【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低抵抗で信頼性に優れる電解コンデンサ用セパレーターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリピロールやポリチオフェンなどの導電性を有する機能性高分子を電解質として用いる電解コンデンサにおいては、機能性高分子の重合溶液をセパレーターに含浸させ、重合させる。従来の紙タイプのセパレーターでは、機能性高分子の重合を阻害する問題があり、他の素材からなるセパレーターが要望されている。そこで、湿式法により作製されたポリエステル樹脂又はその誘導体を含有する不織布が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、主体繊維にポリアミド繊維を含有させたセパレーターも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
しかしながら、上記したセパレーターを構成する繊維の繊維径が太い場合には、セパレーターの目が粗く、不均一になりやすく、重合で得られる機能性高分子の膜も不均一になり、特性のばらつきや歩留まり低下が生じてしまう。また、セパレーターの目が粗いと、特にセパレーターの巾が数mm程度と細い場合には、機能性高分子膜を補強する繊維本数が極端に少ない部分ができてしまい、電解コンデンサの組立時や衝撃によって機能性高分子膜が破れやすく、内部短絡による漏れ電流の増大、容量減少などが起こる問題がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−246270号公報
【特許文献2】
特開2002−198263号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術に見られる上記問題点を解決するものである。即ち、本発明の目的は、均一性が高く、低抵抗で信頼性に優れる電解コンデンサ用セパレーターを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決するため鋭意検討した結果、極細繊維について鋭意検討した結果、均一性が高く、低抵抗で信頼性に優れる電解コンデンサ用セパレーターを実現できることを見出し、本発明に至ったものである。
【0007】
すなわち、本発明は、電解質として、導電性を有する機能性高分子を含浸、重合させる電解コンデンサ用セパレーターであって、該セパレーターが、分割型複合繊維から得られる極細繊維を含有する湿式不織布からなることを特徴とする電解コンデンサ用セパレーターである。
【0008】
本発明においては、極細繊維が、芳香族ジカルボン酸成分を60モル%以上含むジカルボン酸成分と、炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンを60モル%以上含むジアミン成分とから合成される芳香族ポリアミドであることが好ましい。
【0009】
本発明においては、極細繊維の断面扁平度が、2.0未満であることをが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電解コンデンサ用セパレーターについて詳細に説明する。
【0011】
本発明における電解コンデンサは、電解質として、導電性を有する機能性高分子を用いる電解コンデンサを指す。導電性を有する機能性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、これらの誘導体が挙げられる。本発明の電解コンデンサは、機能性高分子と電解液とを併用したものでも良い。
【0012】
本発明における極細繊維は、分割型複合繊維を分割させることによって得られる繊維を指す。ここで、分割型複合繊維とは、2種類以上の樹脂やポリマーが長手方向に沿って接合された繊維であって、加熱処理などの化学的処理または強攪拌や水流交絡処理などの物理的処理によって分割することができる繊維を指す。分割型複合繊維の断面形状としては、並列多層型、放射型、中空放射型、モザイク型などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明における極細繊維の繊度は、0.5dtex以下で、0.1dtex以下がより好ましい。
【0013】
本発明における分割型複合繊維の一成分、すなわち極細繊維としては、芳香族ジカルボン酸成分を60モル%以上含むジカルボン酸成分と、炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンを60モル%以上含むジアミン成分とから合成される芳香族ポリアミドが好ましい。該芳香族ポリアミドは、電解液や重合用溶液との親和性が高いため、機能性高分子の均一な膜が得られて好ましい。以下、本発明における芳香族ポリアミドとは、特に断りのない限り、該芳香族ポリアミドを意味するが、本発明の電解コンデンサ用セパレーターは当然、その他の芳香族ポリアミドも含有して良い。
【0014】
芳香族ジカルボン酸としては、電解コンデンサ用セパレーターの耐熱性、耐電解液性の点でテレフタル酸が好ましく、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、フタル酸、4,4′−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を1種類のみならず2種類以上併用することができる。これら芳香族ジカルボン酸の含有量はジカルボン酸成分の60モル%以上であり、75モル%以上であることが好ましい。
【0015】
上記ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、2,2−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸を1種類以上用いることができる。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸を適宜含有させても良い。電解コンデンサ用セパレーターの強度、耐電解液性、耐熱性等の点でジカルボン酸成分が100%芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。
【0016】
一方、ジアミン成分の60モル%以上は、炭素数が6〜12のアルキレンジアミンで構成され、例えば、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の直鎖または側鎖を有する脂肪族ジアミンが挙げられる。これらの中でも、耐電解液性の点で1,9−ノナンジアミン、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの併用が好ましい。この脂肪族アルキレンジアミンの含有量はジアミン成分の60モル%以上であるが、75モル%以上、特に90モル%以上であることが耐熱性の点で好ましい。
【0017】
上記脂肪族アルキレンジアミン以外のジアミンとしては、エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン等の脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルジアミン、トリシクロデカンジメチルジアミン等の脂環式ジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、キシレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミン、あるいは、これらの混合物を挙げることができ、これらは1種類のみならず2種類以上併用することができる。
【0018】
脂肪族アルキレンジアミンとして、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとを併用する場合、ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、そのモル比は前者:後者=30:70〜99:1、特に前者:後者=40:60〜95:5であることが好ましい。
