JP2004196702A - 新規なアミド誘導体又はその塩 - Google Patents
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Abstract
【課題】グリコーゲン・ホスホリラーゼ阻害剤であり、インスリン依存性糖尿病 (1型糖尿病)、特にインスリン非依存性糖尿病 (2型糖尿病)、インスリン抵抗性疾患、及び肥満の治療及び予防剤として有用な化合物を提供する。
【解決手段】インドール環又はチエノピロール環等が、アミド結合を介して、テトラヒドロナフタレン又はインダン等の2環縮合環と結合し、その2環縮合環が必ずヒドロキシ基を有することを特徴とするアミド誘導体。
【選択図】 なし
【解決手段】インドール環又はチエノピロール環等が、アミド結合を介して、テトラヒドロナフタレン又はインダン等の2環縮合環と結合し、その2環縮合環が必ずヒドロキシ基を有することを特徴とするアミド誘導体。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬、特にグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤である、一般式(I)で示されるアミド誘導体又はその塩に関する。本発明化合物は、インスリン依存性糖尿病 (1型糖尿病)、インスリン非依存性糖尿病 (2型糖尿病)、インスリン抵抗性疾患、及び肥満の治療及び予防に有用である。
【0002】
【従来の技術】
世界の糖尿病患者人口は、1億3500万人(1995年)を超え、2025年には3億人にまで増加するとの予測がなされており(King HJ,Diabetes Care 21;1414-1431,1998)、本疾患治療の進歩に関する社会的要請は非常に大きい。現在、糖尿病治療の中心は血糖降下剤の適用であり、それらによる血糖コントロールの結果、糖尿病性神経障害、網膜症、腎症といった糖尿病合併症への移行率や、死亡率が低下することが明らかにされている。しかし、より高度な血糖管理が可能な薬剤の創製が切望されており、新たなメカニズムを有する、有用性の高い抗糖尿病治療薬の開発が望まれている。
近年の糖尿病態の解明によると、膵臓β細胞の機能異常や肝臓からの糖放出亢進が、糖尿病の発症やその進展に大きく関与しているとされている(Withers DJ, Endocrinology 141;1917-1921,2000)。肝臓からの糖放出は、グルカゴンとインスリンの相対的な調節等により厳密に制御されているが、糖尿病態においては、インスリン量の絶対的不足(1型糖尿病:インスリン依存性糖尿病)、相対的作用不足(2型糖尿病:インスリン非依存性糖尿病)により、肝糖放出が亢進し高血糖状態をもたらす。肝糖放出は、肝グリコーゲンの分解と糖新生の2経路の和として表される。糖尿病態においては、肝のグリコーゲン分解系が亢進していることが報告されている (Tayek JA,Am.J.Physiol. 270;E709-E717,1996,Diraison F,Diabetologia 41;212-220,1998)。また肝グリコーゲン分解を抑制することにより、糖尿病患者における肝糖放出の亢進が正常化することが報告されている (Hellerstein MK, J.Clin.Invest. 100; 1305-1319,1997,Pimenta W, Diabetologia 37;697-702,1994)。これらのことから、肝グリコーゲン分解の亢進が、糖尿病態に寄与していると考えられている。
肝グリコーゲンは、グリコーゲンホスホリラーゼ(EC 2.4.1.1)により、加リン酸分解されてグルコース-1-リン酸となり、次いでリン酸転移―脱リン酸反応により、グルコース(血糖)として血中に放出され、血糖を上昇させる。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、上記のグリコーゲンの分解反応を阻害し、肝臓からのグルコース放出(糖放出)を抑制する。その結果、ヒトおよび糖尿病動物において、血糖降下作用を示すことが報告されている(Treadway JL,Diabetes 50 Suppl.2;A133-A134,2001,Martin WH,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95;1776-1781,1998)。
【0003】
一方、特許文献1には、下記一般式で示される化合物がグリコーゲンホスホリラーゼ阻害物質として、糖尿病等の治療に用いられることが記載されている。
【化2】
(式中の記号は公報参照)
また、特許文献2には、下記一般式で示される化合物がグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤として、グリコーゲンホスホリラーゼ依存性疾患の治療に用いられることが記載されている。
【化3】
(式中の記号は公報参照)
また、特許文献3には、下記一般式で示される化合物がグリコーゲンホスホリラーゼ抑制剤として、糖尿病等の治療に用いられることが記載されている。
【化4】
(式中の記号は公報参照)
【0004】
【特許文献1】特開2001-131181号公報
【特許文献2】国際公開第96/39385号パンフレット
【特許文献3】国際公開第96/39384号パンフレット
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)、インスリン非依存性糖尿病 (2型糖尿病)、インスリン抵抗性疾患、及び肥満の優れた治療及び予防剤として期待されている。従って、更に優れた効果を有するグリコーゲンホスホリラーゼ阻害作用を有する化合物の創製が切望されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、インドール環又はチエノピロール環等が、アミド結合を介してテトラヒドロナフタレン又はインダン等の2環縮合環と結合し、その2環縮合環が必ずヒドロキシ基を有することを特徴とする、下記一般式(I)で示される化合物が、優れたグリコーゲンホスホリラーゼ阻害作用を有することを見いだし本発明を完成した。すなわち本発明は、下記一般式(I)で示される化合物又はその塩、及びそれらを有効成分とするグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、特に糖尿病の治療又は予防剤に関する。なお、本発明化合物と特許文献1〜3に記載された化合物とは、本発明化合物がヒドロキシ置換2環縮合環を有する点等で、特許文献1〜3に記載された化合物とは構造を異にする。
【化5】
(上記式中の記号は、それぞれ以下の意味を有する。
A環:ベンゼン、チオフェン、フラン、ピリジン、ピリミジン、又はピラジン、
X:CH2、O、S、SO、SO2、又はNR12、
Y、及びZ:同一又は異なって、CH、又はN、
n:0、1、2、又は3、
R1〜R12:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、-OH、低級アルキル、-低級アルキレン-OH、-低級アルキレン-アリール、-O-低級アルキル、アリール、-O-アリール、-C(=O)-低級アルキル、-C(=O)-アリール、-CH(OH)-アリール、-NH2、-NO2、-CN、-COOH、-C(=O)-NH2、-C(=O)-O-低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、-O-ハロゲン置換低級アルキル、-O-低級アルキレン-アリール、-低級アルキレン-COOH、-O-低級アルキレン-COOH、-O-低級アルキレン-C(=O)-O-低級アルキル、-O-低級アルキレン-C(=O)-NH2、-O-低級アルキレン-C(=O)-NH-低級アルキル、-O-低級アルキレン-C(=O)-N(低級アルキル)2、又は-NH-C(=O)-アリール)
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明化合物につき詳述する。
本明細書中の一般式の定義において「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素数が1〜6の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。従って「低級アルキル」としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等の直鎖又は分枝状のC1-6アルキルが挙げられる。これらの中では炭素数1〜3のものが好ましく、メチル、エチルが特に好ましい。
「低級アルキレン」としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等の他、メチルメチレン等の分枝を有した低級アルキレンでも良い。メチレン、エチレンが特に好ましい。
「アリール」としては、縮合環を含む芳香族炭化水素環を意味し、炭素数6〜14のアリールが挙げられる。ベンゼン、ナフタレン、アントラセンが好ましい。
従って、例えば「-低級アルキレン-アリール」は、具体的には、ベンジル、フェネチル等が挙げられるが、ベンジルが特に好ましい。
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、フッ素原子、塩素原子、及び臭素原子が好ましい。
「ハロゲン置換低級アルキル」は、特にフッ素原子で置換した低級アルキルが好ましい。更に好ましくは-CF3である。
【0008】
一般式(I)中、左側に位置する2環縮合環としては、インドール、チエノピロール、フロピロール、ピロロピリジン、ピロロピリミジン、ピロロピラジンが好ましい。特に好ましくは、インドール、チエノピロールである。
また、一般式(I)中、右側に位置する2環縮合環としては、テトラヒドロナフタレン、インダン、クロマン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキナゾリンが好ましい。特に好ましくは、テトラヒドロナフタレン、インダン、テトラヒドロキノリンである。
R1〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、-OH、低級アルキル、-低級アルキレン-OH、-低級アルキレン-アリール、-O-低級アルキル、アリール、-O-アリール、-C(=O)-低級アルキルが好ましい。特に好ましくは、水素原子、ハロゲン原子である。
【0009】
また、本発明化合物には、互変異性体、光学異性体等の各種の立体異性体の混合物や単離されたものが含まれる。
