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JP2004185547A - 医療データ解析システム及び医療データ解析方法 - Google Patents

医療データ解析システム及び医療データ解析方法 Download PDF

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JP2004185547A
JP2004185547A JP2002354873A JP2002354873A JP2004185547A JP 2004185547 A JP2004185547 A JP 2004185547A JP 2002354873 A JP2002354873 A JP 2002354873A JP 2002354873 A JP2002354873 A JP 2002354873A JP 2004185547 A JP2004185547 A JP 2004185547A
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medical data
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medical
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Kumiko Seto
久美子 瀬戸
Takahiko Shintani
隆彦 新谷
Satoshi Mitsuyama
訓 光山
Hideyuki Ban
伴  秀行
Takeshi Hashiguchi
猛志 橋口
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Hitachi Ltd
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Abstract

【課題】膨大な医療データから診断の根拠となるデータの関係を効率的に抽出でき、医師の診断を支援する医療データ解析システムを提供する。
【解決手段】医療データ解析部110を備える演算処理装置11と、解析用医療データ記憶部120を備えるデータベースと、n個の診断に関する条件を入力する条件入力部100を備える入出力装置10とを有し、上記n個の条件に従い、個々の条件の満たす場合と満たさない場合について、全ての条件の組み合わせに該当する2群の解析用医療データの割合を算出し、入出力装置10の出力部101に表示する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、診断データを用いて、医師の診断を支援する医療データ解析システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、より質の高い保険医療サービスを提供するために、Evidence−Based Medicine(EBM)の実践が重要な考え方となっている。一方、システムのネットワーク化、診療データを電子的に管理する電子カルテシステム等の医療システムの普及に伴い、大規模な医療データベースが構築されつつある。これにより、データベースから動的に診断根拠を導出することが可能になり、今後は、各医療機関で、診断根拠の抽出や抽出された診断根拠の評価を行い、EBMを実践した質の高いサービスを提供することができる。特に、EBMを実践する上で、診療データの解析により効率的に診断根拠を抽出することが重要となる。
【0003】
既存のデータ解析技術としては、Online−Analytical−Processing(OLAP)を用いる方法があげられる(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
OLAPは、大量の多次元データを解析するための各種問い合わせやデータ操作機能を提供する。医師は診療時の意思決定の際に、これらの機能を使って分析を行うことが可能である。例えば、既に市販されているOLAPツールでは、(1)分析項目や集計内容、(2)(1)に基いたデータの抽出、(3)データの参照、の機能を備える。
【0005】
OLAPによる分析の手順としては、(1)、(2)に関しては予めデータベースに詳しい管理者が行い、診療現場での医師は(3)において(1)で設計した分析項目を替えながら集計結果を参照する。
【0006】
【非特許文献1】
