JP2004195741A - Laminated polyester film - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードコート層を有する積層ポリエステルフィルムに関し、詳しくは、ハードコート層の反対面にオリゴマーの析出を防止する塗布層を設けることにより、フィルム表面へのオリゴマー析出が少なく、高い透明性を有し、光学的欠陥が少なく、耐擦傷性、表面硬度等に優れる積層ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
二軸延伸ポリエステルフィルムの表面に活性エネルギー線による硬化層(ハードコート層)を形成した積層フィルムは、透明性、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、ガスバリヤー性、耐薬品性などに優れ、包装材料、電気絶縁材料、金属蒸着材料、製版材料、磁気記録材料、表示材料、転写材料、窓貼り材料などを始めとして多くの用途で使用されている。
特に、近年、電気、電子情報機器の進歩はめざましく、当該用途におけるポリエステルフィルムの使用方法も多岐に渡っている。例えば、電卓、パソコン、マイコン、PPC、電子レンジ、ミシン、電子玩具など幅広い分野で使用されるメンブレンスイッチや、CRT、フラットディスプレイ等の表示部全面に設けられる透明タッチパネルがその代表例として挙げられる。
【0003】
また、ポリエステルフィルムの用途が多様化するにつれて、フィルムの加工、使用条件も多様化し、例えばポリエステルフィルムを100℃以上の高温で放置すると、フィルム表面に内部から浸出してきたオリゴマーが析出してしまうため、こうした条件でフィルムを加工、あるいは使用することによる種々の問題が生じている。
従来、オリゴマーの析出を防止する方法としては、固相重合により原料中に含まれるオリゴマーの低減を図ったり、また、末端封鎖剤を用いてポリエステルフィルムの耐加水分解性を向上させることなどが行われてきたが、より厳しい条件下においてはオリゴマーの析出防止を満足するところまでは至らなかったり、製造コストが高くなりすぎたりする等の問題がある。
また、前述のようにポリエステルフィルムの表面改質を目的として、各種の塗布フィルムが提案されているが、塗布する組成によっては、オリゴマーの析出を促進してしまう問題が生じている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−289168号公報
【特許文献2】特開2001−62960号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、活性エネルギー線硬化樹脂層の反対面に、優れたオリゴマーの析出防止効果を有する塗布層を設け、高い透明性を有し、光学的欠陥の少ない、生産性に優れた積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記実情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、活性エネルギー線硬化樹脂層の反対面に特定の塗布層を積層することにより、上記問題点を解決することを知見し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は、二軸延伸ポリエステルフィルムの片面に厚さ3〜15μmの活性エネルギー線硬化樹脂層を有し、当該活性エネルギー線硬化樹脂層の反対面に、アミノ基を有するシランカップリング剤を含有する塗布層を有するフィルムであって、180℃で10分間処理した後のフィルム表面のオリゴマー量が3.0mg/m2以下あることを特徴とする積層ポリエステルフィルムに存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、ジカルボン酸成分とグリコール成分との重縮合により得られるポリエステルである。これらのジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸等が、グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0009】
本発明において用いられるポリエステルとしては、代表的には、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられるが、その他に上記の酸成分やグリコール成分を共重合したポリエステルであってもよく、必要に応じて他の成分や添加剤を含有していてもよい。
【0010】
本発明のポリエステルフィルムの極限粘度は、通常0.40〜0.90、好ましくは0.45〜0.80、さらに好ましくは0.50〜0.70の範囲である。極限粘度が0.40未満では、フィルムの機械的強度が弱くなる傾向があり、極限粘度が0.90を超える場合は、溶融粘度が高くなり、押出機に負荷がかかったり、製造コストがかかったりする等の問題が生じる場合がある。
従来、フィルムのオリゴマーを低減する方法しては、固相重合により予めポリマー中のオリゴマー量を低減させておき、最終フィルムのオリゴマーを少なくする処方が用いられているが、固相重合の場合は、極限粘度が高くなったり、工程が増えるためにコストが上昇してしまったりする問題がある。また、フィルム製造工程の押出機で溶融温度が高かったり、滞留時間が長くなる場合には、オリゴマーを低減させた効果が見られなくなったりする。
【0011】
本発明におけるポリエステルフィルムには、取扱いを容易にするために、易滑性を付与する目的で粒子を含有させてもよい。このような目的で使用される粒子としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子、さらに、ポリエステル製造工程時の析出粒子等を用いることができる。
【0012】
用いる粒子の粒径や含有量はフィルムの用途や目的に応じて選択されるが、平均粒径に関しては、通常は0.005〜5.0μm、好ましくは0.01〜3.0μmの範囲である。平均粒径が5.0μmを超えると、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎたり、粒子がフィルム表面から脱落しやすくなったりすることがある。平均粒径が0.005μm未満では、表面粗度が小さすぎて、十分な易滑性が得られない場合がある。粒子含有量については、ポリエステルに対し、通常0.001〜30.0重量%であり、好ましくは0.01〜10.0重量%である。粒子量が多くなるとフィルムの機械的特性や透明性が損なわれる傾向があり、少なければ易滑性が劣る傾向がある。
【0013】
また、必要に応じて上記の粒子のほかにも添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、帯電防止剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、染料、顔料、光線遮断剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
本発明におけるポリエステルフィルムは、本発明の要件を満たしていれば多層構造であってもよく、多層構造の場合は、ポリエステルでない層が含まれても構わない。また、塗布層はフィルムの片面のみに設けていても、両面に設けていても、本発明の概念に当然含まれるものであり、少なくとも片面の塗布層が本発明の要件を満足していればよい。
【0014】
本発明は、オリゴマー(環状三量体)の含有量が通常0.5フィルム上、好ましくは0.6重量%以上、さらに好ましくは0.7重量%以上のフィルムを用いる。フィルム中のオフィルム(環状三量体)が0.5重量%未満では、熱処理によるフィルム表面へのオリゴマーの析出が少なく、本発明で用いる水溶性有機シランの化合物よりなるオリゴマーの析出を封止する層を設けるメリットが少なくなる。
フィルム中のオリゴマーを0.5重量%未満とするためには、原料ポリマー中に含まれるオリゴマーの低減が必要であり、その手段として固相重合を行う必要があり、製造コストの上昇やポリマーの極限粘度が増加することにより、フィルム製造の際に押出機への負担が大きくなり、生産性が悪くなる。
【0015】
本発明のポリエステルフィルムにおいては、フィルムを180℃で10分間熱処理した後におけるフィルム表面のポリエステルオリゴマー量が3.0mg/m2以下、好ましくは1.60mg/m2以下、さらに好ましくは1.00mg/m2以下とする。表面オリゴマー量が3.0mg/m2を超える場合は、ポリエステルフィルムの用途が限定されたり、高温下においてオリゴマーが多量に発生して異物となったりして、好ましくない。
【0016】
熱処理後のフィルム表面のポリエステルオリゴマー量が上記範囲を超えると、タッチパネル等の製造工程において、熱が加えられた場合にフィルム表面に析出したオリゴマーにより、フィルムの透明性が悪化したり、光学欠陥となったりする問題が生じてしまう。その他にも、上塗り層を設けて使用する場合には上塗り層との密着性が低下したり、あるいは加工装置を汚し生産性を低下させたりといった問題が発生する。
上記の目的を果たすため、本発明では、活性エネルギー線硬化樹脂層の反対面にオリゴマーの析出防止層として、アミノ基を有するシランカップリング剤を含有する塗布層を設ける。アミノ基を有するシランカップリング剤を含有する塗布層がない場合は、熱処理によりオリゴマーがフィルム表面に多量に析出するために、析出したオリゴマーが粗大ブツとなったり、ヘーズ値が上昇したりするなど好ましくない。
【0017】
シランカップリング剤は、1分子中に少なくとも2種類の反応性の異なる官能基を有しており、一般に、YRSiX3で表される化合物である。ここでYはビニル基、エポキシ基、アミノ基、などの有機官能基、Rはメチレン、エチレン、プロピレン等の如きアルキレン基、Xはメトキシ、エトキシ等のような加水分解基およびアルキル基であるが、本発明で供するシランカップリング剤は、Yがアミノ基であることが必須である。Yがビニル基やエポキシ基では、オリゴマーの封止効果がなく好ましくない。具体的化合物としては、例えばN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。
【0018】
本発明で用いる好ましいシランカップリング剤は、シランカップリング剤が、一般式 Y−(CH2)3−Si−(X)3(式中、Xは、−OCH3または−OCH2CH3を示し、Yは、−NH2または−NHCH2CH2NH2を示す)で表される化合物であり、さらに好ましいシランカップリング剤は、シランカップリング剤が、一般式 Z−(CH2)3−Si−(X)3(式中、Xは、−OCH3または−OCH2CH3を示し、Zは、−NHCH2CH2NH2を示す)で表される化合物である。
