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JP2004191403A - 感光性重合体組成物及びパターン製造方法及び電子部品 - Google Patents

感光性重合体組成物及びパターン製造方法及び電子部品 Download PDF

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JP2004191403A
JP2004191403A JP2002355584A JP2002355584A JP2004191403A JP 2004191403 A JP2004191403 A JP 2004191403A JP 2002355584 A JP2002355584 A JP 2002355584A JP 2002355584 A JP2002355584 A JP 2002355584A JP 2004191403 A JP2004191403 A JP 2004191403A
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JP
Japan
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group
polymer composition
photosensitive polymer
pattern
component
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JP2002355584A
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English (en)
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Noriyuki Yamazaki
範幸 山崎
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HD MicroSystems Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical DuPont Microsystems Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】本発明は、基板との密着性に優れ、感度が高く、パタ−ン形状、解像性及び保存安定性に優れる耐熱性感光性重合体組成物、パターンの製造方法及び信頼性の高い電子部品を提供する。
【解決手段】a)アルカリ水溶液可溶性のポリイミド前駆体又はポリイミド、(b)光により酸を発生する化合物、(c)芳香環に直接結合した炭素上に水酸基を有する三級アルコールを少なくとも1つ以上有する化合物、並びに(d)一般式(I)
【化1】
Figure 2004191403

(式中、nは1〜10の整数、R1及びR2は各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、pは0〜3の整数を示す)で示されるシラン化合物を含有してなる感光性重合体組成物及びパターン製造法及び電子部品。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性感光性重合体組成物及びこの組成物を用いたパターンの製造法に関し、さらに詳しくは、加熱処理により半導体素子等の電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜等として適用可能なポリイミド系耐熱性高分子となる耐熱性感光性重合体組成物及びこの組成物を用いたパターンの製造法及び電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミドは耐熱性及び機械特性に優れ、また、膜形成が容易であり、表面を平坦化できる等の利点から、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜として広く使用されている。ポリイミドを表面保護膜又は層間絶縁膜として使用する場合、スルーホール等の形成工程は、主にポジ型のホトレジストを用いるエッチングプロセスによって行われている。しかし、工程にはホトレジストの塗布や剥離が含まれ、煩雑であるという問題がある。そこで作業工程の合理化を目的に感光性を兼ね備えた耐熱性材料の検討がなされてきた。
【0003】
感光性ポリイミド組成物に関しては、1.エステル結合により感光基を導入したポリイミド前駆体組成物(例えば、特許文献1参照。)、2.ポリアミド酸に化学線により2量化または重合可能な炭素−炭素二重結合及びアミノ基と芳香族ビスアジドを含む化合物を添加した組成物(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
【0004】
感光性ポリイミド組成物の使用に際しては、通常、溶液状態で基板上に塗布後乾燥し、マスクを介して活性光線を照射し、露光部を現像液で除去し、パターンを形成する。上記1,2の組成物は光照射で生成するラジカル活性種による架橋反応を利用したネガ型であり、現像に有機溶剤を使用する。しかし、これら架橋系パターン形成材料はパターン形成に要する照射量が多い、架橋剤を含有するため暗反応による分子量の増大が起こり、保存時の組成物の粘度変化が大きく、保存安定性が低いなどの問題がある。さらに、下地基板との密着性が低い場合、接着助剤として、シラン化合物を添加すると接着性が向上する一方で増粘するといった問題もしばしば発生する。また、近年、環境問題の点で有機溶剤から水系現像液の要望も強まっている。
【0005】
一方、架橋反応ではなく、三級アルコールの極性変換反応に基づくネガ形パターン形成材料として(例えば、特許文献3、4及び5参照。)に記載されているものが知られている。これら極性変換系パターン形成材料は架橋系パターン形成材料に比べて、高感度、高解像度であり、寸法精度、並びに安定性に優れるという特徴を有している。これらは、半導体微細加工用のフォトレジストとしての使用を目的としており、フォトレジストをマスクにして下地膜をエッチングした後、通常、除去される。しかし、このような、極性変換系パターン形成材料をバッファーコート膜、層間絶縁膜として半永久的に半導体素子中に組み込む使用法は例を見ない。
【0006】
【特許文献1】
特公昭52−30207号公報等
【0007】
【特許文献2】
特公平3−36861号公報等
【0008】
【特許文献3】
特開平2−290917号公報
【0009】
【特許文献4】
特開平4−165359号公報
