JP2004191359A - リスクマネージメント装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 プラント設備を構成する機器毎の故障確率に応じてプラント設備の安全管理を行う。
【解決手段】 設計時破損確率関数算出部11aではプラント設備を構成する各機器毎に設計段階でプラント機器に関する設計データに応じて、機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す破損確率関数を求める。確率関数変更部11bは破損確率関数を当該機器の製造に関する製造データ、当該機器の運転履歴、及び当該機器に関する検査の少なくとも一つに基づいて、破損確率関数を修正して修正破損確率関数とする。機器取替判定部11cでは、供用年数に応じて修正破損確率関数から得られる修正破損確率と予め設定された判定値とを比較して、修正破損確率が判定値を越えると当該機器の取替えを判定して、修正破損確率に応じてプラント設備のリスクを管理する。
【選択図】 図1
【解決手段】 設計時破損確率関数算出部11aではプラント設備を構成する各機器毎に設計段階でプラント機器に関する設計データに応じて、機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す破損確率関数を求める。確率関数変更部11bは破損確率関数を当該機器の製造に関する製造データ、当該機器の運転履歴、及び当該機器に関する検査の少なくとも一つに基づいて、破損確率関数を修正して修正破損確率関数とする。機器取替判定部11cでは、供用年数に応じて修正破損確率関数から得られる修正破損確率と予め設定された判定値とを比較して、修正破損確率が判定値を越えると当該機器の取替えを判定して、修正破損確率に応じてプラント設備のリスクを管理する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、原子力、火力プラント、又は石油化学プラント等の各種プラントにおいて、そのリスク情報を考慮して、安全性及び信頼性を確保しつつコスト(例えば、経済的支出、社会的損失、企業評価喪失)の削減を行うことのできるリスクマネージメント装置に関するものである。
一般に、原子力、火力プラント、又は石油化学プラント等の各種プラントにおいては、定期検査及び自主検査等によって各機器の不具合・破損等を確認しており、その不具合・破損の程度に応じて、各機器の修繕又は取替えを決定するようにしている。そして、機器毎の検査内容及び点検周期は、プラントの安全性及び機器毎の重要性を考慮して定められている。
一方、重要性の高い機器においても、その故障する確率(故障確率:例えば、横軸に供用年数を取り、縦軸に故障する確率をとった故障確率関数)が低いものもあり、単に重要度に応じて検査内容及び点検周期を定めると、故障確率が高いにもかかわらず、重要度が低いと、検査内容が簡易となるばかりでなく、点検周期が長くなってしまうことになる。
従来、故障確率を考慮して、プラントの機器の保全管理を行うようにしたものがあり、ここでは、機器・故障モードに対応する故障率、評価時間、故障発生確率評価式、バァンバーム(Birnbaum)重要度、及びプラント又はシステム全体の故障発生確率値を用いて、故障発生確率及び各種重要度評価式の値を近似的に計算して、定量的に重要機器の判定を行って、推奨保全作業ガイダンスを出力するようにしている(特許文献1参照)。
さらに、金属構成部品の使用環境、材料特性、起動停止の回数等によって、金属構成部品の劣化を予測して、最適な発電プラントの保全計画を作成するため、3次元データからのデータ及び保守者の指示に基づいて、補修の対象となる部品を選択し、選択した部品について、関連情報を検索して、その部品に関する対象部品関連情報を抽出して、対象部品関連情報と余寿命予測入力データとに応じてその部品の余寿命を予測して余寿命情報を生成し、余寿命情報とLCC最小化算出入力データとに基づいてその部品に対してどのような保守(補修、交換等)を行えば、発電プラントのライフサイクルコストの最小化が可能となるかを算出して、最適保全計画を作成するようにしたものがある(特許文献2参照)。
また、大規模プラントを構成する個々の設備・機器の保全の方法を決定する際に、定量的な評価を行って、プラント設計の支援を行うため、大事故に至る事象の確率データである安全評価データを記憶し、安全評価データに基づき大事故が起こった場合の損失の期待値を算出して、プラント停止に至る事象の確率データである稼働率評価データを記憶し、稼働率評価データに基づいてプラントが停止した際の損失の期待値を算出する。
そして、2種の損失の期待値を加算し、少なくとも1つの保全方法の選択し、各々の保全方法を行った場合に要する費用を算出して、損失期待値の加算値と選択された保全の費用の変化量を比較して、保全の費用が損失期待値の加算値以下でありかつ最小の保全方法を選択して、これを最適の保全方法とするようにしたものがある(特許文献3参照)。
加えて、プラント設備の保全管理の際、保全すべき個所の洗い出しを定量的に把握して、最適な設計・保全が実施するため、プラント機器材料の経年劣化に対して材料劣化・腐食傾向等を高度技術で解析し、定量的に評価を行うとともに、機能故障モード影響解析による動機器の故障に対する定量的評価を行い、定量的評価に基づいて保全個所を定量的に特定して、影響度評価手法を用いて故障の発生頻度とその故障発生による影響度を設定し、(頻度×影響度)をリスクとして評価するようにしたものがある(特許文献4参照)。
ところで、従来のプラント用機器の信頼性評価又は保全リスク管理(以下単に従来リスク管理と呼ぶ)では、機器毎の故障確率を考慮して重要機器の判定を行って、重要機器毎に推奨保全作業ガイダンスを選定しているものの、各機器の故障確率はプラントの設計、製造、運転、及び検査に応じて変化するものであるにもかかわらず、このような故障確率の変化を何等考慮しておらず、このため、故障確率が重要視されるプラント(例えば、原子力プラント等)においては、故障確率がどの程度となれば、機器を取り替えるほうがよいのか判定することが難しく、プラントの信頼性を確保すること(つまり、安全管理を確実に行うこと)が困難であるいう課題がある。つまり、プラントに係るリスクを適切に管理することが難しいという課題がある。
さらに、従来リスク管理では、例えば、事故発生時に生じるコスト(事故時コスト:潜在コスト)と取替えによって生じるコスト、そして、検査に係るコストとを比較して、どのような状態の際機器を取り替えることが最もコストが低いかを判定することができず、結果的に保全に係るコストを低減することが難しいという課題がある。
加えて、従来リスク管理では、社会的影響を評価してリスク管理を行っておらず、しかも運転条件等のプラント特性を反映して故障確率曲線(破損確率曲線)を補正して、プラント毎に最適のリスク評価を行えないという課題がある。
また、従来リスク管理では、検査価値を定量的に評価して補修計画を立案することが難しいばかりか、検査結果に応じて検査回数並びに検査時間間隔、及び検査方法を選択することが出できないという課題もあり、さらに、検査結果に応じて許容使用年数を評価し、その評価結果に応じたプラント保全方法を選択することができないという課題もある。また、従来リスク管理では、技術開発による破損確率への影響を考慮して、プラント設備への投資効果を評価することができないという課題もある。
本発明の目的は、故障確率に応じてプラントの安全管理を確実に行うことができるリスクマネージメント装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、保全に係るコストを低減してプラントの安全管理を確実に行うことのできるリスクマネージメント装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上述した種々の課題を解決してプラント設備におけるリスク管理を最適に行うことのできるリスクマネージメント装置及びリスク評価方法を提供することにある。
本発明によれば、プラント設備のリスクを管理するためのリスクマネージメント装置であって、前記プラント設備を構成する各機器毎に設計段階で前記機器に関する設計データに応じて前記機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す破損確率関数を求める破損確率関数算出手段と、前記破損確率関数を当該機器の製造に関する製造データ、当該機器の運転履歴、及び当該機器に関する検査の少なくとも一つに基づいて前記破損確率関数を修正して修正破損確率関数とする破損確率関数変更手段と、供用年数に応じて前記修正破損確率関数から得られる修正破損確率と予め設定された判定値とを比較して前記修正破損確率が前記判定値を越えると当該機器の取替えを判定する判定手段とを有し、前記修正破損確率に応じて前記プラント設備のリスクを管理するようにしたことを特徴とするリスクマネージメント装置が得られる。例えば、前記破損確率関数変更手段は、前記検査における検査精度に応じて前記破損確率関数を修正する。
また、本発明では、前記判定手段による取替え判定に応じて前記機器の取替えが行われると、該取り替えられた機器に対応する前記修正破損確率関数を一旦リセットして前記機器が取り替えられた供用年数が始点となるように前記修正破損確率関数移動するリセット変更手段を有している。
