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JP2004251412A - Rolling bearing - Google Patents

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Publication number
JP2004251412A
JP2004251412A JP2003044332A JP2003044332A JP2004251412A JP 2004251412 A JP2004251412 A JP 2004251412A JP 2003044332 A JP2003044332 A JP 2003044332A JP 2003044332 A JP2003044332 A JP 2003044332A JP 2004251412 A JP2004251412 A JP 2004251412A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating layer
rolling
gpa
outer ring
bearing
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2003044332A
Other languages
Japanese (ja)
Inventor
Masaru Konno
大 金野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a rolling bearing having high quality enough to withstand against long-time use by minimizing a value of electric current flowing in the bearing without using a means such as an installed electric brush or a filled special grease. <P>SOLUTION: The rolling bearing 10 comprises an inner ring 11 having an inner ring raceway surface 12 and an outer ring 13 having an outer ring raceway surface 14. On an outer diameter face 25 of the outer ring 13 and at least one of the inner and outer ring raceway surfaces 12, 14, an insulating layer 15 of a diamond like carbon layer is formed which has a plastic deformation hardness of 8-40 GPa and a surface resistance of 10<SP>6</SP>Ω or greater. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばインバータによって速度制御されて駆動されるファンモータに使用され、電気的腐食を防止する機能を持つ転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ファンモータに組込まれる転がり軸受(以下、単に軸受とも言う)は、外輪がファンモータのハウジングに、内輪がファンモータのロータ軸に、それぞれすきま嵌めまたは締まり嵌めされて取付けられる。締まり嵌めされるものは言うまでもないが、すきま嵌めされる場合も、軸受の剛性を高めて振動を防止するなどの目的で、間座等を介して押圧することにより軸受に予圧がかけられることによって、外輪とハウジングのブラケット及び、内輪とロータ軸がそれぞれ電気的に導通状態となる。
【0003】
このようなファンモータは、風量を制御するために回転数を可変できるインバータを介して速度制御される。その際、インバータのキャリア周波数を高く設定することによってスイッチングによるモータ騒音を低減し、半導体素子の性能向上、回路技術の向上によりキャリア周波数を高く設定されるようになってきている。
【0004】
それに伴って、インバータ駆動されるファンモータに発生する軸電圧が増加し、ロータ軸とハウジング間に電位差が生じることにより、軸受内の転動体を通じて電流が流れ、内外輪の軌道面もしくは転動体の転動面に電食(電気的腐食)を生じるおそれが増加してきている。
【0005】
従来、インバータで駆動されるファンモータに電食のおそれがある場合には、以下のような対策がとられている。
▲1▼電気的なブラシを設置することができる場合に、ロータ軸に該ブラシを接触させて、ロータ軸とハウジングとを等電位に保ち、軸受の内外輪に電流が流れないようにする。
▲2▼軸受に、電気的導電性を有するグリースを封入することにより、軸受の内外輪間を等電位に保って電流が流れないようにする。
▲3▼軸受に、基油粘度の高いグリースを封入することにより、軸受の外輪と転動体、及び軸受の内輪と転動体の間に形成される油膜厚さを厚くして、内外輪を電気的に絶縁する。
▲4▼合成樹脂や熱可塑性エラストマ或いは合成ゴムのいずれからなる絶縁層を、外輪の外径面と内輪の内径面との少なくとも一方に形成する(下記特許文献1及び特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−30239号公報
【特許文献2】
特開2000−213548号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の電食を防止する対策には、以下のような問題点がある。
▲1▼ブラシを設置するものについては、ファンモータのロータ軸の一端はハウジング内に収納されているため、ブラシ設置用のスペースが無く、またロータ軸の他端には合成樹脂等の絶縁物で成形されたファンが取付けられているので、ロータ軸にブラシを接触させることが困難である。また、ブラシの摩耗粉がファンモータから排出されて空気中に塵埃として放出される不具合があるため、このようなファンモータをクリーンルームに使用した場合に致命的な欠陥となり、実用に供することができない。
【0008】
▲2▼電気的導電性を有するグリースを封入するものについては、グリースはカーボン粒子のような電気良電体を含有してあるため、軸受の回転騒音が通常のグリースに比べて大きくなるとともに、グリースの劣化寿命が短いことである。
【0009】
▲3▼基油粘度の高いグリースを封入するものについては、当該グリースの粘度に起因する軸受トルクの増大により温度上昇が引き起こされる不具合、及び軸受の内外輪間を通過する電流が、周波数の高い交流であると、油膜厚さ程度の間隙では電流が導通してしまうおそれがある不具合がある。また、封入したグリースの経時劣化もしくは異物のグリース内侵入により油膜形成状態が変動し、電気的に導通状態と絶縁状態とが交互に起きて電食が発生する可能性もあり、完全な対策になり得ない。
【0010】
