JP2004251745A - ナビゲーション及び通信車載器連携システム - Google Patents
ナビゲーション及び通信車載器連携システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】車両に搭載され、所定の通信装置との間で通信を行うことにより所定のサービスを受けるための通信車載器の消費電力を低減する。
【解決手段】通常は通信車載器への電力を停止又は低減して通信車載器が非アクティブ状態に保たれるように制御する。ナビゲーション装置が、所定の通信装置の設置箇所と車両との距離が所定の距離以内に接近したときに、通信車載器を起動させる信号を送り通信車載器を起動する。あるいは通信車載器の所定の操作を行ったときに通信車載器を起動しアクティブ状態とする。これらにより、通信車載器の起動時間を減らし、消費電力を低減するようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】通常は通信車載器への電力を停止又は低減して通信車載器が非アクティブ状態に保たれるように制御する。ナビゲーション装置が、所定の通信装置の設置箇所と車両との距離が所定の距離以内に接近したときに、通信車載器を起動させる信号を送り通信車載器を起動する。あるいは通信車載器の所定の操作を行ったときに通信車載器を起動しアクティブ状態とする。これらにより、通信車載器の起動時間を減らし、消費電力を低減するようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はナビゲーション装置と組み合わせた道路自動料金収受システムの自動料金収受車載器などの通信車載器に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速道路の渋滞原因のうち、道路構造的にみて最も多いのが料金所部分での渋滞であることが明らかになってきている。料金所部分では、すべての車両が一度停止して、道路料金を受け渡してから発進するため、渋滞の原因になっている。そこで、道路料金の自動料金収受システム(以下、ETCシステム,ETC:Electronic Toll Collection)の研究開発が進められている。このETCシステムは、車両に搭載した自動料金収受車載器(以下、ETC車載器と称する)と料金所に設置された路側機のアンテナとの間で相互通信を行い、道路料金の決済を行うものである。
【0003】
通行料金の支払者を決める方法については、ETC車載器ごとに支払者を固定する方式と、ETC車載器にIDカードなどを差し込み、IDカードの所有者を支払者にする方式がある。IDカードに相当するものとして接触式ICカードがあるが、このICカードをETC車載器に差し込んでおくと、料金所を通過する際に入口料金所データ,出口料金所データ,通行料金等が書き込まれる。高速道路公団等の道路管理者は、料金所を通過する際に得られるデータを基に、後日料金を請求する仕組みになっている。
【0004】
図7はETCシステムの概要説明図である。同図において、71,72,73は車両検出器,74は開閉バー,75は料金収受を行う路側機,76は路側機に接続されてETC車載器との通信を行うアンテナ,77は通行料金,通行の可否等を表示する表示器である。ETC車載器を搭載した車両70が車両検出器71に進入すると、車両検出器71はその検知情報を路側機75に伝え、路側機75はゲートに設置されたアンテナ76からの無線送信を開始する。車両70は、アンテナ76からの無線信号を受信すると、記憶しているETC車載器ID番号,車種情報,車両用ID(ナンバープレート番号),出発地,通過地の情報と、ICカードから読み出した支払口座,残高などの情報を送信する。これらの情報はアンテナ76で受信されて路側機75に送られ、路側機75はETC車載器からの情報を基に自動料金収受の処理を行ない、課金情報を車両70に伝える。車両70が車両検出器72を通過すると、表示器77に通行料金を表示し、開閉バー74を開いて車両70の通行を可能にする。車両検出器73が車両70の通過を感知すると、検知情報を路側機75に伝え、開閉バー74を閉じ、路側機75はアンテナ76による無線交信を停止する仕組みになっている。
【0005】
しかしながら、現在のところETCシステムは義務付けされたものではないので、ETC車載器を搭載している車両は多くなく、ETC用ゲートは少数である。そこで、先行技術として、車両の目的地への経路案内を行うナビゲーション装置に、自車の走行位置と地図データを基に、料金所に到達する前にETC用ゲートの有無およびその位置,料金所までの距離を、運転者に知らせることができるもの(特許文献1参照)や、ナビゲーション装置から料金所のETC対応情報を受けて、ETC非対応の料金所の手前で自動的にICカードを排出するようなETC車載器(特許文献2参照)のように、ナビゲーション装置の位置情報を付加して利用者に便宜を図っているものもある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−227976号公報
【特許文献2】
特開2001−14499号公報
【0007】
日本のETCシステムには、5.8GHzアクティブ方式の双方向無線通信(専用狭域通信=DSRC:Dedicated Short Range Communication)技術が用いられている。このDSRCをETC以外の多様なITSサービスへ活用するため、ETCとの互換性を維持しつつ、通信の高速化等を可能とする技術的条件が定められている。これにより、道路を高速で移動する自動車がDSRCを用いて瞬時に大量の情報を遣り取りできるようになり、インターネット接続による道路交通情報等の情報提供,地図データのダウンロード,音楽配信,宿泊施設の予約,駐車場やドライブスルーでの料金決済などの多様なサービスの提供が可能となる。この場合、車両側の送受信機としてETC車載器を使用することも可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ETC車載器の機能として、料金所での決済機能以外に、料金履歴の参照などがあるが、これらの一般的な操作は、走行中に常に行うようなものではない。よって、車両の走行時間に占めるETC車載器の動作時間の割合はごく小さなものとなる。しかし、現状のETC車載器は常時起動状態となっているので、数100mAの電流を消費している。このため、ETC車載器は車両搭載のバッテリから電源の供給を受ける必要があり、バッテリの負荷を増大させている。また、このような事情から、ETC車載器を電池駆動することは困難である。ETC車載器の電源を必要に応じてON/OFFすればバッテリの負荷を低減することができるが、手動で行う場合には運転者の操作負荷が増えて安全上好ましくない。
