JP2004139235A - Method for stable operation at the start of fluid process - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体や気体等の流体プロセスの運転を開始する際の安定運転方法に係り、特に制御干渉系からなる濾過装置の濾過プロセスの運転を開始する際に好適な安定運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体や気体等の流体プロセスの自動制御において、測定値を目標値に一致させるためにオン/オフ動作、比例動作(Proportional;以下、単に「P動作」という)、積分動作(Integral;以下、単に「I動作」という)、微分動作(Derivative;以下、単に「D動作」という)が適宜採用されており、更には比例動作・積分動作を同時に働かせるPI動作、或いは、比例動作・積分動作・微分動作を全部同時に働かせるPID動作等を利用して短時間で且つ安定して測定値を目標値に一致させると共に外乱によって発生した偏差を出来るだけ早くなくす制御が行われる。
【0003】
また、測定値または目標設定値に応じて複数のPID定数(比例帯PB、積分時間TI、微分時間TD)を切り換えるマルチPID動作が提案されており、複数の目標値とPID定数の組み合わせを調節計内部に記憶させ、必要により呼び出して使用することが出来るものもある(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
また、原液を循環しながら濾過を行うクロスフロー型の精密濾過または限外濾過処理方法において、逆洗やエアバブリングや停止状態からの濾過処理開始への切り換え時に濾過膜への原液の入力圧力を所定時間低圧運転して濾過膜を保護すると共に安定運転するものも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【非特許文献1】
財団法人 省エネルギーセンター出版部 出版、1992年2月5日発行、松山 裕 著「だれでもわかる自動制御」、p.85
【特許文献1】
特開平10−33957号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来例では、流体プロセスで制御対象の制御点が複数存在して互いに干渉し合う場合、各単独のPID制御を立ち上げると不安定な制御になり、例えば、濾過装置等では高圧異常が発生して運転不能となるという問題があった。
【0007】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、流体プロセスの運転開始時における立ち上り制御を安定化させることが出来る流体プロセス開始時の安定運転方法を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る流体プロセス開始時の安定運転方法は、流体プロセスの運転を開始する際の安定運転方法であって、流体プロセスの運転開始の前回に安定運転した際の制御対象の演算出力値を随時記憶し、その最新の演算出力値を次回の流体プロセスの運転開始時の演算出力値として所定の時間だけ固定化し、その後、所定の自動制御運転に切り換えることを特徴とする。
【0009】
本発明は、上述の如く構成したので、前回の安定運転時の演算出力値を随時記憶して、その最新の演算出力値を次回の流体プロセスの運転開始時の演算出力値として所定の時間だけ固定化することで流体プロセスの運転開始時における立ち上り制御を安定化させることが出来、安定化した段階でPID制御等の所定の自動制御運転に切り換えることで、安定運転時に近い固定状態からPID制御等の所定の自動制御運転に切り換える時の偏差が小さい状態で安定的に切り換わり、安定運転を継続することが出来る。
【0010】
また、前記流体プロセス開始時の安定運転方法を、流体プロセスが、制御対象の制御点が複数存在して互いに干渉し合う制御干渉系からなる濾過装置の濾過プロセスに対して効果的に適用出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係る流体プロセス開始時の安定運転方法の一例として流体プロセスが、制御対象の制御点が複数存在して互いに干渉し合う制御干渉系からなる濾過装置の濾過プロセスに対して適用した場合の一実施形態を具体的に説明する。
【0012】
図1は本発明に係る流体プロセス開始時の安定運転方法が適用される濾過装置の構成の一例を示す図、図2は本発明に係る流体プロセス開始時の安定運転方法を実施するための制御系のブロック図である。
【0013】
また、図3は本発明に係る流体プロセス開始時の安定運転方法が適用される濾過装置において制御干渉系である原液、濾過液、戻り原液の各制御特性を示す図、図4は図1に示す濾過装置における濾過プロセスの一例を説明する図である。
【0014】
図1に示す濾過装置は、例えば、河川水、湖沼水、地下水或いは海水等の原液を循環しながら濾過を行うクロスフロー型の精密或いは限外濾過装置として構成されており、複数の制御対象となる循環系の原液、濾過液、戻り原液が夫々のPID制御により自動制御されることで制御干渉系を構成するものである。
【0015】
図1において、1は原液タンクであり、2は原液タンク1に収容された原液1aを原液配管3を介して濾過膜モジュール4に送り出す原液供給ポンプである。
【0016】
原液供給ポンプ2から濾過膜モジュール4に至る原液配管3には流路の開口面積を連続的に変化させて制御することが出来る原液供給電動弁5が設けられており、該原液供給電動弁5の流路下流側には検出部となる圧力センサ6が配置されている。
【0017】
7は圧力センサ6が検知した原液配管3を流通する原液1aの圧力信号に基づいて操作信号を演算し、原液供給電動弁5を制御する演算制御部である。
【0018】
4は濾過膜モジュールであり、中空糸状の濾過膜がケース内に収納され、実際には複数の濾過膜モジュール4が並列に接続されて濾過膜ユニットを構成している。
