質とは、高い相同性を示すことがわかった。また、LeTH1タンパク質は、TOM3タンパク質とより相同性が高いことがわかった。
【0110】
また、CmTH1タンパク質とTOM3タンパク質のアミノ酸配列を比較したアライメントを図10に示す。同図に示すように、CmTH1タンパク質とTOM3タンパク質とは、高い相同性を示すことがわかった。
【0111】
また、TOM1タンパク質、TOM3タンパク質、LeTH1タンパク質、LeTH2タンパク質、LeTH3タンパク質、CmTH1タンパク質のアミノ酸配列を比較したアライメントを図11に示す。同図に示すように、これら6つのタンパク質は、相互に高い相同性を有していることがわかった。
【0112】
これらの結果から、LeTH3タンパク質は、TOM1タンパク質と相同性が高く、LeTH1タンパク質およびCmTH1タンパク質は、TOM3タンパク質とより相同性が高いことがわかった。このため、LeTH3タンパク質はTOM1タンパク質のトマトホモログ、LeTH1タンパク質はTOM3タンパク質のトマトホモログ、CmTH1タンパク質はTOM3タンパク質のメロンホモログである可能性がある。なお、タンパク質構造予測プログラムSOSUIによれば、LeTH1タンパク質、LeTH2タンパク質は6回膜貫通型タンパク質と予測され、LeTH3タンパク質、CmTH1タンパク質は7回膜貫通型のタンパク質と予測された。
【0113】
以上のことから、トマトの内在性のLeTH1遺伝子、LeTH2遺伝子、およびLeTH3遺伝子のうち、いずれかの遺伝子の発現をRNAiにより抑制することによって、トマト内におけるTMVの増殖を抑制できる可能性が極めて高いと考えられる。また、同様に、メロンの内在性のCmTH1遺伝子の発現をRNAiにより抑制することによって、メロン内におけるTMVの増殖を抑制できる可能性が極めて高いと考えられる。
【0114】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかるウイルス抵抗性植物生産方法によれば、高いウイルス抵抗性を有する植物を容易に生産することができるという効果を奏する。さらに、当該植物は、ウイルス遺伝子等の外来遺伝子を導入していないため、環境、植物、動物、および人に対して安全性の高い植物を提供可能であるという効果を奏する。
【0115】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】TOM1タンパク質、TOM3タンパク質、NtTOM1タンパク質、およびNtTOM3タンパク質のアミノ酸配列のアライメントを示す図である。
【図2】(a)は、TOM1ホモログのRNAiプラスミドの構造を模式的に示す図であり、(b)は、(a)のRNAiプラスミドによって生成されるinverted repeat RNAを模式的に示す図である。
【図3】(a)は、RNAiプラスミド(NtTOM1)を導入したSamsun NN形質転換体におけるTMVローカルリージョンアッセイの結果を示す図であり、(b)は、(a)の形質転換体におけるNtTOM1 mRNAの蓄積を調べたノザンハイブリダイゼーション解析の結果を示す図である。
【図4】(a)は、RNAiプラスミド(NtTOM3)を導入したSamsun NN形質転換体におけるTMVローカルリージョンアッセイの結果を示す図であり、(b)は、(a)の形質転換体におけるNtTOM3 mRNAの蓄積を調べたノザンハイブリダイゼーション解析の結果を示す図である。
【図5】パネルAは、RNAiプラスミド(NtTOM1)を導入したSamsun形質転換体におけるTMV−L外被タンパク質の蓄積を調べた結果を示す図であり、パネルBは、上記Samsun形質転換体におけるNtTOM1 mRNAの蓄積を調べたノザンハイブリダイゼーション解析の結果を示す図である。
【図6】パネルAは、RNAiプラスミド(NtTOM3)を導入したSamsun形質転換体におけるTMV−L外被タンパク質の蓄積を調べた結果を示す図であり、パネルBは、上記Samsun形質転換体におけるNtTOM3 mRNAの蓄積を調べたノザンハイブリダイゼーション解析の結果を示す図である。
【図7】RNAiによってNtTOM1遺伝子およびNtTOM3遺伝子の発現を抑制した形質転換タバコを掛け合せにより作製した方法の説明図である。
【図8】(a)は、RNAiによってNtTOM1遺伝子およびNtTOM3遺伝子の発現を抑制した形質転換タバコにおけるTMV−L外被タンパク質の蓄積を調べた結果を示す図であり、(b)は、(a)の形質転換タバコにおけるNtTOM1 mRNAおよびNtTOM3 mRNAの蓄積を調べたノザンハイブリダイゼーション解析の結果を示す図である。
【図9】TOM1タンパク質、TOM3タンパク質、トマトのTOM1ホモログ(LeTH1〜LeTH3)のアミノ酸配列を比較したアライメントを示す図である。
【図10】TOM3タンパク質、メロンのTOM1ホモログ(CmTH1)のアミノ酸配列を比較したアライメントを示す図である。
【図11】TOM1タンパク質、TOM3タンパク質、トマトのTOM1ホモログ(LeTH1〜LeTH3)、およびメロンのTOM1ホモログ(CmTH1)のアミノ酸配列を比較したアライメントを示す図である。
【図12】TOM1タンパク質、TOM3タンパク質、NtTOM1タンパク質、NtTOM3タンパク質、トマトのTOM1ホモログ(LeTH1〜LeTH3)、およびメロンのTOM1ホモログ(CmTH1)のアミノ酸配列を比較したアライメントを示す図である。
【図13】各種植物におけるTOM1ホモログのアミノ酸配列に基づいた系統樹を示す図である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a plant that exhibits resistance to a virus (eg, a tobamovirus), and a virus-resistant plant produced by the method.
[0002]
[Prior art]
The tobamovirus group is a group of viruses that infect a wide variety of plants and is known as a cause of various plant diseases. Above all, plant diseases caused by tobacco mosaic virus (hereinafter simply referred to as TMV) are well known.
[0003]
Tobacco mosaic disease caused by TMV infection is one of the plant diseases that has been known for a long time, and is a plant disease that causes mosaic symptoms on leaves, causes poor growth and causes malformation on leaves. This TMV is known to have parasitic properties on many plants including monocotyledonous plants.
[0004]
As means for controlling plant diseases caused by such tobamoviruses such as TMV, spraying of pesticides and the like have been conventionally known. Furthermore, in recent years, molecular breeding of virus-resistant plants has been attempted by genetic engineering techniques. As such molecular breeding, a method of inhibiting plant virus infection by introducing a foreign gene such as a viral gene is generally performed. For example, only about 5% of virus-resistant plants into which the CP (coat protein) gene of TMV has been introduced show symptoms due to viral infection (for example, see Non-Patent Document 1). In addition, a method of imparting virus resistance by expressing a genomic gene of an attenuated virus strain in a plant is known (for example, see Non-Patent Document 2).
[0005]
By the way, the virus genome of a virus such as TMV encodes only limited genetic information. Therefore, in order to propagate the virus, in addition to factors encoded by the virus itself, in the host cell (host organism), It is known that host factors are essential.
[0006]
As such host factors, the TOM1 (tobamovirus multiplication 1) gene and the TOM3 (tobamovirus multiplication 3) gene of Arabidopsis thaliana are known (for example, see Non-Patent
[0007]
It is known that in the Arabidopsis thaliana mutant strain deficient in the TOM1 gene, TMV proliferation is suppressed to be lower than that in the wild type. Furthermore, it has been found that TMV proliferation is completely suppressed in a double mutant strain that also lacks the homologous TOM3 gene (for example, see Non-Patent Document 4).
