JP2004132859A - X線ct装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検体によるX線減衰に応じX線投影条件を適応的に変化させるX線CT撮像装置を提供する。
【解決手段】複数のX線エネルギーの分布のX線を発生できるX線発生手段101、102と、被検体116の透過X線を検出するX線検出器108と、X線発生手段とX線検出器と搭載して回転する回転ガントリ100とを有し、被検体の同一断面に対して複数のX線エネルギ分布をもつX線を照射して、被検体の投影像から内部情報を得るX線CT装置であり、所定のX線エネルギ分布をもつX線を照射して、被検体の透過X線信号強度に基づいて、X線の通路へのX線フイルタ103の挿入量の制御、X線検出器に入射する透過X線のX線コリメータ106の開口幅による制御、ガントリの回転速度の制御の少なくとも1つの制御を行なう制御手段114を有し、所定のX線エネルギ分布と異なる分布をもつX線を照射して、被検体の透過X線を検出する。
【効果】量子ノイズによるCT画質の劣化を防止できる。
【選択図】 図1
【解決手段】複数のX線エネルギーの分布のX線を発生できるX線発生手段101、102と、被検体116の透過X線を検出するX線検出器108と、X線発生手段とX線検出器と搭載して回転する回転ガントリ100とを有し、被検体の同一断面に対して複数のX線エネルギ分布をもつX線を照射して、被検体の投影像から内部情報を得るX線CT装置であり、所定のX線エネルギ分布をもつX線を照射して、被検体の透過X線信号強度に基づいて、X線の通路へのX線フイルタ103の挿入量の制御、X線検出器に入射する透過X線のX線コリメータ106の開口幅による制御、ガントリの回転速度の制御の少なくとも1つの制御を行なう制御手段114を有し、所定のX線エネルギ分布と異なる分布をもつX線を照射して、被検体の透過X線を検出する。
【効果】量子ノイズによるCT画質の劣化を防止できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷物、貨物を非破壊に検査するX線CT装置に関し、特にエネルギーに依存する投影を行って被検体の内部の物質情報を推定する技術に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、航空機に積載する預託荷物、機内持ち込み手荷物等の安全性の確認や、税関での通関検査のために、従来の透視によるX線検査装置に加え、X線CT装置が用いられている。特に、特許文献1に記載のように、物質による透過の違いを顕著に見出すために従来透視装置と同様に、デュアルエネルギー走査による撮像が行われている。
【0003】
【特許文献1】
米国特許6418189号明細書
デュアルエネルギー走査は、被写体の同一の部位を、異なるエネルギー分布をもつX線を使用して撮影することにより、主に電子分布密度が関与する光電効果についての情報、主に原子番号が関与するコンプトン散乱についての情報を計算によって求めることができ、これら各情報は被写体の元素組成や密度分布を推定する上で有用となる。
【0004】
「高エネルギー」のエネルギー分布をもつX線の使用、及び、「低エネルギー」のエネルギー分布をもつX線の使用により撮影を行なうデュアルエネルギー走査を行うためには、X線管に印加する管電圧を増減させる等により、被写体に照射するX線のエネルギー分布を異なる条件にして撮影することが必要となる。
【0005】
デュアルエネルギー走査では、被写体に照射するX線のエネルギー分布の30keV〜80keV付近は、光電効果からコンプトン散乱域に変化する領域にあたり、元素による吸収係数の違いが著しく表れるので、30keV〜80keV付近のエネルギー域が「低エネルギー」の撮像時のエネルギー分布に含まれるように撮像条件が設定されるのが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
航空機に積載する預託荷物等を被写体とする検査や税関検査では、スーツケースを含め、比較的大きな原子番号の多種類の元素が含まれる。そのような条件下で行うX線CT撮影で偽像を押えるには、X線の各投影方向で十分なX線の透過量を確保する必要がある。被写体厚みが大きく鉄等の比較的大きな原子番号の元素を含む部位が、撮像領域に含まれると、被写体によるX線吸収量が多くなって透過X線フォトン数が減少し、固定されたX線照射−検出の条件によっては、透過X線フォトンの量子ノイズが顕在化して、CT画像の画質を十分に確保しにくい場合が生じるという課題があった。
【0007】
透過X線フォトンの量子ノイズを減少させるためには、X線CT撮像での各投影角度位置でのX線照射時間を長くするために、(a)X線発生器とX線検出器を保持するガントリの回転角速度を低速にする、(b)X線発生器の電流量を増す、(c)X線発生器ないしはX線検出器のコリメート角度を変化させる等の手段が可能である。
【0008】