【0019】
原液配管3から濾過膜モジュール4に原液1aが供給されると、該濾過膜モジュール4内に設けられた中空糸状膜の外側から内側に透過するか、若しくは内側から外側に透過して濾過された濾過液9aが濾過液配管8に導かれて濾過液タンク9に貯蔵される。
【0020】
濾過膜モジュール4から濾過液タンク9に至る濾過液配管8には流路の開口面積を連続的に変化させて制御することが出来る濾過電動弁10が設けられており、該濾過電動弁10の流路上流側には検出部となる電磁流量計11が配置されている。
【0021】
12は電磁流量計11が検知した濾過液配管8を流通する濾過液9aの流量信号に基づいて操作信号を演算し、濾過電動弁10を制御する演算制御部である。
【0022】
一方、原液配管3から濾過膜モジュール4に供給された原液1aの一部は循環戻り原液として濾過膜モジュール4の中空糸状膜の外側或いは内側を流通して原液戻り配管13に導かれ、原液タンク1に戻るようになっている。
【0023】
濾過膜モジュール4から原液タンク1に至る原液戻り配管13には流路の開口面積を連続的に変化させて制御することが出来る原液戻り電動弁14が設けられており、該原液戻り電動弁14の流路上流側には検出部となる電磁流量計15が配置されている。
【0024】
16は電磁流量計15が検知した原液戻り配管13を流通する循環戻り原液の流量信号に基づいて操作信号を演算し、原液戻り電動弁14を制御する演算制御部である。
【0025】
次に図2を用いて、本発明に係る流体プロセスの一例として濾過プロセス開始時の安定運転方法を実施するための制御系の構成について説明する。図2において、各演算制御部7,12,16には、タッチパネル等からなる入力手段を構成する目標値設定部17が設けられており、該目標値設定部17において、例えば、「0〜4000」、「0〜8000」、「0〜12000」の範囲の所定のデジタル値が設定される。
【0026】
18はPID演算部であり、目標設定値に応じてPID定数(比例帯PB、積分時間TI、微分時間TD)が予め設定されている。PID定数の一例としては、P=0.2、I=0.1、D=0.05等に設定される。
【0027】
尚、これ等のPID定数についても流体プロセスの運転開始の前回に安定運転した際のPID定数を記憶しておき、そのPID定数を次回の流体プロセスの運転開始時のPID定数として採用することも出来る。
【0028】
PID演算部18において、目標値設定部17で入力されたデジタル値を比例動作・積分動作・微分動作に応じて演算して、例えば、「0〜4000」、「0〜8000」、「0〜12000」の範囲の所定のデジタル値が出力される。
【0029】
そして、PID演算部18から出力されたデジタル値は、D/A(デジタル/アナログ)変換部19でアナログ値に変換される。
【0030】
例えば、アナログ値として電流値で「4mA〜20mA」の範囲で制御する場合には、各「0〜4000」、「0〜8000」、「0〜12000」の範囲のデジタル値を均等割して電流値とデジタル値とを関連付け、アナログ値として電圧値で「1V〜5V」の範囲で制御する場合には、各「0〜4000」、「0〜8000」、「0〜12000」の範囲のデジタル値を均等割して電圧値とデジタル値とを関連付けることが出来る。
【0031】
そして、D/A変換部19から出力された電流値や電圧値等のアナログ値からなる操作信号を、図1に示す原液供給電動弁5、濾過電動弁10、原液戻り電動弁14や原液供給ポンプ2を制御するインバータの周波数調整器等の制御部に伝達して原液1a、濾過液9a及び戻り原液の流れを夫々制御する。
【0032】
一方、各原液配管3、濾過液配管8及び原液戻り配管13に設けられた圧力センサ6、電磁流量計11,15からなる検出部において原液配管3を流通する原液1aの圧力、濾過液配管8及び原液戻り配管13を流通する濾過液9a及び戻り原液の流量が電流値や電圧値等のアナログ値からなる測定値として検出される。
【0033】
測定されたアナログ値は、例えば、電流値で「4mA〜20mA」の範囲、或いは、電圧値で「1V〜5V」の範囲で検出され、A/D(アナログ/デジタル)変換部20でデジタル値に変換される。
【0034】
例えば、アナログ値として電流値で「4mA〜20mA」の範囲で検出される場合には、各「0〜4000」、「0〜8000」、「0〜12000」の範囲のデジタル値を均等割して電流値とデジタル値とを関連付け、アナログ値として電圧値で「1V〜5V」の範囲で検出される場合には、各「0〜4000」、「0〜8000」、「0〜12000」の範囲のデジタル値を均等割して電圧値とデジタル値とを関連付けることが出来る。
【0035】
A/D変換部20から出力されたデジタル値は、比較器21において、目標値設定部17から出力されたデジタル値と比較され、その偏差が「0」になるようにPID演算部18に入力されるデジタル値が適宜修正される。以上がPID自動制御される場合のルーチンである。
【0036】
22はPID演算部18から出力された演算出力値となるデジタル値を随時記憶するPID演算出力値記憶部であり、その随時記憶したPID演算出力値をD/A変換部19に入力することが出来るように構成されている。
【0037】
即ち、流体プロセスの一例として、図1に示す濾過装置の濾過プロセスの運転を開始する際に、その濾過プロセスの運転開始の前回に安定運転した際の制御対象となる原液配管3を流通する原液1a、濾過液配管8を流通する濾過液9a及び原液戻り配管13を流通する戻り原液の流れを制御するPID演算部18の演算出力値を随時記憶したPID演算出力値記憶部22の最新の演算出力値を次回の濾過プロセスの運転開始時の演算出力値として所定の時間Tだけ固定化し、その後、所定の自動制御運転となるPID自動制御運転に切り換えるように構成されている。
【0038】
