JP2004123465A - セメント硬化体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】速硬性のセメント原料を含有するスラリー組成物の初期流動性およびハンドリング性を、低コストで著しく改善することができ、高い生産性を安定的に維持できるセメント硬化体の製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも速硬エコセメントを含むセメント原料と、フィラー材と、水と、必要に応じて石灰質原料および珪酸質原料とを含有するスラリー組成物を、連続的に混練し、成形し、所望の形状に硬化させ、かつその混練、成形および/または硬化過程で前記スラリー組成物を加温するセメント硬化体の製造方法において、凝結調整剤としてオキシカルボン酸およびオキシカルボン酸塩からなる群から選択された1種以上を前記スラリー組成物に添加するとともに、前記凝結調整剤の添加量が、前記セメント原料100重量%に対して、0.05〜0.4重量%の範囲である方法。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも速硬エコセメントを含むセメント原料と、フィラー材と、水と、必要に応じて石灰質原料および珪酸質原料とを含有するスラリー組成物を、連続的に混練し、成形し、所望の形状に硬化させ、かつその混練、成形および/または硬化過程で前記スラリー組成物を加温するセメント硬化体の製造方法において、凝結調整剤としてオキシカルボン酸およびオキシカルボン酸塩からなる群から選択された1種以上を前記スラリー組成物に添加するとともに、前記凝結調整剤の添加量が、前記セメント原料100重量%に対して、0.05〜0.4重量%の範囲である方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセメント硬化体の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、速硬性のセメント原料を含有するスラリー組成物の初期流動性およびハンドリング性を、低コストで著しく改善することができ、高い生産性を安定的に維持できるセメント硬化体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、セメント製品は土木、建築用材料といった分野において幅広く利用されており、その用途に応じて様々なセメントが開発されている。
その中でも早強ポルトランドセメントやジェットセメント等で知られる超速硬性セメント、あるいは最近のリサイクル意識の高まりから、廃棄物の有効利用および再資源化を目的として、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰等の廃棄物を原料として製造している一部の環境調和型セメント(エコセメント)等が提案され(例えば、特許文献1および2参照)、これらのセメントは速硬性ゆえにセメント製品を高い生産性で製造でき、このことはセメント製品の製造コストを大幅に低減できるものと考えられる。
特にセメント製品の中でも建築分野で幅広く普及しているセメント系建材は、大量消費型の製品ゆえ高生産性、低コスト化が望まれている。
このような背景の中で上記の速硬性セメントスラリー組成物と連続成形プロセスを組み合わせ、コストパフォーマンスかつ生産性に優れたセメント系建材を製造する技術が提案されている(例えば、特許文献3、4および5参照)。
この技術によれば、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰等の廃棄物を原料として製造している環境調和型セメント(速硬エコセメント)を使用することで、セメントそのもの自体のコストを削減し、さらに流し込み成形・養生・乾燥・加工といった一連の製造工程を連続的に行う連続流し込み成形法を採用し、さらに原料スラリーを加温することにより、高い生産効率と低コスト化を実現している。
【0003】
この連続流し込み成形法で生産効率を高めるには、原料スラリーの硬化時間の短縮化を図ることが重要なポイントであり、これが数時間にもおよぶ長大な硬化時間では高生産性を十分享受できなくなる。
それゆえ速硬エコセメントのような速硬性のセメントは、連続流し込み成形法において最も適したセメントであるといえる。しかしながらその反面、速硬性ゆえ水と接触すると短時間でこわばりを発生する性質をもつ。この結果、速硬エコセメントを含む原料スラリーは、練り上がり時に所望の流動性が得られていても練り上がり数分後にはこわばりが発生し、硬化はしないが原料スラリーの流動性は失われ、その成形性を著しく低下する弊害が生じる。
特に生産性の極大化を追及するために、原料スラリーを加温、あるいは凝結促進剤を適用すると練り上がり直後において急激にこわばり、流し込み成形時に原料スラリーが十分広がらず硬化体内部に欠陥が生じたり、また固結による成形不良が連続的に引き起こされ、長時間安定的に製造することが困難であった。
【0004】
一般的にこのような速硬エコセメントを含む原料スラリーの初期のこわばりを回避するための手段として、高性能減水剤や凝結遅延剤を添加し、その量をコントロールする方法がよく知られている。
しかし現状で入手し得る高性能減水剤は高価なものが多く、こわばりの低減(流動性の向上)を図れば図るほど製造コストが上昇してしまう問題があった。また凝結遅延剤でこわばりを低減しようとすると、流し込み後の硬化が満足に得られず、硬化時間が長大化してしまう傾向にあり、逆に硬化時間を短くしようとすると、流し込み成形時のこわばりが十分低減できなくなってしまう傾向にあった。つまり連続流し込み製造法のメリットである高生産性を維持しつつ、かつ安定的に製造を行うには、スラリー性状の制御と硬化反応の促進を同時にはかることが重要なポイントであり、本発明者らは凝結遅延剤と凝結促進剤を併用する改善策をこれまでに提案している(例えば、特許文献6参照)。
この技術を適用すれば、スラリーの初期流動性を確保しながら、硬化時間を急速に速め、連続流し込み法で高生産性を安定的に維持することが可能である。
しかしこの技術は、セメントの硬化反応に対して相反するものを併用するためコスト面において非効率的であり、また双方の添加量のバランスをとるのが難しい。特に生産効率の極大化を狙って原料スラリーを加温した場合、スラリーの硬化反応の促進化が強まるため、そのバランスをとることは著しく困難になる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−165446号公報
【特許文献2】
特開平7−165447号公報
【特許文献3】
特開平11−171626号公報
【特許文献4】
特開平10−139520号公報
【特許文献5】
特開平11−309706号公報
【特許文献6】
