JP2004250465A - 易分散性を高めた顔料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダストが少なくて取り扱い易く、且つ易分散を高めた顔料の製造方法を提供する。
【解決手段】顔料の水性懸濁液中に、該懸濁液に溶解しない有機溶剤微粒子の分散液を添加することによって得られた顔料懸濁液を噴霧乾燥することにより、顆粒状の顔料とすることを特徴とする易分散性を高めた顔料の製造方法。この方法により得られた顔料顆粒は、印刷インキ及び塗料への使用だけでなく、接着剤、セメント・モルタル改質剤など各種用途への使用が可能である。
【選択図】なし
【解決手段】顔料の水性懸濁液中に、該懸濁液に溶解しない有機溶剤微粒子の分散液を添加することによって得られた顔料懸濁液を噴霧乾燥することにより、顆粒状の顔料とすることを特徴とする易分散性を高めた顔料の製造方法。この方法により得られた顔料顆粒は、印刷インキ及び塗料への使用だけでなく、接着剤、セメント・モルタル改質剤など各種用途への使用が可能である。
【選択図】なし
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ダストが少なくて取り扱い易く且つ易分散を高めた顔料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗料やインキなどコーティング材料の分野において、着色等を目的として顔料を使用する場合には、安定した発色性や隠蔽性を確保するために、通常、原色塗料或いは原色ペーストとしてから配合されることが多い。
【0003】
原色塗料或いは原色ペーストは、夫々の色の顔料について、分散樹脂液や分散助剤を配合し、ボールミルやサンドミルなどの分散装置を用いて数時間にわたって分散処理を行ないペースト状とし用いるか、これを塗料化した原色塗料(エナメル)とする必要があり、多大な労力及びエネルギーを要していた。ベース塗料に各色の顔料粉を直接配合できれば工程削減になるが、各顔料粉を一次粒子まで分散するには多大な時間を要し、しかも安定した調色が困難であった。
【0004】
そこで、分散媒へ容易に分散可能で、しかも低粉塵である顔料顆粒の調製方法について種々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)が、易水分散性は特に良好であるとは言い難い。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−184901号公報
【特許文献2】
特開2001−81349号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、原色塗料或いは原色ペーストの作成工程を排除可能で、ダストが少なくて取り扱い易く、且つ易分散性を高めた顔料を製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、
1.顔料の水性懸濁液中に、該懸濁液に溶解しない有機溶剤微粒子の分散液を添加することによって得られた顔料懸濁液を噴霧乾燥することにより、顆粒状の顔料とすることを特徴とする易分散性を高めた顔料の製造方法、
2.1項記載の製造方法により得られる顔料顆粒、
3.2項記載の顔料顆粒を含有する組成物、
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明方法において顔料の水性懸濁液には、一般的な合成で得られた未精製顔料の水性懸濁液が含まれ、該顔料としては特に制限なく、塗料やインキ等の分野で使用される従来公知の無機顔料及び有機顔料に適用可能である。
【0009】
上記水性懸濁液は、必要に応じて添加剤として、分散剤(非イオン性、アニオン性またはカチオン性界面活性剤)、増粘剤、保護コロイド、チキソトロピー剤、消泡剤等を含むことができる。該分散剤は、モノマー性又はポリマー性であっても良く、得られる顔料顆粒の易分散性の点から、特にポリアルキレンオキシド鎖を有する非イオン性ポリマー性分散剤や、アニオン性ポリマー性分散剤が好ましい。これら添加剤成分は、得られる顔料顆粒中に固形分量として40重量%以下、好ましくは0.5〜20重量%含有されることが望ましい。
【0010】
本発明方法では、上記顔料の水性懸濁液中で、該懸濁液に溶解しない有機溶剤微粒子の分散液を添加することによって得られた顔料懸濁液を噴霧乾燥する。
【0011】
上記懸濁液に溶解しない溶剤微粒子は、水を連続相とし、有機溶剤を非連続相とする乳化物であって、通常、水、及び必要に応じて乳化剤の存在下で、有機溶剤を微細に分散して得られるものである。
【0012】
