JP2004132915A - Microbial electrode, oxygen electrode for microbial electrode, and measuring instrument using it - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境分析などに好適な固定化微生物電極、それに用いるガルバニ型酸素電極、及びその微生物電極を利用した測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
環境汚染防止を目的として、工業排水、河川水などの検水中の各種化学物質の定量を高精度で実施することは非常に重要である。また集中的な水処理を行う下水道システムにおいて化学物質濃度の正確な把握は、効率的な施設運用を行う上で経済的にも意味がある。これらの分析では連続して汚染状況を監視する必要があり、可能な限り自動分析が望まれる。
【0003】
これらの検水に対する代表的な分析の項目としては、溶存酸素、pH、化学的酸素要求量(COD)、全有機体炭素(TOC)、生物化学的酸素要求量(BOD)などがある。これらの分析方法自体は数多くの方法が知られている。
【0004】
近年、酵素、抗体、遺伝子、微生物など生体由来の物質、あるいは生物そのものを素子として利用したいわゆるバイオセンサを環境分析に応用する試みがなされている。バイオセンサの利点は以下のようなものである。
【0005】
(1)他の分析方法に比べて生物あるいは生体物質の有する選択性を利用することにより生分解性有機物の検知や生物毒性の検知が可能であること、
(2)構成が比較的簡単であり自動化が容易であること、
(3)分析廃水が有害な金属や有機物を含む可能性が低くクリーンアナリシスを実現できること。
【0006】
すでに日本工業規格 K3602においては、特定の微生物を利用した生物化学的酸素要求量(BOD)センサが規定され、実用的に多く用いられている。この規格に規定される装置は、微生物を固定化した固定化微生物膜に酸素電極を圧接し、検水を接触させた際に消費される酸素量を酸素電極で検知している。
【0007】
類似の構成を有する装置に鉄イオウ細菌や硝化菌を固定化した固定化微生物膜を組み込み、検水中の毒性物質を検知する装置も実用化されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0008】
これらの装置において各種の酸素電極が利用されている。酸素電極は、少なくとも溶存酸素を電気化学的に還元するカソード、対応するアノード、酸素を選択的に透過する酸素透過膜から構成される。その電気回路の構成から、一定の外部電圧により駆動される電気化学反応を利用するポーラロ型酸素電極と、一種の電池反応を用いるガルバニ型酸素電極に大別される(例えば、非特許文献1参照。)。
【0009】
前者のポーラロ型酸素電極は白金のカソードと、銀のアノードで構成され、白金カソードに対アノード−0.6ボルト程度の電圧を印加し、酸素の還元電流を検出する。酸素透過膜とカソード及びアノードの間に塩化カリウムなどの電解液があれば動作するため比較的小型のものを作りやすい。ただし外部電圧を印加した際に、カソードに用いる白金の表面で酸化白金の還元反応が起き、安定した出力が得られるまでに時間がかかることと、低酸素濃度でのベース電流(残余電流)が大きく、測定範囲が限定される点が大きな問題点である。
【0010】
一方、ガルバニ型酸素電極は構成が少し複雑にはなるが、安定性に優れ、残余電流が小さい点でバイオセンサに適している。
従来のガルバニ型酸素電極の概要を図3に示す。外部と酸素透過膜5により隔離された電極内部には、白金又は金からなるカソード1と、鉛からなるアノード3とを備え、内部液9にアルカリ水溶液などを使用する。カソード1は先端が酸素透過膜5に接触し、周囲がガラスなどの絶縁体10に封入されている。酸素透過膜5にはフッ素樹脂、ポリエチレンなどの樹脂フィルムが使用される。酸素は酸素透過膜5を通り抜ける。内部液9の漏れ出しや、外部からの液の浸入を防ぐために、酸素透過膜5、外筒7及び先端部材6の間にシール材8及び11が挿入されている。カソード1の表面では酸素の還元が起き、アノード3の表面では鉛の酸化が進む。その結果、カソード1のリード線2とアノード3のリード線4の間には酸素濃度に比例する電流が流れる。
【0011】
微生物を固定化してその微生物による酸素消費を酸素電極で検出するためには、酸素透過膜を介してカソード1を微生物に極力近づけることが必要である。そのためにはカソード1と接触している部分の酸素透過膜5を先端部材6から突出させること、酸素透過膜5をできる限り薄くすることが必要となる。
しかし、突出量を大きくすると酸素透過膜5は延伸されて破れやすくなる。また酸素透過膜5を薄くすることも困難となる。酸素透過膜5が破れると当然外部の液と内部液9が混合し、正確な測定が不可能になる。同時に内部液9が微生物に悪影響を及ぼす。
【0012】
そのため、微生物による酸素消費を検出するための酸素透過膜5としては、厚さが50μm〜1000μmのものが主として使用されている。
そして、このように酸素透過膜5の薄さに制限があるため、電極の応答速度が遅くなり、ひいては分析速度の向上を阻む原因となっていた。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−90360号公報
【特許文献2】
特開平2−190763号公報
【非特許文献1】
「電気化学測定法」,技報堂出版,1984年刊
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はガルバニ型酸素電極を対象とするものであるが、従来の技術では固定化微生物を利用した分析装置に適した酸素電極は得られていない。
本発明の第1の目的は、酸素透過膜を薄くして電極の応答速度を速くすることの容易な構造の酸素電極を提供することである。
本発明の第2の目的は、そのような酸素電極を備えた微生物電極を提供することである。
本発明の第3の目的は、そのような微生物電極を備えた測定装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の酸素電極は、先端に内外を隔離する酸素透過膜を備え、内部にはカソードとアノードを備え、カソードを酸素透過膜に接触させるとともに、カソードとアノードとの間には内部液を介在させたガルバニ型酸素電極に関するものであり、この電極内部にカソードの側方を包囲するカソード保護体を設け、このカソード保護体の先端位置をカソードの先端位置とほぼ同一面になるように配置し、このカソード保護体の先端も酸素透過膜に接触させたことを特徴とするものである。