特開平11−228196号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、速硬性のセメント原料を含有するスラリー組成物の初期流動性およびハンドリング性を、低コストで著しく改善することができ、高い生産性を安定的に維持できるセメント硬化体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、速硬性のセメント原料を含有するスラリー組成物のスラリー性状を制御し、硬化反応をコントロールするには、特定の凝結調整剤を用い、その添加量を特定化することにより達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、少なくとも速硬エコセメントを含むセメント原料と、フィラー材と、水と、必要に応じて石灰質原料および珪酸質原料とを含有するスラリー組成物を、連続的に混練し、成形し、所望の形状に硬化させ、かつその混練、成形および/または硬化過程で前記スラリー組成物を加温するセメント硬化体の製造方法において、凝結調整剤としてオキシカルボン酸およびオキシカルボン酸塩からなる群から選択された1種以上を前記スラリー組成物に添加するとともに、前記凝結調整剤の添加量が、前記セメント原料100重量%に対して、0.05〜0.4重量%の範囲であることを特徴とするセメント硬化体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、前記凝結調整剤が、酒石酸、酒石酸ナトリウム・カリウムおよびクエン酸3ナトリウムからなる群から選択された1種以上である前記のセメント硬化体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、前記スラリー組成物が、成形する際に30℃以上に加温されていることを特徴とする前記のセメント硬化体の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(セメント原料)
本発明に使用されるセメント原料は、少なくとも速硬エコセメントを含むものである。エコセメントとは、前記でも説明した都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰等の廃棄物を原料として製造している環境調和型セメントであり、JIS R5214:2002に規格化された速硬形の速硬エコセメントである。さらに詳しくは、速硬エコセメントは、都市ゴミ焼却灰および下水汚泥焼却灰から選ばれる1種以上を原料としてなるクリンカ、および無水石膏と硫酸ナトリウムを含み、該クリンカは、11CaO・7Al2O3・CaCl2(C11A7CaCl2)10〜40重量%と、3CaO・SiO2(C3S)および2CaO・SiO2(C2S)から選ばれる1種以上とを含むものである。
このようなエコセメントは、この目的のために調製してもよいし、例えば特開平7−165446号公報に記載の環境調和型水硬性組成物、特開平7−165447号公報に記載の速硬型混合セメント等を使用することもできる。特にゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰等の焼成物を用いれば、セメントそのもののコストを低減でき、また資材の有効利用の点からも好ましい。
速硬エコセメントに配合される無水石膏は、II型無水石膏を用いることができ、その配合量は特に制限されないが、エコセメント中のAl2O3に対し、モル比((SO3/Al2O3)で0.9〜1.3、特に1.0〜1.2であるのが、硬化速度および成形体の強度の点から好ましい。
速硬エコセメントに配合される硫酸ナトリウムは、クリンカに対して0.3%〜0.8%、とくに0.35〜0.5%であるのが硬化速度および成形体の強度の点から好ましい。
速硬エコセメントは、セメント原料の少なくとも1部として用いるが、1部とする場合には残部の成分として普通ポルトランドセメント、早強セメント、その他のセメントを用い、これらと混合して用いればよい。この場合、前記の速硬エコセメントの割合はセメント原料の30重量%以上、特に50重量%以上であるのが好ましい。
【0010】
(フィラー材)
本発明で使用されるフィラー材は、補強効果、加工性付与、軽量化、増量等の目的で配合されるものであり、例えば木片や木質繊維等の木質フィラー、パルプ繊維、その他の無機・有機質補強繊維、無機・有機質軽量骨材、砕石、細・粗骨材等が挙げられる。フィラー材の種類および配合量は、目的とする建材の性能に応じて適宜設定すればよい。
【0011】
(石灰質原料)
本発明で製造されるセメント硬化体は、必要に応じてオートクレーブによる養生を行うことができる。この場合セメント原料に加え、石灰質原料および珪酸質原料を用いることができる。
本発明で用いる石灰質原料としては、先に述べた各種セメント原料のほかに生石灰、消石灰等が挙げられる。
【0012】
(珪酸質原料)
本発明で用いる珪酸質原料としては、珪石粉、珪石砂、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム、シリカフラワー等が挙げられ、所望とする製品の性能等に応じて、適宜種類や配合量を選択することができる。
ここで石灰質原料と珪酸質原料の混合比は、セメント原料と石灰質原料中のCaOに対してCaO/SiO2のモル比換算で0.5〜0.9であるのが好ましい。
【0013】
(水)
水の配合量は、得られるセメント硬化体の比重、強度等の物性を勘案して適宜決定されるが、例えばセメント原料100重量部に対して20〜70重量部、特に30〜65重量部であることが望ましい。また先に述べたようにオートクレーブ養生を行う場合、セメント原料のほかに石灰質原料および珪酸質原料を用いることができるが、この場合セメント原料、石灰質原料および珪酸質原料の総和100に対して、20〜70重量部、特に30〜65重量部であることが望ましい。
【0014】
(凝結調整剤)
本発明では、流し込み成形時において十分な流動性を得るために、凝結調整剤としてオキシカルボン酸およびオキシカルボン酸塩からなる群から選択された1種以上の化合物を添加しなければならない。
ここで本発明に使用されるオキシカルボン酸としては水溶性のものであれば問題なく使用することができ、具体的には酒石酸、クエン酸、乳酸、りんご酸等が挙げられるが、その中でも酒石酸が生板の強度特性が最も優れる点で好ましい。これらのオキシカルボン酸は必要に応じて、単体もしくは複数で使用することが可能であり、後述するオキシカルボン酸塩との併用も可能である。
次に本発明で使用されるオキシカルボン酸塩としては水溶性のものであれば問題なく使用でき、具体的には酒石酸ナトリウム・カリウム、クエン酸3ナトリウム、乳酸カリウム、りんご酸カリウム等が挙げられるが、その中でも特に酒石酸ナトリウム・カリウム、クエン酸3ナトリウムが生板の強度特性が優れる点で好ましい。これらのカルボン酸塩は、先に述べたオキシカルボン酸と同様、必要に応じて単体もしくは複数で使用することも可能であり、またオキシカルボン酸との併用も可能である、
