JP2004117632A - プレイリスト生成装置、音楽再生装置、音楽配信システム及びその方法、プログラム、記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】楽曲に関する事前の知識を必要とせずに、利用者のイメージに応じて連続的に最適な楽曲を再生できるようにする。
【解決手段】所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力部と、複数の曲が格納された音楽ソース格納部と、曲の音楽的な特徴量を抽出し、印象値を計算する印象値算出部と、特徴量と印象値が格納された音楽データ格納部と、印象値の分布を示す遷移範囲を分析する分布分析部と、遷移範囲に従って遷移情報を修正するイメージ遷移修正部と、曲が音楽か音声かを判断する音楽・音声判定部と、曲リストを生成するプレイリスト生成部と、曲リストを構成する曲の印象値リストを遷移情報の印象値リストに近似するように、曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換部とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力部と、複数の曲が格納された音楽ソース格納部と、曲の音楽的な特徴量を抽出し、印象値を計算する印象値算出部と、特徴量と印象値が格納された音楽データ格納部と、印象値の分布を示す遷移範囲を分析する分布分析部と、遷移範囲に従って遷移情報を修正するイメージ遷移修正部と、曲が音楽か音声かを判断する音楽・音声判定部と、曲リストを生成するプレイリスト生成部と、曲リストを構成する曲の印象値リストを遷移情報の印象値リストに近似するように、曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換部とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、利用者のイメージに応じて連続的に最適な楽曲を提供するプレイリスト生成装置、音楽再生装置及び音楽配信システムおよびその方法、プログラム、記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、連続した楽曲を提供するサービスとして、プレイリスト作成サービスやバックグラウンドミュージック提供サービスがある。これらのサービスは、プレイリスト利用者に個別に要件を聞き、専門家が音楽的知見に基づいて楽曲データベースからその要件に合った楽曲を選曲し、再生する順番を考えてリストにしたものを利用者に提供する、という形で実現されている。
【0003】
それに対して本出願人は、ある曲を聴いたときのイメージを印象値として数値化し、ユーザが入力した要件に従った印象値の遷移に合うように曲を選択することでプレイリストを生成するプレイリスト生成装置を開示した(特許文献1参照。)。この方法を取ることで、ユーザは専門的な知識を必要とせずに、自分の所望とするイメージに合ったプレイリストを入手することができる。
【0004】
【特許文献1】
特願2002−071094号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以下のような場合にユーザが所望とするプレイリストが生成されない可能性があった。
【0006】
まず、ユーザはあらゆるイメージの音楽をある程度豊富に所有していることを前提としてプレイリストを生成していた。つまり、要件に従った印象値の遷移の近隣に曲がある程度存在している場合は問題が無いが、所有する音楽に偏りがあるユーザの場合には、印象値の遷移を実現する曲が存在しないために十分な満足度が得られない可能性があった。
【0007】
次に、音楽のデータベースに英会話や朗読等の音声信号を登録された場合、これらの音声信号もプレイリストに含める構成となっていた。通常プレイリストは音楽のリストであるので、音声信号はプレイリストを構成する1音楽としては適当ではないと思われる。
【0008】
また、印象値の遷移から実際にプレイリストに含める曲を選択する場合、検索の中心となる印象値(すなわち、検索中心座標値)を決定し、その値の近隣の曲を選択することになるが、印象値の分布によってはプレイリストの途中で曲の印象値が指定する遷移通りにならずに、途中で順番が入れ替わることがあった。図2は、曲のイメージの順番が入れ替わる場合を示した図である。図2では検索中心印象値から最近傍の曲を選択している。このとき曲の分布に偏りがあるため2曲目と3曲目を選択するところで、ユーザが指定した遷移と曲の印象値の順番が逆転している。このように最近傍の曲を選択した場合でも曲のイメージの順番が途中で入れ替わる可能性があり、さらにユーザが曲を選択するときのルールや履歴情報を利用する場合には、より一層順番が入れ替わる可能性が高くなる。このような現象が起きると、ユーザは自分が指定した遷移通りに曲が選択されていないように見えてしまう。
【0009】
本発明は、上記問題を解決し、利用者が楽曲に関する事前の知識を必要とすることなく、利用者のイメージに応じて連続的に最適な楽曲を提供するプレイリスト生成装置、音楽再生装置及び音楽配信システムおよびその方法、プログラム、記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願発明のプレイリスト生成装置は、再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するプレイリスト生成装置であって、所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力部と、所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力部と、複数の曲が格納された音楽ソース格納部と、曲の音楽的な特徴量を抽出し、特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出部と、特徴量と印象値が格納された音楽データ格納部と、音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成部と、曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、遷移情報の印象値の遷移を示す第1の印象値リストに近似するように、曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本願発明のプレイリスト生成装置は、プレイリスト生成部が、再生条件と遷移情報を用いて印象値の遷移を示す第3の印象値リストを生成し、第3の印象値リストに近似する印象値の遷移を与える複数の曲を、音楽データ格納部から選択する印象値検索部を備えることを特徴とする。
【0012】
本願発明のプレイリスト作成装置は、印象値を用いて曲が音楽か音声かを判断する音楽・音声判定部を備えることを特徴とする。
【0013】
本願発明のプレイリスト生成装置は、音楽データ格納部に登録されている曲の印象値の分布を示す遷移範囲を計算する分布分析部と、遷移範囲に従って遷移情報を修正するイメージ遷移修正部とを備えることを特徴とする。
【0014】
本願発明の音楽再生装置はさらに、曲リスト記載の複数の曲の音楽ソースを音楽ソース格納部から獲得する音楽ソース獲得部と、音楽ソースを再生する再生装置とを備えることを特徴とする。
【0015】
本願発明のプレイリスト生成方法は、再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するプレイリスト生成方法において、所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力ステップと、所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力ステップと、曲の音楽的な特徴量を抽出し、特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出ステップと、特徴量と印象値が格納された音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成ステップと、曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、遷移情報の印象値の遷移を示す第1の印象値リストに近似するように、曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換ステップとを備えることを特徴する。
【0016】
本願発明のプレイリスト生成方法は、プレイリスト生成ステップが、再生条件と遷移情報を用いて印象値の遷移を示す第3の印象値リストを生成し、第3の印象値リストに近似する印象値の遷移を与える複数の曲を、印象値が格納された音楽データ格納部から選択する印象値検索ステップを備えることを特徴とする。
【0017】
本願発明のプレイリスト生成方法は、印象値を用いて曲が音楽か音声かを判断する音楽・音声判定ステップを備えることを特徴とする。
【0018】
本願発明のプレイリスト生成方法は、印象値が格納された音楽データ格納部に登録されている曲の印象値の分布を示す遷移範囲を計算する分布分析ステップと、遷移範囲に従って遷移情報を修正するイメージ遷移修正ステップとを備えることを特徴とする。
【0019】
本願発明のプレイリスト生成方法は、リスト記載の複数の曲の音楽ソースを音楽ソース格納部から獲得する音楽ソース獲得ステップと、音楽ソースを再生する再生ステップとをさらに包含することを特徴とする。
【0020】
本願発明のプログラムは、再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するプレイリスト生成処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、生成処理は、所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力ステップと、所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力ステップと、曲の音楽的な特徴量を抽出し、特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出ステップと、特徴量と印象値が格納された音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成ステップと、曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、遷移情報の印象値の遷移を示す第1の印象値リストに近似するように、曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換ステップとを包含することを特徴とする。
