【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池を備えた車両における車室内除湿構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。特に固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易なことから電動車両用の電源として注目されている。
【0003】
すなわち、燃料電池車両は、高圧水素タンク、液体水素タンク、水素吸蔵合金タンクなどの水素貯蔵装置を車両に搭載し、そこから供給される水素と、酸素を含む空気とを燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出した電気エネルギで駆動輪につながるモータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという究極のクリーン車両である。
【0004】
燃料電池車両の空気調和に関する従来の技術としては、燃料電池車両と同様に電動機を駆動源とする電気自動車等を想定した車両用ヒートポンプ式冷暖房装置として、特許文献1記載の技術がある。
【0005】
この冷暖房装置の空気通路は、内気と外気とを切り換えるインテークドアの下流に、ブロアファン、エバポレータ(蒸発器)、エアミックスドアを順次配置し、エアミックスドア後段の温風通路側にサブコンデンサと補助ヒータとを備えている。
【0006】
また、この冷暖房装置の冷媒回路は、冷媒コンプレッサの吐出側に、メインコンデンサとそのバイパス経路とを切り換えることにより冷房運転と暖房運転とを切り換える三方弁を備えている。冷房時には、コンプレッサ、三方弁、車室外のメインコンデンサ、サブコンデンサ、エバポレータを経てコンプレッサへ戻る冷媒回路が構成される。暖房時には、コンプレッサ、三方弁、バイパス経路、サブコンデンサ、エバポレータを経てコンプレッサへ戻る冷媒回路が構成される。
【0007】
この冷暖房装置が従来の内燃機関車両用の冷暖房装置と大きく異なる点は、従来車室内温風の熱源として用いるヒータコアの代わりに、エアコンサイクル内に追加したサブコンデンサを用いた点と、メインコンデンサとバイパス経路とを切り換える三方弁を設けた点と、冷媒コンプレッサが電動モータで駆動される点にある。
【0008】
上記構成により、暖房時はエバポレータで除湿し、サブコンデンサにて再昇温することで暖房するという除湿暖房をエアコンサイクルを用いて実現している。したがって内燃機関車両におけるエンジン冷却水の様な大きな熱源や十分な駆動力を期待しづらい電気自動車においても、冷暖房装置による消費電力を極力抑えることができ、車両性能への影響を最小限にすることが可能となった。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−138735号公報(第6頁、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の冷暖房装置にあっては、除湿のみが目的で車室温度はそのまま保ちたい場合においても、エアコンサイクルのために冷媒コンプレッサを作動させることが不可欠であり、これにより電力消費が発生する。特に保持可能なエネルギが限られている燃料電池車両においては、これにより車両としてのエネルギ効率が低下し、車両の航続可能距離が低下するという問題点があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するため、燃料電池を備えた車両の車室内除湿構造であって、2つのガス系間で水蒸気の交換を行う水蒸気交換装置を備え、該水蒸気交換装置が水蒸気を交換する一方のガス系を空気調和対象の空気とするとともに、他方のガス系を前記燃料電池に供給する空気としたことを要旨とする。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、水蒸気交換装置により空気調和対象の空気と燃料電池に供給する空気との水蒸気交換が可能となり、空気調和対象の空気から除湿と燃料電池へ供給する空気の加湿とをエネルギー消費を伴うことなく実現し、燃料電池を備えた車両の航続距離を伸延することができるという効果がある。
【0013】
また、従来の蒸発器を用いた場合の様ないたずらな温度低下を招くことなく、車室内空調系の除湿が可能となる。
【0014】
さらに、燃料電池スタックへ供給する空気を加湿する加湿器の負荷が下がり、結果として水マネジメント効率向上及び燃料電池車両としての消費エネルギの減少が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
〔第一実施形態〕
次に図面を参照して、本発明に係る車室内除湿構造の第一実施形態を詳細に説明する。図1は、第一実施形態の燃料電池車両の車室内除湿構造を示したものであり、車室内空気調和系(以下、車室内空調系と略す)10と、燃料電池システムの一部であるスタック吸気系20とを備えている。燃料電池システムは、好ましくは固体高分子型燃料電池であり、図示しない水素供給系から供給される燃料ガスである水素ガスと、スタック吸気系20から供給される酸化剤ガスである空気とを用いて発電するものとする。
【0016】
