JP2004191674A - 自動合焦装置及び撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速で高精度な合焦結果を得る山登り式、位相差式併用の自動合焦装置を提供すること。
【解決手段】被写体を電気的に撮像するための撮像レンズ101と、この撮像レンズから得られる画像データを評価する信号評価部108と、この信号評価部108にて評価した評価値が極値になるよう撮影レンズを駆動して合焦させる山登り式合焦手段と、被写体光を1対の像として再結像させるAF光学系110と、この1対の像を電気信号に変換する位相差AFセンサ111とによって、1対の像の相対位置関係から焦点ずれ量を算出する演算部113を有する位相差式焦点検出手段とによって、前記演算部113にて算出した焦点ずれ量が所定の範囲内か否かを判定する評価・合焦判定部114と、前記演算部113にて算出した焦点ずれ量の結果に基づいて、山登り式合焦手段の作動を判定する構成である。
【選択図】図1
【解決手段】被写体を電気的に撮像するための撮像レンズ101と、この撮像レンズから得られる画像データを評価する信号評価部108と、この信号評価部108にて評価した評価値が極値になるよう撮影レンズを駆動して合焦させる山登り式合焦手段と、被写体光を1対の像として再結像させるAF光学系110と、この1対の像を電気信号に変換する位相差AFセンサ111とによって、1対の像の相対位置関係から焦点ずれ量を算出する演算部113を有する位相差式焦点検出手段とによって、前記演算部113にて算出した焦点ずれ量が所定の範囲内か否かを判定する評価・合焦判定部114と、前記演算部113にて算出した焦点ずれ量の結果に基づいて、山登り式合焦手段の作動を判定する構成である。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
電子カメラ、ビデオカメラ等の電気的に被写体を撮影する機器における自動合焦装置及び撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、被写体を撮影する際に自動合焦装置にてピントを合せ、良好な画像を得る電子カメラ等が開発されている。この自動合焦装置の方式には何種類かの方法があり、例えば、特許文献1の如くビデオカメラ等で用いられる山登り式、特許文献2に示す如く一眼レフカメラ等で用いられる位相差式が用いられている。
【0003】
この山登り式と位相差式について図7乃至図10にて説明する。
【0004】
図7は山登り式自動合焦装置のブロック図であり、図8はフォーカスレンズ位置と焦点評価信号との関係を表す図である。図9は位相差式の自動合焦装置の構成図であり、図10は撮影レンズとAFモジュールの構成図である。
【0005】
山登り式の自動合焦装置は、図7に示す如く被写体を撮像する光電変換素子501からの映像信号をハイパスフィルタ(HPF)502を通し高周波成分を取り出し、レンズ駆動制御部504により微少ステップでレンズを駆動しながら高周波信号を得る。同時に信号評価部503で合焦かどうかを評価し、その結果により合焦で無ければ更に駆動を続ける。
【0006】
焦点ずれ量が大きいと光電変換素子501上の像はぼけているので、取り出した高周波信号の振幅も小さい、しかし、レンズが駆動され合焦地点に近づくにつれ光電変換素子501上の像はピントが合ってくるので高周波信号の振幅も大きくなる。図7に示す通りP1からレンズ駆動がスタートすると合焦点P2に近づくにつれ信号振幅は増加する。そして、合焦点P2を通り越すと再び像はぼけるので、信号振幅は小さくなる。小さくなるとレンズを逆方向に駆動しP2点へ戻り合焦に至る。これが山登り式の基本動作である。
【0007】
次に位相差式の自動合焦装置について説明すると、図9に示すように撮像用光電変換素子704と等価の位置に位相差検出用AF光学モジュール701を配置し、光路の被写体側には撮影レンズ702を配置し、この撮影レンズ702を通過する光をプリズム703にて撮像用光電変換素子704とAF光学モジュール701へ分割する。このプリズムで被写体光を位相差AF用、撮像用に分割する。
【0008】
AF光学モジュール701について更に詳述すると、図10に示す如く基本構成は視野マスク801、コンデンサレンズ802,絞りマスク803、再結像レンズ804、位相差用光電変換素子805で構成し、撮影レンズ702の特定の射出面を通過した光束806a、806bは図10のように1対の像として光電変換素子805上に結像する。
【0009】
そして、光電変換素子805上に表示された一対の像の一方と他方の像間隔により合焦をすることができる。
【0010】
すなわち、AF光学モジュールの設計により合焦時の像間隔が決まり、焦点ずれが前ピンの場合には像間隔が広がり、後ピンの場合は像間隔が狭くなる。設計上決まる合焦時の像間隔と焦点ずれ時の像間隔の差から、焦点ずれ量とずれ方向が算出され、撮影レンズ702を駆動して合焦状態を得ることができる。
【0011】
かくして、これら山登り式の合焦装置や位相差式の合焦装置により、ピントの合った画像を撮影することができる。
【0012】
〔特許文献1〕
特開平7−143381号公報
〔特許文献2〕
特開2001−42206号公報
【0013】
【発明が解決する課題】
しかしながら、それぞれの山登り方式と位相差式の合焦装置には、長所と短所がある。山登り式については、長所として撮像用素子そのものの出力信号を加工して使用するため、合焦装置の結果と実際の撮像した映像のずれが発生しにくく、撮像素子の取り付け誤差のばらつきによるピントの影響をうち消すことが出来る。しかし、短所としてレンズを微少ステップで駆動しながら撮像を行い焦点ずれ信号を得るので、撮像タイミングとの関係であまり駆動速度を上げることができないとともに、図8で示したように信号のピーク位置を探すことになるので必ず合焦ポイントを通りすぎなければならず、合焦までに時間がかかる問題がある。
【0014】
また、位相差式については、合焦装置の光電変換素子は多くてもせいぜい数百画素であり撮像用素子と比べると圧倒的に少ないためデータの読み出しに時間がかからない。また、ピントのずれ量をダイレクトに検出できるので、直接合焦点にレンズを駆動することが出来、山登り式より高速に合焦が得られる。しかし、その短所として、撮像用素子と別素子で検出する位相差式においてはおけるピント精度が焦点検出用素子に依存してしまい、素子によっては撮像結果のピントは必ずしも適正ではない問題がある。
【0015】
本発明は叙上に鑑みて鋭意研究の結果完成されたものであり、その目的は、高速で高精度な合焦結果を得る山登り式合焦装置と位相差式合焦装置を併用した自動合焦装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動合焦装置は、被写体を撮影レンズを介して電気的に撮像するための撮像手段と、該撮像手段から得られる画像データを評価する評価手段と、該評価手段にて評価した評価値に基づいて合焦を行う第1の合焦手段と、前記撮影レンズを介した被写体像を1対の像として再結像する光学手段と、該1対の像に関する光量分布を検出し電気信号に変換する変換手段と、該変換手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する演算手段とを有し、前記焦点ずれ量に基づいて合焦を行う第2の合焦手段とを備え、前記演算手段にて算出した焦点ずれ量に対応して第1の合焦手段または第2の合焦手段を作動することを特徴とする。
【0017】
本発明の自動合焦装置は、被写体を撮影レンズを介して電気的に撮像するための撮像手段と、該撮像手段から得られる画像データを評価する評価手段と、該評価手段にて評価した評価値に基づいて合焦を行う第1の合焦手段と、前記撮影レンズを介した被写体像を1対の像として再結像する光学手段と、該1対の像に関する光量分布を検出し電気信号に変換する変換手段と、該変換手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する演算手段とを有し、前記焦点ずれ量に基づいて合焦を行う第2の合焦手段とを備え、前記第2の合焦手段を作動した後、前記演算手段により算出した焦点ずれ量に応じて、第2の合焦手段から第1の合焦手段に切り替えることを特徴とする。
