【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用不織布に関するものであり、詳しくは、放射線照射による強力低下が極めて少なく、かつヒートシール性及び柔軟性に優れていることを特徴とする手術用覆布、手術用ガウン、キャップ、シーツ等の医療用品に好適に使用可能な医療用不織布を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療分野において、院内感染防止、看護業務の簡略化、コスト低減等の観点から、使い捨てが可能な不織布からなる製品が急速に普及してきている。従来、かかる用途には多くの場合、ポリプロピレン系重合体を原料とする不織布が用いられている。
【0003】
医療用不織布製品の滅菌法として、従来、エチレンオキサイドガス法が採用されていたが、人体への残留ガス毒性問題及び包装工程の煩雑さ等から、電子線やγ線による放射線滅菌法に変わってきていて、これが主流になりつつある。放射線を照射すると、ポリプロピレン系重合体は臭気を発生したり、破断強度及び破断伸度の低下を起こしたりして、医療用不織布として実用に耐えない、あるいは実用において制限を受けるという問題点がある。
【0004】
このポリプロピレン系重合体を原料とする不織布の放射線滅菌した時の欠点を防止する方法として、ポリエチレン系重合体が優れた耐放射線性を持つことに着目してポリエチレン系繊維からなる不織布を医療用途に用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら同文献において提案されている不織布は、ポリエチレン系重合体のみからなる短繊維で構成された不織布であって、使用中等の摩擦等により繊維先端が切断してほこりや塵を発生するといった短繊維不織布特有の欠点を持つものである。また単成分の短繊維、あるいは複合成分からなる短繊維であっても融点差の小さいポリエチレン系重合体からなる短繊維で構成された不織布であって、ヒートシール縫製する場合や各種フィルムとの積層体とする場合に安定したヒートシール強力の得にくいものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−160428号公報
【0006】
繊維を構成する重合体としてポリエステル系の重合体を用いた場合は、放射線照射による機械特性の低下はさほどないものの、ポリオレフィン系重合体より原料樹脂が高コストであること、ドレープ性に劣るため着用感が悪いこと、また、低温域でのヒートシール性を有さない為、樹脂フィルム層(ポリエチレンからなるものが主流である。)や紙等との積層複合体として使用する場合には加工方法が大きく制限されること等の問題点を有している。
【0007】
また、ポリアミド系重合体を用いた場合は比較的ドレープ性に優れ、放射線による機械的特性の低下も少ないものが得られるが、ポリアミド系重合体からなる不織シートもまた、ポリオレフィン系重合体より原料が高コストであること、低温域でのヒートシール性を有さない為、樹脂フィルム層や紙等との積層複合体とする場合には加工方法が大きく制限されるなどの問題点を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のごとき現状を鑑みてなされたものであり、放射線照射による強力低下が少なく、ヒートシール性及び柔軟性に優れていることを特徴とする手術用覆布、手術用ガウン等の医療用品に好適に使用可能な医療用不織布を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、ポリエチレンを鞘成分とし、鞘成分の融点より30℃以上高い融点を有する熱可塑性重合体を芯成分とする芯鞘型複合長繊維からなる不織布であり、放射線量40kGyのγ線を照射した後の引張強力保持率が80%以上であることを特徴とする医療用不織布を要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0011】
本発明の医療用不織布は、高融点重合体と低融点重合体とからなる複合長繊維で構成されてなる長繊維不織布であり、芯成分として高融点重合体を配し、高融点重合体の周りを低融点重合体で覆った芯鞘型複合長繊維からなる不織布である。芯鞘型複合長繊維の鞘成分を形成する重合体がポリエチレンであり、芯成分として配される重合体は、鞘成分であるポリエチレンより30℃以上高い融点を有する熱可塑性重合体が用いられている。
【0012】
本発明に用いるポリエチレンとしては、一般に知られているポリエチレン系重合体であればよく、例えば、高密度ポリエチレン(融点125〜135℃)、中密度ポリエチレン(融点100〜120℃)線状低密度ポリエチレン(融点125〜128℃)、低密度ポリエチレン(融点80〜100℃)等が挙げられる。また、アクリル酸等の他の物質を少量共重合させた共重合ポリエチレンであってもよい。
【0013】
また、本発明で用いるポリエチレンとしては、密度が0.90〜0.97g/cm3で、ASTM−D−1238(E)に記載の方法で測定したメルトインデックスが25〜100g/10分であるものを用いることが好ましい。
【0014】
ポリエチレンの密度が0.90g/cm3未満であると、得られる繊維の強度が低下する傾向を生じ、逆に、ポリエチレンの密度が0.97g/cm3を超えると、得られる繊維の剛性が大きくなって、不織布の風合が硬くなる傾向を生じる。
【0015】
メルトインデックスが25g/10分未満であると、紡糸の際に、溶融温度を高くしなければ、高速で溶融紡糸することが困難であり、高温下における紡糸では原料ポリマーの熱分解を促進させ、紡糸口金面に汚れが付着しやすく、操業性が損なわれる。一方、メルトインデックスが100g/10分を超えると、溶融粘度が低過ぎて紡糸工程において、繊維同士が密着したり、また、繊維が得られても強度が劣るものとなる。
【0016】
