JP2004121330A - ゴルフカートびゴルフカートの管理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】適切な時期に保守点検を行えるようにする。
【解決手段】ゴルフ場を走行可能なゴルフカートにおいて、ゴルフカートの状態情報を記憶する記憶手段としての記憶部153と、この記憶部153に記憶した状態情報を所定の位置で外部に送信する送信手段としての送信回路156を設けたものである。前記送信回路156は、外部の読み取り機70からの送信信号に基づいて前記状態情報を送信するものである。
【効果】ゴルフカートの状態情報を外部の読み取り機で受信することにより、ゴルフカートの状態を知ることができるので、適切な時期に効率良く保守点検を行うことができる。送信手段から常時常態情報を送信する必要がなく、消費電力を抑制することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】ゴルフ場を走行可能なゴルフカートにおいて、ゴルフカートの状態情報を記憶する記憶手段としての記憶部153と、この記憶部153に記憶した状態情報を所定の位置で外部に送信する送信手段としての送信回路156を設けたものである。前記送信回路156は、外部の読み取り機70からの送信信号に基づいて前記状態情報を送信するものである。
【効果】ゴルフカートの状態情報を外部の読み取り機で受信することにより、ゴルフカートの状態を知ることができるので、適切な時期に効率良く保守点検を行うことができる。送信手段から常時常態情報を送信する必要がなく、消費電力を抑制することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフ場をゴルフバッグを搭載して走行するゴルフカート及びゴルフカートの管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のゴルフカートは、搭乗者の操縦に基づいて走行される手動モードと、走行路の誘導線に沿って誘導され、マグネット情報やリモコン信号に基づいて走行される自動モードとを、切り換えスイッチにて切り換えるようになっている。自動モードで走行した場合、走行路に設けられた一対のマグネットの極性とマグネット間の距離を検出し、この検出したマグネットからの制御情報に基づいて、内部に設けられた制御回路にて、走行速度が高速、中速、低速に設定されて走行されたり、減速されたり、停止されたりしていた(例えば、特許文献1)。
【0003】
このゴルフカートは、適当な期間毎に保守点検を行い、走行中に、ブレーキパッドの磨耗により停止距離が所定の距離より長くなったり、誘導センサにより誘導線を検知できなくなって脱輪を起こす等の異常が起こる可能性が低くなるようにしている。
【0004】
しかしながら、使用頻度は日によって異なったり、各ゴルフカートごとに異なったりする為、所定の期間毎に保守点検を行ったのでは、使用頻度の少ないときには必要以上に保守点検が行われ、保守点検の効率が悪くなり、逆に使用頻度が多い場合には、異常を起こす可能性が高くなる場合が生じるという問題が生じる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−281751号公報(6頁の段落番号44から同頁段落番号48)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、適切な時期に保守点検を行うことができるゴルフカート及びゴルフカートを管理する管理装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段は、ゴルフ場を走行可能なゴルフカートにおいて、ゴルフカートの状態情報を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶した状態情報を所定の位置で外部に送信する送信手段を設けたものである。
【0008】
上記構成において、前記送信手段は、外部の読み取り機からの送信信号に基づいて前記状態情報を送信するものである。
【0009】
また、前記状態情報は、走行距離、バッテリの消費量、バッテリ使用状況等のうちの少なくとも一つで構成されるものである。
【0010】
また、前記走行距離は、詳述すれば、電源投入後に前記ゴルフカートが走行した距離である。
【0011】
また、前記バッテリ消費量は、詳述すれば、送信する直前の残量である。
【0012】
また、前記バッテリ使用状況は、詳述すれば、充電の有無情報である。
【0013】
また、前記ゴルフカートの走行制御を行う制御手段と前記記憶手段とを電気的に接続する。
【0014】
また、前記制御手段に電力を供給する電源とは別に、前記記憶手段と送信手段に電力を供給する電源を設ける。
【0015】
また、前記記憶手段と送信手段とを有する非接触ICタグを設ける。
【0016】
また、所定の位置に設けられてゴルフカートから送信される状態情報を読み取る読み取り機と、該読み取り機にて読み取った情報が送信される受信機とを有する。
【0017】
また、前記受信機は前記ゴルフカートの運行管理を行う運行管理室やメンテナンス会社等に設けられるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態におけるゴルフカートを図1乃至図10に基づいて説明する。
【0019】
まず、ゴルフカートにおける制御回路のブロック図を図1に、ゴルフカート本体の全体斜視図を図2に示し、全体の構成について図面に基づいて説明をする。
【0020】
1は、使用者が運転して手動走行することのできる手動モードと、使用者が乗車可能で後述する走行路50に埋設した誘導線49に沿って自動走行することができる自動モードとを備え、ゴルフバッグを搭載して走行するゴルフカート本体で、このゴルフカート本体1は、走行モータ17を駆動源として走行する。
【0021】
2は、メインフレーム(図示せず)に設けられ、前記本体1の前後方向に設けられた基台で、この基台2には、使用者が乗車するための座席3、操舵を行うための操舵輪となる前輪4、駆動輪となる後輪5が設けられている。
【0022】
6は、手動モード選択時に使用者が前記座席3に座って操作可能な位置に設けられ、操作によって前記前輪4を操舵するためのハンドルである。
【0023】
7は、ゴルフカート本体1の後部に斜め後方が上部に延びるように設けられゴルフバッグを搭載するための荷台である。
【0024】
8は、前記ハンドル6と前記前輪4との連結部分を覆う樹脂製のフロントカウルで、このフロントカウル8は、その中央に蓋部9を設け、この蓋部9を開口するとゴルフボールやグローブなどを入れるための小物入れになっている。
【0025】
10は、前記本体1の前部で前記フロントカウル8の上部に設けられた透明な樹脂製のフロントシールドで、このフロントシールド10上部より後方にかけて、前記座席3上部を覆う樹脂製のルーフ11が設けられている。また、前記ルーフ11の後部は前記荷台7近傍より上方に向けて設けられた2本の支柱12によって支えられている。
【0026】
次に制御回路のブロック図(図1)について説明する。
【0027】
13は、ゴルフカート本体1の走行を制御する制御回路で、この制御回路13は、マイクロコンピュータであるメインCPU14、誘導センサ処理CPU15、非接触ICタグ情報処理CPU16からなっており、メインCPU14は走行のための制御や操舵のための制御、また制動のための制御等を行うために信号を生成して出力している。誘導センサ処理CPU15は、後述する誘導センサ33からの信号を処理する為のマイクロコンピュータであり、また非接触ICタグ情報処理CPU16は、後述する非接触ICタグ51から送信された制御情報や非接触ICタグ151からの状態情報を処理する為のマイクロコンピュータである。また、メインCPU14は、誘導センサ処理CPU15、及び非接触ICタグ情報処理CPU16とシリアル通信によって接続されている。そして、このように制御回路13を複数のマイクロコンピュータから構成することにより、演算の処理速度が速くなるほか、部分的に破損等が生じた場合においても破損したマイクロコンピュータのみを交換するだけで良く、修理が簡単になるという効果がある。
【0028】
17は、後輪5を回転駆動する為の駆動源となる走行モータで、この走行モータ17は、駆動用の前記メインCPU14からの信号に基づいてモータコントローラ19にて制御される。
【0029】
18は充電器20によって充電されるバッテリで、モータコントローラ19、走行モータ17、後述するブレーキモータ23、ハンドルモータ26、パーキングブレーキ24及びステアリングモータ25へ電力を供給すると同時に、これら以外(前記制御回路13、後述する表示部45や超音波センサ35等の検出手段)に、降圧回路(図示せず)を介して電力を供給する。このバッテリ18の電力の残量は残量センサ21で検出され、検出された検出値がメインCPU14へ出力される。
【0030】
22は、前記座席3の前面に設けられ使用者のスイッチ51の切り換えによる走行モードの切換を検出する自動/手動検出手段で、この自動/手動検出手段22は、使用者によって選択された走行モードをメインCPU14に入力するようになっている。