【0018】
本発明の自動合焦装置は、前記1対の像の一方と他方の照合度を判定する照合度判定手段と、前記変換手段から入力する入力信号の大きさを判定する信号量判定手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の自動合焦装置は、前記第1の合焦手段又は前記第2の合焦手段の作動前に、前記照合判定手段と信号量判定手段の少なくとも一方の評価に対応して前記第1の合焦手段及び前記第2の合焦手段を同時に作動することを特徴とする。
【0020】
本発明の自動合焦装置は、前記照合度判定手段にて前記1対の像の一方と他方の照合度が設定する所定の範囲より小さいとの判定、または前記信号量判定手段から設定する所定の信号量より小さいとの判定に基づいて前記第1の合焦手段および第2の合焦手段を作動することを特徴とする。
【0021】
本発明の撮影装置は、被写体を撮影レンズを介して電気的に撮像するための撮像手段と、該撮像手段から得られる画像データを評価する評価手段と、該評価手段にて評価した評価値に基づいて合焦を行う第1の合焦手段と、前記撮影レンズを介した被写体像を1対の像として再結像する光学手段と、該1対の像に関する光量分布を検出し電気信号に変換する変換手段と、該変換手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する演算手段とを有し、前記焦点ずれ量に基づいて合焦を行う第2の合焦手段とを備え、前記演算手段にて算出した焦点ずれ量に対応して第1の合焦手段または第2の合焦手段を作動することを特徴とする。
【0022】
本発明の撮影装置は、被写体を撮影レンズを介して電気的に撮像するための撮像手段と、該撮像手段から得られる画像データを評価する評価手段と、該評価手段にて評価した評価値に基づいて合焦を行う第1の合焦手段と、前記撮影レンズを介した被写体像を1対の像として再結像する光学手段と、該1対の像に関する光量分布を検出し電気信号に変換する変換手段と、該変換手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する演算手段とを有し、前記焦点ずれ量に基づいて合焦を行う第2の合焦手段とを備え、前記第2の合焦手段を作動した後、前記演算手段により算出した焦点ずれ量に応じて、第2の合焦手段から第1の合焦手段に切り替えることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
(自動合焦装置)
以下、図でもって本発明の実施例を説明する。
【0024】
図1は、本発明における自動合焦装置を搭載した撮像装置のブロック図である。
【0025】
まず、被写体からの光は撮影レンズ101を通過し、プリズム102にて撮像用光電変換素子103とAF光学系110とに分割される。なお、光の分割比はカメラ等の撮像装置の仕様に応じて変えるが、ここでは5:5の均等分割にする。分割比を変えると光の増加した方には光に対する装置の反応が高くなり、光が減少した方は反応が低下することになる。
【0026】
ここで、光の分割経路の一方である撮像用光電変換素子103側の制御について述べる。
【0027】
駆動信号を送出して光電変換動作及び信号の取出しの制御を行う光電変換素子駆動部104と、実際に撮影を行った際に、撮像用光電変換素子103の信号をAD変換後デジタルデータとして画像処理を行いメモリに記憶する画像処理・記憶部105と、撮像用光電変換素子103から高周波信号を抽出する高周波抽出部106とをCCDエリアセンサやCMOSエリアセンサ等からなる撮像用光電変換素子103に接続する。
【0028】
また、前記高周波抽出部106から抽出された高周波の出力を増加方向または減少方向であるのかを評価する信号評価部108を高周波抽出部106に接続し、光電変換素子駆動部104と画像処理・記憶部105に双方を総合的にコントロールする撮影コントロール部107を接続し、このコントロール部107に撮像装置が撮影動作の間被写体の画像を表示するモニター表示109を接続する。
【0029】
さらに、前記コントロール部107と前記信号評価部108にピント位置を総合的に評価するピント制御部115を接続し、このピント制御部115に撮影レンズ101を移動するレンズ駆動制御部116が接続されている。
【0030】
かくして上記構成によれば、被写体からの光をプリズム102を介して撮像用光電変換素子103に入射し、撮像用光電変換素子103にて信号に変換し、被写体の画像をモニター表示109に表示するとともに、高周波信号抽出部106にて高周波信号が抽出し、信号評価部108にて出力を評価し、その結果をピント制御部115に送信し、山登り式の合焦を行うことができ、撮影時には画像処理・記録部105等により画像を記録することができる。
【0031】
次に、光の他方の分割経路であるAF光学系110側について詳述する。
【0032】
プリズム102により分割した光をAF光学系110に入射し、位相差用AFセンサ111に結像させる。
【0033】
その構成は図9に示す従来の構成と同様であり、AF光学系110が従来の視野マスク801,コンデンサレンズ802,絞りマスク803及び再結像レンズ804とを組み合わせた構成であり、位相差AFセンサ111が光電変換素子805である。なお、これらの部材がAF光学系110および位相差AFセンサ111のどちらに属するかは適宜変更可能である。
【0034】
位相差AFセンサ111はCCDやCMOSのラインセンサ、エリアセンサ等からなりセンサ制御部112に接続し、このセンサ制御部112に送出される駆動信号で動作する。
【0035】
また、位相差AFセンサ111には、センサ制御部112の他に像間隔を算出する演算部113も接続し、この演算部113に焦点ずれ量及びセンサ制御部112に入射される光の光量分布状態等を算出する演算部113を接続し、この演算部113にて算出する光量分布等の結果から焦点ずれ量がノイズ等の影響を受けてどの程度誤差があるのかを評価するとともに、評価の結果焦点ずれ量の合焦の範囲内であるかの判定もする評価・合焦判定部114を接続し、この評価・合焦判定部114と前記センサ制御部112とに前記ピント制御部115を接続し、さらにこのピント制御部115にレンズ駆動制御部116を接続して、評価・合焦判定部114の判定結果に基づいて前記ピント制御部116にてレンズを駆動し、位相差式の合焦を行うことができる。
【0036】
なお、評価・合焦判定部114にて、焦点ずれ量及び焦点ずれ量の評価を行っているが、独立して行うようにしてもよい。
【0037】
ここで、前記した像間隔の求め方及び焦点ずれ量の評価について説明する。
【0038】
位相差式焦点検出装置では再結像レンズで2分割した同一像がセンサ上に結像し、位相差AFセンサ111で出力されたそれぞれの出力データをAi、Bi(i=1〜n)とする。同一像が結像されているので、Aデータ列とBデータ列はどこかの部分で一致する。それを式1の計算で探し出し、一致したときの像間隔を求める。
【0039】
SXj=ΣAk+l−Bj+l (l=0〜m、j=1〜mm) 式1
式1はA列データのk番目からm個分を1データずつB列の1番目のデータから差し引いてその結果を加算している。m個分終了した時点でSXがひとつ求まる。次にA列データは同じままで、B列データの開始位置を1データシフトしてm個分同様に差し引き、結果を加算する。これをmm回繰り返す。A列のデータm個分の領域がB列のデータと一致すると、そのときのSX値は理想状態ではゼロになり、このときのmmの値が間接的に像間隔を表す。なお、SX値は一致するとゼロになると述べたがセンサノイズ等の誤差要因によってゼロにはならない。従って最小値の部分を一致点と見る。
【0040】
mmの値はセンサデータ1画素ピッチで決まる分解能でしかない、これでは焦点検出精度に不十分であるので、mmのSX値、mm前後のSX値で補間演算を行い、精度を高める。なお、補間演算式については省略する。