本発明化合物は、酸付加塩を形成する場合がある。また、置換基の種類によっては塩基との塩を形成する場合もある。かかる塩としては、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン等の有機塩基、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
更に本発明化合物には、水和物、製薬学的に許容可能な各種溶媒和物や結晶多形等も含まれる。なお、当然のことながら、本発明には、後記実施例に記載された化合物に限定されるものではなく、一般式(I)で示される誘導体及びその製薬学的に許容される塩の全てを包含するものである。
【0010】
また、本発明化合物には、生体内において代謝されて前記一般式(I)に変換される化合物、又はその塩に変換される化合物、いわゆるプロドラッグもすべて含むものである。本発明化合物のプロドラッグを形成する基としては、Prog.Med.5:2157-2161(1985)に記載されている基や、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163〜198頁に記載されている基が挙げられる。
本発明化合物及びそれらの製薬学的に許容される塩は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料ないし中間体の段階で適当な保護基、すなわち容易に当該官能基に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。しかるのち、必要に応じて保護基を除去し、所望の化合物を得ることができる。このような官能基としては例えば水酸基やカルボキシル基等を挙げることができ、それらの保護基としては例えばグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、[Protective Groups inOrganic Synthesis」第2版に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜用いればよい。
【0011】
(製造法)
以下に本発明化合物の代表的な製造法を説明する。
製造法 1
【化6】
(式中、R1〜R11、A環、X、Y、Z、及びnは前掲と同じものを、Bは水酸基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子のような脱離基又は脱離原子を意味する)本反応は化合物(II)及び化合物(III)をそのまま、あるいは溶媒中で反応後、所望により保護基の除去を行い、本発明化合物を得る反応である。溶媒の具体例としては、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、アセトンのようなケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライムのようなエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水、或いはこれらの混合溶媒が挙げられるが、種々の反応条件に応じて適宜選択される。
ここで、Bが水酸基である場合は上記溶媒中、縮合剤の存在下で反応させる方法が適用できる。縮合剤としてはN,N’-ジシクロカルボジイミド、1-エチル-3-(3’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1,1’-カルボニルジイミダゾール、ジフェニルホスホリルアジド等が挙げられる。
Bが低級アルコキシである場合はそのまま、又は前記溶媒中、加熱下乃至加熱還流下で反応させる方法が適用できる。
Bがハロゲン原子である場合は、前記溶媒中、塩基存在下反応させる方法が適用できる。塩基の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような炭酸アルカリ、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのような炭酸水素アルカリ、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンのような有機アミン等が挙げられる。
【0012】
製造法 2
【化7】
(式中、R1〜R11、X、Y,Z、A環、及びnは前掲と同じものを意味する)
本反応は化合物(IV)を溶媒中で還元反応後、所望により保護基の除去を行い、本発明化合物を得る反応である。
溶媒の具体例としては、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライムのようなエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水、或いはこれらの混合溶媒が挙げられるが、種々の反応条件に応じて適宜選択される。
ここで、還元剤としては水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛等が挙げられる。
【0013】
中間体の合成法 1
【化8】
(式中、R1〜R4、R10、及びBは前掲と同じものを意味する)
原料化合物(II)は、市販されているか、或いは公知の方法、例えばSynthesis,222(1980)、J.Chem.Soc.,7185(1965)、Heterocycles,34(12),2349(1992)、J.Chem.Soc.,Perkin Trans 1,2189(1984)、Can.J.Chem.,56,1429(1978)に記載の方法により合成することができる。
【0014】
中間体の合成法 2
【化9】
(式中、R5〜R9、R11、X、Y、Z、及びnは前掲と同じものを意味する)
本反応は化合物(V)を還元反応に付し、所望により保護基の除去を行い、化合物(III)を得る反応である。反応条件は化合物(IV)から本発明化合物を得る反応(製造法1)と同様である。
【0015】
中間体の合成法 3
【化10】
(式中、R1〜R11、A環、X、Y、Z、B、及びnは前掲と同じものを意味する)
本反応は(II)及び(V)から中間体(IV)を合成する方法である。反応条件は前記製造法1と同様である。
更に本発明化合物中に含まれるいくつかの化合物は、以上のようにして得られた化合物(I)から公知のアルキル化、アシル化、酸化、還元、加水分解等、当業者が通常採用し得る工程を任意に組み合わせることにより製造することもできる。
この様にして製造された本発明化合物は、公知の方法、例えば、抽出、沈澱、分画クロマトグラフィー、分別結晶化、再結晶等により単離、精製することができる。
また、本発明化合物が不斉炭素を有する場合には光学異性体が存在する。これらの光学異性体は適切な塩として再結晶する分別結晶化やカラムクロマトグラフィー等の常法により分割することができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明化合物は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害作用を有し、適応する疾病としては、インスリン依存性糖尿病 (1型糖尿病)、特にインスリン非依存性糖尿病 (2型糖尿病)、インスリン抵抗性疾患、及び肥満等が挙げられる。本発明化合物の化合物の優れたグリコーゲンホスホリラーゼ阻害作用は、以下に示す各試験方法により確認された。
【0017】
グリコーゲンホスホリラーゼ(GP)阻害作用測定試験
GP活性測定の手順は、以下の通りである。なお反応は、96ウェルプレートを用いて行った。45mM リン酸カリウム、0.24% グリコーゲン、1.6mM 塩化マグネシウム、120μM エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、22.5μM β-NADP,4×10-4% α-グルコース 1,6-二リン酸、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ 385Unit/L、ホスホグルコムターゼ 77Unit/Lからなる水溶液を混合し、pHを6.8とした(Reaction Cocktail)。測定結果は、同一条件である3ウェルの値を平均して算出した。反応に供した各化合物は、ジメチルスルホキシドに溶解し、1ウェルあたり10μLずつ添加した。各ウェルに上述Reaction Cocktailを216.5μLずつ加えた後、ヒト肝臓型GPタンパク溶液(GPタンパクを、40mM βグリセロリン酸、80mMシステイン(pH6.8)にて溶解したもの)を23.5μLずつ加え、室温にて反応を行った。GP酵素反応は、340nmの吸光度の増加分により検出した(SPECTRAmax,Molecular Device,Sunnyvale,CA)。被検化合物によるGP阻害活性は、化合物添加の無いウェル(コントロール)における反応に対する割合(%)にて評価し、コントロール反応を50%阻害する被検化合物濃度(IC50値)を求めた。本発明の代表的化合物のIC50値は下記表1の通りである。
【0018】
【表1】
本発明化合物や、それらの製薬学的に許容される塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、通常用いられている製剤用の担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、液剤、注射剤、坐剤、軟膏、貼付剤等に調製され、経口的又は非経口的に投与される。
本発明化合物のヒトに対する臨床投与量は適用される患者の症状、体重、年齢や性別等を考慮して適宜決定されるが、通常成人1日当たり経口で0.1〜500mg、非経口で0.01〜100mgであり、これを1回あるいは数回に分けて投与する。投与量は種々の条件で変動するので、上記投与量範囲より少ない量で十分な場合もある。
本発明化合物の経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤や繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤、ラクトースのような安定化剤、グルタミン酸又はアスパラギン酸のような可溶化剤又は溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の糖衣又は胃溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
【0019】