本発明によれば、プラント設備のリスクを管理するためのリスクマネージメント装置であって、前記プラント設備を構成する各機器毎に設計段階で前記機器に関して事故が発生した際のコストと供用年数との関係を示すコスト関数を求めるコスト関数算出手段と、前記コスト関数を当該機器の製造に係る製造コスト、当該機器に関する検査、及び当該機器の運転履歴の少なくとも一つに基づいて前記コスト関数を修正して修正コスト関数とするコスト関数変更手段と、供用年数に応じて前記修正コスト関数から得られる修正コストと予め設定された判定値とを比較して前記修正コストが前記判定値を越えると当該機器の取替えを判定する判定手段とを有し、前記修正コストに応じて前記プラント設備のリスクを管理するようにしたことを特徴とするリスクマネージメント装置が得られる。例えば、前記コスト関数変更手段は、前記検査における検査精度に応じて前記コスト関数を修正する。
また、本発明では、前記判定手段による取替え判定に応じて前記機器の取替えが行われると、該取り替えられた機器に対応する前記修正コスト関数を一旦リセットして前記機器が取り替えられた供用年数が始点となるように前記修正コスト関数を移動するリセット変更手段を有している。
さらに、本発明では、前記コスト関数算出手段は、前記設計段階で掛かる設計コスト、前記製造コスト、及び前記検査に掛かる検査コストに応じて当該機器の供用年数と前記設計コスト、前記製造コスト、前記検査コストとの関係を示す運用コスト関数を求め、前記コスト関数変更手段は前記機器の運転及び監視に掛かる運転・モニタリングコストで前記運用コストを修正しており、前記リセット変更手段は、前記判定手段による取替え判定に応じて前記機器の取替えが行われると、前記運用コスト関数を前記機器の取替えに掛かる取替えコストに応じて修正する。
本発明によれば、プラント設備のリスクを管理するためのリスクマネージメント装置であって、前記プラント設備を構成する各機器毎に設計段階で前記機器に関する設計データに応じて前記機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す破損確率関数を求めるとともに前記機器に関して事故が発生した際のコストと供用年数との関係を示すコスト関数を求める関数算出手段と、前記破損確率関数を当該機器の製造に関する製造データ、当該機器の運転履歴、及び当該機器に関する検査の少なくとも一つに基づいて前記破損確率関数を修正して修正破損確率関数とするとともに前記コスト関数を当該機器の製造に係る製造コスト、当該機器に関する検査、及び当該機器の運転履歴の少なくとも一つに基づいて前記コスト関数を修正して修正コスト関数とする関数変更手段と、前記機器毎にその重要性を示す重要度を補正係数として、供用年数に応じて前記修正破損確率関数から得られる修正破損確率を前記補正係数で補正して補正破損確率とする補正手段と、該補正破損確率に応じて選択的に修正コスト関数及び前記破損確率関数を選択関数として用いて、前記供用年数に応じて前記選択関数から得られる値が予め設定された判定値を越えると当該機器の取替えを判定する判定手段とを有し、前記修正破損確率関数及び前記修正コスト関数に応じて前記プラント設備のリスクを管理するようにしたことを特徴とするリスクマネージメント装置が得られる。
また、本発明では、プラント設備の社会的影響を考慮してその二次的損害を二次的リスクとして評価管理するためのリスクマネージメント装置であって、プラント設備に係る過去の類似事例分析を行って、該分析結果に基づいて仮定設定を行う仮定設定手段と、前記仮定設定に応じて少なくとも経済的損失及び社会的損失を評価して評価結果を得る評価手段と、前記評価結果を損失要素としてリスク費用を見積るリスク見積り手段とを有することを特徴とするリスクマネージメント装置が得られる。
本発明では、前記経済的損失として、少なくとも人的損害、物的損害、自社設備被害、操業損失、営業補償、検査補償、及び発電費用増加を評価し、前記社会的損失として少なくとも交通支障、避難、及び第三者事業損失を評価することが望ましい。
本発明では、プラント設備のリスクを管理する際前記プラント設備毎の特性に応じて前記プラント設備のリスク管理を行うリスクマネージメント装置であって、前記プラント設備を構成する各機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す破損確率関数をオリジナル破損確率関数として該オリジナル破損確率関数を前記プラント設備の特性に応じて補正して補正破損確率関数を求める補正手段と、前記補正破損確率関数に基づいて前記プラント設備のリスク管理を行うリスク管理手段とを有することを特徴とするリスクマネージメント装置が得られる。
本発明では、前記補正手段は機器材料の破損感受性の逆数で示される破損発生時間式を求める第1の手段と、前記破損発生時間式に応じて補正値を同定する第2の手段と、正規分布に応じて前記機器について温度及び応力分布を求める第3の手段と、前記破損発生時間式と前記温度及び応力分布と前記補正値とに応じてモンテカルロ法によって破損発生時間分布を求める第4の手段と、前記破損時間分布を所定の確率分布に適合させて前記補正破損発生確率曲線を得る第5の手段とを有している。
本発明によれば、プラント設備のリスクを管理する際当該プラント設備の検査に関する価値を定量的に評価して前記プラント設備のリスク管理を行うリスクマネージメント装置であって、前記プラント設備を構成する各機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す現時点における破損確率関数を現破損確率関数として、該現破損確率関数を用いて補修計画の最適化を行う第1の最適化手段と、前記現破損確率関数を用いて、互いに異なる複数の検査手法を用いて検査を行った際、各検査手法毎に複数の予想検査結果を算出する検査結果予測手段と、前記予想検査結果についてそれぞれ検査更新後の破損確率曲線を更新破損確率関数として求める破損確率関数更新手段と、前記更新破損確率関数を用いて前記更新破損確率関数毎に補修計画を最適化して複数の最適化策を得る第2の最適化手段と、前記最適化策について予想検査結果に対するリスク評価金額を評価して、検査を行った際のリスク評価額と第1の最適化手段で得られた最適化策のリスク額とを比較して検査の価値を評価する評価手段とを有することを特徴とするリスクマネージメント装置が得られる。
本発明では、プラント設備のリスクを管理する際前記プラント設備毎の検査回数、検査間隔、及び検査方法に応じて、前記プラント設備を構成する各機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す破損確率関数を更新して前記プラント設備のリスク管理を行うリスクマネージメント装置であって、前記プラント設備を構成する各機器について破損確率の種類に応じて検査結果に基づいて当該検査結果となる確率を第1の確率として求める第1の手段と、ベイズの定理を用いて検査結果について各破損確率種類についてその確率を第2の確率として求める第2の手段と、ベイズ理論による更新によって前記第2の確率を前記破損確率種類の第3の破損確率とする第3の手段と、前記破損確率関数を前記第3の破損確率の平均として求める第4の手段とを有することを特徴とするリスクマネージメント装置が得られる。
本発明では、プラント設備のリスクを管理する際前記プラント設備毎の検査結果に応じて保全方法を選択して該選択された保全方法に応じて前記プラント設備のリスク管理を行うリスクマネージメント装置であって、前記プラント設備毎にその検査期間を選択する第1の手段と、前記プラント設備毎にその検査方法を選択する第2の手段と、前記第2の手段で選択された検査手法を用いた際の予想検査結果を求める第3の手段と、前記プラント設備を構成する各機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示すオリジナル破損確率曲線を前記予想検査結果に基づいて更新して更新破損確率曲線を求める第4の手段と、該更新破損確率曲線に応じた最適対策を求めるとともに、予想コスト額を計算する第5の手段とを有し、前記最適化対策及び予想コストに応じた保全方法を選択するようにしたことを特徴とするリスクマネージメント装置が得られる。
本発明では、プラント設備のリスクを管理する際技術開発による前記プラント設備の保守効果を評価して前記プラント設備のリスク管理を行うリスクマネージメント装置であって、前記プラント設備を構成する各機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す破損確率分布を求める第1の手段と、前記技術開発の導入によって前記破損確率分布の補正を行って補正破損確率関数を求める第2の手段と、前記補正破損確率分布を用いた際のリスク減少分を算出する第3の手段とを有することを特徴とするリスクマネージメント装置が得られ、さらに、前記技術開発の投入時期及び投入後の適用期間に応じた累積リスク減少分に基づいて前記技術開発に対する投資額を算出する第4の手段を有することが望ましい。
