JP2004183881A - 楔ローラ転がり摩擦伝動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに偏心して配置されたシャフトとリングとの間で摩擦力によりトルクを伝達する伝動装置において、使用するトラクション油の特性に最適な加圧特性を与えて、耐久性、信頼性に優れた軽量な伝動装置を得る。
【解決手段】シャフトとリングとの間に形成された不等間隔の空間の中に3個の伝動ローラがあり、このうち2個は位置を固定し,1個の伝動ローラは軸心を可動に支持した楔ローラとして、トルクによってシャフトやリングと伝動ローラとの接触面に生ずる摩擦力により、接触面に大きな法線力を発生する楔ローラ転がり摩擦伝動装置において、楔ローラを前記空間の最大および最小の位置の中央よりも広い空間の位置に配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】シャフトとリングとの間に形成された不等間隔の空間の中に3個の伝動ローラがあり、このうち2個は位置を固定し,1個の伝動ローラは軸心を可動に支持した楔ローラとして、トルクによってシャフトやリングと伝動ローラとの接触面に生ずる摩擦力により、接触面に大きな法線力を発生する楔ローラ転がり摩擦伝動装置において、楔ローラを前記空間の最大および最小の位置の中央よりも広い空間の位置に配置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つの転がり面の間に生ずる流体油膜の極圧粘性を用いて動力を伝達するトラクションドライブによる転がり摩擦伝動装置のうち、互いに偏心したシャフトとリングとの転がり面の間に形成される不等間隔の空間内に、シャフトおよびリングの転がり面に接して3個の伝動ローラがあり、これらの伝動ローラのうちの1個を楔ローラとして、加わったトルクにより伝動ローラの伝動面とシャフトやリングの転がり面との間に生ずる接線力を、楔ローラの楔効果によって拡大して大きな法線力とし、シャフトとリングとの間で滑ることなくトルクを伝達する楔ローラ型転がり摩擦伝動装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
楔ローラ型の転がり摩擦伝動装置は、1960年代半ばに米国特許3,380,312号が出願され、以後その周辺の機構について幾つかの出願がなされている。
これらの従来技術においては、楔ローラの伝動面とシャフトやリングの転がり面との接触点に引いた2つの接線のなす角の1/2である楔角の正接の値を、接触点における摩擦係数より小さい値にすることによって、接触点において大きく滑ってトルクを伝達できなくなるグロススリップを生ずることなくシャフトとリングとの間にトルクを伝達することを狙いとし、接触点における楔角は常に一定のものとして扱われている。従って、楔ローラがトルクにより空間の狭くなる方向に引き込まれる力が働き、楔角と摩擦係数との関係を満足しているなら、楔ローラは前記空間のどの位置に置いてもよいことになる。
【0003】
これらの従来技術においては、偏心したシャフトとリングとの転がり面の間に形成される不等間隔の空間に中で、空間が最大の位置の付近に位置を固定していない大径のローラを置き、最大と最小の空間の中央位置よりも空間が狭まった位置に2個の位置を固定したローラを配置し、大径のローラが回転の方向に応じてシャフトとリングとの間で位置を変えることにより、両方向のトルクに対して楔ローラとして作用することを狙ったものがある。
【0004】
しかし、これ以外の多くのものは、空間が最大の位置の付近に位置を固定した大径のローラを置き、他の1個の位置を固定したローラ、および位置を移動できる楔ローラを、最大と最小の空間の中央位置よりも空間が狭まった位置に配置している。しかし、各ローラをこのように配置した根拠は明示されていない。
【0005】
この伝動装置にトルクが加わったとき、トルクの増加につれて接触点に大きな法線力が生じ、接触点の表面付近の弾性変形が生ずるほか、法線力によるリングの3角形状への弾性変形や、伝動ローラの楕円形状への弾性変形が前記空間を広げる方向に作用し、楔ローラは広がった空間内を、本来狭かった空間の方向に向かって移動する。
【0006】
楔ローラが移動すれば、シャフトやリングの転がり面上での伝動ローラの伝動面との接触位置も変化するので、楔角にも変化を生ずる。
【0007】
これらの従来の技術においては、楔ローラを支える軸受と軸との間に隙間をもたせるとか、軸を固定せずに空間内を移動できるようにするなど、楔ローラの位置の変化を阻害しない考慮は払われているが、位置の移動に伴う楔角の変化の影響を考慮してはいない。
