JP2004198880A - 現像装置、現像剤担持体、および磁気ブラシ帯電装置、帯電用磁性粒子担持体 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像装置の現像スリーブにおいて、トナーシール部分に対応する位置は表面の樹脂被覆層に強い力がかかるため摩耗し、トナーもれ、ブロッチ、カブリなどの不具合を発生しやすい。また磁気ブラシ帯電装置の表面の樹脂被覆層においても同様にシール部分が削れ易く、キャリアカブリ、注入帯電性の低下が発生する。これを防止することのできる部材を提供する。
【解決手段】現像剤担持体もしくは帯電用磁性粒子担持体の端部領域、特に磁気シール部分に対応する位置に高硬度で且つ表面凹凸形成可能な粒子を添加し耐摩耗性を向上させる。また中央部領域は現像又は帯電に適した材料構成とすることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】現像剤担持体もしくは帯電用磁性粒子担持体の端部領域、特に磁気シール部分に対応する位置に高硬度で且つ表面凹凸形成可能な粒子を添加し耐摩耗性を向上させる。また中央部領域は現像又は帯電に適した材料構成とすることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法において、電子写真感光体、或いは静電記録誘導体の如き潜像保持体上に形成された静電潜像を現像して顕像化する際に用いられる現像剤担持体、該現像剤担持体が用いられている現像装置に関する。
【0002】
さらに本発明は、電子写真法において、被帯電体を帯電処理(除電処理も含む)するために用いられる、磁気ブラシ帯電部材、帯電装置、帯電用磁性粒子担持体に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により静電潜像担持体(感光体)上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像を現像剤(トナー)で現像を行って可視像化し、必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力等により転写材上にトナー画像を定着して顕画像を得るものである。
【0004】
電子写真法における乾式現像方式は、主として一成分現像方式と二成分現像方式に分けられる。
【0005】
二成分現像方法は、トナーとキャリアを撹拌することにより、おのおのを摩擦帯電させ、この帯電したトナーを用いて静電潜像を可視像化する。この方法に属するものには、トナーを搬送するキャリアの種類により、鉄粉などの磁性を有する材料を用いる磁気ブラシ法、ビーズキャリアを用いるカスケード法、ファーを用いるファーブラシ法等と称されている。中でも一般的に用いられるのは磁気ブラシ法である。
【0006】
また、一成分現像方法に属するものには、トナー粒子を噴霧状態にして用いるパウダークラウド法、可撓性または弾性を有する現像剤担持体上のトナー粒子を直接的に静電潜像面に接触させて現像する接触現像法、トナー粒子を静電潜像面に直接接触させずトナー粒子を静電潜像と現像剤担持体間の電界の作用により潜像面に向けて飛翔させるジャンピング現像法、磁性の導電性トナーを静電潜像面に接触させて現像するマグネドライ法等があるが、接触現像法、ジャンピング現像法が一般的には用いられている。
【0007】
これらの現像方法に適用するトナーとしては、従来より、天然あるいは合成樹脂中に着色剤を分散させた微粉体が使用されている。例えば、スチレン−アクリル樹脂やポリエステル樹脂等の結着樹脂中に各種顔料、染料、カーボンブラック、酸化鉄等の着色粒子を分散させたものを、平均粒径が4〜15μm程度に微粒子化させたものがトナーとして用いられる。
【0008】
トナーは、現像される静電潜像の極性および現像プロセスに応じて、所定の正または負の電荷を有する必要がある。トナーに電荷を持たせる方法としては、トナーの結着樹脂の摩擦帯電性を利用する方法、トナーに添加する各種粒子に摩擦帯電性を持たせる方法が一般的であり、特に荷電制御剤と称される特定物質をトナー中に添加することが一般的である。これらのトナーは、通常、現像装置に用いられる各種部材と接触することにより摩擦電荷を生ずる。主な部材としては、二成分現像剤においてはキャリアであり、現像スリーブ等の影響も受け得る。また、一成分現像剤においては、主に現像スリーブや現像剤規制ブレードとの作用により摩擦電荷を生ずる。他にもそれぞれ、現像剤供給部材、撹拌部材、搬送部材、現像剤容器等も、摩擦帯電に関係し得る。
【0009】
一般的に現像プロセスにおいて、トナーに適正な電荷を持たせようとする場合、まず第一は、トナーが十分摩擦帯電可能な材料から構成されている、つまり、結着樹脂、添加剤、荷電制御剤として適切な材料が選択されているかどうかが挙げられる。しかしながら、トナー成分の大半を占める結着樹脂は、現像のみでなく定着工程において重要な役割を担わせられるため、摩擦帯電ばかりを重視した材料を選択しうるわけではない。近年、省エネルギーの観点から、より低温又は低消費電力で定着させる技術が要求されている。トナーにおいては、定着性を重視した結着樹脂は、帯電性に劣る場合が多い。例えば、低エネルギーでトナーを定着させるための材料選択として、結着樹脂のTg(ガラス転移点)や結着樹脂の分子量分布において低分子量成分を増やすという方法があるが、このような結着樹脂は通常、帯電性に劣ることが多い。またトナーには定着工程における耐オフセット性の向上のため、また樹脂の可塑効果を高めて定着性を向上させる等の目的で所謂ワックス類を添加する場合が多いが、これらのワックス類に関しても現像性に関しては悪い方向の特性を与えやすい。また、荷電制御剤をトナー中に添加し、摩擦帯電性を向上させるわけであるが、荷電制御剤の多くは染料や顔料であるので、トナー中に多量に添加すると、トナー製造工程においてトナー粒子から遊離したり、トナー表面に存在したりする荷電制御剤により、感光ドラム、帯電部材、現像スリーブ、規制ブレード等の部材を汚染しやすい。
【0010】
トナーに摩擦帯電電荷を持たせる手段の第二として、摩擦帯電付与部材に適切な材料を選択用いる。トナー材料と摩擦帯電付与部材材料の適切な組み合わせにより、トナーの摩擦帯電電荷のバランスをとる方法も数多く提案されている。
二成分現像剤としての摩擦帯電付与部材である磁気ブラシ用のキャリアとしては、かつては鉄粉がそのまま用いられていたが、近年、トナーの摩擦帯電量を調整するために、磁性材料としての鉄粉やフェライト等を用いたキャリア用芯材に対し、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等を主成分とするコート剤を表面に塗布して用いられることが多い。
【0011】
また、一成分現像剤においては、現像装置において、トナーが現像スリーブ−規制ブレード間を通過し、薄層化される際に現像スリーブおよび規制ブレードに接触することから、これらの部材がトナーの摩擦帯電に影響を与える。また一成分磁性トナーの場合、磁力の作用によりスリーブ上を移動しこの間、現像スリーブとの接触機会を持つことから現像スリーブ側にかかるウエイトが大きい。
【0012】
規制ブレードとしては、規制ブレードと現像スリーブ間に狭い間隙を有しトナーの搬送量を規制するタイプ、規制ブレードが現像スリーブに弾性的に接触して規制を行うタイプ等があり、一般的には、金属、ゴムなどの材料が用いられる。現像スリーブに弾性的に接触させる場合にはウレタンゴム、シリコンゴム等のゴムやリン青銅やステンレスの板材が用いられる。また、トナーとの摩擦帯電性を考慮して、例えばトナーに負帯電性を与える際には正帯電性のナイロン系のエラストマーをトナーと接触する表層に用いてトナーの電荷を持たせやすくするなどの方法がとられる。これらの摩擦帯電材料は、直接ブレード状に加工されたり、板材にチップとして貼り付けたり、樹脂コートするなりして用いられる。
【0013】
次に、現像スリーブ(現像剤担持体)について説明する。
【0014】
現像剤担持体を潜像担持体に直接接触させ現像を行う、いわゆる接触現像方法においては、一般的にはステンレス等の金属の主軸に、ウレタンゴム、EPDMゴム、シリコンゴム等の弾性体を円筒上に成形したものや、アルミニウムやステンレスの円筒部材の表面にエラストマーの層を形成したものが用いられる。これらの場合、いわゆるゴム中には、可塑剤、加硫剤、離型剤、低分子量成分等の不純物が含まれており、これが潜像担持体や現像剤層形成部材と接触した際に、ブリードしてこれらの部材および画像に悪影響を及ぼすことから、ゴム層の表面に、バリアー層、保護層などの層を設け上記悪影響を防止する。さらには、最表面に、離型性の良い材料やトナーに摩擦電荷を与えやすい樹脂で表面層を形成することも知られている。
【0015】
非接触型の現像に用いられる現像スリーブは、従来より、例えば金属、その合金またはその化合物を円柱又は円筒状に形成し、その表面を電解、メッキ、ブラスト、ヤスリがけ等で所定の表面粗さになるように処理したものが用いられる。一成分磁性現像剤を用いる場合には、円筒内に所定の磁力および磁極構成を有する磁石が配置される。二成分の磁気ブラシ現像装置においても同様の現像スリーブが用いられている。
【0016】
しかし、上記のような表面を有する現像スリーブを用いた場合、規制部材によって現像剤担持体表面に形成される現像剤層中の現像剤担持体表面近傍に存在する現像剤は非常に高い電荷を有することとなり、担持体表面に強烈に引きつけられてしまい、これにより後からくるトナーと担持体との摩擦機会が持てなくなるため、現像剤に好適な帯電が与えられなくなる、いわゆるチャージアップ現象を引き起こす。この様な状況では、十分な現像および転写は行われず、画像濃度が出ない、画像ムラのある、文字飛び散りの多い画像になってしまう。このような過剰な電荷を有する現像剤の発生や、現像剤の強固な付着を防止するため、摩擦帯電可能な樹脂中にカーボンブラック、グラファイトの如き導電性物質や固体潤滑剤を分散させた樹脂被覆層を上記現像剤担持体基体上に形成する方法が、特開平01−277265公報等に開示されている。
【0017】
現像スリーブは、トナーに適正な電荷を付与する機能以外に、現像スリーブ上に層形成されたトナー又は現像剤を安定的に且つ均一に現像領域へと搬送する役割も果たす。現像スリーブ上のトナー搬送量は、もちろん現像剤層形成部における規制の強さ、トナーとスリーブ間の帯電によるクーロン力、マグネットの磁力構成などの影響を受けるが、現像スリーブの表面形状による影響がかなり大きいことが従来より知られている。従って、現像スリーブ表面の形状が繰り返しの使用により変化してしまうと、現像剤の搬送量が変化してしまい現像性その他に様々な支障をきたすようになる。上記の様に、カーボンブラックやグラファイトを添加した樹脂コートスリーブにおいては、それほど耐久性の要求されない低容量のカートリッジでは十分な性能を得られるが、高耐久枚数が要求される場合には削れによる表面粗さ変化が問題となる。特開平03−200986には、現像スリーブ表面の凹凸を形成する材料として球状の微粒子を添加する提案がなされている。球状の粒子を添加する方法は、均一な表面形状を形成する手段としては良好な手段である。さらに、特開平08−240981には耐久性を向上させる、球状粒子を添加する技術として真密度が3以下の導電性球状粒子を添加した樹脂層を形成する技術が開示されている。
【0018】
これらに開示される表面樹脂被覆層を形成する技術は、現像スリーブ表面の樹脂被覆層が、現像装置やカートリッジが寿命となるまで保持され続けることはもちろん必要とされるが、それと同時に表面がごく僅かずつ削れていくことにより、トナーやトナーの外添剤が固着し続けることを防ぐという効果を有している。すなわち、例えば、結着樹脂とグラファイトからなる樹脂被覆層は、グラファイトにより樹脂層に導電性を与え、トナーがチャージアップすることを防止すると同時に、グラファイトの有する潤滑性によりトナー等の表面への付着を防止する。さらには、グラファイトが層状構造を有することで薄く削れることから、例え融着に近い状態になってもトナーとの接触や規制部材等による外力により極僅かに削れることでトナー融着を防いでいる。従って、樹脂被覆層は現像装置やカートリッジが寿命以上に樹脂層が保持されること、及び、表面がトナーに固着しない程度に削れ、本来の機能を発揮できる樹脂層表面を有することを考慮されて設計されている。従って、現像スリーブに加わる負荷が一定であれば、安定して樹脂被覆層の効果が得られる。しかしながら一般的に現像装置内での現像スリーブに対する負荷は一定にはならない。特に端部領域において負荷が大きくなる可能性が大きい。例えば、端部領域においてはトナーの循環性が悪くなることから現像スリーブに対する押圧力が大きくなる。また、端部領域にはトナーシール部材がありスリーブに押し当てられていることからそのシール部材端部におけるスリーブ表面樹脂層への負荷はさらに大きくなる。また更に、特開昭53−137834、特開平03−13975、特開平05−297697、特開平07−333989等には、現像剤担持体端部領域において、磁石または磁性部材を現像スリーブ内部および現像スリーブに接しない外部に配し、磁界の作用によって磁気ブラシを形成し現像剤の外部への漏出を防止する方法が記載されている。このような磁界の作用によるシールの場合、シール性は良好であるが、現像スリーブ表面へのトナーや現像剤による摺擦による負荷は大きく、スリーブを形成するアルミニウム管やその上に形成された導電性樹脂層の耐摩耗性が非常に問題となってくる。上記導電性樹脂被覆層は、キャリアとトナーを用いた二成分現像装置に用いることも有効であるが、特にこの場合には、キャリアによる現像スリーブへの負荷がシール部分においてより一層大きく、削れも一段と進行しやすい。従って、通常の導電性被覆層では大きな削れが生じてしまう。特開平07−56435には、このようなスリーブ表面の導電性樹脂層の削れを改善する提案として、現像スリーブ端部領域のカーボンブラックあるいはグラファイトの添加量を少なくし、漏れを防止する提案がなされているが、この方法であっても前記二成分現像剤を用いた場合には不十分である。
【0019】
端部のシール部分に樹脂層を設ける方法として、特開昭63−177170には、現像剤担持体(現像スリーブ)の端部領域をバイアス印加によりトナーと同極性に帯電させ、電界の作用でトナー粒子の侵入を防止し、またそこに樹脂層を形成する旨の提案がある。しかしながら、トナーには極性反転成分が必ずあるため、トナーの侵入を必ずしも防げるわけではなく、またシール部分の耐摩耗性は十分ではない。
【0020】
また同様に特開平03−131877には、端部領域の現像スリーブと接触する端部シール部材に対応する部分に端部シール部材もしくは現像剤との摺擦によりトナーと同極性に帯電する被覆を設ける旨の提案がある。ここにおいては、被覆と摺擦したトナーは反転極性となり、被覆と摺擦したシール部材はトナーと逆極性となるため、同様に不十分であり、また耐摩耗性も不十分である。
次に、帯電部材について説明する。
【0021】
被帯電体の帯電処理手段は「非接触系」と「接触系」の2系統に大別される。
【0022】
非接触系の代表例はコロナ帯電器である。これは該コロナ帯電器を被帯電体に非接触に対向させて配設し、高圧印加でコロナ帯電器にコロナ放電を生じさせ、該放電コロナに被帯電体面を曝すことで被帯電体面を帯電させるものである。接触系には、摩擦帯電や、ローラ体・ブラシ体などの帯電部材を被帯電体に接触させ電圧を印加して被帯電体を帯電する接触帯電装置などがある。
【0023】
従来、例えば、電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置においては、電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体の帯電処理手段としては非接触系であるコロナ帯電器が多用されていたが、近年は、エコロジーが注目されるにつれて、低オゾン・低電力等の利点を有することから、接触系の接触帯電装置が実用化されてきている。接触帯電部材としてはゴムローラ、固定ブラシ、ロール形状のファーブラシ、磁気ブラシなど、様々な部材がある。
【0024】
特に、接触帯電部材として導電ローラを用いたローラ帯電方式の装置が帯電の安定性という点から好ましく用いられている。ローラ帯電方式の接触帯電装置では、帯電部材として導電性の弾性ローラ(帯電ローラ)を被帯電体に加圧当接させ、これに電圧を印加することによって被帯電体を帯電処理する。具体的には、帯電は帯電部材から被帯電体への放電によって行われるため、ある閾値電圧以上の電圧を印加することによって帯電が開始される。
【0025】
例を示すと、被帯電体として、厚さ25μmのOPC感光体に対して帯電ローラを加圧当接させて帯電処理を行わせる場合には、帯電ローラに対して約640V以上の電圧を印加すれば感光体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。この閾値電圧を帯電開始電圧Vthと定義する。つまり、電子写真に必要とされる感光体表面電位Vd を得るためには帯電ローラにはVd +Vthという必要とされる以上のDC電圧が必要となる。このようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して被帯電体の帯電を行う接触帯電方式を「DC帯電方式」と称する。しかし、DC帯電方式においては環境変動等によって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また被帯電体としての感光体が削れることによって膜厚が変化すると帯電開始電圧Vthが変動するため、感光体の電位を所望の値にすることが難しかった。
【0026】
このため更なる帯電の均一化を図るために特開昭63−149669号公報等に開示されるように、所望のVd に相当するDC電圧に2×Vth以上のピーク間電圧を持つAC成分を重畳した振動電圧を接触帯電部材に印加して被帯電体の帯電を行う「AC帯電方式」が用いられる。これはACによる電位のならし効果を目的としたものであり、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央であるVdに収束し、環境等の外乱には影響されることはない。
【0027】
しかしながら、このような接触帯電部においても、その本質的な帯電機構は接触帯電部材から被帯電体への放電現象を用いているため、先に述べたように帯電に必要とされる電圧は被帯電体表面電位以上の値が必要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0028】
また、帯電均一化のためにAC帯電方式を用いた場合には、更なるオゾン量の発生、AC電圧の電界による帯電部材と被帯電体の振動騒音(AC帯電音)の発生、また放電による被帯電体表面の劣化等が顕著になり新たな問題点となっていた。
【0029】
ここで、ローラ帯電に限らず接触帯電部材に必要とされる特性において、抵抗値の低い帯電部材を使用した場合、被帯電体上にキズやピンホール等の低耐圧欠陥部があると、帯電部材からその低耐圧欠陥部に過大なリーク電流が流れ込み、低耐圧欠陥部周辺の被帯電体部分に帯電不良やピンホールの拡大、帯電部材の通電破壊が生じる。これを防止するためには、帯電部材の抵抗値を1×104Ω程度以上にする必要がある。一方、1×108Ω以上では、抵抗値が高過ぎて、帯電に必要な電流を流すことができない。従って、接触帯電部材の抵抗値は1×104〜1×108Ωの範囲でなければならない。
【0030】
また、接触式であって、被帯電体への電荷の直接注入による帯電を行わせる注入帯電方式が考案されている。この注入帯電方式は、帯電ローラ・帯電ファーブラシ・帯電磁気ブラシ等の接触帯電部材に所望のVdに相当するDC電圧のみを印加し被帯電体表面にあるトラップ準位に電荷を注入する、あるいは、導電粒子を分散した保護膜を有する被帯電体の導電粒子に電荷を充電する、といった方法で所望のVdを得るものである。特開平6−3927号公報には、表面に電荷注入層を設けた被帯電体(感光体)上のフロート電極に電荷を注入して接触帯電する方法を開示しており、電荷注入層として、感光体表面にアクリル樹脂に導電フィラーであるアンチモンドープで導電化したSnO2粒子を分散したものを塗工して用いることが可能であるとの記述がある。この帯電方式では、放電現象を用いないため、帯電に必要とされる電圧は所望する被帯電体表面電位分のみのDC電圧であり、オゾンの発生もない。さらに、AC電圧を印加しないので、帯電音の発生もなく、ローラ帯電方式と比べると、より低オゾン性、低電圧性に優れた帯電方式である。
【0031】
前述のDC帯電方式・AC帯電方式のような接触帯電方式では、帯電機構が放電によるものであるため、帯電部材と被帯電体表面の間に多少のギャップが生じても帯電はなされていたが、注入帯電方式では帯電部材と被帯電体とが直接接触して電荷を授受するため、両者が密に接触して微視的な帯電し残しがないような構成を取る必要がある。また、電荷の授受を妨げないように帯電部材の抵抗はより低い方が好ましいが、前述したように、接触帯電部材を用いた装置では、被帯電体上にキズやピンホール等の低圧欠陥部があった場合に、帯電部材の抵抗が低いとリークが生じ、電源電圧が降下して帯電不良となるため、実用上は帯電部材がある程度以上の抵抗を保持している必要がある。このように帯電部材の抵抗が高い場合には電荷の注入性が落ちてしまうので、帯電部材を早回しする等の手段を用いて、帯電部材と被帯電体との接触機会を増やしてやり、電荷の注入能力を確保する必要がある。以上述べてきたように注入帯電方式に用いる帯電部材としては、被帯電体と密に接触でき、かつ、被帯電体に対して周速差を持つことが可能な部材という観点から、磁気ブラシ、磁性流体などの磁気拘束系の帯電部材(磁気ブラシ帯電部材)が適している。
【0032】
磁気ブラシ帯電部材は、担持体に磁性粒子を磁気力で拘束して磁気ブラシとして付着保持させたもので、該磁気ブラシを被帯電体に接触させ、電圧を印加して被帯電体の帯電を行うものである。より具体的には、
▲1▼磁気ブラシ担持体が回転可能なスリーブであり、該スリーブ内に配設した固定のマグネットロール(磁石)の磁気力で磁性粒子がスリーブ外面に拘束されて磁気ブラシとして付着保持されている形態のもの(スリーブ型)、
▲2▼磁気ブラシ担持体が回転可能なマグネットロールであり、該ロールの外面に直接に磁性粒子が磁気力で拘束されて磁気ブラシとして付着保持されている形態のもの(磁性ローラ型)などである。
【0033】
第7図は上記▲1▼のスリーブ型の磁気ブラシ帯電部材2ないしは帯電装置の構成模型図である。
【0034】
21は磁気ブラシ担持体としての、アルミニウム等の非磁性の導電性スリーブ(電極スリーブ、導電スリーブ、帯電スリーブなどと称される)である。22はスリーブ21内に挿入配設した磁界発生手段としてのマグネットロールである。N・Sは該ロールの着磁部である。このマグネットロール22は非回転の固定部材であり、マグネットロール22の外周りをスリーブ21が同心に矢示の時計方向bに不図示の駆動機構で所定の周速度にて回転駆動される。23は導電性の磁性粒子(以下、キャリアと記す)であり、スリーブ21の外周面にスリーブ内部のマグネットロール22の磁気力で拘束されて磁気ブラシ(導電磁気ブラシ)Bとして付着保持されている。キャリア23はマグネットロール22の磁気拘束力によりスリーブ21の外面上で磁気的な穂立ちを形成し、これが集まってブラシ形状となっている。S1はスリーブ21に対する帯電バイアス印加電源である。1は被帯電体であり、例えば、矢示の時計方向aに所定のプロセススピードをもって回転駆動されるドラム型電子写真感光体である。磁気ブラシ帯電部材2は磁気ブラシBを被帯電体1の面に接触させて帯電ニップ部(接触ニップ部)Dを形成させた状態にして配置される。磁気ブラシBは、スリーブ21の回転に伴って同じ方向に回転搬送され、帯電ニップ部Dにおいて回転感光体1面を摺擦し、電源S1からスリーブ21を介して磁気ブラシBに印加された帯電バイアスにより、被帯電体としての回転感光体1面が接触方式で帯電処理される。帯電ニップ部Dにおいて、スリーブ21の回転方向、それに伴う磁気ブラシBの回転搬送方向は被帯電体としての回転感光体1の回転方向に対してカウンター方向としてある。スリーブ21は、磁気ブラシBの担持機能、搬送機能、帯電バイアス印加電極機能を担っている。
【0035】
注入帯電にあっては、磁気ブラシBのキャリア23を、安定な均一搬送を行うため、担持体表面をサンドブラスト処理によって表面を粗す方法が、特開平06−161207号公報、特開平07−287432号公報、特開平07−306568号公報、特開平08−69155号公報、特開平08−211741号公報等に開示されている。
【0036】
また、担持体表面に、シリコーン、PMMA、ナイロン等の樹脂粒子を混ぜた樹脂層を設けることによって表面を粗す方法が、特開平08−254880号公報に開示されている。しかしながら上記にて開示される樹脂層では、帯電装置の寿命枚数に見合う耐摩耗性は確保されず、表面粗さの低下を生じキャリアの搬送性に支障をきたすため、更なる改良が求められる。特開平09−274357には、磁気ブラシ担持体に保持された磁性粒子が感光体に付着することを防止する技術として担持体の端部領域に絶縁樹脂層を設ける旨の提案がある。ここにおいても絶縁樹脂層に粗さを付与する手段としてPMMA、ナイロン等の樹脂粒子が用いられている。しかしながら、この絶縁樹脂層を設けた領域は、同時に磁性粒子のシール部材に対応する位置となるために、前記の現像スリーブの場合と同様に耐摩耗性が必要となる。しかしながら、上記提案にて開示される範囲内の材料では、耐摩耗性が不十分であり、繰り返しの使用を考慮した場合には、さらなる改良が必要とされる。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、本発明の目的は、上記要求を達成可能な、現像装置、現像剤担持体、および磁気ブラシ帯電装置、帯電用磁性粒子担持体を提供することである。
【0038】
本発明の目的は、現像剤担持体の端部領域における削れ、キズ、トナー漏れ等を防止し、これらに起因するブロッチ、カブリ、濃度薄、画像汚れなどの画像欠陥の発生しない現像装置および現像剤担持体を提供することである。
【0039】
さらに本発明の目的は、端部領域の改良だけではなく、全面において、トナー汚染や融着をなくすと共に現像剤への摩擦帯電付与を適正化させ、高画質、高精細な画像の提供できる現像装置および現像剤担持体を提供することである。
【0040】
さらに本発明の目的は、樹脂被覆層が高耐久性を有し、繰り返しの画像形成においても上記品質を維持することにできる現像装置および現像剤担持体を提供することである。
【0041】
さらに本発明の他の目的は、帯電用磁性粒子担持体の端部領域における削れやキズを防止し、磁性粒子の端部領域外へのモレや感光体への磁性粒子付着の発生しない磁気ブラシ帯電装置および帯電用磁性粒子担持体を提供することである。
【0042】
さらに本発明の目的は、端部領域の表面粗さ低下を防止し、感光体への磁性粒子付着の発生しない磁気ブラシ帯電装置および帯電用磁性粒子担持体を提供することである。
【0043】
さらに本発明の目的は、端部領域だけではなく、全面において樹脂被覆層が高耐久性を有し、樹脂層の削れを抑えて表面粗さ低下を防止することにより磁性粒子の搬送不良による帯電ムラを防止し、高画質、高精細な画像の提供できる磁気ブラシ帯電装置および帯電用磁性粒子担持体を提供することである。
【0044】
さらに本発明の目的は、樹脂被覆層が高耐久性を有し、繰り返しの画像形成においても上記品質を維持することにできる磁気ブラシ帯電装置および帯電用磁性粒子担持体を提供することである。
【0045】
さらに本発明の目的は、上記性能を有する磁気ブラシ帯電装置および帯電用磁性粒子担持体を低コストで提供することである。
【0046】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明とは、下記(1)〜(52)により構成される。
【0047】
すなわち、
(1)現像剤を収容する容器と、該容器に収容された現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤の層厚を規制する現像剤層厚規制部材を有し、該現像剤層厚規制部材と該現像剤担持体との間を通過し形成された該現像剤の薄層を、潜像担持体に対向する現像領域へと担持搬送し、該現像剤担持体上の該現像剤により該潜像担持体上に形成された潜像を現像し可視像化することに用いられる現像装置において、
該現像剤担持体は少なくとも基体および該基体上に設けられた樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は中央部と比較して端部領域が耐摩耗性の高い樹脂被覆層からなることを特徴とする現像装置。
【0048】
(2)上記端部領域の樹脂被覆層は、少なくとも結着樹脂および固体粒子を含有し、該固体粒子の添加により該固体粒子を添加しないときの樹脂被覆層の被膜よりも耐摩耗性を高くしていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の現像装置。
【0049】
(3)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該固体粒子により表面凹凸を形成していることを特徴とする特許請求の範囲第1項もしくは2項に記載の現像装置。
【0050】
(4)上記固体粒子は、炭素系粒子、金属および金属酸化物、セラミクスの粒子およびウィスカーより選ばれる1種または2種以上から選択されることを特徴とする特許請求の範囲第1〜3項に記載の現像装置。
【0051】
(5)上記端部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第1〜4項に記載の現像装置。
【0052】
(6)上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第1〜5項に記載の現像装置。
【0053】
(7)上記中央部領域の樹脂被覆層には、導電性微粉末および/または潤滑剤を含有することを特徴とする特許請求の範囲第1〜6項に記載の現像装置。
【0054】
(8)上記中央部領域の樹脂被覆層には、表面凹凸を形成するための固体粒子を含有することを特徴とする特許請求の範囲第1〜7項に記載の現像装置。
【0055】
(9)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該中央部領域の樹脂被覆層表面の表面粗さは、中心線平均粗さRaが0.3〜3.5μmであることを特徴とする特許請求の範囲第8項に記載の現像装置。
【0056】
(10)上記表面凹凸を形成するための固体粒子が導電性であることを特徴とする特許請求の範囲第8または9項に記載の現像装置。
【0057】
(11)上記端部領域に含有される粒子のうちのもっとも硬い粒子の硬度が、上記中央部領域に含有される粒子のもっとも硬い硬度の粒子よりも硬度が高いものであることを特徴とする特許請求の範囲第8〜10項に記載の現像装置。
【0058】
(12)上記端部領域の樹脂被覆層は、該現像剤担持体に担持された該現像剤および該容器中の該現像剤が該容器と該現像剤担持体間に形成される間隙から外部へ漏れることを防止する現像剤シール部材に対応する位置およびその周辺領域に形成されていることを特徴とする特許請求範囲第1〜11項に記載の現像装置。
【0059】
(13)上記現像剤シール部材が磁力を用いてシールを行うことを特徴とする特許請求範囲第12項に記載の現像装置。
【0060】
(14)潜像担持体上に形成された潜像を現像剤担持体により担持搬送された現像剤により現像し可視像化する現像装置に用いられる現像剤担持体において、該現像剤担持体は少なくとも基体および該基体上に設けられた樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は中央部と比較して端部領域が耐摩耗性の高い樹脂被覆層からなることを特徴とする現像剤担持体。
【0061】
(15)上記端部領域の樹脂被覆層は、少なくとも結着樹脂および固体粒子を含有し、該固体粒子の添加により該固体粒子を添加しないときの樹脂被覆層の被膜よりも耐摩耗性を高くしていることを特徴とする特許請求の範囲第14項記載の現像剤担持体。
【0062】
(16)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該固体粒子により表面凹凸を形成していることを特徴とする特許請求の範囲第14項もしくは15項に記載の現像剤担持体。
【0063】
(17)上記固体粒子は、炭素系粒子、金属および金属酸化物、セラミクスの粒子およびウィスカーより選ばれる1種または2種以上から選択されることを特徴とする特許請求の範囲第14〜16項に記載の現像剤担持体。
【0064】
(18)上記端部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第14〜17項に記載の現像剤担持体。
【0065】
(19)上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第14〜18項に記載の現像剤担持体。
【0066】
(20)上記中央部領域の樹脂被覆層には、導電性微粉末および/または潤滑剤を含有することを特徴とする特許請求の範囲第14〜19項に記載の現像剤担持体。
【0067】
(21)上記中央部領域の樹脂被覆層には、表面凹凸を形成するための固体粒子を含有することを特徴とする特許請求の範囲第14〜20項に記載の現像剤担持体。
【0068】
(22)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該中央部領域の樹脂被覆層表面の表面粗さは、中心線平均粗さRaが0.3〜3.5μmであることを特徴とする特許請求の範囲第21項に記載の現像剤担持体。
【0069】
(23)上記表面凹凸を形成するための固体粒子が導電性であることを特徴とする特許請求の範囲第21または22項に記載の現像剤担持体。
【0070】
(24)上記端部領域に含有される粒子のうちのもっとも硬い粒子の硬度が、上記中央部領域に含有される粒子のもっとも硬い硬度の粒子よりも硬度が高いものであることを特徴とする特許請求の範囲第21〜23項に記載の現像剤担持体。
【0071】
(25)上記端部領域の樹脂被覆層は、該現像剤担持体に担持された該現像剤および該容器中の該現像剤が該容器と該現像剤担持体間に形成される間隙から外部へ漏れることを防止する現像剤シール部材に対応する位置およびその周辺領域に形成されていることを特徴とする特許請求範囲第14〜24項に記載の現像剤担持体。
【0072】
(26)上記現像剤シール部材が磁力を用いてシールを行うことを特徴とする特許請求範囲第25項に記載の現像剤担持体。
【0073】
(27)担持体に磁性粒子を磁気力で拘束して磁気ブラシとして付着保持させ、該磁気ブラシを被帯電体に接触させ、電圧を印加して被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電部材において、該磁気ブラシ帯電部材は、少なくとも導電性円筒状部材と該導電性円筒状部材内部に配置されたマグネットを有し、該導電性円筒状部材は少なくとも導電性円筒状基体および該導電性円筒状基体上に設けられた樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は中央部と比較して端部領域が耐摩耗性の高い樹脂被覆層からなることを特徴とする磁気ブラシ帯電部材。
【0074】
(28)上記端部領域の樹脂被覆層は、少なくとも結着樹脂および固体粒子を含有し、該固体粒子の添加により該固体粒子を添加しないときの樹脂被覆層の被膜よりも耐摩耗性を高くしていることを特徴とする特許請求の範囲第25項記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0075】
(29)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであることを特徴とする特許請求の範囲第27項もしくは28項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0076】