上記有機溶剤としては、水と混和しない疎水性の有機溶剤であることが望ましく、例えばn−ヘキサン、n−オクタン、2,2,2−トリメチルペンタン、イソオクタン、n−ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;ミネラルスピリット、「スワゾール1000」(丸善石油化学(株)製品)、石油エーテル、石油ベンゼン、石油ナフサ等の石油系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上適宜選択して混合してもよい。これらのうち、特に沸点が水よりも高沸点であるものを選択することが好適である。また上記疎水性の有機溶剤には、必要に応じてアルコール系、エーテル系、アルコールエーテル系などの水混和性有機溶剤を一部併用することもできる。該水混和性有機溶剤の使用量は、全有機溶剤使用量の20重量%以下程度であることが好ましい。
【0013】
上記有機溶剤を水中に分散する場合の使用量は、水と有機溶剤の合計100重量部に対して20〜80重量部程度であることが望ましい。
【0014】
乳化剤としては、公知のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が使用できる。アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩及等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0015】
上記溶剤微粒子は、例えば有機溶剤と乳化剤との混合物をディスパー等で攪拌しながら徐々に水を加える、或いは有機溶剤をディスパー等で攪拌しながらあらかじめ乳化剤を溶解させた乳化剤水溶液に加える、などの方法によって分散し、さらに必要に応じて高いエネギーをかけることによって強制的に分散・乳化する、などの方法によって得ることができる。高いエネルギーをかけて分散できる装置としては、例えば特許登録第2577314号公報などに開示されている遠心力で薄膜状にして高エネルギーを得ることのできる装置(TKフィルミックス)、或いは超高圧エネルギーを加えて流体同士を衝突させ、水中へ微細な液滴の状態に強制的分散する分散機、などが例示できる。超高圧エネルギーを加える分散機としては、流体を超高圧に加圧可能なチャンバー(分散部)内の流路の壁に衝突したり、互いに対向衝突したり排出されたりすることにより、キャビテーション、乱流、剪断力、衝撃力などの少なくとも1つが生じ、分散、破砕されて微細化する超高圧ホモジナイザーが挙げられる。具体的にはナノマイザー、アルティマイザーと言われる機種が該当する。
【0016】
上記の通り溶剤微粒子の水分散液が得られ、該溶剤微粒子の平均粒子径は、通常、0.01〜100μm、好ましくは0.05〜60μmの範囲内である。
【0017】
上記溶剤微粒子の水分散液は、前記顔料の水性懸濁液100重量部に、有機溶剤重量として10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部となるように導入され、分散されることが望ましい。
【0018】
上記の通り得られた顔料懸濁液の噴霧乾燥は、公知方法により行なうことができ、例えばガス処理した樹脂懸濁液を上から噴霧塔中に噴射させ、下から向流で、熱ガス、例えば空気又は窒素を供給し、かつ次いで樹脂顆粒を小球として下に沈殿させる噴霧乾燥による。
【0019】
本発明では、上記の通り乾燥後に顔料顆粒が得られる。ここで顔料顆粒とは、主として球形状で、平均粒子径が5〜3,000μm、好ましくは20〜2,000μm程度で、嵩密度が0.1〜3.0g/ml、好ましくは0.3〜1.5g/ml程度の顔料製剤である。得られる顔料顆粒の嵩密度あるいは粒子径は、気泡あるいは溶剤微粒子の導入量、噴霧機の形態等により適宜調整し得る。
【0020】
本発明方法によって得られた顔料顆粒は、特別な分散作業を行わなくとも、ポリマー材料と容易に混合可能であり、例えば塗料、印刷インクおよびプラスチックの着色の用途に特に好適である。
【0021】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」はいずれも重量基準を意味する。
【0022】
溶剤微粒子分散液の製造
上水150部に、「ノイゲンEA−120」(第一工業製薬社製、ノニオン界面活性剤)3部とミネラルスピリット150部を加え、ホモジナイザーで強制乳化して、平均粒子径約2μmの溶剤微粒子の分散液Pを得た。
【0023】
顔料顆粒の製造
実施例1
上記溶剤微粒子分散液P100部に「ノイゲンEA−120」を1部添加し、「チタン白JR−605」(テイカ社製、平均粒子径0.25μm、嵩密度4.1g/mlのチタン白)25部を加えながら、ディスパーで攪拌して均一になった後、100℃の熱風中に噴霧し乾燥させて、顆粒状チタン白▲1▼を得た。この顆粒状チタン白▲1▼は、平均粒子径100μm、嵩密度が0.5g/mlの球状粒子であった。
【0024】
実施例2