村永他3:「病院情報システムに蓄積されたデータを活用した病院データウェアハウスの構築」、日本エム・イー学会雑誌(2002年)、第8頁−第17頁
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
診療現場において、医師がデータを分析する場合、(1)処理スピードの向上、(2)操作の簡便化、(3)瞬時に判断できるよう解析結果を判りやすく表示、が課題としてあげられる。
【0008】
このうち、上述の従来技術では、(1)については、データの集計処理は予め行っておくため、医師が分析する際には、高速に検索できる。また(2)についても、ビジュアルに操作可能であり、ドラッグ&ドロップにより簡単に分析項目を替えて集計結果を再算出することができる。しかし、上述の従来技術では、分析項目を明示的に指定する必要があるため、分析の着眼点がわからない状況に対しては、その都度、集計結果を参照しながら分析項目や集計内容の再設計を繰り返すことになる。よって、着眼点が不明瞭なデータへの適用は難しい。
【0009】
また、(3)に関しては、集計結果を参照する際、各項目について全ての値の組み合わせに対する集計値を提示する。しかし、項目の組み合わせによっては、結果が膨大になり、不必要な組み合わせが多くなり、かえって分析の効率が低下する。
【0010】
本発明の目的は、膨大な医療データから診断の根拠となるデータの関係を効率的に抽出でき、医師の診断を支援する医療データ解析システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の医療データ解析システムでは、解析用医療データを格納する解析用医療データ記憶部をもつデータベースと、診断に関するn(nを正の整数として、n≧2とする)個の条件を入力する条件入力部と、前記n個の各条件を満たす場合と満たさない場合の全ての組み合わせに該当する2群のデータを、前記解析用医療データ記憶部の解析用医療データから抽出し、前記抽出されたデータの、前記n個の条件に関係する解析用医療データの全体に対する割合を算出する医療データ解析部を具備する演算処理装置と、前記演算処理装置で得られた前記割合を出力する出力部と前記条件入力部とを具備する入出力装置とを有する。
【0012】
また、本発明の医療データ解析システムでは、前記演算処理装置は、前記解析用医療データから、データ相互間の相関性を示す相関ルール及びその頻度データを抽出するデータマイニング実行部を具備し、前記入出力装置は、前記相関ルールから所定の前記相関ルールを選択するための相関ルール選択部とを具備し、前記医療データ解析部は、前記相関ルール選択部で選択された前記相関ルールに従い、前記割合を算出し出力するよう構成されている。
【0013】
また、本発明の医療データ解析システムでは、前記データベースは、前記データマイニング実行部で抽出した前記相関ルール及びその頻度データを格納するデータマイニング結果記憶部を具備し、前記医療データ解析部は、前記データマイニング結果記憶部に格納された前記頻度データから、前記割合を算出するよう構成されている。
【0014】
また、本発明の医療データ解析システムでは、前記解析用医療データ記憶部は、診断のための検査結果を含む診断情報であり、連続する値をとる前記診断情報の許容範囲を示す上限値と下限値を格納する基準値テーブルを備え、前記条件入力部において、前記診断情報に対する条件として、前記上限値と前記下限値を設定するよう構成されている。
【0015】
また、本発明の医療データ解析システムでは、前記入出力装置は、前記演算処理装置で得られた前記割合を表示するよう構成されている。
【0016】
さらに、本発明の医療データ解析方法では、診断の前提条件を入力するステップと、診断に関するn(nを正の整数として、n≧2とする)個の条件を入出力手段に入力するステップと、前記n個の各条件を満たす場合と満たさない場合の全ての組み合わせに該当する2群の各データを、予めメモリ手段に格納された解析用医療データから抽出し、前記抽出された各データの前記前提条件を満たすデータに対する割合を算出して出力するステップとを有する。
【0017】
また、本発明の医療データ解析方法では、前記組み合わせを選択し、選択された前記組み合わせに関する条件をもとに新たな前提条件を設定するステップを含む。
【0018】
また、本発明の医療データ解析方法では、前記割合を表示するステップを有する。
【0019】
