JP2004133152A - 転写性液晶積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】コレステリック液晶層を有する転写性液晶積層体において、箔切れ性が良好で、転写後の転写状態に優れ、歩留まり低下の原因となるバリの発生の少ない転写性液晶積層体を提供する。
【解決方法】再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層から少なくとも構成され、再剥離性基板の保護層側に易接着処理を施した転写性液晶積層体が前記課題を解決できる。特に、再剥離性基板と保護層間の剥離力が1.95N/m〜19.5N/mであることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決方法】再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層から少なくとも構成され、再剥離性基板の保護層側に易接着処理を施した転写性液晶積層体が前記課題を解決できる。特に、再剥離性基板と保護層間の剥離力が1.95N/m〜19.5N/mであることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、意匠性向上効果あるいは偽造防止効果付与を目的として使用されるコレステリック液晶層を有する転写性液晶積層体に関するものであり、より詳細には易接着処理を施した再剥離性基板を使用することにより、箔切れ性が良好となる転写性液晶積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、偽造防止アイテムとして、また意匠部材として、ホログラムの利用やコレステリック液晶の選択反射性を利用する方法等が開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
これらの偽造防止アイテム等は、通常、転写用積層フィルムの形態で用意され、ホットスタンプ等の方法により、転写用積層フィルムから被転写体に転写される。転写方法として使用されるホットスタンプ等では転写用積層フィルムに温度および圧力が同時に加えられることによって、剥離転写部分が被転写物に転写される。
被転写物へ剥離転写部分を転写する際、剥離転写部分と非剥離転写部分との間での箔切れ性が求められる。すなわち箔切れ性が良くない場合、剥離転写部分が所望の形状で転写することができない。
一般に転写性積層体は再剥離性基板上に剥離転写層が形成されているが、剥離転写時の剥離力は、当該再剥離性基板の表面状態と剥離転写部分の性質により決定される。剥離力が小さすぎると、剥離性は良好になるが、剥離部分に非剥離部分が伴われて剥離する現象が生じるため、箔切れ性は悪くなる。また剥離力が大きすぎると、剥離性は悪化し、被転写体に充分な転写が行われず、剥離転写層の一部が再剥離基板側に残るといった問題が発生する。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−51193号公報
【特許文献2】
特開平4−144796号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コレステリック液晶層を有する転写性液晶積層体において、箔切れ性が良好で、転写後の転写状態に優れ、歩留まり低下の原因となるバリの発生の少ない転写性液晶積層体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題について鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成したものである。
すなわち本発明は、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層から少なくとも構成され、再剥離性基板の保護層側に易接着処理を施してあることを特徴とする転写性液晶積層体に関する。
本発明の転写性液晶積層体において、再剥離性基板と保護層間の剥離力は1.95N/m〜19.5N/mであることが好ましい。
また本発明の転写性液晶積層体において、コレステリック液晶層は、その一部に回折機能を有していることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の転写性液晶積層体は、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層から少なくとも構成されるものである。ここで再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層とは、再剥離性基板、保護層、コレステリック液晶層の順に積層された構成を意味する。
【0007】
本発明の構成要素である再剥離性基板とは、保護層側に易接着処理が施してあるフィルム状物で保護層と剥離可能であれば特に限定されるものではなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等から適宜選択して用いることができる。また再剥離性基板の表面および/または保護層側に静電防止処理等の表面処理が施されているものであってもよい。
再剥離性基板の膜厚は、10〜100μm、好ましくは12〜38μmである。この範囲外では、基板の搬送性が悪化し、積層体の作製が困難となったり、再剥離性が悪化するため好ましくない。
再剥離性基板の易接着処理面と保護層間の剥離力は、1.95N/m〜19.5N/m、好ましくは3.9N/m〜11.7N/mである。
【0008】
本発明の構成要素である保護層(保護層1と表記する場合がある。)としては、コレステリック液晶層に対する接着性が良好であり、液晶層の光学的特性を損なわない範囲であれば特に限定されるものではない。
例えば、保護層形成材料をフィルム状物、シート状物、薄膜状物に形成したものが挙げられる。保護層形成材料としては、光硬化型または電子線硬化型の反応性接着剤が好ましく用いられる。
【0009】
かかる反応性接着剤としては、光重合性または電子線重合性を有するプレポリマーおよび/またはモノマーに必要に応じて他の単官能性モノマー、多官能性モノマー、各種ポリマー、安定剤、光重合開始剤、増感剤等を配合したものを用いることができる。
光重合性または電子線重合性を有するプレポリマーとしては、具体的にはポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ポリオールアクリレート、ポリオールメタクリレート等を例示することができる。また光重合性または電子線重合性を有するモノマーとしては、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、2官能アクリレート、2官能メタクリレート、3官能以上の多官能アクリレート、多官能メタクリレート等が例示できる。またこれらは市販品を用いることもでき、例えばアロニックス(アクリル系特殊モノマー、オリゴマー;東亞合成(株)製)、ライトエステル(共栄社化学(株)製)、ビスコート(大阪有機化学工業(株)製)等を用いることができる。
また光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン誘導体類、アセトフェノン誘導体類、ベンゾイン誘導体類、チオキサントン類、ミヒラーケトン、ベンジル誘導体類、トリアジン誘導体類、アシルホスフィンオキシド類、アゾ化合物等を用いることができる。
【0010】
本発明に用いることができる光硬化型または電子線硬化型の反応性接着剤の粘度は、接着剤の加工温度等により適宜選択することができるものであり一概にはいえないが、通常25℃で10〜2000mPa・s、好ましくは50〜1000mPa・s、さらに好ましくは100〜500mPa・sである。粘度が10mPa・sより低い場合、所望の厚さが得られ難くなる。また2000mPa・sより高い場合には、作業性が低下する恐れがあり望ましくない。粘度が上記範囲から外れている場合には、適宜、溶剤やモノマー割合を調整し所望の粘度にすることが好ましい。
【0011】
また光硬化型の反応性接着剤を用いた場合、その接着剤の硬化方法としては公知の硬化手段、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を使用することができる。また露光量は、用いる反応性接着剤の種類により異なるため一概にはいえないが、通常50〜2000mJ/cm2、好ましくは100〜1000mJ/cm2である。
また電子線硬化型の反応性接着剤を用いた場合、その接着剤の硬化方法としては、電子線の透過力や硬化力により適宜選定されるものであり一概にはいえないが、通常、加速電圧が50〜1000kV、好ましくは100〜500kVの条件で照射して硬化することができる。
【0012】
また、反応性接着剤中に紫外線吸収剤、界面活性剤等を添加してもよい。
紫外線吸収剤としては、保護層形成材料に相溶または分散できるものであれば特に制限はなく、例えばベンゾフェノン系化合物、サルシレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物等の有機系紫外線吸収剤、酸化セシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機系紫外線吸収剤を用いることができる。なかでも紫外線吸収効率が高いベンゾフェノン系化合物が好適に用いられる。また紫外線吸収剤は、1種単独または複数種添加することができる。保護層中の紫外線吸収剤の配合割合は、使用する保護層形成材料により異なるが、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
【0013】
界面活性剤としては、保護層形成材料に相溶または分散できるものであれば特に制限はなく、例えばパーフルオロアルキル系化合物、変性シリコーン系化合物等の界面活性剤を用いることができる。なかでもパーフルオロアルキル系化合物が好適に用いられる。また界面活性剤は、1種単独または複数種添加することができる。保護層中の界面活性剤の配合割合は、使用する保護層形成材料により異なるが、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜3重量%である。
