JP2004249617A - 印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、カラーコピーでは再現できないオリジナリティーのある印刷物を生成することにより、印刷物の偽造を防止することを課題とする。
【解決手段】本発明は、印刷メディアの送り方向に対し、複数のノズルを有する印字ヘッド、透明UVインクを噴射するUVインクヘッド、及び前記透明UVインクを固化するための紫外線照射装置を配置し、前記印字ヘッドから前記印刷メディアに噴射した印字インクを前記UVインクヘッドから噴射した透明UVインクで包み込んだ後、前記紫外線照射装置によりUV照射し前記透明UVインクを固化させることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、印刷メディアの送り方向に対し、複数のノズルを有する印字ヘッド、透明UVインクを噴射するUVインクヘッド、及び前記透明UVインクを固化するための紫外線照射装置を配置し、前記印字ヘッドから前記印刷メディアに噴射した印字インクを前記UVインクヘッドから噴射した透明UVインクで包み込んだ後、前記紫外線照射装置によりUV照射し前記透明UVインクを固化させることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタの印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、UVインクを利用した印字技術が脚光を浴びている。特にインクを固化、積層化することが出来るため点字用パネル等に応用されている。
【0003】
また、偽造防止インクとしては、赤外線蛍光発光インクや近赤外線吸収インク、見る角度により色が変わる偏光インク、温度により発色が消えたり現れたりする温度発色インクが開発されている。これらはインク自体の特殊機能のため、カラーコピー機では復元できない。
【0004】
印刷用紙においても、微細パターンの中に隠し文字を入れ、コピーした時に隠し文字が浮き出す仕掛けをしているものもある。
【0005】
更にホログラムを用紙内に漉き込み金属光沢を出すことにより、カラーコピーでさえ対応できない用紙が開発されている。
【0006】
また、印字に際して印刷物に個々のナンバーをバーコードや隠し文字で記載する事も実用化されている。これらは主に商品券、金券に利用されている。
【0007】
インクジェット装置を使用した偽造防止例としては、印刷された数字の改ざんを防止する為にカプセルインクで印字面を被う方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、透かし模様を着色インクで印刷し、その表面にインクジェット記録層を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
また、図5、図6に示すように、メディアに印字インク32を吐出し、その上からUVインク33を被せる場合、印字インクとUVインク間に親和性がないと印字インクの上のUVインクが硬化前にはじいて印字インクの周囲に流れてしまう。そのため、UV光を照射してUVインクを固化させても印字インク32を覆うことができない。
【0010】
図5は、1滴の印字インク32を1滴のUVインク33で被った場合である。この時には、印字インク32の周りにUVインク33が逃げる。図5(a)は印字インク32を印刷メディア20に噴射した状態、(b)は印字インク32にUVインク33を噴射して印字インク32をUVインク33で覆った状態、(c)はUVインク33が硬化してUV硬化インク34になった状態を示している。
【0011】
図6の様に印字インク32が複数滴、間隔を開けて配列されている場合でも印字インク32の上に吐出されたUVインク33は、印字インク32の周囲や印字インク32の隙間に入り込んでしまい、印字インク32の上にUV硬化インク34を残すことが出来ない。図6において(a)、(b)、(c)は図5のそれと同じ状態を表している。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−67489号公報
【特許文献2】
特開2002−67488号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記した、偽造防止の方法では、上記した技術を数種類組み合せることが必要であるという問題がある。
【0014】