車室内空調系10は、内気と外気の切替用インテークドア11と、インテークドア11で選択された吸気を送風するブロアファン12と、切替ドア13と、水蒸気交換装置14と、蒸発器(エバポレータ)15と、エアミックスドア16と、サブコンデンサ17と、PTCヒータ18とを、それぞれ上流側より設置したものである。
【0017】
ここで、切替ドア13の下流には、水蒸気交換装置14と蒸発器15とが並列に配置され、切替ドア13の位置により、水蒸気交換装置14を経由した空気と蒸発器15を経由した空気とを任意の割合で混合又は切替できるようになっている。
【0018】
蒸発器15とエアミックスドア16は、通常の車室内空調系の蒸発器及びエアミックスドアと同様である。
【0019】
サブコンデンサ17は、従来技術の特許文献1に示したサブコンデンサと同様のもので、ヒートポンプ式の暖房を行う場合の熱源となるとともに、蒸発器15を使用して除湿を行う場合に、低下した空気温度を上昇させるものである。
【0020】
PTCヒータ18は、電気抵抗値が正の温度係数を有する半導体感温素子(PTCサーミスタ)を用いた電気ヒータである。このPTCヒータ18は、サブコンデンサ17からの熱源供給が不足する場合に作動させる前記特許文献1記載の補助ヒータに相当する。
【0021】
またスタック吸気系20は、外気を圧縮するエアコンプレッサ21と、圧縮した空気を冷却するアフタークーラ22と、空気を加湿する加湿器23と、加湿器23で加湿した空気が酸化剤ガスとして供給される燃料電池スタック24とを、それぞれ上流側より設置したものである。
【0022】
更に車室内空調系10とスタック吸気系20とをバイパス経路25a、25bにて接続する。バイパス経路25aは、エアコンプレッサ21とアフタークーラ22の間から分岐し、その先は水蒸気交換装置14の被加湿ガス入口14cにつながれており、更にその経路途中にバルブ26を有している。
【0023】
一方バイパス経路25bは、水蒸気交換装置14の被加湿ガス出口14dから発し、その先はエアコンプレッサ21とアフタークーラ22の間で且つバイパス経路25aよりも下流側に接続される。また水蒸気交換装置14の湿潤ガス入口14a及び湿潤ガス出口14bはそれぞれ、車室内空調系10の空気流れに沿う形で位置している。
【0024】
上述の構成による作用を説明する。まず車室空調系10で内気循環或いは外気導入された空気は、インテークドア11、ブロアファン12、切替ドア13を介して水蒸気交換装置14の湿潤ガス入口14aに導かれる。一方スタック吸気系20で吸入された外気は、エアコンプレッサ21、バルブ26、バイパス経路25aを介して水蒸気交換装置14の被加湿ガス入口14cに導かれる。
【0025】
この際、外気はエアコンプレッサ21にて圧縮されて吸気系に取り込まれる為、常圧以上に加圧されて高温になっており、相対湿度も低くなっている。水蒸気交換装置14において、車室内空調ラインの空気とスタック吸気系の外気は対向流形式で流れて水蒸気交換を行うが、スタック吸気系外気の方が高温で水蒸気分圧も低いので、車室内空調ラインの空気から水蒸気を奪う形となる。これにより車室内空調系の除湿がいたずらに温度を下げられることなく実現する作用が得られる。
【0026】
但し、スタック吸気系の外気はエアコンプレッサ21にて加圧されているため高温である為、水蒸気交換装置14において水蒸気のみならず熱交換も行われる。これは、車室内を暖房する際には、熱源が不足している燃料電池車両にとって有利であるが、冷房が必要な状況にあっては車室内空調温が必要以上に高くなる可能性はある。これを回避する為に、従来の蒸発器15を用いた温度低下を伴う除湿と併用可能とした構造とし、これらの空気流量配分は切替ドア13を用いて行う。
【0027】
また、水蒸気交換装置14にて水蒸気を供給されたスタック吸気系の外気は、水蒸気交換装置の被加湿ガス出口14dからバイパス経路25bを経てスタック吸気系に合流し、アフタークーラ22を経て加湿器23へ導かれるが、水蒸気交換装置14において車室内空調系の空気より得られた水蒸気量分だけ加湿器23の作動負荷が軽減されることは言うまでもない。この様に燃料電池車両全体の省電力化をもたらす作用も得られる。
【0028】
尚、本発明における水蒸気交換装置としては、例えば、特開平7−71795号公報等に示されている中空糸膜を用いた加湿器を利用することができる。
【0029】
この中空糸膜式加湿器は、ハウジング内に中空糸膜の束を収容している。中空糸膜は、ポリイミド系やフッ素系の高分子膜を中空糸形状にしたものである。ハウジングの一端部には第1の流体の入口(図1の14aに相当)、ハウジングの他端部には第1の流体の出口(同14b)を有している。中空糸膜の束は、その一端が第1の流体の入口へ、その他端が第1の流体の出口へ、それぞれ開口する様にポッティング材により固定されている。ポッティング材は主にウレタンやシリコン系の樹脂材等で形成されている。これにより、ハウジングの第1の流体の入口から流入した第1の流体は、中空糸膜の一端から中空糸膜内部を通って他端に達し、第1の流体の出口からハウジング外部へ流出することができる。
【0030】
また、ハウジングには、中空糸膜の他端がポッテイングされた位置から中央寄りに、ハウジング内部と連通する第2の流体入口(図1の14cに相当)が設けられ、中空糸膜の一端がポッテイングされた位置から中央寄りに、ハウジング内部と連通する第2の流体出口(同14d)が設けられている。