【0009】
上記事情に鑑み、本発明の課題は、消費電力を低く抑えることが可能なETC車載器に代表される通信車載器の技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明は、上記課題を解決するナビゲーション及び通信車載器連携システムを提供するものであって、車両に搭載され、所定の通信装置との間で専用狭域無線通信技術を用いて通信を行うことにより所定のサービスを受けるための通信車載器と、電子的な地図データと車両の現在位置データとに基づき目的地への経路を案内するナビゲーション装置と、
少なくとも前記ナビゲーション装置から通信車載器への信号出力を可能とする接続手段と、
通常は該通信車載器への電力を停止又は低減して該通信車載器が非アクティブ状態に保たれるように制御する電源オフ手段と、
前記ナビゲーション装置における地図データと現在位置データとにより前記所定の通信装置と当該車両との距離が所定の距離以内になったかどうかを判定する接近判定手段と、
その接近判定手段が、当該車両が前記所定の通信装置に対し前記所定の距離以内に接近したことを検出したときに前記接続手段を介して前記通信車載器を起動させる信号を該通信車載器に供給する起動手段と、
を有する。この構成により、ナビゲーション装置が前記所定の通信装置に接近したと判断したときのみ通信車載器を起動し、それ以外は通信車載器への電源供給を停止または低減できるため、バッテリ消費電力の低減に寄与できる。これにより、通信車載器を電池駆動する道も開け、バッテリ電源との接続の要らない設置の簡単な通信車載器とすることができる。また、通信車載器のオン/オフ(起動)がナビゲーション装置のデータを利用して自動的に行われるから、運転者が通信車載器の消費電力を抑えるために、この電源スイッチをいちいちオン/オフする煩わしさもない。
【0011】
本発明において、前記所定の通信装置への接近を検出する上で、前記ナビゲーション装置における地図データと当該車両の現在位置データとに基づいて当該車両と前記所定の通信装置との距離を演算する距離演算手段と、
その距離演算手段で演算された距離と当該車両について計測される車速とに基づいて該車両が前記所定の通信装置に到達するであろう所要時間又は到達時刻である時間情報を予測する時間情報演算手段と、
前記予測される時間情報の所定時間前を前記通信車載器の起動タイミングに設定する起動タイミング設定手段と、
その起動タイミングがきたかどうかを判定するタイミング判定手段とを備え、
前記起動手段は、その起動タイミングがきたと判定された信号に基づき前記通信車載器を起動させることを特徴とする。通信車載器の起動タイミングを所定の通信装置までの残りの距離に基づいて決定することもできるが、この場合、近距離に接近していても渋滞等で所定の通信装置に到達するまでに相当の時間を要することもあり、そうすると、通信車載器が起動されてから無駄に消費する時間が長くなるので、所定の通信装置に到着するまでの時間データで通信車載器の起動タイミングを設定することで、無駄な電力消費を更に効果的に減少させることができる。
【0012】
また、本発明は、前記地図データによる当該車両の予定経路上に前記所定の通信装置が位置するかどうかを判定する存否判定手段と、
その存否判定手段が前記予定経路上に前記所定の通信装置が位置していないと判定した場合は、前記接近判定手段の判定を実行しない処理、又はその接近判定手段が該車両が前記一定距離以内に前記所定の通信装置に接近したと判断した場合でも前記起動手段の作動を実行しない処理のいずれかを指令する非通過処理手段と、
を含む。こうすることで、利用しない通信装置の近傍を通行する場合には、通信車載器を起動しないようにして、無駄な電力の消費を抑えることができる。
【0013】
さらに、本発明は、次のようにナビゲーション装置との連携以外でも、通信車載器の電源コントロールを行うことができる。具体的には、前記通信車載器は、
所定の操作を行う操作部と、
ICカードを挿入してICカードに対するデータの書き込み及び/又はデータの読み出しを行わせるICカード挿入部と、
ICカードが挿入されたことを検知するカード検知手段とを備え、
前記操作部を操作する信号が出力されたとき及び/又は前記ICカード検知手段が前記ICカードを検知したとき、前記接近判定手段による判定とは別途に、前記起動手段が通信車載器を起動する信号を出力することを特徴とする。つまり、利用者が通信車載器としての所定の操作を行った場合は、通信車載器が直ちに起動する構成とし、これにより消費電力の抑制と使用利便性との両立を図ることができる。所定の操作には、履歴確認,ICカードの挿入,ICカードの排出(通信車載器のイジェクトボタン操作)等がある。
【0014】
通信車載器の電力消費を抑えるために、電源オフやスリープモードを設定して非アクティブ状態にするのであるが、そのために、例えば、以下の(1)〜(3)の方法が知られている。どの方法を採用するかは通信車載器のシステム構成に依存する。
(1)通信車載器の起動判定に必要のない部分への電源の供給を停止する方法。消費電力低減の効果が最も大きいが、再起動時に必ず初期化とICカード使用の場合にはICカードの認証とICカードデータの読み込みを行う必要がある。
(2)通信車載器への電源は供給した状態でCPUのクロックを停止する方法。再起動時には初期化およびICカード使用の場合におけるICカードの認証とICカードデータの読み込みを行う必要はないが、ICカードの抜き取りや異常の検知を確実に行う必要がある。ICカード異常時には初期化とICカードの認証とICカードデータの読み込みを行う。
(3)通信車載器への電源は供給した状態でCPUのクロック発振周波数を通常動作状態よりも低くする方法。ICカードの異常に対する処理を確実に行うことができるが、消費電力の低減効果は前2者よりも小さい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実施例としての、ナビゲーション及びETC車載器連携システムの全体構成を示すブロック図である。ETC車載器1(以下、車載器1と称する)は、料金等を表示する表示部11,履歴確認等の操作を行う操作部12,路側機との通信を行う通信部13およびアンテナ14,ICカード15との通信を行うICカードインターフェイス(以下、ICカードI/Fと称する)16,これらを制御する制御部17,車載器1を起動するための起動回路18,車載器1に電源を供給する電源部19などから構成される。制御部17には、図2のように周知のCPU171,ROM172,RAM173,入出力回路(以下、I/Oと称する)175およびこれらの構成を接続するバスライン174が備えられている。また、ROM172には、ETC車載器1を制御するための、オペレーティングシステム(OS)172sとETCプログラム172eを格納している。
