【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海底ケーブル等の光ケーブルとして使用される光ファイバユニットと、その光ファイバユニットに使用されるテンションメンバーと、これらのテンションメンバーや光ファイバユニットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
海底ケーブル等の光ケーブルとして使用される光ファイバユニットは、中心に配置したテンションメンバーの周りに複数本の光ファイバ素線を螺旋状に撚り合わせた後、全体を樹脂で同心状に被覆することで製造されている。
テンションメンバーは、ケーブル敷設等の際に光ファイバユニットに作用する引張力によって光ファイバ素線に許容値以上の伸びが生じることを防止するために装備されている。
【0003】
ところで、光ファイバユニットにおける樹脂被覆とテンションメンバーとの接着性が弱いと、海底等に敷設した際に、高水圧によってテンションメンバーと樹脂被覆との間に浸水が生じ、その浸水の進行によって、電送特性等の低下を招く虞がある。
また、樹脂被覆とテンションメンバーとの接着性が弱いと、例えば、製造した光ファイバユニットを順次ドラムに巻き取る光ファイバユニットの製造工程において、ドラムへの光ファイバユニットの搬送経路に装備したガイドローラと光ファイバユニットとの摺動摩擦によって、光ファイバユニットに捩りが作用した場合に、その捩り力によって、光ファイバ素線及び樹脂被覆がテンションメンバーの周囲を回転してしまい、撚り戻し等で光ファイバ素線に部分的な曲がり変形が生じる結果、伝送損失を増加させるという問題が生じる。
【0004】
このような樹脂被覆とテンションメンバーとの接着性が弱いために生じる不都合を防止するために、通常、テンションメンバーは、乾式潤滑剤を使用した伸線加工によって所定の外径に仕上げた鋼線による抗張力体の周囲に、熱可塑性樹脂による被覆層を設けた構成とされる。
この被覆層は、光ファイバユニットを構成する樹脂被覆と抗張力体との接着性を向上させる目的で装備されるもので、材質的には、例えば、接着性ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ナイロン12等が使用される。
【0005】
ところで、光ファイバユニットは、例えば、光増幅器を用いた波長分割多重(WDM)伝送等、より高度な伝送方式の採用に伴い、ユニットに組み込む光ファイバ素線として、実行コア断面積を60μm2以上に拡大したノンゼロ分散シフトファイバ等を使用することが多くなってきており、伝送方式の改善に伴って次第に光ファイバ素線の実行コア断面積が拡大される傾向にある。
【0006】
そして、光ファイバ素線の実行コア断面積が拡大されると、その分、テンションメンバーとの接着力を強化しないと、光ファイバユニットに作用する捩りによって、光ファイバ素線及び樹脂被覆がテンションメンバーから剥離し易くなり、前述した撚り戻し等に起因する光ファイバ素線の部分的な曲げによる伝送損失の増加が発生し易くなってしまう。
【0007】
そこで、光ファイバユニットにおけるテンションメンバーと樹脂被覆との接着強度を高める研究が、盛んになされている。
光ファイバ素線及び樹脂被覆が外部からの捩り力でテンションメンバーの周囲を回転してしまう現象は、実際には、テンションメンバーを構成している抗張力体とその周囲の被覆層との接着強度が低いために、テンションメンバーの被覆層と抗張力体との間で剥離による相対回転が生じてしまうことが判明している。
【0008】
そこで、テンションメンバーの抗張力体と被覆層との間に、更に接着層を装備し、その接着層を、下記の(A)成分及び(B)成分を含有する樹脂組成物で構成することで、抗張力体と被覆層との接着強度を高める技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
(A)エチレン−アクリル酸共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方。
(B)メチルエーテル化メラミン樹脂。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−333477等公報(3頁、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1に記載の技術では、テンションメンバーに追加した接着層を形成する樹脂の成分組成が複雑になるため、接着層を形成する樹脂の製造管理が容易でなく、更に、テンションメンバーの製造工程において高精度に接着層を形成する工程が新たに必要になり、この追加工程のために、テンションメンバーの製造工程が複雑化し、製造コストが増大するという問題が生じる。
更に、接着層の成分管理が難しいため、現実的には、接着性の安定性確保がかなり難しいという問題も生じる。
また、テンションメンバーに追加した接着層が複雑な成分組成からなるため、長期使用で一部の成分に経年変化等による変質が生じたときに、接着性がどう変化するかなど、長期使用を考慮した場合の不安も多い。
【0011】
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、テンションメンバーの製造工程の複雑化を招かずに、テンションメンバーを構成する抗張力体と被覆層との接着強度を高めることができるテンションメンバー及びその製造方法を提供すること、更には、そのテンションメンバーを使用することで、光ファイバ素線の曲げ変形等に起因する伝送損失の増加がなく、安定した伝送特性を長期に渡って維持するいことができる光ファイバユニット及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るテンションメンバーは、請求項1に記載したように、伸線加工された抗張力体を被覆層で覆ってなるテンションメンバーであって、