(30)上記固体粒子は、無機微粉体であり、該無機微粉体は粒子形状もしくはウィスカー形状を示すものより選ばれる1種または2種以上から選択されることを特徴とする特許請求の範囲第27〜29項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0077】
(31)上記固体粒子は導電性を有さないものから選択され、端部領域の樹脂被覆層は絶縁性の樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第27〜30項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0078】
(32)上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第27〜31項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0079】
(33)上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電性微粉末を含有することにより導電性が付与された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第27〜32項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0080】
(34)上記中央部領域の樹脂被覆層には、表面凹凸を形成するための固体粒子を含有することを特徴とする特許請求の範囲第27〜33項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0081】
(35)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該中央部領域の樹脂被覆層表面の表面粗さは、十点平均粗さRzが1.0〜30μmであることを特徴とする特許請求の範囲第34項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0082】
(36)上記表面凹凸を形成するための固体粒子が導電性であることを特徴とする特許請求の範囲第34または35項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0083】
(37)上記端部領域の樹脂被覆層は、該現像剤担持体に担持された該磁性粒子および該磁性粒子に担持される現像剤が該磁気ブラシ帯電部材を保持する保持部材もしくは容器と該担持体間に形成される間隙から外部へ漏れることを防止するシール部材に対応する位置およびその周辺領域に形成されていることを特徴とする特許請求範囲第27〜36項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0084】
(38)上記シール部材が磁力を用いてシールを行う磁気シール部材であることを特徴とする特許請求範囲第37項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0085】
(39)上記端部領域の樹脂被覆層は磁気ブラシの磁性粒子が被帯電体へ付着することを防止するための磁性粒子付着防止層であることを特徴とする特許請求範囲第27〜38項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0086】
(40)前記磁気ブラシ帯電部材が、被帯電体の帯電を被帯電体表面に電荷を直接注入する注入帯電方式に用いられることを特徴とする特許請求範囲第27〜39項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0087】
(41)被帯電体に電圧を印加した帯電部材を接触させて被帯電体の帯電を行う帯電装置において、該帯電部材は特許請求範囲第27〜40項のいずれかひとつに記載の磁気ブラシ帯電部材であることを特徴とする帯電装置。
【0088】
(42)担持体に磁性粒子を磁気力で拘束して磁気ブラシとして付着保持させ、該磁気ブラシを被帯電体に接触させ、電圧を印加して被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電部材に用いられる帯電用磁性粒子担持体において、
該担持体は、少なくとも導電性円筒状基体および該導電性円筒状基体上に設けられた樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は中央部と比較して端部領域が耐摩耗性の高い樹脂被覆層からなることを特徴とする帯電用磁性粒子担持体。
【0089】
(43)上記端部領域の樹脂被覆層は、少なくとも結着樹脂および固体粒子を含有し、該固体粒子の添加により該固体粒子を添加しないときの樹脂被覆層の被膜よりも耐摩耗性を高くしていることを特徴とする特許請求の範囲第41項記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0090】
(44)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであることを特徴とする特許請求の範囲第42項もしくは43項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0091】
(45)上記固体粒子は、無機微粉体であり、該無機微粉体は粒子形状もしくはウィスカー形状を示すものより選ばれることを特徴とする特許請求の範囲第42〜44項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0092】
(46)上記固体粒子は導電性を有さないものから選択され、端部領域の樹脂被覆層は絶縁性の樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第42〜45項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0093】
(47)上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第42〜46項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0094】
(48)上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電性微粉末を含有することにより導電性が付与された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第42〜47項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0095】
(49)上記中央部領域の樹脂被覆層には、表面凹凸を形成するための固体粒子を含有することを特徴とする特許請求の範囲第42〜48項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0096】
(50)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該中央部領域の樹脂被覆層表面の表面粗さは、十点平均粗さRzが1.0〜30μmであることを特徴とする特許請求の範囲第49項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0097】
(51)上記表面凹凸を形成するための固体粒子が導電性であることを特徴とする特許請求の範囲第49または50項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0098】
(52)上記端部領域の樹脂被覆層は、該現像剤担持体に担持された該磁性粒子および該磁性粒子に担持される現像剤が該磁気ブラシ帯電部材を保持する保持部材もしくは容器と該担持体間に形成される間隙から外部へ漏れることを防止するシール部材に対応する位置およびその周辺領域に形成されていることを特徴とする特許請求範囲第42〜51項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0099】
(53)上記シール部材が磁力を用いてシールを行う磁気シール部材であることを特徴とする特許請求範囲第52項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0100】
(54)上記端部領域の樹脂被覆層は磁気ブラシの磁性粒子が被帯電体へ付着することを防止するための磁性粒子付着防止層であることを特徴とする特許請求範囲第42〜53項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0101】
【発明の実施の形態】
本発明について、現像装置から詳細に説明する。
【0102】
第1図は、本発明の現像剤担持体を有する一実施形態の現像装置の模式図を示す。
【0103】
第1図において,公知のプロセスにより形成された静電潜像を保持する静電潜像保持体潜像保持体,例えば、電子写真感光ドラム501は,矢印B方向に回転される.現像剤担持体としての現像スリーブ508は、現像容器503に供給された磁性トナーを有する一成分系現像剤を担持して、矢印A方向に回転することによって、現像スリーブ508と感光ドラム501とが対向している現像領域Dに現像剤を搬送する。第1図に示すように、現像ローラー510においては、現像スリーブ508内に,現像剤を現像スリーブ508上に磁気的に吸引且つ保持する為に,磁石(マグネットローラー)509が配置されている。
【0104】
本発明の現像装置で用いられる現像スリーブ508は、基体としての金属円筒管506上に被覆された導電性被覆層507を有する。現像容器503中には、ここには図示されていない現像剤補給容器から現像剤供給部材(スクリューなど)512を経由して現像剤が送り込まれてくる。現像容器は、第一室514、第二室515に分割されており、第一室514に送り込まれた現像剤は撹拌搬送部材により現像容器503および仕切り部材514により形成される隙間を通過して第二室515に送られる。現像剤はマグネットローラー509による磁力の作用により現像スリーブ508上に担持される。第二室515中には現像剤が滞留するのを防止するための撹拌部材511が設けられている。
【0105】
現像剤は、磁性トナー相互間及び現像スリーブ508上の導電性被覆層507との摩擦により,感光ドラム501上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る.第1図の例では、現像領域Dに搬送される現像剤の層厚を規制するために,現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性規制ブレード502が,現像スリーブ508の表面から約50〜500μmのギャップ幅を持って現像スリーブ508に臨む様にホッパー503から垂下されている。マグネットローラー509の磁極N1からの磁力線が磁性規制ブレード502に集中することにより,現像スリーブ508上に現像剤の薄層が形成される。本発明においては、この磁性規制ブレード502にかえて非磁性ブレードを使用することもできる。
【0106】
この様にして、現像スリーブ508上に形成される現像剤の薄層の厚みは,現像領域Dにおける現像スリーブ508と感光ドラム501との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。
【0107】
本発明の現像剤担持体は、以上の様な現像剤の薄層により静電潜像を現像する方式の現像装置、即ち、非接触型現像装置に組み込むのが特に有効であるが、現像領域Dにおいて、現像剤層の厚みが現像スリーブ508と感光ドラム501との間の最小間隙以上の厚みである現像装置、即ち接触型現像装置にも本発明の現像剤担持体を適用することができる。
【0108】
説明の煩雑を避けるため、以下の説明では、上記したような非接触型現像装置を例に採って行う。
【0109】
上記現像スリーブ508に担持された磁性トナーを有する一成分系現像剤を飛翔させる為、上記現像スリーブ508にはバイアス手段としての現像バイアス電源513により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときに、静電潜像の画像部(現像剤が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像スリーブ508に印加するのが好ましい。
【0110】
現像された画像の濃度を高め、或は階調性を向上するためには、現像スリーブ508に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位の中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像スリーブ508に印加するのが好ましい。
【0111】
高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用する。
【0112】
高電位部と低電位部を有する静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。
【0113】
高電位,低電位というのは、絶対値による表現である。これらいずれの場合にも、現像剤は少なくとも現像スリーブ508表面(導電性被覆層507)との摩擦により帯電する。
【0114】
第1図においては、現像スリーブ508上の現像剤の層厚を規制する現像剤層厚規制部材として、現像スリーブから離間されて配置された磁性ブレードの例を示したが、ウレタンゴム,シリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料,或いはリン青銅,ステンレス鋼の如き金属弾性を有する材料の弾性板からなる弾性規制ブレードを使用し、この弾性規制ブレードを現像スリーブに対して、現像剤を介して接触あるいは圧接させて用いても良い。
【0115】
規制ブレードを接触又は圧接させるタイプの現像装置では、現像剤層はさらに強い規制を受けながら現像スリーブ上に現像剤の薄層を形成することから、現像スリーブ508上に、上記した第1図の引用例の場合よりも更に薄い現像剤層を形成することができる。
【0116】
第1図はあくまでも本発明の現像装置を模式的に例示したものであり、前記した層厚規制部材以外にも、現像容器503(ホッパー)の形状、撹拌翼505、511の有無、磁極の配置、供給部材512の形状、補給容器の有無、などに様々な形態があることは言うまでもない。
【0117】
勿論、これらの装置では、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤を用いる現像に使用することもできる。
【0118】
次に本発明の現像剤担持体が組み込まれる二成分現像装置について説明例示する。第2図は、二成分現像剤を用いるのに好適な現像装置の模式図を表す。第2図において、現像容器553の現像室564内に、矢印E方向に回転される静電潜像保持体551に対向して現像剤担持体としての非磁性現像スリーブ559を備えており、本発明においては基体としての円筒状の非磁性金属557の表面に樹脂被覆層558が設けられている。この現像スリーブ559内に磁界発生手段としての磁性ローラー556が不動に放置されており、現像ローラー560を形成している。磁性ローラー556はS1〜3、N1,2の5極構成に着磁されている。現像室564内には、トナーと磁性キャリアとを混合した二成分現像剤が収容されている。この現像剤は、現像室564上端開放の隔壁554の開口を通って現像容器553の撹拌室565内に送られると、トナー室555から撹拌室565内に供給されたトナーがトナー送り規制部材563を介して補給され、撹拌室565内の第1現像剤撹拌・搬送手段562によって混合される。撹拌室565で撹拌された現像剤は、隔壁554の図示しない他の開口を通って現像室564内に戻され、そこで現像室565内の第2現像剤撹拌・搬送手段561により、撹拌・搬送されながら現像スリーブ559に搬送される。現像スリーブ559に供給された現像剤は、上記の磁石ローラ556の磁力の作用により磁気的に拘束され、現像スリーブ559上に担持され、現像スリーブ559の下部設けられた現像剤規制部材ブレード552での規制によって現像スリーブ559上で現像剤の薄層に形成されながら、現像スリーブ559の矢印F方向への回転に伴い潜像保持体551と対向した現像部Gへと搬送され、そこで潜像保持体551上の静電潜像の現像に供される。現像に消費されなかった残余の現像剤は、現像スリーブ559の回転により現像容器564内に回収される。現像容器564内では同極のS2、S3間での反発磁界により現像スリーブ559上に磁気的に拘束されている現像残りの残余の現像剤を剥ぎ取るようになっている。現像スリーブ上方にはトナー飛散を防止するために飛散防止部材566が固定、設置されている。第2図は、あくまでも模式的な例であり、容器の形状、撹拌部材の有無、磁極の配置、回転方向等に様々な形態があることは言うまでもない。
【0119】
第3図は、現像装置を正面から見た場合の一様態を示す模式図である。
【0120】
磁石71に芯金81が貫通しマグネットローラー74を形成しており、この芯金81はスリーブフランジ73の内部を通過し両端のカット部の作用によりここには図示できない現像容器に固定配置されている。現像スリーブ72には、接着、圧入、カシメなどの方法で固定されたスリーブフランジ73が装着されている。スリーブフランジ73部分には、現像スリーブと感光ドラムの間隙を保持するための間隙保持部材(コロ)78および軸受け79が配置されており、現像スリーブが図示されていない現像容器に回転可能に支持されている。現像スリーブ上方には現像スリーブと微小間隙をもって現像剤層厚規制部材77が配置されており、現像スリーブ端部領域には、必要に応じて使用される、磁性粒子のモレを防止するための磁性部材(磁性シール部材)75が、さらには同様に現像スリーブに圧接されたシール部材76が配置されている。現像容器の現像剤が収容される側の内壁が80で示される。磁性シール部材75は、現像スリーブ内部に配置される磁石との磁力の作用により現像剤のシールドを形成し、トナーの外部へのモレを防ぐタイプのもので、圧接されたシール部材76は、直接現像スリーブ表面に圧接することでトナーの侵入を防ぐ方式のものである。いずれの場合もスリーブ表面にかかる負荷は非常に大きい。
【0121】
第4図には、現像スリーブ72の端部領域について、樹脂被覆層が形成されている状態を模式的にしめしている。現像スリーブ72の端部側に端部コート層82が、その内側に(現像剤摩擦帯電用)樹脂層83が設けられている。84は非樹脂コート領域であり、不必要なら無くても良い。
【0122】
第5図は、スリーブに圧接するタイプのシール部材76のみが使用されている場合の模式図で、現像スリーブ72の端部コート層82部分にシール部材76が圧接配置されている。
【0123】
第6図は、同様に磁性シール部材75のみを用いる場合の模式図で、磁性シール部材75は、端部コート層82に対し、間隙をもって対向配置されている。85は現像容器を示し、軸受け79が現像容器に装着されている状態を示している。
【0124】
上述の感光ドラムの如き静電潜像保持体や現像装置、クリーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合してプロセスカートリッジを構成し、このプロセスカートリッジを装置本体に対して着脱可能に構成しても良い。例えば、帯電手段及び現像装置を感光ドラムとともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成にしても良い。このとき、上記のプロセスカートリッジのほうにクリーニング手段を伴って構成しても良い。
【0125】
次に、本発明の現像装置で用いられるトナーについて説明する。トナーは主として樹脂,離型剤,荷電制御剤,着色剤等を溶融混練し、固化した後粉砕し、しかる後分級などをして粒度分布をそろえた微粉体である。トナーに用いられる結着樹脂としては,一般に公知の樹脂が使用可能である。
【0126】
例えば、スチレン,α−メチルスチレン,p−クロルスチレンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体,スチレン−ビニルトルエン共重合体,スチレン−アクリル酸エチル共重合体,スチレン−アクリル酸ブチル共重合体,スチレン−アクリル酸オクチル共重合体,スチレン−ジメチルアミノエチル共重合体,スチレン−メタクリル酸メチル共重合体,スチレン−メタクリル酸エチル共重合体,スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体,スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体,スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体,スチレン−ビニルメチルケトン共重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,スチレン−イソプレン共重合体,スチレン−マレイン酸共重合体,スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート,ポリブチルメタクリレート,ポリ酢酸ビニル,ポリエチレン,ポリプロピレンポリビニルブチラール,ポリアクリル酸樹脂,ロジン,変性ロジン,テンペル樹脂,フェノール樹脂,脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂,芳香族系石油樹脂,パラフィンワックス,カルナバワックスなどが単独或は混合して使用できる。
【0127】
又、トナー中には顔料を含有することができる。例えば、カーボンブラック,ニグロシン染料,ランプ黒,スーダンブラックSM,ファースト・イエローG,ベンジジン・イエロー,ピグメント・イエロー,インドファースト・オレンジ,イルガジン・レッド,パラニトロアニリン・レッド,トルイジン・レッド,カーミンFB,パーマネント・ボルドーFRR,ピグメント・オレンジR,リソール・レッド2G,レーキ・レッドC,ローダミンFB,ローダミンBレーキ,メチル・バイオレッドBレーキ,フタロシアニン・ブルー,ピグメント・ブルー,ブリリアント・グリーンB,フタロシアニングリーン,オイルイエローGG,ザボン・ファーストイエローCGG,カヤセットY963,カヤセットYG,ザボン・ファーストオレンジRR,オイル・スカーレット,オラゾール・ブラウンB,ザボン・ファーストスカーレットCG,オイルピンクOP等が適用できる。
【0128】
トナーを磁性トナーとして用いるために、トナーの中に磁性粉を含有せしめてもよい。このような磁性粉としては、磁場の中におかれて磁化される物質が用いられ,鉄,コバルト,ニッケル等の強磁性金属の粉末,又はマグネタイト,ヘマタイト,フェライト等の合金や化合物がある。この磁性粉の含有量はトナー重量に対して15〜70重量%が良い。
【0129】
トナーに、定着時の離型性向上、定着性向上の目的で、ワックス類を含有させることができる。そのようなワックス類としては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプッシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタム等も利用できる。
【0130】
必要に応じて、トナーに荷電制御剤を含有させてもよい。荷電制御剤には、負荷電制御剤、正荷電制御剤がある。例えばトナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。また、トナーを正帯電させるための物質としては下記のようなものがある。ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物。
【0131】
トナーは必要に応じて、流動性改善等の目的で無機微粉末の如き粉末を外添して用いられる。このような微粉末としては、シリカ微粉末、アルミナ、チタニア、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物;炭化ケイ素、炭化チタン等の炭化物;及び窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム等の窒化物等の無機微粉体が用いられる。これらの微粉体は、有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤等で有機処理して用いることが可能である。例えば有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、および1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。また、未処理の微粉体を窒素含有のシランカップリング剤で処理したものを用いてもよい。特にポジトナーの場合好ましい。そのような処理剤の例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール、等がある。
【0132】
上記シランカップリング剤により無機微粉体を処理する方法としては、例えば,1)スプレー法,2)有機溶媒法,3)水溶液法などがある.一般に、スプレー法による処理とは、ピグメントを撹拌しここにカップリング剤の水溶液あるいは溶媒液をスプレーし、この後水あるいは溶媒を120〜130℃程度で除去乾燥する方法である。また、有機溶媒法による処理とは、少量の水とともに加水分解用触媒を含む有機溶媒(アルコール,ベンゼン,ハロゲン化炭化水素等)にカップリング剤を溶解し、これにピグメントを浸積した後、濾過或は圧搾により固液分離を行い120〜130℃程度で乾燥させるものである。水溶液法とは0.5%程度のカップリング剤を、一定PHの水あるいは水−溶媒中で加水分解させ、ここにピグメントを浸積し後、同様に固液分離を行い乾燥するものである。
【0133】
他の有機処理としてシリコーンオイルで処理された微粉体を用いることも可能である。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ0.5〜10000mm2/s、好ましくは1〜1000mm2/sのものが用いられ、例えばメチルハイドロジエンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロルフェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが挙げられる。また、側鎖に窒素原子を有するシリコーンオイルを用いても良い。特にポジトナーの場合は好ましい。シリコーンオイルによる処理は、例えば次のようにして行ない得る。必要に応じて加熱しながら顔料を激しく撹乱しており、これに上記シリコーンオイル或いはその溶液をスプレーもしくは気化して吹き付けるか、又は顔料をスラリー状にしておき、これを撹拌しつつシリコーンオイル或いはその溶液を滴下することによって容易に処理できる。これらのシリコーンオイルは1種あるいは2種以上の混合物あるいは併用や多重処理して用いられる。また、シランカップリング剤による処理と併用しても構わない。このようなトナーは、種々の方法で、球形化処理、表面平滑化処理を施して用いると、転写性が良好となり好ましい。そのような方法としては、撹拌羽根またはブレードなど、およびライナーまたはケーシングなどを有する装置で、例えば、トナーをブレードとライナーの間の微小間隙を通過させる際に、機械的な力により表面を平滑化したりトナーを球形化したりする方法、温水中にトナーを懸濁させ球形化する方法、熱気流中にトナーを曝し、球形化する方法等がある。また、球状のトナーを直接作る方法としては、水中にトナー結着樹脂となる単量体を主成分とする混合物を懸濁させ、重合してトナー化する方法がある。一般的な方法としては、重合性単量体、着色剤、重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、離形剤、その他の添加剤を均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続層、例えば水相中に適当な撹拌機を用いて適度な粒径に分散し、さらに重合反応を行わせ、所望の粒径を有する現像剤を得る方法である。
【0134】
トナーはキャリアと混合して二成分現像剤として用いることもできる。
【0135】
キャリア材料としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルトといった磁性体金属、及びそれらの合金、或いは希土類を含有する合金類、ヘマタイト、マグネタイト、マンガン−亜鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト及びリチウム系フェライト等のソフトフェライト、銅−亜鉛系フェライトといった鉄系酸化物、およびそれらの混合物、さらには、ガラス、炭化ケイ素などのセラミックス粒子、樹脂粉体、磁性体を含有する樹脂粉体などをあげることができ、通常は平均粒径が20〜300μm程度の粒状物として用いる。
【0136】
このようなキャリアは上記に挙げた粒状物を直接キャリア粒子として用いるても良いが、トナーの摩擦帯電電荷を調整したりキャリアへのトナースペントを防止したりするために、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等のコート剤により適宜粒子表面に樹脂コートを施して用いることもできる。
【0137】
次に本発明に用いられる現像剤担持体の構成について説明を加える。現像剤担持体は基体と、それを取り巻いて被覆する樹脂層とからなるが、基体としては、円筒状部材、円柱状部材、ベルト状部材等があるが、ドラムに非接触の現像方法においては金属のような剛体の円筒管もしくは中実棒が好ましく用いられる。このような基体はアルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等の非磁性の金属または合金を円筒状あるいは円柱状に成型し、研磨、研削等を施したものが好適に用いられる。これらの基体は画像の均一性を良くするために、高精度に成型あるいは加工されて用いられる。例えば長手方向の真直度は30μm以下もしくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下が好ましく、スリーブと感光ドラムとの間隙の振れ、例えば、垂直面に対し均一なスペーサーを介して突き当て、スリーブを回転させた場合の垂直面との間隙の振れも30μm以下もしくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下であることが好ましい。材料コストや加工のしやすさからアルミニウムが好ましく用いられる。
【0138】
このような形態のものは、磁性、非磁性の一成分非接触現像や、二成分現像の現像剤担持体基体として好ましく用いられる。
【0139】
また、弾性層を有する基体としては、芯材と、ウレタン、EPDM、シリコン等のゴムやエラストマーを含む層構成を有する円筒部材が、特にドラムに現像剤担持体を直接接触させる現像方法の場合好ましく用いられる。
【0140】
本発明の現像剤担持体を構成する導電性被覆層の結着樹脂材料としては、一般に公知の樹脂が使用可能である。例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱あるいは光硬化性樹脂等を使用することができる。なかでもシリコン樹脂、フッ素樹脂のような離型性のあるもの、或いはポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好ましい。
【0141】
本発明において、上記した形成材料によって現像剤担持体上に形成される被覆層は、チャージアップによる現像剤の現像剤担持体上への固着や、現像剤のチャージアップに伴って生じる現像剤担持体の表面から現像剤への帯電付与不良を防ぐためには、導電性であることが望ましい。又、被覆層の体積抵抗値としては、好ましくは104Ω・cm以下、より好ましくは103Ω・cm以下である。
【0142】
現像剤担持体表面の導電性被覆層の体積抵抗値が、104Ω・cmを超えると現像剤への帯電付与不良が発生し易く、その結果、ブロッチ(斑点画像や波模様画像)が発生し易い。
【0143】
本発明において、被膜層の抵抗値を、上記の値に調整するためには、下記に挙げる導電性物質を被覆層中に含有させることが好ましい。この際に使用される導電性物質としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体の微粉末、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリウム等の金属酸化物、各種カーボンファイバー、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック、グラファイト等の炭素物、更には金属繊維等が挙げられる。
【0144】
本発明においては、これらのうち、カーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与したり、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるため好適に用いられる。塗料にした場合の分散安定性も良好となりうる。又、本発明において好適なこれらの導電性物質の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜100重量部の範囲とすることが好ましい。1重量部以下では被覆層の抵抗値を所望のレベルに下げることは、通常困難であり、又、現像剤担持体被覆層に用いられる結着樹脂に対するトナー付着が発生する可能性が高い。100重量部以上であると、特にサブミクロンオーダーの粒度を有する微粉体を用いた場合、被覆層の強度(摩耗性)が低下しうる。
【0145】
更に、本発明においては、現像剤担持体表面への現像剤の付着をより軽減化するため、被覆層中に固体潤滑材を混合させることもできる。この際に使用し得る固体潤滑材としては、例えば、二硫化モリブデン、窒化硼素、グラファイト、フッ化グラファイト、銀−セレンニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石等が挙げられる。又、本発明で使用することのできるこれらの固体潤滑材の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜100重量部の範囲とすることが好ましい。1重量部以下では被覆層の結着樹脂表面に対する現像剤の付着制の改善効果は少なく、100重量部以上となると、特にサブミクロンオーダーの粒度を有する微粉体が多く含まれる材料を用いた場合、被覆層の強度(摩耗性)が低下しうる。これらの潤滑性粒子は、個数平均粒径が好ましくは0.2〜20μm程度、より好ましくは1〜15μmのものを使用するのが良い。潤滑性粒子の個数平均粒径が0.2μm未満の場合には、潤滑性が十分に得られ難く好ましくなく、個数平均粒径が20μmを越える場合には、導電性被覆層表面の形状への影響が大きく表面性が不均一となり、トナーの均一な帯電化、及び被覆層の強度の点で好ましくない。
【0146】
本発明の樹脂被覆層中には、被覆層表面に凹凸を形成するための固体粒子を含有させることができる。このような固体粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のビニル系重合体や共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂粒子、アルミナ、酸化亜鉛、シリコーン、酸化チタン、酸化錫等の酸化物粒子、炭素化粒子、導電処理を施した樹脂粒子等の導電性粒子、その他、例えばイミダゾール化合物のような有機化合物を粒子状にして用いることも可能である。この場合にイミダゾール化合物は、トナーに摩擦帯電電荷を付与する役割も果たす。