【0016】
酸素透過膜は保護体及びカソードでほぼ水平に保たれているため、酸素透過膜に無理な力がかかっておらず、酸素透過膜を微生物膜に圧接しても破損しにくい。そのため、酸素透過膜の膜厚を薄くすることができる。
【0017】
酸素透過膜としては、例えば樹脂フィルムで、膜厚が8μmから1000μmの範囲にあるものを使用することができる。応答速度を速くする観点からは酸素透過膜の膜厚は薄い方が好ましく、例えば50μm以下とすることが好ましい。
【0018】
カソード、アノード及び内部液としては、従来から使用されているものを使用することもできるが、カソードが白金又は金からなり、アノードがアルミニウムであり、内部液が少なくとも二塩基酸又はその塩類を含む溶液からなるようにすることが好ましい。
【0019】
アノードに鉛を使用した場合には、酸素電極内部における反応でアノードの鉛は酸化鉛となり、沈殿を生じる。この沈殿形成が起きると電極の応答速度に悪影響を及ぼすと共にカソードと酸素透過膜の間に沈殿が入り込み、正常な応答値が得られないことになる。そのため、この形式の酸素電極では1ヶ月から3ヶ月に1回の頻度で内部液交換などのメンテナンスが必要となり分析者に多大の負担を強いることになる。
【0020】
アルカリ水溶液が漏れ出すことによる悪影響を除くこともあって、内部液に酢酸塩類を用いた電極が開発されてきたが、酸化鉛及び酢酸鉛の沈殿が生じることを防ぐことはできず本質的解決ではなかった。また酸化鉛、酢酸鉛の沈殿は重金属塩であるからその処理に注意を払う必要がある点でも大きな問題があった。
鉛をアノードとして用いる場合に比べると、アルミニウムは比較的毒性の低い軽金属であり内部液の交換などにより有害廃棄物が出ない点が優れている。
【0021】
そして、アノードとしてアルミニウムを用い、内部液として少なくとも二塩基酸又はその塩を含む溶液を用いると沈殿が生成せず、長期間安定な測定が可能になる。
二塩基酸又はその塩は安価であると共に、揮発性が低いために酢酸などの酸に比べて臭気がない、長時間安定であるなどの利点もある。
【0022】
カソードに白金、アノードにアルミニウムを用い、内部液に塩化カリウムを使用する電極も開発されてきたが、その電極は信号に雑音が乗りやすく、高精度測定には用いにくかった。しかし、アノードとしてアルミニウムを用い、内部液として二塩基酸又はその塩を用いるとノイズが小さくするという利点もある。
【0023】
本発明の微生物電極は、多孔膜に微生物を固定化した微生物固定化膜と、酸素透過膜がその微生物固定化膜に接触させられ電気化学的に酸素濃度を検出する酸素電極とを備え、微生物固定化膜の酸素電極と接する面とは逆の面に試料を接触させて試料中の化学物質を前記多孔膜を透過させ、微生物が試料中の化学物質を生物変換する際に消費される酸素の吸収を前記酸素電極により検知して化学物質濃度を測定するものであり、その酸素電極として上に述べた本発明の酸素電極を使用するものである。
【0024】
本発明の測定装置は、測定対象試料、洗浄液、標準液を切り替える機構と、各液を吸引する機構と、別途緩衝液を送液する機構を備え、切り替えられたいずれかの液に緩衝液を混合し、混合された液に空気を送り、その気液混合物を微生物電極に接触させて化学物質濃度を測定するものであり、その微生物電極として上に述べた本発明の微生物電極を使用するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1を用いて、本発明の微生物電極の概要を説明する。
図の下部に記載されているのは微生物を固定した微生物膜、図の上部に記載されているのは酸素電極で、酸素電極の酸素透過膜が微生物膜に接触するように組み合わされて微生物電極となる。
【0026】
酸素電極はその先端に内外を隔離する酸素透過膜5を備え、電極内部にはカソード1とアノード3を備えている。カソード1は酸素透過膜5に接触しており、カソード1とアノード3との間には内部液9が介在している。さらに、電極内部にカソード1の側方を包囲するカソード保護体12が設けられ、カソード保護体12の先端位置はカソード1の先端位置とほぼ同一面になるように配置されている。カソード保護体12の先端も酸素透過膜5に接触している。
【0027】
カソード1は白金又は金を用いる。金の場合、カソード絶縁体10はエポキシ樹脂、フッ素樹脂などのプラスチックで構成することが望ましい。白金の場合はカソード絶縁体10をガラスとし、白金を封入して用いることができる。これは白金とガラスの熱膨張率が近く密着性が良いことと、ガラスに封入する際の熱加工温度に白金が耐えるためである。
【0028】
アノード3にはアルミニウムを用いる。アルミニウムの形状は棒材であってもよいが、管材をカソード絶縁体10の周りに配置して用いると比較的狭い空間にアノード3を作ることができるので望ましい。アルミニウムは比較的毒性の低い軽金属であり内部液の交換などにより有害廃棄物が出ない点が優れている。また鉛をアノードとして用いる場合は加工時の作業環境に注意を払う必要があるが、アルミニウムの場合は粉塵の発生を防げばよい。
【0029】
内部液9には二塩基酸又はその塩を用いることが望ましい。二塩基酸としてはクエン酸、乳酸、リンゴ酸などの有機酸を例示できる。これらの有機酸は安価であると共に、揮発性が低いために酢酸などの酸に比べて臭気がない、長時間安定であるなどの利点がある。特にクエン酸は溶解度も高く、試薬で保管する際の安定性に優れるため好適である。二塩基酸に防菌の目的でアジ化ナトリウムなどの制菌剤を添加することができる。
【0030】
二塩基酸の濃度としては10mMから1M程度の濃度が望ましい。あまり低い濃度ではアルミニウムとの反応で酸が消費されてしまい長期間の安定性が確保できない。逆に濃すぎると塩が析出しやすく不適である。
【0031】
また従来白金と他の卑金属を組み合わせたガルバニ型酸素電極の内部液としては塩化カリウムが用いられる例が多かったが、塩化カリウムを用いた場合は、ノイズが大きくなる傾向があり、高精度計測に不適である。二塩基酸を用いることにより長期間安定な測定が可能である理由は、まず沈殿が生成しないことが挙げられる。これは二塩基酸がアルミニウムのキレート剤として作用することによると考えられる。
【0032】
また、アルカリ性の内部液では二酸化炭素が溶解することにより内部液pHが変動して精度の低下をもたらすことがある。一方、二塩基酸を用いた場合は、溶液のpHが酸性となり、微生物の酸素消費と同時に発生する二酸化炭素が溶解しないため、影響を受けにくい点も利点である。