【0010】
【特許文献5】
特開平7−104473号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記した従来技術の問題点を克服するものである。すなわち本発明は、感度が高く、パタ−ン形状、解像性、保存安定性、及び下地基板との密着性に優れる耐熱性感光性重合体組成物を提供するものであり、また、本発明は、前記の組成物の使用により解像度が高く、良好な形状のパターンが得られるパターンの製造方法を提供するものである。さらに、本発明は、良好な形状の精密なパターンを有することにより、信頼性の高い電子部品を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)アルカリ水溶液可溶性のポリイミド前駆体又はポリイミド、(b)光により酸を発生する化合物、(c)芳香環に直接結合した炭素上に水酸基を有する三級アルコールを少なくとも1つ以上有する化合物、並びに(d)一般式(I)
【化8】
Figure 2004191403
(式中、nは1〜10の整数、R1及びR2は各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、pは0〜3の整数を示す)で示されるシラン化合物を含有してなる感光性重合体組成物に関する。
【0013】
また本発明は、前記(a)成分が、一般式(II)
【化9】
Figure 2004191403
(式中、R1は4価の有機基を示し、R2は2価の有機基を表す)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体である感光性重合体組成物に関する。
【0014】
また本発明は、前記(a)成分が、一般式(III)
【化10】
Figure 2004191403
(式中、R1は4価の有機基を示し、R3はカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する2価の有機基を示し、R4は各々独立に1価の有機基を表す)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体である感光性重合体組成物に関する。
【0015】
また本発明は、前記(c)成分が、下記一般式(IV)〜(VII)
【化11】
Figure 2004191403
【化12】
Figure 2004191403
【化13】
Figure 2004191403
【化14】
Figure 2004191403
(式中、R1及びR2は独立に置換又は無置換の炭素数1〜4のアルキル基を示し、R3〜R6は独立に水素、ハロゲン、置換又は無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基及びフェニル基の中から選ばれる基を示す)で表される化合物である感光性重合体組成物に関する。
【0016】
また本発明は、前記のいずれかに記載の感光性重合体組成物を支持基板上に塗布し乾燥する行程、露光する工程、アルカリ現像液を用いて現像する工程及び加熱処理する工程を含むパターンの製造法に関する。さらに本発明は、前記の製造法により得られるレリーフパターンを表面保護膜又は層間絶縁膜として有してなる電子部品に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明における(a)成分は、現像液として用いられるアルカリ水溶液に可溶性であることが必要であるため、アルカリ水溶液に可溶性のポリイミド前駆体又はポリイミドから選択される重合体である。そのために、前記重合体は分子中に酸性基を有することが好ましい。本発明における重合体の種類は、耐熱性に優れ、半導体装置や多層配線板の層間絶縁膜や表面保護膜として優れた特性を示すため、ポリイミド、又は、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド酸アミド等のポリイミド前駆体である。
【0018】
(a)成分は、酸性基を有することにより、現像液として用いられるアルカリ水溶液に可溶であるが、露光後は(b)成分の光分解により生成する酸が(C)成分の三級アルコールの分子内脱水反応を起こし、イソプロペニル基に変化させるため、その溶解性が著しく低下する。このため露光部の溶解速度が下がり、未露光部との溶解速度差が生じるので、レリーフパターンが形成できる。なお、アルカリ水溶液とは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、金属水酸化物、アミン等が水に溶解された、アルカリ性を呈する水溶液である。
【0019】
(a)成分における前記酸性基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホ基等が挙げられるが、本発明で使用する重合体はカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有するものが好ましい。
【0020】
前記一般式(II)及び(III)において、R1で示される4価の有機基とは、ジアミンと反応して、ポリイミド前駆体の構造を形成しうる、テトラカルボン酸、その二無水物又はそれらの誘導体の残基であり、4価の芳香族基又は脂肪族基が好ましく、炭素原子数が4〜40のものがより好ましく、炭素原子数が4〜40の4価の芳香族基がさらに好ましい。芳香族基とは、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)を含む基をいう。4価の芳香族基としては、4個の結合部位はいずれも芳香環上に存在するものが好ましい。これらの結合部位は、2組の2個の結合部位に分けられ、その2個の結合部位が芳香環のオルト位に位置するものが好ましい。前記の2組は同一の芳香環に存在してもよいし、各種結合を介して結合している別々の芳香環に存在してもよい。
【0021】
前記一般式(II)において、R2で示される2価の有機基とは、テトラカルボン酸、その二無水物又はそれらの誘導体と反応してポリイミド前駆体の構造を形成しうるジアミンのアミノ基を除いた残基であり、芳香族基又は脂肪族基が好ましく、炭素原子数が2〜40のものがより好ましく、芳香族基がさらに好ましい。ここで、芳香族基としては、その2個の結合部位が芳香環上に直接存在するものが好ましく、この場合2個の結合部位は同一の芳香環に存在しても異なった芳香環に存在してもよい。
【0022】
