JP2004253419A - 光半導体パッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】汎用されている自動実装機の使用が可能であって、高インピーダンスであるワイヤボンディング部での高周波信号の伝送特性の悪化を減少させ、高周波特性の良好な光半導体パッケージを提供する。
【解決手段】第1に、金属ベース11に直径の異なる2段構造の貫通穴12a、12bを設け、素子搭載面側の貫通穴12bの直径を反対側の貫通穴12aよりも小さくし、中心導体13は貫通穴12aに充填した固体誘電体14で支持し、貫通穴12bでは空気等の気体を誘電体とする。第2に、光半導体素子と中心導体を接続するボンディングワイヤの近傍や、固体誘電体から突き出た中心導体の近傍に、設置導体となる金属壁部を設置するか又は金属ベースに掘込部を設ける。
【選択図】 図2
【解決手段】第1に、金属ベース11に直径の異なる2段構造の貫通穴12a、12bを設け、素子搭載面側の貫通穴12bの直径を反対側の貫通穴12aよりも小さくし、中心導体13は貫通穴12aに充填した固体誘電体14で支持し、貫通穴12bでは空気等の気体を誘電体とする。第2に、光半導体素子と中心導体を接続するボンディングワイヤの近傍や、固体誘電体から突き出た中心導体の近傍に、設置導体となる金属壁部を設置するか又は金属ベースに掘込部を設ける。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波通信やミリ波通信等の高い周波数で動作する各種の光半導体素子を収納するための光半導体素子収納用パッケージ(以下、光半導体パッケージと言う)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光半導体パッケージについては、特開平6−291224号公報や特開昭62−35528号公報等、多くのものが提案されている。現在広く用いられている、高い周波数で動作する光半導体素子を内部に収納するための光半導体パッケージの一例を図1に示す。その図1(a)は斜視図であり、図1(b)は要部の断面図である。
【0003】
図1に示すように、従来の光半導体パッケージでは、概ね円板状の金属ベース1に直径が一定の複数の貫通穴2を形成し、それらの貫通穴2に中心導体3を挿通した状態で、ガラス又はセラミック等の固体誘電体4により支持している。これら金属ベース1の各貫通穴2に支持された複数の中心導体3によって、インピーダンス整合を考慮した同軸構造の電極端子が形成されている。
【0004】
この光半導体パッケージにおいては、金属ベース1の素子搭載面に光半導体素子5等を実装し、中心導体3と光半導体素子5の電極とをボンディングワイヤ6等で電気的に接続する。その後、金属ベース1に蓋体7を溶接することによって、光半導体素子6を気密に保つようになっている。
【0005】
また、この図1に示す形状のパッケージは通常CAN型パッケージと呼ばれ、トランジスタ、発光ダイオード、フォトディテクタ等の各種電子部品として広く用いられている。そのため、CAN型パッケージの自動実装機も広く普及している。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−291224号公報
【特許文献2】
特開昭62−35528号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記光半導体パッケージでは、金属ベースの素子搭載面上に実装された光半導体素子と、これに垂直な中心導体との接続に、ワイヤボンディングを用いることがある。一般的に、ワイヤボンディングは高インピーダンスであるため、伝送信号が10GHzといった高周波数になる場合、伝送経路の途中にインピーダンスの不連続部分が生じると、伝送信号の反射が生じ、信号伝送特性に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の事情に鑑み、汎用されている自動実装機の使用が可能であって、高インピーダンスであるワイヤボンディング部での高周波信号の伝送特性の悪化を減少させ、高周波特性の良好な光半導体パッケージを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明が提供する第1の光半導体パッケージは、光