本発明は、カラーコピーでは再現できないオリジナリティーのある印刷物を生成することにより、印刷物の偽造を防止することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、印刷メディアの送り方向に対し、複数のノズルを有する印字ヘッド、透明UVインクを噴射するUVインクヘッド、及び前記透明UVインクを固化するための紫外線照射装置を配置し、前記印字ヘッドから前記印刷メディアに噴射したインクを前記UVインクヘッドから噴射した透明UVインクで包み込んだ後、前記紫外線照射装置によりUV照射し前記透明UVインクを固化させることにより達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の一例を、以下図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明になるインクジェットプリント装置1である。ここで11はメディア搬送ベルト、12は印字用ヘッド、13はUVインク噴射ヘッド、14はUV光発生装置、15はUV光発生ランプ、20は印刷メディア、22は該印刷メディア上に印字用ヘッド12から印字されたインク滴、23はインク滴22で印字された文字を覆う前記UVインク噴射ヘッド13から噴射されたUV未硬化インク、24は該UV未硬化インクにUV光発生装置14からUV光を発生させた後のUV硬化インクである。
【0018】
印刷メディア20が搬送ベルト11に載せられると印刷用ヘッド12から印字データに対応した印字インク22が噴出され、次にメディア20がUVインク噴射ヘッド13の位置に来ると印字部を構成する印字インク22を覆うようにUVインク噴射ヘッド13からUVインクが噴射され、さらにメディア20がUV光発生装置14の位置に来るとUV光発生装置14内のUV光発生ランプ15が発光しメディア20上のUVインクは硬化される。
【0019】
図2はメディアの上に印字した後UVインクを噴射し、UVインクを硬化させた時のメディア上のインク状態を示したものである。
【0020】
図2(a)は、メディア20の上に1ドット分のインク22が付着した状態である。(UVインクは噴射されていない)インク22内の一部の液体成分は蒸発し、残りの液体はメディア20の内部へ浸透することにより、表面に顔料若しくは染料成分を残す。図2(b)は、その顔料成分の上にインク22を覆うようにUVインク23を1滴噴射した状態、図2(c)は、UVインク23が硬化し、UV硬化インク24になった状態を示している。UV硬化インク24は印字インク22を十分に覆い、かつメディアとの接触面で結合力が発生するため印字インク22の保護層の役割を果たす。
【0021】
図4は、複数の印字インクが印刷メディア20の上にある場合である。(図は、簡略化のため2個のインク22だけを示す)メディア20上のインク22、22の各々にUVインク23、23が前記インク滴を覆うように噴出される。インク滴が連続していなくても、わずかに隙間が空いている場合には(1ドット分開いている場合)UVインク23、23はつながり、UV光発生装置14でUVインクを硬化させた後もUV硬化インク24は連続して印字インク22、22を覆うことが出来る。そのため、印字インクがメディア20と十分な定着強度がなくてもUVインクの硬化層が補強層となって保護してくれる。
【0022】
ここで、印字インクの上にUV硬化インク層を安定して形成させるためには印字インク22とUVインク23との間に親和性が有ることが必要である。透明なUVインク23と印字用カラーインクとの親和性を高めるためには、印字用カラーインクの主剤であるエーテル系やグリコール系溶剤と透明UVインク23の主剤のプレポリマーに相溶性が有ることが重要であるが、通常のプレポリマーとエーテル系溶剤との間に相溶性はほとんどない。溶剤にメチルセロソルブを用いれば、ほとんどの樹脂を溶解できるが(相溶性有り)メチルセロソルブ自体が乾燥しないため使用量は微量に限られる。そこで、UVインク23のプレポリマーをアクリル系にし、印字インク22の顔料をアクリル樹脂でカプセル化すればメディア上に残った顔料とUVインク23の間を同種材質とできるためUVインク23と印字インク22の親和性を高めることが可能となる。
【0023】
また、別の実施形態としてはUVインク23をアクリル系プレポリマーとし、印字用カラーインクの希釈剤にアクリル材を事前に若干溶解させておく方法もある。
更に、アクリル系樹脂に限らず、UVインクのプレポリマーと印字用カラーインク内の溶解樹脂を同一の樹脂にすることによりUVインと印字用カラーインクとに親和性を持たせることは可能である。
図3は、図2においてUVインクの噴射量を顔料インクの1ドットに比べ十分に多くできない場合を示す。この場合、印字インク22の1ドットを覆う為に複数回UVインクを吐出する。図3(a)は図2(a)と同様、メディア20の上に1ドット分の印字インク22が付着した状態である。図3(b)は、印字インク22の上に3ドットのUVインク23、23、23を位置をずらして吐出した状態である。個々のUVインクは液体の状態で連結し、UV光を照射されると印字インク22の上に層を成して固化し、図3(c)に示すようにUV硬化インク24が形成される。