【0008】
楔ローラが前記のような空間の狭い位置に配置されている場合、トルクの増加と共に空間の狭い位置に移動すると、位置の変化につれて楔角も小さくなる。楔角が小さくなれば、楔作用により発生する法線力は接線力に比例して増加するのに加えて、楔角にも反比例するように増加するから、小さなトルクでも接触点でグロススリップを生じないように楔角を定めておくと、大きなトルクが加わったときには、発生する法線力がトルクに比例する以上に増加する。
【0009】
一方、転がり摩擦伝動装置には、大きな接触面圧の下で大きな摩擦力を発生するトラクション油が使われ、トラクション油で発生する摩擦力は、法線力の増加とともに法線力に比例する以上に増加する。従って、トルクの増加につれて楔角が小さくなることによる法線力の増加は、トラクション油の特性に対して逆の傾向をもった不必要なものである。
【0010】
このような法線力の不必要な増加は、転がり面や伝動面の転がり疲労を促進し、伝動装置としての寿命を縮め、動力伝達効率を低下させる。この原因となる楔ローラの移動を小さく抑えるために、リングや駆動ローラの剛性を高くすれば必然的に重量増加を招き、または伝動装置を大きくする必要が生じる。
【0011】
また、過大なトルクが加わったときには、法線力が著しく大きくなり、極端な場合には楔ローラが前記空間の最小位置を乗り越えて、駆動装置に損傷を与えることも起こり得る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、トルクの増加につれて、接触点付近での弾性変形およびリングや伝動ローラの弾性変形によって、楔ローラが位置を移動する結果、楔ローラの伝動面とシャフトやリングの転がり面との接触点における楔角が変化することによって生ずる法線力の不必要な増加を排除し、法線力を使用するトラクション油の特性に合わせて、トルクに対応した適切なものにすることが本発明の第1の目的である。
【0013】
更に法線力がトラクション油の特性に合わせてトルクに対応した適切なものになる結果、過大な法線力の発生を防ぐことができ、接触点における疲労や摩擦損失、シャフトやリングを支える軸受の摩擦損失を軽減し、伝達効率が高く、小型で長寿命の駆動装置にすることが本発明の第2の目的である。
【0014】
このようにトラクション油の特性に適合した楔ローラの移動を実現すれば、リングや楔ローラの剛性を必要な範囲で低くすることが可能になり、その結果として駆動装置の寸法、重量の低減を可能にすることが本発明の第3の目的である。
【0015】
また、トルクの増加と共に法線力が過大になって生ずる楔ローラの乗り越しを防いで、信頼性の高い駆動装置にすることが本発明の第4の目的である。
【0016】
【課題を解決するための手段】
シャフトおよびリングの転がり面の間に形成される不等間隔の空間に、伝動ローラの外径面が円筒状をなした伝動面をもつ3個の伝動ローラが、互いに接触しないような間隔をもって、シャフトおよびリングの転がり面に接して配置されている。
【0017】
3個の伝動ローラのうち、第1の伝動ローラは前記空間の最も狭い位置の近くに、第2の伝動ローラは第1の伝動ローラと前記最大空間との間の位置に配置されている。
【0018】
第1および第2の伝動ローラは、シャフトおよびリングの軸と平行に固定部に対して固定された軸の周りに回転自在に支承された固定ローラである。
【0019】
第3の伝動ローラは楔ローラであり、シャフトとリングとの偏心の方向に対して直角方向よりも前記空間が広い位置に、他の伝動ローラと軸心の平行を保ちながら回転可能に、かつ空間内を制限された範囲内で空間の円周方向に移動可能に支持され、かつシャフトとリングとの間に押し込むように、ばねにより付勢されている。
【0020】
楔ローラはシャフトとリングとの間に働くトルクにより、楔ローラの伝動面とシャフトおよびリングの転がり面との接触点に生ずる接線力によって、前記空間の狭まる方向に引き込まれる。
【0021】
その結果、楔ローラの楔作用によって接触点に大きな法線力を生み、この法線力が他の伝動ローラとシャフトおよびリングとの接触点にも大きな法線力をもたらし、接触点で僅かに滑ることによって生ずる摩擦力が接線力より大きいことによって、グロススリップを生ずることなくシャフトとリングとの間に回転を伝達することができる。
【0022】