以上説明したように、本発明では、プラント設備を構成する各機器毎に設計段階で機器に関する設計データに応じて機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す破損確率関数を求めて、破損確率関数を当該機器の製造に関する製造データ、当該機器の運転履歴、及び当該機器に関する検査の少なくとも一つに基づいて修正して修正破損確率関数とし、供用年数に応じて修正破損確率関数から得られる修正破損確率と予め設定された判定値とを比較して修正破損確率が判定値を越えると当該機器の取替えを判定し、修正破損確率に応じてプラント設備のリスクを管理するようにしたから、故障確率に応じてプラントの安全管理を確実に行うことができるという効果がある。
本発明によれば、プラント設備を構成する各機器毎に設計段階で機器に関して事故が発生した際のコストと供用年数との関係を示すコスト関数を求め、コスト関数を当該機器の製造に係る製造コスト、当該機器に関する検査、及び当該機器の運転履歴の少なくとも一つに基づいて修正して修正コスト関数とし、供用年数に応じて修正コスト関数から得られる修正コストと予め設定された判定値とを比較して修正コストが判定値を越えると当該機器の取替えを判定して、修正コストに応じてプラント設備のリスクを管理するようにしたから、保全に係るコストを低減してプラントの安全管理を確実に行うことができるという効果がある。
また、本発明によれば、設計段階で掛かる設計コスト、製造コスト、及び検査に掛かる検査コストに応じて当該機器の供用年数と設計コスト、製造コスト、検査コストとの関係を示す運用コスト関数を求め、機器の運転及び監視に掛かる運転・モニタリングコストで運用コストを修正し、さらに、取替え判定に応じて機器の取替えが行われると、運用コスト関数を機器の取替えに掛かる取替えコストに応じて修正するようにしたから、機器運用に掛かるコストを供用年数に応じて容易に把握できるという効果がある。
本発明によれば、機器毎にその重要性を示す重要度を補正係数として、供用年数に応じて修正破損確率関数から得られる修正破損確率を補正係数で補正して補正破損確率とし、補正破損確率に応じて選択的に修正コスト関数及び前記破損確率関数を選択関数として用いて、供用年数に応じて選択関数から得られる値が予め設定された判定値を越えると当該機器の取替えを判定し、修正破損確率関数及び修正コスト関数に応じてプラント設備のリスクを管理するようにしたから、コストを低減できるばかりでなく、故障確率に応じてプラントの安全管理を確実に行うことができるという効果がある。
本発明では、プラント設備に係る過去の類似事例分析を行って、この分析結果に応じて仮定設定を行い、仮定設定に応じて経済的損失及び社会的損失を評価して評価結果を得、評価結果を損失要素としてリスク費用を見積るようにしたので、プラント設備に事故等が発生した際の費用を予め算定することができるという効果がある。
また、本発明では、オリジナル破損確率関数をプラント設備の特性に応じて補正して補正破損確率関数を求め、補正破損確率関数に基づいてプラント設備のリスク管理を行うようにしたので、プラント設備毎に精度よくリスク管理を行うことができるという効果がある。
本発明では、現破損確率関数を用いて補修計画の最適化を行い、さらに、現破損確率関数を用いて互いに異なる複数の検査手法を用いて検査を行った際、各検査手法毎に複数の予想検査結果を算出して、予想検査結果についてそれぞれ検査更新後の破損確率曲線を更新破損確率関数として求めた後、更新破損確率関数を用いて更新破損確率関数毎に補修計画を最適化して複数の最適化策を得て、これら最適化策について予想検査結果に対するリスク評価金額を評価し検査を行った際のリスク評価額と第1の最適化手段で得られた最適化策のリスク額とを比較して検査の価値を評価するようにしたので、検査を行うことに価値があるか否かを容易に判定できるという効果がある。
本発明では、プラント設備を構成する各機器について破損確率の種類に応じて検査結果に基づいて当該検査結果となる確率を第1の確率として求め、ベイズの定理を用いて検査結果について各破損確率種類についてその確率を第2の確率として求めて、さらに、ベイズ理論による更新によって第2の確率を破損確率種類の第3の破損確率とし、破損確率関数を第3の破損確率の平均として求めるようにしたので、破損確率関数に応じて各機器の破損時期を容易に判定できるという効果がある。
本発明では、プラント設備毎にその検査期間を選択するとともに、プラント設備毎にその検査方法を選択して、選択された検査手法を用いた際の予想検査結果を求めて、オリジナル破損確率曲線を予想検査結果に基づいて更新して更新破損確率曲線を求めた後、更新破損確率曲線に応じた最適対策を求めるとともに、予想コスト額を計算して、最適化対策及び予想コストに応じた保全方法を選択するようにしたので、各プラント設備毎に保全方法を精度よく選択できるという効果がある。
本発明では、技術開発の導入によって破損確率分布の補正を行って補正破損確率関数を求めて、補正破損確率分布を用いた際のリスク減少分を算出した後、技術開発の投入時期及び投入後の適用期間に応じた累積リスク減少分に基づいて技術開発に対する投資額を算出するようにしたので、技術開発及びその技術開発導入に起因する投資額を見積ることができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
まず、図1を参照して、図示のリスクマネージメント装置10は、リスク演算処理装置11、ディスプレイ等の表示装置12、キーボード等の入力装置13、及びプリンター等の出力装置14を備えており、リスク演算処理装置11には、設計情報データベース21、製造情報データベース22、検査方法精度データベース23、及び検査結果データベース24が接続されるとともに、後述するモニタリング情報が与えられる。
図2も参照して、原子力プラント等のプラントにおいては、まず、プラントを構成する各種機器の設計が行われるとともにプラント全体の設計が行われる。この設計に当たっては、例えば、各機器毎に設計者の熟練度を考慮して、プラントの供用年数(廃却年)に応じた機器の破損確率が求められ、図3(a)に示す設計時破損確率関数として設計情報データベース21に格納される。
例えば、入力装置13からランク別に分けられた設計者の熟練度及び供用年数を入力すると、設計時破損確率関数算出部11aでは、過去の類似のプラント機器に対する破損確率関数が格納された破損確率関数事例データベース(図示せず)を参照して、当該機器の設計時破損確率関数を求める(設計時:ステップS1)。
上述の設計段階が終了すると、プラント機器が製造されることになるが、この製造過程においては、必要に応じて設計が変更されることもあり、また、作業者の熟練度に応じても機器の破損確率が変化する。そこで、入力装置13から製造時の誤差(設計値と製造値との誤差)及び作業者の熟練度を入力すると、破損確率関数変更部11bでは、プラント機器毎に、製造誤差及び作業者熟練度に応じて設計時破損確率関数を更新して、製造時破損確率関数を生成する(製造:ステップS2)。
そして、この製造時確率関数は製造情報データベース22に格納される。例えば、前述の破損確率関数事例データベースには、製造時誤差及び作業者熟練度に応じてその修正率が格納されており、破損確率関数変更部11bでは、製造時誤差及び作業者熟練度毎の修正率に応じて設計時破損確率関数を更新して、製造時破損確率関数を生成する(図3(b)参照)。
上述の製造段階が終了すると、プラントの組立・設置が行われ、試運転に行って、例えば、供用前検査が行われる(なお、供用前検査を行わない場合もある:ステップS3)。このようにして、プラントの試運転が行われた際には、入力装置13から供用前検査を行うか否かが入力されるとともに検査方法及びその精度が入力される。確率関数変更部11bでは、供用前検査がないと判定すると(ステップS4)、製造時破損確率関数を変更することなく、機器破損確率関数とする。
一方、供用前検査が行われると、確率関数変更部11bでは、入力装置13から入力された検査方法及び精度に対応する修正率を検査方法精度データベース23から読みだして、この修正率に応じて製造時破損確率関数を更新して、機器破損確率関数とする。
供用前検査がないと判定すると、確率関数変更部11bでは、図3(c)に検査無しで示す機器破損確率関数を出力して、検査結果データベース24に格納する。一方、低精度検査であると判定されると、確率関数変更部11bでは、低精度検査に応じた修正率で製造時破損確率関数を修正し(低精度検査:ステップS5)、図3(c)に低精度検査で示す機器破損確率関数を出力して、検査結果データベース24に格納する。
さらに、高精度検査であると判定されると、確率関数変更部11bでは、高精度検査に応じた修正率で製造時破損確率関数を修正し(高精度検査:ステップS6)、図3(c)に高精度検査で示す機器破損確率関数を出力して、検査結果データベース24に格納する。
供用前検査が終了すると、プラントは運用に供されることになる。例えば、プラント運転中において、プラントの各機器についてその状態を監視(モニタリング)して、モニタリング情報を得ることがある。プラントの各機器をモニタリングしている際には、モニタリングしている機器については、モニタリングしていることを示すモニタリング情報がリスク演算制御装置11に与えられる。そして、確率関数変更部11bでは、モニタリング情報に対応する機器について、予め設定された修正率で機器破損確率関数を変更する(運転:ステップS7)。
