【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリプロピレン系樹脂押出発泡シートに関する。更に詳しくは、シート生産性、二次成形性、耐熱性、断熱性、剛性、耐寒脆性に優れた食品容器に好適な発泡シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂からなる発泡シートは、一般に軽量で、断熱性や外部応力への緩衝性が良好であり、また真空成形などの加熱二次成形により容易に成形体を得ることができるため、ポリスチレン系樹脂やポリエチレン系樹脂を中心に、緩衝材や食品容器、断熱材、自動車用部材などの用途で幅広く利用されている。
【0003】
しかしながら、食品容器などに広く用いられているポリスチレン系樹脂発泡シートは、基材のポリスチレン系樹脂の性質上耐熱性や耐油性に劣る欠点を有している。
【0004】
一方、耐熱性や耐油性に優れたポリプロピレン系樹脂は、溶融時の粘度および抗張力が低いため押出発泡シートをうることが困難とされていたが、近年、ポリプロピレン系樹脂に放射線を照射することにより長鎖分岐を導入せしめた樹脂を使用する方法(例えば、特許文献1)やポリプロピレン系樹脂を共役ジエン化合物およびラジカル重合開始剤との反応により改質された樹脂を使用する方法(例えば、特許文献2)などにより、発泡シートを製造しうることが見出された。しかしながら、ポリプロピレン系樹脂は低温での耐衝撃性、すなわち耐寒脆性に劣るため、冷凍食品容器に用いられた場合、輸送時または調理時の落下の衝撃で容器が破損しやすいという問題があった。
【0005】
このような耐寒脆性を向上させる方法として、ポリプロピレン系樹脂にエチレン・α−オレフィン共重合体を混合する方法(特許文献3、特許文献4、特許文献5)があるが、耐寒脆性は改善される方向にあるものの、ポリプロピレン系樹脂の本来の特長である剛性が低下してしまう問題があった。
【0006】
剛性と耐寒脆性の両方を改善する方法として、ポリプロピレン系樹脂にエチレン・プロピレン共重合体と高密度ポリエチレンを併用する方法(特許文献6、特許文献7)が開示されている。剛性と耐寒脆性の両立においては改善される傾向があるが、レンジアップ冷凍食品容器に使用するには剛性と耐寒脆性のバランスという点からは十分でない。また、エチレン・プロピレン共重合体においては、耐寒脆性に効果のあるエチレン含有量の比較的高いものは、使用前の輸送や貯蔵保管時または押出加工時にブレンダー内や押出機ホッパー内で、ペレット同士のブロッキングが生じやすく、シート生産性という意味では問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特許第2521388号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平10−31108
【0009】
【特許文献3】
特開平6−192460
【0010】
【特許文献4】
特開平8−259721
【0011】
【特許文献5】
特開平10−60144
【0012】
【特許文献6】
特開平6−212007
【0013】
【特許文献7】
特開2001−138378
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、シート生産性に問題なく、二次成形性にすぐれ、剛性の低下が少なく、耐熱性、断熱性、耐寒脆性に優れたポリプロピレン系発泡シートを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリプロピレン系樹脂と、共役ジエン化合物を主体とする重合体を水素添加してなる水添ジエン系重合体ゴム、好ましくは更に、密度0.940〜0.970の高密度ポリエチレン系樹脂を添加した混合物を、発泡剤とともに押出機にて混合し、低圧帯に押し出すことにより得られる厚み0.5〜4mm、密度40以上550kg/m3未満、独立気泡率60%以上のポリプロピレン系樹脂発泡シートが、適度の剛性を保持しつつ、著しく耐寒脆性を改善することができることを見出し本発明に至った。
【0016】
すなわち、本発明は、ポリプロピレン系樹脂(A)、共役ジエン化合物を主体とする重合体を水素添加してなる水添ジエン系重合体ゴム(B)からなる混合物を、発泡剤とともに押出機にて混合し、低圧帯に押し出すことにより得られる厚み0.5〜4mm、密度40以上550kg/m3未満、独立気泡率60%以上のポリプロピレン系樹脂発泡シート(請求項1)、水添ジエン系重合体ゴム(B)が、少なくとも1個の1,2−および3,4−ビニル結合を30%未満含む共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(a)と、少なくとも1個の1,2−および3,4−ビニル結合を30%以上含む共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(b)とからなるブロック共重合体を水素添加してなることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート(請求項2)、混合物がポリプロピレン系樹脂(A)100重量部に対し、共役ジエン化合物を主体とする重合体を水素添加してなる水添ジエン系重合体ゴム(B)を0.5〜50重量部含有することを特徴とする請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート(請求項3)、ポリプロピレン系樹脂(A)、共役ジエン化合物を主体とする重合体を水素添加してなる水添ジエン系重合体ゴム(B)、および密度0.940〜0.970の高密度ポリエチレン系樹脂(C)からなる混合物を、発泡剤とともに押出機にて混合し、低圧帯に押し出すことにより得られる密度40以上550kg/m3未満、独立気泡率60%以上の請求項1〜3いずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート(請求項4)、高密度ポリエチレン系樹脂(C)が、190℃におけるメルトフローレートインデックスが0.005以上1g/10分未満であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート(請求項5)、混合物がポリプロピレン系樹脂(A)100重量部に対し、密度0.940〜0.970の高密度ポリエチレン系樹脂(C)を0.5〜50重量部含有することを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート(請求項6)、ポリプロピレン系樹脂(A)が、210℃における平衡コンプライアンスJe0が0.7×10−3以上1.2×10−3Pa−1未満であり、230℃におけるメルトフローレートが0.1以上3g/10分未満であり、210℃におけるゼロせん断粘度η0が0.6×105以上5.0×105Pa・sec未満であるポリプロピレン系樹脂である請求項1〜6いずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート(請求項7)、ポリプロピレン系樹脂(A)が、ポリプロピレン系樹脂を共役ジエン化合物及びラジカル重合開始剤との反応により改質された改質ポリプロピレン系樹脂である請求項1〜7いずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート(請求項8)、共役ジエン化合物が、ブタジエンまたはイソプレンもしくはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート(請求項9)、請求項1〜9いずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡シートを加熱成形して得られる成形体(請求項10)に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、上記のようにポリプロピレン系樹脂と特定の水添ジエン系重合体ゴムからなる混合物を押出発泡させて、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを得ることにある。
【0018】
本発明で使用されるポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、ブロック共重合体およびランダム共重合体であって、結晶性の重合体が挙げられる。プロピレンの共重合体としては、プロピレンを75重量%以上、とくに90重量%以上含有しているものが、ポリプロピレン系樹脂の特徴である結晶性、剛性、耐薬品性などが保持されている点で好ましい。共重合可能なα−オレフィンとしては、エチレン、ブテン−1、イソブテン、ペンテン−1、3−メチル−ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、3,4−ジメチル−ブテン−1、ヘプテン−1、3−メチル−ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1などの炭素数2または4〜12のα−オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,8,8a−6−オクタヒドロナフタレンなどの環状オレフィン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのビニル単量体、などの1種または2種以上が挙げられる。これらのうち、エチレン、ブテン−1が安価という点で好ましい。
【0019】
平衡コンプライアンスJe0は、本発明に使用するポリプロピレン系樹脂の溶融弾性の尺度であり、数字が大きいほど弾性的な変形を起こしやすいことを示す。ゼロせん断粘度η0は、本発明に使用するポリプロピレン系樹脂の溶融粘性の尺度であり、Je0とは逆に、数字が大きいほど粘性的な変形を起こし難いことを示す。
【0020】
本発明で使用されるポリプロピレン系樹脂としては、210℃における平衡コンプライアンスJe0が0.7×10−3以上1.2×10−3Pa−1未満、210℃におけるゼロせん断粘度η0が0.6×105以上5.0×105Pa・sec未満、230℃におけるメルトフローレートが0.1以上3g/10分未満であることが好ましい。
【0021】