芯成分として配される高融点重合体としては、鞘成分としてのポリエチレンの融点より30℃以上高い融点を有する重合体であればいずれでもよく、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体等が挙げられるが、ポリエステル系重合体が好ましく用いられる。ポリエステル系重合体としては、芳香族ポリエステル系重合体や脂肪族ポリエステル系重合体を用いることができる。芳香族ポリエステル系重合体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステル類を酸成分とし、かつエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等のジオール化合物をグリコール成分とするホモポリエステル重合体又はポリエステル共重合体を用いることができる。なお、これらの芳香族ポリエステル系重合体には、パラオキシ安息香酸、ポリアルキレングリコール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA等が添加または共重合されていても良い。
【0017】
また、脂肪族ポリエステル系重合体としては、α−ヒドロキシ酸や乳酸を重合させてなるポリグリコール酸やポリ乳酸、またはこれらの共重合体を用いることができる。また、ポリ(ε−カプロラクトン)やポリ(β−プロピオラクトン)等のポリ(ω−ヒドロキシルアルカノエート)も用いることができる。更に、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシカプロレート、ポリ−3−ヒドロキシヘプタノエート、ポリ−3−ヒドロキシオクタノエート等のポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)、またはこれらにポリ−3−ヒドロキシバリレートやポリ−4−ヒドロキシブチレート等を構成するモノマー成分を共重合させたものを用いてもよい。
【0018】
さらには、アジピン酸やセバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル成分を酸成分とし、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等のジオール化合物をグリコール成分とする重合体又は共重合体を用いてもよい。具体的には、ポリエチレンオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリブチレンオキサレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリネオペンチルオキサレート又はこれらの共重合体を用いることができる。
【0019】
上記した重合体成分中には、必要に応じて艶消し剤、顔料、防炎剤、消臭剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、結晶化促進剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加しても良い。
【0020】
本発明の長繊維不織布を形成する複合長繊維は、その単糸繊度が1〜20デシテックスの範囲のものであり、複合長繊維の断面形状は、鞘成分としてのポリエチレンが複合長繊維の外周に露出した形状の芯鞘型複合繊維であれば、中空部分を形成していても、芯成分が偏在していてもあるいは断面形状が丸断面でなくてもよい。例えば、多角的形状、ないしは繊維断面が縦横比を有する扁平断面であっても、機械的性能において本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択が可能である。また、本発明における複合長繊維の芯成分と鞘成分の構成質量比率は、10:90〜90:10の範囲で適宜選択可能である。
【0021】
本発明における医療用不織布は、公知のスパンボンド法により製造することができる。すなわち、ポリエチレンが鞘成分を形成し、高融点熱可塑性重合体が芯成分を形成するように芯鞘複合口金装置を使用して複合紡糸し、紡出された複合繊維を吹付装置で冷却固化した後、エアーサッカーで牽引し、開繊器によって開繊して、移動するコンベアーネット上に堆積させて長繊維ウェブを形成させ、エンボス加工機で点圧着して長繊維不織布とする。この製造法における不織布の形態を保持させるためのエンボス加工機としては、熱エンボス加工機や超音波溶着機等を使用することができる。
【0022】
熱エンボス加工機を用いる場合の加工温度は、複合繊維の鞘成分の融点より低く、軟化点より高い温度とするのが好ましい。融点以下であってもこのような温度であると彫刻ロールの圧着ポイントで圧力が付与されることにより、確実に融着した状態が得られる。また点圧着の模様は、強力、柔軟性、風合い等の不織布の特性に及ぼす影響が大きいが、本発明の不織布における圧着面積率としては、3〜50%であるのが好ましい。圧着面積率が3%未満であると、風合いはソフトであるが、強力が不充分なものとなり、50%を超えると強力は高くなるが、硬い不織布となってしまい好ましくない。
【0023】
超音波溶着機を用いる場合には、彫刻ロールと超音波溶着機構を持った支持体との間に前記のウェブを通布し、20kHz程度の超音波を発振させて点圧着させる。この場合の線圧としては、5〜20N/cm程度とするのが好ましい。この超音波溶着により点圧着した不織布は、点圧着部分以外の繊維がほとんど熱の影響を受けないので風合いが硬くならず、本発明の医療用不織布としてより好適な不織布が得られる。
【0024】
本発明における医療用不織布において、その目付については特に制限はないが、柔軟性、ドレープ性の観点から10〜200g/m2であるのが好ましく、さらには20〜150g/m2の範囲にあるのが好ましい。
【0025】
本発明の医療用不織布は、放射線照射による機械的性能の劣化が小さく、放射線量40kGyのγ線を照射した後の引張強力保持率は80%以上である。
【0026】
ここで放射線量として40kGyを採用する理由について説明する。ISO 11137「医療用品の滅菌−バリデーション及び日常管理のための要求事項−放射線滅菌」附属書B 表B.1において、平均バイオバーデンとして最大値を示し、かつ無菌性保証レベルの最も高いレベルを示す際の放射線照射量が36.4である。したがって、標準滅菌処理における放射線照射量は、36.4kGyを最大値とすることから、放射線量として40kGyの照射により強力低下の少ない不織布であれば、各レベルでの滅菌処理を施しても問題ないといえる。