【0016】
図1において、車載器1に接続するナビゲーション装置2は、位置を計測する位置計測部21,道路データなどが格納された地図データベース22,地図等を表示する表示部23,ユーザが個別に設定したデータを記憶する記憶部25,ナビゲーション装置2全体の制御を司るナビ制御部24などから構成される。また、20はナビゲーション装置2から車載器1への信号出力を可能とするデータバスである。
【0017】
図5は、ナビゲーション装置2からのデータバス20と車載器1のうちの操作部12,ICカードI/F16,通信部13,起動回路18,電源部19,制御部17との接続の詳細例である。起動回路18は、論理和回路(以下、OR回路と称する)54,エッジトリガ型Dフリップフロップ(以下、フリップフロップと称する)55,Nチャネル・エンハンスメント・モード電界効果型トランジスタ(以下、FETと称する)56から構成される。データバス20,操作部12,ICカードI/F16,通信部13からの指令出力は、OR回路54の入力に反転接続されている。OR回路54の出力はフリップフロップ55の入力に接続され、フリップフロップ55の出力QはFET56のゲート端子に接続され、FET56のドレイン端子が電源部19に接続され、電源部19のオン/オフを行う。フリップフロップ55のCR端子は制御部17に接続される。車載器1が非アクティブ状態のときに、データバス20,操作部12,ICカードI/F16,通信部部13のいずれかがLow(以下、Lという)レベルを出力した場合、OR回路54はフリップフロップ55の入力に対しHigh(以下、Hという)レベルを出力する。OR回路54の出力がLレベルからHレベルに変化したときに、フリップフロップ55の出力QはHレベルを出力するので、FET56はオン状態となり、電源部19をオン状態とし、車載器1へ電源を供給しアクティブ状態となる。ETCプログラム172e(図2)によって、制御部17がフリップフロップ55のCR端子に対してLレベルを出力しフリップフロップ55の状態をリセットすると、フリップフロップ55の出力QはLレベルを出力し、FET56はオフ状態となり電源部19をオフ状態とし、操作部12,ICカードI/F16,通信部13,起動回路18を除いて、車載器1への電源の供給が停止し非アクティブ状態となる。
【0018】
図6は図5の変形例を示している。図6も図5と同様に、ナビゲーション装置2からのデータバス20と車載器1のうちの操作部12,ICカードI/F16,通信部13,起動回路18,制御部17との接続の詳細例を表したものである。図5と異なるのは、起動回路18が、OR回路64,フリップフロップ65で構成されている点と、フリップフロップ65の反転出力Qが制御部17のCPU171のNMI端子に反転接続されている点である。図5と同様な起動要求が発生し、OR回路64の出力がLレベルからHレベルに変化したときに、フリップフロップ65の反転出力QはLレベルとなり、CPU171のNMI端子にHレベルが入力され、立ち上がりエッジを検出してNMI割り込みが発生する。ETCプログラム172e(図2)中のNMI割り込み処理をCPU171が実行すると、CPU171のスリープ状態あるいはクロック低速発振状態からの復帰処理を実行して、車載器1はアクティブ状態となる。また、ETCプログラム172e(図2)をCPU171が実行することによって、CPU171がフリップフロップ55のCR入力にクリア指令を出して反転出力QをHレベルとし、CPU171のスリープ状態あるいはクロック低速発振状態への移行処理を実行すると、車載器1は非アクティブ状態となる。この場合、車載器1のうちの少なくとも操作部12,ICカードI/F16,通信部13,起動回路18,CPU171には電源が供給されている。
【0019】
図3を用いて、車載器1の起動処理の流れを説明する。これは、ETCプログラム172e(図2)によって実行される。起動後に、必要な初期化を行う(S301)。初期化終了後、ICカード15(図1)との認証を行い、ICカード15から必要なデータを読み出す等のICカード処理を実行する(S302)。次に、起動要因を解析し、ナビゲーション装置2(図1)からの起動要求で、料金所に接近したことによる起動要求の場合には、料金所での料金収受が終了するまで起動状態を維持する(S305)。起動要因が料金所への接近でない場合は、起動要因を解析し、履歴処理であれば履歴を表示部11に表示するなどの起動要因に応じた処理を実施する(S306)。ナビゲーション装置2からの起動要求でない場合には、その要因に応じた所定の処理を行う。即ち、ICカードの挿入を検知した場合(S307)には、ICカード15との認証を行い、ICカード15から必要なデータを読み出す等のICカード処理を実行する(S308)。また、料金履歴表示などの車載器1の所定の操作による起動要求の場合(S309)には、起動要求に応じた処理を実行する(S310)。起動要因が前述のもの以外の場合には、その要因に応じた所定の処理を行う(S311)。各起動要因における全ての処理が終了したら、非アクティブ状態からの復帰後に必要となる現在の状態を保存し、図5のフリップフロップ55のCR端子に制御部17からLレベルを出力する等の非アクティブ状態移行処理を行い、車載器1は非アクティブ状態になる。非アクティブ状態の間は起動要求の有無を監視して(S314)、起動要求が発生した場合にはS303以下の処理を実行する。以上の処理は基本的なもので、この他に異常時の処理(ダイアグ処理)などが行われる。
【0020】
図4を用いて、ナビゲーション装置2からの車載器1への起動指令処理について説明する。これは、プログラム172e(図2)により実行される。先ず、位置計測部21で車両の現在位置を計測する(S401)。次に、走行経路に料金所が含まれている場合は、車両の現在位置と地図データ22から走行予定経路上にある料金所との距離を算出する(S403)。料金所までの距離と現在の車速から、料金所までの予想される走行時間を算出する。次いで、その算出結果に基づき、現在の時刻に料金所までの予想の走行時間を足し合わせて、料金所到達予想時刻を算出する(S404)。料金所到達予想時刻の一定時間前(例えば10秒前)になった場合(S405)に、車載器1に対し起動信号を発する(S408)。一方、走行予定経路に料金所が含まれていない場合は、ナビゲーション装置の他の処理を実行し(S409)、料金所到達予想時刻の算出は行わない。また、ナビゲーション装置2で案内経路の変更を行った場合(S406)や、車載器1に対して料金履歴データの送信要求を行った場合(S407)にも、車載器1に対し起動信号を発する(S408)。