[0008]
[Non-patent document 1]
Powell-Abel, P .; Et al., "Delay of disease development in transgenic plants that express the tobacco mosaic virus coat protein gene", Science, 232, p. 738-743, (1986)
[0009]
[Non-patent document 2]
Yamaya J. et al. Other Expressions, “Expression of tobacco Mosaic Virus RNA in transgenic plants”, Mol. Gen. Genet. 315, p. 173-175, 1988
[0010]
[Non-Patent Document 3]
Takuya Yamanaka et al., "TOM1, an Arabidopsis gene required for efficient multiplication of a tobamovirus, encodes aproducer. Natl. Acad. Sci. USA, August 29, 2000, vol. 97, no. 18, p. 10107-10112
[0011]
[Non-patent document 4]
Takayama Yamanaka et al., "Complete Inhibition of Tobamovirs Multiplication by Simultaneous Mutations in Two Homologus Host Genes. 76, No. 5, Mar. 2002, p. 2491-2497
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
However, conventional control of plant diseases by pesticides involves problems of residual pesticides and safety problems for the environment, animals, plants, and humans.
[0013]
In the case where a foreign gene as described above, particularly a virus gene, is introduced into a plant to produce a virus-resistant plant, for example, in a transformed plant into which the virus gene has been introduced, one of the viral RNAs expressed in the plant is obtained. There is a problem that a part of the virus recombines with a virus RNA which is infected from the outside and a new virus which cannot exist in nature appears. In addition, there is also a problem with safety and the environment that it is unclear how the plant into which the virus gene has been introduced has a long-term effect on the human body and the environment.
[0014]
Therefore, there is a strong need for a virus-resistant plant that is more safe for the environment, plants, animals, and humans, and a method for producing the same.
[0015]
The present invention has been made in view of the above problems, and an object of the present invention is to provide a method for producing a plant resistant to a virus by suppressing the expression of an endogenous gene of a plant involved in the propagation of the virus. And a virus-resistant plant produced by the production method.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies in view of the above problems, and as a result, from the tobacco (Nicotiana tabacum) cDNA library, a homologue of the Arabidopsis thaliana TOM1 gene and the TOM3 gene, NtTOM1 (Nicotiana tabacum-TOM1 Homelogue) gene and NtTOM3Tam3NiCoMtOmTam3NiCoMtNiMatMtNiCoMtOmTam3NiTam3NiMo (Homologue) gene was isolated and identified, and the expression of the gene was suppressed by RNAi. It was originally reported that TMV growth was suppressed along with the suppression of NtTOM1 gene and NtTOM3 gene expression in the transformed tobacco. As a result, the present invention has been completed.
[0017]
That is, the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention solves the above-mentioned problems by suppressing the expression of a gene encoding a host factor related to the growth of the virus by RNAi, And produce plants having resistance.
[0018]
According to the above method, the expression of a gene encoding a host factor related to the propagation of a virus can be effectively suppressed by RNAi. For this reason, it can control that the virus which infected the plant multiplies in a plant. Therefore, it is possible to easily produce a plant having resistance to the virus. Furthermore, according to the present invention, since a foreign gene, particularly a virus gene, etc. is not introduced into a plant, it is possible to produce a plant which is highly safe for the environment, animals and plants, and humans.
[0019]
When there are a plurality of the above host factors, a plant having stronger resistance to the virus can be produced by suppressing the expression of genes encoding the plurality of host factors.
[0020]
In addition, a method for producing a virus-resistant plant according to the present invention is characterized in that the virus is a tobamovirus in order to solve the above problems.
[0021]
According to the above method, plants having resistance to tobamovirus that infects a wide range of plants can be easily produced.
[0022]
Further, the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention is characterized in that the virus is a tobacco mosaic virus in order to solve the above problems.
[0023]
According to the above method, a plant having resistance to TMV that infects many agriculturally useful plant resources such as tomato, melon and tobacco can be easily produced.
[0024]
In order to solve the above-mentioned problems, the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention, when the above-mentioned plant is Arabidopsis thaliana, the gene encoding the above host factor is the following (a) or (b): It is characterized by being a gene encoding a protein. (A) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 2 or 4; (B) a host factor involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 2 or 4 wherein one or more amino acids have been substituted, deleted, inserted, and / or added.
[0025]
According to the above method, for example, the expression of the TOM1 gene or TOM3 gene, which is a host factor associated with the growth of a virus (eg, tobamovirus, TMV, etc.), can be reliably suppressed. As a result, the growth of a virus infected with Arabidopsis thaliana can be effectively suppressed, so that Arabidopsis thaliana having high resistance to the virus can be easily produced.
[0026]
In addition, after suppressing the expression of the TOM1 gene, it is more preferable to further suppress the expression of the TOM3 gene. As a result, Arabidopsis thaliana having a stronger virus resistance can be produced.
[0027]
Further, in the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention, when the plant is tobacco, the gene encoding the host factor may be any of the following (c) or (d): It is characterized by being a gene encoding a protein. (C) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 6. (D) a host factor involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 6 in which one or more amino acids have been substituted, deleted, inserted, and / or added.
[0028]
According to the above method, for example, the expression of the NtTOM1 gene, which is a host factor associated with the propagation of a virus (eg, tobamovirus, TMV, etc.), can be reliably suppressed. As a result, the growth of the virus that has infected the tobacco can be effectively suppressed, so that tobacco having high resistance to the virus can be easily produced.
[0029]
Further, in order to solve the above-mentioned problems, the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention further comprises expressing the expression of a gene encoding the following protein (e) or (f), which is a host factor, by RNAi , Whereby plants having stronger resistance to viruses are produced. (E) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 8. (F) A host factor involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 8 in which one or more amino acids have been substituted, deleted, inserted, and / or added.
[0030]
According to the above method, for example, the expression of the NtTOM1 gene and the NtTOM3 gene, which are host factors related to the propagation of a virus (eg, tobamovirus, TMV, etc.), can be suppressed at the same time. It is possible to easily produce cigarettes having properties.
[0031]
As a specific method for producing a plant individual in which both the expression of the NtTOM1 gene and the expression of the NtTOM3 gene are suppressed by RNAi, for example, an individual (tobacco) in which the expression of the NtTOM1 gene is suppressed by RNAi and a RNAi Or an RNAi plasmid (or one or more plasmids) for suppressing the expression of the NtTOM1 gene and the expression of the NtTOM3 gene in one individual. Examples include a method for introduction, but the method is not particularly limited.
[0032]
Further, in the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention, in order to solve the above problems, when the plant is a tomato, the gene encoding the host factor is represented by the following (g) or (h): It is characterized by being a gene encoding a protein. (G) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 10, 12, or 14; (H) a host involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 10, 12, or 14 wherein one or more amino acids are substituted, deleted, inserted, and / or added. factor.
[0033]
According to the above-described method, for example, the expression of LeTH1, LeTH2, or LeTH3 genes, which are host factors associated with the propagation of viruses (eg, tobamovirus, TMV, etc.), can be reliably suppressed. As a result, the growth of the virus that has infected the tomato can be effectively suppressed, so that a tomato having resistance to the virus can be easily produced.
[0034]
In addition, after suppressing the expression of the LeTH3 gene, it is more preferable to further suppress the expression of the LeTH1 gene and / or the LeTH2 gene. This makes it possible to produce tomatoes that have stronger virus resistance.
[0035]
Further, in the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention, in order to solve the above problems, when the plant is melon, the gene encoding the host factor is the following (i) or (j): It is characterized by being a gene encoding a protein. (I) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 16; (J) A host factor involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 16 in which one or more amino acids have been substituted, deleted, inserted, and / or added.
[0036]
According to the above method, for example, the expression of the CmTH1 gene, which is a host factor associated with the growth of a virus (eg, tobamovirus or TMV), can be reliably suppressed. Thereby, the growth of the virus infected with the melon can be effectively suppressed, so that the melon having the resistance to the virus can be easily produced.