【0024】
図2において、印字用インク22の上を覆うUVインク23に、透明性を損なわない程度に僅かに着色料を添加し色を付ける。着色としては、カラーインクの三原色である、イエロー、マジェンタ、シアンが有効である。三原色は、顔料(ないし染料)の基本色のため、コピー印刷で色調を合せることが困難である。ここで、UVインクとして薄い黄色を使用すると黄色は人間の目に一番鈍感な色の為、見る人にはほとんど透明のフィルムが掛かっているようにしか見えないが、カラーコピー機でコピーすると黄色が可視可能な程度に濃くなる。逆に、コピー機で黄色のトーンを落して印刷すると、黄色の混合色である緑色、赤色がそれぞれ青っぽい緑、紅色になる。そのため、全体の色調が変り、コピー品か本物か容易に判断できる。
【0025】
UVインク色にマジェンタやシアンを使う場合は、通常UVインク層の厚さは10〜30μmであり、UVインクの厚さによる質感の差で本物かコピー品か判断出来る。また、薄色のUVインクは単色だけでなく、混合色の緑色、赤色、紫色を併用できると更にコピー品との差が明確になる。
【0026】
次に、透明UVインクに透明性を損なわない程度に僅かに薄墨色の着色料を混合すると、UVインクの厚さによる質感があり、コピー品とは容易に判別が付く。また、薄墨色のため、コピー時には印字面が薄汚れたようになりコピー品と容易に判断が付き易い。薄墨色のUVインクは、印字面がカラーのものには特に有効である。
【0027】
UVインク層を削って偽造を試みることも考えられるので、印字インクをメディア上では十分に乾かない材質にすると、偽造の為にUV層を削ったり、印字インク層を落そうとする試みは、メディアの面が汚れて、偽造が容易に判別出来る。また、特殊メディアに印字したい顧客の為にも、印字インクがメディアに対し乾燥しない場合でも十分に印字インクの保護と偽造防止の役目を果たすUVインク層を形成する事が出来る。
【0028】
これらの印刷された印刷物の裏面に粘着材処理を施せば、オリジナルの偽造防止シールとして使用できる。
また、印字用インクとして金属粉入りインク、蛍光塗料入りインク、パール材混合インク等を添加すれば、インク自体のオリジナル性とUVインクの保護機能を合せ持った、印字面の改ざんが出来にくくかつカラーコピーの偽造も容易に判断が付く印刷物にできる。
【0029】
印字インクを覆う為には、UVインク以外にソリッドインクを使用する方法もある。ただし、ソリッドインクは主剤が蝋のため、UVインクより柔らかいという難点がある。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、カラーコピーでは再現できないオリジナリティーのある印刷物を生成するができ、印刷物の偽造を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したインクジェットプリント装置の構成図。
【図2】本発明の例によるメディア上のインク状態図。
【図3】本発明の例によるメディア上のインク状態図。
【図4】本発明の例によるメディア上のインク状態図。
【図5】従来のメディア上のインク状態図。
【図6】従来のメディア上のインク状態図。
【符号の説明】
1はインクジェットプリント装置、11はメディア搬送ベルト、12は印字用ヘッド、13はUVインク噴射ヘッド、14はUV光発生装置、15はUV光発生ランプ、20は印刷メディア、22は印刷インク、23はUVインク、24はUV硬化インクである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタの印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、UVインクを利用した印字技術が脚光を浴びている。特にインクを固化、積層化することが出来るため点字用パネル等に応用されている。
【0003】
また、偽造防止インクとしては、赤外線蛍光発光インクや近赤外線吸収インク、見る角度により色が変わる偏光インク、温度により発色が消えたり現れたりする温度発色インクが開発されている。これらはインク自体の特殊機能のため、カラーコピー機では復元できない。
【0004】
印刷用紙においても、微細パターンの中に隠し文字を入れ、コピーした時に隠し文字が浮き出す仕掛けをしているものもある。
【0005】
更にホログラムを用紙内に漉き込み金属光沢を出すことにより、カラーコピーでさえ対応できない用紙が開発されている。
