JP2004137175A - New antibiotics, kigamicins, and their use - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗菌活性と抗腫瘍活性または抗癌活性とを示す新規抗性物質キガマイシン (Kigamicin) 類、詳しくはキガマイシンA、キガマイシンB、キガマイシンC、キガマイシンDおよびキガマイシンEあるいはこれらの塩に関する。
【0002】
また、本発明はそれらのキガマイシン類の製造法に関する。さらに本発明は、キガマイシン類またはそれらの塩を有効成分とする医薬組成物、特に抗菌剤及び抗腫瘍剤組成物に関する。さらに、本発明は新規抗生物質キガマイシン類を生産する特性を持つ新規な微生物としてアミコラトプシス sp. ML630−mF1株を包含する。
【0003】
なお、本明細書では、キガマイシンA、キガマイシンB、キガマイシンC、キガマイシンD、キガマイシンEの少くとも一つまたは全部、あるいはそれらの少くとも2つの混合物を、総括的にキガマイシン類(a kigamicin)と称することがある。
【0004】
【従来の技術】
種々な多数の抗菌物質が知られており、また種々な多数の抗腫瘍性物質が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
細菌感染症および癌の化学療法において、従来知られているまたは使用されている既知の化合物とは、異なる化学構造を有し且つ優れた活性を示す新しい化合物の発見または創製をすることは常に望まれており、そのための研究が行われている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の要望に応えることができる抗菌活性及び抗腫瘍活性を持つ新規な抗生物質を提供することを目的に、従来より有用な抗生物質の開発と実用化の研究を促進してきた。その結果、土壌試料から新規な微生物としてアミコラトプシス属に属する菌株を分離することに成功し、またこの菌株が新しい構造骨格を有する抗生物質の少くとも5種を生産していることを見い出した。これらの新規抗生物質を単離して且つそれらの化学構造を決定することに成功し、総括的にキガマイシンと命名した。さらに、単離された5種の抗生物質をキガマイシンA、キガマイシンB、キガマイシンC、キガマイシンD、キガマイシンEとそれぞれ命名した。更に、これらの新規抗生物質が薬剤耐性菌(メチシリン耐性菌等)をふくんだグラム陽性の細菌に抗菌活性を示し、また癌細胞の増殖に対して抑制活性を示すことを見い出した。
【0007】
すなわち、第1の本発明においては、次の一般式(I):
〔式中、RはキガマイシンAでは次式
の糖鎖を示し、キガマイシンBでは次式
の糖鎖を示し、キガマイシンCでは次式
の糖鎖を示し、キガマイシンDでは次式
の糖鎖を示し、またキガマイシンEでは次式
の糖鎖を示す〕で表される化合物である、抗生物質キガマイシンA、キガマイシンB、キガマイシンC、キガマイシンD、およびキガマイシンE、あるいはこれらキガマイシン類の製薬学的に許容される塩が提供される。
【0008】
一般式(I)で表されるキガマイシン類は、酸性物質であり、その製薬学的に許容される塩としては、第4級アンモニウム塩などの有機塩基との塩、あるいは各種金属との塩、例えばナトリウムのようなアルカリ金属との塩があり、これらの塩も上記の抗菌活性と抗腫瘍活性を有する。
【0009】
次に、本発明の抗生物質キガマイシンA、B、C、DおよびEの理化学的性状を記載する。
(1)次式(Ia)
で表される抗生物質キガマイシンAの理化学的性状は次のとおりである。
A) 外観及び性質:黄色粉末、酸性物質
B) 融点:225℃
C) 比旋光度:[α]D 24 −153.0°(c 1.00、メタノール )
D) HPLCでの保持時間(Retention time)値: 4.46分
カプセルパック(タイプUG120Å 5μm、4.6径×150 mm、資生堂製)の高速液体クロマトグラフィーで溶出溶媒として40%アセトニトリル−60%精製水で溶出して測定した場合である。
E) マススペクトル(m / z):666.30 (M+H)+ 664.34 (M−H)−
G) 分子式:C34H35NO13
H) 紫外線吸収スペクトル:添付図面の図1に10μg/mlの濃度の溶液でのスペクトル図を示す。
(実線) メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 217 (47200)、236 (43900)、254 (43600)、280 (34600)、341 (19100)
(点線) 0.01N HCl−メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 217 (47300)、 236 (46600)、254 (47400)、280 (37400)、341 (21300)
(破線) 0.01N NaOH−メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 280 (30900)、366 (20000)
I) 赤外線吸収スペクトル(KBr 錠剤法):添付図面の図2に示す。
νmax(cm− 1) 2935、2873、1654、1619、1587、1486、1469、1436、1361、1257、1193、1166、1122、1064、941、871、804、619、431、412
J) 1H−NMR スペクトル(CDCl3/TMS):添付図面の図3に示す。
K) 13C−NMRスペクトル(CDCl3/TMS):添付図面の図4に示す。
【0010】
(2)次式(Ib)
で表される抗生物質キガマイシンBの理化学的性状は次のとおりである。
A) 外観及び性質:黄色粉末、酸性物質
B) 融点:225℃
C) 比旋光度:濃度が不足して測定が不正確なので記載しない。
D) HPLCでの保持時間(Retention time)値: 7.99分
カプセルパック(タイプUG120Å 5μm、4.6径×150 mm、資生堂製)の高速液体クロマトグラフィーで溶出溶媒として40%アセトニトリル−60%精製水で溶出して測定した場合である。
E) マススペクトル(m / z):780.4 (M+H)+ 778.4 (M−H)−
G) 分子式:C40H45NO15
H) 紫外線吸収スペクトル:添付図面の図5に10μg/mlの濃度の溶液でのスペクトル図を示す。
(実線) メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 217 (53300)、 236 (51400)、254 (50900)、280 (40500)、341 (22200)
(点線) 0.01N HCl−メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 217 (57000)、 236 (54500)、254 (56900)、280 (43600)、341 (24900)
(破線) 0.01N NaOH−メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 280 (37000)、366 (23400)
I) 赤外線吸収スペクトル(KBr 錠剤法):添付図面の図6に示す。
νmax (cm− 1) 2946、2867、2834、1617、1486、1440、1361、1332、1274、1257、1203、1170、1126、1060、977、944、875、757、622、430
J) 1H−NMR スペクトル(CDCl3/TMS):添付図面の図7に示す。
K) 13C−NMRスペクトル(CDCl3/TMS):添付図面の図8に示す。
【0011】
(3)次式(Ic)
で表される抗生物質キガマイシンCの理化学的性状は次のとおりである。
A) 外観及び性質:黄色粉末、酸性物質
B) 融点:210℃
C) 比旋光度:[α]D 24 −154.0°(c 1.00、メタノール)
D) HPLCでの保持時間(Retention time)値: 7.74分
カプセルパック(タイプUG120Å 5μm、4.6径×150 mm、資生堂製)の高速液体クロマトグラフィーで溶出溶媒として40%アセトニトリル−60%精製水で溶出して測定した場合である。
E) マススペクトル(m / z):810.4(M+H)+ 808.4 (M−H)−
G) 分子式:C41H47NO16
H) 紫外線吸収スペクトル:添付図面の図9に10μg/mlでの図を示す。
(実線) メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 217 (23400)、 236 (21800)、254 (21000)、280 (16600)、341 (10500)
