【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚粘着性、低皮膚刺激性に優れ、有価物質の高濃度溶解性に優れた基材を用いて、生理活性成分を皮膚に有効に浸透させ、皮膚トラブルや皮膚疾患の改善効果の高い皮膚用貼付剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニキビ、しみ、乾燥、シワ、肌荒れなどの皮膚トラブルの改善には、軟膏、クリーム、ローション等の基剤や、ハイドロゲルシートなどが使われている。軟膏、クリーム、ローション等は、べたついたり、衣服に付着し汚すばかりでなく、塗付できる量が限られ1日に何度も塗りなおす必要があった。そこで塗布型化粧品が最近注目されるようになり種々の塗布型化粧品パッチが製造販売されるようになっている。貼付型剤形中の現在の主たる基剤はポリアクリル酸とポリアクリル酸塩の水溶液を架橋させたハイドロゲル基剤である。ハイドロゲル基剤を用いる貼付型化粧品においては剤形が極めて親水性であるため親油性皮膚有価物を高濃度に溶解することができずそのため親油性皮膚有価物の経皮吸収性が低く、又長時間貼付する場合は水分の蒸発により粘着力が低下しはがれてしまうという欠点がある。
【0003】
また医薬貼付剤に用いられている基剤には、(水素添加)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体に粘着付与樹脂とオイルを加えた組成物が既知であり多くの医薬品パッチの基剤として実用化されている。特開平6−24969、特開平7−330609、特開2000−178186、特開2001−97852、特開2001−302502、においてはスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体と粘着付与樹脂とその他添加物からなる組成物基剤に種々薬物を加えた経皮吸収製剤が開示されている。また特開平7−331223、特開平8−3032、特開2001−106628にはブタジエンあるいはイソプレンを水素添加して飽和炭化水素としてブロック共重合体と粘着付与剤、ポリオレフィン樹脂、等からなる経皮吸収製剤用組成物基剤が開示されている。
【0004】
しかしながらそれらの基剤は医薬品用を主目的としており(水素添加)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体に粘着付与樹脂(あるいはポリオレフィン)を加えた組成物であることが特徴であり、皮膚貼付時にパッチがはがれないことすなわち皮膚への貼付性を重視する剤形であるため皮膚粘着力が強すぎ、従って皮膚刺激も強く医薬品パッチとしては適当であっても顔に貼ることを想定した化粧品用基剤としては不適であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みて、生理活性成分を、皮膚に有効に浸透させることができ、低刺激で、長時間貼付することができ、しかも剥離時に皮膚を刺激しない化粧品用途の粘着性皮膚用貼付剤を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、水添イソプレンとスチレンからなるブロック共重合体に多量の流動パラフィン及びスクワランを可塑化成分として加えてなる組成物を基剤とし皮膚生理活性成分を配合してホットメルト法により成型した貼付剤が低刺激で、皮膚生理活性物質の皮膚への浸透性が高い皮膚用粘着性皮膚用貼付剤となることを見出し本発明を完成した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の基剤組成物においてはスチレンと水添イソプレンとからなるブロック共重合体を用いる。水添しない共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体は広く医薬品テープの基剤として用いられてきている。しかしながらこの基剤は高分子内の2重結合がホットメルト成型加工中の高温下に参加され着色の度合いが水添共役ジエン系ブロック共重合体に比べて激しいため最終製品の着色を起こしやすく、またそれを防ぐためには多量の酸化防止剤の添加が必要であり、化粧品パッチのためには好ましくはない。
【0008】
ブロック共重合体中のスチレンの含有量は、25〜40重量%の範囲が好ましい。スチレンの含有量が40重量%を越えると、基剤組成物のタックが低下し、また溶融粘度も高くなる。逆にスチレンの含有量が25重量%未満になると、接着剤としての保持力やクリープ特性が不充分となる。
【0009】
