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JP2004248725A - 打球の解析装置及び方法 - Google Patents

打球の解析装置及び方法 Download PDF

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JP2004248725A
JP2004248725A JP2003039638A JP2003039638A JP2004248725A JP 2004248725 A JP2004248725 A JP 2004248725A JP 2003039638 A JP2003039638 A JP 2003039638A JP 2003039638 A JP2003039638 A JP 2003039638A JP 2004248725 A JP2004248725 A JP 2004248725A
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ball
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Application number
JP2003039638A
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English (en)
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Keiji Matsuda
圭司 松田
Takeshi Nagami
武司 永見
Kenji Tsubokura
健司 坪倉
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
SCIMEDIA Ltd
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
SCIMEDIA Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】カメラマン及びオペレータを必要とすることなく、打球の解析を行うことができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】打球の解析装置は、打球を高速撮影するための高速カメラ装置と、該高速カメラ装置によって撮影された画像を表示するための表示装置と、上記高速カメラ装置からの画像信号を入力して打球の運動を求めるための演算装置と、を有し、上記演算装置は、上記高速カメラ装置によって撮影された画像から打撃の瞬間を撮像した画像とその前後の画像を取り出し、該取り出した画像より合成画像を生成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフボールの打法の解析に利用して好適な打球の運動を解析するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフボールの打法を解析する方法として、従来、ストロボカメラを使用する方法が知られている。この方法では、カメラマンがストロボカメラによって、打球を撮像して1枚の写真にする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法では、プレーヤ以外に、撮影を行うカメラマンと撮影された画像を解析するためのオペレータが必要であった。
従来の方法では、飛距離を求めるために、前処理又は後処理の段階で実世界と撮影された画像との比率を計算する必要があった。
【0004】
本発明は、カメラマン及びオペレータを必要とすることなく、打球の解析を行うことができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、球の寸法を設定するだけで実世界と撮像された画像との比率を求め、球の大きさや打撃を行う道具の状態を計測できる技術を提供することを目的とする。
本発明は、プレーヤ自身によって、打球の撮影及び解析を行うことができる解析装置及び方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、打球の解析装置は、打球を高速撮影するための高速カメラ装置と、該高速カメラ装置によって撮影された画像を表示するための表示装置と、上記高速カメラ装置からの画像信号を入力して打球の運動を求めるための演算装置と、を有し、上記演算装置は、上記高速カメラ装置によって撮影された画像から打撃の瞬間を撮像した画像とその前後の画像を取り出し、該取り出した画像より合成画像を生成する。