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化剤、溶解補助剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えば注射剤用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(商品名)等がある。
このような組成物は、更に等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えば、ラクトース)、可溶化剤又は溶解補助剤のような添加剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらは又無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明化合物の実施例を挙げ、本発明化合物の製造方法を具体的に説明するが、本発明化合物は実施例に限定されるものではない。なお、本発明化合物の原料化合物には新規な化合物も含まれており、これらの製造方法を参考例として記載する。
参考例1
6−アミノ−2,2,5,7−テトラフルオロ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)オン3.53gのメタノール70ml溶液に氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム1.15gを加え、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣に水を加え、晶出した粗結晶を水で洗浄し乾燥させて6−アミノ−2,2,5,7−テトラフルオロ−3,4−ジヒドロナフタレン−1−オール3.25gを得た。
参考例2
5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸1.30gと5−アミノインダン−1−オン1.0gをジメチルホルムアミド10mlに溶解し、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1.43gと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1.01gを加えて室温にて40時間攪拌した。反応液に水を加え、析出物をろ取、乾燥した。乾燥した析出物にクロロホルム−メタノール(5:1)90mlを加え、2時間加熱還流した。放冷後、固体をろ取し、クロロホルムで洗浄、乾燥して、5−クロロ−N−(1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸1.09gを得た。
参考例3
3−ブロモ−2,6−ジフルオロ安息香酸1.99gをtert−ブチルアルコール20mlとトルエン20mlに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン1.8ml、アジ化ジフェニルホスホリル2.26mlを加え、加熱還流下5日間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣に水100mlを加え、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を1M水酸化ナトリウム水溶液50mlと飽和食塩水50mlで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、(3−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)カルバミン酸tert−ブチル1.70gを得た。
【0021】
参考例4
(3−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)カルバミン酸tert−ブチル1.66gをジイソプロピルアミン30mlに溶解し、アルゴン雰囲気下、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム311mg、ヨウ化銅103mg、3−ブチン−1−オール0.82mlを加え、加熱還流下1時間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣に酢酸エチル100mlを加え、不溶物をろ別した。ろ液を減圧留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、{2,6−ジフルオロ−3−(4−ヒドロキシ−1−ブチン−1−イル)フェニル}カルバミン酸tert−ブチル1.41gを得た。
参考例5
{2,6−ジフルオロ−3−(4−ヒドロキシ−1−ブチン−1−イル)フェニル}カルバミン酸tert−ブチル32.4gをエタノール220mlに溶解し、10%パラジウム−カーボン粉末3.0gを加え、水素雰囲気下、室温で15時間撹拌した。触媒をセライトにてろ別後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣をエタノール220mlに溶解し、10%パラジウム−カーボン粉末3.0gを加え、水素雰囲気下、室温で23時間撹拌した。触媒をセライトにてろ別後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣をエタノール220mlに溶解し、10%パラジウム−カーボン粉末3.0gを加え、水素雰囲気下、室温で22.5時間撹拌した。触媒をセライトにてろ別後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣をエタノール220mlに溶解し、10%パラジウム−カーボン粉末3.0gを加え、水素雰囲気下、室温で4.5時間撹拌した。触媒をセライトにてろ別後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、{2,6−ジフルオロ−3−(4−ヒドロキシブチル)フェニル}カルバミン酸tert−ブチル28.2gを得た。
参考例6
{2,6−ジフルオロ−3−(4−ヒドロキシブチル)フェニル}カルバミン酸tert−ブチル28.2gをアセトン600mlに溶解し、氷冷下2.67Mジョーンズ試薬52.6mlを滴下し、氷冷下1.5時間撹拌した。さらに、2.67Mジョーンズ試薬17.5mlを滴下し、氷冷下0.5時間撹拌した。反応混合物に2−プロパノール100mlを加え、溶媒を約半分量まで減圧留去した。得られた残渣に水500mlを加え、酢酸エチル300mlで2回抽出した。有機層を1M水酸化ナトリウム水溶液500mlで抽出した後、水層を2M塩酸で酸性にし、酢酸エチル400mlで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、4−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,4−ジフルオロフェニル}酪酸16.2gを得た。
【0022】
参考例7
五酸化二リン80gにリン酸40mlを滴下し、混合物を155℃で2時間撹拌した。反応混合物を120℃に冷却し、4−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,4−ジフルオロフェニル}酪酸10.0gを加え、120℃で3時間撹拌した。反応混合物に水400mlを加え、酢酸エチル200mlで3回抽出した。有機層を1M水酸化ナトリウム水溶液200mlと飽和食塩水200mlで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、得られた固体をヘキサン:酢酸エチル=8:1で洗浄し、6−アミノ−5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)オン4.01gを得た。
参考例8
6−アミノ−5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)オン4.01gをクロロホルム50mlに溶解し、氷冷下無水トリフルオロ酢酸5.7mlを加え、室温で13.5時間撹拌した。反応混合物にエタノール50mlを加え、溶媒を減圧留去した。得られた残渣に酢酸エチル500mlを加え、有機層を0.25M炭酸水素ナトリウム水溶液200mlと飽和食塩水100mlで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、N−(1,3−ジフルオロ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド5.85gを得た。
参考例9
N−(1,3−ジフルオロ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド5.85gをテトラヒドロフラン400mlに溶解し、アルゴン雰囲気下、−78℃でナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド−テトラヒドロフラン溶液(1.0M)70mlを加え、氷冷で30分間撹拌した。反応混合物を−78℃に冷却し、N−フルオロベンゼンスルホンイミド25gのテトラヒドロフラン160ml溶液を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を1M塩酸200mlで洗浄し、水層をジエチルエーテル200mlで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた固体をエタノールでろ別した。ろ液を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製した。得られた固体を酢酸エチル500mlに溶解し、1M塩酸水150mlで2回と水100mlで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。さらに得られた固体を酢酸エチル400mlに溶解し、2M塩酸水200mlで2回と水200mlで2回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた固体をヘキサン:酢酸エチル=9:1で洗浄し、さらにメタノールで不溶物をろ別した。ろ液を減圧留去し、2,2,2−トリフルオロ−N−(1,3,6,6−テトラフルオロ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアミド6.53gを得た。
【0023】
参考例9と同様に、参考例10の化合物を得た。
参考例11