例えば、モニタリング情報に対応する機器については、図3(d)に示すように、機器破損確率関数を予め設定された修正率に基づいて下側に移動させて、破損確率を低減させる。そして、この変更後の機器破損確率関数は検査結果データベース24に格納されて、検査結果データベース24が更新される。
ところで、プラント運転中においては、必要に応じて機器の検査が行われる(供用中検査:ステップS8)。供用中検査を行う際には、入力装置13から供用中検査を行うか否かが入力されるとともに検査方法及びその精度が入力される。確率関数変更部11bでは、供用中検査がないと判定すると(ステップS9)、当該機器について、機器破損確率を変更しない。
一方、供用中検査が行われると、確率関数変更部11bでは、入力装置13から入力された検査方法及び精度に対応する修正率を検査方法精度データベース23から読みだして、この修正率に応じて機器破損確率関数を変更して、検査結果データベース24を更新する。
図3(e)に示すように、供用中検査がないと判定されると、検査結果データベース24には、図3(e)に検査無しで示す機器破損確率関数が格納され、一方、低精度検査であると判定されると、確率関数変更部11bでは、低精度検査に応じた修正率で機器破損確率関数を修正し(低精度検査:ステップS10)、図3(e)に低精度検査で示す機器破損確率関数として、検査結果データベース24を更新する。
さらに、高精度検査であると判定されると、確率関数変更部11bでは、高精度検査に応じた修正率で機器破損確率関数を修正し(高精度検査:ステップS11)、図3(e)に高精度検査で示す機器破損確率関数として、検査結果データベース24を更新する。
このようにして、供用中検査が行われた後、入力装置13から判定コマンドがリスク演算制御装置11に与えられると、機器取替判定部11cでは、検査結果データベース24から各機器毎の機器破損確率関数を読みだして、機器破損確率関数から供用年数に対応する破損確率を得る。そして、予め設定された判定値(クライテリア)と破損確率とを比較して、クライテリア≧破損確率であるか否かを調べる(ステップS12)。この際には、次期検査までの供用年数まで当該機器を使用した際の破損確率とクライテリアとが比較される。
クライテリア≧破損確率である際には、機器取替判定部11cでは機器取替不要の旨表示装置12に表示する。一方、クライテリア<破損確率である際には、機器取替判定部11cでは機器取替要の旨表示装置12に表示する。このようにして、各機器について機器破損確率関数に基づいて機器の取替えの有無を判定した後、機器取替判定部11cでは、取替え機器一覧表を出力装置14にプリントアウトする。
そして、取替え機器一覧表に基づいて該当する機器を取り替えた後、入力装置13から機器取替終了情報を入力すると(この機器取替終了情報には当該取替機器を示す情報が付加されている)、破損確率リセット部11dでは、取替機器に対応する破損確率関数をリセットして(図3(f)参照)、クライテリアと破損確率との交点に対応する供用年数を原点として機器破損確率関数を更新して(ステップS13)、検査結果データベース24に格納する(図3(g)参照)。
このようにして、設計段階で設定された機器毎の破損確率関数を、製造段階、供用前検査、運転、及び供用中検査に応じて更新し、更新後の破損確率関数とクライテリアとに応じて機器の取替えを行うか否かを判定するようにしたから、プラント機器のリスク、つまり、破損確率に応じてきめ細かい取替え判定を行うことかでき、その結果、故障確率に応じてプラントの安全管理を確実に行うことができる。
次に、図4を参照して、本発明によるリスクマネージメント装置の他の例について説明する。図示のリスクマネージメント装置30において、図1に示すリスクマネージメント装置と同一の構成要素については同一の参照番号を付す。リスクマネージメント装置30はリスク演算処理装置31を有しており、リスク演算処理装置31には、設計情報データベース41、製造情報データベース42、検査方法・精度・検査コストデータベース43、及び検査結果データベース44が接続されるとともに、事故時コスト・設計コストデータベース45、製造コストデータベース46、運転・モニタリングコストデータベース47、及び取替コストデータベース48が接続されている。
図2も参照して、事故時コスト・設計コストデータベース45には、各機器毎に事故(故障)が発生した際に必要な事故時コスト情報が格納されるとともに、機器毎の設計コスト情報が格納されている。事故時コストは供用年数が経過するにつれてそのコストが高くなる。
図4に示すリスクマネージメント装置では、図2に示すステップS1において、入力装置13から機器情報(機器を特定するための情報:機器ID等)が与えられると、設計時コスト関数算出部31aは機器IDに対応する事故時コスト及び設計コストを事故時コスト・設計コストデータベース45から読み込んで、事故時コストに基づいてプラントの供用年数(廃却年)に応じた機器の潜在コストを求めて、図5(a)に示す設計時潜在コスト関数として設計情報データベース21に格納する(なお、潜在コスト=事故時コストである)。
次に、図2に示すステップS2では、コスト関数変更部31bでは、機器IDに応じて製造コストデータベース46から当該機器に係る製造コストを読み込んで、この製造コストに応じて潜在コストを修正して製造時コスト関数を生成する。そして、この製造時コスト関数は製造情報データベース42に格納される(図5(b)参照)。
図2に示すステップS4では、コスト関数変更部31bでは、供用前検査がないと判定すると、製造時コスト関数を変更することなく、機器コスト関数として(図5(c)参照)、検査結果データベース44に格納する。
さらに、コスト関数変更部31bでは、検査方法・精度・検査コストデータベース43から検査無しに該当する検査コストを読み込んで、前述の設計コスト及び製造コストとともに、検査コストの経年変化を示す検査無し時の設計/製造/検査コストに係る設計/製造/検査コスト関数(運用コスト関数)を生成して(図5(d)参照)、検査結果データベース44に格納する。
なお、設計コスト及び製造コストはそれぞれ設計時及び製造時に生じるコストであるので、設計/製造/検査コスト関数は検査コストに依存して変化することになる。
一方、供用前検査が行われると、コスト関数変更部31bでは、入力装置13から入力された検査方法及び精度に対応する修正率を検査方法・精度・検査コストデータベース43から読みだして、この修正率を応じて製造時コスト関数を更新して、機器コスト関数として、検査結果データベース44に格納する。例えば、供用前検査が低精度検査であると判定されると、コスト関数変更部31bでは、図2に示すステップS5において低精度検査に応じた修正率で製造時コスト関数を修正し、図5(c)に低精度検査で示す機器コスト関数を出力して、検査結果データベース44に格納する。
この際、コスト関数変更部31bでは、検査方法・精度・検査コストデータベース43から低精度検査に該当する検査コストを読み込んで、前述の設計コスト及び製造コストとともに、検査コストの経年変化を示す低精度検査時の設計/製造/検査コストに係る設計/製造/検査コスト関数を生成して(図5(d)参照)、検査結果データベース44に格納する。
さらに、高精度検査であると判定されると、コスト関数変更部31bでは、図2に示すステップS6において高精度検査に応じた修正率で製造時コスト関数を修正し、図5(c)に高精度検査で示す機器コスト関数を出力して、検査結果データベース24に格納する。この際にも、高精度検査時の設計/製造/検査コストに係る設計/製造/検査コスト関数を生成して(図5(d))、検査結果データベース44に格納する。
図2に示すステップS7においては、コスト関数変更部31bでは、モニタリング情報に対応する機器について、運転・モニタリングコストデータベース47から運転・モニタリングコストを読み込んで、当該機器に係る機器コスト関数及び設計/製造/運転検査コスト関数を修正する。図5(e)に示すように、モニタリング情報に対応する機器については、機器破損確率関数を運転・モニタリングコストに基づいて下側に移動させて、潜在コストを低減させる。
一方、設計/製造/検査コスト関数については、図5(f)に示すように、運転・モニタリングコストに基づいて上側に移動させて、設計/製造/検査コストを増加させる。つまり、設計/製造/検査コストに運転・モニタリングコストが付加され、設計/製造/検査/運転コスト関数となる。そして、この変更後の機器コスト関数及び設計/製造/運転/検査コスト関数は検査結果データベース44に格納されて、検査結果データベース44が更新される。
さらに、ステップS9では、コスト関数変更部31bでは、供用中検査がないと判定すると、当該機器について、機器コスト関数を変更しない(図5(g))。一方、供用中検査が行われると、コスト関数変更部31bでは、入力装置13から入力された検査方法及び精度に対応する修正率を検査方法・精度・検査コストデータベース43から読みだして、この修正率を応じて機器コスト関数を修正して、検査結果データベース44を更新する。