そして、図1に示す濾過装置の濾過プロセスの運転を開始する際に、PID演算出力値記憶部22に記憶された、その濾過プロセスの運転開始の前回に安定運転した際の最新の演算出力値となるデジタル値をD/A変換部19に入力し、所定の時間Tだけそのデジタル値に固定する。
【0039】
この間はPID演算部18から出力されるデジタル値はPID演算出力値記憶部22には随時記憶されるが、D/A変換部19には入力されず、該D/A変換部19にはPID演算出力値記憶部22から前回に安定運転した際の最新の演算出力値となる固定したデジタル値が入力される。
【0040】
そして、予め設定された所定の時間Tが経過した後は、PID演算出力値記憶部22から出力される前回に安定運転した際の最新の演算出力値となる固定したデジタル値が遮断され、PID演算部18から出力されるデジタル値がD/A変換部19に入力されてPID自動制御運転に切り換わるように構成されている。
【0041】
図3において、(a)は濾過液9aの制御特性を示す図であり、(b)は戻り原液の制御特性を示す図であり、(c)は原液1aの制御特性を示す図である。先ず、予め設定された濾過液排出目標値S1、原液戻り目標値S2原液供給目標値S3に応じて、D/A変換部19にはPID演算出力値記憶部22から前回に安定運転した際の最新の演算出力値となる固定したデジタル値が入力され、濾過液9a、戻り原液及び原液1aがPID手動制御される。
【0042】
本実施形態では、濾過液9aのPID手動制御は、図3(a)に示すように、T1時間だけD/A変換部19にPID演算出力値記憶部22から前回に安定運転した際の最新の演算出力値となる固定したデジタル値が入力され、戻り原液のPID手動制御は、図3(b)に示すように、T2時間(T2>T1)だけD/A変換部19にPID演算出力値記憶部22から前回に安定運転した際の最新の演算出力値となる固定したデジタル値が入力され、原液1aのPID手動制御は、図3(c)に示すように、T3時間(T3>T2)だけD/A変換部19にPID演算出力値記憶部22から前回に安定運転した際の最新の演算出力値となる固定したデジタル値が入力される。
【0043】
その間、PID演算部18から出力された演算出力値となるデジタル値は適宜修正されており、このデジタル値に基づいてPID自動制御したと想定した場合の濾過液9a、戻り原液及び原液1aの制御特性は図3(a)〜(c)の二点鎖線で示すように比較的緩慢に変移する。
【0044】
そして、運転開始からT1後に濾過液9aをPID手動制御からPID自動制御に切り換え、更にT2後に戻り原液をPID手動制御からPID自動制御に切り換え、更にT3後に原液1aをPID手動制御からPID自動制御に切り換える。
【0045】
これにより、干渉制御系からなる濾過装置の濾過プロセスであっても短時間で安定した運転開始が出来る。
【0046】
図4は図1に示す濾過装置における具体的な濾過プロセスの一例を説明する図であり、図4において、エア抜き工程からエア抜き循環工程に至る過程では、濾過電動弁10を初期開度で1分間、原液戻り電動弁14を初期開度で1分30秒間、原液供給電動弁5を初期開度で2分間固定する。
【0047】
その後、濾過工程において、濾過電動弁10をD/A変換部19にPID演算出力値記憶部22から前回に安定運転した際の最新の演算出力値となる固定したデジタル値を入力するPID手動制御で1分間、原液戻り電動弁14を同じくPID手動制御で1分30秒間、原液供給電動弁5を同じくPID手動制御で2分間固定する。
【0048】
そして、濾過工程開始から1分後に濾過液9aをPID手動制御からPID自動制御に切り換え、更に濾過工程開始から1分30秒後に戻り原液をPID手動制御からPID自動制御に切り換え、更に濾過工程開始から2分後に原液1aをPID手動制御からPID自動制御に切り換える。
【0049】
濾過工程を20分間実施した後、濾過運転を停止させ、濾過膜モジュール4を洗浄する逆洗工程を20秒間実施する。
【0050】
そして、逆洗運転を停止した後、PID演算出力値記憶部22に随時記憶した前回の濾過工程において安定運転した際のPID演算部18から出力される最新の演算出力値となるデジタル値を固定としてD/A変換部19に入力し、前記濾過工程に遷移する。
【0051】
尚、流体プロセスの制御対象を圧力、流量、温度、蒸気、湿度、濃度等に適用することが出来、圧力や流量が制御対象であれば制御部として電磁弁、電動弁、エアー弁、コントロールバルブ、或いはポンプや該ポンプを駆動制御するインバータの周波数調整器等を制御部として採用出来、温度が制御対象であればヒータ等が制御部として採用出来る。また、検出部としては圧力センサ、流量センサ、温度センサ、濃度センサ、湿度センサ等が採用出来る。
【0052】
また、本実施形態では、制御干渉系となる原液供給電動弁5、濾過電動弁10及び原液戻り電動弁14の3つを制御する場合の一例について説明したが、原液供給電動弁5、濾過電動弁10及び原液戻り電動弁14のうちの何れか1つを単独で制御する場合や、何れか2つを制御する場合にも適用可能であり、3つ以上の制御においても適用可能である。
【0053】
また、自動制御運転の一例として、比例動作・積分動作・微分動作を全部同時に働かせるPID制御を適用した場合について説明したが、液体や気体等の流体プロセスの自動制御において、測定値を目標値に一致させるために適用可能なオン/オフ動作制御、比例動作(P動作)制御、積分動作(I動作)制御、微分動作(D動作)制御等を適宜使用しても良いし、更には比例動作・積分動作を同時に働かせるPI制御等を使用しても良い。
【0054】
また、ギャップ付PID動作、ゲインスケジューリング制御、マルチPID動作、2自由度PID動作、サンプルPID動作等の自動制御運転に適用することでも良い。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、前回の安定運転時の演算出力値を随時記憶して、その最新の演算出力値を次回の流体プロセスの運転開始時の演算出力値として所定の時間だけ固定化することで流体プロセスの運転開始時における立ち上り制御を安定化させることが出来、安定化した段階でPID制御等の所定の自動制御運転に切り換えることで、安定運転時に近い固定状態からPID制御等の所定の自動制御運転に切り換える時の偏差が小さい状態で安定的に切り換わり、安定運転を継続することが出来る。