【0019】
アミノ基を有するシランカップリング剤の塗布液への配合量は、10重量%以上が好ましい。アミノ基を有するシランカップリング剤の塗布液への配合量が10重量%未満では、オリゴマーの析出防止効果が不十分となる傾向がある。
本発明におけるオリゴマー析出防止層には、必要に応じて上記のシランカップリング剤以外の水溶性または水分散性のバインダー樹脂を併用してもよい。かかるバインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂等が挙げられる。これらは、それぞれの骨格構造が共重合等により実質的に複合構造を有していてもよい。複合構造を持つバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂グラフトポリエステル、アクリル樹脂グラフトポリウレタン、ビニル樹脂グラフトポリエステル、ビニル樹脂グラフトポリウレタン等が挙げられる。本発明の目的の一つであるフィルム表面へのオリゴマーの析出防止には、上記バインダーの中でポリビニルアルコールを用いると好ましい。
【0020】
バインダー成分の配合量は、塗布層に対する重量部で50重量部以下、さらには30重量部以下の範囲が好ましい。
さらに本発明のフィルムの塗布層中には、必要に応じて架橋反応性化合物を含んでいてもよい。架橋反応性化合物としては、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系などの化合物、ポリアミン類、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネート系カップリング剤、金属キレート、有機酸無水物、有機過酸化物、熱または光反応性のビニル化合物や感光性樹脂などの多官能低分子化合物および高分子化合物から選択される。
【0021】
架橋反応性化合物は、主に塗布層に含まれる樹脂が有する官能基と架橋反応することで、塗布層の凝集性、表面硬度、耐擦傷性、耐溶剤性、耐水性を改良することができる。例えば、前記官能基が水酸基の場合、架橋反応性化合物としては、メラミン系化合物、ブロックイソシアネート化合物、有機酸無水物などが好ましく、前記官能基が有機酸およびその無水物の場合、架橋反応性化合物としてはエポキシ系化合物、メラミン系化合物、オキサゾリン系化合物、金属キレートなどが好ましく、前記官能基がアミン類の場合、架橋反応性化合物としてはエポキシ系化合物などが好ましく、塗布層に含まれる樹脂が有する官能基と架橋反応効率が高いものを選択して用いることが好ましい。架橋反応性化合物は反応性官能基が1分子中に2個以上含まれる限りにおいて、低分子量化合物であっても、反応性官能基を有する高分子重合体のいずれであってもよい。架橋反応性化合物の配合量は、塗布層に対する重量部で50重量部以下、さらには30重量部以下、特に15重量部以下の範囲が好ましい。
【0022】
さらに本発明の塗布層中には、必要に応じて塗布層の滑り性改良のために不活性粒子を含んでいてもよい。不活性粒子としては、無機不活性粒子、有機不活性粒子があり、無機不活性粒子としては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル、炭酸カルシウム、酸化チタン等が挙げられる。有機不活性粒子としては、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂による単独あるいは共重合体を含む微粒子、またはこれらと架橋成分を複合した架橋粒子に代表される有機粒子が挙げられる。これらの不活性粒子は軟化温度または分解温度が約200℃以上、さらには250℃以上、特に300℃以上であることが好ましい。
【0023】
不活性粒子の平均粒径(d)は、塗布層の平均膜厚を(L)とした際、1/3≦d/L≦3、さらには1/2≦d/L≦2の関係を満足するように選択するのが好ましい。
本発明の塗布層は、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、低分子帯電防止剤、有機系潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料等の添加剤を少量含有していてもよい。これらの添加剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
【0024】
本発明のフィルムの塗布層は、ポリエステルフィルムの片面だけに形成してもよいし、両面に形成してもよい。片面のみに形成する場合、その反対面には必要に応じて別種の塗布層を形成させ、さらに他の特性を付与することもできる。なお、塗布液のフイルムへの塗布性および接着性を改良するため、塗布前のフィルムに化学処理や放電処理等を施してもよい。
塗布層の厚さは、0.01〜2μm、さらには0.03〜0.5μm、特に0.06〜0.2μmの範囲が好ましい。塗布層の厚さが0.01μm未満の場合は、十分なオリゴマー析出防止の効果が得られないことがあり、2μmを超える場合は、耐ブロッキング性が不十分となる傾向がある。
【0025】
本発明のフィルムを例えばタッチパネル等の光学用として用いた場合は、ヘーズ値が3.0%以下、さらには2.0%以下とすることが好ましい。フィルムヘーズが3.0%を超える場合は、光学用として好ましくない場合がある。また、180℃で10分間の熱処理によるフィルムヘーズの変化が2.0%、さらには1.5%以下が好ましい。180℃で10分間の熱処理によるフィルムヘーズの変化が2.0%を超える場合、オリゴマー封止層の効果が小さい傾向があり、製造工程での加熱処理などによって、フィルム表面にオリゴマーが析出し、析出したオリゴマーが粗大ブツとなったりすることがある。
【0026】
二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、予め乾燥したポリエステルチップと必要な添加剤を混合して押出機にホッパー投入し、押出機にて200〜300℃の温度で溶融混練し、ダイからシート状に押し出して、約70℃以下のキャスティングドラム(回転冷却ドラム)上で急冷して未延伸シートを得、得られたシートを縦および横方向に4倍以上、好ましくは9倍以上の面積倍率で延伸し、さらに120〜200℃の温度で熱固定を行う方法を採用することができる。
【0027】
二軸延伸ポリエステルフィルムの表面に塗布層を形成する方法は、特に制限されないが、ポリエステルフィルムを製造する工程中で塗布液を塗布する方法が好適に採用される。具体的には、未延伸シート表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、二軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。これらの中では、未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布後、フィルムに熱処理を行う過程で同時に塗布層を乾燥硬化する方法が経済的である。
また、塗布層を形成する方法として、必要に応じ、前述の塗布方法の幾つかを併用した方法も採用し得る。具体的には、未延伸シート表面に第一層を塗布して乾燥し、その後、一軸方向に延伸後、第二層を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。
【0028】
ポリエステルフィルムの表面に塗布液を塗布する方法としては、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるリバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター等を使用することができる。
本発明において用いる塗布液は、通常、安全性や衛生性の観点から水を主たる媒体として調整されていることが好ましい。水を主たる媒体とする限りにおいて、水への分散を改良する目的あるいは造膜性能を改良する目的で少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は、主たる媒体である水と混合して使用する場合、水に溶解する範囲で使用することが好ましいが、長時間の放置で分離しないような安定した乳濁液(エマルジョン)であれば、水に溶解しない状態で使用してもよい。有機溶剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
【0029】
本発明の積層ポリエステルフィルムは、二軸延伸ポリエステルフィルムに活性エネルギー線硬化樹脂層よりなるハードコート層を設けることを特徴とする。
本発明において、活性エネルギー線硬化樹脂層の硬化成分としては、不飽和ポリエステル樹脂系、アクリル系、付加重合系、チオール・アクリルのハイブリッド系、カチオン重合系、カチオン重合とラジカル重合のハイブリッド系などを使用することができる。これらの中では、硬化性、耐擦傷性、表面硬度、可撓性および耐久性などの観点でアクリル系の硬化成分が好ましい。
上記のアクリル系硬化成分は、活性エネルギー線重合成分としてのアクリルオリゴマーと反応性希釈剤とを含有する。そして、必要に応じ、光重合開始剤、光増感剤、改質剤を含有する。
【0030】
アクリルオリゴマーとしては、代表的には、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリロイル基またはメタアクリロイル基が結合されたオリゴマーが挙げられる。その他のアクリルオリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらに、メラミン、イソシアヌール酸、環状ホスファゼン等の剛直な骨格にアクリロイル基またはメタアクリロイル基が結合したオリゴマーが挙げられる。
【0031】
反応性希釈剤は、塗布剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を担うとともに、それ自体が多官能性または一官能性のアクリルオルゴマーと反応する基を有するため、塗膜の共重合成分となる。反応性希釈剤の具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0032】