【0021】
本願発明の記録媒体は、再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するプレイリスト生成処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、生成処理は、所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力ステップと、所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力ステップと、曲の音楽的な特徴量を抽出し、特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出ステップと、特徴量と印象値が格納された音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成ステップと、曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、遷移情報の印象値の遷移を示す第1の印象値リストに近似するように、曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換ステップとを包含することを特徴とする。
【0022】
本願発明の音楽配信システムは、再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するサーバと、サーバとネットワークを介して接続された端末と、を備えた音楽配信システムであって、端末は、所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力部と、所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力部とを備え、サーバは、複数の曲が格納された音楽ソース格納部と、曲の音楽的な特徴量を抽出し、特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出部と特徴量と印象値が格納された音楽データ格納部と、音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成部と、曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、遷移情報の印象値の遷移を示す第1の印象値リストに近似するように、曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換部と曲リスト記載の複数の曲の音楽ソースを音楽ソース格納部から獲得し、端末に出力する音楽ソース獲得部とを備え、端末は、サーバから受けとった複数の音楽ソースを格納する格納部と、音楽ソースを再生する再生装置とを備えることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における音楽再生装置100を示すブロック図である。
【0024】
音楽ソース格納部11は、HDDなどの記憶装置であって、複数の音楽信号が格納されている。曲名や曲番号などの曲IDにより、所望の音楽信号のデータを呼び出すことができる。音楽信号は、リニアPCMによる波形データやAACなどの圧縮されたデータとして格納されている。これらの音楽ソースは適宜追加、削除が可能であり、後述する音楽データ格納部31と連携している。
【0025】
印象値算出部21は、入力される音楽信号の物理的な特徴量を分析し、特徴量を重み付け加算した印象値を算出する。物理的な特徴量としては、スペクトル変化度(所定の時間長のフレーム間でのスペクトル変化の度合い)、平均発音数(楽曲中で発音される音の発音頻度)、発音非周期性(楽曲中で発音される音の非周期性の度合い)、拍周期(楽曲の4分音符に相当する時間長)、拍周期比率(楽曲の4分音符に相当する音と、優勢に発音されている音との周期比率)、拍強度1(拍周期の概ね半分に相当する周期で発音されている音の強度)、拍強度2(拍周期の概ね1/4に相当する周期で発音されている音の強度)、拍強度比(拍強度1と拍強度2の比率)などが解析される。解析によって得られたこれらの特徴量に対して所定の重み付け加算を行い、印象値を算出する。印象値は、1つ以上、一般的には、2つ、ないし5つとする。2つの場合は、2つの印象値の値の組み合わせによって、多数の曲を区別、判別できる2次元の空間となる。5つの場合は5次元空間となる。複数の楽曲は、この空間にそれぞれの印象値の座標値を保有することになる。
【0026】
印象値とは、激しさ、躍動感、爽快感、素朴さ、ソフトさ、などのように、人が音楽を聞いたときに感じる感覚や情緒を表す指標である。これらの指標値は、それぞれ、上記複数種の物理的な特徴量の線形あるいは非線形の関数として表すことができる。激しさ、躍動感、爽快感、素朴さ、ソフトさの5種類の印象値を用いれば、5次元空間になる。激しさ、躍動感の2つを統合して能動因子とし、爽快感、素朴さ、ソフトさの3つを統合したものを情動因子として、能動因子と情動因子の2つの印象値にまとめると、2次元空間になる。このように、楽曲の印象値を表した空間座標系を以後印象空間と呼ぶ。印象値は楽曲を聴いた印象を表す数量であるため、印象空間上に複数の楽曲の印象値を布置すると、その印象の類似性に応じて布置されることになる。すなわち印象の類似する楽曲は印象空間上においても近接した位置に布置される。図3に、印象空間の例を示す。
【0027】
このような特徴量と印象値を使った楽曲の検索用のデータ登録、楽曲の検索の装置や方法は、特願2001−082150に記載されている。本発明においては、このような特徴量や印象値のデータ登録や楽曲検索、略称して、印象検索法を適用することができる。
【0028】
音楽データ格納部31は、印象値算出部21により算出された特徴量および印象値を、音楽ソース格納部11内の楽曲の楽曲IDに対応して、格納している。
【0029】
再生条件入力部41は、ユーザが所望とするプレイリストを構成するの曲数、時間または総記憶容量が入力される。総記憶容量とは、プレイリストを構成する音楽ソースのデータ量の合計を意味しており、曲の演奏時間や圧縮オーディオの場合にはそのフォーマットなどによって変化するものである。
【0030】
イメージ遷移入力部42は、ユーザが所望とするプレイリストのイメージの遷移を、印象空間を用いて選曲するときの検索中心座標値の軌跡として指定する。
【0031】
指定する方法として、ユーザが直接指定する方法と予め設定されてあるテンプレートを選択する方法がある。また指定する次元数は、印象空間の全ての次元に対して独立に設定することもでき(ケース1)、また任意の次元数をより少ない次元数に集約させることによって、より簡単に設定することもできる(ケース2)。
【0032】
ここでは、能動因子と情動因子の2次元の場合について説明する。このとき、印象空間においてイメージの遷移を指定する範囲(以後、遷移範囲と呼ぶ)は中心(0,0)、半径2の円内とする。ここで、2次元の能動因子と情動因子を集約した新たな指標として「高揚度」を定義する。図4は、印象空間と高揚度の対応関係を示す図である。各曲の高揚度は(e)、印象値(x,y)として、
e=(−x+y)/√2 ・・・・(1)
と計算され、−2=<e=<2となる。
【0033】
[ケース1]イメージの遷移を2次元の印象区間で指定する場合
図5は、印象空間にイメージの遷移を入力する様子を示した図である。このように、直線または曲線によって所望とするイメージの遷移を指定することができる。このとき全てを線で書くだけでなく、中継点を幾つか指定してその中継点間を直線で補間することで、遷移を指定することもできる。
【0034】
図6は、各因子の遷移のテンプレートを示した図である。イメージの遷移を横軸に時間、縦軸に各次元の値をグラフ化したものをテンプレートとして用意し、次元毎にテンプレートを選択することで所望とするイメージの遷移を決定する。
【0035】
[ケース2]イメージの遷移を高揚度で指定する場合
図7は、高揚度のグラフにイメージの遷移を入力する様子を示した図である。横軸に時間、縦軸に高揚度をグラフ化したものを利用して、時間の経過とともに高揚度の変化を直線または曲線で入力する。このとき全てを線で書くだけでなく、中継点を幾つか指定してその中継点間を直線で補間することで、遷移を指定することもできる。
【0036】
図8は、高揚度の遷移のテンプレートを示した図である。横軸に時間、縦軸に高揚度をグラフ化したものをテンプレートとして用意し、テンプレートを選択することで所望とするイメージの遷移を決定する。
【0037】
以下、[ケース1]の場合と[ケース2]の場合で処理が異なるが、このようにユーザに指定されたイメージの遷移をまとめて、遷移情報と呼ぶ。
【0038】
イメージ遷移調整部50は、分布分析部51とイメージ遷移修正部52から構成される。
【0039】
分布分析部51は、ユーザの所有する曲の印象値の分布を分析する。印象空間は、ある程度多くの種類の曲を登録すれば、能動因子と情動因子それぞれの最大値、最小値の絶対値が2以上になる。しかしながら、ユーザの登録する曲には偏りが出る可能性がある。そこで、印象空間の分布を解析し、そのユーザ個人の分布に合ったプレイリストの生成を行うことにする。
【0040】
ある程度豊富に曲が登録されている状態では、遷移範囲が中心座標(0,0)、半径2と定義しているのに対して、ここではユーザ個人の遷移範囲の中心座標(dx,dy)、半径drを求める。また、このとき高揚度のとる範囲(demin〜demax)も自動的に決定される。以下にその方法を説明する。
【0041】
図9は、ユーザ個人の遷移範囲を決定する方法を示した図である。全ての曲の印象値(x、y)について、X座標の最大値と最小値、Y座標の最大値と最小値を探す。それぞれ、Xmax、Xmin、Ymax、Yminとする。各々を絶対値が2以内になる、つまり初期設定の遷移範囲の中に含まれるように修正する。このとき、ユーザ個人の遷移範囲の中心座標(dx,dy)を、
