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JP2004250348A - Method for producing alkylruthenocene - Google Patents

Method for producing alkylruthenocene Download PDF

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JP2004250348A
JP2004250348A JP2003040096A JP2003040096A JP2004250348A JP 2004250348 A JP2004250348 A JP 2004250348A JP 2003040096 A JP2003040096 A JP 2003040096A JP 2003040096 A JP2003040096 A JP 2003040096A JP 2004250348 A JP2004250348 A JP 2004250348A
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JP
Japan
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ether
producing
reaction
compound
sodium borohydride
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Application number
JP2003040096A
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Japanese (ja)
Inventor
Nobuhiro Ito
藤 伸 浩 伊
Ten Umeda
田 天 梅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Hokko Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Tanaka Kikinzoku Kogyo KK, Hokko Chemical Industry Co Ltd filed Critical Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for producing an alkylruthenocene, by which the alkylruthenocene can simply and industrially be produced with an easily handleable and safe reducing agent and an additive in high yield and selectivity. <P>SOLUTION: This method for producing the alkylruthenocene is characterized by reacting a monoacylruthenocene or a diacylruthenocene with sodium borohydride or zinc borohydride in the presence of zinc chloride. Even when the sodium borohydride is used as a reducing agent to need a long time for the completion of the slow reduction reaction, the further addition of an alcohol enables the highly quick advance of the reaction. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学気相蒸着法(CVD)によるルテニウム薄膜合成の原料などに有用な化合物であるアルキルルテノセンの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、アシルルテノセンのカルボニル基をメチレン基に還元してアルキルルテノセンを製造する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
アルキルルテノセンは、化学気相蒸着法(CVD)によるルテニウム薄膜合成の原料などに有用で、近年注目されている化合物である。
このようなアルキルルテノセンの製造方法としては、次のものが知られている。
(1) ルテノセンをn−ブチルリチウムなどのアニオン化剤でモノアニオン、またはジアニオンとした後、アルキルハライドと−80〜0℃の温度条件下で反応させる方法(収率89.8〜90%、特許文献1参照)。
(2) アシルルテノセンのカルボニル基を、白金触媒、パラジウム触媒、ルテニウム触媒、もしくはラネーニッケル触媒の存在下で、水素を添加してメチレン基とする方法(収率47.5〜57.9%、特許文献2,4参照)。
(3) アシルルテノセンのカルボニル基を、塩化アルミニウムの存在下で、リチウムアルミニウムハイドライドで還元してメチレン基とする方法(収率58.5〜90%、特許文献3、非特許文献1参照)。
(4) アシルルテノセンのカルボニル基を、三フッ化ホウ素・エーテル錯体の存在下で、水素化ホウ素ナトリウムで還元してメチレン基とする方法(収率95%、非特許文献2参照)。
(5) アシルルテノセンのカルボニル基を、硫酸の存在下で、水素化ホウ素ナトリウムで還元してメチレン基とする方法(収率未記載、特許文献5参照)。
(6) 塩化ルテニウムとアルキルシクロペンタジエンを、アルコール溶媒中で亜鉛粉と反応させる方法(収率71〜74%、特許文献6,7参照)。
(7) アルキルフェロセンと塩化ルテニウムとのリガンド交換反応(収率未記載、非特許文献3参照)。
【0003】
これらのうち、上記(1)の方法では、0℃以上の温度でアルキルハライドと反応を行うと、原料であるルテノセン、目的物であるモノアルキルルテノセン、ジアルキルルテノセンおよび副生成物であるトリアルキルルテノセンなどの混合物として得られるため、選択的にモノアルキルルテノセンまたはジアルキルルテノセンを製造するには、低温で長時間反応を行うことのできる特殊な反応装置が必要である。
【0004】
上記(2)の方法では、反応を1×10〜5×10Paの高圧水素雰囲気下で行う必要があることから、オートクレーブなどの耐圧反応容器が必要であり、また収率が低いといった問題もある。
上記(3)の方法では、いずれも大気中で容易に分解するリチウムアルミニウムハイドライドと塩化アルミニウムを用いなければならない。
【0005】
上記(4)の方法では、毒物であり金属などを容易に腐食させるなどのため取り扱いが困難な三フッ化ホウ素を用いなければならない。
上記(6)の方法では、−30〜0℃の温度範囲で亜鉛粉末を加える必要があることから、低温反応装置が必要である。また、重合しやすいため工業的に入手が困難なアルキルシクロペンタジエンを用いなければならない。
【0006】
上記(7)の方法では、210℃以上の高温が必要であり、また長時間反応を行っても生成量は微量である。
また、本発明者等は上記(5)の方法の追試を行ったところ還元反応が遅く、中間体であるアルコール体が主生成物として得られてしまうという問題点を確認している。
【0007】
このように上記(1)〜(7)のいずれの方法も、工業的にアルキルルテノセンを製造するには満足できる方法ではなかった。
そのため、取り扱いが容易で安全な還元剤、添加剤を用い、簡便な方法で、高収率かつ高選択的にアルキルルテノセンを工業的に製造し得る方法が望まれていた。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−220397号公報(第2頁左欄2行〜20行、第3頁段落番号[0019]、第4頁段落番号[0021]〜[0025]、第5頁段落番号[0030]〜[0033],[0037]〜[0039])
【特許文献2】
特開2001−172294号公報(第2頁左欄31行〜48行、第2頁右欄5行〜8行、第5頁段落番号[0029]〜[0030]、第5頁段落番号[0035]、第6頁段落番号[0037])
【特許文献3】
特開2001−172294号公報(第6頁段落番号[0039])
【特許文献4】
特開2001−163894号公報(第2頁左欄2行〜32行、第3頁段落番号[0014]〜[0016]、第4頁段落番号[0019]〜[0020]、第4頁段落番号[0030]〜第5頁段落番号[0033]
【特許文献5】
特開2001−163894号公報(第5頁段落番号[0034])
【特許文献6】
特開2001−163894号公報(第5頁段落番号[0036])
【特許文献7】
特開平11−35589号公報(第2頁左欄2行〜13行、第3頁段落番号[0012]〜第4頁段落番号[0019]、第5頁段落番号[0024]〜[0025])
【非特許文献1】
Mark、外1名,「インオーガニック・ケミストリー」,(米国),米国化学会,1964年,第3巻,第7号,p.1067
【非特許文献2】
Shul’pin,「Zh.Obshch.Khim.」,(ロシア),1981年,第51巻,第9号,p.2152−2153
【非特許文献3】
Gauthier,「ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ、ケミカル・コミュニケーション」,(英国),王立化学会,1969年,p.690
【0009】
【発明の目的】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、取り扱いが容易で安全な還元剤、添加剤を用い、簡便な方法で、高収率かつ高選択的にアルキルルテノセンを工業的に製造し得る方法を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
本発明者等は上記の問題点を解決するため鋭意検討した結果、アシルルテノセンを、塩化亜鉛の存在下で、水素化ホウ素金属、具体的には水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素亜鉛と反応させることにより、アシルルテノセンのカルボニル基がメチレン基に速やかに還元され、アルキルルテノセンが高収率かつ高選択的に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は以下のとおりに要約される。
第1の本発明に係るモノアルキルルテノセンの製造方法は、下記一般式(1)で表されるモノアシルルテノセン
【0012】
【化9】

Figure 2004250348
【0013】
(式中、Rは直鎖または分岐状のアルキル基を示す。)と、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素亜鉛を、塩化亜鉛の存在下で反応させて、下記一般式(2)で表されるモノアルキルルテノセンを製造することを特徴としている。
【0014】
【化10】
Figure 2004250348
【0015】
(式中、Rは前記と同一の意味である。)
第2の本発明に係るジアルキルルテノセンの製造方法は、下記一般式(3)で表されるジアシルルテノセン
【0016】
【化11】
Figure 2004250348
【0017】
(式中、RおよびRは直鎖または分岐状のアルキル基を示し、RおよびRは互いに同一または異なっていてもよい。)と、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素亜鉛を、塩化亜鉛の存在下で反応させて、下記一般式(4)で表されるジアルキルルテノセンを製造することを特徴としている。