前記被覆層で覆う前の前記抗張力体の表面汚れが0.015g/m2以下であることを特徴とする。
【0013】
本願発明者等による各種実験結果の分析によれば、従来の乾式潤滑剤を使用しての抗張力体の伸線加工では、伸線加工後の抗張力体の表面に乾式潤滑剤の含有成分であるCa,Na,Ba等が汚れとなって残存している。そして、その汚れ量が多いほど、テンションメンバーにおける抗張力体と被覆層との間の接着強度を低下させることが判明した。
そこで、上記のように、伸線加工後、被覆層で覆う前の抗張力体の表面汚れを規制することで、テンションメンバーにおける抗張力体と被覆層との間に特に接着層を追加せずとも、抗張力体と被覆層との間の接着強度を向上させることができた。
【0014】
なお、上記テンションメンバーを製造する場合、請求項2に記載のように、抗張力体を所定の外径に伸線する伸線加工工程では、伸線潤滑剤として湿式潤滑剤を使用すると良い。
このように、湿式潤滑剤を使用した伸線加工では、潤滑剤中の成分であるCa,Na,Ba等が抗張力体の外表面に付着して残存することが少なく、伸線加工終了後に、特に洗浄等を行わなくとも、抗張力体の表面汚れを上記の規制範囲に収めることができ、テンションメンバーの製造工程の複雑化を回避することができる。
【0015】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る光ファイバユニットは、請求項3に記載したように、請求項1又は2記載のテンションメンバーを用い、該テンションメンバーの周りに複数本の光ファイバ素線を螺旋状に撚り合わせ、全体を樹脂で同心状に被覆したことを特徴とする。
また、それによって、請求項4に記載のように、前記抗張力体の引抜力が35N/cm以上とすることを特徴とする。
【0016】
上記の構成で、光ファイバユニットの樹脂被覆はテンションメンバーの被覆層に融着一体化するが、本発明に係るテンションメンバーにおいては抗張力体と被覆層との間の接着強度が高いため、テンションメンバーの被覆層を介して、光ファイバユニットの樹脂被覆とテンションメンバーの抗張力体との間も、高い接着強度が得られることになる。
そして、上記構成によれば、光ファイバユニットにおける抗張力体の引抜力を35N/cm以上に高くすることが実現でき、外部の捩り力に対して、光ファイバ素線及び樹脂被覆が抗張力体の周りを回転することを防止できる。
【0017】
なお、本発明に係る上記テンションメンバーを製造する製造方法においては、請求項5乃至請求項7に記載のように、抗張力体の伸線加工工程では、潤滑剤として、乾式潤滑剤と湿式潤滑剤との双方を併用することもできる。
そして、併用した場合には、少なくとも最終の伸線加工で、湿式潤滑剤を使用することが好ましい。
このように湿式潤滑剤を使用する伸線加工工程を管理することで、特に洗浄工程を装備せずとも、伸線加工後の抗張力体の表面汚れを規定範囲にすることができる。
【0018】
また、伸線加工後の抗張力体の表面汚れを規定範囲にするために、請求項8に記載のように、伸線加工処理後の抗張力体に対して、水及び化学洗浄の少なくとも一方による洗浄処理を実施するようにしても良い。
このようにすると、伸線処理としては、処理速度が速い乾式潤滑剤による伸線加工を重点的に取り入れることができ、テンションメンバーの生産性を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態に係るテンションメンバー、光ファイバユニット及びそれらの製造方法を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るテンションメンバーを使用した光ファイバユニットの横断面図である。
【0020】
この一実施の形態の光ファイバユニット1は、テンションメンバー3の外周に、複数本の光ファイバ素線5を螺旋状に撚り合わせた後、それらの集合体の周囲に、同心状に樹脂被覆7を形成したものである。
【0021】
テンションメンバー3は、伸線加工された鋼線による抗張力体31を適宜樹脂材料による被覆層33で覆った構成である。
但し、本実施形態では、図2に示すように、鋼線材による抗張力体母材35を伸線潤滑剤36の塗布下で伸線ダイス37に挿通させる引き抜き加工によって、所定外径の抗張力体31を得る伸線加工工程において、伸線潤滑剤36として、液状の湿式潤滑剤を使用することで、伸線後における抗張力体31の表面汚れを、0.015g/m2以下に抑えている。
【0022】
このような、湿式潤滑剤の使用は、以下のような本願発明者の知見に基づいている。
本願発明者等による各種実験結果の分析によれば、従来の乾式潤滑剤を使用しての抗張力体の伸線加工では、伸線加工後の抗張力体の表面に乾式潤滑剤の含有成分であるCa,Na,Ba等が汚れとなって多く残存している。そして、その汚れ量が多いほど、テンションメンバーにおける抗張力体と被覆層との間の接着強度が低下することが判明した。
【0023】
そこで、上記のように、伸線加工後、被覆層で覆う前の抗張力体の表面汚れを規制すると、テンションメンバーにおける抗張力体と被覆層との間に特に接着層を追加せずとも、抗張力体と被覆層との間の接着強度を向上させることができた。
また、抗張力体の表面汚れの低減には、伸線加工後に、抗張力体の表面を、水又は化学洗浄の少なくとも一方による洗浄を実施することで実現することが可能で、抗張力体の表面汚れを、上記の規制範囲にすることができる。
