【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニトリル共重合ゴム及びシリカ系含有充填剤から成るゴム組成物及びそれを架橋成形して成る架橋成形体に関し、さらに詳しくは、繊維部材と複合化して使用するのに好適な架橋成形体及び該成形体用のゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)は、耐油性、機械的特性、耐薬品性等を活かして、ホースやチューブなどの自動車用ゴム部品の材料として使用されており、NBRのポリマー主鎖中の炭素−炭素二重結合を水素化した水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(HNBR)はさらに耐熱性に優れるため、ベルト、ホース、ダイアフラム等のゴム部品に使用されている。
【0003】
これらのゴム部品の中には、ガラス繊維やナイロン繊維等の繊維部材と積層等の複合化をして使用されるものも多くある。そのような繊維部材との接着性を改良するために、HNBRにカルボキシル基を導入する検討も多くなされている。具体的には、カルボキシル基を導入した水素化NBRにカーボンブラックを配合して成る組成物と、ナイロン繊布とを積層した例が開示されている(特許文献1参照)。しかし、本組成物を用いても、得られるゴム−繊維複合体の接着強度が十分改善されない場合もあり、特に高い接着強度が要求される用途には使用できない可能性があった。
【0004】
また、繊維部材との接着強度に加えて耐摩耗性も改良するために、充填剤として、カーボンブラック等に変えてシリカ系の充填剤を使用する検討もなされている。例えば、ヨウ素価80以下の高飽和水素化ニトリルゴムに対して、一般的なアルカリ性シリカ系充填剤及びビニル系シランカップリング剤を配合して成る組成物が開示されている(特許文献2参照)。しかし、この組成物は粘度が高いために、例えば肉薄のチューブ状やシート状に押出成形した場合に、所望の形状の成形体を得るのが困難な場合があった。
【0005】
【特許文献1】
国際公開WO01/77185号公報
【特許文献2】
特開昭62−240338号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐摩耗性及び繊維部材などとの接着性に優れるゴム部材及び該ゴム部材用として好適な、成形加工時の流動性に優れるニトリル共重合ゴム組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、カルボキシル基の含有量が特定量以上であるニトリル共重合ゴムと、pHが特定値以下のシリカ系充填剤とから成るゴム組成物を押出成形すると、成形時の流動性に優れるために肉薄でもチューブやホースが容易に成形でき、これらの成形品を架橋してナイロン繊維等の繊維部材と接着した場合に、接着強度及び耐摩耗性に優れたゴム−繊維複合部品が得られることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
かくして、本発明によれば、以下の1〜4の発明がそれぞれ提供される。
1.100グラム当たりのカルボキシル基含有量が1×10−4当量以上であり、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を10〜60重量%含有するヨウ素価100以下のカルボキシル基含有ニトリル共重合ゴム(A)及び、pHが10未満であるシリカ系充填剤(B)から成るニトリル共重合ゴム組成物。
2.上記1記載のニトリル共重合ゴム組成物に、さらに架橋剤(C)を含有して成る架橋性ニトリル共重合ゴム組成物。
3. 上記2記載の架橋性ニトリル共重合ゴム組成物を架橋成形して成る架橋成形体。
4.上記3記載の架橋成形体及び繊維部材を含んで成る複合体。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のニトリル共重合ゴム組成物は、100グラム当たりのカルボキシル基含有量が1×10−4当量以上であり、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を10〜60重量%含有するヨウ素価100以下のカルボキシル基含有ニトリル共重合ゴム(A)及び、pHが10未満であるシリカ系充填剤(B)から成る。
【0010】
本発明に用いるニトリル共重合ゴム(A)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体及びこれと共重合可能な他の単量体とを公知の方法で共重合し、必要に応じて主鎖の炭素−炭素二重結合を水素化して得られる。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどが挙げられ、中でも、アクリロニトリルが好ましい。ニトリル共重合ゴム(A)中のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、好ましくは12〜55重量%、より好ましくは15〜50重量%である。ニトリル共重合ゴム(A)中のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が少なすぎるとゴム組成物の耐油性が劣る場合があり、逆に多すぎると耐寒性に劣る場合がある。
【0011】
前記α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と共重合させることができる単量体としては、共役ジエン単量体、非共役ジエン単量体、α−オレフィンなどが例示される。
共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、1,3−ブタジエンが好ましい。非共役ジエン単量体は、好ましくは炭素数が5〜12のものであり、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどが例示される。α−オレフィンとしては、炭素数が2〜12のものが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが例示される。
【0012】
さらに、ニトリル共重合ゴム(A)は、上記の単量体以外に、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、芳香族ビニル単量体、フルオロオレフィン単量体などを本発明の目的を損なわない範囲で共重合して得られるものであってもよい。また、共重合性の老化防止剤を用いることもできる。ニトリル共重合ゴム(A)中のこれらの単量体単位の含有量は、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜25重量%である。
【0013】
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体としては、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メトキシエチルアクリレートなどのα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル、ジブチルイタコン酸、ジブチルフマル酸、ジブチルマレイン酸などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸エステルなどが挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
フルオロオレフィン単量体としては、例えば、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
共重合性の老化防止剤としては、例えば、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
【0014】
ニトリル共重合ゴム(A)は、ヨウ素価が好ましくは50以下である。ヨウ素価が大きすぎると耐熱性に劣る。
【0015】
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と共役ジエン単量体とを共重合した場合には、ニトリル共重合ゴム(A)のヨウ素価が100を超える場合がある。その場合にはポリマー鎖中の炭素−炭素不飽和結合を公知の方法で水素添加することによりヨウ素価が100以下になるようにする。水素添加の方法は、特に限定されず、公知の方法で行えばよい。
【0016】
本発明に用いるニトリル共重合ゴム(A)は、カルボキシル基を有し、その含有量が、ゴム(A)100グラム当たり、1×10−4当量以上、好ましくは1×10−3当量以上、より好ましくは2×10−3当量以上であり、好ましくは2×10−1当量以下、より好ましくは1×10−1当量以下である。ニトリル共重合ゴム(A)のカルボキシル基含有量が少なすぎると、本発明のゴム組成物と、繊維部材との接着性や、架橋成形体の耐摩耗性に劣り、逆に多すぎると低温での柔軟性が損なわれるおそれがある。
【0017】