【0031】
23は、前記前輪4及び後輪5に設けられた油圧の力によって動作する図示しないブレーキ(ここではディスクブレーキ)の制動力を調整する為のブレーキモータであり、このブレーキモータ23はメインCPU14からの信号によりPWM制御されることになる。
【0032】
24は、本体1を停車させる為の電磁ブレーキからなるパーキングブレーキで、このパーキングブレーキ24は、通電した時に制動力が解除され、非通電時にはバネの力によって制動力が付与されることになる。そして、非通電時には走行モータ17近傍の駆動系の途中に制動力が与えられ、後輪5を固定するように動作する。
【0033】
25は、前記メインCPU14に接続され、前記メインCPU14からの制御信号に基づいて動作するステアリングモータで、このステアリングモータ25は、自動モード選択時にはステアリングモータ25だけの駆動力で前記前輪4を操舵し、手動モード選択時にはハンドル6を操作する人的な力に加えてステアリングモータ25の力が補助的に動作する。
【0034】
26は、ハンドル6軸の途中に設けられ自動モード選択時と手動モード選択時とでハンドル6と前輪4との機械的連結を電気的に断続する為のハンドルモータで、このハンドルモータ26によって自動モードに切り替えられたときにはハンドル6が操作できないように固定され、手動モードに切り替えられたときはハンドル6の操作に伴って前輪4が操舵されるように連結するように電気的に操作される。
【0035】
27は、使用者がブレーキペダル(図示せず)を操作した時に信号が出力するように構成されるブレーキスイッチで、自動モード選択時にブレーキスイッチ27からの信号が出力すると前記メインCPU14よりブレーキモータ23が動作するよう信号が出力し、所定時間経過後にパーキングブレーキ24が動作するようになっている。
【0036】
28は、ブレーキモータ27の動作量の動作初期を検出する為のブレーキホームスイッチであり、このスイッチ28が入っているときはブレーキは動作していない状態であることを検出する。
【0037】
29は、ブレーキモータ27の動作量の動作終了を検出する為のブレーキリミットスイッチであり、このブレーキリミットスイッチ29が動作しているときはブレーキの制動量がフルに動作していることを検出する。
【0038】
30は、ブレーキの油圧が適量であるかどうかを検出する為のブレーキオイル検出手段である。
【0039】
31は、ゴルフカート本体1に設けられゴルフカート本体1の傾斜角度を検出する傾斜センサで、この傾斜センサ31は、検出した傾斜角度を電圧値に変換しメインCPU14に入力する。そして、この値に基づいて発進時や停止時の制御を行うようになっている。
【0040】
32aはゴルフカート本体1に設けられた受信回路で、アンテナ32bを介して後述する非接触ICタグ51の制御情報を受信し、受信した制御情報を非接触ICタグ情報処理CPU16に出力する。
【0041】
非接触ICタグ情報処理CPU16は前記制御情報に基づいて速度指示信号(高速H=10km/h、中速M=6km/h、低速L=3km/h)を検出してメインCPU14に出力したり、通常停止信号を検出してメインCPU14に出力する。
【0042】
32cはゴルフカート本体1に設けられた送信回路で、非接触ICタグ情報CPU16にて制御され、図6に示すように制御情報や後述する状態情報を送信させるためのゴルフカート送信信号を所定の時間間隔で複数回(ここでは2回)送信する。
【0043】
33は、前記ゴルフカート本体1に設けられ、操舵される前輪4の操舵と共に左右に回動する一対の誘導センサで、この誘導センサ33は、誘導線49から発生する電磁波を検出し、互いの誘導センサ33の検出レベルが同じになるように前輪4を操舵する。従って、前輪4が操舵されると誘導センサ33も左右に回動されるため、誘導線49が一対の誘導センサ33の中央に位置するように操舵されることになる。
【0044】
34は、ゴルフカート本体1の前部に設けられた受信機と、後部に設けられた送信機とからなる衝突防止手段としてのカートガードで、受信機にて前方にあるゴルフカート本体1の送信機からの電磁波を受信し、受信機にて受信した信号が所定の信号レベルになったときに緊急停止信号をメインCPU14へ出力する。また、送信機からは後方のゴルフカート本体1へ電磁波が送信される。
【0045】
35は、前方の障害物を超音波の反射によって検出する超音波センサであり、この超音波センサ35も障害物との距離が所定の距離になったときに緊急停止信号をメインCPU14に出力する。
【0046】
メインCPU14は、非接触ICタグ情報処理CPU16で検知された通常停止信号や、カートガード34又は超音波センサ35で検知される緊急停止信号に基づいてブレーキモータ23による制動と走行モータ27の発電、回生制動を行う。
【0047】
36は、後輪5の回転数を検出するエンコーダであり、このエンコーダ36によって検出される信号はメインCPU14に入力され、メインCPU14にて走行速度と走行距離等が算出されるようになっている。また、前記エンコーダ36とは別に後輪5の回転数を検出するサブエンコーダ37も設けられており、このサブエンコーダ37の信号も前記メインCPU14に入力され、この信号に基づいて、エンコーダ36が正常に動作しているかどうかを判断したり、エンコーダ36が異常になったときにメインのエンコーダとして使用したりするために設けられている。
【0048】
38は、前記ハンドル6軸に設けられハンドル6の操作による操作トルクを検出するトルクセンサで、このトルクセンサ38はメインCPU14に接続されており、操作トルクが電気信号として入力され、このトルクの大きさに応じてステアリングモータ25が動作するようになっている。
【0049】
39は、前記ゴルフカート本体1の前部に設けられたバンパー40に取り付けられ、障害物等がバンパー40に当接したときに動作するバンパースイッチで、バンパースイッチ39からの信号が入力されるとメインCPU14に非常停止信号が入力されるようになっている。そして、メインCPU14は、前記非常停止信号が入力された際に、走行モータ17の回生制動とブレーキモータ23による制動を最も強く行って停止させる。
【0050】
41は、アクセル近傍に設けられ使用者のアクセルの操作がなされているときにメインCPU14に信号出力するアクセルスイッチで、このアクセルスイッチ41は、自動走行モード選択時にアクセルスイッチ41からの信号入力によって発進するようになっている。
【0051】
42は、使用者の操作可能な位置に設けられ使用者によって進行方向を指示する前後進スイッチで、この前後進スイッチ42は、メインCPU14に接続され、前進及び後進のいずれに切り替えられているかの信号が入力されて指示された向きに走行するように走行モータ17が駆動するようになっている。
【0052】
43は、使用者の操作可能な位置に設けられ、自動モードが選択されている時に、ゴルフカート本体1の発進停止を指示するためのスタートストップスイッチで、このスタートストップスイッチ43は、操作されたときに発進信号と通常停止信号が交互にメインCPU14に入力されるようになっており、この信号入力に基づいて走行モータ17が駆動開始、駆動停止するようになっている。
【0053】
44は、ゴルフカート本体1の発進停止を遠隔操作するためのリモコンからの信号を受信するためのリモコン受信機で、このリモコン受信機44もメインCPU14に接続され、受信した信号によって走行制御されるようになっている。また、前記リモコンには、一つの操作ボタンが設けられ、操作ボタンを押圧したときに信号が出力されるようになっており、ゴルフカート本体1が走行中に信号が入力されると通常停止信号がメインCPU14に入力されて停止の制御がなされ、停止中に信号が入力されると発進の制御がなされるようになっている。
【0054】
45は、使用者が座席3に乗車したときに正面にくるような位置に設けられた表示部で、この表示部45は、バッテリ残量や選択された走行モードの表示などが表示されるようになっている。
【0055】
次に上述する構成における動作について説明する。
【0056】
前記自動手動検出手段22によって手動モードの選択が検出され、走行を開始する場合、アクセルを操作したときにアクセルからの指示値に応じた駆動力で走行モータ17が駆動する。これによって後輪5が回転して走行を始め、走行開始と同時に、パーキングブレーキ24は解除される。
【0057】
また、停止をする場合、ブレーキの操作量に応じた制動量でブレーキモータ23が動作し、エンコーダ36によって車速がゼロであることを検出したときにパーキングブレーキ24が動作するようになっている。
【0058】
走行中の操舵については、ハンドル6の操作に応じて前輪4が操舵され、その時に同時にトルクセンサ38によってハンドル6の操作トルクが検出される。このトルクに応じて、ステアリングモータ25が駆動し、ハンドル6の操作力を補助するように駆動力が与えられる。
【0059】
次に自動モードが選択されている場合について説明をする。
【0060】