【0031】
これにより、第2の流体入口からハウジング内に流入した第2の流体は、中空糸膜の外部を第2の流体の出口まで流れる間に、中空糸膜の内部を流れる第1の流体と水蒸気交換をすることができるようになっている。
【0032】
但し、水蒸気交換装置は、上記中空糸膜式加湿器に限らず、双方の水蒸気分圧差を主たるドライビングフォースとして、二系統間の水蒸気交換を行う機能を有するものは、総じてこれに含むものとする。具体例としては、ゼオライト膜やポリビニール膜に代表される一連のパーベーパーレーション分離手法に用いるモジュール等は、これに該当する。
【0033】
このように水蒸気交換装置として、2つのガス系における双方の水蒸気分圧差を主たる駆動力とした水蒸気交換装置を用いているので、車室内空調ラインと燃料電池への供給空気との間の水蒸気交換に使用するエネルギが不要となるため、さらに燃料電池車両としての消費エネルギの減少が可能となる。
【0034】
〔第二実施形態〕
次に図2を参照して、本発明に係る車室内除湿構造の第二実施形態を詳細に説明する。但し、第二実施形態においては、第一実施形態と異なる部分の説明のみを行うことにする。
【0035】
車室内空調系50は、内気と外気の切替用インテークドア11と、ブロアファン12と、水蒸気交換装置14と、蒸発器15と、エアミックスドア16と、サブコンデンサ17と、PTCヒータ18とを、上流側よりそれぞれ直列に設置したものである。
【0036】
第1実施形態との相違は、第2実施形態では、切替ドア13がなく、水蒸気交換装置14の後段に蒸発器15が直列に配置されている点である。その他の構成要素は、第1実施形態と同様であり、同じ構成要素には、同じ符号を付与している。
【0037】
スタック吸気系20は、図1に示した第1実施系形態のスタック吸気系20と同様のものである。更に車室内空調系50とスタック吸気系20をバイパス経路25a、25bにて接続する。
【0038】
バイパス経路25aは、エアコンプレッサ21とアフタークーラ22の間から分岐し、その先は水蒸気交換装置14の被加湿ガス入口14cにつながれており、更にその経路途中にバルブ26を有している。
【0039】
一方バイパス経路25bは水蒸気交換装置14の被加湿ガス出口14dから発し、その先はエアコンプレッサ21とアフタークーラ22の間で且つバイパス経路25aよりも下流側に接続される。また水蒸気交換装置14の湿潤ガス入口14a及び湿潤ガス出口14bはそれぞれ、車室内空調系50の空気流れに沿う形で位置している。
【0040】
上述の構成による作用を説明する。まず車室内空調系50で内気循環或いは外気導入された空気は、インテークドア11、ブロアファン12を介して水蒸気交換装置14の湿潤ガス入口14aに導かれる。この時に本実施形態では、車室内空調系50を流れる空気全量が水蒸気交換装置14にて除湿されるので、車室内空調系50を流れる空気の水蒸気分圧がより低く、即ち含み得る水蒸気量がより少なくなる。
【0041】
それ故、その後の蒸発器15を通した際にも露点以下、即ち結露することがほとんどなく車室内へと導かれる。換言すれば、本来蒸発器15を用いて除湿したことにより発生するはずの凝縮水を、燃料電池車両の吸気ラインにおける空気の加湿に再利用したことを意味している。従って、燃料電池車両における水マネジメント効率の更なる向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車室内除湿構造の第一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る車室内除湿構造の第二実施形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10、50…車室内空調系
11…インテークドア
12…ブロアファン
13…切替ドア
14…水蒸気交換装置
14a…湿潤ガス入口
14b…湿潤ガス出口
14c…被加湿ガス入口
14d…被加湿ガス出口
15…蒸発器
16…エアミックスドア
17…サブコンデンサ
18…PTCヒータ
20…スタック吸気系
21…エアコンプレッサ
22…アフタークーラ
23…加湿器
24…燃料電池スタック
25a…バイパス経路(往路)
25b…バイパス経路(復路)
26…バルブ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a vehicle interior dehumidification structure in a vehicle including a fuel cell.
[0002]
[Prior art]
In a fuel cell, a fuel gas such as a hydrogen gas and an oxidizing gas containing oxygen are electrochemically reacted via an electrolyte, and electric energy is directly extracted from between electrodes provided on both surfaces of the electrolyte. In particular, a polymer electrolyte fuel cell using a polymer electrolyte has drawn attention as a power source for electric vehicles because of its low operating temperature and easy handling.