本発明に用いるニトリル共重合ゴム(A)にカルボキシル基を導入する方法としては、(1)前述した、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体及び、該単量体と共重合可能な単量体を共重合する際に、さらにα,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体を共重合する方法、(2)前記α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体及び該単量体と共重合可能な単量体を共重合し、次いでα,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体をグラフト反応により導入する方法、が挙げられるが、本発明においては、反応工程の簡略化等の観点から、(1)の方法によるのが好ましい。
【0018】
共重合させるα,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸などのα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸;無水イタコン酸、無水マレイン酸などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物;モノブチルイタコン酸などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸エステル;などが挙げられる。
本発明においては、共重合体のカルボキシル基含有量が前述する値の範囲になるように、これらのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体を、上記のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体及び該単量体と共重合可能な前述の単量体と混合して重合反応に供すればよい。
【0019】
上記単量体を共重合する方法は、公知の重合法によればよく、ニトリル共重合ゴムの一般的な重合法である乳化重合によればよい。また、ニトリル共重合ゴムを水素化する場合も、一般的な水素化方法によればよく、前述の乳化重合後に回収したニトリル共重合ゴムをアセトンなどの有機溶媒に再溶解して溶液中で水素化してもよいが、生産効率等の観点から、乳化重合で得られたニトリル共重合ゴムのラテックスを、そのまま水素化することもできる。
【0020】
以上の方法により得られたニトリル共重合ゴム(A)のムーニー粘度ML1+4,(100℃)は、好ましくは10〜300、より好ましくは20〜250、特に好ましくは30〜200である。ムーニー粘度が小さすぎると架橋成形体の機械的特性が劣る場合があり、逆に大きすぎると加工性に劣る場合がある。
【0021】
本発明に用いるシリカ系充填剤(B)は、ゴムの白色充填剤、いわゆるホワイトカーボンとして一般的に用いられている公知のものの中で、pHが10未満のものを選択して用いることが必須である。
ホワイトカーボンの種類は、組成式で表した場合に、式中に(SiO2)を含む珪酸化合物であればよい。具体的には、石英粉末、珪石粉末などの天然シリカ;無水珪酸(シリカゲル、アエロジルなど)、含水珪酸などの合成シリカ;などが挙げられる。これらの中でも、いわゆる湿式法により得られる含水珪酸は、広い範囲のpHのものを合成することができるために好ましい。また、乾式法により得られる無水珪酸は、一般的にpHの低いものが得られるので、特に低いpHの合成シリカを使用する場合に好ましい。
【0022】
本発明に用いるシリカ系充填剤(B)のpHは、より好ましくは9以下、さらに好ましくは8以下である。シリカ系充填剤のpHが高すぎると、これを用いたニトリル共重合ゴム組成物を押出成形等する場合の粘度が高くなり、流動性が低下して加工性が悪くなる可能性がある。尚、シリカ系充填剤のpHは、以下の方法により測定することができる。すなわち、1種以上の当該シリカ系充填剤4gを、炭酸を含まない蒸留水100mlに懸濁させ、20℃における該懸濁液のpH値をガラス電極pH計で測定した値とする。
上記シリカ系充填剤(B)の、本発明ニトリル共重合ゴム組成物中の割合は、ニトリル共重合ゴム(A)100重量部に対して、通常5〜300重量部、好ましくは10〜200重量部、より好ましくは20〜100重量部である。シリカ系充填剤(B)の割合が少なすぎると、ゴム組成物の接着性、耐摩耗性が不十分な場合があり、逆に多すぎるとゴム組成物の加工性が低下する。
【0023】
本発明のニトリル共重合ゴム組成物は、さらに架橋剤を配合し、架橋性ニトリル共重合ゴム組成物とすることにより、架橋、成形して架橋成形体として使用することができる。本発明で用いる架橋剤(C)は、ニトリル共重合ゴム(A)を架橋できるものであれば特に限定されず、硫黄系架橋剤、有機過酸化物、ポリアミン系架橋剤などが挙げられる。
【0024】
硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄などの硫黄;4,4’−ジチオモルホリンやテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、高分子多硫化物など有機硫黄化合物;などが挙げられる。
有機過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類などが挙げられる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。ジアシルパーオキサイドとして、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイドなどが挙げられる。パーオキシエステルとして、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなど)などが挙げられる。
ポリアミン系架橋剤は、2つ以上のアミノ基を有する化合物であって、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素の複数の水素がアミノ基またはヒドラジド構造、すなわち−CONHNH2で表される構造に置換されたものである。このようなポリアミン系架橋剤としては、脂肪族多価アミン類、芳香族多価アミン類、ヒドラジド構造を2つ以上有する化合物などが挙げられ、具体的には、脂肪族多価アミン類として、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、テトラメチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン−シンナムアルデヒド付加物、ヘキサメチレンジアミン−ジベンゾエート塩などが、芳香族多価アミン類として、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−オキシジフェニルアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)などが、ヒドラジド構造を2つ以上有する化合物としては、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
【0025】
架橋剤(C)の配合量は、ニトリル共重合ゴム組成物に含有されるニトリル共重合ゴム(A)の種類および割合、架橋剤(C)の種類により異なるが、ニトリル共重合ゴム(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.3〜7重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。架橋剤(C)の使用量が少なすぎると架橋密度が低下し、得られる架橋成形体の耐摩耗性に劣り、圧縮永久ひずみが大きくなる場合があり、逆に多すぎると貯蔵安定性に劣り、繊維部材と複合した場合の柔軟性、耐屈曲疲労性等が劣る場合がある。
【0026】
本発明の架橋性ニトリル共重合ゴム組成物は、ゴム配合剤として一般的に使用される配合剤、例えば、カーボンブラックや短繊維などの補強剤、可塑剤、顔料、老化防止剤、粘着付与剤、加工助剤、スコーチ防止剤などを含有していてもよい。また、本発明の架橋性ニトリル共重合ゴム組成物は、ニトリル共重合ゴム(A)以外のゴムや樹脂を本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で含有していてもよい。
【0027】
本発明の架橋性ニトリル共重合ゴム組成物の調製方法は特に限定されず、架橋剤を含む組成物の一般的な調製方法に従えばよい。例えば、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの混合方法が適宜採用できる。配合順序は特に限定されないが、熱で反応や分解しにくい成分を十分に混合した後、熱により反応あるいは分解し易い架橋剤などを、反応や分解が起こらない温度で短時間に混合すればよい。
【0028】
上記の架橋性ニトリル共重合ゴム組成物を架橋・成形することにより、本発明の架橋成形体を得ることができる。架橋性ニトリル共重合ゴム組成物を架橋するには、該ゴム組成物を所定温度以上に加熱すればよい。具体的には、ゴム組成物を所望の形状に成形しておいてから加熱架橋するか、成形と同時に加熱架橋する。
【0029】
本発明の架橋性ニトリル共重合ゴム組成物の成形方法は、特に限定されない。圧縮成形、射出成形、トランスファー成形あるいは押出成形など、いずれの方法を用いることも可能である。また、架橋方法は、成形体の形状などに応じて選択すればよく、成形と架橋を同時に行う方法、成形後に架橋を行う方法のいずれでもよい。