転がり摩擦伝動装置に用いるトラクション油は、1GPa程度の圧力に達するまでは、圧力の上昇に従って加わった法線力に対して発生する摩擦力の割合であるトラクション係数が高くなり、1〜2GPaではトラクション係数の上昇が緩やかになり、2GPa以上では飽和してほぼ一定値になる傾向を示す。従って楔ローラを用いた伝動装置において実用される0.7〜3GPaの面圧の場合には、トルクとともに面圧が増加するのに対応して楔角が大きくなることが望ましい。
【0023】
前記空間は、偏心の方向で最大および最小になり、楔角はこれらの位置ではゼロである。空間が最大および最小位置の中間の位置では、偏心方向とは直角の方向における楔角を最大値として、空間の方向の変化とともに正弦波に近い形で変化する。
【0024】
楔ローラがシャフトとリングとの偏心の方向に対して直角方向よりも、前記空間が広い位置に配置されていれば、トルクの増加と共に楔ローラが前記空間の狭まる方向に移動し、移動につれて楔角は大きくなる方向に変化する。
【0025】
すなわち、楔ローラを楔角が最大の位置よりも空間が広い位置に配置することにより、トルクの変化による楔角の変化を、トラクション係数の変化の方向に一致させることができ、余分な法線力の発生を防いで、伝動面や転がり面の負担を軽減し、接触面における摩擦損失を少なくし、伝動面や転がり面の疲労を軽減して、寿命を長く保つことができる。
【0026】
更に楔ローラの位置とリングや伝動ローラの剛性を、トルクに対して適当な楔角を生ずるように選定することにより、リングや伝動ローラの重量の軽減を可能にする。
【0027】
また、過大なトルクが加わり、弾性変形が増加した時にも楔角が減少しないので、トルクに対して過大な法線力の発生がなく、従って乗り上げを生じることがない。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
図1および図2は本発明の第1の実施の形態である。
シャフト1は外径面に転がり面11があり、リング2は内径面に転がり面21がある。シャフト1とリング2とは互いに偏心して、固定部3に対して軸受12および22により支承されている。
【0030】
シャフトの転がり面11とリングの転がり面21との間は、偏心の方向すなわちX−X方向に最大および最小の空間を形成し、この不等間隔の空間の中に外径面が円筒形状の3個の伝動ローラがある。
【0031】
3個の伝動ローラ4,5,6の外径面41,51,61は伝動面であり、これらの伝動面はシャフトおよびリングの転がり面11および21に転がり接触している。
【0032】
第1の伝動ローラ4は前記空間の最も狭い位置の近くに、シャフトおよびリングの軸と平行に固定部3に対して固定された軸42の周りに回転自在に支承された固定ローラである。
【0033】
第2の伝動ローラ5は第1の伝動ローラ4と第3の伝動ローラ6とに接触しない位置に、シャフトおよびリングの軸12および22と平行に固定部に対して固定された軸52の周りに回転自在に支承された固定ローラである。
【0034】
第3の伝動ローラ6は楔ローラで、シャフトとリングの中心の中央点Cを通り、偏心の方向X−Xと直角方向の線Y−Yよりも空間が広い位置に、第1の伝動ローラおよび第2の伝動ローラと軸心の平行を保ちながら、空間の円周方向に移動可能な軸62の周りに回転可能に支持され、シャフトおよびリングの転がり面11および21の間に押し込むように、ばね7により付勢されている。
【0035】
図3は楔ローラの伝動面61とシャフトおよびリングの転がり面11、21との間に接線力が加わったときの力の関係を示す。
【0036】
シャフトとリングとの間にトルクが加わり、楔ローラの伝動面61に接線力Fwが働くとき、楔角をαとすれば、くさび作用により接触面には法線力Fnが発生し、
トラクション油のトラクション係数をμとすれば、Fnにより発生する摩擦力Ftは
Ft=μ・Fn
接触点で大きく滑ることなくトルクを伝達するためには、
Ft≧Fw
従って、
μ>tanα
でなければならない。
【0037】
図4は楔ローラ伝動装置において、前記の不等間隔の空間内にある楔ローラの円周方向位置に対するtanαの値の変化を示す。
【0038】
最大の空間位置の位相角θを0度とし、最小の空間の位置を位相角180度とすれば、0度および180度のX−X方向においては楔角αはゼロ、すなわちtanαがゼロである。
【0039】
位相角θが90度のY−Y方向においては、楔角αは最大になり、0度と180度との間は正弦波に近い形で変化する。
【0040】
楔ローラがどの位相角の位置に配置されていても、トルクの増加につれて弾性変形などにより空間が広がれば、楔ローラは位相角θが大きくなる方向に移動する。