2,2,2−トリフルオロ−N−(1,3,6,6−テトラフルオロ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアミド6.53gをメタノール50mlに溶解し、炭酸カリウム8.3gと水20mlを加え、反応混合物を室温で2.5時間、その後55℃で13.5時間撹拌した。生じた固体をろ別し、水で洗浄し、6−アミノ−2,2,5,7−テトラフルオロ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)オン3.53gを得た。
参考例12
60%水素化ナトリウム102mgをジメチルスルホキシド2mlに懸濁し、60℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、テトラヒドロフラン2mlとヨウ化メチルトリフェニルホスホニウム1.13gを加え、20分間撹拌した後、N−(6,6−ジフルオロ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド375mgのテトラヒドロフラン2ml溶液を加え、室温で23時間撹拌した。反応混合物に水10mlを加え、酢酸エチル30mlで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、N−(6,6−ジフルオロ−5−メチレン−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド234mgを得た。
参考例13
5−クロロ−N−(5−ヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド570mgの酢酸40ml溶液を80℃にて21時間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、5−クロロ−N−(7,8−ジヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド370mgを得た。
参考例14
7−ブロモ−2,3−ジヒドロキノリン−4(1H)−オン484mgをトルエン3ml、テトラヒドロフラン10mlの混合溶媒に溶解し、アルゴン雰囲気下、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム78mg、2,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル160mg、ナトリウム tert−ブトキシド288mg、ベンゾフェノンイミン0.29mlを加え、80℃で4時間撹拌した。不溶物をろ去後、溶媒を減圧留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム)で精製し7−[(ジフェニルメチレン)アミノ]−2,3−ジヒドロキノリン−4(1H)−オン523mgを得た。
参考例15
7−[(ジフェニルメチレン)アミノ]−2,3−ジヒドロキノリン−4(1H)−オン441mgをテトラヒドロフラン5mlに溶解し、1M塩酸水溶液0.5mlを加え室温で0.5時間撹拌した。析出した結晶を乾燥し7−アミノ−2,3−ジヒドロキノリン−4(1H)−オン127mgを得た。
【0024】
実施例1
6−アミノ−2,2,5,7−テトラフルオロ−3,4−ジヒドロナフタレン−1−オール1.24gのピリジン40ml溶液に5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸クロリド3.39gを加え、80℃にて7時間撹拌した。反応混合物を放冷し、1M水酸化ナトリウム水溶液100mlを加え、ジエチルエーテル300mlで抽出した。有機層を1M 水酸化ナトリウム水溶液、1M塩酸で順次洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=14:1)で精製後、クロロホルムで洗浄して、5−クロロ−N−(1,3,6,6,−テトラフルオロ−5−ヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド1.66gを得た。
実施例1と同様に、実施例2〜13の化合物を得た。
実施例14
5−クロロ−N−(1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド200mgをテトラヒドロフラン10mlとメタノール5mlに溶解し、氷冷下水素化ホウ素ナトリウム70mgを加えた。混合物を室温にて6時間撹拌後、水を加え酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して残渣をクロロホルム−メタノールから再結晶を行い、5−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド120mgを得た。
実施例14と同様に、実施例15〜18の化合物を得た。
【0025】
実施例19
5−クロロ−N−(7,8−ジヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド395mgのテトラヒドロフラン20mlの溶液に、1%四酸化オスミウム−tertブタノール溶液1.2ml、N−メチルモルホリン−N−オキシド220mgの5ml水溶液を加え、混合物を室温で2.5時間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣に水50mlを加え、析出した結晶をろ取し、乾燥した。得られた粗結晶を酢酸エチルとジエチルエーテルで洗浄して、シス−5−クロロ−N−(5,6−ジヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド333mgを得た。
実施例19と同様に、実施例20の化合物を得た。
実施例21
シス−5−クロロ−N−(5,6−ジヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド325mgの1,4−ジオキサン15ml溶液に1%硫酸5mlを加え、80℃にて1時間撹拌した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣に水70mlを加え、酢酸エチル150mlで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、トランス−5−クロロ−N−(5,6−ジヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド98mgを得た。
【0026】
実施例22
5−クロロ−N−(4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−チオクロマン−7−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド103mgのジクロロメタン5mlとテトラヒドロフラン5ml溶液に80%m−クロロ過安息香酸75mgを加え−65℃にて1時間撹拌した。反応溶液に水10ml、1M水酸化ナトリウム水溶液1mlを加え、ジクロロメタン40mlで抽出した。水層をジクロロメタン20mlでさらに抽出し、有機層を合わせて水、飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、5−クロロ−N−(4−ヒドロキシ−1−オキシ−3,4−ジヒドロ−2H−チオクロマン−7−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド103mgを得た。
実施例22と同様に、実施例23の化合物を得た。
実施例24
5−クロロ−N−(4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−チオクロマン−7−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド150mgのジクロロメタン12mlとテトラヒドロフラン6ml溶液に80%m−クロロ過安息香酸320mgを加え室温にて2.5時間撹拌した。反応溶液に水10ml、1M水酸化ナトリウム水溶液3mlを加え、ジクロロメタン50mlで抽出した。水層をジクロロメタン50mlでさらに抽出し、有機層を合わせて水、飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、5−クロロ−N−(4−ヒドロキシ−1,1−ジオキシ−3,4−ジヒドロ−2H−チオクロマン−7−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド50mgを得た。
【0027】
実施例24と同様に、実施例25の化合物を得た。
実施例26
N−(5−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−1,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−5−クロロ−1H−インドール−2−カルボキサミド524mgをテトラヒドロフラン15mlに溶解し、4M塩化水素−酢酸エチル溶液5mlを加え、室温で7日間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣に酢酸エチル60mlを加え、1M水酸化ナトリウム水溶液30mlで2回洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗結晶をクロロホルムで洗浄し、5−クロロ−N−(1,3−ジクロロ−5−ヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド317mgを得た。
【0028】
前記参考例化合物、及び実施例化合物の構造式と物理化学的性状を別表2〜7に示す。表中の記号は以下の意味を有する。また、表8及び9に示す化合物は、前記実施例や製造法に記載の方法とほぼ同様にして、あるいはそれらの方法より当業者に自明の若干の変法を適用することにより容易に製造することができる。
Rf.:参考例番号、Ex.:実施例番号、Structure:構造式、Data:物性データ、NMR:核磁気共鳴スペクトル(TMS内部標準)、MS:質量分析値
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬、特にグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤である、一般式(I)で示されるアミド誘導体又はその塩に関する。本発明化合物は、インスリン依存性糖尿病 (1型糖尿病)、インスリン非依存性糖尿病 (2型糖尿病)、インスリン抵抗性疾患、及び肥満の治療及び予防に有用である。