しかし、乗客や荷主が任意に梱包する預託荷物、手荷物、貨物では、予めどのような物質が内包されているかを知ることができない場合がほとんどであり、上述の「低エネルギー」の撮像を常にX線検出器回路系の最適なダイナミックレンジ条件に固定することは困難であるという課題があった。即ち、低エネルギー条件での投影走査において、X線吸収係数が大きい被検体が投影面内に存在するとき、透過X線フォトン量の不足により十分低ノイズの計測値が得にくいという課題があった。また、最も著しい透過X線の減衰をもたらす被写体厚みの部位を通過する角度方向での撮影を行なうガントリの回転角度を、精度良く推定することは非常に困難であるという課題があった。
【0009】
本発明の目的は、被検体によるX線減衰の状況に応じて、X線投影条件を適応的に変化させ量子ノイズによるCT画質の劣化を防止できるX線CT撮像装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術に鑑み、本発明のX線CT装置では、第一の手段として、X線のエネルギーの分布が可変なX線発生手段と、被検体を透過した透過X線を検出する検出手段とを備えた回転ガントリを、被検体の回りで回転させて、被検体の同一断面に対して、複数のX線エネルギー分布をもつX線を被検体に照射して、複数方向において、投影像を検出する。
【0011】
複数の投影条件の一部の条件(X線エネルギー分布)を選択して得られるX線検出手段の出力信号に従い、残りの投影条件のうち、X線発生手段の単位時間における出力線量、X線検出手段の有効検出面積、ガントリの回転速度を制御することに特徴がある。
【0012】
第ニの手段として、上記の選択される投影条件は、少なくともX線発生手段の加速電圧(X線管電圧)が最も高い優先度をもつことに特徴がある。
【0013】
第三の手段として、上記第一、第二の手段を備えて、一つのCT断面を形成するのに必要なガントリの撮像回転毎に、異なるX線エネルギー分布で投影を行うことに特徴がある。
【0014】
第四の手段として、第一から第三の手段において、X線発生器及びX線検出器の情報を予め記憶し、続く投影計測において記憶情報に基づいて投影計測することに特徴がある。
【0015】
より詳細に本発明のX線CT装置を以下に説明する。
本発明のX線CT装置は、被検体を搭載する搭載手段と、被検体に照射するX線を放射するX線管と、被検体を挟んでX線管に対向して配置され、被検体を透過した透過X線を検出するX線検出器とを具備する。
【0016】
さらに、搭載手段を一方向に移動させる搭載手段の搬送駆動手段と、X線管に印加する管電圧を可変に発生するX線発生装置と、X線管から放射されるX線の通路に挿入され、被検体に照射するX線量を制御するX線フイルタと、X線管から放射されるX線の通路に挿入されるX線フイルタの位置を設定するX線フイルタ駆動手段と、X線検出器の前面に配置され、X線コリメータの開口幅により、X線検出器に入射する透過X線を制限するX線コリメータと、X線コリメータの開口幅を設定するためのX線コリメータ駆動手段とを具備する。
【0017】
ガントリは、X線管とX線発生装置とX線フイルタとX線コリメータ駆動手段とX線検出器とを搭載して、被検体の回りを回転する。
【0018】
制御手段は、X線フイルタのX線の通路への挿入量の制御、X線検出器に入射する透過X線のX線コリメータによる制御、ガントリの回転速度の制御の、少なくとも1つの制御を行なう。被検体の同一断面に対して少なくとも第1及び第2のX線エネルギー分布をもつX線が照射され、複数の方向からの投影像を検出して、被検体の内部の情報を得る。
【0019】
制御手段は、X線管に第1の管電圧を印加して、第1のX線エネルギー分布をもつX線の被検体への照射によるX線検出器の出力信号に基づいて、X線フイルタの制御、X線コリメータの制御、ガントリの回転速度の制御の少なくとも1つの制御を行ない、X線管に第2の管電圧を印加して、第2のX線エネルギー分布をもつX線を被検体へ照射して、複数の方向からの投影像を検出して、被検体の内部の情報を得る。なお、第2の管電圧は第1の管電圧よりも低く設定される。
【0020】
また、被検体の同一断面に対して、ガントリの正方向の回転時には、X線管に第1の管電圧が印加され、ガントリの負方向の回転時には、X線管に第2の管電圧が印加される。更に、X線検出器は一方向に配列される検出素子を具備し、ガントリの回転角度毎におけるX線検出器の各検出素子の出力信号を記憶する記憶手段を備えている。記憶手段から読み出される検出素子の出力信号に基づいて、制御手段は、X線フイルタの制御、X線コリメータの制御、ガントリの回転速度の制御の少なくとも1つの制御を行なう。
【0021】
本発明では、被検体内部の物質を推定するために、エネルギー選択的な撮像を行うX線CT装置において、高エネルギーでの投影走査の結果に基づいて、他の低いエネルギーでの投影走査の条件を決定することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例のX線CT撮像装置は、複数のX線エネルギーの分布をもつX線を発生可能なX線発生手段と、被検体を透過した透過X線を検出するために、被検体を挟みX線発生手段に対向して配置されるX線検出器と、X線発生手段とX線検出器とを搭載して、被検体の回りを回転する回転ガントリを具備している。
【0023】
被検体の同一断面に対して複数のX線エネルギ分布をもつX線を照射して、被検体の投影像から被検体の内部の情報を得る。所定のX線エネルギ分布をもつX線を被検体に照射して、被検体を透過した透過X線のX線検出器により検出される信号強度に基づいて、制御手段は制御を行なう。