(dx,dy)=((Xmax+Xmin)/2,(Ymax+Ymin)/2)) ・・・・(2)
とする。またこのときの半径drを、
dr=min((Xmax−Xmin)/2,(Ymax−Ymin)/2)) ・・・・(3)
とする。次に、ユーザ個人の遷移範囲の中心を通り、y=−xと平行な線を引き、分布範囲との交点からy=−xへ法線を引くことで、ユーザ個人の高揚度のとる範囲を決定する(demin〜demax)。計算された遷移範囲のデータをイメージ遷移修正部52に送る。
【0042】
イメージ遷移修正部52は、イメージ遷移入力部42の遷移情報を分布分析部51の遷移範囲に従って修正する。イメージ遷移入力部42の遷移情報は、中心(0,0)、半径2になっているが、これを分布分析部51の結果を用いて以下のように修正する。
【0043】
[ケース1]
図10は、印象空間の遷移情報を修正する方法を示した図である。遷移情報内の各座標(x,y)を
nx=dr/2×x+dx ・・・・(4)
ny=dr/2×y+dy ・・・・(5)
となる(nx,xy)に変換する。
【0044】
[ケース2]
図11は、高揚度の遷移情報を修正する方法を示した図である。遷移情報内の高揚度(e)をユーザの入力(emin〜emax)に対して、ユーザ個人の遷移範囲に対する高揚度の範囲(demin〜demax)となるように、
ne=(demax−demin)/4×(e−emin)+demin ・・・・(6)
に変更する。
【0045】
音楽・音声判定部55は、音楽ソース格納部11に登録されている音楽ソースについて、音楽か音声かを判定する。判定する方法としては、印象値算出部21で抽出された印象値を利用する。
【0046】
音声は特に第3、4象限で原点から離れたところに多く見られる。よって、各曲の印象値(x,y)について、
<条件6> x^2+y^2 > (Th6)^2 ・・・・(7)
<条件7> y < Th7 ・・・・・・・・・・・(8)
の両方を満たすものを音声と判定する。このようにして、音声と判定された音楽ソースの曲IDを、印象値選択部61に出力し、該当する曲はプレイリストに含まないようにする。
【0047】
印象値検索部61は、イメージ遷移修正部52から受けた遷移情報と遷移範囲と、再生条件入力部41から受けたユーザ指定の再生条件により、曲リストを生成する。図12は、曲リスト示した図である。曲リストには再生する曲の順番を表すリスト番号と、そのときに再生される曲の曲IDが記載されている。
【0048】
まず、ユーザ指定の再生条件を以下のように数値化してCとする。
【0049】
<曲数の場合> C=(指定された曲数) ・・・・(9)
<時間の場合> C=(指定された時間) ・・・・(10)
<総記憶容量の場合> C=(指定された総記憶容量) ・・・・(11)
そして、遷移情報に従って曲を選択して曲リストに追加していき、ある時点でのプレイリストの完成度(V)がCに達したとき、もしくはこれ以上選択できる曲がなくなった場合に終了する。このとき、各曲(Si)を選択したときのプレイリストの完成度に加算されるポイントViを以下のように決定する。
【0050】
<曲数の場合> Vi=1 ・・・・・・・・・・・・(12)
<時間の場合> Vi=各曲の再生時間 ・・・・・・(13)
<総記憶容量の場合> Vi=各曲の記憶容量 ・・・・(14)
図13は、曲リストの生成方法を示したフローチャートである。まず、[ケース1]の場合は印象空間の遷移から、[ケース2]の場合は高揚度のグラフから、イメージの遷移の全軌道長Lを計算する。また、プレイリスト生成の完成度を表す指標V=0に初期化する(S102)。次に音楽データ格納部31にC<=V+Viとなる曲、つまりプレイリストに追加可能な曲があるかどうかを調べる(S103)。存在した場合、遷移情報の軌道長V/C*Lとなる位置から検索中心座標値を決定する。図14は、印象空間から検索中心座標値を決定する方法を示した図である。[ケース1]の場合は、全軌道長Lからこれまでの軌道長V/C*Lとなる位置の座標値を抽出して、その座標をそのまま検索中心座標値とする。[ケース2]の場合は、まず検索中心座標値を決定するための高揚度を決定し、その高揚度を印象値に変換することで検索中心座標値を決定する。図15は、高揚度のグラフから検索中心座標値の高揚度を決定する方法を示した図である。全軌道長Lからこれまでの軌道長V/C*Lとなる位置の高揚度を抽出して、その値を検索中心座標値の高揚度とする。図16は、高揚度を印象値に変換する方法を示した図である。高揚度eからy=−xに下ろした交点からy=−xとの垂線を引き、ユーザ個人の遷移範囲との交線を求める。この交線上の1点を任意に選択して、この点の座標値を検索中心座標値とする(S104)。次にS103で検索中心座標値から最も印象値の距離の近い曲を選択して、その曲IDを曲リストに追加する。ただし、音楽・音声判定部55により音声と判定された曲はその選択対象としない(S105)。V=V+Viとしてプレイリスト生成の完成度を更新する(S106)。また、S103で条件を満たす曲が存在しない場合は、プレイリストの生成を終了する(S107)。このときプレイリストを構成する曲数がNになったとする。
【0051】
S105では、最も距離の近い曲としたが、ある程度距離の近い曲の中から任意選択することによって、毎回違った曲によって構成されるプレイリストを生成することが可能である。
【0052】
プレイリスト置換部71は、曲リストの曲をユーザの指定した遷移情報に合うように並べ替える。曲リストは、曲を選択するときに検索中心座標値の近隣の曲を選択するので、場合によっては「情動因子が徐々に大きくなる」と設定しても、途中で順番が入れ替わる可能性がある。このことにより、一見プレイリストが正しく生成されていないように見える。そこで、以下のように遷移情報のイメージの遷移と同じ順番になるように並び替える。
【0053】
[ケース1]
各曲について遷移の軌跡の最短距離となる点(最短距離となる点が複数あるときは、その内の任意の1点)を取り、軌道上の順番通りに曲リストを並び替える。このとき、印象空間での遷移の軌跡が2重あるいはそれ以上に重なる場合があるが、この場合は重なっている各軌跡について、順番に曲を振り分ける。
【0054】
[ケース2]
まず遷移情報に従って、再生曲数分を等間隔に区切った点の高揚度を求める。p曲目の高揚度が何番目に大きくなっているのかを調べ、結果を配列oeに入れる。例えば、再生曲数N=4とした場合は、
oe[1]=2,oe[2]=4,oe[3]=1,oe[4]=3 ・・・・(15)
などとなる。この場合、「1曲目は2番目に高揚度が大きい曲」、「2曲目は4番目に高揚度が大きい曲」、「3曲目は最も高揚度が大きい曲」、「4曲目は3番目に高揚度が大きい曲」をユーザが所望していることになる。仮に高揚度が同じとなるoe[x]が複数存在した場合、いずれかを優先させて、同じ順位にならないようにする。次に印象値検索部61で生成された曲リストの各曲について高揚度を計算して、リスト番号qの曲が何番目に大きくなっているかを調べ、配列leに入れる。仮に曲リストに高揚度が同じ曲が複数存在した場合、いずれかを優先させて同じ順位にならないようにする。例えば、
le[1]=4,le[2]=3,le[3]=2,le[4]=1 ・・・・(16)
などとなる。この場合、「リスト番号1の曲が4番目に高揚度が大きい」、「リスト番号2の曲が3番目に高揚度が大きい」、「リスト番号3の曲が2番目に高揚度が大きい」、「リスト番号4の曲が最も高揚度が大きい」ことになる。そして、曲リストで高揚度がr番目に大きい曲を、配列oeの高揚度の順番に合うように順番を入れ替える。この場合は、曲リストのリスト番号「3→1→4→2」の順番になるように入れ替える。
【0055】
このように順番を入れ替えるということしなくとも、印象値検索部61で予め遷移情報に合うように、例えば「情動因子が徐々に大きくなる」ように曲を選択することも可能である。しかしこの場合、アルゴリズムが複雑になり、場合によってはリストの最後に選択する曲が無くなってしまう可能性もある。一方で、一旦できた曲リストをプレイリスト置換部71で順番を入れ替えることで、簡単なアルゴリズムにより確実にユーザの指定した遷移情報に合うプレイリストを生成することが可能となる。
【0056】
音楽ソース獲得部81は、曲リストの各リスト番号についてプレイリストに載せる曲を、曲IDを元に音楽ソース格納部11より音楽信号を獲得する。獲得された音楽信号は再生装置91に渡される。
【0057】
再生装置91は増幅器とスピーカを有しており、音楽信号を再生する。
【0058】
(実施の形態2)
図17は、本発明の実施の形態2における音楽再生装置200を示すブロック図である。音楽再生装置200は、図1に示す音楽再生装置100から、イメージ遷移調整部50が無いところと、プレイリスト生成部60の中身が印象値選択部62になっているところが異なる。それ以外の構成は音楽再生装置100と同様であるので、説明を省略する。
【0059】
印象値選択部62は、音楽データ格納部31に登録されている曲の中から、再生曲数分ランダムに選択して、曲リストを生成する。そして、曲リストをプレイリスト置換部71に渡す。
【0060】
プレイリスト置換部71では、音楽再生装置100の場合と同様に、遷移情報に従って曲を並べ替える。これにより、印象値選択部62でランダムに選ばれた曲をイメージ遷移入力部42の入力通りに並び替えるだけで、ユーザの所望とするプレイリストを生成することができる。
【0061】
音楽再生装置200は、音楽再生装置100と比較して構成が小さいため、少ない演算量で処理することができる。低速な処理能力しかもたない機器などにおいてプレイリストを生成する場合に有効である。
【0062】
上述した本発明の実施の形態1および2におけるプレイリスト生成処理は、プログラムの形式で記録媒体に記録され得る。記録媒体としては、フレキシブルディスクや光ディスク等のコンピュータによって読み取り可能な任意のタイプの記録媒体を使用することができる。任意のコンピュータに記録媒体から読み出されたプレイリスト生成処理プログラムをインストールすることにより、そのコンピュータを音楽再生装置として機能させることができる。プレイリスト生成処理は、コンピュータに内蔵または接続されるプレイリスト生成処理デバイスにより実行されてもよいし、プレイリスト生成処理の少なくとも一部をコンピュータがソフトウェア上で実行してもよい。