【0014】
保護層の厚さは、用いられる用途やその作業性等により異なるため一概にはいえないが、通常0.5〜50μm、好ましくは1〜10μmである。
また形成方法としては、例えばロールコート法、ダイコート法、バーコート法、、カーテンコート法、エクストルージョンコート法、グラビアロールコート法、スプレーコート法、スピンコート法等の公知の方法を用いて形成することができる。
また、上記保護層は、その一部にハードコート性を有する領域を有していても良い。
【0015】
本発明の構成要素であるコレステリック液晶層としては、コレステリック配向が固定化できるものであれば特に制限はなく、高分子液晶としては、各種の主鎖型高分子液晶物質、側鎖型高分子液晶物質、またはこれらの混合物を用いることができる。主鎖型高分子液晶物質としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリイミド系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリベンズオキサゾール系、ポリベンズチアゾール系、ポリアゾメチン系、ポリエステルアミド系、ポリエステルカーボネート系、ポリエステルイミド系等の高分子液晶物質、またはこれらの混合物等が挙げられる。また、側鎖型高分子液晶物質としては、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリビニル系、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリマロネート系、ポリエステル系等の直鎖状または環状構造の骨格鎖を有する物質に側鎖としてメソゲン基が結合した高分子液晶物質、またはこれらの混合物が挙げられる。これらのなかでも合成や配向の容易さなどから、主鎖型高分子液晶物質が好ましく、その中でもポリエステル系が特に好ましい。
ポリマーの構成単位としては、例えば芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を好適な例として挙げられる。
【0016】
また低分子液晶としては、飽和ベンゼンカルボン酸誘導体類、不飽和ベンゼンカルボン酸誘導体類、ビフェニルカルボン酸誘導体類、芳香族オキシカルボン酸誘導体類、シッフ塩基誘導体類、ビスアゾメチン化合物誘導体類、アゾ化合物誘導体類、アゾキシ化合物誘導体類、シクロヘキサンエステル化合物誘導体類、ステロール化合物誘導体類などの末端に反応性官能基を導入した液晶性を示す化合物や、前記化合物誘導体類のなかで液晶性を示す化合物に架橋性化合物を添加した組成物などが挙げられる。
【0017】
さらに、液晶物質中に熱または光架橋反応等によって反応しうる官能基または部位を有している各種化合物を液晶性の発現を妨げない範囲で配合しても良い。架橋反応しうる官能基等としては、前述の各種の反応性官能基などが挙げられる。例えば、アクリロイル基、ビニル基、エポキシ基等の官能基を導入したビフェニル誘導体、フェニルベンゾエート誘導体、スチルベン誘導体などを基本骨格としたものが挙げられる。
【0018】
またコレステリック配向を固定化したコレステリック配向フィルムを形成するには、公知の方法を用いることができる。例えば、前記液晶物質および必要に応じて添加される各種の化合物を含む組成物を溶融状態で、あるいは該組成物の溶液を、配向基板上に塗布することにより塗膜を形成し、次に該塗膜を乾燥、熱処理(液晶の配向)することにより、あるいは必要により光照射および/または加熱処理(重合・架橋)等の前述の配向を固定化する手段を用いて配向を固定化することにより、液晶の配向が固定化された液晶物質層が形成される。
【0019】
配向基板上に塗布する溶液の調製に用いる溶媒に関しては、本発明に使用される液晶物質や組成物を溶解でき、適当な条件で留去できる溶媒であれば特に制限は無く、一般的にアセトン、メチルエチルケトン、イソホロンなどのケトン類、ブトキシエチルアルコール、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノールなどのエーテルアルコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸メトキシプロピル、乳酸エチルなどのエステル類、フェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類などやこれらの混合系が好ましく用いられる。また、配向基板上に均一な塗膜を形成するために、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤等を溶液に添加しても良い。さらに、着色を目的として液晶性の発現を妨げない範囲内で二色性染料や通常の染料や顔料等を添加することもできる。
【0020】
塗布方法については、塗膜の均一性が確保される方法であれば、特に限定されることはなく公知の方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スピンコート法などを挙げることができる。塗布の後に、ヒーターや温風吹きつけなどの方法による溶媒除去(乾燥)工程を入れても良い。塗布された膜の乾燥状態における膜厚は、通常0.3〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは0.7〜3μmである。この範囲外では、得られる液晶物質層の光学性能が不足したり、液晶物質の配向が不十分になるなどして好ましくない。
【0021】
続いて、必要なら熱処理などにより液晶の配向を形成した後、配向の固定化を行う。熱処理は液晶相発現温度範囲に加熱することにより、該液晶物質が本来有する自己配向能により液晶を配向させるものである。熱処理の条件としては、用いる液晶物質の液晶相挙動温度(転移温度)により最適条件や限界値が異なるため一概には言えないが、通常10〜300℃、好ましくは30〜250℃の範囲である。あまり低温では、液晶の配向が十分に進行しないおそれがあり、また高温では、液晶物質が分解したり配向基板に悪影響を与えるおそれがある。また、熱処理時間については、通常3秒〜60分、好ましくは10秒〜30分の範囲である。3秒よりも短い熱処理時間では、液晶の配向が十分に完成しないおそれがあり、また60分を超える熱処理時間では、生産性が極端に悪くなるため、どちらの場合も好ましくない。液晶物質が熱処理などにより液晶の配向が完成したのち、そのままの状態で配向基板上の液晶物質層を、使用した液晶物質に適した手段を用いて固定化する。
【0022】
配向基板としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のフィルムおよびこれらフィルムの一軸延伸フィルム等が例示できる。これらフィルムは製造方法によっては改めて配向能を発現させるための処理を行わなくとも本発明に使用される液晶物質に対して十分な配向能を示すものもあるが、配向能が不十分、または配向能を示さない等の場合には、必要によりこれらのフィルムを適度な加熱下に延伸する、フィルム面をレーヨン布等で一方向に擦るいわゆるラビング処理を行う、フィルム上にポリイミド、ポリビニルアルコール、シランカップリング剤等の公知の配向剤からなる配向膜を設けてラビング処理を行う、酸化珪素等の斜方蒸着処理、あるいはこれらを適宜組み合わせるなどして配向能を発現させたフィルムを用いても良い。また表面に規則的な微細溝を設けたアルミニウム、鉄、銅などの金属板や各種ガラス板等も配向基板として使用することができる。
【0023】
また、本発明におけるコレステリック液晶層は、その一部に回折能を示す領域を有していても良い。ここで回折能を示す領域とは、その領域を透過した光またはその領域で反射された光が、幾何学的には影になる部分に回り込むような効果を生じる領域を意味する。また回折能を有する領域の有無は、例えばレーザー光等を前記領域に入射し、直線的に透過または反射する光(0次光)以外に、ある角度をもって出射する光(高次光)の有無により確認することができる。また別法としては、原子間力顕微鏡や透過型電子顕微鏡などで液晶層の表面形状や断面形状を観察することにより前記領域が形成されているか否か確認することができる。
【0024】
回折能を示す領域は、コレステリック液晶層表面および/または液晶層内部のいずれの領域であってもよく、例えば液晶層表面の一部(液晶層表面領域)、液晶層内部の一部(液晶層内部領域)に有するものでもよい。また当該領域は、コレステリック液晶層の複数領域、例えば液晶層表裏面領域、複数の液晶層内部領域にそれぞれに有するものであってもよい。また回折能を示す領域は、例えば液晶層表面や内部に均一な厚さを持った層状態として形成されていることは必ずしも必要とせず、液晶層表面や液晶層内部の少なくとも一部に前記領域が形成されていればよい。例えば回折能を示す領域が、所望の図形、絵文字、数字等の型を象るように有したものであってもよい。さらに回折能を示す領域を複数有する場合、全ての前記領域が同じ回折能を示す必要性はなく、それぞれの領域において異なった回折能を示すものであってもよい。また回折能を示す領域の配向状態は、螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行ではないコレステリック配向、好ましくは螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行でなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔ではないコレステリック配向を形成していることが望ましい。またそれ以外の領域においては、通常のコレステリック配向と同様の配向状態、すなわち螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔な螺旋構造を形成していることが望ましい。なお本発明で言う液晶層表面とは、コレステリック液晶層単体において外部に接する部分を、また液晶層内部とは、外部に接する以外の部分をそれぞれ意味する。
【0025】