本発明では、このような水添イソプレンとスチレンからなるブロック共重合体に対し、加工性、生理活性物質の溶解性、および皮膚粘着性を付与するため可塑化成分として流動パラフィン及びスクワランを添加する。 可塑化成分の配合量は、ブロック共重合体100重量部に対して、50−250重量部の範囲とするのが好ましい。可塑化成分の量が50重量部より少ないと風合いが硬くなり粘着性も悪化する。また250重量部より多くなると、基材が柔らかくなり過ぎ凝集力が低くなりすぎるため、望ましくない。可塑化成分中におけるスクアランの重量%は30から50である。スクアランは皮脂成分と極めて似た構造を有しているため、皮膚投与に際して貼付剤の皮膚への密着性をよくする。かつスクワランは生体成分であるスクアレンの2重結合をなくした化合物でありスクアレンと同様に皮膚刺激性が小さく、皮膚細胞活性化、皮膚湿潤化等の作用を有し、化粧品パッチのために特に優れた性質を有している。スクアランのこのような性質を発揮させるには可塑化成分に30%以上を含ませる必要がある。生体成分由来のスクワラン中実用化されているのはオリーブ由来のオリーブスクワランとサメ由来のスクワランがあるが後者は刺激物質であるプリスタンが含まれているので化粧品用途にはオリーブスクワランが望ましい。
【0010】
特開平6−80856には水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスクワランとからなる熱可塑性組成物が開示されている。しかしながらブロック共重合体とスクワランとからのみなる組成物は、スクワランの熱安定性が流動パラフィンよりも悪く従って基剤組成物をホットメルト成型のため加熱溶融する過程でスクワランに起因する熱分解が起こりがちであるので好ましくない。加熱時の分解に関して実用的に問題がない範囲はスクワランの可塑化成分中の割合が60%以下の時である。流動パラフィンに比べ同じ炭化水素でありながらスクワランの熱安定性が悪い理由は流動パラフィンがほぼ直鎖状炭化水素であるに反しスクワランは1分子中に6個のメチル基を有する分岐炭化水素であることに起因すると思われる。ポリオレフィンにおいて分岐炭化水素の有無が熱安定性の大きなファクターであることはよく知られた事実である。
【0011】
本発明の化粧品用シート状貼付剤は、従来の共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体に粘着付与樹脂とオイルを加えた医薬貼付剤とは異なり,皮膚に優しくフィットし低刺激であることを特徴とするものであって特徴としては粘着付与樹脂を含まず、また流動パラフィンとスクワランを可塑化成分として含むものである。
【0012】
本発明のシート状貼付剤は、種種の方法、(例えば全原料を溶媒に溶解させ基材に塗工後乾燥させる)、によって製造することができるが、最も簡便容易なのはホットメルト製法である。例えば、基剤組成物、皮膚有価物、等を同時にまたは溶融粘度の低いものから順次に混合機(ニーダー)中へ投入し、100〜200℃の温度で加熱溶融混合し均一に混合した溶融物を90−150℃においてホットメルト塗工することにより製造できる。またより小規模の製造においては上記混合溶融物を加熱プレスにより製造することも出来る。
【0013】
本発明における皮膚有価物質の量は本発明のトリブロック共重合体100重量部に対し0.005−150重量部であり、好ましくは0.01−100重量部である。皮膚有価物質量が0.005重量部以下では化粧品用シートとしての皮膚細胞活性化、皮膚湿潤化、殺菌作用、等の機能を十分に発揮できない。また150重量部以上では化粧品用シートが十分な皮膚貼付性を持ちことができず使用に不便である。
【0014】
皮膚有価物質の具体例としては本発明の基材が親油性であり親油性物質に対する親和性が特に良好であるので親油性物質であることが必要である。例えば以下のような皮膚有価物を例示できる。パルミチン酸アスコルビルなどのビタミンC誘導体、コウジ酸、エラグ酸、ルシノール、トラネキサム酸、油溶性甘草エキス、等の美白成分。レチノール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなどのレチノイド、等の抗シワ成分。ラズベリーケトン、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド、月見草油、等のダイエット成分。ビタミンA油、肝油、デヒドロレチノール、ビタミンD、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール)、酢酸dl−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、酪酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジルエステル、天然ビタミンE、ビタミンK、ビタミンU、等のビタミン類、である。
【0015】
本発明の化粧品用シート状貼付剤には、本発明の効果を阻害しない程度に、界面活性剤、防腐剤,酸化防止剤、収斂剤、顔料、色素、香料、紫外線吸収剤、等を含有させることができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明のシート状貼付剤は生理活性物質を含有した皮膚に優しい微粘着シートであり低粘着性による低刺激を実現しており、生理活性成分を皮膚に有効に浸透させ皮膚トラブルや皮膚疾患の改善効果の高いものであって、ホットメルト法により工業的に容易に製造し得るものである。