【0024】
制御手段は、被検体に照射するX線の通路へのX線フイルタの挿入量の制御、X線検出器に入射する透過X線のX線コリメータの開口幅による制御、ガントリの回転速度の制御の、少なくとも1つの制御を行ない、所定のX線エネルギ分布と異なるX線エネルギ分布をもつX線が被検体に照射され、被検体を透過した透過X線がX線検出器により検出される。
【0025】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施例のX線CT撮像装置の全体構成を示す図である。旅行鞄等の被検体116は、搬送駆動手段111により並進移動するコンベヤ117に搭載される。コンベヤ117の並進移動により、被検体116の所望の位置が、撮像のための照射X線105が照射される位置に移動される。被検体116の所望の位置に照射X線105が照射され、被検体116の所望の位置を通る撮像断面を照射X線105が透過する。
【0027】
搬送駆動手段111は、駆動制御部113の指令により並進移動の速度が制御される。例えば、搬送駆動手段111は、サーボモーターとモータードライバで構成でき、駆動制御部113は、シーケンサやプログラマブルコントローラで実現できる。また、駆動制御部113は、ガントリ100を、所定の中心軸の周りで回転させる回転駆動手段112の速度を制御する。
【0028】
ガントリ100には、X線発生装置(電源回路、管電圧設定回路、管電流設定回路を含む)102、X線管101、X線検出器108他が搭載されており、ガントリ100の複数の回転角度の位置で、X線管101、から発生するX線が被検体116に照射され、被検体116を透過した透過X線フォトンがX線検出器108により検出され、被検体116の回転投影が実行される。
【0029】
X線検出器108は、ガントリ100の回転の周方向に沿って少なくとも多くのチャネル数に分割配列された検出素子を具備しており、周方向の複数チャネルの各検出素子により、被検体116を透過した透過X線フォトンが個別に検出される。
【0030】
X線発生装置102によりX線管101に印加する管電圧制御に従ってエネルギー分布が規定され、X線管101より放射される照射X線105は、フィルタ駆動手段104にてX線光路中に挿抜が可能なフィルタ103を通過した後、被検体116、コンベヤ117を透過し、コリメータ駆動手段107で駆動されるコリメータ106により断面厚み方向の幅をコリメートされ、X線検出器108に入射する。
【0031】
走査制御部114はその指令により、X線発生装置102で発生するX線管101に印加する管電圧、管電流を設定する。また、走査制御部114はその指令により、フィルタ駆動手段104、コリメータ駆動手段107を制御する。走査制御部114は、必要に応じて、フィルタ駆動手段104によりタングステン板からなるフィルタ等を挿入してビームハードニング等を行い、被検体116に照射するX線のエネルギー分布を変化させる。
【0032】
X線発生装置102により相対的に低い管電圧をX線管101に印加した場合や、X線管101に印加する管電流を少なく制限する場合には、走査制御部114の指令により、コリメータ駆動手段107は、コリメーター106の開口幅を広げて被検体116を透過した透過X線フォトンのX線検出器108への入射数を増大するように改善する。
【0033】
X線検出器108の出力はデータ収集部109に蓄積され、図示しないデータリンク手段を介してデータ演算部110へ転送される。データ演算部110ではデュアルエネルギー撮像に基づいたCT像再構成演算が行われる。
【0034】
システム制御部115は、制御部113、走査制御部114を制御すると共に、データ演算部110で得られたデュアルエネルギー撮像に基づいたCT像再構成演算結果、即ち、被検体116のCT像再構成結果をを、図示しない表示部に表示する。
【0035】
さらに、データ演算部110は、記憶手段118を備えており、最初の回転走査による投影データの結果を記憶して、以降の回転投影条件を改善する条件を演算により決定できる。例として、以下では、X線発生装置102によりX線管101に印加される管電圧が、相対的に高い管電圧V1(kV)とする回転走査による撮影と、相対的に低い管電圧V2(kV)とする回転走査による撮影のによる、往復2回の回転走査で同一断面を撮像する場合をとり説明する。
【0036】
管電圧をV1とする回転走査による各投影角度毎の投影データを記憶手段118に蓄積する。X線検出器108で各投影角度毎に、X線検出器の各検出素子で検出された投影データのうちで、最も吸収減衰が大きな投影データ、最も吸収減衰が小さい投影データが検索される。これにより各投影角度毎に、被検体116を透過しX線検出器108で検出された信号の最大値と最小値が求められる。
【0037】
一方、予め定められた管電圧V1とV2による照射X線による減衰量の関係の推定結果より、管電圧V2の場合に予想される減衰量に見合って、X線発生装置102により設定するX線管電流量、コリメーター106の開口幅を設定できる。
【0038】
管電圧V1とV2での減推量の関係の推定は、例えば、鉄の吸収スペクトルから予め求めた関係で決定できる。これにより、X線管電流量の必要最下限を決定できる。
【0039】