このようなポリプロピレン系樹脂としては、例えば線状のポリプロピレン系樹脂に放射線を照射するか、または線状のポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合開始剤、共役ジエン化合物を溶融混合するなどの方法により得られる分岐構造あるいは高分子量成分を含有するポリプロピレン系樹脂が挙げられる。これらの中では線状ポリプロピレン樹脂、ラジカル重合開始剤および共役ジエン化合物を溶融混合して得られる改質ポリプロピレン系樹脂が、安価に製造でき、また得られた発泡シートは二次成形時の加熱炉内での垂れが少なく、経済性、成形性の点から好ましい。
【0022】
この改質ポリプロピレン系樹脂製造に用いられる原料ポリプロピレン系樹脂としては、前記ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
【0023】
前記共役ジエン化合物としては例えばブタジエン、イソプレン、ピペリレン、2,3−ジメチルブタジエン、1,1,4,4,−テトラメチルブタジエンなどがあげられるが、これらを単独または組み合わせ使用してもよい。これらの中では、ブタジエン、イソプレンが安価で取り扱いやすく、反応が均一に進みやすい点からとくに好ましい。
【0024】
前記共役ジエン化合物の添加量としては、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましく、0.05〜5重量部がさらに好ましい。0.01重量部未満では改質の効果が得られにくく、また20重量部を越える添加量においては効果が小さくなる。
【0025】
前記共役ジエン化合物と共重合可能な単量体、たとえば塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリルなどのメタクリル酸エステルなどを併用してもよい。
【0026】
ラジカル重合開始剤としては、一般に過酸化物、アゾ化合物などが挙げられるが、ポリプロピレン系樹脂や前記共役ジエン化合物からの水素引き抜き能を有するものが好ましく、一般にケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステルなどの有機過酸化物が挙げられる。これらのうち、とくに水素引き抜き能が高いものが好ましく、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの1種または2種以上が挙げられる。
【0027】
ラジカル重合開始剤の添加量としては、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜2重量部がさらに好ましい。0.01重量部未満では改質の効果が得られにくく、また10重量部を越える添加量では、改質の効果が少なくなる。
【0028】
ポリプロピレン系樹脂、共役ジエン化合物、およびラジカル重合開始剤を反応させるための装置としては、ロール、コニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー、単軸押出機、2軸押出機などの混練機、2軸表面更新機、2軸多円板装置などの横型撹拌機、ダブルヘリカルリボン撹拌機などの縦型撹拌機、などが挙げられる。これらのうち、とくに押出機が生産性の点から好ましい。
【0029】
ポリプロピレン系樹脂、共役ジエン化合物、およびラジカル重合開始剤を混合、混練(撹拌)する順序、方法にはとくに制限はない。ポリプロピレン系樹脂、共役ジエン化合物、およびラジカル重合開始剤を混合したのち溶融混練(撹拌)してもよいし、ポリプロピレン系樹脂を溶融混練(撹拌)したのち、共役ジエン化合物あるいはラジカル開始剤を同時にあるいは別々に、一括してあるいは分割して混合してもよい。混練(撹拌)機の温度は130〜300℃が、ポリプロピレン系樹脂が溶融し、かつ熱分解し難いという点で好ましい。またその時間は一般に1〜60分である。
【0030】
このようにして、本発明に用いる改質ポリプロピレン系樹脂を製造することができる。
【0031】
ポリプロピレン系樹脂の210℃における平衡コンプライアンスJe0とゼロ剪断粘度η0は次の方法により測定した。
【0032】
ポリプロピレン系樹脂のペレットを温度190℃の条件下、10kg/cm2で4分間、50kg/cm2で1分間プレスし、厚さ1.5mmのシート状に成形する。このシートからポンチで直径25mmの円板を打ち抜き、測定サンプルとする。測定にはRheometric Scientific F.E.社製のレオメーターであるSR−2000を用いる。25mmのパラレルプレートをGap1.4mmで使用した。条件として210±1℃、測定系内に窒素ガスを流した状態で、測定用サンプルをパラレルプレートに挟んだ状態で20分静置し、系内の温度が一定になってから測定を開始した。
【0033】
測定は100Paの応力を300秒間かけ、時間tに対するクリープコンプライアンスJ(t)を記録したのち、付属のコントロールプログラムであるRSIOrchestrator Ver.6.3.2の機能を用い、J(t)がtに対して直線とみなせる部分をt=0に外挿したときの切片として平衡コンプライアンスJe0の値を得た。また、ゼロせん断粘度η0は前記直線とみなせる部分の傾きの逆数として得た。
【0034】
本発明で使用されるポリプロピレン系樹脂の210℃における平衡コンプライアンスJe0は、0.7×10−3以上1.2×10−3Pa−1が好ましく、0.8×10−3以上1.1×10−3Pa−1未満がさらに好ましい。0.7×10−3Pa−1未満では得られる発泡シートのセルが粗くなり、独立気泡率が低下する傾向にある。また、1.2×10−3Pa−1以上では、得られた発泡シートを成形するときのドローダウン量が大きくなる傾向がある。
【0035】
本発明で使用されるポリプロピレン系樹脂の210℃におけるゼロ剪断粘度η0は、0.6×105以上5.0×105Pa・sec未満が好ましく、0.8×105以上4.5×105Pa・sec未満がさらに好ましい。0.6×105Pa・sec未満では得られた発泡シートを成形するときのドローダウン量が大きくなる傾向がある。また、5.0×105Pa・sec以上では得られる発泡シートの表面平滑性が劣る傾向がある。
【0036】
本発明で使用されるポリプロピレン系樹脂の230℃におけるメルトフローレートは0.1以上3g/10分未満であることが好ましい。この範囲外では、ポリプロピレン系樹脂に高密度ポリエチレンを混合する場合、高密度ポリエチレンの分散性が低下する傾向にあり、本発明の効果が得られにくい。
【0037】
前記ポリプロピレン系樹脂の形状、大きさに制限はなく、ペレット状でもよい。
【0038】
さらに必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を使用してもよい。
【0039】
本発明に使用される水添ジエン系重合体ゴム(B)は、少なくとも1個の1,2−および3,4−ビニル結合を30%未満含む共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(a)と、少なくとも1個の1,2−および3,4−ビニル結合を30%以上含む共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(b)とからなるブロック共重合体を水素添加してなるものが好ましく使用される。水添ジエン系重合体ゴム(B)を構成する共役ジエン化合物は、前記改質ポリプロピレン系樹脂の製造に用いられる共役ジエン化合物と同様のものが使用できる。すなわち、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、2,3−ジメチルブタジエン、1,1,4,4,−テトラメチルブタジエンなどがから選択され、これらは単独または2以上を組み合わせて用いられる。これらのうち、ブタジエン、イソプレンが安価で取り扱いやすく、反応が均一に進みやすい点からとくに好ましく使用される。
【0040】
前記共役ジエン化合物の重合体ブロックには、前記共役ジエン化合物と共重合可能な単量体、たとえば塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリルなどのメタクリル酸エステルなどを併用してもよい。
【0041】
ここで1,2−および3,4−ビニル結合とは、次式で示される構造である。R1〜R6はHまたは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0042】
【化1】
共役ジエン化合物におけるそれ以外の結合としては、次式で示される2,3−ビニル結合がある。
【0043】
【化2】
前記水添ジエン系重合体ゴム(B)の数平均分子量は、3万〜70万が好ましく、8万〜30万がさらに好ましい。数平均分子量が3万未満では、得られる水添ジエン系重合体ゴムペレットがブロッキングしやすく取り扱い作業性が難しくなるほか、発泡シートの耐寒脆性が得られにくい。数平均分子量が70万を越えるとポリプロピレン系樹脂との押出機での混合が困難となり、発泡シート化が難しくなる。水添ジエン系重合体ゴム(B)の分子量分布(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比:Mw/Mn)は5以下が好ましく、1.5以下がさらに好ましい。分子量分布が5を超えると発泡シートの剛性が低下する傾向がある。本明細書記載の数平均分子量および分子量分布は、例えばGPC(Gel Permeation Chromatography)法により測定される。GPC法では標準ポリスチレンで作成した検量線を用い数平均分子量を求めることができる。
【0044】
水添ジエン系重合体ゴム(B)を構成するブロック(a)の水素添加前の共役ジエン化合物の1,2−および3,4−ビニル結合は30%未満が好ましく、20%以下がさらに好ましい。30%以上では得られる発泡シートの剛性が低下する傾向がある。また、水添ジエン系重合体ゴム(B)を構成するブロック(b)の水素添加前の共役ジエン化合物の1,2−および3,4−ビニル結合は30%以上が好ましく、60%以上がさらに好ましい。30%未満では得られる発泡シートの耐寒脆性が低下する傾向がある。また、ブロック(a)の好ましい含量は、3〜97重量%が好ましく、10〜40重量%がさらに好ましい。ただし、(a)と(b)の合計は100重量%である。ブロック(a)の含量が3重量%未満では得られる発泡シートの剛性が低下する傾向がある。また、ブロック(a)が97重量%を越えると得られる発泡シートの耐寒脆性が劣る場合がある。
【0045】
