【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のステアリング装置のステアリングコラムに関し、詳細には、ステアリングコラムに作用する衝撃力による衝撃エネルギを吸収する衝撃吸収構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
車両のステアリング装置において、衝撃吸収構造を持つステアリングコラムとして、例えば特許文献１に開示されたものがある。このステアリングコラムは、第１コラムと、第１コラムにスペーサを介して圧入される第２コラムを有し、車両の衝突時に、衝撃力がステアリングコラムに作用したとき、第１，第２コラムが軸方向に相対移動することによりその衝撃エネルギが吸収される。そして、衝撃力が作用したとき、第１，第２コラムの相対移動が適正に行われるようにするためには、第１コラムへのスペーサを介しての第２コラムの圧入荷重を適正に設定する必要があることから、該圧入荷重を決めるスペーサと第１コラムとの間の摩擦の大きさまたはスペーサと第２コラムとの間の摩擦の大きさを調整するために、スペーサの外周、スペーサの外周に接する第１コラムの内周、スペーサの内周およびスペーサの内周に接する第２コラムの外周の少なくとも一部位に、スペーサと第１コラムまたは第２コラムとの接触面積を調整するための通孔または有底の穴からなる凹部が設けられる。このようにスペーサと両コラムとの接触面積を調整することにより、外コラム、内コラムおよびスペーサの寸法公差に起因する圧入荷重のばらつきが抑制されて、第１，第２コラムの相対移動が適正に行われる。
【０００３】
【特許文献１】
特許２９８３１３０号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来技術において、複数の凹部がスペーサまたは第２コラムに形成される場合、それら凹部は周方向に間隔をおいて形成され、しかも各凹部は、スペーサまたは第２コラムの軸方向での端面では開口することがない。そのため、例えば複数の凹部が第２コラムに形成される場合についてみると、スペーサが挿入された第１コラムに対して、第２コラムがスペーサの内周に圧入されるときの圧入荷重は、図５に示されるように、初期の第１ストローク範囲Ｓ０１では大きな増加率で増加し、スペーサが第２コラムの凹部の形成部分と接触する第２ストローク範囲Ｓ０２では、接触面積の減少により小さな増加率で増加し、凹部の形成部分を超える第３ストローク範囲Ｓ０３では、再び大きな増加率で増加する。
【０００５】
このため、第１ストローク範囲で大きな増加率で圧入荷重が増加すること、またスペーサと第２コラムの凹部の形成部分とが接触する第２ストローク範囲においても圧入荷重が増加することに起因して、図５の斜線領域で示される圧入工程で必要な仕事（またはエネルギ）が大きくなり、圧入機械のエネルギ消費が増加する難点があった。
【０００６】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、設定値を越える衝撃力が作用したときに該衝撃力による衝撃エネルギを吸収すべく相対移動可能な外コラムおよび内コラムとスペーサとを有するステアリングコラムにおいて、外コラム、内コラムおよびスペーサの寸法公差に起因する前記設定値のばらつきを抑制すると共に、圧入機械のエネルギー消費を減少させることを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項１記載の発明は、設定値を越える衝撃力が作用したときに、該衝撃力による衝撃エネルギを吸収すべく軸長が短くなるように軸方向に相対移動可能に、外コラムと内コラムとがスペーサを介して圧入により結合されたステアリング装置のステアリングコラムにおいて、前記相対移動が生じるときの前記外コラムまたは前記内コラムにおける前記スペーサとの摺動面には、周方向に間隔をおいて前記軸方向に延びて前記外コラムまたは前記内コラムの前記軸方向での端面に開口する複数条の軸方向溝または周方向で全周に渡って延びる環状溝が形成されているステアリング装置のステアリングコラムである。
【０００８】
これにより、摺動面に軸方向溝が形成される場合には、スペーサとの摺動面を有する外コラムまたは内コラムが、他方のコラムに保持されたスペーサの外周または内周に圧入されるとき、圧入開始からスペーサとと摺動面での接触面積が小さくなるので、圧入荷重の増加率が小さな値になり、また摺動面に環状溝が全周に渡って形成される場合には、環状溝が形成されいる部分がスペーサに接触しないことから、圧入荷重が変化しないので、いずれの場合にも圧入荷重による仕事が小さくなる。また、軸方向溝または環状溝の形状等の変更により、衝撃力の設定値を決める圧入荷重が調整される。
【０００９】
この結果、請求項１記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、設定値を越える衝撃力により相対移動が生じるときの外コラムまたは内コラムにおけるスペーサとの摺動面には、周方向に間隔をおいて軸方向に延びて外コラムまたは内コラムの軸方向での端面に開口する複数条の溝または周方向で全周に渡って形成された環状溝が形成されていることにより、ステアリングコラムの外コラムと内コラムとがスペーサを介して圧入により結合される際、外コラムおよび内コラムがスペーサを介して圧入される際の圧入荷重による仕事が小さくなるので、圧入機械のエネルギー消費が減少する。しかも、軸方向溝または環状溝の形状等の変更により、設定値を決める圧入荷重が調整されるので、外コラム、内コラムおよびスペーサの寸法公差に起因する前記設定値のばらつきが抑制される。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図１ないし図４を参照して説明する。
図１〜図３は、第１実施例を説明するためのもので、図１を参照すると、本発明が適用されたステアリング装置１は、４輪の車両に搭載されて、補助操舵力発生手段としての電動モータ５ｂを有する電動式パワーステアリング装置５を備えるステアリング装置である。ステアリング装置１は、ステアリングホイール２と、ステアリングホイール２に接続されたステアリング軸３と、ステアリング軸３を収納する筒状のステアリングコラム４と、ステアリングコラム４に結合されたハウジング５ａを備えるパワーステアリング装置５と、パワーステアリング装置５の出力軸５ｃに自在継手６ａを介して接続された中間軸７と、中間軸７に自在継手６ｂを介して接続された入力軸８を有すると共にギヤボックス９に収納されたステアリングギヤと、該ステアリングギヤの動きを転舵輪に伝達するステアリングリンク機構とを備える。
【００１１】
前記ステアリングギヤは、入力軸８に設けられたピニオンと該ピニオンと噛合するラックとを有する。また、パワーステアリング装置５は、ステアリング軸３と出力軸５ｃとを結合するトーションバーの捩れ量に基づいて操舵トルクを検出するトルクセンサと、該トルクセンサの検出信号に基づいて、制御装置により回転量および回転方向が制御される電動モータ５ｂと、電動モータ５ｂの回転力を出力軸５ｃに伝達するウォームギヤとを備える。
【００１２】