【0017】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例は好ましい具体例を示すものであり、本発明の範囲を限定するものではない。なお実施例中の%および部は、特にことわらないかぎり重量基準である。
【0018】実施例1
スチレン/水添イソプレン、トリブロック共重合体(スチレン含有量30%)を100部、流動パラフィンを100部、オリーブスクワラン100部、ビタミンEアセテートの30部からなる混合物をニーダーに投入し、110℃で溶融混練してホットメルト粘着剤組成物を得た。得られたホットメルト粘着剤組成物をポリエチレンテレフタレート離型フィルムの間にはさみ90℃に加熱したホットプレスを用いて加圧し厚さ0.2mmの皮膚用貼付剤を得た。
【0019】実施例2
スチレン/水添イソプレン、トリブロック共重合体(スチレン含有量30%)100部、流動パラフィン100部、スクワラン50部をニーダーに投入し、110℃で溶融混練してホットメルト粘着剤組成物を得た。ニーダー温度を90℃に下げビタミンAパルミテート5部を添加し2分間混錬した。得られたホットメルト粘着剤組成物をポリエチレンテレフタレート離型フィルムの間にはさみ90℃に加熱したホットプレスを用いて加圧し厚さ0.2mmのシートを得た。
【0020】比較例1
流動パラフィンの添加量を150部、オリーブスクワラン添加量を150部にした以外はすべて実施例1と同様にして皮膚用貼付剤を得た。
【0021】比較例2
流動パラフィンの添加量を20部、スクワラン添加量を20部にした以外はすべて実施例2と同様にして皮膚用貼付剤を得た。
【0022】比較例3
流動パラフィンの添加量を30部とし、オリーブスクワラン添加量を15部さらに粘着付与樹脂として水添ロジンを150部添加した以外はすべて実施例1と同様にして皮膚用貼付剤を得た。
【0023】比較例4
流動パラフィン及びスクワラン添加の代わりに鉱物油(シェルフレックス371)30部を添加し、さらに粘着付与樹脂としてフェノールテルペン樹脂130部添加した以外はすべて実施例2と同様にして皮膚用貼付剤を得た。
【0024】比較例5
流動パラフィン100部及びスクワラン100部添加の代わりにスクワラン200部を添加した以外はすべて実施例2と同様にして皮膚用貼付剤を得た。
【0025】実施例3
スチレン/水添イソプレントリブロック共重合体(スチレン含有量30%)100部、流動パラフィン70部、スクアランを80部、をニーダーに投入し、110℃で溶融混練してホットメルト粘着剤組成物を得た。ニーダー温度を90℃に下げアスコルビン酸パルミテートを20部と油溶性甘草エキス0.2部を添加して2分間混錬した。得られたホットメルト接着剤組成物をポリエチレンテレフタレート離型フィルムの間にはさみ90℃に加熱したホットプレスを用いて加圧し厚さ0.2mmの皮膚用貼付剤を得た。
【0026】実施例4
スチレン/水添イソプレントリブロック共重合体(スチレン含有量30%)100部、流動パラフィン70部、スクアランを100部、をニーダーに投入し、110℃で溶融混練してホットメルト粘着剤組成物を得た。ニーダー温度を90℃に下げラズベリーケトンを15部、月見草油15部を添加して2分間混錬した。得られたホットメルト接着剤組成物をポリエチレンテレフタレート離型フィルムの間にはさみ90℃に加熱したホットプレスを用いて加圧し厚さ0.2mmの皮膚用貼付剤を得た。
【0027】比較例6
実施例4におけるスチレン/水添イソプレントリブロック共重合体(スチレン含有量30%)100部の代わりにスチレン/イソプレントリブロック共重合体(スチレン含有量30%)100部を用いた以外は実施例4と同様にして皮膚用貼付剤を得た。
【0028】〔評価〕
上記実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた皮膚用粘着シートを40℃、75%の加湿条件下で2週間保存した後、下記評価を行い、その結果を表1、2,3に示す。
【0029】(官能評価)
作成した直後の試料の性状を観察した。その後3人のボランテイアの上腕に貼付し、皮膚への接着性、2時間後剥離時の痛みの有無を評価した。その結果を第1表に示す。
上記結果より、比較例2,3,4の試料は化粧品用途製品としての貼付性の問題が大きく、また比較例5の試料は臭気が強く比較例6の試料は着色が強く、化粧品用途として不適と考え以後の試験に供しなかった。
【0030】(接着力試験)
ベークライト板に、幅25mmに切断した帯状の各貼付剤サンプルを貼付し、荷重300gのローラーを1往復させて密着させた後、180度方向に300mm/分の速度で剥離し、その際の剥離力を測定した。結果を第2表に示す。