本発明で用いられる水添ジエン系重合体ゴム(B)は1,2−および3,4−ビニル結合を30%未満含む共役ジエンを主体とする重合体ブロック(a)と、少なくとも1個の、1,2−および3,4−ビニル結合を30%以上含む共役ジエンを主体とする重合体ブロック(b)とからなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ジエン系共重合体であり、例えば、a−b、a−b−a、b−a−b−a、a−b−a−b−a、b−a−b−a−b、(a−b)n−X、または(a−b−a)n−X等の構造を有する。なお、式中のa、bは前記(a),(b)ブロックに同じで、nは2〜4の整数、Xはカップリング剤残基を表す。
【0046】
水添ジエン系重合体ゴム(B)は、上記の構造を有するものであれば、その製造方法を制限するものではない。例えば、特公昭40−23798号公報、特開平3−72512号公報等に記載された方法により、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中で合成することができる。水素添加の方法としては、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭60−220147号公報、特開昭61−33132号公報あるいは特開昭62−207303号公報の方法が挙げられる。その際の共役ジエン化合物に由来する脂肪族二重結合は、少なくとも80%、好ましくは90%以上が水素添加される。また、ビニル芳香族化合物を共重合する場合、ビニル芳香族化合物の20%未満、好ましくは10%未満が水素添加されるように選択される。上記水素添加ブロック共重合体の水素添加率については、赤外線分光分析や核磁気共鳴分析により容易に知ることができる。
【0047】
ポリプロピレン系樹脂(A)に添加される水添ジエン系重合体ゴム(B)の量は0.5〜50重量部で、好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは2〜10重量部である。0.5重量部未満では、発泡シートの耐寒脆性が十分でなく、50重量部を超えると剛性、発泡特性(独立気泡率など)の低下する傾向がある。
【0048】
本発明で高密度ポリエチレンを使用する場合は、該高密度ポリエチレンのメルトフローレートとしては、0.005〜1g/10分が好ましく、0.01〜0.1g/10分がさらに好ましい。高密度ポリエチレンのメルトフローレートが0.005g/10分未満の場合は、発泡シート製造時の押出安定性が悪くなり好ましくなく、1g/10分を超える場合には、発泡シートの耐寒脆性改善効果が十分でなくなる傾向がある。さらに、メルトフローレートが0.01〜0.1g/10分の範囲であれば、剛性と耐寒脆性のバランスがすぐれるのでとくに好ましい。
【0049】
高密度ポリエチレン(C)の添加量は、ポリプロピレン系樹脂(A)100重量部に対し、0.5〜50重量部で、1〜25重量部が好ましく、2〜10重量部がさらに好ましい。添加量が0.5重量部未満では、発泡シートの耐寒脆性改良効果が出にくくなる場合があり、50重量部を超えると剛性、発泡特性(独立気泡率など)の低下する傾向がある。
【0050】
ポリプロピレン系樹脂(A)に対し、水添ジエン系重合体ゴム(B)と高密度ポリエチレン(C)を併用する場合の添加量の合計は、50重量部が好ましく、25重量部がさらに好ましい。添加量の合計が50重量部を超えると、剛性、発泡特性(独立気泡率など)の劣る発泡シートになる傾向がある。
【0051】
水添ジエン系重合体ゴム(B)と高密度ポリエチレン(C)を併用することにより、それぞれを単独で用いるよりも剛性と耐寒脆性のバランスがすぐれるなどの効果があり、より好ましい。
【0052】
本発明で使用できる発泡剤は化学発泡剤、物理発泡剤など発泡シート製造に通常使用できるものであれば制限はない。しかし、300kg/m3以下の高倍率の発泡シートを得るには物理発泡剤を使用するのが好ましい。物理発泡剤としては、例えばプロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類、クロロジフルオロメタン、ジクロロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、クロロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロジフルオロエタン、パーフルオロシクロブタンなどのハロゲン化炭化水素類、窒素、炭酸ガス、空気などの無機ガスがあげられる。これらは単独または2種以上混合して使用してよい。
【0053】
発泡剤の添加量は発泡剤の種類および所望の発泡シート密度によって選択されるが、一般に樹脂混合物100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。
【0054】
また、発泡シートの気泡径を適宜の大きさにコントロールするために、必要に応じて、例えば重炭酸ソーダとクエン酸の混合物のような化学発泡剤やタルクなどの物理発泡造核剤を併用してもよい。必要に応じて用いられるこれらの添加量は、一般に、樹脂混合物100重量部に対して、0.01〜5重量部使用される。
【0055】
また、本発明における発泡シートは、所望の気泡構造を得る目的で、例えば、押出発泡した後に空気の吹き付けなどにより冷却を促進したり、マンドレルへの引き取り時に延伸してもよい。
【0056】
本発明における発泡シートの厚みは0.5〜4mm、好ましくは1〜3mm、さらに1.5〜2.5mmであることが好ましい。0.5mmより小さい場合は剛性に劣り、4mmより大きい場合には二次成形性に劣る。
【0057】
本発明における発泡シートの密度は40〜550kg/m3好ましくは60〜400kg/m3さらに80〜250kg/m3であることが好ましい。40kg/m3より小さい場合は剛性に劣り、550kg/m3より大きい場合には断熱性に劣る。
【0058】
本発明における発泡シートの独立気泡率は60%以上、好ましくは70%以上さらに80%以上が好ましい。60%未満の場合には、二次成形時の2次発泡倍率が小さくなり、良好な成形性が得難く、剛性も劣る傾向がある。
【0059】
また、本発明における発泡シートは、プラグ成形、真空成形、圧空成形などの二次成形性に優れることから、厚みムラの少ない、外観美麗な成形体を得ることができる。
【0060】
二次成形の例としては、プラグ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、プラグアシスト成形、プラグアシスト・リバースドロー成形、エアスリップ成形、スナップバック成形、リバースドロー成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形などの方法があげられる。
【0061】
また、前記二次成形は、発泡シートを予備加熱した後に成形するものであるが、予備加熱の際に発泡シートの二次発泡などにより、密度や厚み、独立気泡率が変化する場合がある。
【0062】
また、本発明における発泡シートは、表面性や剛性、二次成形性などを改良する目的で、前記発泡シート表面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層を、片面または両面に形成してもよい。
【0063】
前記熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等を用いることができる。これらは単独または2種以上組み合わせて用いられるが、特に発泡シートとの接着性の点より、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
【0064】
前記非発泡層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、発泡シートを作製した後に、別途作製した非発泡フィルムを加熱または接着剤を用いてラミネートして形成してもよいし、発泡シート上に直接Tダイから非発泡フィルムを押し出してラミネートして形成してもよい。
【0065】
【実施例】
実施例および比較例において、各種の評価方法に用いられた試験法は次の通りである。
1)メルトフローレート(g/10分):ASTM D1238に準じて測定。2)厚み:シートの幅方向に10点厚みを測定し、平均値を求めた。
3)発泡シートの密度:JIS−K6767に準じて測定。
4)発泡シートの独立気泡率:ASTM D−2856(エアーピクノメータを使用して測定)。
5)耐寒脆性:測定温度−30℃にて、JIS K5400(衝撃変形法試験機B法)にて測定し、JIS K7211に準拠して衝撃強度(J)を求めた。
6)剛性:JIS K6301に準じて引張弾性率(MPa)を測定した。
7)ブロッキング性:ゴムペレットをステンレスバット上に100g置き、70g/cm2の重りを乗せて50℃オーブン中で20時間加熱した後、以下の基準で評価した。
【0066】
○:まったく融着しない
△:融着するが手で力を加えるとほぐれる程度
×:融着したままほぐれない
8)発泡シートの二次成形性:開口部11cm×11cm、深さ3.5cmのトレー状金型(金型温度25℃)によって、加熱された発泡シートを成形した。これを繰り返し、前記した同じ条件の下、10個の成形体を得て、成形体を以下の基準で評価した。
【0067】
○:得られた成形体10個のいずれにも割れ、しわ、二重打ちが認められない
△:得られた成形体10個のいずれにも割れ、しわ、二重打ちが認められる
または、得られた成形体10個のうちいずれかに薄い部分が認められる
×:得られた成形体10個のいずれにも薄い部分が認められる
9)耐熱性:上記容器に300gのサラダ油を入れ、電子レンジで内容物が140℃になるまで加熱した後の容器外観をしらべて、以下の基準で評価した。
【0068】
○:変形など異常がみられない
△:若干の変形がみられたが、油はこぼれない
×:大きく変形し、油がこぼれる
10)断熱性:上記容器に100gの水を入れ、電子レンジで内容物が90℃になるまで加熱した後の容器底の外壁温度を測定した。
【0069】
○:60℃未満。
【0070】
△:60〜70℃
×:70℃を越える
実施例および比較例に使用された発泡シートの原料各成分は以下の通りである。
【0071】
PP−1:プロピレン単独重合体(メルトフローレート3g/10分)100重量部に対して、ラジカル重合開始剤としてt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.325重量部を配合し、リボンブレンダーを用いて5分間混合攪拌した。この混合物を、44mmφ二軸押出機(L/D38)のホッパーから50kg/hで供給し、途中に設けた導入部よりイソプレンモノマーを定量ポンプを用いて0.25Kg/hの速度で供給し、ストランドを水冷、細断することにより得た改質ポリプロピレン系樹脂。