一方、X線検出器108で検出された信号の最大値からは、電荷増幅による検出系の動作条件の変更等に連動して、X線検出器が飽和しないX線管電流量の最大値を決定できる。
【0040】
図2は、本発明の実施例での動作緒元の時間変化を示す図であり、ガントリがデュアルエネルギー撮像で往復回転する間での、(a)X線管電圧200、(b)X線管電流201、(c)ガントリ100の回転角速度202、(d)ガントリ100の回転角度203、(e)フィルタ103の位置204、(f)コリメーター106の開口幅205についての、それぞれの時間変化を示す。
【0041】
時刻T0で相対的に高いX線管電圧V1がX線管101に設定され、ガントリ100が回転加速される。時刻T1から時刻T2の区間では、正方向の回転の角速度U1の定速区間になり、回転角度は時間に比例して角度θ1から角度(θ1+θs)まで増加する。ここでθsは、CT像を形成するのに必要な投影角度以上の角度である。
【0042】
時刻T2以降はガントリ100の減速が開始される。時刻T1から時刻T2の区間では、X線管電流はI1、フィルタ103の位置はP1、コリメータ106の開口幅はG1に設定される。時刻T2以後は、ガントリ100の減速、停止の後、反転方向に加速され、負の一定角速度U2にて再び角度(θ1+θs)から角度θ1まで回転され、X線管101に管電圧V2が印加され、相対的に低いエネルギーでの回転投影が行われる。
【0043】
X線管101に管電圧V1を印加した回転投影終了する時刻T2より、引き続き行われる管電圧V2が印加された状態での最適な計測(撮像)条件が決定される。これにより、X線管電流I2、ガントリ100の回転角速度U2、コリメーター106の開口幅G2が決定される。時刻T3でガントリ100の反転方向の一定速度回転が開始され、時刻T4でガントリ100を減速し、時刻T5でガントリ100を停止する。
【0044】
時刻T2以降では、必要に応じて、X線管101に管電圧V1を印加した状態で投影データのみを用いた結果から、CT断層像を再構成して図示しない表示手段に出力することができ、時刻T4以降で、デュアルエネルギー撮像に応じた像再構成結果を表示できる。
【0045】
X線管101に管電圧V1、V2がそれぞれ印加された状態での投影像の計測時には、X線管電流がI1、I2に、ガントリの角速度がU1、U2に、被検体に照射するX線の通路に挿入されるフイルタの挿入量はP1、P2に、コリメータの開口幅はG1、G2に、それぞれ設定されるが、V1>V2、I1<I2、絶対値U1>絶対値U2、P1>P2、G1<G2として、設定される。
【0046】
以上説明した本発明では、デュアルエネルギー撮像に代表されるエネルギー選択的な撮像を行うX線CT撮像装置において、被検体によるX線減衰の状況に応じて、特に、低エネルギーでの透過X線フォトン量を確保できるように、X線投影条件を適応的に変化させることができ、量子ノイズによるCT画質の劣化を防止できる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、被検体によるX線減衰の状況に応じて、X線投影条件を適応的に変化させ量子ノイズによるCT画質の劣化を防止できる、エネルギー選択的な撮像を行うX線CT撮像装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のX線CT撮像装置の全体構成を示す図。
【図2】本発明の実施例での動作緒元の時間変化を示す図。
【符号の説明】
100…ガントリ、101…X線管、102…X線発生装置、103…フィルタ、104…フィルタ駆動手段、105…照射X線、106…コリメーター、107…コリメータ駆動手段、108…X線検出器、109…データ収集部、110…データ演算部、111…搬送駆動手段、112…回転駆動手段、113…駆動制御部、114…走査制御部、115…システム制御部、116…被検体、117…コンベヤ、118…記憶手段、200…X線管電圧、201…X線管電流、202…回転角速度、203…回転角度、204…フィルタ位置、205…コリメータ開口幅。
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷物、貨物を非破壊に検査するX線CT装置に関し、特にエネルギーに依存する投影を行って被検体の内部の物質情報を推定する技術に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、航空機に積載する預託荷物、機内持ち込み手荷物等の安全性の確認や、税関での通関検査のために、従来の透視によるX線検査装置に加え、X線CT装置が用いられている。特に、特許文献1に記載のように、物質による透過の違いを顕著に見出すために従来透視装置と同様に、デュアルエネルギー走査による撮像が行われている。
【0003】
【特許文献1】
米国特許6418189号明細書
デュアルエネルギー走査は、被写体の同一の部位を、異なるエネルギー分布をもつX線を使用して撮影することにより、主に電子分布密度が関与する光電効果についての情報、主に原子番号が関与するコンプトン散乱についての情報を計算によって求めることができ、これら各情報は被写体の元素組成や密度分布を推定する上で有用となる。
【0004】