【0147】
これらの粒子の中では特に導電性の粒子を用いることが好ましい。このような粒子としては、本発明者らが提案した特開平08−240981公報に記載された導電性球状粒子がある。即ち、粒子に導電性を持たせることによって、その導電性のゆえに粒子表面にチャージが蓄積しにくく、トナー付着の軽減やトナーの帯電付与性を向上させることができるからである。本発明において、粒子の導電性としては、体積抵抗値が106Ω・cm以下、より好ましくは10-3〜106Ω・cmの粒子であることが好ましい。このような粒子の体積抵抗が106Ω・cmを超えると、摩耗によって被覆層表面に露出した球状粒子を核としてトナーの汚染や融着を発生しやすくなるとともに、迅速且つ均一な帯電が行われにくくなる。さらには粒子の真密度としては3000kg/m3程度以下であることがより好ましい。導電性であっても、粒子の真密度が高すぎる場合、同じ粗さを形成するための添加量は増加してくることと、樹脂または樹脂組成物と真密度差が大きくなるため、製造時の粒子の分散状態が非均一となりやすく、したがって形成された被覆層においても分散状態が不均一となり好ましくない。また粒子が球状であると、圧接される現像剤規制部材等との接触面積が低減されるので、摩擦力によるスリーブ回転トルクの増加や、トナーの付着などを軽減することができるのでより好ましい。特に下記に示すような導電性の球状粒子を用いた場合には、より良い効果が得られる。
【0148】
すなわち特に好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、例えば、樹脂系球状粒子やメソカーボンマイクロビーズを焼成して炭素化及び/又は黒鉛化して得た低密度且つ良導電性の球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。そして、樹脂系球状粒子に用いられる樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン―ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルが挙げられる。
【0149】
又、メソカーボンマイクロビーズは、通常、中ピッチを加熱焼成していく過程で生成する球状結晶を多量のタール、中油、キノリンの如き溶剤で洗浄することによって製造することができる。
【0150】
より好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルの如き球状樹脂粒子表面に、メカノケミカル法によってバルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性雰囲気化で熱処理した後に不活性雰囲気下又は真空下で焼成して炭素化及び/又は黒鉛化し、導電性球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。この方法で得る球状炭素粒子は、黒鉛化すると得られる球状炭素粒子の被覆部の結晶化が進んだものとなるので導電性が向上し、より好ましい。
【0151】
上記した方法で得られる導電性の球状炭素粒子は、いずれの方法でも、焼成条件を変化させることによって得られる球状炭素粒子の導電性を制御することが可能であり、本発明において好ましく使用される。又、上記の方法で得られる球状炭素粒子は、場合によっては、更に導電性を高めるために導電性球状粒子の真密度が大きくなりすぎない範囲で、導電性の金属及び/または金属酸化物のメッキを施していても良い。
【0152】
本発明の樹脂被覆層中には、必要に応じて荷電制御剤を含有させることができる。荷電制御剤としては、前出のトナー粒子形成に用いるものと同様なものが使用可能である。
【0153】
本発明で好適に使用される上記のような構成を有する現像剤担持体表面の被覆層の表面粗さは、JIS中心線平均粗さ(Ra)で0.3〜3.5μmの範囲にあることが好ましい。更に好ましくは、0.4〜2.5μmである。即ち、Raが0.3μm未満では、現像剤担持体上におけるトナーの帯電量が高くなり過ぎ現像性が不充分となるし、又、現像領域への現像剤の搬送性に劣り、充分な画像濃度が得られにくくなる。一方、Raが3.5μmを超えると、現像剤担持体上に形成されるトナーコート層厚にムラが生じ、画像上での濃度ムラの原因となる。
【0154】
上記のような表面粗さを得るためには添加する固体粒子の個数平均粒径は0.3〜30μmであることが好ましい。個数平均が0.3μm以下では、上記のような表面粗さの付与は成しがたく、多量に添加した場合には相対的に樹脂分が減少するために結着性が低下し樹脂層が脆くなる可能性があり、また樹脂によるトナーへの帯電付与がされ難くなる。30μmを超える場合には、表面粗さが大きく成りすぎ、また表面凹凸が不均一になるため、トナーの搬送性が不均一であったり、トナーの層厚規制力は弱まりトナーのコート状態が不均一になったり不安定になる。
【0155】
現像剤担持体の端部領域は、通常、現像容器内壁に現像剤の移動を阻害されるためにスリーブ表面にかかる負荷が大きい。しかしながらこの程度の負荷の場合、樹脂被覆層の改質や現像容器内の撹拌の構成や撹拌の精度向上によって低減可能である。一例としては、本発明者らが提案した、特開平08−240981公報に記載された、導電性炭素系球状粒子を用いることで現像性を向上させられると同時に耐久性も向上させることが可能である。しかしながら、端部のシール部材に対応する位置においては、より高耐久を要求される高速機の現像装置の場合不十分である場合が多い。現像剤には、例えば一成分磁性トナーにはマグネタイトやフェライトの微粒子が含まれるし、酸化セリウム、シリカ、チタン酸金属塩、等の研磨剤粒子が外添されて用いられるので、研磨性を有する。また二成分現像剤においては、粒径が大きく且つ硬度の高い磁性粒子(キャリア)が磁力の作用で強く現像スリーブ上に引き付けられているために、これまた研磨性が高い。このような状況下においては、上記導電性炭素系球状粒子では耐久性が不十分の場合が発生する。これに対し、金属粒子や金属酸化物粒子などの高硬度を有する添加物を用いる方法もあるが、このような物質は、現像剤に対して極端に摩擦帯電性の悪いもの、トナーに対して摩擦帯電性が強すぎたり絶縁性であったりしてチャージアップしてしまうものなどがほとんどで、現像剤へ適正な摩擦帯電電荷を付与する部分への使用は実用化し難い。本発明においては、後述する実施例でもわかるように、耐久性の高い現像装置、現像剤担持体を簡易な方法で提供できる。
【0156】
耐久により磁気シール部分の被覆層が削れて平滑化したり喪失した場合、シールが不十分となりトナー飛散が発生するだけではなく、トナーブロッチやチャージアップ現象による濃度薄やカブリが発生する。通常シール部材を配置する領域は、画像領域の外側にあるが、このような現象は一旦発生すると次第に他の領域も侵食しはじめるので、やがて画像不良となって現れる。
【0157】
端部コート層部分に使用される材料としては、結着樹脂としては、前記中央部分の被覆層を形成する結着樹脂と同様のものを用いることが可能である。
【0158】
樹脂被覆層に添加される補強用の固体粒子としては、樹脂粒子、炭素系粒子、金属粒子、金属酸化物粒子、セラミクス粒子、およびこれらのウイスカー等が使用可能であるが、特に後述の磁気ブラシ帯電部材の部分で説明されている無機微粒子もしくはウイスカーが好ましく用いられる。
【0159】
また現像剤担持体においては、端部コート層も導電性を有することが好ましい。導電性を付与するための材料としては、前記導電性微粉末を利用することが可能である。導電性が低い場合、ブロッチやチャージアップによる濃度薄やカブリが発生しやすくなる。
【0160】
前記添加される補強用粒子の個数平均粒径は、0.3〜30μmが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜20μm程度である。個数平均粒径が小さい場合には、補強効果は小さく、多量に添加した場合には、樹脂被覆層の強度も低下する。また平滑化しやすいためブロッチやチャージアップ現象を起こしやすい。個数平均粒径が大きすぎる場合には現像剤搬送性が高すぎてシール性が不良となり、また、シール部材近傍中央部側の現像剤搬送量規制も不良となり、トナー飛散や画像汚れの原因となる。
【0161】
次に本発明の磁気ブラシ帯電部材および帯電用磁性粒子担持体、およびそれを用いた画像形成装置について詳細に説明する。
【0162】
第9図は、画像形成装置例の概略図である。第9図の画像形成装置は、プロセスカートリッジ着脱方式、転写式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタ(LBP)である。
【0163】
また、像担持体として表面に電荷注入機能を有するOPC感光体を用い、接触帯電部材として磁気ブラシ帯電部材を用いて像担持体を注入帯電方式で一次帯電処理する構成のものである。
【0164】
1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体であり、本例では直径30mmの、表面に電荷注入機能を有するOPC感光体であり、矢示の時計方向aに100mm/secのプロセススピード(周速度)をもつて回転駆動される。感光体の層構成については後述する。
【0165】
2は感光体1の周面を所定の極性・電位に一様に帯電処理するための接触帯電部材であり、ここでは第1図に示されるスリーブタイプの磁気ブラシ帯電部材である。
【0166】
この磁気ブラシ帯電部材2の磁性粒子担持体(スリーブ)21は、基体および該基体表面に形成された樹脂被覆層から構成されている。
【0167】
この磁気ブラシ帯電部材2のスリーブ21には帯電バイアス印加電源S1から−700VのDC帯電バイアスが印加されていて、電荷注入帯電によって回転感光体1の外周面がほぼ−700Vに一様に帯電される。
【0168】
この回転感光体1の帯電面に対してレーザーダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザービームスキャナ7から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザービームによる走査露光Lがなされ、回転感光体1の周面に対して目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0169】
本例においては、その静電潜像は磁性一成分絶縁トナー(ネガトナー)を用いた反転現像装置3によりトナー像として現像される場合について説明するが、非磁性二成分トナー(ネガトナー)についても同様に用いることができる。
【0170】
3aはマグネット3bを内包する直径16mmの非磁性現像スリーブであり、この現像スリーブ3aに上記のネガトナーをコートし、感光体1表面とのギャップ(離間距離)を300μmに固定した状態で、感光体1と等速で回転させ、現像スリーブ3aに現像バイアス電源S2より現像バイアス電圧を印加する。電圧は、−500VのDC電圧と、周波数1800Hz、ピーク間電圧1600Vの矩形のAC電圧を重畳したものを用い、スリーブ3aと感光体1の間でジャンピング現像を行わせる。即ち現像スリーブ3aで運ばれてくる負に帯電されたトナーを潜像の画像部に電界により付着させて現像する。
【0171】
一方、不図示の給紙部から記録材としての転写材Pが供給されて、回転感光体1と、これに所定の押圧力で当接させた接触転写手段としての、中抵抗の転写ローラ4との圧接ニップ部(転写部)Tに所定のタイミングにて導入される。転写ローラ4には転写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加される。本実施例では転写ローラ4として、芯金に中抵抗発泡層を形成した、抵抗値5×108Ωのものを用い、芯金に+2000VのDC電圧を印加して転写材裏面を帯電して転写を行う。
【0172】
転写部Tに導入された転写材Pはこの転写部Tを挟持搬送されて、その表面側に回転感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押し圧力にて転写されていく。
【0173】
トナー画像の転写を受けた転写材Pは感光体1の面から分離されて熱定着方式等の定着装置5へ導入されてトナー画像の定着を受け、画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0174】
また転写材Pに対するトナー画像転写後の感光体面はクリーニング装置6により残留トナー等の付着汚染物の除去を受けて清掃され繰り返して作像に供される。
【0175】
本例の画像形成装置においては、感光体1、磁気ブラシ帯電部材2、現像装置3、クリーニング装置6の4つのプロセス機器を一括して画像形成装置本体に対して着脱交換自在のプロセスカートリッジ10としてある。9は上記4つのプロセス機器1・2・3・6を所定の配置で組み込んだカートリッジハウジングである。8・8は画像形成装置本体側のプロセスカートリッジ挿脱案内兼保持部である。
【0176】
画像形成装置本体に対して該プロセスカートリッジ10を所定に装着した状態において、プロセスカートリッジ10側と画像形成装置本体側とが機械的・電気的に相互カップリング状態となり、またプロセスカートリッジ10側の感光体1の下面が画像形成装置本体側の転写ローラ4に所定に当接した状態となり、画像形成実行可能状態となる。
【0177】
なお、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と、電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。及び帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つと電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能とするものである。更に、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して装置本体に着脱可能とするものをいう。
【0178】
次に感光体について説明を加える。
【0179】
第10図は本実施例で用いている被帯電体としての感光体1の層構成模型図である。本実施例で用いた感光体1は表面に電荷注入機能を有する負帯電のOPC感光体であり、φ30mmのアルミニウム製のドラム基体11上に下記の第1〜第5の5層の機能層12〜16を下から順に設けたものである。
【0180】
第1層は下引き層12であり、アルミニウムドラム基体11の外周面の欠陥等をならすため、またレーザ露光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの導電層である。
【0181】
第2層は正電荷注入防止層13であり、アルミニウム基体11から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって106Ωcm程度に抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0182】
第3層は電荷発生層14であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、レーザ露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0183】
第4層は電荷輸送層15であり、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することはできず、電荷発生層13で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0184】
第5層は電荷注入層16であり、光硬化性のアクリル樹脂に超微粒子の導電粒子(導電フィラー)16aとしてSnO2を分散した材料の塗工層である。具体的には、アンチモンをドーピングし、低抵抗化した粒径約0.03μmのSnO2粒子を樹脂に対して70質量%分散した材料の塗工層である。このようにして調合した塗工液をディッピング塗工法にて、厚さ約2μmに塗工して電荷注入層とした。
【0185】
これによって感光体1表面の抵抗は、電荷輸送層単体の場合1×1015Ωcmだったのに比べ、1×1013Ωcmにまで低下した。
【0186】
電荷注入層16は磁気ブラシ帯電部材2から電荷を直接注入することで表面を均一に帯電するための注入サイトを意図的に作成したものであるが、潜像の電荷が表面を流れないよう電荷注入層16の抵抗は1×108Ωcm以上である必要がある。電荷注入層16の抵抗値は絶縁性シート上に電荷注入層を塗布し、これをHP社製の高抵抗計4329Aで印加電圧100Vにて表面抵抗を測定したものである。
【0187】
本例では電荷注入層16を独立した層として形成したが、感光体表層が電子の授与可能な電子準位をもつ事が重要であり、独立して電荷注入層を有する構成に限定するものではない。
【0188】
感光体表面に対する磁気ブラシ帯電部材側のキャリア(磁性粒子)の付着を低減するために感光体1は低表面エネルギーの特性を有することがが好ましく、感光体最表面は所望の滑剤を添加し一定の滑性を得ている。
【0189】
次に注入帯電について説明を加える。
【0190】
本例における感光体の電荷注入帯電は、中抵抗の接触帯電部材で、中抵抗の表面抵抗を持つ感光体表面に電荷注入を行うものであり、感光体表面材質の持つトラツプ電位に電荷を注入するものではなく、電荷注入層16の導電粒子16aに電荷を充電して帯電を行う方式である。帯電時に磁気ブラシ帯電部材2に所望の電圧を印加することで電荷注入層16に電荷が注入されて被帯電体としての感光体1表面は最終的に磁気ブラシBと同電位に帯電(充電)される。
【0191】
具体的には第11図の(a)・(b)の模型図・等価回路図に示すように、感光体1は、電荷輸送層15を誘電体とし、アルミニウムドラム基体11と電荷注入層16内の導電粒子16a(SnO2)を両電極板とする微小なコンデンサーの並列集合体とみることができ、注入帯電は、その個々の微小なコンデンサーに接触帯電部材2で電荷を充電する理論に基づくものである。
【0192】
導電粒子16aは互いに電気的には独立であり一種の微小なフロート電極を形成している。このため、マクロ的には感光体1表面は均一電位に充電、帯電されているように見えるが、実際には微小な無数の充電された導電粒子16aが感光体表面を覆っているような状況となっている。このため、レーザーによって画像露光Lを行ってもそれぞれの導電粒子16aは電気的に独立なため、静電潜像を保持することが可能になる。
【0193】
次に磁気ブラシ帯電部材について説明する。
【0194】
本例で用いた接触帯電部材として磁気ブラシ帯電部材2は、第7図のものと同様にスリーブ型のものである。即ち、磁気ブラシBを構成するキャリア23を保持する担持体を回転可能な非磁性の磁性粒子担持体21(以下、スリーブまたは電極スリーブと記す)とし、該スリーブ21内に配設した固定マグネットロール22の磁気力でキャリア23をスリーブ21外面に拘束させて磁気ブラシBとして付着保持させたものである。本例においてスリーブ21は外径16mmのものである。
【0195】
スリーブ21の材質としては、アルミニウム、ステンレス、真鍮などの金属、アルミニウム合金や酸化インジウム−酸化錫合金など、これら金属や合金の被膜層を有するプラスチック、導電性粒子を含侵させた紙やプラスチック、導電性ポリマーを有するプラスチックなどの円筒状シリンダー及びフィルム等、非磁性の材質であればいずれも使用可能である。とりわけコスト及び加工性の観点から、アルミニウムが最も好ましい。
【0196】
このスリーブ21表面に、導電性の樹脂被覆層26aを形成し、必要に応じて樹脂被覆層26a中に凹凸形成用の粒子を添加し粗面化コート層26を具備させる。この粗面化コート層26の表面は混入の凹凸形成用の粒子26bにより凹凸粗面であり、従ってスリーブ21の表面がこの粗面化コート層26の存在で粗面化状態となる。
【0197】
本例では、スリーブ21上でのマグネットロール22による磁束密度は8×10-2T(テスラ)である。スリーブ21上のキャリア23は厚さ1mmでコートして磁気ブラシBを形成保持させ、該磁気ブラシBを感光体1との間に幅約5mmの帯電ニップ部Dを形成させて接触させ、スリーブ21を回転感光体1表面に対してカウンター方向に回転させる。また、磁気ブラシBと感光体1との長手方向の接触幅は200mmである。磁気ブラシBはスリーブ21が回転することにより同方向に回転して磁気ブラシを構成するキャリア23が搬送され、キャリアが次々に感光体1表面に接触する。本実施例で磁気ブラシBのキャリア量は約10gで、帯電ニップ部Dでの電極スリーブ21と感光体1とのギャップは500μmである。
【0198】
磁気ブラシBと感光体1との周速比は、以下の式で定義する。
周速比%=(磁気ブラシ周速−感光体周速)/感光体周速×100
【0199】
*磁気ブラシの周速はカウンター回転の場合は負の値
周速比−100%は磁気ブラシBが停止している状態なので、磁気ブラシBの感光体表面に停止した形状がそのまま帯電不良となって画像に出てしまう。また順方向の回転は、磁気ブラシBが遅い速度で感光体1と接触すると、磁気ブラシBのキャリア23が感光体1に付着しやすくなり、カウンター方向と同じ周速比を得ようとすると、磁気ブラシBの回転数が高くなってしまう。よって、周速比は−100%以下が好ましく、本実施例では−150%とした。
【0200】
第16図は磁気ブラシ帯電装置の一例を示す模式図である。感光ドラム31に対向して磁気ブラシ搬送ローラー39が配置されている。磁気ブラシ搬送ローラー39は帯電容器33内に一部が露出されるように配置されている。磁気ブラシ搬送ローラー39は円筒状の導電性基体35およびその表面に形成された導電性の樹脂被覆層36からなる磁性粒子担持体(スリーブ)37と、磁性粒子担持体37内部に固定配置されたマグネットローラー38からなり、磁性粒子担持体は回転可能に保持される。帯電容器33には磁性粒子の搬送量を規制するための規制部材32が固定配置されている。34はスリーブ上の磁性粒子量を均一にならすための撹拌部材を示し。40は電圧を印加するための電源である。
【0201】
次に端部コート層について説明を加える。磁気ブラシ帯電器の場合、帯電ニップ部Nにおいて磁気ブラシ部23が磁気ブラシ帯電器の長手方向(被帯電体としての感光体母線方向)の端部領域Bに押し出され、この端部領域Bにおいては、磁気ブラシ部23が感光体1と常時接触していないため、あるいは接触状態が不安定であるため、該領域Bの感光体面を均一に帯電することが難しい。従って、該端部領域Bにおける感光体の電位は、感光体中央部領域におけるそれよりもかなり低くなってしまう。よって該端部領域Bにおいて、電極スリーブ電位と感光体の表面電位との電位差が大きくなり、磁気ブラシ部23を構成している磁性粒子が磁気ブラシ部23から離脱して感光体1へ付着移動してしまうことがある。磁気ブラシ部23から感光体1への磁性粒子の離脱・付着が生じると、磁気ブラシ部23の磁性粒子が徐々に減少することで、磁気ブラシ部23が痩せて次第に帯電不良が生じる。画像形成装置にあっては、この帯電不良に起因して画像不良が生じたり、磁気ブラシ部23から感光体1へ離脱・付着した磁性粒子が現像装置に持ち運ばれて混入する等により出力画像の品位が低下することで、磁気ブラシ帯電器は長期使用が行えないという問題があった。
【0202】
これを解決する一手段として、磁気ブラシ帯電器の長手方向における磁気ブラシ部端部は電気的絶縁部材を介して電圧が印加される導電性部材に保持させた構成を取るものがある。
【0203】
具体的には第14図の模式図のように、磁気ブラシ部23に電圧を供給する電極スリーブ21の端部外周を樹脂等の電気的絶縁部材25で被覆して、磁気ブラシ部23の端部と電極スリーブ21を電気的に絶縁し、磁気ブラシ部端部までの距離を調節することにより磁性粒子自身の抵抗で磁気ブラシ部端部の電位を降下させ、被帯電体としての感光体1の表面電位との電位差を小さくして、磁気ブラシ部端部における感光体1への磁性粒子の付着を防ぐものである。
【0204】
またさらには、電極スリーブ21と絶縁部材25の材質が異なっているため、絶縁部材25を介して電極スリーブ21に保持されている磁気ブラシ部端部の搬送性が、電極スリーブ21の面に直接に保持されている磁気ブラシ部の搬送性よりも低下し、絶縁部材対応部分の帯電性が低下して感光体表面との電位差ができてしまい、磁気ブラシ部端部における感光体1への磁性粒子の付着防止効果を減少させてしまう可能性がある。また、電極スリーブ21上に絶縁部材25を設けた場合、該絶縁部材を設けた電極スリーブ部分と感光体の間隔が狭くなるため、帯電ニップ部Nにおけるこの部分での磁気ブラシ部の搬送性が著しく低下し、感光体上に磁性粒子が付着してしまうといった問題点も起こり得る。このような場合には搬送性を向上させるため、上記絶縁部材部分を適度に粗してやれば良く、本発明では、上記絶縁部材部分に相当する端部樹脂コート層の補強剤粒子として、適度な個数平均粒径を有するものを用い、粗し剤粒子としての役割ももたせることが可能である。
【0205】
第15図は、磁気ブラシ帯電装置をスリーブ正面側から見た断面図であり、磁気シール部材75と端部コート層91の位置関係を示している。装置構成としては、第3図、第4図で説明した現像装置の構成と類似するため重複説明は避けるが、上述のように、ここにおいては、基体84上に、絶縁材料からなる絶縁性の樹脂層91および電極層として構成される導電性樹脂層92が形成されている。磁気ブラシBを構成させるキャリア23としては、
・樹脂とマグネタイト等の磁性粉体を混練して粒子に成型したもの、もしくはこれに抵抗値調節のために導電カーボン等を混ぜたもの、
・焼結したマグネタイト、フェライト、もしくはこれらを還元または酸化処理して抵抗値を調整したもの、
・上記のキャリアを抵抗調整をしたコート材(フェノール樹脂にカーボンを分散したもの等)でコートまたはNi等の金属でメッキ処理して抵抗値を適当な値にしたもの等が考えられる。
【0206】
これらキャリア23の体積抵抗値としては、1×104〜1×1011Ωcmであることが好ましい。1×104Ωcm未満では感光体表面にピンホールがあったとき、ピンホールに電流が集中して帯電電圧が降下し感光体表面を帯電することができず、帯電ニップ状の帯電不良となる。1×1011Ωcmを超えると感光体1に電荷が均一に注入できず、微小な帯電不良によるカブリ画像となってしまう。
【0207】
よってキャリア23の抵抗値としては、1×104〜1×1011Ωcmであることが好ましく、特には1×104〜1×107Ωcmであることが好ましい。キャリア23の抵抗値は、電圧が印加できる金属セル(底面積228mm2)にキャリアを2g入れた後加重し、上下から電圧を1〜1000V、例えば100V印加して、この系に流れる測定電流から算出し正規化したもので定義した。
【0208】
また、複数種のキャリアを混合して用いることで帯電性の向上を図ることも可能である。
【0209】
キャリア23の粒径としては、あまり細かすぎると、磁気拘束力が小さくなり、感光体1面へのキャリア付着を起こす。また大きすぎると、感光体1への接触面積が減り、帯電不良が増える。よって、キャリアの平均粒径としては5〜50μm程度が帯電性と磁気保持の点で望ましい。
【0210】
キャリアの磁気特性としては、感光体へのキャリア付着を防止するために磁気拘束力を高くする方がよく、飽和磁化が30A・m2/kg以上が望ましい。
実際に本例で用いたキャリア23は、平均粒径が30μmで形状は不定形粒子、抵抗値が1×106Ω、飽和磁化が58A・m2/kgであった。
【0211】
前記粗面化コート層26は電極層として兼用させるために、樹脂分24aとして導電性の良い材料あるいは絶縁性の樹脂中に導電剤を混合して導電性を持たせたものを使用する必要がある。また、粗面化コート層26の抵抗値は電極としてキャリア23に充分な電流を供給できるように、キャリア23の抵抗値より1桁以上低い抵抗値にすることが望ましい。
【0212】
次に本実施例の特徴のひとつである電極スリーブ21の表面粗さについて述べる。
【0213】
電極スリーブ21の表面に凹凸を形成することにより、電極スリーブ21とキャリア23との接触面積が広がり両者間の接触抵抗が低くなるため、良好な帯電性を得ることが可能となる。また、スリーブ21とキャリア23との間の摩擦力も上がるため、帯電ニップ部Dにおける、磁気ブラシBを構成するキャリア23の担持体としてのスリーブ21と、被帯電体としての感光体1との対向ギャップ部での磁気ブラシBのキャリア23の搬送をスムーズに行わせることができ、帯電ニップ部Dにおけるキャリア23の滞留による帯電性の低下も防止することができる。
【0214】
そのため、電極スリーブ21の最適な平均表面粗さとしては、十点平均粗さRz1.0〜30.0μmの範囲が望ましい。電極スリーブ21のRzが1.0μmより小さいと、電極スリーブ21とキャリア23との接点が少なくなり、接触抵抗が高くなってしまう。また十分なキャリアの搬送性が得られず帯電が不均一になりやすい。逆に、電極スリーブ21のRzが30.0μmより大きくなると、電極スリーブ21の表面にキャリア23が埋め込まれて接触抵抗としてはこれ以上の変化がなくなる。さらにスリーブ21上の凸部が大きくなるため、電流が集中して突発的なリークが発生し帯電ムラとなりやすい。
【0215】
従って、電極スリーブ21の最適な平均表面粗さとしては、十点平均粗さRz1.0〜30.0μmの範囲が良く、より好ましくは3.0〜15.0μmの範囲が良い。
【0216】
以上は第7図のスリーブ型の磁気ブラシ帯電部材を例に説明してきたが、前述第8図の、回転可能な導電層被覆マグネットロール22に直接にキャリア23を付着させた構成の磁性ローラ型の磁気ブラシ帯電部材の場合も、磁気ブラシBを構成するキャリア23を保持させる担持体としてのマグネットロール22についてその表面(導電層25の表面)に凹凸を形成することで同様の効果を得ることが可能である。
【0217】
尚、本実施例では、OPC感光体を用いたLBPを用いて説明してきたが、OPC感光体或いはアモルファスSi感光体を用いた複写機でも同様に用いることができる。
【0218】
次に、本発明に用いられる上記帯電用磁性粒子担持体の表面樹脂層を構成する材料について説明する。
【0219】
被覆層に用いられる結着樹脂としては一般に公知の樹脂が使用可能である。例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱あるいは光硬化性樹脂等を使用することができる。なかでもシリコン樹脂、フッ素樹脂のような離型性のあるもの、或いはポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好ましい。これらの結着樹脂は、中央部分にも端部コート部分にも好ましく用いられる。
【0220】
電極層部分(中央部分)の被膜層の抵抗値を、所定の値、特に前記キャリアの抵抗値以下に調整するためには、下記に挙げる導電性物質を被覆層中に含有させることが好ましい。この際に使用される導電性物質としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体の微粉末、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリウム等の金属酸化物、各種カーボンファイバー、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック、グラファイト等の炭素物、更には金属繊維等が挙げられる。
【0221】
本発明においては、これらのうち、カーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与したり、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるため好適に用いられる。塗料にした場合の分散安定性も良好となりうる。又、本発明において好適なこれらの導電性物質の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜100重量部の範囲とすることが好ましい。1重量部以下では被覆層の抵抗値を所望のレベルに下げることは、通常困難であり、100重量部以上であると、特にサブミクロンオーダーの粒度を有する微粉体を用いた場合、被覆層の強度(摩耗性)が低下しうる。
【0222】
本発明の被覆層に磁性粒子搬送用の凹凸を与えるための粒子としては、前出の樹脂粒子、炭素系粒子、金属粒子、金属酸化物粒子、セラミクス粒子、およびこれらのウイスカーなどが使用可能である。
【0223】
特に粗さを付与し、且つ耐摩耗性を向上させる補強用充填材としては、下記の無機粉体がある。特に端部の被覆層部分に好ましく使用可能である。
Fe及び、FeにC、Ni、Cr、Mo、Mn、Ti、SiAl、V等を含んだ鉄合金;
Al及び、AlにCu、Si、Fe、Mn、Mg、Zn、Cr、Ti等を含んだアルミニウム合金;
Mg及び、MgにAl、Zn、Mn、Zr、Th等を含んだマグネシウム合金;
Cu及び、CuにAs、Te、O、Ag、Si、Sn、Pb、Be、Cr、Co、Cd、Ni、Al、Zn、Mn、Fe、P、Se、Te等を含んだ銅合金;
Ni及び、NiにC、Mn、Fe、S、Si、Cu、Cr、Mo、Al、Ti、Co、P、W、V、Ta、Nb等を含んだニッケル合金;
Pb及び、PbにSb、Te、As、Sn、Ca、Na、Fe、Ni、Ag、Bi、Zn、Si等を含んだ鉛合金;
Sb及び、SbにSn、Cu、Pb等を含んだアンチモン合金;
Sn及び、SnにBi、Sb、Pb、Ag、Zn、Al、Mg、Co、Mn、Te等を含んだすず合金;
Zn及び、ZnにZr、Mn、Al、Cu、Mg、Fe、等を含んだ亜鉛合金;
Cd及び、CdにNi、Ag、Au、Cu、Zn等を含んだカドミウム合金;
Bi及び、BiにAl、Zn、Pb、Sn、Cd、Li等を含んだビスマス合金;
Ti及び、TiにAl、Mn、Fe、Sn、Mo、V、Zn、Pb、Ta、Zr、Pt、Pd等を含んだチタン合金;
Zr及び、ZrにMo、W、Ti、B、Al、Sn、Ge、Sb、Pb、TlP、In、Nb、Ta、V、U、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Hf等を含んだジルコニウム合金;
Ta及び、TaにW、Fe、Ni、Co、Cr、Nb、Zr等を含んだタンタル合金;
Nb及び、NbにTa、W、Cr、Ni、Zr、Al、Ti、Mo、V、Hf、C、Y、Co等を含んだニオブ合金;
W及び、WにTi、Co、Cr、V、C、Cu、Ni等を含んだタングステン合金;
Cr及び、CrにFe、Al、Mo、Ni、Co、W、Mo等を含んだクロム合金;
Mo及び、MoにTi、Co、Cr、V、C、Cu、Ni、Nb、Ta、等を含んだモリブデン合金;
Co及び、CoにCr、Ni、Mo、Fe、Si、W、N、Nb、C等を含んだコバルト合金;
V及び、VにFe、Ni、Mn、Mo、Cr等を含んだヴァナジウム合金;
Ag及び、AgにCu、Zn、Al、Sb、Mg、Mn、Hg、Pd、Pt、Tl、Sn、Si、Li、Se、Te、Ni、Cr、Fe、Mo、Ta、W、V、Co、Ir、Rh等を含んだAg合金;
Au及び、AuにAg、Cu、Pt、Pd、Ni、Zn、Al等を含んだAu合金;
Pt及び、PtにRh、Ir、Ru、Ni、W、Pd等を含んだPt合金;
Pd及び、PdにAg、Cu、Ru、Rh等を含んだPd合金;
Rh及び、RhにNi等を含んだRh合金;
Ir及び、IrにPt等を含んだIr合金;
Os及び、OsにPt等を含んだOs合金;
Ru及び、RuにPt、Pd等を含んだRu合金;
Cr3P、CrP、Au2P、MnP2、Mo3P、MoP3、Ni3P、Ni2P、Rh2P、SiP、TaP、TiP、WP、Zn3P2、ZrP2等のリンの金属化合物;
Ga;
Ge及び、GeにAu等を含んだGe合金;
As及び、AsにPb、Cu、Ga、In等を含んだAs合金;
Se;Te;
Li及び、LiにMg、Al、Zn、Pb、Fe、Hg、Tl、Sn等を含んだLi合金;
Be及び、BeにCu、Co、Ni、Al、Fe等を含んだBe合金;
Mn及び、MnにIn;