凝結調整剤の添加量は、前記セメント原料100重量%に対して、0.05〜0.4重量%の範囲である必要がある。特に0.15〜0.3重量%がより好ましい。
このような凝結調整剤の配合量の特定は、スラリー組成物の流動性と生板強度の強度特性に大きく影響することによる。すなわち、凝結調整剤を0.4重量%超添加すると、こわばりが低減しスラリーの流動性が向上するが、セメントの硬化反応を抑制し、短時間でハンドリングに耐えうる生板強度を発現することができない。一方、凝結調整剤の添加量が0.05重量%未満であると、ハンドリングに耐えうる生板の強度は短時間で発現するが、こわばりを抑制することができず、成形性が著しく低下し成形不良をおこす要因となる。
ここでハンドリングに耐えうる生板強度とは、JIS K 6253に規定されるゴム硬度計で30以上、とくに40以上が好ましい。
本発明では凝結調整剤の種類と配合量を特定化することが必須であるが、これは以下の理由によるものである。
すなわち、本発明で使用する凝結調整剤は、スラリー組成物に含まれるセメント原料の水和過程で溶出されるカルシウムイオンを補足して錯体を形成し、その硬化反応を遅延せしめるため、その添加量を特定化することにより、凝結調整剤に捕捉されるカルシウムイオン量とセメント水和反応に必要なカルシウムイオン量とのバランスを図ることが可能となり、凝結遅延を起こさずにスラリーの流動性を確保することができるものと考えられる。
【0015】
(添加剤(材))
本発明では、上記の他に各種添加剤(材)を含むことができる。その例としては、凝結促進剤、各種分散剤、発泡剤(材)、増粘剤等が挙げられる。これらは製造ライン上でのスラリー組成物の取り扱いや目的とする製品の性能に応じてその種類や配合量を調製する。
【0016】
(加温)
本発明で使用する速硬エコセメントは、前述したように特徴的な硬化組成を示すので、例えば連続流し込み成形法との適合性が極めて高く、その結果高生産性を実現するわけであるが、セメント硬化体の比重を軽くした場合、あるいは複雑な原料配合を施した結果、混練水の量を増加させなければならない場合等には、硬化時間は長大化する傾向にある。またこのような事態が生じずとも、生産性の極大化を追求する場合には、硬化時間をさらに短縮することが望まれることとなる。このことから、硬化時間の短縮化、あるいは何らかの理由によって硬化時間が長大化することを抑制するために、本発明ではスラリー組成物を加温する。
加温方法としては、スラリー組成物の混練水として温水を使用する方法や、スラリー組成物を混練するためのミキサー内にヒーターを取り付け、原料混練中に加温する方法や、固体原料をあらかじめサイロの中で加熱しておく方法や、また輸送経路上でスラリー組成物を加熱する方法といったスラリー組成物の製造過程において加温する方法と流し込み成形後に加温する方法が挙げられる。
スラリー組成物の製造工程で加温する場合、混練によるスラリー組成物の練り上がり温度は、大気以上に加温されていれば特に限定するものではなく、所望とする硬化時間に応じて適宜設定する。ただし、あまり高温に設定すると凝結調整剤の添加量が増大するため好ましくない。このためスラリー組成物の練り上がり温度は30℃以上が好ましい。
また流し込み成形後にスラリー組成物を加温する場合においても、大気以上に加温、例えば30℃以上に加温されていれば特に限定するものではない。
しかしながらあまりにも高温に設定すると水分の蒸発が激しくなり、セメント硬化体の表面の乾燥収縮がおき、製品表面のひび割れを発生する恐れが生じてくるため、100℃以上の設定は好ましくない。
具体的には30℃〜90℃、好ましくは30℃〜60℃にスラリー組成物が加温されているのがよい。
【0017】
(セメント硬化体の製造工程)
本発明は、スラリー組成物を連続的に混練し、成形し、所望の形状に硬化させる製造工程を有するが、該工程として、連続流し込み成形法を利用することができる。
連続流し込み成形法は、当業界で公知であり、例えば特開平10−139520公報に記載されているように、コンベアにより移動している所望形状の成形型枠に、スラリー組成物を連続して流し込み、スラリー組成物を移動しながら硬化させる成形方法や、特開平11−309706号公報に記載されているように、ベルトコンベア上にスラリー組成物を流し込み硬化させる方法等が挙げられる。以下、後者についてさらに具体的に例示する。
【0018】
図1は、連続流し込み成形法を使用したセメント硬化物の製造装置を説明するための図である。
まず、セメント原料の供給装置であるセメントタンク101と、フィラー材の供給ホッパー102から、それぞれの原料が粉体混合物6として連続的にミキサー8内に供給される。なお符号5は移動コンベア5である。なお、オートクレーブ処理を行う場合、石灰質原料および珪酸質原料はセメント原料とあらかじめ混合され、セメントタンク101に供給する。また水タンク103、凝結調整剤タンク104および添加剤タンク105からそれぞれ混練水、凝結調整剤および添加剤が連続的にミキサー8に供給される。これらの原料は、ミキサー8で連続的に混合され、スラリー組成物11が連続的に得られる。
このスラリー組成物11は、予め加熱板9,9’で加熱されたベルト式の移動コンベア10上に連続的に流し込まれ、加熱板9,9’による移動コンベア10の余熱により加熱されながら、その後の成形工程へと移動される。本発明では特定の凝結調整剤が特定量でもってスラリー組成物に添加されているため、流動性が著しく改善されている。このように連続流し込みされたスラリー組成物11は、平滑面を有する均しローラー12,12’により一次的にその厚さが調整され、その後平滑面を有する均しベルト13で正確に厚み調整される。なお、スラリー組成物11の硬化を精密に制御する目的で、この成形工程中においてスラリー組成物11を加熱するための加熱板15,15’が設置されている。また、スラリー組成物11の硬化をさらに促進、制御するために、均しベルト13は加熱板14により予め加熱され、その余熱が与えられる。
このようにして徐々に硬化が進行しつつあるスラリー組成物11は、表面模様形成工程へと連続的に移動される。表面模様形成工程では、徐々に硬化が進行しつつあるスラリー組成物11が移動コンベア20上に連続的に送入され、非平滑面ローラー16で一次的にエンボス化がなされる。また、さらに複雑な模様の形成を行うため、非平滑面ベルト18により、二次的にエンボス化がなされる。なお、スラリー組成物11の硬化をさらに促進、制御し、エンボス化タイミングを微妙に調整するため、加熱手段として加熱板17,17’が設置されると共に、非平滑面ベルト18は加熱板19により予め加熱され、その余熱が与えられている。このようにして圧延及び表面模様の付与がなされ、ほぼ硬化が終了した生板22は、移動コンベア21に送入されると同時に切断機23で切断され、その後、移動コンベア21から次工程に移載し、養生、乾燥、正切断されてセメント硬化物(例えば建築用板材)が製造される。本発明では特定の凝結調整剤が特定量でもってスラリー組成物に添加されているため、生板22の強度が著しく改善され、移動コンベア21からの搬出・移動に際してのハンドリング性に優れる。なお、養生は、常温養生、湿潤養生、蒸気養生、加温養生、オートクレーブ養生等のいずれの方法でもよいが、特にオートクレーブ養生するのが好ましい。オートクレーブ養生は、120〜180℃で2〜12時間行うのが好ましい。