【0030】
架橋温度は、好ましくは100〜200℃、より好ましくは130〜195℃、特に好ましくは140〜190℃である。温度が低すぎると架橋時間が長時間必要となったり、架橋密度が低くなったりする場合がある。温度が高すぎる場合は、成形不良になる場合がある。また、架橋時間は、架橋方法、架橋温度、形状などにより異なるが、架橋密度と生産効率の面から1分間〜4時間が好ましい。
【0031】
架橋するための加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法から適宜選択すればよい。
【0032】
成形体の形状、大きさなどによっては、表面は架橋していても、内部が架橋しないことがある。そのような場合、上記のように架橋した後、高温状態に維持する二次架橋を行ってもよい。
【0033】
本発明の架橋成形体は、水素化NBR架橋ゴム部品の本来の耐熱性、耐油性に加え、耐摩耗性及び、ガラス繊維やナイロン繊維等の繊維部材との接着性に優れるために、これらの繊維部材と複合して使用するのに好適である。すなわち本発明の複合体は、上記本発明の架橋成形体及び繊維部材を含んで成る。
【0034】
繊維部材の種類としては、特に限定はないが、ビニロン樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、ポリアミド樹脂繊維、綿、レーヨンなどの有機繊維;ガラス繊維、スチール繊維、カーボン繊維などの無機繊維;などが挙げられる。
また、繊維の形態としては、織布、不織布、ステープル、フィラメント、コード、ロープなどの形態が挙げられる。これらの中でも、特に、耐摩耗性に優れたベルト等として使用するには、ポリアミド樹脂繊維やガラス繊維でできた、帆布など織布の基布を使用することが好ましく、さらにポリアミド樹脂繊維の中では、ナイロン繊維が好ましい。
【0035】
本発明の複合体は、これらの繊維部材と、本発明のニトリル共重合ゴム架橋成形体とを積層したり、これらの繊維部材を本発明の架橋性ニトリル共重合ゴム組成物で被覆した後に架橋させたりして使用することができる。
【0036】
本発明の複合体は、耐熱性、耐油性、耐摩耗性、接着強度等に優れるため、特にベルト、ホース、チューブ、ダイアフラムなどに好適に使用できる。
ベルトとしては、平ベルト、Vベルト、Vリブドベルト、丸ベルト、角ベルト、歯付ベルトなどが挙げられる。ホースとしては、単管ゴムホース、多層ゴムホース、編上式補強ホース、布巻式補強ホースなどが挙げ挙げられる。ダイアフラムとしては、平形ダイアフラム、転動形ダイアフラムなどが挙げられる。
本発明の架橋成形体及び複合体は、上記の用途以外にも、シール、ゴムロールなどの工業用製品として用いることもできる。シールとしては、回転用、揺動用、往復動用などの運動用シールと固定用シールが挙げられる。運動用シールとしては、オイルシール、ピストンシール、メカニカルシール、ブーツ、ダストカバー、ダイアフラム、アキュムレータなどが挙げられる。固定用シールとしては、Oリング、各種ガスケットなどが挙げられる。ゴムロールとしては、印刷機器、コピー機器などのOA機器の部品であるロール;紡糸用延伸ロール、紡績用ドラフトロールなどの繊維加工用ロール;ブライドルロール、スナバロール、ステアリングロールなどの製鉄用ロール;などが挙げられる。
【0037】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。部および%は、特に記載のない限り、重量基準である。なお、評価方法は、下記の通りである。
【0038】
(1)ニトリル共重合ゴムのムーニー粘度
JIS K6300のムーニー粘度試験に準じて測定した。
(2)ニトリル共重合ゴムのカルボキシル基含有量
カルボキシル基含有ニトリル共重合ゴムM(g)をアセトンに溶解し、n−ヘキサンで再沈精製した後、該再沈精製ゴムをピリジン(JIS K−8777試薬特級)に再溶解し、このゴム溶液を、0.02N水酸化カリウムのエタノール溶液を用いて、チモールフタレインを指示薬として、滴定し、滴定量A(ml)を得、一方で、同一操作をピリジンのみ(ゴム試料なし)で行い、滴定値B(ml)を得、〔(A−B)×0.02×100〕/〔1000×M〕の計算式により酸当量数を求めた。得られた酸当量数が、ゴム100グラムに対するカルボキシル基の当量数であり、単位はephrである。
(3)シリカ系充填剤のpH
1種以上の当該シリカ系充填剤(混合物)4gを、炭酸を含まない蒸留水100mlに懸濁させ、20℃における該懸濁液のpH値をガラス電極pH計で測定した値とする。
【0039】
(4)成形加工性
架橋性ニトリル共重合ゴム組成物の成形加工性の評価は、該組成物のムーニー粘度を上記(1)と同様の方法で測定して評価した。
【0040】
(5)耐摩耗性
以下の方法によりアクロン摩耗試験を行ない評価した。
架橋性ニトリル共重合ゴム組成物を、170℃、10MPaで25分プレス架橋し、JIS K6264に規定するアクロン磨耗試験用試験片を作成。
測定は、JIS K6264に従い、荷重27.0Nで予備試験500回転後、本試験1000回転を実施し、その摩耗容量を算出した。
【0041】
(6)繊維部材との接着性
ナイロン66の織布と架橋性ニトリル共重合ゴム組成物を、160℃30分1MPaでプレス架橋し、短冊状試験片(幅25mm長さ155mm厚さ6.3mm)を作成。
剥離強度は、JIS K6256加硫ゴムの接着試験方法の布と加硫ゴムの剥離試験方法に準じて測定を行った。
【0042】
実施例1
(カルボキシ基含有ニトリル共重合ゴムの製造)
金属製ボトルに、イオン交換水180重量部、濃度10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液25重量部、アクリロニトリル34重量部、メタクリル酸4重量部、分子量調整剤(t−ドデシルメルカプタン)0.5重量部の順に仕込み、窒素で3回内部の気体を置換した後、ブタジエン59重量部を仕込んだ。
金属製ボトルを5℃に保ち、重合触媒(クメンハイドロパーオキサイド)0.1重量部、硫酸第一鉄0.01重量部を仕込み、金属製ボトルを回転させながら16時間重合反応した。
重合停止剤(濃度10重量%のハイドロキノン水溶液)0.1重量部を加えて重合反応を停止した後、水温60℃のロータリーエバポレーターを用いて残留単量体を除去し、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体ゴムラテックス(固形分濃度約30重量%)を得た。
酢酸パラジウム(その使用量は、Pd金属/前記NBRの比で800ppm)にパラジウムの5倍モル当量の硝酸を添加して得られたパラジウム酸性水溶液300mlに、重量平均分子量5000のポリビニルピロリドンをパラジウムに対して5重量倍添加した。さらに水酸化カリウム水溶液を添加してpH9.0の触媒水溶液Aを調製した。
前記アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体ゴムラテックス400ml(固形分120g)と上記触媒水溶液Aの全量を、攪拌機付オートクレーブに投入し、窒素ガスを10分間流してラテックス中の溶存酸素を除去した。系内を2回水素ガスで置換後、3MPaの水素を加圧した。内容物を50℃に加温して6時間反応させ、カルボキシル基含有ニトリル共重合ゴムラテックスを得た。
得られたカルボキシル基含有ニトリル共重合ゴムラテックスの2倍容量のメタノールを加えて、カルボキシル基含有ニトリル共重合ゴムを凝固した後、60℃で12時間真空乾燥してカルボキシル基含有ニトリル共重合ゴムA1を調製した。
【0043】
(架橋性ニトリル共重合ゴム組成物の製造)
得られたカルボキシル基含有ニトリル共重合ゴムA1(アクリロニトリル単量体単位量36.5%、カルボキシル基含有量0.04ephr、ヨウ素価30、ムーニー粘度ML1+4,(100℃)85)95部、弱酸性シリカ充填剤(日本シリカ工業社製:NipsilVN3、pH5.5.〜6.5、SiO2含量>93%)30部、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン(日本ユニカー製:A−172)1部、置換ジフェニルアミン(ユニロイヤル製:ナウガード445)1部、トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート(旭電化製:アデカサイザーC−8)5部、ジエチレングリコール1部、ステアリン酸1部、パラフィンワックス0.5部を50℃にてバンバリーで混練した後、1,3−ビス(第3ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP)2.4部及び過酸化亜鉛(ゼオン化成製:Zeonet ZP)10部、を加えて、40℃にてオープンロールで混練して、架橋性ニトリル共重合ゴム組成物を調製した。
この架橋性ニトリル共重合ゴム組成物を用いて、上記の方法により、組成物の成形加工性、架橋成形体の耐摩耗性及び接着性を評価した。結果を表1に示す。
【0044】
実施例2
シリカ系充填剤を、中性シリカ充填剤(日本シリカ工業社製:カープレックスス67、pH7〜8、SiO2含量90〜96%)に変えたこと以外は実施例1同様に、架橋性ニトリル共重合ゴム組成物を製造して評価した。結果を表1に記載する。
