JP2004135092A - 表面実装型sawデバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】表面実装用の配線基板上の配線パターン上に導体バンプを介してSAWチップをフェイスダウン搭載した構造のSAWデバイスにおいて、SAWチップ下面に配置されるフリップチップ実装用の接続パッド数を減少させることによって、SAWチップ及びSAWデバイスの平面積を減縮することができる。
【解決手段】絶縁基板3と、圧電基板19下面に形成されたIDT電極17、IDT電極と接続され且つ配線基板2の配線パターン5上に導体バンプ10を介してフリップチップ実装される接続パッド16と、を備えたSAWチップ15と、を備えた表面実装型SAWデバイス1において、圧電基板下面には外周縁に沿って外周アース電極18を備え、IDT電極を構成するアース側電極指のうちの少なくとも一つを外周アース電極とをリード線により導通させ、SAWチップの外面を被覆する導電膜25によって外周アース電極を配線基板上の配線パターンのうちの接地側ランドと電気的機械的に接続した。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁基板3と、圧電基板19下面に形成されたIDT電極17、IDT電極と接続され且つ配線基板2の配線パターン5上に導体バンプ10を介してフリップチップ実装される接続パッド16と、を備えたSAWチップ15と、を備えた表面実装型SAWデバイス1において、圧電基板下面には外周縁に沿って外周アース電極18を備え、IDT電極を構成するアース側電極指のうちの少なくとも一つを外周アース電極とをリード線により導通させ、SAWチップの外面を被覆する導電膜25によって外周アース電極を配線基板上の配線パターンのうちの接地側ランドと電気的機械的に接続した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IDT電極形成面を下向きにした弾性表面波チップを配線基板上にフリップチップ実装した構造の弾性表面波デバイスにおいて、接地側パッド数を低減して小型化を図った表面実装型弾性表面波デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波デバイス(SAWデバイス)は、水晶等の圧電基板上に互いに間挿し合う2つの櫛歯状の電極を備えたIDT電極を配置した構成を有し、例えばIDT電極に高周波電界を印加することによって弾性表面波を励起し、弾性表面波を圧電反作用によって高周波電界に変換することによってフィルタ特性を得るものである。
ところで、SAWデバイスの占有面積の小型化を図るために、特開平2−186662号公報、WO97/02596等には、図3(a)に示すように、SAWチップ110を構成する圧電基板111とほぼ同等の面積を備えた表面実装用の配線基板101の上面のランド(配線パターン)102に、IDT電極112及び接続パッド113を形成した面を下向きにした状態(フェイスダウン状態)のSAWチップ110を導体バンプ114によってフリップチップ実装し、更にSAWチップの下面と配線基板上面との間にSAW伝搬用の気密空間Sを確保しつつSAWチップ外面から配線基板上面にかけて液状の封止樹脂115を被覆してから硬化させた樹脂封止型SAWデバイス100が提案されている。
ここで、図3(b)はSAWチップの底面図を示すものであって、3つのIDT電極を近接配置し、その両側にグレーティング反射器を配置した縦結合二重モードSAWフィルタを2つ縦続接続したものであり、圧電基板111の下面適所には入出力用の接続パッド113Hと、接地用の接続パッド113Gとが設けられており、適宜配線がなされている。これらの接続パッド113H、113Gは、対面する配線基板101上面の各ランド102上に導体バンプ114により接続されることにより、電気的機械的接続を実現している。導体バンプ114による十分な接続強度を確保するためには、導体バンプ114の直径としては100μm以上であることが求められる。一方、圧電基板下面の接続パッド113H、113Gの面積は、直径100μmの導体バンプ114を搭載するために必要な面積の他に、周辺の接続パッド113や配線パターンとの接触を回避するために、少なくとも130μm角の矩形であることが求められる。