【0056】
また、流体プロセス開始時の安定運転方法を、流体プロセスが、制御対象の制御点が複数存在して互いに干渉し合う制御干渉系からなる濾過装置の濾過プロセスに対して効果的に適用出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体プロセス開始時の安定運転方法が適用される濾過装置の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明に係る流体プロセス開始時の安定運転方法を実施するための制御系のブロック図である。
【図3】本発明に係る流体プロセス開始時の安定運転方法が適用される濾過装置において制御干渉系である原液、濾過液、戻り原液の各制御特性を示す図である。
【図4】図1に示す濾過装置における濾過プロセスの一例を説明する図である。
【符号の説明】
1…原液タンク
1a…原液
2…原液供給ポンプ
3…原液配管
4…濾過膜モジュール
5…原液供給電動弁
6…圧力センサ
7…演算制御部
8…濾過液配管
9…濾過液タンク
9a…濾過液
10…濾過電動弁
11…電磁流量計
12…演算制御部
13…原液戻り配管
14…原液戻り電動弁
15…電磁流量計
16…演算制御部
17…目標値設定部
18…PID演算部
19…D/A変換部
20…A/D変換部
21…比較器
22…PID演算出力値記憶部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a stable operation method when starting operation of a fluid process such as a liquid or a gas, and more particularly to a stable operation method suitable for starting operation of a filtration process of a filtration device including a control interference system. is there.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, in automatic control of a fluid process such as liquid or gas, an on / off operation, a proportional operation (hereinafter, simply referred to as “P operation”), and an integral operation (Integral; , Simply referred to as "I operation"), a differential operation (hereinafter, simply referred to as "D operation"), and a PI operation or a proportional operation / integration operation in which a proportional operation / integral operation is simultaneously performed. A control is performed in which the measured value is made to coincide with the target value in a short time and stably using a PID operation or the like in which all the differential operations are performed at the same time, and a deviation generated by disturbance is eliminated as soon as possible.
[0003]
Also, a multi-PID operation has been proposed in which a plurality of PID constants (proportional band PB, integration time T I , differentiation time T D ) are switched according to a measured value or a target set value, and a combination of a plurality of target values and a PID constant is proposed. May be stored in the controller and recalled and used as needed (for example, see Non-Patent Document 1).
[0004]
In addition, in the cross-flow type microfiltration or ultrafiltration processing method in which the filtration is performed while circulating the undiluted solution, the input pressure of the undiluted solution to the filtration membrane is changed at the time of backwashing, air bubbling, or switching from the stopped state to the filtration processing start. There has also been proposed one that performs low-pressure operation for a predetermined time to protect the filtration membrane and perform stable operation (for example, see Patent Document 1).