半導体素子を実装する略円板状の金属ベースと、該金属ベースに設けた貫通穴に挿通されて固体誘電体により支持された中心導体とを備え、複数の該中心導体を持つ同軸構造よりなる電極端子を形成した光半導体パッケージにおいて、前記金属ベースの素子搭載面側における貫通穴の直径を素子搭載面の反対側での直径よりも小さくし、該素子搭載面と反対側の貫通穴に充填した固体誘電体により中心導体を支持する一方、該素子搭載面側の貫通穴では気体を誘電体とすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明が提供する第2の光半導体パッケージは、光半導体素子を実装する略円板状の金属ベースと、該金属ベースに設けた貫通穴に挿通されて固体誘電体により支持された中心導体とを備え、複数の該中心導体を持つ同軸構造よりなる電極端子を形成した光半導体パッケージにおいて、前記金属ベースの素子搭載面に実装された光半導体素子と中心導体とを電気的に接続するボンディングワイヤの近傍、又は前記固体誘電体から素子搭載面側に突き出た中心導体の近傍、若しくはその両者の近傍に、接地導体を配置したことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の光半導体パッケージは、略円板状の金属ベースに設けた貫通穴に固体誘電体で支持された中心導体を備え、かかる複数の中心導体を持つ同軸構造の電極端子を形成した光半導体パッケージにおいて、インピーダンス不整合を起こすボンディングワイヤの長さを短くすることにより、そのワイヤボンディング部での高周波信号の伝送特性の悪化を減少させるものである。
【0012】
複数の中心導体を持つ同軸構造の電極端子において、各中心導体の直径を同一とすると、同一の特性インピーダンスを得るための誘電体の直径は、誘電率1の気体を用いることで最小にすることができる。従って、ガラス等の固体誘電体を充填した同軸構造よりも、貫通穴の隙間を空気等の気体の誘電体で満たす方が、金属ベースの素子搭載面における貫通穴の直径を小さくでき、その結果として中心導体から半導体素子までの距離を短くすることができる。
【0013】
即ち、本発明の第1の光半導体パッケージは、このような空気等の気体を誘電体として利用した同軸構造を特徴とするものである。具体的には、例えば図2に示すように、略円板状の金属ベース11に直径の異なる2段の貫通穴12a、12bを設け、素子搭載面と反対側の貫通穴12aの直径を例えば従来と同一としたとき、素子搭載面側の貫通穴12bの直径は上記貫通穴12aの直径よりも小さく設定する。そして、中心導体13は素子搭載面と反対側の貫通穴12aに充填したガラス等の固体誘電体14により支持し、素子搭載面側の貫通穴12bには固体誘電体を充填せず、空気その他の気体を誘電体とする。
【0014】
このような構造をとることによって、金属ベース11の素子搭載面側における貫通穴12bの直径及び開口径を従来の貫通穴12aが有する通常の大きさの直径よりも小さくすることができるため、中心導体13と光半導体素子15の電極を接続するボンディングワイヤ16の長さを短くすることが可能となり、その部分での高周波信号の伝送特性の悪化を減少させることができる。しかも、金属ベース11の素子搭載面側における貫通穴12bは空気等の気体を誘電体とするため、その直径が通常より小さくても、同軸構造の電極端子は同一の特性インピーダンスを得ることができる。
【0015】
尚、光半導体パッケージの内部は蓋体で気密封止されるので、上記誘電体として用いる気体としては、一般的に窒素、ヘリウム等の不活性ガスが用いられるが、空気、真空でも効果は変わらない。また、固体誘電体としてはガラス、セラミックス等を使用することができ、金属ベース等の部品は全て従来と同様のものを用いることができる。
【0016】
本発明の第2の光半導体パッケージは、光半導体素子と中心導体とを接続するボンディングワイヤの近傍、又は固体誘電体から素子搭載面側に突き出た中心導体の近傍、若しくはその両者の近傍に、接地導体を配置することにより、ワイヤボンディング部での電気力線の発散を抑制して、ワイヤボンディング部のインピーダンスを減少させ、高周波信号の伝送特性の悪化を減少させるものである。
【0017】