【0041】
図5は接触面圧Pに対するトラクション油のトラクション係数μの変化を示す。
面圧が小さい範囲では面圧Pの増加につれてトラクション係数μは大きくなり、面圧が2〜3GPaになると飽和する傾向をもつ。
【0042】
シャフト、リングおよび伝動ローラに転がり伝動用として通常用いられる金属材料を用いた摩擦伝動装置では、ほぼ面圧が0.7〜3GPaの範囲で使われるので、トラクション油のトラクション係数μが面圧と共に上昇し、飽和する領域と一致する。
【0043】
図6は位相角θに対するtanα、面圧Pおよびトラクション係数μの変化を示す。
楔ローラを位相角θが90度より小さい位置に配置し、小さなトルクで滑らないように図6のA点に初期の位相角θを定めておけば、トルクの増加につれて楔ローラは位相角θが大きくなる、すなわちtanαが大きくなる方向のB点に移動する。しかし法線力はトルクに比例する程には増加せず、面圧Pの増加につれて油のトラクション係数μも上昇するので、接触面に余分な法線力が加わることがなく、また、tanαが極端に変化するわけではないので、接触点でグロススリップを生ずることもない。
【0044】
従来の技術においては、楔ローラを位相角0が90〜180度の間に配置しているので、小さなトルクでの初期の楔角を上記のAと同じ値のA’点に設定しておくと、トルクの増加により位相角θが大きくなる方向に、すなわち楔角αが小さくなる方向に移動し、tanαの減少により法線力が大きくなって弾性変形も増加するので、更に楔ローラの位相角θが大きい方向にB’点まで大きく移動する。
【0045】
トラクション係数μは面圧Pの増加につれて上昇するので、法線力はトルクに比例して増加する必要はないにも拘わらず、ここでは楔角αが減少するので法線力がトルクに比例する以上に増加してしまう。
【0046】
すなわち従来の技術においては、楔ローラの初期の位相角θを90〜180度の間に設定していることにより、大きなトルクに対しては必要以上の法線力が加わり、前述の種々の弊害をもたらす。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、最大および最小の空間の中央よりも空間が広い位置に楔ローラを配置したこの発明によれば、トルクの増加に従って楔ローラが楔角αの大きくなる方向に移動し、面圧の増加に伴う油のトラクション係数μの上昇と楔角の正接tanαが大きくなる傾向とが同じ方向に変化するので、接触面に必要以上に大きな法線力が加わるのを防ぐことができる。その結果、従来の技術によるよりも接触面における摩擦損失、伝動ローラの伝動面やシャフトおよびリングの転がり面の疲労を軽減するので長寿命が得られ、また法線力が小さくなるのでシャフトやリングの弾性変形が小さくなり、リングの剛性を低くしても楔ローラの乗り上げを生ずる恐れがなく、伝動装置を小型,軽量かつ安価に作る事ができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る楔ローラ転がり摩擦伝動装置を、入力軸および出力軸に垂直な平面で切断した断面図。
【図2】その楔ローラ転がり摩擦伝動装置を、図1の切断面と直交し、V−V線に沿った面で切断した断面図。
【図3】楔ローラの伝動面とシャフトおよびリングの転がり面との接触点における接線力、法線力および摩擦力の関係を示す図。
【図4】楔ローラの位相角θに対するtanαの変化を示す図。
【図5】面圧Pに対するトラクション係数μの変化を示す図。
【図6】楔ローラの位相角θに対するtanα、接触面圧Pおよびトラクション係数μの変化を示す図。
【図7】従来の技術の楔ローラ転がり摩擦伝動駆動装置の一例を示す図。
【0049】
【符号の説明】
1 シャフト
2 リング
3 外箱および固定部
4 第1の固定ローラ
5 第2の固定ローラ
6 楔ローラ
7 楔ローラの加圧ばね
11 シャフトの転がり面
12 シャフトの支持軸受
21 リングの転がり面
22 リングの支持軸受
41、51 第1および第2の固定ローラの伝動面
42、52 第1および第2の固定ローラの支持軸受
61 楔ローラの伝動面
62 楔ローラの支持軸受
A、A’ トルクが加わらないときの楔ローラの位相角
B、B’ トルクが加わったときの楔ローラの位相角
C シャフトとリングの中心の中央点
V−V 図2に示す断面図の図1における切断線
X−X シャフトとリングの偏心方向に引いた直線
Y−Y X−Xに直角方向の線