本発明においては、上記いずれのコレステリック液晶層を用いることもできるが、コレステリック液晶層の製法や回折能の付与方法等の観点から、液晶層表面領域の少なくとも一部、好ましくは液晶層表面領域の全面に回折能を示す領域を有するコレステリック液晶層が好適に用いられる。また回折能を示す領域を一方の液晶層表面領域に有する際、その液晶層の表裏、すなわち回折能を示す領域を有する液晶面とその面とは反対の液晶面とは多少異なった光学効果、呈色効果等を示すことから、用途や目的とする機能等に応じてどちらの液晶層面を本発明の積層体を構成する保護層側にするのか選択することができる。さらに回折能を示す領域が層状態として形成されている場合、回折能を示す層(領域)の厚みとしては、コレステリック液晶性層の膜厚に対して通常50%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下の厚みを有する層状態で形成されていることが望ましい。回折能を示す層(領域)の厚さが50%を超えると、コレステリック液晶相に起因する選択反射特性、円偏光特性等の効果が低下し、目的とする効果を得ることができない恐れがある。
【0026】
フィルムの一部に回折能を示す領域を有するコレステリック液晶性フィルムを得る方法としては、コレステリック配向フィルムに回折素子基板の回折面を重ね合わせ、熱および/または圧力を加えることによってコレステリック配向フィルムに回折素子基板の回折パターンを転写する方法、または回折素子基板を配向基板として高分子液晶物質や低分子液晶物質またはその混合物をコレステリック配向させた後、その配向状態を維持したまま固定化する方法等の方法が挙げられる。
【0027】
回折パターンの転写に用いられる回折素子基板の材質としては、金属や樹脂のような材料であっても良く、あるいはフィルム表面に回折機能を付与したもの、あるいはフィルムに回折機能を有する薄膜を転写したもの等、およそ回折機能を有するものであれば如何なる材質であっても良い。なかでも取り扱いの容易さや量産性を考えた場合、回折機能を有するフィルムまたはフィルム積層体がより望ましい。
【0028】
またここでいう回折素子とは、平面型ホログラムの原版等の回折光を生じる回折素子全てをその定義として含む。またその種類については、表面形状に由来する回折素子、いわゆる膜厚変調ホログラムのタイプであってもよいし、表面形状に因らない、または表面形状を屈折率分布に変換した位相素子、いわゆる屈折率変調ホログラムのタイプであっても良い。本発明においては、回折素子の回折パターン情報をより容易に液晶に付与することができる点から、膜厚変調ホログラムのタイプがより好適に用いられる。また屈折率変調のタイプであっても、表面形状に回折を生じる起伏を有したものであれば好適に用いることができる。
【0029】
また回折パターンの転写方法としては、例えば一般に用いられるヒートローラー、ラミネーター、ホットスタンプ、電熱板、サーマルヘッド等を用い、加圧・加温条件下にて行うことができる。加圧・加温条件は、用いられる高分子液晶や低分子液晶等の諸物性、回折素子基板の種類等によって異なり一概には言えないが、通常、圧力0.01〜100MPa、好ましくは0.05〜80MPa、温度30〜400℃、好ましくは40〜300℃の範囲において用いられる液晶や基板等の種類によって適宜選択される。
また先に説明したように、配向基板として回折素子基板等を用いることによって、配向段階において回折能を示す領域が形成されたコレステリック液晶層を得ることができる。
【0030】
また最終的に得られるコレステリック液晶層の耐熱性等を向上させるために、フィルム材料となる高分子液晶や低分子液晶にコレステリック相の発現を妨げない範囲において、例えばビスアジド化合物やグリシジルメタクリレート等の架橋剤を添加することもでき、これら架橋剤を添加することによりコレステリック相を発現させた状態で架橋させることもできる。さらに高分子液晶や低分子液晶には、二色性色素、染料、顔料等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲において適宜添加してもよい。
【0031】
また、本発明のコレステリック液晶層の再剥離性基板とは反対面にも必要に応じ、保護層(以下、保護層2と表記する。)を形成しても良い。この保護層2はコレステリック液晶層への十分な接着性を有していれば、特に制限されないが、光硬化型または電子線硬化型の反応性接着剤が好ましく用いられる。かかる反応性接着剤としては、保護層1で記載したものと同様のものを使用することができる。
保護層2の厚さは、通常0.5〜50μm、好ましくは1〜10μmである。
【0032】
次に本発明における積層体の製造方法について説明する。
本発明の転写性液晶積層体の製造方法としては、これらに限定されるものではないが、下記工程に示される各工程を踏むことが望ましい。
配向基板上にコレステリック液晶の配向が固定化された液晶物質層を、保護層となる接着剤を介して予め易接着処理層を形成した再剥離性基板の易接着処理層面と接着せしめた後、配向基板を剥離してコレステリック液晶層を再剥離性基板に転写することにより、「再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層」からなる形態を作製する。
また、コレステリック液晶層の反対面に保護層2を形成する場合には、前記形態のコレステリック液晶面に予め保護層2を形成した再剥離性基板2を接着せしめた後、再剥離性基板2を剥離することにより、「再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/保護層2」の形態からなるコレステリック液晶層を製造することができる。
【0033】
また、コレステリック層への回折パターン形成は、▲1▼配向基板に回折素子基板を用いる方法、▲2▼配向基板上にコレステリック配向を固定化後、回折パターンを転写する方法、▲3▼コレステリック層を再剥離性基板に転写後、回折パターンを転写する方法により形成することができる。
【0034】
【発明の効果】
コレステリック液晶層を有する転写性液晶積層体において、易接着処理を施した再剥離性基板を使用することにより、箔切れ性が良好となり、転写後の転写状態が良好で、歩留まり低下の原因となるバリの発生の少ない転写性液晶積層体を提供できる。
【0035】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
(参考例1)
テレフタル酸50mmol、ヒドロキシ安息香酸20mmol、カテコール20mmol、(R)−2−メチル−1,4−ブタンジオール10mmolおよび酢酸ナトリウム100mgを用いて窒素雰囲気下、180℃で1時間、200℃で1時間、250℃で1時間と段階状に昇温しながら重縮合反応を行った。
次いで窒素を流しながら250℃で2時間重縮合反応を続け、さらに減圧下同温度で1時間重縮合を行った。得られたポリマーをテトラクロロエタンに溶解後、メタノールで再沈澱を行い、液晶性ポリエステルを得た。
得られた液晶性ポリエステルのN−メチル−2−ピロリドン溶液(20重量%)を調製し、該溶液をラビング処理したポリフェニレンスルフィドフィルム上にスピンコート法で塗布した。塗布した後、乾燥処理を行ってN−メチル−2−ピロリドンを除去し、ポリフェニレンスルフィドフィルム上に液晶性ポリエステルの塗布膜を形成した。
【0037】
次いで該液晶性フィルムの塗布膜を200℃の加熱雰囲気において5分間熱処理を行い、室温下に冷却することによって、ポリフェニレンスルフィドフィルム上に金色の鏡面反射を呈する液晶性ポリエステルフィルムを得た。
同フィルムを日本分光(株)製紫外可視近赤外分光光度計V−570にて透過スペクトルを測定したところ、中心波長が約600nm、選択反射波長帯域幅が約100nmの選択反射を示すコレステリック配向が固定化されたコレステリック配向フィルムであることが確認された。またコレステリック配向フィルムの配向状態を偏光顕微鏡観察およびフィルム断面の透過型電子顕微鏡観察したところ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行で、また螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔なコレステリック配向を形成していることが確認できた。
【0038】
なお得られたポリエステルの各分析方法は以下の通りである。
(1)ポリマーの対数粘度
ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/テトラクロロエタン=60/40(重量比)溶媒中、濃度0.5g/100ml、30℃で測定した。
(2)ガラス転移点(Tg)
Du Pont 990 Thermal Analizer を使用して測定した。
(3)液晶相の同定
オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡を用いて観察した。
【0039】
(実施例1)
参考例1で得られたコレステリック配向フィルムのコレステリック液晶面に保護層となる接着剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤CyasorbUV−24(サイテック社製)を5.0重量%添加した紫外線硬化型接着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−3630(商品名)を同社製M−150(商品名)および同社製M−315(商品名)で希釈し、粘度を300mPa・sに調製したもの)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布した。
次いで再剥離性基板として、帝人デュポン社製易接着処理PET G2P8−25μmの易接着処理面が上記接着剤塗布面になるように卓上ラミネーターを用いて貼り合わせ、紫外線を照射し、接着剤を硬化させ、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ポリフェニレンスルフィドフィルムの積層体を形成した。
【0040】