【0002】
【従来の技術】
世界の糖尿病患者人口は、1億3500万人(1995年)を超え、2025年には3億人にまで増加するとの予測がなされており(King HJ,Diabetes Care 21;1414-1431,1998)、本疾患治療の進歩に関する社会的要請は非常に大きい。現在、糖尿病治療の中心は血糖降下剤の適用であり、それらによる血糖コントロールの結果、糖尿病性神経障害、網膜症、腎症といった糖尿病合併症への移行率や、死亡率が低下することが明らかにされている。しかし、より高度な血糖管理が可能な薬剤の創製が切望されており、新たなメカニズムを有する、有用性の高い抗糖尿病治療薬の開発が望まれている。
近年の糖尿病態の解明によると、膵臓β細胞の機能異常や肝臓からの糖放出亢進が、糖尿病の発症やその進展に大きく関与しているとされている(Withers DJ, Endocrinology 141;1917-1921,2000)。肝臓からの糖放出は、グルカゴンとインスリンの相対的な調節等により厳密に制御されているが、糖尿病態においては、インスリン量の絶対的不足(1型糖尿病:インスリン依存性糖尿病)、相対的作用不足(2型糖尿病:インスリン非依存性糖尿病)により、肝糖放出が亢進し高血糖状態をもたらす。肝糖放出は、肝グリコーゲンの分解と糖新生の2経路の和として表される。糖尿病態においては、肝のグリコーゲン分解系が亢進していることが報告されている (Tayek JA,Am.J.Physiol. 270;E709-E717,1996,Diraison F,Diabetologia 41;212-220,1998)。また肝グリコーゲン分解を抑制することにより、糖尿病患者における肝糖放出の亢進が正常化することが報告されている (Hellerstein MK, J.Clin.Invest. 100; 1305-1319,1997,Pimenta W, Diabetologia 37;697-702,1994)。これらのことから、肝グリコーゲン分解の亢進が、糖尿病態に寄与していると考えられている。
肝グリコーゲンは、グリコーゲンホスホリラーゼ(EC 2.4.1.1)により、加リン酸分解されてグルコース-1-リン酸となり、次いでリン酸転移―脱リン酸反応により、グルコース(血糖)として血中に放出され、血糖を上昇させる。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、上記のグリコーゲンの分解反応を阻害し、肝臓からのグルコース放出(糖放出)を抑制する。その結果、ヒトおよび糖尿病動物において、血糖降下作用を示すことが報告されている(Treadway JL,Diabetes 50 Suppl.2;A133-A134,2001,Martin WH,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95;1776-1781,1998)。
【0003】
一方、特許文献1には、下記一般式で示される化合物がグリコーゲンホスホリラーゼ阻害物質として、糖尿病等の治療に用いられることが記載されている。
【化2】
(式中の記号は公報参照)
また、特許文献2には、下記一般式で示される化合物がグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤として、グリコーゲンホスホリラーゼ依存性疾患の治療に用いられることが記載されている。
【化3】
(式中の記号は公報参照)
また、特許文献3には、下記一般式で示される化合物がグリコーゲンホスホリラーゼ抑制剤として、糖尿病等の治療に用いられることが記載されている。
【化4】
(式中の記号は公報参照)
【0004】
【特許文献1】特開2001-131181号公報
【特許文献2】国際公開第96/39385号パンフレット
【特許文献3】国際公開第96/39384号パンフレット
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)、インスリン非依存性糖尿病 (2型糖尿病)、インスリン抵抗性疾患、及び肥満の優れた治療及び予防剤として期待されている。従って、更に優れた効果を有するグリコーゲンホスホリラーゼ阻害作用を有する化合物の創製が切望されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、インドール環又はチエノピロール環等が、アミド結合を介してテトラヒドロナフタレン又はインダン等の2環縮合環と結合し、その2環縮合環が必ずヒドロキシ基を有することを特徴とする、下記一般式(I)で示される化合物が、優れたグリコーゲンホスホリラーゼ阻害作用を有することを見いだし本発明を完成した。すなわち本発明は、下記一般式(I)で示される化合物又はその塩、及びそれらを有効成分とするグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、特に糖尿病の治療又は予防剤に関する。なお、本発明化合物と特許文献1〜3に記載された化合物とは、本発明化合物がヒドロキシ置換2環縮合環を有する点等で、特許文献1〜3に記載された化合物とは構造を異にする。
【化5】
(上記式中の記号は、それぞれ以下の意味を有する。
A環:ベンゼン、チオフェン、フラン、ピリジン、ピリミジン、又はピラジン、
X:CH2、O、S、SO、SO2、又はNR12、
Y、及びZ:同一又は異なって、CH、又はN、
n:0、1、2、又は3、
R1〜R12:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、-OH、低級アルキル、-低級アルキレン-OH、-低級アルキレン-アリール、-O-低級アルキル、アリール、-O-アリール、-C(=O)-低級アルキル、-C(=O)-アリール、-CH(OH)-アリール、-NH2、-NO2、-CN、-COOH、-C(=O)-NH2、-C(=O)-O-低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、-O-ハロゲン置換低級アルキル、-O-低級アルキレン-アリール、-低級アルキレン-COOH、-O-低級アルキレン-COOH、-O-低級アルキレン-C(=O)-O-低級アルキル、-O-低級アルキレン-C(=O)-NH2、-O-低級アルキレン-C(=O)-NH-低級アルキル、-O-低級アルキレン-C(=O)-N(低級アルキル)2、又は-NH-C(=O)-アリール)
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明化合物につき詳述する。
本明細書中の一般式の定義において「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素数が1〜6の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。従って「低級アルキル」としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等の直鎖又は分枝状のC1-6アルキルが挙げられる。これらの中では炭素数1〜3のものが好ましく、メチル、エチルが特に好ましい。
「低級アルキレン」としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等の他、メチルメチレン等の分枝を有した低級アルキレンでも良い。メチレン、エチレンが特に好ましい。
「アリール」としては、縮合環を含む芳香族炭化水素環を意味し、炭素数6〜14のアリールが挙げられる。ベンゼン、ナフタレン、アントラセンが好ましい。
従って、例えば「-低級アルキレン-アリール」は、具体的には、ベンジル、フェネチル等が挙げられるが、ベンジルが特に好ましい。
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、フッ素原子、塩素原子、及び臭素原子が好ましい。
「ハロゲン置換低級アルキル」は、特にフッ素原子で置換した低級アルキルが好ましい。更に好ましくは-CF3である。
【0008】
一般式(I)中、左側に位置する2環縮合環としては、インドール、チエノピロール、フロピロール、ピロロピリジン、ピロロピリミジン、ピロロピラジンが好ましい。特に好ましくは、インドール、チエノピロールである。
また、一般式(I)中、右側に位置する2環縮合環としては、テトラヒドロナフタレン、インダン、クロマン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキナゾリンが好ましい。特に好ましくは、テトラヒドロナフタレン、インダン、テトラヒドロキノリンである。
R1〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、-OH、低級アルキル、-低級アルキレン-OH、-低級アルキレン-アリール、-O-低級アルキル、アリール、-O-アリール、-C(=O)-低級アルキルが好ましい。特に好ましくは、水素原子、ハロゲン原子である。
【0009】
また、本発明化合物には、互変異性体、光学異性体等の各種の立体異性体の混合物や単離されたものが含まれる。
本発明化合物は、酸付加塩を形成する場合がある。また、置換基の種類によっては塩基との塩を形成する場合もある。かかる塩としては、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン等の有機塩基、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
更に本発明化合物には、水和物、製薬学的に許容可能な各種溶媒和物や結晶多形等も含まれる。なお、当然のことながら、本発明には、後記実施例に記載された化合物に限定されるものではなく、一般式(I)で示される誘導体及びその製薬学的に許容される塩の全てを包含するものである。
【0010】
また、本発明化合物には、生体内において代謝されて前記一般式(I)に変換される化合物、又はその塩に変換される化合物、いわゆるプロドラッグもすべて含むものである。本発明化合物のプロドラッグを形成する基としては、Prog.Med.5:2157-2161(1985)に記載されている基や、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163〜198頁に記載されている基が挙げられる。