【0006】
また、印字に際して印刷物に個々のナンバーをバーコードや隠し文字で記載する事も実用化されている。これらは主に商品券、金券に利用されている。
【0007】
インクジェット装置を使用した偽造防止例としては、印刷された数字の改ざんを防止する為にカプセルインクで印字面を被う方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、透かし模様を着色インクで印刷し、その表面にインクジェット記録層を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
また、図5、図6に示すように、メディアに印字インク32を吐出し、その上からUVインク33を被せる場合、印字インクとUVインク間に親和性がないと印字インクの上のUVインクが硬化前にはじいて印字インクの周囲に流れてしまう。そのため、UV光を照射してUVインクを固化させても印字インク32を覆うことができない。
【0010】
図5は、1滴の印字インク32を1滴のUVインク33で被った場合である。この時には、印字インク32の周りにUVインク33が逃げる。図5(a)は印字インク32を印刷メディア20に噴射した状態、(b)は印字インク32にUVインク33を噴射して印字インク32をUVインク33で覆った状態、(c)はUVインク33が硬化してUV硬化インク34になった状態を示している。
【0011】
図6の様に印字インク32が複数滴、間隔を開けて配列されている場合でも印字インク32の上に吐出されたUVインク33は、印字インク32の周囲や印字インク32の隙間に入り込んでしまい、印字インク32の上にUV硬化インク34を残すことが出来ない。図6において(a)、(b)、(c)は図5のそれと同じ状態を表している。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−67489号公報
【特許文献2】
特開2002−67488号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記した、偽造防止の方法では、上記した技術を数種類組み合せることが必要であるという問題がある。
【0014】
本発明は、カラーコピーでは再現できないオリジナリティーのある印刷物を生成することにより、印刷物の偽造を防止することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、印刷メディアの送り方向に対し、複数のノズルを有する印字ヘッド、透明UVインクを噴射するUVインクヘッド、及び前記透明UVインクを固化するための紫外線照射装置を配置し、前記印字ヘッドから前記印刷メディアに噴射したインクを前記UVインクヘッドから噴射した透明UVインクで包み込んだ後、前記紫外線照射装置によりUV照射し前記透明UVインクを固化させることにより達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の一例を、以下図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明になるインクジェットプリント装置1である。ここで11はメディア搬送ベルト、12は印字用ヘッド、13はUVインク噴射ヘッド、14はUV光発生装置、15はUV光発生ランプ、20は印刷メディア、22は該印刷メディア上に印字用ヘッド12から印字されたインク滴、23はインク滴22で印字された文字を覆う前記UVインク噴射ヘッド13から噴射されたUV未硬化インク、24は該UV未硬化インクにUV光発生装置14からUV光を発生させた後のUV硬化インクである。
【0018】
印刷メディア20が搬送ベルト11に載せられると印刷用ヘッド12から印字データに対応した印字インク22が噴出され、次にメディア20がUVインク噴射ヘッド13の位置に来ると印字部を構成する印字インク22を覆うようにUVインク噴射ヘッド13からUVインクが噴射され、さらにメディア20がUV光発生装置14の位置に来るとUV光発生装置14内のUV光発生ランプ15が発光しメディア20上のUVインクは硬化される。
【0019】
図2はメディアの上に印字した後UVインクを噴射し、UVインクを硬化させた時のメディア上のインク状態を示したものである。
【0020】
図2(a)は、メディア20の上に1ドット分のインク22が付着した状態である。(UVインクは噴射されていない)インク22内の一部の液体成分は蒸発し、残りの液体はメディア20の内部へ浸透することにより、表面に顔料若しくは染料成分を残す。図2(b)は、その顔料成分の上にインク22を覆うようにUVインク23を1滴噴射した状態、図2(c)は、UVインク23が硬化し、UV硬化インク24になった状態を示している。UV硬化インク24は印字インク22を十分に覆い、かつメディアとの接触面で結合力が発生するため印字インク22の保護層の役割を果たす。