【0031】(再剥離試験)
新聞紙に幅25mmに切断した帯状の各テープサンプルを貼付し、荷重300gのローラーを1往復させて密着させた後、180度方向に300mm/分の速度で剥離し、その際の粘着剤による紙毟りの有無および粘着剤層の凝集破壊の有無を確認した。紙毟り試験は皮膚貼付時の角質剥離を評価するための代用試験として行った。結果を第2表に示す。
【0032】(皮膚刺激性試験)
直径2.0cmの円形に打ち抜いたサンプルをボランティア3名の上腕内部に貼り付け24時間経過後に剥離し、直後の皮膚刺激性強度を下記の採点基準によって求め平均値を算出した。結果を第2表に示す。
評価基準;
0:皮膚刺激なし、1:わずかに皮膚刺激有り、2:若干の皮膚刺激有り
3:皮膚刺激有り、4:強い皮膚刺激有り
比較例1は凝集破壊が激しく接着力測定不能。以後の試験を行わなかった。
【0033】
【比較例7】
市販のビタミンEアセテート(0.2%)入りのゲル軟膏を購入し試料とした。
【0034】
【比較例8】
市販のビタミンEアセテート(0.2%)入りのパップ剤タイプの化粧品を購入し試料とした。
【0035】
【比較例9】
日本薬局方親水軟膏基剤100gにビタミンCパルミテートを0.5g加えてよく混和均一化し試料とした。
【0036】
【比較例10】
日本薬局方親水軟膏基剤100gにラズベリーケトンを0.5g加えてよく混和均一化し試料とした。
【0037】(In vivo経皮吸収試験)
ラット背部を剃毛して試料を貼付した。実施例の貼付剤は直径2.0cmに切り出したパッチを試料とした。比較例のパップは実施例と同様に切り出したパッチを試料とした。軟膏、クリームは厚さ約100ミクロン直径2.0cmの円上の皮膚に塗った。7時間後に試料を剥がし適用部の皮膚を摘出した。摘出した皮膚を細かく刻みホモジナイズ溶液を調製し酢酸エチルを加えて生理活性物質を酢酸エチルに抽出した。生理活性物質の酢酸エチル中の濃度を高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて測定し経皮吸収量に換算した。
【0038】(In vitro経皮吸収試験)
Franz型拡散セルを用いた、拡散断面積は3.14cm2であった。透過膜としてはウイスター系雄性ラット腹部皮膚を剃毛して用いた。レセプター溶液にはエタノールを用いた。ラット皮膚の角質側にサンプルを貼付し、その後一定時間ごとに100ulのレセプター溶液を採取しラット皮膚を拡散しレセプターに移行する生理活性物質の濃度を高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて測定した。
【0039】(ビタミンEアセテートのIn vivo経皮吸収性評価試験)
実施例1、比較例7、比較例8、の各試料をラット剃毛皮膚に貼付あるいは塗って7時間後のビタミンEアセテートの経皮吸収量を経皮吸収性を評価した。得られた結果は図1に示す。市販品(比較例7、比較例8)からの経皮吸収性は極めて少なかった。
【0040】(ビタミンCパルミテートのIn vivo経皮吸収性評価試験)
実施例3、比較例9、の各試料をラット剃毛皮膚角質側に貼付あるいは塗って7時間後のビタミンCパルミテートの経皮吸収量を評価した。得られた結果は図2に示す。軟膏基剤からの経皮吸収は全く観察されなかった。
【0041】(ラズベリーケトンのIn vitro経皮吸収性評価試験)
実施例4、比較例10、の各試料をラット剃毛皮膚角質側に貼付あるいは塗って、1、3、5、7、24時間後のレセプター中のラズベリーケトン濃度を測定して経皮吸収性を評価した。得られた結果は図3に示す。軟膏基剤からの経皮吸収に比べ本発明品からの経皮吸収量は非常に大きかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビタミンEアセテートの経皮吸収性評価を、実施例1、比較例7、比較例8、の試料に関して行った結果のグラフ。
【図2】ビタミンCパルミテートの経皮吸収性評価を、実施例3、比較例9、の試料に関して行った結果のグラフ。
【図3】ラズベリーケトンの経皮吸収性評価を、実施例4、比較例10、の試料に関して行った結果のグラフ。[0001]
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a base material having excellent skin adhesiveness, low skin irritation, and high solubility of valuable substances in a high concentration. The present invention relates to a skin patch having a high effect of improving troubles and skin diseases.