さらにまた、本発明の医療データ解析方法では、所定の医療データを入力して、解析用医療データから前記医療データに最も関連性の高い医療データを提示する医療データ解析方法であって、前記解析用医療データからデータ相互間の相関性を示す相関ルール及びその頻度データを算出するステップと、入力された前記医療データの項目を結論部にもつ前記相関ルールを検索するステップと、前記検索された前記相関ルールより、前記結論部の組み合わせに対する頻度データを算出するステップと、前記医療データと一致する前記結論部の組み合わせに対する前記頻度データのうち、前記頻度データが最も高い値をもつ前記結論部の組み合わせに対する前記前提部を表示するステップとを有する。
【0020】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳述する。
【0021】
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例の医療データ解析システムの構成例を示す図である。第1の実施例の医療データ解析システムは、入出力装置10、演算処理装置11、データベース12から構成される。
【0022】
入出力装置10は、条件入力部100、出力部101を含む。演算処理装置11は、医療データ解析部110を含む。医療データ解析部110は、条件入力部100から入力されたn(nを正の整数として、n≧2とする)個の条件に対して、データベース12に格納される解析用医療データ記憶部120のデータから、2群のデータを検索し抽出して、各群のn個の条件に関係するデータ全体に対する割合を算出するデータ解析を行なう。データ解析の結果は、出力部101に表示される。
【0023】
ここで、2群のデータとは、n個の条件に対して、n個の各条件を満たす場合と満たさない場合の全ての組み合わせについて、解析用医療データ記憶部120のデータから抽出されるデータ群のことである。
【0024】
解析用医療データ記憶部120には、患者の性別や年齢や疾患名等を含む患者基礎情報テーブル、検査結果テーブル、処方情報テーブル等、解析に必要な様々な医療データを格納したテーブルが含まれる。各テーブルは、症例を一意に特定するための症例IDで管理し、複数のテーブルにまたがる情報を検索する際には、症例IDをキーに各テーブルを連結して、該当する症例を検索する。一方、患者で検索をしたい場合は、各情報を患者を一意に特定するための患者IDで管理してもよい。
【0025】
図2は、本発明の第1の実施例における医療データ解析方法の処理の手順のフローを示し、図3は、第1の実施例における入出力装置10の画面展開例を示す。ここでは、例えば、診療現場における医療解析の一例として、ある虚血性心疾患の患者に対して薬剤Aを投与したい場合に、薬剤Aの副作用の傾向を調べる例を用いて説明する。
【0026】
ステップ200で、医師が、入出力装置10における前提条件入力部300において、前提条件として、「虚血性心疾患」=「あり」を入力する。次に、ステップ201で、条件入力部100において、「薬剤A」=「あり」、「副作用」=「あり」という二つの条件を入力する。
【0027】
検索実行ボタン302をクリックすると、医療データ解析部110は、ステップ202〜206を実行する。
【0028】
ステップ202では、(1)「虚血性心疾患」=「あり」and「薬剤Aの投与」=「あり」and「副作用」=「あり」(条件A)、(2)「虚血性心疾患」=「あり」and「薬剤Aの投与」=「あり」でないand「副作用」=「あり」(条件B)、(3)「虚血性心疾患」=「あり」and「薬剤Aの投与」=「あり」and「副作用」=「あり」でない(条件C)、(4)「虚血性心疾患」=「あり」and「薬剤Aの投与」=「あり」でないand「副作用」=「あり」でない(条件D)、の2群、即ち、4群を満たすデータを検索して抽出するための、データベースに対する条件文(問い合わせ文)を作成する。
【0029】
「薬剤Aの投与」=「あり」をN1、「副作用」=「あり」をN2、「薬剤Aの投与」=「あり」でないをN1、「副作用」=「あり」でないをN2の記号で示すと、上記の4群の各郡に対する条件文は、図1中の出力部101に示すように、(1)N1×N2、(2)N1×N2、(3)N1×N2、(4)N1×N2のような論理積で示される。
【0030】
ステップ203では、ステップ202で作成した条件文に基づいて、4群の各郡について、データベース12の解析用医療データを検索する。