▲4▼合成樹脂や熱可塑性エラストマ或いは合成ゴム等の絶縁層を形成したものについては、軸受稼動時の発熱によりクリープ変形が軸受の回転精度を損なうという新たな問題点が発生する。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電気的なブラシの設置や特殊なグリースの封入等の手段を用いることなく、軸受内に流れる電流値を最小限に抑えて長期な使用に耐え得る高い品質の転がり軸受を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の転がり軸受は、内輪軌道面を有する内輪と、外輪軌道面を有する外輪と、前記内外輪軌道面間に相対回転自在に配された複数の転動体と、前記転動体を転動自在に保持する保持器と、を備えた転がり軸受であって、前記外輪の外径面及び前記内外輪軌道面の少なくとも一方に絶縁層を形成し、前記絶縁層が、8〜40GPaの塑性変形硬さで、且つ10Ω以上の表面抵抗を持つダイヤモンドライクカーボン層で成形されていることを特徴とする。
【0013】
前記構成の転がり軸受によれば、外輪の外径面及び内外輪軌道面の少なくとも一方に8〜40GPaの塑性変形硬さで、且つ10Ω以上の表面抵抗を持つダイヤモンドライクカーボン層で成形された絶縁層が形成される。
したがって、8〜40GPaの塑性変形硬さで、且つ10Ω以上の表面抵抗を持つダイヤモンドライクカーボン層で成形された絶縁層が外輪の外径面及び内外輪軌道面の少なくとも一方に形成されることにより、高い硬度特性及び高い剛性特性を持つ絶縁層によって、電気的なブラシの設置や特殊なグリースの封入等の手段を用いることなく軸受内に流れる電流値を最小限に抑えることができ、内輪軌道面及び転動体転動面の電食を防止することができる。
【0014】
また、請求項2記載の転がり軸受は、請求項1記載の転がり軸受において、前記外輪の外径面に形成される絶縁層が、220〜350GPaの弾性定数を有し、前記内外輪軌道面の弾性定数が、80〜280GPaであることを特徴とする。
【0015】
前記構成の転がり軸受によれば、220〜350GPaの弾性定数を有する絶縁層が外輪の外径面に形成され、内外輪軌道面が80〜280GPaの弾性定数を有する。
したがって、220〜350GPaの弾性定数を有する絶縁層が形成された外輪の外径面と、80〜280GPaの弾性定数を有する内外輪軌道面とにより、電気的なブラシの設置や特殊なグリースの封入等の手段を用いることなく軸受内に流れる電流値を最小限に抑えて長期な使用に耐え得る高い品質を得ることができる。
【0016】
外輪の外径面に形成されるダイヤモンドライクカーボン層の絶縁層が、220〜350GPaの弾性定数を有し、表面抵抗が10Ω以上であるのは、転がり軸受を装着したハウジングからの漏れ電流をダイヤモンドライクカーボン層の絶縁層で絶縁することを目的とし、転がり軸受の外輪をハウジングに、すきま嵌めできる厚みの絶縁層を付帯することが必要である。
【0017】
また、高周波帯域の漏れ電流を完全に絶縁できないケースも、モータやインバータの構造によって発生する。これは、転動体と内輪軌道面との接触状態で電気的スパークの発生によって内輪軌道面が溶融するため、内輪軌道面を溶融温度の高い絶縁層とすることによって高い電食防止効果を得ることが出来る。
【0018】
インバータ駆動されるモータに軸電圧が生じ、軸受の内外輪間に最悪電位差が生じても、内外輪軌道面或いは転動体の転動面の電食を防止することができる。
【0019】
さらに、転がり軸受の使用環境を考慮すると、一定レベルの接触応力と硬さを有し、転がり疲労に対し機械的な破壊に強い絶縁層でなければならない。それらを満足するために、外輪の外径側はハウジングとの嵌め合いがすきま嵌めであることから、軸受材質に比べ剛性の高い絶縁層が望ましく、ダイヤモンドライクカーボンの特性から体積固有抵抗も大きくすることが可能である。
【0020】
一方、内輪軌道面に適用するダイヤモンドライクカーボンは、転動体との転がり接触によって、約2GPaの応力を受ける。このような条件では、絶縁層の剛性が高過ぎると繰返し応力に対して破壊が発生し易く当該目的を達成することができない。このため、内輪軌道面にダイヤモンドライクカーボンに準拠する絶縁層を適用する場合は、あえて軸受材質とほぼ同等以下の弾性定数を有する絶縁層とすることが必要である。
【0021】
以上により、表面層の硬さと弾性率とを制御できるダイヤモンドライクカーボンの成膜法であれば、方法は限定されない。例えば、物理的気相成長法では、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等があり、化学的気相成長法は、RFプラズマCVD、ECRプラズマCVD、熱陰極プラズマCVD等がある。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の転がり軸受の実施形態を図1乃至図7に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態の転がり軸受の断面図、図2は本発明の第2実施形態の転がり軸受の断面図、図3は図2に示す転がり軸受を組込んだファン駆動用電動モータの断面図、図4は図1及び図2に示す転がり軸受を用いて行った電食試験装置の構成図、図5は図1及び図2に示す転がり軸受を用いて行った電食試験装置の要部説明図、図6は絶縁層における体積固有抵抗と硬さとの相関関係を調べた表、図7は絶縁層における破壊までの回転数と弾性定数との相関関係を調べた表である。なお、第2実施形態において、既に説明した部材等と同様な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号または相当符号を付することにより、説明を簡略化或いは省略する。
【0023】
図1に示すように、本発明の第1実施形態の転がり軸受10は、外周面に内輪軌道面(転動面)12を有する内輪11と、内周面に外輪軌道面(転動面)14を有し外径面25に絶縁層15が形成された外輪13と、内輪11の内輪軌道面13と外輪13の外輪軌道面14との間に複数配置された転動体である玉16と、玉16を転動自在に保持する環状の保持器17と、一対のシール部材18,18と、を備えている。この場合の転がり軸受10は深溝玉軸受である。
【0024】
内輪11は、内輪外径面19の中央部に内輪軌道面12が配されている。また、内輪外径面19の軸方向両端部に、凹状に形成されたシール部材収容部21,21が配されている。内輪軌道面12は、弾性定数が、80〜280GPaに設定されている。
【0025】
外輪13は、外輪内径面22の中央部に外輪軌道面14が配されている。また、外輪内径面22の軸方向両端部に、凹状に形成されたシール部材固定部24,24が配されている。外輪軌道面14は、弾性定数が、80〜280GPaに設定されている。
【0026】
絶縁層15は、外輪13の外径面25上に予め定められた厚さ寸法をもって環状にして外径面25の円周方向全域に亘って形成されている。絶縁層15は、8〜40GPaの塑性変形硬さで、且つ、10Ω以上の表面抵抗をもち、220〜350GPaの弾性定数を有するダイヤモンドライクカーボン(DLC)層である。
【0027】