しかし、伸線潤滑剤を湿式潤滑剤に変えて伸線を行うと、洗浄を実施せずとも、同様に表面汚れが少ない状態を得ることができ、製造工程を繁雑化せずに、表面汚れの少ない抗張力体が得られることが判明した。
【0024】
光ファイバ素線5は、実効コア断面積が100μm2のガラス光ファイバ51の周囲を、被覆52で覆った構造である。
【0025】
樹脂被覆7は、テンションメンバー3の外周に撚り合わせた光ファイバ素線5相互の隙間を埋めて外周をテンションメンバー3の同心の円形に整えるユニット1層目被覆71と、このユニット1層目被覆71の外周を同心状に覆うユニット2層目被覆72とで構成されている。
被覆層33との密着性を高めるために、ユニット1層目被覆71にはヤング率が小さいソフト樹脂を使用し、ユニット2層目被覆72にはヤング率の高いハード樹脂を使用している。
【0026】
以上のテンションメンバー3は、被覆層33で覆う前の抗張力体31の表面汚れが少ないため、抗張力体31と被覆層33との間に特に接着層を追加せずとも、抗張力体31と被覆層33との間の接着強度を向上させることができる。
即ち、抗張力体31と被覆層33との間の接着強度が高いテンションメンバーが、接着層の追加に起因する製造工程の繁雑化を招かずに、簡単に得られるようになる。
【0027】
なお、上記のように、伸線潤滑剤として湿式潤滑剤を使用した伸線加工では、潤滑剤中の成分であるCa,Na,Ba等が抗張力体31の外表面に付着して残存することが少なく、伸線加工終了後に、特に洗浄等を行わなくとも、抗張力体31の表面汚れを上記の規制範囲に収めることができ、テンションメンバー3の製造工程の複雑化を回避することができる。
【0028】
そして、上記のテンションメンバー3を使用した光ファイバユニット1は、樹脂被覆7がテンションメンバー3の被覆層33に融着一体化するが、抗張力体31と被覆層33との間の接着強度が高いため、テンションメンバー3の被覆層33を介して、光ファイバユニットの樹脂被覆7とテンションメンバー3の抗張力体31との間も、高い接着強度が得られることになる。
そして、上記構成によれば、光ファイバユニットにおける抗張力体31の引抜力を35N/cm以上に高くすることが実現でき、外部の捩り力に対して、光ファイバ素線5及び樹脂被覆7が抗張力体31の周りを回転することを防止できる。
従って、光ファイバ素線5が撚り戻し等で部分的に曲げを生じることに起因した伝送損失の増大を防止し、長期に渡って低い伝送損失を安定維持することのできる光ファイバユニットを得ることができる。
【0029】
なお、伸線加工後で、被覆層33を形成する前の抗張力体31の表面汚れを上記の規制範囲に保てるならば、抗張力体31の伸線加工工程では、潤滑剤として、乾式潤滑剤と湿式潤滑剤との双方を併用することもできる。
そして、併用した場合には、少なくとも最終の伸線加工で、湿式潤滑剤を使用することが好ましい。
このように湿式潤滑剤を使用する伸線加工工程を管理することで、特に洗浄工程を装備せずとも、伸線加工後の抗張力体31の表面汚れを規定範囲にすることができる。
【0030】
また、伸線加工後の抗張力体31の表面汚れを規定範囲にするために、伸線加工処理後の抗張力体31に対して、水及び化学洗浄の少なくとも一方による洗浄処理を実施するようにしても良い。
このようにすると、伸線処理としては、処理速度が速い乾式潤滑剤による伸線加工を重点的に取り入れることができ、テンションメンバー3の生産性を向上させることができる。
【0031】
上記の作用効果を確認するため、本願発明者等は、ガラス光ファイバの実効コア断面積が100μm2の光ファイバ素線をテンションメンバーの周囲に撚り合わせた後、全体を樹脂被覆で同心状に覆った3種の従来例と、3種の実施例について、光ファイバユニット化後の、抗張力体の引抜力及び工程間伝送ロスを測定し、比較した。
次の表1及び表2は、その測定結果を示したものである。
【0032】
【表1】
【0033】
なお、上記表1の各工程の概要を述べると次のとおりである。
▲1▼ 表面処理は、鋼線表面についているゴミや汚れを削り取る工程で、処理済みの鋼線は、ボビンに巻き取られる。
▲2▼ 熱処理は、伸線前の鋼線が太いため、伸線し易いように熱を加えて鋼線を柔らかくする工程で、次工程の伸線と一連で行われる。
▲3▼ 伸線は、鋼線をおおよその外径(〜2.0mm)に引き伸ばす工程で、後の「▲5▼伸線」とは異なり、長手方向の外径変動や真円度(精度)がかなり悪い。伸線された鋼線は、ボビンに巻き取られる。
▲4▼ 銅メッキは、鋼線表面に銅をメッキする工程で、溶液を電気分解して銅イオンを発生させ、鋼線表面に銅を析出させる。一度では薄くしか銅 メッキできないので、この作業を2回繰り返す。銅メッキされた鋼線 は、ボビンに巻き取られる。
▲5▼ 伸線(乾式+湿式)は、銅メッキされた鋼線を所望の径まで引き伸ばす工程で、所望の径により、使用するダイス枚数を変更する。オンラインで鋼線表面を洗浄して残留する潤滑剤を除去、鋼線表面の乾燥もオンラインにて実施する。伸線された鋼線は、ボビンに巻き取られる。
▲6▼ 伸直は、伸線後ボビンに巻き取ることにより曲がり癖が付いてしまうので、熱を加えながら全長を巻替え、曲がり癖を無くす工程で、伸直された鋼線は、出荷用のボビンに巻き取られる。
【0034】
【表2】
【0035】
なお、3種の従来例は、テンションメンバーを構成する抗張力体の伸線加工時に、伸線潤滑剤として、乾式潤滑剤を使用した。
また、本発明の実施例となる3種は、何れも、テンションメンバーを構成する抗張力体の伸線加工時に、伸線潤滑剤として、湿式潤滑剤を使用した。