【0006】
更に、本発明によると、上記高速カメラ装置は打撃を検出したときにトリガー信号を生成し、上記演算装置は、上記トリガー信号に基づいて、上記合成画像を生成する処理を開始する。
従って、本発明によると、カメラマン及びオペレータを必要とすることなく、プレーヤは、打球の解析結果を得ることができる。
【0007】
更に、本発明によると、請求項2記載の打球の解析装置において、上記演算装置は、上記トリガー信号を受信するまでは、上記高速カメラ装置より出力された高速の画像信号より間引きした信号を処理し、上記トリガー信号を受信したとき、上記高速カメラ装置より出力された高速の画像信号を処理する。
【0008】
更に、上記演算装置は、上記高速カメラ装置によって撮影された画像を順次記録するためのメモリを有し、上記メモリに記録された複数の画像から打撃の瞬間を撮像した画像とその前後の画像を取り出す。
従って、本発明によると、より少ない情報処理機能及び情報記憶機能によって、画像処理を行うことができる。
【0009】
本発明によると、打球の解析装置において、上記高速カメラ装置は、打球を水平方向から高速撮影するための水平高速カメラ装置と打球を垂直方向から高速撮影するための垂直高速カメラ装置とを含む。
従って、本発明によると、水平方向の画像と垂直方向の画像を得ることができる。
【0010】
更に、本発明によると、打球の解析装置において、上記演算装置は、打球の形状を楕円近似法によって楕円近似することによって打球の形状を求める。
更に、上記演算装置は、打球の直径が与えられているとき、画像上の画素を単位とする距離と実世界上の長さを単位とする距離の換算係数を求め、該換算係数を使用して打球の運動を演算する。
従って、打球の位置及び形状を正確に認識し、打球の速度を正確に求めることができる。
【0011】
上記演算装置は、上記高速カメラ装置によって撮影された打撃を与える道具に付されたマーカの像から上記道具による打撃の瞬間を撮像した画像を取り出す。上記演算装置は、上記打球に打撃を与えた道具の軌跡及び速度を求める。
【0012】
本発明によると、打球の解析方法は、打球を高速撮影するための高速撮影工程と、上記高速撮影によって得られた画像から打撃の瞬間を撮像した画像とその前後の画像を含む複数の画像を取り出すための画像選択工程と、上記複数の画像より打球を含まない背景画像を取り出すための背景画像選択工程と、上記複数の画像より打球を含む画像を取り出し、それより打球の画像部分を切出すための打球切出し工程と、該切出した打球の画像部分を上記背景画像に合成するための合成工程と、を含む。
【0013】
更に、打撃を検出したときにトリガー信号を生成するためのトリガー信号生成工程と、該トリガー信号が生成されたときに、上記画像選択工程を開始する。
更に、上記トリガー信号を受信するまでは、上記高速撮影によって得られた高速の画像信号より間引きした信号を処理し、上記トリガー信号を受信したとき、上記高速撮影によって得られた高速の画像信号を処理する。
上記高速撮影によって得られた画像をメモリに順次記録するための記録工程と、を有し、上記画像選択工程は、上記メモリより上記複数の画像を取り出す。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1を参照して本例の打球の解析システムの概要を説明する。ここでは、本例の打球の解析システムを使用して、ゴルフクラブヘッドによってゴルフボールをヒットした場合の打球の運動を解析する方法を説明する。
【0015】
本例の打球の解析システムは、打球を水平方向から高速撮影するための水平高速カメラ装置12と、打球を垂直方向から高速撮影するための垂直高速カメラ装置14と、高速カメラ装置12、14の出力を入力して打球の運動を解析するための演算装置20と、高速カメラ装置12、14によって撮像された打球の画像を表示するための表示装置22と、キーボード、マウス等の入力装置24とを有する。
【0016】
演算装置20は通常のコンピュータ装置であってよい。水平高速カメラ装置12は光軸が水平となるように設定され、垂直高速カメラ装置14は光軸が垂直となるように設定される。
【0017】
本例の高速カメラ装置12、14は、ゴルフボール100がクラブヘッド102によってヒットされたことを検出する機能、即ち、トリガーを検出する機能を有する。トリガーは、打撃音によって検出してよいが、本例では、2つの高速カメラ装置12、14による撮像画像における輝度の変化によって検出する。
【0018】
高速カメラ装置12、14は画像信号と共にトリガー信号を演算装置20に出力する。演算装置20はトリガー信号を受信すると、ゴルフボールの軌跡の解析を行う。