接地導体としては、ボンディングワイヤの近傍、固体誘電体から突き出た中心導体の近傍、又はその両者の近傍に、金属壁部を配置することが好ましい。例えば、図3に示すように、貫通穴22に固体誘電体24で支持された中心導体23とボンディングワイヤ26の周囲の大部分を取り囲むように、金属ベース(図示せず)の素子搭載面上に金属壁部27を設けることができる。金属壁部27とボンディングワイヤ26との最短距離は1mm以下とし、また金属壁部27の高さはボンディングワイヤ26の頂部と同等か又はそれより高くすることが好ましい。
【0018】
また、接地導体として、金属ベースの素子搭載面に掘込部を設けることにより、上記した金属壁部と同様の作用をさせることもできる。例えば、図4及び図5に示すように、金属ベース21の素子搭載面を掘り込み、その掘込部28を相対的に金属ベース21の表面21aよりも低くして、光半導体素子25の搭載部とする。また、掘込部28と貫通穴22の間には、ボンディングワイヤ26を通すため、必要に応じて切欠部29を設ける。
【0019】
この掘込部28に光半導体素子25を搭載する一方、中心導体23は頂部が貫通穴22内に収容されるように、即ち頂部が金属ベース21の表面21aより下方に位置するように配置して、固体誘電体24で支持する。このように構成することによって、ボンディングワイヤ26及び固体誘電体24から突き出た中心導体23の近傍に、金属ベース21からなる金属壁部を形成することができる。
【0020】
上記図3〜5に示すような構造とすることにより、ボンディングワイヤ26からの電気力線の発散が抑制され、接地導体に終端する割合が増加するため、インピーダンスを減少させることができる。その結果、ボンディングワイヤ26と中心導体23の間及びボンディングワイヤ26と光半導体素子25の間におけるインピーダンス不整合の度合いが減少し、信号の反射が少なく、良好な高周波特性を有する光半導体パッケージを提供することができる。
【0021】
尚、上記金属ベースと金属壁部は、各々別々に作製したものを銀ロウや半田により両者の導通を保ったまま接合するか、若しくはプレス、金属射出成形、切削等の金属加工技術により一体成型することによって作製することが可能である。また、固体誘電体や金属ベース等の部品については、全て従来と同様のものを用いることができる。
【0022】
このように、本発明における第1及び第2の光半導体パッケージは、高インピーダンスであるワイヤボンディング部での高周波信号の伝送特性の悪化を低減させることができるため、良好な高周波特性を備えている。従って、本発明の光半導体パッケージは、高速光通信に用いられる受光モジュールや、面発光レーザーダイオードを実装する送信モジュール等として極めて有効である。
【0023】
しかも、第1の光半導体パッケージは貫通穴を直径の異なる2段構造とするだけであり、第2の光半導体パッケージは金属壁部のような微少な部品を付加するか、又は金属ベースに微少な掘込部を設けるだけで良い。そのため、一般的に用いられているCAN型パッケージに適用でき、且つ汎用されている自動実装機を使用することが可能である。また、直径の異なる2段構造の貫通穴の形成、微少な部品の設置、及び掘込部の形成は、簡単な加工で実施できるため、光半導体パッケージの製造コストを上昇させることが殆どない。
【0024】
【実施例】
CAN型の光半導体パッケージについて、接地導体である金属壁部の有無による高周波伝送特性の変化を評価した。実験モデルは、図6に模式的に示すように、金属ベース21に設けた2つの貫通穴22にそれぞれ中心導体23a、23bを挿通し、固体誘電体24としてガラスを充填して支持した。中心導体23aを信号入力部及び中心導体23bを信号出力部とし、金属ベース21の素子搭載部上に実装した伝送線路基板30にボンディングワイヤ26でそれぞれ接続した。尚、伝送線路基板30は、同軸端子部分と同じインピーダンスに設計した。
【0025】
更に、中心導体23a、23b及びこれらに接続したボンディングワイヤ26、26の周囲の大部分をそれぞれ取り囲むように、金属ベース21の素子搭載面上に金属壁部27、27をそれぞれ設置した。この金属壁部27、27とボンディングワイヤ26、26との最短距離は0.5mmとし、また金属壁部27、27の高さはボンディングワイヤ26、26の頂部よりも高くした。
【0026】