さらに、二塩基酸又はその塩と、塩化ナトリウムや塩化カリウムなどの電解質を併用することもできる。電解質を共存させることにより、酸素以外のガスの溶解度を制限し、さらに精度を向上することができる。
【0033】
酸素透過膜5はフッ素樹脂、ポリエチレンなどの樹脂フィルムが利用される。酸素透過膜5はカソード1の周囲を包囲する保護体12の上から被せられ、外筒7の先端部材6との間にOリングからなるシール材8が挿入されて固定されている。
【0034】
カソード1の表面では酸素の還元が起き、アノード3の表面ではアルミニウムの酸化が進む。その結果、カソード1のリード線2とアノード3のリード線4の間には酸素濃度に比例する電流が流れる。
【0035】
この構造を採ることにより、図3の従来型酸素電極に比べて酸素透過膜5に無理な力がかからないため、膜厚を薄くすることが可能である。酸素透過膜の膜厚は8μmから1000μm程度の範囲で変えることができるが、取り扱いの容易さと応答速度を勘案し、10〜50μm程度の厚みが望ましい。25μm厚みのフッ素樹脂膜を用いた場合に、空気飽和の蒸留水中で安定化し、窒素ガスで除酸素した蒸留水に浸漬した場合の、出力値がゼロになるまでの応答時間は25℃で約10秒であった。
【0036】
同様に、50μm厚みの酸素透過膜を用いた場合の応答時間は約40秒、100μm厚みの酸素透過膜では約2分、200μm厚みの酸素透過膜では約5分となった。微生物の酸素吸収に正確に追従するには応答時間が1分以内であることが望ましい。
【0037】
微生物膜は多孔膜13、14を接着剤又は両面粘着テープ15で張り合わせ、微生物16を固定化する。この微生物を置く場合に、その移動を妨ぐためにガラス繊維などから成る充填材を配置しても良いし、接着剤又は両面粘着テープ15の厚みを薄くすることにより微生物の移動を防ぐ程度に2枚の多孔膜を近接させてもよい。
【0038】
多孔膜は内部に置かれた微生物が漏れ出さず、かつ試料側から他の微生物が混入しない程度の孔径を有するものを利用するが、孔径が0.1〜1μmの範囲のものが望ましい。多孔膜の材質は、再生セルロース、アセチルセルロース、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホンなどの各種の材質を用いることができるが、有機物の付着が少なく、親水性に富むポリフッ化ビニリデン、ポリスルホンを用いることが望ましい。
【0039】
この微生物電極は、酸素電極の酸素透過膜5を介してカソード1を微生物固定化膜に圧接させる。この構成では保護体12が微生物膜に押し当てられ、保護体12及びカソード1でほぼ水平に保たれた酸素透過膜5が微生物16の固定化部分に接触することになる。従来の酸素電極では酸素透過膜に無理な力がかかっているため微生物膜と圧接することにより膜が破損して内部液が漏れることがあったが、本発明の酸素電極ではその可能性は少ない。
【0040】
この酸素電極を利用し固定化微生物膜と組み合わせた微生物電極は、測定装置で利用することができる。そのような測定装置の一例は、測定対象試料、洗浄液、標準液を切り替える機構と、各液を吸引する機構と、別途緩衝液を送液する機構を備え、切り替えられたいずれかの液に緩衝液を混合し、混合された液に空気を送り、その気液混合物を微生物電極に接触させ、洗浄液の送液されている際の酸素電極指示値と、標準液又は試料が送液されている酸素電極指示値の差を記憶し、標準液と試料に対する酸素電極指示値の差を比較演算する機能を有する。
【0041】
図2を用いてその測定装置の概要を説明する。装置全体は筐体34に組み込まれている。緩衝液20はポンプ24を用い一定速度で吸引されている。もうひとつのポンプ25も一定速度で動作している。試料水17、洗浄液18、標準液19はチューブでポンプ25とつながれるが、ポンプと各液はバルブ21、22、及び23で区切られている。基本的にこのバルブのどれか1つが開放され、その結果、試料水、洗浄液、標準液のいずれかが合流点26で緩衝液と合流する。合流後、恒温槽35中に配置されたチューブ28に流入する。エアポンプ27で空気を吹き込み、気液混合体が微生物電極29に流れ込む。酸素電極30の出力は電気回路32でデジタル化後解析され、プリンター33に出力される。分析後の廃水は廃水ボトル31に廃棄される。
【0042】
各部をつなぐチューブは、シリコン、フッ素樹脂、ポリエチレンなどの樹脂チューブを使用できる。その内径は0.5〜5mm程度を利用できるが、細すぎると試料中の不溶物が詰まる可能性があり、太すぎると試料が通過するのに時間がかかりすぎるので1.0〜3mm程度のものが望ましい。用いるポンプ24,25は分析中に安定な流量が得られればよいが、試料中の不溶物が詰まりにくいチューブポンプが好適である。流量は0.1〜10mL/分程度で分析する場合が多いが、分析時間と試料、緩衝液などの消費量を考え、0.5〜4mL/分程度が好適である。
【0043】
同様にバルブ21,22,23もチューブを挟み込むことにより閉鎖されるピンチバルブが不溶物が詰まることによる故障を避ける意味で好適である。
緩衝液20は使用する微生物に合わせてリン酸塩、ホウ酸塩などを利用し、各種pHの一般的組成のものが使用できる。ただし、試料中の有機物を測定する場合は、微生物により利用される有機物を含む緩衝液を利用することはできない。
【0044】
恒温槽35の温度は微生物に合わせて変化させる。特にその微生物の至適生育温度を利用すると酸素消費量が最大になる場合が多い。場合により加温ではなく冷却が必要になる場合がある。
【0045】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明の内容をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
(実施例1)
(1)酸素電極
図1の酸素電極において、カソード1は直径2mmの白金棒からなり、外径4mmの軟質ガラスからなるカソード絶縁体10に封入されている。アノード3は内径4mm、外径6mmのアルミニウム管からカソード絶縁体10の周りに配置されている。内部液9として0.5Mのクエン酸溶液を用いた。酸素透過膜5は厚み25μmのフッ素樹脂膜を用いた。
【0047】
(2)微生物膜の作成方法
Trichosporon cutaneum(IFO−10466株)を培養し、固定化した。培養液の濁度を660nmで測定し、濁度2の培養液50・Lを固定化に用いた。固定化に用いる多孔膜13,14としては、孔径0.45μmの親水性Durapore膜(ミリポア社製)を直径18mmに打ち抜いたものを用いた。2枚の多孔膜13,14を貼り合わせるために、両面粘着テープ15としてポリエステルベース両面接着テープ(日東電工製)を用いた。