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つの転がり面の間に生ずる流体油膜の極圧粘性を用いて動力を伝達するトラクションドライブによる転がり摩擦伝動装置のうち、互いに偏心したシャフトとリングとの転がり面の間に形成される不等間隔の空間内に、シャフトおよびリングの転がり面に接して3個の伝動ローラがあり、これらの伝動ローラのうちの1個を楔ローラとして、加わったトルクにより伝動ローラの伝動面とシャフトやリングの転がり面との間に生ずる接線力を、楔ローラの楔効果によって拡大して大きな法線力とし、シャフトとリングとの間で滑ることなくトルクを伝達する楔ローラ型転がり摩擦伝動装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
楔ローラ型の転がり摩擦伝動装置は、1960年代半ばに米国特許3,380,312号が出願され、以後その周辺の機構について幾つかの出願がなされている。
これらの従来技術においては、楔ローラの伝動面とシャフトやリングの転がり面との接触点に引いた2つの接線のなす角の1/2である楔角の正接の値を、接触点における摩擦係数より小さい値にすることによって、接触点において大きく滑ってトルクを伝達できなくなるグロススリップを生ずることなくシャフトとリングとの間にトルクを伝達することを狙いとし、接触点における楔角は常に一定のものとして扱われている。従って、楔ローラがトルクにより空間の狭くなる方向に引き込まれる力が働き、楔角と摩擦係数との関係を満足しているなら、楔ローラは前記空間のどの位置に置いてもよいことになる。
【0003】
これらの従来技術においては、偏心したシャフトとリングとの転がり面の間に形成される不等間隔の空間に中で、空間が最大の位置の付近に位置を固定していない大径のローラを置き、最大と最小の空間の中央位置よりも空間が狭まった位置に2個の位置を固定したローラを配置し、大径のローラが回転の方向に応じてシャフトとリングとの間で位置を変えることにより、両方向のトルクに対して楔ローラとして作用することを狙ったものがある。
【0004】
しかし、これ以外の多くのものは、空間が最大の位置の付近に位置を固定した大径のローラを置き、他の1個の位置を固定したローラ、および位置を移動できる楔ローラを、最大と最小の空間の中央位置よりも空間が狭まった位置に配置している。しかし、各ローラをこのように配置した根拠は明示されていない。
【0005】
この伝動装置にトルクが加わったとき、トルクの増加につれて接触点に大きな法線力が生じ、接触点の表面付近の弾性変形が生ずるほか、法線力によるリングの3角形状への弾性変形や、伝動ローラの楕円形状への弾性変形が前記空間を広げる方向に作用し、楔ローラは広がった空間内を、本来狭かった空間の方向に向かって移動する。
【0006】
楔ローラが移動すれば、シャフトやリングの転がり面上での伝動ローラの伝動面との接触位置も変化するので、楔角にも変化を生ずる。
【0007】
これらの従来の技術においては、楔ローラを支える軸受と軸との間に隙間をもたせるとか、軸を固定せずに空間内を移動できるようにするなど、楔ローラの位置の変化を阻害しない考慮は払われているが、位置の移動に伴う楔角の変化の影響を考慮してはいない。
【0008】
楔ローラが前記のような空間の狭い位置に配置されている場合、トルクの増加と共に空間の狭い位置に移動すると、位置の変化につれて楔角も小さくなる。楔角が小さくなれば、楔作用により発生する法線力は接線力に比例して増加するのに加えて、楔角にも反比例するように増加するから、小さなトルクでも接触点でグロススリップを生じないように楔角を定めておくと、大きなトルクが加わったときには、発生する法線力がトルクに比例する以上に増加する。
【0009】
一方、転がり摩擦伝動装置には、大きな接触面圧の下で大きな摩擦力を発生するトラクション油が使われ、トラクション油で発生する摩擦力は、法線力の増加とともに法線力に比例する以上に増加する。従って、トルクの増加につれて楔角が小さくなることによる法線力の増加は、トラクション油の特性に対して逆の傾向をもった不必要なものである。
【0010】
このような法線力の不必要な増加は、転がり面や伝動面の転がり疲労を促進し、伝動装置としての寿命を縮め、動力伝達効率を低下させる。この原因となる楔ローラの移動を小さく抑えるために、リングや駆動ローラの剛性を高くすれば必然的に重量増加を招き、または伝動装置を大きくする必要が生じる。
【0011】