「高エネルギー」のエネルギー分布をもつX線の使用、及び、「低エネルギー」のエネルギー分布をもつX線の使用により撮影を行なうデュアルエネルギー走査を行うためには、X線管に印加する管電圧を増減させる等により、被写体に照射するX線のエネルギー分布を異なる条件にして撮影することが必要となる。
【0005】
デュアルエネルギー走査では、被写体に照射するX線のエネルギー分布の30keV〜80keV付近は、光電効果からコンプトン散乱域に変化する領域にあたり、元素による吸収係数の違いが著しく表れるので、30keV〜80keV付近のエネルギー域が「低エネルギー」の撮像時のエネルギー分布に含まれるように撮像条件が設定されるのが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
航空機に積載する預託荷物等を被写体とする検査や税関検査では、スーツケースを含め、比較的大きな原子番号の多種類の元素が含まれる。そのような条件下で行うX線CT撮影で偽像を押えるには、X線の各投影方向で十分なX線の透過量を確保する必要がある。被写体厚みが大きく鉄等の比較的大きな原子番号の元素を含む部位が、撮像領域に含まれると、被写体によるX線吸収量が多くなって透過X線フォトン数が減少し、固定されたX線照射−検出の条件によっては、透過X線フォトンの量子ノイズが顕在化して、CT画像の画質を十分に確保しにくい場合が生じるという課題があった。
【0007】
透過X線フォトンの量子ノイズを減少させるためには、X線CT撮像での各投影角度位置でのX線照射時間を長くするために、(a)X線発生器とX線検出器を保持するガントリの回転角速度を低速にする、(b)X線発生器の電流量を増す、(c)X線発生器ないしはX線検出器のコリメート角度を変化させる等の手段が可能である。
【0008】
しかし、乗客や荷主が任意に梱包する預託荷物、手荷物、貨物では、予めどのような物質が内包されているかを知ることができない場合がほとんどであり、上述の「低エネルギー」の撮像を常にX線検出器回路系の最適なダイナミックレンジ条件に固定することは困難であるという課題があった。即ち、低エネルギー条件での投影走査において、X線吸収係数が大きい被検体が投影面内に存在するとき、透過X線フォトン量の不足により十分低ノイズの計測値が得にくいという課題があった。また、最も著しい透過X線の減衰をもたらす被写体厚みの部位を通過する角度方向での撮影を行なうガントリの回転角度を、精度良く推定することは非常に困難であるという課題があった。
【0009】
本発明の目的は、被検体によるX線減衰の状況に応じて、X線投影条件を適応的に変化させ量子ノイズによるCT画質の劣化を防止できるX線CT撮像装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術に鑑み、本発明のX線CT装置では、第一の手段として、X線のエネルギーの分布が可変なX線発生手段と、被検体を透過した透過X線を検出する検出手段とを備えた回転ガントリを、被検体の回りで回転させて、被検体の同一断面に対して、複数のX線エネルギー分布をもつX線を被検体に照射して、複数方向において、投影像を検出する。
【0011】
複数の投影条件の一部の条件(X線エネルギー分布)を選択して得られるX線検出手段の出力信号に従い、残りの投影条件のうち、X線発生手段の単位時間における出力線量、X線検出手段の有効検出面積、ガントリの回転速度を制御することに特徴がある。
【0012】
第ニの手段として、上記の選択される投影条件は、少なくともX線発生手段の加速電圧(X線管電圧)が最も高い優先度をもつことに特徴がある。
【0013】
第三の手段として、上記第一、第二の手段を備えて、一つのCT断面を形成するのに必要なガントリの撮像回転毎に、異なるX線エネルギー分布で投影を行うことに特徴がある。
【0014】
第四の手段として、第一から第三の手段において、X線発生器及びX線検出器の情報を予め記憶し、続く投影計測において記憶情報に基づいて投影計測することに特徴がある。
【0015】
より詳細に本発明のX線CT装置を以下に説明する。
本発明のX線CT装置は、被検体を搭載する搭載手段と、被検体に照射するX線を放射するX線管と、被検体を挟んでX線管に対向して配置され、被検体を透過した透過X線を検出するX線検出器とを具備する。
【0016】
さらに、搭載手段を一方向に移動させる搭載手段の搬送駆動手段と、X線管に印加する管電圧を可変に発生するX線発生装置と、X線管から放射されるX線の通路に挿入され、被検体に照射するX線量を制御するX線フイルタと、X線管から放射されるX線の通路に挿入されるX線フイルタの位置を設定するX線フイルタ駆動手段と、X線検出器の前面に配置され、X線コリメータの開口幅により、X線検出器に入射する透過X線を制限するX線コリメータと、X線コリメータの開口幅を設定するためのX線コリメータ駆動手段とを具備する。
【0017】
ガントリは、X線管とX線発生装置とX線フイルタとX線コリメータ駆動手段とX線検出器とを搭載して、被検体の回りを回転する。
【0018】
制御手段は、X線フイルタのX線の通路への挿入量の制御、X線検出器に入射する透過X線のX線コリメータによる制御、ガントリの回転速度の制御の、少なくとも1つの制御を行なう。被検体の同一断面に対して少なくとも第1及び第2のX線エネルギー分布をもつX線が照射され、複数の方向からの投影像を検出して、被検体の内部の情報を得る。