(点線) 0.01N HCl−メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 217 (22700)、 236 (21800)、254 (22200)、280 (17600)、341 (970)
(破線) 0.01N NaOH−メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 280 (14200)、366 (8500)
I) 赤外線吸収スペクトル(KBr 錠剤法):添付図面の図10に示す。
νmax(cm− 1) 2946、2877、2830、1648、1619、1583、1486、1467、1442、1363、1276、1205、1170、1103、1062、944、877、804、624、418
J) 1H−NMR スペクトル(CDCl3/TMS):添付図面の図11に示す。
K) 13C−NMRスペクトル(CDCl3/TMS):添付図面の図12に示す。
【0012】
(4)次式(Id)
で表される抗生物質キガマイシンDの理化学的性状は次のとおりである。
【0013】
A) 外観及び性質:黄色粉末、酸性物質
B) 融点:210℃
C) 比旋光度:[α]D 24 −190.6°(c 1.00、メタノール )
D) HPLCでの保持時間(Retention time)値: 11.69分
カプセルパック(タイプUG120Å 5μm、4.6径×150 mm、資生堂製)の高速液体クロマトグラフィーで溶出溶媒として40%アセトニトリル−60%精製水で溶出して測定した場合である。
E) マススペクトル(m / z):954.6(M+H)+ 952.4 (M−H)−
G) 分子式:C48H59NO19
H) 紫外線吸収スペクトル:添付図面の図13に10μg/mlの濃度の溶液でのスペクトル図を示す。
(実線) メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 217 (36200)、 236 (32900)、254 (31700)、280 (24800)、341 (13300)
(点線) 0.01N HCl−メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 217 (34300)、 236 (32700)、254 (33400)、280 (25900)、341 (15000)
(破線) 0.01N NaOH−メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 280 (21000)、366 (13300)
I) 赤外線吸収スペクトル(KBr 錠剤法):添付図面の図14に示す。
νmax(cm− 1) 2975、2938、2873、2832、1619、1585、1467、1442、1276、1203、1166、1105、1062、989、944、802、622、470、447、406
J) 1H−NMR スペクトル(CDCl3/TMS):添付図面の図15に示す。
K) 13C−NMRスペクトル(CDCl3/TMS):添付図面の図16に示す。
【0014】
(5)次式(Ie)
で表される抗生物質キガマイシンEの理化学的性状は次のとおりである。
A) 外観及び性質:黄色粉末、酸性物質
B) 融点:210℃
C) 比旋光度:[α]D 24 −175.2°(c 1.00、メタノール )
D) HPLCでの保持時間(Retention time)値: 16.49分
カプセルパック(タイプUG120Å 5μm、4.6径×150 mm、資生堂製)の高速液体クロマトグラフィーで溶出溶媒として40%アセトニトリル−60%精製水で溶出して測定した場合である。
E) マススペクトル(m / z):1098.6 (M+H)+ 1096.6 (M−H)−
G) 分子式:C55H71NO22
H) 紫外線吸収スペクトル:添付図面の図17に10μg/mlでの図を示す。
(実線) メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 217 (38900)、 236 (35100)、254 (33100)、280 (26500)、341 (14300)
(点線) 0.01N HCl−メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 217 (37300)、 236 (35100)、254 (35300)、280 (16700)、341 (15600)
(破線) 0.01N NaOH−メタノール溶液中で測定したUV吸収スペクトル。主なピークは次のとおりである。
λmax nm (ε) 280 (22500)、366 (13700)
I) 赤外線吸収スペクトル(KBr 錠剤法):添付図面の図18に示す。
νmax(cm− 1) 2975、2935、2834、1650、1619、1583、1469、1442、1376、1311、1276、1203、1162、1105、1062、989、944、877、804、620
J) 1H−NMR スペクトル(CDCl3/TMS):添付図面の図19に示す。
K) 13C−NMRスペクトル(CDCl3/TMS):添付図面の図20に示す。
【0015】
さらに、本発明による一般式(I)の抗生物質キガマイシン類の生物学的性質を次に記載する。
【0016】
A) 抗菌活性
本発明による抗生物質キガマイシン類の各種細菌に対する最低発育阻止濃度は、次の表1にしめす通りである。この抗菌スペルトルは日本化学療法学会標準法に基づき、ミュラーヒントン寒天培地で倍数希釈法により測定した。
【0017】
B)癌細胞増殖抑制活性
各種の癌細胞を用いて癌細胞の増殖を50%抑制するキガマイシンDの濃度(IC50値)を、MTT法(「Journal of Immunological Methods」 65巻、55−60頁 (1983年) 参照)で測定した。その結果を表2に示す。
【0018】
さらに、キガマイシン類は膵臓癌細胞PANC−1細胞で、通常の細胞培養の条件下より栄養飢餓状態で細胞死を惹起する作用が強い。キガマイシンA、B、C、DおよびEの結果を図21に示した。キガマイシンCとDの場合、通常の培地を使用した場合は10μg/mlで100%の細胞死を来たしたが、栄養飢餓状態では0.1g/mlで100%の細胞死を惹起した。固形がんでは血管新生が追い付かずに栄養飢餓状態にあると考えられ、栄養条件のいい正常部位と比べてキガマイシンは選択的な制癌活性を示すと考えられる。
【0019】
上記表1の結果から明らかなように、本発明による抗生物質キガマイシン類は、各種の細菌に対して抗菌活性を有することから抗菌剤として有用である。また、表2および図21の結果から明らかなように、キガマイシン類は各種の癌細胞の増殖を抑制する抗腫瘍活性または抗癌活性を有するから抗腫瘍剤または抗癌剤として有用である。
【0020】
さらに第2の本発明によれば、アミコラトプシス属に属する、前記の一般式(I)のキガマイシンA、B、C、DまたはEの少くとも1つを生産するキガマイシン生産菌を栄養培地に培養し、培養物からキガマイシンA、B、C、DまたはEの少くとも一つを採取することを特徴とする、抗生物質キガマイシンA、キガマイシンB、キガマイシンC、キガマイシンDおよび(または)キガマイシンEの製造法を提供される。
【0021】
第2の本発明の方法で使用できるキガマイシン生産菌の一例として、アミコラトプシスML630−mF1株がある。
この生産菌は平成13年6月、微生物化学研究所において、三重県鳥羽市の土壌より分離された放線菌で、ML630−mF1の菌株番号が付された。
【0022】
ML630−mF1株の菌学的性状は下記のとおりである。
1.形態
基生菌糸はよく分技し、ジグザグ状を呈する。また分断が認められる。気菌糸は比較的長く、直状あるいは不規則な曲状に伸長し、円筒形の胞子に分断する。また、気菌糸が絡まり、胞子のう様を呈する場合がある。胞子の表面は平滑で、大きさは約0.4 〜 0.6 × 0.8 〜 1.9ミクロンである。輪生技、菌束糸、胞子のう及び運動性胞子は認められない。
【0023】
2.各種培地における生育状態
色の記載について[ ]内に示す標準は、コンティナー・コーポレーション・オブ・アメリカのカラー・ハーモニー・マニュアル(Container Corporation ofAmerica の color harmony manual)を用いた。
(1)イースト・麦芽寒天培地(ISP−培地2、27℃培養)
うす黄茶[2 le, Mustard]−うす茶[3 le, Cinnamon]の発育上に、白の気菌糸をうっすらと着生し、可溶性色素は認められない。
(2)オートミール寒天培地(ISP−培地3、27℃培養)
無色−うす黄[2 gc, Bamboo]の発育上に、白の気菌糸を着生し、可溶性色素は認められない。
(3)スターチ・無機塩寒天培地(ISP−培地4、27℃培養)
無色の発育上に、白の気菌糸をうっすらと着生し、可溶性色素は認められない。