絶縁層15の皮膜は、非平衡型マグネトロンスパッタ装置を用いて、外輪13の外径面25を皮膜前に、アルゴンガスで供試体表面にボンバードを施し、中間層は原子オーダーのレベルで供試体構成元素とのミキシング層を形成させる。
【0028】
非平衡型マグネトロンスパッタ装置は、スパッタに用いるターゲットを複数装着でき、クロムとカーボンとのターゲットのスパッタ電源を独立に制御させることによって、第1層を形成させるクロムのスパッタ効率を連続的に減少させながら、カーボンターゲットのスパッタ効率を増加させ、クロムとダイヤモンドライクカーボンとの複合層を形成させる。ターゲットのスパッタ電源はDC電源を用い、供試体にはバイアス電圧を印加する。この複合層は、カーボンとクロムとの傾斜層であって、連続的に層の組成比を変化させたダイヤモンドライクカーボン層を作成することができる。さらに、中間層を形成させた後、中間層ターゲットの電源電力を低減させながら、同時にカーボンターゲットのDCスパッタ電源電力を増加させる。
【0029】
供試体には、バイアス電圧を印加しながら、これらをコンピュータ制御で行い、カーボンとクロムとの傾斜層である複合層を形成することができる。ターゲットのスパッタ電源であるDC電源を制御することにより、アルゴンイオンのスパッタ効率を連続的に変化させる。
【0030】
このようにして、予め定められた2.5μmの膜厚で、10Ω以上の表面抵抗を有するダイヤモンドライクカーボン層を外輪13の外径面25に形成した。なお、第1層は、クロムの代わりに、チタンやシリコンやタングステン等でも良く、第2層に他の金属元素を組み合わせて用いても良い。
【0031】
保持器17は、鋼板製の打ち抜き保持器であって、玉16を挿入して転動自在に保持するために、玉16の球形状に対応したポケット26が円周方向に複数打ち抜かれて形成されている。
【0032】
シール部材18,18は、鋼板製の薄板により、外輪内径面22と内輪外径面19との間を覆うように環状に形成されている。シール部材18は、基端部に形成された取付部27が外輪13のシール部材固定部24に嵌着されており、先端部が内輪11のシール部材収容部21内に配置されることによってラビリンスシールを形成する。
【0033】
第1実施形態の転がり軸受10によれば、外輪11の外径面25に8〜40GPaの塑性変形硬さで、且つ10Ω以上の表面抵抗を持ち、220〜350GPaの弾性定数を有するダイヤモンドライクカーボン層で成形された絶縁層15が形成され、内輪軌道面12及び外輪軌道面14が80〜280GPaの弾性定数を有する。
したがって、8〜40GPaの塑性変形硬さで、且つ10Ω以上の表面抵抗を持ち、220〜350GPaの弾性定数を有するダイヤモンドライクカーボン層で成形された絶縁層15が外輪11の外径面25に形成されることにより、高い硬度特性及び高い剛性特性を持つ絶縁層15によって、電気的なブラシの設置や特殊なグリースの封入等の手段に代えて軸受内に流れる電流値を最小限に抑えることができる。
【0034】
次に、本発明の第2実施形態の転がり軸受を図2に基づいて説明する。
図2に示すように、第2実施形態の転がり軸受30は、内輪11の内輪軌道面12の円周方向全域に亘って絶縁層31が形成されている。
【0035】
絶縁層31は、内輪軌道面12において、予め定められた2.5μmの膜厚で、8〜40GPaの塑性変形硬さであり、10Ω以上の表面抵抗を持ち、220〜350GPaの弾性定数を有するダイヤモンドライクカーボン層である。本実施形態の絶縁層31は、第1実施形態の絶縁層15と同様の方法によって成形される。
【0036】
図3に示すように、第2実施形態の転がり軸受30を2個一対で組込んだファン駆動用電動モータ40は、モータハウジング41の一端部にハウジング前蓋42が固定され、モータハウジング41の他端部にハウジング後蓋43が固定されている。そして、一方の転がり軸受30の外輪13は、ハウジング前蓋42に形成された保持段部44の内側に間座45を介して嵌め込まれており、他方の転がり軸受30の外輪13は、ハウジング後蓋43に形成された保持凹部46の内側に間座47を介して嵌め込まれている。
【0037】
両転がり軸受30,30の内輪11,11には、ロータ48を固定したモータ軸49が内嵌されている。ロータ48の外周部には、モータハウジング41の内周部に固定されたステータ50が非接触にして配置される。
【0038】
ファン駆動用電動モータ40では、インバータからステータ50に印加される高周波電流に基づいてモータ軸49に軸電圧が惹起されることにより、内輪軌道面12(図2参照)に形成されたダイヤモンドライクカーボン層の絶縁層31により、内輪軌道面12にスパークが発生しても表面が溶融しないため、転がり軸受30,30が損傷に至ることはない。
【0039】
すなわち、モータ軸49を支持する各転がり軸受30,30の各外輪13,13と、これら外輪13,13を保持している部材であるモータハウジング41との取付け個所が絶縁されていなくても、またはモータ軸49の電位がモータハウジング41の電位よりも高くなっても、各外輪13,13を組込んでなる各転がり軸受30,30の内輪軌道面12,12が、各転がり軸受30,30に流れる電流による溶融を起こさずに電食の発生が防止される。
【0040】
【実施例】
次に、本発明に係る転がり軸受における電食試験を以下に示す所定条件下で行った実施例を説明する。
【0041】
電食試験には、図4及び図5に示す電食試験装置を用いた。
図4に示すように、電食試験装置60は、インバータ61と、第1のインダクションモータ62と、第2のインダクションモータ63と、電流アンプ64と、電圧計65と、絶縁カップリング66と、から構成されている。
【0042】
図5に示すように、電食試験装置60において、一対の転がり軸受70,70は、図3に示したファン駆動用電動モータ40の鉄製のモータハウジング41内に収納されており、予圧ばね68を通じて給電される。そして、内嵌されたモータ軸49が、絶縁カップリング66を介して第2のインダクションモータ63に結合されている。
【0043】
電食試験条件
試験軸受:6202(NS7グリース封入)
アキシアル荷重:3kgf
印加電流:14mA/2個
回転時間:500hr,1000hr,1500hr(各1)
供試体:
▲1▼実施例1:図1に記載した第1実施形態の転がり軸受
絶縁層厚さ:2.5μm
▲2▼実施例2:図2に記載した第2実施形態の転がり軸受
絶縁層厚さ:2.5μm
▲3▼実施例3:外輪の外径面及び内輪軌道面の両方に絶縁層を形成した転がり軸受
絶縁層厚さ:2.5μm
【0044】
【表1】

Figure 2004251412
【0045】
表1により明らかなように、電食試験の結果、実施例1においては、転がり軸受内に流れる電流値が6.0mA以下と半減し、1500hr回転後においても電食の発生がないことが判明した。
【0046】
実施例2においては、転がり軸受内に流れる電流値が10.0mAとなって実施例1に比べて大きいが、1500hr回転後においても内輪軌道面における電食の発生がないことが判明した。
【0047】
実施例3においては、転がり軸受内に流れる電流値が4.0mAとなって、実施例中最も小さい電流値が確認された。また、1500hr回転後においても外輪の外径面及び内輪軌道面における電食の発生がないことが判明した。