また、過大なトルクが加わったときには、法線力が著しく大きくなり、極端な場合には楔ローラが前記空間の最小位置を乗り越えて、駆動装置に損傷を与えることも起こり得る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、トルクの増加につれて、接触点付近での弾性変形およびリングや伝動ローラの弾性変形によって、楔ローラが位置を移動する結果、楔ローラの伝動面とシャフトやリングの転がり面との接触点における楔角が変化することによって生ずる法線力の不必要な増加を排除し、法線力を使用するトラクション油の特性に合わせて、トルクに対応した適切なものにすることが本発明の第1の目的である。
【0013】
更に法線力がトラクション油の特性に合わせてトルクに対応した適切なものになる結果、過大な法線力の発生を防ぐことができ、接触点における疲労や摩擦損失、シャフトやリングを支える軸受の摩擦損失を軽減し、伝達効率が高く、小型で長寿命の駆動装置にすることが本発明の第2の目的である。
【0014】
このようにトラクション油の特性に適合した楔ローラの移動を実現すれば、リングや楔ローラの剛性を必要な範囲で低くすることが可能になり、その結果として駆動装置の寸法、重量の低減を可能にすることが本発明の第3の目的である。
【0015】
また、トルクの増加と共に法線力が過大になって生ずる楔ローラの乗り越しを防いで、信頼性の高い駆動装置にすることが本発明の第4の目的である。
【0016】
【課題を解決するための手段】
シャフトおよびリングの転がり面の間に形成される不等間隔の空間に、伝動ローラの外径面が円筒状をなした伝動面をもつ3個の伝動ローラが、互いに接触しないような間隔をもって、シャフトおよびリングの転がり面に接して配置されている。
【0017】
3個の伝動ローラのうち、第1の伝動ローラは前記空間の最も狭い位置の近くに、第2の伝動ローラは第1の伝動ローラと前記最大空間との間の位置に配置されている。
【0018】
第1および第2の伝動ローラは、シャフトおよびリングの軸と平行に固定部に対して固定された軸の周りに回転自在に支承された固定ローラである。
【0019】
第3の伝動ローラは楔ローラであり、シャフトとリングとの偏心の方向に対して直角方向よりも前記空間が広い位置に、他の伝動ローラと軸心の平行を保ちながら回転可能に、かつ空間内を制限された範囲内で空間の円周方向に移動可能に支持され、かつシャフトとリングとの間に押し込むように、ばねにより付勢されている。
【0020】
楔ローラはシャフトとリングとの間に働くトルクにより、楔ローラの伝動面とシャフトおよびリングの転がり面との接触点に生ずる接線力によって、前記空間の狭まる方向に引き込まれる。
【0021】
その結果、楔ローラの楔作用によって接触点に大きな法線力を生み、この法線力が他の伝動ローラとシャフトおよびリングとの接触点にも大きな法線力をもたらし、接触点で僅かに滑ることによって生ずる摩擦力が接線力より大きいことによって、グロススリップを生ずることなくシャフトとリングとの間に回転を伝達することができる。
【0022】
転がり摩擦伝動装置に用いるトラクション油は、1GPa程度の圧力に達するまでは、圧力の上昇に従って加わった法線力に対して発生する摩擦力の割合であるトラクション係数が高くなり、1〜2GPaではトラクション係数の上昇が緩やかになり、2GPa以上では飽和してほぼ一定値になる傾向を示す。従って楔ローラを用いた伝動装置において実用される0.7〜3GPaの面圧の場合には、トルクとともに面圧が増加するのに対応して楔角が大きくなることが望ましい。
【0023】
前記空間は、偏心の方向で最大および最小になり、楔角はこれらの位置ではゼロである。空間が最大および最小位置の中間の位置では、偏心方向とは直角の方向における楔角を最大値として、空間の方向の変化とともに正弦波に近い形で変化する。
【0024】
楔ローラがシャフトとリングとの偏心の方向に対して直角方向よりも、前記空間が広い位置に配置されていれば、トルクの増加と共に楔ローラが前記空間の狭まる方向に移動し、移動につれて楔角は大きくなる方向に変化する。
【0025】
すなわち、楔ローラを楔角が最大の位置よりも空間が広い位置に配置することにより、トルクの変化による楔角の変化を、トラクション係数の変化の方向に一致させることができ、余分な法線力の発生を防いで、伝動面や転がり面の負担を軽減し、接触面における摩擦損失を少なくし、伝動面や転がり面の疲労を軽減して、寿命を長く保つことができる。
【0026】
更に楔ローラの位置とリングや伝動ローラの剛性を、トルクに対して適当な楔角を生ずるように選定することにより、リングや伝動ローラの重量の軽減を可能にする。
【0027】