この図6に示す本発明の実験モデルを用いて、高周波伝送特性の変化を測定した結果を図7に示す。また、上記金属壁部27、27を設置しない以外は図6と同じ構造を備えた従来例の実験モデル作製し、これを用いて測定した高周波伝送特性の変化を図8に示した。この結果から、本発明の金属壁部を設置した実験モデルにおいては、金属壁部のない従来例の実験モデルに比べて、20GHzまでの全周波数領域にわたって、反射の割合が低減し、高周波特性が大幅に向上していることが確認できた。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、ワイヤボンディング部での高周波信号の伝送特性の悪化を減少させ、高周波特性の良好な光半導体パッケージを提供することができる。しかも、本発明による光半導体パッケージは、その加工が簡単であるから製造コストの上昇を招かないうえ、一般に広く普及しているパッケージ形状を維持しているため、使用に際して新たな実装用機器を必要とせず、従来と同じ自動実装機を使用することができ、工業的な実施において極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光半導体パッケージであり、(a)は概略の斜視図、(b)は要部の概略の断面図である。
【図2】本発明における第1の半導体パッケージの一具体例を示す要部の概略の断面図である。
【図3】本発明における第2の半導体パッケージの一具体例を示す要部の概略の斜視図である。
【図4】本発明における第2の半導体パッケージの他の具体例を示す要部の概略の斜視図である。
【図5】図4に示す第2の半導体パッケージの要部の概略の断面図である。
【図6】本発明における第2の半導体パッケージの特性評価に用いた実験モデルを示す要部の概略の断面図である。
【図7】本発明の実験モデルで測定した高周波伝送特性の変化を示すグラフである。
【図8】従来例の実験モデルで測定した高周波伝送特性の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1、11、21 金属ベース
2、12a、12b、22 貫通穴
3、13、23、23a、23b 中心導体
4、14、24 固体誘電体
5、15、25 光半導体素子
6、16、26 ボンディングワイヤ
7 蓋体
27 金属壁部
28 掘込部
29 切欠部
30 伝送線路基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波通信やミリ波通信等の高い周波数で動作する各種の光半導体素子を収納するための光半導体素子収納用パッケージ(以下、光半導体パッケージと言う)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光半導体パッケージについては、特開平6−291224号公報や特開昭62−35528号公報等、多くのものが提案されている。現在広く用いられている、高い周波数で動作する光半導体素子を内部に収納するための光半導体パッケージの一例を図1に示す。その図1(a)は斜視図であり、図1(b)は要部の断面図である。
【0003】
図1に示すように、従来の光半導体パッケージでは、概ね円板状の金属ベース1に直径が一定の複数の貫通穴2を形成し、それらの貫通穴2に中心導体3を挿通した状態で、ガラス又はセラミック等の固体誘電体4により支持している。これら金属ベース1の各貫通穴2に支持された複数の中心導体3によって、インピーダンス整合を考慮した同軸構造の電極端子が形成されている。
【0004】
この光半導体パッケージにおいては、金属ベース1の素子搭載面に光半導体素子5等を実装し、中心導体3と光半導体素子5の電極とをボンディングワイヤ6等で電気的に接続する。その後、金属ベース1に蓋体7を溶接することによって、光半導体素子6を気密に保つようになっている。
【0005】
また、この図1に示す形状のパッケージは通常CAN型パッケージと呼ばれ、トランジスタ、発光ダイオード、フォトディテクタ等の各種電子部品として広く用いられている。そのため、CAN型パッケージの自動実装機も広く普及している。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−291224号公報
【特許文献2】