なお、前記では流し込み成形後にスラリー組成物を加温する方法を例示したが、スラリー組成物の製造過程においてスラリー組成物を加温してもよい。
【0019】
【実施例】
次に、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
なお、実施例において使用した成分は以下のとおりである。
1.セメント原料:速硬エコセメント(太平洋セメント(株)製)
都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰、石灰石粉、アルミ灰、粘土を焼成して得られた焼成物と石膏からなり、焼成物を粉砕した後、石膏を添加する、あるいは焼成物と石膏を混合して同時に粉砕することで製造されたもので、C11A7CaCl2を23重量%、C3Sを15重量%およびC4AFを6重量%含有するクリンカ100重量部に対して、無水石膏を12重量部と硫酸ナトリウムを0.35重量部含有する。なお、実施例においては、全て同一組成のエコセメントを使用した。
2.水:水道水
3.減水剤:ナフタレンスルフォン酸系減水剤
4.消石灰:工業用消石灰(古手川産業社製)
5.珪石粉:工業用珪石
6.メチルセルロース:ハイメトローズ(信越化学社製)
7.フィラー材:耐アルカリガラス繊維12mmチョップドストランド
8.泡剤:D3Dエマール(花王社製)1重量%水溶液
9.凝結調整剤(クエン酸、クエン酸3ナトリウム、酒石酸、酒石酸カリウム・ナトリウム、乳酸、りんご酸)、関東化学社製、鹿1級試薬を使用
【0020】
また実施例における評価は、以下のようにして行った。
(1)流動性:
得られたスラリー組成物を、JIS R 5201に規定されているフローテーブル上に設置したφ60mm、高さ60mmのパイプコーン中に充填し、混練後60秒後および180秒後に静かに引き抜き、スラリーの広がりを、フロー値(mm)として測定した。
(2)成形性
流し込み成形されたスラリー組成物のフロー値と、型枠にスラリー組成物を流し込む状況から視覚的に判断した。◎は、60秒後、フロー値が130mm以上で、かつ型枠に問題なく流し込むことが可能なもの、×は、60秒後、フロー値が130mm未満で、かつ型枠にスラリー組成物を流し込む際、バイブレーターで振動を与えても広がらないものを意味する。
(3)表面硬度
得られたスラリー組成物をφ70mm、高さ30mmの鉄製リングに流し込み、リングごと60度で30分間保持して硬化体を作製し、この硬化体の表面硬度をJIS K 6253に規定されるゴム硬度計(タイプEデュロメータ)を用いて測定した。
(4)ハンドリング性
ベルト上で加熱養生して切断した後、ベルト上から搬出・移載する時点での破損と、ゴム硬度から総合的に判断した。◎は、30分後、ゴム硬度が40以上のものであり、◯は、30分後、ゴム硬度が30以上のものであり、×は、30分後、ゴム硬度が30未満のものである。
(5)総合評価
成形性およびハンドリング性において、双方ともに優れているものを◎、どちらか一方が優れており、かつもう片方が良好のものを○、どちらかひとつでも不良のものは×として判定した。
【0021】
実施例1〜6および比較例1〜5
セメント原料50重量部、消石灰10重量部、珪石粉40重量部、フィラー材0.5重量部、減水剤1.0重量部、メチルセルロース0.2重量部、表1に示す凝結調整剤の所定量を予備混合し、さらに65重量部の水(25℃)と泡剤1.5重量部を用い、スラリー組成物を製造した。なお、表1に示す凝結調整剤の添加量は、セメント原料100重量部に対する割合で示した。
得られたスラリー組成物を、図1に示す装置を用いて連続流し込み成形した。なおスラリー組成物は、移動コンベア10,20のベルト上で加熱板15,17等により50℃、30分間加熱養生され、切断した後、移動コンベア21から搬出し、その後、60℃で1日湿空養生、180℃で8時間オートクレーブ養生、80℃で2日間乾燥して製品を得た。結果を表1に併せて示す。
【0022】
実施例7〜12および比較例6〜7
実施例1〜6同様に、セメント原料50重量部、消石灰10重量部、珪石粉40重量部、フィラー材0.5重量部、減水剤1.0重量部、メチルセルロース0.2重量部、表2に示す凝結調整剤の所定量を予備混合し、さらに65重量部の温水(30℃、35℃および40℃)と泡剤1.5重量部を用い、スラリー組成物を製造した。なお、表2に示す凝結調整剤の添加量は、セメント原料100重量部に対する割合で示した。得られたスラリー組成物は、実施例1〜6に記した連続流し込み成形法で成形した。上記と同様の方法で養生、乾燥して製品を得た。結果を表2に併せて示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
表1の結果からわかるように、実施例1はクエン酸、実施例2は乳酸、実施例3はりんご酸、実施例4は酒石酸、実施例5は酒石酸塩、実施例6はクエン酸塩を添加したものであるが、これらは比較例1に示す無添加の条件よりも、流し込み60秒後、180秒後のフロー値が共に大きい値を示し、こわばりを低減していることがわかる。またハンドリング性の指標となる表面硬度も優れたものであった。一方、本発明の添加量を超えて凝結調整剤を添加した比較例2〜4は、こわばりを低減するものの、セメントの硬化時間が長大化し、所定時間では十分な表面硬度を発現せず、ハンドリングすることが困難であった。
また、実施例7〜12および比較例6〜7は、スラリー組成物の製造過程において加温する方法を採用した例であるが、表2の比較例6、7(本発明における凝結調整剤が無添加の例)からわかるように、加温による凝結促進効果により表面硬度は高い値を示すが、スラリーのこわばりが激しく、流し込み成形に十分なスラリーの流動性を確保することが困難であった。一方、本発明における凝結調整剤を添加した実施例7〜12は、比較例6、7の無添加のものと比較して、スラリーの流動性が改善され、かつ無添加の条件よりも高い表面硬度を発現し、短い時間でハンドリングすることができた。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、速硬性のセメント原料を含有するスラリー組成物の初期流動性を低コストで著しく改善することができ、また硬化時間を遅延することなく、ハンドリング強度を発現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続流し込み成形法を使用したセメント硬化物の製造装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1 セメントタンク