上記溶剤微粒子分散液P100部に「ノイゲンEA−120」2部を添加し、「ベンガラ335R」(戸田カラー社製、平均粒子径0.14μm、嵩密度が5.2g/mlのベンガラ)25部を加えながら、ディスパーで攪拌して均一になった後、100℃の熱風中に噴霧し乾燥させて、顆粒状赤錆色材▲2▼を得た。この顆粒状赤錆色材▲2▼は、平均粒子径200μm、嵩密度が0.45g/mlの球状粒子であった。
【0025】
顔料顆粒の応用、評価試験
上記の通り得られた顔料顆粒を、下記配合(ディスバーで攪拌しながら配合)で得られた濃彩用塗料ベース100部に顆粒状チタン白▲1▼20部、顆粒状赤錆色材▲2▼30部を添加し、シュパチラーで軽くかき混ぜて塗料Aを得た。また、比較例として、同じ濃彩用塗料ベース100部に「チタン白JR−605」10部、「ベンガラ335R」20部をそのまま添加し、シュパチラーで軽くかき混ぜて塗料Bを得た。
【0026】
濃彩用塗料ベース配合
ペガール866(高圧ガス工業社製エマルション) 100部
テキサノール 10部
エチレングリコール 3部
アデカノールUH−472(旭電化製増粘剤) 1.2部
アデカネートB−1016(旭電化製消泡剤) 1部
【0027】
「EPシーラー白」(関西ペイント社製、シーラー)を塗布したスレート板上に、上記塗料A、Bを夫々、刷毛で約100g/m2の塗布量で塗装し、1分間経過後に塗面の一部を指で5回転するように擦り、ラビング部を作成した。翌日、塗面の外観評価と、刷毛塗装面とラビング面との色の違いを下記の基準で評価した。その結果、塗料Aの評価は◎であったが、塗料Bでは△の評価であった。
【0028】
(評価基準)
◎:塗膜表面にブツが見られず、ラビング面との色の違いもない
○:塗膜表面にわずかにブツは見られるが、ラビング面との色の違いはない
△:塗膜表面のブツが目立つ、ラビング面との色の違いもはっきりと判る
×:ブツのため塗装時、筋になって塗装できない
【0029】
【発明の効果】
本発明方法によれば、ダストが少なく取り扱いが容易で、且つ易分散性を高めた顆粒状の顔料を安価に製造することができる。
【0030】
従って本発明方法により得られた顔料顆粒は、印刷インキ及び塗料への使用だけでなく、接着剤、セメント・モルタル改質剤など各種用途への使用が可能である。
【産業上の利用分野】
本発明は、ダストが少なくて取り扱い易く且つ易分散を高めた顔料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗料やインキなどコーティング材料の分野において、着色等を目的として顔料を使用する場合には、安定した発色性や隠蔽性を確保するために、通常、原色塗料或いは原色ペーストとしてから配合されることが多い。
【0003】
原色塗料或いは原色ペーストは、夫々の色の顔料について、分散樹脂液や分散助剤を配合し、ボールミルやサンドミルなどの分散装置を用いて数時間にわたって分散処理を行ないペースト状とし用いるか、これを塗料化した原色塗料(エナメル)とする必要があり、多大な労力及びエネルギーを要していた。ベース塗料に各色の顔料粉を直接配合できれば工程削減になるが、各顔料粉を一次粒子まで分散するには多大な時間を要し、しかも安定した調色が困難であった。
【0004】
そこで、分散媒へ容易に分散可能で、しかも低粉塵である顔料顆粒の調製方法について種々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)が、易水分散性は特に良好であるとは言い難い。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−184901号公報
【特許文献2】
特開2001−81349号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、原色塗料或いは原色ペーストの作成工程を排除可能で、ダストが少なくて取り扱い易く、且つ易分散性を高めた顔料を製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、
1.顔料の水性懸濁液中に、該懸濁液に溶解しない有機溶剤微粒子の分散液を添加することによって得られた顔料懸濁液を噴霧乾燥することにより、顆粒状の顔料とすることを特徴とする易分散性を高めた顔料の製造方法、
2.1項記載の製造方法により得られる顔料顆粒、
3.2項記載の顔料顆粒を含有する組成物、
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明方法において顔料の水性懸濁液には、一般的な合成で得られた未精製顔料の水性懸濁液が含まれ、該顔料としては特に制限なく、塗料やインキ等の分野で使用される従来公知の無機顔料及び有機顔料に適用可能である。
【0009】