光重合開始剤としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシー2ーフェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、p−クロロベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、アセトフェノン、2−クロロチオキサントン、アントラキノン、フェニルジスルフイド、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン等が挙げられる。
【0033】
光増感剤としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール等の3級アミン系、トリフェニルホスフィン等のアルキルホスフィン系、β−チオジグリコール等のチオエーテル系などが挙げられる。
改質剤としては、塗布性改良剤、消泡剤、増粘剤、無機系粒子、有機系粒子、潤滑剤、有機高分子、染料、顔料、安定剤などが挙げられる。これらは、活性エネルギー線による反応を阻害しない範囲で使用され、活性エネルギー線硬化樹脂層の特性を用途に応じて改良することができる。活性エネルギー線硬化樹脂層の組成物には、塗工時の作業性向上、塗工厚さのコントロールのため、有機溶剤を配合することができる。
【0034】
活性エネルギー線硬化樹脂層の形成は、硬化用樹脂組成物を前記の塗布層の表面に塗布した後に活性エネルギー線を照射して架橋硬化させることにより行う。活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、電子線、X線、α線、β線、γ線を使用することができる。活性エネルギー線の照射は、通常、塗布層側から行うが、フィルムとの密着性を高めるため、フィルム面側から行ってもよく、さらには、活性エネルギー線を反射し得る反射板をフィルム面側に設けてもよい。
【0035】
活性エネルギー線硬化樹脂層の厚さは、3〜15μm、好ましくは5〜10μmの範囲である。硬化樹脂層の厚さが3μm未満の場合は、表面硬度が不十分となることがあり、15μmを超える場合は、硬化樹脂層の硬化収縮が大きくなり、フィルムが硬化樹脂層側にカールすることがある。
活性エネルギー線硬化樹脂を片面に用いた場合は、活性エネルギー線硬化樹脂の硬化収縮により、フィルムのカールが生じてしまうが、本発明においては、カール値が15mm以下、さらには10mm以下が好ましい。カール値が15mmを超える場合は、製造工程において歩留まりが悪化したり、製品として好ましくなかったりすることがある。
【0036】
本発明において硬化樹脂層側の表面硬度は、通常2H以上、好ましくは3H以上である。2H未満では耐擦傷性が不十分の場合がある。
本発明において、活性エネルギー線硬化樹脂層のベースフィルムへの接着性を改良するために、フィルムに化学処理や放電処理を施してもよく、好ましくは、フィルムと活性エネルギー線硬化樹脂層との間に易接着層を設ける。また、必要に応じて帯電防止層等の中間層を設けてもよい。かかる易接着層や他の中間層を設ける方法としては、共押出法や塗布法を採用すればよい。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明における各種の物性および特性の測定方法、定義は下記のとおりである。また、実施例および比較例中、「部」および「%」とあるのは、各「重量部」および「重量%」を意味する。
【0038】
(1)ポリエステルの極限粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
【0039】
(2)平均粒径(d50)
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の大きさを測定した。
【0040】
(3)ポリエチレンテレフタレート中のオリゴマー(環状三量体)含有量
所定量のポリエチレンテレフタレートをo−クロロフェノールに溶解した後、テトラヒドロフランで再析出して濾過し、線状ポリエチレンテレフタレートを除いた後、次いで得られた濾液を液体クロマトグラフィー(島津LC−7A)に供給してポリエチレンテレフタレート中に含まれるオリゴマー(環状三量体)量を求め、この値を測定に用いたポリエチレンテレフタレート量で割って、ポリエチレンテレフタレート中に含まれるオリゴマー量(環状三量体)とする。
液体クロマトグラフィーで求めるオリゴマー(環状三量体)量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
標準試料の作成は、予め分取したオリゴマー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解して作成した。標準試料の濃度は、0.001mg/ml〜0.50mg/mlの範囲が好ましい。
液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製 MCI GEL ODS 1HU
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
【0041】
(4)熱処理後のフィルム表面オリゴマー量
窒素雰囲気下、180℃のオーブンにポリエステルフィルムを10分間放置し熱処理を行った。熱処理後のポリエステルフィルムより、5cm角のサンプルを切り取り(切り取った5cm角のサンプル面積は、両面合わせて50cm2となる)、適当な容器(シャーレー等)にDMFを4ml入れ、その容器に5cm角のサンプルを入れる。この時サンプルの両面がDMFに浸かるようにし、熱処理でフィルム表面に析出したオリゴマーを溶解するために3分間処理した。次いで、3分間放置後DMFを回収し、液体クロマトグラフィー(島津LC−7A)に供給してDMF中のオリゴマー量を求め、この値をDMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面オリゴマー量(mg/m2)とした。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
標準試料の作成は、予め分取したオリゴマー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解して作成した。標準試料の濃度は、0.001mg/ml〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。
液体クロマトグラフの条件は前項(3)に記載の条件と同じにした。
【0042】
(5)鉛筆硬度
JIS K5400(1990)に従い、各種硬度の鉛筆を45°の角度で硬化樹脂層表面に当て、荷重1kgの下で引掻きを与え、そして、傷が発生したときの鉛筆の硬度を表面硬度とした。
【0043】
(6)カール値
100mm×100mmの大きさのサンプルを、凹面を上にして平らな面の上に置き、四隅の跳ね上がり高さを測定し平均値をカール値とした。
【0044】
(7)フィルムヘーズ
JISーK6714に準じ、日本電色工業社製分球式濁度計NDH−20Dによりフィルムの濁度を測定した。
【0045】
(8)熱処理によるヘーズ値の変化
熱処理を行う前のフィルムと、熱処理後のフィルムそれぞれのフィルムヘーズを測定し、熱処理によるヘーズ値の変化を下記式より求めた。
熱処理後のフィルムヘーズ値−熱処理前のフィルムヘーズ値=ヘーズ値の変化
【0046】
(9)生産性
原料の重合工程フィルムィルムの製膜工程などにおいての製造コストより下記のとおり判断した。
○:製造工程、製造条件などの問題がなく、生産性が高い。
△:製造工程、製造条件などにある程度の制限があり、生産性が若干低い。
×:製造工程、製膜条件に制限があり生産性が劣る。
【0047】
(10)光学用途への適正
熱処理後のヘーズや塗膜強度などの特性より、タッチパネルなどの光学用用途への適正を、次に示す3ランクの基準で判定した。
○:ヘーズ値が低く、塗膜強度も十分で光学用途に適しており、生産性も高い
△:ヘーズ値、塗膜強度、あるいは生産性に若干問題あるが実用上問題はない
×:ヘーズ値、塗膜強度、生産性等に問題があり、光学用途に適していない
【0048】
実施例および比較例において、オリゴマー析出防止層形成のために用いたバインダー樹脂等は下記のとおりである。
【0049】
[化合物例]
シランカップリング剤(A):N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
シランカップリング剤(B):N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
シランカップリング剤(C):γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
シランカップリング剤(D):N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
シランカップリング剤(E):γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
塗布液調整において、シランカップリング剤(E)は、純水での溶解が難しく濃度調整は2%酢酸水を希釈液として行った。他のシランカップリング剤に関しては、純水を希釈液として濃度調製を行った。
PVA系樹脂:けん化度=88モル%、重合度=500のポリビニルアルコール
ポリウレタン水分散体A:大日本化学工業(株)製ハイドランAP−40
ポリエステル水分散体B:大日本化学工業(株)製ファインテックスES−670
【0050】
[塗布液−1の調整]
シランカップリング剤(A)を90重量%、PVA系樹脂を10重量%含有する塗布液を調整した。塗布液の固形分濃度は2重量%とした。
【0051】
[塗布液―2の調製]
ポリウレタン水分散体Aを80重量%、ポリエステル水分散体Bを20重量%含有する塗布液を調製した。塗布液に固形分濃度は2重量%とした。
【0052】
[ポリエステル(I)の製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、平均粒子径1.6μmのエチレングリコールに分散させたシリカ粒子を0.05部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(I)の極限粘度は0.65、オリゴマー(環状三量体)の含有量は1.01重量%であった。
[ポリエステル(II)の製造方法]
ポリエステル(I)を固相重合しポリエステル(II)を得た。得られたポリエステル(II)の極限粘度は0.86、オリゴマー(環状三量体)の含有量は0.32重量%であった。
[ポリエステル(III)の製造方法]