【0019】
また、本発明における芳香族ポリアミドは、その分子鎖における[CONH/CH2]の比が1/2〜1/8、特に1/3〜1/5であることが好ましい。この範囲の芳香族ポリアミドを使用することにより、耐電解液性および耐熱性に優れた電解コンデンサ用セパレーターが得られる。
【0020】
本発明における芳香族ポリアミドは、その分子鎖の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されていることが好ましく、末端の40%以上、さらには70%以上が封止されていることが好ましい。分子鎖の末端を封止することにより、得られる電解コンデンサ用セパレーターの強度、耐電解液性、耐熱性等が優れたものとなる。末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であればとくに限定されるものではないが、反応性、および封止末端の安定性などの点からモノカルボン酸、モノアミンが好ましい。取り扱い易さ、反応性、封止末端の安定性の点でモノカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリル酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸などが挙げられる。末端の封止率は1H−NMRにより、各末端に対応する特性シグナルの積分値より求めることができる。
【0021】
本発明で用いられる芳香族ポリアミドの製造方法は、特に限定されるものではなく、結晶性ポリアミドを製造する方法として公知の任意の方法を用いることができる。例えば、酸クロライドとジアミンとを原料とする溶液重合法あるいは界面重合法、ジカルボン酸またはジカルボン酸のアルキルエステルとジアミンとを原料とする溶液重合法、固相重合法などの方法により製造できる。
【0022】
本発明に用いられる分割型複合繊維において、芳香族ポリアミド以外のポリマー成分としては、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン6、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
本発明に用いられる極細繊維は、繊維の長径Dlと短径Dsとの比(Dl/Ds)で表される断面扁平度が2.0未満であることが好ましい。断面扁平度が2.0より大きいと、電解コンデンサ用セパレーターの空隙量が少なくなりすぎて、機能性高分子膜が、該セパレーターの内側まで均一に形成されにくくなり、電解コンデンサの内部抵抗が高くなりやすい。
【0024】
本発明に用いられる極細繊維の繊維長は1mm〜15mmが好ましく、3mm〜6mmがより好ましい。繊維長が1mm未満では、繊維が脱落しやすく、15mmより長いと、もつれあって電解コンデンサ用セパレーターの厚みむらが生じ、不均一になりやすい。
【0025】
本発明の電解コンデンサ用セパレーター中の、極細繊維の含有量としては、10%〜90%が好ましく、30%〜70%がより好ましい。含有量が10%未満では、電解コンデンサ用セパレーターが粗くなりやすく、電解コンデンサの特性ばらつきが大きくなったり、内部短絡不良率が高くなりやすい。含有量が90%より多くなると、電解コンデンサ用セパレーターの強度が不十分になりやすい。
【0026】
本発明の電解コンデンサ用セパレーターは、フィブリル化セルロースを含有しても良い。フィブリル化セルロースとは、リンターをはじめとする各種パルプ、リント、溶剤紡糸セルロースなどを原料とし、例えば高圧ホモジナイザー、リファイナー、ビーター、摩砕装置などを用いてフィブリル化されれたもので、少なくとも一部が繊維径1μm以下になっており、平均繊維長が2mm以下、好ましくは1mm以下のものを指す。フィブリル化セルロースは、わずかな量でも電解コンデンサ用セパレーターの引張強度や突刺強度を向上させる点で優れている。
【0027】
本発明における電解コンデンサ用セパレーターは、1層でも良いし、多層で形成されたものでも良い。具体的には、長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機、傾斜型抄紙機、これらの中から同種あるいは異種の抄紙機を2つ以上組み合わせたコンビネーションマシンなどを用いて湿式抄紙し、1層あるいは多層に抄き合わせて製造される。多層の場合には、相対的に層毎に粗密の差を持たせても良い。本発明においては、抄紙機の抄紙ワイヤーには80メッシュ以上の目の細かいワイヤーを用いる。湿式抄紙の際に用いる水はイオン交換水が好ましく、分散助剤やその他添加薬品、剥離剤などは、非イオン性のものが好ましいが、電解コンデンサの特性に影響を及ぼさない程度であれば、イオン性のものを適量用いても良い。
【0028】
本発明における電解コンデンサ用セパレーターの坪量は、特に制限はないが、5〜50g/m2が好ましく、8〜20g/m2がさらに好ましく用いられる。
【0029】
本発明における電解コンデンサ用セパレーターの厚みは、特に制限はないが、電解コンデンサが小型化できること、収容できる電極面積を大きくでき容量を稼げる点から薄い方が好ましい。具体的には電解コンデンサ組立時に破断しない程度の強度を持ち、ピンホールが無く、高い均一性を備える厚みとして10〜200μmが好ましく用いられ、20〜100μm、さらには20〜60μmがより好ましく用いられる。10μm未満では、電解コンデンサの製造時の短絡不良率が増加するため好ましくない。一方、200μmより厚くなると、電解コンデンサに収納できる電極面積が減少するため電解コンデンサの容量が低いものになる。
【0030】
本発明の電解コンデンサ用セパレーターは、厚み調整、強度向上、不純物除去、耐熱寸法安定性付与などの目的に応じて、熱処理、カレンダー処理、熱圧処理などが施される。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限定されるものではない。
【0032】
<1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンをジアミン成分とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分とする芳香族ポリアミドの作製>
テレフタル酸19.5モル、1,9−ノナンジアミン10.0モル、2−メチル−1,8−オクタンジアミン10.0モル、安息香酸1.0モル、次亜リン酸ナトリウム水和物0.06モルおよび蒸留水2.2リットルを内容積20リットルのオートクレーブに添加し、窒素置換を行った。次いで、100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内温を210℃まで昇温した。このときオートクレーブは2.2MPaまで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後、230℃に昇温して2時間保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2MPaに保持しながら反応を続けた。次に、30分かけて圧力を1.0MPaまで下げ、さらに1時間反応を続けてプレポリマーを得た。このプレポリマーを100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。この粉砕物を230℃、10Pa下にて10時間固相重合することによりポリマーを得た。該ポリマーの末端封止率は90%であった。
【0033】
<分割型複合繊維1の作製>
<1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンをジアミン成分とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分とする芳香族ポリアミドの作製>で得られたポリマーとポリフェニレンスルフィド(PPS)を、2台の押出機で溶融押出しし、複合ノズルから質量比1:1の割合で吐出し、11分割の並列多層構造の分割型複合繊維を紡糸した。次いで、温度95℃の水浴中で延伸処理して、分割前の繊度3dtexの分割型複合繊維のトウを得た。このトウを繊維長3mmに切断し、分割型複合繊維1とした。分割後の極細繊維の断面扁平度は1.8であった。
