JP2004254401A - 昇圧チョッパ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチング周波数が高く、スイッチ素子オン時のスナバ放電抵抗器における損失の小さい昇圧チョッパ装置を提供する。
【解決手段】直流電源1に接続され、スイッチ素子4をオンすることにより直流リアクトル3にエネルギを蓄積させ、前記スイッチ素子4のオフ期間にダイオード6を介して前記蓄積エネルギを出力側コンデンサ7に充電することにより負荷2に前記電源1の電圧より高い電圧を供給し、前記スイッチ素子4のオフ時に発生するサージ電圧をスナバコンデンサ9により吸収して前記スイッチ素子4の過電圧による破壊を防止するスナバ回路を備えた昇圧チョッパ装置において、前記スイッチ素子4のオフ期間にサージ電圧まで充電された前記スナバコンデンサ9の電圧を出力側コンデンサ電圧まで放電するスナバ放電抵抗器11と直列に接続されたスナバ放電リアクトル12を備えた構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】直流電源1に接続され、スイッチ素子4をオンすることにより直流リアクトル3にエネルギを蓄積させ、前記スイッチ素子4のオフ期間にダイオード6を介して前記蓄積エネルギを出力側コンデンサ7に充電することにより負荷2に前記電源1の電圧より高い電圧を供給し、前記スイッチ素子4のオフ時に発生するサージ電圧をスナバコンデンサ9により吸収して前記スイッチ素子4の過電圧による破壊を防止するスナバ回路を備えた昇圧チョッパ装置において、前記スイッチ素子4のオフ期間にサージ電圧まで充電された前記スナバコンデンサ9の電圧を出力側コンデンサ電圧まで放電するスナバ放電抵抗器11と直列に接続されたスナバ放電リアクトル12を備えた構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は直流電圧を交流に変換することなく直接昇圧する昇圧チョッパ装置に係り、スイッチ素子のオフ時にサージエネルギを吸収するスナバコンデンサと、オフ期間中に前記サージエネルギを出力電圧まで放電するスナバ放電抵抗器からなるスナバ回路を備えた昇圧チョッパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
直流電圧を交流に変換することなく直接昇圧する昇圧チョッパ装置は、図5に示すように、直流電源1と負荷2のあいだに接続された直流リアクトル3、スイッチ素子4、可飽和リアクトル5、ダイオード6および出力平滑コンデンサ7を備えている。
【0003】
このような構成によって、スイッチ素子4をオンとすることにより電流は直流電源1から直流リアクトル3、スイッチ素子4に流れて直流リアクトル3にエネルギが蓄積される。オン時間後にスイッチ素子4をオフとすると直流リアクトル3に蓄積されたエネルギはダイオード6を介して出力平滑コンデンサ7に充電され負荷2に供給される。
【0004】
入力電圧Viと出力電圧Voの関係はスイッチ素子4のオン時間TONとToffによって決定され、Vo=((TON+Toff)/Toff)Viである。可飽和リアクトル5はスイッチ素子4の電流の立ち上がりを抑制しオフからオン時にダイオード6がオフする間のリバースリカバリ電流の変化率を低減するために挿入されている。
【0005】
スイッチ素子4のオフ時には線路インダクタンス8を流れていた電流も遮断されるが、この時この電流の変化率と線路インダクタンス8によりスイッチ素子4のP側端子にはサージ電圧が発生する。このサージ電圧はスナバダイオード10を介して出力平滑コンデンサ7と同電位に常時充電されているスナバコンデンサ9に吸収され、スイッチ素子4のPN間の過電圧による破壊を防止する。スナバコンデンサ9に吸収されたサージエネルギは、次のスイッチ素子4のオフ時点までに出力平滑コンデンサ7と同電位までスナバ放電抵抗器11を介してスナバコンデンサ9との時定数で放電される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では、低騒音や低入力電流リップルを目的としてスイッチ素子4のスイッチング周波数を上げるためには、スイッチ素子4のオフ時にスナバコンデンサ9に充電されたサージエネルギをスイッチング周期後、次のオフ時までに出力平滑コンデンサ7の電位に放電しなければならないが、スナバコンデンサ9とスナバ放電抵抗器11の時定数を小さくするためには、スナバコンデンサ9の静電容量を小さくするか、スナバ放電抵抗器11の抵抗値を小さくしなければならない。