また、従来例及び実施形態のいずれの場合も、抗張力体母材としては外径が1.8mmφの銅メッキ鋼線を使用し、伸線加工による仕上がり径は0.6mmφとした。
【0036】
また、実施例において、抗張力体の伸線加工時に使用する伸線潤滑剤として、乾式潤滑剤と湿式潤滑剤の双方を併用する場合には、母材から外径が0.9mmφに縮径するまでは乾式潤滑剤を使用し、それ以後、仕上がり外径の0.6mmφに縮径するまでは、湿式潤滑剤を使用した伸線を行った。
【0037】
伸線加工時に、潤滑剤として乾式潤滑剤のみを使用した従来のテンションメンバーでは、表2に示すように、その表面汚れは、0.020g/m2以上であった。それに対して、少なくとも、伸線処理の最終工程で、湿式潤滑剤を使用した伸線を実施する各実施例では、その表面汚れが、0.013g/m2以下となって、表面汚れに明らかな差異が現れた。
【0038】
各従来例及び実施例については、ユニット引抜力として、図1に示す光ファイバユニット化した後、図3に示すように、光ファイバ素線及び樹脂被覆を中間の1cmを残して切除した試験片81を形成し、この試験片81の両端に露出したテンションメンバー83をそれぞれ保持台85に固定し、中間に残っている光ファイバユニットの被覆部86に、図3に示すように、軸方向の荷重Fをかける。
被覆部86が動き始めた時に荷重Fを、抗張力体の引抜力として測定した。
【0039】
その測定結果は、表2に示すように、従来例の場合は、最大でも25N/cmであったが、本発明の実施例では、最小でも、40N/cmであって、明らかな差異が確認できた。
また、これらの各従来例及び実施例のそれぞれについて、海底ケーブルとして実際に海底に敷設した状態での伝送損失を調べた。
測定した伝送損失(工程間ロス)は、光ファイバユニットとしての製造直後にドラム巻きされた状態の伝送損失から、海底に敷設した場合の伝送損失の増減を加算したもので、従来の製造方法で製造した光ファイバユニットでは、いずれも、伝送損失が増大しているのが確認できた。
しかし、本発明の実施例の光ファイバユニットでは、何れも、伝送損失が減少していて、良好な伝送損失が得られていることが確認できた。
【0040】
なお、本願発明者等の更なる実験によると、実効コア断面積が100μm2のガラス光ファイバをテンションメンバーの外周に撚り合わせた光ファイバユニットの場合、抗張力体の引抜力が30N/cm以下では、引抜力の低下に伴って伝送損失が増大するという相関が得られた。しかし、抗張力体の引抜力が35N/cm以上の光ファイバユニットでは、引抜力が増減しても、伝送損失には殆ど影響が見られない。
従って、伝送損失の増大を防止することのできる光ファイバユニットを安定生産するために、抗張力体の引抜力を規制する場合には、引抜力は、35N/cm以上に規制すると良い。
【0041】
また、テンションメンバーの表面汚れと、光ファイバユニットにおける引抜力との関係を分析すると、表面汚れが低減するほど引抜力が大きくなる傾向が確認された。
そして、表面汚れが0.015g/m2よりも大きい場合には、引抜力が前述した臨界値35N/cmを下回る場合もあったが、表面汚れが0.015g/m2以下の場合には、引抜力が前述した臨界値35N/cmを上回る結果となった。
従って、伝送損失の増大を防止することのできる光ファイバユニットを安定生産するために、被覆層を被覆する前の抗張力体の表面汚れを規制する場合には、表面汚れを0.015g/m2以下に規制すると良い。
【0042】
【発明の効果】
本発明のテンションメンバーは、伸線加工後の被覆層で覆う前の抗張力体の表面汚れを規制することで、テンションメンバーにおける抗張力体と被覆層との間に特に接着層を追加せずとも、抗張力体と被覆層との間の接着強度が高いテンションメンバーを簡単に製造することができる。
そして、このテンションメンバーを使用して光ファイバユニットを製造することで、樹脂被覆と抗張力体との接着強度が高めて、抗張力体の引抜力が高く、外部の捩り力に対して、光ファイバ素線及び樹脂被覆が抗張力体の周りを回転することを防止できる高強度の光ファイバユニットを得ることができる。
従って、光ファイバ素線が撚り戻し等で部分的に曲げを生じることに起因した伝送損失の増大を防止し、長期に渡って低い伝送損失を安定維持することのできる光ファイバユニットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテンションメンバーを用いた光ファイバユニットの一実施形態の横断面図である。
【図2】図1に示したテンションメンバーの抗張力体を製造する伸線加工工程の説明図である。
【図3】図1に示した光ファイバユニットにおけるテンションメンバーの引抜力試験の方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1 光ファイバユニット
3 テンションメンバー
5 光ファイバ素線
7 樹脂被覆
31 抗張力体
33 被覆層
37 伸線ダイス
71 ユニット1層目被覆
72 ユニット2層目被覆
81 試験片
83 テンションメンバー
85 保持台
86 被覆部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an optical fiber unit used as an optical cable such as a submarine cable, a tension member used for the optical fiber unit, and a method for manufacturing these tension members and the optical fiber unit.