【0034】
<分割型複合繊維2の作製>
<1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンをジアミン成分とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分とする芳香族ポリアミドの作製>で得られたポリマーとポリフェニレンスルフィド(PPS)を、2台の押出機で溶融押出しし、複合ノズルから質量比1:1の割合で吐出し、11分割の並列多層構造の分割型複合繊維を紡糸した。次いで、温度95℃の水浴中で延伸処理して、分割前の繊度1dtexの分割型複合繊維のトウを得た。このトウを繊維長3mmに切断し、分割型複合繊維2とした。分割後の極細繊維の断面扁平度は1.8であった。
【0035】
<芳香族ポリアミド繊維1の作製>
<1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンをジアミン成分とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分とする芳香族ポリアミドの作製>で得られたポリマーを押出機を用いて溶融押出しし、ノズルから吐出して巻き取り、繊度0.7dtexのトウを得た。このトウを繊維長5mmに切断し、芳香族ポリアミド繊維1とした。該繊維の断面扁平度は、1.1であった。
【0036】
<フィブリル化セルロース1の作製>
リンターを初期濃度5%になるように水に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて10回繰り返し叩解処理した後、高圧ホモジナイザーを用いて500kg/cm2の条件で20回繰り返し処理し、平均繊維長0.4mmで少なくとも一部が繊維径1μm以下にフィブリル化されたフィブリル化セルロース1を作製した。
【0037】
実施例1
分割型複合繊維1を40%、繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維を30%、芯部に融点255℃のポリエチレンテレフタレートを、鞘部に融点110℃の共重合ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートの共重合体)を配してなる芯鞘複合繊維(繊度1.1dtex、繊維長5mm)25%、フィブリル化セルロース1を5%の配合比で、パルパーを用いて非イオン性分散助剤とともにイオン交換水中に分散させた後、所定濃度に希釈し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量16g/m2、厚み50μmの湿式不織布を作製した。該不織布の両面を、200℃に加熱した直径1.2mのドラムロールに速度20m/minで接触させて熱処理し、電解コンデンサ用セパレーター1とした。
【0038】
実施例2
分割型複合繊維1を50%、繊度0.3dtex、繊維長3mmのアクリル繊維25%、実施例1で用いた芯鞘複合繊維20%、フィブリル化セルロース1を5%の配合比にした以外は、実施例1と同様にして湿式抄紙し、坪量16g/m2、厚み50μmの湿式不織布を作製した。該不織布の両面を、200℃に加熱した直径1.2mのドラムロールに速度20m/minで接触させて熱処理し、電解コンデンサ用セパレーター2とした。
【0039】
実施例3
分割型複合繊維2を30%、繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエステル繊維を40%、実施例1で用いた芯鞘複合繊維25%、フィブリル化セルロース1を5%の配合比で、パルパーを用いて非イオン性分散助剤とともにイオン交換水中に分散させた後、所定濃度に希釈し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量16g/m2、厚み50μmの湿式不織布を作製した。該不織布の両面を、200℃に加熱した直径1.2mのドラムロールに速度20m/minで接触させて熱処理し、電解コンデンサ用セパレーター3とした。
【0040】
実施例4
分割型複合繊維2を40%、繊度0.3dtex、繊維長3mmのアクリル繊維35%、実施例1で用いた芯鞘複合繊維20%、フィブリル化セルロース1を5%の配合比にした以外は、実施例1と同様にして湿式抄紙し、坪量16g/m2、厚み50μmの湿式不織布を作製した。該不織布の両面を、200℃に加熱した直径1.2mのドラムロールに速度20m/minで接触させて熱処理し、電解コンデンサ用セパレーター4とした。
【0041】
比較例1
分割型複合繊維1の代わりに芳香族ポリアミド繊維1を配合した以外は、実施例1と同様にして湿式抄紙し、坪量16g/m2、厚み50μmの湿式不織布を作製した。該不織布の両面を、200℃に加熱した直径1.2mのドラムロールに速度20m/minで接触させて熱処理し、電解コンデンサ用セパレーター5とした。
【0042】
比較例2
ナイロン66繊維(繊度1.7dtex、繊維長5mm)70%とポリビニルアルコール30%からなる坪量15g/m2、厚み40μmの湿式不織布を電解コンデンサ用セパレーター6とした。
【0043】
電解コンデンサ用セパレーター1〜6について、下記の試験方法により測定し、その結果を下記表1に示した。
【0044】
<電解コンデンサ1〜6の作製>
厚み50μm、エッチング孔径1〜5μmのアルミニウム箔を電極として用い、該電極の片面に陽極用コネクタをスポット溶接した後、90℃の温度に保たれたホウ酸素溶液に浸漬し、30Aの電流で15分間、アルミニウム箔面を酸化して、酸化アルミニウム誘電体層を形成した。これを陽極として用いた。同様に、アルミニウム箔電極の片面に陰極用コネクタをスポット溶接して、陰極として用いた。電解コンデンサ用セパレーター1〜6を陽極の誘電体層上に配置し、陰極と合わせて巻き取って電解コンデンサ素子を形成した。この素子を、3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸鉄とをイソプロパノールに溶解した重合用溶液に浸漬した後、100℃で60分間保持して化学重合させ、ポリエチレンジオキシチオフェンの固体電解質と一体化した電解コンデンサ素子を形成した。該素子を乾燥した後、ケースに収納し、開口部を封止して電解コンデンサ1〜6を作製した。
【0045】
<ESR>
電解コンデンサ1〜6のESR(等価直列抵抗)を、−40℃、1kHzの条件でLCZメーターを用いて測定し、その値を下記表1に示した。
【0046】
<平均漏れ電流>
電解コンデンサ1〜6に6.3Vの電圧を印加後の漏れ電流を測定し、電解コンデンサ1000個あたりの平均値を下記表1に示した。漏れ電流が大きいものは内部短絡の傾向にあることを意味する。
【0047】
<内部短絡不良率>
<平均漏れ電流>の測定において、その値が50μA以上を示したものを内部短絡不良と見なし、電解コンデンサ1000個あたりの発生割合を求め、内部短絡不良率(%)として下記表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
評価:
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4で作製した電解コンデンサ用セパレーターは、分割型複合繊維から得られる極細繊維を含有する湿式不織布からなるため、機能性高分子膜の形成が均一になり、低抵抗で漏れ電流が小さく、信頼性に優れていた。
【0050】
一方、比較例1、2で作製した電解コンデンサ用セパレーターは、分割型複合繊維から得られる極細繊維を含有しないため、機能性高分子膜の形成が不均一になり、抵抗がやや高く、漏れ電流が大きめで信頼性に劣っていた。
【0051】
【発明の効果】
以上、説明したごとく、本発明によれば、均一性が高く、低抵抗で信頼性に優れる電解コンデンサ用セパレーターが得られる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a separator for an electrolytic capacitor having low resistance and excellent reliability.