【0019】
尚、本例では、トリガー信号を出力する機能を有する高速カメラ装置12、14を使用するが、トリガー信号を出力する機能を有しない高速カメラ装置を使用してもよい。この場合、演算装置20が、高速カメラ装置からの画像信号に基づいてトリガー信号を生成する。
【0020】
図2及び図3を参照して本例の高速カメラ装置12、14及び演算装置20の動作を説明する。本例の高速カメラ装置12、14は、毎秒360コマの画像信号を生成する、即ち、通常のNTSC方式の画像信号の12倍の速度にて撮影を行う。尚、毎秒24コマ又は36コマの映画用の画像信号を使用してもよい。
【0021】
高速カメラ装置12、14は、毎秒360コマの画像信号を生成するが、通常、実際に出力するのは、それを間引きした毎秒30コマの画像信号である。これをここでは低速モードと称する。高速カメラ装置12、14は、トリガーを検出すると、即ち、ゴルフボール100がクラブヘッド102によってヒットされたことを検出すると、毎秒360コマの画像信号を出力する。これをここでは高速モードと称する。
【0022】
高速カメラ装置12、14は、トリガーを検出するとトリガー信号を生成する。トリガー信号の生成方法として、例えば、ゴルフボールがヒットされた瞬間の画像に「T」のトリガーマークを付してよい。
【0023】
高速カメラ装置12、14は、画像信号を一時的に記憶するメモリを有し、メモリに記憶された画像を順次出力する。低速モードから高速モードに切り替わったとき、メモリには、ゴルフボールがヒットされた瞬間の画像とその前後の画像が記憶されている。従って、高速モードに切り替わってから、高速カメラ装置12、14が最初に出力する画像は、ゴルフボールがヒットされた瞬間より前の画像となる。
【0024】
図2は、演算装置20が入力する信号を示す。時刻t1にて、本例の打球の解析システムによる解析の準備が完了し、演算装置20はトリガー信号待ちの状態となる。トリガー信号待ちの状態では、低速モードの画像信号、即ち、毎秒30コマの画像信号を入力する。時点t2にて、高速カメラ12、14はトリガーを検出し、低速モードから高速モードに切り替わる。演算装置20は毎秒360コマの画像信号を入力する。時点t3にて、演算装置20は、ゴルフボールがヒットされた瞬間の画像を入力する、即ち、トリガー信号を検出する。
【0025】
各高速カメラ装置からの信号は演算装置20に設けられた画像キャプチャーボードに取り込まれ、画像用のメモリに保存される。画像用のメモリに記憶された画像は、古い順から、新しいものによって上書きされる。このメモリの容量は、例えば、30コマの画像を記憶することができる。各画像がメモリに記憶されている時間は、毎秒30コマの低速モードでは、1秒であるが、毎秒360コマの高速モードでは、1/12秒である。一方、ヒットされたゴルフボールが画面から消えるまでのコマ数は、高速モードの3コマであり、これは1/120秒に相当する。従って、メモリの容量は、30コマを記憶することが可能であれば十分である。
【0026】
演算装置20は、トリガー信号が付された画像を中心に前後各15コマの画像、即ち、合計30コマの画像をメモリより取り出す。具体的には、演算装置20が、トリガー信号を検出した時点t3より1/24秒前から1/24秒後までである。
【0027】
上述のように、本例では、高速カメラ12、14がトリガーを検出し、低速モードから高速モードに切り替わった時点t2と、演算装置20が画像信号よりトリガー信号を検出した時点t3は必ずしも一致していなくてもよい。
尚、演算装置20は、時点t3の前後合計30コマの画像ではなく、例えば、時点t3の前後合計20コマの画像を取り出してもよい。
【0028】
図3は、30コマの画像のうち、クラブヘッド102がゴルフボール100に衝突した瞬間の画像G6とその前後各5コマの画像G1〜G5、G7〜G11を示す。本例では、クラブヘッド102には、所定の輝度を有する2つのマーカ104が付されており、各画像にはゴルフボール100と2つのマーカ104が表示されている。
【0029】
上述のように、ヒットされたゴルフボールが画面に含まれるのは、クラブヘッド102がゴルフボール100に衝突した瞬間から3コマの画像G6〜G8である。この3コマの画像より後の画像にはゴルフボールが含まれていない。また、ヒットしたクラブヘッドが画面に含まれるのは、クラブヘッド102がゴルフボール100に衝突した瞬間から6コマの画像G6〜G11である。これより後の画像には、クラブヘッド102もゴルフボール100も含まない。クラブヘッド102もゴルフボール100も含まない画像、例えば、30コマのうちの最後の画像を合成画像のベースとして使用してよい。