Ce及び、CeにLa、Nb、Fe、Mg、Al、Zn等を含んだCe合金;
或いは、
BeO、MgO、CaO、BaO、B2O3、Al2O3、MgAl2O4、BeAl2O4、Ga2O3、In2O3、GeO2、SnO2、PbO、Pb3O4、PbO2、Sb2O3、Bi2O3、SeO2、TeO2、TiO2、Al2TiO5、ZrO2、Cr2O3、CrO2、MnO2、α−Fe2O3、β−Fe2O3、Fe3O4、CuO、ZnO、V2O5、SiO2、Zn2SiO4、ZrSiO4、等の酸化物;
BN、AlN、Si3N4、TiN、ZrN、TaN、NbN、等の窒化物;
SiC、ZrC、 WC、 TiC、MoC、 B4C、ダイヤモンド、等の炭化物;
TiB2、AlB12、ZrB2、HfB2、VB2、NbB2、TaB2、CrB2、Mo2B5、W2B5、Fe2B、FeB、CoB、NiB、LaB6、EuB6、UB4、UB12、CaB6、SiB6、 B4C、β−B、BN、等のホウ化物;
TiSi2、ZrSi2、VSi2、NbSi2、TaSi2、CrSi2、MoSi2、WSi2、等のケイ化物;
例えばAl2O3・2SiO2・2H2O、Al2O3・4SiO2・H2O、Al2O3・2SiO2、Al2O3・SiO2、3Al2O3・2SiO2、といったケイ酸アルミナ、例えばK2O・Al2O3・6SiO2、Na2O・Al2O3・6SiO2、K2O・3Al2O3・6SiO2・3H2O、Na2O・2MgO・5Al2O3・24SiO2・(6+n)H2O、K2O・Al2O3・4SiO2、といったアルカリケイ酸アルミナ、例えば2MgO・SiO2・2Al2O3 、3MgO・4SiO2、3MgO・4SiO2・H2O、3MgO・2SiO2・2H2O、2MgO・SiO2、といったケイ酸マグネシウム、等のケイ酸塩;
硫化リン、ZnS、等の硫化物;
等が挙げられる。これらは、単独でも、或いはこれらを主要成分とした混晶物、複合物、または混合物でもよい。またこれら化合物の一部の原子を他の原子に置き換えた化合物でもよい。無機粉体を複数含有する無機粉体でもよい。更にはこれら無機粉体の表面に無機超微粒子等をドーピングやプラズマ処理等をしたもの、(例えばAl2 O3粉体上にプラズマ化したNi超微粒子で被覆した複合粉やTiOにSnO2系の処理をしSbドープをした粉体)を用いることができる。これらの粉体の形状としては特に制限はなく一般に知られている球状、角状、板状、針状、ウイスカー状、及び不定形状等が使用される。またこれら補強用充填材を1種類だけでなく、数種類を添加してもよい。
【0224】
本発明に用いる補強用充填粒子の硬度としては、モース硬度3以上、より好ましくは5以上が良い。モース硬度3未満では耐久で帯電用磁性粒子により粗面化コート層の摩耗が促進され、先に説明したように、帯電用磁性粒子のコート量低下、帯電用磁性粒子による感光体汚染を発生し、それに伴う感光体表面への電荷注入不良を引き起こす可能性が大である。
【0225】
これら補強用充填粒子の体積平均粒径は0.1〜30μm、好ましくは0.2〜20μmを有することが好ましい。補強用充填粒子の体積平均粒径が0.1μm未満では帯電用磁性粒子担持体表面に均一な粗さを付与する効果がなく、被覆層の磨耗を引き起こす為、好ましくない。一方、体積平均粒径が30μmを超えると被覆層表面の粗さが大きくなり過ぎ、帯電用磁性粒子のコート量が増大し過ぎると共に、凹凸形成粒子のために磁性粒子のコート量が不均一になるために同様に感光体表面への電荷注入不良を引き起こしてしまう、さらに粒子を十分に結着させるためには膜厚を大きくとらなくてはならないのでギャップが低下する要因となり好ましくない。
【0226】
本発明における補強用充填ウィスカーとは、繊維状をしており、繊維の長さ/繊維の直径の比(アスペクト比)が、7〜140程度の細長い形状を有するものをいい、好ましくはアスペクト比が9〜120の粒子を使用することが良い。本発明に使用される補強用充填ウィスカーのアスペクト比が7未満であると補強用充填ウィスカー添加による被覆層の耐磨耗性向上が十分得られない場合があり、好ましくない。一方、補強用充填ウィスカーのアスペクト比が140を越えると補強用充填ウィスカーの被覆層中への分散性が悪化し易くなると共に、補強用充填ウィスカーの形状によって被覆層表面の凹凸が不均一となる場合があり、好ましくない。
【0227】
これら補強用充填ウィスカーの平均繊維径は、0.1〜8μm、好ましくは0.2〜5μmである。本発明に使用される補強用充填ウィスカーの平均繊維径が0.1μm未満であると、補強用充填ウィスカーの添加による被覆層の耐磨耗性向上が十分得られない場合があり、好ましくない。一方、補強用充填ウィスカーの平均繊維径が8μmを超えると、補強用充填ウィスカーの形状によって被覆層表面の凹凸が不均一となる場合があり、好ましくない。
【0228】
【実施例】
次に、具体的実施例をもって本発明をさらに詳しく説明する。
【0229】
<実施例1>
樹脂被覆層を形成するための樹脂組成物(塗料)を次のようにして調合した。
【0230】
上記材料を回転ディスクを有し、ガラスビーズをメディアとするサンドミルを用いて、分散を行い、塗料Aを得た。
【0231】
次に、
を同様に分散して塗料Bを得た。
【0232】
上記材料において、フェノール樹脂中間体は結着樹脂として用いるものであり、塗料として用いやすいように粘度を調整して用いている。結晶性グラファイトは、樹脂被覆層に導電性を付与させるとともに、潤滑性を上げてトナーの融着を防止するものである。球状炭素粒子は、個数平均粒径6.5μmの球状フェノール樹脂粒子100部にライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて個数平均粒径2μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、空気中下280℃で熱安定化処理した後に窒素雰囲気下2000℃で焼成することにより黒鉛化し、更に分級して得られた個数平均径4.8μmの球状導電性炭素粒子であり、樹脂被覆層に適度な粗さを付与させるためのものである。また第四級アンモニウム塩化合物は、上記フェノール樹脂に添加することによりフェノール樹脂の特性を改質し、樹脂被覆層の極性を添加しない場合に比較して負極性側にもっていくことでチャージアップやブロッチを防止する役目を果たす。
【0233】
【化1】
【0234】
また塗料Bにおいて用いられる炭化硼素粒子は、球状炭素粒子に比較して真密度がやや大きく不定形であるために、表面粗さを同等とするために多めに添加する。また本発明者らの従来からの検討によれば、一般的に球状炭素粒子の方が炭化硼素粒子に比較して、表面の磨耗により粒子が露出してきた場合でもトナーとの摩擦帯電性が良好であり且つ粒子に対するトナー付着も発生しにくいという結果が得られていたが、本実施例でも下記のトナーを使った別実験(画出し)の結果、中央部には炭化硼素粒子は使用不可能と判断し、下記の現像スリーブをサンプルとした。
【0235】
次に前記塗料Aを用いスプレー法にて樹脂被覆層を形成した。φ32mmのアルミニウム円筒体をワークとしてワーク台に垂直に固定しワーク台を回転させる。円筒管の両端部はマスキングを施し塗布されない状態とする。スプレーガンをワークから一定距離を保ち、一定スピードで上下させスプレー塗布することで、φ32mmのアルミニウム円筒体上に一定の膜厚の被膜を形成させ、次いで熱風乾燥器により150℃/30分間加熱・硬化させ樹脂被覆層を形成した。次に、こんどは中央部分をマスキングした状態で塗料Bを用い、同様なスプレー法で端部に樹脂被覆層を形成した。次に#2000の研磨テープを用いて、表面の凹凸が摩滅しない程度に樹脂被覆層表面の研磨を行った。この研磨の目的は、中央部の樹脂被覆層部分と端部領域の樹脂被覆層部分の接点の膜厚を調整するとともに、樹脂被覆層表面全体を均質化するのを目的とする。この時の膜厚は約15μmであり、この現像スリーブ上の導電性被覆層表面の中心線平均粗さ(Ra)は、Ra=0.60μmであった。被覆層の体積抵抗値は、中央部が0.85Ω・cm、端部が0.90Ω・cmであった。
【0236】
トナーおよび現像スリーブの物性測定、及び、得られた画像の評価については、下記に示す方法にて行った。
【0237】
[測定方法]
(1)中心線平均粗さ(Ra)または十点平均粗さの測定
JIS B0601の表面粗さに基づき、小坂研究所製サーフコーダーSE−3300にて、中央部領域は軸方向5点×周方向2点=10点について各々測定し、その平均値をとった。端部領域はジキシール部材が対向する部分を周方向に片側3箇所×両端部=6点を測定しその平均値とした。
【0238】
(2)被覆層の体積抵抗の測定
100μmの厚さのPETシート上に7〜20μmの厚さの被覆層を形成し、ASTM規格(D−991−82)及び、日本ゴム協会標準規格SRIS(2301−1969)に準拠した、導電性ゴム及びプラスチックの体積抵抗測定用の4端子構造の電極を設けた電圧降下式デジタルオーム計(川口電機製作所製)を使用して測定した。尚、測定環境は20〜25℃、50〜60RH%とする。
【0239】
(3)グラファイト・炭素粒子の粒径測定
レーザー回折型粒度分布計のコールターLS−130型粒度分布計(コールター社製)を用いて測定する。測定方法としては、水系モジュールを用い、測定溶媒としては純水を使用する。純水にて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、消泡剤として測定系内に亜硫酸ナトリウムを10〜25mg加えて、バックグラウンドファンクションを実行する。
【0240】
次に純水10ml中に界面活性剤3〜4滴を加え、更に測定試料を5〜25mg加える。試料を懸濁した水溶液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行ない試料液を得て、前記測定装置の測定系内に試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45〜55%になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、個数分布から算術した個数平均粒径および体積平均粒径を求める。有機溶媒中に分散された塗料を測定する際には、有機溶剤用の循環モジュールを用いて同様に測定を行う。
【0241】
(4)その他の無機粒子の粒径測定
電子顕微鏡を用いて、粒子の粒径を測定する。撮影倍率は1千〜1万倍とする。写真上で1次粒子の粒径を測る。この際、長軸と短軸を測り、平均した値を粒径とする。これを、100サンプルについて測定し、50%値をもって平均粒径とする。
【0242】
(5)トナーおよび樹脂粒子粒径の測定
コールターカウンターのマルチサイザーII(コールター社製)を用いて測定し、体積分布から出した重量基準の重量平均径を求めた。
【0243】
(6)樹脂被覆層の膜厚(削れ量)の測定
KEYENCE社製レーザー寸法測定器を用いた。コントローラLS−5500およびセンサーヘッドLS−5040Tを用い、スリーブ固定治具およびスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、スリーブの外径寸法の平均値から測定を行った。測定はスリーブ長手方向に対し30分割して30箇所測定し、さらにスリーブを周方向に90°回転させた後さらに30箇所、計60箇所の測定を行い、その平均値をとった。表面被覆層塗布前のスリーブの外径を予め測定しておき、表面被覆層形成後の外径、さらに耐久使用後の外径を測定し、その差分をコート膜厚および削れ量とした。
【0244】
但し、端部被覆層の領域に関しては、測定幅がかせげなく平均化が難しいことと、えぐれられたような形状で削れるため、KEYENCE社製の表面形状測定顕微鏡VF−7510を用い、中央部被覆層の高さに対してもっとも深く削れている部分の周方向4点の平均値を中央部削れ両の平均値に加えることによって出た値を削れ量とした。
【0245】
下地が現れてしまっている場合は、例えば、15μm以上、という表記とした。
【0246】
この現像スリーブにマグネットを装着してステンレス製フランジを嵌合し、キヤノン社製複写機NP−6085改造機の現像装置に装着可能とした。本実験に用いたNP−6085改造機は、85枚機を95枚機に改造したものであり、プロセススピードは、513mm/sec.のものを573mm/sec.にアップさせ、且つドラム周速に対し、スリーブ周速を1.5倍とした。磁性トナー補給しながら、23℃、50%RHの環境で100万枚までの連続耐久を行い、主として樹脂被覆層の削れ具合の評価を行った。また、24℃/10%の常温低湿(N/L)環境と、30℃/80%の高温高湿(H/H)環境の両環境については、100万枚耐久後の現像スリーブを用いて1万枚の画出しを行い、カブリ、ブロッチ、画像濃度、などについて、端部の削れの影響がどのように現れるかについて観察し評価した。
【0247】
[評価方法]
(1)画像濃度
複写機においては、画像比率5.5%のテストチャート上の5mmφ黒丸のコピー画像濃度を、反射濃度計RD918(マクベス製)により反射濃度測定を行い、5点の平均値をとって画像濃度とした。また、LBPにおいては、キャラクタージェネレーターを用いて信号を送りプリンターで出力した、5mm■のプリント画像濃度を同様に測定し画像濃度とした。
【0248】
(2)カブリ
現像適性条件におけるベタ白画像の反射率を測定し、更に未使用の転写紙の反射率を測定し、(ベタ白画像の反射率の最悪値−未使用転写紙の反射率の最高値)をカブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(東京電色製)で測定した。ここで、測定値を目視で判断した場合、1.5以下は目視ではほとんど確認できないレベル、2.0〜3.0程度はよく見ると確認できるレベル、4.0を超えると一見してカブリが確認できるレベルである。
【0249】
(3)トナー帯電量(Q/M)及びトナー搬送量(M/S)
現像スリーブ上に担持されたトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集し、その際金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q、捕集されたトナー重量Mと、トナーを吸引した面積Sから、単位重量当たりの電荷量Q/M(mC/kg)と単位面積当たりのトナー重量M/S(dg/m2)を計算し、それぞれトナー帯電量(Q/M)、トナー搬送量(M/S)とした。
【0250】
端部の磁気シール部分内側領域は現像剤が少量であり、実際にはトナー重量測定は不可能であるため、ビデオマイクロスコープで観察し、目視で判定した。通常、とは、中央部とコート状態に差のないことを示す。
【0251】
(4)ブロッチ(画像不良)
ベタ黒、ハーフトーン、ライン画像等の各種画像及び、その際、現像スリーブ上の波状ムラ、及びブロッチ(斑点状ムラ)等、スリーブ上でのトナーコート不良の目視による観察を参考にして、評価結果を下記の指標で示した。
◎ :画像にもスリーブ上にも全く確認できない。
○ :スリーブ上でわずかに確認できるが、画像ではほとんど確認できない。
○△:数枚〜数十枚に1枚程度画像を透かしてみると確認できる。
△○:ハーフトーン画像又はベタ黒画像の1枚目で、スリーブ周期の1周目に確認できる。
△ :ハーフトーン画像又はベタ黒画像で確認できる。実用レベル下限。
△×:ベタ黒画像全体で画像不良が確認できる。実用不可レベル。
× :ベタ白画像上にも確認できる。
【0252】
(5)N/LおよびH/Hに関しては、耐久後の現像スリーブを用いて新品トナーで1万枚の画出しを行い、端部領域の劣化の影響がどのように現れるかについて評価した。ブロッチに関しては端部領域については、例え画像に出ていなくても、スリーブ上に現れているものに関しては、わすかにでている(△)、はっきり出ている(×)を併記した。
【0253】
(6)シール部分からの飛散、モレについては、下記の評価基準とした。
○:良好なレベル
△:やや有るが実用範囲内
×:実用レベル以下
×:悪い
【0254】
磁性トナーとしては、次のものを用いた。
スチレン−ブチルアクリレート系樹脂 100質量部
マグネタイト 90質量部
炭化水素系ワックス 5質量部
ジターシャリーブチルサリチル酸のAl錯体 3質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで撹拌混合した後、二軸式イクストルーダーを用いて混練を行う。混練物を冷却させた後、スピードミルにて粗粉砕し、さらにこの粗粉砕物をターボミルを用いて微粉砕を行った。さらにエルボジェット分級機を用いて分級し粒度を調整し、トナーの粒度分布が、重量平均粒径7.4μm、4μm以下の粒子の個数割合が13.5%、12.7μm以上の粒子の重量割合が0.5%の磁性トナーを得た。このトナー100質量部にシランカップリング剤で疎水化処理したコロイダルシリカ0.8質量部、およびチタン酸ストロンチウム微粒子4質量部をヘンシェルミキサーにて外添して用いた。
【0255】
評価の結果、中央部、端部領域ともに削れ良は小さく、またN/L環境、H/H環境での画像も良好なものであった。結果を表1及び2にまとめる。
【0256】
<実施例2>
実施例1の塗料Bにおいて、炭化硼素粒子に替えて、不定形、個数平均粒径が7.1μm、モース硬度7のホウ酸アルミニウム粒子(9Al2O3・2B2O3)75質量部にし、塗料Cとした以外は同様にして現像スリーブを作成した。塗料Aはそのまま用いた。実施例1に比較して端部領域のトナーチャージが少し高めである様子がうかがえたが、実用上は全く問題ない範囲であった。評価結果を表1及び2に示す。
【0257】
<実施例3>
実施例1の塗料Bにおいて、炭化硼素粒子に替えて、平均繊維径1μm、アスペクト比30、モース硬度7のホウ酸アルミニウムウイスカー(9Al2O3・2B2O3)50質量部にし、塗料Dとした以外は同様にして現像スリーブを作成した。塗料Aはそのまま用いた。実施例1に比較して端部領域のトナーチャージが少し高めである様子がうかがえたが、実用上は問題ない範囲であった。評価結果を表1及び2に示す。
【0258】
<実施例4>
実施例1の塗料Bにおいて炭化硼素の個数平均粒径を3.2μm、添加量を120重量部とし、塗料Eとした以外は実施例1と同様にして現像スリーブを作成した。評価結果を表1及び2にまとめる。
【0259】
<実施例5>
実施例1の塗料Bにおいて炭化硼素の個数平均粒径を15.3μm、添加量を35重量部とし、塗料Fとした以外は実施例1と同様にして現像スリーブを作成した。評価結果を表1及び2にまとめる。
【0260】
<実施例6>
実施例1の塗料Aにおいて、第四級アンモニウム塩化合物を除いた以外は実施例1と同様にして塗料Gとし、現像スリーブを作成した。端部領域は塗料Bから第四級アンモニウム塩化合物を除いた塗料Hを用いた。第四級アンモニウム塩化合物を添加しなかったため、特にN/L環境でブロッチの発生が見られたが、削れ量に関しては良好な値をしめした。評価結果を表1及び2にまとめる。
【0261】
<実施例7>
実施例1の塗料Bにおいて、炭化硼素粒子に替えて、個数平均粒径が1.8μmの結晶性シリカ150質量部にし、塗料Jとした以外は同様にして現像スリーブを作成した。塗料Aはそのまま用いた。粒径が小さいため多量に添加する必要があり、コート層の体積および表面の抵抗が上昇することとシリカ微粉末の現像剤との摩擦帯電性が良好ではないため、実施例1に比較して端部領域よりの画像特性が実施例1に比較すると劣っていた。しかしながら、削れ性の観点から見ると効果はあった。評価結果を表1及び2に示す。
【0262】
<比較例1>
実施例1において中央部だけでなく、端部領域まで塗料Aとして現像スリーブを作成した。端部領域の磁気シールに対応する部分でコート層の削れ及び粒子の削れによる平滑化がみられた。その結果、端部領域で濃度薄が発生した。中央部の表面粗さはほとんど変化していなかった。評価結果を表1及び2に示す。
【0263】
<比較例2>
実施例1において、塗料Bから炭化硼素を除き塗料Kとした以外は実施例1と同様にして現像スリーブを作成した。磁気シール部分の樹脂層は削れて下地が露出し、端部領域からブロッチが発生した。評価結果を表1及び2に示す。
【0264】
<比較例3>
実施例1の塗料Bにおいて、炭化硼素粒子に替えて、球形、個数平均粒径が5.3μmのポリメチルメタクリレート粒子40質量部にし、塗料Lとした以外は同様にして現像スリーブを作成した。塗料Aはそのまま用いた。比較例2と同様に磁気シール部分の樹脂層はが著しく、端部領域からブロッチが発生した。評価結果を表1及び2に示す。
【0265】
<比較例4>
実施例7の塗料Jのシリコーン微粉末に替えて、個数平均粒径が約0.1μmのシリカ微粉末を用い塗料Mとし、あとは実施例7と同様にして現像スリーブを作成した。添加粒子の粒径が小さすぎるため削れに対する効果はなく、被覆層の削れ状態は比較例2と同等かそれ以下であった。
【0266】
<実施例8>
フェノール樹脂中間体 100質量部
カーボンブラック 10質量部
個数平均粒径5.1μmの炭化硼素粒子 50質量部
メタノール 370質量部
上記材料を回転ディスクを有し、ジルコニアビーズをメディアとするサンドミルを用いて、分散を行い、塗料Nを得た。
【0267】
フェノール樹脂中間体 100質量部
個数平均粒径5.3μmのホウ酸アルミニウム粒子 60質量部
メタノール 240質量部
上記材料を回転ディスクを有し、ジルコニアビーズをメディアとするサンドミルを用いて、分散を行い、塗料Pを得た。
【0268】
塗料Nを中央部の導電性樹脂被覆層用、塗料Pを両端部の絶縁性被覆層用とし、実施例1と同様の塗工方法により帯電用磁性粒子担持体用のサンプル(以下スリーブ)を作成した。円筒状の基体としては、外径16mmのアルミニウムパイプを用いた。上記塗料をスプレー塗工し、加熱乾燥・硬化させ表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートスリーブを得た。研磨操作は行わなかった。膜厚は、中央部、端部ともに約15μmに調整した。中央部の被覆層の体積抵抗値は、7.4×10Ω・cmであった。また、中央部の十点平均粗さ(Rz)は8.2μm、端部は8.8μmであった。
【0269】
この樹脂コートスリーブにマグネットを装着して金属製のフランジを嵌合し、磁性粒子担持体を得た。磁性粒子としては、平均粒径22μmのフェライトコアにチタン系のカップリング剤処理を施した、体積抵抗が5.4×107Ω・cmものを用いた。この磁性粒子担持体を第16図に示されるような帯電装置に組み込み、さらに磁性粒子を80g添加して用いた。評価機としては、キヤノン社製レーザービームプリンターLBP−930を、上記帯電装置および前記の注入帯電用感光体を組み込み可能に改造して用いた。
【0270】
実際に現像を行いながら耐久を行うと、現像剤により感光体や磁性粒子の劣化が起こり得るため、実験は現像を行わない状態にて実施し、表面粗さ(Rz)変化および磁性粒子コート量(M/S)、樹脂層の削れ量、感光体の表面電位、磁性粒子の感光体への付着について耐久前、耐久後の比較を行った。
【0271】
感光体への電荷注入は、23℃/50%の環境において、DC−700Vを印加することにより行い、その時の感光体の表面電位を測定した。
【0272】
キャリア付着に関しては、次の基準とした。
○:良好
△:ややあるが実用レベル内
×:実用レベル以下の付着あり
【0273】
耐久による削れも少なく、表面電位、キャリア付着ともに問題なく良好であった。評価結果を表3にまとめて示す。
【0274】
<実施例9>
実施例8において、塗料Nの炭化硼素粒子に替え、塗料Pで用いているホウ酸アルミニウム粒子60質量部とし、塗料Qとした以外は実施例8と同様に樹脂コートスリーブを作成し、実施例8と同様な評価を行った。塗料Pの樹脂層と塗料Qの樹脂層を、通常のテーバー試験で確認したところ明らかに塗料Pの方が削れ量は少なかった。これは、カーボンブラックの添加がかなり削れ量を増やしているものと考えられる。ホウ酸アルミニウム粒子が絶縁性の粒子であるため、導電性樹脂層の抵抗がやや上がったためか、注入帯電電位に若干に低下が見られたが、実用上は全く問題のないレベルであった。評価結果を表3に示す。
【0275】
<実施例10>
実施例8において、塗料Pのホウ酸アルミニウム粒子に替え、平均繊維径1μm、アスペクト比30、モース硬度7のホウ酸アルミニウムウイスカー(9Al2O3・2B2O3)40質量部にし、塗料Rとした以外は同様にして現像スリーブを作成した。ウイスカーを使用した場合、均一な表面凹凸(粗さ測定のバラツキが大きかった)を作ることがむずかしいが、ここでは特に問題は発生しなかった。削れは良好であった。評価結果を表3に示す。
【0276】
<実施例11>
実施例8において、塗料Pのホウ酸アルミニウムに替え、モース硬度12、個数平均粒径3.5μmのアルミナ粒子100質量部にし、塗料Sとした以外は実施例8と同様にして樹脂コートスリーブを作成した。評価結果を表3に示す。
【0277】
<実施例12>
実施例8において、塗料Pのホウ酸アルミニウムに替え、モース硬度9、個数平均粒径5.6μmの窒化珪素粒子60質量部にし、塗料Tとした以外は実施例8と同様にして樹脂コートスリーブを作成した。評価結果を表3に示す。
【0278】
<実施例13>
実施例8において、塗料Pのホウ酸アルミニウムに替え、モース硬度7、個数平均粒径4.4μmの結晶性シリカ粒子60質量部にし、塗料Uとした以外は実施例8と同様にして樹脂コートスリーブを作成した。評価結果を表3に示す。
【0279】
<実施例14>
実施例8において、塗料Nの炭化硼素に替え、モース硬度9、体積抵抗約105Ω・cm、個数平均粒径5.0μmの炭化珪素50質量部とし、塗料Vとした以外は実施例8と同様にして樹脂コートスリーブを作成した。評価結果を表3に示す。
【0280】
<比較例5>
実施例8において、端部樹脂コート層に塗料Pを用いずに、フェノール樹脂のみの硬化膜を同等の膜厚で形成し、樹脂コートスリーブを作成した。テーバー試験の結果からは、明らかに樹脂のみの硬化膜の方が削れは大きかった。耐久でも同様に削れは大きかった。評価結果を表3に示す。
【0281】
<比較例6>
実施例8において、塗料Pのホウ酸アルミニウムに替え、個数平均粒径5.3μmのポリメチルメタクリレート粒子35質量部にし、塗料Wとした以外は実施例8と同様にして樹脂コートスリーブを作成した。評価結果を表3に示す。
【0282】
<比較例7>
アルミスリーブの中央部は、アランダム粒子によるサンドブラスト面とし、Rzを9.0μmとした。また端部には比較例5と同様にフェノール樹脂の硬化膜を設けた。耐久により中央部表面の凹凸は摩滅し、磁性粒子の感光体への付着が著しかった。また端部に関しても比較例5同様であった。評価結果を表3に示す。
【0283】
【表1】
【0284】
【表2】
【0285】
【表3】
【0286】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、現像装置内において強い力のかかる部分においても樹脂被覆層の磨耗が少なく、現像スリーブの樹脂被覆層の磨耗によって発生する、トナー飛散、ブロッチ、カブリ、濃度薄などの不具合をなくし、且つトナーに対して良好な摩擦帯電性を付与することのできる現像剤担持体および現像装置を提供できる。これを用いることにより、長期にわたり高画質高精細な画像を提供できる。
【0287】
また本発明によれば、磁気ブラシ帯電装置における磁性粒子担持体の樹脂被覆層においても樹脂被覆層の磨耗を軽減し、磨耗によって生じる、感光体へのキャリア付着や注入帯電特性の低下を防止することのできる帯電用磁性粒子担持体および磁気ブラシ帯電装置を提供できる。これを用いることにより、長期にわたり高画質高精細な画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像剤担持体を有する一実施形態の現像装置を示の模式図である。
【図2】二成分現像剤を用いるのに好適な現像装置を示の模式図である。
【図3】現像装置を正面から見た場合の一様態を示す模式図である。
【図4】現像スリーブ72の端部領域について、樹脂被覆層が形成されている状態をを示す模式図である。
【図5】スリーブに圧接するタイプのシール部材76のみが使用されている場合の模式図である。
【図6】磁性シール部材75のみを用いる場合の模式図である。
【図7】スリーブ型の磁気ブラシ帯電部材2ないしは帯電装置の構成模型図である。
【図8】その他の構成模型図である。
【図9】画像形成装置例の概略図である。
【図10】本実施例で用いている被帯電体としての感光体1の層構成模型図である。
【図11】(a)が模型図、(b)が等価回路図である。
【図12】構成模型図の拡大図である。
【図13】その他の構成模型図の拡大図である。
【図14】模式図である。
【図15】磁気ブラシ帯電装置をスリーブ正面側から見た断面図である。
【図16】磁気ブラシ帯電装置の一例を示す模式図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法において、電子写真感光体、或いは静電記録誘導体の如き潜像保持体上に形成された静電潜像を現像して顕像化する際に用いられる現像剤担持体、該現像剤担持体が用いられている現像装置に関する。
【0002】
さらに本発明は、電子写真法において、被帯電体を帯電処理(除電処理も含む)するために用いられる、磁気ブラシ帯電部材、帯電装置、帯電用磁性粒子担持体に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により静電潜像担持体(感光体)上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像を現像剤(トナー)で現像を行って可視像化し、必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力等により転写材上にトナー画像を定着して顕画像を得るものである。
【0004】
電子写真法における乾式現像方式は、主として一成分現像方式と二成分現像方式に分けられる。
【0005】
二成分現像方法は、トナーとキャリアを撹拌することにより、おのおのを摩擦帯電させ、この帯電したトナーを用いて静電潜像を可視像化する。この方法に属するものには、トナーを搬送するキャリアの種類により、鉄粉などの磁性を有する材料を用いる磁気ブラシ法、ビーズキャリアを用いるカスケード法、ファーを用いるファーブラシ法等と称されている。中でも一般的に用いられるのは磁気ブラシ法である。
【0006】
また、一成分現像方法に属するものには、トナー粒子を噴霧状態にして用いるパウダークラウド法、可撓性または弾性を有する現像剤担持体上のトナー粒子を直接的に静電潜像面に接触させて現像する接触現像法、トナー粒子を静電潜像面に直接接触させずトナー粒子を静電潜像と現像剤担持体間の電界の作用により潜像面に向けて飛翔させるジャンピング現像法、磁性の導電性トナーを静電潜像面に接触させて現像するマグネドライ法等があるが、接触現像法、ジャンピング現像法が一般的には用いられている。
【0007】
これらの現像方法に適用するトナーとしては、従来より、天然あるいは合成樹脂中に着色剤を分散させた微粉体が使用されている。例えば、スチレン−アクリル樹脂やポリエステル樹脂等の結着樹脂中に各種顔料、染料、カーボンブラック、酸化鉄等の着色粒子を分散させたものを、平均粒径が4〜15μm程度に微粒子化させたものがトナーとして用いられる。
【0008】
トナーは、現像される静電潜像の極性および現像プロセスに応じて、所定の正または負の電荷を有する必要がある。トナーに電荷を持たせる方法としては、トナーの結着樹脂の摩擦帯電性を利用する方法、トナーに添加する各種粒子に摩擦帯電性を持たせる方法が一般的であり、特に荷電制御剤と称される特定物質をトナー中に添加することが一般的である。これらのトナーは、通常、現像装置に用いられる各種部材と接触することにより摩擦電荷を生ずる。主な部材としては、二成分現像剤においてはキャリアであり、現像スリーブ等の影響も受け得る。また、一成分現像剤においては、主に現像スリーブや現像剤規制ブレードとの作用により摩擦電荷を生ずる。他にもそれぞれ、現像剤供給部材、撹拌部材、搬送部材、現像剤容器等も、摩擦帯電に関係し得る。
【0009】
一般的に現像プロセスにおいて、トナーに適正な電荷を持たせようとする場合、まず第一は、トナーが十分摩擦帯電可能な材料から構成されている、つまり、結着樹脂、添加剤、荷電制御剤として適切な材料が選択されているかどうかが挙げられる。しかしながら、トナー成分の大半を占める結着樹脂は、現像のみでなく定着工程において重要な役割を担わせられるため、摩擦帯電ばかりを重視した材料を選択しうるわけではない。近年、省エネルギーの観点から、より低温又は低消費電力で定着させる技術が要求されている。トナーにおいては、定着性を重視した結着樹脂は、帯電性に劣る場合が多い。例えば、低エネルギーでトナーを定着させるための材料選択として、結着樹脂のTg(ガラス転移点)や結着樹脂の分子量分布において低分子量成分を増やすという方法があるが、このような結着樹脂は通常、帯電性に劣ることが多い。またトナーには定着工程における耐オフセット性の向上のため、また樹脂の可塑効果を高めて定着性を向上させる等の目的で所謂ワックス類を添加する場合が多いが、これらのワックス類に関しても現像性に関しては悪い方向の特性を与えやすい。また、荷電制御剤をトナー中に添加し、摩擦帯電性を向上させるわけであるが、荷電制御剤の多くは染料や顔料であるので、トナー中に多量に添加すると、トナー製造工程においてトナー粒子から遊離したり、トナー表面に存在したりする荷電制御剤により、感光ドラム、帯電部材、現像スリーブ、規制ブレード等の部材を汚染しやすい。
【0010】
トナーに摩擦帯電電荷を持たせる手段の第二として、摩擦帯電付与部材に適切な材料を選択用いる。トナー材料と摩擦帯電付与部材材料の適切な組み合わせにより、トナーの摩擦帯電電荷のバランスをとる方法も数多く提案されている。
二成分現像剤としての摩擦帯電付与部材である磁気ブラシ用のキャリアとしては、かつては鉄粉がそのまま用いられていたが、近年、トナーの摩擦帯電量を調整するために、磁性材料としての鉄粉やフェライト等を用いたキャリア用芯材に対し、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等を主成分とするコート剤を表面に塗布して用いられることが多い。
【0011】
また、一成分現像剤においては、現像装置において、トナーが現像スリーブ−規制ブレード間を通過し、薄層化される際に現像スリーブおよび規制ブレードに接触することから、これらの部材がトナーの摩擦帯電に影響を与える。また一成分磁性トナーの場合、磁力の作用によりスリーブ上を移動しこの間、現像スリーブとの接触機会を持つことから現像スリーブ側にかかるウエイトが大きい。
【0012】
規制ブレードとしては、規制ブレードと現像スリーブ間に狭い間隙を有しトナーの搬送量を規制するタイプ、規制ブレードが現像スリーブに弾性的に接触して規制を行うタイプ等があり、一般的には、金属、ゴムなどの材料が用いられる。現像スリーブに弾性的に接触させる場合にはウレタンゴム、シリコンゴム等のゴムやリン青銅やステンレスの板材が用いられる。また、トナーとの摩擦帯電性を考慮して、例えばトナーに負帯電性を与える際には正帯電性のナイロン系のエラストマーをトナーと接触する表層に用いてトナーの電荷を持たせやすくするなどの方法がとられる。これらの摩擦帯電材料は、直接ブレード状に加工されたり、板材にチップとして貼り付けたり、樹脂コートするなりして用いられる。
【0013】
次に、現像スリーブ(現像剤担持体)について説明する。
【0014】
現像剤担持体を潜像担持体に直接接触させ現像を行う、いわゆる接触現像方法においては、一般的にはステンレス等の金属の主軸に、ウレタンゴム、EPDMゴム、シリコンゴム等の弾性体を円筒上に成形したものや、アルミニウムやステンレスの円筒部材の表面にエラストマーの層を形成したものが用いられる。これらの場合、いわゆるゴム中には、可塑剤、加硫剤、離型剤、低分子量成分等の不純物が含まれており、これが潜像担持体や現像剤層形成部材と接触した際に、ブリードしてこれらの部材および画像に悪影響を及ぼすことから、ゴム層の表面に、バリアー層、保護層などの層を設け上記悪影響を防止する。さらには、最表面に、離型性の良い材料やトナーに摩擦電荷を与えやすい樹脂で表面層を形成することも知られている。