[0005]
[Non-patent document 1]
Published by The Energy Conservation Center, Publishing Division, published February 5, 1992, Hiroshi Matsuyama, "Automatic control that anyone can understand", p. 85
[Patent Document 1]
JP-A-10-33957
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described conventional example, when there are a plurality of control points to be controlled in the fluid process and interfere with each other, the control becomes unstable when the individual PID control is started up. There has been a problem that operation becomes impossible due to an abnormality.
[0007]
An object of the present invention is to solve the above-described problem, and an object of the present invention is to provide a stable operation method at the start of a fluid process that can stabilize start-up control at the start of operation of a fluid process. is there.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The stable operation method at the start of the fluid process according to the present invention for achieving the above object is a stable operation method at the start of the operation of the fluid process, and is performed when the stable operation is performed immediately before the start of the operation of the fluid process. The operation output value of the controlled object is stored as needed, the latest operation output value is fixed for a predetermined time as the operation output value at the start of the next operation of the fluid process, and then switched to a predetermined automatic control operation. And
[0009]
Since the present invention is configured as described above, the calculated output value during the previous stable operation is stored as needed, and the latest calculated output value is used as the calculated output value at the start of the next operation of the fluid process for a predetermined time. By fixing, the start-up control at the start of the operation of the fluid process can be stabilized, and by switching to a predetermined automatic control operation such as PID control at the stage of stabilization, the PID control can be performed from a fixed state close to the stable operation. , Etc., can be stably switched in a state where the deviation when switching to the predetermined automatic control operation is small, and the stable operation can be continued.