本発明化合物及びそれらの製薬学的に許容される塩は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料ないし中間体の段階で適当な保護基、すなわち容易に当該官能基に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。しかるのち、必要に応じて保護基を除去し、所望の化合物を得ることができる。このような官能基としては例えば水酸基やカルボキシル基等を挙げることができ、それらの保護基としては例えばグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、[Protective Groups inOrganic Synthesis」第2版に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜用いればよい。
【0011】
(製造法)
以下に本発明化合物の代表的な製造法を説明する。
製造法 1
【化6】
(式中、R1〜R11、A環、X、Y、Z、及びnは前掲と同じものを、Bは水酸基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子のような脱離基又は脱離原子を意味する)本反応は化合物(II)及び化合物(III)をそのまま、あるいは溶媒中で反応後、所望により保護基の除去を行い、本発明化合物を得る反応である。溶媒の具体例としては、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、アセトンのようなケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライムのようなエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水、或いはこれらの混合溶媒が挙げられるが、種々の反応条件に応じて適宜選択される。
ここで、Bが水酸基である場合は上記溶媒中、縮合剤の存在下で反応させる方法が適用できる。縮合剤としてはN,N’-ジシクロカルボジイミド、1-エチル-3-(3’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1,1’-カルボニルジイミダゾール、ジフェニルホスホリルアジド等が挙げられる。
Bが低級アルコキシである場合はそのまま、又は前記溶媒中、加熱下乃至加熱還流下で反応させる方法が適用できる。
Bがハロゲン原子である場合は、前記溶媒中、塩基存在下反応させる方法が適用できる。塩基の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような炭酸アルカリ、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのような炭酸水素アルカリ、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンのような有機アミン等が挙げられる。
【0012】
製造法 2
【化7】
(式中、R1〜R11、X、Y,Z、A環、及びnは前掲と同じものを意味する)
本反応は化合物(IV)を溶媒中で還元反応後、所望により保護基の除去を行い、本発明化合物を得る反応である。
溶媒の具体例としては、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライムのようなエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水、或いはこれらの混合溶媒が挙げられるが、種々の反応条件に応じて適宜選択される。
ここで、還元剤としては水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛等が挙げられる。
【0013】
中間体の合成法 1
【化8】
(式中、R1〜R4、R10、及びBは前掲と同じものを意味する)
原料化合物(II)は、市販されているか、或いは公知の方法、例えばSynthesis,222(1980)、J.Chem.Soc.,7185(1965)、Heterocycles,34(12),2349(1992)、J.Chem.Soc.,Perkin Trans 1,2189(1984)、Can.J.Chem.,56,1429(1978)に記載の方法により合成することができる。
【0014】
中間体の合成法 2
【化9】
(式中、R5〜R9、R11、X、Y、Z、及びnは前掲と同じものを意味する)
本反応は化合物(V)を還元反応に付し、所望により保護基の除去を行い、化合物(III)を得る反応である。反応条件は化合物(IV)から本発明化合物を得る反応(製造法1)と同様である。
【0015】
中間体の合成法 3
【化10】
(式中、R1〜R11、A環、X、Y、Z、B、及びnは前掲と同じものを意味する)
本反応は(II)及び(V)から中間体(IV)を合成する方法である。反応条件は前記製造法1と同様である。
更に本発明化合物中に含まれるいくつかの化合物は、以上のようにして得られた化合物(I)から公知のアルキル化、アシル化、酸化、還元、加水分解等、当業者が通常採用し得る工程を任意に組み合わせることにより製造することもできる。
この様にして製造された本発明化合物は、公知の方法、例えば、抽出、沈澱、分画クロマトグラフィー、分別結晶化、再結晶等により単離、精製することができる。
また、本発明化合物が不斉炭素を有する場合には光学異性体が存在する。これらの光学異性体は適切な塩として再結晶する分別結晶化やカラムクロマトグラフィー等の常法により分割することができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明化合物は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害作用を有し、適応する疾病としては、インスリン依存性糖尿病 (1型糖尿病)、特にインスリン非依存性糖尿病 (2型糖尿病)、インスリン抵抗性疾患、及び肥満等が挙げられる。本発明化合物の化合物の優れたグリコーゲンホスホリラーゼ阻害作用は、以下に示す各試験方法により確認された。
【0017】
グリコーゲンホスホリラーゼ(GP)阻害作用測定試験
GP活性測定の手順は、以下の通りである。なお反応は、96ウェルプレートを用いて行った。45mM リン酸カリウム、0.24% グリコーゲン、1.6mM 塩化マグネシウム、120μM エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、22.5μM β-NADP,4×10-4% α-グルコース 1,6-二リン酸、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ 385Unit/L、ホスホグルコムターゼ 77Unit/Lからなる水溶液を混合し、pHを6.8とした(Reaction Cocktail)。測定結果は、同一条件である3ウェルの値を平均して算出した。反応に供した各化合物は、ジメチルスルホキシドに溶解し、1ウェルあたり10μLずつ添加した。各ウェルに上述Reaction Cocktailを216.5μLずつ加えた後、ヒト肝臓型GPタンパク溶液(GPタンパクを、40mM βグリセロリン酸、80mMシステイン(pH6.8)にて溶解したもの)を23.5μLずつ加え、室温にて反応を行った。GP酵素反応は、340nmの吸光度の増加分により検出した(SPECTRAmax,Molecular Device,Sunnyvale,CA)。被検化合物によるGP阻害活性は、化合物添加の無いウェル(コントロール)における反応に対する割合(%)にて評価し、コントロール反応を50%阻害する被検化合物濃度(IC50値)を求めた。本発明の代表的化合物のIC50値は下記表1の通りである。
【0018】
【表1】
本発明化合物や、それらの製薬学的に許容される塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、通常用いられている製剤用の担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、液剤、注射剤、坐剤、軟膏、貼付剤等に調製され、経口的又は非経口的に投与される。
本発明化合物のヒトに対する臨床投与量は適用される患者の症状、体重、年齢や性別等を考慮して適宜決定されるが、通常成人1日当たり経口で0.1〜500mg、非経口で0.01〜100mgであり、これを1回あるいは数回に分けて投与する。投与量は種々の条件で変動するので、上記投与量範囲より少ない量で十分な場合もある。
本発明化合物の経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤や繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤、ラクトースのような安定化剤、グルタミン酸又はアスパラギン酸のような可溶化剤又は溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の糖衣又は胃溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
【0019】
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化剤、溶解補助剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えば注射剤用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(商品名)等がある。
このような組成物は、更に等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えば、ラクトース)、可溶化剤又は溶解補助剤のような添加剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらは又無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明化合物の実施例を挙げ、本発明化合物の製造方法を具体的に説明するが、本発明化合物は実施例に限定されるものではない。なお、本発明化合物の原料化合物には新規な化合物も含まれており、これらの製造方法を参考例として記載する。
参考例1