[0002]
2. Description of the Related Art Bases such as ointments, creams and lotions, and hydrogel sheets have been used to improve skin problems such as acne, spots, dryness, wrinkles, and rough skin. Ointments, creams, lotions, and the like are not only sticky and adhere to clothes and stain, but also the amount that can be applied is limited, and it has been necessary to apply them many times a day. In view of the above, application-type cosmetics have recently attracted attention, and various application-type cosmetic patches have been manufactured and sold. The current main base in the patch dosage form is a hydrogel base obtained by crosslinking an aqueous solution of polyacrylic acid and polyacrylate. In patch-type cosmetics using a hydrogel base, the lipophilic skin valuables cannot be dissolved in a high concentration because the dosage form is extremely hydrophilic, so that the transdermal absorbability of the lipophilic skin valuables is low, and In the case of sticking for a long time, there is a drawback that the adhesive strength is reduced due to evaporation of water and peeled off.
[0003]
As a base used for a pharmaceutical patch, a composition obtained by adding a tackifying resin and an oil to a (hydrogenated) styrene-isoprene-styrene block copolymer is known, and is used as a base for many pharmaceutical patches. Has been put to practical use. JP-A-6-24969, JP-A-7-330609, JP-A-2000-178186, JP-A-2001-97852, and JP-A-2001-302502 disclose a styrene-isoprene-styrene block copolymer, a tackifying resin and other additives. There is disclosed a percutaneous absorption preparation in which various drugs are added to a composition base. JP-A-7-331223, JP-A-8-3032, and JP-A-2001-106628 disclose transdermal absorption of a block copolymer, a tackifier, a polyolefin resin, and the like as a saturated hydrocarbon by hydrogenating butadiene or isoprene. A pharmaceutical composition base is disclosed.
[0004]
However, these bases are mainly intended for pharmaceutical use (hydrogenated), and are characterized by a composition obtained by adding a tackifier resin (or polyolefin) to a styrene-isoprene-styrene block copolymer, and A cosmetic base that assumes that the patch does not come off, that is, it adheres to the skin because of its emphasis on its adhesiveness to the skin. It was unsuitable as an agent.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and it has been found that an adhesive skin for cosmetics that can effectively penetrate a physiologically active ingredient into the skin, has low irritation, can be applied for a long time, and does not irritate the skin when peeled off. The purpose of the present invention is to provide a patch for medical use.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies, the present inventor has formulated a physiologically active skin component based on a composition obtained by adding a large amount of liquid paraffin and squalane as a plasticizing component to a block copolymer composed of hydrogenated isoprene and styrene. The present inventors have found that a patch formed by a hot-melt method is a low-irritant and highly adhesive skin patch having a high permeability of skin physiologically active substances to the skin, and completed the present invention.
[0007]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the base composition of the present invention, a block copolymer composed of styrene and hydrogenated isoprene is used. Block copolymers consisting of non-hydrogenated conjugated dienes and vinyl aromatic hydrocarbons have been widely used as bases for pharmaceutical tapes. However, this base tends to cause coloring of the final product because the double bond in the polymer participates at a high temperature during hot melt molding and the degree of coloring is intense as compared with the hydrogenated conjugated diene-based block copolymer, To prevent this, a large amount of antioxidant must be added, which is not preferable for cosmetic patches.
[0008]
The content of styrene in the block copolymer is preferably in the range of 25 to 40% by weight. If the styrene content exceeds 40% by weight, the tack of the base composition decreases, and the melt viscosity also increases. Conversely, if the styrene content is less than 25% by weight, the holding power and creep properties of the adhesive will be insufficient.
[0009]
In the present invention, liquid paraffin and squalane are added to such a block copolymer composed of hydrogenated isoprene and styrene as a plasticizing component to impart processability, solubility of a physiologically active substance, and skin adhesion. . The amount of the plasticizing component is preferably in the range of 50 to 250 parts by weight based on 100 parts by weight of the block copolymer. If the amount of the plasticizing component is less than 50 parts by weight, the hand becomes hard and the adhesiveness deteriorates. If the amount is more than 250 parts by weight, the base material becomes too soft and the cohesive force becomes too low, which is not desirable. The weight percentage of squalane in the plasticizing component is between 30 and 50. Since squalane has a structure very similar to the sebum component, it improves the adhesiveness of the patch to the skin when administered to the skin. Squalane is a compound that has lost the double bond of squalene, which is a biological component. It has low skin irritation like squalene, has effects such as skin cell activation and skin moistening, and is particularly excellent for cosmetic patches. It has the property. In order to exhibit such properties of squalane, it is necessary to include 30% or more in the plasticizing component. Among squalanes derived from biological components, there are olive squalanes derived from olives and squalanes derived from sharks. Olive squalane is desirable for cosmetics applications because the latter contains stimulant pristane.