[0010]
Further, the stable operation method at the start of the fluid process can be effectively applied to a filtration process of a filtration device including a control interference system in which a plurality of control points to be controlled interfere with each other.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
As shown in the drawing, as an example of a stable operation method at the start of a fluid process according to the present invention, a fluid process is applied to a filtration process of a filtration device including a control interference system in which a plurality of control points to be controlled interfere with each other. One embodiment of the case will be specifically described.
[0012]
FIG. 1 is a diagram showing an example of the configuration of a filtration device to which a stable operation method at the start of a fluid process according to the present invention is applied, and FIG. 2 is control for implementing the stable operation method at the start of a fluid process according to the present invention. It is a block diagram of a system.
[0013]
FIG. 3 is a diagram showing control characteristics of a stock solution, a filtrate, and a stock solution that are control interference systems in a filtration device to which the stable operation method at the start of a fluid process according to the present invention is applied. FIG. It is a figure explaining an example of the filtration process in the filtration device shown.
[0014]
The filtration device shown in FIG. 1 is configured as a cross-flow type precision or ultrafiltration device that performs filtration while circulating undiluted liquid such as river water, lake water, groundwater, or seawater. A control interference system is constituted by automatically controlling the undiluted solution, the filtrate and the undiluted solution of the circulating system by the respective PID controls.
[0015]
In FIG. 1, reference numeral 1 denotes a stock solution tank, and
[0016]
An undiluted solution supply motor-operated valve 5 is provided in the undiluted
[0017]
[0018]
[0019]
When the undiluted solution 1a is supplied from the undiluted
[0020]
In the filtrate pipe 8 from the
[0021]
[0022]
On the other hand, a part of the stock solution 1 a supplied from the
[0023]
The undiluted
[0024]
[0025]
Next, a configuration of a control system for implementing a stable operation method at the start of a filtration process will be described as an example of a fluid process according to the present invention with reference to FIG. In FIG. 2, each of the
[0026]
[0027]
For these PID constants, the PID constant at the time of stable operation immediately before the start of the operation of the fluid process is stored, and the PID constant may be adopted as the PID constant at the start of the next operation of the fluid process. I can do it.
[0028]
The
[0029]
The digital value output from the
[0030]
For example, when controlling the current value as an analog value in the range of “4 mA to 20 mA”, digital values in the range of “0 to 4000”, “0 to 8000”, and “0 to 12000” are equally divided. When the current value and the digital value are associated with each other, and the voltage is controlled as an analog value in a range of “1 V to 5 V”, each of the ranges of “0 to 4000”, “0 to 8000”, and “0 to 12000” The digital value can be equally divided to associate the voltage value with the digital value.
[0031]
Then, an operation signal consisting of an analog value such as a current value or a voltage value output from the D /
[0032]
On the other hand, the pressure sensor 6 provided in each of the
[0033]
The measured analog value is detected in, for example, a current value range of “4 mA to 20 mA” or a voltage value range of “1 V to 5 V”, and a digital value is detected by an A / D (analog / digital)
[0034]
For example, when the current value is detected as an analog value in the range of “4 mA to 20 mA”, the digital value in the range of “0 to 4000”, “0 to 8000”, and “0 to 12000” is equally divided. When a current value and a digital value are associated with each other, and a voltage value is detected as an analog value in a range of “1 V to 5 V”, each of “0 to 4000”, “0 to 8000”, and “0 to 12000” The digital value of the range can be equally divided to associate the voltage value with the digital value.