【0048】
本発明の転がり軸受においては、外輪の外径面及び内外輪軌道面の少なくとも一方に絶縁層を形成するものであるが、外輪の外径面に形成する絶縁層は体積固有抵抗が大きいものが望ましく、内輪の軌道面に形成する絶縁層は、弾性定数を280GPaよりも小さくした繰返し応力に強いものが望ましい。なお、絶縁層の抵抗値を大きくする手法としては、成膜時に150V以上のバイアス電圧をかけてダイヤモンドライクカーボン層の結晶体をSP3の混成軌道の比率を上げれば可能であり、逆に弾性率を下げるには、メタンやエタンやアセチレンなどの炭化水素系ガスを導入すれことによってコントロールすることができる。
【0049】
図6に示すように、体積固有抵抗と硬さとの相関関係を見ると、硬さが増加すると、その結晶構造から天然ダイヤモンドの構造に近くなり、体積固有抵抗も増加する。外輪の外径面に施すのに好適な硬さは、図6中に“a”で示す22GPa〜40GPaの範囲であって、この硬さの領域では抵抗値も高い。40GPa以上であっても、抵抗値の増加は殆どない。これに反して、22GPaより小さい場合は抵抗値が増加するため、“a”で示す22GPa〜40GPaの範囲が外輪の外径面に施す絶縁層とするダイヤモンドライクカーボン層として好適であることがわかる。
【0050】
図7に示すように、絶縁層における破壊までの回転数と弾性定数との相関関係を見ると、絶縁層を内輪軌道面に施す場合には、繰返し応力に対してダイヤモンドライクカーボン層の弾性率が、図7中に“b”で示す80GPa〜280GPaの範囲が好適であり、280GPaよりも大きくなると破壊強度が低下するため好ましくない。また、80GPaよりも小さいと膜質が軟らかくなって摩耗が促進され易くなる。以上により、“b”で示す80GPa〜280GPaの範囲が内輪軌道面に施すのに好適な数値範囲であることがわかる。
【0051】
なお、本発明に係る転がり軸受は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。例えば、転がり軸受として、深溝玉軸受に代えて、アンギュラ玉軸受や各種ころ軸受に適用しても良い。
また、保持器として、打ち抜き保持器に代えて、もみ抜き保持器や冠形保持器を用いても良い。
また、シール部材として、鋼板製に代えて樹脂製としても良く、或いは金属製の芯材にゴム部材を一体的に成形したものでも良い。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の転がり軸受によれば、8〜40GPaの塑性変形硬さで、且つ10Ω以上の表面抵抗を持つダイヤモンドライクカーボン層で成形された絶縁層が外輪の外径面及び内外輪軌道面の少なくとも一方に形成されることにより、高い硬度特性及び高い剛性特性を持つ絶縁層によって、電気的なブラシの設置や特殊なグリースの封入等の手段を用いることなく軸受内に流れる電流値を最小限に抑えることができる。
したがって、内輪軌道面及び転動体転動面の電食を防止することにより、長期な使用に耐え得る高い品質の転がり軸受を得ることができる。また、外径面に形成される絶縁層のダイヤモンドライクカーボン層の物性をコントロールすることにより、更に電食防止機能を強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の転がり軸受の断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態の転がり軸受の断面図である。
【図3】図2に示した転がり軸受を組込んだファン駆動用電動モータの断面図である。
【図4】図1及び図2に示した転がり軸受を用いて行なった電食試験装置の構成図である。
【図5】図1及び図2に示した転がり軸受を用いて行なった電食試験装置の要部説明図である。
【図6】絶縁層における体積固有抵抗と硬さとの相関関係を調べた表である。
【図7】絶縁層における破壊までの回転数と弾性定数との相関関係を調べた表である。
【符号の説明】
10,30 転がり軸受
11 内輪
12 内輪軌道面(転動面)
13 外輪
14 外輪軌道面(転動面)
15,31 絶縁層
16 玉(転動体)
17 保持器
25 外径面[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a rolling bearing having a function of preventing electrical corrosion, for example, used for a fan motor driven at a speed controlled by an inverter.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a rolling bearing (hereinafter, also simply referred to as a bearing) incorporated in a fan motor has an outer ring attached to a housing of the fan motor and an inner ring attached to the rotor shaft of the fan motor by a clearance fit or an interference fit. Needless to say, the interference fit, but also in the case of a clearance fit, the bearing is preloaded by pressing it through spacers for the purpose of increasing the rigidity of the bearing and preventing vibration. Thus, the outer ring and the bracket of the housing, and the inner ring and the rotor shaft are electrically connected to each other.
[0003]
The speed of such a fan motor is controlled via an inverter capable of varying the number of revolutions in order to control the air flow. At that time, the carrier noise of the switching is reduced by setting the carrier frequency of the inverter high, and the carrier frequency is set high by the improvement of the performance of the semiconductor element and the improvement of the circuit technology.