[0010]
JP-A-6-80856 discloses a thermoplastic composition comprising a hydrogenated styrene-isoprene-styrene block copolymer and squalane. However, a composition consisting only of a block copolymer and squalane has a poorer thermal stability than liquid paraffin, so that thermal decomposition due to squalane occurs during the process of heating and melting the base composition for hot melt molding. It is not preferable because it tends to be. The range in which there is no practical problem regarding decomposition during heating is when the proportion of squalane in the plasticizing component is 60% or less. The reason that squalane has poor thermal stability while being the same hydrocarbon as liquid paraffin is that liquid paraffin is almost a straight-chain hydrocarbon, whereas squalane is a branched hydrocarbon having six methyl groups in one molecule. It seems to be due to. It is a well-known fact that the presence or absence of a branched hydrocarbon is a major factor in thermal stability in polyolefins.
[0011]
The cosmetic patch of the present invention is different from a conventional patch containing a conjugated diene and a vinyl aromatic hydrocarbon in which a tackifying resin and oil are added to a conventional patch. It is characterized by not containing a tackifying resin and containing liquid paraffin and squalane as plasticizing components.
[0012]
The sheet-like patch of the present invention can be produced by various methods (for example, dissolving all the raw materials in a solvent, coating the substrate and then drying), and the simplest and simplest method is a hot melt production method. For example, a base composition, skin valuables, etc. are simultaneously or sequentially put into a mixer (kneader) in order of low melt viscosity, and then melt-mixed at a temperature of 100 to 200 ° C. and uniformly mixed. Can be produced by hot-melt coating at 90 to 150 ° C. In smaller-scale production, the above-mentioned mixed melt can be produced by a hot press.
[0013]
The amount of the skin valuable substance in the present invention is 0.005-150 parts by weight, preferably 0.01-100 parts by weight, per 100 parts by weight of the triblock copolymer of the present invention. When the amount of skin valuable substances is 0.005 parts by weight or less, functions such as skin cell activation, skin moisturization, and bactericidal action as a cosmetic sheet cannot be sufficiently exhibited. On the other hand, when the amount is more than 150 parts by weight, the cosmetic sheet cannot have sufficient skin sticking property, and is inconvenient to use.
[0014]
As a specific example of the skin valuable substance, it is necessary that the base material of the present invention is a lipophilic substance because it has lipophilicity and has particularly good affinity for the lipophilic substance. For example, the following skin valuables can be exemplified. Whitening ingredients such as vitamin C derivatives such as ascorbyl palmitate, kojic acid, ellagic acid, lucinol, tranexamic acid, and oil-soluble licorice extract. Anti-wrinkle components such as retinol, retinoic acid, retinol acetate, retinol palmitate, and other retinoids. Diet ingredients such as raspberry ketone, capsaicin, nonylate vanillylamide, evening primrose oil, etc. Vitamin A oil, liver oil, dehydroretinol, vitamin D, vitamin D 2 (ergocalciferol), vitamin D 3 (cholecalciferol), vitamin E (tocopherol), dl-α-tocopherol acetate, dl-α-tocopherol, butyric acid Vitamins such as tocopherol, tocopherol nicotinate, benzyl nicotinate, natural vitamin E, vitamin K, vitamin U, and the like.
[0015]
The cosmetic patch of the present invention contains a surfactant, a preservative, an antioxidant, an astringent, a pigment, a dye, a fragrance, an ultraviolet absorber, and the like to such an extent that the effects of the present invention are not impaired. be able to.
[0016]
【The invention's effect】
The sheet-shaped patch of the present invention is a skin-friendly slightly adhesive sheet containing a physiologically active substance, realizes low irritation due to low adhesiveness, and effectively penetrates the physiologically active ingredient into the skin to prevent skin troubles and skin diseases. It has a high improvement effect and can be industrially easily produced by a hot melt method.
[0017]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples. However, these Examples are preferable specific examples, and do not limit the scope of the present invention. The percentages and parts in the examples are on a weight basis unless otherwise specified.
Embodiment 1
A mixture consisting of 100 parts of styrene / hydrogenated isoprene, triblock copolymer (styrene content 30%), 100 parts of liquid paraffin, 100 parts of olive squalane, and 30 parts of vitamin E acetate is charged into a kneader, and the mixture is heated to 110 ° C. To obtain a hot melt pressure-sensitive adhesive composition. The resulting hot-melt pressure-sensitive adhesive composition was sandwiched between polyethylene terephthalate release films and pressed using a hot press heated to 90 ° C. to obtain a 0.2 mm-thick skin patch.