【0007】
スナバコンデンサ9の静電容量Csは、線路インダクタンス8のインダクタンスLmと、スイッチ素子4のオフ時の遮断電流Imax、スイッチ素子4のPN間の許容最大電圧Vcepにより下記の[式1]で示される関係により制限されるので、スナバ放電抵抗器11の抵抗値を小さくする必要が生じる。
Cs=Lm×Imax2/Vcep2 …………[式1]
【0008】
図6のスイッチ素子4のPN間電圧波形34に示す、スイッチ素子4がオンとなりダイオード6がオフとなるTON期間のあいだ、出力平滑コンデンサ7、ダイオード6、スイッチ素子4、可飽和リアクトル5、出力平滑コンデンサ7の電流経路21の合成インピーダンスをZ1とし、スナバコンデンサ9、スナバ放電抵抗器11、ダイオード6、スイッチ素子4、スナバコンデンサ9の電流経路22の合成インピーダンスをZ2として、電流経路21の電流ピーク値をIP21、電流経路22の電流ピーク値をIP22、出力平滑コンデンサ電圧(=スナバコンデンサ充電電圧)をE、TON期間のスイッチ素子4電流ピーク値をIPとすれば、IP22は次の[式2]の通りとなる。
【0009】
【数1】
【0010】
[式2]から明らかなように、可飽和リアクトル5によりZ1が大きく、前述の時定数低減のためスナバ放電抵抗器11によりZ2が小さくなると、Z1と(Z1+Z2)の比が大きくなりIP22の電流分担が多くなることによって、図6のスナバ放電抵抗器11の電流波形32のように、スイッチ素子4オフ後のサージエネルギの放電時の損失のみならず、TON期間の電流経路22によるスナバ放電抵抗器11の損失が無視できなくなる、そのため、スナバ放電抵抗器11の抵抗容量増大のため装置の大型化を招くという問題がある。
そこで本発明は、スイッチング周波数が高く、スイッチ素子オン時のスナバ放電抵抗器における損失の小さい昇圧チョッパ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、直流電源に接続され、スイッチ素子をオンすることにより直流リアクトルにエネルギを蓄積させ、前記スイッチ素子のオフ期間にダイオードを介して前記蓄積エネルギを出力側コンデンサに充電することにより負荷に前記電源の電圧より高い電圧を供給し、前記スイッチ素子のオフ時に発生するサージ電圧をスナバコンデンサにより吸収して前記スイッチ素子の過電圧による破壊を防止するスナバ回路を備えた昇圧チョッパ装置において、前記スイッチ素子のオフ期間にサージ電圧まで充電された前記スナバコンデンサの電圧を出力側コンデンサ電圧まで放電するスナバ放電抵抗器と直列に接続されたスナバ放電リアクトルを備えた構成とする。
【0012】
この発明によれば、スイッチ素子オン時、ダイオードがオフするまでの期間、スナバコンデンサからスイッチ素子に流れる電流の立ち上がりによりスナバ放電抵抗器に直列に接続されたリアクトルにより逆電圧を発生させてスナバコンデンサの放電を防止し、スナバ放電抵抗器の損失を抑えることができる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、スナバ放電リアクトルはスナバ放電抵抗器と出力平滑コンデンサとの接続線を長くすることによって形成されている構成とする。
【0014】
この発明によれば、スイッチ素子オン時、ダイオードがオフするまでの期間、スナバコンデンサからスイッチ素子に流れる電流の立ち上がりによりスナバ放電抵抗器と出力平滑コンデンサとの線路の有するインダクタンスにより電圧を発生させてスナバコンデンサの放電を防止し、スナバ放電抵抗器の損失を抑えることができる。
【0015】
請求項3の発明は、直流電源に接続され、スイッチ素子をオンすることにより直流リアクトルにエネルギを蓄積させ、前記スイッチ素子のオフ期間にダイオードを介して前記蓄積エネルギを出力側コンデンサに充電することにより負荷に前記電源の電圧より高い電圧を供給し、前記スイッチ素子のオフ時に発生するサージ電圧をスナバコンデンサにより吸収して前記スイッチ素子の過電圧による破壊を防止するスナバ回路を備えた昇圧チョッパ装置において、前記スイッチ素子のオフ期間にサージ電圧まで充電された前記スナバコンデンサの電圧を出力側コンデンサ電圧まで放電するスナバ放電抵抗器と直列に接続されたスイッチと、スナバコンデンサ電圧と出力側コンデンサ電圧を比較して前記スイッチを開閉制御する比較器とを備えた構成とする。