従って、圧電基板111の面積としては、ITD112の他に多数の接続パッド113を互いに干渉し合うことなく配置し得る程度に広い面積を確保する必要があり、これがSAWチップ、SAWデバイスの小型化を妨げる要因となっていた。
【特許文献1】特開平2−186662号公報
【特許文献2】WO97/02596
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、表面実装用の配線基板上の配線パターン上に導体バンプを介してSAWチップをフェイスダウン搭載した構造のSAWデバイスにおいて、SAWチップ下面に配置されるフリップチップ実装用の接続パッド数を減少させることによって、SAWチップ及びSAWデバイスの平面積を減縮することを可能にした表面実装型SAWデバイスを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次の如き手段を備える。
即ち、請求項1の表面実装型SAWデバイスは、絶縁基板、該絶縁基板の底部に設けた表面実装用の外部電極、及び該絶縁基板の上面に設けられ且つ該外部電極と導通した配線パターン、を備えた配線基板と、圧電基板、該圧電基板下面に形成されたIDT電極、該IDT電極と接続され且つ前記配線パターン上に導体バンプを介してフリップチップ実装される接続パッドと、を備えたSAWチップと、前記SAWチップ下面と前記配線基板上面との間に気密空間を形成するように配線基板とSAWチップとの間に配置される樹脂製ダムと、を備えた表面実装型SAWデバイスにおいて、前記圧電基板下面には外周縁に沿って外周アース電極を備え、前記IDT電極を構成するアース側電極指のうちの少なくとも一つを前記外周アース電極とをリード線により導通させ、前記SAWチップの外面を被覆する導電膜によって前記外周アース電極を配線基板上の配線パターンのうちの接地側ランドと電気的機械的に接続したことを特徴とする。
配線基板上にSAWチップをフェイスダウン状態でフリップチップ実装する場合、IDT電極と接続された入出力側接続パッド及び接地側接続パッドを、配線基板側の各ランドと一対一にてバンプにより接続する必要がある。しかし、バンプの寸法に対応して各接続パッドの面積を十分に大きく設定する必要があるため、SAWチップを構成する圧電基板はIDT電極から成る機能部以外の部分の面積が大きくなり、SAWチップの小型化を阻害する要因となっていた。
本発明では、SAWチップ下面の外周に沿ったデッドスペース(ダイシングマージン)に外周アース電極を配置すると共に、IDT電極を構成する接地側電極指のうちの少なくとも一つと外周アース電極とを直接接続するようにしたので、接地用の接続パッドの一部が不要となり、その分だけ圧電基板の面積を減縮することができ、SAWチップの面積を減縮することが可能となる。SAWチップの面積の減縮は、必然的にこれを支持する配線基板の減縮をもたらすので、SAWデバイス全体の小型化につながる。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1において、前記IDT電極は、入出力側電極指と、該入出力側電極指のSAW伝搬方向両側方に夫々配置した接地側電極指とを備え、該接地側電極指を前記外周アース電極と接続したことを特徴とする。
この発明では、入出力側電極指の両側に配置した全ての接地側電極指を外周アース電極と導通させるようにしたので、圧電基板面積を大幅に減縮できる。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記IDT電極の両側方には複数の反射ストリップから成る反射器を備え、前記IDT電極の接地側電極指を該反射器を構成する反射ストリップを経由して前記外周アース電極と接続したことを特徴とする。
入出力パッドを、IDT電極のSAW伝搬方向に配置した場合には、リード線が障害となって、一部の接地側電極指を直接外周アース電極と接続することが困難となる。この発明では、該接地側電極指と外周アース電極との間に位置する反射器を構成する反射ストリップを利用して接続を実現したので、配線レイアウトの複雑化、圧電基板の大型化を回避できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表面実装型弾性表面波デバイス(以下、SAWデバイス、という)の縦断面図、及びSAWチップの底面図である。