例えば、供用中検査が低精度検査であると判定されると、コスト関数変更部31bでは、図2に示すステップS10において低精度検査に応じた修正率で機器コスト関数を修正し、図5(g)に低精度検査で示す機器コスト関数で検査結果データベース44を更新する。この際、コスト関数変更部31bでは、検査方法・精度・検査コストデータベース43から低精度検査に該当する検査コストを読み込んで、設計/製造/運転/検査コストを修正して(図5(h)参照)、検査結果データベース44を更新する。
同様に、高精度検査であると判定されると、コスト関数変更部31bでは、図2に示すステップS11において高精度検査に応じた修正率で機器コスト関数を修正し(図5(g)参照)、検査結果データベース24を更新する。この際にも、高精度検査に該当する検査コストに応じて設計/製造/運転/検査コスト関数を修正して(図5(h)参照)、検査結果データベース44を更新する。
ステップS12においては、リスク演算制御装置31では、機器取替判定部31cによって、検査結果データベース24から各機器毎の機器コスト関数及び設計/製造/運転/検査コスト関数を読みだして、機器コスト関数及び設計/製造/運転/検査コスト関数からそれぞれ供用年数に対応する潜在コスト及び設計/製造/運転/検査コストを得る。そして、予め設定された判定値(クライテリア)と潜在コストとを比較して、クライテリア≧潜在コストであるか否かを調べる。
クライテリア≧潜在コストである際には、機器取替判定部31cでは機器取替不要の旨表示装置12に表示する。一方、クライテリア<潜在コストである際には、機器取替判定部31cでは機器取替要の旨表示装置12に表示する。このようにして、各機器について機器破損確率関数に基づいて機器の取替えの有無を判定した後、機器取替判定部31cでは、取替え機器一覧表を出力装置14にプリントアウトする。
図2に示すステップS13では、コストリセット・修正部31dが、取替機器に対応する機器コスト関数をリセットして、クライテリアと潜在コストとの交点に対応する供用年数を原点として機器コスト関数を更新して、検査結果データベース24に格納する(図5(i)参照)とともに、取替コストデータベース48から機器取替に係る取替えコストを読み込んで、設計/製造/運転/検査コストについて取替コストを付加して、設計/製造/運転/検査コスト関数を更新して、検査結果データベース24に格納する(図5(j)参照)。
このようにして、設計段階で設定された機器毎の潜在コスト関数を、製造段階、供用前検査、運転、及び供用中検査に応じて更新し、更新後の潜在コスト関数とクライテリアとに応じて機器の取替えを行うか否かを判定するようにしたから、プラント機器に係るコストを低減してプラントの安全管理を確実に行うことができる。
ところで、図1に示すリスクマネージメント装置10及び図4に示すリスクマネージメント装置30で説明した機能を合体させて、破損確率及び潜在コスト両方を考慮して機器取替えを判定するようにしてもよい。この際には、図2で説明したように、機器破損確率関数に応じて機器取替を判定する際、機器毎に予め設定された重要度を補正係数として、この補正係数によって機器破損確率関数を補正する(補正手段)。そして、補正後の機器破損確率関数から供用年数に対応する破損確率を得て、この破損確率の値に応じて、潜在コストを優先するか、破損確率を優先するかを決定する。
例えば、補正後の機器破損確率関数から得られた破損確率が80%以上であれば、破損確率(補正前)を優先して、機器取替えを判定する(判定手段)。一方、補正後の機器破損確率関数から得られた破損確率が50%以下であれば、潜在コストを優先して、機器取替えを判定する。そして、補正後の機器破損確率関数から得られた破損確率が50%を越え80%未満である際には、破損確率(補正前)及び潜在コストの両方を考慮して、機器取替えを判定する。
この際には、破損確率が破損判定値(破損クライテリア)を越え、かつ潜在コストがコスト判定値(コストクライテリア)を越えた際に、機器取替えと判定される。
このようにすれば、破損確率及び潜在コストの両方を考慮して、機器取替えの判定が行える結果、コストを低減できるばかりでなく、故障確率に応じてプラントの安全管理を確実に行うことができる。
ここで、プラント設備における社会的影響を考慮したリスク評価方法について説明する。図6を参照して、原子力プラントについて損害要素の評価を行う際には、事前評価及び事後評価の二種類に分類して評価を行う。事前評価は、実際には発生していない事故・トラブルの影響を評価するものであり、事故・トラブルの内容、事故・トラブルの影響(シナリオ)について仮定を設定する。一方、事後評価においては、実際に事故・トラブルが発生しており、実際に発生した影響を整理し具体的に定義することが必要となる。
従って、事前評価に当っては、過去の類似事例を分析し、その分析結果に基づいて仮定を設定するとともに、当該分野における熟練者の知識を抽出して仮定に反映させる必要がある。
事例分析設定50aでは、過去の類似事例分析を行うに当っては、類似事例データベース50dから多数の類似事例を読み込み、これら類似事例を分析して分析結果を得る。そして、これら分析結果に基づいて仮定を設定する。そのため、当該プラント設備の分野に係る事故・トラブル事例のみではなく、社会的な影響について類似した特徴を有する事故・トラブルも分析対象とする。例えば、原子力分野における事故と類似した特徴を有するものとして、航空機事故、ガス事業に関する事故を挙げることができる。
仮定を設定するに当っては、上述のように過去の事例を用いることになるが、事例が存在しない場合又は記録が残っていない場合等においては、前述のように、当該分野における熟練者および損害評価結果を用いて知識を抽出して、仮定設定を行うことになる。そして、損失評価50bでは仮定設定に応じて少なくとも経済的損失及び社会的損失を評価して評価結果を得て、リスク見積り50cにおいて、評価結果を損失要素としてリスク費用を見積る。
経済的損失には、人的損害、物的損害、自社設備被害、操業損失、営業補償、検査補償、及び発電費用増加があり、人的損害の算定に当っては、事故・トラブルの影響を受ける範囲に存在する家屋個数又は影響範囲に人口密度を掛けることによって、被害者数を設定し、この被害者数に平均賠償額を掛けて、人的被害とする。平均賠償額については、例えば、交通安全白書に掲載された自動車事故における自動車保険の平均支払額を用いる。
物的損害は、事故・トラブルによって発生する火災・爆発等に起因する損害であり、被害建物数に平均損害額を算出して算定する。被害建物数については、火災・爆発の影響範囲に存在する建物数に基づいて設定し、平均損害額は、例えば、消防白書に掲載された建物構造別損害額を参考にする。
自社設備被害としては、例えば、事故・トラブルにより被害を受ける自社設備の補修・交換コストを算定する。つまり、自社設備の補修・交換コスト=Σ(補修・交換必要設備×補修・交換基礎単価)を求める。そして、補修・交換必要設備については、設定した事故・トラブル内容からリストアップし、これに対して、別途各設備の補修・交換コストを見積り、これらを乗じたものを積算して求める。
操業損失は、一定範囲、一定時間以上の供給停止による事業収入への影響を契約条件に照らして算定する。例えば、通信事業では、一定時間を越える通話不能に対して該当する時間に相当する基本料金の払い戻し等の契約条件があり、このような事例に基づいて操業損失を算定することになる。つまり、操業損失=供給停止個数×供給停止時間率×月基本料金として求める。そして、供給停止個数については、事故・トラブルの仮定に従って、供給可能範囲を想定し、そこにある個数を算定する。また、供給停止時間率についても、事故・トラブルの仮定に基づいて供給が不能となる時間を想定する。
営業補償については、営業被害賠償額=(事故影響期間の例年同時期の利益額)−(事故・トラブル後の利益額)によって見積り、損害賠償を行う側の損害額は、営業補償を行わなければならない請求者分の総和であり、営業損害賠償額=Σ{(事故影響期間の例年同時期の利益額)−(事故・トラブル後の利益額)}となる。検査補償については、原子力プラントの場合、人に対する健康診断費、地域に対する放射能検査費があり、人に対する健康診断費=健康診断受診者数×健康診断単価となる。
健康診断受診者数については、事故・トラブルの仮定から、放射能影響が考えられる地域を想定し、その地域の住民数をもって設定する。また、健康診断単価については、労働省が定めたものを用いる。一方、地域に対する放射能検査費=放射能検査必要地域(面積)×(面積当り)検査単価となる。放射能検査必要地域は事故・トラブルの仮定から想定し、検査単価については検査事業者からの回答に基づいて設定する。
発電費用増加については、発電費用増加=火力発電所による代替発電コスト増加+他者からの購入費用に基づいて算定する。火力発電所による代替発電コスト増加分=代替発電量×(原子力と火力との)発電コストの差額で算定され、例えば、原子力と火力との発電コスト差額は、1kW時当り3円50銭である。また、他社からの購入費用=購入発電量×購入単価である。
社会的損失には、交通支障、避難、第三者事業損失等があり、交通支障については、交通支障保障額=支障区間×平均区間運賃×支障時間×時間当たりの利用者数によって算定され、例えば、支障区間については、事故・トラブルの仮定から想定される影響範囲に従い区間を設定し、平均運賃については輸送機関別に定められたものを用いる。さらに、支障時間については、事故・トラブルの仮定から想定される影響時間に基づいて設定する。時間当たり利用者については、事故・トラブルの発生時刻の想定に基づいて輸送機関が公表する実態データを利用して設定する。