[0003]
That is, a fuel cell vehicle is equipped with a hydrogen storage device such as a high-pressure hydrogen tank, a liquid hydrogen tank, a hydrogen storage alloy tank, etc., and sends hydrogen supplied therefrom and air containing oxygen to the fuel cell to react. Then, the electric energy taken out of the fuel cell drives the motor connected to the driving wheels, and is the ultimate clean vehicle that emits only water.
[0004]
As a conventional technology related to air conditioning of a fuel cell vehicle, there is a technology described in Patent Document 1 as a vehicle heat pump air conditioner that assumes an electric vehicle or the like that uses an electric motor as a drive source, similarly to a fuel cell vehicle.
[0005]
In the air passage of this air conditioner, a blower fan, an evaporator (evaporator), and an air mixing door are sequentially arranged downstream of an intake door that switches between inside air and outside air. And an auxiliary heater.
[0006]
Further, the refrigerant circuit of the cooling / heating device includes a three-way valve on the discharge side of the refrigerant compressor, which switches between a cooling operation and a heating operation by switching between a main condenser and its bypass path. During cooling, a refrigerant circuit that returns to the compressor via the compressor, the three-way valve, the main condenser outside the vehicle compartment, the sub-condenser, and the evaporator is configured. During heating, a refrigerant circuit that returns to the compressor via the compressor, the three-way valve, the bypass path, the sub-condenser, and the evaporator is configured.
[0007]
The main difference between this cooling and heating device and the conventional cooling and heating device for internal combustion engine vehicles is that a sub-condenser added in the air-conditioning cycle is used instead of the heater core conventionally used as a heat source for the warm air inside the vehicle, The point is that a three-way valve for switching the bypass path is provided, and the refrigerant compressor is driven by an electric motor.