【0048】
(3)測定装置
図2の装置に前記微生物固定化膜と前記酸素電極を装着した。恒温槽35の温度を35℃とし、緩衝液20として100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)を流量0.5mL/分で送液した。標準液19としてグルコース/グルタミン酸混合液を用いた。その濃度はBOD値として20mg/Lとした。洗浄液18には蒸留水を用いた。試料17として、標準液と同じくグルコース/グルタミン酸混合液を用い、その濃度はBOD値として10mg/Lとした。これらの標準液、洗浄液、試料の流量は1.5mL/分とした。
標準液を5分間流した後、15分間洗浄を行い、試料を各々1、3、及び5分間送液する。標準液に対する応答値Aを試料に対する応答値Bを比較して試料の濃度Cを計算した。つまりC=20×(B/A)として算出した。
【0049】
(4)測定結果
もし充分に電極の応答速度が早ければ試料濃度は正しく計算されるはずであるが、逆に遅ければ低めの値になるはずである。その結果を表1に示す。表1よりほぼ3分間の送液で一定値が得られていることが分かる。
【0050】
(比較例1)
電極として図2の構造を有し、カソードが白金であり、アノードが鉛であり、内部液に1%水酸化ナトリウムを用い、酸素透過膜の厚みが100μmのフッ素樹脂を用いた以外、実施例1と同様構造として、同じ条件で測定を行った。
その結果も表1に合わせて示す。比較例1では、5分間の送液を行っても正しい値が得られず応答速度に著しい差異があることが分かった。
【0051】
【表1】
【0052】
(実施例2)
実施例1記載の電極及び装置を用い、35℃で連続的に運転を行った。1ヶ月毎に電極を取り出し、25℃における空気飽和水と窒素ガスにより酸素を除いた水に交互に電極を浸漬し、その応答速度を評価した。その結果を表2に示す。
6ヶ月まで応答速度に変化がないことが分かった。この結果から本発明の電極は応答速度及び安定性の点で優れることが分かった。
【0053】
(比較例2)
比較例1記載の電極及び装置を用い、35℃で連続的に運転を行った。1ヶ月毎に電極を取り出し、25℃における空気飽和水と窒素ガスにより酸素を除いた水に交互に電極を浸漬し、その応答速度を評価した。その結果も表2に示す。
応答時間自体が実施例2に比べて遅いが、3ヶ月目までは大きな変化はなかった。しかし4ヶ月目で著しく遅くなり、6ヶ月目では出力自体が小さくなって測定不能となった。この状態で分解すると内部液自体が酸化鉛の沈殿で濁っており、その結果、正常な動作ができなくなったものと考えられる。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】
本発明の酸素電極は、電極内部にカソードの側方を包囲するカソード保護体を設け、このカソード保護体の先端位置をカソードの先端位置とほぼ同一面になるように配置し、このカソード保護体の先端も酸素透過膜に接触させたので、酸素透過膜は保護体及びカソードでほぼ水平に保たれることになり、酸素透過膜に無理な力がかからず、酸素透過膜の膜厚を薄くして応答速度を速くすることができる。
アノードとしてアルミニウムを用い、内部液として少なくとも二塩基酸又はその塩を含む溶液を用いる場合には、沈殿が生成せず、長期間安定な測定が可能になり、またノイズも小さい。
本発明の酸素電極を備えた微生物電極、さらにその微生物電極を備えた測定装置は、応答速度を速くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の微生物電極を示す概略断面図である。
【図2】一実施例の測定装置を示す流路図である。
【図3】従来の酸素電極を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 カソード
3 アノード
5 酸素透過膜
9 内部液
10 カソード絶縁体
12 保護体
13,14 多孔膜
16 微生物
17 試料水
18 洗浄液
19 標準液
20 緩衝液
21,22,23 バルブ
25 ポンプ
27 エアポンプ
29 微生物電極
30 酸素電極
35 恒温槽[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an immobilized microorganism electrode suitable for environmental analysis and the like, a galvanic oxygen electrode used for the electrode, and a measuring device using the microorganism electrode.
[0002]
[Prior art]
For the purpose of environmental pollution prevention, it is very important to carry out high-precision quantification of various chemical substances in sampled water such as industrial wastewater and river water. In a sewage system that performs intensive water treatment, accurate grasp of the chemical substance concentration is economically significant for efficient facility operation. In these analyses, it is necessary to continuously monitor the status of contamination, and automatic analysis is desired as much as possible.
[0003]
Typical analysis items for these water samples include dissolved oxygen, pH, chemical oxygen demand (COD), total organic carbon (TOC), and biochemical oxygen demand (BOD). Numerous methods are known for these analysis methods.
[0004]