【0031】
ステップ204において、「虚血性心疾患」=「あり」が該当する全データ数に対する、各群を満たすデータ数の割合を算出する。
【0032】
ステップ205では、群の数だけ(ここでは4群)ステップ203とステップ204を繰り返す。
【0033】
ステップ206では、ステップ204で算出した4通りの群の、前提条件を満たすデータ全体に対する割合(頻度)を、出力部101に同時に表示する。ここで、例えば、図1に示すように、上記の4通りの群に対する割合が、25%、5%、25%、45%であるとする。この結果から、虚血性心疾患の患者のうち、薬剤Aと、薬剤A以外の薬を投与(「薬剤Aの投与」=「あり」でない場合を示す。)された患者はそれぞれ50%ずつおり、そのうち薬剤Aで副作用があった患者は5割いるのに対して、薬剤A以外の薬で副作用があったのは約1割であることが判る。即ち、薬剤Aの投与に対して副作用が多くみられたという知見を得ることができる。
【0034】
通常のデータベース検索では、一つの検索条件に該当するデータの問い合わせ文を実行し、一つの検索結果を得るため、(a)「薬剤Aの投与」=「あり」and「副作用」=「あり」の条件で検索し、該当数25%という結果が得られるとすると、(b)(a)の条件以外の条件を満たす該当数は75%と類推できるが、(a)、(b)の2通りの比較しかできないため、上記で説明したように、特に薬剤Aの投与に対して副作用が多くみられたという知見は得ることができない。
【0035】
以上説明したように、一度の条件設定から複数の個体群に関する医療データを比較できるので、診療現場で正確かつ効率よく解析を行うことができる。
【0036】
(実施例2)
図4は、本発明の第2の実施例と、次に説明する第3の実施例の医療データ解析システムの構成例を示す図である。第2の実施例、第3の実施例の医療データ解析システムと、図1に示す第1の実施例の医療データ解析システムの構成の相違点について説明する。図4に示す入出力装置10は、図1に示す入出力装置10の構成に加え、さらに相関ルール選択部400を含む。図4に示す演算処理装置11は、図1に示す演算処理装置11の構成に加え、さらにデータマイニング実行部410を含む。
【0037】
データマイニング実行部410では、データベース12の解析用医療データ記憶部120のデータを網羅的に解析し、相関ルール及びその頻度を抽出し、その抽出結果をデータマイニング結果としてデータマイニング結果記憶部420に格納する。
【0038】
相関ルールとは、項目間の相関性を示すルールであり、「〜ならば、〜である」というif−then形式をとる。本実施例では、相関ルールとは、2群のデータ間の相関性を示す。また、頻度とは、ifを前提部、thenを結論部と呼ぶとすると、前提部の条件が成り立つ場合に結論部の条件が成り立つ割合(条件付き確率)のことである。
【0039】
データマイニング結果は、相関ルール(前提部と結論部からなる)とその頻度により表される。
【0040】
ユーザが、相関ルール選択部400において、データマイニング結果記憶部420に格納されたルールから該当するルールを選択すると、この選択した相関ルールに該当する条件に従い、医療データ解析部110は、第1の実施例のステップ202〜ステップ206と同様な処理手順で、出力部101に結果を表示する。
【0041】
図5は、本発明の第2の実施例における処理の手順と入出力装置10の画面展開例を示す図である。ここでは、例えば、薬Aの副作用が出る場合は、どういう場合かを分析する例について説明する。
【0042】
相関ルール選択部400は、相関ルール検索部500、相関ルール表示部501から成る。相関ルール検索部500から、ルールを検索する条件を入力し、「前提部」チェック又は「結論部」チェックを選択することで、検索する条件が、前提部に該当する場合又は結論部に該当する場合のルールを検索する。
【0043】
例えば、ステップ50において、ルールの検索条件として「薬Aあり」「副作用あり」、「結論部」チェックを設定し、検索ボタンをクリックする。この結果、ステップ51では、相関ルール表示部501に、データマイニング結果記憶部420に格納されたルールから、「薬A」=「あり」「副作用」=「あり」を結論部にもつルールが選択抽出されて表示される。なお、ステップ501において、ルール(1)は「虚血性心疾患:あり」→「薬剤A:あり」and「副作用:あり」、ルール(2)は「虚血性心疾患:あり」and「検査値A>1000」→「薬剤A:あり」and「副作用:あり」、ルール(3)は「虚血性心疾患:あり」and「糖尿病の家族歴:あり」→「薬剤A:あり」and「副作用:あり」を示す。