Embodiment 2
100 parts of styrene / hydrogenated isoprene, triblock copolymer (styrene content 30%), 100 parts of liquid paraffin, and 50 parts of squalane are charged into a kneader and melt-kneaded at 110 ° C. to obtain a hot melt adhesive composition. Was. The kneader temperature was lowered to 90 ° C., and 5 parts of vitamin A palmitate was added and kneaded for 2 minutes. The resulting hot-melt pressure-sensitive adhesive composition was sandwiched between polyethylene terephthalate release films and pressed using a hot press heated to 90 ° C. to obtain a sheet having a thickness of 0.2 mm.
Comparative Example 1
A skin patch was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of liquid paraffin added was 150 parts and the amount of olive squalane was 150 parts.
Comparative Example 2
A skin patch was obtained in the same manner as in Example 2 except that the addition amount of liquid paraffin was 20 parts and the addition amount of squalane was 20 parts.
Comparative Example 3
A skin patch was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of liquid paraffin added was 30 parts, the amount of olive squalane was 15 parts, and 150 parts of hydrogenated rosin was added as a tackifying resin.
Comparative Example 4
A skin patch was obtained in the same manner as in Example 2, except that 30 parts of mineral oil (Shellflex 371) was added instead of liquid paraffin and squalane, and 130 parts of a phenol terpene resin was further added as a tackifying resin. .
Comparative Example 5
A skin patch was obtained in the same manner as in Example 2 except that 200 parts of squalane was added instead of 100 parts of liquid paraffin and 100 parts of squalane.
Embodiment 3
100 parts of a styrene / hydrogenated isoprene triblock copolymer (styrene content: 30%), 70 parts of liquid paraffin, and 80 parts of squalane are charged into a kneader and melt-kneaded at 110 ° C. to obtain a hot melt pressure-sensitive adhesive composition. Obtained. The kneader temperature was lowered to 90 ° C., 20 parts of ascorbic acid palmitate and 0.2 part of oil-soluble licorice extract were added and kneaded for 2 minutes. The resulting hot melt adhesive composition was sandwiched between polyethylene terephthalate release films and pressed using a hot press heated to 90 ° C to obtain a 0.2 mm thick skin patch.
Embodiment 4
100 parts of styrene / hydrogenated isoprene triblock copolymer (styrene content 30%), 70 parts of liquid paraffin, and 100 parts of squalane are charged into a kneader and melt-kneaded at 110 ° C. to obtain a hot melt pressure-sensitive adhesive composition. Obtained. The kneader temperature was lowered to 90 ° C., 15 parts of raspberry ketone and 15 parts of evening primrose oil were added and kneaded for 2 minutes. The resulting hot melt adhesive composition was sandwiched between polyethylene terephthalate release films and pressed using a hot press heated to 90 ° C to obtain a 0.2 mm thick skin patch.
Comparative Example 6
Example 4 Except that 100 parts of styrene / isoprene triblock copolymer (styrene content 30%) was used instead of 100 parts of styrene / hydrogenated isoprene triblock copolymer (styrene content 30%) in Example 4. In the same manner as in Example 4, a skin patch was obtained.
[Evaluation]
After storing the pressure-sensitive adhesive sheets for skin obtained in Examples 1 to 4 and Comparative Examples 1 to 5 under humidified conditions of 40 ° C. and 75% for 2 weeks, the following evaluation was performed. 3 is shown.
(Sensory evaluation)
The properties of the sample immediately after preparation were observed. Thereafter, three volunteers were attached to the upper arms, and the adhesiveness to the skin and the presence or absence of pain at the time of peeling after 2 hours were evaluated. Table 1 shows the results.
From the above results, the samples of Comparative Examples 2, 3, and 4 have a large problem of sticking property as a product for cosmetic use, and the sample of Comparative Example 5 has a strong odor and the sample of Comparative Example 6 has strong coloring, which is not suitable for cosmetic use. It was not used for subsequent tests.
(Adhesion test)
Each patch sample cut in a 25 mm width was stuck to a bakelite plate, and a roller with a load of 300 g was reciprocated once to make close contact, and then peeled in a 180 degree direction at a speed of 300 mm / min. The force was measured. The results are shown in Table 2.