また、過大なトルクが加わり、弾性変形が増加した時にも楔角が減少しないので、トルクに対して過大な法線力の発生がなく、従って乗り上げを生じることがない。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
図1および図2は本発明の第1の実施の形態である。
シャフト1は外径面に転がり面11があり、リング2は内径面に転がり面21がある。シャフト1とリング2とは互いに偏心して、固定部3に対して軸受12および22により支承されている。
【0030】
シャフトの転がり面11とリングの転がり面21との間は、偏心の方向すなわちX−X方向に最大および最小の空間を形成し、この不等間隔の空間の中に外径面が円筒形状の3個の伝動ローラがある。
【0031】
3個の伝動ローラ4,5,6の外径面41,51,61は伝動面であり、これらの伝動面はシャフトおよびリングの転がり面11および21に転がり接触している。
【0032】
第1の伝動ローラ4は前記空間の最も狭い位置の近くに、シャフトおよびリングの軸と平行に固定部3に対して固定された軸42の周りに回転自在に支承された固定ローラである。
【0033】
第2の伝動ローラ5は第1の伝動ローラ4と第3の伝動ローラ6とに接触しない位置に、シャフトおよびリングの軸12および22と平行に固定部に対して固定された軸52の周りに回転自在に支承された固定ローラである。
【0034】
第3の伝動ローラ6は楔ローラで、シャフトとリングの中心の中央点Cを通り、偏心の方向X−Xと直角方向の線Y−Yよりも空間が広い位置に、第1の伝動ローラおよび第2の伝動ローラと軸心の平行を保ちながら、空間の円周方向に移動可能な軸62の周りに回転可能に支持され、シャフトおよびリングの転がり面11および21の間に押し込むように、ばね7により付勢されている。
【0035】
図3は楔ローラの伝動面61とシャフトおよびリングの転がり面11、21との間に接線力が加わったときの力の関係を示す。
【0036】
シャフトとリングとの間にトルクが加わり、楔ローラの伝動面61に接線力Fwが働くとき、楔角をαとすれば、くさび作用により接触面には法線力Fnが発生し、
トラクション油のトラクション係数をμとすれば、Fnにより発生する摩擦力Ftは
Ft=μ・Fn
接触点で大きく滑ることなくトルクを伝達するためには、
Ft≧Fw
従って、
μ>tanα
でなければならない。
【0037】
図4は楔ローラ伝動装置において、前記の不等間隔の空間内にある楔ローラの円周方向位置に対するtanαの値の変化を示す。
【0038】
最大の空間位置の位相角θを0度とし、最小の空間の位置を位相角180度とすれば、0度および180度のX−X方向においては楔角αはゼロ、すなわちtanαがゼロである。
【0039】
位相角θが90度のY−Y方向においては、楔角αは最大になり、0度と180度との間は正弦波に近い形で変化する。
【0040】
楔ローラがどの位相角の位置に配置されていても、トルクの増加につれて弾性変形などにより空間が広がれば、楔ローラは位相角θが大きくなる方向に移動する。
【0041】
図5は接触面圧Pに対するトラクション油のトラクション係数μの変化を示す。
面圧が小さい範囲では面圧Pの増加につれてトラクション係数μは大きくなり、面圧が2〜3GPaになると飽和する傾向をもつ。
【0042】
シャフト、リングおよび伝動ローラに転がり伝動用として通常用いられる金属材料を用いた摩擦伝動装置では、ほぼ面圧が0.7〜3GPaの範囲で使われるので、トラクション油のトラクション係数μが面圧と共に上昇し、飽和する領域と一致する。
【0043】
図6は位相角θに対するtanα、面圧Pおよびトラクション係数μの変化を示す。
楔ローラを位相角θが90度より小さい位置に配置し、小さなトルクで滑らないように図6のA点に初期の位相角θを定めておけば、トルクの増加につれて楔ローラは位相角θが大きくなる、すなわちtanαが大きくなる方向のB点に移動する。しかし法線力はトルクに比例する程には増加せず、面圧Pの増加につれて油のトラクション係数μも上昇するので、接触面に余分な法線力が加わることがなく、また、tanαが極端に変化するわけではないので、接触点でグロススリップを生ずることもない。
【0044】
従来の技術においては、楔ローラを位相角0が90〜180度の間に配置しているので、小さなトルクでの初期の楔角を上記のAと同じ値のA’点に設定しておくと、トルクの増加により位相角θが大きくなる方向に、すなわち楔角αが小さくなる方向に移動し、tanαの減少により法線力が大きくなって弾性変形も増加するので、更に楔ローラの位相角θが大きい方向にB’点まで大きく移動する。