図２を参照すると、ステアリングコラム４は、ステアリング軸３を軸受（図示されず）を介して回転自在に支持すると共にブラケット１０を介して車体に固定される円筒状の外コラム１１と、ハウジング５ａに固定された円筒状の内コラム２１と、外コラム１１と内コラム２１との間に設けられた円筒状のスペーサ３１とを有する。外コラム１１と内コラム２１とは、車両の衝突時に、車体を通じてまたは運転者がステアリングホイール２に当たって、設定値を越える軸方向での衝撃力がステアリングコラム４に作用したときに、該衝撃力による衝撃エネルギを吸収するために、ステアリングコラム４の軸長を短くするように軸方向に相対移動可能に、スペーサ３１を介して圧入により結合されている。
【００１３】
具体的には、外コラム１１の軸端部には、その内側にスペーサ３１が挿入されて保持される。スペーサ３１は、外コラム１１と内コラム２１とが結合状態にあるとき、両コラム１１，２１の間で挟圧される円筒状の本体部３２と、円環状のフランジ３３とから構成される。そして、フランジ３３が外コラム１１の端面に軸方向で当接することにより、スペーサ３１が外コラム１１に対して軸方向に移動することが阻止される。
【００１４】
外コラム１１の内側にスペーサ３１を介して圧入される内コラム２１の軸端部には、前記相対移動が生じるときの内コラム２１におけるスペーサ３１との摺動面になる外周面２１ａに、周方向に間隔をおいて軸方向に平行に延びると共に内コラム２１の軸方向での端面２１ｃに開口する複数条、この実施例では８条の軸方向溝２４が、円柱面からなる外周面２１ａおよび内周面２１ｂを有する円筒状の素材に対して塑性変形を生じさせるためのプレス加工により形成される。
【００１５】
そして、前記衝撃力の前記設定値は、外コラム１１に対する内コラム２１の圧入工程終了時の圧入荷重により決定される。そのため、各軸方向溝２４の軸方向での長さ、複数の軸方向溝２４の条数および周方向で隣接する軸方向溝２４の間隔（または、各軸方向溝２４の周方向での溝幅）から構成される軸方向溝２４の形状等は、前記設定値を考慮して適宜設定される。
【００１６】
この実施例では、各軸方向溝２４の長さはスペーサ３１の本体部３２の軸方向での長さよりも短く、かつ全ての軸方向溝２４の長さは等しく設定され、さらに全ての軸方向溝２４が周方向にほぼ等間隔に形成されている。それゆえ、内コラム２１は、軸方向溝２４が形成されている軸方向での部分である溝形成部２３と、軸方向溝２４が形成されていない本体部２２とから構成される。
【００１７】
次に、図２，図３を参照して、圧入工程における圧入ストロークに対する圧入荷重の推移について説明する。
第１実施例の内コラム２１を使用したときの特性を示す特性線Ｋ１（実線で示されている。）を参照すると、圧入開始から溝形成部２３とスペーサ３１とが接触している第１ストローク範囲Ｓ１１では、軸方向溝２４が形成されている分、内コラム２１の外周面２１ａとスペーサ３１の本体部３２の内周面３２ｂとの接触面積が、本体部２２がスペーサ３１と接触しているときに比べて小さくなるので、比較的小さな増加率で圧入荷重が増加する。その後、本体部２２がスペーサ３１を介して外コラム１１に圧入され始める圧入ストロークから圧入荷重が設定圧入荷重ＦＴになるまでの第２ストローク範囲Ｓ１２では、本体部２２の外周面２１ａの全面がスペーサ３１の内周面３２ｂに接触するため、外周面２１ａと内周面３２ｂとの接触面積が第１ストローク範囲Ｓ１１のときに比べて大きくなって、その結果、圧入荷重の増加率が大きくなり、所定の圧入ストロークＳＴに達したとき、設定圧入荷重ＦＴが得られる。このとき、この第１実施例では、内コラム２１の端面２１ｃがスペーサ３１の端面３１ｃとほぼ同じ軸方向での位置を占める。
【００１８】
一方、図３には、前記従来技術のように、軸方向に延びる溝が軸方向での端面で開口していない内コラム（以下、従来型内コラムという。ここで、該溝は、軸方向溝２４とは、軸方向での端面に開口するか否かで異なり、その他の形状は同一と仮定している。）の圧入荷重の推移を示す特性線Ｋ０（二点鎖線で示されている。）が示されている。この従来型内コラムでは、第１，第３ストローク範囲Ｓ０１，Ｓ０３で従来型内コラムの外周面の全面がスペーサ３１の内周面３２ｂに接触し、第２ストローク範囲Ｓ０２では、従来型内コラムの外周面に溝が形成されている部分と内周面３２ｂとが、外周面の全面が接触するときに比べて小さな接触面積で接触する。
【００１９】
そして、内コラム２１が使用されたときの特性線Ｋ１と、従来型内コラムを使用したときの特性線Ｋ０とを比べると、従来型内コラムを使用したときの第１，第２ストローク範囲Ｓ０１，Ｓ０２で、内コラム２１の圧入荷重は、従来型内コラムよりも小さい。そのため、第１実施例によれば、従来型内コラムを使用する場合に比べて、圧入機械の、圧入荷重を加えるための仕事が小さくなる。
【００２０】
また、外コラム１１、内コラム２１およびスペーサ３１の寸法公差に起因する前記設定値のばらつきを抑制するために、前記設定値に対応する圧入荷重である設定圧入荷重ＦＴを調整するときには、軸方向溝２４の形状等を適宜変更することにより行われる。その際、例えば溝形成部２３の該形成範囲の異なる内コラム２１を複数用意しておき、それら内コラム２１から最適なものを使用することにより、設定圧入荷重ＦＴの調整が効率よく行われる。
【００２１】
次に、前述のように構成された第１実施例の作用および効果について説明する。
ステアリングホイール２が操作されると、そのステアリング操作に基づいてステアリング軸３が前記トーションバーに捩りを発生させつつ出力軸５ｃに対して回転し、前記トルクセンサにより検出された操舵トルクに応じて発生する電動モータ５ｂの回転が前記ウォームギヤを介して出力軸５ｃに伝達され、この出力軸５ｃの回転に基づいて発生する回転力が補助操舵力として中間軸７を介して前記ステアリングギヤに伝達されることにより、運転者の操舵力が軽減される。
【００２２】
また、車両の衝突時に、ステアリングコラム４に前記設定値を越える衝撃力が作用すると、外コラム１１に対してスペーサ３１を介して圧入状態にある内コラム２１が、スペーサ３１と内コラム２１との間での摩擦力に抗して、スペーサ３１および外コラム１１に対して相対移動することにより、ステアリングコラム４に作用する衝撃力による衝撃エネルギが吸収される。
【００２３】
そして、外コラム１１と内コラム２１とが前記設定値を越える衝撃力により相対移動するときの内コラム２１におけるスペーサ３１との摺動面である外周面２１ａには、周方向に間隔をおいて軸方向に延びて内コラム２１の軸方向での端面２１ｃに開口する複数条の軸方向溝２４が形成されていることにより、ステアリングコラム４の外コラム１１と内コラム２１とがスペーサ３１を介して圧入により結合されされる際、スペーサ３１の内周面３２ｂと内コラム２１の外周面２１ａとの接触面積が圧入開始から小さくなって、圧入荷重の増加率が小さな値になることから、圧入荷重による仕事が小さくなるので、圧入機械のエネルギー消費が減少する。しかも、軸方向溝２４の形状等の変更により、設定圧入荷重ＦＴが調整されて、外コラム１１、内コラム２１およびスペーサ３１の寸法公差に起因する前記設定値のばらつきが抑制される。
【００２４】
また、軸方向溝２４はプレス加工により形成されることにより、内コラム２１の製造コストが削減される。さらに、スペーサ３１との接触面積を減少させる手段は、内コラムの外周面から内周面に渡って内コラムの内外を径方向に貫通するように形成されたスリットとは異なり、内コラムの軸端部に周方向での切れ目を形成することがない溝（軸方向溝２４）であることから、内コラム２１において溝形成部２３の強度低下が防止される。
【００２５】