また、避難に関しては、その経済的損失を求めることになるが、避難による経済的損失とは、労働者が避難することによって生産活動に従事することができなくなった結果失われる金額であり、避難による経済的損失=経済損失原単価(円/人/時間)×避難人数(人)×避難時間(時間)で算定される。ここで、経済損失原単価とは、労働者一人が避難することにより一時間労働できなくなることによって得られない労働費用であり、これについては、例えば、日本統計年鑑中の「企業規模、産業、労働費用の内訳別常用労働者一人一ヶ月平均労働費用」を「産業別常用労働者一人平均月間総実労働時間数」で割ることによって求める。避難人数については、事故・トラブルの仮定から影響を受け、避難が必要となる範囲を想定して、そこで働く労働者数を見積もる。避難時間については、事故・トラブルの仮定から、影響が残り避難しなければならない時間を想定する。
第三者事業損失とは、工場等電力供給に事業を依存する第三者に対する事業損失の補償であり、事業損失=供給停止戸数×補償対象割合×供給停止時間×平均事業収益で算定される。平均事業収益は、例えば、商業統計等によって想定し、供給停止個数、供給停止時間については、事故・トラブルの仮定に従い、影響範囲と時間を想定して算出する。
その他、企業価値喪失として、広報対応(謝罪会見、メディアを通じた謝罪や安全対応のPR等に要する費用)、行政対応(地元自治体、規制当局に対する対応、及び特別検査、回収に必要となる費用)、需要喪失(事故をきっかけとした電力からガス等への変更による需要喪失)、事業拡大支障(事故による新規事業計画の先送りによる減収)、及びブランド価値喪失(企業価値の低下、ブランド価値の低下に伴う減収)等がある。そして、上述のようにして、算定された損失要素を合算して、社会的影響を考慮したリスク費用として算定する。
ここでは、基本となる破損確率曲線を、運転条件等のプラント設備毎の特性を考慮して補正を行い、プラント設備固有の補正破損確率曲線を求める方法について説明する。図7を参照して、まず、ステップP1において、SCC発生時間Tscc基礎式の選定を行う。ここでは、合金のSCC感受性は、その材料のミクロ組織、温度、応力によってとして、数1で表す。
(数1)
SCC感受性=A・σ・n・exp(−Q/(R・T))
ここで、A:材料ミクロ組織による補正値、σ:応力、T:温度(K)、Q:活性化エネルギー40,000(cal/mol)、R:気体定数(1,986(cal/mol・k))、n:応力の指数係数(例えば、n=4)である。
そして、この感受性がSCC発生時間Tsccに反比例するとして、Tscc=1/SCC感受性とする。
SCC感受性=A・σ・n・exp(−Q/(R・T))
ここで、A:材料ミクロ組織による補正値、σ:応力、T:温度(K)、Q:活性化エネルギー40,000(cal/mol)、R:気体定数(1,986(cal/mol・k))、n:応力の指数係数(例えば、n=4)である。
そして、この感受性がSCC発生時間Tsccに反比例するとして、Tscc=1/SCC感受性とする。
次に、ステップP2において、補正値Aの同定を行う。ここでは、合金に対する定荷重SCC試験結果のT,σ,Tsccデータを用いて数1から補正値Aを同定する(Aの平均値Am及び標準偏差Asを算出する)。
さらに、ステップP3において、応力及び温度の分布を算出する。ここでは、プラント設備毎に、温度及び応力の各々についてその平均、標準偏差を指定し、正規分布でバラツキを算定することになる。ステップP4において、Tsccの分布算定を行う。ここでは、Tscc=1/SCC感受性に、平均値Am、標準偏差As、及び温度及び応力のバラツキ分布を与えて、モンテカルロ法によってTsccの分布を算出する。
次に、ステップP5では、Tscc分布からSCC発生確率曲線を算出して、これを補正破損確率曲線とする。ここでは、Tscc分布を、例えば、ワイブル分布等の確率分布にフィッティング(適合)して、SCC発生確率曲線を得ることになる。
次に、検査の価値を定量評価して補修計画を評価する方法について説明する。ここでは、検査の価値をオプション理論に基づいて定量評価して補修計画の評価を行う。図8を参照して、まず、現時点における破損確率曲線50を用いて補修計画を行う(最適化対策51を行う(実施例1又は2参照))。さらに、破損確率曲線50を用いて、検査手法52を用いて検査を行った際の予想検査結果52−1〜52−N(Nは2以上の整数)を算出する。
ここで、予想検査結果1〜Nは、それぞれ入力条件を異ならせて予想されたものである。同様にして、図示はしないが、検査手法52とはその手法が異なる検査手法53を用いて、複数の予想検査結果を算出する。さらに、別の検査手法を用いて同様にして複数の予想検査結果を得るようにしてもよい。いずれにしても、複数の検査手法を用いてそれぞれ複数の予想検査結果を得ることになる。
そして、予想検査結果52−1〜52−Nについてそれぞれ検査更新後の破損確率曲線54−1〜54−Nを求めて、これら破損確率曲線54−1〜54−Nを用いて最適化対策(補修計画)55−1〜55−Nを行う。なお、検査手法53等によって求められた予想検査結果についても同様にして検査更新後の破損確率曲線を求めて最適化対策を行うことになる。
上述のようにして得られた最適化対策55−1〜55−Nについて予想検査結果52−1に対する(つまり、予想検査結果52−1を得る検査を行った際の)リスクをリスク確率(リスク評価金額)56−1として評価し、同様にして、予想検査結果52−2〜52−Nに対するリスク確立をそれぞれリスク評価金額56−2〜56−Nとして評価して、これらリスク評価金額56−1〜56−Nを合算して、検査を行った際のリスク評価額(検査ありでのリスク額)57とする。そして、最適化対策51におけるリスク評価額を検査なしでのリスク評価額58として、検査ありでのリスク額57と検査なしでのリスク評価額58とを比較して、その差額を検査の価値59として評価する。
さらに、検査によってアップツーデート(up−to−date)を行う方法について説明する。ここでは、up−to−dateとは、検査結果によって破損確率曲線を見直す際、検査回数、検査間隔、及び検査方法などを考慮して、破損確率曲線を最新のものに更新することを意味する。Up−to−dateを行う際には、所謂ベイズ推定が用いられる。
いま、対象物の状態HiをパラメータAの値を用いて、H1:パラメータA=平均−σ、H2:パラメータA=平均、H3:パラメータA=平均+σで定義する。また、状態Hiの時の亀裂発生の累積確率をFHi(t)と表記する。事前確率P(Hi)に対して、ある時間tにおける検査結果として亀裂発生が確認されたかったという事実Xに基づいて事後確率PX(Hi)を計算することが、検査によるup−to−dateである。
そして、事実Xが「ある時間tにおいて亀裂発生が確認されなかった」という定義であることから、PHi(X)=1−FHi(t)として、ベイズ推定の式(数2)を用いてup−to−dateを行う。
(数2)
PX(Hi)=(PHi(X)・P(Hi))/P(X)
PX(Hi)= (PHi(X)・P(Hi))/(ΣP(Hi)・PHi(X))
ここで、PX(Hi):事象Xが成立している時に事象Hiが発生する確率、PHi(X):事象Hiが成立している時に事象Xが発生する確率、P(X):事象Xの発生確率、P(Hi):事象Hiの発生確率である。
PX(Hi)=(PHi(X)・P(Hi))/P(X)
PX(Hi)= (PHi(X)・P(Hi))/(ΣP(Hi)・PHi(X))
ここで、PX(Hi):事象Xが成立している時に事象Hiが発生する確率、PHi(X):事象Hiが成立している時に事象Xが発生する確率、P(X):事象Xの発生確率、P(Hi):事象Hiの発生確率である。
図9を参照して、いま検査結果Xを得たとすると(ステップR1)、まず破損確率の種類を、Hi(iは種類総数N)として、Hiの破損確率をf(Hi,t)とし(tは時間)、Hiである確率をPiとする(ステップR2)。そして、現在の破損確率p(t)は、それぞれの種類の破損確率の平均p(t)=1/(N・ΣiPi・f(Hi,t))で求める(ステップR3)。さらに、検査結果Xに基づいて、各破損確率種類Hiを仮定した場合に検査結果Xとなる確率p(X│Hi)を全てのiについて求める(ステップR4)。
その後、ベイズの定理を用いて、逆に検査結果がXの場合の各破損確率種類Hiの確率p(Hi│X)を求める(ステップR5)。そして、ベイズ理論による更新によって、p(Hi│X)を新たに破損確率種類(状態)Hiの確率Piとする(ステップR6)。その後、現在の破損確率p(t)は、新たに更新したそれぞれの種類の破損確率の平均p(t)=1/(N・ΣiPi・f(Hi,t))で求めることになる(ステップR7)。上述のup−to−dateを行った結果を図10及び図11に示す。図10は検査におけるup−to−dateの一例を示しており、図11は図10に示す評価結果に応じた累積確率と時間との関係を示している。