【0019】
制御手段は、X線管に第1の管電圧を印加して、第1のX線エネルギー分布をもつX線の被検体への照射によるX線検出器の出力信号に基づいて、X線フイルタの制御、X線コリメータの制御、ガントリの回転速度の制御の少なくとも1つの制御を行ない、X線管に第2の管電圧を印加して、第2のX線エネルギー分布をもつX線を被検体へ照射して、複数の方向からの投影像を検出して、被検体の内部の情報を得る。なお、第2の管電圧は第1の管電圧よりも低く設定される。
【0020】
また、被検体の同一断面に対して、ガントリの正方向の回転時には、X線管に第1の管電圧が印加され、ガントリの負方向の回転時には、X線管に第2の管電圧が印加される。更に、X線検出器は一方向に配列される検出素子を具備し、ガントリの回転角度毎におけるX線検出器の各検出素子の出力信号を記憶する記憶手段を備えている。記憶手段から読み出される検出素子の出力信号に基づいて、制御手段は、X線フイルタの制御、X線コリメータの制御、ガントリの回転速度の制御の少なくとも1つの制御を行なう。
【0021】
本発明では、被検体内部の物質を推定するために、エネルギー選択的な撮像を行うX線CT装置において、高エネルギーでの投影走査の結果に基づいて、他の低いエネルギーでの投影走査の条件を決定することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例のX線CT撮像装置は、複数のX線エネルギーの分布をもつX線を発生可能なX線発生手段と、被検体を透過した透過X線を検出するために、被検体を挟みX線発生手段に対向して配置されるX線検出器と、X線発生手段とX線検出器とを搭載して、被検体の回りを回転する回転ガントリを具備している。
【0023】
被検体の同一断面に対して複数のX線エネルギ分布をもつX線を照射して、被検体の投影像から被検体の内部の情報を得る。所定のX線エネルギ分布をもつX線を被検体に照射して、被検体を透過した透過X線のX線検出器により検出される信号強度に基づいて、制御手段は制御を行なう。
【0024】
制御手段は、被検体に照射するX線の通路へのX線フイルタの挿入量の制御、X線検出器に入射する透過X線のX線コリメータの開口幅による制御、ガントリの回転速度の制御の、少なくとも1つの制御を行ない、所定のX線エネルギ分布と異なるX線エネルギ分布をもつX線が被検体に照射され、被検体を透過した透過X線がX線検出器により検出される。
【0025】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施例のX線CT撮像装置の全体構成を示す図である。旅行鞄等の被検体116は、搬送駆動手段111により並進移動するコンベヤ117に搭載される。コンベヤ117の並進移動により、被検体116の所望の位置が、撮像のための照射X線105が照射される位置に移動される。被検体116の所望の位置に照射X線105が照射され、被検体116の所望の位置を通る撮像断面を照射X線105が透過する。
【0027】
搬送駆動手段111は、駆動制御部113の指令により並進移動の速度が制御される。例えば、搬送駆動手段111は、サーボモーターとモータードライバで構成でき、駆動制御部113は、シーケンサやプログラマブルコントローラで実現できる。また、駆動制御部113は、ガントリ100を、所定の中心軸の周りで回転させる回転駆動手段112の速度を制御する。
【0028】
ガントリ100には、X線発生装置(電源回路、管電圧設定回路、管電流設定回路を含む)102、X線管101、X線検出器108他が搭載されており、ガントリ100の複数の回転角度の位置で、X線管101、から発生するX線が被検体116に照射され、被検体116を透過した透過X線フォトンがX線検出器108により検出され、被検体116の回転投影が実行される。
【0029】
X線検出器108は、ガントリ100の回転の周方向に沿って少なくとも多くのチャネル数に分割配列された検出素子を具備しており、周方向の複数チャネルの各検出素子により、被検体116を透過した透過X線フォトンが個別に検出される。
【0030】
X線発生装置102によりX線管101に印加する管電圧制御に従ってエネルギー分布が規定され、X線管101より放射される照射X線105は、フィルタ駆動手段104にてX線光路中に挿抜が可能なフィルタ103を通過した後、被検体116、コンベヤ117を透過し、コリメータ駆動手段107で駆動されるコリメータ106により断面厚み方向の幅をコリメートされ、X線検出器108に入射する。
【0031】
走査制御部114はその指令により、X線発生装置102で発生するX線管101に印加する管電圧、管電流を設定する。また、走査制御部114はその指令により、フィルタ駆動手段104、コリメータ駆動手段107を制御する。走査制御部114は、必要に応じて、フィルタ駆動手段104によりタングステン板からなるフィルタ等を挿入してビームハードニング等を行い、被検体116に照射するX線のエネルギー分布を変化させる。
【0032】
X線発生装置102により相対的に低い管電圧をX線管101に印加した場合や、X線管101に印加する管電流を少なく制限する場合には、走査制御部114の指令により、コリメータ駆動手段107は、コリメーター106の開口幅を広げて被検体116を透過した透過X線フォトンのX線検出器108への入射数を増大するように改善する。