【0045】
実施例3
シリカ系充填剤を、表面がメチル基で変性された酸性シリカ充填剤(日本アエロジル社製:アエロジルR−972、pH3.6〜4.3、SiO2含量98.3%)に変えたこと以外は実施例1同様に、架橋性ニトリル共重合ゴム組成物を製造して評価した。結果を表1に記載する。
【0046】
比較例1
シリカ系充填剤30部に変えて、カーボンブラック(SRFカーボンブラックN762)50部を用い、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランを配合しなかったこと以外は実施例1同様に、架橋性ニトリル共重合ゴム組成物を製造して評価した。結果を表1に記載する。
【0047】
比較例2
シリカ系充填剤を、塩基性シリカ充填剤(日本シリカ工業社製:カープレックス1120、pH10.4〜10.9、SiO2含量86〜92%)に変えたこと以外は実施例1同様に、架橋性ニトリル共重合ゴム組成物を製造して評価した。結果を表1に記載する。
【0048】
比較例3
メタクリル酸の使用量を0.005部に変えたこと以外は、実施例1同様に、カルボキシル基含有ニトリル共重合ゴムA2(アクリロニトリル単量体単位量36%、カルボキシル基含有量0.00005ephr、ヨウ素価28、ムーニー粘度ML1+4,(100℃)80)を重合し、これを用いたこと以外は実施例1同様に、架橋性ニトリル共重合ゴム組成物を製造して評価した。結果を表1に記載する。
【0049】
比較例4
カルボキシル基含有ニトリル共重合ゴムに変えて、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(日本ゼオン製:Zetpol2020、アクリロニトリル単量体単位量36%、ヨウ素価26、ムーニー粘度ML1+4,(100℃)80)を用いたこと以外は実施例1同様に、架橋性ニトリル共重合ゴム組成物を製造して評価した。結果を表1に記載する。
【0050】
【表1】
【0051】
表1から明らかなように、シリカ系充填剤を使用しない場合には、架橋成形体の耐摩耗性及び繊維部材との接着強度に劣り(比較例1)、pHの値が本発明の範囲よりも大きい塩基性シリカ系充填剤を用いると、ゴム組成物の粘度が高くなって成形加工性が低下し、架橋成形体の耐磨耗性に劣る(比較例2)。また、カルボキシル基含有量が本発明の範囲に満たないカルボキシル基含有ニトリル共重合ゴムを用いると、繊維部材との接着性が劣り(比較例3)、さらにカルボキシル基を含有しない水素化NBRを用いると、架橋成形体の耐摩耗性及び繊維部材との接着性が劣る(比較例4)。
これに対し、ニトリル共重合ゴムのカルボキシル基含有量及びシリカ系充填剤のpHが本発明の規定範囲であるニトリル共重合ゴム組成物を用いると、流動性に優れるために成形加工性に優れ、耐摩耗性及び繊維部材との接着性に優れる架橋成形体を得ることができる(実施例1〜3)。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、押出成形時などの流動性に優れるニトリル共重合ゴム組成物が得られ、これを用いることにより、耐摩耗性及び繊維部材との接着性に優れる架橋成形体を提供することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a rubber composition comprising a nitrile copolymer rubber and a silica-containing filler and a cross-linked molded article obtained by cross-linking the rubber composition, and more particularly to a cross-linked molded article suitable for use in combination with a fiber member. And a rubber composition for the molded article.
[0002]
[Prior art]
Acrylonitrile-butadiene copolymer rubber (NBR) is used as a material for rubber parts for automobiles such as hoses and tubes by utilizing oil resistance, mechanical properties, chemical resistance, etc., and is used in the polymer main chain of NBR. Hydrogenated acrylonitrile-butadiene copolymer rubber (HNBR) obtained by hydrogenating a carbon-carbon double bond is used for rubber parts such as belts, hoses and diaphragms because of its further excellent heat resistance.
[0003]
Many of these rubber parts are used by being combined with a fiber member such as glass fiber or nylon fiber by lamination or the like. In order to improve the adhesion to such a fiber member, many studies have been made to introduce a carboxyl group into HNBR. Specifically, there is disclosed an example in which a composition obtained by blending carbon black with hydrogenated NBR into which a carboxyl group has been introduced and a nylon fabric are laminated (see Patent Document 1). However, even when the present composition is used, the adhesive strength of the obtained rubber-fiber composite may not be sufficiently improved in some cases, and it may not be possible to use the rubber-fiber composite in applications requiring particularly high adhesive strength.
[0004]
Further, in order to improve the abrasion resistance in addition to the adhesive strength to the fiber member, use of a silica-based filler instead of carbon black or the like as a filler has been studied. For example, there is disclosed a composition in which a general alkaline silica-based filler and a vinyl-based silane coupling agent are blended with a highly saturated hydrogenated nitrile rubber having an iodine value of 80 or less (see Patent Document 2). . However, since this composition has a high viscosity, for example, when extruded into a thin tube or sheet, it is sometimes difficult to obtain a molded article having a desired shape.
[0005]
[Patent Document 1]
International Publication WO01 / 77185
[Patent Document 2]
JP-A-62-240338
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a rubber member having excellent abrasion resistance and adhesion to a fiber member and the like, and a nitrile copolymer rubber composition which is suitable for the rubber member and has excellent fluidity during molding. .