[0002]
[Prior art]
An optical fiber unit used as an optical cable such as a submarine cable is formed by twisting a plurality of optical fiber strands around a tension member arranged in the center in a helical manner, and then coating the whole concentrically with resin. Being manufactured.
The tension member is provided to prevent the optical fiber unit from being stretched beyond an allowable value by a tensile force acting on the optical fiber unit when laying a cable or the like.
[0003]
By the way, if the adhesiveness between the resin coating and the tension member in the optical fiber unit is weak, when laid on the seabed or the like, high water pressure causes flooding between the tension member and the resin coating. There is a possibility that characteristics and the like may be reduced.
Further, if the adhesiveness between the resin coating and the tension member is weak, for example, in a manufacturing process of an optical fiber unit in which the manufactured optical fiber unit is sequentially wound around a drum, a guide roller provided on a transport path of the optical fiber unit to the drum is used. When the torsion acts on the optical fiber unit due to the sliding friction between the optical fiber unit and the optical fiber unit, the torsion force causes the optical fiber and the resin coating to rotate around the tension member, and the optical fiber is untwisted or the like. As a result of partial bending deformation of the wire, a problem of increasing transmission loss occurs.
[0004]
In order to prevent such inconvenience caused by the weak adhesion between the resin coating and the tension member, the tension member is usually formed of a steel wire finished to a predetermined outer diameter by wire drawing using a dry lubricant. The structure is such that a coating layer made of a thermoplastic resin is provided around the strength member.
This coating layer is provided for the purpose of improving the adhesiveness between the resin coating constituting the optical fiber unit and the tensile strength member, and is made of, for example, adhesive polyethylene, ethylene-vinyl acetate copolymer, Nylon 12 or the like is used.
[0005]
By the way, the optical fiber unit has an effective core cross-sectional area of 60 μm 2 or more as an optical fiber wire incorporated in the unit with the adoption of a more advanced transmission method such as wavelength division multiplexing (WDM) transmission using an optical amplifier. The use of non-zero dispersion-shifted fibers and the like which have been expanded to a large extent has been increasing, and the effective core cross-sectional area of the optical fiber tends to gradually increase with the improvement of the transmission system.
[0006]
When the effective core cross-sectional area of the optical fiber is enlarged, the optical fiber and the resin coating are not twisted by the twist acting on the optical fiber unit unless the adhesive force with the tension member is increased. , And the transmission loss increases due to the partial bending of the optical fiber due to the untwisting described above.
[0007]
Therefore, studies for increasing the adhesive strength between the tension member and the resin coating in the optical fiber unit have been actively conducted.
The phenomenon in which the optical fiber and the resin coating rotate around the tension member due to external torsional force is actually caused by the fact that the adhesive strength between the strength member constituting the tension member and the surrounding coating layer is reduced. It has been found that the relative rotation due to peeling occurs between the coating layer of the tension member and the strength member due to the low strength.
[0008]
Therefore, an adhesive layer is further provided between the tension member of the tension member and the coating layer, and the adhesive layer is made of a resin composition containing the following components (A) and (B). A technique for increasing the adhesive strength between a tensile strength member and a coating layer has been proposed (for example, see Patent Document 1).
(A) at least one of an ethylene-acrylic acid copolymer and an ethylene-vinyl acetate copolymer.
(B) Methyl etherified melamine resin.
[0009]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 7-333377 (3 pages, FIG. 1)
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the technology described in Patent Document 1, the composition of the resin forming the adhesive layer added to the tension member is complicated, so that the production control of the resin forming the adhesive layer is not easy, and further, the tension member is not easily controlled. In the above manufacturing process, a new process of forming an adhesive layer with high precision is required, and this additional process complicates the manufacturing process of the tension member and increases the manufacturing cost.
Further, since it is difficult to control the components of the adhesive layer, there is actually a problem that it is quite difficult to secure the stability of the adhesiveness.
In addition, since the adhesive layer added to the tension member has a complicated composition, consideration should be given to long-term use, such as how the adhesive properties change when some components undergo deterioration over time due to long-term use. There are many anxiety when doing.
[0011]
The present invention has been made in view of the above problems, and an object of the present invention is to increase the adhesive strength between a tensile strength member constituting a tension member and a coating layer without complicating the manufacturing process of the tension member. The present invention provides a tension member and a method of manufacturing the same, and furthermore, by using the tension member, there is no increase in transmission loss due to bending deformation of the optical fiber, and stable transmission characteristics can be obtained for a long time. To provide an optical fiber unit that can be maintained over a range of time and a method of manufacturing the same.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a tension member according to the present invention is a tension member in which a drawn tensile strength body is covered with a coating layer, as described in claim 1,
The surface stain of the strength member before being covered with the coating layer is 0.015 g / m 2 or less.