【0018】
【化12】
Figure 2004250348
【0019】
(式中、RおよびRは前記と同一の意味である。)
また、第1および第2の発明において、溶媒としてエーテル類、もしくはエーテル類と炭化水素との混合溶媒を用いることが特に好適である。ここで用いるエーテル類としては、THF、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサンまたはジメトキシエタンが好ましい。
【0020】
第1および第2の発明において、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを用いた場合、アシルルテノセンと溶媒の種類の組み合わせによっては、還元反応が遅くなり、反応を完結するまでに多くの時間を要してしまう場合がある。本発明者等はこの問題点を解決すべく鋭意検討を行った結果、添加剤として塩化亜鉛とともにアルコールを用いることで、還元反応を極めて速やかに進行させることができることを見出し以下の発明を完成するに至った。
【0021】
すなわち、第3の本発明に係るモノアルキルルテノセンの製造方法は、上記一般式(1)で表されるモノアシルルテノセンと、水素化ホウ素ナトリウムを、塩化亜鉛およびアルコールの存在下で反応させて、上記一般式(2)で表されるモノアルキルルテノセンを製造することを特徴としている。
第4の本発明に係るジアルキルルテノセンの製造方法は、上記一般式(3)で表されるジアシルルテノセンと、水素化ホウ素ナトリウムを、塩化亜鉛およびアルコールの存在下で反応させて、上記一般式(4)で表されるジアルキルルテノセンを製造することを特徴としている。
【0022】
また、第3および第4の発明において、アルコールとしてはメタノールまたはエタノールが特に好適である。
また、第3および第4の発明において、溶媒としてエーテル類、もしくはエーテル類と炭化水素との混合溶媒を用いることが特に好適である。ここで用いるエーテル類としては、THF、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサンまたはジメトキシエタンが好ましい。
【0023】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
第1の本発明では、一般式(1)で表されるモノアシルルテノセン(以下「化合物(1)」ともいう)と、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素亜鉛を、塩化亜鉛の存在下で反応させて化合物(1)を還元することにより、一般式(2)で表されるモノアルキルルテノセン(以下「化合物(2)」ともいう)を得ている。
【0024】
そして第2の本発明では、一般式(3)で表されるジアシルルテノセン(以下「化合物(3)」ともいう)と、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素亜鉛を、塩化亜鉛の存在下で反応させて化合物(3)を還元することにより、一般式(4)で表されるジアルキルルテノセン(以下「化合物(4)」ともいう)を得ている。
【0025】
一般式(1)および一般式(2)において、Rで示される直鎖または分岐状のアルキル基としては、たとえば炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
一般式(3)および一般式(4)において、RおよびRで示される直鎖または分岐状のアルキル基としては、たとえば炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基などが挙げられる。
【0026】
第1および第2の本発明では、還元剤として下式(5)で表される水素化ホウ素ナトリウム
Na(BH) (5)
または下式(6)で表される水素化ホウ素亜鉛
Zn(BH (6)
を用いている。
【0027】
還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを使用する場合、第1の本発明では化合物(1)に対してモル比で2〜5倍の範囲で用いることが好ましく、特に2〜4倍の範囲であることが好ましい。また第2の本発明では化合物(3)に対してモル比で4〜10倍の範囲で用いることが好ましく、特に4〜8倍の範囲であることが好ましい。水素化ホウ素ナトリウムの使用量が少ないと還元反応が途中で止まり、目的物である化合物(2)あるいは化合物(4)と、原料である化合物(1)あるいは化合物(3)や中間体であるアルコール体との混合物となってしまうので好ましくない。また使用量があまり多くなると、反応の進行は速くなるものの、未反応の水素化ホウ素ナトリウムが大量に残ってしまい、目的物である化合物(2)あるいは化合物(4)を効率よく得ることが困難になるので好ましくない。
【0028】
還元剤として水素化ホウ素亜鉛を使用する場合、第1の本発明では化合物(1)に対してモル比で1〜2.5倍の範囲で用いることが好ましく、特に1〜2倍の範囲であることが好ましい。また第2の本発明では化合物(3)に対してモル比で2〜5倍の範囲で用いることが好ましく、特に2〜4倍の範囲であることが好ましい。水素化ホウ素亜鉛の使用量が少ないと還元反応が途中で止まり、目的物である化合物(2)あるいは化合物(4)と、原料である化合物(1)あるいは化合物(3)や中間体であるアルコール体との混合物となってしまうので好ましくない。また使用量があまり多くなると、反応の進行は速くなるものの、未反応の水素化ホウ素亜鉛が大量に残ってしまい、目的物である化合物(2)あるいは化合物(4)を効率よく得ることが困難になるので好ましくない。
【0029】
水素化ホウ素亜鉛は、たとえば水素化ホウ素ナトリウムをTHFなどの溶媒に溶かした溶液に、塩化亜鉛をTHFなどの溶媒に溶かした溶液を滴下しながら加えて撹拌下に反応させ、得られた反応混合物から白色の無機塩をろ別除去することで、水素化ホウ素亜鉛の溶液として得ることができる。
第1および第2の本発明では、塩化亜鉛を添加剤として用いている。その使用量としては上記式(5)または式(6)の水素化ホウ素金属に対してモル比で0.5〜2.5倍の範囲であることが好ましく、特に0.8〜2倍の範囲であることが好ましい。塩化亜鉛の使用量が少ないと還元反応が途中で止まり、目的物である化合物(2)あるいは化合物(4)と中間体であるアルコール体との混合物となってしまうので好ましくない。また使用量があまり多くなると、未反応の塩化亜鉛が大量に残ってしまい、目的物である化合物(2)あるいは化合物(4)を効率よく得ることが困難になるので好ましくない。
【0030】
第1および第2の本発明では、反応操作として、原料の化合物(1)または化合物(3)と、還元剤の水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素亜鉛と、添加剤の塩化亜鉛と、溶媒との所定量を反応容器に加え、所要の温度、時間で継続して反応させて目的とする化合物(2)または化合物(4)を得ている。これらを該反応容器に加える順序は特に限定されず任意である。
【0031】
具体的な反応操作としては、たとえばあらかじめ水素化ホウ素ナトリウムを反応容器に入れておき、そこに化合物(1)または化合物(3)、またはこれを溶媒に溶かした溶液を加えておく。次いで塩化亜鉛を溶媒に溶かした溶液を滴下して加えて反応を進行させることができる。
また、たとえばあらかじめ塩化亜鉛を溶媒に溶かした溶液を反応容器に入れておき、そこに化合物(1)または化合物(3)、またはこれを溶媒に溶かした溶液を加えておく。次いで水素化ホウ素亜鉛を溶媒に溶かした溶液を滴下して加えて反応を進行させることができる。
【0032】
このように適当な溶液を滴下しながら反応を進行させる場合、通常0〜50℃の温度の反応混合物中に、通常0.1〜12時間、好ましくは0.1〜8時間かけて加えることが好ましい。続けて必要に応じて反応混合物を加温して反応を進行させる。この時の反応温度は、用いる原料、反応溶媒により異なるが、0〜200℃が好ましく、特に60〜100℃が好ましい。また、反応時間は反応温度、得られる目的物によって異なるが、通常0.1〜48時間、好ましくは0.1〜24時間である。
【0033】
また、反応は窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
反応溶媒としては、特に限定されないが、エーテル類、もしくはエーテル類と炭化水素との混合溶媒を用いることが特に好適である。
エーテル類としては、THF、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、またはジメトキシエタンが好ましい。エーテル類は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0034】
炭化水素としては、たとえばn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。炭化水素は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
第1および第2の発明において、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを用いた場合、アシルルテノセンと溶媒の種類の組み合わせによっては、還元反応が遅くなり、反応が完結するまでに多くの時間を要してしまう場合がある。この場合、添加剤として塩化亜鉛とともにアルコールを用いることで還元反応を極めて速やかに進行させることができる。
【0035】
すなわち、第3の本発明では、化合物(1)のモノアシルルテノセンを、塩化亜鉛およびアルコールの存在下で水素化ホウ素ナトリウムと反応させて還元することにより、化合物(2)のモノアルキルルテノセンを得ている。
第4の本発明では、化合物(3)のジアシルルテノセンを、塩化亜鉛およびアルコールの存在下で水素化ホウ素ナトリウムと反応させて還元することにより、化合物(4)のジアルキルルテノセンを得ている。
【0036】
添加剤として用いるアルコールとしては、特にメタノールまたはエタノールが好ましい。アルコールは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。その使用量としては水素化ホウ素ナトリウムに対してモル比で0.1〜3倍の範囲であることが好ましく、特に0.5〜2倍の範囲であることが好ましい。アルコールの使用量が少ないと還元反応が途中で止まり、目的物である化合物(2)あるいは化合物(4)と中間体であるアルコール体との混合物となってしまうので好ましくない。また使用量があまり多くなると、水素化ホウ素ナトリウムがアルコールによって失活してしまい、還元反応が進行しなくなるので好ましくない。
【0037】
水素化ホウ素ナトリウムの使用量としては、第3の本発明では化合物(1)に対してモル比で2〜5倍の範囲で用いることが好ましく、特に2〜4倍の範囲であることが好ましい。また第4の本発明では化合物(3)に対してモル比で4〜10倍の範囲で用いることが好ましく、特に4〜8倍の範囲であることが好ましい。水素化ホウ素ナトリウムの使用量があまり少ないかあるいは過剰であるのは、前記と同様の理由により好ましくない。
【0038】
添加剤である塩化亜鉛の使用量としては、第3および第4の発明ともに、水素化ホウ素ナトリウムに対してモル比で0.5〜2.5倍の範囲であることが好ましく、特に0.8〜2倍の範囲であることが好ましい。塩化亜鉛の使用量があまり少ないかあるいは過剰であるのは、前記と同様の理由により好ましくない。