停止中にスタートストップスイッチ43が押されると、パーキングブレーキ24が解除されると共に走行モータ17が駆動を開始する。この時の走行速度は、後述する非接触ICタグ51からの速度指示信号に基づいて高速Hの場合10km/h、中速Mの場合6km/h、低速Lの場合3km/hに設定され、エンコーダ36にて走行速度を検知しながら走行モータ17の駆動とブレーキモータ23の駆動により設定速度となるように速度が調整されて走行される。そして、後述する誘導センサ33の動作によって、走行路50に埋設した誘導線49に沿って前輪4が操舵されて走行する。
【0061】
次に、自動モード時のステアリング部分の動作について、図3に基づき説明をする。
【0062】
46は、先端部に前記誘導センサ33を取り付けた誘導センサアームで、このアーム46は、前輪4の左右の操舵と共に回動するように連結されている。また、前記アーム46の途中にはギヤ47が設けられており、このギヤ47は、前記ステアリングモータ25の出力軸に設けられたギヤ48と結合するようになっている。
【0063】
ゴルフカート本体1の操舵においては、自動モード選択時、走行しながら一対の誘導センサ33によって走行路50に埋設された誘導線49からの電磁波を検出し、2つの誘導センサ33の信号のレベルが同じになるように前輪4を操舵する。具体的な信号の流れについて説明すると、誘導線49から生じる電磁波は、それぞれの誘導センサ33によって受信され、誘導センサ処理CPU15に入力される。そして、2つの誘導センサ33の信号レベルを比較して、左右どちらにずれているかが演算され、一対の誘導センサ33の中心が誘導線49上にくるように、メインCPU14からステアリングモータ25に信号が出力され、ステアリングモータ25の駆動によって前輪4を操舵する。前輪4を操舵することによって2つの誘導センサ33の中心に誘導線49が位置するように制御されることになる。
【0064】
151はゴルフカート本体1に設けられた非接触ICタグで、非接触ICタグ情報処理CPU16に接続されている。この非接触ICタグ151は、図4に示すように、記憶手段としての記憶部153を有する制御部154に受信手段としての受信回路155と送信手段としての送信回路156とが接続され、受信回路155と送信回路156にアンテナ157を接続した構成となっており、内蔵する電池152を電源として動作する。
【0065】
記憶部153には、制御回路13から出力されたゴルフカートの状態情報、例えば、バッテリ残量や、バッテリの充電の有無や、走行距離、識別番号等が記憶される。
【0066】
受信回路156は後述する読み取り機70からのゴルフカート送信信号と同様の送信信号を受信した際にのみ、制御部154は、記憶部153に記憶された状態情報を読み出し、送信回路155からアンテナ157を介して順次送信する。
【0067】
70はゴルフカート本体1が収納されるカートハウス(図示せず)の手前に設けられた読み取り機で、制御回路71に送信回路72と受信回路73が接続され、送信回路72と受信回路73にアンテナ74が接続された構成となっており、図示しない交流電源を降圧、整流した電力が供給される。
【0068】
前記受信回路73はゴルフカート本体1に設けた非接触ICタグ151からの状態情報を受信し、制御部71に出力する。一方、送信回路72は制御部71に制御され、アンテナ74を介して通常はゴルフカート送信信号を送信し、受信回路73から制御部71に状態情報が出力された際には、状態情報をアンテナ74を介して送信する。
【0069】
76は運行管理室としてのマスター室で、制御部77に、読み取り機70から送信された状態情報をアンテナ78を介して受信する受信機79と、表示部80とが接続されており、受信機79にて受信した状態情報が制御部77に出力されると共に、制御部77にて表示部80が制御される。
【0070】
次に、走行路50に埋設される走行標識としての非接触ICタグ51と遮蔽手段としての遮蔽板65とについて説明する。
【0071】
51はゴルフカート本体1へ制御情報を送信する非接触ICタグで、図3及び図9に示すように走行路50の誘導線49近傍に埋設されている。この非接触ICタグ51は、ゴルフカート本体1に埋設された非接触ICタグと同様に図4に示すように、記憶部53を有する制御部54に、受信回路55と送信回路56とが接続され、受信回路55と送信回路56にアンテナ57を接続した構成となっており、内蔵する電池52を電源として動作する。
【0072】
記憶部53には図8に示すような制御情報がコード化されて書き換え可能に記憶され、受信回路55はゴルフカート本体1からゴルフカート送信信号(図6)を受信し、制御部54へ出力する。
【0073】
制御部54は、記憶部53に記憶されたコード化した制御情報を図7に示す非接触ICタグ送信信号(ここでは、一例として走行速度3kmを指示する信号を示す)として送信回路56からアンテナ57を介して複数回(ここでは2回)送信する。
【0074】
この非接触ICタグ51は図9に示すように走行路50の各所に埋設されており、具体的には、以下に示すような制御情報が記憶されている。ここで、図中のTGはティーグランドで、Gはグリーンである。
【0075】
各ホールのティーグランドTG近傍に埋設された非接触ICタグ51bには、停止信号と速度指示信号(ここでは中速M)とからなる制御情報が記憶され、各ホールの中間位置に設けられた非接触ICタグ51cには、停止信号と速度指示信号(ここでは、平坦な直線区間が続くことからここでは高速Hが設定されている)とからなる制御情報が記憶されている。
【0076】
そして、グリーンG近傍に設けられた非接触ICタグ51dには、停止信号と速度指示信号(ここでは中速M)とからなる制御情報が記憶されている。
【0077】
また、見通しが良く長い直線が始まる箇所に埋設された非接触ICタグ51eには、高速Hの速度指示信号が制御情報として記憶される一方、急なカーブや急な下り坂の手前に設けられた非接触ICタグ51fには、低速Lの速度指示信号が制御情報として記憶されている。
【0078】
非接触ICタグ51gは通常の走行速度としての中速Hを指示する速度指示信号が制御情報として記憶されている。
【0079】
65は遮蔽手段としての鉄製の遮蔽板で、平板状に形成されて誘導線49と非接触ICタグ51との間に誘導線49に平行な状態で走行路50に埋設されており、誘導線49の電磁波が走行標識である非接触ICタグから送信される制御情報に影響を与えないようにしている。
【0080】
上記構成のゴルフカート本体1は、カートハウスに収納された位置にて、電源が投入されると、エンコーダ36からの出力に基づいてメインCPU14にて電源投入からの走行距離の算出が開始されると共に、走行が可能となる。この状態でスタートストップスイッチ43を押す等すると、自動走行が開始され、誘導線49からの電磁波を検知して誘導線49に沿って走行される。
【0081】
ゴルフカート本体1が走行路50の各所に埋設された非接触ICタグ51近傍に到達すると、ゴルフカート本体1の送信回路32cからのゴルフカート送信信号が非接触ICタグ51の受信回路55にて受信されるようになる。受信回路55にてゴルフカート送信信号を受信すると、非接触ICタグ51の制御部54は記憶部53に記憶された制御情報を図7に示すような非接触ICタグ送信信号として送信回路56からアンテナ57を介して送信する。この非接触ICタグ送信信号はゴルフカート本体1の受信回路32aにて受信され、この非接触ICタグ送信信号から制御情報が検知される。そして、この検知された制御情報に基づいて走行速度などが設定され、走行される。
【0082】
この走行中、メインCPU14では、残量センサ21からの出力基づいてバッテリ残量が常時検出されると共に、エンコーダ36からの出力に基づいて走行距離が検出される。そして、メインCPU14はバッテリ残量を表示部45に表示すると共に、バッテリ残量と走行距離とゴルフカート本体1の識別番号とを状態情報として常時非接触ICタグ情報処理CPU16に出力する。非接触ICタグ情報処理CPU16は、出力された状態情報を非接触ICタグ151の記憶部153に記憶する。
【0083】
そして、所定の走行を終えたゴルフカート本体1は、カートハウスに向けて走行される。カートハウスの近傍に達すると、カートハウスの手前に設置された読み取り機70からのゴルフカート送信信号(図6)と同様の送信信号が、ゴルフカート本体1の非接触ICタグ151の受信回路155にて受信されるようになり、記憶部153に記憶された状態情報が送信回路156から送信される。この際、バッテリ残量と走行距離は送信の直前のもの、即ち、最新のバッテリ残量及び走行距離が送信される。
【0084】
送信された状態情報は読み取り機70の受信回路73にて受信し、制御部71に出力する。そして、制御部71は受信した状態情報を送信回路72から送信する。
【0085】
送信回路72から送信された状態情報は、ゴルフカートの運営管理を行うマスター室76に設けた受信機79にて受信され、マスター室76の制御部77に出力される。この制御部77では、状態情報に基づいてバッテリ残量が所定の残量以下になっているかどうかを検知すると共に、総走行距離が算出されて保守点検を行う時期に達したかどうかを検知する。