【0041】
なお、本発明では判定結果に応じて山登り式合焦装置を動作させるか位相差式の結果を採用するかの判定にも使用する。判定のもととなる判定値はSX値から求める。
【0042】
図2はSX値の変化を表すグラフである。
【0043】
mmの総数は7で、mm=3で最小を示す例である。判定値は図中のkmax、sxminである。被写体にコントラストがありセンサ信号が十分に得られるような被写体ではkmaxは大きくなり、sxminは小さくなる。被写体が低コントラストであったり暗くなったりするとセンサ信号が十分では無くなり、kmaxは小さくsxminは大きくなる。また被写体の状態によってはsxminが小さいものの、kmaxも小さい場合もある。
【0044】
したがって、kmaxまたはsxminの判定値より被写体からの光によりセンサ信号やコントラスト等が十分に得られると焦点ずれ量の算出誤差の大きさは小さくなり、逆にセンサ信号やコントラスト等が十分に得られていなければ焦点ずれ量の算出誤差の大きさは大きくなることから、焦点ずれ量の誤差が大きいか否かの評価にkmax及びsxminを用いる。
【0045】
ここで、上記山登り式合焦装置と位相差式合焦装置を併用した本発明の焦点検出動作についてフローチャートを使って説明する。図3は本発明の基本動作のフローチャートである。
【0046】
まず、位相差用AFセンサ111にて入射する光の蓄積動作を行い(ステップ301)、センサデータを得る(ステップ302)。そのデータから上述した式1によりSX値を演算部113にて算出し(ステップ303)、この算出したSX値から焦点ずれ量、sxmin及びkmaxを抽出し、sxminから位相差AFセンサ111に入射した一対の光の一方と他方の光の照合度を判定し(ステップ304)、kmaxより光の入射量からセンサ信号が十分得られているかの判定(ステップ305)をおこなう。本実施例ではsxminが50以上またはkmaxが150以下で不能フラグをセット(ステップ306)する。不能時の処理は後述する。
【0047】
不能で無い場合はステップ307へ進み、合焦かどうかの判定をピント制御部115にて行う。ここでは焦点ずれ量が、装着レンズの(開放焦点深度/2)以内であれば合焦とする。開放焦点深度とは装着レンズの開放絞り値に最小錯乱円を乗じた値で一般的にいわれている。35mmフィルムの場合最小錯乱円は約30μmといわれるが、デジタルカメラの場合、撮像素子の画素サイズでいわれる場合が多い。
【0048】
この焦点深度内にピント位置がくればピントのボケを写真上で感じない範囲である。しかし、前後のボケ具合が異なるので、焦点検出装置の検出精度はできるだけ深度の中心を狙うのが望ましい。従って本実施例では1/2の深度で判定している。もっと厳しくするならば1/3、1/4としても良い。
【0049】
ステップ407で合焦と判定できれば合焦フラグをセットし(ステップ308)、焦点検出動作は終了する。
【0050】
一方、合焦ではない場合は、ステップ309にてこのまま位相差式の焦点検出結果を基にレンズ駆動制御部116にてレンズを駆動するか、山登り式に切り替えるかをピント制御手段116にて判定する。その判定基準は開放焦点深度にて評価し、開放焦点深度が焦点ずれ量より小さければ山登り式合焦装置を起動する(ステップ313)。
【0051】
これは、最初から合焦であればレンズ駆動させる必要は無いが、レンズ駆動させるならば山登り式合焦装置でしっかりピントのピークをつかもうという目的によるものである。ただし、駆動量が多くなる場合は合焦近くまでは速度の速い位相差式でAFを行うとよく、そのためステップ309でNOと判定されれば、位相差式の焦点ずれ量の結果からレンズ駆動制御部116にてレンズ駆動を行い、最初のステップへ戻り位相差式の焦点検出を続行し(ステップ310、311、312)、上記ステップを再び繰り返すことで、位相差式の合焦から山登り式の合焦への切り替えや位相差式の合焦から位相差式及び山登り式の合焦への切り替えが行われる。
【0052】
なお、上述のように判定基準を開放焦点深度としたが、位相差式、山登り式それぞれの検出精度に応じて開放焦点深度を2倍、3倍にして精度を高めてもよい。
【0053】
そして、好ましくは、合焦する際に初めは位相差式行い、最後の合焦点付近のみ山登り式の合焦動作することによって、合焦時間の短縮化をすることができる。
【0054】
次に位相差式焦点検出結果が不能の場合の処理について述べる。
【0055】
不能な場合には、レンズを動作させながら焦点検出動作も同時に行う、不能サーチ駆動を行う。この場合は位相差式と山登り式を両方とも作動させて、焦点検出確率を高める。
【0056】
すなわち、山登り式合焦装置を用いることで、合焦点までのレンズ移動方向を知ることがきるとともに、位相差式の合焦装置にて、すばやく合焦点までのレンズの移動距離を判定し、所要の合焦点を得ることができる。
【0057】
不能サーチ中に位相差の結果が求まれば図3、あるいは図5のフローで示した流れに制御を移行させる。
【0058】
山登り式合焦装置については従来の図6および図7で説明した動作をおこなうのでここでの動作の説明は省略する。
【0059】
なお、山登り式合焦装置を動作している間に、焦点ずれ量と開放焦点深度の関係がステップ307の関係になったことがピント制御部115で判定された場合に、再び位相差式の合焦装置を作動させるようにすることもできる。
【0060】
かくして、上記構成の自動合焦装置によれば、被写体からの光をプリズム102で分割し、位相差AFセンサ111に入射させ、焦点ずれ量を演算部113にて算出し、この算出結果から山登り式の合焦を行うかどうかの判断をピント制御部115にて行うことで、レンズの合焦速度を向上させることができるとともに、合焦の精度も向上することができ、操作者にとって使い勝手の向上した自動合焦装置を提供することができた。
【0061】
次に、本発明の他の実施例について図にて説明する。図4および図5は本発明の他の基本動作フローである。
【0062】
なお、図3と同一ステップを行うものには同一符号を付す。
【0063】
図4のフローにおいては、ほとんどの処理フローが図3と同じであるが、ステップ307で合焦判定をおこない、ステップ309で位相差、山登り選択判定を行う前にステップ401として焦点ずれ量の誤差の程度の評価を再び行っている。この判定は、焦点ずれ量の誤差の程度が所定範囲より小さい場合、あえて山登り式合焦装置を起動せず位相差の結果で合焦点までレンズを駆動するものである。この判定を追加するといたずらに時間をかけることなく、精度も落とさずに合焦させることができる。実施例では判定基準をkmaxが500以上、sxminが20以下の両方を満足する場合とした。この値も各焦点検出装置の能力に応じて最良の値を選択すればよい。
【0064】
また、図5では図4に別の処理を加えたものであり、ステップ311でレンズが駆動されているか判定した後、駆動中であればステップ402で残り駆動パルス数が開放焦点深度未満であれば山登り式合焦装置を動作させるものである。図3では位相差式の結果でのみ判定していたが、残り駆動パルスでも山登り式の起動判定を行うことができる。
【0065】
すなわち、残り駆動パルスによって、合焦点までのレンズの残り移動量が判定され、この残りの移動量が開放焦点深度未満であれば山登り式の合焦動作をさせることなく、位相差式の合焦動作を行うものである。
【0066】
したがって、合焦時間を短くすることができ操作者にとっては、すぐに被写体を撮影する状態にすることができるものである。この構成を図3に対してステップ402を追加することもできる。
【0067】
なお、上述したフローにおいてステップ309でNOと判定され、最初へ戻り繰り返す場合に、最初からステップ309までのステップを複数行っても合焦点が特定されない場合は、所要の回数に達したらステップ313に進むように設定することができる。
【0068】
また、ステップ307にて合焦と判断された後に、さらに焦点ずれ量を小さくしたい場合に、ステップ312に進むようにすることもできる。
【0069】