第3および第4の本発明では、反応操作として、原料の化合物(1)または化合物(3)と、還元剤の水素化ホウ素ナトリウムと、添加剤の塩化亜鉛およびアルコールと、溶媒との所定量を反応容器に加え、所要の温度、時間で継続して反応させて目的とする化合物(2)または化合物(4)を得ている。これらを該反応容器に加える順序は特に限定されず任意である。
【0039】
具体的な反応操作としては、たとえばあらかじめ水素化ホウ素ナトリウムを反応容器に入れておき、そこに化合物(1)または化合物(3)、またはこれを溶媒に溶かした溶液を加えておく。次いで塩化亜鉛およびアルコールを溶媒に溶かした溶液を滴下しながら加えて反応を進行させることができる。
また、たとえばあらかじめ塩化亜鉛およびアルコールを溶媒に溶かした溶液を反応容器に入れておき、そこに化合物(1)または化合物(3)、またはこれを溶媒に溶かした溶液を加えておく。次いで水素化ホウ素ナトリウムを溶媒に溶かした溶液を滴下しながら加えて反応を進行させることができる。
【0040】
このように適当な溶液を滴下しながら反応を進行させる場合、通常0〜50℃の温度の反応混合物中に、通常0.1〜12時間、好ましくは0.1〜8時間かけて加えることが好ましい。続けて必要に応じて反応混合物を加温して反応を進行させる。この時の反応温度は、用いる原料、反応溶媒により異なるが、0〜200℃が好ましく、特に60〜100℃が好ましい。また、反応時間は反応温度、得られる目的物によって異なるが、通常0.1〜48時間、好ましくは0.1〜24時間である。
【0041】
また、反応は窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
反応溶媒としては、特に限定されないが、エーテル類、もしくはエーテル類と炭化水素との混合溶媒を用いることが特に好適である。
エーテル類としては、THF、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、またはジメトキシエタンが好ましい。エーテル類は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0042】
炭化水素としては、たとえばn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、トルエン、キシレンが挙げられる。炭化水素は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
反応終了後、未反応の水素化ホウ素金属や、水素化ホウ素金属より生成するホウ素化合物、および塩化亜鉛より生成する亜鉛化合物を除去する必要があるが、反応混合物と硫酸や塩酸のような鉱酸水溶液とを混合することにより水に溶かして除去することが好ましい。このような水溶液は反応混合物に加えてもよく、反応混合物を水溶液に加えてもよい。
【0043】
このようにして得られた混合物を水層と有機層とに層分離させ、水層を除去することにより粗生成物を得る。ここで層分離が困難な場合、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの溶媒を単独か、あるいは混合したものを有機層に追加して抽出してもよい。
このようにして得られた粗生成物を、例えば蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶などにて単離、精製することにより、化合物(2)のモノアルキルルテノセン、または化合物(4)のジアルキルルテノセンが得られる。
【0044】
このように、本発明によればCVDによるルテニウム薄膜合成の原料などに用いられるアルキルルテノセンを簡便な方法で、高収率かつ高選択的に製造することができる。また、一般的な反応装置が利用可能で、水素化ホウ素ナトリウムや塩化亜鉛も入手が容易であり、取り扱いも容易で比較的安全である。したがって、工業的な製造においては、安価に効率よく、大量にアルキルルテノセンを合成することができる。
【0045】
このようにして得られるモノアルキルルテノセンおよびジアルキルルテノセン、およびその原料であるモノアシルルテノセンおよびジアシルルテノセンの具体例を表1および表2に示す。
【0046】
【表1】
Figure 2004250348
【0047】
【表2】
Figure 2004250348
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等制限されるものではない。
【0049】
【実施例1】
還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを、添加剤として塩化亜鉛を用いたブチリルルテノセンの還元によるブチルルテノセンの製造(ジフェニルエーテル、THFおよびトルエンの混合溶媒)
撹拌機および還流コンデンサーを取り付け、窒素置換して乾燥させた500ml容量の四頚フラスコに、水素化ホウ素ナトリウム4.09g(108.1mmol、2.5モル倍量)を入れ、窒素雰囲気下において20〜30℃の温度条件下でブチリルルテノセン13.0g(43.1mmol)とジフェニルエーテル50mlとトルエン50mlとの混合溶液を20分かけて滴下しながら加えた。続けて20〜40℃の温度条件下でTHF50mlに溶解した塩化亜鉛14.7g(107.9mmol、2.5モル倍量)を滴下しながら加え、続けてマントルヒーターで加熱し、70〜80℃の温度条件下で2時間撹拌した。得られた反応混合物に10〜20℃の温度条件下で10%硫酸水溶液180mlを滴下しながら加えることで反応を終了させ、十分撹拌した後分液した。分液上層である有機層を10%硫酸水溶液50mlで洗浄した後、10%炭酸ナトリウム水溶液50mlで洗浄した。得られた有機層を減圧蒸留で濃縮し、粗生成物を14.1g得た。内標分析よりブチルルテノセンの反応収率は98.9%であった。
【0050】
得られた化合物の物性は以下のとおりである。
Mass:m/z288(M),245(100%),167
H NMR:δ4.51−4.48(7H,m),4.43(2H,t,J=1.55Hz),2.18(2H,dd,J=8.58、6.78Hz),1.53−1.25(4H,m),0.90(3H,t,J=7.14Hz)
13C NMR:δ93.4,70.7,70.3,69.2,33.9,28.9,22.6,14.0
性状:淡黄色液体
沸点:115℃/106Pa
【0051】
【実施例2】
還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを、添加剤として塩化亜鉛を用いたブチリルルテノセンの還元によるブチルルテノセンの製造(THF溶媒)
撹拌機および還流コンデンサーを取り付け、窒素置換して乾燥させた50ml容量の四頚フラスコに、水素化ホウ素ナトリウム0.20g(5.29mmol、3.18モル倍量)を入れ、窒素雰囲気下において20〜30℃の温度条件下でTHF4mlに溶解したブチリルルテノセン0.50g(1.66mmol)を20分かけて滴下しながら加えた。続けて20〜40℃の温度条件下でTHF6mlに溶解した塩化亜鉛0.68g(4.99mmol、3.0モル倍量)を滴下しながら加え、続けてマントルヒーターで加熱し、還流条件下で12時間撹拌した。得られた反応混合物にトルエン10mlを加えた後、10〜20℃の温度条件下で10%硫酸水溶液10mlを滴下しながら加えることで反応を終了させ、十分撹拌した後分液した。分液上層である有機層を10%硫酸水溶液5mlで洗浄した後、10%炭酸ナトリウム水溶液5mlで洗浄した。得られた有機層を真空エバポレーターで減圧濃縮し、粗生成物を0.82g得た。内標分析よりブチルルテノセンの反応収率は81.0%であった。
【0052】
【実施例3】
還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを、添加剤として塩化亜鉛とメタノールを用いたブチリルルテノセンの還元によるブチルルテノセンの製造(THF溶媒)
撹拌機および還流コンデンサーを取り付け、窒素置換して乾燥させた300ml容量の四頚フラスコに、水素化ホウ素ナトリウム3.3g(87.2mmol、2.0モル倍量)を入れ、窒素雰囲気下において20〜30℃の温度条件下でTHF50mlに溶解したブチリルルテノセン13.0g(43.1mmol)を20分かけて滴下しながら加えた。続けて20〜40℃の温度条件下でTHF50mlに溶解した塩化亜鉛11.8g(86.6mmol、2.0モル倍量)およびメタノール2.8g(87.4mmol、2.0モル倍量)の混合物を滴下しながら加え、続けてマントルヒーターで加熱し、還流条件下で2時間撹拌した。得られた反応混合物にトルエン100mlを加えた後、10〜20℃の温度条件下で10%硫酸水溶液150mlを滴下しながら加えることで反応を終了させ、十分撹拌した後分液した。分液上層である有機層を10%硫酸水溶液40mlで洗浄した後、10%炭酸ナトリウム水溶液40mlで洗浄した。得られた有機層を真空エバポレーターで減圧濃縮し、粗生成物を13.0g得た。内標分析よりブチルルテノセンの反応収率は97.4%であった。
【0053】
【水素化ホウ素亜鉛の調整例】
水素化ホウ素亜鉛・THF溶液の調製
撹拌機および還流コンデンサーを取り付け、窒素置換して乾燥させた300ml容量の四頚フラスコに、水素化ホウ素ナトリウム9.24g(244mmol)とTHF20mlを入れ、窒素雰囲気下において0〜10℃の温度条件下でTHF160mlに溶解した塩化亜鉛16.62g(122mmol)を滴下しながら加え、続けて20〜30℃の温度条件下で14時間撹拌した。得られた反応混合物から白色の無機塩を窒素雰囲気下でろ別除去することで、水素化ホウ素亜鉛のTHF溶液を得た。
【0054】
【実施例4】
還元剤として水素化ホウ素亜鉛を、添加剤として塩化亜鉛を用いたブチリルルテ ノセンの還元によるブチルルテノセンの製造
撹拌機および還流コンデンサーを取り付け、窒素置換して乾燥させた500ml容量の四頚フラスコに、塩化亜鉛16.6g(122mmol、2.0モル倍量)とTHF20mlを入れ、窒素雰囲気下において10〜20℃の温度条件下でTHF20mlに溶解したブチリルルテノセン18.0g(59.7mmol)を30分かけて滴下しながら加えた。続けて水素化ホウ素ナトリウム9.3g(246mmol、4.1モル倍量)、THF180mlおよび塩化亜鉛16.6g(122mmol、2.0モル倍量)より調製した水素化ホウ素亜鉛・THF溶液を10〜30℃の温度条件下で滴下しながら加え、続けてマントルヒーターで加熱し、還流条件下で3時間撹拌した。別途用意した撹拌機および還流コンデンサーを取り付けた1.0L容量の四頚フラスコに20%硫酸水溶液440mlとトルエン150mlを入れ、得られた反応混合物を0〜20℃の温度条件下で滴下しながら加えることで反応を終了させ、十分撹拌した後分液した。分液上層である有機層を20%硫酸水溶液100mlで洗浄した後、10%炭酸ナトリウム水溶液100mlで洗浄した。得られた有機層を真空エバポレーターで減圧濃縮し、粗生成物を21.56g得た。内標分析よりブチルルテノセンの反応収率は98.1%であった。
【0055】
【実施例5】
還元剤として水素化ホウ素亜鉛を、添加剤として塩化亜鉛を用いたアセチルルテノセンの還元によるエチルルテノセンの製造
撹拌機および還流コンデンサーを取り付け、窒素置換して乾燥させた100ml容量の四頚フラスコに、塩化亜鉛3.3g(24.2mmol、2.1モル倍量)とTHF5mlを入れ、窒素雰囲気下において10〜20℃の温度条件下でTHF5mlに溶解したアセチルルテノセン3.16g(11.6mmol)を30分かけて滴下しながら加えた。続けて水素化ホウ素ナトリウム1.8g(47.6mmol、4.1モル倍量)、THF35mlおよび塩化亜鉛3.3g(24.2mmol、2.1モル倍量)より調製した水素化ホウ素亜鉛・THF溶液を10〜30℃の温度条件下で滴下しながら加え、続けてマントルヒーターで加熱し、還流条件下で2時間撹拌した。別途用意した撹拌機および還流コンデンサーを取り付けた300ml容量の四頚フラスコに20%硫酸水溶液100mlとトルエン40mlを入れ、得られた反応混合物を10〜20℃の温度条件下で滴下しながら加えることで反応を終了させ、十分撹拌した後分液した。分液上層である有機層を20%硫酸水溶液20mlで洗浄した後、10%炭酸ナトリウム水溶液20mlで洗浄した。得られた有機層を真空エバポレーターで減圧濃縮し、粗生成物を4.01g得た。エチルルテノセンの反応収率は96.2%であった。