6−アミノ−2,2,5,7−テトラフルオロ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)オン3.53gのメタノール70ml溶液に氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム1.15gを加え、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣に水を加え、晶出した粗結晶を水で洗浄し乾燥させて6−アミノ−2,2,5,7−テトラフルオロ−3,4−ジヒドロナフタレン−1−オール3.25gを得た。
参考例2
5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸1.30gと5−アミノインダン−1−オン1.0gをジメチルホルムアミド10mlに溶解し、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1.43gと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1.01gを加えて室温にて40時間攪拌した。反応液に水を加え、析出物をろ取、乾燥した。乾燥した析出物にクロロホルム−メタノール(5:1)90mlを加え、2時間加熱還流した。放冷後、固体をろ取し、クロロホルムで洗浄、乾燥して、5−クロロ−N−(1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸1.09gを得た。
参考例3
3−ブロモ−2,6−ジフルオロ安息香酸1.99gをtert−ブチルアルコール20mlとトルエン20mlに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン1.8ml、アジ化ジフェニルホスホリル2.26mlを加え、加熱還流下5日間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣に水100mlを加え、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を1M水酸化ナトリウム水溶液50mlと飽和食塩水50mlで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、(3−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)カルバミン酸tert−ブチル1.70gを得た。
【0021】
参考例4
(3−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)カルバミン酸tert−ブチル1.66gをジイソプロピルアミン30mlに溶解し、アルゴン雰囲気下、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム311mg、ヨウ化銅103mg、3−ブチン−1−オール0.82mlを加え、加熱還流下1時間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣に酢酸エチル100mlを加え、不溶物をろ別した。ろ液を減圧留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、{2,6−ジフルオロ−3−(4−ヒドロキシ−1−ブチン−1−イル)フェニル}カルバミン酸tert−ブチル1.41gを得た。
参考例5
{2,6−ジフルオロ−3−(4−ヒドロキシ−1−ブチン−1−イル)フェニル}カルバミン酸tert−ブチル32.4gをエタノール220mlに溶解し、10%パラジウム−カーボン粉末3.0gを加え、水素雰囲気下、室温で15時間撹拌した。触媒をセライトにてろ別後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣をエタノール220mlに溶解し、10%パラジウム−カーボン粉末3.0gを加え、水素雰囲気下、室温で23時間撹拌した。触媒をセライトにてろ別後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣をエタノール220mlに溶解し、10%パラジウム−カーボン粉末3.0gを加え、水素雰囲気下、室温で22.5時間撹拌した。触媒をセライトにてろ別後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣をエタノール220mlに溶解し、10%パラジウム−カーボン粉末3.0gを加え、水素雰囲気下、室温で4.5時間撹拌した。触媒をセライトにてろ別後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、{2,6−ジフルオロ−3−(4−ヒドロキシブチル)フェニル}カルバミン酸tert−ブチル28.2gを得た。
参考例6
{2,6−ジフルオロ−3−(4−ヒドロキシブチル)フェニル}カルバミン酸tert−ブチル28.2gをアセトン600mlに溶解し、氷冷下2.67Mジョーンズ試薬52.6mlを滴下し、氷冷下1.5時間撹拌した。さらに、2.67Mジョーンズ試薬17.5mlを滴下し、氷冷下0.5時間撹拌した。反応混合物に2−プロパノール100mlを加え、溶媒を約半分量まで減圧留去した。得られた残渣に水500mlを加え、酢酸エチル300mlで2回抽出した。有機層を1M水酸化ナトリウム水溶液500mlで抽出した後、水層を2M塩酸で酸性にし、酢酸エチル400mlで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、4−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,4−ジフルオロフェニル}酪酸16.2gを得た。
【0022】
参考例7
五酸化二リン80gにリン酸40mlを滴下し、混合物を155℃で2時間撹拌した。反応混合物を120℃に冷却し、4−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,4−ジフルオロフェニル}酪酸10.0gを加え、120℃で3時間撹拌した。反応混合物に水400mlを加え、酢酸エチル200mlで3回抽出した。有機層を1M水酸化ナトリウム水溶液200mlと飽和食塩水200mlで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、得られた固体をヘキサン:酢酸エチル=8:1で洗浄し、6−アミノ−5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)オン4.01gを得た。
参考例8
6−アミノ−5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)オン4.01gをクロロホルム50mlに溶解し、氷冷下無水トリフルオロ酢酸5.7mlを加え、室温で13.5時間撹拌した。反応混合物にエタノール50mlを加え、溶媒を減圧留去した。得られた残渣に酢酸エチル500mlを加え、有機層を0.25M炭酸水素ナトリウム水溶液200mlと飽和食塩水100mlで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、N−(1,3−ジフルオロ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド5.85gを得た。
参考例9
N−(1,3−ジフルオロ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド5.85gをテトラヒドロフラン400mlに溶解し、アルゴン雰囲気下、−78℃でナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド−テトラヒドロフラン溶液(1.0M)70mlを加え、氷冷で30分間撹拌した。反応混合物を−78℃に冷却し、N−フルオロベンゼンスルホンイミド25gのテトラヒドロフラン160ml溶液を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を1M塩酸200mlで洗浄し、水層をジエチルエーテル200mlで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた固体をエタノールでろ別した。ろ液を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製した。得られた固体を酢酸エチル500mlに溶解し、1M塩酸水150mlで2回と水100mlで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。さらに得られた固体を酢酸エチル400mlに溶解し、2M塩酸水200mlで2回と水200mlで2回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた固体をヘキサン:酢酸エチル=9:1で洗浄し、さらにメタノールで不溶物をろ別した。ろ液を減圧留去し、2,2,2−トリフルオロ−N−(1,3,6,6−テトラフルオロ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアミド6.53gを得た。
【0023】
参考例9と同様に、参考例10の化合物を得た。
参考例11
2,2,2−トリフルオロ−N−(1,3,6,6−テトラフルオロ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアミド6.53gをメタノール50mlに溶解し、炭酸カリウム8.3gと水20mlを加え、反応混合物を室温で2.5時間、その後55℃で13.5時間撹拌した。生じた固体をろ別し、水で洗浄し、6−アミノ−2,2,5,7−テトラフルオロ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)オン3.53gを得た。
参考例12
60%水素化ナトリウム102mgをジメチルスルホキシド2mlに懸濁し、60℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、テトラヒドロフラン2mlとヨウ化メチルトリフェニルホスホニウム1.13gを加え、20分間撹拌した後、N−(6,6−ジフルオロ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド375mgのテトラヒドロフラン2ml溶液を加え、室温で23時間撹拌した。反応混合物に水10mlを加え、酢酸エチル30mlで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、N−(6,6−ジフルオロ−5−メチレン−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド234mgを得た。
