JP2004183871A - スプリング、スプリング組立体、ダンパー機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】捩り振動を吸収・減衰するためのコイルスプリングの他の部材との摺動抵抗を減らし、摩耗や音振性能の悪化を抑制する。
【解決手段】フロート体7は、捩り振動を吸収・減衰するためのものであって、小コイルスプリング28と、小コイルスプリングの外側面を覆う覆い部材29とを備えている。
【選択図】 図3
【解決手段】フロート体7は、捩り振動を吸収・減衰するためのものであって、小コイルスプリング28と、小コイルスプリングの外側面を覆う覆い部材29とを備えている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイルスプリング、特に、捩り振動を吸収・減衰するためのものに関する。本発明は、さらに、コイルスプリングを用いたコイルスプリング組立体及びダンパー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のクラッチディス組立体、フライホイール組立体、トルクコンバータのロックアップクラッチ等のダンパー機構には、捩り振動を吸収・減衰するためにコイルスプリング等のばね部材が用いられている。
コイルスプリングは、入力側回転部材及び出力側回転部材の窓部内に回転方向に長く延びるように配置されている。コイルスプリングは、回転方向両端が窓部の円周方向縁に支持され、さらに半径方向及び軸方向も窓部によって支持されている。したがって、入力側回転部材と出力側回転部材が互いに捩じれると、一方の窓部の回転方向縁と他方の窓部の回転方向縁との間でコイルスプリングは圧縮される。
【0003】
また、コイルスプリングの種類としては、コイルスプリングが二重に配置された親子ばねが知られている。親子ばねの場合は、外周側コイルスプリング内に内周側コイルスプリングが配置されている。両者が圧縮されることによって、単体の場合に比べて剛性が高くなり、発生する荷重も大きくなる。さらに、内周側スプリングの自由長が外周側スプリングの自由長より短い場合は、捩り角度の小さな範囲では外周側スプリングのみが圧縮され、捩じり角度の大きな範囲では外周側スプリングとともに内周側スプリングも圧縮され、高荷重を発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のコイルスプリングでは、コイルスプリングは捩り振動によって圧縮される際に遠心力によって外周側に移動することで、各回転部材の窓部の外周側縁に摺動する。このため、コイルスプリングの外側面が摩耗し、寿命が短くなってしまう。
【0005】
また、親子ばねの場合は、内周側コイルスプリングは、捩り振動によって圧縮される際に遠心力によって外周側に移動することで、外周側コイルスプリングの内周面に摺動する。この摺動抵抗によるヒステリシストルクは、ダンパー機構をソリッドな特性としてしまうため、音振動性能を悪化させる原因となる。
本発明の課題は、捩り振動を吸収・減衰するためのコイルスプリングの他の部材との摺動抵抗を減らし、摩耗や音振性能の悪化を抑制することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のスプリングは、捩り振動を吸収・減衰するためのものであって、コイルスプリングと、コイルスプリングの外側面を覆う摩耗低減用覆い部材とを備えている。
このスプリングでは、摩耗低減用覆い部材がコイルスプリングの外側面を覆っているため、他の部材に摺動してもコイルスプリングが摩耗しにくい。ここでいう他の部材とは、他のコイルスプリング、コイルスプリングを支持する回転部材等である。
【0007】
請求項2に記載のスプリングでは、請求項1において、覆い部材はさらにコイルスプリングの各コイルの線間に充填されている。
このスプリングでは、請求項1の効果に加えてさらに、覆い部材は各コイルの間に充填されているため、覆い部材の外周面が摩耗した場合でも、スプリング全体の強度を高く維持できる。
【0008】
請求項3に記載のスプリングでは、請求項2において、覆い部材はさらにコイルスプリングの各コイルの内部に充填されている。
このスプリングでは、請求項2の効果に加えてさらに、覆い部材が各コイルの内部に充填されているため、圧縮時にコイルスプリングの荷重に加えて覆い部材による荷重を得ることができる。
【0009】
請求項4に記載のスプリングでは、請求項1において、覆い部材は、コイルスプリングの外側面に装着された弾性筒状部材である。
このスプリングでは、覆い部材がコイルスプリングの外周面に装着されているため、他の部材に摺動してもコイルスプリングが摩耗しにくい。
請求項5に記載のスプリングでは、請求項1〜4のいずれかにおいて、覆い部材は、弾性樹脂又はゴムからなる。
【0010】
このスプリングでは、覆い部材は、弾性樹脂又はゴムからなるため、コイルスプリングとともにたわみ可能である。
請求項6に記載のスプリング組立体は、外側コイルスプリングと、請求項1〜5のいずれかに記載のスプリングであって、外側コイルスプリング内に配置された内側スプリングとを備えている。
【0011】