【0056】
得られた化合物の物性は以下のとおりである。
Mass:m/z260(M),245(100%),167
【0057】
【実施例6】
還元剤として水素化ホウ素亜鉛を、添加剤として塩化亜鉛を用いたジアセチルルテノセンの還元によるジエチルルテノセンの製造
撹拌機および還流コンデンサーを取り付け、窒素置換して乾燥させた100ml容量の四頚フラスコに、塩化亜鉛2.6g(19.1mmol、4.2モル倍量)とTHF5mlを入れ、窒素雰囲気下において10〜20℃の温度条件下でTHF5mlに溶解したジアセチルルテノセン1.44g(4.56mmol)を30分かけて滴下しながら加えた。続けて水素化ホウ素ナトリウム1.4g(37.0mmol、8.1モル倍量)、THF30mlおよび塩化亜鉛2.6g(19.1mmol、4.2モル倍量)より調製した水素化ホウ素亜鉛・THF溶液を10〜30℃の温度条件下で滴下しながら加え、続けてマントルヒーターで加熱し、還流条件下で3時間撹拌した。別途用意した撹拌機および還流コンデンサーを取り付けた200ml容量の四頚フラスコに20%硫酸水溶液70mlとトルエン20mlを入れ、得られた反応混合物を10〜20℃の温度条件下で滴下しながら加えることで反応を終了させ、十分撹拌した後分液した。分液上層である有機層を20%硫酸水溶液15mlで洗浄した後、10%炭酸ナトリウム水溶液15mlで洗浄した。得られた有機層を真空エバポレーターで減圧濃縮し、粗生成物を1.93g得た。ジエチルルテノセンの反応収率は96.5%であった。
【0058】
得られた化合物の物性は以下のとおりである。
Mass:m/z288(M),273(100%),258,191,167
【0059】
【比較例】
還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを、添加剤として硫酸を用いたブチリルルテノセンの還元によるブチルルテノセンの製造
撹拌機および還流コンデンサーを取り付け、窒素置換して乾燥させた50ml容量の四頚フラスコに、水素化ホウ素ナトリウム0.84g(22.0mmol、2.0モル倍量)を入れ、窒素雰囲気下において10〜30℃の温度条件下でTHF20mlに溶解したブチリルルテノセン3.3g(11.0mmol)を滴下しながら加えた。続けて20〜40℃の温度条件下で濃硫酸1.1g(11.2mmol、1.0モル倍量)を滴下しながら加え、続けてマントルヒーターで加熱し、還流条件下で撹拌した。2時間撹拌を行った時のブチルルテノセンと1−ヒドロキシブチルルテノセンの比率は25.6:74.4であったことから、さらに4時間撹拌を行ったが、比率の変化はみられなかった。
【0060】
【発明の効果】
第1〜第4の本発明に係るアルキルルテノセンの製造方法によれば、取り扱いが容易で安全な還元剤、添加剤を用い、簡便な方法で、高収率かつ高選択的にアルキルルテノセンを工業的に製造し得る。
また、第3および第4の本発明に係るアルキルルテノセンの製造方法によれば、アルコールを添加剤として用いることとしたので、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを用いた際に、アシルルテノセンと溶媒の種類の組み合わせによっては、還元反応が遅くなり、反応を完結するまでに多くの時間を要してしまう場合であっても反応を極めて速やかに進行させることができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing alkylruthenocene, which is a compound useful as a raw material for synthesizing ruthenium thin films by chemical vapor deposition (CVD). More specifically, the present invention relates to a method for producing alkylruthenocene by reducing the carbonyl group of acylruthenocene to a methylene group.
[0002]
TECHNICAL BACKGROUND OF THE INVENTION
Alkylruthenocene is a compound that is useful as a raw material for synthesizing ruthenium thin films by chemical vapor deposition (CVD), and has recently attracted attention.
The following is known as a method for producing such an alkylruthenocene.
(1) A method in which ruthenocene is converted into a monoanion or a dianion with an anionizing agent such as n-butyllithium and then reacted with an alkyl halide at a temperature of -80 to 0 ° C (yield: 89.8 to 90%, Patent Document 1).
(2) A method of converting a carbonyl group of acylruthenocene into a methylene group by adding hydrogen in the presence of a platinum catalyst, a palladium catalyst, a ruthenium catalyst, or a Raney nickel catalyst (yield 47.5 to 57.9%; 2, 4).
(3) A method of reducing the carbonyl group of acylruthenocene with lithium aluminum hydride in the presence of aluminum chloride to form a methylene group (yield 58.5-90%, see Patent Document 3 and Non-Patent Document 1).
(4) A method in which the carbonyl group of acylruthenocene is reduced with sodium borohydride in the presence of boron trifluoride-ether complex to form a methylene group (95% yield, see Non-Patent Document 2).
(5) A method in which a carbonyl group of acylruthenocene is reduced with sodium borohydride in the presence of sulfuric acid to give a methylene group (yield not described, see Patent Document 5).
(6) A method in which ruthenium chloride and alkylcyclopentadiene are reacted with zinc powder in an alcohol solvent (yield: 71 to 74%, see Patent Documents 6 and 7).
(7) Ligand exchange reaction between alkyl ferrocene and ruthenium chloride (yield not described, see Non-Patent Document 3).
[0003]
Of these, in the above method (1), when the reaction with an alkyl halide is carried out at a temperature of 0 ° C. or higher, ruthenocene as a raw material, monoalkylruthenocene and dialkylruthenocene as objective products, and trialkylruthenocene as a by-product are obtained. Since it is obtained as a mixture of alkylruthenocene and the like, in order to selectively produce monoalkylruthenocene or dialkylruthenocene, a special reactor capable of performing a reaction at a low temperature for a long time is required.
[0004]
In the above method (2), the reaction is performed at 1 × 105~ 5 × 106Since it is necessary to carry out the reaction under a high-pressure hydrogen atmosphere of Pa, a pressure-resistant reaction vessel such as an autoclave is required, and there is a problem that the yield is low.
In the above method (3), it is necessary to use lithium aluminum hydride and aluminum chloride which are easily decomposed in the air.
[0005]
In the above method (4), it is necessary to use boron trifluoride which is difficult to handle because it is a poison and easily corrodes metals and the like.
In the above method (6), since it is necessary to add zinc powder in a temperature range of -30 to 0 ° C, a low-temperature reactor is required. Further, an alkylcyclopentadiene which is difficult to obtain industrially because of easy polymerization must be used.