【0021】
前述した起動信号発信方法で、算出された料金所までの予想走行時間をダウンカウントして、残り時間が一定値(例えば残り10秒)になった場合に、車載器1に対し起動信号を発する方法を用いてもよい。
【0022】
料金所の直ぐ脇を通過した場合は、車載器1が起動される可能性がある。この場合は、料金所との距離が一定以上の場合には、車載器1に対し起動信号を発しないようにすればよい。あるいは一定時間内に料金収受が行われない場合には、車載器1の電源をオフとする方法を採ってもよい。
【0023】
なお、車両の走行予定経路に料金所が含まれていない場合の判定は、車両の誘導経路が設定されている場合は、該誘導経路上に料金所が含まれているかどうかによって判定できる。また、車両の誘導経路が設定されていない場合でも、車両と該料金所との距離を一定時間間隔で算出し、車両と該料金所との距離を監視することにより判定できる。
【0024】
ナビゲーション装置2からの車載器1に対する起動指令は、図5のように、ナビゲーション装置2からOR回路54へ対する出力線にLレベルを出力することによって行う。この場合、前述したように、車載器1の電源部19がオン状態となって、車載器1全体に電源が供給される。車載器1は、路側機との料金収受等の処理(図3のS305)が終了すると、制御部17のCPU171がフリップフロップ55のCR入力にLレベルを出力し、フリップフロップ55の出力QをLレベルとすることで、操作部12,ICカードI/F16,起動回路18を除いて、車載器1への電源の供給が停止し非アクティブ状態となる。
【0025】
以上は、ETC対応料金所に接近した場合について述べたが、将来の普及が予想される、駐車場やガソリンスタンド,ドライブスルーショップ等の、前述したアクティブ方式双方向無線通信(専用狭域通信)であるDSRC対応が予想される施設についても、本発明を応用して、ナビゲーション装置2の記憶部25にDSRC対応施設の位置を記憶しておけば、DSRC対応施設から一定距離に接近した場合にDSRC車載器を起動することができる。
【0026】
図5を用いて、操作部12の操作を行った場合、あるいはICカード15の挿入を行った場合の車載器1の起動処理について説明する。この場合、非アクティブ状態にあっても、操作部12,ICカードI/F16,起動回路18には電源が供給されている。車載器1で料金履歴確認等の操作あるいはICカードの挿入が行われると、対応するスイッチ51あるいはスイッチ52が閉状態となる。これ以降の回路の動作は前述の通りである。車載器1は、操作に応じた処理(図3のS308)が終了すると、制御部17がフリップフロップ55のCR入力にクリア指令を出して出力QをLレベルとして、車載器1の操作部12,ICカードI/F16,起動回路18を除いた部分への電源の供給を停止し、非アクティブ状態となる。
【0027】
図6は、CPU171をスリープ状態あるいはクロック低速発振状態として、車載器1を非アクティブ状態にする場合の実施例を示している。この場合は、車載器1の少なくとも外部からの入力を検知するような、操作部12,ICカードI/F16,起動回路18,制御部17には電源が供給されている。この場合は、車載器1は、通常の処理が終了すると、ETCプログラム172e(図2)でCPU171をスリープ状態あるいはクロック低速発振状態とする命令を実行するとともに、CPU171がフリップフロップ65のCR入力にクリア指令を出して反転出力QをHレベルとし、非アクティブ状態となる。また、起動要求が発生すると、前述したようにNMI割り込みが発生し、ETCプログラム172e(図2)のNMI割り込み処理で、CPU171のスリープ状態あるいはクロック低速発振状態からの復帰処理を実行して、車載器1はアクティブ状態となる。
【0028】
図5あるいは図6の例で、車載器1が非アクティブ状態のとき、操作部12,ICカードI/F16,起動回路18の他に、通信部13のうちの電波受信回路にも電源を供給しておけば、路側機からの電波を受信した場合に車載器1を起動することが可能である。この場合、図1において、路側機からの電波を受信すると、通信部13から制御部17に電波受信情報が送られ、ETCプログラム172e(図2)の割り込み処理等によって車載器1が起動される。また、図5の回路構成において、路側機からの電波を受信した際にOFF状態となるような信号線を、OR回路54に接続する方法を採ってもよい。図6についても同様である。
【0029】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのナビゲーション装置及びETC車載器連携システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】ETC車載器の制御部の詳細を示すブロック図。
【図3】ETC車載器の処理の概略を表したフロー図。
【図4】ナビゲーション装置の処理の概略を表したフロー図。
【図5】ETC車載器が電源を停止した非アクティブ状態から通常の起動状態に移行するための関係部分の回路例。
【図6】ETC車載器がCPUスリープ機能を利用した非アクティブ状態から通常の起動状態に移行するための関係部分の回路例。
【図7】ETCシステムの概略を示した説明図。
【符号の説明】
1 ETC車載器
2 ナビゲーション装置
12 操作部
16 ICカードインターフェイス
17 ETC車載器制御部
18 起動回路
19 電源部
21 位置計測部
22 地図データ
24 ナビゲーション装置制御部
75 料金所路側機
【発明の属する技術分野】
本発明はナビゲーション装置と組み合わせた道路自動料金収受システムの自動料金収受車載器などの通信車載器に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速道路の渋滞原因のうち、道路構造的にみて最も多いのが料金所部分での渋滞であることが明らかになってきている。料金所部分では、すべての車両が一度停止して、道路料金を受け渡してから発進するため、渋滞の原因になっている。そこで、道路料金の自動料金収受システム(以下、ETCシステム,ETC:Electronic Toll Collection)の研究開発が進められている。このETCシステムは、車両に搭載した自動料金収受車載器(以下、ETC車載器と称する)と料金所に設置された路側機のアンテナとの間で相互通信を行い、道路料金の決済を行うものである。