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to achieve the above object, and as a result, a rubber composition comprising a nitrile copolymer rubber having a carboxyl group content of a specific amount or more and a silica filler having a pH of a specific value or less. Extrusion molding makes it possible to easily form tubes and hoses even with thin walls due to excellent fluidity during molding.When these molded products are cross-linked and adhered to fiber members such as nylon fibers, the adhesive strength and wear resistance It has been found that a rubber-fiber composite part having excellent properties can be obtained, and based on these findings, the present invention has been completed.
[0008]
Thus, according to the present invention, the following inventions 1 to 4 are provided, respectively.
1. The carboxyl group content per 100 grams is 1 × 10 -4 A carboxyl group-containing nitrile copolymer rubber (A) having an iodine value of 100 or less containing 10 to 60% by weight of α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer units, and silica having a pH of less than 10 A nitrile copolymer rubber composition comprising a system filler (B).
2. 2. A crosslinkable nitrile copolymer rubber composition, which further comprises a crosslinking agent (C) in addition to the nitrile copolymer rubber composition described in 1 above.
3. 3. A crosslinked molded article obtained by crosslinking the crosslinkable nitrile copolymer rubber composition described in 2 above.
4. 4. A composite comprising the crosslinked molded article according to the above item 3 and a fiber member.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The nitrile copolymer rubber composition of the present invention has a carboxyl group content of 1 × 10 -4 A carboxyl group-containing nitrile copolymer rubber (A) having an iodine value of 100 or less containing 10 to 60% by weight of α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer units, and silica having a pH of less than 10 It consists of a system filler (B).
[0010]
The nitrile copolymer rubber (A) used in the present invention is obtained by copolymerizing an α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer and another monomer copolymerizable therewith by a known method. By hydrogenating the carbon-carbon double bond in the main chain.
Examples of the α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer include acrylonitrile, methacrylonitrile, α-chloroacrylonitrile and the like, and among them, acrylonitrile is preferable. The content of the α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer unit in the nitrile copolymer rubber (A) is preferably 12 to 55% by weight, more preferably 15 to 50% by weight. If the content of the α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer unit in the nitrile copolymer rubber (A) is too small, the oil resistance of the rubber composition may be poor, and if it is too large, the cold resistance may be poor. There are cases.
[0011]
Examples of the monomer that can be copolymerized with the α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer include a conjugated diene monomer, a non-conjugated diene monomer, and an α-olefin.
Examples of the conjugated diene monomer include 1,3-butadiene, isoprene, 2,3-dimethyl-1,3-butadiene, and 1,3-pentadiene, and 1,3-butadiene is preferable. The non-conjugated diene monomer preferably has 5 to 12 carbon atoms, and examples thereof include 1,4-pentadiene, 1,4-hexadiene, vinylnorbornene, and dicyclopentadiene. As the α-olefin, those having 2 to 12 carbon atoms are preferable, and examples thereof include ethylene, propylene, 1-butene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene, and 1-octene.
[0012]
Further, the nitrile copolymer rubber (A) includes, in addition to the above-mentioned monomers, α, β-ethylenically unsaturated carboxylic acid ester monomers, aromatic vinyl monomers, fluoroolefin monomers and the like. May be obtained by copolymerization within a range that does not impair the purpose of the above. Further, a copolymerizable antioxidant can be used. The content of these monomer units in the nitrile copolymer rubber (A) is preferably 0 to 30% by weight, more preferably 0 to 25% by weight.
[0013]
Examples of the α, β-ethylenically unsaturated carboxylic acid ester monomer include α, β-ethylenically unsaturated monocarboxylic acid esters such as ethyl acrylate, butyl acrylate, and methoxyethyl acrylate, dibutyl itaconic acid, and dibutyl fumaric acid. And α, β-ethylenically unsaturated polycarboxylic acids such as dibutylmaleic acid.
Examples of the aromatic vinyl monomer include styrene, α-methylstyrene, vinylpyridine and the like.
Examples of the fluoroolefin monomer include fluoroethyl vinyl ether, fluoropropyl vinyl ether, o-trifluoromethylstyrene, vinyl pentafluorobenzoate, difluoroethylene, tetrafluoroethylene, and the like.
Examples of the copolymerizable antioxidant include N- (4-anilinophenyl) acrylamide, N- (4-anilinophenyl) methacrylamide, N- (4-anilinophenyl) cinnamamide, and N- (4 -Anilinophenyl) crotonamide, N-phenyl-4- (3-vinylbenzyloxy) aniline, N-phenyl-4- (4-vinylbenzyloxy) aniline and the like.
[0014]
The nitrile copolymer rubber (A) preferably has an iodine value of 50 or less. If the iodine value is too large, heat resistance is poor.
[0015]
When an α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer and a conjugated diene monomer are copolymerized, the iodine value of the nitrile copolymer rubber (A) may exceed 100. In this case, the carbon-carbon unsaturated bond in the polymer chain is hydrogenated by a known method so that the iodine value becomes 100 or less. The method of hydrogenation is not particularly limited, and may be a known method.
[0016]
The nitrile copolymer rubber (A) used in the present invention has a carboxyl group, and its content is 1 × 10 per 100 g of the rubber (A). -4 Equivalent or more, preferably 1 × 10 -3 Equivalent or more, more preferably 2 × 10 -3 Equivalent or more, preferably 2 × 10 -1 Equivalent or less, more preferably 1 × 10 -1 It is below the equivalent. When the carboxyl group content of the nitrile copolymer rubber (A) is too small, the adhesiveness between the rubber composition of the present invention and the fiber member and the abrasion resistance of the crosslinked molded article are inferior. Flexibility may be impaired.
[0017]
As a method for introducing a carboxyl group into the nitrile copolymer rubber (A) used in the present invention, (1) the α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer described above and a monomer copolymerizable with the monomer can be used. A method of further copolymerizing an α, β-ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer when copolymerizing the monomer, (2) the α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer and the monomer A method of copolymerizing a monomer copolymerizable with a polymer and then introducing an α, β-ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer by a graft reaction, but in the present invention, the reaction step is simplified. It is preferable to use the method (1) from the viewpoint of, for example, conversion.
[0018]
Examples of the α, β-ethylenically unsaturated carboxylic acid monomers to be copolymerized include α, β-ethylenically unsaturated monocarboxylic acids such as acrylic acid and methacrylic acid; and α, β-ethylenically unsaturated monocarboxylic acids such as itaconic acid, fumaric acid and maleic acid. β-ethylenically unsaturated polycarboxylic acid; α, β-ethylenically unsaturated polycarboxylic anhydride such as itaconic anhydride and maleic anhydride; α, β-ethylenically unsaturated polycarboxylic acid such as monobutylitaconic acid Carboxylic acid esters; and the like.