[0006]
In the above method (7), a high temperature of 210 ° C. or more is required, and even if the reaction is carried out for a long time, the amount produced is very small.
In addition, the present inventors have conducted an additional test of the above method (5), and have confirmed that the reduction reaction is slow, and that an alcohol compound as an intermediate is obtained as a main product.
[0007]
As described above, none of the above methods (1) to (7) was a satisfactory method for industrially producing alkylruthenocene.
Therefore, there has been a demand for a method capable of industrially producing alkylruthenocene with high yield and high selectivity by a simple method using a reducing agent and an additive which are easy and safe to handle.
[0008]
[Patent Document 1]
JP-A-2002-220397 (page 2, left column, lines 2 to 20, page 3 paragraph numbers [0019], page 4 paragraph numbers [0021] to [0025], page 5 paragraph numbers [0030] to [0033], [0037] to [0039])
[Patent Document 2]
JP 2001-172294 A (page 2, left column, line 31 to line 48, page 2, right column, line 5 to line 8, page 5 paragraph numbers [0029] to [0030], page 5 paragraph number [0035] ], Page 6, paragraph number [0037])
[Patent Document 3]
JP 2001-172294 A (Page 6, paragraph [0039])
[Patent Document 4]
JP 2001-163894 A (page 2, left column, lines 2 to 32, page 3 paragraph numbers [0014] to [0016], page 4 paragraph numbers [0019] to [0020], page 4 paragraph numbers [0030] to page 5 paragraph number [0033]
[Patent Document 5]
JP 2001-163894 A (page 5, paragraph [0034])
[Patent Document 6]
JP 2001-163894 A (page 5, paragraph number [0036])
[Patent Document 7]
JP-A-11-35589 (page 2, left column, lines 2 to 13, page 3 paragraph number [0012] to page 4 paragraph number [0019], page 5 paragraph number [0024] to [0025])
[Non-patent document 1]
Mark, et al., "Inorganic Chemistry", (USA), American Chemical Society, 1964, Vol. 3, No. 7, p. 1067
[Non-patent document 2]
Shul'pin, "Zh. Obshch. Khim.", (Russia), 1981, Vol. 51, No. 9, p. 2152-2153
[Non-Patent Document 3]
Gauthier, "Journal of Chemical Society, Chemical Communication", (UK), Royal Society of Chemistry, 1969, p. 690
[0009]
[Object of the invention]
The present invention has been made in order to solve the above-mentioned problems of the prior art, and uses a reducing agent and an additive which are easy to handle and safe, by a simple method, and in a high yield and a high selectivity. It is an object of the present invention to provide a method for industrially producing sen.
[0010]
Summary of the Invention
The present inventors have conducted intensive studies to solve the above problems, and as a result, reacting acylruthenocene with metal borohydride, specifically, sodium borohydride or zinc borohydride in the presence of zinc chloride. As a result, the carbonyl group of acylruthenocene was rapidly reduced to a methylene group, and alkylruthenocene was obtained with high yield and high selectivity, and the present invention was completed.
[0011]
That is, the present invention is summarized as follows.
The first method for producing a monoalkylruthenocene according to the present invention comprises a monoacylruthenocene represented by the following general formula (1).
[0012]
Embedded image
Figure 2004250348
[0013]
(Where R1Represents a linear or branched alkyl group. ) And sodium borohydride or zinc borohydride in the presence of zinc chloride to produce a monoalkylruthenocene represented by the following general formula (2).
[0014]
Embedded image
Figure 2004250348
[0015]
(Where R1Has the same meaning as described above. )
A second method for producing a dialkylruthenocene according to the present invention comprises a diacylruthenocene represented by the following general formula (3).
[0016]
Embedded image
Figure 2004250348
[0017]
(Where R2And R3Represents a linear or branched alkyl group;2And R3May be the same or different from each other. ) And sodium borohydride or zinc borohydride in the presence of zinc chloride to produce a dialkylruthenocene represented by the following general formula (4).
[0018]
Embedded image
Figure 2004250348
[0019]
(Where R2And R3Has the same meaning as described above. )
In the first and second inventions, it is particularly preferable to use ethers or a mixed solvent of ethers and a hydrocarbon as the solvent. The ethers used here are preferably THF, diphenyl ether, dibutyl ether, diisopropyl ether, diethyl ether, dioxane or dimethoxyethane.
[0020]
In the first and second inventions, when sodium borohydride is used as the reducing agent, depending on the combination of the acylruthenocene and the type of the solvent, the reduction reaction is slow, and it takes a long time to complete the reaction. May be lost. The present inventors have conducted intensive studies in order to solve this problem, and as a result, have found that the use of an alcohol together with zinc chloride as an additive allows the reduction reaction to proceed very quickly, and complete the following invention. Reached.
[0021]
That is, the third method for producing a monoalkylruthenocene according to the present invention comprises reacting a monoacylruthenocene represented by the general formula (1) with sodium borohydride in the presence of zinc chloride and an alcohol. Thus, a monoalkylruthenocene represented by the general formula (2) is produced.
A fourth method for producing a dialkylruthenocene according to the present invention comprises reacting a diacylruthenocene represented by the above general formula (3) with sodium borohydride in the presence of zinc chloride and an alcohol, It is characterized by producing a dialkylruthenocene represented by the formula (4).
[0022]
In the third and fourth inventions, methanol or ethanol is particularly preferred as the alcohol.
In the third and fourth inventions, it is particularly preferable to use ethers or a mixed solvent of ethers and a hydrocarbon as the solvent. The ethers used here are preferably THF, diphenyl ether, dibutyl ether, diisopropyl ether, diethyl ether, dioxane or dimethoxyethane.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described specifically.
In the first invention, a monoacylruthenocene represented by the general formula (1) (hereinafter also referred to as “compound (1)”) and sodium borohydride or zinc borohydride are mixed in the presence of zinc chloride. By reacting and reducing the compound (1), a monoalkylruthenocene represented by the general formula (2) (hereinafter, also referred to as “compound (2)”) is obtained.
[0024]
In the second aspect of the present invention, diacylruthenocene represented by the general formula (3) (hereinafter, also referred to as “compound (3)”) and sodium borohydride or zinc borohydride are mixed in the presence of zinc chloride. By reacting and reducing the compound (3), a dialkylruthenocene represented by the general formula (4) (hereinafter, also referred to as “compound (4)”) is obtained.
[0025]
In the general formulas (1) and (2), R1Examples of the linear or branched alkyl group represented by are alkyl groups having 1 to 20 carbon atoms. Specific examples include a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group, an n-butyl group, an isobutyl group, a sec-butyl group, and a t-butyl group.
In the general formulas (3) and (4), R2And R3Examples of the linear or branched alkyl group represented by are alkyl groups having 1 to 20 carbon atoms. Specific examples include a methyl group.
[0026]
In the first and second inventions, sodium borohydride represented by the following formula (5) is used as a reducing agent:
Na (BH4) (5)
Or zinc borohydride represented by the following formula (6)
Zn (BH4)2      (6)
Is used.
[0027]
When sodium borohydride is used as the reducing agent, it is preferably used in a molar ratio of 2 to 5 times, particularly 2 to 4 times with respect to the compound (1) in the first invention. Is preferred. In the second aspect of the present invention, it is preferable to use the compound (3) in a molar ratio of 4 to 10 times, especially 4 to 8 times. If the amount of sodium borohydride used is small, the reduction reaction stops halfway, and the compound (2) or compound (4) as the target substance and the compound (1) or compound (3) as the raw material or the alcohol as an intermediate are used. It is not preferable because it becomes a mixture with the body. If the amount used is too large, the reaction proceeds rapidly, but a large amount of unreacted sodium borohydride remains, making it difficult to efficiently obtain the target compound (2) or compound (4). Is not preferred.
[0028]
When zinc borohydride is used as the reducing agent, it is preferably used in a molar ratio of 1 to 2.5 times with respect to the compound (1) in the first invention, and particularly preferably in a range of 1 to 2 times with respect to the compound (1). Preferably, there is. In the second invention, the compound (3) is preferably used in a molar ratio of 2 to 5 times, particularly preferably 2 to 4 times in molar ratio. If the amount of zinc borohydride used is small, the reduction reaction stops halfway, and the desired compound (2) or compound (4) and the starting compound (1) or compound (3) or the intermediate alcohol It is not preferable because it becomes a mixture with the body. If the amount used is too large, the reaction proceeds faster, but a large amount of unreacted zinc borohydride remains, making it difficult to efficiently obtain the target compound (2) or compound (4). Is not preferred.
[0029]
For example, zinc borohydride is added dropwise to a solution of sodium borohydride in a solvent such as THF and a solution of zinc chloride in a solvent such as THF, and the mixture is reacted with stirring, and the resulting reaction mixture is obtained. By filtering and removing the white inorganic salt from, a solution of zinc borohydride can be obtained.