【0016】
この発明によれば、スイッチ素子オフ時点でスナバコンデンサに蓄積されたサージエネルギを出力側コンデンサ電圧まで放電後にスイッチによりスナバ放電抵抗器を切り離しスイッチ素子オン時には電流が流れないようにして、スナバ放電抵抗器の損失を抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の形態の昇圧チョッパ装置を図1を参照して説明する。本実施の形態の昇圧チョッパ装置は、スナバ放電リアクトル12をスナバ放電抵抗器11と直列に接続した構成である。それ以外はすでに説明した図5の回路と同じである。
【0018】
スナバ放電リアクトル12のインダクタンス値は、スイッチ素子4がオンとなり、ダイオード6がオフとなるTON期間にスナバコンデンサ9、スナバ放電抵抗器11、スイッチ素子4からスナバコンデンサ9に至る電流経路22の電流により発生するスナバ放電リアクトルの逆電圧(図2のスイッチ素子4のPN間電圧波形33に示す。)によりスナバ放電抵抗器11のピーク電流を抑えるように選定する。
【0019】
スイッチ素子4のTON時のスナバコンデンサ9、スナバ放電抵抗器11、スナバ放電リアクトル12による電流経路22の電流値は下記のRLC放電の[式3]により表すことができる。
【0020】
【数2】
【0021】
[式3]によって、TON時間内に電流経路22の所望の電流値を得ることができ、スイッチ周期内でサージエネルギを放電することのできるスナバ放電リアクトル12を直列に接続することによりスナバ放電抵抗器11の損失を低減することができる。
【0022】
図3は本発明の第2の形態の昇圧チョッパ装置の回路図である。本実施の形態の特徴はスナバ放電抵抗器11と直列に接続されたスイッチ13にある。スイッチ13は、スナバコンデンサ9の電圧が出力平滑コンデンサ7の電圧より大きい場合に比較器14により接続状態となる。スイッチ素子4のオフ時に線路インダクタンス8に発生するサージエネルギによりスナバコンデンサ9の電圧が出力平滑コンデンサ7の電圧よりも高くなると、比較器14によりスイッチ13が接続状態とされ、スナバ放電抵抗器11を経て出力平滑コンデンサ7の電圧まで放電される。
【0023】
放電によりスナバコンデンサ9の電圧と出力平滑コンデンサ7の電圧が等しくなると、スイッチ13によりスナバ放電抵抗器11が切り離され、スイッチ素子4のオン時のTON期間のスナバコンデンサ9からの放電を防止し、スナバ放電抵抗器11による損失を抑える。
【0024】
図4は本発明の第3の形態の昇圧チョッパ装置の回路図である。本実施の形態は、スナバ放電抵抗器11から出力平滑コンデンサ7までの配線長を長くした構成である。こうして得られる放電回路線路インダクタンス15により、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、スイッチング周波数が高く、スイッチ素子オン時のスナバ放電抵抗器における損失の小さい昇圧チョッパ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の昇圧チョッパ装置の回路図。
【図2】上記第1の実施の形態の昇圧チョッパ装置の動作を説明する特性線図。
【図3】本発明の第2の形態の昇圧チョッパ装置の回路図。
【図4】本発明の第3の形態の昇圧チョッパ装置の回路図。
【図5】従来の昇圧チョッパ装置の回路図。
【図6】従来の昇圧チョッパ装置の動作を説明する特性線図。
【符号の説明】
1…直流電源、2…負荷、3…直流リアクトル、4…スイッチ素子、5…可飽和リアクトル、6…ダイオード、7…出力平滑コンデンサ、8…線路インダクタンス、9…スナバコンデンサ、10…スナバダイオード、11…スナバ放電抵抗器、12…スナバ放電リアクトル、13…スイッチ、14…比較器、15…放電回路線路インダクタンス、21,22…電流経路、32…スナバ放電抵抗器電流、33,34…スイッチ素子PN間電圧。
【発明の属する技術分野】