In recent years, attempts have been made to apply so-called biosensors, which use substances derived from living organisms such as enzymes, antibodies, genes, and microorganisms, or living organisms as elements, to environmental analysis. The advantages of the biosensor are as follows.
[0005]
(1) Biodegradable organic substances can be detected and biotoxicity can be detected by utilizing the selectivity of living organisms or biological substances compared to other analysis methods;
(2) the configuration is relatively simple and automation is easy;
(3) The analysis wastewater has a low possibility of containing harmful metals and organic substances, and clean analysis can be realized.
[0006]
The Japanese Industrial Standard K3602 has already defined a biochemical oxygen demand (BOD) sensor using a specific microorganism, and is widely used practically. In the device specified in this standard, an oxygen electrode is pressed against an immobilized microorganism membrane on which microorganisms are immobilized, and the amount of oxygen consumed when the sample is brought into contact with the sample is detected by the oxygen electrode.
[0007]
A device for detecting a toxic substance in a test water by incorporating an immobilized microbial membrane in which iron-sulfur bacteria or nitrifying bacteria are immobilized in a device having a similar configuration has also been put into practical use (for example, see Patent Documents 1 and 2). .).
[0008]
Various oxygen electrodes are used in these devices. The oxygen electrode is composed of at least a cathode for electrochemically reducing dissolved oxygen, a corresponding anode, and an oxygen-permeable membrane for selectively transmitting oxygen. From the configuration of the electric circuit, it is roughly classified into a polaro-type oxygen electrode using an electrochemical reaction driven by a constant external voltage and a galvanic-type oxygen electrode using a kind of battery reaction (for example, see Non-Patent Document 1). .).
[0009]
The former polaro-type oxygen electrode is composed of a platinum cathode and a silver anode, and a voltage of about 0.6 volt to the anode is applied to the platinum cathode to detect a reduction current of oxygen. If an electrolyte such as potassium chloride is present between the oxygen permeable membrane and the cathode and anode, the device operates and can be made relatively small. However, when an external voltage is applied, a reduction reaction of platinum oxide occurs on the surface of platinum used as a cathode, and it takes time until a stable output is obtained, and the base current (residual current) at a low oxygen concentration is reduced. It is a big problem that it is large and the measurement range is limited.
[0010]
On the other hand, the galvanic oxygen electrode has a slightly complicated structure, but is excellent in stability and small in residual current, and is suitable for a biosensor.