かくして、本発明の合焦装置によれば、演算部113にて算出した焦点ずれ量に対応して山登り式合焦手段の作動を行うか否かの判定をする評価・合焦判定部114を備えたことで、位相差式焦点検出結果が合焦であれば、合焦動作をせずともよく、位相差式合焦手段にて合焦近傍になれば山登り式合焦装置を起動することにより合焦点の精度を高めることができると共に、合焦速度を向上させることができる。
【0070】
また、位相差式焦点検出結果が不能の場合は、不能サーチ駆動時に位相差式、山登り式を同時に動作させ検出確率を上げることができる。
【0071】
このように、位相差式焦点検出結果をもとに、位相差式と山登り式を状況に応じて組み合わせることにより、高速で精度の良い焦点検出装置とすることができる。
【0072】
(撮影装置)
次に本発明の撮影装置について図6でもって説明する。
【0073】
図6は本発明の撮影装置を示すカメラの上面図であり、(a)は電源OFF時、(B)は電源ON時、(C)は被写体に対応してレンズが繰り出された時である。
【0074】
カメラ上面401には、レリーズボタン406,メインスイッチ407,表示パネル402,メニューボタン404,ストロボモードボタン403が設けられている。メニューボタン404を押すと、表示パネル402には順番に露出補正モード,セルフモード,ロングタイム(LT)モードおよびMF/AF設定のモードが表示され各モードを選択することができる。メニューボタン404によってMF/AF設定を選択すると、表示パネル402にはAFの文字のみが点滅し、JOGダイヤル405を回転させるとMFの文字が点滅するとともに最初の設定距離が表示される。JOGダイヤル405は、上述したようにメニューボタン404で選択され表示パネル(LCD)2に表示される露出補正モード,セルフモード,ロングタイムモード,MF/AF設定のモード,撮影データの編集モードや撮影モード等、各値を1つずつ順番に表示させるダイヤルである。
【0075】
メニューボタン404によってMF/AF設定において、AFに設定するとAFのモードをJOGダイヤル405によって選択し、環境に適した撮影を行う。
【0076】
次に、カメラの動作について説明すると、メインスイッチ407によって装置の電源をONすると、図6に示す如く、レンズが装置本体から繰り出され、表示パネル402には、撮影枚数やMF/AF等の設定状態などが表示される。
【0077】
このとき、JOGダイヤル405により撮影モードであると、図示しない撮影装置のレンズの背面側に設けた表示パネル等により被写体が表示され、各種装置の設定や露出設定等が表示され、レリーズボタン406を押すことにより撮影され、撮影装置に内臓または外部より装置本体に着脱可能な記憶装置に撮影データが記憶される。レリーズボタン406が2段式の押しボタンである場合は、1段階目まで押すことで、図6の(C)に示す如くレンズを矢印の如く動作させ、フォーカスをあわせる。もちろんこのときは、MF/AFの設定はAFモードである。
【0078】
ここで、AFのモード設定による動作について詳述する。
【0079】
AFのモードの設定は、環境等により山登り式合焦手段のみの動作、位相差式合焦手段のみの動作、山登り式合焦手段及び位相差式合焦手段の両方の動作の3つのモードがあり、これを選択することで装置の合焦を行う。
【0080】
まず、山登り式の合焦手段では図1に示す如く、位相差式の合焦手段に関する装置への電力供給のストップや省電力モードにすることにより、作動をさせず、前記した方法により合焦を行う。例えば、山登り式検出動作を行っている際は、位相差AFセンサ111の動作や演算部113等の動作を行わないようにする。
【0081】
また、位相式合焦手段においても同様に山登り式合焦手段に関する装置への電力供給のストップや省電力モードにすることにより、山登り式の合焦動作をさせず、前記した方法により合焦を行う。例えば、高周波信号抽出部106等の動作をとめる。
【0082】
そして、山登り式及び位相差式の合焦装置を用いる場合は、前述した図3乃至図5の動作を行うことで合焦動作を行う。
【0083】
かくして、本発明の撮影装置においては、環境に応じて合焦手段を変えることができることで、ユーザは環境に応じてすばやく撮影したい被写体を撮影する事ができた。
【0084】
また、合焦モードに応じて電力の消費も違うことから、合焦モードを選択することで消費電力を抑え、長時間撮影を可能とする撮影装置を提供することができた。
【0085】
なお、本発明は上記実施の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々の改良や変更等は何ら差し支えない。
【0086】
例えば本実施例では、焦点ずれ量の誤差の大きさの評価に相関演算の結果より求まるsxmin、kmaxを定義したが、これらの値の他に、センサデータそのものの振幅や周波数成分等、焦点ずれ量の評価を計ることの可能な値を組み合わせて判定することもできる。
【0087】
また、本発明の自動合焦装置は携帯電話やPDA等の通信端末に撮像端末を設けたものにも使用できる。
【0088】
さらに、撮影装置においては、その構成を実施例に限定されず、例えば保養時パネルに表示される設定やモード、各種スイッチによって行われるそれぞれのモード等の設定は適宜変更することができる。
【0089】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、演算手段にて算出した焦点ずれ量に対応して山登り式合焦手段の作動を行うか否かの判定をする判定手段を備えたことで、高速で高精度な合焦装置を提供できた。
【0090】
また、撮影装置においては装置の環境に対応し、すばやく撮影を行うことのできる高精度な撮影装置を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における自動合焦装置を搭載した撮像装置のブロック図である。
【図2】SX値の変化を表すグラフである。
【図3】本発明の基本動作のフローチャートである。
【図4】本発明の他の基本動作のフローチャートである。
【図5】本発明のさらに他の基本動作のフローチャートである。
【図6】本発明の撮影装置を示すカメラの上面図であり、(a)は電源OFF時、(B)は電源ON時、(C)は被写体に対応してレンズが繰り出された時である。
【図7】山登り式自動合焦装置のブロック図である。
【図8】フォーカスレンズ位置と焦点評価信号との関係を表す図である。
【図9】位相差式の自動合焦装置の構成図である。
【図10】撮影レンズとAFモジュールの構成図である。
【符号の説明】
101・・・撮影レンズ
102・・・プリズム
103・・・撮像用光電変換素子
104・・・光電変換素子駆動部
105・・・画像処理・記録部
106・・・高周波信号抽出部
107・・・撮影コントロール部
108・・・信号評価部
109・・・モニター表示
110・・・AF光学系
111・・・位相差AFセンサ
112・・・センサ制御部
113・・・焦点ずれ量演算部
114・・・評価・合焦判定部
115・・・ピント制御部
116・・・レンズ駆動制御部
【発明の属する技術分野】
電子カメラ、ビデオカメラ等の電気的に被写体を撮影する機器における自動合焦装置及び撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、被写体を撮影する際に自動合焦装置にてピントを合せ、良好な画像を得る電子カメラ等が開発されている。この自動合焦装置の方式には何種類かの方法があり、例えば、特許文献1の如くビデオカメラ等で用いられる山登り式、特許文献2に示す如く一眼レフカメラ等で用いられる位相差式が用いられている。
【0003】
この山登り式と位相差式について図7乃至図10にて説明する。
【0004】
図7は山登り式自動合焦装置のブロック図であり、図8はフォーカスレンズ位置と焦点評価信号との関係を表す図である。図9は位相差式の自動合焦装置の構成図であり、図10は撮影レンズとAFモジュールの構成図である。
【0005】