【0003】
通行料金の支払者を決める方法については、ETC車載器ごとに支払者を固定する方式と、ETC車載器にIDカードなどを差し込み、IDカードの所有者を支払者にする方式がある。IDカードに相当するものとして接触式ICカードがあるが、このICカードをETC車載器に差し込んでおくと、料金所を通過する際に入口料金所データ,出口料金所データ,通行料金等が書き込まれる。高速道路公団等の道路管理者は、料金所を通過する際に得られるデータを基に、後日料金を請求する仕組みになっている。
【0004】
図7はETCシステムの概要説明図である。同図において、71,72,73は車両検出器,74は開閉バー,75は料金収受を行う路側機,76は路側機に接続されてETC車載器との通信を行うアンテナ,77は通行料金,通行の可否等を表示する表示器である。ETC車載器を搭載した車両70が車両検出器71に進入すると、車両検出器71はその検知情報を路側機75に伝え、路側機75はゲートに設置されたアンテナ76からの無線送信を開始する。車両70は、アンテナ76からの無線信号を受信すると、記憶しているETC車載器ID番号,車種情報,車両用ID(ナンバープレート番号),出発地,通過地の情報と、ICカードから読み出した支払口座,残高などの情報を送信する。これらの情報はアンテナ76で受信されて路側機75に送られ、路側機75はETC車載器からの情報を基に自動料金収受の処理を行ない、課金情報を車両70に伝える。車両70が車両検出器72を通過すると、表示器77に通行料金を表示し、開閉バー74を開いて車両70の通行を可能にする。車両検出器73が車両70の通過を感知すると、検知情報を路側機75に伝え、開閉バー74を閉じ、路側機75はアンテナ76による無線交信を停止する仕組みになっている。
【0005】
しかしながら、現在のところETCシステムは義務付けされたものではないので、ETC車載器を搭載している車両は多くなく、ETC用ゲートは少数である。そこで、先行技術として、車両の目的地への経路案内を行うナビゲーション装置に、自車の走行位置と地図データを基に、料金所に到達する前にETC用ゲートの有無およびその位置,料金所までの距離を、運転者に知らせることができるもの(特許文献1参照)や、ナビゲーション装置から料金所のETC対応情報を受けて、ETC非対応の料金所の手前で自動的にICカードを排出するようなETC車載器(特許文献2参照)のように、ナビゲーション装置の位置情報を付加して利用者に便宜を図っているものもある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−227976号公報
【特許文献2】
特開2001−14499号公報
【0007】
日本のETCシステムには、5.8GHzアクティブ方式の双方向無線通信(専用狭域通信=DSRC:Dedicated Short Range Communication)技術が用いられている。このDSRCをETC以外の多様なITSサービスへ活用するため、ETCとの互換性を維持しつつ、通信の高速化等を可能とする技術的条件が定められている。これにより、道路を高速で移動する自動車がDSRCを用いて瞬時に大量の情報を遣り取りできるようになり、インターネット接続による道路交通情報等の情報提供,地図データのダウンロード,音楽配信,宿泊施設の予約,駐車場やドライブスルーでの料金決済などの多様なサービスの提供が可能となる。この場合、車両側の送受信機としてETC車載器を使用することも可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ETC車載器の機能として、料金所での決済機能以外に、料金履歴の参照などがあるが、これらの一般的な操作は、走行中に常に行うようなものではない。よって、車両の走行時間に占めるETC車載器の動作時間の割合はごく小さなものとなる。しかし、現状のETC車載器は常時起動状態となっているので、数100mAの電流を消費している。このため、ETC車載器は車両搭載のバッテリから電源の供給を受ける必要があり、バッテリの負荷を増大させている。また、このような事情から、ETC車載器を電池駆動することは困難である。ETC車載器の電源を必要に応じてON/OFFすればバッテリの負荷を低減することができるが、手動で行う場合には運転者の操作負荷が増えて安全上好ましくない。
【0009】
上記事情に鑑み、本発明の課題は、消費電力を低く抑えることが可能なETC車載器に代表される通信車載器の技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明は、上記課題を解決するナビゲーション及び通信車載器連携システムを提供するものであって、車両に搭載され、所定の通信装置との間で専用狭域無線通信技術を用いて通信を行うことにより所定のサービスを受けるための通信車載器と、電子的な地図データと車両の現在位置データとに基づき目的地への経路を案内するナビゲーション装置と、
少なくとも前記ナビゲーション装置から通信車載器への信号出力を可能とする接続手段と、
通常は該通信車載器への電力を停止又は低減して該通信車載器が非アクティブ状態に保たれるように制御する電源オフ手段と、
前記ナビゲーション装置における地図データと現在位置データとにより前記所定の通信装置と当該車両との距離が所定の距離以内になったかどうかを判定する接近判定手段と、
その接近判定手段が、当該車両が前記所定の通信装置に対し前記所定の距離以内に接近したことを検出したときに前記接続手段を介して前記通信車載器を起動させる信号を該通信車載器に供給する起動手段と、
を有する。この構成により、ナビゲーション装置が前記所定の通信装置に接近したと判断したときのみ通信車載器を起動し、それ以外は通信車載器への電源供給を停止または低減できるため、バッテリ消費電力の低減に寄与できる。これにより、通信車載器を電池駆動する道も開け、バッテリ電源との接続の要らない設置の簡単な通信車載器とすることができる。また、通信車載器のオン/オフ(起動)がナビゲーション装置のデータを利用して自動的に行われるから、運転者が通信車載器の消費電力を抑えるために、この電源スイッチをいちいちオン/オフする煩わしさもない。
【0011】
本発明において、前記所定の通信装置への接近を検出する上で、前記ナビゲーション装置における地図データと当該車両の現在位置データとに基づいて当該車両と前記所定の通信装置との距離を演算する距離演算手段と、
その距離演算手段で演算された距離と当該車両について計測される車速とに基づいて該車両が前記所定の通信装置に到達するであろう所要時間又は到達時刻である時間情報を予測する時間情報演算手段と、