[0037]
Further, in order to solve the above problems, the virus-resistant plant according to the present invention is produced by any one of the above-described methods for producing a virus-resistant plant.
[0038]
According to the above configuration, the virus-resistant plant according to the present invention (for example, tobacco, Arabidopsis, tomato, melon, or the like) has high resistance to viruses. Furthermore, since a foreign gene, particularly a virus gene, etc., is not introduced into a plant, it is extremely safe for the environment, animals, plants, and humans.
[0039]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention produces a virus-resistant plant that cannot grow in a plant even if the virus infects the plant, by using RNAi to suppress the expression of a gene encoding a host factor required for the growth of the virus. And virus-resistant plants produced by this method. Therefore, the method for producing a virus-resistant plant and the virus-resistant plant according to the present invention will be described below.
[0040]
One embodiment of the method for producing a virus-resistant plant and the virus-resistant plant of the present invention will be described below with reference to FIGS. Note that the present invention is not limited to this.
[0041]
(1) Method for producing virus-resistant plant
The method for producing a virus-resistant plant according to the present invention is a method for producing a plant resistant to the virus by suppressing the expression of a gene encoding a host factor related to the growth of the virus by RNAi. Other steps, conditions, and the like are not particularly limited.
RNAi is a technology that suppresses the expression of a specific gene by RNA interference (RNA interference). RNAi can be induced, for example, by introducing short double-stranded RNA into cells, tissues, organs, individuals, and the like. When short double-stranded RNA is introduced into cells, degradation of mRNA that hybridizes with the double-stranded RNA is promoted, so that expression of the target gene is suppressed. The method for injecting double-stranded RNA into cells includes a liposome method, an electroporation method, and microinjection, but is not particularly limited. The double-stranded RNA to be injected is more preferably 21 to 23 base pairs, but is not limited thereto.
[0042]
In addition to the above-mentioned method, as a method for performing RNAi, a gene cassette connected via a linker sequence so that the sense strand and the antisense strand of the gene whose expression is to be suppressed is transcribed may be transcribed in a host cell in vivo. Then, an RNA (inverted repeat RNA) that forms a double strand in the molecule is generated, thereby suppressing the expression of a host gene corresponding to the RNA. According to this method, RNAi can be generated more continuously in cells, tissues, organs, individuals, and the like than in the above-described method, and as a result, the expression of the target gene can be suppressed more continuously. it can.
[0043]
Specifically, for example, as shown in FIG. 2 (a), downstream of the cauliflower mosaic virus 35S RNA promoter indicated by P35S in the figure, the reverse of the TOM1 homolog (for example, the NtTOM1 gene), which is a host factor involved in virus propagation, A construct (RNAi plasmid) is prepared by sequentially inserting a direction cDNA, a GUS (β-Glucuronidase) gene fragment as a linker sequence, and a forward cDNA of a TOM1 homolog (for example, the NtTOM1 gene). Then, the RNAi plasmid is introduced into a plant and transcribed in vivo, thereby generating an inverted repeat RNA which forms a double strand in the molecule as shown in FIG. 2 (b). Thereby, the expression of the endogenous TOM1 homolog gene corresponding to the RNA (gene) in the plant is suppressed.
[0044]
The gene encoding the host factor used in the RNAi plasmid is not limited to the TOM1 homolog gene, and may be the TOM1 gene and the TOM3 gene of Arabidopsis thaliana, and the TOM1 homolog gene and the TOM3 homolog gene of various plants. It goes without saying that it is good. The order and orientation of the antisense strand gene and the sense strand gene to be incorporated into the RNAi plasmid are such that RNA that is transcribed and generated in vivo in a plant is double-stranded as inverted repeat RNA in the molecule. Is not particularly limited as long as the order, orientation, and the like are such as to form.
[0045]
In addition, the method for performing RNAi and the materials such as vectors may be any method or material that can suppress the expression of the target gene in the plant, and are not limited to the above methods and materials, and may be any of conventionally known methods. RNAi implementation methods, materials and the like can be used. Specifically, for example, the linker sequence connecting the TOM1 homolog antisense strand and the TOM1 homolog sense strand is not limited to the β-Glucuronidase gene fragment, and RNA generated by in vivo transcription is not included in the molecule. Any linker sequence may be used as long as it is a conventionally known linker sequence that can take an inverted repeat RNA structure that forms a double strand, and the base sequence, length, direction, and the like of the linker sequence are not particularly limited. In addition, the promoter sequence is not limited to the cauliflower mosaic virus 35S promoter, and a conventionally known promoter capable of generating an inverted repeat RNA that forms a double strand in a molecule by in vivo transcription (a strong and constantly read promoter). Can be used. In addition, it is also possible to use a promoter that functions at a specific development time, a specific tissue, an organ, or the like, or a promoter that functions under specific conditions.
[0046]
In addition, the method for producing the RNAi plasmid may be a conventionally known method, and is not particularly limited. For example, conventionally known genetic engineering methods such as PCR and restriction enzyme treatment can be used.
[0047]
Examples of a method for introducing the above plasmid into a plant include a conventionally known genetic engineering method, a physical method, and a chemical method. For example, as shown in Examples described later, a leaf disk method using Agrobacterium tumefaciens, a microinjection method in which DNA is directly injected under a microscope with a microscopic glass tube, and an electroporation method that makes a microhole in a cell membrane by instantaneous high voltage. Conventionally known methods such as a translation method and a method using a particle gun in which DNA is bound to gold particles and shot into a tissue with a special gun are used, but are not particularly limited.
[0048]
Further, the virus is preferably a tobamovirus. The tobamovirus group is a positive-stranded, single-stranded RNA virus classified in the alpha-like virus supergroup. Among tobamoviruses, TMV is particularly preferable. Tobamoviruses including TMV are viruses that infect many plants and cause plant diseases. Therefore, by suppressing the growth of a tobamovirus such as TMV in a plant, the occurrence of a plant disease caused by the infection and growth of a tobamovirus such as TMV can be surely suppressed.
[0049]
Further, a gene encoding a host factor used in the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention may be a gene encoding the following protein (a) or (b) when the plant is Arabidopsis thaliana. Good. (A) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 2 or 4; (B) a host factor involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 2 or 4 wherein one or more amino acids have been substituted, deleted, inserted, and / or added. These genes include, for example, the TOM1 cDNA shown in SEQ ID NO: 1 and the TOM3 cDNA shown in SEQ ID NO: 3.
[0050]
Further, the gene encoding a host factor used in the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention may be a gene encoding the following protein (c) or (d) when the plant is tobacco. Good. (C) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 6 or 8; (D) A host factor involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 6 or 8, wherein one or more amino acids are substituted, deleted, inserted, and / or added. These genes include, for example, NtTOM1 cDNA shown in SEQ ID NO: 5. The tobacco preferably has an N gene that is a virus (TMV) resistance gene, but is not particularly limited.
[0051]
In addition, RNAi suppresses the expression of a gene encoding the above-described protein (c) or (d), and further suppresses the expression of a gene encoding the following protein (e) or (f) by RNAi. Thus, a method for producing a plant having higher resistance to a virus is preferred. (E) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 8. (F) A host factor involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 8 in which one or more amino acids have been substituted, deleted, inserted, and / or added. These genes include, for example, NtTOM3 cDNA shown in SEQ ID NO: 7 and the like.