本発明は直流電圧を交流に変換することなく直接昇圧する昇圧チョッパ装置に係り、スイッチ素子のオフ時にサージエネルギを吸収するスナバコンデンサと、オフ期間中に前記サージエネルギを出力電圧まで放電するスナバ放電抵抗器からなるスナバ回路を備えた昇圧チョッパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
直流電圧を交流に変換することなく直接昇圧する昇圧チョッパ装置は、図5に示すように、直流電源1と負荷2のあいだに接続された直流リアクトル3、スイッチ素子4、可飽和リアクトル5、ダイオード6および出力平滑コンデンサ7を備えている。
【0003】
このような構成によって、スイッチ素子4をオンとすることにより電流は直流電源1から直流リアクトル3、スイッチ素子4に流れて直流リアクトル3にエネルギが蓄積される。オン時間後にスイッチ素子4をオフとすると直流リアクトル3に蓄積されたエネルギはダイオード6を介して出力平滑コンデンサ7に充電され負荷2に供給される。
【0004】
入力電圧Viと出力電圧Voの関係はスイッチ素子4のオン時間TONとToffによって決定され、Vo=((TON+Toff)/Toff)Viである。可飽和リアクトル5はスイッチ素子4の電流の立ち上がりを抑制しオフからオン時にダイオード6がオフする間のリバースリカバリ電流の変化率を低減するために挿入されている。
【0005】
スイッチ素子4のオフ時には線路インダクタンス8を流れていた電流も遮断されるが、この時この電流の変化率と線路インダクタンス8によりスイッチ素子4のP側端子にはサージ電圧が発生する。このサージ電圧はスナバダイオード10を介して出力平滑コンデンサ7と同電位に常時充電されているスナバコンデンサ9に吸収され、スイッチ素子4のPN間の過電圧による破壊を防止する。スナバコンデンサ9に吸収されたサージエネルギは、次のスイッチ素子4のオフ時点までに出力平滑コンデンサ7と同電位までスナバ放電抵抗器11を介してスナバコンデンサ9との時定数で放電される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では、低騒音や低入力電流リップルを目的としてスイッチ素子4のスイッチング周波数を上げるためには、スイッチ素子4のオフ時にスナバコンデンサ9に充電されたサージエネルギをスイッチング周期後、次のオフ時までに出力平滑コンデンサ7の電位に放電しなければならないが、スナバコンデンサ9とスナバ放電抵抗器11の時定数を小さくするためには、スナバコンデンサ9の静電容量を小さくするか、スナバ放電抵抗器11の抵抗値を小さくしなければならない。
【0007】
スナバコンデンサ9の静電容量Csは、線路インダクタンス8のインダクタンスLmと、スイッチ素子4のオフ時の遮断電流Imax、スイッチ素子4のPN間の許容最大電圧Vcepにより下記の[式1]で示される関係により制限されるので、スナバ放電抵抗器11の抵抗値を小さくする必要が生じる。
Cs=Lm×Imax2/Vcep2 …………[式1]
【0008】
図6のスイッチ素子4のPN間電圧波形34に示す、スイッチ素子4がオンとなりダイオード6がオフとなるTON期間のあいだ、出力平滑コンデンサ7、ダイオード6、スイッチ素子4、可飽和リアクトル5、出力平滑コンデンサ7の電流経路21の合成インピーダンスをZ1とし、スナバコンデンサ9、スナバ放電抵抗器11、ダイオード6、スイッチ素子4、スナバコンデンサ9の電流経路22の合成インピーダンスをZ2として、電流経路21の電流ピーク値をIP21、電流経路22の電流ピーク値をIP22、出力平滑コンデンサ電圧(=スナバコンデンサ充電電圧)をE、TON期間のスイッチ素子4電流ピーク値をIPとすれば、IP22は次の[式2]の通りとなる。
【0009】
【数1】
【0010】
[式2]から明らかなように、可飽和リアクトル5によりZ1が大きく、前述の時定数低減のためスナバ放電抵抗器11によりZ2が小さくなると、Z1と(Z1+Z2)の比が大きくなりIP22の電流分担が多くなることによって、図6のスナバ放電抵抗器11の電流波形32のように、スイッチ素子4オフ後のサージエネルギの放電時の損失のみならず、TON期間の電流経路22によるスナバ放電抵抗器11の損失が無視できなくなる、そのため、スナバ放電抵抗器11の抵抗容量増大のため装置の大型化を招くという問題がある。