さらに、ここでは、検査結果による保全戦略の選択方法について説明する。ここでは、検査結果に応じて許容耐用年数を評価して、その結果に応じて保全方法を選択して適切な保全選択を行う。
図12を参照して、まず、源(オリジナル)破損確率曲線を対象部位に関するデータベース60から読み出して(ステップU1)、検査期間を固定(選択)するとともに(ステップU2)、検査手法に関するデータベース61を参照して検査手法を固定(選択)する(ステップU3)。その後、選択された検査手法を用いて、入力条件を異ならせて、入力条件毎に想定(予想)される検査結果を求める(ステップU4)。
例えば、検査結果として、検査結果62−1〜63−M(Mは2以上の整数)が求められ、検査結果62−1が寿命消費率10%、検査結果62−2が寿命消費率20%、検査結果62−Mが寿命消費率90%であったとする。そして、検査結果62−1について、検査結果62−1となる確率を求めて、検査結果62−1でオリジナル破損確率曲線をup−to−dateして第1の破損確率曲線を求める(ステップU5)。
さらに、検査結果62−2について、検査結果62−2となる確率を求めて、検査結果62−2でオリジナル破損確率曲線をup−to−dateして第2の破損確率曲線を求め(ステップU6)、以下同様にして、検査結果62−Mについて、検査結果62−Mとなる確率を求めて、検査結果62−Mでオリジナル破損確率曲線をup−to−dateして第Mの破損確率曲線を求める(ステップU7)。
そして、実施例3で説明した手法を用いて、第1の破損確率曲線に応じた最適対策を求めるとともに、予想コスト額を計算する(ステップU8)。以下同様にして、第2の破損確率曲線に応じた最適対策を求めるとともに、予想コスト額を計算し(ステップU9)、第Mの破損確率曲線に応じた最適対策を求めるとともに、予想コスト額を計算する(ステップU10)。
そして、これら予想コスト額を合算した後(予想コストの総合計算:ステップU11)、検査手法が最適であるか否かを判定し(ステップU12)、最適であると判定されると、選択された検査時期が最適であるか否かを判定する(ステップU13)。そして、検査時期が最適であると判定されると、最適検査時期、検査手法、及び予想コスト額を出力する(ステップU14)。なお、ステップU12において、検査手法が最適でないと判定されると、ステップU3に戻り、ステップU13において、検査時期が最適でないと判定されると。ステップU2に戻って、再度処理が行われることになる。
ところで、実施例6で説明した累積破損確率曲線は種々の可能性(要因)が混合した状態であるため、なだらかな曲線となる。検査を行うと、種々の可能性によるおおよその寿命が推定できるので、累積破損確率曲線は多少切り立ったものとなり、切り立ち方は検査手法及び検査時期に依存する。
いま、オリジナル破損確率曲線が図13に示す曲線であったとすると、検査手法として低精度検査を選択して、前述したようにして、オリジナル破損確率曲線をup−to−dateすると、例えば、図14(a)及び(b)に示すような破損確率曲線が得られる。図示のように、検査手法が低精度検査であると、破損確率曲線はなだらかとなって、破損する可能性が高くなって検査間隔を蜜に設定する必要がある。一方、検査手法が高精度検査であると、図15(a)〜(c)に示すように、up−to−date後の破損確率曲線が切り立ち、破損する時期を絞り込むことができる結果、補修時期の最適化を行って、検査間隔を長くすることができる。
ここで、技術開発による効果の定量的評価方法について説明する。ここでは、技術開発に伴う破損確率への影響を評価して、その投資効果を評価することにする。図16を参照すると、いま、検査手法として、微小な傷を高精度で検査する高精度検査技術が開発されたとし(例えば、現状では、検査精度3mmに対して1mmの傷が検査可能となったとする)、この高精度検査技術では、短時間に簡単にしかも被爆量を抑えて検査が行えるものとする。
さらに、補修方法として、補修後の寿命が長期化され、短時間に簡単にしかも被爆量を抑えて補修が行える補修方法が開発されて、しかも、加工が容易で運用(運転)条件に対して長寿命の材料が開発されたとする。
まず、現状における破損確率分布を算出し(ステップW1)、実施例4で説明した手法を用いて、上述の技術開発の導入によって破損確率分布の補正を行う(ステップW2)。例えば、検査手法の高精度化によって、破損検出確率が向上する結果、傷の発生時間分布の見直し、傷の進展の推定精度が向上するので、適切な時期に保守を行うことができることになる。補修方法の技術進歩によって、補修後の確率分布が補正されて、点検及び交換時期が長期化する。これによって、保守の見直しによる保守費低減を達成できる。
また、検査及び/又は補修の簡易化によって検査・補修頻度向上によるup−to−date頻度が向上し、よりきめ細かく保守計画の見直しが行えることになる。そして、材料の長寿命化によって、破損発生・進展の確率分布の見直し、点検及び交換周期が長期化し、保守の見直しによる保守費低減を達成できる。
続いて、破損確率分布の補正によるリスク減少分の算出を行う(ステップW3)。ここでは、対象プラントの現時点から更新までの最適保守計画を従来の技術手法と高精度技術手法(新技術手法)との各々について求め、従来の技術手法と新技術手法との各々について、プラント寿命の残存期間における累積リスクを算出する。そして、従来の技術手法と新技術手法との累積リスクの差(対象プラントが複数の場合にはその総和)をリスク減少分として求める。つまり、リスク減少分ΔR(t)=従来の技術手法における累積リスク−新技術手法における累積リスクとしてリスク減少分を求める。
そして、開発期間に対する投資額を算出する(ステップW4)。ここでは、対象プラントの寿命サイクル全体の中での、新技術手法の投入時期及び投入後の適用期間に応じて、累積リスク減少分をステップW3の手法で算出し、開発期間に対する投資額を算出する(開発が早ければ、投資額増大、開発が長引けば投資額は減少する)。
プラント設備を構成する各機器毎に設計段階で、機器に関する設計データに応じて機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す破損確率関数を求め、破損確率関数を当該機器の製造に関する製造データ、当該機器の運転履歴、及び当該機器に関する検査の少なくとも一つに基づいて修正して修正破損確率関数とし、供用年数に応じて修正破損確率関数から得られる修正破損確率と予め設定された判定値とを比較して修正破損確率が判定値を越えると当該機器の取替えを判定して、修正破損確率に応じてプラント設備のリスクを管理するようにしたので、原子力、火力プラント、又は石油化学プラント等の各種プラントにおけるリスク管理に適用できる。
10,30 リスクマネージメント装置
11,31 リスク演算処理装置
12 表示装置
13 入力装置
14 出力装置
21,41 設計情報データベース
22,42 製造情報データベース
23 検査方法精度データベース
24,44 検査結果データベース
43 検査方法・精度・検査コストデータベース
45 事故時コスト・設計コストデータベース
46 製造コストデータベース
47 運転・モニタリングコストデータベース
48 取替コストデータベース
11,31 リスク演算処理装置
12 表示装置
13 入力装置
14 出力装置
21,41 設計情報データベース
22,42 製造情報データベース
23 検査方法精度データベース
24,44 検査結果データベース
43 検査方法・精度・検査コストデータベース
45 事故時コスト・設計コストデータベース
46 製造コストデータベース
47 運転・モニタリングコストデータベース
48 取替コストデータベース
Claims (18)
- プラント設備のリスクを管理するためのリスクマネージメント装置であって、
前記プラント設備を構成する各機器毎に設計段階で前記機器に関する設計データに応じて前記機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す破損確率関数を求める破損確率関数算出手段と、
前記破損確率関数を当該機器の製造に関する製造データ、当該機器の運転履歴、及び当該機器に関する検査の少なくとも一つに基づいて修正して修正破損確率関数とする破損確率関数変更手段と、
供用年数に応じて前記修正破損確率関数から得られる修正破損確率と予め設定された判定値とを比較して前記修正破損確率が前記判定値を越えると当該機器の取替えを判定する判定手段とを有し、
前記修正破損確率に応じて前記プラント設備のリスクを管理するようにしたことを特徴とするリスクマネージメント装置。 - 前記判定手段による取替え判定に応じて前記機器の取替えが行われると、該取り替えられた機器に対応する前記修正破損確率関数を一旦リセットして前記機器が取り替えられた供用年数が始点となるように前記修正破損確率関数移動するリセット変更手段を有することを特徴とする請求項1に記載のリスクマネージメント装置。
- 前記破損確率関数変更手段は、前記検査における検査精度に応じて前記破損確率関数を修正するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のリスクマネージメント装置。
- プラント設備のリスクを管理するためのリスクマネージメント装置であって、