図1(a)に示すように、このSAWデバイス1は、矩形平板状の絶縁基板3、絶縁基板3の底部に設けた表面実装用の複数の外部電極4、及び絶縁基板3の上面に設けられ且つ内部導体6を介して各外部電極4と導通したランド(配線パターン)5、及び絶縁基板3上面の外周縁に沿って配置された接地側ランド7を備えた配線基板2と、ランド5と導体バンプ10を介して電気的機械的に接続される接続パッド16、IDT(インターディジタルトランスジューサ)電極17、及び外周アース電極18を夫々圧電基板19の下面に備えたSAWチップ15と、SAWチップ下面の外周近傍に沿って全周配置されてSAWチップ下面と配線基板上面との間の空間を封止して気密空間Sを形成する絶縁樹脂から成るダム20と、接地側ランド7を外周アース電極18と電気的機械的に接続すると共にSAWチップ15の外面全体を被覆する導電性接着剤、或いは金属膜から成る導電膜25と、を備えている。
SAWチップ15は、図1(b)に示すように、圧電基板10の底面に、3つのIDT電極を近接配置し、その両側にグレーティング反射器を配置した構造の縦結合2重モードSAWフィルタを2つ並置して縦続接続したものであり、IDT電極17と、接続パッド16(16H、16G)と、外周アース電極18と、を備えている。中間位置にあるIDT電極17の図中外側に位置する櫛型電極は入出力側の接続パッド16Hと接続され、入力側の接続パッド16Hに高周波電界が印加されることによって弾性表面波を励起し、出力側では弾性表面波を圧電作用によって高周波電界に変換することによってフィルタ特性を得ることができる。入出力側の接続パッド16Hは、夫々導体バンプ10を介して配線基板上の対応する入出力側のランド5と電気的機械的に接続されている。
一方、接地側の接続パッド16Gは、2つの中央IDT電極間に配置されているのみであり、各IDT電極17の外側(SAW伝搬方向と直交する方向)には接地側の接続パッドは存在しない。その代わりに、圧電基板下面の外周縁に沿ったダイシング用のマージンを利用して外周アース電極18を配置し、外側に配置されたIDT電極の接地側くし型電極との間をリード線によって接続している。このため、最低でも130μm角の面積を有した接地側接続パッドを4個削減することができ、その分だけ圧電基板の面積を縮小し、SAWチップ、SAWデバイスの小型化を図ることができる。
【0007】
外周アース電極18は、従来ダイシングスペースとしてデッドスペース化されていた圧電基板外周のスペース内に配置されるため、圧電基板面積を拡大するものではない。即ち、通常、SAWチップは、大面積の圧電基板母材を用いてバッチ処理により量産されるが、圧電基板個片間には最終工程でダイシング切断する際の切断マージンとして所要幅のスペースが存在している。本発明は、この切断マージンを利用して外周アース電極18を形成し、これを従来の接地側パッドに代えて利用することにより、圧電基板の小型化を図ったものである。ダイシングによって外周アース電極18を分断したとしても、外周アース電極18の大半が残留することは勿論である。
一方、外周アース電極18と対面する配線基板2上面の外周縁には、接地側の外部電極4と導通した接地側ランド7が配置されており、両者を導電性接着剤、或いは金属メッキから成る導電膜25によって接続することにより、外周アース電極18が接地される。バンプによる接続箇所が減少することによる機械的接続強度の低下は、導電膜25により接地側ランド7と外周アース電極18とを接続することにより補うことができる。
導電膜25によってSAWチップ外面を被覆することにより、SAWチップのシールドを行うことができる。
なお、圧電基板19上にIDT電極17、接続パッド16H、16G、外周アース電極18等の金属パターンを形成する手順は、従来同様に圧電基板上に金属膜を形成した後にフォトエッチングを施す微細加工技術によって行われる。