【0027】
本発明において放射線量40kGyのγ線を照射した後の引張強力保持率は、照射後の不織布の強力を照射前の不織布の強力で除した値に100を掛けた値(百分率で表した値)をいう。
【0028】
また、本発明において放射線照射滅菌する場合、コバルト60やセシウム137等によるγ線や電子線、X線を用いることができ、これらの連続式照射又はバッチ式照射のいずれを用いてもよい。
【0029】
本発明の医療用不織布は、縦方向のNSM引張強力と横方向のNSM引張強力との総和が500N/5cm幅以上であるのが好ましい。NSM引張強力とは、5cm幅で測定した引張強力を目付100g/m2に換算した値である。放射線照射後の縦方向のNSM引張強力と横方向のNSM引張強力との総和が500N/5cm幅未満であると、放射線照射後の機械的性能に劣る傾向となり、用途によっては使用中に破損のおそれのあるものとなる。
【0030】
本発明の医療用不織布は、140℃でヒートシールした際のヒートシール強力が10.0N/3cm幅以上であることが好ましい。より好ましくは、20.0N/3cm幅以上である。本発明においてヒートシール強力は、JIS L 1086に準じ、以下の方法により測定する。すなわち、長さ10cm、幅3cmの試料片を2枚重ね合わせ、端部より2cmの部分を試料片の幅方向に平行にヒートシールしたもの5個を試料として用意する。ヒートシールは、140℃に設定した表面がポリテトラフルオロエチレンでコートされた上下1対の圧接バー(幅1cm 長さ30cm)を有する熱プレス機にて、面圧98N/cm2、1秒間でヒートシールする。次いで、定速伸長型引張試験機(東洋ボールトウィン社製 テンシロン UTM−4−100)を用い、つかみ間隔7cmで、チャック間に接着部が中央になるようにサンプルをセットし引張速度10cm/分として剥離させ、剥離するときに示す極大値の大きいものより3個、極小値の小さいものより3個をとり、合計6個の平均値をヒートシール強力とした。
【0031】
本発明において、上記のヒートシール性能を有していると、本発明の医療用不織布を用いて手術用ガウン、キャップ等を縫製する際に熱圧着縫製を採用することができ、また樹脂フィルムと積層して用いる際に樹脂フィルムとの貼り合わせに熱圧着法を用いることができる。
【0032】
本発明の医療用不織布は、手術中の血液や体液等の透過による感染症予防等の観点から、樹脂フィルムと積層して積層体として用いることができる。該積層体は、樹脂フィルム層と不織布層の2層からなるもののみならず、該積層体に本発明の目的を阻害しない範囲内で他の樹脂や紙等をさらに積層させても良い。好ましくは不織布層/フィルム層の2層及び不織布層/フィルム層/不織布層の3層からなるものである。樹脂フィルムとの貼り合わせ工程を熱圧着で行う場合、本発明の医療用不織布を用いれば、芯成分は機械的強度を保持したまま鞘成分のみが接着成分として作用する温度域での加工が可能なため、比較的加工温度幅を広く設定することができ、ヒートシール加工性と機械的強度、さらには柔軟性をも両立させることが可能である。
【0033】
積層体にする場合のフィルムの材料については特に制限はなく、具体的には、フィラー添加ポリオレフィン系延伸フィルム、透湿性ポリエステル系フィルム、ポリウレタン系フィルム、ポリエーテルブロックアミド共重合体フィルム等が挙げられる。フィルム厚さについても特に制限はないが、柔軟性の観点から50μm以下のものが好ましい。
【0034】
本発明の医療用不織布は、放射線照射により所定の滅菌処理を施した後に、裁断、縫製(熱圧着縫製を含む)により各種手術着、各種覆布、キャップ、マスク、手術下着、タオル、シーツ等の医療用品とすることができる。また、医療用不織布を各種の医療用品に加工した後に、放射線照射により滅菌処理を施してもよい。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各物性値は、下記の方法にて測定した値である。
(1)融点(℃)
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−7型を用い、昇温速度20℃/分で測定した。
【0036】
(2)目付(g/m2)
標準状態の試料から縦100mm×横100mmの試料片各10点を作成し、各試料片の質量(g)を秤量し、得られた値の平均値を1m2当たりに換算して目付(g/m2)とした。
【0037】
(3)放射線照射後の引張強力保持率(%)
放射線量40kGyのγ線照射前後の試料について、JIS−L−1096に記載のストリップ法に準じて、試料長が20cm、試料幅が5cmの試料片を作成し、定速伸長型引張試験機(東洋ボールドウィン社製テンシロンUTM−4−1−100)を用いて、つかみ間隔10cm、引張速度20cm/分で伸長して、γ線照射前後の引張強力を測定し、下記式にて引張強力保持率を算出した。
引張強力保持率(%)=(放射線照射後の引張強力/放射線照射前の引張強力)×100
【0038】
(4)NSM引張強力
上記の放射線照射引張強力保持率測定時のγ線照射後の引張強力を用い、100g/m2の目付に換算してNSM強力とした。
【0039】
実施例1
融点が258℃のポリエチレンテレフタレートを芯成分として、密度が0.96g/cm3、ASTM−D−1238(E)法で測定したメルトインデックス値が25g/10分、融点が130℃である高密度ポリエチレンを鞘成分とする2成分芯鞘構造で、単糸繊度が3.0デシテックス、芯成分に対する鞘成分の質量比が1.0であるフィラメントを紡糸し、直ちに空気圧で延伸し、開繊した後、移動する多孔質帯状体上に堆積してウェブ化した。このウェブを120℃に加熱した彫刻ロールと、同じく120℃に加熱したフラットロールからなるエンボス装置により部分的に熱圧接し、目付が40g/m2である本発明の医療用長繊維不織布を得た。