次いで、配向基板として用いたポリフェニレンスルフィドフィルムの端部を手で持ち180゜方向に剥離し、ポリフェニレンスルフィドフィルムとコレステリック液晶層とを界面で剥離し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層の順に積層された積層体を得た。
この積層体の再剥離性基板/保護層間の剥離力を東洋精器社製ストログラフE−Lを用いて180°剥離、剥離速度300mm/分で測定したところ、5.46N/mであった。
【0041】
次いでエドモンド・サイエンティフィック・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900本/mm)の回折面と積層体のコレステリック液晶面が向き合うように重ね、東京ラミネックス社製ラミネーターDX−350を用い、120℃、0.3MPa、ロール接触時間1秒の条件で加熱加圧を行った(回折格子フィルム/コレステリック液晶層/保護層/再剥離性基板)。室温まで冷却後、回折格子フィルムを取り除いた。回折格子フィルムが重ねられていたコレステリック液晶面を観察したところ、回折パターンに起因する虹色とコレステリック液晶に特有の選択反射が明瞭に認められた。また回折格子フィルムを取り除いたコレステリック液晶面の配向状態を偏光顕微鏡観察および液晶層断面の透過型電子顕微鏡観察をしたところ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行ではなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔ではないコレステリック配向が液晶層の表面領域に形成されていることが確認された。またそれ以外の領域においては、螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔なコレステリック配向が形成していることが確認された。またコレステリック液晶層面内に垂直にHe−Neレーザー(波長632.8nm)を入射したところ、0゜および約±35゜の出射角にレーザー光が観察された。さらに偏光特性を確認するために、通常の室内照明下に得られた積層体をおき、右円偏光板(右円偏光のみ透過)を介して観察したところ、虹色の反射回折光が観察され、偏光板なしで観察した場合の明るさとほぼ同じであった。これに対し左円偏光板(左円偏光のみ透過)を介して観察したところ、暗視野となり、虹色の反射回折光は観察されなかった。
これらのことより該積層体を構成するコレステリック液晶層には、回折能を示す領域が層表面領域に形成され、またその回折光が右円偏光であることが確認された。
【0042】
次いで、コレステリック液晶層面にホットメルト接着剤(日本製紙(株)製スーパークロン851L)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ホットメルト接着剤層から構成される積層体を得た。
得られた積層体をロール式ホットスタンピングマシン(ナビタス(株)製RD−150D)を用いて、再剥離性基板側から熱ロールで加熱、加圧し、上質紙(クリームキンマリ90)に転写を行った。
転写部分の箔切れ性は良好で、剥離部分に非剥離部分が伴われて剥離して生じるバリは発生せず、被転写体に充分な転写が行われず、剥離転写層の一部が再剥離基板側に残る剥離不良も発生しなかった。
【0043】
(実施例2)
参考例1で得られたコレステリック配向フィルムのコレステリック液晶面に保護層となる接着剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤CyasorbUV−24(サイテック社製)を5.0重量%添加した紫外線硬化型接着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−3630(商品名)を同社製M−150(商品名)および同社製M−315(商品名)で希釈し、粘度を300mPa・sに調製したもの)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布した。
次いで再剥離性基板として、帝人デュポン社製易接着処理PET SG2−38μmの易接着処理面が上記接着剤塗布面になるように卓上ラミネーターを用いて貼り合わせ、紫外線を照射し、接着剤を硬化させ、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ポリフェニレンスルフィドフィルムの積層体を形成した。
【0044】
次いで、配向基板として用いたポリフェニレンスルフィドフィルムの端部を手で持ち180゜方向に剥離し、ポリフェニレンスルフィドフィルムとコレステリック液晶層とを界面で剥離し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層の順に積層された積層体を得た。
この積層体の再剥離性基板/保護層間の剥離力を東洋精器社製ストログラフE−Lを用いて180°剥離、剥離速度300mm/分で測定したところ、5.07N/mであった。
【0045】
次いで、コレステリック液晶層面にホットメルト接着剤(日本製紙(株)製スーパークロン851L)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ホットメルト接着剤層から構成される積層体を得た。
得られた積層体をロール式ホットスタンピングマシン(ナビタス(株)製RD−150D)を用いて、再剥離性基板側から熱ロールで加熱、加圧し、上質紙(クリームキンマリ90)に転写を行った。
転写部分の箔切れ性は良好で、剥離部分に非剥離部分が伴われて剥離して生じるバリは発生せず、被転写体に充分な転写が行われず、剥離転写層の一部が再剥離基板側に残る剥離不良も発生しなかった。
【0046】
(実施例3)
参考例1で得られたコレステリック配向フィルムのコレステリック液晶面に保護層となる接着剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤CyasorbUV−24(サイテック社製)を5.0重量%添加した紫外線硬化型接着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−3630(商品名)を同社製M−150(商品名)および同社製M−315(商品名)で希釈し、粘度を300mPa・sに調製したもの)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布した。
次いで再剥離性基板として、東レ社製易接着処理PETQT32−38μmの易接着処理面が上記接着剤塗布面になるように卓上ラミネーターを用いて貼り合わせ、紫外線を照射し、接着剤を硬化させ、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ポリフェニレンスルフィドフィルムの積層体を形成した。
【0047】
次いで、配向基板として用いたポリフェニレンスルフィドフィルムの端部を手で持ち180゜方向に剥離し、ポリフェニレンスルフィドフィルムとコレステリック液晶層とを界面で剥離し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層の順に積層された積層体を得た。
この積層体の再剥離性基板/保護層間の剥離力を東洋精器社製ストログラフE−Lを用いて180°剥離、剥離速度300mm/分で測定したところ、8.97N/mであった。
【0048】
次いで、コレステリック液晶層面にホットメルト接着剤(日本製紙(株)製スーパークロン851L)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ホットメルト接着剤層から構成される積層体を得た。
得られた積層体をロール式ホットスタンピングマシン(ナビタス(株)製RD−150D)を用いて、再剥離性基板側から熱ロールで加熱、加圧し、上質紙(クリームキンマリ90)に転写を行った。
転写部分の箔切れ性は良好で、剥離部分に非剥離部分が伴われて剥離して生じるバリは発生せず、被転写体に充分な転写が行われず、剥離転写層の一部が再剥離基板側に残る剥離不良も発生しなかった。
【0049】
(比較例1)
参考例1で得られたコレステリック配向フィルムのコレステリック液晶面に保護層となる接着剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤CyasorbUV−24(サイテック社製)を5.0重量%添加した紫外線硬化型接着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−3630(商品名)を同社製M−150(商品名)および同社製M−315(商品名)で希釈し、粘度を300mPa・sに調製したもの)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布した。
次いで、再剥離性基板として帝人デュポン社製プレーンPET NS25μmが上記接着剤塗布面になるように卓上ラミネーターを用いて貼り合わせ、紫外線を照射し、接着剤を硬化させ、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ポリフェニレンスルフィドフィルムの積層体を形成した。
【0050】
次いで、配向基板として用いたポリフェニレンスルフィドフィルムの端部を手で持ち180゜方向に剥離し、ポリフェニレンスルフィドフィルムとコレステリック液晶層とを界面で剥離し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層の順に積層された積層体を得た。
この積層体の再剥離性基板/保護層間の剥離力を東洋精器社製ストログラフE−Lを用いて180°剥離、剥離速度300mm/分で測定したところ、1.2N/mであった。
【0051】
次いで、コレステリック液晶層面にホットメルト接着剤(日本製紙(株)製スーパークロン851L)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ホットメルト接着剤層から構成される積層体を得た。