[0013]
According to the analysis of various experimental results by the inventors of the present application, in the wire drawing of a tensile strength member using a conventional dry lubricant, the component of the dry lubricant is present on the surface of the tensile strength member after the wire drawing process. Ca, Na, Ba, etc. remain as dirt. Then, it was found that the larger the amount of dirt, the lower the adhesive strength between the tensile strength member and the coating layer in the tension member.
Therefore, as described above, by regulating the surface dirt of the tensile strength member before being covered with the coating layer after the wire drawing process, without particularly adding an adhesive layer between the tensile strength member and the coating layer in the tension member, The adhesive strength between the strength member and the coating layer could be improved.
[0014]
In the case where the tension member is manufactured, a wet lubricant may be used as a wire drawing lubricant in a wire drawing process for drawing the tensile strength member to a predetermined outer diameter.
As described above, in wire drawing using a wet lubricant, components such as Ca, Na, and Ba in the lubricant rarely adhere to and remain on the outer surface of the tensile strength member. In particular, the surface dirt of the tensile strength member can be kept within the above-mentioned regulation range without performing cleaning or the like, and it is possible to avoid complication of the manufacturing process of the tension member.
[0015]
In order to achieve the above object, an optical fiber unit according to the present invention uses a tension member according to claim 1 or 2 and a plurality of optical fibers around the tension member. It is characterized in that the fiber strands are twisted in a spiral and the whole is concentrically covered with resin.
Further, thereby, as set forth in claim 4, the pull-out force of the strength member is 35 N / cm or more.
[0016]
With the above configuration, the resin coating of the optical fiber unit is fused and integrated with the coating layer of the tension member. However, in the tension member according to the present invention, the adhesive strength between the tensile strength member and the coating layer is high. A high adhesive strength is also obtained between the resin coating of the optical fiber unit and the tensile member of the tension member via the coating layer of (1).
According to the above configuration, the pull-out force of the tensile strength member in the optical fiber unit can be increased to 35 N / cm or more, and the optical fiber and the resin coating surround the tensile strength member against external torsional force. Can be prevented from rotating.
[0017]
In the method of manufacturing the tension member according to the present invention, as described in claims 5 to 7, in the wire drawing step of the tensile strength member, a dry lubricant and a wet lubricant are used as lubricants. Both can also be used together.
When used in combination, it is preferable to use a wet lubricant at least in the final wire drawing.
By controlling the wire drawing process using a wet lubricant in this way, the surface stain of the tensile strength member after the wire drawing can be controlled to a specified range without particularly providing a washing process.
[0018]
Further, in order to keep the surface stain of the tensile strength body after the wire drawing process in a specified range, the tensile strength body after the wire drawing process is washed with at least one of water and chemical cleaning. The processing may be performed.
In this way, as the wire drawing, wire drawing with a dry lubricant having a high processing speed can be mainly taken in, and the productivity of the tension member can be improved.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a tension member, an optical fiber unit, and a method of manufacturing the same according to a preferred embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 is a cross-sectional view of an optical fiber unit using a tension member according to the present invention.
[0020]
The optical fiber unit 1 of this embodiment comprises a plurality of optical fiber strands 5 helically twisted around the outer periphery of the tension member 3 and then a concentric resin coating 7 around the assembly. Is formed.
[0021]
The tension member 3 has a configuration in which a strength member 31 made of a drawn steel wire is appropriately covered with a coating layer 33 made of a resin material.
However, in the present embodiment, as shown in FIG. 2, a tensile strength member 31 having a predetermined outer diameter is drawn by drawing a tensile strength base material 35 made of a steel wire through a wire drawing die 37 under application of a wire drawing lubricant 36. By using a liquid wet lubricant as the wire drawing lubricant 36 in the wire drawing working process to obtain the surface tension of the tensile strength member 31 after wire drawing is suppressed to 0.015 g / m 2 or less.
[0022]
The use of such a wet lubricant is based on the following findings of the present inventors.
According to the analysis of various experimental results by the inventors of the present application, in the wire drawing of a tensile strength member using a conventional dry lubricant, the component of the dry lubricant is present on the surface of the tensile strength member after the wire drawing process. Ca, Na, Ba, etc. are contaminated and remain in large quantities. Then, it was found that the larger the amount of dirt, the lower the adhesive strength between the tensile strength member and the coating layer in the tension member.
[0023]
Therefore, as described above, when the surface dirt of the tensile strength member after wire drawing and before covering with the coating layer is regulated, the tensile strength member can be formed without adding an adhesive layer between the tensile strength member and the coating layer in the tension member. The adhesive strength between the resin and the coating layer could be improved.
Further, to reduce the surface stain of the tensile strength member, it is possible to realize the surface of the tensile strength member by performing at least one of water and chemical cleaning after the wire drawing process, thereby reducing the surface stain of the tensile strength member. , Within the above regulation range.
However, if wire drawing is performed by changing the wire drawing lubricant to a wet lubricant, it is possible to obtain a state in which the surface dirt is similarly reduced without performing cleaning, and without complicating the manufacturing process, the surface dirt can be obtained. It has been found that a tensile strength member having a small amount is obtained.