【0072】
PP−2:市販の高溶融張力ポリプロピレン(サンアロマー社製PF−814)
PP−1とPP−2の210℃における平衡コンプライアンスJe0、ゼロ剪断粘度η0およびメルトフローレートを配合とともに表1に示す。
【0073】
HDR−1:ビニル結合量12%のブタジエンからなるブロック(a)40重量%、ビニル結合量75%のブタジエンからなるブロック(b)60重量%からなる水添ジエン系重合体ゴム(水素添加率98%、数平均分子量20万)
HDR−2:ビニル結合量12%のブタジエンからなるブロック(a)30重量%、ビニル結合量70%のイソプレンからなるブロック(b)70重量%からなる水添ジエン系重合体ゴム(水素添加率97%、数平均分子量22万)
HDR−3:ビニル結合量11%のブタジエンからなる水添ジエン系重合体ゴム(水素添加率99%、数平均分子量18万)
HDPE:高密度ポリエチレン(密度950kg/m3、メルトフローレート0.03g/10分)
EPR:エチレン含有量80重量%のエチレン・プロピレン共重合体(メルトフローレート0.7g/10分)
(実施例1〜6)
ポリプロピレン系樹脂として前記PP−1、PP−2、水添ジエン重合体ゴムとして前記HDR−1、HDR−2、HDR−3、およびHDPEを使用して表2に示す組成比の樹脂組成物とブレンドオイル0.05重量部、気泡核形成剤(三協化成社製セルマイク417)0.15重量部を、リボンブレンダーで撹拌混合した配合物を65mmφ単軸−90mmφ単軸からなるタンデム型押出機に供給し、200℃に設定した第1段押出機(65mmφ)中にて溶融させたのち、発泡剤としてイソリッチブタン(三井化学(株)社製、イソブタン85重量%、ノルマルブタン15重量%)を前記改質ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対し1.7重量部圧入混合し、160℃に設定した第2段押出機(90mmφ)中で冷却し、サーキュラーダイ(75mmφ)より大気圧下に吐出し、径200mmの冷却筒にて成形しながら引き取りつつ内部に空気を吹き付けて延伸・冷却し円筒型発泡体を得て、これをカッターで切り開くことにより635mm幅の発泡シートを得た。得られた発泡シートの物性および成形体評価を表3に示す。得られた発泡シートは、厚み1.5〜2.5mmの範囲内にあり、低密度で独立気泡率が高く、適度に剛性を保持しながら、耐寒脆性にすぐれていることがわかる。さらに、押出時のゴム同士のブロッキング性もないことからシート生産安定性にすぐれ、二次成形性および得られた成形容器の断熱性、耐熱性も良好である。
(比較例1〜3)
ポリプロピレン系樹脂として前記PP−1、水添ジエン重合体ゴムとして前記HDR−1、HDR−3、およびHDPE、EPRを使用して表2に示す組成比の樹脂組成物を調整した。これらの樹脂組成物を実施例と同様の条件にて押出発泡し、発泡シートを得た。得られた発泡シートの物性および成形体評価を表3に示す。比較例1および2においてはゴム成分を含有していないため耐寒脆性に劣るもので、冷凍食品容器として実用に耐えられないものである。比較例3は、剛性があまり高くない割に耐寒脆性がやや低く、EPRのブロッキング性が悪いため、シート生産性に不安がある。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【発明の効果】
本発明の発泡シートは、シート生産性に問題がなく、二次成形性、耐熱性、断熱性、剛性、耐寒脆性に優れることから、冷凍食品容器などに好適な二次成形体を得ることができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an extruded polypropylene resin foam sheet. More specifically, the present invention relates to a foam sheet suitable for a food container having excellent sheet productivity, secondary moldability, heat resistance, heat insulation, rigidity, and cold brittleness.
[0002]
[Prior art]
A foamed sheet made of a thermoplastic resin is generally light in weight, has good heat insulating properties and good buffering against external stress, and can easily obtain a molded article by heating secondary molding such as vacuum molding. It is widely used in applications such as cushioning materials, food containers, heat insulating materials, and automotive components, mainly for resins and polyethylene resins.
[0003]
However, a polystyrene resin foam sheet widely used for food containers and the like has a defect that heat resistance and oil resistance are inferior due to the properties of the base polystyrene resin.
[0004]
On the other hand, it has been considered difficult to obtain an extruded foamed sheet due to the low viscosity and low tensile strength at the time of melting of a polypropylene resin having excellent heat resistance and oil resistance. A method using a resin into which a long-chain branch has been introduced (for example, Patent Document 1) or a method using a resin obtained by modifying a polypropylene resin with a conjugated diene compound and a radical polymerization initiator (for example, Patent Document 1) It has been found that foamed sheets can be manufactured by 2) and the like. However, polypropylene-based resins are inferior in impact resistance at low temperatures, that is, poor in cold brittleness. Therefore, when used in frozen food containers, there has been a problem that the containers are easily damaged by the impact of dropping during transportation or cooking.
[0005]
As a method of improving such cold brittleness, there is a method of mixing an ethylene / α-olefin copolymer with a polypropylene resin (Patent Document 3, Patent Document 4, Patent Document 5), but the cold brittleness is improved. However, there is a problem that rigidity, which is an essential feature of the polypropylene resin, is reduced.
[0006]
As a method for improving both rigidity and cold brittleness, a method is disclosed in which an ethylene / propylene copolymer and high-density polyethylene are used in combination with a polypropylene resin (Patent Documents 6 and 7). There is a tendency to improve both rigidity and cold brittleness, but it is not sufficient for use in range-up frozen food containers in terms of the balance between rigidity and cold brittleness. In the ethylene-propylene copolymer, those having a relatively high ethylene content, which is effective for cold brittleness, are used in a blender or an extruder hopper during transportation, storage and storage before use, or during extrusion. Blocking easily occurs, and there is a problem in terms of sheet productivity.