[0008]
With the above-described configuration, dehumidifying and heating in which heating is performed by dehumidifying by an evaporator and heating by a sub-condenser at the time of heating is realized using an air conditioner cycle. Therefore, even in electric vehicles that are not expected to have a large heat source such as engine cooling water or sufficient driving force in internal combustion engine vehicles, it is possible to minimize the power consumption of the cooling and heating device and minimize the effect on vehicle performance. Became possible.
[0009]
[Patent Document 1]
JP 2001-138735 A (page 6, FIG. 1)
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-mentioned conventional air conditioner, even when only the purpose of dehumidification is to be maintained and the room temperature is to be maintained, it is indispensable to operate the refrigerant compressor for the air conditioner cycle, thereby generating power consumption. . Particularly, in a fuel cell vehicle in which the energy that can be held is limited, there is a problem in that the energy efficiency of the vehicle is reduced and the cruising distance of the vehicle is reduced.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present invention provides a vehicle interior dehumidification structure provided with a fuel cell, comprising a steam exchange device for exchanging steam between two gas systems, wherein the steam exchange device is provided with a steam exchange device. The point is that one of the gas systems to be replaced is air to be air-conditioned and the other gas system is air to be supplied to the fuel cell.
[0012]
【The invention's effect】
Advantageous Effects of Invention According to the present invention, steam exchange between air to be air-conditioned and air to be supplied to the fuel cell can be performed by the steam exchange device, and energy consumption is achieved by dehumidifying air from the air to be air-conditioned and humidifying the air supplied to the fuel cell. And the cruising distance of the vehicle equipped with the fuel cell can be extended.
[0013]
In addition, it is possible to dehumidify the vehicle interior air-conditioning system without causing unnecessarily low temperature as in the case of using the conventional evaporator.
[0014]
Furthermore, the load on the humidifier that humidifies the air supplied to the fuel cell stack is reduced, and as a result, the water management efficiency can be improved and the energy consumption of the fuel cell vehicle can be reduced.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
(First embodiment)
Next, a first embodiment of a vehicle interior dehumidifying structure according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings. FIG. 1 shows a vehicle interior dehumidifying structure of a fuel cell vehicle according to a first embodiment, which is a part of a vehicle interior air conditioning system (hereinafter abbreviated as a vehicle interior air conditioning system) 10 and a part of a fuel cell system. A stack intake system 20 is provided. The fuel cell system is preferably a polymer electrolyte fuel cell, and uses hydrogen gas as a fuel gas supplied from a hydrogen supply system (not shown) and air as an oxidant gas supplied from a stack intake system 20. Power generation.
[0016]
The vehicle interior air-conditioning system 10 includes an intake door 11 for switching between inside air and outside air, a blower fan 12 that blows the intake air selected by the intake door 11, a switching door 13, a steam exchange device 14, and an evaporator (evaporator). 15, an air mix door 16, a sub-condenser 17, and a PTC heater 18 are respectively installed from the upstream side.
[0017]
Here, a steam exchange device 14 and an evaporator 15 are arranged in parallel downstream of the switching door 13, and depending on the position of the switching door 13, the air passing through the steam exchange device 14 and the air passing through the evaporator 15 are separated. Can be mixed or switched at an arbitrary ratio.
[0018]
The evaporator 15 and the air mix door 16 are the same as the evaporator and the air mix door of a normal vehicle interior air conditioning system.
[0019]
The sub-condenser 17 is similar to the sub-condenser shown in Patent Document 1 of the related art, and serves as a heat source when performing heat pump-type heating, and decreases when performing dehumidification using the evaporator 15. It raises the air temperature.
[0020]
The PTC heater 18 is an electric heater using a semiconductor thermosensitive element (PTC thermistor) having a positive temperature coefficient of electric resistance. The PTC heater 18 corresponds to an auxiliary heater described in Patent Document 1 that is operated when the supply of the heat source from the sub-condenser 17 is insufficient.
[0021]
Further, the stack intake system 20 is supplied with an air compressor 21 for compressing outside air, an aftercooler 22 for cooling compressed air, a humidifier 23 for humidifying air, and air humidified by the humidifier 23 as an oxidizing gas. Fuel cell stacks 24 are installed from the upstream side, respectively.