[0004]
As a result, the shaft voltage generated in the fan motor driven by the inverter increases, and a potential difference occurs between the rotor shaft and the housing, so that current flows through the rolling elements in the bearing, and the raceway surface of the inner and outer rings or the rolling elements on the rolling elements. The risk of causing electrolytic corrosion (electrical corrosion) on the rolling surface is increasing.
[0005]
Conventionally, when a fan motor driven by an inverter has a risk of electrolytic corrosion, the following measures are taken.
{Circle around (1)} When an electric brush can be installed, the brush is brought into contact with the rotor shaft to keep the rotor shaft and the housing at the same potential, so that no current flows through the inner and outer rings of the bearing.
{Circle around (2)} A grease having electrical conductivity is sealed in the bearing, so that an electric potential is maintained between the inner and outer rings of the bearing so that no current flows.
(3) By filling the bearing with grease having a high base oil viscosity, the oil film formed between the outer ring and the rolling element of the bearing and between the inner ring and the rolling element of the bearing is thickened, and the inner and outer rings are electrically driven. Insulation.
(4) An insulating layer made of any of synthetic resin, thermoplastic elastomer or synthetic rubber is formed on at least one of the outer diameter surface of the outer ring and the inner diameter surface of the inner ring (Patent Documents 1 and 2 below).
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-11-30239 [Patent Document 2]
JP 2000-21548 A
[Problems to be solved by the invention]
However, these conventional measures for preventing electrolytic corrosion have the following problems.
(1) In the case of installing a brush, since one end of the rotor shaft of the fan motor is housed in the housing, there is no space for installing the brush, and the other end of the rotor shaft has an insulating material such as synthetic resin. It is difficult to bring the brush into contact with the rotor shaft because the fan formed by the above is attached. Further, since there is a problem that abrasion powder of the brush is discharged from the fan motor and discharged as dust in the air, such a fan motor becomes a fatal defect when used in a clean room and cannot be put to practical use. .
[0008]
(2) As for grease containing electrically conductive grease, since the grease contains a good electrical conductor such as carbon particles, the rotational noise of the bearing becomes larger than that of ordinary grease, The deterioration life of grease is short.
[0009]
(3) In the case where grease having a high base oil viscosity is sealed, a temperature rise is caused due to an increase in bearing torque due to the viscosity of the grease, and a current passing between the inner and outer rings of the bearing has a high frequency. In the case of AC, there is a problem that current may be conducted in a gap having a thickness of about the oil film thickness. In addition, there is a possibility that the state of oil film formation fluctuates due to the deterioration of the enclosed grease over time or the intrusion of foreign matter into the grease. Can not be.
[0010]
{Circle around (4)} In the case where an insulating layer such as a synthetic resin, a thermoplastic elastomer, or a synthetic rubber is formed, a new problem occurs in that creep deformation impairs the rotational accuracy of the bearing due to heat generated during operation of the bearing.
[0011]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and has as its object to minimize the value of current flowing in a bearing without using means such as installation of an electric brush or sealing of special grease. Another object of the present invention is to provide a high-quality rolling bearing capable of withstanding long-term use.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The rolling bearing according to claim 1 of the present invention comprises: an inner ring having an inner raceway surface; an outer ring having an outer raceway surface; a plurality of rolling elements disposed between the inner and outer raceway surfaces so as to be relatively rotatable; A retainer for rollingly holding the moving body, wherein an insulating layer is formed on at least one of an outer diameter surface of the outer ring and the inner and outer ring raceway surfaces, and the insulating layer has a thickness of 8 to It is characterized by being formed of a diamond-like carbon layer having a plastic deformation hardness of 40 GPa and a surface resistance of 10 6 Ω or more.
[0013]
According to the rolling bearing having the above configuration, at least one of the outer diameter surface of the outer ring and the inner and outer ring raceway surfaces is formed of a diamond-like carbon layer having a plastic deformation hardness of 8 to 40 GPa and a surface resistance of 10 6 Ω or more. An insulating layer is formed.
Therefore, an insulating layer formed of a diamond-like carbon layer having a plastic deformation hardness of 8 to 40 GPa and a surface resistance of 10 6 Ω or more is formed on at least one of the outer diameter surface of the outer ring and the inner and outer ring raceway surfaces. In this way, the insulating layer having high hardness and high rigidity can minimize the current value flowing in the bearing without using an electric brush or a special grease filling means. Electrocorrosion of the inner raceway surface and the rolling element rolling surface can be prevented.
[0014]
The rolling bearing according to claim 2 is the rolling bearing according to claim 1, wherein the insulating layer formed on the outer diameter surface of the outer ring has an elastic constant of 220 to 350 GPa, The elastic constant is 80 to 280 GPa.
[0015]
According to the rolling bearing having the above configuration, the insulating layer having an elastic constant of 220 to 350 GPa is formed on the outer diameter surface of the outer ring, and the inner and outer raceway surfaces have an elastic constant of 80 to 280 GPa.
Therefore, the installation of an electric brush and the filling of special grease are performed by the outer diameter surface of the outer ring on which the insulating layer having the elastic constant of 220 to 350 GPa is formed and the inner and outer raceway surfaces having the elastic constant of 80 to 280 GPa. Without using such means as above, it is possible to minimize the value of the current flowing in the bearing and obtain high quality that can withstand long-term use.
[0016]
Insulating layer of diamond-like carbon layer formed on the outer diameter surface of the outer ring, an elastic constant of 220~350GPa, the surface resistance of more than 10 6 Omega is leakage current from the housing fitted with rolling bearing It is necessary to provide an insulating layer having a thickness that allows the outer ring of the rolling bearing to be loosely fitted to the housing in order to insulate the outer ring of the rolling bearing with an insulating layer of a diamond-like carbon layer.
[0017]
Further, a case where the leakage current in the high frequency band cannot be completely insulated also occurs due to the structure of the motor or the inverter. This is because the inner ring raceway surface melts due to the generation of electric sparks in the state of contact between the rolling elements and the inner raceway surface, so that the inner ring raceway surface is made of an insulating layer with a high melting temperature to obtain a high electrolytic corrosion prevention effect. Can be done.