次に、図３，図４を参照して、本発明の第２実施例を説明する。この第２実施例は、第１実施例とは、内コラム２１に形成される溝の形態が相違し、その他は基本的に同一の構成を有するものである。そのため、同一の部分についての説明は省略または簡略にし、異なる点を中心に説明する。なお、第１実施例の部材と同一の部材または対応する部材については、同一の符号を使用した。
【００２６】
図４を参照すると、外コラム１１の内側にスペーサ３１を介して圧入される内コラム２１の軸端部には、内コラム２１の外周面２１ａに、周方向で全周に渡って形成された１つの環状溝２９が、円柱面からなる外周面２１ａおよび内周面を有する円筒状の素材に対して塑性変形を生じさせるためのプレス加工により形成される。
【００２７】
環状溝２９の軸方向での溝幅、端面２１ｃからの溝の形成位置から構成される環状溝２９の形状等は、前記設定値を考慮して適宜設定される。第２実施例では、環状溝２９の軸方向での形成範囲は、端面２１ｃからの軸方向での距離が第１距離Ｃ１および第２所定距離Ｃ２となる範囲である。そして、内コラム２１は、環状溝２９が形成されている軸方向での部分である溝形成部２８と、環状溝２９を挟んで、端面２１ｃ寄りに位置する第２本体部２７および第２本体部２７とは反対側に位置する第１本体部２６からなる本体部２５とから構成される。
【００２８】
次に、図３，図４を参照して、圧入工程における圧入ストロークに対する圧入荷重の推移について説明する。
第２実施例の内コラム２１を使用したときの特性を示す特性線Ｋ２（破線で示されている。）を参照すると、圧入開始から第２本体部２７とスペーサ３１とが接触している第１ストローク範囲Ｓ２１では、第２本体部２７の外周面２１ａの全面がスペーサ３１の本体部３２の内周面３２ｂに接触するため、大きな増加率で圧入荷重が増加する（ここでは、従来型内コラム２１との対比の関係上、第１ストローク範囲Ｓ２１は、第１ストローク範囲Ｓ０１と同じにしてある。）。そして、圧入ストロークが第１所定距離Ｃ１および第２所定距離Ｃ２の範囲内であるときの第２ストローク範囲Ｓ２２では、環状溝２９が形成されている溝形成部２８が、スペーサ３１と接触しないため、圧入荷重は変化しない。そして、圧入ストロークが第２所定距離Ｃ２を超えてから圧入荷重が設定圧入荷重ＦＴになるまでの第３ストローク範囲Ｓ２３では、第１本体部２６の外周面２１ａの全面がスペーサ３１の本体部３２の内周面３２ｂに接触するため、第１ストローク範囲Ｓ２１のときと同じ増加率で圧入荷重が増加する。そして、所定の圧入ストロークＳＴに達したとき、設定圧入荷重ＦＴが得られる。
【００２９】
この特性線Ｋ２を、従来型内コラムの圧入荷重の変化を示す特性線Ｋ０と比べると、従来型内コラムを使用したときの第２ストローク範囲Ｓ０２で、内コラム２１の圧入荷重は、従来型内コラムよりも小さく、その分、第２実施例では、従来型内コラムを使用する場合に比べて、圧入機械の、圧入荷重を加えるための仕事が小さくなる。
【００３０】
このように、外コラム１１と内コラム２１とが前記設定値を越える衝撃力により相対移動するときの内コラム２１の外周面２１ａには、周方向で全周に渡って形成された環状溝２９が形成されていることにより、ステアリングコラム４の外コラム１１と内コラム２１とがスペーサ３１を介して圧入により結合されされる際、溝形成部２８では、内コラム２１がスペーサ３１に接触しないことから、圧入荷重による仕事が小さくなるので、圧入機械のエネルギー消費が減少する。しかも、環状溝２９の形状等の変更により、設定圧入荷重ＦＴが調整されて、外コラム１１、内コラム２１およびスペーサ３１の寸法公差に起因する前記設定値のばらつきが抑制される。それゆえ、第２実施例によれば、第１実施例と同様の作用および効果が奏される。
【００３１】
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
スペーサ３１が内コラム２１と一体的に外コラム１１に対して移動し、摺動面が外コラム１１の内周面１１ｂ（図２，図４参照）により構成されてもよく、その場合には、外コラム１１の内周面１１ｂに軸方向溝２４または環状溝２９が形成される。また、ステアリングコラム４は、円筒以外の筒状部材で形成されてもよい。また、軸方向溝２４および環状溝２９は、プレス加工以外に、切削加工により形成されてもよい。さらに、軸方向溝２４は、軸方向に平行に延びて形成されていなくてもよい。
【００３２】
第２実施例において、第２本体部２７のみに、第１実施例の軸方向溝２４に相当する複数の軸方向溝が環状溝２９に開口するように形成されてもよく、その場合には、第１，第２実施例に比べて、さらに圧入機械の消費エネルギを減少させることができる。
【００３３】
パワーステアリング装置５は、ギヤボックス９に設けられるものでもよく、また補助操舵力発生手段として流体圧を使用したパワーシリンダ機構を有する流体式のものであってもよい。さらに、ステアリング装置は、パワーステアリング装置を備えないものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例を示し、本発明のステアリングコラムが適用されたステアリング装置の概略の斜視図である。
【図２】（Ａ）は、図１のステアリング装置のステアリングコラムの軸方向に沿う要部拡大断面図であり、（Ｂ）は、（Ａ）のＢ−Ｂに相当する面でのステアリングコラムの全周での断面図である。
【図３】図１のステアリングコラムの外コラムおよび内コラムを結合する際に、外コラムに保持されたスペーサの内側に内コラムを圧入するときの、圧入ストロークに対する圧入荷重の推移を示すグラフである。
【図４】本発明の第２実施例を示し、第１実施例の図２（Ａ）に対応する断面図であり、（Ｂ）は、（Ａ）のＢ−Ｂに相当する面でのステアリングコラムの全周での断面図である。
【図５】従来技術を示し、外コラムに保持されたスペースの内側に従来技術の内コラムを圧入するときの、圧入ストロークに対する圧入荷重の推移を示すグラフである。
【符号の説明】
１…ステアリング装置、２…ステアリングホイール、３…ステアリング軸、４…ステアリングコラム、５…パワーステアリング装置、６ａ，６ｂ…自在継手、７…中間軸、８…入力軸、９…ギヤボックス、１０…ブラケット、１１…外コラム、
２１…内コラム、２１ａ…外周面、２１ｃ…端面、２２…本体部、２３…溝形成部、２４…軸方向溝、２５…本体部、２６…第１本体部、２７…第２本体部、２８…溝形成部、２９…環状溝、
３１…スペーサ、３２…本体部、３３…フランジ、
Ｋ１〜Ｋ３…特性線、Ｓ１１，Ｓ１２，Ｓ２１，Ｓ２２，Ｓ２３…形成範囲、ＦＴ…設定圧入荷重、ＳＴ…圧入ストローク、Ｃ１，Ｃ２…距離。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a steering column of a vehicle steering device, and more particularly, to an impact absorbing structure that absorbs impact energy due to an impact force acting on a steering column.