【0030】
図4及び図5を参照して本例の打球の解析システムの動作を説明する。先ず、ステップS101にて、画像処理領域の設定を行う。図5に示すように、予め撮像されたゴルフボール100とクラブヘッド102を含む画像を表示装置22に表示する。上述のように、クラブヘッド102には、所定の輝度を有する2つのマーカ104が付される。2つのマーカは、クラブヘッドの先端と付け根近傍に付されてよい。
【0031】
表示装置22の画面のツールバーに表示された「画像処理領域の設定」のボタンをクリックすると、画像処理領域を指定するための長方形の枠形30が表示される。枠形30の内部が、画像処理の対象となる画像処理領域である。入力装置24を操作することによって、ゴルフボール100とクラブヘッド102が枠形30内に入るように、枠型30を縦方向及び横方向に拡大及び縮小させることができる。こうして枠形によって画像処理領域を指定することによって、不要な画像が除去され、画像処理が容易になる。画像処理の詳細については後に説明する。
【0032】
次に、ステップS102にて、トリガー領域の設定を行う。予め撮像されたゴルフボール100とクラブヘッド102を含む画像を表示装置22に表示する。画像の上端にトリガーマーク32が表示される。トリガー領域の設定は、ゴルフボールがヒットされた瞬間の画像にて、トリガーマーク32を四角形の枠34によって囲むことによって行う。
【0033】
ステップS103にて、画像の明るさ、コントラスト、閾値の設定を行う。これらの設定は、画面に表示されたスライドバーを移動させることによってなされてよい。先ず、ゴルフボール100とクラブヘッド102を含む画像を表示装置22に表示する。ゴルフボール100とクラブヘッド102又はマーカ104が周囲の背景より明るくなるように、「明るさ」及び「コントラスト」を調節する。
【0034】
「閾値」は、ゴルフボール100とクラブヘッド102又はマーカ104と周囲を区別するための輝度の基準値である。「閾値」のスライドバーを変化させると、ゴルフボールとクラブヘッド又はマーカの部分の輝度が閾値より大きくなり、赤色によって表示される。
【0035】
「閾値」は2つの値に設定されてよい。例えば、第1の閾値は、ゴルフボール及びマーカの位置を検出することができるように、即ち、赤色が適当な大きさとなるように、設定される。第2の閾値は、ゴルフボール及びクラブヘッドの外形輪郭を検出することができるように、即ち、赤色がゴルフボール及びクラブヘッドの大きさとなるように、設定される。
【0036】
ステップS104にて、画面のツールバーに表示された「RUN」のボタンをクリックすると、トリガー信号待ちの状態となる。トリガー信号待ちの状態では、表示装置22による画像表示を停止する。画像表示には、多くのコンピュータ装置の資源を必要とするため、取りこぼしが生ずる可能性を排除するためである。
【0037】
ユーザが、ゴルフクラブを振り、ゴルフボールを打つと、トリガー信号が生成される。トリガー信号が生成されると、ステップS105に進み、画像の解析を行う。
【0038】
図6を参照してステップS105における画像の解析を説明する。ステップS201にて、ラベリングを行い、画像中のゴルフボール及びクラブヘッドを認識する。先ず、図4のステップS101にて設定した画像処理領域をメッシュに分割し、各メッシュを2値化する。例えば、メッシュの輝度がステップS103にて設定した閾値より大きい場合には、1、閾値に等しいか又は小さい場合には、0とする。全てのメッシュが0である場合には、検出不可能となる。
【0039】
閾値より大きい輝度のメッシュのうち、上下左右の隣接するメッシュが同一値であるものについてのみ、連結する。連結によって形成されたメッシュの塊に番号を付する。複数のメッシュの塊より大きい順に、3つの塊を選択する。最大の塊がゴルフボールを表し、他の2つの塊はクラブヘッドの2つのマーカを表すと考えてよい。
【0040】
例えば、メッシュの塊が100ピクセル以上のものをゴルフボールであると認識してよい。半径が6ピクセル以上の又は1辺が12ピクセルの正方形に内接する略円形のものは、ゴルフボールであると認定してよい。
【0041】
例えば、残りの2つの塊の間の距離が5ピクセル以下である場合には、クラブヘッドのマーカであると認定することはできない。コントラストが強すぎる場合には、マーカ以外のものを誤認識している可能性がある。
【0042】