【0063】
図18に、プレイリスト生成処理を実行するコンピュータの1つの実施形態を示す。コンピュータ300は、コンピュータ300にプレイリスト生成処理を実行させるためのプログラムを格納するため記録媒体310からそのプログラムを読み出すディスクドライブ装置301と、プレイリスト生成処理を実行する演算部302と、音楽ソース格納部11と音楽データ格納部31として機能する記憶部303と、再生条件入力部41と、イメージ遷移入力部42と、再生装置91と、バス304とを備える。演算部302はCPUおよびメモリ等(図示せず)を備え、図1および図17に示す印象値算出部21、イメージ遷移調整部50、音楽・音声判定部55、プレイリスト生成部60およびプレイリスト置換部71と同様の処理をする。
【0064】
プログラムは記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等によるデータ配信によって提供されてもよい。
【0065】
(実施の形態3)
図19は、本発明の実施の形態3における音楽配信システム400を示す図である。
【0066】
音楽配信システム400は、ネットワーク410と、サーバ420と、パソコンやミュージックサーバ等の端末430とを備える。音楽配信システム400では、端末430に所望とするプレイリストの内容を再生条件入力部41とイメージ遷移入力部42に入力すると、入力の条件に適したプレイリストをサーバ420側で自動的に生成して端末430に配信する。
【0067】
ネットワーク410には、音楽を配信するサーバ420と、配信された音楽を受信する端末430が接続されている。また、ネットワーク410には、端末430と同様の機能を有する複数の端末430−1〜430−n(nは自然数)が接続されている。
【0068】
音楽配信システム400は、実施の形態1および2の音楽再生装置100および音楽再生装置200の構成要素を分割してネットワーク上に配置している。これにより、利用者が手元に音楽ソース格納部11を保有しないような場合でも、ネットワーク410を介して自分が所望とするイメージに適したプレイリストをサーバ420からダウンロードすることが可能となる。
【0069】
サーバ420は、音楽ソース格納部11と、印象値算出部21、音楽データ格納部31と、音楽・音声判定部55、プレイリスト生成部60と、プレイリスト置換部71および音楽ソース獲得部81とを備える。サーバ420は音楽再生装置100のイメージ遷移調整部50を備えてもよいが、通常大規模な音楽データベースには十分に豊富な種類の音楽ソースが格納されているので、イメージ遷移調整部50は省略されてもよい。端末430は、再生条件入力部41と、イメージ遷移入力部42と、サーバ420から配信されたプレイリストを記憶する記録媒体431および再生装置91を備える。記録媒体431はパソコンやミュージックサーバのハードディスク等であり、サーバから配信されたプレイリストを格納する。プレイリストに含まれる音楽は再生装置91に入力され、再生される。
【0070】
本実施の形態の音楽配信システム400により、ネットワーク410に接続された端末430に利用者が条件を入力することで、サーバ420がその条件に適したプレイリストを生成して端末430に配信するサービスを実現することが可能になる。
【0071】
【発明の効果】
楽曲のイメージを印象値の遷移で表現することにより、新しい楽曲を登録する場合にも事前の知識を必要とせず、この楽曲を含む再生曲リストを生成することができる。また、印象値リストから再生曲リストを生成する過程において利用者の嗜好を反映させることができるので、利用者の満足度をより向上させることができる。
【0072】
本発明では、ユーザの所有する曲の印象値の分布に従ってユーザの所望とするプレイリストの遷移を修正する。これにより、ユーザ個人が所有する曲にマッチしたプレイリストを生成することができる。
【0073】
また、本発明では、登録されている曲の印象値を用いて音楽か音声かを判定し、音声信号をプレイリストに含めないようにすることで、音楽のみで構成される満足度の高いプレイリストが生成することができる。
【0074】
また、本発明では、プレイリストを形成するの曲の印象値の遷移を、ユーザに指定された遷移情報の印象値の遷移に近似するように並び替えることにより、ユーザの希望に則した満足度の高いプレイリストを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の音楽再生装置を示すブロック図
【図2】従来の、曲のイメージの順番が入れ替わる場合を示す図
【図3】本発明の実施の形態の印象空間を示す図
【図4】本発明の実施の形態の印象空間と高揚度の対応関係を示す図
【図5】本発明の実施の形態の印象空間にイメージの遷移を入力する様子を示す図
【図6】本発明の実施の形態の各因子の遷移のテンプレートを示す図
【図7】本発明の実施の形態の高揚度のグラフにイメージの遷移を入力する様子を示す図
【図8】本発明の実施の形態の高揚度の遷移のテンプレートを示す図
【図9】本発明の実施の形態のユーザ個人の遷移範囲を決定する方法を示す図
【図10】本発明の実施の形態の印象空間の遷移情報を修正する方法を示す図
【図11】本発明の実施の形態の高揚度の遷移情報を修正する方法を示す図
【図12】本発明の実施の形態の曲リストを示す図
【図13】本発明の実施の形態の曲リストの生成方法を示したフローチャート
【図14】本発明の実施の形態の印象空間から検索中心座標値を決定する方法を示す図
【図15】本発明の実施の形態の高揚度のグラフから検索中心座標値の高揚度を決定する方法を示す図
【図16】本発明の実施の形態の高揚度を印象値に変換する方法を示す図
【図17】本発明の実施の形態の音楽再生装置を示す図
【図18】本発明の実施の形態のプレイリスト生成処理を実行するコンピュータを示す図
【図19】本発明の実施の形態の音楽配信システムを示す図
【符号の説明】
11 音楽ソース格納部
21 印象値算出部
31 音楽データ格納部
41 再生条件入力部
42 イメージ遷移入力部
50 イメージ遷移調整部
51 分布分析部
52 イメージ遷移修正部
55 音楽・音声判定部
60 プレイリスト生成部
61 印象値検索部
62 印象値選択部
71 プレイリスト置換部
81 音楽ソース獲得部
91 再生装置
100 音楽再生装置
200 音楽再生装置
300 コンピュータ
301 ディスクドライブ装置
302 演算部
303 記憶部
304 バス
310 記録媒体
400 音楽配信システム
410 ネットワーク
420 サーバ
430,430−1〜420−n 端末
431 記録媒体
【発明の属する技術分野】
本発明は、利用者のイメージに応じて連続的に最適な楽曲を提供するプレイリスト生成装置、音楽再生装置及び音楽配信システムおよびその方法、プログラム、記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、連続した楽曲を提供するサービスとして、プレイリスト作成サービスやバックグラウンドミュージック提供サービスがある。これらのサービスは、プレイリスト利用者に個別に要件を聞き、専門家が音楽的知見に基づいて楽曲データベースからその要件に合った楽曲を選曲し、再生する順番を考えてリストにしたものを利用者に提供する、という形で実現されている。
【0003】
それに対して本出願人は、ある曲を聴いたときのイメージを印象値として数値化し、ユーザが入力した要件に従った印象値の遷移に合うように曲を選択することでプレイリストを生成するプレイリスト生成装置を開示した(特許文献1参照。)。この方法を取ることで、ユーザは専門的な知識を必要とせずに、自分の所望とするイメージに合ったプレイリストを入手することができる。
【0004】
【特許文献1】
特願2002−071094号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以下のような場合にユーザが所望とするプレイリストが生成されない可能性があった。
【0006】
まず、ユーザはあらゆるイメージの音楽をある程度豊富に所有していることを前提としてプレイリストを生成していた。つまり、要件に従った印象値の遷移の近隣に曲がある程度存在している場合は問題が無いが、所有する音楽に偏りがあるユーザの場合には、印象値の遷移を実現する曲が存在しないために十分な満足度が得られない可能性があった。
【0007】
次に、音楽のデータベースに英会話や朗読等の音声信号を登録された場合、これらの音声信号もプレイリストに含める構成となっていた。通常プレイリストは音楽のリストであるので、音声信号はプレイリストを構成する1音楽としては適当ではないと思われる。
【0008】
また、印象値の遷移から実際にプレイリストに含める曲を選択する場合、検索の中心となる印象値(すなわち、検索中心座標値)を決定し、その値の近隣の曲を選択することになるが、印象値の分布によってはプレイリストの途中で曲の印象値が指定する遷移通りにならずに、途中で順番が入れ替わることがあった。図2は、曲のイメージの順番が入れ替わる場合を示した図である。図2では検索中心印象値から最近傍の曲を選択している。このとき曲の分布に偏りがあるため2曲目と3曲目を選択するところで、ユーザが指定した遷移と曲の印象値の順番が逆転している。このように最近傍の曲を選択した場合でも曲のイメージの順番が途中で入れ替わる可能性があり、さらにユーザが曲を選択するときのルールや履歴情報を利用する場合には、より一層順番が入れ替わる可能性が高くなる。このような現象が起きると、ユーザは自分が指定した遷移通りに曲が選択されていないように見えてしまう。
【0009】