【0086】
所定の残量以下の場合にはマスター室76に設けられた表示部77に識別番号と共に充電が必要であることを示す充電表示を行い、保守点検を行う時期に達している場合には、保守点検が必要であることを示す保守表示を行う。この表示部の表示をみて、マスター室76にいる人が充電や保守点検を判断することができる。
【0087】
保守点検が必要であることが表示された場合には、その識別番号のゴルフカートの保守点検が行われる。これにより、適切な時期に保守点検の必要なゴルフカートのみ保守点検を行うことができ、走行距離に基づいて効率良く保守点検を行うことができる。
【0088】
また、充電が必要であることが表示された場合には、充電器20にて満充電となるまでバッテリの充電が行われる。これにより、適切な時期に充電が行われ、バッテリ残量が少なくなって走行ができなくなるなどの異常が起きる可能性を低減できる。
【0089】
そして、充電が行われて満充電であることが残量センサ21からの出力によりメインCPU14で検出されると、充電が終了すると共に、充電が行われたことが非接触ICタグ情報処理CPU16に出力される。非接触ICタグ情報処理CPU16は充電が行われたことを示す充電情報が、非接触ICタグ151に記憶部153に前記バッテリ残量や走行距離や識別番号の情報と共に状態情報として書き込まれる。
【0090】
そして、上述の如くして、状態情報がマスター室76の受信機79で受信されると、制御部77にて状態情報としての充電情報から充電回数が検出される。そして、制御部77にて所定の充電回数を超えるたことを検知した場合には、バッテリ交換が必要であることを表示部80に表示し、バッテリの交換をマスター室76にいる人に促す。
【0091】
これにより、バッテリの使用限度に達したことを適切に知ることができ、バッテリの交換を適切な時期に行うことができる。
【0092】
上述の如く、非接触ICタグ151は、読み取り機70からのゴルフカート送信信号と同様の送信信号を受信した際にのみ、記憶部153に記憶した状態情報を送信するようにしたことで、常時状態情報をマスター室等に送信する必要がなく、電池152の消費電力を抑制することができ、電池152の長寿命化を図ることができる。
【0093】
また、非接触ICタグ151は制御部154を有することから、制御回路13が故障するなどして使えなくなった状態でも、状態情報を非接触ICタグ151から読み出すことができる。
【0094】
また、非接触ICタグ151を走行モータ17等を制御する制御回路13に接続したことで、制御回路13で検知された状態情報を非接触ICタグ151に容易に出力できる。
【0095】
また、非接触ICタグ151を、ゴルフカート本体1の制御回路13や走行モータ17等を駆動させるバッテリ18とは別の電源である電池152にて動作するようにしたことで、故障や残量不足等によりバッテリ18が使えない状態であっても非接触ICタグ151を動作させて状態情報を読み出すことができる。
【0096】
尚、上記実施の形態では、家電等のリサイクルのための識別番号等の情報を記憶する非接触ICタグ151を利用して、状態情報を記憶すると共に、この状態情報を外部に送信するようにしたが、これに限定されるものではなく、ゴルフカート本体1に設けられて状態情報を記憶すると共に、この状態情報を外部に送信可能なものであればよい。
【0097】
また、非接触ICタグ151は電池152を電源として状態情報を送信する等の動作を行うようにしたが、ゴルフカート送信信号を電力に変換し、変換した電力により状態情報を送信するようにしても良い。
【0098】
また、読み取り機70から送信される状態情報を受信する受信機79をマスター室76に設けたが、メンテナンス会社に設けても良い。
【0099】
この場合、保守点検を行う必要がある場合に、メンテナンス会社に連絡しなくても、メンテナンス会社で把握することができ、迅速に対応することができる。
【0100】
また、記憶部153に書き込まれる状態情報の例としてバッテリ残量と走行距離と充電回数の場合を示したが、これに限定されるものではなく、保守点検の基準となるたの情報であっても良い。
【0101】
また、総走行距離をゴルフカート本体1で算出するのではなく、マスター室76の制御部77で算出するようにし、各ゴルフカート本体1での制御を簡略化することが望ましいが、ゴルフカート本体1で算出するようにしても良い。
【0102】
また、走行標識として非接触ICタグ51を使用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、マグネット等を使用しても良い。
【0103】
また、バッテリ18を電源とした走行モータ17にて走行するゴルフカートを示したが、エンジンにて走行するゴルフカートでも良い。更に、誘導線や磁気テープ上を走行する搬送車に使用してもかまわない。
【0104】
【発明の効果】
本発明の請求項1によれば、ゴルフカートの状態情報を外部の読み取り機で受信することにより、ゴルフカートの状態を知ることができるので、保守点検を行う必要があるかどうかを知ることができ、適切な時期に効率良く保守点検を行うことができる。
【0105】
本発明の請求項2によれば、送信手段から常時常態情報を送信する必要がなく、消費電力を抑制することができる。
【0106】
本発明の請求項3によれば、走行距離を状態情報とすることで、ほぼ所定の走行距離毎に保守点検を行うことができ、バッテリ消費量を状態情報として送信することで、充電の必要があるかどうかを判断でき、バッテリ使用回数を状態情報として送信することで、バッテリを交換する必要があるかどうかを判断できる。
【0107】
本発明の請求項4によれば、ゴルフカート本体で総走行距離を積算する必要がなく、ゴルフカートでの制御を簡単にすることができる。
【0108】
本発明の請求項5によれば、送信する直前の残量を送信することで、最新の残量を送信できる。
【0109】
本発明の請求項6によれば、バッテリーの充電の有無を検知することで、使用回数を知ることができ、交換時期を知ることができる。
【0110】
本発明の請求項7によれば、制御手段からゴルフカートの状態情報を容易に記憶手段へ書き込むことができる。
【0111】
本発明の請求項8によれば、別電源で記憶手段と送信手段に電力を供給するようにしたことで、制御手段側の電源を切った状態や制御手段が使用できない状態でも、記憶手段に記憶した制御情報を取り出すことができる。
【0112】
本発明の請求項9によれば、家電等のリサイクルに使用される非接触ICタグを利用して状態情報の記憶を行うことができると共に、記憶した状態情報を外部に送信することができる。
【0113】
本発明の請求項10によれば、ゴルフカートまで行かなくても受信機を設けた箇所でゴルフカートの状態情報を知ることができ、保守点検を行う必要があるかどうかを判断することができるので、効率良く保守点検を行うことができる。
【0114】
本発明の請求項11によれば、運行管理室にいる人や、メンテナンス会社の人に、ゴルフカートの状態情報を知らせることができるので、保守点検が必要な時期にメンテナンス会社の人にて保守点検を行ってもらうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す制御ブロック図である。
【図2】同ゴルフカート本体の全体斜視図である。
【図3】同ゴルフカート本体の要部概略図である。
【図4】同ゴルフカートの走行標識としての非接触ICタグのブロック回路図である。
【図5】同4の非接触ICタグに記憶された状態情報を読み出す読み取り機のブロック回路図である。
【図6】同ゴルフカートから送信されるゴルフカート送信信号を示す図である。
【図7】同ゴルフカートの走行標識としての非接触ICタグから送信される非接触ICタグ送信信号の一例を示す図である。
【図8】同ゴルフカートのコード化された制御情報を示す図である。
【図9】同ゴルフカートが走行される走行路を示す図である。
【図10】同ゴルフカートを管理するマスター室における管理装置のブロック制御図である。
【符号の説明】
1 ゴルフカート本体(誘導車両)
13 制御回路(制御手段)
18 バッテリ
70 読み取り機
76 マスター室(運行管理室)
79 受信機
151 非接触ICタグ
152 電池(電源)
153 記憶部(記憶手段)
156 送信回路(送信手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフ場をゴルフバッグを搭載して走行するゴルフカート及びゴルフカートの管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のゴルフカートは、搭乗者の操縦に基づいて走行される手動モードと、走行路の誘導線に沿って誘導され、マグネット情報やリモコン信号に基づいて走行される自動モードとを、切り換えスイッチにて切り換えるようになっている。自動モードで走行した場合、走行路に設けられた一対のマグネットの極性とマグネット間の距離を検出し、この検出したマグネットからの制御情報に基づいて、内部に設けられた制御回路にて、走行速度が高速、中速、低速に設定されて走行されたり、減速されたり、停止されたりしていた(例えば、特許文献1)。