2 粉体タンク
3 水タンク
5 移動コンベア
6 粉体混合物
8 ミキサー
9,9’,14,15,15’,17,17’,19 加熱板
11 スラリー組成物
22 生板
【発明の属する技術分野】
本発明はセメント硬化体の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、速硬性のセメント原料を含有するスラリー組成物の初期流動性およびハンドリング性を、低コストで著しく改善することができ、高い生産性を安定的に維持できるセメント硬化体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、セメント製品は土木、建築用材料といった分野において幅広く利用されており、その用途に応じて様々なセメントが開発されている。
その中でも早強ポルトランドセメントやジェットセメント等で知られる超速硬性セメント、あるいは最近のリサイクル意識の高まりから、廃棄物の有効利用および再資源化を目的として、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰等の廃棄物を原料として製造している一部の環境調和型セメント(エコセメント)等が提案され(例えば、特許文献1および2参照)、これらのセメントは速硬性ゆえにセメント製品を高い生産性で製造でき、このことはセメント製品の製造コストを大幅に低減できるものと考えられる。
特にセメント製品の中でも建築分野で幅広く普及しているセメント系建材は、大量消費型の製品ゆえ高生産性、低コスト化が望まれている。
このような背景の中で上記の速硬性セメントスラリー組成物と連続成形プロセスを組み合わせ、コストパフォーマンスかつ生産性に優れたセメント系建材を製造する技術が提案されている(例えば、特許文献3、4および5参照)。
この技術によれば、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰等の廃棄物を原料として製造している環境調和型セメント(速硬エコセメント)を使用することで、セメントそのもの自体のコストを削減し、さらに流し込み成形・養生・乾燥・加工といった一連の製造工程を連続的に行う連続流し込み成形法を採用し、さらに原料スラリーを加温することにより、高い生産効率と低コスト化を実現している。
【0003】
この連続流し込み成形法で生産効率を高めるには、原料スラリーの硬化時間の短縮化を図ることが重要なポイントであり、これが数時間にもおよぶ長大な硬化時間では高生産性を十分享受できなくなる。
それゆえ速硬エコセメントのような速硬性のセメントは、連続流し込み成形法において最も適したセメントであるといえる。しかしながらその反面、速硬性ゆえ水と接触すると短時間でこわばりを発生する性質をもつ。この結果、速硬エコセメントを含む原料スラリーは、練り上がり時に所望の流動性が得られていても練り上がり数分後にはこわばりが発生し、硬化はしないが原料スラリーの流動性は失われ、その成形性を著しく低下する弊害が生じる。
特に生産性の極大化を追及するために、原料スラリーを加温、あるいは凝結促進剤を適用すると練り上がり直後において急激にこわばり、流し込み成形時に原料スラリーが十分広がらず硬化体内部に欠陥が生じたり、また固結による成形不良が連続的に引き起こされ、長時間安定的に製造することが困難であった。
【0004】
一般的にこのような速硬エコセメントを含む原料スラリーの初期のこわばりを回避するための手段として、高性能減水剤や凝結遅延剤を添加し、その量をコントロールする方法がよく知られている。
しかし現状で入手し得る高性能減水剤は高価なものが多く、こわばりの低減(流動性の向上)を図れば図るほど製造コストが上昇してしまう問題があった。また凝結遅延剤でこわばりを低減しようとすると、流し込み後の硬化が満足に得られず、硬化時間が長大化してしまう傾向にあり、逆に硬化時間を短くしようとすると、流し込み成形時のこわばりが十分低減できなくなってしまう傾向にあった。つまり連続流し込み製造法のメリットである高生産性を維持しつつ、かつ安定的に製造を行うには、スラリー性状の制御と硬化反応の促進を同時にはかることが重要なポイントであり、本発明者らは凝結遅延剤と凝結促進剤を併用する改善策をこれまでに提案している(例えば、特許文献6参照)。
この技術を適用すれば、スラリーの初期流動性を確保しながら、硬化時間を急速に速め、連続流し込み法で高生産性を安定的に維持することが可能である。
しかしこの技術は、セメントの硬化反応に対して相反するものを併用するためコスト面において非効率的であり、また双方の添加量のバランスをとるのが難しい。特に生産効率の極大化を狙って原料スラリーを加温した場合、スラリーの硬化反応の促進化が強まるため、そのバランスをとることは著しく困難になる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−165446号公報
【特許文献2】
特開平7−165447号公報
【特許文献3】
特開平11−171626号公報
【特許文献4】
特開平10−139520号公報
【特許文献5】
特開平11−309706号公報
【特許文献6】
特開平11−228196号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、速硬性のセメント原料を含有するスラリー組成物の初期流動性およびハンドリング性を、低コストで著しく改善することができ、高い生産性を安定的に維持できるセメント硬化体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、速硬性のセメント原料を含有するスラリー組成物のスラリー性状を制御し、硬化反応をコントロールするには、特定の凝結調整剤を用い、その添加量を特定化することにより達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、少なくとも速硬エコセメントを含むセメント原料と、フィラー材と、水と、必要に応じて石灰質原料および珪酸質原料とを含有するスラリー組成物を、連続的に混練し、成形し、所望の形状に硬化させ、かつその混練、成形および/または硬化過程で前記スラリー組成物を加温するセメント硬化体の製造方法において、凝結調整剤としてオキシカルボン酸およびオキシカルボン酸塩からなる群から選択された1種以上を前記スラリー組成物に添加するとともに、前記凝結調整剤の添加量が、前記セメント原料100重量%に対して、0.05〜0.4重量%の範囲であることを特徴とするセメント硬化体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、前記凝結調整剤が、酒石酸、酒石酸ナトリウム・カリウムおよびクエン酸3ナトリウムからなる群から選択された1種以上である前記のセメント硬化体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、前記スラリー組成物が、成形する際に30℃以上に加温されていることを特徴とする前記のセメント硬化体の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(セメント原料)