[0002]
[Prior art]
In an electrolytic capacitor using a functional polymer having conductivity such as polypyrrole or polythiophene as an electrolyte, a polymer solution of the functional polymer is impregnated in a separator and polymerized. Conventional paper-type separators have a problem of inhibiting the polymerization of a functional polymer, and separators made of other materials have been demanded. Therefore, a nonwoven fabric containing a polyester resin or a derivative thereof produced by a wet method has been proposed (for example, see Patent Document 1). Further, a separator in which a main fiber contains a polyamide fiber has also been proposed (for example, see Patent Document 2).
[0003]
However, when the fiber diameter of the fibers constituting the above separator is large, the separator is coarse, tends to be non-uniform, the functional polymer film obtained by polymerization is also non-uniform, and the characteristic variation and The yield will decrease. Also, if the separator is coarse, especially if the width of the separator is as thin as about several mm, there will be a part where the number of fibers for reinforcing the functional polymer membrane is extremely small. Therefore, there is a problem that the functional polymer film is easily broken, and an increase in leakage current and a decrease in capacity due to an internal short circuit occur.
[0004]
[Patent Document 1]
JP 2002-246270 A [Patent Document 2]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-198263
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the above-mentioned problems found in the prior art. That is, an object of the present invention is to provide a separator for an electrolytic capacitor having high uniformity, low resistance and excellent reliability.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to solve the above problems, and as a result of intensive studies on ultrafine fibers, have found that a highly uniform, low-resistance, highly reliable separator for electrolytic capacitors can be realized. It has been reached.
[0007]
That is, the present invention is a separator for an electrolytic capacitor to be impregnated and polymerized with a functional polymer having conductivity as an electrolyte, wherein the separator comprises a wet nonwoven fabric containing ultrafine fibers obtained from a splittable conjugate fiber. It is a separator for electrolytic capacitors characterized by the above-mentioned.
[0008]
In the present invention, the ultrafine fibers are composed of an aromatic dicarboxylic acid component containing at least 60 mol% of an aromatic dicarboxylic acid component and an aromatic compound synthesized from a diamine component containing at least 60 mol% of an aliphatic alkylenediamine having 6 to 12 carbon atoms. Preferably it is a polyamide.
[0009]
In the present invention, the cross-sectional flatness of the ultrafine fibers is preferably less than 2.0.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the separator for an electrolytic capacitor of the present invention will be described in detail.
[0011]
The electrolytic capacitor in the present invention refers to an electrolytic capacitor using a functional polymer having conductivity as an electrolyte. Examples of the functional polymer having conductivity include polypyrrole, polythiophene, polyaniline, polyacetylene, and derivatives thereof. The electrolytic capacitor of the present invention may be a combination of a functional polymer and an electrolytic solution.