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 2521388
[0008]
[Patent Document 2]
JP-A-10-31108
[0009]
[Patent Document 3]
JP-A-6-192460
[0010]
[Patent Document 4]
JP-A-8-259721
[0011]
[Patent Document 5]
JP-A-10-60144
[0012]
[Patent Document 6]
JP-A-6-212007
[0013]
[Patent Document 7]
JP 2001-138378 A
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a polypropylene foam sheet which is excellent in secondary moldability, has little decrease in rigidity, and is excellent in heat resistance, heat insulation properties, and cold brittle resistance without any problem in sheet productivity.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to solve such problems, and as a result, a polypropylene-based resin and a hydrogenated diene-based polymer rubber obtained by hydrogenating a polymer mainly composed of a conjugated diene compound, preferably further A mixture obtained by adding a high-density polyethylene-based resin having a density of 0.940 to 0.970 to a low-pressure zone by mixing with a foaming agent in an extruder, and extruding into a low-pressure zone, having a density of 40 to 550 kg. / M 3 The present invention has been found that a foamed polypropylene resin sheet having a closed cell ratio of less than 60% and a closed cell rate of 60% or more can remarkably improve cold brittleness resistance while maintaining appropriate rigidity.
[0016]
That is, the present invention provides a mixture comprising a polypropylene resin (A) and a hydrogenated diene polymer rubber (B) obtained by hydrogenating a polymer mainly composed of a conjugated diene compound, together with a foaming agent using an extruder. Thickness obtained by mixing and extruding into a low pressure zone 0.5-4 mm, density 40 or more 550 kg / m 3 And a hydrogenated diene polymer rubber (B) having at least one 1,2- and 3,4-vinyl bond of 30% or less. (A) a polymer block mainly composed of a conjugated diene compound containing less than 30% and a polymer block (b) mainly composed of a conjugated diene compound containing at least 30% or more of 1,2- and 3,4-vinyl bonds. 2. The foamed polypropylene resin sheet according to claim 1 wherein the block copolymer is hydrogenated (claim 2), wherein the mixture is a conjugated diene based on 100 parts by weight of the polypropylene resin (A). The polypropylene according to claim 1 or 2, comprising 0.5 to 50 parts by weight of a hydrogenated diene-based polymer rubber (B) obtained by hydrogenating a polymer mainly composed of a compound. A resin foam sheet (Claim 3), a polypropylene resin (A), a hydrogenated diene polymer rubber (B) obtained by hydrogenating a polymer mainly composed of a conjugated diene compound, and a density of 0.940-0. 970, a mixture comprising a high-density polyethylene resin (C) is mixed with a foaming agent in an extruder and extruded into a low-pressure zone to obtain a density of 40 to 550 kg / m. 3 The polypropylene resin foam sheet (Claim 4) or the high-density polyethylene resin (C) according to any one of claims 1 to 3, which has a closed cell ratio of 60% or more, and a melt flow rate index at 190 ° C of 0.1. The foamed polypropylene-based resin sheet according to any one of claims 1 to 4, wherein the mixture has a density of 100 parts by weight or more based on the polypropylene-based resin (A). The polypropylene resin foam sheet according to any one of claims 1 to 5, comprising 0.5 to 50 parts by weight of a high-density polyethylene resin (C) of 0.940 to 0.970. ), The polypropylene resin (A) has an equilibrium compliance Je0 at 210 ° C. of 0.7 × 10 -3 1.2 × 10 or more -3 Pa -1 The melt flow rate at 230 ° C. is 0.1 or more and less than 3 g / 10 minutes, and the zero shear viscosity η 0 at 210 ° C. is 0.6 × 10 5 5.0 × 10 or more 5 The polypropylene-based resin foam sheet according to any one of claims 1 to 6, wherein the polypropylene-based resin (A) is a polypropylene-based resin having a viscosity of less than Pa · sec. The foamed polypropylene resin sheet according to any one of claims 1 to 7, which is a modified polypropylene resin modified by reaction with an initiator, wherein the conjugated diene compound is butadiene or isoprene or a combination thereof. The foamed polypropylene resin sheet according to any one of claims 1 to 8 (Claim 9), which is obtained by thermoforming the foamed polypropylene resin sheet according to any one of Claims 1 to 9. The present invention relates to a molded article (claim 10).
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
A feature of the present invention is that a mixture of a polypropylene resin and a specific hydrogenated diene polymer rubber is extruded and foamed to obtain a foamed polypropylene resin sheet as described above.
[0018]
Examples of the polypropylene resin used in the present invention include a propylene homopolymer, a block copolymer, and a random copolymer, and include a crystalline polymer. As a propylene copolymer, those containing 75% by weight or more, especially 90% by weight or more of propylene are advantageous in that the crystallinity, rigidity, chemical resistance, and the like characteristic of the polypropylene resin are maintained. preferable. Examples of the copolymerizable α-olefin include ethylene, butene-1, isobutene, pentene-1, 3-methyl-butene-1, hexene-1, 4-methyl-pentene-1, 3,4-dimethyl-butene- 1, α-olefin having 2 or 4 to 12 carbon atoms such as 1, heptene-1, 3-methyl-hexene-1, octene-1, decene-1, cyclopentene, norbornene, 1,4,5,8-dimetano-1 Olefins such as 2,2,3,4,4a, 8,8a-6-octahydronaphthalene, 5-methylene-2-norbornene, 5-ethylidene-2-norbornene, 1,4-hexadiene, methyl-1,4 Diene such as hexadiene, 7-methyl-1,6-octadiene, vinyl chloride, vinylidene chloride, acrylonitrile, vinyl acetate, acrylic acid, methacrylic One or more kinds of acid, maleic acid, ethyl acrylate, butyl acrylate, methyl methacrylate, maleic anhydride, vinyl monomer such as styrene, methyl styrene, vinyl toluene, divinyl benzene and the like can be mentioned. Of these, ethylene and butene-1 are preferred in that they are inexpensive.
[0019]
The equilibrium compliance Je0 is a measure of the melt elasticity of the polypropylene resin used in the present invention, and the larger the number, the more easily elastic deformation occurs. The zero shear viscosity η0 is a measure of the melt viscosity of the polypropylene resin used in the present invention, and, as opposed to Je0, the larger the number, the less the viscous deformation occurs.
[0020]
The polypropylene resin used in the present invention has an equilibrium compliance Je0 at 210 ° C. of 0.7 × 10 -3 1.2 × 10 or more -3 Pa -1 , Zero shear viscosity η0 at 210 ° C. is 0.6 × 10 5 5.0 × 10 or more 5 It is preferred that the melt flow rate at 230 ° C. is less than 0.1 Pa and less than 3 g / 10 min.
[0021]
As such a polypropylene-based resin, for example, a linear polypropylene-based resin is irradiated with radiation, or a branched polypropylene-based resin, a radical polymerization initiator, and a branch obtained by a method such as melt-mixing a conjugated diene compound. A polypropylene resin containing a structure or a high molecular weight component is exemplified. Among these, a modified polypropylene resin obtained by melt-mixing a linear polypropylene resin, a radical polymerization initiator and a conjugated diene compound can be produced at low cost, and the obtained foamed sheet is heated in a heating furnace at the time of secondary molding. It is preferable from the viewpoints of low drooping inside, economical efficiency and moldability.
[0022]
Examples of the raw material polypropylene resin used in the production of the modified polypropylene resin include the above-mentioned polypropylene resin.
[0023]
Examples of the conjugated diene compound include butadiene, isoprene, piperylene, 2,3-dimethylbutadiene, and 1,1,4,4-tetramethylbutadiene. These may be used alone or in combination. Among them, butadiene and isoprene are particularly preferable because they are inexpensive and easy to handle, and the reaction can easily proceed uniformly.
[0024]
The amount of the conjugated diene compound to be added is preferably 0.01 to 20 parts by weight, more preferably 0.05 to 5 parts by weight, based on 100 parts by weight of the polypropylene resin. When the amount is less than 0.01 part by weight, the effect of the modification is hardly obtained, and when the amount exceeds 20 parts by weight, the effect becomes small.
[0025]
Monomers copolymerizable with the conjugated diene compound, for example, vinyl chloride, vinylidene chloride, acrylonitrile, methacrylonitrile, acrylamide, methacrylamide, vinyl acetate, acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid, maleic anhydride, metal acrylate Salts, metal methacrylates, methyl acrylate, ethyl acrylate, butyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, acrylates such as stearyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, butyl methacrylate, 2-methacrylic acid Methacrylic esters such as ethylhexyl and stearyl methacrylate may be used in combination.