このようにして得たSAWチップ15をダイシングソーによって個片に切断した後で、各SAWチップ15を大面積の配線基板母材上にフェイスダウン状態で搭載する。この際、樹脂製ダム20を予め配線基板個片の周縁近傍、或いはSAWチップ下面の周縁近傍に環状に形成しておく。次いで、SAWチップ15下面の各接続パッド16H、及び16Gを、配線基板個片上面の対応する入出力側接続パッド5H、接地側接続パッド5Gに対して導体バンプ10を用いて電気的機械的に接続する。次いで、導体膜25を用いて外周アース電極18と接地側ランド7とを電気的機械的に接続すると共に、下面を除いた圧電基板外面を被覆する。最後に、配線基板母材を個片に分割することによって個々のSAWデバイスが完成する。
【0008】
次に、図2(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係るSAWデバイスの縦断面図、及びSAWチップの底面図である。図2(b)に示すように、この実施形態に係るSAWチップ15は、各IDT電極17のSAW伝搬方向両側に夫々反射器30a、30bを備え、一方の接地側電極指17G−1は直近に位置する外周アース電極18と接続されるが、他方の接地側電極指17G−2については、入出力側の各電極指17Hと接続された各入出力側接続パッド16Hを反射器30bの外側に配置しているため、リード線31が障害となって当該反射器側の接地側電極指17G−2と外周アース電極18とを直接接続することが困難である。
そこで、本発明では、当該反射器30bを構成する個々の反射ストリップ(浮き電極)のうちの一本をリード線32の一部として活用することにより、外周アース電極18との接続を実現している。即ち、接地側電極指17G−2から延びるリード線32を、反射器30bを構成する一本の反射ストリップの一端と接続すると共に、該反射ストリップの他端部からリード線32を外周アース電極18に向けて導出して接続している。
この実施形態に係るSAWチップ15は、入出力側接続パッド16Hを反射器30bの横方向に位置するデッドスペース内に配置しているため、図2に示した圧電基板19の縦方向寸法を減縮することが可能となり、SAWチップの面積を更に減縮することができる。
この実施形態に係るSAWデバイスの製造手順については、図1について述べた工程をそのまま流用することができる。
【0009】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、表面実装用の配線基板上の配線パターン上に導体バンプを介してSAWチップをフェイスダウン搭載した構造のSAWデバイスにおいて、SAWチップ下面に配置されるフリップチップ実装用の接続パッド数を減少させることによって、SAWチップ及びSAWデバイスの平面積を減縮することができる。
請求項1の発明では、SAWチップ下面の外周に沿ったデッドスペースとしての所定幅のダイシングマージンに外周アース電極を配置すると共に、IDT電極を構成する接地側電極指のうちの少なくとも一つと外周アース電極とを接続するようにしたので、接地用の接続パッドの一部が不要となり、その分だけ圧電基板の面積を減縮することができ、SAWチップの面積を減縮することが可能となる。SAWチップの面積の減縮は、必然的にこれを支持する配線基板の減縮をもたらすので、SAWデバイス全体の小型化につながる。
請求項2の発明では、入出力側電極指の両側に配置した全ての接地側電極指を外周アース電極と導通させるようにしたので、圧電基板面積を大幅に減縮できる。
請求項3の発明では、接地側電極指と外周アース電極との間に位置する反射器を構成する反射ストリップを利用して接続を実現したので、配線レイアウトの複雑化、圧電基板の大型化を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係るSAWデバイスの縦断面図、及びSAWチップの底面図。
【図2】(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係るSAWデバイスの縦断面図、及びSAWチップの底面図。
【図3】(a)及び(b)は従来例に係るSAWデバイスの縦断面図、及びSAWチップの底面図。
【符号の説明】
1 SAWデバイス、2 配線基板、3 絶縁基板、4 外部電極、5、5H、5G ランド(配線パターン)、6 内部導体、7 接地側ランド、10 導体バンプ、15 SAWチップ、16、16H、16G 接続パッド、17 IDT電極、17H、17G 電極指、18 外周アース電極、19 圧電基板、20 樹脂製ダム、25 導電膜、30 反射器、31、32 リード線。