[0052]
That is, there is a case where the expression of the NtTOM1 gene is further suppressed by RNAi after the expression of the NtTOM1 gene is suppressed by RNAi. This is because, as shown in the examples described later, when only the expression of the NtTOM3 gene was suppressed, a sufficient virus growth inhibitory effect was not obtained, but when only the expression of the NtTOM1 gene was suppressed, sufficient virus growth was suppressed. This is because a suppressive effect is obtained, and when the expression of the NtTOM1 gene and the NtTOM3 gene is simultaneously suppressed, a stronger virus growth suppressive effect can be obtained.
[0053]
In addition, as a specific method for producing a plant individual in which the expression of a plurality of TOM1 homolog genes is simultaneously suppressed by RNAi, for example, as shown in Examples described later, the expression of one TOM1 homolog gene is suppressed by RNAi. A method of multiplying a plant individual that has been subjected to expression of another TOM1 homolog gene by RNAi, or an RNAi plasmid (one or more (Which may be a plasmid) is introduced into a single plant, but the method is not particularly limited.
[0054]
Here, the NtTOM1 gene and the NtTOM3 gene will be described in detail. The NtTOM1 gene and NtTOM3 gene are genes found as tobacco homologs of the TOM1 gene and TOM3 gene of Arabidopsis thaliana, and encode host factors involved in tobamovirus growth in tobacco. The Arabidopsis thaliana TOM1 gene corresponds to a cDNA consisting of 1215 base pairs having the 139th to 1014th base sequences as an open reading frame (ORF) among the base sequences shown in SEQ ID NO: 1, and 291 shown in SEQ ID NO: 2. It encodes a TOM1 protein consisting of the amino acid sequence of the residues. Further, the TOM3 gene corresponds to a cDNA consisting of 912 base pairs having the base sequence shown in SEQ ID NO: 3 as an ORF, and encodes a TOM3 protein consisting of an amino acid sequence of 303 residues shown in SEQ ID NO: 4.
[0055]
The NtTOM1 gene of tobacco corresponds to a cDNA consisting of 1106 base pairs having the 124- to 990-th base sequence as an ORF of the base sequence shown in SEQ ID NO: 5, and has 288 residues of SEQ ID NO: 6. It encodes an NtTOM1 protein consisting of an amino acid sequence. The NtTOM3 gene corresponds to a cDNA consisting of 1122 base pairs having the 98th to 982nd base sequences as ORFs in the base sequence shown in SEQ ID NO: 7, and comprises an amino acid sequence of 294 residues shown in SEQ ID NO: 8. It encodes the NtTOM3 protein.
[0056]
FIG. 1 shows an alignment in which the amino acid sequences of the TOM1 protein, TOM3 protein, NtTOM1 protein, and NtTOM3 protein are compared. In the figure, regions surrounded by lines indicate regions having high homology between these proteins. As shown in FIG. 1, the TOM1 protein and the NtTOM1 protein show high homology, and the TOM3 protein and the NtTOM3 protein show high homology. In addition, these four proteins show high homology, respectively. Further, according to the protein structure prediction program SOSUI, the TOM1 protein, the TOM3 protein, and the NtTOM3 protein are predicted to be seven transmembrane proteins, and the NtTOM1 protein is predicted to be a six transmembrane protein. Is done.
[0057]
As described above, since TOM1 and NtTOM1 have high homology and TOM3 and NtTOM3 have high homology, in the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention, when the Arabidopsis thaliana plant is used, the TOM1 gene is expressed by RNAi. It is thought that by suppressing the expression of E. coli, high virus-resistant Arabidopsis thaliana can be efficiently produced. In addition, it is considered that by inhibiting the expression of the TOM1 gene by RNAi and further suppressing the expression of the TOM3 gene by RNAi, it is possible to produce virus-resistant Arabidopsis thaliana that can almost completely suppress virus growth.
[0058]
The gene encoding a host factor used in the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention encodes the following protein (g) or (h) when the plant is tomato (Lycopersicon esculentum). Any gene can be used. (G) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 10, 12, or 14; (H) a host involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 10, 12, or 14 wherein one or more amino acids are substituted, deleted, inserted, and / or added. factor. These genes include, for example, LeTH1 (Lycopersicon esculentum-TOM1 Homologue 1) cDNA shown in SEQ ID NO: 9, LeTH2 (Lycopersicon esculentum-TOM1 Homlogue 2) cDNA shown in SEQ ID NO: 11, and cDNA shown in SEQ ID NO: 13 shown in SEQ ID NO: 13 Lycopersicon esculentum-TOM1 homologue 3) cDNA and the like.
[0059]
Further, the gene encoding a host factor used in the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention encodes the following protein (i) or (j) when the plant is melon (Cucumis melo): Any gene can be used. (I) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 16; (J) A host factor involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 16 in which one or more amino acids have been substituted, deleted, inserted, and / or added. These genes include, for example, CmTH1 (Cucumis melo-TOM1 Homelogue 1) cDNA shown in SEQ ID NO: 15.
[0060]
The LeTH1, LeTH2, and LeTH3 genes are genes isolated and identified as tomato homologs of the TOM1 gene of Arabidopsis thaliana. Further, the CmTH1 gene is a gene isolated and identified as a melon homolog of the TOM1 gene of Arabidopsis thaliana. All of these genes encode host factors involved in the growth of tobamovirus in tomato or melon. The LeTH1 gene corresponds to a 1353 base pair cDNA having the 160th to 1047th base sequences as ORFs in the base sequence shown in SEQ ID NO: 9, and has a 295 residue amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 10. Encodes a protein. Also, the LeTH2 gene corresponds to a 1316 base pair cDNA having the base sequence at positions 156 to 1049 as an ORF in the base sequence shown in SEQ ID NO: 11, and the amino acid sequence of 297 residues shown in SEQ ID NO: 12 LeTH2 protein. In addition, the LeTH3 gene corresponds to a cDNA consisting of 1278 base pairs having the 31st to 897th base sequences as ORFs in the base sequence shown in SEQ ID NO: 13, and has an amino acid sequence of 288 residues shown in SEQ ID NO: 14. Encoding a LeTH3 protein consisting of
[0061]
In addition, the CmTH1 gene corresponds to a cDNA consisting of 1242 base pairs having the 224-1102th base sequence as an ORF in the base sequence shown in SEQ ID NO: 15, and an amino acid sequence of 292 residues shown in SEQ ID NO: 16. Encoding a CmTH1 protein consisting of
[0062]
FIG. 9 shows an alignment in which the amino acid sequences of these LeTH1, LeTH2, and LeTH3 proteins were compared with the amino acid sequences of the TOM1 and TOM3 proteins. FIG. 10 shows an alignment obtained by comparing the amino acid sequences of the CmTH1 protein and the TOM3 protein. FIG. 11 shows an alignment comparing the amino acid sequences of the TOM1 protein, the TOM3 protein, the LeTH1 protein, the LeTH2 protein, the LeTH3 protein, and the CmTH1 protein. The region surrounded by the line in the figure indicates a region with high homology.
[0063]
From these results, it was found that the LeTH1 protein and the CmTH1 protein had higher homology with the TOM3 protein, and the LeTH3 protein had higher homology with the TOM1 protein. Therefore, there is a possibility that the LeTH3 protein is a tomato homolog of the TOM1 protein, the LeTH1 protein is a tomato homolog of the TOM3 protein, and the CmTH1 protein is a melon homolog of the TOM3 protein. According to the protein structure prediction program SOSUI, the LeTH1 protein and LeTH2 protein were predicted to be six transmembrane proteins, and the LeTH3 protein and CmTH1 protein were predicted to be seven transmembrane proteins.