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In a vehicle steering apparatus, there is a steering column disclosed in Patent Document 1, for example, as a steering column having an impact absorbing structure. This steering column has a first column and a second column press-fit into the first column via a spacer. When an impact force acts on the steering column during a vehicle collision, the first and second columns are The relative movement in the axial direction absorbs the impact energy. When the impact force is applied, the press-fit load of the second column via the spacer to the first column is appropriately set so that the relative movement of the first and second columns is properly performed. Therefore, in order to adjust the magnitude of the friction between the spacer and the first column or the magnitude of the friction between the spacer and the second column, the outer periphery of the spacer, the spacer, To adjust the contact area between the spacer and the first or second column at least at a portion of the inner periphery of the first column contacting the outer periphery of the first column, the inner periphery of the spacer, and the outer periphery of the second column contacting the inner periphery of the spacer. A concave portion formed of a through hole or a bottomed hole is provided. By adjusting the contact area between the spacer and the two columns in this manner, the variation in the press-fit load due to the dimensional tolerance of the outer column, the inner column, and the spacer is suppressed, and the relative movement of the first and second columns is appropriate. Done in
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 2983130
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the prior art, when a plurality of recesses are formed in the spacer or the second column, the recesses are formed at intervals in the circumferential direction, and each recess is formed in the axial direction of the spacer or the second column. There is no opening at the end face. Therefore, for example, when a plurality of recesses are formed in the second column, the press-fit load when the second column is press-fitted into the inner periphery of the spacer with respect to the first column into which the spacer is inserted is shown in FIG. as shown in 5, increases at first stroke range S0 1 in a large increase rate of the initial, the second stroke range S0 2 the spacer is in contact with the forming portion of the concave portion of the second column, small due to a decrease in the contact area increases with increasing rate, the third stroke range S0 3 that exceeds the formation portion of the concave portion, increases again with a large increasing rate.
[0005]
For this reason, the press-fit load increases at a large increase rate in the first stroke range, and the press-fit load also increases in the second stroke range where the spacer and the portion where the concave portion of the second column is formed contact. The work (or energy) required in the press-fitting process shown by the hatched area in FIG. 5 is increased, and the energy consumption of the press-fitting machine is disadvantageously increased.
[0006]