ポリエステル(I)をポリエステル(II)の製造時の重合時間より長時間かけて固相重合し、ポリエステル(III)を得た。得られたポリエステル(III)の極限粘度は0.79、オリゴマー(環状三量体)の含有量は0.50重量%であった。
【0053】
実施例1
[フィルムの製造]
ポリエステルの製造方法にて得られたポリエステル(I)を180℃で4時間、不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、83℃で縦方向に3.5倍延伸した後、この縦延伸フィルムそれぞれの表面に塗布液―1と塗布液―2を塗布し、110℃で横方向に3.2倍延伸し、さらに、220℃で熱処理を行い、両面に厚さ0.05μmの塗布層を有する厚さ125μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
得られたフィルムの極限粘度は0.60、オリゴマー(環状三量体)の含有量は1.12重量%であった。
次いで、得られたフィルムの塗布液―2の塗布面に活性エネルギー線硬化樹脂を硬化後の厚さが8μmになるように塗布し、120W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離100mmにて約10秒間照射した。
活性エネルギー線硬化樹脂としては、日本化薬製KAYARAD DPHAを77部、日本化薬製KAYARAD R−128Hを18部、チバ・ガイギー製IRGACURE651を5部よりなる組成物を使用した。
【0054】
実施例2〜4および比較例1〜2
実施例1において、塗布液―1の組成を下記表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
【0055】
【表1】
【0056】
比較例3
実施例1において、活性エネルギー線硬化樹脂層の硬化後の厚さを2.0μmとした以外は実施例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを得た。
【0057】
比較例4
実施例1において、活性エネルギー線硬化樹脂層の硬化後の厚さを20μmとした以外は実施例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを得た。
各実施例、比較例で得られたフィルムの評価結果をまとめて下記表2および3に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、高温下でもフィルム表面に析出してくるオリゴマーが少なく、密着性に優れたハードコート層が形成された透明性の良い有用なフィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a laminated polyester film having a hard coat layer, in particular, by providing a coating layer for preventing the precipitation of oligomers on the opposite surface of the hard coat layer, the oligomer precipitation on the film surface is small, and high transparency is achieved. The present invention relates to a laminated polyester film having low optical defects, excellent scratch resistance, excellent surface hardness and the like.
[0002]
[Prior art]
A laminated film in which a hardened layer (hard coat layer) formed by active energy rays is formed on the surface of a biaxially stretched polyester film, has transparency, dimensional stability, mechanical properties, heat resistance, electrical properties, gas barrier properties, and chemical resistance. It is used in many applications including packaging materials, electrical insulating materials, metal vapor deposition materials, plate making materials, magnetic recording materials, display materials, transfer materials, windowing materials, etc.
In particular, in recent years, the progress of electric and electronic information devices has been remarkable, and the methods of using polyester films in such applications have been diverse. For example, a membrane switch used in a wide range of fields, such as a calculator, a personal computer, a microcomputer, a PPC, a microwave oven, a sewing machine, and an electronic toy, and a transparent touch panel provided on the entire display unit such as a CRT and a flat display are mentioned as typical examples.
[0003]
In addition, as the uses of polyester films have diversified, the processing and use conditions of the films have also diversified. For example, if a polyester film is left at a high temperature of 100 ° C. or more, oligomers that have leached from the inside will precipitate on the film surface. There are various problems caused by processing or using a film under these conditions.
Conventionally, methods for preventing the precipitation of oligomers include reducing the amount of oligomers contained in the raw material by solid-phase polymerization and improving the hydrolysis resistance of the polyester film using a terminal blocking agent. However, under severer conditions, there are problems that the prevention of oligomer precipitation cannot be satisfied or the production cost becomes too high.
As described above, various coating films have been proposed for the purpose of modifying the surface of the polyester film. However, depending on the composition to be applied, there is a problem that the precipitation of oligomers is accelerated.
[0004]
[Patent Document 1] JP-A-2000-289168 [Patent Document 2] JP-A-2001-62960
[Problems to be solved by the invention]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the above circumstances, and a problem to be solved is to provide a coating layer having an excellent oligomer deposition preventing effect on the opposite surface of an active energy ray-curable resin layer, thereby providing high transparency. Another object of the present invention is to provide a laminated polyester film having less optical defects and excellent productivity.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present inventor has conducted intensive studies in view of the above circumstances, and as a result, has found that the above problem can be solved by laminating a specific coating layer on the opposite surface of the active energy ray-curable resin layer. It was completed.