特開昭62−35528号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記光半導体パッケージでは、金属ベースの素子搭載面上に実装された光半導体素子と、これに垂直な中心導体との接続に、ワイヤボンディングを用いることがある。一般的に、ワイヤボンディングは高インピーダンスであるため、伝送信号が10GHzといった高周波数になる場合、伝送経路の途中にインピーダンスの不連続部分が生じると、伝送信号の反射が生じ、信号伝送特性に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の事情に鑑み、汎用されている自動実装機の使用が可能であって、高インピーダンスであるワイヤボンディング部での高周波信号の伝送特性の悪化を減少させ、高周波特性の良好な光半導体パッケージを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明が提供する第1の光半導体パッケージは、光半導体素子を実装する略円板状の金属ベースと、該金属ベースに設けた貫通穴に挿通されて固体誘電体により支持された中心導体とを備え、複数の該中心導体を持つ同軸構造よりなる電極端子を形成した光半導体パッケージにおいて、前記金属ベースの素子搭載面側における貫通穴の直径を素子搭載面の反対側での直径よりも小さくし、該素子搭載面と反対側の貫通穴に充填した固体誘電体により中心導体を支持する一方、該素子搭載面側の貫通穴では気体を誘電体とすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明が提供する第2の光半導体パッケージは、光半導体素子を実装する略円板状の金属ベースと、該金属ベースに設けた貫通穴に挿通されて固体誘電体により支持された中心導体とを備え、複数の該中心導体を持つ同軸構造よりなる電極端子を形成した光半導体パッケージにおいて、前記金属ベースの素子搭載面に実装された光半導体素子と中心導体とを電気的に接続するボンディングワイヤの近傍、又は前記固体誘電体から素子搭載面側に突き出た中心導体の近傍、若しくはその両者の近傍に、接地導体を配置したことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の光半導体パッケージは、略円板状の金属ベースに設けた貫通穴に固体誘電体で支持された中心導体を備え、かかる複数の中心導体を持つ同軸構造の電極端子を形成した光半導体パッケージにおいて、インピーダンス不整合を起こすボンディングワイヤの長さを短くすることにより、そのワイヤボンディング部での高周波信号の伝送特性の悪化を減少させるものである。
【0012】
複数の中心導体を持つ同軸構造の電極端子において、各中心導体の直径を同一とすると、同一の特性インピーダンスを得るための誘電体の直径は、誘電率1の気体を用いることで最小にすることができる。従って、ガラス等の固体誘電体を充填した同軸構造よりも、貫通穴の隙間を空気等の気体の誘電体で満たす方が、金属ベースの素子搭載面における貫通穴の直径を小さくでき、その結果として中心導体から半導体素子までの距離を短くすることができる。
【0013】
即ち、本発明の第1の光半導体パッケージは、このような空気等の気体を誘電体として利用した同軸構造を特徴とするものである。具体的には、例えば図2に示すように、略円板状の金属ベース11に直径の異なる2段の貫通穴12a、12bを設け、素子搭載面と反対側の貫通穴12aの直径を例えば従来と同一としたとき、素子搭載面側の貫通穴12bの直径は上記貫通穴12aの直径よりも小さく設定する。そして、中心導体13は素子搭載面と反対側の貫通穴12aに充填したガラス等の固体誘電体14により支持し、素子搭載面側の貫通穴12bには固体誘電体を充填せず、空気その他の気体を誘電体とする。
【0014】
このような構造をとることによって、金属ベース11の素子搭載面側における貫通穴12bの直径及び開口径を従来の貫通穴12aが有する通常の大きさの直径よりも小さくすることができるため、中心導体13と光半導体素子15の電極を接続するボンディングワイヤ16の長さを短くすることが可能となり、その部分での高周波信号の伝送特性の悪化を減少させることができる。しかも、金属ベース11の素子搭載面側における貫通穴12bは空気等の気体を誘電体とするため、その直径が通常より小さくても、同軸構造の電極端子は同一の特性インピーダンスを得ることができる。
【0015】