FIG. 3 shows an outline of a conventional galvanic oxygen electrode. A cathode 1 made of platinum or gold and an
[0011]
In order to immobilize microorganisms and detect oxygen consumption by the microorganisms with an oxygen electrode, it is necessary to bring the cathode 1 as close as possible to the microorganisms through an oxygen permeable membrane. For that purpose, it is necessary that the portion of the oxygen
However, when the protrusion amount is increased, the oxygen
[0012]
Therefore, as the oxygen
In addition, since the thickness of the oxygen
[0013]
[Patent Document 1]
JP 2002-90360 A [Patent Document 2]
JP-A-2-190763 [Non-Patent Document 1]
"Electrochemical Measurement Method", published by Gihodo, 1984
[Problems to be solved by the invention]
Although the present invention is directed to a galvanic oxygen electrode, an oxygen electrode suitable for an analyzer using immobilized microorganisms has not been obtained by conventional techniques.
A first object of the present invention is to provide an oxygen electrode having a structure which can easily increase the response speed of an electrode by thinning an oxygen permeable film.
A second object of the present invention is to provide a microbial electrode provided with such an oxygen electrode.
A third object of the present invention is to provide a measuring device provided with such a microbial electrode.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The oxygen electrode of the present invention includes an oxygen permeable membrane at the tip for isolating the inside and the outside, a cathode and an anode inside, and the cathode is brought into contact with the oxygen permeable membrane, and an internal liquid is interposed between the cathode and the anode. The present invention relates to a galvanic oxygen electrode which is provided with a cathode protection body surrounding the side of the cathode provided inside the electrode, and the tip position of the cathode protection body is arranged so as to be substantially flush with the tip position of the cathode. The tip of the cathode protector is also brought into contact with the oxygen permeable membrane.
[0016]
Since the oxygen permeable membrane is kept substantially horizontal by the protective body and the cathode, no excessive force is applied to the oxygen permeable membrane, and the oxygen permeable membrane is hardly damaged even when pressed against the microorganism membrane. Therefore, the thickness of the oxygen permeable film can be reduced.
[0017]
As the oxygen permeable film, for example, a resin film having a thickness in the range of 8 μm to 1000 μm can be used. From the viewpoint of increasing the response speed, the thickness of the oxygen permeable film is preferably thinner, for example, 50 μm or less.
[0018]
As the cathode, the anode and the internal solution, those conventionally used can be used, but the cathode is made of platinum or gold, the anode is aluminum, and the internal solution contains at least a dibasic acid or a salt thereof. It is preferred that it be composed of a solution.
[0019]
When lead is used for the anode, the lead in the anode becomes lead oxide due to the reaction inside the oxygen electrode and precipitates. When this precipitate is formed, the response speed of the electrode is adversely affected, and the precipitate enters between the cathode and the oxygen permeable membrane, so that a normal response value cannot be obtained. Therefore, in the oxygen electrode of this type, maintenance such as replacement of the internal liquid is required once every one to three months, which imposes a great burden on the analyst.
[0020]
Electrodes that use acetates in the internal solution have been developed, partly because they eliminate the adverse effects of leakage of the alkaline aqueous solution.However, precipitation of lead oxide and lead acetate cannot be prevented, and this is an essential solution. Was not. There is also a major problem in that the precipitation of lead oxide and lead acetate is a heavy metal salt, so that attention must be paid to its treatment.
Compared to the case where lead is used as the anode, aluminum is a light metal having relatively low toxicity, and is excellent in that no harmful waste is generated due to replacement of the internal solution.
[0021]
When aluminum is used as the anode and a solution containing at least a dibasic acid or a salt thereof is used as the internal solution, no precipitate is generated, and stable measurement can be performed for a long period of time.
A dibasic acid or a salt thereof is inexpensive, and has advantages such as being less odorous and stable for a long time as compared with an acid such as acetic acid due to low volatility.
[0022]
Electrodes that use platinum for the cathode, aluminum for the anode, and potassium chloride for the internal solution have also been developed, but the electrodes tend to carry noise on the signal, making them difficult to use for high-precision measurements. However, when aluminum is used as the anode and a dibasic acid or its salt is used as the internal solution, there is also an advantage that noise is reduced.
[0023]
The microorganism electrode of the present invention includes a microorganism-immobilized membrane in which microorganisms are immobilized on a porous membrane, and an oxygen electrode in which an oxygen-permeable membrane is brought into contact with the microorganism-immobilized membrane and electrochemically detects oxygen concentration. The sample is brought into contact with the surface of the immobilized membrane opposite to the surface in contact with the oxygen electrode to allow the chemical substance in the sample to pass through the porous membrane, and oxygen consumed when microorganisms bioconvert the chemical substance in the sample. This is to measure the concentration of a chemical substance by detecting the absorption of oxygen by the oxygen electrode. The oxygen electrode of the present invention described above is used as the oxygen electrode.
[0024]
The measurement apparatus of the present invention includes a mechanism for switching a sample to be measured, a washing solution, and a standard solution, a mechanism for aspirating each solution, and a mechanism for separately sending a buffer solution. Mixing, sending air to the mixed liquid, measuring the chemical substance concentration by bringing the gas-liquid mixture into contact with the microbial electrode, and using the above-described microbial electrode of the present invention as the microbial electrode It is.