得られた積層体をロール式ホットスタンピングマシン(ナビタス(株)製RD−150D)を用いて、再剥離性基板側から熱ロールで加熱、加圧し、上質紙(クリームキンマリ90)に転写を行った。
転写部分の箔切れ性は悪く、剥離部分に非剥離部分が伴われて剥離して生じるバリが発生した。
【発明の属する技術分野】
本発明は、意匠性向上効果あるいは偽造防止効果付与を目的として使用されるコレステリック液晶層を有する転写性液晶積層体に関するものであり、より詳細には易接着処理を施した再剥離性基板を使用することにより、箔切れ性が良好となる転写性液晶積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、偽造防止アイテムとして、また意匠部材として、ホログラムの利用やコレステリック液晶の選択反射性を利用する方法等が開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
これらの偽造防止アイテム等は、通常、転写用積層フィルムの形態で用意され、ホットスタンプ等の方法により、転写用積層フィルムから被転写体に転写される。転写方法として使用されるホットスタンプ等では転写用積層フィルムに温度および圧力が同時に加えられることによって、剥離転写部分が被転写物に転写される。
被転写物へ剥離転写部分を転写する際、剥離転写部分と非剥離転写部分との間での箔切れ性が求められる。すなわち箔切れ性が良くない場合、剥離転写部分が所望の形状で転写することができない。
一般に転写性積層体は再剥離性基板上に剥離転写層が形成されているが、剥離転写時の剥離力は、当該再剥離性基板の表面状態と剥離転写部分の性質により決定される。剥離力が小さすぎると、剥離性は良好になるが、剥離部分に非剥離部分が伴われて剥離する現象が生じるため、箔切れ性は悪くなる。また剥離力が大きすぎると、剥離性は悪化し、被転写体に充分な転写が行われず、剥離転写層の一部が再剥離基板側に残るといった問題が発生する。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−51193号公報
【特許文献2】
特開平4−144796号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コレステリック液晶層を有する転写性液晶積層体において、箔切れ性が良好で、転写後の転写状態に優れ、歩留まり低下の原因となるバリの発生の少ない転写性液晶積層体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題について鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成したものである。
すなわち本発明は、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層から少なくとも構成され、再剥離性基板の保護層側に易接着処理を施してあることを特徴とする転写性液晶積層体に関する。
本発明の転写性液晶積層体において、再剥離性基板と保護層間の剥離力は1.95N/m〜19.5N/mであることが好ましい。
また本発明の転写性液晶積層体において、コレステリック液晶層は、その一部に回折機能を有していることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の転写性液晶積層体は、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層から少なくとも構成されるものである。ここで再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層とは、再剥離性基板、保護層、コレステリック液晶層の順に積層された構成を意味する。
【0007】
本発明の構成要素である再剥離性基板とは、保護層側に易接着処理が施してあるフィルム状物で保護層と剥離可能であれば特に限定されるものではなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等から適宜選択して用いることができる。また再剥離性基板の表面および/または保護層側に静電防止処理等の表面処理が施されているものであってもよい。
再剥離性基板の膜厚は、10〜100μm、好ましくは12〜38μmである。この範囲外では、基板の搬送性が悪化し、積層体の作製が困難となったり、再剥離性が悪化するため好ましくない。
再剥離性基板の易接着処理面と保護層間の剥離力は、1.95N/m〜19.5N/m、好ましくは3.9N/m〜11.7N/mである。
【0008】
本発明の構成要素である保護層(保護層1と表記する場合がある。)としては、コレステリック液晶層に対する接着性が良好であり、液晶層の光学的特性を損なわない範囲であれば特に限定されるものではない。
例えば、保護層形成材料をフィルム状物、シート状物、薄膜状物に形成したものが挙げられる。保護層形成材料としては、光硬化型または電子線硬化型の反応性接着剤が好ましく用いられる。
【0009】
かかる反応性接着剤としては、光重合性または電子線重合性を有するプレポリマーおよび/またはモノマーに必要に応じて他の単官能性モノマー、多官能性モノマー、各種ポリマー、安定剤、光重合開始剤、増感剤等を配合したものを用いることができる。
光重合性または電子線重合性を有するプレポリマーとしては、具体的にはポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ポリオールアクリレート、ポリオールメタクリレート等を例示することができる。また光重合性または電子線重合性を有するモノマーとしては、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、2官能アクリレート、2官能メタクリレート、3官能以上の多官能アクリレート、多官能メタクリレート等が例示できる。またこれらは市販品を用いることもでき、例えばアロニックス(アクリル系特殊モノマー、オリゴマー;東亞合成(株)製)、ライトエステル(共栄社化学(株)製)、ビスコート(大阪有機化学工業(株)製)等を用いることができる。
また光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン誘導体類、アセトフェノン誘導体類、ベンゾイン誘導体類、チオキサントン類、ミヒラーケトン、ベンジル誘導体類、トリアジン誘導体類、アシルホスフィンオキシド類、アゾ化合物等を用いることができる。
【0010】
本発明に用いることができる光硬化型または電子線硬化型の反応性接着剤の粘度は、接着剤の加工温度等により適宜選択することができるものであり一概にはいえないが、通常25℃で10〜2000mPa・s、好ましくは50〜1000mPa・s、さらに好ましくは100〜500mPa・sである。粘度が10mPa・sより低い場合、所望の厚さが得られ難くなる。また2000mPa・sより高い場合には、作業性が低下する恐れがあり望ましくない。粘度が上記範囲から外れている場合には、適宜、溶剤やモノマー割合を調整し所望の粘度にすることが好ましい。
【0011】
また光硬化型の反応性接着剤を用いた場合、その接着剤の硬化方法としては公知の硬化手段、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を使用することができる。また露光量は、用いる反応性接着剤の種類により異なるため一概にはいえないが、通常50〜2000mJ/cm2、好ましくは100〜1000mJ/cm2である。
また電子線硬化型の反応性接着剤を用いた場合、その接着剤の硬化方法としては、電子線の透過力や硬化力により適宜選定されるものであり一概にはいえないが、通常、加速電圧が50〜1000kV、好ましくは100〜500kVの条件で照射して硬化することができる。
【0012】
また、反応性接着剤中に紫外線吸収剤、界面活性剤等を添加してもよい。
紫外線吸収剤としては、保護層形成材料に相溶または分散できるものであれば特に制限はなく、例えばベンゾフェノン系化合物、サルシレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物等の有機系紫外線吸収剤、酸化セシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機系紫外線吸収剤を用いることができる。なかでも紫外線吸収効率が高いベンゾフェノン系化合物が好適に用いられる。また紫外線吸収剤は、1種単独または複数種添加することができる。保護層中の紫外線吸収剤の配合割合は、使用する保護層形成材料により異なるが、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
【0013】
界面活性剤としては、保護層形成材料に相溶または分散できるものであれば特に制限はなく、例えばパーフルオロアルキル系化合物、変性シリコーン系化合物等の界面活性剤を用いることができる。なかでもパーフルオロアルキル系化合物が好適に用いられる。また界面活性剤は、1種単独または複数種添加することができる。保護層中の界面活性剤の配合割合は、使用する保護層形成材料により異なるが、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜3重量%である。
【0014】
保護層の厚さは、用いられる用途やその作業性等により異なるため一概にはいえないが、通常0.5〜50μm、好ましくは1〜10μmである。
また形成方法としては、例えばロールコート法、ダイコート法、バーコート法、、カーテンコート法、エクストルージョンコート法、グラビアロールコート法、スプレーコート法、スピンコート法等の公知の方法を用いて形成することができる。
また、上記保護層は、その一部にハードコート性を有する領域を有していても良い。
【0015】