【0015】
非接触型の現像に用いられる現像スリーブは、従来より、例えば金属、その合金またはその化合物を円柱又は円筒状に形成し、その表面を電解、メッキ、ブラスト、ヤスリがけ等で所定の表面粗さになるように処理したものが用いられる。一成分磁性現像剤を用いる場合には、円筒内に所定の磁力および磁極構成を有する磁石が配置される。二成分の磁気ブラシ現像装置においても同様の現像スリーブが用いられている。
【0016】
しかし、上記のような表面を有する現像スリーブを用いた場合、規制部材によって現像剤担持体表面に形成される現像剤層中の現像剤担持体表面近傍に存在する現像剤は非常に高い電荷を有することとなり、担持体表面に強烈に引きつけられてしまい、これにより後からくるトナーと担持体との摩擦機会が持てなくなるため、現像剤に好適な帯電が与えられなくなる、いわゆるチャージアップ現象を引き起こす。この様な状況では、十分な現像および転写は行われず、画像濃度が出ない、画像ムラのある、文字飛び散りの多い画像になってしまう。このような過剰な電荷を有する現像剤の発生や、現像剤の強固な付着を防止するため、摩擦帯電可能な樹脂中にカーボンブラック、グラファイトの如き導電性物質や固体潤滑剤を分散させた樹脂被覆層を上記現像剤担持体基体上に形成する方法が、特開平01−277265公報等に開示されている。
【0017】
現像スリーブは、トナーに適正な電荷を付与する機能以外に、現像スリーブ上に層形成されたトナー又は現像剤を安定的に且つ均一に現像領域へと搬送する役割も果たす。現像スリーブ上のトナー搬送量は、もちろん現像剤層形成部における規制の強さ、トナーとスリーブ間の帯電によるクーロン力、マグネットの磁力構成などの影響を受けるが、現像スリーブの表面形状による影響がかなり大きいことが従来より知られている。従って、現像スリーブ表面の形状が繰り返しの使用により変化してしまうと、現像剤の搬送量が変化してしまい現像性その他に様々な支障をきたすようになる。上記の様に、カーボンブラックやグラファイトを添加した樹脂コートスリーブにおいては、それほど耐久性の要求されない低容量のカートリッジでは十分な性能を得られるが、高耐久枚数が要求される場合には削れによる表面粗さ変化が問題となる。特開平03−200986には、現像スリーブ表面の凹凸を形成する材料として球状の微粒子を添加する提案がなされている。球状の粒子を添加する方法は、均一な表面形状を形成する手段としては良好な手段である。さらに、特開平08−240981には耐久性を向上させる、球状粒子を添加する技術として真密度が3以下の導電性球状粒子を添加した樹脂層を形成する技術が開示されている。
【0018】
これらに開示される表面樹脂被覆層を形成する技術は、現像スリーブ表面の樹脂被覆層が、現像装置やカートリッジが寿命となるまで保持され続けることはもちろん必要とされるが、それと同時に表面がごく僅かずつ削れていくことにより、トナーやトナーの外添剤が固着し続けることを防ぐという効果を有している。すなわち、例えば、結着樹脂とグラファイトからなる樹脂被覆層は、グラファイトにより樹脂層に導電性を与え、トナーがチャージアップすることを防止すると同時に、グラファイトの有する潤滑性によりトナー等の表面への付着を防止する。さらには、グラファイトが層状構造を有することで薄く削れることから、例え融着に近い状態になってもトナーとの接触や規制部材等による外力により極僅かに削れることでトナー融着を防いでいる。従って、樹脂被覆層は現像装置やカートリッジが寿命以上に樹脂層が保持されること、及び、表面がトナーに固着しない程度に削れ、本来の機能を発揮できる樹脂層表面を有することを考慮されて設計されている。従って、現像スリーブに加わる負荷が一定であれば、安定して樹脂被覆層の効果が得られる。しかしながら一般的に現像装置内での現像スリーブに対する負荷は一定にはならない。特に端部領域において負荷が大きくなる可能性が大きい。例えば、端部領域においてはトナーの循環性が悪くなることから現像スリーブに対する押圧力が大きくなる。また、端部領域にはトナーシール部材がありスリーブに押し当てられていることからそのシール部材端部におけるスリーブ表面樹脂層への負荷はさらに大きくなる。また更に、特開昭53−137834、特開平03−13975、特開平05−297697、特開平07−333989等には、現像剤担持体端部領域において、磁石または磁性部材を現像スリーブ内部および現像スリーブに接しない外部に配し、磁界の作用によって磁気ブラシを形成し現像剤の外部への漏出を防止する方法が記載されている。このような磁界の作用によるシールの場合、シール性は良好であるが、現像スリーブ表面へのトナーや現像剤による摺擦による負荷は大きく、スリーブを形成するアルミニウム管やその上に形成された導電性樹脂層の耐摩耗性が非常に問題となってくる。上記導電性樹脂被覆層は、キャリアとトナーを用いた二成分現像装置に用いることも有効であるが、特にこの場合には、キャリアによる現像スリーブへの負荷がシール部分においてより一層大きく、削れも一段と進行しやすい。従って、通常の導電性被覆層では大きな削れが生じてしまう。特開平07−56435には、このようなスリーブ表面の導電性樹脂層の削れを改善する提案として、現像スリーブ端部領域のカーボンブラックあるいはグラファイトの添加量を少なくし、漏れを防止する提案がなされているが、この方法であっても前記二成分現像剤を用いた場合には不十分である。
【0019】
端部のシール部分に樹脂層を設ける方法として、特開昭63−177170には、現像剤担持体(現像スリーブ)の端部領域をバイアス印加によりトナーと同極性に帯電させ、電界の作用でトナー粒子の侵入を防止し、またそこに樹脂層を形成する旨の提案がある。しかしながら、トナーには極性反転成分が必ずあるため、トナーの侵入を必ずしも防げるわけではなく、またシール部分の耐摩耗性は十分ではない。
【0020】
また同様に特開平03−131877には、端部領域の現像スリーブと接触する端部シール部材に対応する部分に端部シール部材もしくは現像剤との摺擦によりトナーと同極性に帯電する被覆を設ける旨の提案がある。ここにおいては、被覆と摺擦したトナーは反転極性となり、被覆と摺擦したシール部材はトナーと逆極性となるため、同様に不十分であり、また耐摩耗性も不十分である。
次に、帯電部材について説明する。
【0021】
被帯電体の帯電処理手段は「非接触系」と「接触系」の2系統に大別される。
【0022】
非接触系の代表例はコロナ帯電器である。これは該コロナ帯電器を被帯電体に非接触に対向させて配設し、高圧印加でコロナ帯電器にコロナ放電を生じさせ、該放電コロナに被帯電体面を曝すことで被帯電体面を帯電させるものである。接触系には、摩擦帯電や、ローラ体・ブラシ体などの帯電部材を被帯電体に接触させ電圧を印加して被帯電体を帯電する接触帯電装置などがある。
【0023】
従来、例えば、電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置においては、電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体の帯電処理手段としては非接触系であるコロナ帯電器が多用されていたが、近年は、エコロジーが注目されるにつれて、低オゾン・低電力等の利点を有することから、接触系の接触帯電装置が実用化されてきている。接触帯電部材としてはゴムローラ、固定ブラシ、ロール形状のファーブラシ、磁気ブラシなど、様々な部材がある。
【0024】
特に、接触帯電部材として導電ローラを用いたローラ帯電方式の装置が帯電の安定性という点から好ましく用いられている。ローラ帯電方式の接触帯電装置では、帯電部材として導電性の弾性ローラ(帯電ローラ)を被帯電体に加圧当接させ、これに電圧を印加することによって被帯電体を帯電処理する。具体的には、帯電は帯電部材から被帯電体への放電によって行われるため、ある閾値電圧以上の電圧を印加することによって帯電が開始される。
【0025】
例を示すと、被帯電体として、厚さ25μmのOPC感光体に対して帯電ローラを加圧当接させて帯電処理を行わせる場合には、帯電ローラに対して約640V以上の電圧を印加すれば感光体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。この閾値電圧を帯電開始電圧Vthと定義する。つまり、電子写真に必要とされる感光体表面電位Vd を得るためには帯電ローラにはVd +Vthという必要とされる以上のDC電圧が必要となる。このようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して被帯電体の帯電を行う接触帯電方式を「DC帯電方式」と称する。しかし、DC帯電方式においては環境変動等によって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また被帯電体としての感光体が削れることによって膜厚が変化すると帯電開始電圧Vthが変動するため、感光体の電位を所望の値にすることが難しかった。
【0026】
このため更なる帯電の均一化を図るために特開昭63−149669号公報等に開示されるように、所望のVd に相当するDC電圧に2×Vth以上のピーク間電圧を持つAC成分を重畳した振動電圧を接触帯電部材に印加して被帯電体の帯電を行う「AC帯電方式」が用いられる。これはACによる電位のならし効果を目的としたものであり、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央であるVdに収束し、環境等の外乱には影響されることはない。
【0027】
しかしながら、このような接触帯電部においても、その本質的な帯電機構は接触帯電部材から被帯電体への放電現象を用いているため、先に述べたように帯電に必要とされる電圧は被帯電体表面電位以上の値が必要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0028】
また、帯電均一化のためにAC帯電方式を用いた場合には、更なるオゾン量の発生、AC電圧の電界による帯電部材と被帯電体の振動騒音(AC帯電音)の発生、また放電による被帯電体表面の劣化等が顕著になり新たな問題点となっていた。
【0029】
ここで、ローラ帯電に限らず接触帯電部材に必要とされる特性において、抵抗値の低い帯電部材を使用した場合、被帯電体上にキズやピンホール等の低耐圧欠陥部があると、帯電部材からその低耐圧欠陥部に過大なリーク電流が流れ込み、低耐圧欠陥部周辺の被帯電体部分に帯電不良やピンホールの拡大、帯電部材の通電破壊が生じる。これを防止するためには、帯電部材の抵抗値を1×104Ω程度以上にする必要がある。一方、1×108Ω以上では、抵抗値が高過ぎて、帯電に必要な電流を流すことができない。従って、接触帯電部材の抵抗値は1×104〜1×108Ωの範囲でなければならない。
【0030】
また、接触式であって、被帯電体への電荷の直接注入による帯電を行わせる注入帯電方式が考案されている。この注入帯電方式は、帯電ローラ・帯電ファーブラシ・帯電磁気ブラシ等の接触帯電部材に所望のVdに相当するDC電圧のみを印加し被帯電体表面にあるトラップ準位に電荷を注入する、あるいは、導電粒子を分散した保護膜を有する被帯電体の導電粒子に電荷を充電する、といった方法で所望のVdを得るものである。特開平6−3927号公報には、表面に電荷注入層を設けた被帯電体(感光体)上のフロート電極に電荷を注入して接触帯電する方法を開示しており、電荷注入層として、感光体表面にアクリル樹脂に導電フィラーであるアンチモンドープで導電化したSnO2粒子を分散したものを塗工して用いることが可能であるとの記述がある。この帯電方式では、放電現象を用いないため、帯電に必要とされる電圧は所望する被帯電体表面電位分のみのDC電圧であり、オゾンの発生もない。さらに、AC電圧を印加しないので、帯電音の発生もなく、ローラ帯電方式と比べると、より低オゾン性、低電圧性に優れた帯電方式である。
【0031】
前述のDC帯電方式・AC帯電方式のような接触帯電方式では、帯電機構が放電によるものであるため、帯電部材と被帯電体表面の間に多少のギャップが生じても帯電はなされていたが、注入帯電方式では帯電部材と被帯電体とが直接接触して電荷を授受するため、両者が密に接触して微視的な帯電し残しがないような構成を取る必要がある。また、電荷の授受を妨げないように帯電部材の抵抗はより低い方が好ましいが、前述したように、接触帯電部材を用いた装置では、被帯電体上にキズやピンホール等の低圧欠陥部があった場合に、帯電部材の抵抗が低いとリークが生じ、電源電圧が降下して帯電不良となるため、実用上は帯電部材がある程度以上の抵抗を保持している必要がある。このように帯電部材の抵抗が高い場合には電荷の注入性が落ちてしまうので、帯電部材を早回しする等の手段を用いて、帯電部材と被帯電体との接触機会を増やしてやり、電荷の注入能力を確保する必要がある。以上述べてきたように注入帯電方式に用いる帯電部材としては、被帯電体と密に接触でき、かつ、被帯電体に対して周速差を持つことが可能な部材という観点から、磁気ブラシ、磁性流体などの磁気拘束系の帯電部材(磁気ブラシ帯電部材)が適している。
【0032】
磁気ブラシ帯電部材は、担持体に磁性粒子を磁気力で拘束して磁気ブラシとして付着保持させたもので、該磁気ブラシを被帯電体に接触させ、電圧を印加して被帯電体の帯電を行うものである。より具体的には、
▲1▼磁気ブラシ担持体が回転可能なスリーブであり、該スリーブ内に配設した固定のマグネットロール(磁石)の磁気力で磁性粒子がスリーブ外面に拘束されて磁気ブラシとして付着保持されている形態のもの(スリーブ型)、
▲2▼磁気ブラシ担持体が回転可能なマグネットロールであり、該ロールの外面に直接に磁性粒子が磁気力で拘束されて磁気ブラシとして付着保持されている形態のもの(磁性ローラ型)などである。
【0033】
第7図は上記▲1▼のスリーブ型の磁気ブラシ帯電部材2ないしは帯電装置の構成模型図である。
【0034】
21は磁気ブラシ担持体としての、アルミニウム等の非磁性の導電性スリーブ(電極スリーブ、導電スリーブ、帯電スリーブなどと称される)である。22はスリーブ21内に挿入配設した磁界発生手段としてのマグネットロールである。N・Sは該ロールの着磁部である。このマグネットロール22は非回転の固定部材であり、マグネットロール22の外周りをスリーブ21が同心に矢示の時計方向bに不図示の駆動機構で所定の周速度にて回転駆動される。23は導電性の磁性粒子(以下、キャリアと記す)であり、スリーブ21の外周面にスリーブ内部のマグネットロール22の磁気力で拘束されて磁気ブラシ(導電磁気ブラシ)Bとして付着保持されている。キャリア23はマグネットロール22の磁気拘束力によりスリーブ21の外面上で磁気的な穂立ちを形成し、これが集まってブラシ形状となっている。S1はスリーブ21に対する帯電バイアス印加電源である。1は被帯電体であり、例えば、矢示の時計方向aに所定のプロセススピードをもって回転駆動されるドラム型電子写真感光体である。磁気ブラシ帯電部材2は磁気ブラシBを被帯電体1の面に接触させて帯電ニップ部(接触ニップ部)Dを形成させた状態にして配置される。磁気ブラシBは、スリーブ21の回転に伴って同じ方向に回転搬送され、帯電ニップ部Dにおいて回転感光体1面を摺擦し、電源S1からスリーブ21を介して磁気ブラシBに印加された帯電バイアスにより、被帯電体としての回転感光体1面が接触方式で帯電処理される。帯電ニップ部Dにおいて、スリーブ21の回転方向、それに伴う磁気ブラシBの回転搬送方向は被帯電体としての回転感光体1の回転方向に対してカウンター方向としてある。スリーブ21は、磁気ブラシBの担持機能、搬送機能、帯電バイアス印加電極機能を担っている。
【0035】
注入帯電にあっては、磁気ブラシBのキャリア23を、安定な均一搬送を行うため、担持体表面をサンドブラスト処理によって表面を粗す方法が、特開平06−161207号公報、特開平07−287432号公報、特開平07−306568号公報、特開平08−69155号公報、特開平08−211741号公報等に開示されている。
【0036】
また、担持体表面に、シリコーン、PMMA、ナイロン等の樹脂粒子を混ぜた樹脂層を設けることによって表面を粗す方法が、特開平08−254880号公報に開示されている。しかしながら上記にて開示される樹脂層では、帯電装置の寿命枚数に見合う耐摩耗性は確保されず、表面粗さの低下を生じキャリアの搬送性に支障をきたすため、更なる改良が求められる。特開平09−274357には、磁気ブラシ担持体に保持された磁性粒子が感光体に付着することを防止する技術として担持体の端部領域に絶縁樹脂層を設ける旨の提案がある。ここにおいても絶縁樹脂層に粗さを付与する手段としてPMMA、ナイロン等の樹脂粒子が用いられている。しかしながら、この絶縁樹脂層を設けた領域は、同時に磁性粒子のシール部材に対応する位置となるために、前記の現像スリーブの場合と同様に耐摩耗性が必要となる。しかしながら、上記提案にて開示される範囲内の材料では、耐摩耗性が不十分であり、繰り返しの使用を考慮した場合には、さらなる改良が必要とされる。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、本発明の目的は、上記要求を達成可能な、現像装置、現像剤担持体、および磁気ブラシ帯電装置、帯電用磁性粒子担持体を提供することである。
【0038】
本発明の目的は、現像剤担持体の端部領域における削れ、キズ、トナー漏れ等を防止し、これらに起因するブロッチ、カブリ、濃度薄、画像汚れなどの画像欠陥の発生しない現像装置および現像剤担持体を提供することである。
【0039】
さらに本発明の目的は、端部領域の改良だけではなく、全面において、トナー汚染や融着をなくすと共に現像剤への摩擦帯電付与を適正化させ、高画質、高精細な画像の提供できる現像装置および現像剤担持体を提供することである。
【0040】
さらに本発明の目的は、樹脂被覆層が高耐久性を有し、繰り返しの画像形成においても上記品質を維持することにできる現像装置および現像剤担持体を提供することである。
【0041】
さらに本発明の他の目的は、帯電用磁性粒子担持体の端部領域における削れやキズを防止し、磁性粒子の端部領域外へのモレや感光体への磁性粒子付着の発生しない磁気ブラシ帯電装置および帯電用磁性粒子担持体を提供することである。
【0042】
さらに本発明の目的は、端部領域の表面粗さ低下を防止し、感光体への磁性粒子付着の発生しない磁気ブラシ帯電装置および帯電用磁性粒子担持体を提供することである。
【0043】
さらに本発明の目的は、端部領域だけではなく、全面において樹脂被覆層が高耐久性を有し、樹脂層の削れを抑えて表面粗さ低下を防止することにより磁性粒子の搬送不良による帯電ムラを防止し、高画質、高精細な画像の提供できる磁気ブラシ帯電装置および帯電用磁性粒子担持体を提供することである。
【0044】
さらに本発明の目的は、樹脂被覆層が高耐久性を有し、繰り返しの画像形成においても上記品質を維持することにできる磁気ブラシ帯電装置および帯電用磁性粒子担持体を提供することである。
【0045】
さらに本発明の目的は、上記性能を有する磁気ブラシ帯電装置および帯電用磁性粒子担持体を低コストで提供することである。
【0046】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明とは、下記(1)〜(52)により構成される。
【0047】
すなわち、
(1)現像剤を収容する容器と、該容器に収容された現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤の層厚を規制する現像剤層厚規制部材を有し、該現像剤層厚規制部材と該現像剤担持体との間を通過し形成された該現像剤の薄層を、潜像担持体に対向する現像領域へと担持搬送し、該現像剤担持体上の該現像剤により該潜像担持体上に形成された潜像を現像し可視像化することに用いられる現像装置において、
該現像剤担持体は少なくとも基体および該基体上に設けられた樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は中央部と比較して端部領域が耐摩耗性の高い樹脂被覆層からなることを特徴とする現像装置。
【0048】
(2)上記端部領域の樹脂被覆層は、少なくとも結着樹脂および固体粒子を含有し、該固体粒子の添加により該固体粒子を添加しないときの樹脂被覆層の被膜よりも耐摩耗性を高くしていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の現像装置。
【0049】
(3)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該固体粒子により表面凹凸を形成していることを特徴とする特許請求の範囲第1項もしくは2項に記載の現像装置。
【0050】
(4)上記固体粒子は、炭素系粒子、金属および金属酸化物、セラミクスの粒子およびウィスカーより選ばれる1種または2種以上から選択されることを特徴とする特許請求の範囲第1〜3項に記載の現像装置。
【0051】
(5)上記端部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第1〜4項に記載の現像装置。
【0052】
(6)上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第1〜5項に記載の現像装置。
【0053】
(7)上記中央部領域の樹脂被覆層には、導電性微粉末および/または潤滑剤を含有することを特徴とする特許請求の範囲第1〜6項に記載の現像装置。
【0054】
(8)上記中央部領域の樹脂被覆層には、表面凹凸を形成するための固体粒子を含有することを特徴とする特許請求の範囲第1〜7項に記載の現像装置。
【0055】
(9)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該中央部領域の樹脂被覆層表面の表面粗さは、中心線平均粗さRaが0.3〜3.5μmであることを特徴とする特許請求の範囲第8項に記載の現像装置。
【0056】
(10)上記表面凹凸を形成するための固体粒子が導電性であることを特徴とする特許請求の範囲第8または9項に記載の現像装置。
【0057】
(11)上記端部領域に含有される粒子のうちのもっとも硬い粒子の硬度が、上記中央部領域に含有される粒子のもっとも硬い硬度の粒子よりも硬度が高いものであることを特徴とする特許請求の範囲第8〜10項に記載の現像装置。
【0058】
(12)上記端部領域の樹脂被覆層は、該現像剤担持体に担持された該現像剤および該容器中の該現像剤が該容器と該現像剤担持体間に形成される間隙から外部へ漏れることを防止する現像剤シール部材に対応する位置およびその周辺領域に形成されていることを特徴とする特許請求範囲第1〜11項に記載の現像装置。
【0059】
(13)上記現像剤シール部材が磁力を用いてシールを行うことを特徴とする特許請求範囲第12項に記載の現像装置。
【0060】
(14)潜像担持体上に形成された潜像を現像剤担持体により担持搬送された現像剤により現像し可視像化する現像装置に用いられる現像剤担持体において、該現像剤担持体は少なくとも基体および該基体上に設けられた樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は中央部と比較して端部領域が耐摩耗性の高い樹脂被覆層からなることを特徴とする現像剤担持体。
【0061】
(15)上記端部領域の樹脂被覆層は、少なくとも結着樹脂および固体粒子を含有し、該固体粒子の添加により該固体粒子を添加しないときの樹脂被覆層の被膜よりも耐摩耗性を高くしていることを特徴とする特許請求の範囲第14項記載の現像剤担持体。
【0062】
(16)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該固体粒子により表面凹凸を形成していることを特徴とする特許請求の範囲第14項もしくは15項に記載の現像剤担持体。
【0063】
(17)上記固体粒子は、炭素系粒子、金属および金属酸化物、セラミクスの粒子およびウィスカーより選ばれる1種または2種以上から選択されることを特徴とする特許請求の範囲第14〜16項に記載の現像剤担持体。
【0064】
(18)上記端部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第14〜17項に記載の現像剤担持体。
【0065】
(19)上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第14〜18項に記載の現像剤担持体。
【0066】
(20)上記中央部領域の樹脂被覆層には、導電性微粉末および/または潤滑剤を含有することを特徴とする特許請求の範囲第14〜19項に記載の現像剤担持体。
【0067】
(21)上記中央部領域の樹脂被覆層には、表面凹凸を形成するための固体粒子を含有することを特徴とする特許請求の範囲第14〜20項に記載の現像剤担持体。
【0068】
(22)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該中央部領域の樹脂被覆層表面の表面粗さは、中心線平均粗さRaが0.3〜3.5μmであることを特徴とする特許請求の範囲第21項に記載の現像剤担持体。
【0069】
(23)上記表面凹凸を形成するための固体粒子が導電性であることを特徴とする特許請求の範囲第21または22項に記載の現像剤担持体。
【0070】
(24)上記端部領域に含有される粒子のうちのもっとも硬い粒子の硬度が、上記中央部領域に含有される粒子のもっとも硬い硬度の粒子よりも硬度が高いものであることを特徴とする特許請求の範囲第21〜23項に記載の現像剤担持体。
【0071】
(25)上記端部領域の樹脂被覆層は、該現像剤担持体に担持された該現像剤および該容器中の該現像剤が該容器と該現像剤担持体間に形成される間隙から外部へ漏れることを防止する現像剤シール部材に対応する位置およびその周辺領域に形成されていることを特徴とする特許請求範囲第14〜24項に記載の現像剤担持体。
【0072】
(26)上記現像剤シール部材が磁力を用いてシールを行うことを特徴とする特許請求範囲第25項に記載の現像剤担持体。
【0073】
(27)担持体に磁性粒子を磁気力で拘束して磁気ブラシとして付着保持させ、該磁気ブラシを被帯電体に接触させ、電圧を印加して被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電部材において、該磁気ブラシ帯電部材は、少なくとも導電性円筒状部材と該導電性円筒状部材内部に配置されたマグネットを有し、該導電性円筒状部材は少なくとも導電性円筒状基体および該導電性円筒状基体上に設けられた樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は中央部と比較して端部領域が耐摩耗性の高い樹脂被覆層からなることを特徴とする磁気ブラシ帯電部材。
【0074】
(28)上記端部領域の樹脂被覆層は、少なくとも結着樹脂および固体粒子を含有し、該固体粒子の添加により該固体粒子を添加しないときの樹脂被覆層の被膜よりも耐摩耗性を高くしていることを特徴とする特許請求の範囲第25項記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0075】
(29)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであることを特徴とする特許請求の範囲第27項もしくは28項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0076】
(30)上記固体粒子は、無機微粉体であり、該無機微粉体は粒子形状もしくはウィスカー形状を示すものより選ばれる1種または2種以上から選択されることを特徴とする特許請求の範囲第27〜29項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0077】
(31)上記固体粒子は導電性を有さないものから選択され、端部領域の樹脂被覆層は絶縁性の樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第27〜30項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0078】
(32)上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第27〜31項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0079】
(33)上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電性微粉末を含有することにより導電性が付与された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第27〜32項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0080】
(34)上記中央部領域の樹脂被覆層には、表面凹凸を形成するための固体粒子を含有することを特徴とする特許請求の範囲第27〜33項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0081】
(35)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該中央部領域の樹脂被覆層表面の表面粗さは、十点平均粗さRzが1.0〜30μmであることを特徴とする特許請求の範囲第34項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0082】
(36)上記表面凹凸を形成するための固体粒子が導電性であることを特徴とする特許請求の範囲第34または35項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0083】
(37)上記端部領域の樹脂被覆層は、該現像剤担持体に担持された該磁性粒子および該磁性粒子に担持される現像剤が該磁気ブラシ帯電部材を保持する保持部材もしくは容器と該担持体間に形成される間隙から外部へ漏れることを防止するシール部材に対応する位置およびその周辺領域に形成されていることを特徴とする特許請求範囲第27〜36項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0084】
(38)上記シール部材が磁力を用いてシールを行う磁気シール部材であることを特徴とする特許請求範囲第37項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0085】
(39)上記端部領域の樹脂被覆層は磁気ブラシの磁性粒子が被帯電体へ付着することを防止するための磁性粒子付着防止層であることを特徴とする特許請求範囲第27〜38項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0086】
(40)前記磁気ブラシ帯電部材が、被帯電体の帯電を被帯電体表面に電荷を直接注入する注入帯電方式に用いられることを特徴とする特許請求範囲第27〜39項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0087】
(41)被帯電体に電圧を印加した帯電部材を接触させて被帯電体の帯電を行う帯電装置において、該帯電部材は特許請求範囲第27〜40項のいずれかひとつに記載の磁気ブラシ帯電部材であることを特徴とする帯電装置。
【0088】
(42)担持体に磁性粒子を磁気力で拘束して磁気ブラシとして付着保持させ、該磁気ブラシを被帯電体に接触させ、電圧を印加して被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電部材に用いられる帯電用磁性粒子担持体において、
該担持体は、少なくとも導電性円筒状基体および該導電性円筒状基体上に設けられた樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は中央部と比較して端部領域が耐摩耗性の高い樹脂被覆層からなることを特徴とする帯電用磁性粒子担持体。
【0089】
(43)上記端部領域の樹脂被覆層は、少なくとも結着樹脂および固体粒子を含有し、該固体粒子の添加により該固体粒子を添加しないときの樹脂被覆層の被膜よりも耐摩耗性を高くしていることを特徴とする特許請求の範囲第41項記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0090】
(44)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであることを特徴とする特許請求の範囲第42項もしくは43項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0091】
(45)上記固体粒子は、無機微粉体であり、該無機微粉体は粒子形状もしくはウィスカー形状を示すものより選ばれることを特徴とする特許請求の範囲第42〜44項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0092】
(46)上記固体粒子は導電性を有さないものから選択され、端部領域の樹脂被覆層は絶縁性の樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第42〜45項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0093】
(47)上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第42〜46項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0094】
(48)上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電性微粉末を含有することにより導電性が付与された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第42〜47項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0095】
(49)上記中央部領域の樹脂被覆層には、表面凹凸を形成するための固体粒子を含有することを特徴とする特許請求の範囲第42〜48項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
【0096】
(50)上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該中央部領域の樹脂被覆層表面の表面粗さは、十点平均粗さRzが1.0〜30μmであることを特徴とする特許請求の範囲第49項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0097】
(51)上記表面凹凸を形成するための固体粒子が導電性であることを特徴とする特許請求の範囲第49または50項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0098】
(52)上記端部領域の樹脂被覆層は、該現像剤担持体に担持された該磁性粒子および該磁性粒子に担持される現像剤が該磁気ブラシ帯電部材を保持する保持部材もしくは容器と該担持体間に形成される間隙から外部へ漏れることを防止するシール部材に対応する位置およびその周辺領域に形成されていることを特徴とする特許請求範囲第42〜51項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0099】
(53)上記シール部材が磁力を用いてシールを行う磁気シール部材であることを特徴とする特許請求範囲第52項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0100】