【0003】
このゴルフカートは、適当な期間毎に保守点検を行い、走行中に、ブレーキパッドの磨耗により停止距離が所定の距離より長くなったり、誘導センサにより誘導線を検知できなくなって脱輪を起こす等の異常が起こる可能性が低くなるようにしている。
【0004】
しかしながら、使用頻度は日によって異なったり、各ゴルフカートごとに異なったりする為、所定の期間毎に保守点検を行ったのでは、使用頻度の少ないときには必要以上に保守点検が行われ、保守点検の効率が悪くなり、逆に使用頻度が多い場合には、異常を起こす可能性が高くなる場合が生じるという問題が生じる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−281751号公報(6頁の段落番号44から同頁段落番号48)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、適切な時期に保守点検を行うことができるゴルフカート及びゴルフカートを管理する管理装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段は、ゴルフ場を走行可能なゴルフカートにおいて、ゴルフカートの状態情報を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶した状態情報を所定の位置で外部に送信する送信手段を設けたものである。
【0008】
上記構成において、前記送信手段は、外部の読み取り機からの送信信号に基づいて前記状態情報を送信するものである。
【0009】
また、前記状態情報は、走行距離、バッテリの消費量、バッテリ使用状況等のうちの少なくとも一つで構成されるものである。
【0010】
また、前記走行距離は、詳述すれば、電源投入後に前記ゴルフカートが走行した距離である。
【0011】
また、前記バッテリ消費量は、詳述すれば、送信する直前の残量である。
【0012】
また、前記バッテリ使用状況は、詳述すれば、充電の有無情報である。
【0013】
また、前記ゴルフカートの走行制御を行う制御手段と前記記憶手段とを電気的に接続する。
【0014】
また、前記制御手段に電力を供給する電源とは別に、前記記憶手段と送信手段に電力を供給する電源を設ける。
【0015】
また、前記記憶手段と送信手段とを有する非接触ICタグを設ける。
【0016】
また、所定の位置に設けられてゴルフカートから送信される状態情報を読み取る読み取り機と、該読み取り機にて読み取った情報が送信される受信機とを有する。
【0017】
また、前記受信機は前記ゴルフカートの運行管理を行う運行管理室やメンテナンス会社等に設けられるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態におけるゴルフカートを図1乃至図10に基づいて説明する。
【0019】
まず、ゴルフカートにおける制御回路のブロック図を図1に、ゴルフカート本体の全体斜視図を図2に示し、全体の構成について図面に基づいて説明をする。
【0020】
1は、使用者が運転して手動走行することのできる手動モードと、使用者が乗車可能で後述する走行路50に埋設した誘導線49に沿って自動走行することができる自動モードとを備え、ゴルフバッグを搭載して走行するゴルフカート本体で、このゴルフカート本体1は、走行モータ17を駆動源として走行する。
【0021】
2は、メインフレーム(図示せず)に設けられ、前記本体1の前後方向に設けられた基台で、この基台2には、使用者が乗車するための座席3、操舵を行うための操舵輪となる前輪4、駆動輪となる後輪5が設けられている。
【0022】
6は、手動モード選択時に使用者が前記座席3に座って操作可能な位置に設けられ、操作によって前記前輪4を操舵するためのハンドルである。
【0023】
7は、ゴルフカート本体1の後部に斜め後方が上部に延びるように設けられゴルフバッグを搭載するための荷台である。
【0024】
8は、前記ハンドル6と前記前輪4との連結部分を覆う樹脂製のフロントカウルで、このフロントカウル8は、その中央に蓋部9を設け、この蓋部9を開口するとゴルフボールやグローブなどを入れるための小物入れになっている。
【0025】
10は、前記本体1の前部で前記フロントカウル8の上部に設けられた透明な樹脂製のフロントシールドで、このフロントシールド10上部より後方にかけて、前記座席3上部を覆う樹脂製のルーフ11が設けられている。また、前記ルーフ11の後部は前記荷台7近傍より上方に向けて設けられた2本の支柱12によって支えられている。
【0026】
次に制御回路のブロック図(図1)について説明する。
【0027】
13は、ゴルフカート本体1の走行を制御する制御回路で、この制御回路13は、マイクロコンピュータであるメインCPU14、誘導センサ処理CPU15、非接触ICタグ情報処理CPU16からなっており、メインCPU14は走行のための制御や操舵のための制御、また制動のための制御等を行うために信号を生成して出力している。誘導センサ処理CPU15は、後述する誘導センサ33からの信号を処理する為のマイクロコンピュータであり、また非接触ICタグ情報処理CPU16は、後述する非接触ICタグ51から送信された制御情報や非接触ICタグ151からの状態情報を処理する為のマイクロコンピュータである。また、メインCPU14は、誘導センサ処理CPU15、及び非接触ICタグ情報処理CPU16とシリアル通信によって接続されている。そして、このように制御回路13を複数のマイクロコンピュータから構成することにより、演算の処理速度が速くなるほか、部分的に破損等が生じた場合においても破損したマイクロコンピュータのみを交換するだけで良く、修理が簡単になるという効果がある。
【0028】
17は、後輪5を回転駆動する為の駆動源となる走行モータで、この走行モータ17は、駆動用の前記メインCPU14からの信号に基づいてモータコントローラ19にて制御される。
【0029】
18は充電器20によって充電されるバッテリで、モータコントローラ19、走行モータ17、後述するブレーキモータ23、ハンドルモータ26、パーキングブレーキ24及びステアリングモータ25へ電力を供給すると同時に、これら以外(前記制御回路13、後述する表示部45や超音波センサ35等の検出手段)に、降圧回路(図示せず)を介して電力を供給する。このバッテリ18の電力の残量は残量センサ21で検出され、検出された検出値がメインCPU14へ出力される。
【0030】
22は、前記座席3の前面に設けられ使用者のスイッチ51の切り換えによる走行モードの切換を検出する自動/手動検出手段で、この自動/手動検出手段22は、使用者によって選択された走行モードをメインCPU14に入力するようになっている。
【0031】
23は、前記前輪4及び後輪5に設けられた油圧の力によって動作する図示しないブレーキ(ここではディスクブレーキ)の制動力を調整する為のブレーキモータであり、このブレーキモータ23はメインCPU14からの信号によりPWM制御されることになる。
【0032】
24は、本体1を停車させる為の電磁ブレーキからなるパーキングブレーキで、このパーキングブレーキ24は、通電した時に制動力が解除され、非通電時にはバネの力によって制動力が付与されることになる。そして、非通電時には走行モータ17近傍の駆動系の途中に制動力が与えられ、後輪5を固定するように動作する。
【0033】
25は、前記メインCPU14に接続され、前記メインCPU14からの制御信号に基づいて動作するステアリングモータで、このステアリングモータ25は、自動モード選択時にはステアリングモータ25だけの駆動力で前記前輪4を操舵し、手動モード選択時にはハンドル6を操作する人的な力に加えてステアリングモータ25の力が補助的に動作する。
【0034】
26は、ハンドル6軸の途中に設けられ自動モード選択時と手動モード選択時とでハンドル6と前輪4との機械的連結を電気的に断続する為のハンドルモータで、このハンドルモータ26によって自動モードに切り替えられたときにはハンドル6が操作できないように固定され、手動モードに切り替えられたときはハンドル6の操作に伴って前輪4が操舵されるように連結するように電気的に操作される。
【0035】
27は、使用者がブレーキペダル(図示せず)を操作した時に信号が出力するように構成されるブレーキスイッチで、自動モード選択時にブレーキスイッチ27からの信号が出力すると前記メインCPU14よりブレーキモータ23が動作するよう信号が出力し、所定時間経過後にパーキングブレーキ24が動作するようになっている。
【0036】
28は、ブレーキモータ27の動作量の動作初期を検出する為のブレーキホームスイッチであり、このスイッチ28が入っているときはブレーキは動作していない状態であることを検出する。
【0037】
29は、ブレーキモータ27の動作量の動作終了を検出する為のブレーキリミットスイッチであり、このブレーキリミットスイッチ29が動作しているときはブレーキの制動量がフルに動作していることを検出する。
【0038】
30は、ブレーキの油圧が適量であるかどうかを検出する為のブレーキオイル検出手段である。