ステップS202にて、ゴルフボールの形状及び位置を認識する。ゴルフボールは、通常、影のため、円ではなく楕円の画像となる。本例では、ゴルフボールの画像を円として認識するのではなく、楕円近似によって認識する。ステップS202の詳細は、図9を参照して後に説明する。
【0043】
ステップS203にて、クラブヘッドのマーカの位置を認識する。マーカの中心位置のx座標は、上述の2つのメッシュの塊の最左値と最右値の中点として得られ、マーカの中心位置のy座標は、上述の2つのメッシュの塊の最上値と最下値の中点として得られる。
【0044】
ステップS204にて、30コマの全ての画像に対して上述の処理が終了したかを判定する。全ての画像に対して上述の処理が完了した場合には、ステップS205に進む。
【0045】
ステップS205にて、原点となるゴルフボールの初期位置とゴルフボールの直径を算出する。クラブヘッドがゴルフボールに衝突する前の15コマの画像を使用する。15コマの画像の各々にて、ゴルフボールの中心位置を求め、中心位置が最も集中している点を原点とする。15コマの画像の各々にて、ゴルフボールの直径を求め、その平均値を直径とする。尚、ゴルフボールの画像は影を含むため、楕円として認識される。従って、直径は楕円の長軸として求められる。
【0046】
ゴルフボールの直径が既知である場合には、その値を予め入力してもよい。この場合、画像と実世界の間の寸法比が求められる。それによって、後の打球の速度等の計算が可能となる。
【0047】
ステップS206にて、ゴルフボールの再確認を行う。30コマの各画像におけるゴルフボールの直径とステップS205にて求めた直径と比較する。2つの直径の間の偏差が10%以上である場合には、ゴルフボールを検出することができなかったものと判定する。但し、ゴルフボールとクラブヘッドの画像が融合した場合を除外する。
【0048】
ステップS207にて、合成画像を作成する。先ず、30コマの画像より、ゴルフボール及びクラブヘッドが含まれていない画像を取り出し、それを背景画像とする。上述のように、30コマの画像の最後の画像を用いてよい。次に、衝突後の画像よりゴルフボールが含まれる画像を取り出し、各画像よりゴルフボールの部分を切り取り、それを背景画像にコピーする。
【0049】
本例では、ゴルフボールを楕円近似するため、正確なゴルフボールの形状を得ることができる。背景画像に、ステップS205にて求めた原点とX軸及びY軸を書き込む。
【0050】
図7に水平高速カメラ装置12及び垂直高速カメラ装置14からの画像信号によって得られた合成画像の例を示す。
ステップS208にて、ゴルフボールの軌跡、速度及び軌跡角を計算する。ゴルフボールの軌跡を求めるために、図7に示すように、合成画像よりゴルフボールの中心位置を求め、原点Oとゴルフボールの中心位置を結ぶ線分O−Px、O−Pyがx軸及びy軸となす角を求める。複数のゴルフボールの中心位置を求め、原点Oと中心位置を結ぶ線分がx軸及びy軸となす角を求め、その最頻値又は平均値を求め、それを、ゴルフボールの軌跡角bv、bhとしてよい。軌跡角が求められると、合成画像上にゴルフボールの軌跡を作成する。
【0051】
次にゴルフボールの速度を求める。先ず。合成画像上の距離[pixel]と実世界上の距離[m]の換算係数を求める。合成画像上のゴルフボールの直径がL[pixel]であるとする。実際のゴルフボールの直径が0.043[m]であるとき、合成画像上の1[pixel]は0.043/L[m]に相当する。従って、ゴルフボールの水平面における速度hsは次の式によって求められる。
【0052】
【数1】
Figure 2004248725
【0053】
但し、Mは合成画像上の2つのゴルフボールの中心位置の間の距離[pixel]、Tは合成画像上の2つのゴルフボールの中心位置の間の時間[sec]、Lは合成画像上のゴルフボールの直径[pixel]である。2つのゴルフボールが隣接する2つのコマの画像より得られたものである場合には、T=1/360秒としてよい。
ゴルフボールの打ち上げ角baは次の式によって求められる。
【0054】
【数2】
Figure 2004248725
【0055】
bhは水平面上の打球の弾道角、bvは垂直面上の打球の弾道角であり、それぞれ、水平高速カメラ装置12及び垂直高速カメラ装置14の画像より得られる。ゴルフボールの打ち上げ速度bsは次の式によって求められる。
【0056】
【数3】
Figure 2004248725
ゴルフボールの飛距離caは次の式によって求められる。
【0057】
【数4】
Figure 2004248725
但し、gは重力加速度である。ゴルフボールの最高位置heは次の式によって求められる。
【0058】
【数5】
Figure 2004248725