【0021】
図4は、複数の印字インクが印刷メディア20の上にある場合である。(図は、簡略化のため2個のインク22だけを示す)メディア20上のインク22、22の各々にUVインク23、23が前記インク滴を覆うように噴出される。インク滴が連続していなくても、わずかに隙間が空いている場合には(1ドット分開いている場合)UVインク23、23はつながり、UV光発生装置14でUVインクを硬化させた後もUV硬化インク24は連続して印字インク22、22を覆うことが出来る。そのため、印字インクがメディア20と十分な定着強度がなくてもUVインクの硬化層が補強層となって保護してくれる。
【0022】
ここで、印字インクの上にUV硬化インク層を安定して形成させるためには印字インク22とUVインク23との間に親和性が有ることが必要である。透明なUVインク23と印字用カラーインクとの親和性を高めるためには、印字用カラーインクの主剤であるエーテル系やグリコール系溶剤と透明UVインク23の主剤のプレポリマーに相溶性が有ることが重要であるが、通常のプレポリマーとエーテル系溶剤との間に相溶性はほとんどない。溶剤にメチルセロソルブを用いれば、ほとんどの樹脂を溶解できるが(相溶性有り)メチルセロソルブ自体が乾燥しないため使用量は微量に限られる。そこで、UVインク23のプレポリマーをアクリル系にし、印字インク22の顔料をアクリル樹脂でカプセル化すればメディア上に残った顔料とUVインク23の間を同種材質とできるためUVインク23と印字インク22の親和性を高めることが可能となる。
【0023】
また、別の実施形態としてはUVインク23をアクリル系プレポリマーとし、印字用カラーインクの希釈剤にアクリル材を事前に若干溶解させておく方法もある。
更に、アクリル系樹脂に限らず、UVインクのプレポリマーと印字用カラーインク内の溶解樹脂を同一の樹脂にすることによりUVインと印字用カラーインクとに親和性を持たせることは可能である。
図3は、図2においてUVインクの噴射量を顔料インクの1ドットに比べ十分に多くできない場合を示す。この場合、印字インク22の1ドットを覆う為に複数回UVインクを吐出する。図3(a)は図2(a)と同様、メディア20の上に1ドット分の印字インク22が付着した状態である。図3(b)は、印字インク22の上に3ドットのUVインク23、23、23を位置をずらして吐出した状態である。個々のUVインクは液体の状態で連結し、UV光を照射されると印字インク22の上に層を成して固化し、図3(c)に示すようにUV硬化インク24が形成される。
【0024】
図2において、印字用インク22の上を覆うUVインク23に、透明性を損なわない程度に僅かに着色料を添加し色を付ける。着色としては、カラーインクの三原色である、イエロー、マジェンタ、シアンが有効である。三原色は、顔料(ないし染料)の基本色のため、コピー印刷で色調を合せることが困難である。ここで、UVインクとして薄い黄色を使用すると黄色は人間の目に一番鈍感な色の為、見る人にはほとんど透明のフィルムが掛かっているようにしか見えないが、カラーコピー機でコピーすると黄色が可視可能な程度に濃くなる。逆に、コピー機で黄色のトーンを落して印刷すると、黄色の混合色である緑色、赤色がそれぞれ青っぽい緑、紅色になる。そのため、全体の色調が変り、コピー品か本物か容易に判断できる。
【0025】
UVインク色にマジェンタやシアンを使う場合は、通常UVインク層の厚さは10〜30μmであり、UVインクの厚さによる質感の差で本物かコピー品か判断出来る。また、薄色のUVインクは単色だけでなく、混合色の緑色、赤色、紫色を併用できると更にコピー品との差が明確になる。
【0026】
次に、透明UVインクに透明性を損なわない程度に僅かに薄墨色の着色料を混合すると、UVインクの厚さによる質感があり、コピー品とは容易に判別が付く。また、薄墨色のため、コピー時には印字面が薄汚れたようになりコピー品と容易に判断が付き易い。薄墨色のUVインクは、印字面がカラーのものには特に有効である。
【0027】
UVインク層を削って偽造を試みることも考えられるので、印字インクをメディア上では十分に乾かない材質にすると、偽造の為にUV層を削ったり、印字インク層を落そうとする試みは、メディアの面が汚れて、偽造が容易に判別出来る。また、特殊メディアに印字したい顧客の為にも、印字インクがメディアに対し乾燥しない場合でも十分に印字インクの保護と偽造防止の役目を果たすUVインク層を形成する事が出来る。
【0028】