[0025]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The outline of the microorganism electrode of the present invention will be described with reference to FIG.
At the bottom of the figure is a microbial membrane on which microorganisms are immobilized, and at the top of the figure is an oxygen electrode, which is assembled so that the oxygen permeable membrane of the oxygen electrode contacts the microbial membrane. It becomes.
[0026]
The oxygen electrode is provided with an oxygen
[0027]
The cathode 1 uses platinum or gold. In the case of gold, the
[0028]
Aluminum is used for the
[0029]
It is desirable to use a dibasic acid or a salt thereof for the internal liquid 9. Examples of the dibasic acid include organic acids such as citric acid, lactic acid, and malic acid. These organic acids are inexpensive, and because of their low volatility, they have advantages such as no odor and long-term stability compared to acids such as acetic acid. In particular, citric acid is preferred because it has high solubility and excellent stability when stored in a reagent. A bacteriostatic agent such as sodium azide can be added to the dibasic acid for the purpose of sterilization.
[0030]
The concentration of the dibasic acid is desirably about 10 mM to about 1 M. If the concentration is too low, acid is consumed in the reaction with aluminum, and long-term stability cannot be ensured. Conversely, if the concentration is too high, the salt tends to precipitate, which is not suitable.
[0031]
In the past, potassium chloride was often used as the internal solution of a galvanic oxygen electrode combining platinum and other base metals.However, when potassium chloride was used, noise tended to increase, and high precision measurement was required. Not suitable. The reason why stable measurement can be performed for a long period of time by using a dibasic acid is that no precipitate is formed. This is presumably because the dibasic acid acts as a chelating agent for aluminum.
[0032]
Further, in the alkaline internal liquid, the pH of the internal liquid may fluctuate due to the dissolution of carbon dioxide, which may lower the accuracy. On the other hand, when a dibasic acid is used, the pH of the solution becomes acidic, and carbon dioxide generated at the same time as the consumption of oxygen by the microorganism is not dissolved.
Further, a dibasic acid or a salt thereof may be used in combination with an electrolyte such as sodium chloride or potassium chloride. The coexistence of the electrolyte limits the solubility of gases other than oxygen, and can further improve the accuracy.
[0033]
As the oxygen
[0034]
Oxygen reduction occurs on the surface of the cathode 1 and oxidation of aluminum proceeds on the surface of the
[0035]
By adopting this structure, an excessive force is not applied to the oxygen
[0036]
Similarly, the response time when using a 50 μm thick oxygen permeable membrane was about 40 seconds, about 2 minutes for a 100 μm thick oxygen permeable membrane, and about 5 minutes for a 200 μm thick oxygen permeable membrane. In order to accurately follow the oxygen absorption of the microorganism, the response time is desirably 1 minute or less.
[0037]
The microbial membrane fixes the
[0038]
The porous membrane used has a pore size such that microorganisms placed inside do not leak out and other microorganisms do not enter from the sample side, but a pore size in the range of 0.1 to 1 μm is desirable. As the material of the porous membrane, various materials such as regenerated cellulose, acetylcellulose, fluororesin, polyvinylidene fluoride, and polysulfone can be used. Is desirable.
[0039]
In this microorganism electrode, the cathode 1 is pressed against the microorganism-immobilized membrane via the oxygen
[0040]
A microbial electrode using this oxygen electrode and combined with an immobilized microbial membrane can be used in a measuring device. An example of such a measuring device includes a mechanism for switching between a sample to be measured, a washing solution, and a standard solution, a mechanism for aspirating each solution, and a mechanism for separately sending a buffer solution, and a buffer for any of the switched solutions. The liquid is mixed, air is sent to the mixed liquid, the gas-liquid mixture is brought into contact with the microbial electrode, and the oxygen electrode reading when the cleaning liquid is being sent and the standard solution or sample is being sent. It has a function of storing the difference between the oxygen electrode indicated values, and comparing and calculating the difference between the oxygen electrode indicated values for the standard solution and the sample.
[0041]
An outline of the measuring device will be described with reference to FIG. The entire device is incorporated in a
[0042]
A resin tube made of silicon, fluororesin, polyethylene, or the like can be used as a tube for connecting the components. An inner diameter of about 0.5 to 5 mm can be used, but if it is too thin, insoluble matter in the sample may be clogged, and if it is too thick, it takes too much time for the sample to pass, so that about 1.0 to 3 mm. Things are desirable. The
[0043]
Similarly, the
As the
[0044]
The temperature of the
[0045]
【Example】
Hereinafter, the content of the present invention will be described in more detail with reference to Examples, but the present invention is not limited thereto.
[0046]
(Example 1)
(1) Oxygen Electrode In the oxygen electrode of FIG. 1, the cathode 1 is made of a platinum rod having a diameter of 2 mm, and is sealed in a
[0047]
(2) Method for preparing microorganism membrane Trichosporon cutaneum (IFO-10466 strain) was cultured and immobilized. The turbidity of the culture was measured at 660 nm, and 50 L of the culture having a turbidity of 2 was used for immobilization. As the
[0048]
(3) Measuring device The microorganism-immobilized membrane and the oxygen electrode were mounted on the device shown in FIG. The temperature of the
After flowing the standard solution for 5 minutes, washing is performed for 15 minutes, and the samples are sent for 1, 3, and 5 minutes, respectively. The concentration C of the sample was calculated by comparing the response value A to the standard solution and the response value B to the sample. That is, it was calculated as C = 20 × (B / A).