上記水性懸濁液は、必要に応じて添加剤として、分散剤(非イオン性、アニオン性またはカチオン性界面活性剤)、増粘剤、保護コロイド、チキソトロピー剤、消泡剤等を含むことができる。該分散剤は、モノマー性又はポリマー性であっても良く、得られる顔料顆粒の易分散性の点から、特にポリアルキレンオキシド鎖を有する非イオン性ポリマー性分散剤や、アニオン性ポリマー性分散剤が好ましい。これら添加剤成分は、得られる顔料顆粒中に固形分量として40重量%以下、好ましくは0.5〜20重量%含有されることが望ましい。
【0010】
本発明方法では、上記顔料の水性懸濁液中で、該懸濁液に溶解しない有機溶剤微粒子の分散液を添加することによって得られた顔料懸濁液を噴霧乾燥する。
【0011】
上記懸濁液に溶解しない溶剤微粒子は、水を連続相とし、有機溶剤を非連続相とする乳化物であって、通常、水、及び必要に応じて乳化剤の存在下で、有機溶剤を微細に分散して得られるものである。
【0012】
上記有機溶剤としては、水と混和しない疎水性の有機溶剤であることが望ましく、例えばn−ヘキサン、n−オクタン、2,2,2−トリメチルペンタン、イソオクタン、n−ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;ミネラルスピリット、「スワゾール1000」(丸善石油化学(株)製品)、石油エーテル、石油ベンゼン、石油ナフサ等の石油系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上適宜選択して混合してもよい。これらのうち、特に沸点が水よりも高沸点であるものを選択することが好適である。また上記疎水性の有機溶剤には、必要に応じてアルコール系、エーテル系、アルコールエーテル系などの水混和性有機溶剤を一部併用することもできる。該水混和性有機溶剤の使用量は、全有機溶剤使用量の20重量%以下程度であることが好ましい。
【0013】
上記有機溶剤を水中に分散する場合の使用量は、水と有機溶剤の合計100重量部に対して20〜80重量部程度であることが望ましい。
【0014】
乳化剤としては、公知のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が使用できる。アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩及等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0015】
上記溶剤微粒子は、例えば有機溶剤と乳化剤との混合物をディスパー等で攪拌しながら徐々に水を加える、或いは有機溶剤をディスパー等で攪拌しながらあらかじめ乳化剤を溶解させた乳化剤水溶液に加える、などの方法によって分散し、さらに必要に応じて高いエネギーをかけることによって強制的に分散・乳化する、などの方法によって得ることができる。高いエネルギーをかけて分散できる装置としては、例えば特許登録第2577314号公報などに開示されている遠心力で薄膜状にして高エネルギーを得ることのできる装置(TKフィルミックス)、或いは超高圧エネルギーを加えて流体同士を衝突させ、水中へ微細な液滴の状態に強制的分散する分散機、などが例示できる。超高圧エネルギーを加える分散機としては、流体を超高圧に加圧可能なチャンバー(分散部)内の流路の壁に衝突したり、互いに対向衝突したり排出されたりすることにより、キャビテーション、乱流、剪断力、衝撃力などの少なくとも1つが生じ、分散、破砕されて微細化する超高圧ホモジナイザーが挙げられる。具体的にはナノマイザー、アルティマイザーと言われる機種が該当する。
【0016】
上記の通り溶剤微粒子の水分散液が得られ、該溶剤微粒子の平均粒子径は、通常、0.01〜100μm、好ましくは0.05〜60μmの範囲内である。
【0017】
上記溶剤微粒子の水分散液は、前記顔料の水性懸濁液100重量部に、有機溶剤重量として10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部となるように導入され、分散されることが望ましい。
【0018】
上記の通り得られた顔料懸濁液の噴霧乾燥は、公知方法により行なうことができ、例えばガス処理した樹脂懸濁液を上から噴霧塔中に噴射させ、下から向流で、熱ガス、例えば空気又は窒素を供給し、かつ次いで樹脂顆粒を小球として下に沈殿させる噴霧乾燥による。
【0019】
本発明では、上記の通り乾燥後に顔料顆粒が得られる。ここで顔料顆粒とは、主として球形状で、平均粒子径が5〜3,000μm、好ましくは20〜2,000μm程度で、嵩密度が0.1〜3.0g/ml、好ましくは0.3〜1.5g/ml程度の顔料製剤である。得られる顔料顆粒の嵩密度あるいは粒子径は、気泡あるいは溶剤微粒子の導入量、噴霧機の形態等により適宜調整し得る。
【0020】
本発明方法によって得られた顔料顆粒は、特別な分散作業を行わなくとも、ポリマー材料と容易に混合可能であり、例えば塗料、印刷インクおよびプラスチックの着色の用途に特に好適である。