(Repeeling test)
The tape-shaped tape samples cut to a width of 25 mm were attached to newspaper paper, and a roller having a load of 300 g was reciprocated once to make close contact, and then peeled at a speed of 300 mm / min in a 180-degree direction. The presence or absence of tearing and the presence or absence of cohesive failure of the pressure-sensitive adhesive layer were confirmed. The paper tearing test was performed as a substitute test for evaluating exfoliation at the time of applying the skin. The results are shown in Table 2.
(Skin irritation test)
A sample of 2.0 cm in diameter was punched out into a circular shape and applied to the inside of the upper arm of three volunteers, peeled off after 24 hours, and the skin irritation intensity immediately after was determined according to the following scoring criteria and the average value was calculated. The results are shown in Table 2.
Evaluation criteria;
0: no skin irritation, 1: slight skin irritation, 2: slight skin irritation 3: skin irritation 4: strong skin irritation
In Comparative Example 1, cohesive failure was so severe that measurement of adhesive strength was impossible. No further testing was performed.
[0033]
[Comparative Example 7]
A commercially available gel ointment containing vitamin E acetate (0.2%) was purchased and used as a sample.
[0034]
[Comparative Example 8]
A commercially available cataplasm type cosmetic containing vitamin E acetate (0.2%) was purchased and used as a sample.
[0035]
[Comparative Example 9]
0.5 g of vitamin C palmitate was added to 100 g of the hydrophilic ointment base of the Japanese Pharmacopoeia, mixed well and homogenized to obtain a sample.
[0036]
[Comparative Example 10]
Raspberry ketone (0.5 g) was added to 100 g of Japanese Pharmacopoeia hydrophilic ointment base, and the mixture was thoroughly mixed and homogenized to prepare a sample.
(In vivo transdermal absorption test)
The back of the rat was shaved and the sample was applied. The patch in the example was a patch cut out to 2.0 cm in diameter as a sample. A patch cut out in the same manner as in the example was used as a sample for the patch of the comparative example. The ointment and cream were applied to the skin on a circle having a thickness of about 100 microns and a diameter of 2.0 cm. After 7 hours, the sample was peeled off, and the skin at the application portion was extracted. The excised skin was finely chopped to prepare a homogenizing solution, and ethyl acetate was added to extract a physiologically active substance into ethyl acetate. The concentration of the physiologically active substance in ethyl acetate was measured using a high performance liquid chromatograph (HPLC), and was converted into a transdermal absorption amount.
(In vitro transdermal absorption test)
The diffusion cross section using a Franz type diffusion cell was 3.14 cm 2 . The abdominal skin of male Wistar rats was shaved and used as the permeable membrane. Ethanol was used for the receptor solution. A sample was attached to the horny side of the rat skin, and thereafter, 100 ul of the receptor solution was sampled at regular intervals, and the concentration of a physiologically active substance that diffuses into the rat skin and migrates to the receptor was measured using a high-performance liquid chromatograph (HPLC). .
(In vivo percutaneous absorption evaluation test of vitamin E acetate)
Each sample of Example 1, Comparative Example 7, and Comparative Example 8 was applied or applied to shaved skin of rats, and the transdermal absorption of vitamin E acetate was evaluated 7 hours after transdermal absorption. The results obtained are shown in FIG. Percutaneous absorbability from commercial products (Comparative Examples 7 and 8) was extremely low.
(In vivo percutaneous absorption evaluation test of vitamin C palmitate)
Transdermal absorption of vitamin C palmitate was evaluated 7 hours after each sample of Example 3 and Comparative Example 9 was affixed or applied to the shaved skin of rat shaved skin. The results obtained are shown in FIG. No transdermal absorption from the ointment base was observed.
(In Vitro Transdermal Absorption Evaluation Test of Raspberry Ketone)
Each sample of Example 4 and Comparative Example 10 was applied or applied to the horny side of the shaved skin of the rat, and the raspberry ketone concentration in the receptor after 1, 3, 5, 7, and 24 hours was measured to determine the transdermal absorbability. evaluated. The results obtained are shown in FIG. The percutaneous absorption from the product of the present invention was much larger than that from the ointment base.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the results of evaluation of the transdermal absorbability of vitamin E acetate for the samples of Example 1, Comparative Example 7, and Comparative Example 8.
FIG. 2 is a graph showing the results of evaluation of the transdermal absorbability of vitamin C palmitate on the samples of Example 3 and Comparative Example 9.
FIG. 3 is a graph showing the results of evaluation of the transdermal absorbability of raspberry ketone for the samples of Example 4 and Comparative Example 10.