前記一般式(III)において、R3で示されるカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する2価の有機基とは、テトラカルボン酸、その二無水物又はそれらの誘導体と反応してポリイミド前駆体の構造を形成しうる、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有するジアミンのアミノ基を除いた残基であり、芳香族基又は脂肪族基が好ましく、カルボキシル基を除いた炭素原子数が2〜40のものがより好ましく、芳香族基がさらに好ましい。ここで、芳香族基としては、その2個の結合部位が芳香環上に直接存在するものが好ましく、この場合2個の結合部位は同一の芳香環に存在しても異なった芳香環に存在してもよい。また、カルボキシル基又はフェノール性水酸基は1〜8個有することが好ましく、これらも芳香環に直接結合しているものが好ましい。
【0023】
一般式(III)において、R4で示される一価の有機基としては、脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基が好ましく、炭素原子数1〜20のものがより好ましい。前記一般式(II)及び(III)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体は、一般式(II)及び(III)で表される繰り返し単位以外の繰り返しを有してもよい。例えば、下記一般式(VIII)
【化15】
Figure 2004191403
(式中、R5は4価の有機基を示し、R6はカルボキシル基及びフェノール性水酸基を有しない2価の有機基を示し、R7は1価の有機基を示す)で表される繰り返し単位を有してもよい。
【0024】
一般式(VIII)において、R5で示される4価の有機基の説明は、前記一般式(II)、(III)のR1の説明と同様である。また、一般式(VIII)において、R6で示される2価の有機基の説明は、前記一般式(I)のR2の説明と同様である。さらに、一般式(VIII)において、R7で示される基のうち1価の有機基の説明は、前記一般式(III)R4の説明と同様である。なお、一般式(III)及び一般式(VIII)において、R4及びR7で示される基は、各繰り返し単位中に2つあるが、これらは同一でも異なっていてもよい。また、各ポリイミド前駆体の複数の繰り返し単位において、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7で示される基は同一でも異なっていてもよい。
【0025】
本発明における(a)成分のポリイミド前駆体又はポリイミドの分子量としては、重量平均分子量で3,000〜200,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましい。分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算し、値を得ることができる。
【0026】
本発明において、(a)成分がポリアミド酸の場合、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを有機溶剤中で反応させて得ることができる。また、(a)成分がポリアミド酸エステルの場合、例えば、テトラカルボン酸ジエステルジハライド(クロライド、ブロマイド等)と、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有するジアミンと、さらに必要に応じてカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有しないジアミンとを反応させて得ることができる。この場合、反応は脱ハロゲン酸剤の存在下に、有機溶媒中で行うことが好ましい。また、(a)成分が一般式(II)と(VIII)からなるようなポリアミド酸部分エステルの場合、前記のテトラカルボン酸二無水物とテトラカルボン酸ジエステルジハライドとジアミンを反応させることにより得られる。
【0027】
前記テトラカルボン酸ジエステルジハライドとしては、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドが好ましい。テトラカルボン酸ジエステルジクロリドは、テトラカルボン酸二無水物とアルコール化合物を反応させて得られるテトラカルボン酸ジエステルと塩化チオニルを反応させて得ることができる。
【0028】
前記テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物等の芳香族系テトラカルボン酸二酸無水物が好ましく、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0029】
前記ポリアミド酸エステルにおいて、その側鎖のエステル部位になる原料としてはアルコール化合物が用いられる。該アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール等のアルキルアルコール、フェノール、ベンジルアルコールなどが好ましく、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0030】
前記ポリアミド酸の原料として、ジアミンが用いられる。その例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、ベンジシン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族ジアミン化合物が好ましく、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
また、前記ポリアミド酸エステルや、ポリアミド酸アミド、ポリイミドのように、前記テトラカルボン酸のカルボキシル基が残存しない場合においては、重合体をアルカリ水溶液可溶とするために、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性基を有するジアミンが必要となり、このようなジアミンとしては、例えば、2,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノテレフタル酸、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)メチレン、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)エーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジカルボキシ−2,2’−ジメチルビフェニル、1,3−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−5−ヒドロキシベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の芳香族系ジアミンが好ましく、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0032】