前記プラント設備を構成する各機器毎に設計段階で前記機器に関して事故が発生した際のコストと供用年数との関係を示すコスト関数を求めるコスト関数算出手段と、
前記コスト関数を当該機器の製造に係る製造コスト、当該機器に関する検査、及び当該機器の運転履歴の少なくとも一つに基づいて修正して修正コスト関数とするコスト関数変更手段と、
供用年数に応じて前記修正コスト関数から得られる修正コストと予め設定された判定値とを比較して前記修正コストが前記判定値を越えると当該機器の取替えを判定する判定手段とを有し、
前記修正コストに応じて前記プラント設備のリスクを管理するようにしたことを特徴とするリスクマネージメント装置。 - 前記判定手段による取替え判定に応じて前記機器の取替えが行われると、該取り替えられた機器に対応する前記修正コスト関数を一旦リセットして前記機器が取り替えられた供用年数が始点となるように前記修正コスト関数を移動するリセット変更手段を有することを特徴とする請求項4に記載のリスクマネージメント装置。
- 前記コスト関数変更手段は、前記検査における検査精度に応じて前記コスト関数を修正するようにしたことを特徴とする請求項4又は5に記載のリスクマネージメント装置。
- 前記コスト関数算出手段は、前記設計段階で掛かる設計コスト、前記製造コスト、及び前記検査に掛かる検査コストに応じて当該機器の供用年数と前記設計コスト、前記製造コスト、前記検査コストとの関係を示す運用コスト関数を求め、
前記コスト関数変更手段は前記機器の運転及び監視に掛かる運転・モニタリングコストで前記運用コストを修正するようにしたことを特徴とする請求項5に記載のリスクマネージメント装置。 - 前記リセット変更手段は、前記判定手段による取替え判定に応じて前記機器の取替えが行われると、前記運用コスト関数を前記機器の取替えに掛かる取替えコストに応じて修正するようにしたことを特徴とする請求項7に記載のリスクマネージメント装置。
- プラント設備のリスクを管理するためのリスクマネージメント装置であって、
前記プラント設備を構成する各機器毎に設計段階で前記機器に関する設計データに応じて前記機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す破損確率関数を求めるとともに前記機器に関して事故が発生した際のコストと供用年数との関係を示すコスト関数を求める関数算出手段と、
前記破損確率関数を当該機器の製造に関する製造データ、当該機器の運転履歴、及び当該機器に関する検査の少なくとも一つに基づいて前記破損確率関数を修正して修正破損確率関数とするとともに前記コスト関数を当該機器の製造に係る製造コスト、当該機器に関する検査、及び当該機器の運転履歴の少なくとも一つに基づいて前記コスト関数を修正して修正コスト関数とする関数変更手段と、
前記機器毎にその重要性を示す重要度を補正係数として、供用年数に応じて前記修正破損確率関数から得られる修正破損確率を前記補正係数で補正して補正破損確率とする補正手段と、
該補正破損確率に応じて選択的に修正コスト関数及び前記破損確率関数を選択関数として用いて、前記供用年数に応じて前記選択関数から得られる値が予め設定された判定値を越えると当該機器の取替えを判定する判定手段とを有し、
前記修正破損確率関数及び前記修正コスト関数に応じて前記プラント設備のリスクを管理するようにしたことを特徴とするリスクマネージメント装置。 - プラント設備の社会的影響を考慮してその二次的損害を二次的リスクとして評価管理するためのリスクマネージメント装置であって、
プラント設備に係る過去の類似事例分析を行って、該分析結果に基づいて仮定設定を行う仮定設定手段と、
前記仮定設定に応じて少なくとも経済的損失及び社会的損失を評価して評価結果を得る評価手段と、
前記評価結果を損失要素としてリスク費用を見積るリスク見積り手段とを有することを特徴とするリスクマネージメント装置。 - 前記経済的損失として、少なくとも人的損害、物的損害、自社設備被害、操業損失、営業補償、検査補償、及び発電費用増加を評価し、前記社会的損失として少なくとも交通支障、避難、及び第三者事業損失を評価するようにしたことを特徴とするリスクマネージメント装置。
- プラント設備のリスクを管理する際前記プラント設備毎の特性に応じて前記プラント設備のリスク管理を行うリスクマネージメント装置であって、
前記プラント設備を構成する各機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す破損確率関数をオリジナル破損確率関数として該オリジナル破損確率関数を前記プラント設備の特性に応じて補正して補正破損確率関数を求める補正手段と、
前記補正破損確率関数に基づいて前記プラント設備のリスク管理を行うリスク管理手段とを有することを特徴とするリスクマネージメント装置。 - 前記補正手段は機器材料の破損感受性の逆数で示される破損発生時間式を求める第1の手段と、
前記破損発生時間式に応じて補正値を同定する第2の手段と、
正規分布に応じて前記機器について温度及び応力分布を求める第3の手段と、
前記破損発生時間式と前記温度及び応力分布と前記補正値とに応じてモンテカルロ法によって破損発生時間分布を求める第4の手段と、
前記破損時間分布を所定の確率分布に適合させて前記補正破損発生確率曲線を得る第5の手段とを有することを特徴とする請求項12記載のリスクマネージメント装置。 - プラント設備のリスクを管理する際当該プラント設備の検査に関する価値を定量的に評価して前記プラント設備のリスク管理を行うリスクマネージメント装置であって、
前記プラント設備を構成する各機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す現時点における破損確率関数を現破損確率関数として、該現破損確率関数を用いて補修計画の最適化を行う第1の最適化手段と、
前記現破損確率関数を用いて、互いに異なる複数の検査手法を用いて検査を行った際、各検査手法毎に複数の予想検査結果を算出する検査結果予測手段と、
前記予想検査結果についてそれぞれ検査更新後の破損確率曲線を更新破損確率関数として求める破損確率関数更新手段と、
前記更新破損確率関数を用いて前記更新破損確率関数毎に補修計画を最適化して複数の最適化策を得る第2の最適化手段と、
前記最適化策について予想検査結果に対するリスク評価金額を評価して、検査を行った際のリスク評価額と第1の最適化手段で得られた最適化策のリスク額とを比較して検査の価値を評価する評価手段とを有することを特徴とするリスクマネージメント装置。 - プラント設備のリスクを管理する際前記プラント設備毎の検査回数、検査間隔、及び検査方法に応じて、前記プラント設備を構成する各機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す破損確率関数を更新して前記プラント設備のリスク管理を行うリスクマネージメント装置であって、
前記プラント設備を構成する各機器について破損確率の種類に応じて検査結果に基づいて当該検査結果となる確率を第1の確率として求める第1の手段と、
ベイズの定理を用いて検査結果について各破損確率種類についてその確率を第2の確率として求める第2の手段と、
ベイズ理論による更新によって前記第2の確率を前記破損確率種類の第3の破損確率とする第3の手段と、
前記破損確率関数を前記第3の破損確率の平均として求める第4の手段とを有することを特徴とするリスクマネージメント装置。 - プラント設備のリスクを管理する際前記プラント設備毎の検査結果に応じて保全方法を選択して該選択された保全方法に応じて前記プラント設備のリスク管理を行うリスクマネージメント装置であって、
前記プラント設備毎にその検査期間を選択する第1の手段と、
前記プラント設備毎にその検査方法を選択する第2の手段と、
前記第2の手段で選択された検査手法を用いた際の予想検査結果を求める第3の手段と、
前記プラント設備を構成する各機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示すオリジナル破損確率曲線を前記予想検査結果に基づいて更新して更新破損確率曲線を求める第4の手段と、
該更新破損確率曲線に応じた最適対策を求めるとともに、予想コスト額を計算する第5の手段とを有し、
前記最適化対策及び予想コストに応じた保全方法を選択するようにしたことを特徴とするリスクマネージメント装置。 - プラント設備のリスクを管理する際技術開発による前記プラント設備の保守効果を評価して前記プラント設備のリスク管理を行うリスクマネージメント装置であって、
前記プラント設備を構成する各機器毎にその供用年数と破損確率との関係を示す破損確率分布を求める第1の手段と、
前記技術開発の導入によって前記破損確率分布の補正を行って補正破損確率関数を求める第2の手段と、
前記補正破損確率分布を用いた際のリスク減少分を算出する第3の手段とを有することを特徴とするリスクマネージメント装置。 - さらに、前記技術開発の投入時期及び投入後の適用期間に応じた累積リスク減少分に基づいて前記技術開発に対する投資額を算出する第4の手段を有することを特徴とする請求項17記載のリスクマネージメント装置。
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