(54)上記端部領域の樹脂被覆層は磁気ブラシの磁性粒子が被帯電体へ付着することを防止するための磁性粒子付着防止層であることを特徴とする特許請求範囲第42〜53項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
【0101】
【発明の実施の形態】
本発明について、現像装置から詳細に説明する。
【0102】
第1図は、本発明の現像剤担持体を有する一実施形態の現像装置の模式図を示す。
【0103】
第1図において,公知のプロセスにより形成された静電潜像を保持する静電潜像保持体潜像保持体,例えば、電子写真感光ドラム501は,矢印B方向に回転される.現像剤担持体としての現像スリーブ508は、現像容器503に供給された磁性トナーを有する一成分系現像剤を担持して、矢印A方向に回転することによって、現像スリーブ508と感光ドラム501とが対向している現像領域Dに現像剤を搬送する。第1図に示すように、現像ローラー510においては、現像スリーブ508内に,現像剤を現像スリーブ508上に磁気的に吸引且つ保持する為に,磁石(マグネットローラー)509が配置されている。
【0104】
本発明の現像装置で用いられる現像スリーブ508は、基体としての金属円筒管506上に被覆された導電性被覆層507を有する。現像容器503中には、ここには図示されていない現像剤補給容器から現像剤供給部材(スクリューなど)512を経由して現像剤が送り込まれてくる。現像容器は、第一室514、第二室515に分割されており、第一室514に送り込まれた現像剤は撹拌搬送部材により現像容器503および仕切り部材514により形成される隙間を通過して第二室515に送られる。現像剤はマグネットローラー509による磁力の作用により現像スリーブ508上に担持される。第二室515中には現像剤が滞留するのを防止するための撹拌部材511が設けられている。
【0105】
現像剤は、磁性トナー相互間及び現像スリーブ508上の導電性被覆層507との摩擦により,感光ドラム501上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る.第1図の例では、現像領域Dに搬送される現像剤の層厚を規制するために,現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性規制ブレード502が,現像スリーブ508の表面から約50〜500μmのギャップ幅を持って現像スリーブ508に臨む様にホッパー503から垂下されている。マグネットローラー509の磁極N1からの磁力線が磁性規制ブレード502に集中することにより,現像スリーブ508上に現像剤の薄層が形成される。本発明においては、この磁性規制ブレード502にかえて非磁性ブレードを使用することもできる。
【0106】
この様にして、現像スリーブ508上に形成される現像剤の薄層の厚みは,現像領域Dにおける現像スリーブ508と感光ドラム501との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。
【0107】
本発明の現像剤担持体は、以上の様な現像剤の薄層により静電潜像を現像する方式の現像装置、即ち、非接触型現像装置に組み込むのが特に有効であるが、現像領域Dにおいて、現像剤層の厚みが現像スリーブ508と感光ドラム501との間の最小間隙以上の厚みである現像装置、即ち接触型現像装置にも本発明の現像剤担持体を適用することができる。
【0108】
説明の煩雑を避けるため、以下の説明では、上記したような非接触型現像装置を例に採って行う。
【0109】
上記現像スリーブ508に担持された磁性トナーを有する一成分系現像剤を飛翔させる為、上記現像スリーブ508にはバイアス手段としての現像バイアス電源513により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときに、静電潜像の画像部(現像剤が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像スリーブ508に印加するのが好ましい。
【0110】
現像された画像の濃度を高め、或は階調性を向上するためには、現像スリーブ508に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位の中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像スリーブ508に印加するのが好ましい。
【0111】
高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用する。
【0112】
高電位部と低電位部を有する静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。
【0113】
高電位,低電位というのは、絶対値による表現である。これらいずれの場合にも、現像剤は少なくとも現像スリーブ508表面(導電性被覆層507)との摩擦により帯電する。
【0114】
第1図においては、現像スリーブ508上の現像剤の層厚を規制する現像剤層厚規制部材として、現像スリーブから離間されて配置された磁性ブレードの例を示したが、ウレタンゴム,シリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料,或いはリン青銅,ステンレス鋼の如き金属弾性を有する材料の弾性板からなる弾性規制ブレードを使用し、この弾性規制ブレードを現像スリーブに対して、現像剤を介して接触あるいは圧接させて用いても良い。
【0115】
規制ブレードを接触又は圧接させるタイプの現像装置では、現像剤層はさらに強い規制を受けながら現像スリーブ上に現像剤の薄層を形成することから、現像スリーブ508上に、上記した第1図の引用例の場合よりも更に薄い現像剤層を形成することができる。
【0116】
第1図はあくまでも本発明の現像装置を模式的に例示したものであり、前記した層厚規制部材以外にも、現像容器503(ホッパー)の形状、撹拌翼505、511の有無、磁極の配置、供給部材512の形状、補給容器の有無、などに様々な形態があることは言うまでもない。
【0117】
勿論、これらの装置では、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤を用いる現像に使用することもできる。
【0118】
次に本発明の現像剤担持体が組み込まれる二成分現像装置について説明例示する。第2図は、二成分現像剤を用いるのに好適な現像装置の模式図を表す。第2図において、現像容器553の現像室564内に、矢印E方向に回転される静電潜像保持体551に対向して現像剤担持体としての非磁性現像スリーブ559を備えており、本発明においては基体としての円筒状の非磁性金属557の表面に樹脂被覆層558が設けられている。この現像スリーブ559内に磁界発生手段としての磁性ローラー556が不動に放置されており、現像ローラー560を形成している。磁性ローラー556はS1〜3、N1,2の5極構成に着磁されている。現像室564内には、トナーと磁性キャリアとを混合した二成分現像剤が収容されている。この現像剤は、現像室564上端開放の隔壁554の開口を通って現像容器553の撹拌室565内に送られると、トナー室555から撹拌室565内に供給されたトナーがトナー送り規制部材563を介して補給され、撹拌室565内の第1現像剤撹拌・搬送手段562によって混合される。撹拌室565で撹拌された現像剤は、隔壁554の図示しない他の開口を通って現像室564内に戻され、そこで現像室565内の第2現像剤撹拌・搬送手段561により、撹拌・搬送されながら現像スリーブ559に搬送される。現像スリーブ559に供給された現像剤は、上記の磁石ローラ556の磁力の作用により磁気的に拘束され、現像スリーブ559上に担持され、現像スリーブ559の下部設けられた現像剤規制部材ブレード552での規制によって現像スリーブ559上で現像剤の薄層に形成されながら、現像スリーブ559の矢印F方向への回転に伴い潜像保持体551と対向した現像部Gへと搬送され、そこで潜像保持体551上の静電潜像の現像に供される。現像に消費されなかった残余の現像剤は、現像スリーブ559の回転により現像容器564内に回収される。現像容器564内では同極のS2、S3間での反発磁界により現像スリーブ559上に磁気的に拘束されている現像残りの残余の現像剤を剥ぎ取るようになっている。現像スリーブ上方にはトナー飛散を防止するために飛散防止部材566が固定、設置されている。第2図は、あくまでも模式的な例であり、容器の形状、撹拌部材の有無、磁極の配置、回転方向等に様々な形態があることは言うまでもない。
【0119】
第3図は、現像装置を正面から見た場合の一様態を示す模式図である。
【0120】
磁石71に芯金81が貫通しマグネットローラー74を形成しており、この芯金81はスリーブフランジ73の内部を通過し両端のカット部の作用によりここには図示できない現像容器に固定配置されている。現像スリーブ72には、接着、圧入、カシメなどの方法で固定されたスリーブフランジ73が装着されている。スリーブフランジ73部分には、現像スリーブと感光ドラムの間隙を保持するための間隙保持部材(コロ)78および軸受け79が配置されており、現像スリーブが図示されていない現像容器に回転可能に支持されている。現像スリーブ上方には現像スリーブと微小間隙をもって現像剤層厚規制部材77が配置されており、現像スリーブ端部領域には、必要に応じて使用される、磁性粒子のモレを防止するための磁性部材(磁性シール部材)75が、さらには同様に現像スリーブに圧接されたシール部材76が配置されている。現像容器の現像剤が収容される側の内壁が80で示される。磁性シール部材75は、現像スリーブ内部に配置される磁石との磁力の作用により現像剤のシールドを形成し、トナーの外部へのモレを防ぐタイプのもので、圧接されたシール部材76は、直接現像スリーブ表面に圧接することでトナーの侵入を防ぐ方式のものである。いずれの場合もスリーブ表面にかかる負荷は非常に大きい。
【0121】
第4図には、現像スリーブ72の端部領域について、樹脂被覆層が形成されている状態を模式的にしめしている。現像スリーブ72の端部側に端部コート層82が、その内側に(現像剤摩擦帯電用)樹脂層83が設けられている。84は非樹脂コート領域であり、不必要なら無くても良い。
【0122】
第5図は、スリーブに圧接するタイプのシール部材76のみが使用されている場合の模式図で、現像スリーブ72の端部コート層82部分にシール部材76が圧接配置されている。
【0123】
第6図は、同様に磁性シール部材75のみを用いる場合の模式図で、磁性シール部材75は、端部コート層82に対し、間隙をもって対向配置されている。85は現像容器を示し、軸受け79が現像容器に装着されている状態を示している。
【0124】
上述の感光ドラムの如き静電潜像保持体や現像装置、クリーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合してプロセスカートリッジを構成し、このプロセスカートリッジを装置本体に対して着脱可能に構成しても良い。例えば、帯電手段及び現像装置を感光ドラムとともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成にしても良い。このとき、上記のプロセスカートリッジのほうにクリーニング手段を伴って構成しても良い。
【0125】
次に、本発明の現像装置で用いられるトナーについて説明する。トナーは主として樹脂,離型剤,荷電制御剤,着色剤等を溶融混練し、固化した後粉砕し、しかる後分級などをして粒度分布をそろえた微粉体である。トナーに用いられる結着樹脂としては,一般に公知の樹脂が使用可能である。
【0126】
例えば、スチレン,α−メチルスチレン,p−クロルスチレンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体,スチレン−ビニルトルエン共重合体,スチレン−アクリル酸エチル共重合体,スチレン−アクリル酸ブチル共重合体,スチレン−アクリル酸オクチル共重合体,スチレン−ジメチルアミノエチル共重合体,スチレン−メタクリル酸メチル共重合体,スチレン−メタクリル酸エチル共重合体,スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体,スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体,スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体,スチレン−ビニルメチルケトン共重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,スチレン−イソプレン共重合体,スチレン−マレイン酸共重合体,スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート,ポリブチルメタクリレート,ポリ酢酸ビニル,ポリエチレン,ポリプロピレンポリビニルブチラール,ポリアクリル酸樹脂,ロジン,変性ロジン,テンペル樹脂,フェノール樹脂,脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂,芳香族系石油樹脂,パラフィンワックス,カルナバワックスなどが単独或は混合して使用できる。
【0127】
又、トナー中には顔料を含有することができる。例えば、カーボンブラック,ニグロシン染料,ランプ黒,スーダンブラックSM,ファースト・イエローG,ベンジジン・イエロー,ピグメント・イエロー,インドファースト・オレンジ,イルガジン・レッド,パラニトロアニリン・レッド,トルイジン・レッド,カーミンFB,パーマネント・ボルドーFRR,ピグメント・オレンジR,リソール・レッド2G,レーキ・レッドC,ローダミンFB,ローダミンBレーキ,メチル・バイオレッドBレーキ,フタロシアニン・ブルー,ピグメント・ブルー,ブリリアント・グリーンB,フタロシアニングリーン,オイルイエローGG,ザボン・ファーストイエローCGG,カヤセットY963,カヤセットYG,ザボン・ファーストオレンジRR,オイル・スカーレット,オラゾール・ブラウンB,ザボン・ファーストスカーレットCG,オイルピンクOP等が適用できる。
【0128】
トナーを磁性トナーとして用いるために、トナーの中に磁性粉を含有せしめてもよい。このような磁性粉としては、磁場の中におかれて磁化される物質が用いられ,鉄,コバルト,ニッケル等の強磁性金属の粉末,又はマグネタイト,ヘマタイト,フェライト等の合金や化合物がある。この磁性粉の含有量はトナー重量に対して15〜70重量%が良い。
【0129】
トナーに、定着時の離型性向上、定着性向上の目的で、ワックス類を含有させることができる。そのようなワックス類としては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプッシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタム等も利用できる。
【0130】
必要に応じて、トナーに荷電制御剤を含有させてもよい。荷電制御剤には、負荷電制御剤、正荷電制御剤がある。例えばトナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。また、トナーを正帯電させるための物質としては下記のようなものがある。ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物。
【0131】
トナーは必要に応じて、流動性改善等の目的で無機微粉末の如き粉末を外添して用いられる。このような微粉末としては、シリカ微粉末、アルミナ、チタニア、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物;炭化ケイ素、炭化チタン等の炭化物;及び窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム等の窒化物等の無機微粉体が用いられる。これらの微粉体は、有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤等で有機処理して用いることが可能である。例えば有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、および1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。また、未処理の微粉体を窒素含有のシランカップリング剤で処理したものを用いてもよい。特にポジトナーの場合好ましい。そのような処理剤の例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール、等がある。
【0132】
上記シランカップリング剤により無機微粉体を処理する方法としては、例えば,1)スプレー法,2)有機溶媒法,3)水溶液法などがある.一般に、スプレー法による処理とは、ピグメントを撹拌しここにカップリング剤の水溶液あるいは溶媒液をスプレーし、この後水あるいは溶媒を120〜130℃程度で除去乾燥する方法である。また、有機溶媒法による処理とは、少量の水とともに加水分解用触媒を含む有機溶媒(アルコール,ベンゼン,ハロゲン化炭化水素等)にカップリング剤を溶解し、これにピグメントを浸積した後、濾過或は圧搾により固液分離を行い120〜130℃程度で乾燥させるものである。水溶液法とは0.5%程度のカップリング剤を、一定PHの水あるいは水−溶媒中で加水分解させ、ここにピグメントを浸積し後、同様に固液分離を行い乾燥するものである。
【0133】
他の有機処理としてシリコーンオイルで処理された微粉体を用いることも可能である。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ0.5〜10000mm2/s、好ましくは1〜1000mm2/sのものが用いられ、例えばメチルハイドロジエンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロルフェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが挙げられる。また、側鎖に窒素原子を有するシリコーンオイルを用いても良い。特にポジトナーの場合は好ましい。シリコーンオイルによる処理は、例えば次のようにして行ない得る。必要に応じて加熱しながら顔料を激しく撹乱しており、これに上記シリコーンオイル或いはその溶液をスプレーもしくは気化して吹き付けるか、又は顔料をスラリー状にしておき、これを撹拌しつつシリコーンオイル或いはその溶液を滴下することによって容易に処理できる。これらのシリコーンオイルは1種あるいは2種以上の混合物あるいは併用や多重処理して用いられる。また、シランカップリング剤による処理と併用しても構わない。このようなトナーは、種々の方法で、球形化処理、表面平滑化処理を施して用いると、転写性が良好となり好ましい。そのような方法としては、撹拌羽根またはブレードなど、およびライナーまたはケーシングなどを有する装置で、例えば、トナーをブレードとライナーの間の微小間隙を通過させる際に、機械的な力により表面を平滑化したりトナーを球形化したりする方法、温水中にトナーを懸濁させ球形化する方法、熱気流中にトナーを曝し、球形化する方法等がある。また、球状のトナーを直接作る方法としては、水中にトナー結着樹脂となる単量体を主成分とする混合物を懸濁させ、重合してトナー化する方法がある。一般的な方法としては、重合性単量体、着色剤、重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、離形剤、その他の添加剤を均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続層、例えば水相中に適当な撹拌機を用いて適度な粒径に分散し、さらに重合反応を行わせ、所望の粒径を有する現像剤を得る方法である。
【0134】
トナーはキャリアと混合して二成分現像剤として用いることもできる。
【0135】
キャリア材料としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルトといった磁性体金属、及びそれらの合金、或いは希土類を含有する合金類、ヘマタイト、マグネタイト、マンガン−亜鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト及びリチウム系フェライト等のソフトフェライト、銅−亜鉛系フェライトといった鉄系酸化物、およびそれらの混合物、さらには、ガラス、炭化ケイ素などのセラミックス粒子、樹脂粉体、磁性体を含有する樹脂粉体などをあげることができ、通常は平均粒径が20〜300μm程度の粒状物として用いる。
【0136】
このようなキャリアは上記に挙げた粒状物を直接キャリア粒子として用いるても良いが、トナーの摩擦帯電電荷を調整したりキャリアへのトナースペントを防止したりするために、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等のコート剤により適宜粒子表面に樹脂コートを施して用いることもできる。
【0137】
次に本発明に用いられる現像剤担持体の構成について説明を加える。現像剤担持体は基体と、それを取り巻いて被覆する樹脂層とからなるが、基体としては、円筒状部材、円柱状部材、ベルト状部材等があるが、ドラムに非接触の現像方法においては金属のような剛体の円筒管もしくは中実棒が好ましく用いられる。このような基体はアルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等の非磁性の金属または合金を円筒状あるいは円柱状に成型し、研磨、研削等を施したものが好適に用いられる。これらの基体は画像の均一性を良くするために、高精度に成型あるいは加工されて用いられる。例えば長手方向の真直度は30μm以下もしくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下が好ましく、スリーブと感光ドラムとの間隙の振れ、例えば、垂直面に対し均一なスペーサーを介して突き当て、スリーブを回転させた場合の垂直面との間隙の振れも30μm以下もしくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下であることが好ましい。材料コストや加工のしやすさからアルミニウムが好ましく用いられる。
【0138】
このような形態のものは、磁性、非磁性の一成分非接触現像や、二成分現像の現像剤担持体基体として好ましく用いられる。
【0139】
また、弾性層を有する基体としては、芯材と、ウレタン、EPDM、シリコン等のゴムやエラストマーを含む層構成を有する円筒部材が、特にドラムに現像剤担持体を直接接触させる現像方法の場合好ましく用いられる。
【0140】
本発明の現像剤担持体を構成する導電性被覆層の結着樹脂材料としては、一般に公知の樹脂が使用可能である。例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱あるいは光硬化性樹脂等を使用することができる。なかでもシリコン樹脂、フッ素樹脂のような離型性のあるもの、或いはポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好ましい。
【0141】
本発明において、上記した形成材料によって現像剤担持体上に形成される被覆層は、チャージアップによる現像剤の現像剤担持体上への固着や、現像剤のチャージアップに伴って生じる現像剤担持体の表面から現像剤への帯電付与不良を防ぐためには、導電性であることが望ましい。又、被覆層の体積抵抗値としては、好ましくは104Ω・cm以下、より好ましくは103Ω・cm以下である。
【0142】
現像剤担持体表面の導電性被覆層の体積抵抗値が、104Ω・cmを超えると現像剤への帯電付与不良が発生し易く、その結果、ブロッチ(斑点画像や波模様画像)が発生し易い。
【0143】
本発明において、被膜層の抵抗値を、上記の値に調整するためには、下記に挙げる導電性物質を被覆層中に含有させることが好ましい。この際に使用される導電性物質としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体の微粉末、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリウム等の金属酸化物、各種カーボンファイバー、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック、グラファイト等の炭素物、更には金属繊維等が挙げられる。
【0144】
本発明においては、これらのうち、カーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与したり、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるため好適に用いられる。塗料にした場合の分散安定性も良好となりうる。又、本発明において好適なこれらの導電性物質の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜100重量部の範囲とすることが好ましい。1重量部以下では被覆層の抵抗値を所望のレベルに下げることは、通常困難であり、又、現像剤担持体被覆層に用いられる結着樹脂に対するトナー付着が発生する可能性が高い。100重量部以上であると、特にサブミクロンオーダーの粒度を有する微粉体を用いた場合、被覆層の強度(摩耗性)が低下しうる。
【0145】
更に、本発明においては、現像剤担持体表面への現像剤の付着をより軽減化するため、被覆層中に固体潤滑材を混合させることもできる。この際に使用し得る固体潤滑材としては、例えば、二硫化モリブデン、窒化硼素、グラファイト、フッ化グラファイト、銀−セレンニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石等が挙げられる。又、本発明で使用することのできるこれらの固体潤滑材の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜100重量部の範囲とすることが好ましい。1重量部以下では被覆層の結着樹脂表面に対する現像剤の付着制の改善効果は少なく、100重量部以上となると、特にサブミクロンオーダーの粒度を有する微粉体が多く含まれる材料を用いた場合、被覆層の強度(摩耗性)が低下しうる。これらの潤滑性粒子は、個数平均粒径が好ましくは0.2〜20μm程度、より好ましくは1〜15μmのものを使用するのが良い。潤滑性粒子の個数平均粒径が0.2μm未満の場合には、潤滑性が十分に得られ難く好ましくなく、個数平均粒径が20μmを越える場合には、導電性被覆層表面の形状への影響が大きく表面性が不均一となり、トナーの均一な帯電化、及び被覆層の強度の点で好ましくない。
【0146】
本発明の樹脂被覆層中には、被覆層表面に凹凸を形成するための固体粒子を含有させることができる。このような固体粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のビニル系重合体や共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂粒子、アルミナ、酸化亜鉛、シリコーン、酸化チタン、酸化錫等の酸化物粒子、炭素化粒子、導電処理を施した樹脂粒子等の導電性粒子、その他、例えばイミダゾール化合物のような有機化合物を粒子状にして用いることも可能である。この場合にイミダゾール化合物は、トナーに摩擦帯電電荷を付与する役割も果たす。
【0147】
これらの粒子の中では特に導電性の粒子を用いることが好ましい。このような粒子としては、本発明者らが提案した特開平08−240981公報に記載された導電性球状粒子がある。即ち、粒子に導電性を持たせることによって、その導電性のゆえに粒子表面にチャージが蓄積しにくく、トナー付着の軽減やトナーの帯電付与性を向上させることができるからである。本発明において、粒子の導電性としては、体積抵抗値が106Ω・cm以下、より好ましくは10-3〜106Ω・cmの粒子であることが好ましい。このような粒子の体積抵抗が106Ω・cmを超えると、摩耗によって被覆層表面に露出した球状粒子を核としてトナーの汚染や融着を発生しやすくなるとともに、迅速且つ均一な帯電が行われにくくなる。さらには粒子の真密度としては3000kg/m3程度以下であることがより好ましい。導電性であっても、粒子の真密度が高すぎる場合、同じ粗さを形成するための添加量は増加してくることと、樹脂または樹脂組成物と真密度差が大きくなるため、製造時の粒子の分散状態が非均一となりやすく、したがって形成された被覆層においても分散状態が不均一となり好ましくない。また粒子が球状であると、圧接される現像剤規制部材等との接触面積が低減されるので、摩擦力によるスリーブ回転トルクの増加や、トナーの付着などを軽減することができるのでより好ましい。特に下記に示すような導電性の球状粒子を用いた場合には、より良い効果が得られる。
【0148】
すなわち特に好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、例えば、樹脂系球状粒子やメソカーボンマイクロビーズを焼成して炭素化及び/又は黒鉛化して得た低密度且つ良導電性の球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。そして、樹脂系球状粒子に用いられる樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン―ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルが挙げられる。
【0149】
又、メソカーボンマイクロビーズは、通常、中ピッチを加熱焼成していく過程で生成する球状結晶を多量のタール、中油、キノリンの如き溶剤で洗浄することによって製造することができる。
【0150】
より好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルの如き球状樹脂粒子表面に、メカノケミカル法によってバルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性雰囲気化で熱処理した後に不活性雰囲気下又は真空下で焼成して炭素化及び/又は黒鉛化し、導電性球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。この方法で得る球状炭素粒子は、黒鉛化すると得られる球状炭素粒子の被覆部の結晶化が進んだものとなるので導電性が向上し、より好ましい。
【0151】
上記した方法で得られる導電性の球状炭素粒子は、いずれの方法でも、焼成条件を変化させることによって得られる球状炭素粒子の導電性を制御することが可能であり、本発明において好ましく使用される。又、上記の方法で得られる球状炭素粒子は、場合によっては、更に導電性を高めるために導電性球状粒子の真密度が大きくなりすぎない範囲で、導電性の金属及び/または金属酸化物のメッキを施していても良い。
【0152】
本発明の樹脂被覆層中には、必要に応じて荷電制御剤を含有させることができる。荷電制御剤としては、前出のトナー粒子形成に用いるものと同様なものが使用可能である。
【0153】
本発明で好適に使用される上記のような構成を有する現像剤担持体表面の被覆層の表面粗さは、JIS中心線平均粗さ(Ra)で0.3〜3.5μmの範囲にあることが好ましい。更に好ましくは、0.4〜2.5μmである。即ち、Raが0.3μm未満では、現像剤担持体上におけるトナーの帯電量が高くなり過ぎ現像性が不充分となるし、又、現像領域への現像剤の搬送性に劣り、充分な画像濃度が得られにくくなる。一方、Raが3.5μmを超えると、現像剤担持体上に形成されるトナーコート層厚にムラが生じ、画像上での濃度ムラの原因となる。
【0154】
上記のような表面粗さを得るためには添加する固体粒子の個数平均粒径は0.3〜30μmであることが好ましい。個数平均が0.3μm以下では、上記のような表面粗さの付与は成しがたく、多量に添加した場合には相対的に樹脂分が減少するために結着性が低下し樹脂層が脆くなる可能性があり、また樹脂によるトナーへの帯電付与がされ難くなる。30μmを超える場合には、表面粗さが大きく成りすぎ、また表面凹凸が不均一になるため、トナーの搬送性が不均一であったり、トナーの層厚規制力は弱まりトナーのコート状態が不均一になったり不安定になる。
【0155】
現像剤担持体の端部領域は、通常、現像容器内壁に現像剤の移動を阻害されるためにスリーブ表面にかかる負荷が大きい。しかしながらこの程度の負荷の場合、樹脂被覆層の改質や現像容器内の撹拌の構成や撹拌の精度向上によって低減可能である。一例としては、本発明者らが提案した、特開平08−240981公報に記載された、導電性炭素系球状粒子を用いることで現像性を向上させられると同時に耐久性も向上させることが可能である。しかしながら、端部のシール部材に対応する位置においては、より高耐久を要求される高速機の現像装置の場合不十分である場合が多い。現像剤には、例えば一成分磁性トナーにはマグネタイトやフェライトの微粒子が含まれるし、酸化セリウム、シリカ、チタン酸金属塩、等の研磨剤粒子が外添されて用いられるので、研磨性を有する。また二成分現像剤においては、粒径が大きく且つ硬度の高い磁性粒子(キャリア)が磁力の作用で強く現像スリーブ上に引き付けられているために、これまた研磨性が高い。このような状況下においては、上記導電性炭素系球状粒子では耐久性が不十分の場合が発生する。これに対し、金属粒子や金属酸化物粒子などの高硬度を有する添加物を用いる方法もあるが、このような物質は、現像剤に対して極端に摩擦帯電性の悪いもの、トナーに対して摩擦帯電性が強すぎたり絶縁性であったりしてチャージアップしてしまうものなどがほとんどで、現像剤へ適正な摩擦帯電電荷を付与する部分への使用は実用化し難い。本発明においては、後述する実施例でもわかるように、耐久性の高い現像装置、現像剤担持体を簡易な方法で提供できる。
【0156】
耐久により磁気シール部分の被覆層が削れて平滑化したり喪失した場合、シールが不十分となりトナー飛散が発生するだけではなく、トナーブロッチやチャージアップ現象による濃度薄やカブリが発生する。通常シール部材を配置する領域は、画像領域の外側にあるが、このような現象は一旦発生すると次第に他の領域も侵食しはじめるので、やがて画像不良となって現れる。
【0157】
端部コート層部分に使用される材料としては、結着樹脂としては、前記中央部分の被覆層を形成する結着樹脂と同様のものを用いることが可能である。
【0158】
樹脂被覆層に添加される補強用の固体粒子としては、樹脂粒子、炭素系粒子、金属粒子、金属酸化物粒子、セラミクス粒子、およびこれらのウイスカー等が使用可能であるが、特に後述の磁気ブラシ帯電部材の部分で説明されている無機微粒子もしくはウイスカーが好ましく用いられる。
【0159】
また現像剤担持体においては、端部コート層も導電性を有することが好ましい。導電性を付与するための材料としては、前記導電性微粉末を利用することが可能である。導電性が低い場合、ブロッチやチャージアップによる濃度薄やカブリが発生しやすくなる。
【0160】
前記添加される補強用粒子の個数平均粒径は、0.3〜30μmが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜20μm程度である。個数平均粒径が小さい場合には、補強効果は小さく、多量に添加した場合には、樹脂被覆層の強度も低下する。また平滑化しやすいためブロッチやチャージアップ現象を起こしやすい。個数平均粒径が大きすぎる場合には現像剤搬送性が高すぎてシール性が不良となり、また、シール部材近傍中央部側の現像剤搬送量規制も不良となり、トナー飛散や画像汚れの原因となる。
【0161】
次に本発明の磁気ブラシ帯電部材および帯電用磁性粒子担持体、およびそれを用いた画像形成装置について詳細に説明する。
【0162】