[0018]
Even if a shaft voltage is generated in the motor driven by the inverter and the worst potential difference occurs between the inner and outer rings of the bearing, it is possible to prevent electrolytic corrosion of the inner and outer raceway surfaces or the rolling surface of the rolling element.
[0019]
Furthermore, in consideration of the usage environment of the rolling bearing, the insulating layer must have a certain level of contact stress and hardness, and be resistant to mechanical damage against rolling fatigue. In order to satisfy these requirements, since the outer diameter side of the outer ring is loosely fitted with the housing, an insulating layer having higher rigidity than the bearing material is desirable, and the volume specific resistance is also increased due to the characteristics of diamond-like carbon. It is possible.
[0020]
On the other hand, diamond-like carbon applied to the inner raceway surface receives a stress of about 2 GPa due to rolling contact with the rolling elements. Under such conditions, if the rigidity of the insulating layer is too high, breakage is likely to occur due to repeated stress, and the object cannot be achieved. Therefore, when an insulating layer conforming to diamond-like carbon is applied to the inner raceway surface, it is necessary to dare to use an insulating layer having an elastic constant substantially equal to or less than that of the bearing material.
[0021]
As described above, the method is not limited as long as it is a method of forming diamond-like carbon that can control the hardness and elastic modulus of the surface layer. For example, a physical vapor deposition method includes a vacuum deposition method, a sputtering method, an ion plating method, and the like, and a chemical vapor deposition method includes an RF plasma CVD, an ECR plasma CVD, a hot cathode plasma CVD, and the like.
[0022]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of a rolling bearing of the present invention will be described in detail with reference to FIGS. 1 is a cross-sectional view of a rolling bearing according to a first embodiment of the present invention, FIG. 2 is a cross-sectional view of a rolling bearing according to a second embodiment of the present invention, and FIG. 3 is a fan drive incorporating the rolling bearing shown in FIG. FIG. 4 is a cross-sectional view of an electric motor, FIG. 4 is a configuration diagram of an electrolytic corrosion test apparatus performed by using the rolling bearings illustrated in FIGS. 1 and 2, and FIG. 5 is an electrolytic corrosion test performed by using the rolling bearings illustrated in FIGS. FIG. 6 is a table for examining the correlation between the volume resistivity and the hardness of the insulating layer, and FIG. 7 is a table for examining the correlation between the number of revolutions and the elastic constant of the insulating layer until breakage. It is. In the second embodiment, members and the like having the same configurations and operations as the members and the like already described are denoted by the same reference numerals or corresponding reference numerals in the drawings to simplify or omit the description.
[0023]
As shown in FIG. 1, a rolling bearing 10 according to a first embodiment of the present invention includes an inner race 11 having an inner raceway surface (rolling surface) 12 on an outer peripheral surface, and an outer raceway surface (rolling surface) on an inner peripheral surface. An outer ring 13 having an insulating layer 15 on an outer diameter surface 25 having an outer ring surface 14; and a plurality of balls 16 as rolling elements disposed between the inner raceway surface 13 of the inner race 11 and the outer raceway surface 14 of the outer race 13. , A ring-shaped retainer 17 for holding the ball 16 in a freely rolling manner, and a pair of seal members 18, 18. The rolling bearing 10 in this case is a deep groove ball bearing.
[0024]
The inner race 11 has an inner raceway surface 12 disposed at the center of the inner race outer diameter surface 19. Further, at both ends in the axial direction of the inner ring outer diameter surface 19, seal member housing portions 21 and 21 formed in a concave shape are arranged. The inner ring raceway surface 12 has an elastic constant of 80 to 280 GPa.
[0025]
The outer ring 13 has an outer ring raceway surface 14 arranged at the center of the outer ring inner diameter surface 22. Further, at both ends in the axial direction of the inner surface 22 of the outer ring, seal member fixing portions 24, 24 formed in a concave shape are arranged. The outer raceway surface 14 has an elastic constant of 80 to 280 GPa.
[0026]
The insulating layer 15 is annularly formed on the outer diameter surface 25 of the outer ring 13 with a predetermined thickness dimension, and is formed over the entire area of the outer diameter surface 25 in the circumferential direction. The insulating layer 15 is a diamond-like carbon (DLC) layer having a plastic deformation hardness of 8 to 40 GPa, a surface resistance of 10 6 Ω or more, and an elastic constant of 220 to 350 GPa.
[0027]
Using a non-equilibrium magnetron sputtering apparatus, the insulating layer 15 is subjected to bombardment on the specimen surface with argon gas before the outer diameter surface 25 of the outer ring 13 is coated, and the intermediate layer is treated at the atomic order level. A mixing layer with the constituent elements is formed.
[0028]
The non-equilibrium magnetron sputtering apparatus can mount a plurality of targets used for sputtering, and continuously reduces the sputtering efficiency of chromium for forming the first layer by independently controlling the sputtering power of the chromium and carbon targets. While increasing the sputtering efficiency of the carbon target, a composite layer of chromium and diamond-like carbon is formed. A DC power source is used as a sputtering power source for the target, and a bias voltage is applied to the specimen. This composite layer is a gradient layer of carbon and chromium, and can form a diamond-like carbon layer in which the composition ratio of the layer is continuously changed. Further, after forming the intermediate layer, the power supply power of the intermediate layer target is reduced, and at the same time, the DC power supply power of the carbon target is increased.
[0029]
The specimen is subjected to computer control while applying a bias voltage to form a composite layer that is a gradient layer of carbon and chromium. By controlling a DC power supply which is a sputtering power supply for the target, the sputtering efficiency of argon ions is continuously changed.
[0030]
In this way, a diamond-like carbon layer having a predetermined film thickness of 2.5 μm and a surface resistance of 10 6 Ω or more was formed on the outer diameter surface 25 of the outer ring 13. Note that the first layer may be made of titanium, silicon, tungsten, or the like instead of chromium, and the second layer may be used in combination with another metal element.