本発明は、上記問題を解決し、利用者が楽曲に関する事前の知識を必要とすることなく、利用者のイメージに応じて連続的に最適な楽曲を提供するプレイリスト生成装置、音楽再生装置及び音楽配信システムおよびその方法、プログラム、記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願発明のプレイリスト生成装置は、再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するプレイリスト生成装置であって、所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力部と、所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力部と、複数の曲が格納された音楽ソース格納部と、曲の音楽的な特徴量を抽出し、特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出部と、特徴量と印象値が格納された音楽データ格納部と、音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成部と、曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、遷移情報の印象値の遷移を示す第1の印象値リストに近似するように、曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本願発明のプレイリスト生成装置は、プレイリスト生成部が、再生条件と遷移情報を用いて印象値の遷移を示す第3の印象値リストを生成し、第3の印象値リストに近似する印象値の遷移を与える複数の曲を、音楽データ格納部から選択する印象値検索部を備えることを特徴とする。
【0012】
本願発明のプレイリスト作成装置は、印象値を用いて曲が音楽か音声かを判断する音楽・音声判定部を備えることを特徴とする。
【0013】
本願発明のプレイリスト生成装置は、音楽データ格納部に登録されている曲の印象値の分布を示す遷移範囲を計算する分布分析部と、遷移範囲に従って遷移情報を修正するイメージ遷移修正部とを備えることを特徴とする。
【0014】
本願発明の音楽再生装置はさらに、曲リスト記載の複数の曲の音楽ソースを音楽ソース格納部から獲得する音楽ソース獲得部と、音楽ソースを再生する再生装置とを備えることを特徴とする。
【0015】
本願発明のプレイリスト生成方法は、再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するプレイリスト生成方法において、所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力ステップと、所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力ステップと、曲の音楽的な特徴量を抽出し、特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出ステップと、特徴量と印象値が格納された音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成ステップと、曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、遷移情報の印象値の遷移を示す第1の印象値リストに近似するように、曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換ステップとを備えることを特徴する。
【0016】
本願発明のプレイリスト生成方法は、プレイリスト生成ステップが、再生条件と遷移情報を用いて印象値の遷移を示す第3の印象値リストを生成し、第3の印象値リストに近似する印象値の遷移を与える複数の曲を、印象値が格納された音楽データ格納部から選択する印象値検索ステップを備えることを特徴とする。
【0017】
本願発明のプレイリスト生成方法は、印象値を用いて曲が音楽か音声かを判断する音楽・音声判定ステップを備えることを特徴とする。
【0018】
本願発明のプレイリスト生成方法は、印象値が格納された音楽データ格納部に登録されている曲の印象値の分布を示す遷移範囲を計算する分布分析ステップと、遷移範囲に従って遷移情報を修正するイメージ遷移修正ステップとを備えることを特徴とする。
【0019】
本願発明のプレイリスト生成方法は、リスト記載の複数の曲の音楽ソースを音楽ソース格納部から獲得する音楽ソース獲得ステップと、音楽ソースを再生する再生ステップとをさらに包含することを特徴とする。
【0020】
本願発明のプログラムは、再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するプレイリスト生成処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、生成処理は、所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力ステップと、所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力ステップと、曲の音楽的な特徴量を抽出し、特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出ステップと、特徴量と印象値が格納された音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成ステップと、曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、遷移情報の印象値の遷移を示す第1の印象値リストに近似するように、曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換ステップとを包含することを特徴とする。
【0021】
本願発明の記録媒体は、再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するプレイリスト生成処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、生成処理は、所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力ステップと、所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力ステップと、曲の音楽的な特徴量を抽出し、特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出ステップと、特徴量と印象値が格納された音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成ステップと、曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、遷移情報の印象値の遷移を示す第1の印象値リストに近似するように、曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換ステップとを包含することを特徴とする。
【0022】
本願発明の音楽配信システムは、再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するサーバと、サーバとネットワークを介して接続された端末と、を備えた音楽配信システムであって、端末は、所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力部と、所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力部とを備え、サーバは、複数の曲が格納された音楽ソース格納部と、曲の音楽的な特徴量を抽出し、特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出部と特徴量と印象値が格納された音楽データ格納部と、音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成部と、曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、遷移情報の印象値の遷移を示す第1の印象値リストに近似するように、曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換部と曲リスト記載の複数の曲の音楽ソースを音楽ソース格納部から獲得し、端末に出力する音楽ソース獲得部とを備え、端末は、サーバから受けとった複数の音楽ソースを格納する格納部と、音楽ソースを再生する再生装置とを備えることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における音楽再生装置100を示すブロック図である。
【0024】
音楽ソース格納部11は、HDDなどの記憶装置であって、複数の音楽信号が格納されている。曲名や曲番号などの曲IDにより、所望の音楽信号のデータを呼び出すことができる。音楽信号は、リニアPCMによる波形データやAACなどの圧縮されたデータとして格納されている。これらの音楽ソースは適宜追加、削除が可能であり、後述する音楽データ格納部31と連携している。
【0025】
印象値算出部21は、入力される音楽信号の物理的な特徴量を分析し、特徴量を重み付け加算した印象値を算出する。物理的な特徴量としては、スペクトル変化度(所定の時間長のフレーム間でのスペクトル変化の度合い)、平均発音数(楽曲中で発音される音の発音頻度)、発音非周期性(楽曲中で発音される音の非周期性の度合い)、拍周期(楽曲の4分音符に相当する時間長)、拍周期比率(楽曲の4分音符に相当する音と、優勢に発音されている音との周期比率)、拍強度1(拍周期の概ね半分に相当する周期で発音されている音の強度)、拍強度2(拍周期の概ね1/4に相当する周期で発音されている音の強度)、拍強度比(拍強度1と拍強度2の比率)などが解析される。解析によって得られたこれらの特徴量に対して所定の重み付け加算を行い、印象値を算出する。印象値は、1つ以上、一般的には、2つ、ないし5つとする。2つの場合は、2つの印象値の値の組み合わせによって、多数の曲を区別、判別できる2次元の空間となる。5つの場合は5次元空間となる。複数の楽曲は、この空間にそれぞれの印象値の座標値を保有することになる。
【0026】