【0040】
比較例1
密度が0.902g/cm3、ASTM−D−1238(L)法によるメルトフローレートが30g/10分、融点が169℃であるポリプロピレンからなる単糸繊度3.0デシテックスの単一成分フィラメントを紡糸し、実施例1と同様の方法で堆積、ウェブ化しこのウェブを133℃に加熱したエンボス装置により部分的に熱圧接し、目付が40g/m2の不織布を得た。
【0041】
比較例2
融点が258℃であるポリエチレンテレフタレートからなる単糸繊度3.85デシテックスの単一成分フィラメントと、エチレンテレフタレートにイソフタル酸を8モル%共重合してなる共重合ポリエステル(融点230℃)からなる単糸繊度2.75デシテックスの単一成分フィラメントとを、混繊率2:1として紡糸し、実施例1と同様の方法で堆積、ウェブ化し、このウェブを220℃に加熱したエンボス装置により部分的に熱圧接し、目付が40g/m2の不織布を得た。
【0042】
比較例3
融点が225℃であるナイロン6からなる単糸繊度3.0デシテックスの単一成分フィラメントを紡糸し、実施例1と同様の方法で堆積、ウェブ化し、このウェブを190℃に加熱したエンボス装置により部分的に熱圧接し、目付が40g/m2の不織布を得た。
【0043】
得られた実施例1、比較例1〜3の不織布にγ線を20kGy、40kGy、60kGy照射した。その結果を表1に示す。なお、表1において、ヒートシール強力は、40kGyのγ線を照射したものについて測定した。
【0044】
【表1】
【0045】
表1から明らかなように、実施例1で得られた医療用不織布は、放射線照射による強力低下が極めて少なく、ヒートシール性に優れたものであった。
【0046】
一方、ポリプロピレン単独からなる長繊維不織布である比較例1は、放射線照射により機械的強度が著しく低下するものであった。ポリエステル系重合体からなる長繊維不織布である比較例2、及びナイロン6単独からなる長繊維不織布である比較例3は、どちらも機械的特性と接着特性を併せて具備させることが困難なものであった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の医療用不織布によると、ポリエチレンを鞘成分とし、鞘成分の融点より30℃以上高い融点を有する熱可塑性重合体を芯成分とする芯鞘型複合長繊維不織布で構成されているので、放射線照射によっても優れた機械的特性を保持しており、また、熱接着処理において、鞘成分のみが溶融する温度で処理することができるため鞘成分としてのポリエチレンのみが接着成分として機能し、芯成分としての重合体は熱による影響を受けることがなく、接着特性と適度な柔軟性並びに機械的特性を具備させることができる。したがって、放射線滅菌処理を必要とする医療用途に好適に使用可能な医療用不織布および医療用品を提供することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a medical nonwoven fabric, and in particular, a surgical covering, a surgical gown, and a cap, which are characterized by extremely low strength reduction due to irradiation with radiation, and excellent heat sealability and flexibility. The present invention provides a medical nonwoven fabric that can be suitably used for medical supplies such as sheets and sheets.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In the medical field, disposable nonwoven products are rapidly spreading from the viewpoints of preventing hospital-acquired infections, simplifying nursing operations, and reducing costs. Heretofore, nonwoven fabrics made of a polypropylene-based polymer have been used in many cases for such applications.
[0003]
Conventionally, the ethylene oxide gas method has been adopted as a sterilization method for medical non-woven fabric products. However, due to the problem of residual gas toxicity to the human body and the complexity of the packaging process, it has been changed to the radiation sterilization method using electron beams or gamma rays. And this is becoming mainstream. When irradiated with radiation, the polypropylene-based polymer produces an odor or causes a decrease in rupture strength and rupture elongation, and thus has a problem that it cannot withstand practical use as a medical nonwoven fabric or is limited in practical use. .