[0007]
That is, the gist of the present invention is that a biaxially stretched polyester film has an active energy ray-curable resin layer having a thickness of 3 to 15 μm on one surface and an amino group-containing silane cup on the opposite surface of the active energy ray-curable resin layer. A laminated polyester film having a coating layer containing a ring agent, wherein the amount of oligomer on the film surface after treatment at 180 ° C. for 10 minutes is 3.0 mg / m 2 or less.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
The polyester constituting the polyester film of the present invention is a polyester obtained by polycondensation of a dicarboxylic acid component and a glycol component. As these dicarboxylic acid components, terephthalic acid, isophthalic acid, phthalic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, adipic acid, sebacic acid, 4,4′-diphenyldicarboxylic acid, 1,4-cyclohexyldicarboxylic acid, etc. Examples of the glycol component include ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, propylene glycol, butanediol, trimethylene glycol, tetramethylene glycol, neopentyl glycol, 1,4-cyclohexanedimethanol, and the like.
[0009]
Typical examples of the polyester used in the present invention include polyethylene terephthalate, polyethylene-2,6-naphthalate, poly-1,4-cyclohexane dimethylene terephthalate, and the like. May be used, and may contain other components and additives as necessary.
[0010]
The intrinsic viscosity of the polyester film of the present invention is generally in the range of 0.40 to 0.90, preferably 0.45 to 0.80, and more preferably 0.50 to 0.70. When the intrinsic viscosity is less than 0.40, the mechanical strength of the film tends to be weak, and when the intrinsic viscosity is more than 0.90, the melt viscosity becomes high, and a load is applied to the extruder or the production cost is increased. Or other problems may occur.
Conventionally, as a method for reducing oligomers in a film, a method is used in which the amount of oligomers in the polymer is reduced in advance by solid-phase polymerization to reduce the amount of oligomers in the final film. However, there is a problem that the intrinsic viscosity is increased and the cost is increased due to an increase in the number of steps. When the melting temperature is high or the residence time is long in the extruder in the film production process, the effect of reducing the oligomer may not be obtained.
[0011]
The polyester film of the present invention may contain particles for the purpose of imparting lubricity to facilitate handling. Examples of particles used for such purposes include silica, calcium carbonate, magnesium carbonate, calcium phosphate, kaolin, talc, aluminum oxide, titanium oxide, alumina, barium sulfate, calcium fluoride, lithium fluoride, zeolite, and sulfide. Inorganic particles such as molybdenum, crosslinked polymer particles, organic particles such as calcium oxalate, and precipitated particles during the polyester production step can be used.
[0012]
The particle size and content of the particles to be used are selected according to the use and purpose of the film, but the average particle size is usually in the range of 0.005 to 5.0 μm, preferably 0.01 to 3.0 μm. is there. If the average particle size exceeds 5.0 μm, the surface roughness of the film may become too coarse, or the particles may easily fall off the film surface. If the average particle size is less than 0.005 μm, the surface roughness may be too small, and sufficient lubricity may not be obtained. The particle content is usually from 0.001 to 30.0% by weight, preferably from 0.01 to 10.0% by weight, based on the polyester. When the particle amount is large, the mechanical properties and transparency of the film tend to be impaired, and when it is small, the slipperiness tends to be poor.
[0013]
If necessary, additives may be added in addition to the above particles. Examples of such additives include an antistatic agent, a stabilizer, a lubricant, a crosslinking agent, an antiblocking agent, an antioxidant, a dye, a pigment, a light-blocking agent, and an ultraviolet absorber.
The polyester film in the present invention may have a multilayer structure as long as it satisfies the requirements of the present invention. In the case of a multilayer structure, a layer other than polyester may be included. Further, even if the coating layer is provided on only one side of the film, even if provided on both sides, it is naturally included in the concept of the present invention, provided that at least one side of the coating layer satisfies the requirements of the present invention. Good.
[0014]
In the present invention, a film having a content of oligomer (cyclic trimer) of usually 0.5 or more, preferably 0.6% by weight or more, more preferably 0.7% by weight or more is used. When the amount of the film (cyclic trimer) in the film is less than 0.5% by weight, the precipitation of the oligomer on the film surface due to the heat treatment is small, and the precipitation of the oligomer composed of the water-soluble organic silane compound used in the present invention is sealed. The merit of providing a layer to be reduced is reduced.
In order to reduce the amount of oligomers in the film to less than 0.5% by weight, it is necessary to reduce the amount of oligomers contained in the raw material polymer. The increase in the intrinsic viscosity increases the load on the extruder during the production of the film, and lowers the productivity.
[0015]
In the polyester film of the present invention, a polyester oligomer of the film surface in after heat treatment for 10 minutes at 180 ° C. The film is 3.0 mg / m 2 or less, preferably 1.60 mg / m 2 or less, more preferably 1.00mg / M 2 or less. When the amount of the surface oligomer exceeds 3.0 mg / m 2 , the use of the polyester film is limited, or the oligomer is generated in a large amount at a high temperature and becomes a foreign substance, which is not preferable.
[0016]
When the amount of the polyester oligomer on the film surface after the heat treatment exceeds the above range, in the process of manufacturing a touch panel or the like, the oligomer precipitated on the film surface when heat is applied, thereby deteriorating the transparency of the film or causing optical defects. Or a problem that occurs. In addition, when an overcoat layer is provided and used, there arises a problem that adhesion to the overcoat layer is reduced, or a processing apparatus is soiled and productivity is reduced.
In order to achieve the above object, in the present invention, a coating layer containing a silane coupling agent having an amino group is provided on the opposite surface of the active energy ray-curable resin layer as an oligomer precipitation preventing layer. When there is no coating layer containing a silane coupling agent having an amino group, a large amount of oligomer is deposited on the film surface by heat treatment, so that the deposited oligomer becomes coarse or haze value increases. Not preferred.
[0017]
The silane coupling agent has at least two types of functional groups having different reactivities in one molecule, and is generally a compound represented by YRSix 3 . Here, Y is an organic functional group such as a vinyl group, an epoxy group, or an amino group, R is an alkylene group such as methylene, ethylene, propylene, and X is a hydrolyzing group such as methoxy and ethoxy and an alkyl group. In the silane coupling agent used in the present invention, it is essential that Y is an amino group. When Y is a vinyl group or an epoxy group, it is not preferable because it has no oligomer sealing effect. Specific compounds include, for example, N-β (aminoethyl) γ-aminopropyltrimethoxysilane, N-β (aminoethyl) γ-aminopropyltriethoxysilane, N-β (aminoethyl) γ-aminopropylmethyldimethoxy Silane and the like can be mentioned.
[0018]
Preferred silane coupling agent used in the present invention, a silane coupling agent, the general formula Y- (CH 2) 3 -Si- ( X) 3 ( wherein, X is a -OCH 3 or -OCH 2 CH 3 And Y represents —NH 2 or —NHCH 2 CH 2 NH 2 ). A more preferred silane coupling agent is a compound represented by the general formula Z- (CH 2 ) 3 A compound represented by —Si— (X) 3 (wherein, X represents —OCH 3 or —OCH 2 CH 3 , and Z represents —NHCH 2 CH 2 NH 2 ).
[0019]
The amount of the silane coupling agent having an amino group in the coating solution is preferably 10% by weight or more. If the amount of the silane coupling agent having an amino group in the coating solution is less than 10% by weight, the effect of preventing oligomer precipitation tends to be insufficient.
If necessary, a water-soluble or water-dispersible binder resin other than the above-mentioned silane coupling agent may be used in the oligomer precipitation preventing layer in the present invention. Examples of such a binder resin include polyvinyl alcohol, polyester, polyurethane, acrylic resin, vinyl resin, epoxy resin, amide resin and the like. Each of these may have a substantially composite structure in which the respective skeletal structures are copolymerized. Examples of the binder resin having a composite structure include acrylic resin-grafted polyester, acrylic resin-grafted polyurethane, vinyl resin-grafted polyester, and vinyl resin-grafted polyurethane. For the purpose of preventing the oligomer from being deposited on the film surface, which is one of the objects of the present invention, it is preferable to use polyvinyl alcohol among the above binders.