In the present invention, these α, β-ethylenically unsaturated carboxylic acid monomers are combined with the above α, β-ethylenically unsaturated carboxylic acid so that the carboxyl group content of the copolymer falls within the range described above. What is necessary is just to mix with a saturated nitrile monomer and the above-mentioned monomer copolymerizable with this monomer, and just to use for a polymerization reaction.
[0019]
The method for copolymerizing the above monomers may be a known polymerization method, or may be an emulsion polymerization which is a general polymerization method of nitrile copolymer rubber. When the nitrile copolymer rubber is hydrogenated, a general hydrogenation method may be used.The nitrile copolymer rubber recovered after the above-mentioned emulsion polymerization is redissolved in an organic solvent such as acetone, and hydrogenated in the solution. From the viewpoint of production efficiency and the like, the latex of the nitrile copolymer rubber obtained by emulsion polymerization can be hydrogenated as it is.
[0020]
Mooney viscosity ML of nitrile copolymer rubber (A) obtained by the above method 1 + 4 , (100 ° C.) is preferably from 10 to 300, more preferably from 20 to 250, particularly preferably from 30 to 200. If the Mooney viscosity is too low, the mechanical properties of the crosslinked molded article may be poor, and if it is too high, the processability may be poor.
[0021]
As the silica filler (B) used in the present invention, it is essential to select and use a filler having a pH of less than 10 among known fillers generally used as white fillers for rubber, so-called white carbon. It is.
When the type of white carbon is represented by a composition formula, (SiO 2) 2 ) May be used. Specific examples include natural silica such as quartz powder and silica stone powder; and synthetic silica such as silicic anhydride (silica gel, Aerosil and the like) and hydrous silicic acid. Among them, hydrous silicic acid obtained by a so-called wet method is preferable because it can be synthesized in a wide range of pH. Silicic anhydride obtained by a dry method generally has a low pH, and is particularly preferable when synthetic silica having a low pH is used.
[0022]
The pH of the silica-based filler (B) used in the present invention is more preferably 9 or less, and further preferably 8 or less. If the pH of the silica-based filler is too high, the viscosity when extruding a nitrile copolymer rubber composition using the filler becomes high, and the flowability may be reduced, resulting in poor processability. The pH of the silica-based filler can be measured by the following method. That is, 4 g of the one or more silica-based fillers is suspended in 100 ml of distilled water containing no carbonic acid, and the pH value of the suspension at 20 ° C. is defined as a value measured by a glass electrode pH meter.
The proportion of the silica filler (B) in the nitrile copolymer rubber composition of the present invention is usually 5 to 300 parts by weight, preferably 10 to 200 parts by weight, based on 100 parts by weight of the nitrile copolymer rubber (A). Parts, more preferably 20 to 100 parts by weight. If the proportion of the silica-based filler (B) is too small, the adhesion and abrasion resistance of the rubber composition may be insufficient, and if it is too large, the processability of the rubber composition is reduced.
[0023]
The nitrile copolymer rubber composition of the present invention can be crosslinked and molded to be used as a crosslinked molded article by further blending a crosslinking agent to form a crosslinkable nitrile copolymer rubber composition. The crosslinking agent (C) used in the present invention is not particularly limited as long as it can crosslink the nitrile copolymer rubber (A), and examples thereof include a sulfur-based crosslinking agent, an organic peroxide, and a polyamine-based crosslinking agent.
[0024]
Examples of the sulfur-based crosslinking agent include sulfur such as powdered sulfur and precipitated sulfur; and organic sulfur compounds such as 4,4'-dithiomorpholine, tetramethylthiuram disulfide, tetraethylthiuram disulfide, and high molecular polysulfide.
Examples of the organic peroxide include dialkyl peroxides, diacyl peroxides, and peroxyesters.
Examples of the dialkyl peroxide include dicumyl peroxide, di-t-butyl peroxide, 2,5-dimethyl-2,5-di (t-butylperoxy) -3-hexyne, 2,5-dimethyl-2, 5-di (t-butylperoxy) hexane, 1,3-bis (t-butylperoxyisopropyl) benzene and the like. Examples of the diacyl peroxide include benzoyl peroxide and isobutyryl peroxide. Examples of the peroxyester include 2,5-dimethyl-2,5-bis (benzoylperoxy) hexane, t-butylperoxyisopropyl carbonate, and the like.
The polyamine-based cross-linking agent is a compound having two or more amino groups, wherein a plurality of hydrogens of an aliphatic hydrocarbon or an aromatic hydrocarbon have an amino group or a hydrazide structure, that is, -CONHNH 2 Is replaced by the structure represented by Examples of such polyamine-based crosslinking agents include aliphatic polyamines, aromatic polyamines, and compounds having two or more hydrazide structures. Specifically, as the aliphatic polyamines, Hexamethylenediamine, hexamethylenediaminecarbamate, tetramethylenepentamine, hexamethylenediamine-cinnamaldehyde adduct, hexamethylenediamine-dibenzoate salt, and the like, as aromatic polyamines, 4,4′-methylenedianiline, Compounds having two or more hydrazide structures such as 4,4′-oxydiphenylamine, m-phenylenediamine, p-phenylenediamine, and 4,4′-methylenebis (o-chloroaniline) include isophthalic dihydrazide and adipic acid. Dihydrazide, sebacic acid dihydrazide and the like It is.
[0025]
The amount of the crosslinking agent (C) varies depending on the type and ratio of the nitrile copolymer rubber (A) and the type of the crosslinking agent (C) contained in the nitrile copolymer rubber composition. The amount is preferably 0.1 to 10 parts by weight, more preferably 0.3 to 7 parts by weight, particularly preferably 0.5 to 5 parts by weight with respect to 100 parts by weight. If the amount of the cross-linking agent (C) is too small, the cross-linking density is reduced, and the resulting cross-linked molded article is inferior in abrasion resistance and compression set may be large. When combined with a fiber member, flexibility, bending fatigue resistance and the like may be poor.
[0026]
The crosslinkable nitrile copolymer rubber composition of the present invention is a compounding agent generally used as a rubber compounding agent, for example, a reinforcing agent such as carbon black or short fiber, a plasticizer, a pigment, an antioxidant, and a tackifier. , A processing aid, an anti-scorch agent and the like. Further, the crosslinkable nitrile copolymer rubber composition of the present invention may contain a rubber or resin other than the nitrile copolymer rubber (A) as long as the effects of the present invention are not substantially impaired.
[0027]
The method for preparing the crosslinkable nitrile copolymer rubber composition of the present invention is not particularly limited, and may be a general method for preparing a composition containing a crosslinking agent. For example, a mixing method such as roll mixing, Banbury mixing, screw mixing, and solution mixing can be appropriately adopted. The mixing order is not particularly limited, but after sufficiently mixing components which are hard to react or decompose by heat, a crosslinking agent or the like which is easily reacted or decomposed by heat may be mixed in a short time at a temperature at which no reaction or decomposition occurs. .