【0033】
X線検出器108の出力はデータ収集部109に蓄積され、図示しないデータリンク手段を介してデータ演算部110へ転送される。データ演算部110ではデュアルエネルギー撮像に基づいたCT像再構成演算が行われる。
【0034】
システム制御部115は、制御部113、走査制御部114を制御すると共に、データ演算部110で得られたデュアルエネルギー撮像に基づいたCT像再構成演算結果、即ち、被検体116のCT像再構成結果をを、図示しない表示部に表示する。
【0035】
さらに、データ演算部110は、記憶手段118を備えており、最初の回転走査による投影データの結果を記憶して、以降の回転投影条件を改善する条件を演算により決定できる。例として、以下では、X線発生装置102によりX線管101に印加される管電圧が、相対的に高い管電圧V1(kV)とする回転走査による撮影と、相対的に低い管電圧V2(kV)とする回転走査による撮影のによる、往復2回の回転走査で同一断面を撮像する場合をとり説明する。
【0036】
管電圧をV1とする回転走査による各投影角度毎の投影データを記憶手段118に蓄積する。X線検出器108で各投影角度毎に、X線検出器の各検出素子で検出された投影データのうちで、最も吸収減衰が大きな投影データ、最も吸収減衰が小さい投影データが検索される。これにより各投影角度毎に、被検体116を透過しX線検出器108で検出された信号の最大値と最小値が求められる。
【0037】
一方、予め定められた管電圧V1とV2による照射X線による減衰量の関係の推定結果より、管電圧V2の場合に予想される減衰量に見合って、X線発生装置102により設定するX線管電流量、コリメーター106の開口幅を設定できる。
【0038】
管電圧V1とV2での減推量の関係の推定は、例えば、鉄の吸収スペクトルから予め求めた関係で決定できる。これにより、X線管電流量の必要最下限を決定できる。
【0039】
一方、X線検出器108で検出された信号の最大値からは、電荷増幅による検出系の動作条件の変更等に連動して、X線検出器が飽和しないX線管電流量の最大値を決定できる。
【0040】
図2は、本発明の実施例での動作緒元の時間変化を示す図であり、ガントリがデュアルエネルギー撮像で往復回転する間での、(a)X線管電圧200、(b)X線管電流201、(c)ガントリ100の回転角速度202、(d)ガントリ100の回転角度203、(e)フィルタ103の位置204、(f)コリメーター106の開口幅205についての、それぞれの時間変化を示す。
【0041】
時刻T0で相対的に高いX線管電圧V1がX線管101に設定され、ガントリ100が回転加速される。時刻T1から時刻T2の区間では、正方向の回転の角速度U1の定速区間になり、回転角度は時間に比例して角度θ1から角度(θ1+θs)まで増加する。ここでθsは、CT像を形成するのに必要な投影角度以上の角度である。
【0042】
時刻T2以降はガントリ100の減速が開始される。時刻T1から時刻T2の区間では、X線管電流はI1、フィルタ103の位置はP1、コリメータ106の開口幅はG1に設定される。時刻T2以後は、ガントリ100の減速、停止の後、反転方向に加速され、負の一定角速度U2にて再び角度(θ1+θs)から角度θ1まで回転され、X線管101に管電圧V2が印加され、相対的に低いエネルギーでの回転投影が行われる。
【0043】
X線管101に管電圧V1を印加した回転投影終了する時刻T2より、引き続き行われる管電圧V2が印加された状態での最適な計測(撮像)条件が決定される。これにより、X線管電流I2、ガントリ100の回転角速度U2、コリメーター106の開口幅G2が決定される。時刻T3でガントリ100の反転方向の一定速度回転が開始され、時刻T4でガントリ100を減速し、時刻T5でガントリ100を停止する。
【0044】
時刻T2以降では、必要に応じて、X線管101に管電圧V1を印加した状態で投影データのみを用いた結果から、CT断層像を再構成して図示しない表示手段に出力することができ、時刻T4以降で、デュアルエネルギー撮像に応じた像再構成結果を表示できる。
【0045】
X線管101に管電圧V1、V2がそれぞれ印加された状態での投影像の計測時には、X線管電流がI1、I2に、ガントリの角速度がU1、U2に、被検体に照射するX線の通路に挿入されるフイルタの挿入量はP1、P2に、コリメータの開口幅はG1、G2に、それぞれ設定されるが、V1>V2、I1<I2、絶対値U1>絶対値U2、P1>P2、G1<G2として、設定される。
【0046】
以上説明した本発明では、デュアルエネルギー撮像に代表されるエネルギー選択的な撮像を行うX線CT撮像装置において、被検体によるX線減衰の状況に応じて、特に、低エネルギーでの透過X線フォトン量を確保できるように、X線投影条件を適応的に変化させることができ、量子ノイズによるCT画質の劣化を防止できる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、被検体によるX線減衰の状況に応じて、X線投影条件を適応的に変化させ量子ノイズによるCT画質の劣化を防止できる、エネルギー選択的な撮像を行うX線CT撮像装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のX線CT撮像装置の全体構成を示す図。