[0064]
Further, FIG. 12 shows an alignment comparing the amino acid sequences of the TOM1 protein, the TOM3 protein, the NtTOM1 protein, the NtTOM3 protein, the LeTH1 protein, the LeTH2 protein, the LeTH3 protein, and the CmTH1 protein. In the figure, a range surrounded by a line indicates the same amino acid residue, and a colored portion (gray) indicates a similar amino acid residue. Arrows in the figure indicate unique amino acid residues of the LeTH3 protein as compared to the TOM1, NtTOM1, and LeTH2 proteins. As shown in the figure, these eight proteins have high homology to each other.
[0065]
FIG. 13 shows a phylogenetic tree based on the amino acid sequence of the TOM1 homolog created based on the results of the protein alignment described above. The phylogenetic tree was created using GENETYX Mac (Method: UPGMA). As shown in this figure, the LeTH3 protein and the NtTOM1 protein are closely related, and both are considered to be TOM1 homologs. In addition, LeTH1 protein and NtTOM3 protein are closely related, and both are considered to be TOM3 homologs. The CmTH1 protein is also considered to be a TOM3 homolog. The LeTH2 protein was found to be closer to the TOM1 protein than the TOM3 protein.
[0066]
From these facts, in the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention, when the plant is a tomato, high expression of a virus-resistant tomato can be efficiently produced by suppressing the expression of the LeTH3 gene by RNAi. I think that the. In addition, by suppressing the expression of LeTH3 gene by RNAi and further suppressing the expression of LeTH1 gene and / or LeTH2 gene by RNAi, it is possible to produce virus-resistant tomato that can almost completely suppress the growth of virus. I think that the.
[0067]
The “gene” encoding a host factor used in the method for producing a virus-resistant plant of the present invention includes RNA and DNA. RNA includes mRNA, and DNA includes, for example, cDNA and genomic DNA obtained by cloning and chemical synthesis techniques or a combination thereof. The DNA may be double-stranded or single-stranded. Further, the “gene” encoding a host factor used in the method for producing a virus-resistant plant of the present invention is a gene other than the sequence encoding the protein of SEQ ID NO: 2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, or 16. In addition, it may include a sequence such as an untranslated region (UTR) sequence or a vector sequence (including an expression vector sequence).
[0068]
As described above, according to the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention, the expression of host factors related to the growth of the virus in the plant is suppressed by RNAi, so that the virus infected to the plant grows. You can't do that. For this reason, it is possible to efficiently suppress the growth of the virus without introducing an exogenous gene such as a virus-derived gene which is highly dangerous to the environment, animals and plants, and humans. For this reason, it is possible to easily produce a plant that has excellent resistance to viruses such as TMV and is highly safe for the environment, animals and plants, and humans.
[0069]
Furthermore, since the present invention suppresses the expression of a gene encoding a host factor associated with the growth of a virus by using RNAi, for example, when the host factor is knocked out (for example, when the host factor is encoded) (E.g., when a function-deficient plant is produced by introducing a mutation into a gene), the load on the plant can be reduced. Furthermore, a plant in which the function of a specific gene is suppressed can be produced more easily than when knocking out a specific gene of a plant. Therefore, it can be said that the virus-resistant production method according to the present invention is a simple and highly safe technique.
[0070]
(2) Virus-resistant plant according to the present invention
The virus-resistant plant according to the present invention may be a plant produced by the above-described method for producing a virus-resistant plant, and other configurations and the like are not particularly limited.
[0071]
In the virus-resistant plant according to the present invention, the expression of host factors involved in virus growth is suppressed by RNAi. Therefore, even when the plant is infected with a virus, the virus growth is efficiently suppressed. become. Therefore, the virus-resistant plant according to the present invention is a plant having high resistance to viruses. Furthermore, since it does not have an exogenous gene such as a gene derived from a virus, it is a plant that is extremely safe for the environment, animals and plants, and humans.
[0072]
Hereinafter, embodiments will be described with reference to the accompanying drawings, and embodiments of the present invention will be described in further detail. Of course, the present invention is not limited to the following examples, and it goes without saying that various aspects are possible in detail. Furthermore, the present invention is not limited to the above-described embodiment, and various changes can be made within the scope shown in the claims, and embodiments obtained by appropriately combining the disclosed technical means are also described. It is included in the technical scope of the invention.
[0073]
【Example】
[1] Experimental materials and methods
First, an experimental material and an experimental method used in this example will be described. First, tobacco was used as a plant. More specifically, Nicotiana tabacum L. cv. Samsun, and Nicotiana tabacum L .; cv. Samsun NN was used. The Samsun strain does not have the N gene, which is a TMV resistance gene, and is a strain in which TMV is systemically infected. The Samsun NN strain has the N gene, which is a TMV resistance gene, and is necrotic due to TMV infection. It is a line that forms plaques.
[0074]
The viruses used for inoculation into plants were TMV-L strain (tobacco mosaic virus, tomato line) (Ohno et al., 1984, J. Biochem. 96, p. 1915-1923) and CMV-Y strain (cucumber). Mosaic virus, macular line) (Suzuki et al., 1991, "Functional analysis of deletion mutants of cucumber mosaic virus RNA3 using an in vitro strophy, lipotripsy lipolysis, in vitro liposcopy, lipolysis, lipolysis, lipolysis, liposome, liposome, etc.). The strain used in the leaf disk method for introducing a plasmid that causes RNAi into tobacco is Agrobacterium tumefaciens EHA105 strain.
[0075]
The tobacco was grown on a culture soil for raising seedlings by supplying tap water in a greenhouse at 23 ° C. for a period of 16 hours. For tobacco crosses, the buds to be female parents were selected, petals and stamens were removed from the buds using tweezers, and the pistils were exposed. Then, the stamen was taken out of the flower to be the masculine with tweezers, and brought into contact with the stigma of the pistil to attach pollen. Tweezers were performed while disinfecting with 70% ethanol. RNA extraction of tobacco used RNeasy mini kit (Qiagen), and the method followed the attached instructions.
[0076]
[2] Isolation of tobacco homologues of Arabidopsis TOM1 and TOM3
The homologs of the Arabidopsis thaliana TOM1 gene (see SEQ ID NO: 1) and the TOM3 gene (see SEQ ID NO: 3) in tobacco were identified and isolated. Specifically, a cDNA fragment of a homolog of the Arabidopsis thaliana TOM1 gene and the TOM3 gene was amplified from a tobacco cDNA library using the degenerate PCR method, cloned, and then subjected to sequencing to determine the nucleotide sequence. Further, based on the obtained information on the two types of base sequences, a full-length mRNA sequence was determined by using the 5′-terminal and 3′-terminal rapid amplification of cDNA ends (RACE). As shown in FIG. 1, an open reading frame (ORF) encoding an amino acid sequence highly homologous to the Arabidopsis thaliana TOM1 gene and the TOM3 gene is present on each of the sequences, and the corresponding genes are represented by the NtTOM1 gene ( SEQ ID NO: 5) and NtTOM3 gene (see SEQ ID NO: 7).
[0077]
[3] Suppression of NtTOM1 gene and NtTOM3 gene expression by RNAi
We thought that TMV resistance could be imparted by suppressing the expression of the NtTOM1 gene and NtTOM3 gene in tobacco, and we attempted to suppress the expression of the above genes by RNAi.
[0078]
Specifically, as shown in FIG. 2 (a), an inverted cDNA of NtTOM1, a GUS fragment (in the figure, a gene fragment of β-Glucuronidase indicated by GUS fr.) And a NtTOM1 downstream of the 35S promoter of the vector pBI121. An RNAi plasmid (NtTOM1) into which forward cDNA was inserted in order was prepared by conventionally known PCR, restriction enzyme treatment and the like. Similarly, an RNAi plasmid (NtTOM3) in which a reverse cDNA of NtTOM3, a GUS fragment, and a forward cDNA of NtTOM3 were sequentially inserted downstream of the 35S promoter of the vector pBI121 was prepared. By introducing these RNAi plasmids into tobacco, as shown in FIG. 2 (b), RNA in which the sequence of the gene forms a double strand in the molecule is generated by in vivo transcription, and in the tobacco body. Inverted repeat RNA results.