印象値とは、激しさ、躍動感、爽快感、素朴さ、ソフトさ、などのように、人が音楽を聞いたときに感じる感覚や情緒を表す指標である。これらの指標値は、それぞれ、上記複数種の物理的な特徴量の線形あるいは非線形の関数として表すことができる。激しさ、躍動感、爽快感、素朴さ、ソフトさの5種類の印象値を用いれば、5次元空間になる。激しさ、躍動感の2つを統合して能動因子とし、爽快感、素朴さ、ソフトさの3つを統合したものを情動因子として、能動因子と情動因子の2つの印象値にまとめると、2次元空間になる。このように、楽曲の印象値を表した空間座標系を以後印象空間と呼ぶ。印象値は楽曲を聴いた印象を表す数量であるため、印象空間上に複数の楽曲の印象値を布置すると、その印象の類似性に応じて布置されることになる。すなわち印象の類似する楽曲は印象空間上においても近接した位置に布置される。図3に、印象空間の例を示す。
【0027】
このような特徴量と印象値を使った楽曲の検索用のデータ登録、楽曲の検索の装置や方法は、特願2001−082150に記載されている。本発明においては、このような特徴量や印象値のデータ登録や楽曲検索、略称して、印象検索法を適用することができる。
【0028】
音楽データ格納部31は、印象値算出部21により算出された特徴量および印象値を、音楽ソース格納部11内の楽曲の楽曲IDに対応して、格納している。
【0029】
再生条件入力部41は、ユーザが所望とするプレイリストを構成するの曲数、時間または総記憶容量が入力される。総記憶容量とは、プレイリストを構成する音楽ソースのデータ量の合計を意味しており、曲の演奏時間や圧縮オーディオの場合にはそのフォーマットなどによって変化するものである。
【0030】
イメージ遷移入力部42は、ユーザが所望とするプレイリストのイメージの遷移を、印象空間を用いて選曲するときの検索中心座標値の軌跡として指定する。
【0031】
指定する方法として、ユーザが直接指定する方法と予め設定されてあるテンプレートを選択する方法がある。また指定する次元数は、印象空間の全ての次元に対して独立に設定することもでき(ケース1)、また任意の次元数をより少ない次元数に集約させることによって、より簡単に設定することもできる(ケース2)。
【0032】
ここでは、能動因子と情動因子の2次元の場合について説明する。このとき、印象空間においてイメージの遷移を指定する範囲(以後、遷移範囲と呼ぶ)は中心(0,0)、半径2の円内とする。ここで、2次元の能動因子と情動因子を集約した新たな指標として「高揚度」を定義する。図4は、印象空間と高揚度の対応関係を示す図である。各曲の高揚度は(e)、印象値(x,y)として、
e=(−x+y)/√2 ・・・・(1)
と計算され、−2=<e=<2となる。
【0033】
[ケース1]イメージの遷移を2次元の印象区間で指定する場合
図5は、印象空間にイメージの遷移を入力する様子を示した図である。このように、直線または曲線によって所望とするイメージの遷移を指定することができる。このとき全てを線で書くだけでなく、中継点を幾つか指定してその中継点間を直線で補間することで、遷移を指定することもできる。
【0034】
図6は、各因子の遷移のテンプレートを示した図である。イメージの遷移を横軸に時間、縦軸に各次元の値をグラフ化したものをテンプレートとして用意し、次元毎にテンプレートを選択することで所望とするイメージの遷移を決定する。
【0035】
[ケース2]イメージの遷移を高揚度で指定する場合
図7は、高揚度のグラフにイメージの遷移を入力する様子を示した図である。横軸に時間、縦軸に高揚度をグラフ化したものを利用して、時間の経過とともに高揚度の変化を直線または曲線で入力する。このとき全てを線で書くだけでなく、中継点を幾つか指定してその中継点間を直線で補間することで、遷移を指定することもできる。
【0036】
図8は、高揚度の遷移のテンプレートを示した図である。横軸に時間、縦軸に高揚度をグラフ化したものをテンプレートとして用意し、テンプレートを選択することで所望とするイメージの遷移を決定する。
【0037】
以下、[ケース1]の場合と[ケース2]の場合で処理が異なるが、このようにユーザに指定されたイメージの遷移をまとめて、遷移情報と呼ぶ。
【0038】
イメージ遷移調整部50は、分布分析部51とイメージ遷移修正部52から構成される。
【0039】
分布分析部51は、ユーザの所有する曲の印象値の分布を分析する。印象空間は、ある程度多くの種類の曲を登録すれば、能動因子と情動因子それぞれの最大値、最小値の絶対値が2以上になる。しかしながら、ユーザの登録する曲には偏りが出る可能性がある。そこで、印象空間の分布を解析し、そのユーザ個人の分布に合ったプレイリストの生成を行うことにする。
【0040】
ある程度豊富に曲が登録されている状態では、遷移範囲が中心座標(0,0)、半径2と定義しているのに対して、ここではユーザ個人の遷移範囲の中心座標(dx,dy)、半径drを求める。また、このとき高揚度のとる範囲(demin〜demax)も自動的に決定される。以下にその方法を説明する。
【0041】
図9は、ユーザ個人の遷移範囲を決定する方法を示した図である。全ての曲の印象値(x、y)について、X座標の最大値と最小値、Y座標の最大値と最小値を探す。それぞれ、Xmax、Xmin、Ymax、Yminとする。各々を絶対値が2以内になる、つまり初期設定の遷移範囲の中に含まれるように修正する。このとき、ユーザ個人の遷移範囲の中心座標(dx,dy)を、
(dx,dy)=((Xmax+Xmin)/2,(Ymax+Ymin)/2)) ・・・・(2)
とする。またこのときの半径drを、
dr=min((Xmax−Xmin)/2,(Ymax−Ymin)/2)) ・・・・(3)
とする。次に、ユーザ個人の遷移範囲の中心を通り、y=−xと平行な線を引き、分布範囲との交点からy=−xへ法線を引くことで、ユーザ個人の高揚度のとる範囲を決定する(demin〜demax)。計算された遷移範囲のデータをイメージ遷移修正部52に送る。
【0042】
イメージ遷移修正部52は、イメージ遷移入力部42の遷移情報を分布分析部51の遷移範囲に従って修正する。イメージ遷移入力部42の遷移情報は、中心(0,0)、半径2になっているが、これを分布分析部51の結果を用いて以下のように修正する。
【0043】
[ケース1]
図10は、印象空間の遷移情報を修正する方法を示した図である。遷移情報内の各座標(x,y)を
nx=dr/2×x+dx ・・・・(4)
ny=dr/2×y+dy ・・・・(5)
となる(nx,xy)に変換する。
【0044】
[ケース2]
図11は、高揚度の遷移情報を修正する方法を示した図である。遷移情報内の高揚度(e)をユーザの入力(emin〜emax)に対して、ユーザ個人の遷移範囲に対する高揚度の範囲(demin〜demax)となるように、
ne=(demax−demin)/4×(e−emin)+demin ・・・・(6)
に変更する。
【0045】
音楽・音声判定部55は、音楽ソース格納部11に登録されている音楽ソースについて、音楽か音声かを判定する。判定する方法としては、印象値算出部21で抽出された印象値を利用する。
【0046】
音声は特に第3、4象限で原点から離れたところに多く見られる。よって、各曲の印象値(x,y)について、
<条件6> x^2+y^2 > (Th6)^2 ・・・・(7)
<条件7> y < Th7 ・・・・・・・・・・・(8)
の両方を満たすものを音声と判定する。このようにして、音声と判定された音楽ソースの曲IDを、印象値選択部61に出力し、該当する曲はプレイリストに含まないようにする。
【0047】
印象値検索部61は、イメージ遷移修正部52から受けた遷移情報と遷移範囲と、再生条件入力部41から受けたユーザ指定の再生条件により、曲リストを生成する。図12は、曲リスト示した図である。曲リストには再生する曲の順番を表すリスト番号と、そのときに再生される曲の曲IDが記載されている。
【0048】
まず、ユーザ指定の再生条件を以下のように数値化してCとする。
【0049】
<曲数の場合> C=(指定された曲数) ・・・・(9)
<時間の場合> C=(指定された時間) ・・・・(10)
<総記憶容量の場合> C=(指定された総記憶容量) ・・・・(11)
そして、遷移情報に従って曲を選択して曲リストに追加していき、ある時点でのプレイリストの完成度(V)がCに達したとき、もしくはこれ以上選択できる曲がなくなった場合に終了する。このとき、各曲(Si)を選択したときのプレイリストの完成度に加算されるポイントViを以下のように決定する。
【0050】
<曲数の場合> Vi=1 ・・・・・・・・・・・・(12)
<時間の場合> Vi=各曲の再生時間 ・・・・・・(13)
<総記憶容量の場合> Vi=各曲の記憶容量 ・・・・(14)
図13は、曲リストの生成方法を示したフローチャートである。まず、[ケース1]の場合は印象空間の遷移から、[ケース2]の場合は高揚度のグラフから、イメージの遷移の全軌道長Lを計算する。また、プレイリスト生成の完成度を表す指標V=0に初期化する(S102)。次に音楽データ格納部31にC<=V+Viとなる曲、つまりプレイリストに追加可能な曲があるかどうかを調べる(S103)。存在した場合、遷移情報の軌道長V/C*Lとなる位置から検索中心座標値を決定する。図14は、印象空間から検索中心座標値を決定する方法を示した図である。[ケース1]の場合は、全軌道長Lからこれまでの軌道長V/C*Lとなる位置の座標値を抽出して、その座標をそのまま検索中心座標値とする。[ケース2]の場合は、まず検索中心座標値を決定するための高揚度を決定し、その高揚度を印象値に変換することで検索中心座標値を決定する。図15は、高揚度のグラフから検索中心座標値の高揚度を決定する方法を示した図である。全軌道長Lからこれまでの軌道長V/C*Lとなる位置の高揚度を抽出して、その値を検索中心座標値の高揚度とする。図16は、高揚度を印象値に変換する方法を示した図である。高揚度eからy=−xに下ろした交点からy=−xとの垂線を引き、ユーザ個人の遷移範囲との交線を求める。この交線上の1点を任意に選択して、この点の座標値を検索中心座標値とする(S104)。次にS103で検索中心座標値から最も印象値の距離の近い曲を選択して、その曲IDを曲リストに追加する。ただし、音楽・音声判定部55により音声と判定された曲はその選択対象としない(S105)。V=V+Viとしてプレイリスト生成の完成度を更新する(S106)。また、S103で条件を満たす曲が存在しない場合は、プレイリストの生成を終了する(S107)。このときプレイリストを構成する曲数がNになったとする。
【0051】
S105では、最も距離の近い曲としたが、ある程度距離の近い曲の中から任意選択することによって、毎回違った曲によって構成されるプレイリストを生成することが可能である。