The present invention has been made in view of such circumstances, and when an impact force exceeding a set value is applied, an outer column and an inner column, a spacer, and a relatively movable column can absorb the impact energy due to the impact force. It is an object of the present invention to reduce the energy consumption of the press-fitting machine while suppressing the variation of the set value caused by the dimensional tolerance of the outer column, the inner column, and the spacer in the steering column having the above.
[0007]
Means for Solving the Problems and Effects of the Invention
The invention according to claim 1 is characterized in that when an impact force exceeding a set value is applied, the outer column and the inner column are relatively movable in the axial direction so as to reduce the axial length so as to absorb the impact energy due to the impact force. In the steering column of the steering device, which is press-fitted via a spacer, the sliding surface of the outer column or the inner column with the spacer when the relative movement occurs is spaced circumferentially. A steering device for a steering device in which a plurality of axial grooves or an annular groove extending over the entire circumference in a circumferential direction is formed to extend in the axial direction and open at the axial end surface of the outer column or the inner column. It is a column.
[0008]
Thus, when an axial groove is formed on the sliding surface, the outer column or the inner column having the sliding surface with the spacer is pressed into the outer or inner periphery of the spacer held by the other column. At the time, since the contact area between the spacer and the sliding surface from the start of press-fitting becomes small, the rate of increase of the press-fit load becomes a small value, and when an annular groove is formed on the sliding surface over the entire circumference, Since the press-fit load does not change because the portion where the annular groove is formed does not contact the spacer, the work due to the press-fit load is reduced in any case. Further, by changing the shape of the axial groove or the annular groove, the press-fitting load that determines the set value of the impact force is adjusted.
[0009]
As a result, according to the first aspect of the invention, the following effects can be obtained. That is, when the relative movement occurs due to the impact force exceeding the set value, the sliding surface with the spacer in the outer column or the inner column extends in the axial direction at a circumferential interval and extends in the axial direction of the outer column or the inner column. The outer column and the inner column of the steering column are press-fitted via a spacer by forming a plurality of grooves or an annular groove formed over the entire circumference in the circumferential direction. In this case, since the work due to the press-fitting load when the outer column and the inner column are press-fitted via the spacers is reduced, the energy consumption of the press-fitting machine is reduced. In addition, since the press-fit load that determines the set value is adjusted by changing the shape of the axial groove or the annular groove, the variation in the set value due to the dimensional tolerance of the outer column, the inner column, and the spacer is suppressed.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
An embodiment of the present invention will be described below with reference to FIGS.