本発明に使用されるセメント原料は、少なくとも速硬エコセメントを含むものである。エコセメントとは、前記でも説明した都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰等の廃棄物を原料として製造している環境調和型セメントであり、JIS R5214:2002に規格化された速硬形の速硬エコセメントである。さらに詳しくは、速硬エコセメントは、都市ゴミ焼却灰および下水汚泥焼却灰から選ばれる1種以上を原料としてなるクリンカ、および無水石膏と硫酸ナトリウムを含み、該クリンカは、11CaO・7Al2O3・CaCl2(C11A7CaCl2)10〜40重量%と、3CaO・SiO2(C3S)および2CaO・SiO2(C2S)から選ばれる1種以上とを含むものである。
このようなエコセメントは、この目的のために調製してもよいし、例えば特開平7−165446号公報に記載の環境調和型水硬性組成物、特開平7−165447号公報に記載の速硬型混合セメント等を使用することもできる。特にゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰等の焼成物を用いれば、セメントそのもののコストを低減でき、また資材の有効利用の点からも好ましい。
速硬エコセメントに配合される無水石膏は、II型無水石膏を用いることができ、その配合量は特に制限されないが、エコセメント中のAl2O3に対し、モル比((SO3/Al2O3)で0.9〜1.3、特に1.0〜1.2であるのが、硬化速度および成形体の強度の点から好ましい。
速硬エコセメントに配合される硫酸ナトリウムは、クリンカに対して0.3%〜0.8%、とくに0.35〜0.5%であるのが硬化速度および成形体の強度の点から好ましい。
速硬エコセメントは、セメント原料の少なくとも1部として用いるが、1部とする場合には残部の成分として普通ポルトランドセメント、早強セメント、その他のセメントを用い、これらと混合して用いればよい。この場合、前記の速硬エコセメントの割合はセメント原料の30重量%以上、特に50重量%以上であるのが好ましい。
【0010】
(フィラー材)
本発明で使用されるフィラー材は、補強効果、加工性付与、軽量化、増量等の目的で配合されるものであり、例えば木片や木質繊維等の木質フィラー、パルプ繊維、その他の無機・有機質補強繊維、無機・有機質軽量骨材、砕石、細・粗骨材等が挙げられる。フィラー材の種類および配合量は、目的とする建材の性能に応じて適宜設定すればよい。
【0011】
(石灰質原料)
本発明で製造されるセメント硬化体は、必要に応じてオートクレーブによる養生を行うことができる。この場合セメント原料に加え、石灰質原料および珪酸質原料を用いることができる。
本発明で用いる石灰質原料としては、先に述べた各種セメント原料のほかに生石灰、消石灰等が挙げられる。
【0012】
(珪酸質原料)
本発明で用いる珪酸質原料としては、珪石粉、珪石砂、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム、シリカフラワー等が挙げられ、所望とする製品の性能等に応じて、適宜種類や配合量を選択することができる。
ここで石灰質原料と珪酸質原料の混合比は、セメント原料と石灰質原料中のCaOに対してCaO/SiO2のモル比換算で0.5〜0.9であるのが好ましい。
【0013】
(水)
水の配合量は、得られるセメント硬化体の比重、強度等の物性を勘案して適宜決定されるが、例えばセメント原料100重量部に対して20〜70重量部、特に30〜65重量部であることが望ましい。また先に述べたようにオートクレーブ養生を行う場合、セメント原料のほかに石灰質原料および珪酸質原料を用いることができるが、この場合セメント原料、石灰質原料および珪酸質原料の総和100に対して、20〜70重量部、特に30〜65重量部であることが望ましい。
【0014】
(凝結調整剤)
本発明では、流し込み成形時において十分な流動性を得るために、凝結調整剤としてオキシカルボン酸およびオキシカルボン酸塩からなる群から選択された1種以上の化合物を添加しなければならない。
ここで本発明に使用されるオキシカルボン酸としては水溶性のものであれば問題なく使用することができ、具体的には酒石酸、クエン酸、乳酸、りんご酸等が挙げられるが、その中でも酒石酸が生板の強度特性が最も優れる点で好ましい。これらのオキシカルボン酸は必要に応じて、単体もしくは複数で使用することが可能であり、後述するオキシカルボン酸塩との併用も可能である。
次に本発明で使用されるオキシカルボン酸塩としては水溶性のものであれば問題なく使用でき、具体的には酒石酸ナトリウム・カリウム、クエン酸3ナトリウム、乳酸カリウム、りんご酸カリウム等が挙げられるが、その中でも特に酒石酸ナトリウム・カリウム、クエン酸3ナトリウムが生板の強度特性が優れる点で好ましい。これらのカルボン酸塩は、先に述べたオキシカルボン酸と同様、必要に応じて単体もしくは複数で使用することも可能であり、またオキシカルボン酸との併用も可能である、
凝結調整剤の添加量は、前記セメント原料100重量%に対して、0.05〜0.4重量%の範囲である必要がある。特に0.15〜0.3重量%がより好ましい。
このような凝結調整剤の配合量の特定は、スラリー組成物の流動性と生板強度の強度特性に大きく影響することによる。すなわち、凝結調整剤を0.4重量%超添加すると、こわばりが低減しスラリーの流動性が向上するが、セメントの硬化反応を抑制し、短時間でハンドリングに耐えうる生板強度を発現することができない。一方、凝結調整剤の添加量が0.05重量%未満であると、ハンドリングに耐えうる生板の強度は短時間で発現するが、こわばりを抑制することができず、成形性が著しく低下し成形不良をおこす要因となる。
ここでハンドリングに耐えうる生板強度とは、JIS K 6253に規定されるゴム硬度計で30以上、とくに40以上が好ましい。
本発明では凝結調整剤の種類と配合量を特定化することが必須であるが、これは以下の理由によるものである。
すなわち、本発明で使用する凝結調整剤は、スラリー組成物に含まれるセメント原料の水和過程で溶出されるカルシウムイオンを補足して錯体を形成し、その硬化反応を遅延せしめるため、その添加量を特定化することにより、凝結調整剤に捕捉されるカルシウムイオン量とセメント水和反応に必要なカルシウムイオン量とのバランスを図ることが可能となり、凝結遅延を起こさずにスラリーの流動性を確保することができるものと考えられる。
【0015】
(添加剤(材))