(4)グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP−培地5、27℃培養)
うす黄[2 gc, Bamboo]−うす黄茶[2 le, Mustard]の発育上に、白−茶白[3cb, Sand]の気菌糸を着生し、可溶性色素は認められない。
(5)チロシン寒天培地(ISP−培地7、27℃培養)
うす黄[2 gc, Bamboo]−うす黄茶[2 le, Mustard]の発育上に、白−黄味白[2 cb, Ivory Tint]の気菌糸を着生し、可溶性色素は認められない。
(6)シュクロース・硝酸塩寒天培地(27℃培養)
無色の発育上に、白の気菌糸を着生し、可溶性色素は認められない。
【0024】
3.生理的性質
(1)生育温度範囲
グルコース・アスパラギン寒天培地(グルコース 1.0%、L−アスパラギン 0.05%、リン酸水素二カリウム 0.05%、ひも寒天 3.0%、pH7.0)を用い、10℃、20℃、24℃、27℃、30℃、37℃及び45℃の各温度で試験した結果、10℃、45℃での生育は認められず、20℃−37℃の範囲で生育した。生育至適温度は30℃付近である。
(2)スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒天培地、ISP−培地4、27℃培養)
27日間の培養でスターチの加水分解は認められない。
(3)メラニン様色素の生成(トリプトン・イースト・ブロス、ISP−培地1;ペプトン・イースト・鉄寒天培地、ISP−培地6;チロシン寒天培地、ISP−培地7; いずれも27℃培養)
いずれの培地においても陰性である。
(4)炭素源の利用性(プリドハム・ゴトリーブ寒天培地、ISP−培地9、27℃培養)
D−グルコース、D−キシロース、D−フルクトース、myo−イノシトール、D−マンニトールを利用して発育し、ラムノース、ラフィノースは利用しない。L−アラビノース、シュクロースもおそらく利用しない。
(5)硝酸塩の還元反応(0.1%硝酸カリウム含有ペプトン水、ISP−培地8、27℃培養)
硝酸塩の還元性は判然としないが、おそらく陰性である。
【0025】
4.菌体成分
(1)細胞壁組成
メソ型の2、6−ジアミノピメリン酸を含有する。
(2)全菌体中の還元糖
アラビノース、ガラクトースを含み、A型である。
(3)イソプレノイド・キノン
主要なメナキノンとして、MK−9(H4)を含有する。
(4)リン脂質
ホスファチジルエタノールアミンを含み、ホスファチジルコリン及び未知のグルコサミン含有リン脂質を含まず、PII型を示す。
(5)ミコール酸
含有しない。
【0026】
5.16SrRNA遺伝子解析
16SrRNA遺伝子の部分塩基配列(1239 nt)を決定し、DNAデータベースに登録された公知菌株のデータと比較した。その結果、ML630−mF1株の塩基配列は以下に示したとおり、アミコラトプシス(Amycolatopsis)属放線菌の16SrRNA遺伝子と高い相同性を示した。Amycolatopsis albidoflavus (98%)、A. rubidus (98%)、A. mediterranei (97%)、A. azurea (97%) 及びA. coloradensis (97%) 等である。なお、カッコ内は塩基配列の相同値を表記した。
【0027】
以上の性状を要約すると、ML630−mF1株は、その形態上、基生菌糸はよく分枝し、分断を認める。気菌糸は直状あるいは曲状で、円筒形の胞子に分断する。輪生技、菌束糸、胞子のう及び運動性胞子は認められない。種々の培地で、うす黄−うす黄茶の発育上に白の気菌糸を着生する。可溶性色素は認められない。メラニン様色素は生成せず、硝酸塩の還元反応はおそらく陰性、スターチの水解性は認められない。
ML630−mF1株の菌体成分は、細胞壁にメソ型の2、6−ジアミノピメリン酸を含有し、全菌体中の還元糖はA型、主要なメナキノンはMK−9(H4)で、リン脂質はPII型である。ミコール酸を含有しない。
16SrRNA遺伝子の部分塩基配列を公知菌株のデータと比較したところ、アミコラトプシス属放線菌の塩基配列と高い相同性を示した。
【0028】
以上の結果より、ML630−mF1株はアミコラトプシス(Amycolatopsis、文献、International Journal of Systematic Bacteriology、36巻、29−37頁、1986年)属に属するものと考えられる。そこで、ML630−mF1株をアミコラトプシス・エスピー(Amycolatopsis sp.)ML630−mF1とする。
なお、ML630−mF1株を独立行政法人産業技術総合研究所に寄託申請し、平成14年6月7日、FERM P−18875として受託された。
【0029】
第2の本発明の方法を実施するに当たっては、アミコラトプシス属に属するキガマイシン生産菌を栄養培地に接種し、この培地中で培養する。ここで用いる栄養培地は、前記の生産菌が資化できる炭素源と窒素源を栄養成分として含有するものである。
【0030】
その栄養源としては、通常微生物の栄養源として通常使用されるもの、例えば炭素源、窒素源、無機塩などの同化できる栄養源を使用できる。例えば、ぶどう糖、麦芽糖、糖密、デキストリン、グリセリン、澱粉などの炭水化物や、大豆油、落花生油などの油脂のごとき炭素源、ならびにペプトン、肉エキス、綿実粉、大豆粉、酵母エキス、カゼイン、コーン・スチープ・リカー、NZ−アミン、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどの窒素源、さらに燐酸二カリウム、燐酸ナトリウム、食塩、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マンガンなどの無機塩が使用でき、必要により微量金属例えばコバルト、鉄などを添加することができる。栄養源としては、その他、抗生物質キガマイシンを生産するのに使用菌が利用しうるものであればいずれの公知の栄養源でも使用できる。
【0031】
培地における上記のごとき栄養源の配合割合は特に制約されるものでなく、広範囲に亘って変えることができ、使用するキガマイシン類の生産菌によって、最適の栄養源の組成及び配合割合は、当事者であれば簡単な小規模実験により容易に決定することができる。また、上記の栄養源からなる栄養培地は、培養に先立ち殺菌することができ、この殺菌の前又は後で、培地のpHを6−8の範囲、特にpH6.5−7.5の範囲に調節するのが有利である。
【0032】
かかる栄養培地でのキガマイシン類の生産菌の培養は、一般の放線菌による抗生物質の製造において通常使用されている方法に準じて行なうことができる。通常は好気条件下に培養するのが好適であり、通常攪拌しながら及び/又は通気しながら行なうことができる。また、培養方法としては静置培養、振とう培養、通気攪拌をともなう液内培養のいずれも使用可能であるが、液体培養がキガマイシンの大量生産に適している。
【0033】
使用しうる培養温度はキガマイシン類の生産菌の発育が実質的に阻害されず、該抗生物質を生産しうる範囲であれば、特に制限されるものではなく、使用する生産菌に応じて適宜選択できるが、特に好ましいのは25−30℃の範囲内の温度を挙げることができる。
【0034】
培養は通常はキガマイシン類が十分に蓄積するまで継続することができる。その培養時間は培地の組成や培養温度、使用温度、使用生産菌株などにより異なるが、通常72−120時間の培養で目的の抗生物質を得ることができる。
【0035】
培養中の新規抗生物質キガマイシン類の蓄積量はスタヒロコッカス・アウレウス・スミスを使用して、通常の抗生物質の定量に用いられる円筒平板法により定量することができる。
【0036】
かくして、培養物中に蓄積されたキガマイシン類は、これを培養物から採取する。培養後、必要により、濾過、遠心分離などのそれ自体公知の分離方法によって菌体を除去した後、その濾液を有機溶媒、特に酢酸ブチルなどを用いた溶媒抽出や、吸着やイオン交換能を利用したクロマトグラフィー、ゲルろ過、向流分配を利用したクロマトグラフィーを単独でまたは、組み合わせて使用することにより単離精製して採取することができる。吸着やイオン交換能を有するクロマトグラフィー用担体としては、活性炭、シリカゲル、多孔性ポリスチレン−ジビニルベンゼン樹脂もしくは各種のイオン交換樹脂を用いることができる。また、分離した菌体からは、適当な有機溶媒を用いた溶媒抽出法や菌体破砕による溶出法により菌体から目的の抗生物質を抽出し、上記と同様に単離精製することができる。かくして、前記した特性を有する新規抗生物質キガマイシン類が得られる。
【0037】
さらに、第3の本発明では、前記に記載の一般式(I)で表されるキガマイシンA、キガマイシンB、キガマイシンC、キガマイシンDおよびキガマイシンEの少くとも1つ、またはその製薬学的に許容される塩を有効成分にして含有し、また製薬学的に許容される担体を配合されて含有することを特徴とする、医薬組成物が提供される。