【0045】
トラクション係数μは面圧Pの増加につれて上昇するので、法線力はトルクに比例して増加する必要はないにも拘わらず、ここでは楔角αが減少するので法線力がトルクに比例する以上に増加してしまう。
【0046】
すなわち従来の技術においては、楔ローラの初期の位相角θを90〜180度の間に設定していることにより、大きなトルクに対しては必要以上の法線力が加わり、前述の種々の弊害をもたらす。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、最大および最小の空間の中央よりも空間が広い位置に楔ローラを配置したこの発明によれば、トルクの増加に従って楔ローラが楔角αの大きくなる方向に移動し、面圧の増加に伴う油のトラクション係数μの上昇と楔角の正接tanαが大きくなる傾向とが同じ方向に変化するので、接触面に必要以上に大きな法線力が加わるのを防ぐことができる。その結果、従来の技術によるよりも接触面における摩擦損失、伝動ローラの伝動面やシャフトおよびリングの転がり面の疲労を軽減するので長寿命が得られ、また法線力が小さくなるのでシャフトやリングの弾性変形が小さくなり、リングの剛性を低くしても楔ローラの乗り上げを生ずる恐れがなく、伝動装置を小型,軽量かつ安価に作る事ができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る楔ローラ転がり摩擦伝動装置を、入力軸および出力軸に垂直な平面で切断した断面図。
【図2】その楔ローラ転がり摩擦伝動装置を、図1の切断面と直交し、V−V線に沿った面で切断した断面図。
【図3】楔ローラの伝動面とシャフトおよびリングの転がり面との接触点における接線力、法線力および摩擦力の関係を示す図。
【図4】楔ローラの位相角θに対するtanαの変化を示す図。
【図5】面圧Pに対するトラクション係数μの変化を示す図。
【図6】楔ローラの位相角θに対するtanα、接触面圧Pおよびトラクション係数μの変化を示す図。
【図7】従来の技術の楔ローラ転がり摩擦伝動駆動装置の一例を示す図。
【0049】
【符号の説明】
1 シャフト
2 リング
3 外箱および固定部
4 第1の固定ローラ
5 第2の固定ローラ
6 楔ローラ
7 楔ローラの加圧ばね
11 シャフトの転がり面
12 シャフトの支持軸受
21 リングの転がり面
22 リングの支持軸受
41、51 第1および第2の固定ローラの伝動面
42、52 第1および第2の固定ローラの支持軸受
61 楔ローラの伝動面
62 楔ローラの支持軸受
A、A’ トルクが加わらないときの楔ローラの位相角
B、B’ トルクが加わったときの楔ローラの位相角
C シャフトとリングの中心の中央点
V−V 図2に示す断面図の図1における切断線
X−X シャフトとリングの偏心方向に引いた直線
Y−Y X−Xに直角方向の線
Claims (1)
- 固定部に対して互いに偏心して回転自在に支承された二つの平行な軸があり、2つの軸の一方には外径面が円筒状の転がり面であるシャフトをもち、他方の軸にはシャフトを取り巻いて内径面が円筒状の転がり面であるリングをもち、シャフトおよびリングの転がり面の間に形成される不等間隔の空間に、外径面が円筒形状の伝動面をもつ3個の伝動ローラが、互いに接触しないような間隔をもって、シャフトとリングとの転がり面に接して配置され、2個の伝動ローラはシャフトおよびリングの軸と平行に固定部に対して固定された軸の周りに回転自在に支承された固定ローラであり、残りの1個の伝動ローラを楔ローラとし、楔ローラは他の伝動ローラと軸心の平行を保ちながら回転可能に、かつ前記空間内を空間の円周方向に移動可能に支持され、シャフトとリングとの間に働くトルクにより、楔ローラの伝動面とシャフトおよびリングの転がり面との接触点に生ずる接線力によって、楔ローラが前記空間の狭まる方向にシャフトとリングとの間に引き込まれ、楔ローラの楔作用によって接触点に大きな法線力を生み、この法線力が他の伝動ローラとシャフトおよびリングの転がり面との接触点にも大きな法線力をもたらし、接触点でグロススリップを起こすことなくシャフトとリングとの間に回転を伝達する伝動装置において、楔ローラを、シャフトとリングとの偏心の方向に対して直角方向よりも、前記空間が広い位置に配置したことを特徴とする楔ローラ転がり摩擦伝動装置。
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