参考例13
5−クロロ−N−(5−ヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド570mgの酢酸40ml溶液を80℃にて21時間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、5−クロロ−N−(7,8−ジヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド370mgを得た。
参考例14
7−ブロモ−2,3−ジヒドロキノリン−4(1H)−オン484mgをトルエン3ml、テトラヒドロフラン10mlの混合溶媒に溶解し、アルゴン雰囲気下、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム78mg、2,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル160mg、ナトリウム tert−ブトキシド288mg、ベンゾフェノンイミン0.29mlを加え、80℃で4時間撹拌した。不溶物をろ去後、溶媒を減圧留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム)で精製し7−[(ジフェニルメチレン)アミノ]−2,3−ジヒドロキノリン−4(1H)−オン523mgを得た。
参考例15
7−[(ジフェニルメチレン)アミノ]−2,3−ジヒドロキノリン−4(1H)−オン441mgをテトラヒドロフラン5mlに溶解し、1M塩酸水溶液0.5mlを加え室温で0.5時間撹拌した。析出した結晶を乾燥し7−アミノ−2,3−ジヒドロキノリン−4(1H)−オン127mgを得た。
【0024】
実施例1
6−アミノ−2,2,5,7−テトラフルオロ−3,4−ジヒドロナフタレン−1−オール1.24gのピリジン40ml溶液に5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸クロリド3.39gを加え、80℃にて7時間撹拌した。反応混合物を放冷し、1M水酸化ナトリウム水溶液100mlを加え、ジエチルエーテル300mlで抽出した。有機層を1M 水酸化ナトリウム水溶液、1M塩酸で順次洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=14:1)で精製後、クロロホルムで洗浄して、5−クロロ−N−(1,3,6,6,−テトラフルオロ−5−ヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド1.66gを得た。
実施例1と同様に、実施例2〜13の化合物を得た。
実施例14
5−クロロ−N−(1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド200mgをテトラヒドロフラン10mlとメタノール5mlに溶解し、氷冷下水素化ホウ素ナトリウム70mgを加えた。混合物を室温にて6時間撹拌後、水を加え酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して残渣をクロロホルム−メタノールから再結晶を行い、5−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド120mgを得た。
実施例14と同様に、実施例15〜18の化合物を得た。
【0025】
実施例19
5−クロロ−N−(7,8−ジヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド395mgのテトラヒドロフラン20mlの溶液に、1%四酸化オスミウム−tertブタノール溶液1.2ml、N−メチルモルホリン−N−オキシド220mgの5ml水溶液を加え、混合物を室温で2.5時間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣に水50mlを加え、析出した結晶をろ取し、乾燥した。得られた粗結晶を酢酸エチルとジエチルエーテルで洗浄して、シス−5−クロロ−N−(5,6−ジヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド333mgを得た。
実施例19と同様に、実施例20の化合物を得た。
実施例21
シス−5−クロロ−N−(5,6−ジヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド325mgの1,4−ジオキサン15ml溶液に1%硫酸5mlを加え、80℃にて1時間撹拌した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣に水70mlを加え、酢酸エチル150mlで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、トランス−5−クロロ−N−(5,6−ジヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド98mgを得た。
【0026】
実施例22
5−クロロ−N−(4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−チオクロマン−7−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド103mgのジクロロメタン5mlとテトラヒドロフラン5ml溶液に80%m−クロロ過安息香酸75mgを加え−65℃にて1時間撹拌した。反応溶液に水10ml、1M水酸化ナトリウム水溶液1mlを加え、ジクロロメタン40mlで抽出した。水層をジクロロメタン20mlでさらに抽出し、有機層を合わせて水、飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、5−クロロ−N−(4−ヒドロキシ−1−オキシ−3,4−ジヒドロ−2H−チオクロマン−7−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド103mgを得た。
実施例22と同様に、実施例23の化合物を得た。
実施例24
5−クロロ−N−(4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−チオクロマン−7−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド150mgのジクロロメタン12mlとテトラヒドロフラン6ml溶液に80%m−クロロ過安息香酸320mgを加え室温にて2.5時間撹拌した。反応溶液に水10ml、1M水酸化ナトリウム水溶液3mlを加え、ジクロロメタン50mlで抽出した。水層をジクロロメタン50mlでさらに抽出し、有機層を合わせて水、飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、5−クロロ−N−(4−ヒドロキシ−1,1−ジオキシ−3,4−ジヒドロ−2H−チオクロマン−7−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド50mgを得た。
【0027】
実施例24と同様に、実施例25の化合物を得た。
実施例26
N−(5−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−1,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−5−クロロ−1H−インドール−2−カルボキサミド524mgをテトラヒドロフラン15mlに溶解し、4M塩化水素−酢酸エチル溶液5mlを加え、室温で7日間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣に酢酸エチル60mlを加え、1M水酸化ナトリウム水溶液30mlで2回洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗結晶をクロロホルムで洗浄し、5−クロロ−N−(1,3−ジクロロ−5−ヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド317mgを得た。
【0028】
前記参考例化合物、及び実施例化合物の構造式と物理化学的性状を別表2〜7に示す。表中の記号は以下の意味を有する。また、表8及び9に示す化合物は、前記実施例や製造法に記載の方法とほぼ同様にして、あるいはそれらの方法より当業者に自明の若干の変法を適用することにより容易に製造することができる。
Rf.:参考例番号、Ex.:実施例番号、Structure:構造式、Data:物性データ、NMR:核磁気共鳴スペクトル(TMS内部標準)、MS:質量分析値
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
Claims (1)
- 下記一般式(I)で示されるアミド誘導体又はその塩。
A環:ベンゼン、チオフェン、フラン、ピリジン、ピリミジン、又はピラジン、
X:CH2、O、S、SO、SO2、又はNR12、
Y、及びZ:同一又は異なって、CH、又はN、
n:0、1、2、又は3、
R1〜R12:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、-OH、低級アルキル、-低級アルキレン-OH、-低級アルキレン-アリール、-O-低級アルキル、アリール、-O-アリール、-C(=O)-低級アルキル、-C(=O)-アリール、-CH(OH)-アリール、-NH2、-NO2、-CN、-COOH、-C(=O)-NH2、-C(=O)-O-低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、-O-ハロゲン置換低級アルキル、-O-低級アルキレン-アリール、-低級アルキレン-COOH、-O-低級アルキレン-COOH、-O-低級アルキレン-C(=O)-O-低級アルキル、-O-低級アルキレン-C(=O)-NH2、-O-低級アルキレン-C(=O)-NH-低級アルキル、-O-低級アルキレン-C(=O)-N(低級アルキル)2、又は-NH-C(=O)-アリール)
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