そこで本発明は、スイッチング周波数が高く、スイッチ素子オン時のスナバ放電抵抗器における損失の小さい昇圧チョッパ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、直流電源に接続され、スイッチ素子をオンすることにより直流リアクトルにエネルギを蓄積させ、前記スイッチ素子のオフ期間にダイオードを介して前記蓄積エネルギを出力側コンデンサに充電することにより負荷に前記電源の電圧より高い電圧を供給し、前記スイッチ素子のオフ時に発生するサージ電圧をスナバコンデンサにより吸収して前記スイッチ素子の過電圧による破壊を防止するスナバ回路を備えた昇圧チョッパ装置において、前記スイッチ素子のオフ期間にサージ電圧まで充電された前記スナバコンデンサの電圧を出力側コンデンサ電圧まで放電するスナバ放電抵抗器と直列に接続されたスナバ放電リアクトルを備えた構成とする。
【0012】
この発明によれば、スイッチ素子オン時、ダイオードがオフするまでの期間、スナバコンデンサからスイッチ素子に流れる電流の立ち上がりによりスナバ放電抵抗器に直列に接続されたリアクトルにより逆電圧を発生させてスナバコンデンサの放電を防止し、スナバ放電抵抗器の損失を抑えることができる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、スナバ放電リアクトルはスナバ放電抵抗器と出力平滑コンデンサとの接続線を長くすることによって形成されている構成とする。
【0014】
この発明によれば、スイッチ素子オン時、ダイオードがオフするまでの期間、スナバコンデンサからスイッチ素子に流れる電流の立ち上がりによりスナバ放電抵抗器と出力平滑コンデンサとの線路の有するインダクタンスにより電圧を発生させてスナバコンデンサの放電を防止し、スナバ放電抵抗器の損失を抑えることができる。
【0015】
請求項3の発明は、直流電源に接続され、スイッチ素子をオンすることにより直流リアクトルにエネルギを蓄積させ、前記スイッチ素子のオフ期間にダイオードを介して前記蓄積エネルギを出力側コンデンサに充電することにより負荷に前記電源の電圧より高い電圧を供給し、前記スイッチ素子のオフ時に発生するサージ電圧をスナバコンデンサにより吸収して前記スイッチ素子の過電圧による破壊を防止するスナバ回路を備えた昇圧チョッパ装置において、前記スイッチ素子のオフ期間にサージ電圧まで充電された前記スナバコンデンサの電圧を出力側コンデンサ電圧まで放電するスナバ放電抵抗器と直列に接続されたスイッチと、スナバコンデンサ電圧と出力側コンデンサ電圧を比較して前記スイッチを開閉制御する比較器とを備えた構成とする。
【0016】
この発明によれば、スイッチ素子オフ時点でスナバコンデンサに蓄積されたサージエネルギを出力側コンデンサ電圧まで放電後にスイッチによりスナバ放電抵抗器を切り離しスイッチ素子オン時には電流が流れないようにして、スナバ放電抵抗器の損失を抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の形態の昇圧チョッパ装置を図1を参照して説明する。本実施の形態の昇圧チョッパ装置は、スナバ放電リアクトル12をスナバ放電抵抗器11と直列に接続した構成である。それ以外はすでに説明した図5の回路と同じである。
【0018】
スナバ放電リアクトル12のインダクタンス値は、スイッチ素子4がオンとなり、ダイオード6がオフとなるTON期間にスナバコンデンサ9、スナバ放電抵抗器11、スイッチ素子4からスナバコンデンサ9に至る電流経路22の電流により発生するスナバ放電リアクトルの逆電圧(図2のスイッチ素子4のPN間電圧波形33に示す。)によりスナバ放電抵抗器11のピーク電流を抑えるように選定する。
【0019】
スイッチ素子4のTON時のスナバコンデンサ9、スナバ放電抵抗器11、スナバ放電リアクトル12による電流経路22の電流値は下記のRLC放電の[式3]により表すことができる。
【0020】
【数2】
【0021】
[式3]によって、TON時間内に電流経路22の所望の電流値を得ることができ、スイッチ周期内でサージエネルギを放電することのできるスナバ放電リアクトル12を直列に接続することによりスナバ放電抵抗器11の損失を低減することができる。
【0022】