[0028]
The crosslinked molded article of the present invention can be obtained by crosslinking and molding the above crosslinkable nitrile copolymer rubber composition. To crosslink the crosslinkable nitrile copolymer rubber composition, the rubber composition may be heated to a predetermined temperature or higher. Specifically, the rubber composition is molded into a desired shape and then heat-crosslinked, or is heat-crosslinked simultaneously with the molding.
[0029]
The method for molding the crosslinkable nitrile copolymer rubber composition of the present invention is not particularly limited. Any method such as compression molding, injection molding, transfer molding, or extrusion molding can be used. The method of crosslinking may be selected according to the shape of the molded article, and may be either a method of performing molding and crosslinking at the same time or a method of performing crosslinking after molding.
[0030]
The crosslinking temperature is preferably from 100 to 200C, more preferably from 130 to 195C, particularly preferably from 140 to 190C. If the temperature is too low, the crosslinking time may be required for a long time or the crosslinking density may be low. If the temperature is too high, molding failure may occur. The crosslinking time varies depending on the crosslinking method, crosslinking temperature, shape and the like, but is preferably 1 minute to 4 hours in view of crosslinking density and production efficiency.
[0031]
A heating method for crosslinking may be appropriately selected from methods used for rubber crosslinking such as press heating, steam heating, oven heating, and hot air heating.
[0032]
Depending on the shape and size of the molded body, the inside may not be crosslinked even though the surface is crosslinked. In such a case, after crosslinking as described above, secondary crosslinking for maintaining a high temperature state may be performed.
[0033]
The cross-linked molded article of the present invention has excellent heat resistance, oil resistance, abrasion resistance, and excellent adhesion to fiber members such as glass fibers and nylon fibers in addition to the original heat resistance and oil resistance of the hydrogenated NBR cross-linked rubber parts. It is suitable for use in combination with a fiber member. That is, the composite of the present invention comprises the crosslinked molded article of the present invention and a fiber member.
[0034]
The type of the fiber member is not particularly limited, and examples thereof include organic fibers such as vinylon resin fiber, polyester resin fiber, polyamide resin fiber, cotton, and rayon; and inorganic fibers such as glass fiber, steel fiber, and carbon fiber. .
Examples of the form of the fiber include a woven fabric, a nonwoven fabric, a staple, a filament, a cord, a rope, and the like. Among them, in particular, for use as a belt or the like having excellent wear resistance, it is preferable to use a woven fabric such as a canvas made of polyamide resin fiber or glass fiber. Then, nylon fibers are preferred.
[0035]
The composite of the present invention is obtained by laminating these fiber members and the crosslinked molded article of the nitrile copolymer rubber of the present invention, or crosslinking these fiber members after coating them with the crosslinkable nitrile copolymer rubber composition of the present invention. You can use it.
[0036]
Since the composite of the present invention is excellent in heat resistance, oil resistance, abrasion resistance, adhesive strength and the like, it can be suitably used particularly for belts, hoses, tubes, diaphragms and the like.
Examples of the belt include a flat belt, a V belt, a V-ribbed belt, a round belt, a square belt, and a toothed belt. Examples of the hose include a single tube rubber hose, a multilayer rubber hose, a braided reinforcing hose, a cloth-wound reinforcing hose, and the like. Examples of the diaphragm include a flat diaphragm and a rolling diaphragm.
The crosslinked molded article and composite of the present invention can be used as industrial products such as seals and rubber rolls in addition to the above-mentioned applications. Examples of the seal include movement seals for rotation, swinging, reciprocating movement, and the like, and fixing seals. Examples of the motion seal include an oil seal, a piston seal, a mechanical seal, a boot, a dust cover, a diaphragm, an accumulator, and the like. Examples of the fixing seal include an O-ring and various gaskets. Examples of the rubber roll include rolls that are parts of OA equipment such as printing equipment and copying equipment; fiber processing rolls such as drawing rolls for spinning and draft rolls for spinning; and steelmaking rolls such as bridle rolls, snubber rolls, and steering rolls. No.
[0037]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples and Comparative Examples. Parts and percentages are by weight unless otherwise indicated. In addition, the evaluation method is as follows.
[0038]
(1) Mooney viscosity of nitrile copolymer rubber
It was measured according to the Mooney viscosity test of JIS K6300.
(2) Carboxyl group content of nitrile copolymer rubber
After dissolving the carboxyl group-containing nitrile copolymer rubber M (g) in acetone and reprecipitating and refining with n-hexane, the reprecipitated purified rubber is redissolved in pyridine (JIS K-8777 reagent special grade), Using an ethanol solution of 0.02N potassium hydroxide and thymolphthalein as an indicator to obtain a titer A (ml), while performing the same operation with pyridine only (no rubber sample), The titration value B (ml) was obtained, and the number of acid equivalents was determined by the formula [(AB) × 0.02 × 100] / [1000 × M]. The obtained number of acid equivalents is the number of carboxyl groups equivalent to 100 grams of rubber, and the unit is ephr.
(3) pH of silica-based filler
4 g of the one or more silica-based fillers (mixture) is suspended in 100 ml of distilled water not containing carbonic acid, and the pH value of the suspension at 20 ° C. is defined as a value measured by a glass electrode pH meter.
[0039]
(4) Formability
The molding processability of the crosslinkable nitrile copolymer rubber composition was evaluated by measuring the Mooney viscosity of the composition by the same method as in the above (1).
[0040]
(5) Wear resistance
An Akron abrasion test was performed and evaluated according to the following method.
The crosslinkable nitrile copolymer rubber composition was press-crosslinked at 170 ° C. and 10 MPa for 25 minutes to prepare a test piece for Akron abrasion test specified in JIS K6264.
The measurement was performed according to JIS K6264, with a preliminary test performed 500 rotations under a load of 27.0 N, followed by a main test performed 1000 rotations, and the wear capacity thereof was calculated.
[0041]
(6) Adhesion to fiber members
Nylon 66 woven fabric and the crosslinkable nitrile copolymer rubber composition were press-crosslinked at 160 ° C. for 30 minutes at 1 MPa to prepare strip-shaped test pieces (width 25 mm, length 155 mm, thickness 6.3 mm).
The peel strength was measured in accordance with JIS K6256 Vulcanized Rubber Adhesion Test Method for Cloth and Vulcanized Rubber.
[0042]
Example 1
(Production of carboxy group-containing nitrile copolymer rubber)
In a metal bottle, 180 parts by weight of ion-exchanged water, 25 parts by weight of a 10% by weight aqueous solution of sodium dodecylbenzenesulfonate, 34 parts by weight of acrylonitrile, 4 parts by weight of methacrylic acid, 0.5 molecular weight regulator (t-dodecyl mercaptan) Parts were charged in the order of parts by weight, and after replacing the internal gas with nitrogen three times, 59 parts by weight of butadiene were charged.