1 to 3 illustrate a first embodiment. Referring to FIG. 1, a steering apparatus 1 to which the present invention is applied is mounted on a four-wheeled vehicle and generates an auxiliary steering force generating means. 1 is a steering device provided with an electric power steering device 5 having an electric motor 5b as an example. The steering device 1 includes a steering wheel 2, a steering shaft 3 connected to the steering wheel 2, a tubular steering column 4 for housing the steering shaft 3, and a housing 5 a coupled to the steering column 4. 5, an intermediate shaft 7 connected to an output shaft 5c of the power steering device 5 via a universal joint 6a, and an input shaft 8 connected to the intermediate shaft 7 via a universal joint 6b and housed in a gear box 9. And a steering link mechanism for transmitting the movement of the steering gear to the steered wheels.
[0011]
The steering gear has a pinion provided on the input shaft 8 and a rack that meshes with the pinion. The power steering device 5 includes a torque sensor that detects a steering torque based on a twist amount of a torsion bar that connects the steering shaft 3 and the output shaft 5c, and a control device that rotates based on a detection signal of the torque sensor. It includes an electric motor 5b whose amount and direction of rotation are controlled, and a worm gear that transmits the torque of the electric motor 5b to the output shaft 5c.
[0012]
Referring to FIG. 2, the steering column 4 includes a cylindrical outer column 11 rotatably supporting the steering shaft 3 via a bearing (not shown) and fixed to a vehicle body via a bracket 10, and a housing 5a. And a cylindrical spacer 31 provided between the outer column 11 and the inner column 21. The outer column 11 and the inner column 21 are actuated by the impact force when an impact force in the axial direction exceeding a set value acts on the steering column 4 through the vehicle body or when the driver hits the steering wheel 2 during a vehicle collision. In order to absorb the impact energy, the steering column 4 is press-fitted via a spacer 31 so as to be relatively movable in the axial direction so as to shorten the axial length.
[0013]
Specifically, a spacer 31 is inserted and held inside the shaft end of the outer column 11. When the outer column 11 and the inner column 21 are in a connected state, the spacer 31 includes a cylindrical main body 32 that is pressed between the two columns 11 and 21, and an annular flange 33. When the flange 33 abuts on the end surface of the outer column 11 in the axial direction, the spacer 31 is prevented from moving in the axial direction with respect to the outer column 11.
[0014]
A shaft end of the inner column 21 that is press-fitted into the inner side of the outer column 11 via the spacer 31 has an outer peripheral surface 21a that is a sliding surface with the spacer 31 of the inner column 21 when the relative movement occurs. A plurality of, in this embodiment, eight axial grooves 24 extending parallel to the axial direction at intervals in the axial direction and opening in the axial end surface 21c of the inner column 21, the outer peripheral surface 21a formed of a cylindrical surface and It is formed by press working to cause plastic deformation of a cylindrical material having the inner peripheral surface 21b.
[0015]
The set value of the impact force is determined by the press-fit load at the end of the press-fitting step of the inner column 21 into the outer column 11. Therefore, the length of each axial groove 24 in the axial direction, the number of the plurality of axial grooves 24, and the interval between adjacent axial grooves 24 in the circumferential direction (or the groove in the circumferential direction of each axial groove 24). The shape and the like of the axial groove 24 composed of (width) are appropriately set in consideration of the set value.
[0016]
In this embodiment, the length of each axial groove 24 is shorter than the length of the main body 32 of the spacer 31 in the axial direction, and the lengths of all the axial grooves 24 are set to be equal. The grooves 24 are formed at substantially equal intervals in the circumferential direction. Therefore, the inner column 21 is composed of the groove forming portion 23 which is a portion in the axial direction where the axial groove 24 is formed, and the main body portion 22 where the axial groove 24 is not formed.
[0017]
Next, with reference to FIG. 2 and FIG. 3, a transition of the press-fitting load with respect to the press-fitting stroke in the press-fitting process will be described.
Referring to a characteristic line K1 (indicated by a solid line) showing the characteristics when the inner column 21 of the first embodiment is used, the first part in which the groove forming part 23 and the spacer 31 are in contact from the start of press fitting. in the stroke range S1 1, min axial groove 24 is formed, the contact area between the inner circumferential surface 32b of the main body portion 32 of the outer peripheral surface 21a and the spacer 31 of the inner column 21, the contact body 22 is the spacer 31 The press-fit load increases at a relatively small rate of increase, as compared to when the pressure is increased. Thereafter, the second stroke range S1 2 from press fitting stroke body 22 begins to be pressed into the outer column 11 via a spacer 31 to the press-fit load is set press-fit load F T, the entire surface of the outer peripheral surface 21a of the main body portion 22 is but for contacting the inner circumferential surface 32b of the spacer 31, the contact area between the outer peripheral surface 21a and the inner peripheral surface 32b is larger than when the first stroke range S1 1, as a result, the increase rate of the press-fitting load increases, upon reaching a predetermined press fitting stroke S T, is obtained setting press-fit load F T. At this time, in the first embodiment, the end surface 21c of the inner column 21 occupies almost the same axial position as the end surface 31c of the spacer 31.