【0052】
プレイリスト置換部71は、曲リストの曲をユーザの指定した遷移情報に合うように並べ替える。曲リストは、曲を選択するときに検索中心座標値の近隣の曲を選択するので、場合によっては「情動因子が徐々に大きくなる」と設定しても、途中で順番が入れ替わる可能性がある。このことにより、一見プレイリストが正しく生成されていないように見える。そこで、以下のように遷移情報のイメージの遷移と同じ順番になるように並び替える。
【0053】
[ケース1]
各曲について遷移の軌跡の最短距離となる点(最短距離となる点が複数あるときは、その内の任意の1点)を取り、軌道上の順番通りに曲リストを並び替える。このとき、印象空間での遷移の軌跡が2重あるいはそれ以上に重なる場合があるが、この場合は重なっている各軌跡について、順番に曲を振り分ける。
【0054】
[ケース2]
まず遷移情報に従って、再生曲数分を等間隔に区切った点の高揚度を求める。p曲目の高揚度が何番目に大きくなっているのかを調べ、結果を配列oeに入れる。例えば、再生曲数N=4とした場合は、
oe[1]=2,oe[2]=4,oe[3]=1,oe[4]=3 ・・・・(15)
などとなる。この場合、「1曲目は2番目に高揚度が大きい曲」、「2曲目は4番目に高揚度が大きい曲」、「3曲目は最も高揚度が大きい曲」、「4曲目は3番目に高揚度が大きい曲」をユーザが所望していることになる。仮に高揚度が同じとなるoe[x]が複数存在した場合、いずれかを優先させて、同じ順位にならないようにする。次に印象値検索部61で生成された曲リストの各曲について高揚度を計算して、リスト番号qの曲が何番目に大きくなっているかを調べ、配列leに入れる。仮に曲リストに高揚度が同じ曲が複数存在した場合、いずれかを優先させて同じ順位にならないようにする。例えば、
le[1]=4,le[2]=3,le[3]=2,le[4]=1 ・・・・(16)
などとなる。この場合、「リスト番号1の曲が4番目に高揚度が大きい」、「リスト番号2の曲が3番目に高揚度が大きい」、「リスト番号3の曲が2番目に高揚度が大きい」、「リスト番号4の曲が最も高揚度が大きい」ことになる。そして、曲リストで高揚度がr番目に大きい曲を、配列oeの高揚度の順番に合うように順番を入れ替える。この場合は、曲リストのリスト番号「3→1→4→2」の順番になるように入れ替える。
【0055】
このように順番を入れ替えるということしなくとも、印象値検索部61で予め遷移情報に合うように、例えば「情動因子が徐々に大きくなる」ように曲を選択することも可能である。しかしこの場合、アルゴリズムが複雑になり、場合によってはリストの最後に選択する曲が無くなってしまう可能性もある。一方で、一旦できた曲リストをプレイリスト置換部71で順番を入れ替えることで、簡単なアルゴリズムにより確実にユーザの指定した遷移情報に合うプレイリストを生成することが可能となる。
【0056】
音楽ソース獲得部81は、曲リストの各リスト番号についてプレイリストに載せる曲を、曲IDを元に音楽ソース格納部11より音楽信号を獲得する。獲得された音楽信号は再生装置91に渡される。
【0057】
再生装置91は増幅器とスピーカを有しており、音楽信号を再生する。
【0058】
(実施の形態2)
図17は、本発明の実施の形態2における音楽再生装置200を示すブロック図である。音楽再生装置200は、図1に示す音楽再生装置100から、イメージ遷移調整部50が無いところと、プレイリスト生成部60の中身が印象値選択部62になっているところが異なる。それ以外の構成は音楽再生装置100と同様であるので、説明を省略する。
【0059】
印象値選択部62は、音楽データ格納部31に登録されている曲の中から、再生曲数分ランダムに選択して、曲リストを生成する。そして、曲リストをプレイリスト置換部71に渡す。
【0060】
プレイリスト置換部71では、音楽再生装置100の場合と同様に、遷移情報に従って曲を並べ替える。これにより、印象値選択部62でランダムに選ばれた曲をイメージ遷移入力部42の入力通りに並び替えるだけで、ユーザの所望とするプレイリストを生成することができる。
【0061】
音楽再生装置200は、音楽再生装置100と比較して構成が小さいため、少ない演算量で処理することができる。低速な処理能力しかもたない機器などにおいてプレイリストを生成する場合に有効である。
【0062】
上述した本発明の実施の形態1および2におけるプレイリスト生成処理は、プログラムの形式で記録媒体に記録され得る。記録媒体としては、フレキシブルディスクや光ディスク等のコンピュータによって読み取り可能な任意のタイプの記録媒体を使用することができる。任意のコンピュータに記録媒体から読み出されたプレイリスト生成処理プログラムをインストールすることにより、そのコンピュータを音楽再生装置として機能させることができる。プレイリスト生成処理は、コンピュータに内蔵または接続されるプレイリスト生成処理デバイスにより実行されてもよいし、プレイリスト生成処理の少なくとも一部をコンピュータがソフトウェア上で実行してもよい。
【0063】
図18に、プレイリスト生成処理を実行するコンピュータの1つの実施形態を示す。コンピュータ300は、コンピュータ300にプレイリスト生成処理を実行させるためのプログラムを格納するため記録媒体310からそのプログラムを読み出すディスクドライブ装置301と、プレイリスト生成処理を実行する演算部302と、音楽ソース格納部11と音楽データ格納部31として機能する記憶部303と、再生条件入力部41と、イメージ遷移入力部42と、再生装置91と、バス304とを備える。演算部302はCPUおよびメモリ等(図示せず)を備え、図1および図17に示す印象値算出部21、イメージ遷移調整部50、音楽・音声判定部55、プレイリスト生成部60およびプレイリスト置換部71と同様の処理をする。
【0064】
プログラムは記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等によるデータ配信によって提供されてもよい。
【0065】
(実施の形態3)
図19は、本発明の実施の形態3における音楽配信システム400を示す図である。
【0066】
音楽配信システム400は、ネットワーク410と、サーバ420と、パソコンやミュージックサーバ等の端末430とを備える。音楽配信システム400では、端末430に所望とするプレイリストの内容を再生条件入力部41とイメージ遷移入力部42に入力すると、入力の条件に適したプレイリストをサーバ420側で自動的に生成して端末430に配信する。
【0067】
ネットワーク410には、音楽を配信するサーバ420と、配信された音楽を受信する端末430が接続されている。また、ネットワーク410には、端末430と同様の機能を有する複数の端末430−1〜430−n(nは自然数)が接続されている。
【0068】
音楽配信システム400は、実施の形態1および2の音楽再生装置100および音楽再生装置200の構成要素を分割してネットワーク上に配置している。これにより、利用者が手元に音楽ソース格納部11を保有しないような場合でも、ネットワーク410を介して自分が所望とするイメージに適したプレイリストをサーバ420からダウンロードすることが可能となる。
【0069】
サーバ420は、音楽ソース格納部11と、印象値算出部21、音楽データ格納部31と、音楽・音声判定部55、プレイリスト生成部60と、プレイリスト置換部71および音楽ソース獲得部81とを備える。サーバ420は音楽再生装置100のイメージ遷移調整部50を備えてもよいが、通常大規模な音楽データベースには十分に豊富な種類の音楽ソースが格納されているので、イメージ遷移調整部50は省略されてもよい。端末430は、再生条件入力部41と、イメージ遷移入力部42と、サーバ420から配信されたプレイリストを記憶する記録媒体431および再生装置91を備える。記録媒体431はパソコンやミュージックサーバのハードディスク等であり、サーバから配信されたプレイリストを格納する。プレイリストに含まれる音楽は再生装置91に入力され、再生される。
【0070】
本実施の形態の音楽配信システム400により、ネットワーク410に接続された端末430に利用者が条件を入力することで、サーバ420がその条件に適したプレイリストを生成して端末430に配信するサービスを実現することが可能になる。
【0071】
【発明の効果】
楽曲のイメージを印象値の遷移で表現することにより、新しい楽曲を登録する場合にも事前の知識を必要とせず、この楽曲を含む再生曲リストを生成することができる。また、印象値リストから再生曲リストを生成する過程において利用者の嗜好を反映させることができるので、利用者の満足度をより向上させることができる。
【0072】
本発明では、ユーザの所有する曲の印象値の分布に従ってユーザの所望とするプレイリストの遷移を修正する。これにより、ユーザ個人が所有する曲にマッチしたプレイリストを生成することができる。
【0073】
また、本発明では、登録されている曲の印象値を用いて音楽か音声かを判定し、音声信号をプレイリストに含めないようにすることで、音楽のみで構成される満足度の高いプレイリストが生成することができる。
【0074】
また、本発明では、プレイリストを形成するの曲の印象値の遷移を、ユーザに指定された遷移情報の印象値の遷移に近似するように並び替えることにより、ユーザの希望に則した満足度の高いプレイリストを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の音楽再生装置を示すブロック図
【図2】従来の、曲のイメージの順番が入れ替わる場合を示す図
【図3】本発明の実施の形態の印象空間を示す図
【図4】本発明の実施の形態の印象空間と高揚度の対応関係を示す図
【図5】本発明の実施の形態の印象空間にイメージの遷移を入力する様子を示す図
【図6】本発明の実施の形態の各因子の遷移のテンプレートを示す図
【図7】本発明の実施の形態の高揚度のグラフにイメージの遷移を入力する様子を示す図
【図8】本発明の実施の形態の高揚度の遷移のテンプレートを示す図
【図9】本発明の実施の形態のユーザ個人の遷移範囲を決定する方法を示す図
【図10】本発明の実施の形態の印象空間の遷移情報を修正する方法を示す図
【図11】本発明の実施の形態の高揚度の遷移情報を修正する方法を示す図
【図12】本発明の実施の形態の曲リストを示す図