[0024]
The optical fiber 5 has a structure in which a glass optical fiber 51 having an effective core area of 100 μm 2 is covered with a coating 52.
[0025]
The resin coating 7 fills the gap between the optical fiber strands 5 twisted around the tension member 3 to form a concentric circle of the outer circumference of the tension member 3, and a first layer coating 71 of the unit and a first layer coating of the unit And a unit second-layer coating 72 that covers the outer periphery of the unit 71 concentrically.
In order to enhance the adhesion to the coating layer 33, a soft resin having a small Young's modulus is used for the first layer coating 71 of the unit, and a hard resin having a high Young's modulus is used for the second layer coating 72 of the unit.
[0026]
Since the surface tension of the tensile strength member 31 before covering with the coating layer 33 is small, the tension member 3 described above can be used without adding an adhesive layer between the tensile strength body 31 and the coating layer 33. 33 can be improved.
That is, a tension member having a high adhesive strength between the tensile strength member 31 and the coating layer 33 can be easily obtained without complicating the manufacturing process due to the addition of the adhesive layer.
[0027]
As described above, in wire drawing using a wet lubricant as a wire drawing lubricant, components such as Ca, Na, and Ba in the lubricant may adhere to the outer surface of the tensile strength member 31 and remain. After the wire drawing is completed, the surface dirt of the tensile strength member 31 can be kept within the above-mentioned regulation range without particularly performing cleaning or the like, and the manufacturing process of the tension member 3 can be prevented from becoming complicated.
[0028]
In the optical fiber unit 1 using the tension member 3, the resin coating 7 is fused and integrated with the coating layer 33 of the tension member 3, but the adhesive strength between the strength member 31 and the coating layer 33 is high. Therefore, a high adhesive strength is obtained between the resin coating 7 of the optical fiber unit and the tensile strength member 31 of the tension member 3 via the coating layer 33 of the tension member 3.
According to the above configuration, the pull-out force of the tensile strength member 31 in the optical fiber unit can be increased to 35 N / cm or more, and the optical fiber 5 and the resin coating 7 are resistant to external torsional force. Rotation around the body 31 can be prevented.
Therefore, it is possible to prevent an increase in transmission loss caused by the optical fiber 5 being partially bent due to untwisting or the like, and to obtain an optical fiber unit capable of stably maintaining a low transmission loss over a long period of time. Can be.
[0029]
In addition, if the surface dirt of the tensile strength member 31 before the formation of the coating layer 33 can be kept within the above-mentioned regulation range after the wire drawing process, in the wire drawing process of the tensile strength member 31, a dry lubricant is used as a lubricant. Both of them can be used together with a wet lubricant.
When used in combination, it is preferable to use a wet lubricant at least in the final wire drawing.
By controlling the wire drawing process using the wet lubricant in this way, the surface stain of the tensile strength member 31 after the wire drawing can be controlled to a specified range without particularly providing a washing process.
[0030]
Further, in order to keep the surface stain of the tensile strength body 31 after the wire drawing process in a specified range, the tensile strength body 31 after the wire drawing process is subjected to a cleaning treatment with at least one of water and chemical cleaning. Is also good.
In this way, as the wire drawing process, wire drawing with a dry lubricant having a high processing speed can be mainly taken in, and the productivity of the tension member 3 can be improved.
[0031]
In order to confirm the above-mentioned effects, the present inventors twisted an optical fiber having an effective core area of 100 μm 2 of glass optical fiber around the tension member, and then concentrically coated the whole with a resin. With respect to the three types of the conventional examples and the three examples, the pulling force of the tensile strength member and the transmission loss between processes were measured and compared after the optical fiber unit was formed.
Tables 1 and 2 below show the measurement results.
[0032]
[Table 1]
[0033]
The outline of each step in Table 1 is as follows.
{Circle around (1)} Surface treatment is a step of removing dust and dirt from the surface of the steel wire, and the treated steel wire is wound around a bobbin.
{Circle over (2)} The heat treatment is a step of applying heat so that the steel wire is softened by drawing heat so that the steel wire before drawing is thick.
(3) Wire drawing is a process of drawing a steel wire to an approximate outer diameter (up to 2.0 mm), which differs from the subsequent “(5) wire drawing” in that it changes the outer diameter in the longitudinal direction and the roundness (accuracy). ) Is pretty bad. The drawn steel wire is wound around a bobbin.
{Circle around (4)} Copper plating is a process of plating copper on the surface of a steel wire, in which a solution is electrolyzed to generate copper ions, thereby depositing copper on the surface of the steel wire. This operation is repeated twice, since only one thin copper plating can be performed at a time. The copper-plated steel wire is wound on a bobbin.
(5) Wire drawing (dry + wet) is a process of drawing a copper-plated steel wire to a desired diameter, and the number of dies to be used is changed according to the desired diameter. The steel wire surface is cleaned online to remove residual lubricant, and the steel wire surface is also dried online. The drawn steel wire is wound around a bobbin.
▲ 6 ▼ The straightening process involves winding the wire around the bobbin after winding, resulting in a bending habit. The process of rewinding the entire length while applying heat to eliminate the bending habit, and the straightened steel wire is used for shipping. Wound on a bobbin.