【0038】
さらに、第3の本発明に係る医薬組成物は抗腫瘍剤組成物、あるいは抗腫瘍剤組成物であることができる。
【0039】
この医薬組成物においては、有効成分としての一般式(I)のキガマイシン類あるいはその塩は製薬学的に許容できる常用の固体または液体担体、例えばエタノール、水、デンプン等と混和されている形の組成物であることができる。
【0040】
また、第4の本発明では、新規な微生物として、上記の一般式(I)のキガマイシン類を生産する特性をもつアミコラトプシス sp. ML630−mF1株が提供される。
【0041】
【発明の実施の形態】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0042】
【実施例1】
抗生物質キガマイシンA、B、C、DおよびEの製造
ポテトスターチ2%、グルコース2%、酵母エキス0.5%、塩化ナトリウム0.25%、トーストソーヤミール2%、炭酸カリウム0.32%、硫酸銅0.0005%、塩化マンガン0.0005%、硫酸亜鉛0.005%を含む液体培地(pH7.4に調整)を三角フラスコ(500ml容)に110mlずつ分注し、常法により120℃で20分滅菌した。この滅菌した培地に寒天斜面培地に培養したアミコラトプシスML630−mF1株(FERM P−15442)を接種し、その後30℃で5日間回転振とう培養した。これにより種母培養液を得た。
【0043】
ガラクトース2%、デキストリン2%、ソイペプトン1%、コーンスティープリカー0.5%、グリセロール1%、硫酸アンモニウム.02%、炭酸カリウム0.2%を含む液体培地(pH7.4に調整)を三角フラスコ(500ml容)に110mlずつ分注し、常法により120℃で20分滅菌後、この滅菌された液体培地に上記種母培養液をそれぞれ2mlずつ接種し、27℃で4日間回転振とう培養した。
【0044】
培地10リットルを用いて、このようにして得られた培養液を遠心分離し、菌体を分離した。培養ろ液8.6リットルは、1N塩酸を添加してpHを2.0に調整して酢酸ブチル8.6リットルで抽出し、酢酸ブチル層を無水硫酸ナトリウムにより脱水した。
【0045】
菌体は、メタノール900 mlを加え、撹拌後濾過した。このメタノール溶液は減圧下で200mlまで濃縮した。これを1N塩酸を添加してpHを2.0に調整して、酢酸ブチルで200 mlで二度抽出し、酢酸ブチル層は無水硫酸ナトリウムにより脱水した。
【0046】
上記の二つの酢酸ブチル層を合わせ減圧下で濃縮乾固した。得られた残渣(約4.1 g)をクロロホルム100 mlと水100 mlで撹拌し、クロロホルム層を濃縮乾固して1.51 g、不溶物として528 mgを得た。それぞれシリカゲル60N(フラッシュクロマトグラフィー用、関東化学)のカラムクロマトグラフィーを行った。クロロホルム層から得た1.51 gは、210 gのシリカゲル60Nを充填したカラム(径5.5 cm)に、不溶物の528 mgは70 gのシリカゲル60Nを充填したカラム(径3.5 cm)にチャージした。それぞれクロロホルム−メタノール混液で展開し、薄層クロマトグラフィーで分析して同一成分を溶出する2活性画分を得た。フラクション186−250を濃縮乾固し、934.9 mg、フラクション186−250を濃縮乾固し、107 mgの固形物を得た。前者の一部の294.8 mgを9分割して、それぞれ高速液体クロマトグラフィー(Pegasil ODS、径30×250 mm)で40%アセトニトリル−メタノールで溶出した。
【0047】
分画31−39を集め減圧下に濃縮乾固して37.2 mgのキガマイシンC、分画46−60を集め168.3 mgのキガマイシンDおよび分画76−94を集め減圧下に濃縮乾固して28.1 mgのキガマイシンEを得た。
【0048】
シリカゲルクロマトグラフィーのフラクション186−250を濃縮乾固して得た107 mgの固体物質を4分割して、それぞれ高速液体クロマトグラフィー(Pegasil ODS、径30×250 mm)で40%アセトニトリル−メタノールで溶出した。その分画26−30を集め減圧下に濃縮乾固して36.1 mgのキガマイシンAを得た。
【0049】
培地3リットルを用いた別の培養からは、同様な精製法を行い、高速液体クロマトグラフィー(Pegasil ODS、径30×250 mm)で40%アセトニトリル−メタノールで溶出した時、分画35−36を集め減圧下に濃縮乾固して1.9 mgのキガマイシンCを得た。分画39−41を集め1.9 mgのキガマイシンBを得た。また分画51−56を集め46.6 mgのキガマイシンD、および分画82−86を集め12.9 mgのキガマイシンEを得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】キガマイシンA (10 μg/ml) の紫外線吸収スペクトルである。
実線:メタノール溶液中のスペクトル
点線:0.01N HCl−メタノール溶液中のスペクトル
破線:0.01N NaOH−のメタノール溶液中のスペクトル
【図2】キガマイシンAのKBr錠剤法で測定した赤外線吸収スペクトルである。
【図3】キガマイシンAの重クロロホルム溶液(内部標準:トリメチルシラン)にて測定したプロトン核磁気共鳴スペクトルである。
【図4】キガマイシンAの重クロロホルム溶液(内部標準:トリメチルシラン)にて測定した炭素13核磁気共鳴スペクトルである。
【図5】キガマイシンB (10 μg/ml) の紫外線吸収スペクトルである。
実線:メタノール溶液中のスペクトル
点線:0.01N HCl−メタノール溶液中のスペクトル
破線:0.01N NaOH−のメタノール溶液中のスペクトル
【図6】キガマイシンBのKBr錠剤法で測定した赤外線吸収スペクトルである。
【図7】キガマイシンBの重クロロホルム溶液(内部標準:トリメチルシラン)にて測定したプロトン核磁気共鳴スペクトルである。
【図8】キガマイシンBの重クロロホルム溶液(内部標準:トリメチルシラン)にて測定した炭素13核磁気共鳴スペクトルである。
【図9】キガマイシンC (10 μg/ml) の紫外線吸収スペクトルである。
実線:メタノール溶液中のスペクトル
点線:0.01N HCl−メタノール溶液中のスペクトル
破線:0.01N NaOH−のメタノール溶液中のスペクトル
【図10】キガマイシンCのKBr錠剤法で測定した赤外線吸収スペクトルである。
【図11】キガマイシンCの重クロロホルム溶液(内部標準:トリメチルシラン)にて測定したプロトン核磁気共鳴スペクトルである。
【図12】キガマイシンCの重クロロホルム溶液(内部標準:トリメチルシラン)にて測定した炭素13核磁気共鳴スペクトルである。
【図13】キガマイシンD (10 μg/ml) の紫外線吸収スペクトルである。
実線:メタノール溶液中のスペクトル
点線:0.01N HCl−メタノール溶液中のスペクトル
破線:0.01N NaOH−のメタノール溶液中のスペクトル
【図14】キガマイシンDのKBr錠剤法で測定した赤外線吸収スペクトルである。
【図15】キガマイシンDの重クロロホルム溶液(内部標準:トリメチルシラン)にて測定したプロトン核磁気共鳴スペクトルである。
【図16】キガマイシンDの重クロロホルム溶液(内部標準:トリメチルシラン)にて測定した炭素13核磁気共鳴スペクトルである。
【図17】キガマイシンE (10 μg/ml) の紫外線吸収スペクトルである。
実線:メタノール溶液中のスペクトル
点線:0.01N HCl−メタノール溶液中のスペクトル
破線:0.01N NaOH−のメタノール溶液中のスペクトル
【図18】キガマイシンEのKBr錠剤法で測定した赤外線吸収スペクトルである。
【図19】キガマイシンEの重クロロホルム溶液(内部標準:トリメチルシラン)にて測定したプロトン核磁気共鳴スペクトルである。
【図20】キガマイシンEの重クロロホルム溶液(内部標準:トリメチルシラン)にて測定した炭素13核磁気共鳴スペクトルである。
【図21】キガマイシンA〜Eの栄養条件を異にするPANC−1細胞に対する効果の比較である。
黒四角の線は栄養飢餓条件での培養の場合を示す
白丸の線は通常の培養の場合を示す[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel antibacterial substance kigamycin {Kigamicin}, which exhibits antibacterial activity and antitumor activity or anticancer activity, and more particularly to kigamycin A, kigamycin B, kigamycin C, kigamycin D and kigamycin E, or salts thereof.