【図13】本発明の実施の形態の曲リストの生成方法を示したフローチャート
【図14】本発明の実施の形態の印象空間から検索中心座標値を決定する方法を示す図
【図15】本発明の実施の形態の高揚度のグラフから検索中心座標値の高揚度を決定する方法を示す図
【図16】本発明の実施の形態の高揚度を印象値に変換する方法を示す図
【図17】本発明の実施の形態の音楽再生装置を示す図
【図18】本発明の実施の形態のプレイリスト生成処理を実行するコンピュータを示す図
【図19】本発明の実施の形態の音楽配信システムを示す図
【符号の説明】
11 音楽ソース格納部
21 印象値算出部
31 音楽データ格納部
41 再生条件入力部
42 イメージ遷移入力部
50 イメージ遷移調整部
51 分布分析部
52 イメージ遷移修正部
55 音楽・音声判定部
60 プレイリスト生成部
61 印象値検索部
62 印象値選択部
71 プレイリスト置換部
81 音楽ソース獲得部
91 再生装置
100 音楽再生装置
200 音楽再生装置
300 コンピュータ
301 ディスクドライブ装置
302 演算部
303 記憶部
304 バス
310 記録媒体
400 音楽配信システム
410 ネットワーク
420 サーバ
430,430−1〜420−n 端末
431 記録媒体
Claims (13)
- 再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するプレイリスト生成装置であって、
所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力部と、
所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力部と、
複数の曲が格納された音楽ソース格納部と、
曲の音楽的な特徴量を抽出し、前記特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出部と、
前記特徴量と前記印象値が格納された音楽データ格納部と、
前記音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、前記複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成部と、
前記曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、前記遷移情報の印象値の遷移を示す第2の印象値リストに近似するように、前記曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換部とを備える、プレイリスト生成装置。 - 前記プレイリスト生成部が、
前記再生条件と前記遷移情報を用いて印象値の遷移を示す第3の印象値リストを生成し、前記第3の印象値リストに近似する印象値の遷移を与える前記複数の曲を、前記音楽データ格納部から選択する印象値検索部を備える、請求項1記載のプレイリスト生成装置。 - 前記印象値を用いて前記曲が音楽か音声かを判断する音楽・音声判定部を備えることを特徴とする、請求項1記載のプレイリスト生成装置。
- 前記音楽データ格納部に登録されている曲の印象値の分布を示す遷移範囲を計算する分布分析部と、
前記遷移範囲に従って前記遷移情報を修正するイメージ遷移修正部とを備える、請求項1記載のプレイリスト生成装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプレイリスト生成装置と、
前記曲リスト記載の複数の曲の音楽ソースを前記音楽ソース格納部から獲得する音楽ソース獲得部と、
音楽ソースを再生する前記再生装置とを備える、音楽再生装置。 - 再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するプレイリスト生成方法であって、
所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力ステップと、
所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力ステップと、
曲の音楽的な特徴量を抽出し、前記特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出ステップと、
前記特徴量と前記印象値が格納された音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、前記複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成ステップと、
前記曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、前記遷移情報の印象値の遷移を示す第2の印象値リストに近似するように、前記曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換ステップとを備える、プレイリスト生成方法。 - 前記プレイリスト生成ステップが、
前記再生条件と前記遷移情報を用いて印象値の遷移を示す第3の印象値リストを生成し、前記第3の印象値リストに近似する印象値の遷移を与える前記複数の曲を、前記印象値が格納された音楽データ格納部から選択する印象値検索ステップを備える、請求項6記載のプレイリスト生成方法。 - 前記印象値を用いて前記曲が音楽か音声かを判断する音楽・音声判定ステップを備える、請求項6記載のプレイリスト生成方法。
- 前記印象値が格納された音楽データ格納部に登録されている曲の印象値の分布を示す遷移範囲を計算する分布分析ステップと、
前記遷移範囲に従って前記遷移情報を修正するイメージ遷移修正ステップとを備える、請求項6記載のプレイリスト生成方法。 - 前記曲リスト記載の複数の曲の音楽ソースを音楽ソース格納部から獲得する音楽ソース獲得ステップと、
前記音楽ソースを再生する再生ステップとをさらに包含する、請求項6から請求項9のいずれか1項に記載のプレイリスト生成方法。 - 再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するプレイリスト生成処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記生成処理は、
所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力ステップと、
所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力ステップと、
曲の音楽的な特徴量を抽出し、前記特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出ステップと、
前記特徴量と前記印象値が格納された音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、前記複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成ステップと、
前記曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、前記遷移情報の印象値の遷移を示す第2の印象値リストに近似するように、前記曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換ステップとを包含する、プログラム。 - 再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するプレイリスト生成処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記生成処理は、
所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力ステップと、
所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力ステップと、
曲の音楽的な特徴量を抽出し、前記特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出ステップと、
前記特徴量と前記印象値が格納された音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、前記複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成ステップと、
前記曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、前記遷移情報の印象値の遷移を示す第2の印象値リストに近似するように、前記曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換ステップとを包含する、記録媒体。 - 再生装置によって再生されるべき曲の順番を示すプレイリストを生成するサーバと、
前記サーバとネットワークを介して接続された端末と、
を備えた音楽配信システムであって、
前記端末は、
所望とするプレイリストの長さを入力する再生条件入力部と、
所望とするプレイリストのイメージの遷移を示す遷移情報を入力するイメージ遷移入力部とを備え、
前記サーバは、
複数の曲が格納された音楽ソース格納部と、
曲の音楽的な特徴量を抽出し、前記特徴量から音楽を聴いたときのイメージを示す印象値を計算する印象値算出部と、
前記特徴量と前記印象値が格納された音楽データ格納部と、
前記音楽データ格納部に格納された複数の曲を選択することによって、前記複数の曲によって構成されるリストを示す曲リストを生成するプレイリスト生成部と、
前記曲リストを構成する曲の印象値の遷移を示す第1の印象値リストを、前記遷移情報の印象値の遷移を示す第2の印象値リストに近似するように、前記曲リストを構成する曲の順番を並べ替えるプレイリスト置換部と前記曲リスト記載の複数の曲の音楽ソースを前記音楽ソース格納部から獲得し、前記端末に出力する音楽ソース獲得部とを備え、
前記端末は、
前記サーバから受けとった前記複数の音楽ソースを格納する格納部と、
音楽ソースを再生する前記再生装置とを備える、音楽配信システム。
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