[0049]
(4) Measurement result If the response speed of the electrode is sufficiently fast, the sample concentration should be calculated correctly, but if it is slow, the value should be lower. Table 1 shows the results. It can be seen from Table 1 that a constant value was obtained after approximately 3 minutes of liquid transfer.
[0050]
(Comparative Example 1)
Example 2 except that the electrode had the structure of FIG. 2, the cathode was platinum, the anode was lead, 1% sodium hydroxide was used for the internal solution, and the oxygen-permeable membrane was 100 μm thick fluororesin. The measurement was performed under the same conditions with the same structure as in Example 1.
The results are also shown in Table 1. In Comparative Example 1, it was found that a correct value was not obtained even when the liquid was sent for 5 minutes, and there was a remarkable difference in response speed.
[0051]
[Table 1]
[0052]
(Example 2)
Using the electrode and the device described in Example 1, the operation was continuously performed at 35 ° C. The electrode was taken out every one month, and the electrode was alternately immersed in air-saturated water at 25 ° C. and water from which oxygen was removed with nitrogen gas, and the response speed was evaluated. Table 2 shows the results.
It was found that there was no change in response speed until 6 months. From this result, it was found that the electrode of the present invention was excellent in response speed and stability.
[0053]
(Comparative Example 2)
The operation was continuously performed at 35 ° C. using the electrode and the device described in Comparative Example 1. The electrode was taken out every one month, and the electrode was alternately immersed in air-saturated water at 25 ° C. and water from which oxygen was removed with nitrogen gas, and the response speed was evaluated. Table 2 also shows the results.
Although the response time itself was slower than that of Example 2, there was no significant change until the third month. However, in the fourth month, it became extremely slow, and in the sixth month, the output itself became small and measurement became impossible. When decomposed in this state, it is considered that the internal liquid itself became cloudy due to the precipitation of lead oxide, and as a result, normal operation could not be performed.
[0054]
[Table 2]
[0055]
【The invention's effect】
In the oxygen electrode of the present invention, a cathode protector surrounding the side of the cathode is provided inside the electrode, and the tip position of the cathode protector is arranged so as to be substantially flush with the tip position of the cathode. Since the tip of the oxygen permeable membrane was also in contact with the oxygen permeable membrane, the oxygen permeable membrane was kept almost horizontal by the protective body and the cathode, and no excessive force was applied to the oxygen permeable membrane, and the thickness of the oxygen permeable membrane was reduced. The response speed can be increased by making it thinner.
When aluminum is used as the anode and a solution containing at least a dibasic acid or a salt thereof is used as the internal solution, no precipitation occurs, stable measurement can be performed for a long period of time, and noise is small.
The microbial electrode provided with the oxygen electrode of the present invention and the measuring device provided with the microbial electrode can increase the response speed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic sectional view showing a microbial electrode according to one embodiment.
FIG. 2 is a flow chart showing a measuring apparatus according to one embodiment.
FIG. 3 is a schematic sectional view showing a conventional oxygen electrode.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
Claims (6)
この電極内部に前記カソードの側方を包囲するカソード保護体を設け、このカソード保護体の先端位置を前記カソードの先端位置とほぼ同一面になるように配置し、このカソード保護体の先端も前記酸素透過膜に接触させたことを特徴とする酸素電極。A galvanic type in which an oxygen permeable membrane for isolating the inside and outside is provided at the tip, a cathode and an anode are provided inside, and the cathode is brought into contact with the oxygen permeable membrane, and an internal liquid is interposed between the cathode and the anode. At the oxygen electrode,
A cathode protector surrounding the side of the cathode is provided inside the electrode, and the tip position of the cathode protector is arranged so as to be substantially flush with the tip position of the cathode. An oxygen electrode contacted with an oxygen permeable membrane.
前記酸素電極が請求項1から4のいずれかに記載の酸素電極であることを特徴とする微生物電極。A microorganism-immobilized membrane in which microorganisms are immobilized on a porous membrane, and an oxygen electrode, wherein an oxygen-permeable membrane is brought into contact with the microorganism-immobilized membrane to electrochemically detect an oxygen concentration, and the oxygen electrode of the microorganism-immobilized membrane is provided. The sample is brought into contact with the surface opposite to the surface in contact with the sample to allow the chemical substance in the sample to pass through the porous membrane, and the absorption of oxygen consumed when microorganisms bioconvert the chemical substance in the sample is measured using the oxygen electrode. In microbial electrodes that detect and measure the concentration of chemical substances,
A microbial electrode, wherein the oxygen electrode is the oxygen electrode according to any one of claims 1 to 4.
前記微生物電極が請求項5に記載の微生物電極であることを特徴とする測定装置。A mechanism for switching between the sample to be measured, the washing solution, and the standard solution, a mechanism for aspirating each solution, and a mechanism for separately sending a buffer solution, and a buffer solution was mixed with any of the switched solutions and mixed. In a measuring device for sending air to the liquid and bringing the gas-liquid mixture into contact with the microbial electrode to measure the concentration of the chemical substance,
A measurement device, wherein the microorganism electrode is the microorganism electrode according to claim 5.
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