[0079]
The vector pBI121 used here is a T-DNA vector having a size of 13 kb, has a kanamycin resistance gene as an antibiotic resistance marker, and has a cauliflower mosaic virus (CaMV) 35S promoter and a It has a driven GUS fragment and a poly A (adenylic acid) addition sequence.
[0080]
Thereafter, this RNAi plasmid was introduced into tobacco by a leaf disk method using Agrobacterium tumefaciens. Transformation of tobacco by the leaf disk method using Agrobacterium basically followed the method of Holster et al. (Holster et al., 1978, Mol. Gen. Genet., 163, p. 181-187). Specifically, after placing leaf fragments in a solution of Agrobacterium tumefaciens containing an RNAi plasmid, discs were planted with plant hormones (0.1 mg / L a-naphthalen acetic acids (NAA (BA)), 1 mg / L 6-benzylideneine). ) And 50 mg / L kanamycin. The transformant shoots that germinated on this medium were selected, and the transformant shoots were grown on a selection medium (50 mg / L kanamycin). For transformation, two types of tobacco, a Samsun strain that is systemically infected with TMV and a SamsunNN strain that has an N gene, which is a TMV resistance gene, were used. Therefore, the lines transformed by introducing the RNAi plasmid (NtTOM1) are described as Samsun transformants (NtTOM1) and Samsun NN transformants (NtTOM1), respectively, and transformed by introducing the RNAi plasmid (NtTOM3). The lines will be described as Samsun transformant (NtTOM3) and Samsun NN transformant (NtTOM3), respectively.
[0081]
[4] Analysis of Samsun NN transformant (NtTOM1)
Next, the Samsun NN transformant (NtTOM1) prepared in the above [3] was analyzed in detail. Specifically, a strain in which an RNAi plasmid (NtTOM1) was introduced into a tobacco Samsun NN strain having an N gene and forming local necrotic lesions upon infection with TMV and the expression of the NtTOM1 gene was suppressed by RNAi, was used in Northern plants. Hybridization analysis and TMV local region assay were performed.
[0082]
First, RNA was respectively extracted from wild-type Samsun NN (wt) and a Samsun NN transformant (NtTOM1), and it was examined by Northern hybridization analysis whether or not the expression of the endogenous NtTOM1 gene was suppressed by RNAi. . The analysis by Northern hybridization was basically performed according to the method of Ishikawa et al. (Ishikawa, M., et al., "Effect of the tommutation of Arabidopsis thorapsia opticamplification RNA." Virol., 67, p.5328-5338, (1993)). Specifically, the amount of RNA was 10 μg per sample. As a probe, a DNA fragment amplified by PCR using the ORF region of NtTOM1 cDNA as a template was used.
[0083]
As a result, as shown in FIG. 3 (b), endogenous NtTOM1 mRNA confirmed in wild-type Samsun NN (indicated by wt in the figure) was reduced in Samsun NN transformants (NtTOM1) 1, 2, 4 to 7. It could not be confirmed (position indicated by NtTOM1 mRNA in the figure). On the other hand, in the Samsun NN transformant (NtTOM1) 1, 2, 4 to 7, RNA (NtTOM1 inverted repeat RNA) derived from the RNAi plasmid (NtTOM1) was detected (the position indicated by IR in the figure). In addition, it was considered that the expression of the endogenous NtTOM1 gene was not suppressed in the Samsun NN transformant (NtTOM1) 3 because the RNAi plasmid could not be introduced or the RNAi was not sufficiently generated. . From these results, it was found that in the Samsun NN transformant (NtTOM1), the expression of the endogenous NtTOM1 gene was suppressed by RNAi.
[0084]
Next, the TMV local region assay will be described. The TMV local region assay is a virus assay using tobacco having the N gene, which is a virus resistance gene, and was specifically performed as follows.
[0085]
When a virus is inoculated to a tobacco having the N gene, which is a TMV resistance gene, local lesions (white spots in leaves) are formed, and the degree of virus growth can be observed based on the size and number of the lesions. By utilizing this property, purified TMV-L is inoculated at a concentration of 0.05 μg / ml into young leaves of about 10 to 15 cm of tobacco Samsun NN and a Samsun NN transformant (NtTOM1) about 2 months after sowing. On the 5th or 7th day, local lesions after infection were observed. Records were kept with a digital camera during observation.
[0086]
As a result, as shown in FIG. 3 (a), local necrotic lesions were formed in the leaves of wild-type Samsun NN (wt) by infection with TMV, but expression of the endogenous NtTOM1 gene was suppressed by RNAi. Almost no local necrotic lesions were formed on the leaves of the resulting Samsun NN transformant (NtTOM1) 1, 2, 4 to 7. This suggests that the suppression of NtTOM1 gene expression by RNAi almost completely suppressed the formation of local lesions due to TMV infection. In addition, local necrotic lesions were formed on the leaves of the Samsun NN transformant (NtTOM1) 3 as in the case of the wild-type Samsun. This was considered because the expression of the endogenous NtTOM1 gene was not suppressed as described above.
[0087]
From the above, it was revealed that TMV growth in Samsun NN transformant tobacco can be suppressed with the suppression of NtTOM1 gene expression by RNAi.
[0088]
[5] Analysis of Samsung NN transformant (NtTOM3)
Next, the Samsung NN transformant (NtTOM3) prepared in [3] above was analyzed in detail. Specifically, an RNAi plasmid (NtTOM3) was introduced into a Samsun NN strain having an N gene, and the NtTOM3 gene expression was suppressed by RNAi. A TMV local region assay was performed.
[0089]
The result of the Northern hybridization analysis is shown in FIG. The ORF region of NtTOM3 cDNA was used as a probe. As shown in FIG. 4B, endogenous NtTOM3 mRNA confirmed in wild-type Samsun NN (wt) could not be confirmed in Samsun NN transformants (NtTOM3) 1, 3 to 5 (NtTOM3 in the figure). position indicated by mRNA). On the other hand, in the Samsun NN transformants (NtTOM3) 1, 3 to 5, RNA (NtTOM3 inverted repeat RNA) derived from the RNAi plasmid (NtTOM3) was detected (the position indicated by IR in the figure). In addition, it was considered that the expression of the endogenous NtTOM3 gene was not suppressed in the Samsun NN transformant (NtTOM3) 2 because the RNAi plasmid could not be introduced or the RNAi was not sufficiently generated. . From these results, it was found that in the Samsung NN transformant (NtTOM3), the expression of the endogenous NtTOM3 gene was suppressed by RNAi.
[0090]
Subsequently, the result of the TMV local region assay is shown in FIG. As shown in the figure, the formation of local necrotic lesions occurred almost in the same manner in both wild-type Samsun NN (wt) and a Samsun NN transformant (NtTOM3) in which NtTOM3 expression was suppressed by RNAi.
[0091]
From the above results, it was found that even when the expression of NtTOM3 was solely suppressed by RNAi, the effect of suppressing the growth of TMV was not so significant in the Samsun NN transformant.
[0092]
[6] Analysis of Samsun transformant (NtTOM1)
Next, the Samsun transformant (NtTOM1) prepared in the above [3] was analyzed in detail. Specifically, a strain in which an RNAi plasmid (NtTOM1) was introduced into a Samsun tobacco which does not have an N gene and allows systemic infection with TMV and the expression of the NtTOM1 gene was suppressed by RNAi was the same as in the above [4]. Northern hybridization analysis was performed by the method, and further, the accumulation of TMV-L coat protein was analyzed.