【発明の属する技術分野】
本発明は、IDT電極形成面を下向きにした弾性表面波チップを配線基板上にフリップチップ実装した構造の弾性表面波デバイスにおいて、接地側パッド数を低減して小型化を図った表面実装型弾性表面波デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波デバイス(SAWデバイス)は、水晶等の圧電基板上に互いに間挿し合う2つの櫛歯状の電極を備えたIDT電極を配置した構成を有し、例えばIDT電極に高周波電界を印加することによって弾性表面波を励起し、弾性表面波を圧電反作用によって高周波電界に変換することによってフィルタ特性を得るものである。
ところで、SAWデバイスの占有面積の小型化を図るために、特開平2−186662号公報、WO97/02596等には、図3(a)に示すように、SAWチップ110を構成する圧電基板111とほぼ同等の面積を備えた表面実装用の配線基板101の上面のランド(配線パターン)102に、IDT電極112及び接続パッド113を形成した面を下向きにした状態(フェイスダウン状態)のSAWチップ110を導体バンプ114によってフリップチップ実装し、更にSAWチップの下面と配線基板上面との間にSAW伝搬用の気密空間Sを確保しつつSAWチップ外面から配線基板上面にかけて液状の封止樹脂115を被覆してから硬化させた樹脂封止型SAWデバイス100が提案されている。
ここで、図3(b)はSAWチップの底面図を示すものであって、3つのIDT電極を近接配置し、その両側にグレーティング反射器を配置した縦結合二重モードSAWフィルタを2つ縦続接続したものであり、圧電基板111の下面適所には入出力用の接続パッド113Hと、接地用の接続パッド113Gとが設けられており、適宜配線がなされている。これらの接続パッド113H、113Gは、対面する配線基板101上面の各ランド102上に導体バンプ114により接続されることにより、電気的機械的接続を実現している。導体バンプ114による十分な接続強度を確保するためには、導体バンプ114の直径としては100μm以上であることが求められる。一方、圧電基板下面の接続パッド113H、113Gの面積は、直径100μmの導体バンプ114を搭載するために必要な面積の他に、周辺の接続パッド113や配線パターンとの接触を回避するために、少なくとも130μm角の矩形であることが求められる。
従って、圧電基板111の面積としては、ITD112の他に多数の接続パッド113を互いに干渉し合うことなく配置し得る程度に広い面積を確保する必要があり、これがSAWチップ、SAWデバイスの小型化を妨げる要因となっていた。
【特許文献1】特開平2−186662号公報
【特許文献2】WO97/02596
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、表面実装用の配線基板上の配線パターン上に導体バンプを介してSAWチップをフェイスダウン搭載した構造のSAWデバイスにおいて、SAWチップ下面に配置されるフリップチップ実装用の接続パッド数を減少させることによって、SAWチップ及びSAWデバイスの平面積を減縮することを可能にした表面実装型SAWデバイスを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次の如き手段を備える。
即ち、請求項1の表面実装型SAWデバイスは、絶縁基板、該絶縁基板の底部に設けた表面実装用の外部電極、及び該絶縁基板の上面に設けられ且つ該外部電極と導通した配線パターン、を備えた配線基板と、圧電基板、該圧電基板下面に形成されたIDT電極、該IDT電極と接続され且つ前記配線パターン上に導体バンプを介してフリップチップ実装される接続パッドと、を備えたSAWチップと、前記SAWチップ下面と前記配線基板上面との間に気密空間を形成するように配線基板とSAWチップとの間に配置される樹脂製ダムと、を備えた表面実装型SAWデバイスにおいて、前記圧電基板下面には外周縁に沿って外周アース電極を備え、前記IDT電極を構成するアース側電極指のうちの少なくとも一つを前記外周アース電極とをリード線により導通させ、前記SAWチップの外面を被覆する導電膜によって前記外周アース電極を配線基板上の配線パターンのうちの接地側ランドと電気的機械的に接続したことを特徴とする。