[0031]
The retainer 17 is a punched retainer made of a steel plate. The retainer 17 is formed by punching a plurality of pockets 26 corresponding to the spherical shape of the ball 16 in the circumferential direction in order to insert and hold the ball 16 in a freely rolling manner. Have been.
[0032]
The seal members 18, 18 are formed in a ring shape by a thin plate made of a steel plate so as to cover between the outer ring inner diameter surface 22 and the inner ring outer diameter surface 19. The seal member 18 has a mounting portion 27 formed at a base end portion fitted to a seal member fixing portion 24 of the outer race 13, and a distal end portion disposed in the seal member accommodating portion 21 of the inner race 11, thereby forming a labyrinth. Form a seal.
[0033]
According to the rolling bearing 10 of the first embodiment, the diamond having the plastic deformation hardness of 8 to 40 GPa on the outer diameter surface 25 of the outer ring 11, the surface resistance of 10 6 Ω or more, and the elastic constant of 220 to 350 GPa. An insulating layer 15 formed of a like carbon layer is formed, and the inner raceway surface 12 and the outer raceway surface 14 have an elastic constant of 80 to 280 GPa.
Therefore, the insulating layer 15 formed of a diamond-like carbon layer having a plastic deformation hardness of 8 to 40 GPa, a surface resistance of 10 6 Ω or more, and an elastic constant of 220 to 350 GPa is formed on the outer diameter surface 25 of the outer race 11. In this case, the insulating layer 15 having high hardness and high rigidity characteristics minimizes the current value flowing in the bearing in place of means such as installation of an electric brush and sealing of special grease. be able to.
[0034]
Next, a rolling bearing according to a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG.
As shown in FIG. 2, in the rolling bearing 30 of the second embodiment, an insulating layer 31 is formed over the entire circumferential direction of the inner raceway surface 12 of the inner race 11.
[0035]
The insulating layer 31 has a predetermined thickness of 2.5 μm, a plastic deformation hardness of 8 to 40 GPa, a surface resistance of 10 6 Ω or more, and an elastic constant of 220 to 350 GPa on the inner raceway surface 12. It is a diamond-like carbon layer having The insulating layer 31 of the present embodiment is formed by the same method as the insulating layer 15 of the first embodiment.
[0036]
As shown in FIG. 3, a fan driving electric motor 40 in which two rolling bearings 30 of the second embodiment are incorporated in a pair has a housing front lid 42 fixed to one end of a motor housing 41. A housing rear lid 43 is fixed to the other end. The outer ring 13 of one rolling bearing 30 is fitted through a spacer 45 inside a holding step portion 44 formed on the front lid 42 of the housing, and the outer ring 13 of the other rolling bearing 30 is located behind the housing. It is fitted through a spacer 47 inside a holding recess 46 formed in the lid 43.
[0037]
A motor shaft 49 to which a rotor 48 is fixed is fitted inside the inner races 11 of the two rolling bearings 30. A stator 50 fixed to the inner peripheral portion of the motor housing 41 is arranged on the outer peripheral portion of the rotor 48 in a non-contact manner.
[0038]
In the electric motor 40 for driving the fan, a shaft voltage is induced on the motor shaft 49 based on a high-frequency current applied to the stator 50 from the inverter, so that the diamond-like carbon formed on the inner raceway surface 12 (see FIG. 2). Even if a spark is generated on the inner raceway surface 12 by the insulating layer 31, the surface does not melt, so that the rolling bearings 30, 30 are not damaged.
[0039]
That is, even if the mounting positions of the outer races 13 of the rolling bearings 30 supporting the motor shaft 49 and the motor housing 41 which is a member holding the outer races 13 are not insulated, Alternatively, even if the electric potential of the motor shaft 49 becomes higher than the electric potential of the motor housing 41, the inner raceway surfaces 12, 12 of the rolling bearings 30, 30, each of which incorporates the outer races 13, 13, respectively, may be used as the rolling bearings 30, 30. The occurrence of electrolytic corrosion is prevented without causing melting due to the current flowing through the electrode.
[0040]
【Example】
Next, an example in which an electrolytic corrosion test of the rolling bearing according to the present invention was performed under the following predetermined conditions will be described.
[0041]
For the electrolytic corrosion test, the electrolytic corrosion test device shown in FIGS. 4 and 5 was used.
As shown in FIG. 4, the electrolytic corrosion test apparatus 60 includes an inverter 61, a first induction motor 62, a second induction motor 63, a current amplifier 64, a voltmeter 65, an insulating coupling 66, It is composed of
[0042]
As shown in FIG. 5, in the electrolytic corrosion test apparatus 60, the pair of rolling bearings 70, 70 are housed in the iron motor housing 41 of the electric motor 40 for driving the fan shown in FIG. Powered through. The internally fitted motor shaft 49 is coupled to the second induction motor 63 via an insulating coupling 66.
[0043]
Electric corrosion test conditions Test bearing: 6202 (NS7 grease enclosed)
Axial load: 3kgf
Applied current: 14 mA / 2 rotation time: 500 hr, 1000 hr, 1500 hr (1 each)
Specimen:
{Circle around (1)} Example 1: Rolling bearing insulating layer thickness of the first embodiment described in FIG. 1: 2.5 μm
{Circle over (2)} Example 2: Rolling bearing insulating layer thickness of the second embodiment described in FIG. 2: 2.5 μm
{Circle over (3)} Example 3: Rolling bearing insulating layer having insulating layers formed on both outer diameter surface and inner ring raceway surface of outer ring Thickness: 2.5 μm
[0044]
[Table 1]
Figure 2004251412
[0045]
As is clear from Table 1, as a result of the electrolytic corrosion test, in Example 1, the value of the current flowing in the rolling bearing was halved to 6.0 mA or less, and it was found that electrolytic corrosion did not occur even after 1500 hours of rotation. did.
[0046]
In Example 2, the value of the current flowing in the rolling bearing was 10.0 mA, which was larger than that in Example 1, but it was found that no electrolytic corrosion occurred on the inner raceway surface even after 1500 hours of rotation.