第9図は、画像形成装置例の概略図である。第9図の画像形成装置は、プロセスカートリッジ着脱方式、転写式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタ(LBP)である。
【0163】
また、像担持体として表面に電荷注入機能を有するOPC感光体を用い、接触帯電部材として磁気ブラシ帯電部材を用いて像担持体を注入帯電方式で一次帯電処理する構成のものである。
【0164】
1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体であり、本例では直径30mmの、表面に電荷注入機能を有するOPC感光体であり、矢示の時計方向aに100mm/secのプロセススピード(周速度)をもつて回転駆動される。感光体の層構成については後述する。
【0165】
2は感光体1の周面を所定の極性・電位に一様に帯電処理するための接触帯電部材であり、ここでは第1図に示されるスリーブタイプの磁気ブラシ帯電部材である。
【0166】
この磁気ブラシ帯電部材2の磁性粒子担持体(スリーブ)21は、基体および該基体表面に形成された樹脂被覆層から構成されている。
【0167】
この磁気ブラシ帯電部材2のスリーブ21には帯電バイアス印加電源S1から−700VのDC帯電バイアスが印加されていて、電荷注入帯電によって回転感光体1の外周面がほぼ−700Vに一様に帯電される。
【0168】
この回転感光体1の帯電面に対してレーザーダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザービームスキャナ7から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザービームによる走査露光Lがなされ、回転感光体1の周面に対して目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0169】
本例においては、その静電潜像は磁性一成分絶縁トナー(ネガトナー)を用いた反転現像装置3によりトナー像として現像される場合について説明するが、非磁性二成分トナー(ネガトナー)についても同様に用いることができる。
【0170】
3aはマグネット3bを内包する直径16mmの非磁性現像スリーブであり、この現像スリーブ3aに上記のネガトナーをコートし、感光体1表面とのギャップ(離間距離)を300μmに固定した状態で、感光体1と等速で回転させ、現像スリーブ3aに現像バイアス電源S2より現像バイアス電圧を印加する。電圧は、−500VのDC電圧と、周波数1800Hz、ピーク間電圧1600Vの矩形のAC電圧を重畳したものを用い、スリーブ3aと感光体1の間でジャンピング現像を行わせる。即ち現像スリーブ3aで運ばれてくる負に帯電されたトナーを潜像の画像部に電界により付着させて現像する。
【0171】
一方、不図示の給紙部から記録材としての転写材Pが供給されて、回転感光体1と、これに所定の押圧力で当接させた接触転写手段としての、中抵抗の転写ローラ4との圧接ニップ部(転写部)Tに所定のタイミングにて導入される。転写ローラ4には転写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加される。本実施例では転写ローラ4として、芯金に中抵抗発泡層を形成した、抵抗値5×108Ωのものを用い、芯金に+2000VのDC電圧を印加して転写材裏面を帯電して転写を行う。
【0172】
転写部Tに導入された転写材Pはこの転写部Tを挟持搬送されて、その表面側に回転感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押し圧力にて転写されていく。
【0173】
トナー画像の転写を受けた転写材Pは感光体1の面から分離されて熱定着方式等の定着装置5へ導入されてトナー画像の定着を受け、画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0174】
また転写材Pに対するトナー画像転写後の感光体面はクリーニング装置6により残留トナー等の付着汚染物の除去を受けて清掃され繰り返して作像に供される。
【0175】
本例の画像形成装置においては、感光体1、磁気ブラシ帯電部材2、現像装置3、クリーニング装置6の4つのプロセス機器を一括して画像形成装置本体に対して着脱交換自在のプロセスカートリッジ10としてある。9は上記4つのプロセス機器1・2・3・6を所定の配置で組み込んだカートリッジハウジングである。8・8は画像形成装置本体側のプロセスカートリッジ挿脱案内兼保持部である。
【0176】
画像形成装置本体に対して該プロセスカートリッジ10を所定に装着した状態において、プロセスカートリッジ10側と画像形成装置本体側とが機械的・電気的に相互カップリング状態となり、またプロセスカートリッジ10側の感光体1の下面が画像形成装置本体側の転写ローラ4に所定に当接した状態となり、画像形成実行可能状態となる。
【0177】
なお、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と、電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。及び帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つと電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能とするものである。更に、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して装置本体に着脱可能とするものをいう。
【0178】
次に感光体について説明を加える。
【0179】
第10図は本実施例で用いている被帯電体としての感光体1の層構成模型図である。本実施例で用いた感光体1は表面に電荷注入機能を有する負帯電のOPC感光体であり、φ30mmのアルミニウム製のドラム基体11上に下記の第1〜第5の5層の機能層12〜16を下から順に設けたものである。
【0180】
第1層は下引き層12であり、アルミニウムドラム基体11の外周面の欠陥等をならすため、またレーザ露光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの導電層である。
【0181】
第2層は正電荷注入防止層13であり、アルミニウム基体11から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって106Ωcm程度に抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0182】
第3層は電荷発生層14であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、レーザ露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0183】
第4層は電荷輸送層15であり、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することはできず、電荷発生層13で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0184】
第5層は電荷注入層16であり、光硬化性のアクリル樹脂に超微粒子の導電粒子(導電フィラー)16aとしてSnO2を分散した材料の塗工層である。具体的には、アンチモンをドーピングし、低抵抗化した粒径約0.03μmのSnO2粒子を樹脂に対して70質量%分散した材料の塗工層である。このようにして調合した塗工液をディッピング塗工法にて、厚さ約2μmに塗工して電荷注入層とした。
【0185】
これによって感光体1表面の抵抗は、電荷輸送層単体の場合1×1015Ωcmだったのに比べ、1×1013Ωcmにまで低下した。
【0186】
電荷注入層16は磁気ブラシ帯電部材2から電荷を直接注入することで表面を均一に帯電するための注入サイトを意図的に作成したものであるが、潜像の電荷が表面を流れないよう電荷注入層16の抵抗は1×108Ωcm以上である必要がある。電荷注入層16の抵抗値は絶縁性シート上に電荷注入層を塗布し、これをHP社製の高抵抗計4329Aで印加電圧100Vにて表面抵抗を測定したものである。
【0187】
本例では電荷注入層16を独立した層として形成したが、感光体表層が電子の授与可能な電子準位をもつ事が重要であり、独立して電荷注入層を有する構成に限定するものではない。
【0188】
感光体表面に対する磁気ブラシ帯電部材側のキャリア(磁性粒子)の付着を低減するために感光体1は低表面エネルギーの特性を有することがが好ましく、感光体最表面は所望の滑剤を添加し一定の滑性を得ている。
【0189】
次に注入帯電について説明を加える。
【0190】
本例における感光体の電荷注入帯電は、中抵抗の接触帯電部材で、中抵抗の表面抵抗を持つ感光体表面に電荷注入を行うものであり、感光体表面材質の持つトラツプ電位に電荷を注入するものではなく、電荷注入層16の導電粒子16aに電荷を充電して帯電を行う方式である。帯電時に磁気ブラシ帯電部材2に所望の電圧を印加することで電荷注入層16に電荷が注入されて被帯電体としての感光体1表面は最終的に磁気ブラシBと同電位に帯電(充電)される。
【0191】
具体的には第11図の(a)・(b)の模型図・等価回路図に示すように、感光体1は、電荷輸送層15を誘電体とし、アルミニウムドラム基体11と電荷注入層16内の導電粒子16a(SnO2)を両電極板とする微小なコンデンサーの並列集合体とみることができ、注入帯電は、その個々の微小なコンデンサーに接触帯電部材2で電荷を充電する理論に基づくものである。
【0192】
導電粒子16aは互いに電気的には独立であり一種の微小なフロート電極を形成している。このため、マクロ的には感光体1表面は均一電位に充電、帯電されているように見えるが、実際には微小な無数の充電された導電粒子16aが感光体表面を覆っているような状況となっている。このため、レーザーによって画像露光Lを行ってもそれぞれの導電粒子16aは電気的に独立なため、静電潜像を保持することが可能になる。
【0193】
次に磁気ブラシ帯電部材について説明する。
【0194】
本例で用いた接触帯電部材として磁気ブラシ帯電部材2は、第7図のものと同様にスリーブ型のものである。即ち、磁気ブラシBを構成するキャリア23を保持する担持体を回転可能な非磁性の磁性粒子担持体21(以下、スリーブまたは電極スリーブと記す)とし、該スリーブ21内に配設した固定マグネットロール22の磁気力でキャリア23をスリーブ21外面に拘束させて磁気ブラシBとして付着保持させたものである。本例においてスリーブ21は外径16mmのものである。
【0195】
スリーブ21の材質としては、アルミニウム、ステンレス、真鍮などの金属、アルミニウム合金や酸化インジウム−酸化錫合金など、これら金属や合金の被膜層を有するプラスチック、導電性粒子を含侵させた紙やプラスチック、導電性ポリマーを有するプラスチックなどの円筒状シリンダー及びフィルム等、非磁性の材質であればいずれも使用可能である。とりわけコスト及び加工性の観点から、アルミニウムが最も好ましい。
【0196】
このスリーブ21表面に、導電性の樹脂被覆層26aを形成し、必要に応じて樹脂被覆層26a中に凹凸形成用の粒子を添加し粗面化コート層26を具備させる。この粗面化コート層26の表面は混入の凹凸形成用の粒子26bにより凹凸粗面であり、従ってスリーブ21の表面がこの粗面化コート層26の存在で粗面化状態となる。
【0197】
本例では、スリーブ21上でのマグネットロール22による磁束密度は8×10-2T(テスラ)である。スリーブ21上のキャリア23は厚さ1mmでコートして磁気ブラシBを形成保持させ、該磁気ブラシBを感光体1との間に幅約5mmの帯電ニップ部Dを形成させて接触させ、スリーブ21を回転感光体1表面に対してカウンター方向に回転させる。また、磁気ブラシBと感光体1との長手方向の接触幅は200mmである。磁気ブラシBはスリーブ21が回転することにより同方向に回転して磁気ブラシを構成するキャリア23が搬送され、キャリアが次々に感光体1表面に接触する。本実施例で磁気ブラシBのキャリア量は約10gで、帯電ニップ部Dでの電極スリーブ21と感光体1とのギャップは500μmである。
【0198】
磁気ブラシBと感光体1との周速比は、以下の式で定義する。
周速比%=(磁気ブラシ周速−感光体周速)/感光体周速×100
【0199】
*磁気ブラシの周速はカウンター回転の場合は負の値
周速比−100%は磁気ブラシBが停止している状態なので、磁気ブラシBの感光体表面に停止した形状がそのまま帯電不良となって画像に出てしまう。また順方向の回転は、磁気ブラシBが遅い速度で感光体1と接触すると、磁気ブラシBのキャリア23が感光体1に付着しやすくなり、カウンター方向と同じ周速比を得ようとすると、磁気ブラシBの回転数が高くなってしまう。よって、周速比は−100%以下が好ましく、本実施例では−150%とした。
【0200】
第16図は磁気ブラシ帯電装置の一例を示す模式図である。感光ドラム31に対向して磁気ブラシ搬送ローラー39が配置されている。磁気ブラシ搬送ローラー39は帯電容器33内に一部が露出されるように配置されている。磁気ブラシ搬送ローラー39は円筒状の導電性基体35およびその表面に形成された導電性の樹脂被覆層36からなる磁性粒子担持体(スリーブ)37と、磁性粒子担持体37内部に固定配置されたマグネットローラー38からなり、磁性粒子担持体は回転可能に保持される。帯電容器33には磁性粒子の搬送量を規制するための規制部材32が固定配置されている。34はスリーブ上の磁性粒子量を均一にならすための撹拌部材を示し。40は電圧を印加するための電源である。
【0201】
次に端部コート層について説明を加える。磁気ブラシ帯電器の場合、帯電ニップ部Nにおいて磁気ブラシ部23が磁気ブラシ帯電器の長手方向(被帯電体としての感光体母線方向)の端部領域Bに押し出され、この端部領域Bにおいては、磁気ブラシ部23が感光体1と常時接触していないため、あるいは接触状態が不安定であるため、該領域Bの感光体面を均一に帯電することが難しい。従って、該端部領域Bにおける感光体の電位は、感光体中央部領域におけるそれよりもかなり低くなってしまう。よって該端部領域Bにおいて、電極スリーブ電位と感光体の表面電位との電位差が大きくなり、磁気ブラシ部23を構成している磁性粒子が磁気ブラシ部23から離脱して感光体1へ付着移動してしまうことがある。磁気ブラシ部23から感光体1への磁性粒子の離脱・付着が生じると、磁気ブラシ部23の磁性粒子が徐々に減少することで、磁気ブラシ部23が痩せて次第に帯電不良が生じる。画像形成装置にあっては、この帯電不良に起因して画像不良が生じたり、磁気ブラシ部23から感光体1へ離脱・付着した磁性粒子が現像装置に持ち運ばれて混入する等により出力画像の品位が低下することで、磁気ブラシ帯電器は長期使用が行えないという問題があった。
【0202】
これを解決する一手段として、磁気ブラシ帯電器の長手方向における磁気ブラシ部端部は電気的絶縁部材を介して電圧が印加される導電性部材に保持させた構成を取るものがある。
【0203】
具体的には第14図の模式図のように、磁気ブラシ部23に電圧を供給する電極スリーブ21の端部外周を樹脂等の電気的絶縁部材25で被覆して、磁気ブラシ部23の端部と電極スリーブ21を電気的に絶縁し、磁気ブラシ部端部までの距離を調節することにより磁性粒子自身の抵抗で磁気ブラシ部端部の電位を降下させ、被帯電体としての感光体1の表面電位との電位差を小さくして、磁気ブラシ部端部における感光体1への磁性粒子の付着を防ぐものである。
【0204】
またさらには、電極スリーブ21と絶縁部材25の材質が異なっているため、絶縁部材25を介して電極スリーブ21に保持されている磁気ブラシ部端部の搬送性が、電極スリーブ21の面に直接に保持されている磁気ブラシ部の搬送性よりも低下し、絶縁部材対応部分の帯電性が低下して感光体表面との電位差ができてしまい、磁気ブラシ部端部における感光体1への磁性粒子の付着防止効果を減少させてしまう可能性がある。また、電極スリーブ21上に絶縁部材25を設けた場合、該絶縁部材を設けた電極スリーブ部分と感光体の間隔が狭くなるため、帯電ニップ部Nにおけるこの部分での磁気ブラシ部の搬送性が著しく低下し、感光体上に磁性粒子が付着してしまうといった問題点も起こり得る。このような場合には搬送性を向上させるため、上記絶縁部材部分を適度に粗してやれば良く、本発明では、上記絶縁部材部分に相当する端部樹脂コート層の補強剤粒子として、適度な個数平均粒径を有するものを用い、粗し剤粒子としての役割ももたせることが可能である。
【0205】
第15図は、磁気ブラシ帯電装置をスリーブ正面側から見た断面図であり、磁気シール部材75と端部コート層91の位置関係を示している。装置構成としては、第3図、第4図で説明した現像装置の構成と類似するため重複説明は避けるが、上述のように、ここにおいては、基体84上に、絶縁材料からなる絶縁性の樹脂層91および電極層として構成される導電性樹脂層92が形成されている。磁気ブラシBを構成させるキャリア23としては、
・樹脂とマグネタイト等の磁性粉体を混練して粒子に成型したもの、もしくはこれに抵抗値調節のために導電カーボン等を混ぜたもの、
・焼結したマグネタイト、フェライト、もしくはこれらを還元または酸化処理して抵抗値を調整したもの、
・上記のキャリアを抵抗調整をしたコート材(フェノール樹脂にカーボンを分散したもの等)でコートまたはNi等の金属でメッキ処理して抵抗値を適当な値にしたもの等が考えられる。
【0206】
これらキャリア23の体積抵抗値としては、1×104〜1×1011Ωcmであることが好ましい。1×104Ωcm未満では感光体表面にピンホールがあったとき、ピンホールに電流が集中して帯電電圧が降下し感光体表面を帯電することができず、帯電ニップ状の帯電不良となる。1×1011Ωcmを超えると感光体1に電荷が均一に注入できず、微小な帯電不良によるカブリ画像となってしまう。
【0207】
よってキャリア23の抵抗値としては、1×104〜1×1011Ωcmであることが好ましく、特には1×104〜1×107Ωcmであることが好ましい。キャリア23の抵抗値は、電圧が印加できる金属セル(底面積228mm2)にキャリアを2g入れた後加重し、上下から電圧を1〜1000V、例えば100V印加して、この系に流れる測定電流から算出し正規化したもので定義した。
【0208】
また、複数種のキャリアを混合して用いることで帯電性の向上を図ることも可能である。
【0209】
キャリア23の粒径としては、あまり細かすぎると、磁気拘束力が小さくなり、感光体1面へのキャリア付着を起こす。また大きすぎると、感光体1への接触面積が減り、帯電不良が増える。よって、キャリアの平均粒径としては5〜50μm程度が帯電性と磁気保持の点で望ましい。
【0210】
キャリアの磁気特性としては、感光体へのキャリア付着を防止するために磁気拘束力を高くする方がよく、飽和磁化が30A・m2/kg以上が望ましい。
実際に本例で用いたキャリア23は、平均粒径が30μmで形状は不定形粒子、抵抗値が1×106Ω、飽和磁化が58A・m2/kgであった。
【0211】
前記粗面化コート層26は電極層として兼用させるために、樹脂分24aとして導電性の良い材料あるいは絶縁性の樹脂中に導電剤を混合して導電性を持たせたものを使用する必要がある。また、粗面化コート層26の抵抗値は電極としてキャリア23に充分な電流を供給できるように、キャリア23の抵抗値より1桁以上低い抵抗値にすることが望ましい。
【0212】
次に本実施例の特徴のひとつである電極スリーブ21の表面粗さについて述べる。
【0213】
電極スリーブ21の表面に凹凸を形成することにより、電極スリーブ21とキャリア23との接触面積が広がり両者間の接触抵抗が低くなるため、良好な帯電性を得ることが可能となる。また、スリーブ21とキャリア23との間の摩擦力も上がるため、帯電ニップ部Dにおける、磁気ブラシBを構成するキャリア23の担持体としてのスリーブ21と、被帯電体としての感光体1との対向ギャップ部での磁気ブラシBのキャリア23の搬送をスムーズに行わせることができ、帯電ニップ部Dにおけるキャリア23の滞留による帯電性の低下も防止することができる。
【0214】
そのため、電極スリーブ21の最適な平均表面粗さとしては、十点平均粗さRz1.0〜30.0μmの範囲が望ましい。電極スリーブ21のRzが1.0μmより小さいと、電極スリーブ21とキャリア23との接点が少なくなり、接触抵抗が高くなってしまう。また十分なキャリアの搬送性が得られず帯電が不均一になりやすい。逆に、電極スリーブ21のRzが30.0μmより大きくなると、電極スリーブ21の表面にキャリア23が埋め込まれて接触抵抗としてはこれ以上の変化がなくなる。さらにスリーブ21上の凸部が大きくなるため、電流が集中して突発的なリークが発生し帯電ムラとなりやすい。
【0215】
従って、電極スリーブ21の最適な平均表面粗さとしては、十点平均粗さRz1.0〜30.0μmの範囲が良く、より好ましくは3.0〜15.0μmの範囲が良い。
【0216】
以上は第7図のスリーブ型の磁気ブラシ帯電部材を例に説明してきたが、前述第8図の、回転可能な導電層被覆マグネットロール22に直接にキャリア23を付着させた構成の磁性ローラ型の磁気ブラシ帯電部材の場合も、磁気ブラシBを構成するキャリア23を保持させる担持体としてのマグネットロール22についてその表面(導電層25の表面)に凹凸を形成することで同様の効果を得ることが可能である。
【0217】
尚、本実施例では、OPC感光体を用いたLBPを用いて説明してきたが、OPC感光体或いはアモルファスSi感光体を用いた複写機でも同様に用いることができる。
【0218】
次に、本発明に用いられる上記帯電用磁性粒子担持体の表面樹脂層を構成する材料について説明する。
【0219】
被覆層に用いられる結着樹脂としては一般に公知の樹脂が使用可能である。例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱あるいは光硬化性樹脂等を使用することができる。なかでもシリコン樹脂、フッ素樹脂のような離型性のあるもの、或いはポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好ましい。これらの結着樹脂は、中央部分にも端部コート部分にも好ましく用いられる。
【0220】
電極層部分(中央部分)の被膜層の抵抗値を、所定の値、特に前記キャリアの抵抗値以下に調整するためには、下記に挙げる導電性物質を被覆層中に含有させることが好ましい。この際に使用される導電性物質としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体の微粉末、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリウム等の金属酸化物、各種カーボンファイバー、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック、グラファイト等の炭素物、更には金属繊維等が挙げられる。
【0221】
本発明においては、これらのうち、カーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与したり、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるため好適に用いられる。塗料にした場合の分散安定性も良好となりうる。又、本発明において好適なこれらの導電性物質の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜100重量部の範囲とすることが好ましい。1重量部以下では被覆層の抵抗値を所望のレベルに下げることは、通常困難であり、100重量部以上であると、特にサブミクロンオーダーの粒度を有する微粉体を用いた場合、被覆層の強度(摩耗性)が低下しうる。
【0222】
本発明の被覆層に磁性粒子搬送用の凹凸を与えるための粒子としては、前出の樹脂粒子、炭素系粒子、金属粒子、金属酸化物粒子、セラミクス粒子、およびこれらのウイスカーなどが使用可能である。
【0223】
特に粗さを付与し、且つ耐摩耗性を向上させる補強用充填材としては、下記の無機粉体がある。特に端部の被覆層部分に好ましく使用可能である。
Fe及び、FeにC、Ni、Cr、Mo、Mn、Ti、SiAl、V等を含んだ鉄合金;
Al及び、AlにCu、Si、Fe、Mn、Mg、Zn、Cr、Ti等を含んだアルミニウム合金;
Mg及び、MgにAl、Zn、Mn、Zr、Th等を含んだマグネシウム合金;
Cu及び、CuにAs、Te、O、Ag、Si、Sn、Pb、Be、Cr、Co、Cd、Ni、Al、Zn、Mn、Fe、P、Se、Te等を含んだ銅合金;
Ni及び、NiにC、Mn、Fe、S、Si、Cu、Cr、Mo、Al、Ti、Co、P、W、V、Ta、Nb等を含んだニッケル合金;
Pb及び、PbにSb、Te、As、Sn、Ca、Na、Fe、Ni、Ag、Bi、Zn、Si等を含んだ鉛合金;
Sb及び、SbにSn、Cu、Pb等を含んだアンチモン合金;
Sn及び、SnにBi、Sb、Pb、Ag、Zn、Al、Mg、Co、Mn、Te等を含んだすず合金;
Zn及び、ZnにZr、Mn、Al、Cu、Mg、Fe、等を含んだ亜鉛合金;
Cd及び、CdにNi、Ag、Au、Cu、Zn等を含んだカドミウム合金;
Bi及び、BiにAl、Zn、Pb、Sn、Cd、Li等を含んだビスマス合金;
Ti及び、TiにAl、Mn、Fe、Sn、Mo、V、Zn、Pb、Ta、Zr、Pt、Pd等を含んだチタン合金;
Zr及び、ZrにMo、W、Ti、B、Al、Sn、Ge、Sb、Pb、TlP、In、Nb、Ta、V、U、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Hf等を含んだジルコニウム合金;
Ta及び、TaにW、Fe、Ni、Co、Cr、Nb、Zr等を含んだタンタル合金;
Nb及び、NbにTa、W、Cr、Ni、Zr、Al、Ti、Mo、V、Hf、C、Y、Co等を含んだニオブ合金;
W及び、WにTi、Co、Cr、V、C、Cu、Ni等を含んだタングステン合金;
Cr及び、CrにFe、Al、Mo、Ni、Co、W、Mo等を含んだクロム合金;
Mo及び、MoにTi、Co、Cr、V、C、Cu、Ni、Nb、Ta、等を含んだモリブデン合金;
Co及び、CoにCr、Ni、Mo、Fe、Si、W、N、Nb、C等を含んだコバルト合金;
V及び、VにFe、Ni、Mn、Mo、Cr等を含んだヴァナジウム合金;
Ag及び、AgにCu、Zn、Al、Sb、Mg、Mn、Hg、Pd、Pt、Tl、Sn、Si、Li、Se、Te、Ni、Cr、Fe、Mo、Ta、W、V、Co、Ir、Rh等を含んだAg合金;
Au及び、AuにAg、Cu、Pt、Pd、Ni、Zn、Al等を含んだAu合金;
Pt及び、PtにRh、Ir、Ru、Ni、W、Pd等を含んだPt合金;
Pd及び、PdにAg、Cu、Ru、Rh等を含んだPd合金;
Rh及び、RhにNi等を含んだRh合金;
Ir及び、IrにPt等を含んだIr合金;
Os及び、OsにPt等を含んだOs合金;
Ru及び、RuにPt、Pd等を含んだRu合金;
Cr3P、CrP、Au2P、MnP2、Mo3P、MoP3、Ni3P、Ni2P、Rh2P、SiP、TaP、TiP、WP、Zn3P2、ZrP2等のリンの金属化合物;
Ga;
Ge及び、GeにAu等を含んだGe合金;
As及び、AsにPb、Cu、Ga、In等を含んだAs合金;
Se;Te;
Li及び、LiにMg、Al、Zn、Pb、Fe、Hg、Tl、Sn等を含んだLi合金;
Be及び、BeにCu、Co、Ni、Al、Fe等を含んだBe合金;
Mn及び、MnにIn;
Ce及び、CeにLa、Nb、Fe、Mg、Al、Zn等を含んだCe合金;
或いは、
BeO、MgO、CaO、BaO、B2O3、Al2O3、MgAl2O4、BeAl2O4、Ga2O3、In2O3、GeO2、SnO2、PbO、Pb3O4、PbO2、Sb2O3、Bi2O3、SeO2、TeO2、TiO2、Al2TiO5、ZrO2、Cr2O3、CrO2、MnO2、α−Fe2O3、β−Fe2O3、Fe3O4、CuO、ZnO、V2O5、SiO2、Zn2SiO4、ZrSiO4、等の酸化物;
BN、AlN、Si3N4、TiN、ZrN、TaN、NbN、等の窒化物;
SiC、ZrC、 WC、 TiC、MoC、 B4C、ダイヤモンド、等の炭化物;
TiB2、AlB12、ZrB2、HfB2、VB2、NbB2、TaB2、CrB2、Mo2B5、W2B5、Fe2B、FeB、CoB、NiB、LaB6、EuB6、UB4、UB12、CaB6、SiB6、 B4C、β−B、BN、等のホウ化物;
TiSi2、ZrSi2、VSi2、NbSi2、TaSi2、CrSi2、MoSi2、WSi2、等のケイ化物;
例えばAl2O3・2SiO2・2H2O、Al2O3・4SiO2・H2O、Al2O3・2SiO2、Al2O3・SiO2、3Al2O3・2SiO2、といったケイ酸アルミナ、例えばK2O・Al2O3・6SiO2、Na2O・Al2O3・6SiO2、K2O・3Al2O3・6SiO2・3H2O、Na2O・2MgO・5Al2O3・24SiO2・(6+n)H2O、K2O・Al2O3・4SiO2、といったアルカリケイ酸アルミナ、例えば2MgO・SiO2・2Al2O3 、3MgO・4SiO2、3MgO・4SiO2・H2O、3MgO・2SiO2・2H2O、2MgO・SiO2、といったケイ酸マグネシウム、等のケイ酸塩;
硫化リン、ZnS、等の硫化物;
等が挙げられる。これらは、単独でも、或いはこれらを主要成分とした混晶物、複合物、または混合物でもよい。またこれら化合物の一部の原子を他の原子に置き換えた化合物でもよい。無機粉体を複数含有する無機粉体でもよい。更にはこれら無機粉体の表面に無機超微粒子等をドーピングやプラズマ処理等をしたもの、(例えばAl2 O3粉体上にプラズマ化したNi超微粒子で被覆した複合粉やTiOにSnO2系の処理をしSbドープをした粉体)を用いることができる。これらの粉体の形状としては特に制限はなく一般に知られている球状、角状、板状、針状、ウイスカー状、及び不定形状等が使用される。またこれら補強用充填材を1種類だけでなく、数種類を添加してもよい。
【0224】
本発明に用いる補強用充填粒子の硬度としては、モース硬度3以上、より好ましくは5以上が良い。モース硬度3未満では耐久で帯電用磁性粒子により粗面化コート層の摩耗が促進され、先に説明したように、帯電用磁性粒子のコート量低下、帯電用磁性粒子による感光体汚染を発生し、それに伴う感光体表面への電荷注入不良を引き起こす可能性が大である。
【0225】
これら補強用充填粒子の体積平均粒径は0.1〜30μm、好ましくは0.2〜20μmを有することが好ましい。補強用充填粒子の体積平均粒径が0.1μm未満では帯電用磁性粒子担持体表面に均一な粗さを付与する効果がなく、被覆層の磨耗を引き起こす為、好ましくない。一方、体積平均粒径が30μmを超えると被覆層表面の粗さが大きくなり過ぎ、帯電用磁性粒子のコート量が増大し過ぎると共に、凹凸形成粒子のために磁性粒子のコート量が不均一になるために同様に感光体表面への電荷注入不良を引き起こしてしまう、さらに粒子を十分に結着させるためには膜厚を大きくとらなくてはならないのでギャップが低下する要因となり好ましくない。
【0226】
本発明における補強用充填ウィスカーとは、繊維状をしており、繊維の長さ/繊維の直径の比(アスペクト比)が、7〜140程度の細長い形状を有するものをいい、好ましくはアスペクト比が9〜120の粒子を使用することが良い。本発明に使用される補強用充填ウィスカーのアスペクト比が7未満であると補強用充填ウィスカー添加による被覆層の耐磨耗性向上が十分得られない場合があり、好ましくない。一方、補強用充填ウィスカーのアスペクト比が140を越えると補強用充填ウィスカーの被覆層中への分散性が悪化し易くなると共に、補強用充填ウィスカーの形状によって被覆層表面の凹凸が不均一となる場合があり、好ましくない。
【0227】
これら補強用充填ウィスカーの平均繊維径は、0.1〜8μm、好ましくは0.2〜5μmである。本発明に使用される補強用充填ウィスカーの平均繊維径が0.1μm未満であると、補強用充填ウィスカーの添加による被覆層の耐磨耗性向上が十分得られない場合があり、好ましくない。一方、補強用充填ウィスカーの平均繊維径が8μmを超えると、補強用充填ウィスカーの形状によって被覆層表面の凹凸が不均一となる場合があり、好ましくない。
【0228】
【実施例】
次に、具体的実施例をもって本発明をさらに詳しく説明する。
【0229】
<実施例1>
樹脂被覆層を形成するための樹脂組成物(塗料)を次のようにして調合した。
【0230】
上記材料を回転ディスクを有し、ガラスビーズをメディアとするサンドミルを用いて、分散を行い、塗料Aを得た。
【0231】
次に、
を同様に分散して塗料Bを得た。
【0232】
上記材料において、フェノール樹脂中間体は結着樹脂として用いるものであり、塗料として用いやすいように粘度を調整して用いている。結晶性グラファイトは、樹脂被覆層に導電性を付与させるとともに、潤滑性を上げてトナーの融着を防止するものである。球状炭素粒子は、個数平均粒径6.5μmの球状フェノール樹脂粒子100部にライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて個数平均粒径2μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、空気中下280℃で熱安定化処理した後に窒素雰囲気下2000℃で焼成することにより黒鉛化し、更に分級して得られた個数平均径4.8μmの球状導電性炭素粒子であり、樹脂被覆層に適度な粗さを付与させるためのものである。また第四級アンモニウム塩化合物は、上記フェノール樹脂に添加することによりフェノール樹脂の特性を改質し、樹脂被覆層の極性を添加しない場合に比較して負極性側にもっていくことでチャージアップやブロッチを防止する役目を果たす。
【0233】
【化1】
【0234】
また塗料Bにおいて用いられる炭化硼素粒子は、球状炭素粒子に比較して真密度がやや大きく不定形であるために、表面粗さを同等とするために多めに添加する。また本発明者らの従来からの検討によれば、一般的に球状炭素粒子の方が炭化硼素粒子に比較して、表面の磨耗により粒子が露出してきた場合でもトナーとの摩擦帯電性が良好であり且つ粒子に対するトナー付着も発生しにくいという結果が得られていたが、本実施例でも下記のトナーを使った別実験(画出し)の結果、中央部には炭化硼素粒子は使用不可能と判断し、下記の現像スリーブをサンプルとした。
【0235】
次に前記塗料Aを用いスプレー法にて樹脂被覆層を形成した。φ32mmのアルミニウム円筒体をワークとしてワーク台に垂直に固定しワーク台を回転させる。円筒管の両端部はマスキングを施し塗布されない状態とする。スプレーガンをワークから一定距離を保ち、一定スピードで上下させスプレー塗布することで、φ32mmのアルミニウム円筒体上に一定の膜厚の被膜を形成させ、次いで熱風乾燥器により150℃/30分間加熱・硬化させ樹脂被覆層を形成した。次に、こんどは中央部分をマスキングした状態で塗料Bを用い、同様なスプレー法で端部に樹脂被覆層を形成した。次に#2000の研磨テープを用いて、表面の凹凸が摩滅しない程度に樹脂被覆層表面の研磨を行った。この研磨の目的は、中央部の樹脂被覆層部分と端部領域の樹脂被覆層部分の接点の膜厚を調整するとともに、樹脂被覆層表面全体を均質化するのを目的とする。この時の膜厚は約15μmであり、この現像スリーブ上の導電性被覆層表面の中心線平均粗さ(Ra)は、Ra=0.60μmであった。被覆層の体積抵抗値は、中央部が0.85Ω・cm、端部が0.90Ω・cmであった。
【0236】
トナーおよび現像スリーブの物性測定、及び、得られた画像の評価については、下記に示す方法にて行った。
【0237】
[測定方法]
(1)中心線平均粗さ(Ra)または十点平均粗さの測定
JIS B0601の表面粗さに基づき、小坂研究所製サーフコーダーSE−3300にて、中央部領域は軸方向5点×周方向2点=10点について各々測定し、その平均値をとった。端部領域はジキシール部材が対向する部分を周方向に片側3箇所×両端部=6点を測定しその平均値とした。