[0022]
Further, the vehicle interior air-conditioning system 10 and the stack intake system 20 are connected by bypass paths 25a and 25b. The bypass path 25a branches from between the air compressor 21 and the aftercooler 22, and is connected to the humidified gas inlet 14c of the steam exchange device 14, and further has a valve 26 in the path.
[0023]
On the other hand, the bypass passage 25b is emitted from the humidified gas outlet 14d of the steam exchange device 14, and is connected between the air compressor 21 and the after cooler 22 and downstream of the bypass passage 25a. Further, the wet gas inlet 14a and the wet gas outlet 14b of the steam exchange device 14 are located along the air flow of the vehicle interior air conditioning system 10, respectively.
[0024]
The operation of the above configuration will be described. First, air circulated inside or introduced outside air in the vehicle interior air-conditioning system 10 is led to the wet gas inlet 14 a of the steam exchange device 14 via the intake door 11, the blower fan 12, and the switching door 13. On the other hand, the outside air sucked in the stack intake system 20 is guided to the humidified gas inlet 14c of the steam exchanger 14 via the air compressor 21, the valve 26, and the bypass path 25a.
[0025]
At this time, since the outside air is compressed by the air compressor 21 and taken into the air intake system, the outside air is pressurized to a normal pressure or higher to become a high temperature and a low relative humidity. In the steam exchange device 14, the air in the cabin air conditioning line and the outside air of the stack intake system flow in a counter-current manner to exchange steam. However, since the outside air of the stack intake system has a higher temperature and a lower partial pressure of steam, the air conditioning in the cabin air conditioner is performed. Water vapor is taken from the air in the line. As a result, an effect can be obtained in which dehumidification of the vehicle interior air-conditioning system is realized without unnecessarily decreasing the temperature.
[0026]
However, since the outside air of the stack intake system has a high temperature because it is pressurized by the air compressor 21, not only steam but also heat exchange is performed in the steam exchange device 14. This is advantageous for a fuel cell vehicle that lacks a heat source when heating the cabin, but the cabin air conditioning temperature may be higher than necessary when cooling is required. . In order to avoid this, a structure in which the conventional evaporator 15 can be used in combination with dehumidification accompanied by a temperature decrease using the evaporator 15 is used, and the air flow distribution is performed using the switching door 13.
[0027]
The outside air of the stack intake system supplied with steam by the steam exchange device 14 joins the stack intake system from the humidified gas outlet 14d of the steam exchange device via the bypass path 25b, and passes through the after cooler 22 to the humidifier 23. Needless to say, the operation load of the humidifier 23 is reduced by the amount of water vapor obtained from the air in the vehicle interior air conditioning system in the water vapor exchange device 14. In this manner, an effect of reducing the power consumption of the entire fuel cell vehicle can be obtained.
[0028]
In addition, as a steam exchange apparatus in the present invention, for example, a humidifier using a hollow fiber membrane disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-71795 can be used.
[0029]
This hollow fiber membrane humidifier accommodates a bundle of hollow fiber membranes in a housing. The hollow fiber membrane is a hollow fiber formed from a polyimide-based or fluorine-based polymer membrane. One end of the housing has a first fluid inlet (corresponding to 14a in FIG. 1), and the other end of the housing has a first fluid outlet (14b). The bundle of hollow fiber membranes is fixed by a potting material such that one end opens to the first fluid inlet and the other end opens to the first fluid outlet. The potting material is mainly formed of urethane or a silicon-based resin material. Thereby, the first fluid flowing from the inlet of the first fluid in the housing reaches the other end from one end of the hollow fiber membrane through the inside of the hollow fiber membrane, and flows out of the housing from the outlet of the first fluid. be able to.
[0030]
The housing is provided with a second fluid inlet (corresponding to 14c in FIG. 1) communicating with the inside of the housing near the center from the position where the other end of the hollow fiber membrane is potted, and one end of the hollow fiber membrane is provided. A second fluid outlet (14d) communicating with the inside of the housing is provided near the center from the potted position.