While keeping the metal bottle at 5 ° C., 0.1 part by weight of a polymerization catalyst (cumene hydroperoxide) and 0.01 part by weight of ferrous sulfate were charged, and a polymerization reaction was carried out for 16 hours while rotating the metal bottle.
After adding 0.1 part by weight of a polymerization terminator (aqueous hydroquinone solution having a concentration of 10% by weight) to terminate the polymerization reaction, residual monomers were removed using a rotary evaporator at a water temperature of 60 ° C., and acrylonitrile-butadiene-methacrylic acid was removed. A copolymer rubber latex (solid content: about 30% by weight) was obtained.
To 300 ml of an aqueous palladium acid solution obtained by adding 5 times the molar equivalent of nitric acid to palladium acetate (the use amount is 800 ppm in the ratio of Pd metal / NBR), polyvinylpyrrolidone having a weight average molecular weight of 5,000 was converted to palladium. 5 times by weight. Further, a potassium hydroxide aqueous solution was added to prepare a catalyst aqueous solution A having a pH of 9.0.
The acrylonitrile-butadiene-methacrylic acid copolymer rubber latex (400 ml, solid content: 120 g) and the entire amount of the catalyst aqueous solution A were charged into an autoclave equipped with a stirrer, and nitrogen gas was flown for 10 minutes to remove dissolved oxygen in the latex. After purging the system twice with hydrogen gas, 3 MPa of hydrogen was pressurized. The content was heated to 50 ° C. and reacted for 6 hours to obtain a carboxyl group-containing nitrile copolymer rubber latex.
After adding twice the volume of methanol of the obtained carboxyl group-containing nitrile copolymer rubber latex to coagulate the carboxyl group-containing nitrile copolymer rubber, the mixture was vacuum-dried at 60 ° C. for 12 hours and carboxyl group-containing nitrile copolymer rubber A1 Was prepared.
[0043]
(Production of crosslinkable nitrile copolymer rubber composition)
The obtained carboxyl group-containing nitrile copolymer rubber A1 (acrylonitrile monomer unit amount 36.5%, carboxyl group content 0.04 ephr, iodine value 30, Mooney viscosity ML 1 + 4 , (100 ° C.) 85) 95 parts, weak acidic silica filler (Nipsil VN3, manufactured by Nippon Silica Industry Co., Ltd., pH 5.5 to 6.5, SiO 2 30 parts of vinyl tris (β-methoxyethoxy) silane (A-172 manufactured by Nippon Unicar), 1 part of substituted diphenylamine (Naugard 445 manufactured by Uniroyal), tri- (2-ethylhexyl) trimellitate (content: 93%) After kneading 5 parts of Asahi Denka: Adekasizer C-8), 1 part of diethylene glycol, 1 part of stearic acid and 0.5 part of paraffin wax in a Banbury at 50 ° C., 1,3-bis (tert-butylperoxyisopropyl) ) 2.4 parts of benzene (manufactured by NOF Corporation: Perbutyl P) and 10 parts of zinc peroxide (manufactured by Zeon Kasei: Zeonet ZP), and kneaded with an open roll at 40 ° C. to form a crosslinkable nitrile copolymer rubber. A composition was prepared.
Using the crosslinkable nitrile copolymer rubber composition, the moldability of the composition, the abrasion resistance and the adhesiveness of the crosslinked molded article were evaluated by the methods described above. Table 1 shows the results.
[0044]
Example 2
The silica-based filler is a neutral silica filler (manufactured by Nippon Silica Industry Co., Ltd .: Carplex 67, pH 7-8, SiO 2 2 A crosslinkable nitrile copolymer rubber composition was produced and evaluated in the same manner as in Example 1 except that the content was changed to 90 to 96%. The results are shown in Table 1.
[0045]
Example 3
An acidic silica filler whose surface is modified with a methyl group (manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd .: Aerosil R-972, pH 3.6 to 4.3, SiO 2 Except that the content was changed to 98.3%, a crosslinkable nitrile copolymer rubber composition was produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0046]
Comparative Example 1
Crosslinkable nitrile copolymer was prepared in the same manner as in Example 1 except that 50 parts of carbon black (SRF carbon black N762) was used instead of 30 parts of the silica-based filler, and vinyltris (β-methoxyethoxy) silane was not blended. A rubber composition was manufactured and evaluated. The results are shown in Table 1.
[0047]
Comparative Example 2
The silica-based filler is a basic silica filler (Carplex 1120, manufactured by Nippon Silica Kogyo KK, pH 10.4 to 10.9, SiO 2 Except that the content was changed to 86-92%, a crosslinkable nitrile copolymer rubber composition was produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0048]
Comparative Example 3
Carboxyl group-containing nitrile copolymer rubber A2 (acrylonitrile monomer unit amount: 36%, carboxyl group content: 0.00005 ephr, iodine) in the same manner as in Example 1 except that the amount of methacrylic acid was changed to 0.005 part. Value 28, Mooney viscosity ML 1 + 4 , (100 ° C.) 80), and a crosslinkable nitrile copolymer rubber composition was produced and evaluated in the same manner as in Example 1 except that this was used. The results are shown in Table 1.
[0049]
Comparative Example 4
Instead of the carboxyl group-containing nitrile copolymer rubber, hydrogenated acrylonitrile-butadiene rubber (Zetpol 2020, manufactured by Zeon Corporation, acrylonitrile monomer unit 36%, iodine value 26, Mooney viscosity ML) 1 + 4 , (100 ° C.) 80) in the same manner as in Example 1 except that a crosslinkable nitrile copolymer rubber composition was produced and evaluated. The results are shown in Table 1.
[0050]
[Table 1]
[0051]
As is clear from Table 1, when the silica-based filler was not used, the abrasion resistance of the crosslinked molded article and the adhesive strength with the fiber member were inferior (Comparative Example 1), and the pH value was out of the range of the present invention. When a basic silica-based filler having a large particle size is used, the viscosity of the rubber composition is increased, the moldability is reduced, and the abrasion resistance of the crosslinked molded article is inferior (Comparative Example 2). Further, when a carboxyl group-containing nitrile copolymer rubber having a carboxyl group content less than the range of the present invention is used, the adhesiveness to a fiber member is inferior (Comparative Example 3), and a hydrogenated NBR containing no carboxyl group is used. And the abrasion resistance of the crosslinked molded article and the adhesiveness to the fiber member are inferior (Comparative Example 4).
On the other hand, when a nitrile copolymer rubber composition having a carboxyl group content of the nitrile copolymer rubber and a pH of the silica-based filler within the specified range of the present invention is used, excellent moldability due to excellent fluidity, It is possible to obtain a cross-linked molded article having excellent abrasion resistance and adhesion to a fiber member (Examples 1 to 3).
[0052]
【The invention's effect】
According to the present invention, a nitrile copolymer rubber composition having excellent fluidity at the time of extrusion molding or the like is obtained, and by using the same, it is possible to provide a crosslinked molded article having excellent wear resistance and excellent adhesion to a fiber member. Can be.