【0044】
次に、相関ルール表示部501に表示された相関ルールから、分析に適した結果を含む相関ルールを選択する。例えば、目の前の患者が虚血性心疾患で、糖尿病の家族歴をもつので、[虚血性心疾患:あり][糖尿病の家族歴:あり]⇒[薬A:あり][副作用:あり]というルールが最適であると判断して選択する。すると、ステップ52では、上記の相関ルールの前提部の条件が、前提条件入力部300に、結論部の条件が、条件入力部100に設定される。
【0045】
以上のように、はじめから「薬Aの副作用」と「糖尿病の家族歴」が関係しているか判らなくても、相関ルールを用いることで、瞬時に分析目的に合った結果を表示することができる。よって、着眼点が不明瞭な、流行性や一過性の疾患等のような日々刻々と変化する医療データに対しても、有効であり、正確な解析が行える。
【0046】
また、第2の実施例では、相関ルールの選択と条件入力を併用して、2群化してもよい。即ち、ステップ52の前提条件入力部300に、例えば、目の前の患者が男性である場合、「性別:男」を追加入力し、検索ボタン302をクリックすると、前提条件として、「虚血性心疾患:ありand糖尿病の家族歴:ありand性別:男」、2群化条件として、「薬剤A:あり、副作用あり」として、2群の割合を算出する。これにより、患者により合った薬剤Aと副作用Aの関係をみることができるようになる。
【0047】
(実施例3)
本発明の第3の実施例では、図5の画面展開においてステップ52をふまずに、ステップ51で相関ルールを選択し、直接2群の割合を算出する方法を示す。
【0048】
図6は、本発明の第3の実施例における医療データ解析方法の処理の手順を示すフローである。
【0049】
まず、ステップ600において、相関ルール選択部400において、[虚血性心疾患][糖尿病の家族歴:あり]⇒[薬A:あり][副作用:あり]というルールを選択したものとする。
【0050】
ステップ601では、医療データ解析部110において、上記ルールについて、データマイニング結果記憶部420に格納された、その関連頻度データを抽出する。
【0051】
ここで、関連頻度データとは、選択したルールと同じ要素を含む頻度データのことをいう。例えば、A⇒B,Cというルールに対しては、Aである、Bである、Cである、A⇒Bである、A⇒Cである、B⇒Cである、の頻度データを示す。上記関連頻度データは、予めデータマイニング実行部410において、ルールを導出する際に、同時に算出され、データマイニング結果記憶部420に格納されている。
【0052】
ステップ602では、医療データ解析部110において、選択したルールの頻度データとその関連頻度データの差により、2群の頻度データを算出する。
【0053】
例えば、[虚血性心疾患][糖尿病の家族歴:あり]⇒[薬A:あり][副作用:あり]が20%、関連頻度データとして、[虚血性心疾患][糖尿病の家族歴:あり]⇒[薬A:あり]40%、[虚血性心疾患][糖尿病の家族歴:あり]⇒[副作用:あり]30%と抽出されたものとする。
【0054】
残りの2群の頻度データは、それぞれ、[虚血性心疾患][糖尿病の家族歴:あり]⇒[薬A:あり][副作用:あり以外(副作用なしの場合を示す。)]は、40%−20%=20%、[虚血性心疾患][糖尿病の家族歴:あり]⇒[薬A:あり以外][副作用:あり]は、30%−20%=10%、[虚血性心疾患][糖尿病の家族歴:あり]⇒[薬A:あり以外(薬Aなしの場合を示す。)][副作用:あり以外]は、100%−(20%+20%+10%)=50%と求められる。
【0055】
ステップ603では、医療データ解析部110において、ステップ601及び602で算出された2群の頻度データを、出力部101に表示する。
【0056】
以上のように、第3の実施例では、データベースの解析用医療データ記憶部120のデータを問い合わせず(検索せず)にデータマイニング結果だけで全頻度データを算出できるので、条件数が多くなった場合でも高速に演算できるようになる。
【0057】
(実施例4)
本発明の第4の実施例では、いったん2群化したデータ群に対して、更に、新たな条件を前提条件として2群化を行なう。
【0058】
図7は、本発明の第4の実施例における処理の手順を示し、図3の画面例を参照した画面展開の手順を説明する図である。