[0093]
The results of Northern hybridization analysis are shown in panel B of FIG. The ORF region of NtTOM1 cDNA was used as a probe. As shown in the figure, endogenous NtTOM1 mRNA confirmed in wild-type Samsun tobacco (indicated by Swt in the figure) could not be confirmed in Samsun transformants (NtTOM1) 1 to 7 (in the figure, NtTOM1 mRNA). Position shown). On the other hand, in the Samsun transformants (NtTOM1) 1 to 7, RNA (NtTOM1 inverted repeat RNA) derived from the RNAi plasmid (NtTOM1) was detected (the position indicated by IR in the figure). From these results, it was found that in the Samsun transformant, the expression of the endogenous NtTOM1 gene was suppressed by RNAi.
[0094]
Subsequently, the accumulation of TMV-L coat protein was examined. Specifically, the inoculated leaves on the fourth day after TMV inoculation were cut off, the extracted protein was subjected to SDS-PAGE, and then stained with CBB to examine the accumulation of TMV-L coat protein.
[0095]
The result is shown in panel A of FIG. S wt indicates wild-type Samsun tobacco, and S wt (1/10) indicates a 10-fold diluted S wt protein extract. As shown in the figure, the Samsun transformant (NtTOM1) showed less accumulation of TMV-L coat protein than wild-type Samsun tobacco, but did not mean that it did not accumulate at all.
[0096]
From the above, it was found that, in the Samsun transformant (NtTOM1), by suppressing the expression of the NtTOM1 gene by RNAi, the proliferation of TMV can be suppressed, but not completely.
[0097]
[7] Analysis of Samsun transformant (NtTOM3)
Subsequently, the Samsun transformant (NtTOM3) prepared in the above [3] was analyzed in detail. Specifically, a strain obtained by introducing an RNAi plasmid (NtTOM3) into a Samsun tobacco which does not have an N gene and allows systemic infection with TMV, and in which NtTOM3 gene expression is suppressed by RNAi, is the same as [4]. Northern hybridization analysis was performed by the same method, and the accumulation of TMV-L coat protein was analyzed by the same method as in the above [6].
[0098]
The results of Northern hybridization analysis are shown in panel B of FIG. The ORF region of NtTOM3 cDNA was used as a probe. As shown in the figure, endogenous NtTOM3 mRNA confirmed in wild-type Samsun tobacco (indicated by Swt in the figure) could not be confirmed in Samsun transformants (NtTOM3) 1 to 4 and 6 (NtTOM3 in the figure). position indicated by mRNA). On the other hand, in the Samsun transformants (NtTOM3) 1 to 4 and 6, RNA (NtTOM3 inverted repeat RNA) derived from the RNAi plasmid (NtTOM3) was detected (the position indicated by IR in the figure). In addition, it was considered that the expression of the endogenous NtTOM3 gene in the Samsun transformant (NtTOM3) 5 was not suppressed because the RNAi plasmid could not be introduced or RNAi was not sufficiently generated. From these results, it was found that in the Samsun transformant, the expression of the endogenous NtTOM3 gene was suppressed by RNAi.
[0099]
Subsequently, the accumulation of TMV-L coat protein was examined. The result is shown in panel A of FIG. S wt indicates wild-type Samsun tobacco, and S wt (1/10) indicates a 10-fold diluted S wt protein extract. As shown in the figure, it was found that the TMV-L coat protein was accumulated in the Samsun transformant (NtTOM3) almost similarly to wild-type Samsun tobacco.
[0100]
From the above, it was found that, in the Samsun transformant (NtTOM3), even when the expression of the NtTOM3 gene alone was suppressed by RNAi, the growth of TMV could not be sufficiently suppressed.
[0101]
[8] Effect of simultaneous suppression of NtTOM1 and NtTOM3 by RNAi
Next, an individual in which the expression of both the endogenous NtTOM1 gene and the NtTOM3 gene was suppressed by RNAi was prepared, and its properties were analyzed. Specifically, as shown in FIG. 7, a Samsun transformant (NtTOM1) in which the expression of the NtTOM1 gene was suppressed by RNAi and a Samsun transformant (NtTOM3) in which the expression of the NtTOM3 gene was suppressed by RNAi. Tobacco was made. In the case of the Samsun NN transformant (NtTOM1), the formation of local lesions due to TMV infection was almost completely absent, so that only the Samsun transformant was used for crossover. In addition, the transgenic lines were used for crossing, and F1 individuals obtained by the crossing were named Sd1-1, Sd1-2,..., Sd1-x. Here, when the F0 plant individuals, the Samsun transformant (NtTOM1) and the Samsun transformant (NtTOM3) each have a transgene heterozygously at an independent locus, the F1 plant individual (Sd1-x) About 考 え of the individuals are considered to be individuals in which both the expression of the endogenous NtTOM1 gene and NtTOM3 gene are suppressed.
[0102]
Thus, Northern hybridization analysis was performed on the multiplied tobacco (Sd1-x) to examine the presence or absence of an individual in which both the expression of the endogenous NtTOM1 gene and the expression of the NtTOM3 gene were suppressed.
[0103]
FIG. 8B shows the result. Total RNA indicates the total RNA amount. wt indicates wild-type Samsun tobacco. As shown in the figure, individuals other than Sd1-8, Sd1-11, and Sd1-14 were individuals in which the expression of the endogenous NtTOM1 gene was suppressed by RNAi. On the other hand, the individuals in which the expression of the endogenous NtTOM3 gene was suppressed by RNAi were only Sd1-2, Sd1-4, Sd1-9, and Sd1-16. From the above results, it was found that Sd1-2, Sd1-4, Sd1-9, and Sd1-16 were individuals in which the expression of the endogenous NtTOM1 gene and NtTOM3 gene were both suppressed by RNAi. These strains are indicated by circles in the figure.
[0104]
Next, the accumulated tobacco (Sd1-x) was examined for the accumulation of TMV-L coat protein. Specifically, the virus-inoculated leaves were cut off 4, 7, 13, and 43 days after inoculation of TMV-L, proteins were extracted therefrom, and the accumulation of TMV-L coat protein was determined by SDS-PAGE and CBB staining. Examined. The result is shown in FIG.
[0105]
As shown in the figure, only Sd1-2, Sd1-4, Sd1-9, and Sd1-16 showed no accumulation of TMV-L coat protein until 4 to 13 days after virus inoculation. From the above, it was found that TMV proliferation was almost completely suppressed in individuals in which both the expression of the endogenous NtTOM1 gene and the expression of the NtTOM3 gene were suppressed by RNAi. However, a low level of TMV proliferation was observed 40 days or more after the inoculation of TMV.
[0106]
In addition, even when the expression of both the NtTOM1 gene and the NtTOM3 gene was suppressed by RNAi, the growth of cucumber mosaic virus (CMV) was not affected (the results are not shown). CMV belongs to the alpha-like virus supergroup, but is a different virus from tobamovirus. From these facts, it was considered that the effect of suppressing the growth of TMV by suppressing the expression of the endogenous NtTOM1 gene and NtTOM3 gene by RNAi was not a nonspecific effect.
[0107]
[9] Homolog of TOM1 in plants other than tobacco
In addition to tobacco, it was found that there were three homologs of TOM1 in tomato and one in melon, and these were identified and isolated and named LeTH1 gene, LeTH2 gene, LeTH3 gene and CmTH1 gene, respectively.
[0108]
FIG. 9 shows an alignment obtained by comparing the amino acid sequences of the proteins encoded by these TOM1 homolog genes. As shown in the figure, it was found that the amino acid sequences of the proteins encoded by the LeTH1, LeTH2, LeTH3, and CmTH1 genes and the amino acid sequence of the protein encoded by the TOM1 gene showed high homology.