【0238】
(2)被覆層の体積抵抗の測定
100μmの厚さのPETシート上に7〜20μmの厚さの被覆層を形成し、ASTM規格(D−991−82)及び、日本ゴム協会標準規格SRIS(2301−1969)に準拠した、導電性ゴム及びプラスチックの体積抵抗測定用の4端子構造の電極を設けた電圧降下式デジタルオーム計(川口電機製作所製)を使用して測定した。尚、測定環境は20〜25℃、50〜60RH%とする。
【0239】
(3)グラファイト・炭素粒子の粒径測定
レーザー回折型粒度分布計のコールターLS−130型粒度分布計(コールター社製)を用いて測定する。測定方法としては、水系モジュールを用い、測定溶媒としては純水を使用する。純水にて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、消泡剤として測定系内に亜硫酸ナトリウムを10〜25mg加えて、バックグラウンドファンクションを実行する。
【0240】
次に純水10ml中に界面活性剤3〜4滴を加え、更に測定試料を5〜25mg加える。試料を懸濁した水溶液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行ない試料液を得て、前記測定装置の測定系内に試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45〜55%になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、個数分布から算術した個数平均粒径および体積平均粒径を求める。有機溶媒中に分散された塗料を測定する際には、有機溶剤用の循環モジュールを用いて同様に測定を行う。
【0241】
(4)その他の無機粒子の粒径測定
電子顕微鏡を用いて、粒子の粒径を測定する。撮影倍率は1千〜1万倍とする。写真上で1次粒子の粒径を測る。この際、長軸と短軸を測り、平均した値を粒径とする。これを、100サンプルについて測定し、50%値をもって平均粒径とする。
【0242】
(5)トナーおよび樹脂粒子粒径の測定
コールターカウンターのマルチサイザーII(コールター社製)を用いて測定し、体積分布から出した重量基準の重量平均径を求めた。
【0243】
(6)樹脂被覆層の膜厚(削れ量)の測定
KEYENCE社製レーザー寸法測定器を用いた。コントローラLS−5500およびセンサーヘッドLS−5040Tを用い、スリーブ固定治具およびスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、スリーブの外径寸法の平均値から測定を行った。測定はスリーブ長手方向に対し30分割して30箇所測定し、さらにスリーブを周方向に90°回転させた後さらに30箇所、計60箇所の測定を行い、その平均値をとった。表面被覆層塗布前のスリーブの外径を予め測定しておき、表面被覆層形成後の外径、さらに耐久使用後の外径を測定し、その差分をコート膜厚および削れ量とした。
【0244】
但し、端部被覆層の領域に関しては、測定幅がかせげなく平均化が難しいことと、えぐれられたような形状で削れるため、KEYENCE社製の表面形状測定顕微鏡VF−7510を用い、中央部被覆層の高さに対してもっとも深く削れている部分の周方向4点の平均値を中央部削れ両の平均値に加えることによって出た値を削れ量とした。
【0245】
下地が現れてしまっている場合は、例えば、15μm以上、という表記とした。
【0246】
この現像スリーブにマグネットを装着してステンレス製フランジを嵌合し、キヤノン社製複写機NP−6085改造機の現像装置に装着可能とした。本実験に用いたNP−6085改造機は、85枚機を95枚機に改造したものであり、プロセススピードは、513mm/sec.のものを573mm/sec.にアップさせ、且つドラム周速に対し、スリーブ周速を1.5倍とした。磁性トナー補給しながら、23℃、50%RHの環境で100万枚までの連続耐久を行い、主として樹脂被覆層の削れ具合の評価を行った。また、24℃/10%の常温低湿(N/L)環境と、30℃/80%の高温高湿(H/H)環境の両環境については、100万枚耐久後の現像スリーブを用いて1万枚の画出しを行い、カブリ、ブロッチ、画像濃度、などについて、端部の削れの影響がどのように現れるかについて観察し評価した。
【0247】
[評価方法]
(1)画像濃度
複写機においては、画像比率5.5%のテストチャート上の5mmφ黒丸のコピー画像濃度を、反射濃度計RD918(マクベス製)により反射濃度測定を行い、5点の平均値をとって画像濃度とした。また、LBPにおいては、キャラクタージェネレーターを用いて信号を送りプリンターで出力した、5mm■のプリント画像濃度を同様に測定し画像濃度とした。
【0248】
(2)カブリ
現像適性条件におけるベタ白画像の反射率を測定し、更に未使用の転写紙の反射率を測定し、(ベタ白画像の反射率の最悪値−未使用転写紙の反射率の最高値)をカブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(東京電色製)で測定した。ここで、測定値を目視で判断した場合、1.5以下は目視ではほとんど確認できないレベル、2.0〜3.0程度はよく見ると確認できるレベル、4.0を超えると一見してカブリが確認できるレベルである。
【0249】
(3)トナー帯電量(Q/M)及びトナー搬送量(M/S)
現像スリーブ上に担持されたトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集し、その際金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q、捕集されたトナー重量Mと、トナーを吸引した面積Sから、単位重量当たりの電荷量Q/M(mC/kg)と単位面積当たりのトナー重量M/S(dg/m2)を計算し、それぞれトナー帯電量(Q/M)、トナー搬送量(M/S)とした。
【0250】
端部の磁気シール部分内側領域は現像剤が少量であり、実際にはトナー重量測定は不可能であるため、ビデオマイクロスコープで観察し、目視で判定した。通常、とは、中央部とコート状態に差のないことを示す。
【0251】
(4)ブロッチ(画像不良)
ベタ黒、ハーフトーン、ライン画像等の各種画像及び、その際、現像スリーブ上の波状ムラ、及びブロッチ(斑点状ムラ)等、スリーブ上でのトナーコート不良の目視による観察を参考にして、評価結果を下記の指標で示した。
◎ :画像にもスリーブ上にも全く確認できない。
○ :スリーブ上でわずかに確認できるが、画像ではほとんど確認できない。
○△:数枚〜数十枚に1枚程度画像を透かしてみると確認できる。
△○:ハーフトーン画像又はベタ黒画像の1枚目で、スリーブ周期の1周目に確認できる。
△ :ハーフトーン画像又はベタ黒画像で確認できる。実用レベル下限。
△×:ベタ黒画像全体で画像不良が確認できる。実用不可レベル。
× :ベタ白画像上にも確認できる。
【0252】
(5)N/LおよびH/Hに関しては、耐久後の現像スリーブを用いて新品トナーで1万枚の画出しを行い、端部領域の劣化の影響がどのように現れるかについて評価した。ブロッチに関しては端部領域については、例え画像に出ていなくても、スリーブ上に現れているものに関しては、わすかにでている(△)、はっきり出ている(×)を併記した。
【0253】
(6)シール部分からの飛散、モレについては、下記の評価基準とした。
○:良好なレベル
△:やや有るが実用範囲内
×:実用レベル以下
×:悪い
【0254】
磁性トナーとしては、次のものを用いた。
スチレン−ブチルアクリレート系樹脂 100質量部
マグネタイト 90質量部
炭化水素系ワックス 5質量部
ジターシャリーブチルサリチル酸のAl錯体 3質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで撹拌混合した後、二軸式イクストルーダーを用いて混練を行う。混練物を冷却させた後、スピードミルにて粗粉砕し、さらにこの粗粉砕物をターボミルを用いて微粉砕を行った。さらにエルボジェット分級機を用いて分級し粒度を調整し、トナーの粒度分布が、重量平均粒径7.4μm、4μm以下の粒子の個数割合が13.5%、12.7μm以上の粒子の重量割合が0.5%の磁性トナーを得た。このトナー100質量部にシランカップリング剤で疎水化処理したコロイダルシリカ0.8質量部、およびチタン酸ストロンチウム微粒子4質量部をヘンシェルミキサーにて外添して用いた。
【0255】
評価の結果、中央部、端部領域ともに削れ良は小さく、またN/L環境、H/H環境での画像も良好なものであった。結果を表1及び2にまとめる。
【0256】
<実施例2>
実施例1の塗料Bにおいて、炭化硼素粒子に替えて、不定形、個数平均粒径が7.1μm、モース硬度7のホウ酸アルミニウム粒子(9Al2O3・2B2O3)75質量部にし、塗料Cとした以外は同様にして現像スリーブを作成した。塗料Aはそのまま用いた。実施例1に比較して端部領域のトナーチャージが少し高めである様子がうかがえたが、実用上は全く問題ない範囲であった。評価結果を表1及び2に示す。
【0257】
<実施例3>
実施例1の塗料Bにおいて、炭化硼素粒子に替えて、平均繊維径1μm、アスペクト比30、モース硬度7のホウ酸アルミニウムウイスカー(9Al2O3・2B2O3)50質量部にし、塗料Dとした以外は同様にして現像スリーブを作成した。塗料Aはそのまま用いた。実施例1に比較して端部領域のトナーチャージが少し高めである様子がうかがえたが、実用上は問題ない範囲であった。評価結果を表1及び2に示す。
【0258】
<実施例4>
実施例1の塗料Bにおいて炭化硼素の個数平均粒径を3.2μm、添加量を120重量部とし、塗料Eとした以外は実施例1と同様にして現像スリーブを作成した。評価結果を表1及び2にまとめる。
【0259】
<実施例5>
実施例1の塗料Bにおいて炭化硼素の個数平均粒径を15.3μm、添加量を35重量部とし、塗料Fとした以外は実施例1と同様にして現像スリーブを作成した。評価結果を表1及び2にまとめる。
【0260】
<実施例6>
実施例1の塗料Aにおいて、第四級アンモニウム塩化合物を除いた以外は実施例1と同様にして塗料Gとし、現像スリーブを作成した。端部領域は塗料Bから第四級アンモニウム塩化合物を除いた塗料Hを用いた。第四級アンモニウム塩化合物を添加しなかったため、特にN/L環境でブロッチの発生が見られたが、削れ量に関しては良好な値をしめした。評価結果を表1及び2にまとめる。
【0261】
<実施例7>
実施例1の塗料Bにおいて、炭化硼素粒子に替えて、個数平均粒径が1.8μmの結晶性シリカ150質量部にし、塗料Jとした以外は同様にして現像スリーブを作成した。塗料Aはそのまま用いた。粒径が小さいため多量に添加する必要があり、コート層の体積および表面の抵抗が上昇することとシリカ微粉末の現像剤との摩擦帯電性が良好ではないため、実施例1に比較して端部領域よりの画像特性が実施例1に比較すると劣っていた。しかしながら、削れ性の観点から見ると効果はあった。評価結果を表1及び2に示す。
【0262】
<比較例1>
実施例1において中央部だけでなく、端部領域まで塗料Aとして現像スリーブを作成した。端部領域の磁気シールに対応する部分でコート層の削れ及び粒子の削れによる平滑化がみられた。その結果、端部領域で濃度薄が発生した。中央部の表面粗さはほとんど変化していなかった。評価結果を表1及び2に示す。
【0263】
<比較例2>
実施例1において、塗料Bから炭化硼素を除き塗料Kとした以外は実施例1と同様にして現像スリーブを作成した。磁気シール部分の樹脂層は削れて下地が露出し、端部領域からブロッチが発生した。評価結果を表1及び2に示す。
【0264】
<比較例3>
実施例1の塗料Bにおいて、炭化硼素粒子に替えて、球形、個数平均粒径が5.3μmのポリメチルメタクリレート粒子40質量部にし、塗料Lとした以外は同様にして現像スリーブを作成した。塗料Aはそのまま用いた。比較例2と同様に磁気シール部分の樹脂層はが著しく、端部領域からブロッチが発生した。評価結果を表1及び2に示す。
【0265】
<比較例4>
実施例7の塗料Jのシリコーン微粉末に替えて、個数平均粒径が約0.1μmのシリカ微粉末を用い塗料Mとし、あとは実施例7と同様にして現像スリーブを作成した。添加粒子の粒径が小さすぎるため削れに対する効果はなく、被覆層の削れ状態は比較例2と同等かそれ以下であった。
【0266】
<実施例8>
フェノール樹脂中間体 100質量部
カーボンブラック 10質量部
個数平均粒径5.1μmの炭化硼素粒子 50質量部
メタノール 370質量部
上記材料を回転ディスクを有し、ジルコニアビーズをメディアとするサンドミルを用いて、分散を行い、塗料Nを得た。
【0267】
フェノール樹脂中間体 100質量部
個数平均粒径5.3μmのホウ酸アルミニウム粒子 60質量部
メタノール 240質量部
上記材料を回転ディスクを有し、ジルコニアビーズをメディアとするサンドミルを用いて、分散を行い、塗料Pを得た。
【0268】
塗料Nを中央部の導電性樹脂被覆層用、塗料Pを両端部の絶縁性被覆層用とし、実施例1と同様の塗工方法により帯電用磁性粒子担持体用のサンプル(以下スリーブ)を作成した。円筒状の基体としては、外径16mmのアルミニウムパイプを用いた。上記塗料をスプレー塗工し、加熱乾燥・硬化させ表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートスリーブを得た。研磨操作は行わなかった。膜厚は、中央部、端部ともに約15μmに調整した。中央部の被覆層の体積抵抗値は、7.4×10Ω・cmであった。また、中央部の十点平均粗さ(Rz)は8.2μm、端部は8.8μmであった。
【0269】
この樹脂コートスリーブにマグネットを装着して金属製のフランジを嵌合し、磁性粒子担持体を得た。磁性粒子としては、平均粒径22μmのフェライトコアにチタン系のカップリング剤処理を施した、体積抵抗が5.4×107Ω・cmものを用いた。この磁性粒子担持体を第16図に示されるような帯電装置に組み込み、さらに磁性粒子を80g添加して用いた。評価機としては、キヤノン社製レーザービームプリンターLBP−930を、上記帯電装置および前記の注入帯電用感光体を組み込み可能に改造して用いた。
【0270】
実際に現像を行いながら耐久を行うと、現像剤により感光体や磁性粒子の劣化が起こり得るため、実験は現像を行わない状態にて実施し、表面粗さ(Rz)変化および磁性粒子コート量(M/S)、樹脂層の削れ量、感光体の表面電位、磁性粒子の感光体への付着について耐久前、耐久後の比較を行った。
【0271】
感光体への電荷注入は、23℃/50%の環境において、DC−700Vを印加することにより行い、その時の感光体の表面電位を測定した。
【0272】
キャリア付着に関しては、次の基準とした。
○:良好
△:ややあるが実用レベル内
×:実用レベル以下の付着あり
【0273】
耐久による削れも少なく、表面電位、キャリア付着ともに問題なく良好であった。評価結果を表3にまとめて示す。
【0274】
<実施例9>
実施例8において、塗料Nの炭化硼素粒子に替え、塗料Pで用いているホウ酸アルミニウム粒子60質量部とし、塗料Qとした以外は実施例8と同様に樹脂コートスリーブを作成し、実施例8と同様な評価を行った。塗料Pの樹脂層と塗料Qの樹脂層を、通常のテーバー試験で確認したところ明らかに塗料Pの方が削れ量は少なかった。これは、カーボンブラックの添加がかなり削れ量を増やしているものと考えられる。ホウ酸アルミニウム粒子が絶縁性の粒子であるため、導電性樹脂層の抵抗がやや上がったためか、注入帯電電位に若干に低下が見られたが、実用上は全く問題のないレベルであった。評価結果を表3に示す。
【0275】
<実施例10>
実施例8において、塗料Pのホウ酸アルミニウム粒子に替え、平均繊維径1μm、アスペクト比30、モース硬度7のホウ酸アルミニウムウイスカー(9Al2O3・2B2O3)40質量部にし、塗料Rとした以外は同様にして現像スリーブを作成した。ウイスカーを使用した場合、均一な表面凹凸(粗さ測定のバラツキが大きかった)を作ることがむずかしいが、ここでは特に問題は発生しなかった。削れは良好であった。評価結果を表3に示す。
【0276】
<実施例11>
実施例8において、塗料Pのホウ酸アルミニウムに替え、モース硬度12、個数平均粒径3.5μmのアルミナ粒子100質量部にし、塗料Sとした以外は実施例8と同様にして樹脂コートスリーブを作成した。評価結果を表3に示す。
【0277】
<実施例12>
実施例8において、塗料Pのホウ酸アルミニウムに替え、モース硬度9、個数平均粒径5.6μmの窒化珪素粒子60質量部にし、塗料Tとした以外は実施例8と同様にして樹脂コートスリーブを作成した。評価結果を表3に示す。
【0278】
<実施例13>
実施例8において、塗料Pのホウ酸アルミニウムに替え、モース硬度7、個数平均粒径4.4μmの結晶性シリカ粒子60質量部にし、塗料Uとした以外は実施例8と同様にして樹脂コートスリーブを作成した。評価結果を表3に示す。
【0279】
<実施例14>
実施例8において、塗料Nの炭化硼素に替え、モース硬度9、体積抵抗約105Ω・cm、個数平均粒径5.0μmの炭化珪素50質量部とし、塗料Vとした以外は実施例8と同様にして樹脂コートスリーブを作成した。評価結果を表3に示す。
【0280】
<比較例5>
実施例8において、端部樹脂コート層に塗料Pを用いずに、フェノール樹脂のみの硬化膜を同等の膜厚で形成し、樹脂コートスリーブを作成した。テーバー試験の結果からは、明らかに樹脂のみの硬化膜の方が削れは大きかった。耐久でも同様に削れは大きかった。評価結果を表3に示す。
【0281】
<比較例6>
実施例8において、塗料Pのホウ酸アルミニウムに替え、個数平均粒径5.3μmのポリメチルメタクリレート粒子35質量部にし、塗料Wとした以外は実施例8と同様にして樹脂コートスリーブを作成した。評価結果を表3に示す。
【0282】
<比較例7>
アルミスリーブの中央部は、アランダム粒子によるサンドブラスト面とし、Rzを9.0μmとした。また端部には比較例5と同様にフェノール樹脂の硬化膜を設けた。耐久により中央部表面の凹凸は摩滅し、磁性粒子の感光体への付着が著しかった。また端部に関しても比較例5同様であった。評価結果を表3に示す。
【0283】
【表1】
【0284】
【表2】
【0285】
【表3】
【0286】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、現像装置内において強い力のかかる部分においても樹脂被覆層の磨耗が少なく、現像スリーブの樹脂被覆層の磨耗によって発生する、トナー飛散、ブロッチ、カブリ、濃度薄などの不具合をなくし、且つトナーに対して良好な摩擦帯電性を付与することのできる現像剤担持体および現像装置を提供できる。これを用いることにより、長期にわたり高画質高精細な画像を提供できる。
【0287】
また本発明によれば、磁気ブラシ帯電装置における磁性粒子担持体の樹脂被覆層においても樹脂被覆層の磨耗を軽減し、磨耗によって生じる、感光体へのキャリア付着や注入帯電特性の低下を防止することのできる帯電用磁性粒子担持体および磁気ブラシ帯電装置を提供できる。これを用いることにより、長期にわたり高画質高精細な画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像剤担持体を有する一実施形態の現像装置を示の模式図である。
【図2】二成分現像剤を用いるのに好適な現像装置を示の模式図である。
【図3】現像装置を正面から見た場合の一様態を示す模式図である。
【図4】現像スリーブ72の端部領域について、樹脂被覆層が形成されている状態をを示す模式図である。
【図5】スリーブに圧接するタイプのシール部材76のみが使用されている場合の模式図である。
【図6】磁性シール部材75のみを用いる場合の模式図である。
【図7】スリーブ型の磁気ブラシ帯電部材2ないしは帯電装置の構成模型図である。
【図8】その他の構成模型図である。
【図9】画像形成装置例の概略図である。
【図10】本実施例で用いている被帯電体としての感光体1の層構成模型図である。
【図11】(a)が模型図、(b)が等価回路図である。
【図12】構成模型図の拡大図である。
【図13】その他の構成模型図の拡大図である。
【図14】模式図である。
【図15】磁気ブラシ帯電装置をスリーブ正面側から見た断面図である。
【図16】磁気ブラシ帯電装置の一例を示す模式図である。
Claims (54)
- 現像剤を収容する容器と、該容器に収容された現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤の層厚を規制する現像剤層厚規制部材を有し、該現像剤層厚規制部材と該現像剤担持体との間を通過し形成された該現像剤の薄層を、潜像担持体に対向する現像領域へと担持搬送し、該現像剤担持体上の該現像剤により該潜像担持体上に形成された潜像を現像し可視像化することに用いられる現像装置において、
該現像剤担持体は少なくとも基体および該基体上に設けられた樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は中央部と比較して端部領域が耐摩耗性の高い樹脂被覆層からなることを特徴とする現像装置。 - 上記端部領域の樹脂被覆層は、少なくとも結着樹脂および固体粒子を含有し、該固体粒子の添加により該固体粒子を添加しないときの樹脂被覆層の被膜よりも耐摩耗性を高くしていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の現像装置。
- 上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該固体粒子により表面凹凸を形成していることを特徴とする特許請求の範囲第1項もしくは2項に記載の現像装置。
- 上記固体粒子は、炭素系粒子、金属および金属酸化物、セラミクスの粒子およびウィスカーより選ばれる1種または2種以上から選択されることを特徴とする特許請求の範囲第1〜3項に記載の現像装置。
- 上記端部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第1〜4項に記載の現像装置。
- 上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第1〜5項に記載の現像装置。
- 上記中央部領域の樹脂被覆層には、導電性微粉末および/または潤滑剤を含有することを特徴とする特許請求の範囲第1〜6項に記載の現像装置。
- 上記中央部領域の樹脂被覆層には、表面凹凸を形成するための固体粒子を含有することを特徴とする特許請求の範囲第1〜7項に記載の現像装置。
- 上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該中央部領域の樹脂被覆層表面の表面粗さは、中心線平均粗さRaが0.3〜3.5μmであることを特徴とする特許請求の範囲第8項に記載の現像装置。
- 上記表面凹凸を形成するための固体粒子が導電性であることを特徴とする特許請求の範囲第8または9項に記載の現像装置。
- 上記端部領域に含有される粒子のうちのもっとも硬い粒子の硬度が、上記中央部領域に含有される粒子のもっとも硬い硬度の粒子よりも硬度が高いものであることを特徴とする特許請求の範囲第8〜10項に記載の現像装置。
- 上記端部領域の樹脂被覆層は、該現像剤担持体に担持された該現像剤および該容器中の該現像剤が該容器と該現像剤担持体間に形成される間隙から外部へ漏れることを防止する現像剤シール部材に対応する位置およびその周辺領域に形成されていることを特徴とする特許請求範囲第1〜11項に記載の現像装置。
- 上記現像剤シール部材が磁力を用いてシールを行うことを特徴とする特許請求範囲第12項に記載の現像装置。
- 潜像担持体上に形成された潜像を現像剤担持体により担持搬送された現像剤により現像し可視像化する現像装置に用いられる現像剤担持体において、
該現像剤担持体は少なくとも基体および該基体上に設けられた樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は中央部と比較して端部領域が耐摩耗性の高い樹脂被覆層からなることを特徴とする現像剤担持体。 - 上記端部領域の樹脂被覆層は、少なくとも結着樹脂および固体粒子を含有し、該固体粒子の添加により該固体粒子を添加しないときの樹脂被覆層の被膜よりも耐摩耗性を高くしていることを特徴とする特許請求の範囲第14項記載の現像剤担持体。
- 上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該固体粒子により表面凹凸を形成していることを特徴とする特許請求の範囲第14項もしくは15項に記載の現像剤担持体。
- 上記固体粒子は、炭素系粒子、金属および金属酸化物、セラミクスの粒子およびウィスカーより選ばれる1種または2種以上から選択されることを特徴とする特許請求の範囲第14〜16項に記載の現像剤担持体。
- 上記端部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第14〜17項に記載の現像剤担持体。
- 上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第14〜18項に記載の現像剤担持体。
- 上記中央部領域の樹脂被覆層には、導電性微粉末および/または潤滑剤を含有することを特徴とする特許請求の範囲第14〜19項に記載の現像剤担持体。
- 上記中央部領域の樹脂被覆層には、表面凹凸を形成するための固体粒子を含有することを特徴とする特許請求の範囲第14〜20項に記載の現像剤担持体。
- 上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該中央部領域の樹脂被覆層表面の表面粗さは、中心線平均粗さRaが0.3〜3.5μmであることを特徴とする特許請求の範囲第21項に記載の現像剤担持体。
- 上記表面凹凸を形成するための固体粒子が導電性であることを特徴とする特許請求の範囲第21または22項に記載の現像剤担持体。
- 上記端部領域に含有される粒子のうちのもっとも硬い粒子の硬度が、上記中央部領域に含有される粒子のもっとも硬い硬度の粒子よりも硬度が高いものであることを特徴とする特許請求の範囲第21〜23項に記載の現像剤担持体。
- 上記端部領域の樹脂被覆層は、該現像剤担持体に担持された該現像剤および該容器中の該現像剤が該容器と該現像剤担持体間に形成される間隙から外部へ漏れることを防止する現像剤シール部材に対応する位置およびその周辺領域に形成されていることを特徴とする特許請求範囲第14〜24項に記載の現像剤担持体。
- 上記現像剤シール部材が磁力を用いてシールを行うことを特徴とする特許請求範囲第25項に記載の現像剤担持体。
- 担持体に磁性粒子を磁気力で拘束して磁気ブラシとして付着保持させ、該磁気ブラシを被帯電体に接触させ、電圧を印加して被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電部材において、該磁気ブラシ帯電部材は、少なくとも導電性円筒状部材と該導電性円筒状部材内部に配置されたマグネットを有し、該導電性円筒状部材は少なくとも導電性円筒状基体および該導電性円筒状基体上に設けられた樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は中央部と比較して端部領域が耐摩耗性の高い樹脂被覆層からなることを特徴とする磁気ブラシ帯電部材。
- 上記端部領域の樹脂被覆層は、少なくとも結着樹脂および固体粒子を含有し、該固体粒子の添加により該固体粒子を添加しないときの樹脂被覆層の被膜よりも耐摩耗性を高くしていることを特徴とする特許請求の範囲第25項記載の磁気ブラシ帯電部材。
- 上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであることを特徴とする特許請求の範囲第27項もしくは28項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
- 上記固体粒子は、無機微粉体であり、該無機微粉体は粒子形状もしくはウィスカー形状を示すものより選ばれる1種または2種以上から選択されることを特徴とする特許請求の範囲第27〜29項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
- 上記固体粒子は導電性を有さないものから選択され、端部領域の樹脂被覆層は絶縁性の樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第27〜30項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
- 上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第27〜31項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
- 上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電性微粉末を含有することにより導電性が付与された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第27〜32項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
- 上記中央部領域の樹脂被覆層には、表面凹凸を形成するための固体粒子を含有することを特徴とする特許請求の範囲第27〜33項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
- 上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該中央部領域の樹脂被覆層表面の表面粗さは、十点平均粗さRzが1.0〜30μmであることを特徴とする特許請求の範囲第34項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
- 上記表面凹凸を形成するための固体粒子が導電性であることを特徴とする特許請求の範囲第34または35項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
- 上記端部領域の樹脂被覆層は、該現像剤担持体に担持された該磁性粒子および該磁性粒子に担持される現像剤が該磁気ブラシ帯電部材を保持する保持部材もしくは容器と該担持体間に形成される間隙から外部へ漏れることを防止するシール部材に対応する位置およびその周辺領域に形成されていることを特徴とする特許請求範囲第27〜36項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
- 上記シール部材が磁力を用いてシールを行う磁気シール部材であることを特徴とする特許請求範囲第37項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
- 上記端部領域の樹脂被覆層は磁気ブラシの磁性粒子が被帯電体へ付着することを防止するための磁性粒子付着防止層であることを特徴とする特許請求範囲第27〜38項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
- 前記磁気ブラシ帯電部材が、被帯電体の帯電を被帯電体表面に電荷を直接注入する注入帯電方式に用いられることを特徴とする特許請求範囲第27〜39項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
- 被帯電体に電圧を印加した帯電部材を接触させて被帯電体の帯電を行う帯電装置において、該帯電部材は特許請求範囲第27〜40項のいずれかひとつに記載の磁気ブラシ帯電部材であることを特徴とする帯電装置。
- 担持体に磁性粒子を磁気力で拘束して磁気ブラシとして付着保持させ、該磁気ブラシを被帯電体に接触させ、電圧を印加して被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電部材に用いられる帯電用磁性粒子担持体において、
該担持体は、少なくとも導電性円筒状基体および該導電性円筒状基体上に設けられた樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は中央部と比較して端部領域が耐摩耗性の高い樹脂被覆層からなることを特徴とする帯電用磁性粒子担持体。 - 上記端部領域の樹脂被覆層は、少なくとも結着樹脂および固体粒子を含有し、該固体粒子の添加により該固体粒子を添加しないときの樹脂被覆層の被膜よりも耐摩耗性を高くしていることを特徴とする特許請求の範囲第41項記載の帯電用磁性粒子担持体。
- 上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであることを特徴とする特許請求の範囲第42項もしくは43項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
- 上記固体粒子は、無機微粉体であり、該無機微粉体は粒子形状もしくはウィスカー形状を示すものより選ばれることを特徴とする特許請求の範囲第42〜44項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
- 上記固体粒子は導電性を有さないものから選択され、端部領域の樹脂被覆層は絶縁性の樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第42〜45項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
- 上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電剤が含有された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第42〜46項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
- 上記中央部領域の樹脂被覆層は、導電性微粉末を含有することにより導電性が付与された導電性樹脂被覆層であることを特徴とする特許請求の範囲第42〜47項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
- 上記中央部領域の樹脂被覆層には、表面凹凸を形成するための固体粒子を含有することを特徴とする特許請求の範囲第42〜48項に記載の磁気ブラシ帯電部材。
- 上記固体粒子は個数平均粒径が0.3〜30μmであり、該中央部領域の樹脂被覆層表面の表面粗さは、十点平均粗さRzが1.0〜30μmであることを特徴とする特許請求の範囲第49項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
- 上記表面凹凸を形成するための固体粒子が導電性であることを特徴とする特許請求の範囲第49または50項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
- 上記端部領域の樹脂被覆層は、該現像剤担持体に担持された該磁性粒子および該磁性粒子に担持される現像剤が該磁気ブラシ帯電部材を保持する保持部材もしくは容器と該担持体間に形成される間隙から外部へ漏れることを防止するシール部材に対応する位置およびその周辺領域に形成されていることを特徴とする特許請求範囲第42〜51項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
- 上記シール部材が磁力を用いてシールを行う磁気シール部材であることを特徴とする特許請求範囲第52項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
- 上記端部領域の樹脂被覆層は磁気ブラシの磁性粒子が被帯電体へ付着することを防止するための磁性粒子付着防止層であることを特徴とする特許請求範囲第42〜53項に記載の帯電用磁性粒子担持体。
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