[0020]
The amount of the binder component is preferably not more than 50 parts by weight, more preferably not more than 30 parts by weight based on the coating layer.
Further, the coating layer of the film of the present invention may contain a crosslinking reactive compound as required. Examples of the crosslinking reactive compound include methylolated or alkylolated urea-based, melamine-based, guanamine-based, acrylamide-based, polyamide-based compounds, polyamines, epoxy compounds, oxazoline compounds, aziridine compounds, block isocyanate compounds, and silane cups. Ring agents, titanium coupling agents, zircon-aluminate coupling agents, metal chelates, organic acid anhydrides, organic peroxides, polyfunctional low molecular compounds such as heat or photoreactive vinyl compounds and photosensitive resins and It is selected from polymer compounds.
[0021]
The cross-linking reactive compound can improve the cohesiveness, surface hardness, scratch resistance, solvent resistance, and water resistance of the coating layer by mainly performing a cross-linking reaction with the functional group of the resin contained in the coating layer. . For example, when the functional group is a hydroxyl group, the crosslinking reactive compound is preferably a melamine-based compound, a blocked isocyanate compound, an organic acid anhydride, and the like. When the functional group is an organic acid and its anhydride, the crosslinking reactive compound Are preferably epoxy compounds, melamine compounds, oxazoline compounds, metal chelates, and the like. When the functional group is an amine, the crosslinking reactive compound is preferably an epoxy compound, and the resin contained in the coating layer has It is preferable to select and use those having high functional group and crosslinking reaction efficiency. The crosslinking reactive compound may be a low molecular weight compound or a high molecular polymer having a reactive functional group, as long as two or more reactive functional groups are contained in one molecule. The compounding amount of the crosslinking reactive compound is preferably not more than 50 parts by weight, more preferably not more than 30 parts by weight, particularly preferably not more than 15 parts by weight with respect to the coating layer.
[0022]
Further, the coating layer of the present invention may contain inert particles for improving the slipperiness of the coating layer, if necessary. The inert particles include inorganic inert particles and organic inert particles. Examples of the inorganic inert particles include silica sol, alumina sol, calcium carbonate, and titanium oxide. Examples of the organic inert particles include fine particles containing a homopolymer or a copolymer of a polystyrene resin, a polyacrylic resin, and a polyvinyl resin, and organic particles represented by crosslinked particles obtained by combining these with a crosslinkable component. These inert particles preferably have a softening temperature or a decomposition temperature of about 200 ° C. or higher, more preferably 250 ° C. or higher, and particularly preferably 300 ° C. or higher.
[0023]
The average particle size (d) of the inert particles is expressed by the following relationship: 1/3 ≦ d / L ≦ 3, and furthermore, 1/2 ≦ d / L ≦ 2, when the average film thickness of the coating layer is (L). It is preferable to select it to satisfy.
The coating layer of the present invention, if necessary, a surfactant, an antifoaming agent, a coating improver, a thickener, a low-molecular antistatic agent, an organic lubricant, an antioxidant, an ultraviolet absorber, a foaming agent, A small amount of additives such as dyes and pigments may be contained. These additives may be used alone or in combination of two or more as needed.
[0024]
The coating layer of the film of the present invention may be formed on only one side of the polyester film, or may be formed on both sides. In the case of forming on one side only, another type of coating layer may be formed on the opposite side, if necessary, to further impart other characteristics. The film before application may be subjected to a chemical treatment, an electric discharge treatment or the like in order to improve the applicability and adhesion of the application liquid to the film.
The thickness of the coating layer is preferably in the range of 0.01 to 2 μm, more preferably 0.03 to 0.5 μm, and particularly preferably 0.06 to 0.2 μm. When the thickness of the coating layer is less than 0.01 μm, a sufficient effect of preventing oligomer precipitation may not be obtained, and when it exceeds 2 μm, the blocking resistance tends to be insufficient.
[0025]
When the film of the present invention is used for optical purposes such as a touch panel, the haze value is preferably 3.0% or less, more preferably 2.0% or less. When the film haze exceeds 3.0%, it may not be preferable for optical use. Further, the change in the film haze due to the heat treatment at 180 ° C. for 10 minutes is preferably 2.0%, more preferably 1.5% or less. When the change in the haze of the film by heat treatment at 180 ° C. for 10 minutes exceeds 2.0%, the effect of the oligomer sealing layer tends to be small, and the oligomer is precipitated on the film surface by heat treatment in the manufacturing process, The precipitated oligomer may become coarse particles.
[0026]
As a method for producing the biaxially stretched polyester film, a known method can be employed. For example, a pre-dried polyester chip and necessary additives are mixed, put into a hopper into an extruder, melt-kneaded at a temperature of 200 to 300 ° C. by an extruder, extruded from a die into a sheet, and heated to about 70 ° C. or less. Quenched on a casting drum (rotary cooling drum) to obtain an unstretched sheet, and stretch the obtained sheet in the machine direction by 4 times or more, preferably 9 times or more in the longitudinal and transverse directions. A method of performing heat fixation at the temperature described above can be adopted.
[0027]
The method of forming the coating layer on the surface of the biaxially stretched polyester film is not particularly limited, but a method of applying a coating liquid during the process of manufacturing the polyester film is preferably employed. Specifically, a method of applying and drying a coating solution on an unstretched sheet surface, a method of applying and drying a coating solution on a monoaxially stretched film surface, and a method of applying and drying a coating solution on a biaxially stretched film surface And the like. Among these, it is economical to apply a coating solution to the surface of an unstretched film or a uniaxially stretched film and then simultaneously dry-harden the coating layer in the process of performing a heat treatment on the film.
In addition, as a method for forming the coating layer, a method using some of the above-described coating methods in combination may be employed as necessary. Specifically, there is a method in which the first layer is applied to the surface of the unstretched sheet and dried, then stretched in a uniaxial direction, and then the second layer is applied and dried.
[0028]
As a method of applying the coating liquid on the surface of the polyester film, use of a reverse roll coater, a gravure coater, a rod coater, an air doctor coater, etc. described in "Coating method", written by Yuji Harasaki, Maki Shoten, 1979. Can be.
It is preferable that the coating liquid used in the present invention is usually adjusted with water as a main medium from the viewpoint of safety and hygiene. As long as water is the main medium, a small amount of organic solvent may be contained for the purpose of improving dispersion in water or improving film forming performance. When the organic solvent is used by mixing with water as a main medium, it is preferable to use the organic solvent within a range that dissolves in water. However, if it is a stable emulsion that does not separate when left for a long time, It may be used without dissolving in water. The organic solvent may be used alone, but may be used in combination of two or more if necessary, or may be used in combination of two or more as needed.
[0029]
The laminated polyester film of the present invention is characterized in that a biaxially stretched polyester film is provided with a hard coat layer composed of an active energy ray-curable resin layer.
In the present invention, as the curing component of the active energy ray-curable resin layer, unsaturated polyester resin, acrylic, addition polymerization, hybrid thiol / acryl, cationic polymerization, hybrid polymerization of cationic polymerization and radical polymerization, etc. Can be used. Among these, an acrylic curing component is preferred from the viewpoints of curability, scratch resistance, surface hardness, flexibility and durability.