In the first and second inventions, zinc chloride is used as an additive. The amount used is preferably 0.5 to 2.5 times, more preferably 0.8 to 2 times, the molar ratio to the metal borohydride of the above formula (5) or (6). Preferably, it is within the range. If the amount of zinc chloride is too small, the reduction reaction is stopped halfway, resulting in a mixture of the target compound (2) or compound (4) and the intermediate alcohol, which is not preferable. If the amount is too large, unreacted zinc chloride remains in a large amount, and it becomes difficult to efficiently obtain the target compound (2) or compound (4), which is not preferable.
[0030]
In the first and second inventions, as a reaction operation, the compound (1) or compound (3) as a raw material, sodium borohydride or zinc borohydride as a reducing agent, zinc chloride as an additive, a solvent, Is added to the reaction vessel, and the reaction is continuously performed at a required temperature and time to obtain the desired compound (2) or compound (4). The order in which these are added to the reaction vessel is not particularly limited and is arbitrary.
[0031]
As a specific reaction operation, for example, sodium borohydride is put in a reaction vessel in advance, and compound (1) or compound (3) or a solution obtained by dissolving the compound (1) or compound (3) in a solvent is added thereto. Next, a solution in which zinc chloride is dissolved in a solvent can be added dropwise to allow the reaction to proceed.
Further, for example, a solution in which zinc chloride is dissolved in a solvent in advance is put in a reaction vessel, and the compound (1) or the compound (3) or a solution in which the compound (1) or compound (3) is dissolved in a solvent is added thereto. Next, a solution in which zinc borohydride is dissolved in a solvent is added dropwise to allow the reaction to proceed.
[0032]
When the reaction is allowed to proceed while dropping an appropriate solution, the reaction mixture is usually added to the reaction mixture at a temperature of 0 to 50 ° C. over a period of usually 0.1 to 12 hours, preferably 0.1 to 8 hours. preferable. Subsequently, the reaction mixture is heated as required to allow the reaction to proceed. The reaction temperature at this time varies depending on the starting materials and the reaction solvent used, but is preferably from 0 to 200 ° C, particularly preferably from 60 to 100 ° C. The reaction time varies depending on the reaction temperature and the target product to be obtained, but is usually 0.1 to 48 hours, preferably 0.1 to 24 hours.
[0033]
The reaction is preferably performed in an atmosphere of an inert gas such as nitrogen, argon, and helium.
The reaction solvent is not particularly limited, but it is particularly preferable to use ethers or a mixed solvent of ethers and a hydrocarbon.
As the ethers, THF, diphenyl ether, dibutyl ether, diisopropyl ether, diethyl ether, dioxane, or dimethoxyethane is preferable. The ethers may be used alone or as a mixture of two or more.
[0034]
Examples of the hydrocarbon include n-hexane, n-heptane, n-octane, toluene, xylene and the like. One type of hydrocarbon may be used alone, or two or more types may be used in combination.
In the first and second inventions, when sodium borohydride is used as the reducing agent, the reduction reaction is delayed depending on the combination of acylruthenocene and the type of the solvent, and it takes much time until the reaction is completed. May be lost. In this case, by using an alcohol together with zinc chloride as an additive, the reduction reaction can proceed very quickly.
[0035]
That is, in the third aspect of the present invention, the monoalkylruthenocene of the compound (2) is reduced by reacting the monoacylruthenocene of the compound (1) with sodium borohydride in the presence of zinc chloride and an alcohol. Have gained.
In the fourth present invention, diacylruthenocene of compound (3) is reduced by reacting diacylruthenocene of compound (3) with sodium borohydride in the presence of zinc chloride and alcohol. .
[0036]
As the alcohol used as the additive, methanol or ethanol is particularly preferable. One type of alcohol may be used alone, or two or more types may be mixed and used. The amount used is preferably in the range of 0.1 to 3 times, more preferably in the range of 0.5 to 2 times, in molar ratio to sodium borohydride. If the amount of the alcohol used is small, the reduction reaction is stopped halfway, resulting in a mixture of the target compound (2) or compound (4) and the intermediate alcohol, which is not preferable. On the other hand, if the amount is too large, sodium borohydride is inactivated by the alcohol, and the reduction reaction does not proceed, which is not preferable.
[0037]
In the third aspect of the present invention, the amount of sodium borohydride used is preferably 2 to 5 times, more preferably 2 to 4 times the molar ratio of compound (1). . In the fourth aspect of the present invention, the compound (3) is preferably used in a molar ratio of 4 to 10 times, more preferably 4 to 8 times. It is not preferable that the amount of sodium borohydride is too small or too large for the same reason as described above.
[0038]
The amount of zinc chloride used as the additive is preferably 0.5 to 2.5 times the molar ratio of sodium borohydride in both the third and fourth inventions, and particularly preferably 0.1 to 2.5. It is preferably in the range of 8 to 2 times. It is not preferable that the amount of zinc chloride used is too small or too large for the same reason as described above.
In the third and fourth inventions, as a reaction operation, a predetermined amount of the compound (1) or compound (3) as raw materials, sodium borohydride as a reducing agent, zinc chloride and alcohol as additives, and a solvent are used. Is added to the reaction vessel, and the reaction is continuously performed at a required temperature and time to obtain the desired compound (2) or compound (4). The order in which these are added to the reaction vessel is not particularly limited and is arbitrary.
[0039]
As a specific reaction operation, for example, sodium borohydride is put in a reaction vessel in advance, and compound (1) or compound (3) or a solution obtained by dissolving the compound (1) or compound (3) in a solvent is added thereto. Next, a solution in which zinc chloride and alcohol are dissolved in a solvent is added dropwise, and the reaction can be allowed to proceed.
Further, for example, a solution in which zinc chloride and alcohol are dissolved in a solvent in advance is put in a reaction vessel, and the compound (1) or the compound (3) or a solution in which this is dissolved in a solvent is added thereto. Next, a solution in which sodium borohydride is dissolved in a solvent can be added dropwise to advance the reaction.
[0040]
When the reaction is allowed to proceed while dropping an appropriate solution, the reaction mixture is usually added to the reaction mixture at a temperature of 0 to 50 ° C. over a period of usually 0.1 to 12 hours, preferably 0.1 to 8 hours. preferable. Subsequently, the reaction mixture is heated as required to allow the reaction to proceed. The reaction temperature at this time varies depending on the starting materials and the reaction solvent used, but is preferably from 0 to 200 ° C, particularly preferably from 60 to 100 ° C. The reaction time varies depending on the reaction temperature and the target product to be obtained, but is usually 0.1 to 48 hours, preferably 0.1 to 24 hours.
[0041]
The reaction is preferably performed in an atmosphere of an inert gas such as nitrogen, argon, and helium.
The reaction solvent is not particularly limited, but it is particularly preferable to use ethers or a mixed solvent of ethers and a hydrocarbon.
As the ethers, THF, diphenyl ether, dibutyl ether, diisopropyl ether, diethyl ether, dioxane, or dimethoxyethane is preferable. The ethers may be used alone or as a mixture of two or more.
[0042]
Examples of the hydrocarbon include n-hexane, n-heptane, n-octane, toluene, and xylene. One type of hydrocarbon may be used alone, or two or more types may be used in combination.
After the completion of the reaction, it is necessary to remove unreacted metal borohydride, boron compounds generated from the metal borohydride, and zinc compounds generated from the zinc chloride. It is preferable to dissolve in water and remove by mixing with an aqueous solution. Such an aqueous solution may be added to the reaction mixture, or the reaction mixture may be added to the aqueous solution.
[0043]
The mixture thus obtained is separated into an aqueous layer and an organic layer, and the aqueous layer is removed to obtain a crude product. If layer separation is difficult, a solvent such as toluene, benzene, xylene, hexane, heptane, octane, or the like may be used alone or a mixture of these may be added to the organic layer for extraction.
The crude product thus obtained is isolated and purified by, for example, distillation, silica gel column chromatography, recrystallization, or the like to obtain a monoalkylruthenocene of compound (2) or a dialkyl of compound (4). Ruthenocene is obtained.
[0044]
As described above, according to the present invention, alkylruthenocene used as a raw material for synthesis of a ruthenium thin film by CVD can be produced in a simple manner, with high yield and high selectivity. In addition, a general reactor can be used, and sodium borohydride and zinc chloride are easily available, and handling is easy and relatively safe. Therefore, in industrial production, alkylruthenocene can be synthesized inexpensively and efficiently in large quantities.
[0045]
Tables 1 and 2 show specific examples of the monoalkylruthenocene and dialkylruthenocene thus obtained, and monoacylruthenocene and diacylruthenocene as raw materials thereof.