[0018]
On the other hand, FIG. 3 shows an inner column in which a groove extending in the axial direction is not open at an end face in the axial direction (hereinafter referred to as a conventional inner column. The groove 24 differs depending on whether or not it is opened at the end face in the axial direction, and the other shape is assumed to be the same.) A characteristic line K0 (shown by a two-dot chain line) showing the transition of the press-fit load. .)It is shown. In the conventional in the column, first, the entire surface of the outer peripheral surface of the conventional in column in the third stroke range S0 1, S0 3 is in contact with the inner peripheral surface 32b of the spacer 31, the second stroke range S0 2, prior The portion where the groove is formed on the outer peripheral surface of the inner column contacts the inner peripheral surface 32b with a smaller contact area than when the entire outer peripheral surface contacts.
[0019]
A comparison between the characteristic line K1 when the inner column 21 is used and the characteristic line K0 when the conventional inner column is used shows that the first and second stroke ranges S0 when the conventional inner column is used. 1, with S0 2, press-fit load of the inner column 21 is smaller than conventional in the column. Therefore, according to the first embodiment, the work of the press-fitting machine for applying the press-fitting load is smaller than in the case of using the conventional inner column.
[0020]
The outer column 11, in order to suppress the variation of the set value due to the dimensional tolerance of the inner column 21 and the spacers 31, when adjusting the press-fit load is set fit load F T corresponding to the set value, the shaft This is performed by appropriately changing the shape and the like of the direction groove 24. At that time, for example, previously different inner column 21 of the forming range of the groove forming portion 23 by a plurality prepared by using an optimum from those in column 21, is carried out efficiently to adjust the setting press fit load F T .
[0021]
Next, the operation and effects of the first embodiment configured as described above will be described.
When the steering wheel 2 is operated, the steering shaft 3 rotates with respect to the output shaft 5c while twisting the torsion bar based on the steering operation, and is generated according to the steering torque detected by the torque sensor. The rotation of the electric motor 5b is transmitted to the output shaft 5c via the worm gear, and the rotational force generated based on the rotation of the output shaft 5c is transmitted to the steering gear via the intermediate shaft 7 as an auxiliary steering force. Thereby, the steering force of the driver is reduced.
[0022]
Also, when an impact force exceeding the set value acts on the steering column 4 at the time of a vehicle collision, the inner column 21 which is press-fitted to the outer column 11 via the spacer 31 causes the inner column 21 to move between the spacer 31 and the inner column 21. By moving relative to the spacer 31 and the outer column 11 against the frictional force between them, the impact energy due to the impact force acting on the steering column 4 is absorbed.
[0023]
When the outer column 11 and the inner column 21 relatively move due to an impact force exceeding the set value, the outer column surface is spaced from the outer peripheral surface 21a of the inner column 21 which is a sliding surface with the spacer 31. By forming a plurality of axial grooves 24 extending in the axial direction and opening in the axial end surface 21 c of the inner column 21, the outer column 11 and the inner column 21 of the steering column 4 are interposed via the spacer 31. When they are joined by press fitting, the contact area between the inner peripheral surface 32b of the spacer 31 and the outer peripheral surface 21a of the inner column 21 becomes small from the start of press fitting, and the increase rate of the press fitting load becomes a small value. The energy consumption of the press-fitting machine is reduced because the work due to the load is reduced. In addition, by changing the shape and the like of the axial groove 24, the set press-fit load FT is adjusted, and the variation in the set value caused by the dimensional tolerance of the outer column 11, the inner column 21, and the spacer 31 is suppressed.
[0024]
Further, since the axial groove 24 is formed by press working, the manufacturing cost of the inner column 21 is reduced. Further, the means for reducing the contact area with the spacer 31 is different from a slit formed so as to radially penetrate the inside and outside of the inner column from the outer peripheral surface to the inner peripheral surface of the inner column. Since the grooves (axial grooves 24) do not form circumferential cuts at the ends, a decrease in the strength of the groove forming portions 23 in the inner column 21 is prevented.
[0025]
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. The second embodiment differs from the first embodiment in the form of the groove formed in the inner column 21, and has basically the same configuration in the other respects. Therefore, description of the same part will be omitted or simplified, and different points will be mainly described. Note that the same reference numerals are used for the same or corresponding members as the members of the first embodiment.
[0026]
Referring to FIG. 4, the inner end of the inner column 21 that is press-fitted into the outer column 11 via the spacer 31 is formed on the outer peripheral surface 21 a of the inner column 21 over the entire circumference in the circumferential direction. One annular groove 29 is formed by press working to cause plastic deformation of a cylindrical material having an outer peripheral surface 21a formed of a cylindrical surface and an inner peripheral surface.
[0027]
The groove width in the axial direction of the annular groove 29, the shape of the annular groove 29 formed from the position where the groove is formed from the end face 21c, and the like are appropriately set in consideration of the set values. In the second embodiment, the formation range of the annular groove 29 in the axial direction is a range in which the distance in the axial direction from the end face 21c is the first distance C1 and the second predetermined distance C2. The inner column 21 has a groove forming portion 28 which is a portion in the axial direction where the annular groove 29 is formed, and a second main body portion 27 and a second main body which are located closer to the end face 21 c with the annular groove 29 interposed therebetween. And a main body 25 composed of a first main body 26 located on the opposite side to the part 27.
[0028]
Next, with reference to FIG. 3 and FIG. 4, a transition of the press-fitting load with respect to the press-fitting stroke in the press-fitting process will be described.