The acrylic curing component contains an acrylic oligomer as an active energy ray polymerization component and a reactive diluent. And, if necessary, a photopolymerization initiator, a photosensitizer, and a modifier are contained.
[0030]
A typical example of the acrylic oligomer is an oligomer in which a reactive acryloyl group or methacryloyl group is bonded to an acrylic resin skeleton. Other acrylic oligomers include polyester (meth) acrylate, epoxy (meth) acrylate, urethane (meth) acrylate, polyether (meth) acrylate, silicone (meth) acrylate, polybutadiene (meth) acrylate, and the like. Further, an oligomer in which an acryloyl group or a methacryloyl group is bonded to a rigid skeleton such as melamine, isocyanuric acid, and cyclic phosphazene is exemplified.
[0031]
The reactive diluent functions as a solvent in the coating process as a medium for the coating agent, and itself has a group that reacts with a polyfunctional or monofunctional acrylic oligomer. It becomes. Specific examples of the reactive diluent include pentaerythritol tri (meth) acrylate, pentaerythritol tetra (meth) acrylate, dipentaerythritol tri (meth) acrylate, dipentaerythritol tetra (meth) acrylate, dipentaerythritol penta (meth) ) Acrylate, dipentaerythritol hexa (meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, ethylene glycol (meth) acrylate, propylene glycol di (meth) acrylate, (meth) acryloyloxypropyltriethoxysilane, (meth) acryloyl Oxypropyltrimethoxysilane and the like can be mentioned.
[0032]
Examples of the photopolymerization initiator include 2,2-ethoxyacetophenone, 2,2-dimethoxy-2-phenylacetophenone, 1-hydroxycyclohexylphenyl ketone, dibenzoyl, benzoin, benzoin methyl ether, benzoin ethyl ether, benzoin isopropyl ether, and p -Chlorobenzophenone, p-methoxybenzophenone, Michler's ketone, acetophenone, 2-chlorothioxanthone, anthraquinone, phenyldisulphide, 2-methyl- [4- (methylthio) phenyl] -2-morpholino-1-propanone and the like.
[0033]
Examples of the photosensitizer include tertiary amines such as triethylamine, triethanolamine and 2-dimethylaminoethanol, alkylphosphines such as triphenylphosphine, and thioethers such as β-thiodiglycol.
Examples of the modifier include a coating improver, an antifoaming agent, a thickener, an inorganic particle, an organic particle, a lubricant, an organic polymer, a dye, a pigment, and a stabilizer. These are used in a range that does not inhibit the reaction by the active energy ray, and can improve the properties of the active energy ray-curable resin layer according to the application. An organic solvent can be added to the composition of the active energy ray-curable resin layer for the purpose of improving workability during coating and controlling the coating thickness.
[0034]
The active energy ray-curable resin layer is formed by applying the curing resin composition to the surface of the coating layer and then irradiating with an active energy ray to cross-link and cure. As the active energy rays, ultraviolet rays, visible rays, electron beams, X-rays, α-rays, β-rays, and γ-rays can be used. Irradiation with active energy rays is usually performed from the coating layer side, but may be performed from the film surface side in order to enhance the adhesion to the film. May be provided.
[0035]
The thickness of the active energy ray-curable resin layer is in the range of 3 to 15 μm, preferably 5 to 10 μm. If the thickness of the cured resin layer is less than 3 μm, the surface hardness may be insufficient. If the thickness exceeds 15 μm, the cured resin layer may have a large curing shrinkage and the film may curl toward the cured resin layer. There is.
When the active energy ray-curable resin is used on one side, curling of the film is caused by curing shrinkage of the active energy ray-curable resin. In the present invention, the curl value is preferably 15 mm or less, more preferably 10 mm or less. If the curl value exceeds 15 mm, the yield may deteriorate in the manufacturing process or the product may be unfavorable.
[0036]
In the present invention, the surface hardness on the cured resin layer side is usually 2H or more, preferably 3H or more. If it is less than 2H, the scratch resistance may be insufficient.
In the present invention, in order to improve the adhesion of the active energy ray-curable resin layer to the base film, the film may be subjected to a chemical treatment or a discharge treatment, preferably between the film and the active energy ray-curable resin layer. Is provided with an easy adhesion layer. Further, an intermediate layer such as an antistatic layer may be provided as necessary. As a method for providing such an easy-adhesion layer or another intermediate layer, a coextrusion method or a coating method may be employed.
[0037]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples, but the present invention is not limited to the following examples unless it exceeds the gist of the present invention. In addition, the measuring method and definition of various physical properties and characteristics in the present invention are as follows. In Examples and Comparative Examples, “parts” and “%” mean “parts by weight” and “% by weight”, respectively.
[0038]
(1) Measurement of Intrinsic Viscosity of Polyester 1 g of polyester from which other polymer components and pigments incompatible with polyester were removed was precisely weighed, and 100 ml of a mixed solvent of phenol / tetrachloroethane = 50/50 (weight ratio) was added. Dissolved and measured at 30 ° C.
[0039]
(2) average particle size (d 50)
The particle size was measured by a sedimentation method based on Stokes' resistance law using a centrifugal sedimentation type particle size distribution analyzer SA-CP3 manufactured by Shimadzu Corporation.
[0040]
(3) Oligomer (cyclic trimer) content in polyethylene terephthalate After a predetermined amount of polyethylene terephthalate is dissolved in o-chlorophenol, reprecipitated with tetrahydrofuran and filtered to remove linear polyethylene terephthalate, and then The obtained filtrate was supplied to liquid chromatography (Shimadzu LC-7A) to determine the amount of oligomer (cyclic trimer) contained in polyethylene terephthalate, and this value was divided by the amount of polyethylene terephthalate used in the measurement to obtain polyethylene. The amount of oligomer (cyclic trimer) contained in terephthalate.
The amount of oligomer (cyclic trimer) determined by liquid chromatography was determined from the peak area ratio between the standard sample peak area and the measured sample peak area (absolute calibration curve method).
The standard sample was prepared by accurately weighing oligomers (cyclic trimers) collected in advance and dissolving them in accurately weighed DMF (dimethylformamide). The concentration of the standard sample is preferably in the range of 0.001 mg / ml to 0.50 mg / ml.
The conditions of the liquid chromatograph were as follows.
Mobile phase A: Acetonitrile Mobile phase B: 2% acetic acid aqueous solution Column: MCI GEL ODS 1HU manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation
Column temperature: 40 ° C
Flow rate: 1 ml / min Detection wavelength: 254 nm
[0041]
(4) The amount of oligomer on the film surface after the heat treatment The polyester film was left in an oven at 180 ° C. for 10 minutes in a nitrogen atmosphere to perform the heat treatment. A 5 cm square sample is cut out of the polyester film after the heat treatment (the sample area of the cut out 5 cm square is 50 cm 2 for both sides), 4 ml of DMF is placed in a suitable container (such as a petri dish), and the 5 cm square is placed in the container. Put the sample. At this time, both sides of the sample were immersed in DMF and treated for 3 minutes to dissolve the oligomer precipitated on the film surface by the heat treatment. Next, after standing for 3 minutes, the DMF was collected, supplied to a liquid chromatography (Shimadzu LC-7A) to determine the amount of oligomer in DMF, and this value was divided by the area of the film contacted with DMF to obtain the amount of oligomer on the film surface. (Mg / m 2 ). The amount of oligomer in DMF was determined from the peak area ratio between the standard sample peak area and the measurement sample peak area (absolute calibration curve method).