【0021】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」はいずれも重量基準を意味する。
【0022】
溶剤微粒子分散液の製造
上水150部に、「ノイゲンEA−120」(第一工業製薬社製、ノニオン界面活性剤)3部とミネラルスピリット150部を加え、ホモジナイザーで強制乳化して、平均粒子径約2μmの溶剤微粒子の分散液Pを得た。
【0023】
顔料顆粒の製造
実施例1
上記溶剤微粒子分散液P100部に「ノイゲンEA−120」を1部添加し、「チタン白JR−605」(テイカ社製、平均粒子径0.25μm、嵩密度4.1g/mlのチタン白)25部を加えながら、ディスパーで攪拌して均一になった後、100℃の熱風中に噴霧し乾燥させて、顆粒状チタン白▲1▼を得た。この顆粒状チタン白▲1▼は、平均粒子径100μm、嵩密度が0.5g/mlの球状粒子であった。
【0024】
実施例2
上記溶剤微粒子分散液P100部に「ノイゲンEA−120」2部を添加し、「ベンガラ335R」(戸田カラー社製、平均粒子径0.14μm、嵩密度が5.2g/mlのベンガラ)25部を加えながら、ディスパーで攪拌して均一になった後、100℃の熱風中に噴霧し乾燥させて、顆粒状赤錆色材▲2▼を得た。この顆粒状赤錆色材▲2▼は、平均粒子径200μm、嵩密度が0.45g/mlの球状粒子であった。
【0025】
顔料顆粒の応用、評価試験
上記の通り得られた顔料顆粒を、下記配合(ディスバーで攪拌しながら配合)で得られた濃彩用塗料ベース100部に顆粒状チタン白▲1▼20部、顆粒状赤錆色材▲2▼30部を添加し、シュパチラーで軽くかき混ぜて塗料Aを得た。また、比較例として、同じ濃彩用塗料ベース100部に「チタン白JR−605」10部、「ベンガラ335R」20部をそのまま添加し、シュパチラーで軽くかき混ぜて塗料Bを得た。
【0026】
濃彩用塗料ベース配合
ペガール866(高圧ガス工業社製エマルション) 100部
テキサノール 10部
エチレングリコール 3部
アデカノールUH−472(旭電化製増粘剤) 1.2部
アデカネートB−1016(旭電化製消泡剤) 1部
【0027】
「EPシーラー白」(関西ペイント社製、シーラー)を塗布したスレート板上に、上記塗料A、Bを夫々、刷毛で約100g/m2の塗布量で塗装し、1分間経過後に塗面の一部を指で5回転するように擦り、ラビング部を作成した。翌日、塗面の外観評価と、刷毛塗装面とラビング面との色の違いを下記の基準で評価した。その結果、塗料Aの評価は◎であったが、塗料Bでは△の評価であった。
【0028】
(評価基準)
◎:塗膜表面にブツが見られず、ラビング面との色の違いもない
○:塗膜表面にわずかにブツは見られるが、ラビング面との色の違いはない
△:塗膜表面のブツが目立つ、ラビング面との色の違いもはっきりと判る
×:ブツのため塗装時、筋になって塗装できない
【0029】
【発明の効果】
本発明方法によれば、ダストが少なく取り扱いが容易で、且つ易分散性を高めた顆粒状の顔料を安価に製造することができる。
【0030】
従って本発明方法により得られた顔料顆粒は、印刷インキ及び塗料への使用だけでなく、接着剤、セメント・モルタル改質剤など各種用途への使用が可能である。
Claims (3)
- 顔料の水性懸濁液中に、該懸濁液に溶解しない有機溶剤微粒子の分散液を添加することによって得られた顔料懸濁液を噴霧乾燥することにより、顆粒状の顔料とすることを特徴とする易分散性を高めた顔料の製造方法。
- 請求項1記載の製造方法により得られる顔料顆粒。
- 請求項2記載の顔料顆粒を含有する組成物。
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JP2003039215A JP2004250465A (ja) | 2003-02-18 | 2003-02-18 | 易分散性を高めた顔料の製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004269860A (ja) * | 2003-02-18 | 2004-09-30 | Kansai Paint Co Ltd | 水再分散性を有する粉状塗料及びその製造方法 |
JP2007197658A (ja) * | 2005-12-27 | 2007-08-09 | Kao Corp | インクジェット記録用水系インク |
JP2012233148A (ja) * | 2011-04-20 | 2012-11-29 | Mitsui Chemicals Inc | 水性インク用顔料 |
-
2003
- 2003-02-18 JP JP2003039215A patent/JP2004250465A/ja active Pending
Cited By (3)
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