【0059】
まず、ステップ700では、前提条件入力部300において、前提条件「虚血性心疾患あり」を設定する。次に、ステップ701では、条件入力部100において、2群化条件として「薬Aあり」「副作用あり」を設定する。検索ボタン302をクリックすると、ステップ702では、「虚血性心疾患あり」のうち、「薬Aあり」and「副作用あり」、「薬Aあり」and「副作用あり以外」、「薬Aあり以外」and「副作用あり」、「薬Aあり以外」and「副作用あり以外」の、各割合を、出力部101に結果として表示する。
【0060】
次に、ステップ703において、詳細な分析を進めるか判断する。例えば、上記の結果より、薬Aの副作用が高いことが判り、薬A以外で副作用のない群に対して、他の薬Bの投与状況を知りたいものとする。そこで、ステップ704において、出力部101上で、分析対象の群「薬Aあり以外、副作用なし」を選択する。すると、ステップ705では、前提条件入力部300に分析対象の群を前提条件に、即ち「虚血性心疾患あり、薬Aなし、副作用なし」を設定する。再度、ステップ701に戻り、2n群条件入力部100において、別の2群化するための条件「薬Bあり」を設定する。ステップ702において、検索ボタン302をクリックすると、出力部101には、「虚血性心疾患あり、薬Aなし、副作用なし」の群に対して、「薬Bあり」「薬Bなし」の2群の頻度データを表示する。
【0061】
以上のように、はじめから解析用医療データを複数の個体群に関する医療データに分けるのではなく、あり・なしの組み合わせで2群化したデータ群に対して、更に2群化するステップを付加することで、医師が直感的に判りやすい形で、診断あるいは研究を目的とする分析できるようになる。
【0062】
(実施例5)
連続する値をとる検査データ等に対して効率的な分析を行なう第5の実施例について説明する。第5の実施例では、図1の解析用医療データ記憶部120に、基準値テーブルを格納する。基準値テーブルには、検査値等の連続する値をとるデータに対して、正常や異常を判定するための許容(正常)範囲を示す下限値と上限値を格納する。
【0063】
図8は、本発明の第5の実施例の医療データ解析方法の処理の手順を示すフローである。ここでは、例えば、薬剤Aの効果をみるために、空腹時の血糖の傾向を分析する例をとって説明する。
【0064】
ステップ800で、条件入力部100において、「薬剤Aあり」を設定し、ステップ801では、「HbA1c」は項目のみを設定する。「HbA1c」は基準値をもつため、ステップ802では、基準値テーブルより「HbA1c」の下限値4%と上限値6%を検索し、ステップ803において、「HbA1c」の条件として4%を最小値、6%を最大値として設定する。
【0065】
ステップ804では、医療データ解析部110において、「HbA1c4%〜6%」and「薬剤Aあり」、「HbA1c4%〜6%」and「薬剤Aなし」、「HbA1c4%〜6%以外」and「薬剤Aあり」、「HbA1c4%〜6%以外」and「薬剤Aなし」の4群について、その割合を算出し表示する。
【0066】
以上のように、予め正常範囲を条件に自動設定することにより、瞬時に正常群と異常群を比較でき、診療現場において連続する値をとるデータに対する効率的な分析が行えるようになる。
【0067】
以上の各実施例の説明では、2群のデータとして、説明を簡単とするために、n=2の場合を例にとって説明したが、本発明は、nを正の整数として、n≧2の場合にも適用できることは言うまでもない。
【0068】
(実施例6)
関連データを抽出する処理を行なう第6の実施例について説明する。図9は、本発明の第6の実施例における画面展開例を示す図、図10は、本発明の第6の実施例において最も関連性の高い診療データを抽出する処理の手順を示すフロー、図11は、本発明の第6の実施例において関連データを抽出する処理の概念を説明する図である。
【0069】
ここでは、例えば、医師が患者に対して薬剤Aを処方する際に、予め行うべき診療行為をチェックしたい場合を想定する。図9に示すように、まず、診療データ入力部900から、「薬剤Aあり」「副作用あり」を設定する。図10の処理フローに従って最も関連性の高い診療データを抽出して、抽出したデータ、ここでは、「虚血性心疾患あり」「検査値A>1000」を、関連診療データ出力部901に表示する。
【0070】
ここで、図10に示す処理の手順のフローを、図11を参照して説明する。