その他、耐熱性向上のために、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3−スルホンアミド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル−4−スルホンアミド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3’−スルホンアミド、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル−4−スルホンアミド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3−カルボキサミド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボキサミド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3’−カルボキサミド、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボキサミド等のスルホンアミド基又はカルボキサミド基を有するジアミンを単独で又は2種以上併用することができ、併用する場合、これらはジアミン化合物の総量中、15モル%以下で使用することが好ましく、10モル%以下の範囲で使用することがより好ましい。
【0033】
ポリアミド酸の合成法は公知であり、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを有機溶剤中で反応させることで得られる。
【0034】
ポリアミド酸エステルの合成において、テトラカルボン酸ジエステル化合物を合成する方法としては、例えば、前記テトラカルボン酸二無水物と前記アルコール化合物を有機溶剤中、塩基の存在下混合することにより得られる。テトラカルボン酸二無水物とアルコール化合物の割合(モル比)は、前者/後者で1/2〜1/2.5の範囲とするのが好ましく、1/2とすることが最も好ましい。反応温度は10〜60℃が好ましく、反応時間は3〜24時間が好ましい。
【0035】
テトラカルボン酸ジエステルジクロリドを合成する方法は公知であり、例えば、有機溶剤に溶解したテトラカルボン酸ジエステルに塩化チオニルを滴下して反応させて得られる。テトラカルボン酸ジエステルと塩化チオニルの割合(モル比)は、前者/後者で1/1.1〜1/2.5の範囲とするのが好ましく、1/1.5〜1/2.2の範囲とするのがより好ましい。反応温度は―20〜40℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。
【0036】
ポリアミド酸エステルは、例えば、前記ジアミンとピリジンなどの脱ハロゲン酸剤を有機溶剤に溶解し、有機溶剤に溶解したテトラカルボン酸ジエステルジハライドを滴下して反応させた後、水などの貧溶剤に投入し、析出物を濾別、乾燥することにより得られる。ジアミンの総量とテトラカルボン酸ジエステルジハライドの割合(モル比)は、前者/後者で0.6/1〜1/0.6の範囲が好ましく、0.7/1〜1/0.7の範囲がより好ましい。反応温度は−20〜40℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。脱ハロゲン酸剤とテトラカルボン酸ジエステルジハライドの割合は、前者/後者(モル比)が、0.95/1〜1/0.95の範囲が好ましく、0.98/1〜1/0.98の範囲がより好ましい。
【0037】
ポリアミド酸エステルの合成において、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性基を有しないジアミン化合物を併用する場合、酸性基を有するジアミンと酸性基を有しないジアミンの使用割合は、前者20〜100モル%、後者80〜0モル%で全体が100モル%になるように使用されるのが好ましく、前者40〜100モル%、後者60〜0モル%で全体が100モル%になるように使用されるのがより好ましい。前者のジアミンは、ポリアミド酸エステルにアルカリ水溶液に対する溶解性を付与するために使用されるが、これが20モル%未満であると感度が低下したり、現像時間が長くなる傾向にある。
【0038】
本発明に使用される(b)成分である光により酸を発生する化合物は、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ナフトイルメチルテトラメチレンスルホニウム塩などのオニウム塩が用いることができる。
【0039】
オニウム塩の対アニオンはトリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、などのアルキルスルホン酸、トルエンスルホン酸などのアリールスルホン酸、テトラフルオロホウ素酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、ヘキサフルオロヒ素酸などのようなルイス酸が用いられる。
【0040】
本発明の感光性重合体組成物において、(b)成分の配合量は、露光部と未露光部の溶解速度差と、感度の許容幅の点から、(a)成分100重量部に対して0.1〜100重量部が好ましく、1〜40重量部がより好ましい。
【0041】
本発明に使用される(c)成分は芳香環に直接結合した炭素上に水酸基を有する三級アルコールを少なくとも1つ以上有する化合物である。前記一般式(III)〜(VII)のものが好ましいものとしてあげられる。具体的には、例えば、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ビス(3−ヒドロキシ−3−ペンチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−5−メトキシベンゼン、5−クロロ−1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシ−3−ペンチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2−クロロ−1,4−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、5−ブロモ−1,4−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3−ヒドロキシ−3−ペンチル)ベンゼン、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ナフタレン、1,4−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ナフタレン、9,10−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)アントラセン等が挙げられる。