【0039】
31は、ゴルフカート本体1に設けられゴルフカート本体1の傾斜角度を検出する傾斜センサで、この傾斜センサ31は、検出した傾斜角度を電圧値に変換しメインCPU14に入力する。そして、この値に基づいて発進時や停止時の制御を行うようになっている。
【0040】
32aはゴルフカート本体1に設けられた受信回路で、アンテナ32bを介して後述する非接触ICタグ51の制御情報を受信し、受信した制御情報を非接触ICタグ情報処理CPU16に出力する。
【0041】
非接触ICタグ情報処理CPU16は前記制御情報に基づいて速度指示信号(高速H=10km/h、中速M=6km/h、低速L=3km/h)を検出してメインCPU14に出力したり、通常停止信号を検出してメインCPU14に出力する。
【0042】
32cはゴルフカート本体1に設けられた送信回路で、非接触ICタグ情報CPU16にて制御され、図6に示すように制御情報や後述する状態情報を送信させるためのゴルフカート送信信号を所定の時間間隔で複数回(ここでは2回)送信する。
【0043】
33は、前記ゴルフカート本体1に設けられ、操舵される前輪4の操舵と共に左右に回動する一対の誘導センサで、この誘導センサ33は、誘導線49から発生する電磁波を検出し、互いの誘導センサ33の検出レベルが同じになるように前輪4を操舵する。従って、前輪4が操舵されると誘導センサ33も左右に回動されるため、誘導線49が一対の誘導センサ33の中央に位置するように操舵されることになる。
【0044】
34は、ゴルフカート本体1の前部に設けられた受信機と、後部に設けられた送信機とからなる衝突防止手段としてのカートガードで、受信機にて前方にあるゴルフカート本体1の送信機からの電磁波を受信し、受信機にて受信した信号が所定の信号レベルになったときに緊急停止信号をメインCPU14へ出力する。また、送信機からは後方のゴルフカート本体1へ電磁波が送信される。
【0045】
35は、前方の障害物を超音波の反射によって検出する超音波センサであり、この超音波センサ35も障害物との距離が所定の距離になったときに緊急停止信号をメインCPU14に出力する。
【0046】
メインCPU14は、非接触ICタグ情報処理CPU16で検知された通常停止信号や、カートガード34又は超音波センサ35で検知される緊急停止信号に基づいてブレーキモータ23による制動と走行モータ27の発電、回生制動を行う。
【0047】
36は、後輪5の回転数を検出するエンコーダであり、このエンコーダ36によって検出される信号はメインCPU14に入力され、メインCPU14にて走行速度と走行距離等が算出されるようになっている。また、前記エンコーダ36とは別に後輪5の回転数を検出するサブエンコーダ37も設けられており、このサブエンコーダ37の信号も前記メインCPU14に入力され、この信号に基づいて、エンコーダ36が正常に動作しているかどうかを判断したり、エンコーダ36が異常になったときにメインのエンコーダとして使用したりするために設けられている。
【0048】
38は、前記ハンドル6軸に設けられハンドル6の操作による操作トルクを検出するトルクセンサで、このトルクセンサ38はメインCPU14に接続されており、操作トルクが電気信号として入力され、このトルクの大きさに応じてステアリングモータ25が動作するようになっている。
【0049】
39は、前記ゴルフカート本体1の前部に設けられたバンパー40に取り付けられ、障害物等がバンパー40に当接したときに動作するバンパースイッチで、バンパースイッチ39からの信号が入力されるとメインCPU14に非常停止信号が入力されるようになっている。そして、メインCPU14は、前記非常停止信号が入力された際に、走行モータ17の回生制動とブレーキモータ23による制動を最も強く行って停止させる。
【0050】
41は、アクセル近傍に設けられ使用者のアクセルの操作がなされているときにメインCPU14に信号出力するアクセルスイッチで、このアクセルスイッチ41は、自動走行モード選択時にアクセルスイッチ41からの信号入力によって発進するようになっている。
【0051】
42は、使用者の操作可能な位置に設けられ使用者によって進行方向を指示する前後進スイッチで、この前後進スイッチ42は、メインCPU14に接続され、前進及び後進のいずれに切り替えられているかの信号が入力されて指示された向きに走行するように走行モータ17が駆動するようになっている。
【0052】
43は、使用者の操作可能な位置に設けられ、自動モードが選択されている時に、ゴルフカート本体1の発進停止を指示するためのスタートストップスイッチで、このスタートストップスイッチ43は、操作されたときに発進信号と通常停止信号が交互にメインCPU14に入力されるようになっており、この信号入力に基づいて走行モータ17が駆動開始、駆動停止するようになっている。
【0053】
44は、ゴルフカート本体1の発進停止を遠隔操作するためのリモコンからの信号を受信するためのリモコン受信機で、このリモコン受信機44もメインCPU14に接続され、受信した信号によって走行制御されるようになっている。また、前記リモコンには、一つの操作ボタンが設けられ、操作ボタンを押圧したときに信号が出力されるようになっており、ゴルフカート本体1が走行中に信号が入力されると通常停止信号がメインCPU14に入力されて停止の制御がなされ、停止中に信号が入力されると発進の制御がなされるようになっている。
【0054】
45は、使用者が座席3に乗車したときに正面にくるような位置に設けられた表示部で、この表示部45は、バッテリ残量や選択された走行モードの表示などが表示されるようになっている。
【0055】
次に上述する構成における動作について説明する。
【0056】
前記自動手動検出手段22によって手動モードの選択が検出され、走行を開始する場合、アクセルを操作したときにアクセルからの指示値に応じた駆動力で走行モータ17が駆動する。これによって後輪5が回転して走行を始め、走行開始と同時に、パーキングブレーキ24は解除される。
【0057】
また、停止をする場合、ブレーキの操作量に応じた制動量でブレーキモータ23が動作し、エンコーダ36によって車速がゼロであることを検出したときにパーキングブレーキ24が動作するようになっている。
【0058】
走行中の操舵については、ハンドル6の操作に応じて前輪4が操舵され、その時に同時にトルクセンサ38によってハンドル6の操作トルクが検出される。このトルクに応じて、ステアリングモータ25が駆動し、ハンドル6の操作力を補助するように駆動力が与えられる。
【0059】
次に自動モードが選択されている場合について説明をする。
【0060】
停止中にスタートストップスイッチ43が押されると、パーキングブレーキ24が解除されると共に走行モータ17が駆動を開始する。この時の走行速度は、後述する非接触ICタグ51からの速度指示信号に基づいて高速Hの場合10km/h、中速Mの場合6km/h、低速Lの場合3km/hに設定され、エンコーダ36にて走行速度を検知しながら走行モータ17の駆動とブレーキモータ23の駆動により設定速度となるように速度が調整されて走行される。そして、後述する誘導センサ33の動作によって、走行路50に埋設した誘導線49に沿って前輪4が操舵されて走行する。
【0061】
次に、自動モード時のステアリング部分の動作について、図3に基づき説明をする。
【0062】
46は、先端部に前記誘導センサ33を取り付けた誘導センサアームで、このアーム46は、前輪4の左右の操舵と共に回動するように連結されている。また、前記アーム46の途中にはギヤ47が設けられており、このギヤ47は、前記ステアリングモータ25の出力軸に設けられたギヤ48と結合するようになっている。
【0063】
ゴルフカート本体1の操舵においては、自動モード選択時、走行しながら一対の誘導センサ33によって走行路50に埋設された誘導線49からの電磁波を検出し、2つの誘導センサ33の信号のレベルが同じになるように前輪4を操舵する。具体的な信号の流れについて説明すると、誘導線49から生じる電磁波は、それぞれの誘導センサ33によって受信され、誘導センサ処理CPU15に入力される。そして、2つの誘導センサ33の信号レベルを比較して、左右どちらにずれているかが演算され、一対の誘導センサ33の中心が誘導線49上にくるように、メインCPU14からステアリングモータ25に信号が出力され、ステアリングモータ25の駆動によって前輪4を操舵する。前輪4を操舵することによって2つの誘導センサ33の中心に誘導線49が位置するように制御されることになる。
【0064】
151はゴルフカート本体1に設けられた非接触ICタグで、非接触ICタグ情報処理CPU16に接続されている。この非接触ICタグ151は、図4に示すように、記憶手段としての記憶部153を有する制御部154に受信手段としての受信回路155と送信手段としての送信回路156とが接続され、受信回路155と送信回路156にアンテナ157を接続した構成となっており、内蔵する電池152を電源として動作する。
【0065】
記憶部153には、制御回路13から出力されたゴルフカートの状態情報、例えば、バッテリ残量や、バッテリの充電の有無や、走行距離、識別番号等が記憶される。