図3は本発明の第2の形態の昇圧チョッパ装置の回路図である。本実施の形態の特徴はスナバ放電抵抗器11と直列に接続されたスイッチ13にある。スイッチ13は、スナバコンデンサ9の電圧が出力平滑コンデンサ7の電圧より大きい場合に比較器14により接続状態となる。スイッチ素子4のオフ時に線路インダクタンス8に発生するサージエネルギによりスナバコンデンサ9の電圧が出力平滑コンデンサ7の電圧よりも高くなると、比較器14によりスイッチ13が接続状態とされ、スナバ放電抵抗器11を経て出力平滑コンデンサ7の電圧まで放電される。
【0023】
放電によりスナバコンデンサ9の電圧と出力平滑コンデンサ7の電圧が等しくなると、スイッチ13によりスナバ放電抵抗器11が切り離され、スイッチ素子4のオン時のTON期間のスナバコンデンサ9からの放電を防止し、スナバ放電抵抗器11による損失を抑える。
【0024】
図4は本発明の第3の形態の昇圧チョッパ装置の回路図である。本実施の形態は、スナバ放電抵抗器11から出力平滑コンデンサ7までの配線長を長くした構成である。こうして得られる放電回路線路インダクタンス15により、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、スイッチング周波数が高く、スイッチ素子オン時のスナバ放電抵抗器における損失の小さい昇圧チョッパ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の昇圧チョッパ装置の回路図。
【図2】上記第1の実施の形態の昇圧チョッパ装置の動作を説明する特性線図。
【図3】本発明の第2の形態の昇圧チョッパ装置の回路図。
【図4】本発明の第3の形態の昇圧チョッパ装置の回路図。
【図5】従来の昇圧チョッパ装置の回路図。
【図6】従来の昇圧チョッパ装置の動作を説明する特性線図。
【符号の説明】
1…直流電源、2…負荷、3…直流リアクトル、4…スイッチ素子、5…可飽和リアクトル、6…ダイオード、7…出力平滑コンデンサ、8…線路インダクタンス、9…スナバコンデンサ、10…スナバダイオード、11…スナバ放電抵抗器、12…スナバ放電リアクトル、13…スイッチ、14…比較器、15…放電回路線路インダクタンス、21,22…電流経路、32…スナバ放電抵抗器電流、33,34…スイッチ素子PN間電圧。
Claims (3)
- 直流電源に接続され、スイッチ素子をオンすることにより直流リアクトルにエネルギを蓄積させ、前記スイッチ素子のオフ期間にダイオードを介して前記蓄積エネルギを出力側コンデンサに充電することにより負荷に前記電源の電圧より高い電圧を供給し、前記スイッチ素子のオフ時に発生するサージ電圧をスナバコンデンサにより吸収して前記スイッチ素子の過電圧による破壊を防止するスナバ回路を備えた昇圧チョッパ装置において、前記スイッチ素子のオフ期間にサージ電圧まで充電された前記スナバコンデンサの電圧を出力側コンデンサ電圧まで放電するスナバ放電抵抗器と直列に接続されたスナバ放電リアクトルを備えたことを特徴とする昇圧チョッパ装置。
- スナバ放電リアクトルはスナバ放電抵抗器と出力平滑コンデンサとの接続線を長くすることによって形成されていることを特徴とする請求項1記載の昇圧チョッパ装置。
- 直流電源に接続され、スイッチ素子をオンすることにより直流リアクトルにエネルギを蓄積させ、前記スイッチ素子のオフ期間にダイオードを介して前記蓄積エネルギを出力側コンデンサに充電することにより負荷に前記電源の電圧より高い電圧を供給し、前記スイッチ素子のオフ時に発生するサージ電圧をスナバコンデンサにより吸収して前記スイッチ素子の過電圧による破壊を防止するスナバ回路を備えた昇圧チョッパ装置において、前記スイッチ素子のオフ期間にサージ電圧まで充電された前記スナバコンデンサの電圧を出力側コンデンサ電圧まで放電するスナバ放電抵抗器と直列に接続されたスイッチと、スナバコンデンサ電圧と出力側コンデンサ電圧を比較して前記スイッチを開閉制御する比較器とを備えたことを特徴とする昇圧チョッパ装置。
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JP2003041161A JP2004254401A (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | 昇圧チョッパ装置 |
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2003
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