【0071】
まず、図10のステップ1000において、データベース上の解析用医療データ記憶部120のデータに対して、データマイニングを行い、先に説明した相関ルール及びその頻度データを抽出し、そのデータマイニング結果をデータベースのデータマイニング結果記憶部420に格納する。
【0072】
ステップ1001では、「薬剤A」「副作用」という項目を結論部にもつ相関ルールに対して、その関連ルール(第3の実施例に定義)の頻度データを、データマイニング結果記憶部420のデータから検索する。
【0073】
ステップ1002では、上記の関連ルールの頻度データから結論部の組み合わせに対するルールの頻度を算出する。ステップ1002において、組み合わせ(I)は「薬剤Aあり」and「副作用あり」、組み合わせ(II)は「薬剤Aあり」and「副作用なし」、組み合わせ(III)は「薬剤Aなし」and「副作用あり」、組み合わせ(IV)は「薬剤Aなし」and「副作用なし」を示す。
【0074】
例えば、図11に示すように、頻度データp1、p5、p9が、既に結果として格納されているとすると、それ以外の頻度データ、p2とp3とp4、p6とp7とp8、p10とp11とp12を、関連ルールの頻度データから算出して取得する。
【0075】
ステップ1003では、取得した頻度データより、最も高いルールを検索する。この場合、頻度データp6が最も高い値とすると、ステップ1004では、該当ルールの前提部、即ち「虚血性心疾患あり」「検査Aが1000以上」を取得し、図9に示す関連診療データ出力部901に表示する。
【0076】
これにより、例えば、虚血性心疾患の患者に対して、医師が検査Aを行っていない場合は、検査Aを行うよう判断する。そこで、得られた検査値が1000以上であれば、医師は、その患者に対して薬剤A以外の薬に変更するよう判断できる。以上のように、相関ルールの頻度データを利用することで、次の診療行為に対するナビゲートを行うことができ、医師の診断を支援できるようになる。
【0077】
なお、本発明の医療データ解析システムのデータベース12では、解析用医療データ記憶部120に記憶される解析用医療データとして、病院、診療所、保険所等の医療機関、あるいは、データセンタで一元管理された医療データを使用し、あるいはさらに、この医療データを網羅的に解析し、相関ルール及びその頻度を抽出したデータマイニング結果を表すデータを使用している。
【0078】
本発明の医療データ解析方法を実行するプログラムは、医療機関、あるいは、データセンタで一元管理された医療データをベースとするシステムに、汎用的に適用可能であり、従来のシステムに新たな機能を付加することができる。
【0079】
以上の実施例で説明したように、本発明の医療データ解析システムでは、膨大な医療データの分析を効率よく実行でき、複数の分析項目の関係を判りやすい形で表示可能であり、また、分析の着眼点がわからない項目についても解析可能である。
【0080】
また、以上の実施例で説明した医療データ解析システム及び医療データ解析方法は、診断支援を主な目的とするが、病院、診療所、保険所等の医療機関における研究支援をも目的とし得る。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の医療データ解析システムによれば、膨大な医療データから診断の根拠となるデータの関係を効率的に抽出し、診断に有用なデータを提供でき、医師の診断を支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施例になる医療データ解析システムの構成例を説明する図。
【図2】本発明の第1の実施例における処理の手順を説明するフロー図。
【図3】本発明の第1の実施例における入出力装置の画面展開例を示す図。
【図4】本発明の第2の実施例および第3の実施例の構成例を説明する図。
【図5】本発明の第2の実施例における処理の手順と入出力装置の画面展開例を示す図。
【図6】本発明の第3の実施例における処理の手順を示すフロー図。
【図7】本発明の第4の実施例における処理手順を示し、図3の画面例を参照した画面展開の手順を説明する図。
【図8】本発明の第5の実施例における処理手順を示すフロー図。
【図9】本発明の第6の実施例における画面展開例を示す図。
【図10】本発明の第6の実施例において最も関連性の高い診療データを抽出する処理の手順を示すフロー図。