山登り式の自動合焦装置は、図7に示す如く被写体を撮像する光電変換素子501からの映像信号をハイパスフィルタ(HPF)502を通し高周波成分を取り出し、レンズ駆動制御部504により微少ステップでレンズを駆動しながら高周波信号を得る。同時に信号評価部503で合焦かどうかを評価し、その結果により合焦で無ければ更に駆動を続ける。
【0006】
焦点ずれ量が大きいと光電変換素子501上の像はぼけているので、取り出した高周波信号の振幅も小さい、しかし、レンズが駆動され合焦地点に近づくにつれ光電変換素子501上の像はピントが合ってくるので高周波信号の振幅も大きくなる。図7に示す通りP1からレンズ駆動がスタートすると合焦点P2に近づくにつれ信号振幅は増加する。そして、合焦点P2を通り越すと再び像はぼけるので、信号振幅は小さくなる。小さくなるとレンズを逆方向に駆動しP2点へ戻り合焦に至る。これが山登り式の基本動作である。
【0007】
次に位相差式の自動合焦装置について説明すると、図9に示すように撮像用光電変換素子704と等価の位置に位相差検出用AF光学モジュール701を配置し、光路の被写体側には撮影レンズ702を配置し、この撮影レンズ702を通過する光をプリズム703にて撮像用光電変換素子704とAF光学モジュール701へ分割する。このプリズムで被写体光を位相差AF用、撮像用に分割する。
【0008】
AF光学モジュール701について更に詳述すると、図10に示す如く基本構成は視野マスク801、コンデンサレンズ802,絞りマスク803、再結像レンズ804、位相差用光電変換素子805で構成し、撮影レンズ702の特定の射出面を通過した光束806a、806bは図10のように1対の像として光電変換素子805上に結像する。
【0009】
そして、光電変換素子805上に表示された一対の像の一方と他方の像間隔により合焦をすることができる。
【0010】
すなわち、AF光学モジュールの設計により合焦時の像間隔が決まり、焦点ずれが前ピンの場合には像間隔が広がり、後ピンの場合は像間隔が狭くなる。設計上決まる合焦時の像間隔と焦点ずれ時の像間隔の差から、焦点ずれ量とずれ方向が算出され、撮影レンズ702を駆動して合焦状態を得ることができる。
【0011】
かくして、これら山登り式の合焦装置や位相差式の合焦装置により、ピントの合った画像を撮影することができる。
【0012】
〔特許文献1〕
特開平7−143381号公報
〔特許文献2〕
特開2001−42206号公報
【0013】
【発明が解決する課題】
しかしながら、それぞれの山登り方式と位相差式の合焦装置には、長所と短所がある。山登り式については、長所として撮像用素子そのものの出力信号を加工して使用するため、合焦装置の結果と実際の撮像した映像のずれが発生しにくく、撮像素子の取り付け誤差のばらつきによるピントの影響をうち消すことが出来る。しかし、短所としてレンズを微少ステップで駆動しながら撮像を行い焦点ずれ信号を得るので、撮像タイミングとの関係であまり駆動速度を上げることができないとともに、図8で示したように信号のピーク位置を探すことになるので必ず合焦ポイントを通りすぎなければならず、合焦までに時間がかかる問題がある。
【0014】
また、位相差式については、合焦装置の光電変換素子は多くてもせいぜい数百画素であり撮像用素子と比べると圧倒的に少ないためデータの読み出しに時間がかからない。また、ピントのずれ量をダイレクトに検出できるので、直接合焦点にレンズを駆動することが出来、山登り式より高速に合焦が得られる。しかし、その短所として、撮像用素子と別素子で検出する位相差式においてはおけるピント精度が焦点検出用素子に依存してしまい、素子によっては撮像結果のピントは必ずしも適正ではない問題がある。
【0015】
本発明は叙上に鑑みて鋭意研究の結果完成されたものであり、その目的は、高速で高精度な合焦結果を得る山登り式合焦装置と位相差式合焦装置を併用した自動合焦装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動合焦装置は、被写体を撮影レンズを介して電気的に撮像するための撮像手段と、該撮像手段から得られる画像データを評価する評価手段と、該評価手段にて評価した評価値に基づいて合焦を行う第1の合焦手段と、前記撮影レンズを介した被写体像を1対の像として再結像する光学手段と、該1対の像に関する光量分布を検出し電気信号に変換する変換手段と、該変換手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する演算手段とを有し、前記焦点ずれ量に基づいて合焦を行う第2の合焦手段とを備え、前記演算手段にて算出した焦点ずれ量に対応して第1の合焦手段または第2の合焦手段を作動することを特徴とする。
【0017】
本発明の自動合焦装置は、被写体を撮影レンズを介して電気的に撮像するための撮像手段と、該撮像手段から得られる画像データを評価する評価手段と、該評価手段にて評価した評価値に基づいて合焦を行う第1の合焦手段と、前記撮影レンズを介した被写体像を1対の像として再結像する光学手段と、該1対の像に関する光量分布を検出し電気信号に変換する変換手段と、該変換手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する演算手段とを有し、前記焦点ずれ量に基づいて合焦を行う第2の合焦手段とを備え、前記第2の合焦手段を作動した後、前記演算手段により算出した焦点ずれ量に応じて、第2の合焦手段から第1の合焦手段に切り替えることを特徴とする。
【0018】
本発明の自動合焦装置は、前記1対の像の一方と他方の照合度を判定する照合度判定手段と、前記変換手段から入力する入力信号の大きさを判定する信号量判定手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の自動合焦装置は、前記第1の合焦手段又は前記第2の合焦手段の作動前に、前記照合判定手段と信号量判定手段の少なくとも一方の評価に対応して前記第1の合焦手段及び前記第2の合焦手段を同時に作動することを特徴とする。
【0020】
本発明の自動合焦装置は、前記照合度判定手段にて前記1対の像の一方と他方の照合度が設定する所定の範囲より小さいとの判定、または前記信号量判定手段から設定する所定の信号量より小さいとの判定に基づいて前記第1の合焦手段および第2の合焦手段を作動することを特徴とする。
【0021】
本発明の撮影装置は、被写体を撮影レンズを介して電気的に撮像するための撮像手段と、該撮像手段から得られる画像データを評価する評価手段と、該評価手段にて評価した評価値に基づいて合焦を行う第1の合焦手段と、前記撮影レンズを介した被写体像を1対の像として再結像する光学手段と、該1対の像に関する光量分布を検出し電気信号に変換する変換手段と、該変換手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する演算手段とを有し、前記焦点ずれ量に基づいて合焦を行う第2の合焦手段とを備え、前記演算手段にて算出した焦点ずれ量に対応して第1の合焦手段または第2の合焦手段を作動することを特徴とする。
【0022】
本発明の撮影装置は、被写体を撮影レンズを介して電気的に撮像するための撮像手段と、該撮像手段から得られる画像データを評価する評価手段と、該評価手段にて評価した評価値に基づいて合焦を行う第1の合焦手段と、前記撮影レンズを介した被写体像を1対の像として再結像する光学手段と、該1対の像に関する光量分布を検出し電気信号に変換する変換手段と、該変換手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する演算手段とを有し、前記焦点ずれ量に基づいて合焦を行う第2の合焦手段とを備え、前記第2の合焦手段を作動した後、前記演算手段により算出した焦点ずれ量に応じて、第2の合焦手段から第1の合焦手段に切り替えることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
(自動合焦装置)
以下、図でもって本発明の実施例を説明する。
【0024】
図1は、本発明における自動合焦装置を搭載した撮像装置のブロック図である。
【0025】