【0059】
ステップS209にて、クラブのスイングの軌跡、速度及び軌跡角を計算する。合成画像にて、クラブヘッドに付された2つのマークを結ぶ縦の線分102を描く。線分の上端を結ぶ円弧がスイングの軌跡である。勿論、線分の上端を結ぶ円弧の代わりに、線分の下端を結ぶ円弧又は線分の中点を結ぶ円弧を使用してもよい。クラブのスイングの軌跡角は、スイングを円軌道で近似した軌跡とy軸またはz軸との交点における接線とx軸のなす角から求める。クラブのスイング速度は、ゴルフボールの速度の演算と同様な方法によって求められる。
【0060】
次に、図8を参照して、クラブヘッドの打撃角を求める。図8A及び図8Bは、クラブヘッドがゴルフボールに接触した瞬間の垂直画像及び水平画像の概略を示す。垂直画像におけるクラブヘッドの打撃角は、クラブヘッドに付された2つのマークを結ぶ縦の線分102がZ軸となす角cvであり、反時計方向を正とする。水平画像におけるクラブヘッドの打撃角は、クラブヘッドに付された2つのマークを結ぶ縦の線分102がY軸となす角chであり、反時計方向を正とする。即ち、打球が右方向に飛ぶイン・アウト方向を負、打球が左方向に飛ぶアウト・イン方向を正とする。
再び図6に戻り、最後にステップS210にて、合成画像を表示装置22に表示し、各種の演算値をファイルに記録する。
【0061】
図9を参照して、ステップS202のゴルフボールの形状及び位置の認識処理の例を説明する。上述のように、ゴルフボールの画像は、通常、影によって、円ではなく楕円となる。本例では、ゴルフボールの形状を楕円近似によって認識するため、より正確な形状が得られる。尚、楕円近似法の詳細については、特許第2600114号及び特願2001−114581に記載されている。
【0062】
先ずステップS301にて、ラベリングによって検出されたゴルフボールの輪郭よりエッジ検出を行いゴルフボールの楕円近似を行う。ゴルフボールの外形の輪郭より大きい四角形の領域を設定する。この四角形内の画素を上から下に向かって検索し、各列の閾値を越える最初の画素の座標を登録する。次に、この四角形内の画素を下から上に向かって検索し、各列の閾値を越える最初の画素の座標を登録する。こうして、2方向からの走査により得られた座標を使用して、楕円近似を行い、楕円のパラメータを算出する。
【0063】
ステップS302にて、ゴルフボールの輪郭のより精密な楕円近似を求める。ステップS301にて得られた楕円パラメータを使用して、ゴルフボールの輪郭の近傍を検出する。エッジ検出は、閾値の近傍にて、画素の変化が最も大きい位置を検出する。こうして、より正確なエッジ検出によって、ゴルフボールの楕円近似が得られる。
【0064】
ステップS303にて、ステップS302にて得られたゴルフボールの楕円近似を使用して、再度ボールの輪郭座標を追加する。ステップS304にて、左右方向から、ステップS301及びS302の処理と同様な処理を行う。
【0065】
ステップS304にて、得られた楕円の縦方向の寸法をt、横方向の寸法をkとするとき、両者の比t/kの値がt/k=0.75〜1.5であることを確認する。クラブヘッドとゴルフボールが一体的に認識された場合を排除するためである。各画像におけるゴルフボールの有無、ゴルフボールの中心位置、ゴルフボールを楕円で近似した際のパラメータ、ゴルフボールの半径等を求めて、記録する。
【0066】
【発明の効果】
本発明によると、自動的に打球の軌跡、速度、打撃角度、スイングの軌跡等を求めることができる利点がある。
本発明によると、オペレータを必要とすることなく、打球の軌跡、速度、打撃角度、スイングの軌跡等を求めることができる利点がある。
本発明によると、カメラマンを必要とすることなく、打球の軌跡、スイングの軌跡等の画像を得ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による打球の解析システムの概略を説明するための説明図である。
【図2】本発明による高速カメラ装置により出力される画像信号を説明するための説明図である。
【図3】本発明による高速カメラ装置により撮像された画像の例を説明するための説明図である。
【図4】本発明による打球の解析システムによる打球の撮影手順を説明するための流れ図である。
【図5】本発明による打球の解析システムによる各種の設定方法を説明するための説明図である。
【図6】本発明による打球の解析システムによる画像解析の手順を説明するための流れ図である。
【図7】本発明による打球の解析システムによって打球の軌跡及び速度を計算する方法を説明するための説明図である。
