JP2004196573A - 化合物半導体単結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】化合物半導体原料融液を収容したルツボ全体を気密容器で覆い、前記化合物半導体原料融液からのガスの揮発を抑止する封止剤を浮遊させて化合物半導体単結晶を成長させる化合物半導体単結晶の製造方法において、単結晶が定径に到達したときの前記封止剤の厚さが8mm〜15mmの範囲にあるようにした化合物半導体単結晶の製造方法。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化合物半導体単結晶の製造方法、特に、液体封止チョクラルスキー法(LEC法)によって半絶縁性GaAs単結晶を製造するのに好適な化合物半導体単結晶の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
LEC法によるGaAs半導体単結晶の製造方法としては、図1に示すように、高圧容器1内にGa、Asおよび種結晶6を配置したPBNルツボ2にGaAs融液からのAs揮発抑止のための封止剤として三酸化硼素7を入れ、真空、ガス置換を行い、続いて、高圧容器1内をヒータ3により加熱してGaAs融液8を形成し、PBNルツボ2を移動させてGaAs融液8最上面の位置をヒータ3の発熱部分の中心位置と一致させる。その後、種結晶6を下降させてGaAs融液8に接触させ、ヒータ3の出力を調整して高圧容器1内の温度を徐々に下げ、定径まで単結晶9を成長させる。単結晶9を成長させる際、図2に詳細を示すように、定径(一般的には、直径115mm)まで(肩部成長時)は、単結晶9の形状は引上方向に対して100°である(例えば、特許文献1)。なお、図1において、4はシード軸、5はルツボ軸である。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−102588号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
LEC法による半絶縁性GaAs単結晶の製造において、多結晶化の原因の一つに結晶成長初期段階(肩部成長時)においての固液界面の融液8側への凹面化による転位の集合が起点となることが挙げられる。前記した従来技術では、As揮発を防止するという観点から、封止剤である三酸化硼素7の厚さtを25mm以上にしており、成長初期段階で結晶頭部付近からの放熱量が不足し、結晶頭部以外からの放熱量が多くなり、固液界面が凹面化し、転位が集中して多結晶化するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に基づいてなされたものであり、多結晶化を防止することにより化合物半導体単結晶を効率良く得ることができる製造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明は、化合物半導体原料融液を収容したルツボ全体を気密容器で覆い、前記化合物半導体原料融液からのガスの揮発を抑止する封止剤を浮遊させて化合物半導体単結晶を成長させる化合物半導体単結晶の製造方法において、単結晶が定径に到達したときの前記封止剤の厚さが8mm〜15mmの範囲にあるようにした化合物半導体単結晶の製造方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、特に、LEC法によって半絶縁性GaAs単結晶を製造する場合において、Asの揮発を抑止する封止剤として三酸化硼素を用いた場合に好適である。封止剤の厚さが8mmに達しないときは、融液からガス(例えばAs)が揮発するため融液自体の組成が変化し、結晶の電気特性に異常を来たすようになり、また、組成不良の融液を使用するため結晶成長中に結晶表面からガス(例えばAs)が揮発し、多結晶化しやすくなる。15mmを越えると、結晶成長初期段階で結晶頭部からの放熱が不足し、固液界面形状が凹面形状となり、転位が集中して多結晶化しやすくなる。
【0008】
(実施例1)
通常のLEC法の高圧炉を用い、Ga10,000g、As10,500gおよび封止剤である三酸化硼素を、結晶径が定径(約115mm)に到達したとき(引上方向に対して100°で増径の場合)12mmの厚さとなる重量をPBNルツボ内に収納する。融点温度以上に加熱し、GaAs融液を形成した後、単結晶の引上育成を行い、直径約115mmで重量約17,000gのGaAs単結晶を作製した。同じ条件で20本のGaAs単結晶を作製したが、結晶頭部からの放熱不足による多結晶化は発生しなかった。(製品歩留:100%)