配線基板上にSAWチップをフェイスダウン状態でフリップチップ実装する場合、IDT電極と接続された入出力側接続パッド及び接地側接続パッドを、配線基板側の各ランドと一対一にてバンプにより接続する必要がある。しかし、バンプの寸法に対応して各接続パッドの面積を十分に大きく設定する必要があるため、SAWチップを構成する圧電基板はIDT電極から成る機能部以外の部分の面積が大きくなり、SAWチップの小型化を阻害する要因となっていた。
本発明では、SAWチップ下面の外周に沿ったデッドスペース(ダイシングマージン)に外周アース電極を配置すると共に、IDT電極を構成する接地側電極指のうちの少なくとも一つと外周アース電極とを直接接続するようにしたので、接地用の接続パッドの一部が不要となり、その分だけ圧電基板の面積を減縮することができ、SAWチップの面積を減縮することが可能となる。SAWチップの面積の減縮は、必然的にこれを支持する配線基板の減縮をもたらすので、SAWデバイス全体の小型化につながる。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1において、前記IDT電極は、入出力側電極指と、該入出力側電極指のSAW伝搬方向両側方に夫々配置した接地側電極指とを備え、該接地側電極指を前記外周アース電極と接続したことを特徴とする。
この発明では、入出力側電極指の両側に配置した全ての接地側電極指を外周アース電極と導通させるようにしたので、圧電基板面積を大幅に減縮できる。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記IDT電極の両側方には複数の反射ストリップから成る反射器を備え、前記IDT電極の接地側電極指を該反射器を構成する反射ストリップを経由して前記外周アース電極と接続したことを特徴とする。
入出力パッドを、IDT電極のSAW伝搬方向に配置した場合には、リード線が障害となって、一部の接地側電極指を直接外周アース電極と接続することが困難となる。この発明では、該接地側電極指と外周アース電極との間に位置する反射器を構成する反射ストリップを利用して接続を実現したので、配線レイアウトの複雑化、圧電基板の大型化を回避できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表面実装型弾性表面波デバイス(以下、SAWデバイス、という)の縦断面図、及びSAWチップの底面図である。
図1(a)に示すように、このSAWデバイス1は、矩形平板状の絶縁基板3、絶縁基板3の底部に設けた表面実装用の複数の外部電極4、及び絶縁基板3の上面に設けられ且つ内部導体6を介して各外部電極4と導通したランド(配線パターン)5、及び絶縁基板3上面の外周縁に沿って配置された接地側ランド7を備えた配線基板2と、ランド5と導体バンプ10を介して電気的機械的に接続される接続パッド16、IDT(インターディジタルトランスジューサ)電極17、及び外周アース電極18を夫々圧電基板19の下面に備えたSAWチップ15と、SAWチップ下面の外周近傍に沿って全周配置されてSAWチップ下面と配線基板上面との間の空間を封止して気密空間Sを形成する絶縁樹脂から成るダム20と、接地側ランド7を外周アース電極18と電気的機械的に接続すると共にSAWチップ15の外面全体を被覆する導電性接着剤、或いは金属膜から成る導電膜25と、を備えている。
SAWチップ15は、図1(b)に示すように、圧電基板10の底面に、3つのIDT電極を近接配置し、その両側にグレーティング反射器を配置した構造の縦結合2重モードSAWフィルタを2つ並置して縦続接続したものであり、IDT電極17と、接続パッド16(16H、16G)と、外周アース電極18と、を備えている。中間位置にあるIDT電極17の図中外側に位置する櫛型電極は入出力側の接続パッド16Hと接続され、入力側の接続パッド16Hに高周波電界が印加されることによって弾性表面波を励起し、出力側では弾性表面波を圧電作用によって高周波電界に変換することによってフィルタ特性を得ることができる。入出力側の接続パッド16Hは、夫々導体バンプ10を介して配線基板上の対応する入出力側のランド5と電気的機械的に接続されている。