[0046]
[Table 1]
Figure 2004250348
[0047]
[Table 2]
Figure 2004250348
[0048]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically based on examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0049]
Embodiment 1
Production of butylruthenocene by reduction of butyrylruthenocene using sodium borohydride as a reducing agent and zinc chloride as an additive (mixed solvent of diphenyl ether, THF and toluene)
In a 500 ml four-necked flask equipped with a stirrer and a reflux condenser, and dried by purging with nitrogen, 4.09 g (108.1 mmol, 2.5 mol times) of sodium borohydride was placed. Under a temperature condition of 3030 ° C., a mixed solution of 13.0 g (43.1 mmol) of butyrylruthenocene, 50 ml of diphenyl ether and 50 ml of toluene was added dropwise over 20 minutes. Subsequently, 14.7 g (107.9 mmol, 2.5 mole times) of zinc chloride dissolved in 50 ml of THF was added dropwise at a temperature of 20 to 40 ° C, and the mixture was heated with a mantle heater and then heated to 70 to 80 ° C. And stirred for 2 hours. The reaction was terminated by adding 180 ml of a 10% aqueous solution of sulfuric acid dropwise to the obtained reaction mixture at a temperature of 10 to 20 ° C., and the mixture was sufficiently stirred and separated. The organic layer, which was the upper layer of the separation, was washed with 50% of a 10% aqueous solution of sulfuric acid and then with 50 ml of a 10% aqueous solution of sodium carbonate. The obtained organic layer was concentrated by distillation under reduced pressure to obtain 14.1 g of a crude product. According to internal standard analysis, the reaction yield of butylruthenocene was 98.9%.
[0050]
The physical properties of the obtained compound are as follows.
Mass: m / z 288 (M+), 245 (100%), 167
11 H NMR: δ 4.51-4.48 (7H, m), 4.43 (2H, t, J = 1.55 Hz), 2.18 (2H, dd, J = 8.58, 6.78 Hz), 1.53-1.25 (4H, m), 0.90 (3H, t, J = 7.14 Hz)
ThirteenC NMR: δ 93.4, 70.7, 70.3, 69.2, 33.9, 28.9, 22.6, 14.0.
Properties: pale yellow liquid
Boiling point: 115 ° C / 106Pa
[0051]
Embodiment 2
Production of butylruthenocene by reduction of butyrylruthenocene using sodium borohydride as a reducing agent and zinc chloride as an additive (THF solvent)
A 50 ml four-necked flask equipped with a stirrer and a reflux condenser and dried with a nitrogen purge was charged with 0.20 g (5.29 mmol, 3.18 mole times) of sodium borohydride, and charged under nitrogen atmosphere. Under a temperature condition of mmol30 ° C., 0.50 g (1.66 mmol) of butyrylruthenocene dissolved in 4 ml of THF was added dropwise over 20 minutes. Subsequently, 0.68 g (4.99 mmol, 3.0 mole times) of zinc chloride dissolved in 6 ml of THF was added dropwise at a temperature of 20 to 40 ° C., followed by heating with a mantle heater and reflux under reflux conditions. Stir for 12 hours. After adding 10 ml of toluene to the obtained reaction mixture, 10 ml of a 10% aqueous sulfuric acid solution was added dropwise at a temperature of 10 to 20 ° C. to terminate the reaction, and the mixture was sufficiently stirred and separated. The organic layer, which was the upper layer of the separation, was washed with 5% of a 10% aqueous solution of sulfuric acid and then with 5 ml of a 10% aqueous solution of sodium carbonate. The obtained organic layer was concentrated under reduced pressure by a vacuum evaporator to obtain 0.82 g of a crude product. According to internal standard analysis, the reaction yield of butylruthenocene was 81.0%.
[0052]
Embodiment 3
Production of butylruthenocene by reduction of butyrylruthenocene using sodium borohydride as a reducing agent and zinc chloride and methanol as additives (THF solvent)
3.3 g (87.2 mmol, 2.0 mol times) of sodium borohydride was placed in a 300 ml four-necked flask equipped with a stirrer and a reflux condenser and purged with nitrogen and dried. Under a temperature condition of 3030 ° C., 13.0 g (43.1 mmol) of butyrylruthenocene dissolved in 50 ml of THF was added dropwise over 20 minutes. Subsequently, 11.8 g (86.6 mmol, 2.0 mol times) of zinc chloride and 2.8 g (87.4 mmol, 2.0 mol times) of methanol dissolved in 50 ml of THF under a temperature condition of 20 to 40 ° C. The mixture was added dropwise, followed by heating with a mantle heater and stirring under reflux conditions for 2 hours. After 100 ml of toluene was added to the obtained reaction mixture, 150 ml of a 10% aqueous sulfuric acid solution was added dropwise at a temperature of 10 to 20 ° C. to terminate the reaction. After sufficiently stirring, the mixture was separated. The organic layer, which was the upper layer of the liquid separation, was washed with 40% of a 10% aqueous sulfuric acid solution and then with 40 ml of a 10% aqueous sodium carbonate solution. The obtained organic layer was concentrated under reduced pressure using a vacuum evaporator to obtain 13.0 g of a crude product. According to the internal standard analysis, the reaction yield of butylruthenocene was 97.4%.
[0053]
[Example of preparation of zinc borohydride]
Preparation of zinc borohydride / THF solution
A stirrer and a reflux condenser were attached, and 9.24 g (244 mmol) of sodium borohydride and 20 ml of THF were placed in a 300 ml four-necked flask which had been dried by replacing with nitrogen. Then, 16.62 g (122 mmol) of zinc chloride dissolved in 160 ml of THF was added dropwise, followed by stirring at a temperature of 20 to 30 ° C. for 14 hours. By filtering off the white inorganic salt from the obtained reaction mixture under a nitrogen atmosphere, a THF solution of zinc borohydride was obtained.
[0054]
Embodiment 4
Butyryl lute using zinc borohydride as reducing agent and zinc chloride as additive Production of butylruthenocene by reduction of nocene
16.6 g (122 mmol, 2.0 mol times) of zinc chloride and 20 ml of THF were placed in a 500-ml four-necked flask equipped with a stirrer and a reflux condenser and purged with nitrogen and dried. 18.0 g (59.7 mmol) of butyrylruthenocene dissolved in 20 ml of THF was added dropwise over 30 minutes at a temperature of ° C. Subsequently, a zinc borohydride / THF solution prepared from 9.3 g (246 mmol, 4.1 mol times) of sodium borohydride, 180 ml of THF and 16.6 g (122 mmol, 2.0 mol times) of zinc chloride was added to 10 to 10 g of a THF solution. The mixture was added dropwise at a temperature of 30 ° C., followed by heating with a mantle heater and stirring for 3 hours under reflux. A 440 ml of a 20% aqueous sulfuric acid solution and 150 ml of toluene are placed in a 1.0 L four-necked flask equipped with a separately prepared stirrer and a reflux condenser, and the resulting reaction mixture is added dropwise at a temperature of 0 to 20 ° C. Then, the reaction was terminated, and the mixture was separated after sufficiently stirring. The organic layer, which is the upper layer of the separation, was washed with 100% of a 20% aqueous solution of sulfuric acid and then with 100 ml of a 10% aqueous solution of sodium carbonate. The obtained organic layer was concentrated under reduced pressure by a vacuum evaporator to obtain 21.56 g of a crude product. According to internal standard analysis, the reaction yield of butylruthenocene was 98.1%.
[0055]
Embodiment 5
Production of ethylruthenocene by reduction of acetylruthenocene using zinc borohydride as reducing agent and zinc chloride as additive
In a 100 ml four-necked flask equipped with a stirrer and a reflux condenser, and dried by purging with nitrogen, 3.3 g (24.2 mmol, 2.1 mol times) of zinc chloride and 5 ml of THF were put. Under a temperature condition of 2020 ° C., 3.16 g (11.6 mmol) of acetylruthenocene dissolved in 5 ml of THF was added dropwise over 30 minutes. Subsequently, zinc borohydride / THF prepared from 1.8 g (47.6 mmol, 4.1 mol times) of sodium borohydride, 35 ml of THF and 3.3 g of zinc chloride (24.2 mmol, 2.1 times). The solution was added dropwise at a temperature of 10 to 30 ° C., followed by heating with a mantle heater and stirring under reflux for 2 hours. 100 ml of a 20% aqueous sulfuric acid solution and 40 ml of toluene are placed in a 300 ml four-necked flask equipped with a separately prepared stirrer and reflux condenser, and the resulting reaction mixture is added dropwise at a temperature of 10 to 20 ° C. The reaction was terminated, and after sufficient stirring, liquid separation was performed. The organic layer, which was the upper layer of the separation, was washed with a 20% aqueous sulfuric acid solution (20 ml) and then with a 10% aqueous sodium carbonate solution (20 ml). The obtained organic layer was concentrated under reduced pressure by a vacuum evaporator to obtain 4.01 g of a crude product. The reaction yield of ethylruthenocene was 96.2%.
[0056]
The physical properties of the obtained compound are as follows.