[0012]
The ultrafine fiber in the present invention refers to a fiber obtained by dividing a splittable conjugate fiber. Here, the splittable conjugate fiber is a fiber in which two or more kinds of resins or polymers are joined along a longitudinal direction, and is a chemical treatment such as a heat treatment or a physical treatment such as a strong stirring or a hydroentanglement treatment. Refers to fibers that can be split by Examples of the sectional shape of the splittable conjugate fiber include, but are not limited to, a parallel multilayer type, a radial type, a hollow radial type, a mosaic type and the like. The fineness of the ultrafine fibers in the present invention is 0.5 dtex or less, more preferably 0.1 dtex or less.
[0013]
As one component of the splittable conjugate fiber in the present invention, that is, the ultrafine fiber, a dicarboxylic acid component containing an aromatic dicarboxylic acid component of 60 mol% or more and a diamine containing an aliphatic alkylenediamine having 6 to 12 carbon atoms of 60 mol% or more Aromatic polyamide synthesized from the components is preferred. Since the aromatic polyamide has a high affinity for an electrolytic solution and a solution for polymerization, a uniform film of a functional polymer is preferably obtained. Hereinafter, the aromatic polyamide in the present invention means the aromatic polyamide unless otherwise specified, but the separator for an electrolytic capacitor of the present invention may naturally contain other aromatic polyamides.
[0014]
As the aromatic dicarboxylic acid, terephthalic acid is preferable in terms of heat resistance and electrolytic solution resistance of the separator for electrolytic capacitors, and isophthalic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, 2,7-naphthalenedicarboxylic acid, 1,4- Naphthalenedicarboxylic acid, 1,4-phenylenedioxydiacetic acid, 1,3-phenylenedioxydiacetic acid, diphenic acid, phthalic acid, 4,4'-oxydibenzoic acid, diphenylmethane-4,4'-dicarboxylic acid, diphenyl One or more aromatic dicarboxylic acids such as sulfone-4,4'-dicarboxylic acid and 4,4'-biphenyldicarboxylic acid can be used in combination. The content of these aromatic dicarboxylic acids is at least 60 mol% of the dicarboxylic acid component, and preferably at least 75 mol%.
[0015]
Examples of dicarboxylic acids other than the above dicarboxylic acids include malonic acid, succinic acid, 2,2-diethylsuccinic acid, glutaric acid, 2,2-dimethylglutaric acid, adipic acid, 2-methyladipic acid, trimethyladipic acid, pimelic acid One or more kinds of aliphatic dicarboxylic acids such as azelaic acid, sebacic acid and suberic acid, and alicyclic dicarboxylic acids such as 1,3-cyclopentanedicarboxylic acid and 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid can be used. Further, a polycarboxylic acid such as trimellitic acid, trimesic acid and pyromellitic acid may be appropriately contained. The dicarboxylic acid component is preferably 100% aromatic dicarboxylic acid in view of the strength, electrolytic solution resistance, heat resistance and the like of the separator for electrolytic capacitors.
[0016]
On the other hand, 60 mol% or more of the diamine component is composed of an alkylenediamine having 6 to 12 carbon atoms, such as 1,6-hexanediamine, 1,8-octanediamine, 1,9-nonanediamine, 1,10-diamine. Decanediamine, 1,11-undecanediamine, 1,12-dodecanediamine, 2-methyl-1,5-pentanediamine, 3-methyl-1,5-pentanediamine, 2,2,4-trimethyl-1,6 Aliphatic having a linear or side chain such as -hexanediamine, 2,4,4-trimethyl-1,6-hexanediamine, 2-methyl-1,8-octanediamine, 5-methyl-1,9-nonanediamine Diamines are mentioned. Among these, 1,9-nonanediamine, and the combined use of 1,9-nonanediamine and 2-methyl-1,8-octanediamine are preferable from the viewpoint of resistance to an electrolytic solution. The content of the aliphatic alkylenediamine is at least 60 mol% of the diamine component, but is preferably at least 75 mol%, particularly preferably at least 90 mol%, from the viewpoint of heat resistance.
[0017]
Examples of the diamine other than the aliphatic alkylenediamine include aliphatic diamines such as ethylenediamine and 1,4-butanediamine, alicyclic diamines such as cyclohexanediamine, methylcyclohexanediamine, isophoronediamine, norbornanedimethyldiamine, and tricyclodecanedimethyldiamine. Aromatic diamines such as p-phenylenediamine, m-phenylenediamine, xylylenediamine, xylenediamine, 4,4'-diaminodiphenylmethane, 4,4'-diaminodiphenylsulfone, and 4,4'-diaminodiphenylether; or These mixtures may be mentioned, and these may be used alone or in combination of two or more.
[0018]
When 1,9-nonanediamine and 2-methyl-1,8-octanediamine are used in combination as the aliphatic alkylenediamine, 60 to 100 mol% of the diamine component is 1,9-nonanediamine and 2-methyl-1,8. -Octanediamine, and the molar ratio of the former: the latter = 30: 70-99: 1, preferably the former: the latter = 40: 60-95: 5.
[0019]
Also, the aromatic polyamide in the present invention preferably has a ratio of [CONH / CH 2] in the molecular chain 1 / 2-1 / 8, in particular 1 / 3-1 / 5. By using the aromatic polyamide in this range, a separator for electrolytic capacitors having excellent electrolytic solution resistance and heat resistance can be obtained.