[0002]
The present invention also relates to a method for producing such kigamycins. Further, the present invention relates to a pharmaceutical composition containing a kigamycin or a salt thereof as an active ingredient, particularly an antibacterial agent and an antitumor agent composition. Further, the present invention relates to a novel microorganism Amicolatopsis @ sp.を Includes ML630-mF1 strain.
[0003]
In this specification, at least one or all of kigamycin A, kigamycin B, kigamycin C, kigamycin D, and kigamycin E, or a mixture of at least two of them, are collectively referred to as kigamycins (a @ kigamicin). Sometimes.
[0004]
[Prior art]
Many different antimicrobial substances are known, and many different antitumor substances are known.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In chemotherapy of bacterial infections and cancer, it is always desirable to discover or create new compounds that have a different chemical structure and superior activity from known compounds that are conventionally known or used. It is rare and research is being done for it.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have promoted research on the development and practical application of useful antibiotics for the purpose of providing novel antibiotics having antibacterial activity and antitumor activity capable of meeting the above demand. Was. As a result, they succeeded in isolating a strain belonging to the genus Amycolatopsis from a soil sample as a novel microorganism, and found that this strain produced at least five kinds of antibiotics having a new structural skeleton. . We have successfully isolated these novel antibiotics and determined their chemical structure and have generically named kigamycin. Further, the five isolated antibiotics were named as kigamycin A, kigamycin B, kigamycin C, kigamycin D, and kigamycin E, respectively. Furthermore, it has been found that these novel antibiotics show antibacterial activity against Gram-positive bacteria including drug-resistant bacteria (such as methicillin-resistant bacteria) and also have an inhibitory activity on the growth of cancer cells.
[0007]
That is, in the first invention, the following general formula (I):
[Wherein R is the following formula for kigamycin A:
And kigamycin B has the following formula:
In kigamycin C, the following formula
In kigamycin D, the following formula:
And kigamycin E has the following formula:
And a pharmaceutically acceptable salt of these antibiotics, i.e., kigamycin A, kigamycin B, kigamycin C, kigamycin D, and kigamycin E, or kigamycins.
[0008]
Kigamycins represented by the general formula (I) are acidic substances, and as pharmaceutically acceptable salts thereof, salts with organic bases such as quaternary ammonium salts, salts with various metals, For example, there are salts with alkali metals such as sodium, and these salts also have the above antibacterial and antitumor activities.
[0009]
Next, the physicochemical properties of the antibiotics kigamycins A, B, C, D and E of the present invention will be described.
(1) The following formula (Ia)
The physical and chemical properties of the antibiotic kigamycin A represented by are as follows.
A) Appearance and properties: yellow powder, acidic substance
B) Melting point: 225 ° C
C) Specific rotation: [α]D 24-153.0 ° (c 1.00, methanol)
D) @ HPLC retention time (Retention time) value: $ 4.46 minutes
This is a case where the measurement is performed by high-performance liquid chromatography using a capsule pack (type UG120, 5 μm, 4.6 diameter × 150 mm, manufactured by Shiseido), eluting with 40% acetonitrile-60% purified water as an elution solvent.
E) {Mass spectrum (m / z): 666.30} (M + H)+{664.34} (MH)−
G) Molecular formula: C34H35NOThirteen
H) UV absorption spectrum: FIG. 1 of the accompanying drawings shows a spectrum diagram of a solution having a concentration of 10 μg / ml.
(Solid line) UV UV absorption spectrum measured in methanol solution. The main peaks are as follows.
λmaxNm (ε) 217 (47200), 236 (43900), 254 (43600), 280 (34600), 341 (19100)
(Dotted line) UV absorption spectrum measured in {0.01N} HCl-methanol solution. The main peaks are as follows.
λmaxNm (ε) 217 (47300), 236 (46600), 254 (47400), 280 (37400), 341 (21300)
(Dashed line) UV absorption spectrum measured in {0.01N} NaOH-methanol solution. The main peaks are as follows.
λmax{Nm} (ε) {280} (30900), 366 (20,000)
I) Infrared absorption spectrum (KBr tablet method): shown in FIG. 2 of the accompanying drawings.
νmax(Cm− 1) $ 2935, 2873, 1654, 1619, 1587, 1486, 1469, 1436, 1361, 1257, 1193, 1166, 1122, 1064, 941, 871, 804, 619, 431, 412
J)1H-NMR spectrum (CDCl3/ TMS): shown in FIG. 3 of the accompanying drawings.
K)ThirteenC-NMR spectrum (CDCl3/ TMS): shown in FIG. 4 of the accompanying drawings.
[0010]
(2) The following formula (Ib)
The physicochemical properties of the antibiotic kigamycin B represented by are as follows.
A) Appearance and properties: yellow powder, acidic substance
B) Melting point: 225 ° C
C) Specific rotation: Not described because measurement is inaccurate due to insufficient concentration.
D) @ HPLC retention time (Retention time) value: $ 7.99 minutes
This is a case where the measurement is performed by high-performance liquid chromatography using a capsule pack (type UG120, 5 μm, 4.6 diameter × 150 mm, manufactured by Shiseido), eluting with 40% acetonitrile-60% purified water as an elution solvent.
E) {Mass spectrum (m / z): 780.4} (M + H)+ 778.4 (MH)−
G) Molecular formula: C40H45NOFifteen
H) UV absorption spectrum: FIG. 5 of the accompanying drawings shows a spectrum diagram of a solution having a concentration of 10 μg / ml.
(Solid line) UV UV absorption spectrum measured in methanol solution. The main peaks are as follows.
λmax{Nm} (ε) {217} (53300), {236} (51400), 254} (50900), 280} (40500), 341} (22200)
(Dotted line) UV absorption spectrum measured in {0.01N} HCl-methanol solution. The main peaks are as follows.
λmaxNm (ε) 217 (57000), 236 (54500), 254 (56900), 280 (43600), 341 (24900)
(Dashed line) UV absorption spectrum measured in {0.01N} NaOH-methanol solution. The main peaks are as follows.
λmaxNm (ε) 280 (37000), 366 (23400)
I) {Infrared absorption spectrum (KBr} tablet method): shown in FIG. 6 of the accompanying drawings.
νmax(Cm− 1) $ 2946, 2867, 2834, 1617, 1486, 1440, 1361, 1332, 1274, 1257, 1203, 1170, 1126, 1060, 977, 944, 875, 757, 622, 430
J)1H-NMR spectrum (CDCl3/ TMS): shown in FIG. 7 of the accompanying drawings.
K)ThirteenC-NMR spectrum (CDCl3/ TMS): shown in FIG. 8 of the accompanying drawings.
[0011]
(3) The following equation (Ic)
The physicochemical properties of the antibiotic kigamycin C represented by are as follows.
A) Appearance and properties: yellow powder, acidic substance
B) Melting point: 210 ° C
C) Specific rotation: [α]D 24-154.0 ° (c 1.00, methanol)
D) @ HPLC retention time (Retention time) value: $ 7.74 minutes
This is a case where the measurement is performed by high-performance liquid chromatography using a capsule pack (type UG120, 5 μm, 4.6 diameter × 150 mm, manufactured by Shiseido), eluting with 40% acetonitrile-60% purified water as an elution solvent.
E) mass spectrum (m / z): 810.4 (M + H)+{808.4} (MH)−
G) Molecular formula: C41H47NO16
H) Ultraviolet absorption spectrum: FIG. 9 of the accompanying drawings shows a diagram at 10 μg / ml.
(Solid line) UV UV absorption spectrum measured in methanol solution. The main peaks are as follows.
λmax{Nm} (ε) 217 (23400), {236 (21800), 254 (21000), 280 (16600), 341 (10500)
(Dotted line) UV absorption spectrum measured in {0.01N} HCl-methanol solution. The main peaks are as follows.
λmax{Nm} (ε) {217} (22700), {236} (21800), 254} (22200), 280} (17600), 341} (970)
(Dashed line) UV absorption spectrum measured in {0.01N} NaOH-methanol solution. The main peaks are as follows.