これらの印刷された印刷物の裏面に粘着材処理を施せば、オリジナルの偽造防止シールとして使用できる。
また、印字用インクとして金属粉入りインク、蛍光塗料入りインク、パール材混合インク等を添加すれば、インク自体のオリジナル性とUVインクの保護機能を合せ持った、印字面の改ざんが出来にくくかつカラーコピーの偽造も容易に判断が付く印刷物にできる。
【0029】
印字インクを覆う為には、UVインク以外にソリッドインクを使用する方法もある。ただし、ソリッドインクは主剤が蝋のため、UVインクより柔らかいという難点がある。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、カラーコピーでは再現できないオリジナリティーのある印刷物を生成するができ、印刷物の偽造を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したインクジェットプリント装置の構成図。
【図2】本発明の例によるメディア上のインク状態図。
【図3】本発明の例によるメディア上のインク状態図。
【図4】本発明の例によるメディア上のインク状態図。
【図5】従来のメディア上のインク状態図。
【図6】従来のメディア上のインク状態図。
【符号の説明】
1はインクジェットプリント装置、11はメディア搬送ベルト、12は印字用ヘッド、13はUVインク噴射ヘッド、14はUV光発生装置、15はUV光発生ランプ、20は印刷メディア、22は印刷インク、23はUVインク、24はUV硬化インクである。
Claims (6)
- 印刷メディアの送り方向に対し、複数のノズルを有する印字ヘッド、透明UVインクを噴射するUVインクヘッド、及び前記透明UVインクを固化するための紫外線照射装置を配置し、前記印字ヘッドから前記印刷メディアに噴射した印字インクを前記UVインクヘッドから噴射した透明UVインクで包み込んだ後、前記紫外線照射装置によりUV照射し前記透明UVインクを固化させることを特徴とする印刷方法。
- 前記印字インクと前記透明UVインク間には親和性または相溶性を持たせたことを特徴とする請求項1に記載の印刷方法。
- 前記透明UVインクは、透明性を損なわない程度に僅かに着色料が混合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷方法。
- 前記着色料は薄墨色であることを特徴とする請求項3に記載の印刷方法。
- 前記印字インクには金属粉入りインク、蛍光塗料入りインク、パール材混合インク等を添加されていことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷方法。
- 前記印刷メディアに対して前記印字インクが速乾性でない、あるいは完全に乾燥しないことを特徴とする請求項2に記載の印刷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003043437A JP2004249617A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 印刷方法 |
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JP2003043437A JP2004249617A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 印刷方法 |
Publications (1)
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JP2004249617A true JP2004249617A (ja) | 2004-09-09 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003043437A Pending JP2004249617A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 印刷方法 |
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Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2012196911A (ja) * | 2011-03-22 | 2012-10-18 | Seiko Epson Corp | 印刷装置、印刷方法及びプログラム |
CN103407302A (zh) * | 2013-07-17 | 2013-11-27 | 陈德永 | 一种双面印刷方法 |
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