[0109]
First, FIG. 9 shows an alignment in which the amino acid sequences of these LeTH1, LeTH2, and LeTH3 proteins are compared with the amino acid sequences of the TOM1 and TOM3 proteins. A region surrounded by a line in the figure indicates a region with high homology. As shown in FIG. 9, it was found that the LeTH1, LeTH2, and LeTH3 proteins, and the TOM1 and TOM3 proteins showed high homology. In addition, it was found that the LeTH1 protein had higher homology with the TOM3 protein.
[0110]
FIG. 10 shows an alignment obtained by comparing the amino acid sequences of the CmTH1 protein and the TOM3 protein. As shown in the figure, it was found that the CmTH1 protein and the TOM3 protein showed high homology.
[0111]
FIG. 11 shows an alignment comparing the amino acid sequences of the TOM1 protein, the TOM3 protein, the LeTH1 protein, the LeTH2 protein, the LeTH3 protein, and the CmTH1 protein. As shown in the figure, it was found that these six proteins had high homology to each other.
[0112]
From these results, it was found that the LeTH3 protein had a high homology with the TOM1 protein, and the LeTH1 protein and the CmTH1 protein had a higher homology with the TOM3 protein. Therefore, there is a possibility that the LeTH3 protein is a tomato homolog of the TOM1 protein, the LeTH1 protein is a tomato homolog of the TOM3 protein, and the CmTH1 protein is a melon homolog of the TOM3 protein. According to the protein structure prediction program SOSUI, the LeTH1 protein and LeTH2 protein were predicted to be six transmembrane proteins, and the LeTH3 protein and CmTH1 protein were predicted to be seven transmembrane proteins.
[0113]
From the above, it is extremely likely that TMV growth in tomato can be suppressed by suppressing the expression of any of the endogenous LeTH1, LeTH2, and LeTH3 genes of tomato by RNAi. it is conceivable that. Similarly, by suppressing the expression of the endogenous CmTH1 gene of the melon by RNAi, it is very likely that the proliferation of TMV in the melon can be suppressed.
[0114]
【The invention's effect】
As described above, according to the method for producing a virus-resistant plant according to the present invention, there is an effect that a plant having high virus resistance can be easily produced. Furthermore, since the plant has not introduced a foreign gene such as a virus gene, it has an effect that a plant with high safety can be provided to the environment, plants, animals, and humans.
[0115]
[Sequence list]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing an alignment of amino acid sequences of a TOM1 protein, a TOM3 protein, an NtTOM1 protein, and an NtTOM3 protein.
FIG. 2 (a) is a diagram schematically illustrating the structure of an RNAi plasmid of a TOM1 homolog, and FIG. 2 (b) is a diagram schematically illustrating an inverted repeat RNA generated by the RNAi plasmid of (a). is there.
FIG. 3 (a) shows the results of a TMV local region assay in a Samsun NN transformant into which an RNAi plasmid (NtTOM1) has been introduced, and FIG. 3 (b) shows the result of NtTOM1 mRNA in the transformant of (a). FIG. 3 is a view showing the results of Northern hybridization analysis in which the accumulation of was analyzed.
FIG. 4 (a) shows the results of a TMV local region assay in a Samsun NN transformant into which an RNAi plasmid (NtTOM3) has been introduced, and FIG. 4 (b) shows the result of NtTOM3 mRNA in the transformant of (a). FIG. 3 is a view showing the results of Northern hybridization analysis in which the accumulation of was analyzed.
FIG. 5 shows the results of examining the accumulation of TMV-L coat protein in a Samsun transformant into which an RNAi plasmid (NtTOM1) was introduced, and FIG. 5B shows the result of NtTOM1 in the Samsun transformant. FIG. 4 shows the results of Northern hybridization analysis in which the accumulation of mRNA was examined.
FIG. 6 shows the results of examining the accumulation of TMV-L coat protein in a Samsun transformant into which an RNAi plasmid (NtTOM3) was introduced, and FIG. 6B shows the result of NtTOM3 in the Samsun transformant. FIG. 4 shows the results of Northern hybridization analysis in which the accumulation of mRNA was examined.
FIG. 7 is an explanatory diagram of a method for producing a transgenic tobacco in which the expression of the NtTOM1 gene and the NtTOM3 gene is suppressed by RNAi, by crossing.
FIG. 8 (a) shows the results of examining the accumulation of TMV-L coat protein in transgenic tobacco plants in which the expression of NtTOM1 gene and NtTOM3 gene was suppressed by RNAi, and FIG. FIG. 4 is a diagram showing the results of Northern hybridization analysis in which the accumulation of NtTOM1 mRNA and NtTOM3 mRNA in the transformed tobacco of Example 1) was examined.
FIG. 9 is a view showing an alignment in which the amino acid sequences of the TOM1 protein, the TOM3 protein, and the TOM1 homologue of tomato (LeTH1 to LeTH3) are compared.
FIG. 10 is a view showing an alignment in which the amino acid sequences of the TOM1 homolog (CmTH1) of the TOM3 protein and melon are compared.
FIG. 11 is a diagram showing an alignment in which the amino acid sequences of the TOM1 protein, the TOM3 protein, the tomographic TOM1 homolog (LeTH1 to LeTH3), and the melon TOM1 homolog (CmTH1) are compared.
FIG. 12 is a view showing an alignment in which the amino acid sequences of the TOM1 protein, the TOM3 protein, the NtTOM1 protein, the NtTOM3 protein, the tomographic TOM1 homolog (LeTH1 to LeTH3), and the melon TOM1 homolog (CmTH1) are compared.
FIG. 13 is a diagram showing a phylogenetic tree based on the amino acid sequence of the TOM1 homolog in various plants.
Claims (9)
(b)配列番号2、または4に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。When the plant is Arabidopsis thaliana, the gene encoding the host factor is a gene encoding the following protein (a) or (b): The method for producing a virus-resistant plant according to the above. (A) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 2 or 4;
(B) a host factor involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 2 or 4 wherein one or more amino acids have been substituted, deleted, inserted, and / or added.
(c)配列番号6に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
(d)配列番号6に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。When the plant is tobacco, the gene encoding the host factor is a gene encoding a protein of the following (c) or (d): The method for producing a virus-resistant plant according to the above.
(C) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 6.
(D) a host factor involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 6 in which one or more amino acids have been substituted, deleted, inserted, and / or added.
(e)配列番号8に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
(f)配列番号8に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。Furthermore, by suppressing the expression of a gene encoding the following protein (e) or (f), which is a host factor, by RNAi, a plant having higher resistance to virus is produced. The method for producing a virus-resistant plant according to claim 5.
(E) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 8.
(F) A host factor involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 8 in which one or more amino acids have been substituted, deleted, inserted, and / or added.
(g)配列番号10、12、または14に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
(h)配列番号10、12、または14に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。When the plant is a tomato, the gene encoding the host factor is a gene encoding the following protein (g) or (h): The method for producing a virus-resistant plant according to the above.
(G) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 10, 12, or 14;
(H) a host involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 10, 12, or 14 wherein one or more amino acids are substituted, deleted, inserted, and / or added. factor.
(i)配列番号16に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
(j)配列番号16に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/または付加されたアミノ酸配列からなる、ウイルスの増殖に関与する宿主因子。When the plant is a melon, the gene encoding the host factor is a gene encoding a protein of the following (i) or (j): The method for producing a virus-resistant plant according to the above.
(I) a protein consisting of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 16;
(J) A host factor involved in the propagation of a virus, comprising an amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 16 in which one or more amino acids have been substituted, deleted, inserted, and / or added.
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