λmaxNm (ε) 280 (14200), 366 (8500)
I) Infrared absorption spectrum (KBr tablet method): shown in FIG. 10 of the accompanying drawings.
νmax(Cm− 1) $ 2946, 2877, 2830, 1648, 1619, 1583, 1486, 1467, 1442, 1363, 1276, 1205, 1170, 1103, 1062, 944, 877, 804, 624, 418
J)1H-NMR spectrum (CDCl3/ TMS): shown in FIG. 11 of the accompanying drawings.
K)ThirteenC-NMR spectrum (CDCl3/ TMS): shown in FIG. 12 of the accompanying drawings.
[0012]
(4) The following equation (Id)
The physicochemical properties of the antibiotic kigamycin D represented by are as follows.
[0013]
A) Appearance and properties: yellow powder, acidic substance
B) Melting point: 210 ° C
C) Specific rotation: [α]D 2419-190.6 ° (c 1.00, methanol)
D) @ HPLC retention time (Retention time) value: $ 11.69 minutes
This is a case where the measurement is performed by high-performance liquid chromatography using a capsule pack (type UG120, 5 μm, 4.6 diameter × 150 mm, manufactured by Shiseido), eluting with 40% acetonitrile-60% purified water as an elution solvent.
E) mass spectrum (m / z): 954.6 (M + H)+952.4 (MH)−
G) Molecular formula: C48H59NO19
H) UV absorption spectrum: FIG. 13 of the accompanying drawings shows a spectrum diagram of a solution having a concentration of 10 μg / ml.
(Solid line) UV UV absorption spectrum measured in methanol solution. The main peaks are as follows.
λmax{Nm} (ε) 217 (36200), {236 (32900), 254 (31700), 280 (24800), 341 (13300)
(Dotted line) UV absorption spectrum measured in {0.01N} HCl-methanol solution. The main peaks are as follows.
λmaxNm (ε) 217 (34300), 236 (32700), 254 (33400), 280 (25900), 341 (15000)
(Dashed line) UV absorption spectrum measured in {0.01N} NaOH-methanol solution. The main peaks are as follows.
λmax{Nm} (ε) 280 (21000), 366 (13300)
I) Infrared absorption spectrum (KBr tablet method): shown in FIG. 14 of the accompanying drawings.
νmax(Cm− 1) $ 2975, 2938, 2873, 2832, 1619, 1585, 1467, 1442, 1276, 1203, 1166, 1105, 1062, 989, 944, 802, 622, 470, 447, 406
J)1H-NMR spectrum (CDCl3/ TMS): shown in FIG. 15 of the accompanying drawings.
K)ThirteenC-NMR spectrum (CDCl3/ TMS): shown in FIG. 16 of the accompanying drawings.
[0014]
(5) The following formula (Ie)
The physicochemical properties of the antibiotic kigamycin E represented by are as follows.
A) Appearance and properties: yellow powder, acidic substance
B) Melting point: 210 ° C
C) Specific rotation: [α]D 24-175.2 ° (c 1.00, methanol)
D) @ HPLC retention time (Retention time) value: $ 16.49 minutes
This is a case where the measurement is performed by high-performance liquid chromatography using a capsule pack (type UG120, 5 μm, 4.6 diameter × 150 mm, manufactured by Shiseido), eluting with 40% acetonitrile-60% purified water as an elution solvent.
E) {Mass spectrum (m / z): 1098.6} (M + H)+1096.6 (MH)−
G) Molecular formula: C55H71NO22
H) Ultraviolet absorption spectrum: FIG. 17 of the accompanying drawings shows a diagram at 10 μg / ml.
(Solid line) UV UV absorption spectrum measured in methanol solution. The main peaks are as follows.
λmax{Nm} (ε) {217} (38900), {236} (35100), 254} (33100), 280} (26500), 341} (14300)
(Dotted line) UV absorption spectrum measured in {0.01N} HCl-methanol solution. The main peaks are as follows.
λmaxNm (ε) 217 (37300), 236 (35100), 254 (35300), 280 (16700), 341 (15600)
(Dashed line) UV absorption spectrum measured in {0.01N} NaOH-methanol solution. The main peaks are as follows.
λmax{Nm} (ε) {280} (22,500), 366} (13700)
I) Infrared absorption spectrum (KBr tablet method): shown in FIG. 18 of the accompanying drawings.
νmax(Cm− 1) $ 2975, 2935, 2834, 1650, 1619, 1583, 1469, 1442, 1376, 1311, 1276, 1203, 1162, 1105, 1062, 989, 944, 877, 804, 620
J)1H-NMR spectrum (CDCl3/ TMS): shown in FIG. 19 of the accompanying drawings.
K)ThirteenC-NMR spectrum (CDCl3/ TMS): shown in FIG. 20 of the accompanying drawings.
[0015]
Further, the biological properties of the antibiotic kigamycins of the general formula (I) according to the present invention are described below.
[0016]
A) Antibacterial activity
The minimum inhibitory concentrations of the antibiotics kigamycins of the present invention against various bacteria are shown in Table 1 below. This antibacterial speltor was measured by a multiple dilution method on Muller Hinton agar medium based on the standard method of the Japanese Society of Chemotherapy.
[0017]
B) Cancer cell growth inhibitory activity
Kigamycin D concentration (IC) that inhibits cancer cell growth by 50% using various cancer cells50Values) were measured by the MTT method (see “Journal of Immunological Methods”, vol. 65, pp. 55-60 (1983)). Table 2 shows the results.
[0018]
Furthermore, kigamycins are more potent in inducing cell death in pancreatic cancer cells PANC-1 cells under nutrient starvation conditions than under normal cell culture conditions. The results for kigamycins A, B, C, D and E are shown in FIG. In the case of kigamycins C and D, 100% cell death was caused at 10 μg / ml when a normal medium was used, but 100% cell death was induced at 0.1 g / ml under nutrient starvation. Solid tumors are considered to be nutrient-starved because angiogenesis cannot catch up, and kigamycin may exhibit selective anti-cancer activity compared to normal sites with good nutritional conditions.
[0019]
As is clear from the results in Table 1, the antibiotics kigamycins according to the present invention are useful as antibacterial agents because they have antibacterial activity against various bacteria. In addition, as is clear from the results in Table 2 and FIG. 21, kigamycins have antitumor activity or anticancer activity for suppressing the growth of various cancer cells, and thus are useful as antitumor agents or anticancer agents.
[0020]
Further, according to the second invention, a kigamycin-producing bacterium belonging to the genus Amycolatopsis and producing at least one of kigamycins A, B, C, D or E of the above general formula (I) is added to the nutrient medium. Culturing and harvesting at least one of kigamycin A, B, C, D or E from the culture, wherein the antibiotic kigamycin A, kigamycin B, kigamycin C, kigamycin D and / or kigamycin E is obtained. A manufacturing method is provided.
[0021]
An example of a kigamycin-producing bacterium that can be used in the second method of the present invention is the Amycolatopsis ML630-mF1 strain.
This produced microorganism was an actinomycete isolated from soil in Toba City, Mie Prefecture, Japan at the Institute of Microbial Chemistry in June 2001, and was assigned a strain number of ML630-mF1.
[0022]
The bacteriological properties of the ML630-mF1 strain are as follows.
1. Form
The underlying mycelium divides well and exhibits a zigzag shape. In addition, division is recognized. Aerial hyphae are relatively long and extend in a straight or irregularly curved shape and break into cylindrical spores. In addition, aerial hyphae may be entangled to give a spore-like appearance. The surface of the spores is smooth and has a size of about 0.4-0.6 × 0.8-1.9 microns. There is no cycling, fungal hypha, sporangia and motile spores.
[0023]
2. Growth status in various media
Regarding the description of the color, the standard shown in [] was a color harmony manual of Container Corporation of America (color harmony manual of Container Corporation of America).
(1) Yeast-malt agar medium (ISP-
Light yellow tea [2 @ le, @Mustard]-White aerial hyphae grow slightly on the growth of light tea [3 @ le, @Cinnamon], and no soluble pigment is observed.