[0020]
In the aromatic polyamide in the present invention, it is preferable that 10% or more of the terminal groups of the molecular chain are blocked by a terminal blocking agent, and that 40% or more, more preferably 70% or more of the terminals are blocked. Is preferred. By sealing the terminal of the molecular chain, the obtained separator for an electrolytic capacitor has excellent strength, electrolytic solution resistance, heat resistance and the like. The terminal blocking agent is not particularly limited as long as it is a monofunctional compound having a reactivity with an amino group or a carboxyl group at a polyamide terminal, but is not limited in terms of reactivity, and stability of the blocked terminal. And monocarboxylic acids and monoamines are preferred. Monocarboxylic acids are preferred in terms of ease of handling, reactivity, and stability of the sealed terminal. Examples of the monocarboxylic acid include acetic acid, propionic acid, butyric acid, valeric acid, caproic acid, caprylic acid, lauric acid, tridecylic acid, myristic acid, palmitic acid, stearic acid, benzoic acid, and the like. The terminal capping rate can be determined from the integrated value of the characteristic signal corresponding to each terminal by 1H-NMR.
[0021]
The method for producing the aromatic polyamide used in the present invention is not particularly limited, and any known method for producing a crystalline polyamide can be used. For example, it can be produced by a method such as a solution polymerization method using an acid chloride and a diamine as raw materials or an interfacial polymerization method, a solution polymerization method using a dicarboxylic acid or an alkyl ester of a dicarboxylic acid and a diamine as raw materials, and a solid phase polymerization method.
[0022]
In the splittable conjugate fiber used in the present invention, as the polymer component other than the aromatic polyamide, polyester, aromatic polyester, nylon 66, nylon 46, nylon 6, polypropylene, polyethylene, polyphenylene sulfide (PPS), polyether sulfone ( PES), polyetheretherketone (PEEK), ethylene-vinyl alcohol copolymer, and the like, but are not limited thereto.
[0023]
The ultrafine fiber used in the present invention preferably has a cross-sectional flatness represented by the ratio (Dl / Ds) of the major axis Dl and the minor axis Ds of the fiber to less than 2.0. When the cross-sectional flatness is larger than 2.0, the void amount of the separator for the electrolytic capacitor is too small, and the functional polymer film is difficult to be uniformly formed to the inside of the separator, and the internal resistance of the electrolytic capacitor is high. Prone.
[0024]
The fiber length of the ultrafine fibers used in the present invention is preferably 1 mm to 15 mm, more preferably 3 mm to 6 mm. If the fiber length is less than 1 mm, the fibers are liable to fall off. If the fiber length is more than 15 mm, the fibers are entangled and the thickness of the separator for an electrolytic capacitor is uneven, which tends to be uneven.
[0025]
The content of the ultrafine fibers in the separator for an electrolytic capacitor of the present invention is preferably 10% to 90%, more preferably 30% to 70%. When the content is less than 10%, the separator for the electrolytic capacitor tends to be coarse, the characteristic variation of the electrolytic capacitor becomes large, and the internal short-circuit failure rate tends to become high. If the content is more than 90%, the strength of the separator for an electrolytic capacitor tends to be insufficient.
[0026]
The separator for an electrolytic capacitor of the present invention may contain fibrillated cellulose. Fibrillated cellulose, various pulp including linters, lint, solvent-spun cellulose and the like as a raw material, for example, high-pressure homogenizer, refiner, beater, fibrillated using a milling device, at least a part of Has a fiber diameter of 1 μm or less and an average fiber length of 2 mm or less, preferably 1 mm or less. The fibrillated cellulose is excellent in improving the tensile strength and piercing strength of the separator for electrolytic capacitors even in a small amount.
[0027]
The separator for an electrolytic capacitor in the present invention may be a single layer or a multilayer. Specifically, wet papermaking is performed using a fourdrinier paper machine, a short net paper machine, a round paper machine, an inclined paper machine, or a combination machine combining two or more of the same or different kinds of paper machines. It is manufactured by combining one or more layers. In the case of a multilayer, a difference in density between layers may be relatively provided. In the present invention, a fine wire of 80 mesh or more is used as a papermaking wire of a paper machine. The water used in the wet papermaking is preferably ion-exchanged water, the dispersing aid and other added chemicals, the release agent and the like are preferably nonionic, but as long as they do not affect the characteristics of the electrolytic capacitor, An appropriate amount of an ionic substance may be used.
[0028]
The basis weight of the electrolytic capacitor separators of the present invention is not particularly limited but is preferably 5~50g / m 2, 8~20g / m 2 is more preferably used.
[0029]
The thickness of the separator for an electrolytic capacitor in the present invention is not particularly limited, but is preferably thinner from the viewpoint that the electrolytic capacitor can be reduced in size and the electrode area that can be accommodated can be increased to increase the capacity. Specifically, it has a strength that does not break at the time of assembling the electrolytic capacitor, has no pinhole, and preferably has a thickness with high uniformity of 10 to 200 μm, more preferably 20 to 100 μm, and more preferably 20 to 60 μm. . If the thickness is less than 10 μm, the short-circuit failure rate during the production of the electrolytic capacitor increases, which is not preferable. On the other hand, if the thickness is more than 200 μm, the electrode area that can be accommodated in the electrolytic capacitor decreases, so that the capacity of the electrolytic capacitor becomes low.
[0030]
The separator for an electrolytic capacitor of the present invention is subjected to a heat treatment, a calendering treatment, a hot-pressure treatment, and the like according to the purpose of adjusting the thickness, improving the strength, removing impurities, imparting heat-resistant dimensional stability, and the like.