本発明の構成要素であるコレステリック液晶層としては、コレステリック配向が固定化できるものであれば特に制限はなく、高分子液晶としては、各種の主鎖型高分子液晶物質、側鎖型高分子液晶物質、またはこれらの混合物を用いることができる。主鎖型高分子液晶物質としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリイミド系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリベンズオキサゾール系、ポリベンズチアゾール系、ポリアゾメチン系、ポリエステルアミド系、ポリエステルカーボネート系、ポリエステルイミド系等の高分子液晶物質、またはこれらの混合物等が挙げられる。また、側鎖型高分子液晶物質としては、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリビニル系、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリマロネート系、ポリエステル系等の直鎖状または環状構造の骨格鎖を有する物質に側鎖としてメソゲン基が結合した高分子液晶物質、またはこれらの混合物が挙げられる。これらのなかでも合成や配向の容易さなどから、主鎖型高分子液晶物質が好ましく、その中でもポリエステル系が特に好ましい。
ポリマーの構成単位としては、例えば芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を好適な例として挙げられる。
【0016】
また低分子液晶としては、飽和ベンゼンカルボン酸誘導体類、不飽和ベンゼンカルボン酸誘導体類、ビフェニルカルボン酸誘導体類、芳香族オキシカルボン酸誘導体類、シッフ塩基誘導体類、ビスアゾメチン化合物誘導体類、アゾ化合物誘導体類、アゾキシ化合物誘導体類、シクロヘキサンエステル化合物誘導体類、ステロール化合物誘導体類などの末端に反応性官能基を導入した液晶性を示す化合物や、前記化合物誘導体類のなかで液晶性を示す化合物に架橋性化合物を添加した組成物などが挙げられる。
【0017】
さらに、液晶物質中に熱または光架橋反応等によって反応しうる官能基または部位を有している各種化合物を液晶性の発現を妨げない範囲で配合しても良い。架橋反応しうる官能基等としては、前述の各種の反応性官能基などが挙げられる。例えば、アクリロイル基、ビニル基、エポキシ基等の官能基を導入したビフェニル誘導体、フェニルベンゾエート誘導体、スチルベン誘導体などを基本骨格としたものが挙げられる。
【0018】
またコレステリック配向を固定化したコレステリック配向フィルムを形成するには、公知の方法を用いることができる。例えば、前記液晶物質および必要に応じて添加される各種の化合物を含む組成物を溶融状態で、あるいは該組成物の溶液を、配向基板上に塗布することにより塗膜を形成し、次に該塗膜を乾燥、熱処理(液晶の配向)することにより、あるいは必要により光照射および/または加熱処理(重合・架橋)等の前述の配向を固定化する手段を用いて配向を固定化することにより、液晶の配向が固定化された液晶物質層が形成される。
【0019】
配向基板上に塗布する溶液の調製に用いる溶媒に関しては、本発明に使用される液晶物質や組成物を溶解でき、適当な条件で留去できる溶媒であれば特に制限は無く、一般的にアセトン、メチルエチルケトン、イソホロンなどのケトン類、ブトキシエチルアルコール、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノールなどのエーテルアルコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸メトキシプロピル、乳酸エチルなどのエステル類、フェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類などやこれらの混合系が好ましく用いられる。また、配向基板上に均一な塗膜を形成するために、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤等を溶液に添加しても良い。さらに、着色を目的として液晶性の発現を妨げない範囲内で二色性染料や通常の染料や顔料等を添加することもできる。
【0020】
塗布方法については、塗膜の均一性が確保される方法であれば、特に限定されることはなく公知の方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スピンコート法などを挙げることができる。塗布の後に、ヒーターや温風吹きつけなどの方法による溶媒除去(乾燥)工程を入れても良い。塗布された膜の乾燥状態における膜厚は、通常0.3〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは0.7〜3μmである。この範囲外では、得られる液晶物質層の光学性能が不足したり、液晶物質の配向が不十分になるなどして好ましくない。
【0021】
続いて、必要なら熱処理などにより液晶の配向を形成した後、配向の固定化を行う。熱処理は液晶相発現温度範囲に加熱することにより、該液晶物質が本来有する自己配向能により液晶を配向させるものである。熱処理の条件としては、用いる液晶物質の液晶相挙動温度(転移温度)により最適条件や限界値が異なるため一概には言えないが、通常10〜300℃、好ましくは30〜250℃の範囲である。あまり低温では、液晶の配向が十分に進行しないおそれがあり、また高温では、液晶物質が分解したり配向基板に悪影響を与えるおそれがある。また、熱処理時間については、通常3秒〜60分、好ましくは10秒〜30分の範囲である。3秒よりも短い熱処理時間では、液晶の配向が十分に完成しないおそれがあり、また60分を超える熱処理時間では、生産性が極端に悪くなるため、どちらの場合も好ましくない。液晶物質が熱処理などにより液晶の配向が完成したのち、そのままの状態で配向基板上の液晶物質層を、使用した液晶物質に適した手段を用いて固定化する。
【0022】
配向基板としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のフィルムおよびこれらフィルムの一軸延伸フィルム等が例示できる。これらフィルムは製造方法によっては改めて配向能を発現させるための処理を行わなくとも本発明に使用される液晶物質に対して十分な配向能を示すものもあるが、配向能が不十分、または配向能を示さない等の場合には、必要によりこれらのフィルムを適度な加熱下に延伸する、フィルム面をレーヨン布等で一方向に擦るいわゆるラビング処理を行う、フィルム上にポリイミド、ポリビニルアルコール、シランカップリング剤等の公知の配向剤からなる配向膜を設けてラビング処理を行う、酸化珪素等の斜方蒸着処理、あるいはこれらを適宜組み合わせるなどして配向能を発現させたフィルムを用いても良い。また表面に規則的な微細溝を設けたアルミニウム、鉄、銅などの金属板や各種ガラス板等も配向基板として使用することができる。
【0023】
また、本発明におけるコレステリック液晶層は、その一部に回折能を示す領域を有していても良い。ここで回折能を示す領域とは、その領域を透過した光またはその領域で反射された光が、幾何学的には影になる部分に回り込むような効果を生じる領域を意味する。また回折能を有する領域の有無は、例えばレーザー光等を前記領域に入射し、直線的に透過または反射する光(0次光)以外に、ある角度をもって出射する光(高次光)の有無により確認することができる。また別法としては、原子間力顕微鏡や透過型電子顕微鏡などで液晶層の表面形状や断面形状を観察することにより前記領域が形成されているか否か確認することができる。
【0024】
回折能を示す領域は、コレステリック液晶層表面および/または液晶層内部のいずれの領域であってもよく、例えば液晶層表面の一部(液晶層表面領域)、液晶層内部の一部(液晶層内部領域)に有するものでもよい。また当該領域は、コレステリック液晶層の複数領域、例えば液晶層表裏面領域、複数の液晶層内部領域にそれぞれに有するものであってもよい。また回折能を示す領域は、例えば液晶層表面や内部に均一な厚さを持った層状態として形成されていることは必ずしも必要とせず、液晶層表面や液晶層内部の少なくとも一部に前記領域が形成されていればよい。例えば回折能を示す領域が、所望の図形、絵文字、数字等の型を象るように有したものであってもよい。さらに回折能を示す領域を複数有する場合、全ての前記領域が同じ回折能を示す必要性はなく、それぞれの領域において異なった回折能を示すものであってもよい。また回折能を示す領域の配向状態は、螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行ではないコレステリック配向、好ましくは螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行でなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔ではないコレステリック配向を形成していることが望ましい。またそれ以外の領域においては、通常のコレステリック配向と同様の配向状態、すなわち螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔な螺旋構造を形成していることが望ましい。なお本発明で言う液晶層表面とは、コレステリック液晶層単体において外部に接する部分を、また液晶層内部とは、外部に接する以外の部分をそれぞれ意味する。
【0025】
本発明においては、上記いずれのコレステリック液晶層を用いることもできるが、コレステリック液晶層の製法や回折能の付与方法等の観点から、液晶層表面領域の少なくとも一部、好ましくは液晶層表面領域の全面に回折能を示す領域を有するコレステリック液晶層が好適に用いられる。また回折能を示す領域を一方の液晶層表面領域に有する際、その液晶層の表裏、すなわち回折能を示す領域を有する液晶面とその面とは反対の液晶面とは多少異なった光学効果、呈色効果等を示すことから、用途や目的とする機能等に応じてどちらの液晶層面を本発明の積層体を構成する保護層側にするのか選択することができる。さらに回折能を示す領域が層状態として形成されている場合、回折能を示す層(領域)の厚みとしては、コレステリック液晶性層の膜厚に対して通常50%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下の厚みを有する層状態で形成されていることが望ましい。回折能を示す層(領域)の厚さが50%を超えると、コレステリック液晶相に起因する選択反射特性、円偏光特性等の効果が低下し、目的とする効果を得ることができない恐れがある。