[0026]
Examples of the radical polymerization initiator generally include peroxides and azo compounds, but those having a hydrogen extraction ability from a polypropylene resin or the conjugated diene compound are preferable, and generally, ketone peroxide, peroxyketal, and hydroperoxide are preferable. Organic peroxides such as oxides, dialkyl peroxides, diacyl peroxides, peroxydicarbonates, peroxyesters and the like can be mentioned. Among them, those having a particularly high hydrogen abstracting ability are preferable. For example, 1,1-bis (t-butylperoxy) 3,3,5-trimethylcyclohexane, 1,1-bis (t-butylperoxy) cyclohexane, Peroxyketals such as n-butyl 4,4-bis (t-butylperoxy) valerate, 2,2-bis (t-butylperoxy) butane, dicumyl peroxide, 2,5-dimethyl-2,5 -Di (t-butylperoxy) hexane, α, α'-bis (t-butylperoxy-m-isopropyl) benzene, t-butylcumyl peroxide, di-t-butylperoxide, 2,5-dimethyl Dialkyl peroxides such as -2,5-di (t-butylperoxy) hexyne-3, and diacyl peroxides such as benzoyl peroxide Oxide, t-butylperoxyoctate, t-butylperoxyisobutyrate, t-butylperoxylaurate, t-butylperoxy 3,5,5-trimethylhexanoate, t-butylperoxyisopropyl carbonate , 2,5-dimethyl-2,5-di (benzoylperoxy) hexane, peroxyesters such as t-butylperoxyacetate, t-butylperoxybenzoate, di-t-butylperoxyisophthalate, etc. Or two or more types are mentioned.
[0027]
The amount of the radical polymerization initiator to be added is preferably 0.01 to 10 parts by weight, more preferably 0.05 to 2 parts by weight, based on 100 parts by weight of the polypropylene resin. If the amount is less than 0.01 part by weight, the effect of the modification is hardly obtained, and if the amount exceeds 10 parts by weight, the effect of the modification is reduced.
[0028]
Kneaders such as rolls, co-kneaders, Banbury mixers, Brabenders, single-screw extruders, twin-screw extruders, etc. And a horizontal stirrer such as a twin-screw multi-disc device, and a vertical stirrer such as a double helical ribbon stirrer. Of these, extruders are particularly preferred in terms of productivity.
[0029]
The order and method of mixing and kneading (stirring) the polypropylene resin, the conjugated diene compound, and the radical polymerization initiator are not particularly limited. After mixing the polypropylene resin, the conjugated diene compound, and the radical polymerization initiator, the mixture may be melt-kneaded (stirred), or after the polypropylene resin is melt-kneaded (stirred), the conjugated diene compound or the radical initiator may be added simultaneously or simultaneously. They may be mixed separately, collectively or separately. The temperature of the kneading (stirring) machine is preferably from 130 to 300 ° C. in that the polypropylene resin is melted and hardly thermally decomposed. The time is generally 1 to 60 minutes.
[0030]
Thus, the modified polypropylene resin used in the present invention can be produced.
[0031]
The equilibrium compliance Je0 at 210 ° C. and the zero shear viscosity η0 of the polypropylene resin were measured by the following methods.
[0032]
The pellets of the polypropylene resin are heated at a temperature of 190 ° C. under a pressure of 10 kg / cm. 2 For 4 minutes at 50kg / cm 2 For 1 minute to form a 1.5 mm thick sheet. From this sheet, a disk having a diameter of 25 mm is punched out with a punch to obtain a measurement sample. Rheometric Scientific F.R. E. FIG. A SR-2000, a rheometer manufactured by the company, is used. A 25 mm parallel plate was used with a Gap of 1.4 mm. As a condition, at 210 ± 1 ° C., with the nitrogen gas flowing into the measurement system, the measurement sample was allowed to stand still for 20 minutes with the sample sandwiched between the parallel plates, and the measurement was started after the temperature in the system became constant. .
[0033]
For the measurement, a stress of 100 Pa was applied for 300 seconds, and the creep compliance J (t) with respect to the time t was recorded. Then, an attached control program RSIOrchestrator Ver. Using the function of 6.3.2, the value of the equilibrium compliance Je0 was obtained as an intercept when a portion where J (t) could be regarded as a straight line with respect to t was extrapolated to t = 0. Further, the zero shear viscosity η0 was obtained as the reciprocal of the slope of the portion that can be regarded as the straight line.
[0034]
The equilibrium compliance Je0 at 210 ° C. of the polypropylene resin used in the present invention is 0.7 × 10 -3 1.2 × 10 or more -3 Pa -1 Is preferred, and 0.8 × 10 -3 1.1 × 10 -3 Pa -1 Less than is more preferred. 0.7 × 10 -3 Pa -1 If it is less than 1, the cells of the foamed sheet obtained become coarse, and the closed cell ratio tends to decrease. Also, 1.2 × 10 -3 Pa -1 Above, there is a tendency that the drawdown amount at the time of molding the obtained foamed sheet becomes large.
[0035]
The zero shear viscosity η0 at 210 ° C. of the polypropylene resin used in the present invention is 0.6 × 10 5 5.0 × 10 or more 5 Less than Pa · sec, preferably 0.8 × 10 5 4.5 × 10 or more 5 It is more preferably less than Pa · sec. 0.6 × 10 5 If it is less than Pa · sec, the drawdown amount when molding the obtained foamed sheet tends to be large. Also, 5.0 × 10 5 Above Pa · sec, the resulting foamed sheet tends to have poor surface smoothness.
[0036]
The melt flow rate at 230 ° C. of the polypropylene resin used in the present invention is preferably 0.1 or more and less than 3 g / 10 minutes. Outside this range, when high-density polyethylene is mixed with the polypropylene resin, the dispersibility of the high-density polyethylene tends to decrease, and it is difficult to obtain the effects of the present invention.
[0037]
The shape and size of the polypropylene resin are not limited, and may be pellets.
[0038]
Further, if necessary, antioxidants, metal deactivators, phosphorus-based processing stabilizers, ultraviolet absorbers, ultraviolet stabilizers, fluorescent brighteners, metal soaps, antacid adsorption, as long as the effects of the present invention are not impaired. Additives such as a stabilizer such as an agent, a crosslinking agent, a chain transfer agent, a nucleating agent, a lubricant, a plasticizer, a filler, a reinforcing material, a pigment, a dye, a flame retardant, and an antistatic agent may be used.
[0039]
The hydrogenated diene polymer rubber (B) used in the present invention is a polymer block (a) mainly composed of a conjugated diene compound containing at least one 1,2- and 3,4-vinyl bond in an amount of less than 30%. ) And a polymer obtained by hydrogenating a block copolymer consisting of a polymer block (b) mainly composed of a conjugated diene compound containing at least 30% or more of 1,2- and 3,4-vinyl bonds. Is preferably used. As the conjugated diene compound constituting the hydrogenated diene-based polymer rubber (B), the same conjugated diene compound as used in the production of the modified polypropylene resin can be used. That is, butadiene, isoprene, piperylene, 2,3-dimethylbutadiene, 1,1,4,4-tetramethylbutadiene and the like are selected, and these are used alone or in combination of two or more. Of these, butadiene and isoprene are particularly preferably used because they are inexpensive and easy to handle, and the reaction easily proceeds uniformly.
[0040]
In the polymer block of the conjugated diene compound, a monomer copolymerizable with the conjugated diene compound, for example, vinyl chloride, vinylidene chloride, acrylonitrile, methacrylonitrile, acrylamide, methacrylamide, vinyl acetate, acrylic acid, methacrylic acid Acrylates such as maleic acid, maleic anhydride, metal acrylate, metal methacrylate, methyl acrylate, ethyl acrylate, butyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, stearyl acrylate, etc., methyl methacrylate, methacryl A methacrylate such as ethyl acrylate, butyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, and stearyl methacrylate may be used in combination.
[0041]
Here, the 1,2- and 3,4-vinyl bonds have a structure represented by the following formula. R 1 ~ R 6 Represents H or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms.
[0042]
Embedded image
Other bonds in the conjugated diene compound include a 2,3-vinyl bond represented by the following formula.