The standard sample was prepared by accurately weighing oligomers (cyclic trimers) fractionated in advance and dissolving in accurately weighed DMF. The concentration of the standard sample is preferably in the range of 0.001 mg / ml to 0.01 mg / ml.
The conditions of the liquid chromatograph were the same as those described in the above section (3).
[0042]
(5) Pencil hardness In accordance with JIS K5400 (1990), pencils of various hardnesses are applied to the surface of the cured resin layer at an angle of 45 ° to give a scratch under a load of 1 kg. The surface hardness was used.
[0043]
(6) A sample having a curl value of 100 mm × 100 mm was placed on a flat surface with the concave surface facing upward, the height of the four corners jumped was measured, and the average value was taken as the curl value.
[0044]
(7) Film haze According to JIS-K6714, the turbidity of the film was measured with a spectroscopic turbidimeter NDH-20D manufactured by Nippon Denshoku Industries Co., Ltd.
[0045]
(8) Change in Haze Value Due to Heat Treatment The film haze of each of the film before the heat treatment and the film after the heat treatment was measured, and the change in the haze value due to the heat treatment was determined by the following equation.
Film haze value after heat treatment-Film haze value before heat treatment = change in haze value
(9) Polymerization step of productivity raw material Judgment was made as follows from the production cost in the film film formation step and the like.
:: There is no problem in the manufacturing process and manufacturing conditions, and the productivity is high.
Δ: Manufacturing process, manufacturing conditions, and the like are somewhat limited, and productivity is slightly low.
X: Production process and film forming conditions are limited, and productivity is poor.
[0047]
(10) Appropriateness for optical applications From the characteristics such as haze and coating film strength after heat treatment, the suitability for optical applications such as touch panels was determined based on the following three rank criteria.
:: Low haze value, sufficient coating strength, suitable for optical applications, and high productivity. △: Slight problem with haze value, coating strength, or productivity, but no practical problem x: Haze value Not suitable for optical applications due to problems such as coating film strength, productivity, etc.
In Examples and Comparative Examples, binder resins and the like used for forming the oligomer precipitation preventing layer are as follows.
[0049]
[Example of compound]
Silane coupling agent (A): N-β (aminoethyl) γ-aminopropyltrimethoxysilane silane coupling agent (B): N-β (aminoethyl) γ-aminopropyltriethoxysilane silane coupling agent (C ): Γ-aminopropyltrimethoxysilane silane coupling agent (D): N-phenyl-γ-aminopropyltrimethoxysilane silane coupling agent (E): γ-glycidoxypropyltriethoxysilane The silane coupling agent (E) was difficult to dissolve in pure water, and the concentration was adjusted using 2% acetic acid water as a diluent. Concentrations of other silane coupling agents were adjusted using pure water as a diluent.
PVA resin: Polyvinyl alcohol polyurethane aqueous dispersion A having a degree of saponification of 88 mol% and a degree of polymerization of 500: Hydran AP-40 manufactured by Dainippon Chemical Industries, Ltd.
Polyester aqueous dispersion B: Finetex ES-670 manufactured by Dainippon Chemical Co., Ltd.
[0050]
[Adjustment of coating liquid-1]
A coating solution containing 90% by weight of the silane coupling agent (A) and 10% by weight of the PVA-based resin was prepared. The solid content concentration of the coating solution was 2% by weight.
[0051]
[Preparation of coating liquid-2]
A coating solution containing 80% by weight of the polyurethane aqueous dispersion A and 20% by weight of the polyester aqueous dispersion B was prepared. The coating solution had a solid concentration of 2% by weight.
[0052]
[Method for producing polyester (I)]
Starting from 100 parts by weight of dimethyl terephthalate and 60 parts by weight of ethylene glycol, 0.09 parts by weight of magnesium acetate tetrahydrate is placed in a reactor as a catalyst, the reaction start temperature is set to 150 ° C., and methanol is gradually distilled off. The reaction temperature was raised to 230 ° C. after 3 hours. After 4 hours, the transesterification reaction was substantially terminated. After 0.04 parts of ethyl acid phosphate was added to the reaction mixture, 0.05 parts of silica particles dispersed in ethylene glycol having an average particle diameter of 1.6 μm and 0.04 parts of antimony trioxide were added to obtain 4 parts. A time polycondensation reaction was performed. That is, the temperature was gradually raised from 230 ° C. to 280 ° C. On the other hand, the pressure was gradually reduced from the normal pressure, and finally was 0.3 mmHg. After 4 hours from the start of the reaction, the reaction was stopped, and the polymer was discharged under nitrogen pressure. The intrinsic viscosity of the obtained polyester (I) was 0.65, and the content of the oligomer (cyclic trimer) was 1.01% by weight.
[Production method of polyester (II)]
Polyester (I) was subjected to solid phase polymerization to obtain polyester (II). The intrinsic viscosity of the obtained polyester (II) was 0.86, and the content of the oligomer (cyclic trimer) was 0.32% by weight.
[Production method of polyester (III)]
Polyester (I) was subjected to solid phase polymerization for a longer time than the polymerization time at the time of production of polyester (II) to obtain polyester (III). The intrinsic viscosity of the obtained polyester (III) was 0.79, and the content of the oligomer (cyclic trimer) was 0.50% by weight.
[0053]
Example 1
[Production of film]
The polyester (I) obtained by the method for producing a polyester is dried at 180 ° C. for 4 hours in an inert gas atmosphere, melt-extruded at 290 ° C. by a melt extruder, and the surface temperature is adjusted using an electrostatic contact method. It was cooled and solidified on a cooling roll set at 40 ° C. to obtain an unstretched sheet. Next, after stretching 3.5 times in the longitudinal direction at 83 ° C., coating solution-1 and coating solution-2 are applied to the surface of each of the longitudinally stretched films, and stretched 3.2 times in the transverse direction at 110 ° C. Furthermore, heat treatment was performed at 220 ° C. to obtain a 125 μm-thick laminated polyester film having a 0.05 μm-thick coating layer on both sides.
The intrinsic viscosity of the obtained film was 0.60, and the content of the oligomer (cyclic trimer) was 1.12% by weight.
Next, an active energy ray-curable resin is applied to the coating surface of the obtained film with the coating liquid-2 so that the thickness after curing becomes 8 μm, and the irradiation distance is 100 mm using a high-pressure mercury lamp having an energy of 120 W / cm. For about 10 seconds.
As the active energy ray-curable resin, a composition comprising 77 parts of Nippon Kayaku's KAYARAD DPHA, 18 parts of Nippon Kayaku's KAYARAD R-128H, and 5 parts of Ciba Geigy's IRGACURE 651 was used.
[0054]
Examples 2 to 4 and Comparative Examples 1 and 2
A film was obtained in the same manner as in Example 1, except that the composition of the coating solution-1 was changed as shown in Table 1 below.
[0055]
[Table 1]
[0056]
Comparative Example 3
A laminated polyester film was obtained in the same manner as in Example 1 except that the thickness of the active energy ray-curable resin layer after curing was 2.0 μm.
[0057]
Comparative Example 4
A laminated polyester film was obtained in the same manner as in Example 1, except that the thickness of the active energy ray-curable resin layer after curing was changed to 20 μm.
The evaluation results of the films obtained in each of the examples and comparative examples are summarized in Tables 2 and 3 below.
[0058]
[Table 2]
[0059]
[Table 3]
[0060]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a useful film having good transparency on which a hard coat layer having excellent adhesion is formed, with a small amount of oligomers precipitated on the film surface even at a high temperature. Is expensive.
Claims (5)
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