【0026】
フィルムの一部に回折能を示す領域を有するコレステリック液晶性フィルムを得る方法としては、コレステリック配向フィルムに回折素子基板の回折面を重ね合わせ、熱および/または圧力を加えることによってコレステリック配向フィルムに回折素子基板の回折パターンを転写する方法、または回折素子基板を配向基板として高分子液晶物質や低分子液晶物質またはその混合物をコレステリック配向させた後、その配向状態を維持したまま固定化する方法等の方法が挙げられる。
【0027】
回折パターンの転写に用いられる回折素子基板の材質としては、金属や樹脂のような材料であっても良く、あるいはフィルム表面に回折機能を付与したもの、あるいはフィルムに回折機能を有する薄膜を転写したもの等、およそ回折機能を有するものであれば如何なる材質であっても良い。なかでも取り扱いの容易さや量産性を考えた場合、回折機能を有するフィルムまたはフィルム積層体がより望ましい。
【0028】
またここでいう回折素子とは、平面型ホログラムの原版等の回折光を生じる回折素子全てをその定義として含む。またその種類については、表面形状に由来する回折素子、いわゆる膜厚変調ホログラムのタイプであってもよいし、表面形状に因らない、または表面形状を屈折率分布に変換した位相素子、いわゆる屈折率変調ホログラムのタイプであっても良い。本発明においては、回折素子の回折パターン情報をより容易に液晶に付与することができる点から、膜厚変調ホログラムのタイプがより好適に用いられる。また屈折率変調のタイプであっても、表面形状に回折を生じる起伏を有したものであれば好適に用いることができる。
【0029】
また回折パターンの転写方法としては、例えば一般に用いられるヒートローラー、ラミネーター、ホットスタンプ、電熱板、サーマルヘッド等を用い、加圧・加温条件下にて行うことができる。加圧・加温条件は、用いられる高分子液晶や低分子液晶等の諸物性、回折素子基板の種類等によって異なり一概には言えないが、通常、圧力0.01〜100MPa、好ましくは0.05〜80MPa、温度30〜400℃、好ましくは40〜300℃の範囲において用いられる液晶や基板等の種類によって適宜選択される。
また先に説明したように、配向基板として回折素子基板等を用いることによって、配向段階において回折能を示す領域が形成されたコレステリック液晶層を得ることができる。
【0030】
また最終的に得られるコレステリック液晶層の耐熱性等を向上させるために、フィルム材料となる高分子液晶や低分子液晶にコレステリック相の発現を妨げない範囲において、例えばビスアジド化合物やグリシジルメタクリレート等の架橋剤を添加することもでき、これら架橋剤を添加することによりコレステリック相を発現させた状態で架橋させることもできる。さらに高分子液晶や低分子液晶には、二色性色素、染料、顔料等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲において適宜添加してもよい。
【0031】
また、本発明のコレステリック液晶層の再剥離性基板とは反対面にも必要に応じ、保護層(以下、保護層2と表記する。)を形成しても良い。この保護層2はコレステリック液晶層への十分な接着性を有していれば、特に制限されないが、光硬化型または電子線硬化型の反応性接着剤が好ましく用いられる。かかる反応性接着剤としては、保護層1で記載したものと同様のものを使用することができる。
保護層2の厚さは、通常0.5〜50μm、好ましくは1〜10μmである。
【0032】
次に本発明における積層体の製造方法について説明する。
本発明の転写性液晶積層体の製造方法としては、これらに限定されるものではないが、下記工程に示される各工程を踏むことが望ましい。
配向基板上にコレステリック液晶の配向が固定化された液晶物質層を、保護層となる接着剤を介して予め易接着処理層を形成した再剥離性基板の易接着処理層面と接着せしめた後、配向基板を剥離してコレステリック液晶層を再剥離性基板に転写することにより、「再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層」からなる形態を作製する。
また、コレステリック液晶層の反対面に保護層2を形成する場合には、前記形態のコレステリック液晶面に予め保護層2を形成した再剥離性基板2を接着せしめた後、再剥離性基板2を剥離することにより、「再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/保護層2」の形態からなるコレステリック液晶層を製造することができる。
【0033】
また、コレステリック層への回折パターン形成は、▲1▼配向基板に回折素子基板を用いる方法、▲2▼配向基板上にコレステリック配向を固定化後、回折パターンを転写する方法、▲3▼コレステリック層を再剥離性基板に転写後、回折パターンを転写する方法により形成することができる。
【0034】
【発明の効果】
コレステリック液晶層を有する転写性液晶積層体において、易接着処理を施した再剥離性基板を使用することにより、箔切れ性が良好となり、転写後の転写状態が良好で、歩留まり低下の原因となるバリの発生の少ない転写性液晶積層体を提供できる。
【0035】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
(参考例1)
テレフタル酸50mmol、ヒドロキシ安息香酸20mmol、カテコール20mmol、(R)−2−メチル−1,4−ブタンジオール10mmolおよび酢酸ナトリウム100mgを用いて窒素雰囲気下、180℃で1時間、200℃で1時間、250℃で1時間と段階状に昇温しながら重縮合反応を行った。
次いで窒素を流しながら250℃で2時間重縮合反応を続け、さらに減圧下同温度で1時間重縮合を行った。得られたポリマーをテトラクロロエタンに溶解後、メタノールで再沈澱を行い、液晶性ポリエステルを得た。
得られた液晶性ポリエステルのN−メチル−2−ピロリドン溶液(20重量%)を調製し、該溶液をラビング処理したポリフェニレンスルフィドフィルム上にスピンコート法で塗布した。塗布した後、乾燥処理を行ってN−メチル−2−ピロリドンを除去し、ポリフェニレンスルフィドフィルム上に液晶性ポリエステルの塗布膜を形成した。
【0037】
次いで該液晶性フィルムの塗布膜を200℃の加熱雰囲気において5分間熱処理を行い、室温下に冷却することによって、ポリフェニレンスルフィドフィルム上に金色の鏡面反射を呈する液晶性ポリエステルフィルムを得た。
同フィルムを日本分光(株)製紫外可視近赤外分光光度計V−570にて透過スペクトルを測定したところ、中心波長が約600nm、選択反射波長帯域幅が約100nmの選択反射を示すコレステリック配向が固定化されたコレステリック配向フィルムであることが確認された。またコレステリック配向フィルムの配向状態を偏光顕微鏡観察およびフィルム断面の透過型電子顕微鏡観察したところ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行で、また螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔なコレステリック配向を形成していることが確認できた。
【0038】
なお得られたポリエステルの各分析方法は以下の通りである。
(1)ポリマーの対数粘度
ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/テトラクロロエタン=60/40(重量比)溶媒中、濃度0.5g/100ml、30℃で測定した。
(2)ガラス転移点(Tg)
Du Pont 990 Thermal Analizer を使用して測定した。
(3)液晶相の同定
オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡を用いて観察した。
【0039】
(実施例1)
参考例1で得られたコレステリック配向フィルムのコレステリック液晶面に保護層となる接着剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤CyasorbUV−24(サイテック社製)を5.0重量%添加した紫外線硬化型接着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−3630(商品名)を同社製M−150(商品名)および同社製M−315(商品名)で希釈し、粘度を300mPa・sに調製したもの)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布した。
次いで再剥離性基板として、帝人デュポン社製易接着処理PET G2P8−25μmの易接着処理面が上記接着剤塗布面になるように卓上ラミネーターを用いて貼り合わせ、紫外線を照射し、接着剤を硬化させ、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ポリフェニレンスルフィドフィルムの積層体を形成した。
【0040】
次いで、配向基板として用いたポリフェニレンスルフィドフィルムの端部を手で持ち180゜方向に剥離し、ポリフェニレンスルフィドフィルムとコレステリック液晶層とを界面で剥離し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層の順に積層された積層体を得た。
この積層体の再剥離性基板/保護層間の剥離力を東洋精器社製ストログラフE−Lを用いて180°剥離、剥離速度300mm/分で測定したところ、5.46N/mであった。
【0041】