Mass: m / z 260 (M+), 245 (100%), 167
[0057]
Embodiment 6
Production of diethylruthenocene by reduction of diacetylruthenocene using zinc borohydride as reducing agent and zinc chloride as additive
In a 100 ml four-necked flask equipped with a stirrer and a reflux condenser, and purged with nitrogen and dried, 2.6 g (19.1 mmol, 4.2 mol times) of zinc chloride and 5 ml of THF were placed. Under a temperature condition of 2020 ° C., 1.44 g (4.56 mmol) of diacetylruthenocene dissolved in 5 ml of THF was added dropwise over 30 minutes. Subsequently, zinc borohydride / THF prepared from 1.4 g (37.0 mmol, 8.1 mol times) of sodium borohydride, 30 ml of THF and 2.6 g (19.1 mmol, 4.2 mol times) of zinc chloride. The solution was added dropwise at a temperature of 10 to 30 ° C., followed by heating with a mantle heater and stirring under reflux for 3 hours. 70 ml of a 20% aqueous sulfuric acid solution and 20 ml of toluene were placed in a 200 ml four-necked flask equipped with a separately prepared stirrer and reflux condenser, and the resulting reaction mixture was added dropwise at a temperature of 10 to 20 ° C. The reaction was terminated, and after sufficient stirring, liquid separation was performed. The organic layer, which was the upper layer of the separation, was washed with 15% of a 20% aqueous sulfuric acid solution and then with 15 ml of a 10% aqueous sodium carbonate solution. The obtained organic layer was concentrated under reduced pressure by a vacuum evaporator to obtain 1.93 g of a crude product. The reaction yield of diethylruthenocene was 96.5%.
[0058]
The physical properties of the obtained compound are as follows.
Mass: m / z 288 (M+), 273 (100%), 258, 191, 167
[0059]
[Comparative example]
Production of butylruthenocene by reduction of butyrylruthenocene using sodium borohydride as reducing agent and sulfuric acid as additive
0.84 g (22.0 mmol, 2.0 mol times) of sodium borohydride was placed in a 50-ml four-necked flask equipped with a stirrer and a reflux condenser and purged with nitrogen and dried. Under a temperature condition of 3030 ° C., 3.3 g (11.0 mmol) of butyrylruthenocene dissolved in 20 ml of THF was added dropwise. Subsequently, 1.1 g (11.2 mmol, 1.0 mole times) of concentrated sulfuric acid was added dropwise at a temperature of 20 to 40 ° C., followed by heating with a mantle heater and stirring under reflux conditions. Since the ratio of butylruthenocene to 1-hydroxybutylruthenocene after stirring for 2 hours was 25.6: 74.4, stirring was further performed for 4 hours, but no change was observed in the ratio.
[0060]
【The invention's effect】
According to the first to fourth methods for producing alkylruthenocene according to the present invention, an easy-to-use, high-yield and high-selectivity alkylruthenocene can be obtained using a safe and easy-to-use reducing agent and additive. Can be manufactured industrially.
Further, according to the third and fourth methods for producing alkylruthenocene of the present invention, alcohol is used as an additive. Therefore, when sodium borohydride is used as a reducing agent, the conversion of acylruthenocene and a solvent is performed. Depending on the combination of the types, the reduction reaction can be delayed, and the reaction can proceed extremely quickly even when much time is required to complete the reaction.

Claims (14)

下記一般式(1)で表されるモノアシルルテノセン
Figure 2004250348
(式中、Rは直鎖または分岐状のアルキル基を示す。)と、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素亜鉛を、塩化亜鉛の存在下で反応させることを特徴とする、下記一般式(2)で表されるモノアルキルルテノセンの製造方法。
Figure 2004250348
(式中、Rは前記と同一の意味である。)
Monoacylruthenocene represented by the following general formula (1)
Figure 2004250348
(Wherein R 1 represents a linear or branched alkyl group) and sodium borohydride or zinc borohydride in the presence of zinc chloride, characterized by the following general formula ( A method for producing a monoalkylruthenocene represented by 2).
Figure 2004250348
(Wherein, R 1 has the same meaning as described above.)
溶媒として、エーテル類、もしくはエーテル類と炭化水素との混合溶媒を用いることを特徴とする、請求項1に記載のモノアルキルルテノセンの製造方法。The method for producing a monoalkylruthenocene according to claim 1, wherein an ether or a mixed solvent of an ether and a hydrocarbon is used as the solvent. エーテル類として、THF、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサンまたはジメトキシエタンを用いることを特徴とする、請求項2に記載のモノアルキルルテノセンの製造方法。The method for producing a monoalkylruthenocene according to claim 2, wherein THF, diphenyl ether, dibutyl ether, diisopropyl ether, diethyl ether, dioxane or dimethoxyethane is used as the ethers. 下記一般式(3)で表されるジアシルルテノセン
Figure 2004250348
(式中、RおよびRは直鎖または分岐状のアルキル基を示し、RおよびRは互いに同一または異なっていてもよい。)と、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素亜鉛を、塩化亜鉛の存在下で反応させることを特徴とする、下記一般式(4)で表されるジアルキルルテノセンの製造方法。
Figure 2004250348
(式中、RおよびRは前記と同一の意味である。)
Diacylruthenocene represented by the following general formula (3)
Figure 2004250348
(Wherein R 2 and R 3 represent a linear or branched alkyl group, and R 2 and R 3 may be the same or different from each other), and sodium borohydride or zinc borohydride A method for producing a dialkylruthenocene represented by the following general formula (4), wherein the reaction is carried out in the presence of zinc chloride.
Figure 2004250348
(Wherein, R 2 and R 3 have the same meaning as described above.)
溶媒として、エーテル類、もしくはエーテル類と炭化水素との混合溶媒を用いることを特徴とする、請求項4に記載のジアルキルルテノセンの製造方法。The method for producing a dialkylruthenocene according to claim 4, wherein an ether or a mixed solvent of an ether and a hydrocarbon is used as the solvent. エーテル類として、THF、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサンまたはジメトキシエタンを用いることを特徴とする、請求項5に記載のジアルキルルテノセンの製造方法。The method for producing a dialkylruthenocene according to claim 5, wherein THF, diphenyl ether, dibutyl ether, diisopropyl ether, diethyl ether, dioxane or dimethoxyethane is used as the ethers. 下記一般式(1)で表されるモノアシルルテノセン
Figure 2004250348
(式中、Rは直鎖または分岐状のアルキル基を示す。)と、水素化ホウ素ナトリウムを、塩化亜鉛およびアルコールの存在下で反応させることを特徴とする、下記一般式(2)で表されるモノアルキルルテノセンの製造方法。
Figure 2004250348
(式中、Rは前記と同一の意味である。)
Monoacylruthenocene represented by the following general formula (1)
Figure 2004250348
(Wherein R 1 represents a linear or branched alkyl group) and sodium borohydride in the presence of zinc chloride and an alcohol, wherein the compound is represented by the following general formula (2): A method for producing the represented monoalkylruthenocene.
Figure 2004250348
(Wherein, R 1 has the same meaning as described above.)
アルコールとして、メタノールまたはエタノールを用いることを特徴とする、請求項7に記載のモノアルキルルテノセンの製造方法。The method for producing a monoalkylruthenocene according to claim 7, wherein methanol or ethanol is used as the alcohol. 溶媒として、エーテル類、もしくはエーテル類と炭化水素との混合溶媒を用いることを特徴とする、請求項7に記載のモノアルキルルテノセンの製造方法。The method for producing a monoalkylruthenocene according to claim 7, wherein an ether or a mixed solvent of an ether and a hydrocarbon is used as the solvent. エーテル類として、THF、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサンまたはジメトキシエタンを用いることを特徴とする、請求項9に記載のモノアルキルルテノセンの製造方法。The method for producing a monoalkylruthenocene according to claim 9, wherein THF, diphenyl ether, dibutyl ether, diisopropyl ether, diethyl ether, dioxane or dimethoxyethane are used as the ethers. 下記一般式(3)で表されるジアシルルテノセン
Figure 2004250348
(式中、RおよびRは直鎖または分岐状のアルキル基を示し、RおよびRは互いに同一または異なっていてもよい。)と、水素化ホウ素ナトリウムを、塩化亜鉛およびアルコールの存在下で反応させることを特徴とする、下記一般式(4)で表されるジアルキルルテノセンの製造方法。
Figure 2004250348
(式中、RおよびRは前記と同一の意味である。)
Diacylruthenocene represented by the following general formula (3)
Figure 2004250348
(Wherein R 2 and R 3 represent a linear or branched alkyl group, and R 2 and R 3 may be the same or different from each other) and sodium borohydride, A method for producing a dialkylruthenocene represented by the following general formula (4), wherein the reaction is carried out in the presence of:
Figure 2004250348
(Wherein, R 2 and R 3 have the same meaning as described above.)
アルコールとして、メタノールまたはエタノールを用いることを特徴とする、請求項11に記載のジアルキルルテノセンの製造方法。The method for producing a dialkylruthenocene according to claim 11, wherein methanol or ethanol is used as the alcohol. 溶媒として、エーテル類、もしくはエーテル類と炭化水素との混合溶媒を用いることを特徴とする、請求項11に記載のジアルキルルテノセンの製造方法。The method for producing a dialkylruthenocene according to claim 11, wherein an ether or a mixed solvent of an ether and a hydrocarbon is used as the solvent. エーテル類として、THF、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサンまたはジメトキシエタンを用いることを特徴とする、請求項13に記載のジアルキルルテノセンの製造方法。The method for producing a dialkylruthenocene according to claim 13, wherein THF, diphenyl ether, dibutyl ether, diisopropyl ether, diethyl ether, dioxane, or dimethoxyethane is used as the ethers.
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