【図2】本発明の実施例での動作緒元の時間変化を示す図。
【符号の説明】
100…ガントリ、101…X線管、102…X線発生装置、103…フィルタ、104…フィルタ駆動手段、105…照射X線、106…コリメーター、107…コリメータ駆動手段、108…X線検出器、109…データ収集部、110…データ演算部、111…搬送駆動手段、112…回転駆動手段、113…駆動制御部、114…走査制御部、115…システム制御部、116…被検体、117…コンベヤ、118…記憶手段、200…X線管電圧、201…X線管電流、202…回転角速度、203…回転角度、204…フィルタ位置、205…コリメータ開口幅。
Claims (5)
- 被検体を搭載する搭載手段と、前記搭載手段を一方向に移動させる前記搭載手段の搬送駆動手段と、前記被検体に照射するX線を放射するX線管と、前記X線管に印加する管電圧を可変に発生するX線発生装置と、前記被検体を挟んで前記X線管に対向して配置されるX線検出器であり、前記被検体を透過した透過X線を検出する前記X線検出器と、前記X線管から放射されるX線の通路に挿入されるX線フイルタであり、前記被検体に照射するX線量を制御する前記X線フイルタと、前記X線管から放射されるX線の通路に挿入される前記X線フイルタの位置を設定するX線フイルタ駆動手段と、前記X線検出器の前面に配置されるX線コリメータであり、前記X線コリメータの開口幅により、前記X線検出器に入射する前記透過X線を制限する前記X線コリメータと、前記X線コリメータの前記開口幅を設定するためのX線コリメータ駆動手段と、前記X線管とX線発生装置と前記X線フイルタと前記X線コリメータ駆動手段と前記X線検出器とを搭載して、前記被検体の回りを回転するガントリと、前記X線フイルタのX線の通路への挿入量の制御、前記X線検出器に入射する前記透過X線の前記X線コリメータによる制御、前記ガントリの回転速度の制御の、少なくとも1つの制御を行なう制御手段を有し、前記被検体の同一断面に対して少なくとも第1及び第2のX線エネルギー分布をもつX線を照射して、複数の方向からの投影像を検出して、前記被検体の内部の情報を得るX線CT装置であって、前記制御手段は、前記X線管に前記第1の管電圧を印加して、前記第1のX線エネルギー分布をもつX線の前記被検体への照射による前記X線検出器の出力信号に基づいて、前記X線フイルタの制御、前記X線コリメータの制御、前記ガントリの回転速度の制御の少なくとも1つの制御を行ない、前記X線管に前記第2の管電圧を印加して、前記第2のX線エネルギー分布をもつX線を前記被検体へ照射して、複数の方向からの投影像を検出して、前記被検体の内部の情報を得ることを特徴とするX線CT装置。
- 請求項1に記載のX線CT装置において、前記第2の管電圧は前記第1の管電圧よりも低いことを特徴とするX線CT装置。
- 請求項1に記載のX線CT装置において、前記被検体の同一断面に対して、前記ガントリの正方向の回転時には、前記X線管に前記第1の管電圧が印加され、前記ガントリの負方向の回転時には、前記X線管に前記第2の管電圧が印加されることを特徴とするX線CT装置。
- 請求項3に記載のX線CT装置において、前記X線検出器は一方向に配列される検出素子を具備し、前記ガントリの回転角度毎における前記X線検出器の各検出素子の出力信号を記憶する記憶手段を備え、前記記憶手段から読み出される前記検出素子の出力信号に基づいて、前記制御手段は、前記X線フイルタの制御、前記X線コリメータの制御、前記ガントリの回転速度の制御の少なくとも1つの制御を行なうことを特徴とするX線CT装置。
- 複数のX線エネルギーの分布をもつX線を発生可能なX線発生手段と、被検体を透過した透過X線を検出するX線検出器であり、前記被検体を挟み前記X線発生手段に対向して配置される前記X線検出器と、前記X線発生手段と前記X線検出器とを搭載して、前記被検体の回りを回転する回転ガントリを有し、前記被検体の同一断面に対して前記複数のX線エネルギ分布をもつX線を照射して、前記被検体の投影像から前記被検体の内部の情報を得るX線CT装置であって、所定の前記X線エネルギ分布をもつX線を照射して、前記被検体を透過した前記透過X線の前記X線検出器により検出される信号強度に基づいて、前記被検体に照射するX線の通路へのX線フイルタの挿入量の制御、前記X線検出器に入射する前記透過X線のX線コリメータの開口幅による制御、前記ガントリの回転速度の制御の、少なくとも1つの制御を行なう制御手段を有し、前記所定の前記X線エネルギ分布と異なる前記X線エネルギ分布をもつX線を照射して、前記被検体を透過した前記透過X線を前記X線検出器により検出することを特徴とすることを特徴とするX線CT装置。
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-
2002
- 2002-10-11 JP JP2002298223A patent/JP2004132859A/ja active Pending
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