まず、被写体からの光は撮影レンズ101を通過し、プリズム102にて撮像用光電変換素子103とAF光学系110とに分割される。なお、光の分割比はカメラ等の撮像装置の仕様に応じて変えるが、ここでは5:5の均等分割にする。分割比を変えると光の増加した方には光に対する装置の反応が高くなり、光が減少した方は反応が低下することになる。
【0026】
ここで、光の分割経路の一方である撮像用光電変換素子103側の制御について述べる。
【0027】
駆動信号を送出して光電変換動作及び信号の取出しの制御を行う光電変換素子駆動部104と、実際に撮影を行った際に、撮像用光電変換素子103の信号をAD変換後デジタルデータとして画像処理を行いメモリに記憶する画像処理・記憶部105と、撮像用光電変換素子103から高周波信号を抽出する高周波抽出部106とをCCDエリアセンサやCMOSエリアセンサ等からなる撮像用光電変換素子103に接続する。
【0028】
また、前記高周波抽出部106から抽出された高周波の出力を増加方向または減少方向であるのかを評価する信号評価部108を高周波抽出部106に接続し、光電変換素子駆動部104と画像処理・記憶部105に双方を総合的にコントロールする撮影コントロール部107を接続し、このコントロール部107に撮像装置が撮影動作の間被写体の画像を表示するモニター表示109を接続する。
【0029】
さらに、前記コントロール部107と前記信号評価部108にピント位置を総合的に評価するピント制御部115を接続し、このピント制御部115に撮影レンズ101を移動するレンズ駆動制御部116が接続されている。
【0030】
かくして上記構成によれば、被写体からの光をプリズム102を介して撮像用光電変換素子103に入射し、撮像用光電変換素子103にて信号に変換し、被写体の画像をモニター表示109に表示するとともに、高周波信号抽出部106にて高周波信号が抽出し、信号評価部108にて出力を評価し、その結果をピント制御部115に送信し、山登り式の合焦を行うことができ、撮影時には画像処理・記録部105等により画像を記録することができる。
【0031】
次に、光の他方の分割経路であるAF光学系110側について詳述する。
【0032】
プリズム102により分割した光をAF光学系110に入射し、位相差用AFセンサ111に結像させる。
【0033】
その構成は図9に示す従来の構成と同様であり、AF光学系110が従来の視野マスク801,コンデンサレンズ802,絞りマスク803及び再結像レンズ804とを組み合わせた構成であり、位相差AFセンサ111が光電変換素子805である。なお、これらの部材がAF光学系110および位相差AFセンサ111のどちらに属するかは適宜変更可能である。
【0034】
位相差AFセンサ111はCCDやCMOSのラインセンサ、エリアセンサ等からなりセンサ制御部112に接続し、このセンサ制御部112に送出される駆動信号で動作する。
【0035】
また、位相差AFセンサ111には、センサ制御部112の他に像間隔を算出する演算部113も接続し、この演算部113に焦点ずれ量及びセンサ制御部112に入射される光の光量分布状態等を算出する演算部113を接続し、この演算部113にて算出する光量分布等の結果から焦点ずれ量がノイズ等の影響を受けてどの程度誤差があるのかを評価するとともに、評価の結果焦点ずれ量の合焦の範囲内であるかの判定もする評価・合焦判定部114を接続し、この評価・合焦判定部114と前記センサ制御部112とに前記ピント制御部115を接続し、さらにこのピント制御部115にレンズ駆動制御部116を接続して、評価・合焦判定部114の判定結果に基づいて前記ピント制御部116にてレンズを駆動し、位相差式の合焦を行うことができる。
【0036】
なお、評価・合焦判定部114にて、焦点ずれ量及び焦点ずれ量の評価を行っているが、独立して行うようにしてもよい。
【0037】
ここで、前記した像間隔の求め方及び焦点ずれ量の評価について説明する。
【0038】
位相差式焦点検出装置では再結像レンズで2分割した同一像がセンサ上に結像し、位相差AFセンサ111で出力されたそれぞれの出力データをAi、Bi(i=1〜n)とする。同一像が結像されているので、Aデータ列とBデータ列はどこかの部分で一致する。それを式1の計算で探し出し、一致したときの像間隔を求める。
【0039】
SXj=ΣAk+l−Bj+l (l=0〜m、j=1〜mm) 式1
式1はA列データのk番目からm個分を1データずつB列の1番目のデータから差し引いてその結果を加算している。m個分終了した時点でSXがひとつ求まる。次にA列データは同じままで、B列データの開始位置を1データシフトしてm個分同様に差し引き、結果を加算する。これをmm回繰り返す。A列のデータm個分の領域がB列のデータと一致すると、そのときのSX値は理想状態ではゼロになり、このときのmmの値が間接的に像間隔を表す。なお、SX値は一致するとゼロになると述べたがセンサノイズ等の誤差要因によってゼロにはならない。従って最小値の部分を一致点と見る。
【0040】
mmの値はセンサデータ1画素ピッチで決まる分解能でしかない、これでは焦点検出精度に不十分であるので、mmのSX値、mm前後のSX値で補間演算を行い、精度を高める。なお、補間演算式については省略する。
【0041】
なお、本発明では判定結果に応じて山登り式合焦装置を動作させるか位相差式の結果を採用するかの判定にも使用する。判定のもととなる判定値はSX値から求める。
【0042】
図2はSX値の変化を表すグラフである。
【0043】
mmの総数は7で、mm=3で最小を示す例である。判定値は図中のkmax、sxminである。被写体にコントラストがありセンサ信号が十分に得られるような被写体ではkmaxは大きくなり、sxminは小さくなる。被写体が低コントラストであったり暗くなったりするとセンサ信号が十分では無くなり、kmaxは小さくsxminは大きくなる。また被写体の状態によってはsxminが小さいものの、kmaxも小さい場合もある。
【0044】
したがって、kmaxまたはsxminの判定値より被写体からの光によりセンサ信号やコントラスト等が十分に得られると焦点ずれ量の算出誤差の大きさは小さくなり、逆にセンサ信号やコントラスト等が十分に得られていなければ焦点ずれ量の算出誤差の大きさは大きくなることから、焦点ずれ量の誤差が大きいか否かの評価にkmax及びsxminを用いる。
【0045】
ここで、上記山登り式合焦装置と位相差式合焦装置を併用した本発明の焦点検出動作についてフローチャートを使って説明する。図3は本発明の基本動作のフローチャートである。
【0046】
まず、位相差用AFセンサ111にて入射する光の蓄積動作を行い(ステップ301)、センサデータを得る(ステップ302)。そのデータから上述した式1によりSX値を演算部113にて算出し(ステップ303)、この算出したSX値から焦点ずれ量、sxmin及びkmaxを抽出し、sxminから位相差AFセンサ111に入射した一対の光の一方と他方の光の照合度を判定し(ステップ304)、kmaxより光の入射量からセンサ信号が十分得られているかの判定(ステップ305)をおこなう。本実施例ではsxminが50以上またはkmaxが150以下で不能フラグをセット(ステップ306)する。不能時の処理は後述する。
【0047】
不能で無い場合はステップ307へ進み、合焦かどうかの判定をピント制御部115にて行う。ここでは焦点ずれ量が、装着レンズの(開放焦点深度/2)以内であれば合焦とする。開放焦点深度とは装着レンズの開放絞り値に最小錯乱円を乗じた値で一般的にいわれている。35mmフィルムの場合最小錯乱円は約30μmといわれるが、デジタルカメラの場合、撮像素子の画素サイズでいわれる場合が多い。
【0048】
この焦点深度内にピント位置がくればピントのボケを写真上で感じない範囲である。しかし、前後のボケ具合が異なるので、焦点検出装置の検出精度はできるだけ深度の中心を狙うのが望ましい。従って本実施例では1/2の深度で判定している。もっと厳しくするならば1/3、1/4としても良い。
【0049】
ステップ407で合焦と判定できれば合焦フラグをセットし(ステップ308)、焦点検出動作は終了する。