【図8】本発明による打球の解析システムによって打撃角度を求める方法を説明するための説明図である。
【図9】本発明による打球の解析システムによってゴルフボールの形状を認識する方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
12,14…高速カメラ装置、 20…演算処理装置、 22…表示装置、 24…入力装置、 30…枠、 32…トリガーマーク、 34…枠、 100…ゴルフボール及びその画像、 102…ゴルフクラブ及びその画像、 104…マーカの画像

Claims (14)

  1. 打球を高速撮影するための高速カメラ装置と、該高速カメラ装置によって撮影された画像を表示するための表示装置と、上記高速カメラ装置からの画像信号を入力して打球の運動を求めるための演算装置と、を有し、上記演算装置は、上記高速カメラ装置によって撮影された画像から打撃の瞬間を撮像した画像とその前後の画像を取り出し、該取り出した画像より合成画像を生成するように構成された打球の解析装置。
  2. 請求項1記載の打球の解析装置において、上記高速カメラ装置は打撃を検出したときにトリガー信号を生成し、上記演算装置は、上記トリガー信号に基づいて、上記合成画像を生成する処理を開始することを特徴とする打球の解析装置。
  3. 請求項2記載の打球の解析装置において、上記演算装置は、上記トリガー信号を受信するまでは、上記高速カメラ装置より出力された高速の画像信号より間引きした信号を処理し、上記トリガー信号を受信したとき、上記高速カメラ装置より出力された高速の画像信号を処理することを特徴とする打球の解析装置。
  4. 請求項1記載の打球の解析装置において、上記演算装置は、上記高速カメラ装置によって撮影された画像を順次記録するためのメモリを有し、上記メモリに記録された複数の画像から打撃の瞬間を撮像した画像とその前後の画像を取り出すことを特徴とする打球の解析装置。
  5. 請求項1記載の打球の解析装置において、上記高速カメラ装置は、打球を水平方向から高速撮影するための水平高速カメラ装置と打球を垂直方向から高速撮影するための垂直高速カメラ装置とを含むことを特徴とする打球の解析装置。
  6. 請求項1記載の打球の解析装置において、上記演算装置は、打球の形状を楕円近似法によって楕円近似することによって打球の形状を求めることを特徴とする打球の解析装置。
  7. 請求項1記載の打球の解析装置において、上記演算装置は、打球の直径が与えられているとき、画像上の画素を単位とする距離と実世界上の長さを単位とする距離の換算係数を求め、該換算係数を使用して打球の運動を演算することを特徴とする打球の解析装置。
  8. 請求項1記載の打球の解析装置において、上記演算装置は、上記高速カメラ装置によって撮影された打撃を与える道具に付されたマーカの像から上記道具による打撃の瞬間を撮像した画像を取り出し、打撃の瞬間を解析するように構成された打球の解析装置。
  9. 請求項1記載の打球の解析装置において、上記演算装置は、上記打球に打撃を与えた道具の軌跡及び速度を求めるように構成された打球の解析装置。
  10. 打球を高速撮影するための高速撮影工程と、上記高速撮影によって得られた画像から打撃の瞬間を撮像した画像とその前後の画像を含む複数の画像を取り出すための画像選択工程と、上記複数の画像より打球を含まない背景画像を取り出すための背景画像選択工程と、上記複数の画像より打球を含む画像を取り出し、それより打球の画像部分を切出すための打球切出し工程と、該切出した打球の画像部分を上記背景画像に合成するための合成工程と、を含む打球の解析方法。
  11. 請求項10記載の打球の解析方法において、打撃を検出したときにトリガー信号を生成するためのトリガー信号生成工程と、該トリガー信号が生成されたときに、上記画像選択工程を開始することを特徴とする打球の解析方法。
  12. 請求項10記載の打球の解析方法において、上記トリガー信号を受信するまでは、上記高速撮影によって得られた高速の画像信号より間引きした信号を処理し、上記トリガー信号を受信したとき、上記高速撮影によって得られた高速の画像信号を処理することを特徴とする打球の解析方法。
  13. 請求項10記載の打球の解析方法において、上記高速撮影によって得られた画像をメモリに順次記録するための記録工程と、を有し、上記画像選択工程は、上記メモリより上記複数の画像を取り出すことを特徴とする打球の解析方法。
  14. 請求項10〜13のいずれか1項記載の方法をコンピュータによって実現するためのプログラム。
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