前記予測される時間情報の所定時間前を前記通信車載器の起動タイミングに設定する起動タイミング設定手段と、
その起動タイミングがきたかどうかを判定するタイミング判定手段とを備え、
前記起動手段は、その起動タイミングがきたと判定された信号に基づき前記通信車載器を起動させることを特徴とする。通信車載器の起動タイミングを所定の通信装置までの残りの距離に基づいて決定することもできるが、この場合、近距離に接近していても渋滞等で所定の通信装置に到達するまでに相当の時間を要することもあり、そうすると、通信車載器が起動されてから無駄に消費する時間が長くなるので、所定の通信装置に到着するまでの時間データで通信車載器の起動タイミングを設定することで、無駄な電力消費を更に効果的に減少させることができる。
【0012】
また、本発明は、前記地図データによる当該車両の予定経路上に前記所定の通信装置が位置するかどうかを判定する存否判定手段と、
その存否判定手段が前記予定経路上に前記所定の通信装置が位置していないと判定した場合は、前記接近判定手段の判定を実行しない処理、又はその接近判定手段が該車両が前記一定距離以内に前記所定の通信装置に接近したと判断した場合でも前記起動手段の作動を実行しない処理のいずれかを指令する非通過処理手段と、
を含む。こうすることで、利用しない通信装置の近傍を通行する場合には、通信車載器を起動しないようにして、無駄な電力の消費を抑えることができる。
【0013】
さらに、本発明は、次のようにナビゲーション装置との連携以外でも、通信車載器の電源コントロールを行うことができる。具体的には、前記通信車載器は、
所定の操作を行う操作部と、
ICカードを挿入してICカードに対するデータの書き込み及び/又はデータの読み出しを行わせるICカード挿入部と、
ICカードが挿入されたことを検知するカード検知手段とを備え、
前記操作部を操作する信号が出力されたとき及び/又は前記ICカード検知手段が前記ICカードを検知したとき、前記接近判定手段による判定とは別途に、前記起動手段が通信車載器を起動する信号を出力することを特徴とする。つまり、利用者が通信車載器としての所定の操作を行った場合は、通信車載器が直ちに起動する構成とし、これにより消費電力の抑制と使用利便性との両立を図ることができる。所定の操作には、履歴確認,ICカードの挿入,ICカードの排出(通信車載器のイジェクトボタン操作)等がある。
【0014】
通信車載器の電力消費を抑えるために、電源オフやスリープモードを設定して非アクティブ状態にするのであるが、そのために、例えば、以下の(1)〜(3)の方法が知られている。どの方法を採用するかは通信車載器のシステム構成に依存する。
(1)通信車載器の起動判定に必要のない部分への電源の供給を停止する方法。消費電力低減の効果が最も大きいが、再起動時に必ず初期化とICカード使用の場合にはICカードの認証とICカードデータの読み込みを行う必要がある。
(2)通信車載器への電源は供給した状態でCPUのクロックを停止する方法。再起動時には初期化およびICカード使用の場合におけるICカードの認証とICカードデータの読み込みを行う必要はないが、ICカードの抜き取りや異常の検知を確実に行う必要がある。ICカード異常時には初期化とICカードの認証とICカードデータの読み込みを行う。
(3)通信車載器への電源は供給した状態でCPUのクロック発振周波数を通常動作状態よりも低くする方法。ICカードの異常に対する処理を確実に行うことができるが、消費電力の低減効果は前2者よりも小さい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実施例としての、ナビゲーション及びETC車載器連携システムの全体構成を示すブロック図である。ETC車載器1(以下、車載器1と称する)は、料金等を表示する表示部11,履歴確認等の操作を行う操作部12,路側機との通信を行う通信部13およびアンテナ14,ICカード15との通信を行うICカードインターフェイス(以下、ICカードI/Fと称する)16,これらを制御する制御部17,車載器1を起動するための起動回路18,車載器1に電源を供給する電源部19などから構成される。制御部17には、図2のように周知のCPU171,ROM172,RAM173,入出力回路(以下、I/Oと称する)175およびこれらの構成を接続するバスライン174が備えられている。また、ROM172には、ETC車載器1を制御するための、オペレーティングシステム(OS)172sとETCプログラム172eを格納している。
【0016】
図1において、車載器1に接続するナビゲーション装置2は、位置を計測する位置計測部21,道路データなどが格納された地図データベース22,地図等を表示する表示部23,ユーザが個別に設定したデータを記憶する記憶部25,ナビゲーション装置2全体の制御を司るナビ制御部24などから構成される。また、20はナビゲーション装置2から車載器1への信号出力を可能とするデータバスである。
【0017】
図5は、ナビゲーション装置2からのデータバス20と車載器1のうちの操作部12,ICカードI/F16,通信部13,起動回路18,電源部19,制御部17との接続の詳細例である。起動回路18は、論理和回路(以下、OR回路と称する)54,エッジトリガ型Dフリップフロップ(以下、フリップフロップと称する)55,Nチャネル・エンハンスメント・モード電界効果型トランジスタ(以下、FETと称する)56から構成される。データバス20,操作部12,ICカードI/F16,通信部13からの指令出力は、OR回路54の入力に反転接続されている。OR回路54の出力はフリップフロップ55の入力に接続され、フリップフロップ55の出力QはFET56のゲート端子に接続され、FET56のドレイン端子が電源部19に接続され、電源部19のオン/オフを行う。フリップフロップ55のCR端子は制御部17に接続される。車載器1が非アクティブ状態のときに、データバス20,操作部12,ICカードI/F16,通信部部13のいずれかがLow(以下、Lという)レベルを出力した場合、OR回路54はフリップフロップ55の入力に対しHigh(以下、Hという)レベルを出力する。OR回路54の出力がLレベルからHレベルに変化したときに、フリップフロップ55の出力QはHレベルを出力するので、FET56はオン状態となり、電源部19をオン状態とし、車載器1へ電源を供給しアクティブ状態となる。ETCプログラム172e(図2)によって、制御部17がフリップフロップ55のCR端子に対してLレベルを出力しフリップフロップ55の状態をリセットすると、フリップフロップ55の出力QはLレベルを出力し、FET56はオフ状態となり電源部19をオフ状態とし、操作部12,ICカードI/F16,通信部13,起動回路18を除いて、車載器1への電源の供給が停止し非アクティブ状態となる。