【0066】
受信回路156は後述する読み取り機70からのゴルフカート送信信号と同様の送信信号を受信した際にのみ、制御部154は、記憶部153に記憶された状態情報を読み出し、送信回路155からアンテナ157を介して順次送信する。
【0067】
70はゴルフカート本体1が収納されるカートハウス(図示せず)の手前に設けられた読み取り機で、制御回路71に送信回路72と受信回路73が接続され、送信回路72と受信回路73にアンテナ74が接続された構成となっており、図示しない交流電源を降圧、整流した電力が供給される。
【0068】
前記受信回路73はゴルフカート本体1に設けた非接触ICタグ151からの状態情報を受信し、制御部71に出力する。一方、送信回路72は制御部71に制御され、アンテナ74を介して通常はゴルフカート送信信号を送信し、受信回路73から制御部71に状態情報が出力された際には、状態情報をアンテナ74を介して送信する。
【0069】
76は運行管理室としてのマスター室で、制御部77に、読み取り機70から送信された状態情報をアンテナ78を介して受信する受信機79と、表示部80とが接続されており、受信機79にて受信した状態情報が制御部77に出力されると共に、制御部77にて表示部80が制御される。
【0070】
次に、走行路50に埋設される走行標識としての非接触ICタグ51と遮蔽手段としての遮蔽板65とについて説明する。
【0071】
51はゴルフカート本体1へ制御情報を送信する非接触ICタグで、図3及び図9に示すように走行路50の誘導線49近傍に埋設されている。この非接触ICタグ51は、ゴルフカート本体1に埋設された非接触ICタグと同様に図4に示すように、記憶部53を有する制御部54に、受信回路55と送信回路56とが接続され、受信回路55と送信回路56にアンテナ57を接続した構成となっており、内蔵する電池52を電源として動作する。
【0072】
記憶部53には図8に示すような制御情報がコード化されて書き換え可能に記憶され、受信回路55はゴルフカート本体1からゴルフカート送信信号(図6)を受信し、制御部54へ出力する。
【0073】
制御部54は、記憶部53に記憶されたコード化した制御情報を図7に示す非接触ICタグ送信信号(ここでは、一例として走行速度3kmを指示する信号を示す)として送信回路56からアンテナ57を介して複数回(ここでは2回)送信する。
【0074】
この非接触ICタグ51は図9に示すように走行路50の各所に埋設されており、具体的には、以下に示すような制御情報が記憶されている。ここで、図中のTGはティーグランドで、Gはグリーンである。
【0075】
各ホールのティーグランドTG近傍に埋設された非接触ICタグ51bには、停止信号と速度指示信号(ここでは中速M)とからなる制御情報が記憶され、各ホールの中間位置に設けられた非接触ICタグ51cには、停止信号と速度指示信号(ここでは、平坦な直線区間が続くことからここでは高速Hが設定されている)とからなる制御情報が記憶されている。
【0076】
そして、グリーンG近傍に設けられた非接触ICタグ51dには、停止信号と速度指示信号(ここでは中速M)とからなる制御情報が記憶されている。
【0077】
また、見通しが良く長い直線が始まる箇所に埋設された非接触ICタグ51eには、高速Hの速度指示信号が制御情報として記憶される一方、急なカーブや急な下り坂の手前に設けられた非接触ICタグ51fには、低速Lの速度指示信号が制御情報として記憶されている。
【0078】
非接触ICタグ51gは通常の走行速度としての中速Hを指示する速度指示信号が制御情報として記憶されている。
【0079】
65は遮蔽手段としての鉄製の遮蔽板で、平板状に形成されて誘導線49と非接触ICタグ51との間に誘導線49に平行な状態で走行路50に埋設されており、誘導線49の電磁波が走行標識である非接触ICタグから送信される制御情報に影響を与えないようにしている。
【0080】
上記構成のゴルフカート本体1は、カートハウスに収納された位置にて、電源が投入されると、エンコーダ36からの出力に基づいてメインCPU14にて電源投入からの走行距離の算出が開始されると共に、走行が可能となる。この状態でスタートストップスイッチ43を押す等すると、自動走行が開始され、誘導線49からの電磁波を検知して誘導線49に沿って走行される。
【0081】
ゴルフカート本体1が走行路50の各所に埋設された非接触ICタグ51近傍に到達すると、ゴルフカート本体1の送信回路32cからのゴルフカート送信信号が非接触ICタグ51の受信回路55にて受信されるようになる。受信回路55にてゴルフカート送信信号を受信すると、非接触ICタグ51の制御部54は記憶部53に記憶された制御情報を図7に示すような非接触ICタグ送信信号として送信回路56からアンテナ57を介して送信する。この非接触ICタグ送信信号はゴルフカート本体1の受信回路32aにて受信され、この非接触ICタグ送信信号から制御情報が検知される。そして、この検知された制御情報に基づいて走行速度などが設定され、走行される。
【0082】
この走行中、メインCPU14では、残量センサ21からの出力基づいてバッテリ残量が常時検出されると共に、エンコーダ36からの出力に基づいて走行距離が検出される。そして、メインCPU14はバッテリ残量を表示部45に表示すると共に、バッテリ残量と走行距離とゴルフカート本体1の識別番号とを状態情報として常時非接触ICタグ情報処理CPU16に出力する。非接触ICタグ情報処理CPU16は、出力された状態情報を非接触ICタグ151の記憶部153に記憶する。
【0083】
そして、所定の走行を終えたゴルフカート本体1は、カートハウスに向けて走行される。カートハウスの近傍に達すると、カートハウスの手前に設置された読み取り機70からのゴルフカート送信信号(図6)と同様の送信信号が、ゴルフカート本体1の非接触ICタグ151の受信回路155にて受信されるようになり、記憶部153に記憶された状態情報が送信回路156から送信される。この際、バッテリ残量と走行距離は送信の直前のもの、即ち、最新のバッテリ残量及び走行距離が送信される。
【0084】
送信された状態情報は読み取り機70の受信回路73にて受信し、制御部71に出力する。そして、制御部71は受信した状態情報を送信回路72から送信する。
【0085】
送信回路72から送信された状態情報は、ゴルフカートの運営管理を行うマスター室76に設けた受信機79にて受信され、マスター室76の制御部77に出力される。この制御部77では、状態情報に基づいてバッテリ残量が所定の残量以下になっているかどうかを検知すると共に、総走行距離が算出されて保守点検を行う時期に達したかどうかを検知する。
【0086】
所定の残量以下の場合にはマスター室76に設けられた表示部77に識別番号と共に充電が必要であることを示す充電表示を行い、保守点検を行う時期に達している場合には、保守点検が必要であることを示す保守表示を行う。この表示部の表示をみて、マスター室76にいる人が充電や保守点検を判断することができる。
【0087】
保守点検が必要であることが表示された場合には、その識別番号のゴルフカートの保守点検が行われる。これにより、適切な時期に保守点検の必要なゴルフカートのみ保守点検を行うことができ、走行距離に基づいて効率良く保守点検を行うことができる。
【0088】
また、充電が必要であることが表示された場合には、充電器20にて満充電となるまでバッテリの充電が行われる。これにより、適切な時期に充電が行われ、バッテリ残量が少なくなって走行ができなくなるなどの異常が起きる可能性を低減できる。
【0089】
そして、充電が行われて満充電であることが残量センサ21からの出力によりメインCPU14で検出されると、充電が終了すると共に、充電が行われたことが非接触ICタグ情報処理CPU16に出力される。非接触ICタグ情報処理CPU16は充電が行われたことを示す充電情報が、非接触ICタグ151に記憶部153に前記バッテリ残量や走行距離や識別番号の情報と共に状態情報として書き込まれる。
【0090】
そして、上述の如くして、状態情報がマスター室76の受信機79で受信されると、制御部77にて状態情報としての充電情報から充電回数が検出される。そして、制御部77にて所定の充電回数を超えるたことを検知した場合には、バッテリ交換が必要であることを表示部80に表示し、バッテリの交換をマスター室76にいる人に促す。
【0091】
これにより、バッテリの使用限度に達したことを適切に知ることができ、バッテリの交換を適切な時期に行うことができる。
【0092】
上述の如く、非接触ICタグ151は、読み取り機70からのゴルフカート送信信号と同様の送信信号を受信した際にのみ、記憶部153に記憶した状態情報を送信するようにしたことで、常時状態情報をマスター室等に送信する必要がなく、電池152の消費電力を抑制することができ、電池152の長寿命化を図ることができる。
【0093】
また、非接触ICタグ151は制御部154を有することから、制御回路13が故障するなどして使えなくなった状態でも、状態情報を非接触ICタグ151から読み出すことができる。