一方、接地側の接続パッド16Gは、2つの中央IDT電極間に配置されているのみであり、各IDT電極17の外側(SAW伝搬方向と直交する方向)には接地側の接続パッドは存在しない。その代わりに、圧電基板下面の外周縁に沿ったダイシング用のマージンを利用して外周アース電極18を配置し、外側に配置されたIDT電極の接地側くし型電極との間をリード線によって接続している。このため、最低でも130μm角の面積を有した接地側接続パッドを4個削減することができ、その分だけ圧電基板の面積を縮小し、SAWチップ、SAWデバイスの小型化を図ることができる。
【0007】
外周アース電極18は、従来ダイシングスペースとしてデッドスペース化されていた圧電基板外周のスペース内に配置されるため、圧電基板面積を拡大するものではない。即ち、通常、SAWチップは、大面積の圧電基板母材を用いてバッチ処理により量産されるが、圧電基板個片間には最終工程でダイシング切断する際の切断マージンとして所要幅のスペースが存在している。本発明は、この切断マージンを利用して外周アース電極18を形成し、これを従来の接地側パッドに代えて利用することにより、圧電基板の小型化を図ったものである。ダイシングによって外周アース電極18を分断したとしても、外周アース電極18の大半が残留することは勿論である。
一方、外周アース電極18と対面する配線基板2上面の外周縁には、接地側の外部電極4と導通した接地側ランド7が配置されており、両者を導電性接着剤、或いは金属メッキから成る導電膜25によって接続することにより、外周アース電極18が接地される。バンプによる接続箇所が減少することによる機械的接続強度の低下は、導電膜25により接地側ランド7と外周アース電極18とを接続することにより補うことができる。
導電膜25によってSAWチップ外面を被覆することにより、SAWチップのシールドを行うことができる。
なお、圧電基板19上にIDT電極17、接続パッド16H、16G、外周アース電極18等の金属パターンを形成する手順は、従来同様に圧電基板上に金属膜を形成した後にフォトエッチングを施す微細加工技術によって行われる。
このようにして得たSAWチップ15をダイシングソーによって個片に切断した後で、各SAWチップ15を大面積の配線基板母材上にフェイスダウン状態で搭載する。この際、樹脂製ダム20を予め配線基板個片の周縁近傍、或いはSAWチップ下面の周縁近傍に環状に形成しておく。次いで、SAWチップ15下面の各接続パッド16H、及び16Gを、配線基板個片上面の対応する入出力側接続パッド5H、接地側接続パッド5Gに対して導体バンプ10を用いて電気的機械的に接続する。次いで、導体膜25を用いて外周アース電極18と接地側ランド7とを電気的機械的に接続すると共に、下面を除いた圧電基板外面を被覆する。最後に、配線基板母材を個片に分割することによって個々のSAWデバイスが完成する。
【0008】
次に、図2(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係るSAWデバイスの縦断面図、及びSAWチップの底面図である。図2(b)に示すように、この実施形態に係るSAWチップ15は、各IDT電極17のSAW伝搬方向両側に夫々反射器30a、30bを備え、一方の接地側電極指17G−1は直近に位置する外周アース電極18と接続されるが、他方の接地側電極指17G−2については、入出力側の各電極指17Hと接続された各入出力側接続パッド16Hを反射器30bの外側に配置しているため、リード線31が障害となって当該反射器側の接地側電極指17G−2と外周アース電極18とを直接接続することが困難である。
そこで、本発明では、当該反射器30bを構成する個々の反射ストリップ(浮き電極)のうちの一本をリード線32の一部として活用することにより、外周アース電極18との接続を実現している。即ち、接地側電極指17G−2から延びるリード線32を、反射器30bを構成する一本の反射ストリップの一端と接続すると共に、該反射ストリップの他端部からリード線32を外周アース電極18に向けて導出して接続している。
この実施形態に係るSAWチップ15は、入出力側接続パッド16Hを反射器30bの横方向に位置するデッドスペース内に配置しているため、図2に示した圧電基板19の縦方向寸法を減縮することが可能となり、SAWチップの面積を更に減縮することができる。