(2) Oatmeal agar medium (ISP-
On the development of colorless-light yellow [2 @ gc, @Bamboo], white aerial hyphae were formed and no soluble pigment was observed.
(3) Starch / inorganic salt agar medium (ISP-
White aerial hyphae grow slightly on colorless growth, and no soluble pigment is observed.
(4) Glycerin-asparagine agar medium (ISP-
On growth of light yellow [2 @ gc, @Bamboo] -light yellow tea [2 @ le, @Mustard], aerial hyphae of white-brown [3cb, @Sand] are formed, and no soluble pigment is observed.
(5) Tyrosine agar medium (ISP-medium 7, cultured at 27 ° C)
On growth of light yellow [2 @ gc, @Bamboo] -light yellow tea [2 @ le, @Mustard], aerial hyphae of white-yellowish white [2 @ cb, @ Ivory @ Tint] are formed, and no soluble pigment is observed.
(6) Sucrose / nitrate agar medium (cultured at 27 ° C)
On colorless growth, white aerial hyphae are formed and no soluble pigment is observed.
[0024]
3. Physiological properties
(1) Growth temperature range
Using a glucose-asparagine agar medium (glucose 1.0%, L-asparagine 0.05%, dipotassium hydrogen phosphate 0.05%, string agar 3.0%, pH 7.0), 10 ° C, 20 ° C, As a result of testing at each of 24 ° C., 27 ° C., 30 ° C., 37 ° C., and 45 ° C., growth at 10 ° C. and 45 ° C. was not recognized, and growth was in a range of 20 ° C. to 37 ° C. The optimum growth temperature is around 30 ° C.
(2) Starch hydrolysis (starch / inorganic salt agar medium, ISP-
No hydrolysis of starch is observed after 27 days of culture.
(3) Production of melanin-like pigment (trypton yeast broth, ISP-
Both media are negative.
(4) Utilization of carbon source (Pridham Gottlieb agar medium, ISP-medium 9, culture at 27 ° C)
It grows using D-glucose, D-xylose, D-fructose, myo-inositol and D-mannitol, and does not use rhamnose or raffinose. L-arabinose, sucrose is probably not used either.
(5) Nitrate reduction reaction (peptone water containing 0.1% potassium nitrate, ISP-
The reducing properties of nitrates are not clear, but are probably negative.
[0025]
4. Microbial components
(1) Cell wall composition
Contains meso-
(2) Reducing sugar in all cells
It contains arabinose and galactose and is type A.
(3) Isoprenoid quinone
As the main menaquinone, MK-9 (H4).
(4) Phospholipid
It contains phosphatidylethanolamine, does not contain phosphatidylcholine and unknown glucosamine-containing phospholipids, and exhibits type PII.
(5) Mycolic acid
Does not contain.
[0026]
5.16S rRNA gene analysis
The partial base sequence (1239Snt) of the 16S rRNA gene was determined and compared with the data of known strains registered in the DNA database. As a result, as shown below, the nucleotide sequence of the ML630-mF1 strain was Amycolatopsis (Amycolatopsis) High homology with the 16S rRNA gene of the genus Actinomyces.Amycolatopsis albidoflavus(98%),A. rubidus(98%),A. mediterraranei(97%),A. azurea{(97%)} andA. coloradensis{(97%)} and so on. In the parentheses, the homology value of the base sequence is shown.
[0027]
To summarize the above properties, in the ML630-mF1 strain, the basal hypha is well branched and its fragmentation is recognized due to its form. Aerial hyphae are straight or curved and break into cylindrical spores. There is no cycling, fungal hypha, sporangia and motile spores. In various media, white aerial hyphae develop on light yellow-light yellow tea development. No soluble dye is found. No melanin-like pigment is formed, the nitrate reduction reaction is probably negative, and starch does not have hydrolytic properties.
The cell component of the ML630-mF1 strain contains meso-
When the partial nucleotide sequence of the 16S rRNA gene was compared with that of known strains, it showed high homology with the nucleotide sequence of Amycolatopsis actinomycetes.
[0028]
From the above results, the ML630-mF1 strain was found to be Amycolatopsis (Amycolatopsis, Literature, International {Journal of Systematic Bacteriology, 36, 29-37, 1986). Therefore, the ML630-mF1 strain was transformed into Amycolatopsis sp.Amycolatopsis sp.) ML630-mF1.
In addition, the ML630-mF1 strain was deposited with the National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, and was deposited as FERM @ P-18875 on June 7, 2002.
[0029]
In carrying out the second method of the present invention, a kigamycin-producing bacterium belonging to the genus Amycolatopsis is inoculated into a nutrient medium and cultured in this medium. The nutrient medium used here contains a carbon source and a nitrogen source which can be assimilated by the above-mentioned producing bacteria as nutrient components.
[0030]
As the nutrient, those which are usually used as nutrients of microorganisms, for example, assimilable nutrients such as carbon source, nitrogen source and inorganic salt can be used. For example, glucose, maltose, molasses, dextrin, glycerin, and carbohydrates such as starch, soybean oil, carbon sources such as oils such as peanut oil, and peptone, meat extract, cottonseed powder, soybean powder, yeast extract, casein, Nitrogen sources such as corn steep liquor, NZ-amine, ammonium sulfate, ammonium nitrate, ammonium chloride, and inorganic salts such as dipotassium phosphate, sodium phosphate, salt, calcium carbonate, magnesium sulfate, and manganese chloride can be used. Metals such as cobalt and iron can be added. As a nutrient source, any known nutrient source can be used as long as the bacteria used can produce the antibiotic kigamycin.
[0031]
The mixing ratio of the above-mentioned nutrients in the medium is not particularly limited and can be changed over a wide range. Depending on the bacterium producing kigamycins to be used, the optimum composition and mixing ratio of the nutrients may be determined by the parties concerned. If so, it can be easily determined by simple small-scale experiments. In addition, the nutrient medium consisting of the above-mentioned nutrients can be sterilized prior to culturing, and before or after this sterilization, the pH of the medium is adjusted to the range of 6-8, especially pH 6.5-7.5. It is advantageous to adjust.
[0032]
Cultivation of a kigamycin-producing bacterium in such a nutrient medium can be carried out according to a method generally used in the production of antibiotics by general actinomycetes. Usually, the culture is preferably performed under aerobic conditions, and can be usually performed with stirring and / or aeration. As a culture method, any of static culture, shaking culture, and submerged culture with aeration and stirring can be used, but liquid culture is suitable for mass production of kigamycin.
[0033]
The culture temperature that can be used is not particularly limited as long as the growth of the bacterium producing kigamycins is not substantially inhibited and the antibiotic can be produced, and is appropriately selected depending on the producing bacterium to be used. Although it is possible, particularly preferred is a temperature in the range of 25-30 ° C.
[0034]
The cultivation can usually be continued until the kigamycins have sufficiently accumulated. The culturing time varies depending on the composition of the medium, the culturing temperature, the working temperature, the used producing strain, etc., but the desired antibiotic can usually be obtained by culturing for 72 to 120 hours.
[0035]
The accumulated amount of the new antibiotic kigamycins during culturing can be determined by Staphylococcus aureus smith by the cylindrical plate method used for the usual determination of antibiotics.
[0036]
Thus, the kigamycins that have accumulated in the culture are harvested from the culture. After culturing, if necessary, after removing cells by a separation method known per se such as filtration or centrifugation, the filtrate is subjected to solvent extraction using an organic solvent, particularly butyl acetate, etc., and utilizing adsorption and ion exchange capacity. Chromatography, gel filtration, and chromatography using countercurrent distribution can be used alone or in combination for isolation and purification. Activated carbon, silica gel, porous polystyrene-divinylbenzene resin, or various ion exchange resins can be used as a chromatography carrier having adsorption or ion exchange ability. The desired antibiotic can be extracted from the isolated cells by a solvent extraction method using an appropriate organic solvent or an elution method by disrupting the cells, and can be isolated and purified in the same manner as described above. Thus, novel antibiotics kigamycins having the above-mentioned properties are obtained.