[0004]
As a method of preventing the drawbacks of non-woven fabrics made of polypropylene polymer as a raw material when sterilizing by radiation, we focus on the fact that polyethylene polymers have excellent radiation resistance and use non-woven fabrics made of polyethylene fibers for medical applications. It has been proposed to use it (see, for example, Patent Document 1). However, the non-woven fabric proposed in this document is a non-woven fabric composed of short fibers made of only a polyethylene polymer, and the short fibers whose ends are cut due to friction during use or the like to generate dust or dust. It has disadvantages peculiar to nonwoven fabric. A single-component short fiber, or a non-woven fabric composed of short fibers made of a polyethylene-based polymer with a small difference in melting point, even if it is a short fiber made of a composite component, used for heat seal sewing or lamination with various films It is difficult to obtain stable heat sealing strength when it is used as a body.
[0005]
[Patent Document 1]
JP 2000-160428 A
When a polyester polymer is used as the polymer that composes the fiber, the mechanical properties are not significantly reduced by irradiation, but the raw material resin is more expensive than the polyolefin polymer, and it is inferior in drapability, so it is worn. Since it has a poor feeling and does not have heat sealability in a low temperature range, when used as a laminated composite with a resin film layer (mainly made of polyethylene) or paper, a processing method is used. Is greatly limited.
[0007]
In addition, when a polyamide polymer is used, relatively excellent drapability and a reduction in mechanical properties due to radiation can be obtained, but a nonwoven sheet made of a polyamide polymer is also more than a polyolefin polymer. Since the raw material is expensive and does not have heat sealability in the low temperature range, there are problems such as a severe limitation in the processing method when forming a laminated composite with a resin film layer or paper. are doing.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the current situation as described above, has a small decrease in strength due to radiation irradiation, is characterized by having excellent heat sealability and flexibility, a surgical covering, a surgical gown, and the like. An object of the present invention is to provide a medical nonwoven fabric that can be suitably used for medical supplies.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention solves the above-mentioned problems, and a nonwoven fabric comprising a core-sheath type composite continuous fiber having polyethylene as a sheath component and a thermoplastic polymer having a melting point higher by at least 30 ° C. than the melting point of the sheath component as a core component. The gist of the present invention is a medical nonwoven fabric characterized by having a tensile strength retention of 80% or more after irradiation with a gamma ray having a radiation dose of 40 kGy.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described specifically.
[0011]
The medical nonwoven fabric of the present invention is a long-fiber nonwoven fabric composed of a composite long fiber composed of a high-melting polymer and a low-melting polymer, and a high-melting polymer is disposed as a core component. It is a nonwoven fabric made of a core-sheath composite long fiber whose periphery is covered with a low-melting polymer. The polymer forming the sheath component of the core-sheath type composite long fiber is polyethylene, and the polymer disposed as the core component is a thermoplastic polymer having a melting point higher than polyethylene of the sheath component by 30 ° C. or more. I have.
[0012]
The polyethylene used in the present invention may be a generally known polyethylene polymer, for example, a high-density polyethylene (melting point: 125 to 135 ° C.), a medium-density polyethylene (melting point: 100 to 120 ° C.), and a linear low-density polyethylene. (Melting point: 125 to 128 ° C.), low density polyethylene (melting point: 80 to 100 ° C.), and the like. Further, copolymerized polyethylene obtained by copolymerizing a small amount of another substance such as acrylic acid may be used.
[0013]
The polyethylene used in the present invention has a density of 0.90 to 0.97 g / cm 3 and a melt index of 25 to 100 g / 10 minutes measured by the method described in ASTM-D-1238 (E). It is preferable to use one.
[0014]
When the density of the polyethylene is less than 0.90 g / cm 3 , the strength of the obtained fiber tends to decrease. Conversely, when the density of the polyethylene exceeds 0.97 g / cm 3 , the rigidity of the obtained fiber becomes low. The size of the non-woven fabric tends to be hardened.
[0015]
If the melt index is less than 25 g / 10 minutes, it is difficult to spin at a high speed unless the melting temperature is increased during spinning. In spinning at a high temperature, the thermal decomposition of the raw material polymer is promoted. Dirt easily adheres to the spinneret surface, impairing operability. On the other hand, if the melt index exceeds 100 g / 10 minutes, the melt viscosity is too low, and the fibers adhere to each other in the spinning process, and even if the fibers are obtained, the strength is poor.
[0016]
As the high melting point polymer provided as the core component, any polymer having a melting point higher by at least 30 ° C. than the melting point of polyethylene as the sheath component may be used, and examples thereof include polyester-based polymers and polyamide-based polymers. However, a polyester polymer is preferably used. As the polyester-based polymer, an aromatic polyester-based polymer or an aliphatic polyester-based polymer can be used. Examples of the aromatic polyester polymer include aromatic dicarboxylic acids such as terephthalic acid, isophthalic acid, and naphthalene-2,6-dicarboxylic acid, and esters thereof as an acid component, and ethylene glycol, diethylene glycol, 1,4-butane. A homopolyester polymer or polyester copolymer containing a diol compound such as diol, neopentyl glycol, cyclohexane-1,4-dimethanol as a glycol component can be used. In addition, paraoxybenzoic acid, polyalkylene glycol, pentaerythritol, bisphenol A, and the like may be added or copolymerized to these aromatic polyester polymers.