[0035]
The digital value output from the A /
[0036]
[0037]
That is, as an example of the fluid process, when starting the operation of the filtration process of the filtration device shown in FIG. 1, the undiluted solution flowing through the
[0038]
Then, when the operation of the filtration process of the filtration device shown in FIG. 1 is started, the latest operation output value stored in the PID operation output
[0039]
During this time, the digital value output from the
[0040]
After a predetermined time T elapses, the fixed digital value output from the PID calculation output
[0041]
3A is a diagram showing the control characteristics of the filtrate 9a, FIG. 3B is a diagram showing the control characteristics of the undiluted solution, and FIG. 3C is a diagram showing the control characteristics of the undiluted solution 1a. First, in accordance with a preset filtrate discharge target value S 1 , a stock solution return target value S 2, and a stock solution supply target value S 3 , the D /
[0042]
In this embodiment, PID manual control of filtrate 9a, as shown in FIG. 3 (a), the time T 1 by the D /
[0043]
In the meantime, the digital value serving as the calculation output value output from the
[0044]
Then, switching the filtrate 9a after T 1 from the start of operation from the PID manual control to PID automatic control, the further switched to the PID automatic control of the stock solution back after T 2 from the PID manual control, further PID manual control of the stock solution 1a after T 3 Switch to PID automatic control.
[0045]
Accordingly, stable operation can be started in a short time even in the filtration process of the filtration device including the interference control system.
[0046]
FIG. 4 is a view for explaining an example of a specific filtration process in the filtration device shown in FIG. 1. In FIG. 4, in the process from the air release step to the air release circulation step, the filtration motor-operated
[0047]
Thereafter, in the filtration step, PID manual control for inputting a fixed digital value which is the latest computation output value when the stable operation was performed last time from the PID computation output
[0048]
One minute after the start of the filtration step, the filtrate 9a is switched from the PID manual control to the PID automatic control. Further, one minute and 30 seconds after the start of the filtration step, the filtrate is returned from the PID manual control to the PID automatic control, and the filtration step is started. After 2 minutes, the stock solution 1a is switched from PID manual control to PID automatic control.
[0049]
After performing the filtration step for 20 minutes, the filtration operation is stopped, and a backwashing step of cleaning the
[0050]
Then, after the backwash operation is stopped, the digital value which is stored in the PID calculation output
[0051]
The control target of the fluid process can be applied to pressure, flow rate, temperature, steam, humidity, concentration, and the like. If the pressure and flow rate are control targets, a solenoid valve, an electric valve, an air valve, a control valve is used as a control unit. Alternatively, a pump or a frequency adjuster of an inverter for driving and controlling the pump can be used as the control unit. If the temperature is to be controlled, a heater or the like can be used as the control unit. Further, a pressure sensor, a flow rate sensor, a temperature sensor, a concentration sensor, a humidity sensor, or the like can be used as the detection unit.
[0052]
Also, in the present embodiment, an example of controlling three of the undiluted liquid supply electric valve 5, the filtration
[0053]
Also, as an example of the automatic control operation, a case has been described in which PID control in which all of the proportional operation, the integral operation, and the differential operation are simultaneously performed is applied, but in the automatic control of a fluid process such as a liquid or a gas, the measured value is set to a target value. Applicable on / off operation control, proportional operation (P operation) control, integration operation (I operation) control, differential operation (D operation) control, etc., which can be used for matching, may be used as appropriate. -PI control or the like that simultaneously performs the integration operation may be used.
[0054]
Further, the present invention may be applied to automatic control operations such as a PID operation with a gap, a gain scheduling control, a multi-PID operation, a two-degree-of-freedom PID operation, and a sample PID operation.
[0055]
【The invention's effect】
Since the present invention has the above-described configuration and operation, the calculated output value during the previous stable operation is stored as needed, and the latest calculated output value is calculated as the calculated output value at the start of the next fluid process operation. The start-up control at the start of the fluid process operation can be stabilized by fixing for a predetermined time, and by switching to a predetermined automatic control operation such as PID control at the stage of stabilization, fixed operation close to stable operation The state is switched stably with a small deviation when switching from the state to a predetermined automatic control operation such as PID control, and stable operation can be continued.
[0056]
Further, the stable operation method at the start of the fluid process can be effectively applied to a filtration process of a filtration device including a control interference system in which a plurality of control points to be controlled interfere with each other.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an example of a configuration of a filtration device to which a stable operation method at the start of a fluid process according to the present invention is applied.
FIG. 2 is a block diagram of a control system for implementing a stable operation method at the start of a fluid process according to the present invention.
FIG. 3 is a diagram showing control characteristics of a stock solution, a filtrate, and a stock solution that are control interference systems in a filtration device to which a stable operation method at the start of a fluid process according to the present invention is applied.
FIG. 4 is a diagram illustrating an example of a filtration process in the filtration device shown in FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Undiluted solution tank 1a ...
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