【図11】本発明の第6の実施例において関連データを抽出する処理の概念を説明する図。
【符号の説明】
10…入出力装置、11…演算処理装置、12…データベース、100…条件入力部、101…出力部、110…医療データ解析部、120…解析用医療データ記憶部、300…前提条件入力部、302…検索ボタン、400…相関ルール選択部、410…データマイニング実行部、420…マイニング結果記憶部、500…相関ルール検索部、501…相関ルール表示部、900…診療データ入力部、901…関連診療データ出力部。

Claims (9)

  1. 解析用医療データを格納する解析用医療データ記憶部をもつデータベースと、診断に関するn(nを正の整数として、n≧2とする)個の条件を入力する条件入力部と、前記n個の各条件を満たす場合と満たさない場合の全ての組み合わせに該当する2群のデータを、前記解析用医療データ記憶部の解析用医療データから抽出し、前記抽出されたデータの、前記n個の条件に関係する解析用医療データの全体に対する割合を算出する医療データ解析部を具備する演算処理装置と、前記演算処理装置で得られた前記割合を出力する出力部と前記条件入力部とを具備する入出力装置とを有することを特徴とする医療データ解析システム。
  2. 前記演算処理装置は、前記解析用医療データから、データ相互間の相関性を示す相関ルール及びその頻度データを抽出するデータマイニング実行部を具備し、前記入出力装置は、前記相関ルールから所定の前記相関ルールを選択するための相関ルール選択部とを具備し、前記医療データ解析部は、前記相関ルール選択部で選択された前記相関ルールに従い、前記割合を算出するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の医療データ解析システム。
  3. 前記データベースは、前記データマイニング実行部で抽出した前記相関ルール及びその頻度データを格納するデータマイニング結果記憶部を具備し、前記医療データ解析部は、前記データマイニング結果記憶部に格納された前記頻度データから、前記割合を算出するよう構成されていることを特徴とする請求項2記載の医療データ解析システム。
  4. 前記解析用医療データ記憶部は、診断のための検査結果を含む診断情報であり、連続する値をとる前記診断情報の許容範囲を示す上限値と下限値を格納する基準値テーブルを備え、前記条件入力部において、前記診断情報に対する条件として、前記上限値と前記下限値を設定するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の医療データ解析システム。
  5. 前記入出力装置は、前記演算処理装置で得られた前記割合を表示するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の医療データ解析システム。
  6. 診断の前提条件を入力するステップと、診断に関するn(nを正の整数として、n≧2とする)個の条件を入出力手段に入力するステップと、前記n個の各条件を満たす場合と満たさない場合の全ての組み合わせに該当する2群の各データを、予めメモリ手段に格納された解析用医療データから抽出し、前記抽出された各データの前記前提条件を満たすデータに対する割合を算出して出力するステップとを有することを特徴とする医療データ解析方法。
  7. 前記組み合わせを選択し、選択された前記組み合わせに関する条件をもとに新たな前提条件を設定するステップを含んでなることを特徴とする請求項6記載の医療データ解析方法。
  8. 前記割合を表示するステップを有することを特徴とする請求項6記載の医療データ解析方法。
  9. 所定の医療データを入力して、解析用医療データから前記医療データに最も関連性の高い医療データを提示する医療データ解析方法であって、前記解析用医療データからデータ相互間の相関性を示す相関ルール及びその頻度データを算出するステップと、入力された前記医療データの項目を結論部にもつ前記相関ルールを検索するステップと、前記検索された前記相関ルールより、前記結論部の組み合わせに対する頻度データを算出するステップと、前記医療データと一致する前記結論部の組み合わせに対する前記頻度データのうち、前記頻度データが最も高い値をもつ前記結論部の組み合わせに対する前記前提部を表示するステップとを有することを特徴とする医療データ解析方法。
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