次いでエドモンド・サイエンティフィック・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900本/mm)の回折面と積層体のコレステリック液晶面が向き合うように重ね、東京ラミネックス社製ラミネーターDX−350を用い、120℃、0.3MPa、ロール接触時間1秒の条件で加熱加圧を行った(回折格子フィルム/コレステリック液晶層/保護層/再剥離性基板)。室温まで冷却後、回折格子フィルムを取り除いた。回折格子フィルムが重ねられていたコレステリック液晶面を観察したところ、回折パターンに起因する虹色とコレステリック液晶に特有の選択反射が明瞭に認められた。また回折格子フィルムを取り除いたコレステリック液晶面の配向状態を偏光顕微鏡観察および液晶層断面の透過型電子顕微鏡観察をしたところ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行ではなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔ではないコレステリック配向が液晶層の表面領域に形成されていることが確認された。またそれ以外の領域においては、螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔なコレステリック配向が形成していることが確認された。またコレステリック液晶層面内に垂直にHe−Neレーザー(波長632.8nm)を入射したところ、0゜および約±35゜の出射角にレーザー光が観察された。さらに偏光特性を確認するために、通常の室内照明下に得られた積層体をおき、右円偏光板(右円偏光のみ透過)を介して観察したところ、虹色の反射回折光が観察され、偏光板なしで観察した場合の明るさとほぼ同じであった。これに対し左円偏光板(左円偏光のみ透過)を介して観察したところ、暗視野となり、虹色の反射回折光は観察されなかった。
これらのことより該積層体を構成するコレステリック液晶層には、回折能を示す領域が層表面領域に形成され、またその回折光が右円偏光であることが確認された。
【0042】
次いで、コレステリック液晶層面にホットメルト接着剤(日本製紙(株)製スーパークロン851L)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ホットメルト接着剤層から構成される積層体を得た。
得られた積層体をロール式ホットスタンピングマシン(ナビタス(株)製RD−150D)を用いて、再剥離性基板側から熱ロールで加熱、加圧し、上質紙(クリームキンマリ90)に転写を行った。
転写部分の箔切れ性は良好で、剥離部分に非剥離部分が伴われて剥離して生じるバリは発生せず、被転写体に充分な転写が行われず、剥離転写層の一部が再剥離基板側に残る剥離不良も発生しなかった。
【0043】
(実施例2)
参考例1で得られたコレステリック配向フィルムのコレステリック液晶面に保護層となる接着剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤CyasorbUV−24(サイテック社製)を5.0重量%添加した紫外線硬化型接着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−3630(商品名)を同社製M−150(商品名)および同社製M−315(商品名)で希釈し、粘度を300mPa・sに調製したもの)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布した。
次いで再剥離性基板として、帝人デュポン社製易接着処理PET SG2−38μmの易接着処理面が上記接着剤塗布面になるように卓上ラミネーターを用いて貼り合わせ、紫外線を照射し、接着剤を硬化させ、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ポリフェニレンスルフィドフィルムの積層体を形成した。
【0044】
次いで、配向基板として用いたポリフェニレンスルフィドフィルムの端部を手で持ち180゜方向に剥離し、ポリフェニレンスルフィドフィルムとコレステリック液晶層とを界面で剥離し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層の順に積層された積層体を得た。
この積層体の再剥離性基板/保護層間の剥離力を東洋精器社製ストログラフE−Lを用いて180°剥離、剥離速度300mm/分で測定したところ、5.07N/mであった。
【0045】
次いで、コレステリック液晶層面にホットメルト接着剤(日本製紙(株)製スーパークロン851L)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ホットメルト接着剤層から構成される積層体を得た。
得られた積層体をロール式ホットスタンピングマシン(ナビタス(株)製RD−150D)を用いて、再剥離性基板側から熱ロールで加熱、加圧し、上質紙(クリームキンマリ90)に転写を行った。
転写部分の箔切れ性は良好で、剥離部分に非剥離部分が伴われて剥離して生じるバリは発生せず、被転写体に充分な転写が行われず、剥離転写層の一部が再剥離基板側に残る剥離不良も発生しなかった。
【0046】
(実施例3)
参考例1で得られたコレステリック配向フィルムのコレステリック液晶面に保護層となる接着剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤CyasorbUV−24(サイテック社製)を5.0重量%添加した紫外線硬化型接着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−3630(商品名)を同社製M−150(商品名)および同社製M−315(商品名)で希釈し、粘度を300mPa・sに調製したもの)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布した。
次いで再剥離性基板として、東レ社製易接着処理PETQT32−38μmの易接着処理面が上記接着剤塗布面になるように卓上ラミネーターを用いて貼り合わせ、紫外線を照射し、接着剤を硬化させ、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ポリフェニレンスルフィドフィルムの積層体を形成した。
【0047】
次いで、配向基板として用いたポリフェニレンスルフィドフィルムの端部を手で持ち180゜方向に剥離し、ポリフェニレンスルフィドフィルムとコレステリック液晶層とを界面で剥離し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層の順に積層された積層体を得た。
この積層体の再剥離性基板/保護層間の剥離力を東洋精器社製ストログラフE−Lを用いて180°剥離、剥離速度300mm/分で測定したところ、8.97N/mであった。
【0048】
次いで、コレステリック液晶層面にホットメルト接着剤(日本製紙(株)製スーパークロン851L)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ホットメルト接着剤層から構成される積層体を得た。
得られた積層体をロール式ホットスタンピングマシン(ナビタス(株)製RD−150D)を用いて、再剥離性基板側から熱ロールで加熱、加圧し、上質紙(クリームキンマリ90)に転写を行った。
転写部分の箔切れ性は良好で、剥離部分に非剥離部分が伴われて剥離して生じるバリは発生せず、被転写体に充分な転写が行われず、剥離転写層の一部が再剥離基板側に残る剥離不良も発生しなかった。
【0049】
(比較例1)
参考例1で得られたコレステリック配向フィルムのコレステリック液晶面に保護層となる接着剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤CyasorbUV−24(サイテック社製)を5.0重量%添加した紫外線硬化型接着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−3630(商品名)を同社製M−150(商品名)および同社製M−315(商品名)で希釈し、粘度を300mPa・sに調製したもの)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布した。
次いで、再剥離性基板として帝人デュポン社製プレーンPET NS25μmが上記接着剤塗布面になるように卓上ラミネーターを用いて貼り合わせ、紫外線を照射し、接着剤を硬化させ、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ポリフェニレンスルフィドフィルムの積層体を形成した。
【0050】
次いで、配向基板として用いたポリフェニレンスルフィドフィルムの端部を手で持ち180゜方向に剥離し、ポリフェニレンスルフィドフィルムとコレステリック液晶層とを界面で剥離し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層の順に積層された積層体を得た。
この積層体の再剥離性基板/保護層間の剥離力を東洋精器社製ストログラフE−Lを用いて180°剥離、剥離速度300mm/分で測定したところ、1.2N/mであった。
【0051】
次いで、コレステリック液晶層面にホットメルト接着剤(日本製紙(株)製スーパークロン851L)をバーコーターで厚さ5μmとなるように塗布し、再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層/ホットメルト接着剤層から構成される積層体を得た。
得られた積層体をロール式ホットスタンピングマシン(ナビタス(株)製RD−150D)を用いて、再剥離性基板側から熱ロールで加熱、加圧し、上質紙(クリームキンマリ90)に転写を行った。
転写部分の箔切れ性は悪く、剥離部分に非剥離部分が伴われて剥離して生じるバリが発生した。
Claims (3)
- 再剥離性基板/保護層/コレステリック液晶層から少なくとも構成され、再剥離性基板の保護層側に易接着処理を施してあることを特徴とする転写性液晶積層体。
- 再剥離性基板と保護層間の剥離力が1.95N/m〜19.5N/mであることを特徴とする請求項1記載の転写性液晶積層体。
- 前記コレステリック液晶層は、その一部に回折機能を有していることを特徴とする請求項1記載の転写性液晶積層体。
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