本発明では、上記の他に各種添加剤(材)を含むことができる。その例としては、凝結促進剤、各種分散剤、発泡剤(材)、増粘剤等が挙げられる。これらは製造ライン上でのスラリー組成物の取り扱いや目的とする製品の性能に応じてその種類や配合量を調製する。
【0016】
(加温)
本発明で使用する速硬エコセメントは、前述したように特徴的な硬化組成を示すので、例えば連続流し込み成形法との適合性が極めて高く、その結果高生産性を実現するわけであるが、セメント硬化体の比重を軽くした場合、あるいは複雑な原料配合を施した結果、混練水の量を増加させなければならない場合等には、硬化時間は長大化する傾向にある。またこのような事態が生じずとも、生産性の極大化を追求する場合には、硬化時間をさらに短縮することが望まれることとなる。このことから、硬化時間の短縮化、あるいは何らかの理由によって硬化時間が長大化することを抑制するために、本発明ではスラリー組成物を加温する。
加温方法としては、スラリー組成物の混練水として温水を使用する方法や、スラリー組成物を混練するためのミキサー内にヒーターを取り付け、原料混練中に加温する方法や、固体原料をあらかじめサイロの中で加熱しておく方法や、また輸送経路上でスラリー組成物を加熱する方法といったスラリー組成物の製造過程において加温する方法と流し込み成形後に加温する方法が挙げられる。
スラリー組成物の製造工程で加温する場合、混練によるスラリー組成物の練り上がり温度は、大気以上に加温されていれば特に限定するものではなく、所望とする硬化時間に応じて適宜設定する。ただし、あまり高温に設定すると凝結調整剤の添加量が増大するため好ましくない。このためスラリー組成物の練り上がり温度は30℃以上が好ましい。
また流し込み成形後にスラリー組成物を加温する場合においても、大気以上に加温、例えば30℃以上に加温されていれば特に限定するものではない。
しかしながらあまりにも高温に設定すると水分の蒸発が激しくなり、セメント硬化体の表面の乾燥収縮がおき、製品表面のひび割れを発生する恐れが生じてくるため、100℃以上の設定は好ましくない。
具体的には30℃〜90℃、好ましくは30℃〜60℃にスラリー組成物が加温されているのがよい。
【0017】
(セメント硬化体の製造工程)
本発明は、スラリー組成物を連続的に混練し、成形し、所望の形状に硬化させる製造工程を有するが、該工程として、連続流し込み成形法を利用することができる。
連続流し込み成形法は、当業界で公知であり、例えば特開平10−139520公報に記載されているように、コンベアにより移動している所望形状の成形型枠に、スラリー組成物を連続して流し込み、スラリー組成物を移動しながら硬化させる成形方法や、特開平11−309706号公報に記載されているように、ベルトコンベア上にスラリー組成物を流し込み硬化させる方法等が挙げられる。以下、後者についてさらに具体的に例示する。
【0018】
図1は、連続流し込み成形法を使用したセメント硬化物の製造装置を説明するための図である。
まず、セメント原料の供給装置であるセメントタンク101と、フィラー材の供給ホッパー102から、それぞれの原料が粉体混合物6として連続的にミキサー8内に供給される。なお符号5は移動コンベア5である。なお、オートクレーブ処理を行う場合、石灰質原料および珪酸質原料はセメント原料とあらかじめ混合され、セメントタンク101に供給する。また水タンク103、凝結調整剤タンク104および添加剤タンク105からそれぞれ混練水、凝結調整剤および添加剤が連続的にミキサー8に供給される。これらの原料は、ミキサー8で連続的に混合され、スラリー組成物11が連続的に得られる。
このスラリー組成物11は、予め加熱板9,9’で加熱されたベルト式の移動コンベア10上に連続的に流し込まれ、加熱板9,9’による移動コンベア10の余熱により加熱されながら、その後の成形工程へと移動される。本発明では特定の凝結調整剤が特定量でもってスラリー組成物に添加されているため、流動性が著しく改善されている。このように連続流し込みされたスラリー組成物11は、平滑面を有する均しローラー12,12’により一次的にその厚さが調整され、その後平滑面を有する均しベルト13で正確に厚み調整される。なお、スラリー組成物11の硬化を精密に制御する目的で、この成形工程中においてスラリー組成物11を加熱するための加熱板15,15’が設置されている。また、スラリー組成物11の硬化をさらに促進、制御するために、均しベルト13は加熱板14により予め加熱され、その余熱が与えられる。
このようにして徐々に硬化が進行しつつあるスラリー組成物11は、表面模様形成工程へと連続的に移動される。表面模様形成工程では、徐々に硬化が進行しつつあるスラリー組成物11が移動コンベア20上に連続的に送入され、非平滑面ローラー16で一次的にエンボス化がなされる。また、さらに複雑な模様の形成を行うため、非平滑面ベルト18により、二次的にエンボス化がなされる。なお、スラリー組成物11の硬化をさらに促進、制御し、エンボス化タイミングを微妙に調整するため、加熱手段として加熱板17,17’が設置されると共に、非平滑面ベルト18は加熱板19により予め加熱され、その余熱が与えられている。このようにして圧延及び表面模様の付与がなされ、ほぼ硬化が終了した生板22は、移動コンベア21に送入されると同時に切断機23で切断され、その後、移動コンベア21から次工程に移載し、養生、乾燥、正切断されてセメント硬化物(例えば建築用板材)が製造される。本発明では特定の凝結調整剤が特定量でもってスラリー組成物に添加されているため、生板22の強度が著しく改善され、移動コンベア21からの搬出・移動に際してのハンドリング性に優れる。なお、養生は、常温養生、湿潤養生、蒸気養生、加温養生、オートクレーブ養生等のいずれの方法でもよいが、特にオートクレーブ養生するのが好ましい。オートクレーブ養生は、120〜180℃で2〜12時間行うのが好ましい。
なお、前記では流し込み成形後にスラリー組成物を加温する方法を例示したが、スラリー組成物の製造過程においてスラリー組成物を加温してもよい。
【0019】
【実施例】
次に、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
なお、実施例において使用した成分は以下のとおりである。
1.セメント原料:速硬エコセメント(太平洋セメント(株)製)
都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰、石灰石粉、アルミ灰、粘土を焼成して得られた焼成物と石膏からなり、焼成物を粉砕した後、石膏を添加する、あるいは焼成物と石膏を混合して同時に粉砕することで製造されたもので、C11A7CaCl2を23重量%、C3Sを15重量%およびC4AFを6重量%含有するクリンカ100重量部に対して、無水石膏を12重量部と硫酸ナトリウムを0.35重量部含有する。なお、実施例においては、全て同一組成のエコセメントを使用した。
2.水:水道水