【0042】
本発明の感光性重合体組成物において、(c)成分の配合量は、未露光部の現像時間と、露光部の残膜率の許容幅の点から、(a)成分100重量部に対して1〜40重量部が好ましく、5〜20重量部がより好ましい。本発明の感光性重合体組成物は、前記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を必須成分として、溶剤に溶解して得ることができる。
【0043】
溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性極性溶剤が好ましく、これらを単独で又は2種以上併用して用いられる。
【0044】
また、塗布性向上のため、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の溶剤を併用することができる。溶剤の量は特に制限はしないが、一般に組成物中溶剤の量が20〜90重量%となるように調整される。
【0045】
本発明に使用される(d)成分は、一般式(I)に示すようなメルカプト基を有する有機シラン化合物であり、溶液での安定性を維持しながら、現像後のパターン剥がれを抑制すると共に、硬化後の基板との密着性を向上することができるので好ましい。
前記一般式(I)において、R又はRで示される基は、複数存在する場合は、互いに異なっていてもよい。一般式(I)で示されるシラン化合物の具体例としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジエトキシメトキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジエトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルメトキシジプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルジエトキシメトキシシラン、2−メルカプトエチルエトキシジメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルエトキシジプロポキシシラン、2−メルカプトエチルジメトキシプロポキシシラン、2−メルカプトエチルメトキシジプロポキシシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、4−メルカプトブチルトリエトキシシラン、4−メルカプトブチルトリプロポキシシランなどが挙げられる。接着助剤の量は特に制限はしないが、(a)成分100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
【0046】
また、本発明の耐熱性感光性重合体組成物には、さらに必要に応じて一般式(I)と異なる有機シラン化合物、及びアルミキレート化合物を1種類以上併用添加することができる。一般式(I)と異なる有機シラン化合物としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシランなどがあげられる。アルミキレート化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどがあげられる。接着助剤の量は特に制限はしないが、(a)成分100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
【0047】
本発明の耐熱性感光性重合体組成物は、支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を経て、ポリイミドのレリーフパターンとすることができる。支持基板上に塗布し乾燥する工程では、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO2、SiO2等)、窒化ケイ素などの支持基板上に、この耐熱性感光性重合体組成物をスピンナーなどを用いて回転塗布後、ホットプレート、オーブンなどを用いて乾燥する。
【0048】
次いで、露光工程では、支持基板上で被膜となった感光性重合体組成物に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線などの活性光線を照射する。現像工程では、露光部を現像液で除去することによりレリーフパターンが得られる。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,ケイ酸ナトリウム,アンモニア,エチルアミン,ジエチルアミン,トリエチルアミン,トリエタノールアミン,テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルカリ水溶液が好ましいものとしてあげられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10重量%とされることが好ましい。
【0049】
さらに上記現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で配合することができる。次いで、加熱処理工程では、得られたレリーフパターンに。好ましくは150〜450℃の加熱処理をすることにより、イミド環や他に環状基を持つ耐熱性ポリイミドのパターンになる。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
実施例1
攪拌機、温度計を備えたフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20.0gを入れ、N−メチル−2−ピロリドン150gに溶解させる。ここにピロメリット酸二無水物21.0gをN−メチル−2−ピロリドン30gとともに一度に加え、50℃で3時間反応させた。得られたポリマ溶液に、ジフェニルヨードニウムトリフレート2.1g、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン8.2g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン2.0gを加えて攪拌溶解させ、この溶液を3μm孔のテフロン(登録商標)フィルタを用いて加圧濾過して感光性重合体組成物を得た。