【0018】
図6は図5の変形例を示している。図6も図5と同様に、ナビゲーション装置2からのデータバス20と車載器1のうちの操作部12,ICカードI/F16,通信部13,起動回路18,制御部17との接続の詳細例を表したものである。図5と異なるのは、起動回路18が、OR回路64,フリップフロップ65で構成されている点と、フリップフロップ65の反転出力Qが制御部17のCPU171のNMI端子に反転接続されている点である。図5と同様な起動要求が発生し、OR回路64の出力がLレベルからHレベルに変化したときに、フリップフロップ65の反転出力QはLレベルとなり、CPU171のNMI端子にHレベルが入力され、立ち上がりエッジを検出してNMI割り込みが発生する。ETCプログラム172e(図2)中のNMI割り込み処理をCPU171が実行すると、CPU171のスリープ状態あるいはクロック低速発振状態からの復帰処理を実行して、車載器1はアクティブ状態となる。また、ETCプログラム172e(図2)をCPU171が実行することによって、CPU171がフリップフロップ55のCR入力にクリア指令を出して反転出力QをHレベルとし、CPU171のスリープ状態あるいはクロック低速発振状態への移行処理を実行すると、車載器1は非アクティブ状態となる。この場合、車載器1のうちの少なくとも操作部12,ICカードI/F16,通信部13,起動回路18,CPU171には電源が供給されている。
【0019】
図3を用いて、車載器1の起動処理の流れを説明する。これは、ETCプログラム172e(図2)によって実行される。起動後に、必要な初期化を行う(S301)。初期化終了後、ICカード15(図1)との認証を行い、ICカード15から必要なデータを読み出す等のICカード処理を実行する(S302)。次に、起動要因を解析し、ナビゲーション装置2(図1)からの起動要求で、料金所に接近したことによる起動要求の場合には、料金所での料金収受が終了するまで起動状態を維持する(S305)。起動要因が料金所への接近でない場合は、起動要因を解析し、履歴処理であれば履歴を表示部11に表示するなどの起動要因に応じた処理を実施する(S306)。ナビゲーション装置2からの起動要求でない場合には、その要因に応じた所定の処理を行う。即ち、ICカードの挿入を検知した場合(S307)には、ICカード15との認証を行い、ICカード15から必要なデータを読み出す等のICカード処理を実行する(S308)。また、料金履歴表示などの車載器1の所定の操作による起動要求の場合(S309)には、起動要求に応じた処理を実行する(S310)。起動要因が前述のもの以外の場合には、その要因に応じた所定の処理を行う(S311)。各起動要因における全ての処理が終了したら、非アクティブ状態からの復帰後に必要となる現在の状態を保存し、図5のフリップフロップ55のCR端子に制御部17からLレベルを出力する等の非アクティブ状態移行処理を行い、車載器1は非アクティブ状態になる。非アクティブ状態の間は起動要求の有無を監視して(S314)、起動要求が発生した場合にはS303以下の処理を実行する。以上の処理は基本的なもので、この他に異常時の処理(ダイアグ処理)などが行われる。
【0020】
図4を用いて、ナビゲーション装置2からの車載器1への起動指令処理について説明する。これは、プログラム172e(図2)により実行される。先ず、位置計測部21で車両の現在位置を計測する(S401)。次に、走行経路に料金所が含まれている場合は、車両の現在位置と地図データ22から走行予定経路上にある料金所との距離を算出する(S403)。料金所までの距離と現在の車速から、料金所までの予想される走行時間を算出する。次いで、その算出結果に基づき、現在の時刻に料金所までの予想の走行時間を足し合わせて、料金所到達予想時刻を算出する(S404)。料金所到達予想時刻の一定時間前(例えば10秒前)になった場合(S405)に、車載器1に対し起動信号を発する(S408)。一方、走行予定経路に料金所が含まれていない場合は、ナビゲーション装置の他の処理を実行し(S409)、料金所到達予想時刻の算出は行わない。また、ナビゲーション装置2で案内経路の変更を行った場合(S406)や、車載器1に対して料金履歴データの送信要求を行った場合(S407)にも、車載器1に対し起動信号を発する(S408)。
【0021】
前述した起動信号発信方法で、算出された料金所までの予想走行時間をダウンカウントして、残り時間が一定値(例えば残り10秒)になった場合に、車載器1に対し起動信号を発する方法を用いてもよい。
【0022】
料金所の直ぐ脇を通過した場合は、車載器1が起動される可能性がある。この場合は、料金所との距離が一定以上の場合には、車載器1に対し起動信号を発しないようにすればよい。あるいは一定時間内に料金収受が行われない場合には、車載器1の電源をオフとする方法を採ってもよい。
【0023】
なお、車両の走行予定経路に料金所が含まれていない場合の判定は、車両の誘導経路が設定されている場合は、該誘導経路上に料金所が含まれているかどうかによって判定できる。また、車両の誘導経路が設定されていない場合でも、車両と該料金所との距離を一定時間間隔で算出し、車両と該料金所との距離を監視することにより判定できる。
【0024】
ナビゲーション装置2からの車載器1に対する起動指令は、図5のように、ナビゲーション装置2からOR回路54へ対する出力線にLレベルを出力することによって行う。この場合、前述したように、車載器1の電源部19がオン状態となって、車載器1全体に電源が供給される。車載器1は、路側機との料金収受等の処理(図3のS305)が終了すると、制御部17のCPU171がフリップフロップ55のCR入力にLレベルを出力し、フリップフロップ55の出力QをLレベルとすることで、操作部12,ICカードI/F16,起動回路18を除いて、車載器1への電源の供給が停止し非アクティブ状態となる。
【0025】
以上は、ETC対応料金所に接近した場合について述べたが、将来の普及が予想される、駐車場やガソリンスタンド,ドライブスルーショップ等の、前述したアクティブ方式双方向無線通信(専用狭域通信)であるDSRC対応が予想される施設についても、本発明を応用して、ナビゲーション装置2の記憶部25にDSRC対応施設の位置を記憶しておけば、DSRC対応施設から一定距離に接近した場合にDSRC車載器を起動することができる。
【0026】