尚、光半導体パッケージの内部は蓋体で気密封止されるので、上記誘電体として用いる気体としては、一般的に窒素、ヘリウム等の不活性ガスが用いられるが、空気、真空でも効果は変わらない。また、固体誘電体としてはガラス、セラミックス等を使用することができ、金属ベース等の部品は全て従来と同様のものを用いることができる。
【0016】
本発明の第2の光半導体パッケージは、光半導体素子と中心導体とを接続するボンディングワイヤの近傍、又は固体誘電体から素子搭載面側に突き出た中心導体の近傍、若しくはその両者の近傍に、接地導体を配置することにより、ワイヤボンディング部での電気力線の発散を抑制して、ワイヤボンディング部のインピーダンスを減少させ、高周波信号の伝送特性の悪化を減少させるものである。
【0017】
接地導体としては、ボンディングワイヤの近傍、固体誘電体から突き出た中心導体の近傍、又はその両者の近傍に、金属壁部を配置することが好ましい。例えば、図3に示すように、貫通穴22に固体誘電体24で支持された中心導体23とボンディングワイヤ26の周囲の大部分を取り囲むように、金属ベース(図示せず)の素子搭載面上に金属壁部27を設けることができる。金属壁部27とボンディングワイヤ26との最短距離は1mm以下とし、また金属壁部27の高さはボンディングワイヤ26の頂部と同等か又はそれより高くすることが好ましい。
【0018】
また、接地導体として、金属ベースの素子搭載面に掘込部を設けることにより、上記した金属壁部と同様の作用をさせることもできる。例えば、図4及び図5に示すように、金属ベース21の素子搭載面を掘り込み、その掘込部28を相対的に金属ベース21の表面21aよりも低くして、光半導体素子25の搭載部とする。また、掘込部28と貫通穴22の間には、ボンディングワイヤ26を通すため、必要に応じて切欠部29を設ける。
【0019】
この掘込部28に光半導体素子25を搭載する一方、中心導体23は頂部が貫通穴22内に収容されるように、即ち頂部が金属ベース21の表面21aより下方に位置するように配置して、固体誘電体24で支持する。このように構成することによって、ボンディングワイヤ26及び固体誘電体24から突き出た中心導体23の近傍に、金属ベース21からなる金属壁部を形成することができる。
【0020】
上記図3〜5に示すような構造とすることにより、ボンディングワイヤ26からの電気力線の発散が抑制され、接地導体に終端する割合が増加するため、インピーダンスを減少させることができる。その結果、ボンディングワイヤ26と中心導体23の間及びボンディングワイヤ26と光半導体素子25の間におけるインピーダンス不整合の度合いが減少し、信号の反射が少なく、良好な高周波特性を有する光半導体パッケージを提供することができる。
【0021】
尚、上記金属ベースと金属壁部は、各々別々に作製したものを銀ロウや半田により両者の導通を保ったまま接合するか、若しくはプレス、金属射出成形、切削等の金属加工技術により一体成型することによって作製することが可能である。また、固体誘電体や金属ベース等の部品については、全て従来と同様のものを用いることができる。
【0022】
このように、本発明における第1及び第2の光半導体パッケージは、高インピーダンスであるワイヤボンディング部での高周波信号の伝送特性の悪化を低減させることができるため、良好な高周波特性を備えている。従って、本発明の光半導体パッケージは、高速光通信に用いられる受光モジュールや、面発光レーザーダイオードを実装する送信モジュール等として極めて有効である。
【0023】
しかも、第1の光半導体パッケージは貫通穴を直径の異なる2段構造とするだけであり、第2の光半導体パッケージは金属壁部のような微少な部品を付加するか、又は金属ベースに微少な掘込部を設けるだけで良い。そのため、一般的に用いられているCAN型パッケージに適用でき、且つ汎用されている自動実装機を使用することが可能である。また、直径の異なる2段構造の貫通穴の形成、微少な部品の設置、及び掘込部の形成は、簡単な加工で実施できるため、光半導体パッケージの製造コストを上昇させることが殆どない。
【0024】
【実施例】