【0050】
一方、合焦ではない場合は、ステップ309にてこのまま位相差式の焦点検出結果を基にレンズ駆動制御部116にてレンズを駆動するか、山登り式に切り替えるかをピント制御手段116にて判定する。その判定基準は開放焦点深度にて評価し、開放焦点深度が焦点ずれ量より小さければ山登り式合焦装置を起動する(ステップ313)。
【0051】
これは、最初から合焦であればレンズ駆動させる必要は無いが、レンズ駆動させるならば山登り式合焦装置でしっかりピントのピークをつかもうという目的によるものである。ただし、駆動量が多くなる場合は合焦近くまでは速度の速い位相差式でAFを行うとよく、そのためステップ309でNOと判定されれば、位相差式の焦点ずれ量の結果からレンズ駆動制御部116にてレンズ駆動を行い、最初のステップへ戻り位相差式の焦点検出を続行し(ステップ310、311、312)、上記ステップを再び繰り返すことで、位相差式の合焦から山登り式の合焦への切り替えや位相差式の合焦から位相差式及び山登り式の合焦への切り替えが行われる。
【0052】
なお、上述のように判定基準を開放焦点深度としたが、位相差式、山登り式それぞれの検出精度に応じて開放焦点深度を2倍、3倍にして精度を高めてもよい。
【0053】
そして、好ましくは、合焦する際に初めは位相差式行い、最後の合焦点付近のみ山登り式の合焦動作することによって、合焦時間の短縮化をすることができる。
【0054】
次に位相差式焦点検出結果が不能の場合の処理について述べる。
【0055】
不能な場合には、レンズを動作させながら焦点検出動作も同時に行う、不能サーチ駆動を行う。この場合は位相差式と山登り式を両方とも作動させて、焦点検出確率を高める。
【0056】
すなわち、山登り式合焦装置を用いることで、合焦点までのレンズ移動方向を知ることがきるとともに、位相差式の合焦装置にて、すばやく合焦点までのレンズの移動距離を判定し、所要の合焦点を得ることができる。
【0057】
不能サーチ中に位相差の結果が求まれば図3、あるいは図5のフローで示した流れに制御を移行させる。
【0058】
山登り式合焦装置については従来の図6および図7で説明した動作をおこなうのでここでの動作の説明は省略する。
【0059】
なお、山登り式合焦装置を動作している間に、焦点ずれ量と開放焦点深度の関係がステップ307の関係になったことがピント制御部115で判定された場合に、再び位相差式の合焦装置を作動させるようにすることもできる。
【0060】
かくして、上記構成の自動合焦装置によれば、被写体からの光をプリズム102で分割し、位相差AFセンサ111に入射させ、焦点ずれ量を演算部113にて算出し、この算出結果から山登り式の合焦を行うかどうかの判断をピント制御部115にて行うことで、レンズの合焦速度を向上させることができるとともに、合焦の精度も向上することができ、操作者にとって使い勝手の向上した自動合焦装置を提供することができた。
【0061】
次に、本発明の他の実施例について図にて説明する。図4および図5は本発明の他の基本動作フローである。
【0062】
なお、図3と同一ステップを行うものには同一符号を付す。
【0063】
図4のフローにおいては、ほとんどの処理フローが図3と同じであるが、ステップ307で合焦判定をおこない、ステップ309で位相差、山登り選択判定を行う前にステップ401として焦点ずれ量の誤差の程度の評価を再び行っている。この判定は、焦点ずれ量の誤差の程度が所定範囲より小さい場合、あえて山登り式合焦装置を起動せず位相差の結果で合焦点までレンズを駆動するものである。この判定を追加するといたずらに時間をかけることなく、精度も落とさずに合焦させることができる。実施例では判定基準をkmaxが500以上、sxminが20以下の両方を満足する場合とした。この値も各焦点検出装置の能力に応じて最良の値を選択すればよい。
【0064】
また、図5では図4に別の処理を加えたものであり、ステップ311でレンズが駆動されているか判定した後、駆動中であればステップ402で残り駆動パルス数が開放焦点深度未満であれば山登り式合焦装置を動作させるものである。図3では位相差式の結果でのみ判定していたが、残り駆動パルスでも山登り式の起動判定を行うことができる。
【0065】
すなわち、残り駆動パルスによって、合焦点までのレンズの残り移動量が判定され、この残りの移動量が開放焦点深度未満であれば山登り式の合焦動作をさせることなく、位相差式の合焦動作を行うものである。
【0066】
したがって、合焦時間を短くすることができ操作者にとっては、すぐに被写体を撮影する状態にすることができるものである。この構成を図3に対してステップ402を追加することもできる。
【0067】
なお、上述したフローにおいてステップ309でNOと判定され、最初へ戻り繰り返す場合に、最初からステップ309までのステップを複数行っても合焦点が特定されない場合は、所要の回数に達したらステップ313に進むように設定することができる。
【0068】
また、ステップ307にて合焦と判断された後に、さらに焦点ずれ量を小さくしたい場合に、ステップ312に進むようにすることもできる。
【0069】
かくして、本発明の合焦装置によれば、演算部113にて算出した焦点ずれ量に対応して山登り式合焦手段の作動を行うか否かの判定をする評価・合焦判定部114を備えたことで、位相差式焦点検出結果が合焦であれば、合焦動作をせずともよく、位相差式合焦手段にて合焦近傍になれば山登り式合焦装置を起動することにより合焦点の精度を高めることができると共に、合焦速度を向上させることができる。
【0070】
また、位相差式焦点検出結果が不能の場合は、不能サーチ駆動時に位相差式、山登り式を同時に動作させ検出確率を上げることができる。
【0071】
このように、位相差式焦点検出結果をもとに、位相差式と山登り式を状況に応じて組み合わせることにより、高速で精度の良い焦点検出装置とすることができる。
【0072】
(撮影装置)
次に本発明の撮影装置について図6でもって説明する。
【0073】
図6は本発明の撮影装置を示すカメラの上面図であり、(a)は電源OFF時、(B)は電源ON時、(C)は被写体に対応してレンズが繰り出された時である。
【0074】
カメラ上面401には、レリーズボタン406,メインスイッチ407,表示パネル402,メニューボタン404,ストロボモードボタン403が設けられている。メニューボタン404を押すと、表示パネル402には順番に露出補正モード,セルフモード,ロングタイム(LT)モードおよびMF/AF設定のモードが表示され各モードを選択することができる。メニューボタン404によってMF/AF設定を選択すると、表示パネル402にはAFの文字のみが点滅し、JOGダイヤル405を回転させるとMFの文字が点滅するとともに最初の設定距離が表示される。JOGダイヤル405は、上述したようにメニューボタン404で選択され表示パネル(LCD)2に表示される露出補正モード,セルフモード,ロングタイムモード,MF/AF設定のモード,撮影データの編集モードや撮影モード等、各値を1つずつ順番に表示させるダイヤルである。
【0075】
メニューボタン404によってMF/AF設定において、AFに設定するとAFのモードをJOGダイヤル405によって選択し、環境に適した撮影を行う。
【0076】
次に、カメラの動作について説明すると、メインスイッチ407によって装置の電源をONすると、図6に示す如く、レンズが装置本体から繰り出され、表示パネル402には、撮影枚数やMF/AF等の設定状態などが表示される。
【0077】
このとき、JOGダイヤル405により撮影モードであると、図示しない撮影装置のレンズの背面側に設けた表示パネル等により被写体が表示され、各種装置の設定や露出設定等が表示され、レリーズボタン406を押すことにより撮影され、撮影装置に内臓または外部より装置本体に着脱可能な記憶装置に撮影データが記憶される。レリーズボタン406が2段式の押しボタンである場合は、1段階目まで押すことで、図6の(C)に示す如くレンズを矢印の如く動作させ、フォーカスをあわせる。もちろんこのときは、MF/AFの設定はAFモードである。