図5を用いて、操作部12の操作を行った場合、あるいはICカード15の挿入を行った場合の車載器1の起動処理について説明する。この場合、非アクティブ状態にあっても、操作部12,ICカードI/F16,起動回路18には電源が供給されている。車載器1で料金履歴確認等の操作あるいはICカードの挿入が行われると、対応するスイッチ51あるいはスイッチ52が閉状態となる。これ以降の回路の動作は前述の通りである。車載器1は、操作に応じた処理(図3のS308)が終了すると、制御部17がフリップフロップ55のCR入力にクリア指令を出して出力QをLレベルとして、車載器1の操作部12,ICカードI/F16,起動回路18を除いた部分への電源の供給を停止し、非アクティブ状態となる。
【0027】
図6は、CPU171をスリープ状態あるいはクロック低速発振状態として、車載器1を非アクティブ状態にする場合の実施例を示している。この場合は、車載器1の少なくとも外部からの入力を検知するような、操作部12,ICカードI/F16,起動回路18,制御部17には電源が供給されている。この場合は、車載器1は、通常の処理が終了すると、ETCプログラム172e(図2)でCPU171をスリープ状態あるいはクロック低速発振状態とする命令を実行するとともに、CPU171がフリップフロップ65のCR入力にクリア指令を出して反転出力QをHレベルとし、非アクティブ状態となる。また、起動要求が発生すると、前述したようにNMI割り込みが発生し、ETCプログラム172e(図2)のNMI割り込み処理で、CPU171のスリープ状態あるいはクロック低速発振状態からの復帰処理を実行して、車載器1はアクティブ状態となる。
【0028】
図5あるいは図6の例で、車載器1が非アクティブ状態のとき、操作部12,ICカードI/F16,起動回路18の他に、通信部13のうちの電波受信回路にも電源を供給しておけば、路側機からの電波を受信した場合に車載器1を起動することが可能である。この場合、図1において、路側機からの電波を受信すると、通信部13から制御部17に電波受信情報が送られ、ETCプログラム172e(図2)の割り込み処理等によって車載器1が起動される。また、図5の回路構成において、路側機からの電波を受信した際にOFF状態となるような信号線を、OR回路54に接続する方法を採ってもよい。図6についても同様である。
【0029】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのナビゲーション装置及びETC車載器連携システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】ETC車載器の制御部の詳細を示すブロック図。
【図3】ETC車載器の処理の概略を表したフロー図。
【図4】ナビゲーション装置の処理の概略を表したフロー図。
【図5】ETC車載器が電源を停止した非アクティブ状態から通常の起動状態に移行するための関係部分の回路例。
【図6】ETC車載器がCPUスリープ機能を利用した非アクティブ状態から通常の起動状態に移行するための関係部分の回路例。
【図7】ETCシステムの概略を示した説明図。
【符号の説明】
1 ETC車載器
2 ナビゲーション装置
12 操作部
16 ICカードインターフェイス
17 ETC車載器制御部
18 起動回路
19 電源部
21 位置計測部
22 地図データ
24 ナビゲーション装置制御部
75 料金所路側機
Claims (4)
- 車両に搭載され、所定の通信装置との間で専用狭域無線通信技術を用いて通信を行うことにより所定のサービスを受けるための通信車載器と、
電子的な地図データと車両の現在位置データとに基づき目的地への経路を案内するナビゲーション装置と、
少なくとも、前記ナビゲーション装置から通信車載器への信号出力を可能とする接続手段と、
通常は該通信車載器への電力を停止又は低減して、該通信車載器が非アクティブ状態に保たれるように制御する電源オフ手段と、
前記ナビゲーション装置における地図データと現在位置データとにより前記所定の通信装置の設置箇所と当該車両との距離が所定の距離以内になったかどうかを判定する接近判定手段と、
その接近判定手段が、当該車両が前記所定の通信装置の設置箇所に対し前記所定の距離以内に接近したことを検出したときに、前記接続手段を介して前記通信車載器を起動させる信号を、該通信車載器に供給する起動手段と、
を含むことを特徴とするナビゲーション及び通信車載器連携システム。 - 前記接近判定手段は、
前記ナビゲーション装置における地図データと当該車両の現在位置データとに基づいて当該車両と前記所定の通信装置との距離を演算する距離演算手段と、
その距離演算手段で演算された距離と当該車両について計測される車速とに基づいて、該車両が前記所定の通信装置に到達するであろう所要時間又は到達時刻である時間情報を予測する時間情報演算手段と、
前記予測される時間情報の所定時間前を、前記通信車載器の起動タイミングに設定する起動タイミング設定手段と、
その起動タイミングがきたかどうかを判定するタイミング判定手段とを備え、
前記起動手段は、その起動タイミングがきたと判定された信号に基づき前記通信車載器を起動させることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション及び通信車載器連携システム。 - 前記地図データによる当該車両の予定経路上に、前記所定の通信装置が位置するかどうかを判定する存否判定手段と、
その存否判定手段が前記予定経路上に前記所定の通信装置が位置していないと判定した場合は、前記接近判定手段の判定を実行しない処理、又はその接近判定手段が、該車両が前記一定距離以内に前記所定の通信装置に接近したと判断した場合でも前記起動手段の作動を実行しない処理のいずれかを指令する非通過処理手段と、
を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれかに記載のナビゲーション及び通信車載器連携システム。 - 前記通信車載器は、
所定の操作を行う操作部と、
ICカードを挿入してICカードに対するデータの書き込み及び/又はデータの読み出しを行わせるICカード挿入部と、
ICカードが挿入されたことを検知するカード検知手段とを備え、
前記操作部を操作する信号が出力されたとき及び/又は前記ICカード検知手段が前記ICカードを検知したとき、前記接近判定手段による判定とは別途に、前記起動手段が通信車載器を起動する信号を出力することを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載のナビゲーション及び通信車載器連携システム。
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