[0034]
[Table 2]
[0035]
In the three types of conventional examples, a dry lubricant was used as a wire drawing lubricant at the time of wire drawing of a tensile member constituting a tension member.
Further, in all of the three types of embodiments of the present invention, a wet lubricant was used as a wire drawing lubricant at the time of wire drawing of a tensile strength member constituting a tension member.
In each of the conventional example and the embodiment, a copper-plated steel wire having an outer diameter of 1.8 mmφ was used as a tensile strength base material, and the finished diameter by wire drawing was 0.6 mmφ.
[0036]
Further, in the embodiment, when both a dry lubricant and a wet lubricant are used as a wire drawing lubricant used at the time of wire drawing of the tensile strength member, the outer diameter from the base material is reduced to 0.9 mmφ. Until then, wire drawing using a wet lubricant was performed until the finished outer diameter was reduced to 0.6 mmφ.
[0037]
As shown in Table 2, the surface dirt of a conventional tension member using only a dry lubricant as a lubricant during wire drawing was 0.020 g / m 2 or more. On the other hand, at least in each of the examples in which wire drawing using a wet lubricant is performed in the final step of the wire drawing treatment, the surface stain is 0.013 g / m 2 or less, which is clearly apparent from the surface stain. Significant differences appeared.
[0038]
For each of the conventional examples and the examples, as the unit pull-out force, the optical fiber unit shown in FIG. 1 was used, and then, as shown in FIG. Then, the tension members 83 exposed at both ends of the test piece 81 are fixed to the holding table 85, and the covering portion 86 of the optical fiber unit remaining in the middle, as shown in FIG. Apply a load F.
When the covering portion 86 started to move, the load F was measured as the pull-out force of the tensile strength member.
[0039]
As shown in Table 2, the measurement result was 25 N / cm at the maximum in the case of the conventional example, but was 40 N / cm at the minimum in the example of the present invention. did it.
Further, for each of these conventional examples and examples, the transmission loss in a state where the cable was actually laid on the sea floor as a submarine cable was examined.
The measured transmission loss (loss between processes) is the sum of the transmission loss in the state of being wound on the drum immediately after the production as an optical fiber unit and the increase or decrease of the transmission loss when laid on the sea floor. In each of the manufactured optical fiber units, it was confirmed that the transmission loss increased.
However, in each of the optical fiber units according to the examples of the present invention, the transmission loss was reduced, and it was confirmed that a good transmission loss was obtained.
[0040]
According to a further experiment conducted by the inventors of the present application, in the case of an optical fiber unit in which a glass optical fiber having an effective core area of 100 μm 2 is twisted around the outer periphery of the tension member, if the pulling force of the tensile member is 30 N / cm or less, A correlation was obtained that the transmission loss increased as the pulling force decreased. However, in an optical fiber unit in which the pull-out force of the tensile strength member is 35 N / cm or more, even if the pull-out force increases or decreases, the transmission loss is hardly affected.
Therefore, in order to stably produce an optical fiber unit capable of preventing an increase in transmission loss, when restricting the pull-out force of the strength member, the pull-out force should be restricted to 35 N / cm or more.
[0041]
Further, when the relationship between the surface contamination of the tension member and the pull-out force in the optical fiber unit was analyzed, it was confirmed that the pull-out force tended to increase as the surface contamination decreased.
When the surface dirt is larger than 0.015 g / m 2 , the pull-out force may be lower than the above-mentioned critical value of 35 N / cm, but when the surface dirt is 0.015 g / m 2 or less. , And the drawing force exceeded the critical value of 35 N / cm described above.
Therefore, in order to stably produce an optical fiber unit capable of preventing an increase in transmission loss, when regulating surface dirt of the tensile strength member before coating with a coating layer, the surface dirt is reduced to 0.015 g / m 2. It is better to regulate to the following.
[0042]
【The invention's effect】
The tension member of the present invention regulates the surface dirt of the tensile strength member before covering with the coating layer after the wire drawing, without adding an adhesive layer particularly between the tensile strength member and the coating layer in the tension member. A tension member having high adhesive strength between the strength member and the coating layer can be easily manufactured.
By manufacturing an optical fiber unit using this tension member, the adhesive strength between the resin coating and the tensile strength member is increased, the pull-out force of the tensile strength member is high, and the optical fiber element is resistant to external torsional force. A high-strength optical fiber unit capable of preventing the wire and the resin coating from rotating around the strength member can be obtained.
Therefore, it is possible to prevent an increase in transmission loss due to partial bending of the optical fiber by untwisting or the like, and to obtain an optical fiber unit capable of stably maintaining a low transmission loss over a long period of time. it can.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of an embodiment of an optical fiber unit using a tension member according to the present invention.
FIG. 2 is an explanatory view of a wire drawing process for manufacturing a tensile member of the tension member shown in FIG. 1;
FIG. 3 is a schematic view showing a method for a pull-out force test of a tension member in the optical fiber unit shown in FIG.
[Explanation of symbols]
REFERENCE SIGNS LIST 1 optical fiber unit 3 tension member 5 optical fiber 7 resin coating 31 strength member 33 coating layer 37 wire drawing die 71 unit first layer coating 72 unit second layer coating 81 test piece 83 tension member 85 holding base 86 coating part