[0043]
Embedded image
The number average molecular weight of the hydrogenated diene polymer rubber (B) is preferably 30,000 to 700,000, and more preferably 80,000 to 300,000. If the number average molecular weight is less than 30,000, the resulting hydrogenated diene polymer rubber pellets are likely to be easily blocked, making handling difficult, and the foamed sheet is difficult to obtain cold brittle resistance. When the number average molecular weight exceeds 700,000, it becomes difficult to mix with a polypropylene resin by an extruder, and it is difficult to form a foamed sheet. The molecular weight distribution (the ratio of the weight average molecular weight Mw to the number average molecular weight Mn: Mw / Mn) of the hydrogenated diene polymer rubber (B) is preferably 5 or less, more preferably 1.5 or less. If the molecular weight distribution exceeds 5, the rigidity of the foamed sheet tends to decrease. The number average molecular weight and the molecular weight distribution described in this specification are measured by, for example, GPC (Gel Permeation Chromatography). In the GPC method, the number average molecular weight can be determined using a calibration curve prepared with standard polystyrene.
[0044]
The 1,2- and 3,4-vinyl bonds of the conjugated diene compound of the block (a) constituting the hydrogenated diene polymer rubber (B) before hydrogenation are preferably less than 30%, more preferably 20% or less. . If it is 30% or more, the rigidity of the obtained foamed sheet tends to decrease. The 1,2- and 3,4-vinyl bonds of the conjugated diene compound of the block (b) constituting the hydrogenated diene polymer rubber (B) before hydrogenation are preferably at least 30%, more preferably at least 60%. More preferred. If it is less than 30%, the cold-brittle resistance of the obtained foamed sheet tends to decrease. The preferred content of the block (a) is preferably from 3 to 97% by weight, more preferably from 10 to 40% by weight. However, the sum of (a) and (b) is 100% by weight. If the content of the block (a) is less than 3% by weight, the rigidity of the obtained foamed sheet tends to decrease. On the other hand, if the content of the block (a) exceeds 97% by weight, the resulting foamed sheet may have poor cold brittle resistance.
[0045]
The hydrogenated diene polymer rubber (B) used in the present invention comprises a polymer block (a) mainly comprising a conjugated diene containing less than 30% of 1,2- and 3,4-vinyl bonds, and at least one polymer block (a). A hydrogenated diene copolymer obtained by hydrogenating a block copolymer comprising a conjugated diene-based polymer block (b) containing 30% or more of 1,2- and 3,4-vinyl bonds Yes, for example, ab, aba, baba, ababa, babab, (ab) nX Or (abba) nX or the like. In addition, a and b in a formula are the same as the above-mentioned (a) and (b) block, n is an integer of 2-4, and X represents a coupling agent residue.
[0046]
The production method of the hydrogenated diene polymer rubber (B) is not limited as long as it has the above structure. For example, the compound can be synthesized in an inert solvent using a lithium catalyst by a method described in JP-B-40-23798, JP-A-3-72512, or the like. As the hydrogenation method, for example, JP-B-42-8704, JP-B-43-6636, JP-A-60-220147, JP-A-61-33132 or JP-A-62-207303 The method of gazette is mentioned. At least 80%, preferably 90% or more of the aliphatic double bond derived from the conjugated diene compound is hydrogenated. Also, when copolymerizing a vinyl aromatic compound, it is selected such that less than 20%, preferably less than 10%, of the vinyl aromatic compound is hydrogenated. The hydrogenation rate of the hydrogenated block copolymer can be easily known by infrared spectroscopy or nuclear magnetic resonance analysis.
[0047]
The amount of the hydrogenated diene polymer rubber (B) added to the polypropylene resin (A) is 0.5 to 50 parts by weight, preferably 1 to 25 parts by weight, more preferably 2 to 10 parts by weight. . If the amount is less than 0.5 part by weight, the cold brittle resistance of the foamed sheet is not sufficient, and if it exceeds 50 parts by weight, the rigidity and the foaming properties (such as closed cell ratio) tend to decrease.
[0048]
When high-density polyethylene is used in the present invention, the high-density polyethylene has a melt flow rate of preferably 0.005 to 1 g / 10 min, more preferably 0.01 to 0.1 g / 10 min. If the melt flow rate of the high-density polyethylene is less than 0.005 g / 10 min, the extrusion stability during the production of the foamed sheet is deteriorated, which is not preferable. If it exceeds 1 g / 10 min, the effect of improving the cold brittleness of the foamed sheet is reduced. Tend to be insufficient. Further, when the melt flow rate is in the range of 0.01 to 0.1 g / 10 minutes, the balance between rigidity and resistance to cold brittleness is excellent, which is particularly preferable.
[0049]
The amount of the high-density polyethylene (C) is 0.5 to 50 parts by weight, preferably 1 to 25 parts by weight, more preferably 2 to 10 parts by weight, based on 100 parts by weight of the polypropylene resin (A). If the added amount is less than 0.5 part by weight, the effect of improving the cold brittleness of the foamed sheet may be difficult to obtain, and if it is more than 50 parts by weight, the rigidity and the foaming properties (such as closed cell ratio) tend to be reduced.
[0050]
When the hydrogenated diene polymer rubber (B) and the high-density polyethylene (C) are used in combination with the polypropylene resin (A), the total amount added is preferably 50 parts by weight, more preferably 25 parts by weight. If the total amount exceeds 50 parts by weight, the foamed sheet tends to be inferior in rigidity and foaming properties (such as closed cell ratio).
[0051]
The combined use of the hydrogenated diene-based polymer rubber (B) and the high-density polyethylene (C) has an effect such as better balance between rigidity and cold brittleness than using each alone, and is more preferable.
[0052]
The foaming agent that can be used in the present invention is not limited as long as it can be generally used for producing a foamed sheet, such as a chemical foaming agent and a physical foaming agent. However, 300kg / m 3 In order to obtain the following high-magnification foam sheet, it is preferable to use a physical foaming agent. Examples of the physical foaming agent include aliphatic hydrocarbons such as propane, butane, isobutane, pentane, hexane, and heptane; cycloaliphatic hydrocarbons such as cyclobutane, cyclopentane and cyclohexane; chlorodifluoromethane, dichloromethane, and dichlorofluoromethane. , Dichlorodifluoromethane, trichlorofluoromethane, chloroethane, dichlorotrifluoroethane, dichlorotetrafluoroethane, trichlorotrifluoroethane, halogenated hydrocarbons such as tetrachlorodifluoroethane, perfluorocyclobutane, and inorganic substances such as nitrogen, carbon dioxide gas, and air Gas. These may be used alone or in combination of two or more.
[0053]
The amount of the foaming agent to be added is selected depending on the type of the foaming agent and the desired density of the foamed sheet. Generally, the amount is preferably 0.5 to 10 parts by weight based on 100 parts by weight of the resin mixture.
[0054]
Also, in order to control the cell diameter of the foam sheet to an appropriate size, if necessary, a chemical foaming agent such as a mixture of sodium bicarbonate and citric acid or a physical foaming nucleating agent such as talc may be used in combination. Good. These addition amounts used as needed are generally used in an amount of 0.01 to 5 parts by weight based on 100 parts by weight of the resin mixture.
[0055]
In order to obtain a desired cell structure, the foamed sheet according to the present invention may be, for example, extruded and foamed to promote cooling by blowing air, or may be stretched at the time of drawing to a mandrel.
[0056]
The thickness of the foam sheet in the present invention is 0.5 to 4 mm, preferably 1 to 3 mm, and more preferably 1.5 to 2.5 mm. If it is smaller than 0.5 mm, the rigidity is poor, and if it is larger than 4 mm, the secondary formability is poor.
[0057]
The density of the foam sheet in the present invention is 40 to 550 kg / m. 3 Preferably 60 to 400 kg / m 3 80-250kg / m 3 It is preferable that 40kg / m 3 Less than 550kg / m 3 If it is larger, the heat insulation is poor.
[0058]
The closed cell rate of the foamed sheet in the present invention is 60% or more, preferably 70% or more, and more preferably 80% or more. When it is less than 60%, the secondary expansion ratio at the time of the secondary molding is small, and it is difficult to obtain good moldability and the rigidity tends to be poor.
[0059]
Further, since the foamed sheet of the present invention is excellent in secondary formability such as plug forming, vacuum forming, pressure forming, etc., it is possible to obtain a molded body with less thickness unevenness and beautiful appearance.