[0031]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to examples, but the contents of the present invention are not limited to the examples.
[0032]
<Production of aromatic polyamide using 1,9-nonanediamine and 2-methyl-1,8-octanediamine as a diamine component and terephthalic acid as a dicarboxylic acid component>
Terephthalic acid 19.5 mol, 1,9-nonanediamine 10.0 mol, 2-methyl-1,8-octanediamine 10.0 mol, benzoic acid 1.0 mol, sodium hypophosphite hydrate 0.06 Mole and 2.2 liters of distilled water were added to an autoclave having an internal volume of 20 liters, and the atmosphere was replaced with nitrogen. Next, the mixture was stirred at 100 ° C. for 30 minutes, and the internal temperature was raised to 210 ° C. over 2 hours. At this time, the pressure in the autoclave was increased to 2.2 MPa. After continuing the reaction for 1 hour, the temperature was raised to 230 ° C. and maintained for 2 hours, and the reaction was continued while gradually removing water vapor and maintaining the pressure at 2.2 MPa. Next, the pressure was reduced to 1.0 MPa over 30 minutes, and the reaction was further continued for 1 hour to obtain a prepolymer. The prepolymer was dried at 100 ° C. under reduced pressure for 12 hours and pulverized to a size of 2 mm or less. This pulverized product was subjected to solid-phase polymerization at 230 ° C. under 10 Pa for 10 hours to obtain a polymer. The terminal blocking ratio of the polymer was 90%.
[0033]
<Preparation of splittable composite fiber 1>
Preparation of aromatic polyamide using 1,9-nonanediamine and 2-methyl-1,8-octanediamine as a diamine component and terephthalic acid as a dicarboxylic acid component> and polyphenylene sulfide (PPS) It was melt-extruded with a single extruder and discharged from the composite nozzle at a mass ratio of 1: 1 to spin an 11-part split multi-layer composite fiber having a parallel multilayer structure. Next, drawing was performed in a water bath at a temperature of 95 ° C. to obtain a tow of splittable conjugate fiber having a fineness of 3 dtex before splitting. This tow was cut into a fiber length of 3 mm to obtain a splittable composite fiber 1. The cross-sectional flatness of the ultrafine fibers after division was 1.8.
[0034]
<Preparation of splittable composite fiber 2>
Preparation of aromatic polyamide using 1,9-nonanediamine and 2-methyl-1,8-octanediamine as a diamine component and terephthalic acid as a dicarboxylic acid component> and polyphenylene sulfide (PPS) It was melt-extruded with a single extruder and discharged from the composite nozzle at a mass ratio of 1: 1 to spin an 11-part split multi-layer composite fiber having a parallel multilayer structure. Next, drawing was performed in a water bath at a temperature of 95 ° C. to obtain a tow of splittable conjugate fiber having a fineness of 1 dtex before splitting. This tow was cut into a fiber length of 3 mm to obtain a splittable composite fiber 2. The cross-sectional flatness of the ultrafine fibers after division was 1.8.
[0035]
<Preparation of aromatic polyamide fiber 1>
The polymer obtained in <Production of aromatic polyamide using 1,9-nonanediamine and 2-methyl-1,8-octanediamine as a diamine component and terephthalic acid as a dicarboxylic acid component> is melt-extruded using an extruder. Then, it was discharged from a nozzle and wound up to obtain a tow having a fineness of 0.7 dtex. This tow was cut into a fiber length of 5 mm to obtain an aromatic polyamide fiber 1. The cross-sectional flatness of the fiber was 1.1.
[0036]
<Preparation of fibrillated cellulose 1>
The linter was dispersed in water so as to have an initial concentration of 5%, beaten repeatedly 10 times using a double disc refiner, and then repeated 20 times using a high-pressure homogenizer at 500 kg / cm 2 to obtain an average fiber length. Fibrillated cellulose 1 having a fiber diameter of 0.4 mm and at least a part of which was fibrillated to a fiber diameter of 1 μm or less was produced.
[0037]
Example 1
The splittable conjugate fiber 1 is 40%, the fineness is 0.1 dtex, the polyethylene terephthalate fiber having a fiber length of 3 mm is 30%, the core is polyethylene terephthalate having a melting point of 255 ° C, and the sheath is a copolymer polyester having a melting point of 110 ° C (polyethylene terephthalate). Non-ionic dispersion using a pulper at a blending ratio of 25% of a core-sheath composite fiber (copolymer of polyethylene isophthalate) (fineness: 1.1 dtex, fiber length: 5 mm) and 5% of fibrillated cellulose 1 After dispersing in ion-exchanged water together with an auxiliary agent, the mixture was diluted to a predetermined concentration, and wet-laid using a cylinder paper machine to produce a wet nonwoven fabric having a basis weight of 16 g / m 2 and a thickness of 50 µm. Both surfaces of the non-woven fabric were brought into contact with a drum roll having a diameter of 1.2 m heated at 200 ° C. at a speed of 20 m / min and heat-treated to obtain a separator 1 for an electrolytic capacitor.