【0094】
また、非接触ICタグ151を走行モータ17等を制御する制御回路13に接続したことで、制御回路13で検知された状態情報を非接触ICタグ151に容易に出力できる。
【0095】
また、非接触ICタグ151を、ゴルフカート本体1の制御回路13や走行モータ17等を駆動させるバッテリ18とは別の電源である電池152にて動作するようにしたことで、故障や残量不足等によりバッテリ18が使えない状態であっても非接触ICタグ151を動作させて状態情報を読み出すことができる。
【0096】
尚、上記実施の形態では、家電等のリサイクルのための識別番号等の情報を記憶する非接触ICタグ151を利用して、状態情報を記憶すると共に、この状態情報を外部に送信するようにしたが、これに限定されるものではなく、ゴルフカート本体1に設けられて状態情報を記憶すると共に、この状態情報を外部に送信可能なものであればよい。
【0097】
また、非接触ICタグ151は電池152を電源として状態情報を送信する等の動作を行うようにしたが、ゴルフカート送信信号を電力に変換し、変換した電力により状態情報を送信するようにしても良い。
【0098】
また、読み取り機70から送信される状態情報を受信する受信機79をマスター室76に設けたが、メンテナンス会社に設けても良い。
【0099】
この場合、保守点検を行う必要がある場合に、メンテナンス会社に連絡しなくても、メンテナンス会社で把握することができ、迅速に対応することができる。
【0100】
また、記憶部153に書き込まれる状態情報の例としてバッテリ残量と走行距離と充電回数の場合を示したが、これに限定されるものではなく、保守点検の基準となるたの情報であっても良い。
【0101】
また、総走行距離をゴルフカート本体1で算出するのではなく、マスター室76の制御部77で算出するようにし、各ゴルフカート本体1での制御を簡略化することが望ましいが、ゴルフカート本体1で算出するようにしても良い。
【0102】
また、走行標識として非接触ICタグ51を使用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、マグネット等を使用しても良い。
【0103】
また、バッテリ18を電源とした走行モータ17にて走行するゴルフカートを示したが、エンジンにて走行するゴルフカートでも良い。更に、誘導線や磁気テープ上を走行する搬送車に使用してもかまわない。
【0104】
【発明の効果】
本発明の請求項1によれば、ゴルフカートの状態情報を外部の読み取り機で受信することにより、ゴルフカートの状態を知ることができるので、保守点検を行う必要があるかどうかを知ることができ、適切な時期に効率良く保守点検を行うことができる。
【0105】
本発明の請求項2によれば、送信手段から常時常態情報を送信する必要がなく、消費電力を抑制することができる。
【0106】
本発明の請求項3によれば、走行距離を状態情報とすることで、ほぼ所定の走行距離毎に保守点検を行うことができ、バッテリ消費量を状態情報として送信することで、充電の必要があるかどうかを判断でき、バッテリ使用回数を状態情報として送信することで、バッテリを交換する必要があるかどうかを判断できる。
【0107】
本発明の請求項4によれば、ゴルフカート本体で総走行距離を積算する必要がなく、ゴルフカートでの制御を簡単にすることができる。
【0108】
本発明の請求項5によれば、送信する直前の残量を送信することで、最新の残量を送信できる。
【0109】
本発明の請求項6によれば、バッテリーの充電の有無を検知することで、使用回数を知ることができ、交換時期を知ることができる。
【0110】
本発明の請求項7によれば、制御手段からゴルフカートの状態情報を容易に記憶手段へ書き込むことができる。
【0111】
本発明の請求項8によれば、別電源で記憶手段と送信手段に電力を供給するようにしたことで、制御手段側の電源を切った状態や制御手段が使用できない状態でも、記憶手段に記憶した制御情報を取り出すことができる。
【0112】
本発明の請求項9によれば、家電等のリサイクルに使用される非接触ICタグを利用して状態情報の記憶を行うことができると共に、記憶した状態情報を外部に送信することができる。
【0113】
本発明の請求項10によれば、ゴルフカートまで行かなくても受信機を設けた箇所でゴルフカートの状態情報を知ることができ、保守点検を行う必要があるかどうかを判断することができるので、効率良く保守点検を行うことができる。
【0114】
本発明の請求項11によれば、運行管理室にいる人や、メンテナンス会社の人に、ゴルフカートの状態情報を知らせることができるので、保守点検が必要な時期にメンテナンス会社の人にて保守点検を行ってもらうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す制御ブロック図である。
【図2】同ゴルフカート本体の全体斜視図である。
【図3】同ゴルフカート本体の要部概略図である。
【図4】同ゴルフカートの走行標識としての非接触ICタグのブロック回路図である。
【図5】同4の非接触ICタグに記憶された状態情報を読み出す読み取り機のブロック回路図である。
【図6】同ゴルフカートから送信されるゴルフカート送信信号を示す図である。
【図7】同ゴルフカートの走行標識としての非接触ICタグから送信される非接触ICタグ送信信号の一例を示す図である。
【図8】同ゴルフカートのコード化された制御情報を示す図である。
【図9】同ゴルフカートが走行される走行路を示す図である。
【図10】同ゴルフカートを管理するマスター室における管理装置のブロック制御図である。
【符号の説明】
1 ゴルフカート本体(誘導車両)
13 制御回路(制御手段)
18 バッテリ
70 読み取り機
76 マスター室(運行管理室)
79 受信機
151 非接触ICタグ
152 電池(電源)
153 記憶部(記憶手段)
156 送信回路(送信手段)
Claims (11)
- ゴルフ場を走行可能なゴルフカートにおいて、ゴルフカートの状態情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶した状態情報を所定の位置で外部に送信する送信手段を設けたことを特徴とするゴルフカート。
- 前記送信手段は、外部の読み取り機からの送信信号に基づいて前記状態情報を送信することを特徴とする請求項1に記載のゴルフカート。
- 前記状態情報は、走行距離、バッテリの消費量、バッテリ使用状況等のうちの少なくとも一つで構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゴルフカート。
- 前記走行距離は、電源投入後に前記ゴルフカートが走行した距離であることを特徴とする請求項3に記載のゴルフカート。
- 前記バッテリ消費量は、送信する直前の残量であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のゴルフカート。
- 前記バッテリ使用状況は、充電の有無情報であることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のゴルフカート。
- 前記ゴルフカートの走行制御を行う制御手段と前記記憶手段とを電気的に接続したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のゴルフカート。
- 前記制御手段に電力を供給する電源とは別に、前記記憶手段と送信手段に電力を供給する電源を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のゴルフカート。
- 前記記憶手段と送信手段とを有する非接触ICタグを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のゴルフカート。
- 所定の位置に設けられてゴルフカートから送信される状態情報を読み取る読み取り機と、該読み取り機にて読み取った情報が送信される受信機とを有することを特徴とするゴルフカートの管理装置。
- 前記受信機は前記ゴルフカートの運行管理を行う運行管理室やメンテナンス会社等に設けられることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載のゴルフカートの管理装置。
Priority Applications (1)
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Cited By (1)
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KR101425450B1 (ko) * | 2007-01-10 | 2014-07-31 | 야마하하쓰도키 가부시키가이샤 | 전동 골프 카트 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002286535A patent/JP2004121330A/ja active Pending
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