【0078】
ここで、AFのモード設定による動作について詳述する。
【0079】
AFのモードの設定は、環境等により山登り式合焦手段のみの動作、位相差式合焦手段のみの動作、山登り式合焦手段及び位相差式合焦手段の両方の動作の3つのモードがあり、これを選択することで装置の合焦を行う。
【0080】
まず、山登り式の合焦手段では図1に示す如く、位相差式の合焦手段に関する装置への電力供給のストップや省電力モードにすることにより、作動をさせず、前記した方法により合焦を行う。例えば、山登り式検出動作を行っている際は、位相差AFセンサ111の動作や演算部113等の動作を行わないようにする。
【0081】
また、位相式合焦手段においても同様に山登り式合焦手段に関する装置への電力供給のストップや省電力モードにすることにより、山登り式の合焦動作をさせず、前記した方法により合焦を行う。例えば、高周波信号抽出部106等の動作をとめる。
【0082】
そして、山登り式及び位相差式の合焦装置を用いる場合は、前述した図3乃至図5の動作を行うことで合焦動作を行う。
【0083】
かくして、本発明の撮影装置においては、環境に応じて合焦手段を変えることができることで、ユーザは環境に応じてすばやく撮影したい被写体を撮影する事ができた。
【0084】
また、合焦モードに応じて電力の消費も違うことから、合焦モードを選択することで消費電力を抑え、長時間撮影を可能とする撮影装置を提供することができた。
【0085】
なお、本発明は上記実施の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々の改良や変更等は何ら差し支えない。
【0086】
例えば本実施例では、焦点ずれ量の誤差の大きさの評価に相関演算の結果より求まるsxmin、kmaxを定義したが、これらの値の他に、センサデータそのものの振幅や周波数成分等、焦点ずれ量の評価を計ることの可能な値を組み合わせて判定することもできる。
【0087】
また、本発明の自動合焦装置は携帯電話やPDA等の通信端末に撮像端末を設けたものにも使用できる。
【0088】
さらに、撮影装置においては、その構成を実施例に限定されず、例えば保養時パネルに表示される設定やモード、各種スイッチによって行われるそれぞれのモード等の設定は適宜変更することができる。
【0089】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、演算手段にて算出した焦点ずれ量に対応して山登り式合焦手段の作動を行うか否かの判定をする判定手段を備えたことで、高速で高精度な合焦装置を提供できた。
【0090】
また、撮影装置においては装置の環境に対応し、すばやく撮影を行うことのできる高精度な撮影装置を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における自動合焦装置を搭載した撮像装置のブロック図である。
【図2】SX値の変化を表すグラフである。
【図3】本発明の基本動作のフローチャートである。
【図4】本発明の他の基本動作のフローチャートである。
【図5】本発明のさらに他の基本動作のフローチャートである。
【図6】本発明の撮影装置を示すカメラの上面図であり、(a)は電源OFF時、(B)は電源ON時、(C)は被写体に対応してレンズが繰り出された時である。
【図7】山登り式自動合焦装置のブロック図である。
【図8】フォーカスレンズ位置と焦点評価信号との関係を表す図である。
【図9】位相差式の自動合焦装置の構成図である。
【図10】撮影レンズとAFモジュールの構成図である。
【符号の説明】
101・・・撮影レンズ
102・・・プリズム
103・・・撮像用光電変換素子
104・・・光電変換素子駆動部
105・・・画像処理・記録部
106・・・高周波信号抽出部
107・・・撮影コントロール部
108・・・信号評価部
109・・・モニター表示
110・・・AF光学系
111・・・位相差AFセンサ
112・・・センサ制御部
113・・・焦点ずれ量演算部
114・・・評価・合焦判定部
115・・・ピント制御部
116・・・レンズ駆動制御部
Claims (7)
- 被写体を撮影レンズを介して電気的に撮像するための撮像手段と、該撮像手段から得られる画像データを評価する評価手段と、該評価手段にて評価した評価値に基づいて合焦を行う第1の合焦手段と、
前記撮影レンズを介した被写体像を1対の像として再結像する光学手段と、該1対の像に関する光量分布を検出し電気信号に変換する変換手段と、該変換手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する演算手段とを有し、前記焦点ずれ量に基づいて合焦を行う第2の合焦手段とを備え、
前記演算手段にて算出した焦点ずれ量に対応して第1の合焦手段または第2の合焦手段を作動することを特徴とする自動合焦装置。 - 被写体を撮影レンズを介して電気的に撮像するための撮像手段と、該撮像手段から得られる画像データを評価する評価手段と、該評価手段にて評価した評価値に基づいて合焦を行う第1の合焦手段と、
前記撮影レンズを介した被写体像を1対の像として再結像する光学手段と、該1対の像に関する光量分布を検出し電気信号に変換する変換手段と、該変換手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する演算手段とを有し、前記焦点ずれ量に基づいて合焦を行う第2の合焦手段とを備え、
前記第2の合焦手段を作動した後、前記演算手段により算出した焦点ずれ量に応じて、第2の合焦手段から第1の合焦手段に切り替えることを特徴とする自動合焦装置。 - 前記1対の像の一方と他方の照合度を判定する照合度判定手段と、前記変換手段から入力する入力信号の大きさを判定する信号量判定手段とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動合焦装置。
- 前記第1の合焦手段又は前記第2の合焦手段の少なくとも作動前に、前記照合判定手段と信号量判定手段の少なくとも一方の評価に対応して前記第1の合焦手段及び前記第2の合焦手段を同時に作動することを特徴とする請求項3記載の自動合焦装置。
- 前記照合度判定手段にて前記1対の像の一方と他方の照合度が設定する所定の範囲より小さいとの判定、または前記信号量判定手段から設定する所定の信号量より小さいとの判定に基づいて前記第1の合焦手段および第2の合焦手段を作動することを特徴とする請求項4記載の自動合焦装置。
- 被写体を撮影レンズを介して電気的に撮像するための撮像手段と、該撮像手段から得られる画像データを評価する評価手段と、該評価手段にて評価した評価値に基づいて合焦を行う第1の合焦手段と、
前記撮影レンズを介した被写体像を1対の像として再結像する光学手段と、該1対の像に関する光量分布を検出し電気信号に変換する変換手段と、該変換手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する演算手段とを有し、前記焦点ずれ量に基づいて合焦を行う第2の合焦手段とを備え、
前記演算手段にて算出した焦点ずれ量に対応して第1の合焦手段または第2の合焦手段を作動することを特徴とする撮影装置。 - 被写体を撮影レンズを介して電気的に撮像するための撮像手段と、該撮像手段から得られる画像データを評価する評価手段と、該評価手段にて評価した評価値に基づいて合焦を行う第1の合焦手段と、
前記撮影レンズを介した被写体像を1対の像として再結像する光学手段と、該1対の像に関する光量分布を検出し電気信号に変換する変換手段と、該変換手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する演算手段とを有し、前記焦点ずれ量に基づいて合焦を行う第2の合焦手段とを備え、
前記第2の合焦手段を作動した後、前記演算手段により算出した焦点ずれ量に応じて、第2の合焦手段から第1の合焦手段に切り替えることを特徴とする撮影装置。
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