[0017]
As the aliphatic polyester polymer, polyglycolic acid or polylactic acid obtained by polymerizing α-hydroxy acid or lactic acid, or a copolymer thereof can be used. Also, poly (ω-hydroxyalkanoate) such as poly (ε-caprolactone) and poly (β-propiolactone) can be used. Furthermore, poly (β such as poly-3-hydroxypropionate, poly-3-hydroxybutyrate, poly-3-hydroxycaprolate, poly-3-hydroxyheptanoate, poly-3-hydroxyoctanoate, etc. -Hydroxyalkanoate) or those obtained by copolymerizing a monomer component constituting poly-3-hydroxyvalerate, poly-4-hydroxybutyrate, or the like with them.
[0018]
Further, an aliphatic dicarboxylic acid such as adipic acid or sebacic acid or an ester component thereof is used as an acid component, and ethylene glycol, diethylene glycol, polyethylene glycol, 1,4-butanediol, neopentyl glycol, cyclohexane-1,4-diethylene glycol is used. A polymer or copolymer containing a diol compound such as methanol as a glycol component may be used. Specifically, polyethylene oxalate, polyethylene succinate, polyethylene adipate, polyethylene azelate, polybutylene oxalate, polybutylene succinate, polybutylene adipate, polybutylene sebacate, polyhexamethylene sebacate, polyneopentyl oxalate Alternatively, these copolymers can be used.
[0019]
Various additives such as a matting agent, a pigment, a flame retardant, a deodorant, a light stabilizer, a heat stabilizer, an antioxidant, and a crystallization accelerator may be added to the above-described polymer components as necessary. You may add in the range which does not impair the effect of this invention.
[0020]
The conjugate long fiber forming the long-fiber nonwoven fabric of the present invention has a single-fiber fineness in the range of 1 to 20 dtex, and the cross-sectional shape of the conjugate long fiber is such that polyethylene as a sheath component has an outer periphery of the conjugate long fiber. As long as the core-sheath composite fiber has an exposed shape, the hollow portion may be formed, the core component may be unevenly distributed, or the cross-sectional shape may not be a circular cross-section. For example, even in the case of a polygonal shape or a flat cross section in which the fiber cross section has an aspect ratio, it can be appropriately selected within a range that does not impair the effect of the present invention in mechanical performance. Further, the constituent mass ratio of the core component and the sheath component of the composite continuous fiber in the present invention can be appropriately selected in the range of 10:90 to 90:10.
[0021]
The medical nonwoven fabric of the present invention can be manufactured by a known spunbonding method. That is, polyethylene formed a sheath component, and a high melting point thermoplastic polymer was subjected to composite spinning using a core-sheath composite die device so as to form a core component, and the spun composite fiber was cooled and solidified by a spraying device. Thereafter, it is pulled by an air soccer, opened by an opener, deposited on a moving conveyor net to form a long fiber web, and point-pressed by an embossing machine to form a long fiber nonwoven fabric. As an embossing machine for maintaining the form of the nonwoven fabric in this manufacturing method, a hot embossing machine, an ultrasonic welding machine, or the like can be used.
[0022]
The processing temperature when using a hot embossing machine is preferably lower than the melting point of the sheath component of the composite fiber and higher than the softening point. Even if the temperature is lower than the melting point, if the temperature is at such a temperature, pressure is applied at the pressure bonding point of the engraving roll, so that a fused state can be reliably obtained. In addition, the point press-bonding pattern has a large effect on the properties of the nonwoven fabric such as strength, flexibility, and texture, but the press-bonding area ratio of the nonwoven fabric of the present invention is preferably 3 to 50%. If the pressure-bonding area ratio is less than 3%, the texture is soft but the strength is insufficient, and if it exceeds 50%, the strength is high, but a hard nonwoven fabric is not preferable.
[0023]
When an ultrasonic welding machine is used, the web is passed between an engraving roll and a support having an ultrasonic welding mechanism, and ultrasonic waves of about 20 kHz are oscillated to perform point compression. The linear pressure in this case is preferably about 5 to 20 N / cm. The non-woven fabric spot-compressed by the ultrasonic welding does not harden the texture because the fibers other than the spot-compression-bonded portion are hardly affected by heat, and a non-woven fabric more suitable as the medical non-woven fabric of the present invention can be obtained.
[0024]
In the medical nonwoven fabric in the present invention is not particularly limited as to its basis weight, the flexibility is preferably from the viewpoint of drapability is 10 to 200 g / m 2, more in the range of 20 to 150 g / m 2 Is preferred.
[0025]
The medical nonwoven fabric of the present invention has a small deterioration in mechanical performance due to radiation irradiation, and has a tensile strength retention of 80% or more after irradiation with gamma rays having a radiation dose of 40 kGy.