[0038]
Example 2
Except that the splittable composite fiber 1 was 50%, the fineness was 0.3 dtex, the fiber length was 3 mm, the acrylic fiber was 25%, the core-sheath composite fiber used in Example 1 was 20%, and the fibrillated cellulose 1 was 5%. In the same manner as in Example 1, wet papermaking was performed to produce a wet nonwoven fabric having a basis weight of 16 g / m 2 and a thickness of 50 μm. Both surfaces of the nonwoven fabric were brought into contact with a drum roll having a diameter of 1.2 m heated to 200 ° C. at a speed of 20 m / min, and heat-treated to obtain a separator 2 for an electrolytic capacitor.
[0039]
Example 3
The splitting type composite fiber 2 was 30%, the fineness was 0.1 dtex, the polyester fiber having a fiber length of 3 mm was 40%, the core-in-sheath composite fiber used in Example 1 was 25%, and the fibrillated cellulose 1 was mixed at 5%. After dispersing in ion-exchanged water together with a non-ionic dispersing aid using, the mixture is diluted to a predetermined concentration and wet-laid using a round paper machine to produce a wet nonwoven fabric having a basis weight of 16 g / m 2 and a thickness of 50 µm. did. Both surfaces of the non-woven fabric were brought into contact with a drum roll having a diameter of 1.2 m heated to 200 ° C. at a speed of 20 m / min and heat-treated to obtain a separator 3 for an electrolytic capacitor.
[0040]
Example 4
Except that the splittable composite fiber 2 was 40%, the fineness was 0.3 dtex, the fiber length was 3 mm, the acrylic fiber was 35%, the core-in-sheath composite fiber used in Example 1 was 20%, and the fibrillated cellulose 1 was 5%. In the same manner as in Example 1, wet papermaking was performed to produce a wet nonwoven fabric having a basis weight of 16 g / m 2 and a thickness of 50 μm. Both surfaces of the nonwoven fabric were brought into contact with a drum roll having a diameter of 1.2 m heated at 200 ° C. at a speed of 20 m / min and heat-treated to obtain a separator 4 for an electrolytic capacitor.
[0041]
Comparative Example 1
Wet papermaking was performed in the same manner as in Example 1 except that the aromatic polyamide fiber 1 was blended in place of the splittable conjugate fiber 1, to produce a wet nonwoven fabric having a basis weight of 16 g / m 2 and a thickness of 50 µm. Both surfaces of the non-woven fabric were brought into contact with a drum roll having a diameter of 1.2 m heated at 200 ° C. at a speed of 20 m / min and heat-treated to obtain a separator 5 for an electrolytic capacitor.
[0042]
Comparative Example 2
A wet nonwoven fabric having a basis weight of 15 g / m 2 and a thickness of 40 μm comprising 70% nylon 66 fiber (fineness: 1.7 dtex, fiber length: 5 mm) and 30% polyvinyl alcohol was used as the separator 6 for an electrolytic capacitor.
[0043]
The separators 1 to 6 for electrolytic capacitors were measured by the following test methods, and the results are shown in Table 1 below.
[0044]
<Preparation of electrolytic capacitors 1 to 6>
An aluminum foil having a thickness of 50 μm and an etching hole diameter of 1 to 5 μm was used as an electrode, and an anode connector was spot-welded to one surface of the electrode. Then, the electrode was immersed in a borate solution maintained at a temperature of 90 ° C. The aluminum foil surface was oxidized for a minute to form an aluminum oxide dielectric layer. This was used as the anode. Similarly, a cathode connector was spot-welded to one side of an aluminum foil electrode to be used as a cathode. Electrolytic capacitor separators 1 to 6 were arranged on the dielectric layer of the anode, and wound together with the cathode to form an electrolytic capacitor element. This element was immersed in a polymerization solution in which 3,4-ethylenedioxythiophene and iron p-toluenesulfonate were dissolved in isopropanol, and then kept at 100 ° C. for 60 minutes to chemically polymerize, thereby obtaining polyethylenedioxythiophene. An electrolytic capacitor element integrated with the solid electrolyte was formed. After the device was dried, it was housed in a case, and the openings were sealed to produce electrolytic capacitors 1 to 6.
[0045]
<ESR>
The ESR (equivalent series resistance) of the electrolytic capacitors 1 to 6 was measured using an LCZ meter under the conditions of −40 ° C. and 1 kHz, and the values are shown in Table 1 below.
[0046]
<Average leakage current>
The leakage current after applying a voltage of 6.3 V to the electrolytic capacitors 1 to 6 was measured, and the average value per 1000 electrolytic capacitors is shown in Table 1 below. A large leakage current means that there is a tendency for an internal short circuit.
[0047]
<Internal short-circuit failure rate>
In the measurement of <average leakage current>, a value indicating 50 μA or more was regarded as an internal short-circuit failure, the occurrence rate per 1000 electrolytic capacitors was determined, and the internal short-circuit failure rate (%) is shown in Table 1 below. .
[0048]
[Table 1]
[0049]
Rating:
As is clear from the results in Table 1, the separators for electrolytic capacitors produced in Examples 1 to 4 are made of a wet nonwoven fabric containing microfibers obtained from splittable conjugate fibers, so that formation of a functional polymer film is not possible. Uniform, low resistance, small leakage current, and excellent reliability.
[0050]
On the other hand, the separators for electrolytic capacitors produced in Comparative Examples 1 and 2 do not contain the ultrafine fibers obtained from the splittable conjugate fibers, so that the formation of the functional polymer film becomes non-uniform, the resistance is slightly higher, and the leakage current is increased. However, it was large and inferior in reliability.
[0051]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a separator for an electrolytic capacitor having high uniformity, low resistance, and excellent reliability can be obtained.