この実施形態に係るSAWデバイスの製造手順については、図1について述べた工程をそのまま流用することができる。
【0009】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、表面実装用の配線基板上の配線パターン上に導体バンプを介してSAWチップをフェイスダウン搭載した構造のSAWデバイスにおいて、SAWチップ下面に配置されるフリップチップ実装用の接続パッド数を減少させることによって、SAWチップ及びSAWデバイスの平面積を減縮することができる。
請求項1の発明では、SAWチップ下面の外周に沿ったデッドスペースとしての所定幅のダイシングマージンに外周アース電極を配置すると共に、IDT電極を構成する接地側電極指のうちの少なくとも一つと外周アース電極とを接続するようにしたので、接地用の接続パッドの一部が不要となり、その分だけ圧電基板の面積を減縮することができ、SAWチップの面積を減縮することが可能となる。SAWチップの面積の減縮は、必然的にこれを支持する配線基板の減縮をもたらすので、SAWデバイス全体の小型化につながる。
請求項2の発明では、入出力側電極指の両側に配置した全ての接地側電極指を外周アース電極と導通させるようにしたので、圧電基板面積を大幅に減縮できる。
請求項3の発明では、接地側電極指と外周アース電極との間に位置する反射器を構成する反射ストリップを利用して接続を実現したので、配線レイアウトの複雑化、圧電基板の大型化を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係るSAWデバイスの縦断面図、及びSAWチップの底面図。
【図2】(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係るSAWデバイスの縦断面図、及びSAWチップの底面図。
【図3】(a)及び(b)は従来例に係るSAWデバイスの縦断面図、及びSAWチップの底面図。
【符号の説明】
1 SAWデバイス、2 配線基板、3 絶縁基板、4 外部電極、5、5H、5G ランド(配線パターン)、6 内部導体、7 接地側ランド、10 導体バンプ、15 SAWチップ、16、16H、16G 接続パッド、17 IDT電極、17H、17G 電極指、18 外周アース電極、19 圧電基板、20 樹脂製ダム、25 導電膜、30 反射器、31、32 リード線。
Claims (3)
- 絶縁基板、該絶縁基板の底部に設けた表面実装用の外部電極、及び該絶縁基板の上面に設けられ且つ該外部電極と導通した配線パターン、を備えた配線基板と、
圧電基板、該圧電基板下面に形成されたIDT電極、該IDT電極と接続され且つ前記配線パターン上に導体バンプを介してフリップチップ実装される接続パッドと、を備えたSAWチップと、
前記SAWチップ下面と前記配線基板上面との間に気密空間を形成するように配線基板とSAWチップとの間に配置される樹脂製ダムと、
を備えた表面実装型SAWデバイスにおいて、
前記圧電基板下面には外周縁に沿って外周アース電極を備え、前記IDT電極を構成するアース側電極指のうちの少なくとも一つを前記外周アース電極と導通させ、
前記SAWチップの外面を被覆する導電膜によって前記外周アース電極を配線基板上の配線パターンのうちの接地側ランドと電気的機械的に接続したことを特徴とする表面実装型SAWデバイス。 - 前記IDT電極は、入出力側電極指と、該入出力側電極指のSAW伝搬方向両側方に夫々配置した接地側電極指とを備え、該接地側電極指を前記外周アース電極と接続したことを特徴とする請求項1に記載の表面実装型SAWデバイス。
- 前記IDT電極のSAW伝搬方向両側方には複数の反射ストリップから成る反射器を備え、前記IDT電極の接地側電極指を該反射器を構成する反射ストリップを経由して前記外周アース電極と接続したことを特徴とする請求項1又は2に記載の表面実装型SAWデバイス。
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2002
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