[0047]
In Example 3, the current value flowing in the rolling bearing was 4.0 mA, and the smallest current value in the examples was confirmed. It was also found that no electrolytic corrosion occurred on the outer diameter surface of the outer ring and the inner ring raceway surface even after 1500 hours of rotation.
[0048]
In the rolling bearing of the present invention, the insulating layer is formed on at least one of the outer surface of the outer ring and the raceway surface of the inner and outer rings, but the insulating layer formed on the outer surface of the outer ring has a large volume resistivity. Desirably, the insulating layer formed on the raceway surface of the inner ring desirably has an elastic constant smaller than 280 GPa and is strong against repeated stress. As a method of increasing the resistance value of the insulating layer, it is possible to increase the ratio of the hybrid orbital of SP3 to the crystal of the diamond-like carbon layer by applying a bias voltage of 150 V or more during film formation. Can be controlled by introducing a hydrocarbon-based gas such as methane, ethane or acetylene.
[0049]
As shown in FIG. 6, looking at the correlation between the volume resistivity and the hardness, as the hardness increases, the crystal structure becomes closer to the structure of natural diamond, and the volume resistivity also increases. The hardness suitable for being applied to the outer diameter surface of the outer race is in the range of 22 GPa to 40 GPa indicated by “a” in FIG. 6, and the resistance value is high in this hardness range. Even at 40 GPa or more, there is almost no increase in the resistance value. On the other hand, if it is smaller than 22 GPa, the resistance value increases, so that the range of 22 GPa to 40 GPa indicated by “a” is suitable as a diamond-like carbon layer as an insulating layer applied to the outer diameter surface of the outer ring. .
[0050]
As shown in FIG. 7, the correlation between the number of revolutions before the breakdown and the elastic constant in the insulating layer shows that when the insulating layer is applied to the inner ring raceway surface, the elastic modulus of the diamond-like carbon layer with respect to the repetitive stress. However, the range of 80 GPa to 280 GPa indicated by “b” in FIG. 7 is preferable, and if it is larger than 280 GPa, the breaking strength decreases, which is not preferable. On the other hand, if it is smaller than 80 GPa, the film quality is softened, and wear is easily promoted. From the above, it is understood that the range of 80 GPa to 280 GPa indicated by “b” is a numerical range suitable for applying to the inner raceway surface.
[0051]
Note that the rolling bearing according to the present invention is not limited to the above-described embodiment, and appropriate modifications, improvements, and the like can be made. For example, a rolling bearing may be applied to an angular ball bearing or various roller bearings instead of a deep groove ball bearing.
Further, as the retainer, a punched retainer or a crown-shaped retainer may be used instead of the punched retainer.
Further, as the seal member, a resin member may be used instead of the steel plate member, or a rubber member integrally formed with a metal core member may be used.
[0052]
【The invention's effect】
As described above, according to the rolling bearing of the present invention, the insulating layer formed of a diamond-like carbon layer having a plastic deformation hardness of 8 to 40 GPa and a surface resistance of 10 6 Ω or more has an outer diameter surface of the outer ring. And formed on at least one of the inner and outer raceway surfaces, the insulating layer having high hardness and high rigidity characteristics allows the bearing to be installed in the bearing without using means such as installation of an electric brush or sealing of special grease. The flowing current value can be minimized.
Therefore, by preventing electrolytic corrosion of the inner raceway surface and the rolling element rolling surface, it is possible to obtain a high-quality rolling bearing that can withstand long-term use. Further, by controlling the physical properties of the diamond-like carbon layer of the insulating layer formed on the outer diameter surface, the electrolytic corrosion preventing function can be further enhanced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view of a rolling bearing according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a sectional view of a rolling bearing according to a second embodiment of the present invention.
3 is a cross-sectional view of a fan driving electric motor incorporating the rolling bearing shown in FIG. 2;
FIG. 4 is a configuration diagram of an electrolytic corrosion test apparatus performed using the rolling bearings shown in FIGS. 1 and 2.
FIG. 5 is an explanatory view of a main part of an electrolytic corrosion test apparatus performed by using the rolling bearings shown in FIGS. 1 and 2;
FIG. 6 is a table in which a correlation between volume resistivity and hardness of an insulating layer is examined.
FIG. 7 is a table for examining a correlation between an elastic number and a rotation speed until breakdown in an insulating layer.
[Explanation of symbols]
10, 30 Rolling bearing 11 Inner ring 12 Inner ring raceway surface (rolling surface)
13 Outer ring 14 Outer ring raceway surface (rolling surface)
15, 31 insulating layer 16 ball (rolling element)
17 Cage 25 Outer surface

Claims (2)

内輪軌道面を有する内輪と、外輪軌道面を有する外輪と、前記内外輪軌道面間に相対回転自在に配された複数の転動体と、前記転動体を転動自在に保持する保持器と、を備えた転がり軸受であって、
前記外輪の外径面及び前記内外輪軌道面の少なくとも一方に絶縁層を形成し、前記絶縁層が、8〜40GPaの塑性変形硬さで、且つ10Ω以上の表面抵抗を持つダイヤモンドライクカーボン層で成形されていることを特徴とする転がり軸受。
An inner ring having an inner raceway surface, an outer race having an outer raceway surface, a plurality of rolling elements arranged between the inner and outer raceway surfaces so as to be relatively rotatable, and a retainer for rollingably holding the rolling elements; A rolling bearing with
An insulating layer is formed on at least one of the outer diameter surface of the outer ring and the inner or outer raceway surface, and the insulating layer has a plastic deformation hardness of 8 to 40 GPa and a surface resistance of 10 6 Ω or more. A rolling bearing characterized by being formed in layers.
前記外輪の外径面に形成される絶縁層が、220〜350GPaの弾性定数を有し、前記内外輪軌道面の弾性定数が、80〜280GPaであることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。The rolling layer according to claim 1, wherein an insulating layer formed on an outer diameter surface of the outer ring has an elastic constant of 220 to 350 GPa, and an elastic constant of the inner and outer raceway surfaces is 80 to 280 GPa. bearing.
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