CAN型の光半導体パッケージについて、接地導体である金属壁部の有無による高周波伝送特性の変化を評価した。実験モデルは、図6に模式的に示すように、金属ベース21に設けた2つの貫通穴22にそれぞれ中心導体23a、23bを挿通し、固体誘電体24としてガラスを充填して支持した。中心導体23aを信号入力部及び中心導体23bを信号出力部とし、金属ベース21の素子搭載部上に実装した伝送線路基板30にボンディングワイヤ26でそれぞれ接続した。尚、伝送線路基板30は、同軸端子部分と同じインピーダンスに設計した。
【0025】
更に、中心導体23a、23b及びこれらに接続したボンディングワイヤ26、26の周囲の大部分をそれぞれ取り囲むように、金属ベース21の素子搭載面上に金属壁部27、27をそれぞれ設置した。この金属壁部27、27とボンディングワイヤ26、26との最短距離は0.5mmとし、また金属壁部27、27の高さはボンディングワイヤ26、26の頂部よりも高くした。
【0026】
この図6に示す本発明の実験モデルを用いて、高周波伝送特性の変化を測定した結果を図7に示す。また、上記金属壁部27、27を設置しない以外は図6と同じ構造を備えた従来例の実験モデル作製し、これを用いて測定した高周波伝送特性の変化を図8に示した。この結果から、本発明の金属壁部を設置した実験モデルにおいては、金属壁部のない従来例の実験モデルに比べて、20GHzまでの全周波数領域にわたって、反射の割合が低減し、高周波特性が大幅に向上していることが確認できた。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、ワイヤボンディング部での高周波信号の伝送特性の悪化を減少させ、高周波特性の良好な光半導体パッケージを提供することができる。しかも、本発明による光半導体パッケージは、その加工が簡単であるから製造コストの上昇を招かないうえ、一般に広く普及しているパッケージ形状を維持しているため、使用に際して新たな実装用機器を必要とせず、従来と同じ自動実装機を使用することができ、工業的な実施において極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光半導体パッケージであり、(a)は概略の斜視図、(b)は要部の概略の断面図である。
【図2】本発明における第1の半導体パッケージの一具体例を示す要部の概略の断面図である。
【図3】本発明における第2の半導体パッケージの一具体例を示す要部の概略の斜視図である。
【図4】本発明における第2の半導体パッケージの他の具体例を示す要部の概略の斜視図である。
【図5】図4に示す第2の半導体パッケージの要部の概略の断面図である。
【図6】本発明における第2の半導体パッケージの特性評価に用いた実験モデルを示す要部の概略の断面図である。
【図7】本発明の実験モデルで測定した高周波伝送特性の変化を示すグラフである。
【図8】従来例の実験モデルで測定した高周波伝送特性の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1、11、21 金属ベース
2、12a、12b、22 貫通穴
3、13、23、23a、23b 中心導体
4、14、24 固体誘電体
5、15、25 光半導体素子
6、16、26 ボンディングワイヤ
7 蓋体
27 金属壁部
28 掘込部
29 切欠部
30 伝送線路基板
Claims (2)
- 光半導体素子を実装する略円板状の金属ベースと、該金属ベースに設けた貫通穴に挿通されて固体誘電体により支持された中心導体とを備え、複数の該中心導体を持つ同軸構造よりなる電極端子を形成した光半導体パッケージにおいて、前記金属ベースの素子搭載面側における貫通穴の直径を素子搭載面の反対側での直径よりも小さくし、該素子搭載面と反対側の貫通穴に充填した固体誘電体により中心導体を支持する一方、前記素子搭載面側の貫通穴では気体を誘電体とすることを特徴とする光半導体パッケージ。
- 光半導体素子を実装する略円板状の金属ベースと、該金属ベースに設けた貫通穴に挿通されて固体誘電体により支持された中心導体とを備え、複数の該中心導体を持つ同軸構造よりなる電極端子を形成した光半導体パッケージにおいて、前記金属ベースの素子搭載面に実装された光半導体素子と中心導体とを電気的に接続するボンディングワイヤの近傍、又は前記固体誘電体から素子搭載面側に突き出た中心導体の近傍、若しくはその両者の近傍に、接地導体を配置したことを特徴とする光半導体パッケージ。
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