[0026]
Here, the reason why 40 kGy is adopted as the radiation dose will be described. ISO 11137, "Sterilization of medical supplies-Requirements for validation and routine management-Radiation sterilization" Annex B Table B. In No. 1, the irradiation dose at the time of showing the maximum value as the average bioburden and showing the highest level of aseptic assurance is 36.4. Therefore, since the maximum radiation dose in the standard sterilization treatment is 36.4 kGy, there is no problem even if sterilization treatment is performed at each level as long as the nonwoven fabric has a small decrease in strength due to irradiation at a radiation dose of 40 kGy. It can be said that.
[0027]
In the present invention, the tensile strength retention after irradiation with γ-rays at a radiation dose of 40 kGy is a value obtained by dividing the strength of the nonwoven fabric after irradiation by the strength of the nonwoven fabric before irradiation and multiplying by 100 (a value expressed as a percentage). Say.
[0028]
In the present invention, when sterilizing by irradiation, γ-ray, electron beam, or X-ray using cobalt 60, cesium 137, or the like can be used, and either continuous irradiation or batch irradiation may be used.
[0029]
In the medical nonwoven fabric of the present invention, it is preferable that the total of the NSM tensile strength in the longitudinal direction and the NSM tensile strength in the lateral direction is 500 N / 5 cm width or more. The NSM tensile strength is a value obtained by converting a tensile strength measured at a width of 5 cm into a basis weight of 100 g / m 2 . If the sum of the NSM tensile strength in the longitudinal direction and the NSM tensile strength in the lateral direction after irradiation is less than 500 N / 5 cm width, the mechanical performance after irradiation tends to be inferior, and depending on the application, breakage during use may occur. There is a danger.
[0030]
The medical nonwoven fabric of the present invention preferably has a heat sealing strength of 10.0 N / 3 cm or more when heat-sealed at 140 ° C. More preferably, the width is 20.0 N / 3 cm or more. In the present invention, the heat seal strength is measured by the following method according to JIS L1086. That is, two specimens each having a length of 10 cm and a width of 3 cm are overlapped, and a portion 2 cm from the end is heat-sealed in parallel with the width direction of the specimen to prepare five specimens. The heat seal was performed at a surface pressure of 98 N / cm 2 for 1 second by a heat press machine having a pair of upper and lower press-contact bars (width 1 cm, length 30 cm) whose surfaces set at 140 ° C. were coated with polytetrafluoroethylene. Heat seal. Then, using a constant-speed elongation type tensile tester (Tensilon UTM-4-100 manufactured by Toyo Boltwin Co.), the sample was set at a grip interval of 7 cm so that the bonded portion was located at the center between the chucks, and a tensile speed of 10 cm / min. Then, three pieces were taken out of those having a maximum value and three pieces were taken out of a value having a small minimum value when peeling off, and the average value of a total of six pieces was taken as the heat seal strength.
[0031]
In the present invention, when having the above-mentioned heat sealing performance, it is possible to employ thermocompression sewing when sewing surgical gowns, caps and the like using the medical nonwoven fabric of the present invention, and a resin film and When laminated and used, a thermocompression bonding method can be used for bonding with a resin film.
[0032]
The medical nonwoven fabric of the present invention can be used as a laminate by laminating it with a resin film from the viewpoint of preventing infectious diseases due to permeation of blood, body fluids and the like during surgery. The laminate is not only composed of two layers, that is, a resin film layer and a nonwoven fabric layer, but may be further laminated with another resin, paper, or the like as long as the object of the present invention is not impaired. Preferably, it is composed of two layers of nonwoven fabric layer / film layer and three layers of nonwoven fabric layer / film layer / nonwoven fabric layer. When the bonding process with a resin film is performed by thermocompression bonding, if the medical nonwoven fabric of the present invention is used, the core component can be processed in a temperature range where only the sheath component acts as an adhesive component while maintaining mechanical strength. Therefore, the processing temperature range can be set relatively wide, and it is possible to achieve both heat sealing workability, mechanical strength, and flexibility.
[0033]
There is no particular limitation on the material of the film in the case of forming a laminate, and specific examples include a filler-added polyolefin-based stretched film, a moisture-permeable polyester-based film, a polyurethane-based film, a polyether block amide copolymer film, and the like. . The thickness of the film is not particularly limited, but is preferably 50 μm or less from the viewpoint of flexibility.
[0034]
The medical nonwoven fabric of the present invention is subjected to predetermined sterilization treatment by irradiation with radiation, and then cut and sewn (including thermocompression sewing) to various surgical clothes, various cloths, caps, masks, surgical underwear, towels, sheets, and the like. Medical supplies. Moreover, after processing the medical nonwoven fabric into various medical supplies, sterilization treatment may be performed by irradiation with radiation.
[0035]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples, but the present invention is not limited to the following Examples. In addition, each physical property value in an Example is a value measured by the following method.
(1) Melting point (° C)
The measurement was performed at a heating rate of 20 ° C./min using a differential scanning calorimeter DSC-7 manufactured by Perkin Elmer.