【0051】
得られた感光性重合体組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上105℃で2分間加熱乾燥を行い、8.5μmの塗膜を得た。この塗膜に露光機としてi線ステッパ(株式会社日立製作所製)を用い、レティクルを介し、50〜500mJ/cm2の露光をした。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液を現像液とし60秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。パターン観察により、適正露光量は150mJ/cm2と判断された。露光部の残膜率は80%であった。また、L&Sパターンの剥がれ寸法は6umであった。得られたレリーフパターンを窒素雰囲気下350℃で1時間加熱処理したところ、ポリイミド膜のパターンを得られた。碁盤目テープ剥離試験(JIS D0202−1988に準拠)を行った結果、PCT(121℃、2.2atm、湿度=100%)>1000hr以上の接着性を示した。
【0052】
実施例2
攪拌機、温度計を備えたフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20.0gを入れ、N−メチル−2−ピロリドン150gに溶解させる。ここに3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物31.0gをN−メチル−2−ピロリドン30gとともに一度に加え、50℃で3時間反応させた。得られたポリマ溶液に、ジフェニルヨードニウムトリフレート2.1g、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン8.2g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン3.0gを加えて攪拌溶解させ、この溶液を3μm孔のテフロン(登録商標)フィルタを用いて加圧濾過して感光性重合体組成物を得た。
【0053】
得られた感光性重合体組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上110℃で2分間加熱乾燥を行い、8.2μmの塗膜を得た。この塗膜に露光機としてi線ステッパ(株式会社日立製作所製)を用い、レティクルを介し、50〜500mJ/cm2の露光をした。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液を現像液とし50秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。パターン観察により、適正露光量は150mJ/cm2と判断された。露光部の残膜率は85%であった。また、L&Sパターンの剥がれ寸法は5umであった。得られたレリーフパターンを窒素雰囲気下350℃で1時間加熱処理したところ、ポリイミド膜のパターンを得られた。碁盤目テープ剥離試験(JIS D0202−1988に準拠)を行った結果、PCT(121℃、2.2atm、湿度=100%)>1000hr以上の接着性を示した。
【0054】
実施例3
攪拌機、温度計を備えた0.3リットルのフラスコ中に、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物17.37g(0.056モル)、n−ブチルアルコール8.30g(0.112モル)、トリエチルアミン0.28g(0.0028モル)、N−メチルピロリドン(NMP)47.7gを仕込、室温で8時間で攪拌し反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルのNMP溶液(α)を得た。
【0055】
次いで、攪拌機、温度計を備えた0.3リットルのフラスコ中に、ピロメリット酸二無水物5.23g(0.024モル)、メチルアルコール1.54g(0.048モル)、トリエチルアミン0.12g(0.0012モル)、NMP12.6gを仕込、室温で4時間で攪拌し反応させて、ピロメリット酸ジメチルエステルのNMP溶液(β)を得た。
【0056】
次いで、ピロメリット酸ジメチルエステルのNMP溶液(β)を3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルのNMP溶液(α)に添加し、フラスコを0℃に冷却した後、塩化チオニル17.13g(0.144モル)を滴下して1時間反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドとピロメリット酸ジメチルエステルジクロリドの混合溶液(γ)を得た。
【0057】
次いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン105gを仕込、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン26.37g(0.072モル)を添加し、攪拌溶解した後、ピリジン22.78g(0.288モル)を添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液とピロメリット酸ジメチルエステルジクロリドの混合溶液(γ)を20分間で滴下した後、温度を30℃にして1時間攪拌を続ける。溶液を3lの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、減圧乾燥してポリアミド酸エステル(δ)を得た。
【0058】
ポリアミド酸エステル(δ)15.00g、ジフェニルヨードニウムトリフレート0.5g、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン3.0gをN−メチルピロリドン70.0g加えて攪拌溶解させた後、さらに3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン3.0gを加えて攪拌溶解させ、この溶液を3μm孔のテフロン(登録商標)フィルタを用いて加圧濾過して感光性重合体組成物を得た。
【0059】