【0009】
(実施例2)
三酸化硼素の厚さを8mmにした以外は実施例1と同様にしてGaAs単結晶を作製した。20本のGaAs単結晶を作製したところ、結晶頭部からの放熱不足による多結晶化は発生しなかった。(製品歩留:100%)
【0010】
(実施例3)
三酸化硼素の厚さを15mmにした以外は実施例1と同様にしてGaAs単結晶を作製した。20本のGaAs単結晶を作製したところ、結晶頭部からの放熱不足による多結晶化は発生しなかった。(製品歩留:100%)
【0011】
(比較例1)
三酸化硼素の厚さを3mmにした以外は実施例1と同様にしてGaAs単結晶を作製した。20本のGaAs単結晶を作製したところ、12本が電気特性不良で使用不可、3本が多結晶化した。(製品歩留:25%)
【0012】
(比較例2)
三酸化硼素の厚さを5mmにした以外は実施例1と同様にしてGaAs単結晶を作製した。20本のGaAs単結晶を作製したところ、10本が電気特性不良で使用不可、4本が多結晶化した。(製品歩留:30%)
【0013】
(比較例3)
三酸化硼素の厚さを7mmにした以外は実施例1と同様にしてGaAs単結晶を作製した。20本のGaAs単結晶を作製したところ、2本が電気特性不良で使用不可、2本が多結晶化した。(製品歩留:80%)
【0014】
(比較例4)
三酸化硼素の厚さを16mmにした以外は実施例1と同様にしてGaAs単結晶を作製した。20本のGaAs単結晶を作製したところ、3本が多結晶化した。(製品歩留:88%)
【0015】
(比較例5)
三酸化硼素の厚さを20mmにした以外は実施例1と同様にしてGaAs単結晶を作製した。20本のGaAs単結晶を作製したところ、7本が多結晶化した。(製品歩留:65%)
【0016】
(比較例6)
三酸化硼素の厚さを25mmにした以外は実施例1と同様にしてGaAs単結晶を作製した。20本のGaAs単結晶を作製したところ、11本が多結晶化した。(製品歩留:45%)
【0017】
【発明の効果】
以上説明してきた通り、本発明は、化合物半導体原料融液を収容したルツボ全体を気密容器で覆い、前記化合物半導体原料融液からのガスの揮発を抑止する揮発封止剤を浮遊させて化合物半導体単結晶を成長させる化合物半導体単結晶の製造方法において、単結晶が定径に到達したときの前記封止剤の厚さが8mm〜15mmの範囲にあるようにした化合物半導体単結晶の製造方法を提供するものであり、これによって、多結晶化を防止して優れた電気特性を有する単結晶を効率良く得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】LEC法による化合物半導体単結晶の製造方法の説明図。
【図2】単結晶引上の要部説明図。
【符号の説明】
1:高圧容器
2:PBNルツボ
3:ヒータ
4:シード軸
5:ルツボ軸
6:種結晶
7:封止剤(三酸化硼素)
8:融液
9:単結晶
Claims (3)
- 化合物半導体原料融液を収容したルツボ全体を気密容器で覆い、前記化合物半導体原料融液からのガスの揮発を抑止する封止剤を浮遊させて化合物半導体単結晶を成長させる化合物半導体単結晶の製造方法において、単結晶が定径に到達したときの前記封止剤の厚さが8mm〜15mmの範囲にあるようにしたことを特徴とする化合物半導体単結晶の製造方法。
- 前記化合物半導体原料融液は、GaAs融液である請求項1記載の化合物半導体単結晶の製造方法。
- 前記封止剤は、三酸化硼素である請求項1記載の化合物半導体単結晶の製造方法。
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JP2002365789A JP2004196573A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 化合物半導体単結晶の製造方法 |
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JP2002365789A Pending JP2004196573A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 化合物半導体単結晶の製造方法 |
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2002
- 2002-12-17 JP JP2002365789A patent/JP2004196573A/ja active Pending
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