[0060]
Examples of secondary molding include plug molding, matched molding, straight molding, drape molding, plug assist molding, plug assist reverse draw molding, air slip molding, snapback molding, reverse draw molding, free drawing molding, plug・ Methods such as and ridge molding and ridge molding are exemplified.
[0061]
In the secondary molding, the foamed sheet is molded after preheating, and the density, thickness, and closed cell rate may change due to secondary foaming of the foamed sheet during the preheating.
[0062]
Further, the foamed sheet of the present invention may have a non-foamed layer made of a thermoplastic resin, on one or both sides, on the surface of the foamed sheet, for the purpose of improving surface properties, rigidity, secondary formability, and the like. .
[0063]
As the thermoplastic resin, polystyrene resin, modified polyphenylene ether resin, polyethylene resin, polypropylene resin, polyethylene terephthalate resin, polybutylene terephthalate, polyamide resin, polyarylate resin, polyimide resin, polyether sulfone A resin, a polysulfone resin, a polyester resin, an acrylic resin, a polyvinyl chloride resin, a polycarbonate resin, or the like can be used. These may be used alone or in combination of two or more, and a polypropylene resin is particularly preferable from the viewpoint of adhesiveness to a foamed sheet.
[0064]
The method of forming the non-foamed layer is not particularly limited, and may be formed by forming a foamed sheet and then laminating a separately prepared non-foamed film by heating or using an adhesive. A non-foamed film may be extruded directly from a T-die onto a sheet and formed by lamination.
[0065]
【Example】
In Examples and Comparative Examples, test methods used for various evaluation methods are as follows.
1) Melt flow rate (g / 10 minutes): Measured according to ASTM D1238. 2) Thickness: The thickness was measured at 10 points in the width direction of the sheet, and the average value was determined.
3) Density of foam sheet: Measured according to JIS-K6767.
4) Closed cell ratio of foam sheet: ASTM D-2856 (measured using an air pycnometer).
5) Cold brittleness: Measured at -30 ° C at a measurement temperature according to JIS K5400 (impact deformation tester B method), and the impact strength (J) was determined according to JIS K7211.
6) Rigidity: Tensile modulus (MPa) was measured according to JIS K6301.
7) Blocking property: put 100 g of rubber pellet on a stainless steel bat, 70 g / cm 2 Was placed in a 50 ° C. oven for 20 hours, and then evaluated according to the following criteria.
[0066]
:: No fusion
△: Fused but loosened by applying force by hand
×: not loosened with fusion
8) Secondary formability of foamed sheet: A heated foamed sheet was molded using a tray-shaped mold (mold temperature: 25 ° C.) having an opening of 11 cm × 11 cm and a depth of 3.5 cm. This was repeated to obtain 10 molded articles under the same conditions as described above, and the molded articles were evaluated according to the following criteria.
[0067]
:: No cracks, wrinkles or double hits were observed in any of the obtained 10 molded articles.
Δ: Cracks, wrinkles and double impact were observed in all of the obtained 10 molded articles.
Alternatively, a thin portion is observed in any one of the obtained 10 molded bodies.
×: A thin portion is observed in all of the obtained 10 molded articles.
9) Heat resistance: 300 g of salad oil was placed in the above-mentioned container, and the contents were heated to 140 ° C. in a microwave oven.
[0068]
○: No abnormality such as deformation is observed
Δ: slight deformation was observed, but oil did not spill
×: Large deformation, oil spill
10) Heat insulation: 100 g of water was placed in the above-mentioned container, and the temperature of the outer wall at the bottom of the container was measured after heating the contents to 90 ° C. with a microwave oven.
[0069]
:: less than 60 ° C.
[0070]
Δ: 60 to 70 ° C
×: Exceeds 70 ° C
The components of the raw materials of the foamed sheets used in the examples and comparative examples are as follows.
[0071]
PP-1: To 100 parts by weight of propylene homopolymer (melt flow rate 3 g / 10 minutes), 0.325 parts by weight of t-butyl peroxyisopropyl monocarbonate is blended as a radical polymerization initiator, and a ribbon blender is used. For 5 minutes. This mixture was supplied at 50 kg / h from a hopper of a 44 mmφ twin screw extruder (L / D38), and an isoprene monomer was supplied at a rate of 0.25 kg / h from an introduction portion provided on the way using a metering pump. Modified polypropylene resin obtained by strand cooling with water and chopping.
[0072]
PP-2: commercially available high melt tension polypropylene (PF-814 manufactured by Sun Allomer)
Table 1 shows the equilibrium compliance Je0, zero shear viscosity η0, and melt flow rate of PP-1 and PP-2 at 210 ° C. together with the blending ratio.
[0073]
HDR-1: A hydrogenated diene-based polymer rubber comprising 40% by weight of a block (a) composed of butadiene having a vinyl bond amount of 12% and 60% by weight of a block (b) composed of butadiene having a vinyl bond amount of 75% (hydrogenation rate) 98%, number average molecular weight 200,000)
HDR-2: a hydrogenated diene-based polymer rubber comprising 30% by weight of a block (a) composed of butadiene having a vinyl bond amount of 12% and 70% by weight of a block (b) composed of isoprene having a vinyl bond amount of 70% (hydrogenation rate) 97%, number average molecular weight 220,000)
HDR-3: hydrogenated diene-based polymer rubber composed of butadiene having a vinyl bond amount of 11% (hydrogenation rate: 99%, number average molecular weight: 180,000)
HDPE: High density polyethylene (density 950 kg / m 3 , Melt flow rate 0.03 g / 10 min)
EPR: ethylene / propylene copolymer having an ethylene content of 80% by weight (melt flow rate 0.7 g / 10 min)
(Examples 1 to 6)
Using the PP-1, PP-2 as a polypropylene-based resin and the HDR-1, HDR-2, HDR-3, and HDPE as a hydrogenated diene polymer rubber, a resin composition having a composition ratio shown in Table 2 A tandem-type extruder comprising a blend obtained by mixing and stirring 0.05 parts by weight of a blended oil and 0.15 parts by weight of a cell nucleating agent (Cell Microphone 417 manufactured by Sankyo Kasei Co., Ltd.) with a ribbon blender, from 65 mmφ uniaxial to 90 mmφ uniaxial. And melted in a first-stage extruder (65 mmφ) set at 200 ° C., and then isorich butane (manufactured by Mitsui Chemicals, Inc., isobutane 85% by weight, normal butane 15% by weight) as a blowing agent ) Was mixed with 1.7 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the modified polypropylene resin composition, and cooled in a second-stage extruder (90 mmφ) set at 160 ° C. It is discharged from a large die (75 mmφ) under atmospheric pressure, blown with air while forming it in a 200 mm diameter cooling cylinder, stretched and cooled to obtain a cylindrical foam, which is cut open with a cutter to 635 mm. A foam sheet having a width was obtained. Table 3 shows the physical properties and molded article evaluation of the obtained foamed sheet. The obtained foamed sheet has a thickness in the range of 1.5 to 2.5 mm, a low density, a high closed cell rate, and has excellent cold brittleness resistance while maintaining moderate rigidity. Furthermore, since there is no blocking property between rubbers at the time of extrusion, the sheet production stability is excellent, and the secondary moldability and the heat insulation and heat resistance of the obtained molded container are also good.
(Comparative Examples 1 to 3)
Using PP-1 as a polypropylene-based resin and HDR-1, HDR-3, HDPE, and EPR as hydrogenated diene polymer rubbers, resin compositions having the composition ratios shown in Table 2 were prepared. These resin compositions were extruded and foamed under the same conditions as in the examples to obtain foamed sheets. Table 3 shows the physical properties and molded article evaluation of the obtained foamed sheet. Comparative Examples 1 and 2 do not contain a rubber component and thus have poor cold brittleness resistance and cannot be put to practical use as a frozen food container. In Comparative Example 3, the rigidity is not so high, but the cold brittleness resistance is rather low, and the EPR blocking property is poor.
[0074]
[Table 1]
[0075]
[Table 2]
[0076]
[Table 3]
[0077]
【The invention's effect】
The foamed sheet of the present invention has no problem in sheet productivity and is excellent in secondary moldability, heat resistance, heat insulation, rigidity, and cold brittleness, so that a secondary molded body suitable for a frozen food container or the like can be obtained. it can.