[0036]
(2) Weight (g / m 2 )
From the sample in the standard state, 10 points each of a 100 mm × 100 mm sample piece were prepared, the mass (g) of each sample piece was weighed, and the average of the obtained values was converted to per 1 m 2 to obtain a basis weight (g). / M 2 ).
[0037]
(3) Tensile strength retention after irradiation (%)
Regarding the sample before and after the irradiation of γ-ray with a radiation dose of 40 kGy, a sample piece having a sample length of 20 cm and a sample width of 5 cm was prepared according to the strip method described in JIS-L-1096, and a constant-speed elongation type tensile tester ( Using Tensilon UTM-4-1-100 manufactured by Toyo Baldwin Co., Ltd., elongate at a grip interval of 10 cm and a tensile speed of 20 cm / min, measure the tensile strength before and after γ-ray irradiation, and determine the tensile strength retention by the following formula. Was calculated.
Tensile strength retention (%) = (tensile strength after irradiation / tensile strength before irradiation) × 100
[0038]
(4) NSM Tensile Strength Using the tensile strength after γ-ray irradiation at the time of measuring the above-mentioned radiation-irradiated tensile strength retention, the tensile strength was converted to a basis weight of 100 g / m 2 , which was regarded as the NSM strength.
[0039]
Example 1
Using polyethylene terephthalate having a melting point of 258 ° C. as a core component, a high density having a density of 0.96 g / cm 3 , a melt index value measured by ASTM-D-1238 (E) method of 25 g / 10 min, and a melting point of 130 ° C. A two-component core-sheath structure having polyethylene as a sheath component, a filament having a single-fiber fineness of 3.0 decitex and a mass ratio of the sheath component to the core component of 1.0 was spun, immediately stretched by air pressure, and opened. Thereafter, it was deposited on a moving porous strip and formed into a web. The web was partially hot-pressed with an embossing device consisting of an engraving roll heated to 120 ° C. and a flat roll also heated to 120 ° C. to obtain a medical long-fiber nonwoven fabric of the present invention having a basis weight of 40 g / m 2. Was.
[0040]
Comparative Example 1
A single component filament of polypropylene having a density of 0.902 g / cm 3 , a melt flow rate according to the ASTM-D-1238 (L) method of 30 g / 10 min, and a melting point of 169 ° C. having a single yarn fineness of 3.0 decitex is used. The web was spun, deposited and formed into a web in the same manner as in Example 1, and the web was partially hot-pressed with an embossing device heated to 133 ° C. to obtain a nonwoven fabric having a basis weight of 40 g / m 2 .
[0041]
Comparative Example 2
Single-component filament of polyethylene terephthalate having a melting point of 258 ° C. and a single component filament of 3.85 dtex, and a single yarn of a copolyester (melting point 230 ° C.) obtained by copolymerizing ethylene terephthalate with 8 mol% of isophthalic acid A single-component filament having a fineness of 2.75 dtex was spun at a mixing ratio of 2: 1, deposited and webbed in the same manner as in Example 1, and the web was partially heated by an embossing device heated to 220 ° C. The non-woven fabric having a basis weight of 40 g / m 2 was obtained by hot pressing.
[0042]
Comparative Example 3
A single-component filament consisting of nylon 6 having a melting point of 225 ° C. and having a single-fiber fineness of 3.0 dtex was spun, deposited and formed into a web in the same manner as in Example 1, and the web was heated with an embossing device heated to 190 ° C. Partially hot-pressed to obtain a nonwoven fabric having a basis weight of 40 g / m 2 .
[0043]
The obtained nonwoven fabrics of Example 1 and Comparative Examples 1 to 3 were irradiated with γ rays at 20 kGy, 40 kGy, and 60 kGy. Table 1 shows the results. In Table 1, the heat seal strength was measured for a sample irradiated with 40 kGy of γ-rays.
[0044]
[Table 1]
[0045]
As is clear from Table 1, the nonwoven fabric for medical use obtained in Example 1 showed a very small decrease in strength due to irradiation with radiation and was excellent in heat sealability.
[0046]
On the other hand, in Comparative Example 1, which was a long-fiber nonwoven fabric made of polypropylene alone, the mechanical strength was significantly reduced by irradiation. Comparative Example 2, which is a long-fiber nonwoven fabric made of a polyester-based polymer, and Comparative Example 3, which is a long-fiber nonwoven fabric made of nylon 6 alone, are both difficult to have both mechanical properties and adhesive properties. there were.
[0047]
【The invention's effect】
According to the medical nonwoven fabric of the present invention, the sheath component is composed of a core-sheath type composite long-fiber nonwoven fabric having a polyethylene as a sheath component and a thermoplastic polymer having a melting point higher than the melting point of the sheath component by 30 ° C. or more as a core component. It retains excellent mechanical properties even by irradiation, and can be treated at a temperature at which only the sheath component melts in the thermal bonding process, so that only polyethylene as the sheath component functions as an adhesive component, The polymer as a component is not affected by heat and can have adhesive properties, moderate flexibility and mechanical properties. Therefore, it is possible to provide a medical nonwoven fabric and medical supplies that can be suitably used for medical applications that require radiation sterilization.