[0037]
Further, in the third invention, at least one of kigamycin A, kigamycin B, kigamycin C, kigamycin D and kigamycin E represented by the above-mentioned general formula (I), or a pharmaceutically acceptable one thereof is used. The present invention provides a pharmaceutical composition characterized by comprising a salt as an active ingredient and a pharmaceutically acceptable carrier.
[0038]
Further, the pharmaceutical composition according to the third aspect of the present invention can be an antitumor agent composition or an antitumor agent composition.
[0039]
In this pharmaceutical composition, kigamycins of the general formula (I) or salts thereof as an active ingredient are mixed with a pharmaceutically acceptable conventional solid or liquid carrier such as ethanol, water, starch and the like. It can be a composition.
[0040]
In the fourth aspect of the present invention, as a novel microorganism, Amycolatopsis @ sp. Which has the property of producing the above-mentioned kigamycins of the general formula (I) is used. $ The ML630-mF1 strain is provided.
[0041]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Next, the present invention will be described in more detail with reference to Examples, but the present invention is not limited to the following Examples.
[0042]
Production of the antibiotics kigamycin A, B, C, D and E
[0043]
[0044]
The culture solution thus obtained was centrifuged using 10 liters of medium to separate the cells. 8.6 liters of the culture filtrate was adjusted to pH 2.0 by adding 1N hydrochloric acid, extracted with 8.6 liters of butyl acetate, and the butyl acetate layer was dehydrated with anhydrous sodium sulfate.
[0045]
The cells were filtered after adding 900 ml of methanol and stirring. This methanol solution was concentrated under reduced pressure to 200 ml. The pH was adjusted to 2.0 by adding 1N hydrochloric acid, extracted twice with butyl acetate at 200 ml, and the butyl acetate layer was dehydrated with anhydrous sodium sulfate.
[0046]
The two butyl acetate layers were combined and concentrated to dryness under reduced pressure. The obtained residue (about 4.1 mg) was stirred with 100 ml of chloroform and 100 ml of water, and the chloroform layer was concentrated to dryness to obtain 1.51 mg and 528 mg as insolubles. Each was subjected to column chromatography on silica gel 60N (for flash chromatography, Kanto Chemical). 1.51 g obtained from the chloroform layer was packed in a column (diameter 5.5 cm) packed with 210 g silica gel 60N, and 528 mg of insoluble material was packed with a column packed with 70 g silica gel 60N (diameter 3.5 cm). ). Each was developed with a chloroform-methanol mixture, and analyzed by thin layer chromatography to obtain two active fractions eluting the same component. Fraction 186-250 was concentrated to dryness, 934.9 mg and fraction 186-250 was concentrated to dryness to give 107 mg of solid. 294.8 mg of the former was divided into 9 parts, and each was eluted with 40% acetonitrile-methanol by high performance liquid chromatography (Pegasil ODS, diameter 30 x 250 mm).
[0047]
Fractions 31-39 were collected and concentrated to dryness under reduced pressure to collect 37.2 mg of kigamycin C, fractions 46-60 were collected and 168.3 mg of kigamycin D and fractions 76-94 were collected and concentrated to dryness under reduced pressure. This solidified to give 28.1 mg of kigamycin E.
[0048]
The silica gel chromatography fraction 186-250 was concentrated and dried to obtain a solid substance of 107 mg, which was divided into 4 parts, and eluted with 40% acetonitrile-methanol by high performance liquid chromatography (Pegasil ODS, diameter 30 x 250 mm). did. The fractions 26-30 were collected and concentrated to dryness under reduced pressure to obtain 36.1 mg of kigamycin A.
[0049]
From another culture using 3 liters of medium, the same purification method was performed, and when eluted with 40% acetonitrile-methanol by high performance liquid chromatography (PegasilasODS,
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an ultraviolet absorption spectrum of kigamycin A {(10 μg / ml)}.
Solid line: spectrum in methanol solution
Dotted line: spectrum in 0.01N HCl-methanol solution
Dashed line: spectrum of 0.01N NaOH- in methanol solution
FIG. 2 is an infrared absorption spectrum of kigamycin A measured by a KBr tablet method.
FIG. 3 is a proton nuclear magnetic resonance spectrum measured with a heavy chloroform solution of kigamycin A (internal standard: trimethylsilane).
FIG. 4 is a 13 C nuclear magnetic resonance spectrum measured with a chloroform solution of kigamycin A (internal standard: trimethylsilane).
FIG. 5 is an ultraviolet absorption spectrum of kigamycin B {(10 μg / ml)}.
Solid line: spectrum in methanol solution
Dotted line: spectrum in 0.01N HCl-methanol solution
Dashed line: spectrum of 0.01N NaOH- in methanol solution
FIG. 6 is an infrared absorption spectrum of kigamycin B measured by a KBr tablet method.
FIG. 7 is a proton nuclear magnetic resonance spectrum measured with a chloroform solution of kigamycin B (internal standard: trimethylsilane).
FIG. 8 is a 13 C nuclear magnetic resonance spectrum measured with a chloroform solution of kigamycin B (internal standard: trimethylsilane).
FIG. 9 is an ultraviolet absorption spectrum of kigamycin C {(10 μg / ml)}.
Solid line: spectrum in methanol solution
Dotted line: spectrum in 0.01N HCl-methanol solution
Dashed line: spectrum of 0.01N NaOH- in methanol solution
FIG. 10 is an infrared absorption spectrum of kigamycin C measured by a KBr tablet method.
FIG. 11 is a proton nuclear magnetic resonance spectrum measured with a heavy chloroform solution of kigamycin C (internal standard: trimethylsilane).
FIG. 12 is a 13 C nuclear magnetic resonance spectrum measured with a chloroform solution of kigamycin C (internal standard: trimethylsilane).
FIG. 13 is an ultraviolet absorption spectrum of kigamycin D {(10 μg / ml)}.
Solid line: spectrum in methanol solution
Dotted line: spectrum in 0.01N HCl-methanol solution
Dashed line: spectrum of 0.01N NaOH- in methanol solution
FIG. 14 is an infrared absorption spectrum of kigamycin D measured by a KBr tablet method.
FIG. 15 is a proton nuclear magnetic resonance spectrum measured with a heavy chloroform solution of kigamycin D (internal standard: trimethylsilane).
FIG. 16 is a 13 C nuclear magnetic resonance spectrum measured with a heavy chloroform solution of kigamycin D (internal standard: trimethylsilane).
FIG. 17 is an ultraviolet absorption spectrum of kigamycin E {(10 μg / ml)}.
Solid line: spectrum in methanol solution
Dotted line: spectrum in 0.01N HCl-methanol solution
Dashed line: spectrum of 0.01N NaOH- in methanol solution
FIG. 18 is an infrared absorption spectrum of kigamycin E measured by a KBr tablet method.
FIG. 19 is a proton nuclear magnetic resonance spectrum measured with a chloroform solution of kigamycin E (internal standard: trimethylsilane).
FIG. 20 is a 13 C nuclear magnetic resonance spectrum measured with a heavy chloroform solution of kigamycin E (internal standard: trimethylsilane).
FIG. 21 is a comparison of the effects of kigamycins A to E on different PANC-1 cells under different nutritional conditions.
Black square lines indicate cultures under nutrient starvation conditions
White circles indicate normal culture
Claims (7)
〔式中、RはキガマイシンAでは次式
の糖鎖を示し、キガマイシンBでは次式
の糖鎖を示し、キガマイシンCでは次式
の糖鎖を示し、キガマイシンDでは次式
の糖鎖を示し、またキガマイシンEでは次式
の糖鎖を示す〕で表される化合物である、抗生物質キガマイシンA、キガマイシンB、キガマイシンC、キガマイシンD、およびキガマイシンE、あるいはこれらキガマイシン類の製薬学的に許容される塩。The following general formula (I):
[Wherein R is the following formula for kigamycin A:
In kigamycin B, the following formula
In kigamycin C, the following formula
In kigamycin D, the following formula:
And kigamycin E has the following formula:
Or kamimycin A, kigamycin B, kigamycin C, kigamycin D, or kigamycin E, or a pharmaceutically acceptable salt of these kigamycins.
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