3.減水剤:ナフタレンスルフォン酸系減水剤
4.消石灰:工業用消石灰(古手川産業社製)
5.珪石粉:工業用珪石
6.メチルセルロース:ハイメトローズ(信越化学社製)
7.フィラー材:耐アルカリガラス繊維12mmチョップドストランド
8.泡剤:D3Dエマール(花王社製)1重量%水溶液
9.凝結調整剤(クエン酸、クエン酸3ナトリウム、酒石酸、酒石酸カリウム・ナトリウム、乳酸、りんご酸)、関東化学社製、鹿1級試薬を使用
【0020】
また実施例における評価は、以下のようにして行った。
(1)流動性:
得られたスラリー組成物を、JIS R 5201に規定されているフローテーブル上に設置したφ60mm、高さ60mmのパイプコーン中に充填し、混練後60秒後および180秒後に静かに引き抜き、スラリーの広がりを、フロー値(mm)として測定した。
(2)成形性
流し込み成形されたスラリー組成物のフロー値と、型枠にスラリー組成物を流し込む状況から視覚的に判断した。◎は、60秒後、フロー値が130mm以上で、かつ型枠に問題なく流し込むことが可能なもの、×は、60秒後、フロー値が130mm未満で、かつ型枠にスラリー組成物を流し込む際、バイブレーターで振動を与えても広がらないものを意味する。
(3)表面硬度
得られたスラリー組成物をφ70mm、高さ30mmの鉄製リングに流し込み、リングごと60度で30分間保持して硬化体を作製し、この硬化体の表面硬度をJIS K 6253に規定されるゴム硬度計(タイプEデュロメータ)を用いて測定した。
(4)ハンドリング性
ベルト上で加熱養生して切断した後、ベルト上から搬出・移載する時点での破損と、ゴム硬度から総合的に判断した。◎は、30分後、ゴム硬度が40以上のものであり、◯は、30分後、ゴム硬度が30以上のものであり、×は、30分後、ゴム硬度が30未満のものである。
(5)総合評価
成形性およびハンドリング性において、双方ともに優れているものを◎、どちらか一方が優れており、かつもう片方が良好のものを○、どちらかひとつでも不良のものは×として判定した。
【0021】
実施例1〜6および比較例1〜5
セメント原料50重量部、消石灰10重量部、珪石粉40重量部、フィラー材0.5重量部、減水剤1.0重量部、メチルセルロース0.2重量部、表1に示す凝結調整剤の所定量を予備混合し、さらに65重量部の水(25℃)と泡剤1.5重量部を用い、スラリー組成物を製造した。なお、表1に示す凝結調整剤の添加量は、セメント原料100重量部に対する割合で示した。
得られたスラリー組成物を、図1に示す装置を用いて連続流し込み成形した。なおスラリー組成物は、移動コンベア10,20のベルト上で加熱板15,17等により50℃、30分間加熱養生され、切断した後、移動コンベア21から搬出し、その後、60℃で1日湿空養生、180℃で8時間オートクレーブ養生、80℃で2日間乾燥して製品を得た。結果を表1に併せて示す。
【0022】
実施例7〜12および比較例6〜7
実施例1〜6同様に、セメント原料50重量部、消石灰10重量部、珪石粉40重量部、フィラー材0.5重量部、減水剤1.0重量部、メチルセルロース0.2重量部、表2に示す凝結調整剤の所定量を予備混合し、さらに65重量部の温水(30℃、35℃および40℃)と泡剤1.5重量部を用い、スラリー組成物を製造した。なお、表2に示す凝結調整剤の添加量は、セメント原料100重量部に対する割合で示した。得られたスラリー組成物は、実施例1〜6に記した連続流し込み成形法で成形した。上記と同様の方法で養生、乾燥して製品を得た。結果を表2に併せて示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
表1の結果からわかるように、実施例1はクエン酸、実施例2は乳酸、実施例3はりんご酸、実施例4は酒石酸、実施例5は酒石酸塩、実施例6はクエン酸塩を添加したものであるが、これらは比較例1に示す無添加の条件よりも、流し込み60秒後、180秒後のフロー値が共に大きい値を示し、こわばりを低減していることがわかる。またハンドリング性の指標となる表面硬度も優れたものであった。一方、本発明の添加量を超えて凝結調整剤を添加した比較例2〜4は、こわばりを低減するものの、セメントの硬化時間が長大化し、所定時間では十分な表面硬度を発現せず、ハンドリングすることが困難であった。
また、実施例7〜12および比較例6〜7は、スラリー組成物の製造過程において加温する方法を採用した例であるが、表2の比較例6、7(本発明における凝結調整剤が無添加の例)からわかるように、加温による凝結促進効果により表面硬度は高い値を示すが、スラリーのこわばりが激しく、流し込み成形に十分なスラリーの流動性を確保することが困難であった。一方、本発明における凝結調整剤を添加した実施例7〜12は、比較例6、7の無添加のものと比較して、スラリーの流動性が改善され、かつ無添加の条件よりも高い表面硬度を発現し、短い時間でハンドリングすることができた。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、速硬性のセメント原料を含有するスラリー組成物の初期流動性を低コストで著しく改善することができ、また硬化時間を遅延することなく、ハンドリング強度を発現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続流し込み成形法を使用したセメント硬化物の製造装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1 セメントタンク
2 粉体タンク
3 水タンク
5 移動コンベア
6 粉体混合物
8 ミキサー
9,9’,14,15,15’,17,17’,19 加熱板
11 スラリー組成物
22 生板
Claims (3)
- 少なくとも速硬エコセメントを含むセメント原料と、フィラー材と、水と、必要に応じて石灰質原料および珪酸質原料とを含有するスラリー組成物を、連続的に混練し、成形し、所望の形状に硬化させ、かつその混練、成形および/または硬化過程で前記スラリー組成物を加温するセメント硬化体の製造方法において、凝結調整剤としてオキシカルボン酸およびオキシカルボン酸塩からなる群から選択された1種以上を前記スラリー組成物に添加するとともに、前記凝結調整剤の添加量が、前記セメント原料100重量%に対して、0.05〜0.4重量%の範囲であることを特徴とするセメント硬化体の製造方法。
- 前記凝結調整剤が、酒石酸、酒石酸ナトリウム・カリウムおよびクエン酸3ナトリウムからなる群から選択された1種以上である請求項1に記載のセメント硬化体の製造方法。
- 前記スラリー組成物が、成形する際に30℃以上に加温されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセメント硬化体の製造方法。
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