Referring to a characteristic line K2 (indicated by a broken line) indicating the characteristic when the inner column 21 of the second embodiment is used, the second main body 27 and the spacer 31 in contact with each other from the start of press-fitting. in one stroke range S2 1, since the entire surface of the outer peripheral surface 21a of the second body portion 27 is in contact with the inner peripheral surface 32b of the main body portion 32 of the spacer 31, press-fit load increases with a large increasing rate (here, conventional the relationship comparison with the inner column 21, first stroke range S2 1 is are the first stroke range S0 1 and the same.). Then, press-stroke in the second stroke range S2 2 when the first is within a predetermined distance C1 and the second predetermined distance C2, the groove forming portion 28 of the annular groove 29 is formed, not in contact with the spacer 31 Therefore, the press-fit load does not change. Then, the third stroke range S2 3 of the press stroke to press-fit load of exceeding the second predetermined distance C2 is set press-fit load F T, the entire surface of the outer peripheral surface 21a of the first body portion 26 is the body of the spacer 31 for contacting the inner circumferential surface 32b of the part 32, press-fit load increases at the same increase rate as in the first stroke range S2 1. Then, when the predetermined press-fit stroke ST is reached, a set press-fit load FT is obtained.
[0029]
The characteristic line K2, as compared with characteristic curve K0 showing a change in press-fitting load of the conventional type in the column, the second stroke range S0 2 when using conventional in the column, press-fit load of the inner column 21 is conventionally It is smaller than the in-mold column, and accordingly, in the second embodiment, the work for applying the press-fit load of the press-fitting machine is smaller than in the case of using the conventional inner column.
[0030]
As described above, when the outer column 11 and the inner column 21 relatively move by the impact force exceeding the set value, the outer peripheral surface 21a of the inner column 21 has an annular groove 29 formed over the entire circumference in the circumferential direction. Is formed, when the outer column 11 and the inner column 21 of the steering column 4 are joined by press fitting via the spacer 31, the inner column 21 does not contact the spacer 31 in the groove forming portion 28. Therefore, the work by the press-fitting load is reduced, so that the energy consumption of the press-fitting machine is reduced. In addition, the set press-fit load FT is adjusted by changing the shape and the like of the annular groove 29, and the variation in the set value due to the dimensional tolerance of the outer column 11, the inner column 21, and the spacer 31 is suppressed. Therefore, according to the second embodiment, the same operation and effect as those of the first embodiment are obtained.
[0031]
Hereinafter, an embodiment in which a part of the configuration of the above-described embodiment is changed will be described with respect to the changed configuration.
The spacer 31 may move integrally with the inner column 21 with respect to the outer column 11, and the sliding surface may be constituted by the inner peripheral surface 11b of the outer column 11 (see FIGS. 2 and 4). The axial groove 24 or the annular groove 29 is formed on the inner peripheral surface 11b of the outer column 11. Further, the steering column 4 may be formed of a tubular member other than a cylinder. Further, the axial groove 24 and the annular groove 29 may be formed by a cutting process other than the press process. Further, the axial groove 24 may not be formed so as to extend parallel to the axial direction.
[0032]
In the second embodiment, a plurality of axial grooves corresponding to the axial grooves 24 of the first embodiment may be formed only in the second main body 27 so as to open to the annular groove 29. In that case, As compared with the first and second embodiments, the energy consumption of the press-fitting machine can be further reduced.
[0033]
The power steering device 5 may be provided in the gear box 9 or may be a fluid type having a power cylinder mechanism using fluid pressure as auxiliary steering force generating means. Further, the steering device may not include the power steering device.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a first embodiment of the present invention, and is a schematic perspective view of a steering device to which a steering column of the present invention is applied.
2A is an enlarged sectional view of a main part of the steering column of the steering device in FIG. 1 along an axial direction, and FIG. 2B is a steering column in a plane corresponding to BB in FIG. 3 is a sectional view of the entire circumference.
FIG. 3 is a graph showing a transition of a press-fit load with respect to a press-fit stroke when the inner column is press-fitted inside a spacer held by the outer column when the outer column and the inner column of the steering column of FIG. 1 are connected. is there.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing a second embodiment of the present invention and corresponding to FIG. 2A of the first embodiment, and FIG. 4B is a sectional view taken along a plane corresponding to BB in FIG. It is sectional drawing in the whole circumference of a steering column.
FIG. 5 is a graph showing a transition of a press-fit load to a press-fit stroke when a conventional inner column is press-fitted inside a space held by an outer column, showing the prior art.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Steering device, 2 ... Steering wheel, 3 ... Steering shaft, 4 ... Steering column, 5 ... Power steering device, 6a, 6b ... Universal joint, 7 ... Intermediate shaft, 8 ... Input shaft, 9 ... Gear box, 10 ... Bracket, 11 ... outer column,
Reference numeral 21: inner column, 21a: outer peripheral surface, 21c: end surface, 22: main body, 23: groove forming part, 24: axial groove, 25: main body, 26: first main body, 27: second main body, 28: groove forming portion, 29: annular groove,
31 ... spacer, 32 ... body, 33 ... flange,
K1-K3 ... characteristic curve, S1 1, S1 2, S2 1, S2 2, S2 3 ... forming range, F T ... setting press-fitting load, S T ... pressed stroke, C1, C2 ... distance.