[0031]
As a result, the second fluid flowing into the housing from the second fluid inlet flows into the first fluid and the steam while flowing inside the hollow fiber membrane while flowing outside the hollow fiber membrane to the outlet of the second fluid. They can be exchanged.
[0032]
However, the steam exchange device is not limited to the above-mentioned hollow fiber membrane humidifier, and includes a device having a function of performing steam exchange between two systems as a main driving force using a difference in partial pressure of both steams. As a specific example, a module used in a series of pervaporation separation methods represented by a zeolite membrane or a polyvinyl membrane corresponds to this.
[0033]
As described above, since the steam exchange device using the steam pressure partial pressure difference between the two gas systems as the main driving force is used as the steam exchange device, the steam exchange between the vehicle interior air conditioning line and the air supplied to the fuel cell is performed. Since the energy used for the fuel cell vehicle is unnecessary, the energy consumption of the fuel cell vehicle can be further reduced.
[0034]
(Second embodiment)
Next, a second embodiment of the vehicle interior dehumidifying structure according to the present invention will be described in detail with reference to FIG. However, in the second embodiment, only the differences from the first embodiment will be described.
[0035]
The vehicle interior air-conditioning system 50 includes an intake door 11 for switching between inside air and outside air, a blower fan 12, a steam exchange device 14, an evaporator 15, an air mix door 16, a sub-condenser 17, and a PTC heater 18. , Are installed in series from the upstream side.
[0036]
The difference from the first embodiment is that, in the second embodiment, there is no switching door 13 and the evaporator 15 is arranged in series at the subsequent stage of the steam exchanger 14. Other components are the same as those of the first embodiment, and the same components are denoted by the same reference numerals.
[0037]
The stack intake system 20 is the same as the stack intake system 20 of the first embodiment shown in FIG. Further, the vehicle interior air-conditioning system 50 and the stack intake system 20 are connected by bypass paths 25a and 25b.
[0038]
The bypass path 25a branches from between the air compressor 21 and the aftercooler 22, and is connected to the humidified gas inlet 14c of the steam exchange device 14, and further has a valve 26 in the path.
[0039]
On the other hand, the bypass passage 25b is emitted from the humidified gas outlet 14d of the steam exchange device 14, and is connected between the air compressor 21 and the after cooler 22 and downstream of the bypass passage 25a. Further, the wet gas inlet 14a and the wet gas outlet 14b of the steam exchange device 14 are located along the air flow of the vehicle interior air-conditioning system 50, respectively.
[0040]
The operation of the above configuration will be described. First, air circulated inside or introduced outside air in the vehicle interior air-conditioning system 50 is guided to the humid gas inlet 14 a of the steam exchange device 14 via the intake door 11 and the blower fan 12. At this time, in the present embodiment, since the entire amount of air flowing through the vehicle interior air conditioning system 50 is dehumidified by the steam exchange device 14, the partial pressure of water vapor of the air flowing through the vehicle interior air conditioning system 50 is lower, that is, the amount of water vapor that can be included is Less.
[0041]
Therefore, even after passing through the evaporator 15, it is guided to the vehicle interior with less than the dew point, that is, almost no condensation. In other words, it means that the condensed water, which should have been generated by dehumidifying using the evaporator 15, is reused for humidifying the air in the intake line of the fuel cell vehicle. Therefore, the water management efficiency of the fuel cell vehicle can be further improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing a first embodiment of a vehicle interior dehumidifying structure according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic configuration diagram showing a second embodiment of a vehicle interior dehumidifying structure according to the present invention.
[Explanation of symbols]
10, 50 ... Car air-conditioning system 11 ... Intake door 12 ... Blower fan 13 ... Switching door 14 ... Steam exchange device 14a ... Wet gas inlet 14b ... Wet gas outlet 14c ... Humidified gas inlet 14d ... Humidified gas outlet 15 ... Evaporation Air mixer 16 Air mix door 17 Subcondenser 18 PTC heater 20 Stack air intake system 21 Air compressor 22 Aftercooler 23 Humidifier 24 Fuel cell stack 25a Bypass path (outward path)
25b: bypass route (return route)
26 ... Valve