得られた感光性重合体組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上110℃で2分間加熱乾燥を行い、7.8μmの塗膜を得た。この塗膜に露光機としてi線ステッパ(株式会社日立製作所製)を用い、レティクルを介し、50〜500mJ/cm2の露光をした。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液を現像液とし70秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。パターン観察により、適正露光量は180mJ/cm2と判断された。未露光部の残膜率は88%であった。また、L&Sパターンの剥がれ寸法は<3umであった。得られたレリーフパターンを窒素雰囲気下350℃で1時間加熱処理したところ、ポリイミド膜のパターンを得られた。碁盤目テープ剥離試験(JIS D0202−1988に準拠)を行った結果、PCT(121℃、2.2atm、湿度=100%)>1000hr以上の接着性を示した。
【0060】
比較例1
実施例1の組成物に関して3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのみを除き、同様に配合し、3μm孔のテフロン(登録商標)フィルタを用いて加圧濾過して感光性重合体組成物を得た。
【0061】
得られた感光性重合体組成物を実施例1と同様に評価した結果、適正露光量は150mJ/cm2と判断された。露光部の残膜率は80%であった。また、L&Sパターンの剥がれ寸法は15umであった。得られたレリーフパターンを窒素雰囲気下350℃で1時間加熱処理したところ、ポリイミド膜のパターンを得られた。碁盤目テープ剥離試験(JIS D0202−1988に準拠)を行った結果、PCT(121℃、2.2atm、湿度=100%)500hrの接着性を示した。
【0062】
比較例2
実施例2の組成物に関して3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのみを除き、同様に配合し、3μm孔のテフロン(登録商標)フィルタを用いて加圧濾過して感光性重合体組成物を得た。
【0063】
得られた感光性重合体組成物を実施例2と同様に評価した結果、適正露光量は150mJ/cm2と判断された。露光部の残膜率は85%であった。また、L&Sパターンの剥がれ寸法は15umであった。得られたレリーフパターンを窒素雰囲気下350℃で1時間加熱処理したところ、ポリイミド膜のパターンを得られた。碁盤目テープ剥離試験(JIS D0202−1988に準拠)を行った結果、PCT(121℃、2.2atm、湿度=100%)700hrの接着性を示した。
【0064】
比較例3
実施例3の組成物に関して3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのみを除き、同様に配合し、3μm孔のテフロン(登録商標)フィルタを用いて加圧濾過して感光性重合体組成物を得た。
【0065】
得られた感光性重合体組成物を実施例3と同様に評価した結果、適正露光量は180mJ/cm2と判断された。未露光部の残膜率は88%であった。また、L&Sパターンの剥がれ寸法は10umであった。得られたレリーフパターンを窒素雰囲気下350℃で1時間加熱処理したところ、ポリイミド膜のパターンを得られた。碁盤目テープ剥離試験(JIS D0202−1988に準拠)を行った結果、PCT(121℃、2.2atm、湿度=100%)500hrの接着性を示した。
【0066】
【発明の効果】
本発明の感光性重合体組成物は基板との密着性に優れ、i線に対する露光感度が高く、解像度、パタ−ン形状及び露光部の残膜率も良好で、安定性、耐熱性に優れたものである。また、本発明のパターンの製造法によれば、前記の感度が高い感光性重合体組成物を用いることにより、高い解像度と良好なパターン形状が得られ、容易に半導体素子等の表面保護膜、層間絶縁膜等を作成することができる。本発明の電子部品は、表面保護膜、層間絶縁膜等として優れた特性を示す。

Claims (6)

  1. (a)アルカリ水溶液可溶性のポリイミド前駆体又はポリイミド、(b)光により酸を発生する化合物、(c)芳香環に直接結合した炭素上に水酸基を有する三級アルコールを少なくとも1つ以上有する化合物、並びに(d)一般式(I)
    Figure 2004191403
    (式中、nは1〜10の整数、R1及びR2は各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、pは0〜3の整数を示す)で示されるシラン化合物を含有してなる感光性重合体組成物。
  2. (a)成分が、一般式(II)
    Figure 2004191403
    (式中、R1は4価の有機基を示し、R2は2価の有機基を表す)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体である請求項1記載の感光性重合体組成物。
  3. (a)成分が、一般式(III)
    Figure 2004191403
    (式中、R1は4価の有機基を示し、R3はカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する2価の有機基を示し、R4は各々独立に1価の有機基を表す)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体である請求項1記載の感光性重合体組成物。
  4. (c)成分が、下記一般式(IV)〜(VII)
    Figure 2004191403
    Figure 2004191403
    Figure 2004191403
    Figure 2004191403
    (式中、R1及びR2は独立に置換又は無置換の炭素数1〜4のアルキル基を示し、R3〜R6は独立に水素、ハロゲン、置換又は無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基及びフェニル基の中から選ばれる基を示す)で表される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の感光性重合体組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の感光性重合体組成物を支持基板上に塗布し乾燥する行程、露光する工程、アルカリ現像液を用いて現像する工程及び加熱処理する工程を含むパターンの製造法。
  6. 請求項5記載の製造法により得られるレリーフパターンを表面保護膜又は層間絶縁膜として有してなる電子部品。
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