このスプリング組立体では、摩耗低減用覆い部材がコイルスプリングの外側面を覆っているため、内側スプリングが外側コイルスプリングに摺動してもコイルスプリングが摩耗しにくい。
請求項7に記載のコイルスプリング組立体では、請求項6において、内側スプリングの自由長は外側コイルスプリングの自由長より短い。
【0012】
このコイルスプリング組立体では、自由状態において、内周側スプリングは外周側スプリング内で自由に移動可能である。しかし、摩耗低減用覆い部材がコイルスプリングの外側面を覆っているため、外周側スプリングとの摺動で生じる音・振動が低減される。
請求項8に記載のダンパー機構は、第1回転部材と、第2回転部材と、請求項7に記載のスプリング組立体とを備えている。スプリング組立体は、第1回転部材と第2回転部材が相対回転すると回転方向に圧縮される。内周側スプリングは、第1回転部材と第2回転部材の捩じり角度が大きくなっていくと、やがて回転方向に圧縮されてストッパートルクを発生させる。
【0013】
このダンパー機構では、内周側スプリングはストッパートルクを発生させるための部材として機能している。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明の一実施形態が採用されたクラッチディスク組立体1を示している。クラッチディスク組立体1は、主に、クラッチ機能とダンパー機能とを有しているが、ここではダンパー機能について主に説明する。
クラッチディスク組立体1は、主に、入力側の一対のプレートであるクラッチプレート11とリティーニングプレート12と、ハブフランジ13と、それらを回転方向に連結するスプリング組立体14とから構成されている。
【0015】
クラッチプレート11及びリティーニングプレート12は、概ね円板状の部材であり、軸線方向に所定間隔を空けて対向している。両プレート11,12の外周部は複数のストッパーピン16によって固定され、これにより一体回転するようになっている。各プレート11,12には、円周方向に並んで複数の(4つの)窓部11a,12aがそれぞれ形成されている。窓部11a,12aは、円周方向に比較的長く延びる孔部であり、その孔の縁には軸方向外側に起こされた支持部が形成されている。
【0016】
ハブフランジ13は、プレート11,12の軸方向間に相対回転可能に配置された概ね円板状の部材である。ハブフランジ13には、プレート11,12の窓部11a,12aに対応した位置に窓孔13aが形成されている。窓孔13aは、円周方向に比較的長く延びる孔部であり、窓部11a,12aに対応した形状である。
【0017】
スプリング組立体14は、プレート11,12とハブフランジ13とを回転方向に弾性的に連結するための部材であり、窓部11a,12a及び窓孔13a内にそれぞれ配置されている。スプリング組立体14は、主に、大コイルスプリング21と、スプリングシート22とから構成されている。大コイルスプリング21はダンパー機構において捩り振動を吸収・減衰するための部材であり、円周方向に延びている。スプリングシート22は、大コイルスプリング21の円周方向両側端部に配置され、さらに窓部11a,12a及び窓孔13aの円周方向端部の縁に当接している。
【0018】
スプリングシート22は、シート本体24から構成されている。シート本体24は、大コイルスプリング21のトルクを受けるための部分であり、高強度材料からなることが好ましく、例えば金属製である。シート本体24は、大コイルスプリング21の円周方向端部を受ける支持部24aと、支持部24aの中心から大コイルスプリング21内に延びる突出部24bと、大コイルスプリング21の円周方向端部のダンパー半径方向内側を覆う第1覆い部24cと、大コイルスプリング21の円周方向端部のダンパー半径方向外側を覆う第2覆い部24dとを有している。第1覆い部24cは座巻き分に対応した長さしか有していないが、第2覆い部24dは、さらに長く延びており、先端が端から2つめのコイルにかかる位置にある。
【0019】
スプリング組立体14は、さらに、フロート体27を有している。フロート体27は、ダンパー機構においてストッパートルクを実現するための部材である。フロート体27は、大コイルスプリング21の内側に配置されており、スプリングシート22の突出部24b間で円周方向に移動可能になっている。フロート体27は、小コイルスプリング28と、それに一体に成形された覆い部材29とから構成されている。覆い部材29は、弾性樹脂又はゴムからなる筒状部材であり、小コイルスプリング28とともに円周方向に圧縮可能である。覆い部材29は、小コイルスプリング28のコイル部分を内部に閉じこめている。
【0020】
このクラッチディスク組立体1にエンジンからのトルク変動が入力されると、プレート11,12とハブフランジ13が相対回転し、その間で大コイルスプリング21が圧縮される。プレート11,12とハブフランジ13の捩じり角度が大きくなると、やがてフロート体27がスプリングシート22同士の間で圧縮される。このとき、小コイルスプリング28のみならず覆い部材29も圧縮されて、大きなトルクを発生する。
【0021】
また、小コイルスプリング28の外周面は覆い部材29によって覆われているため、フロート体7が大コイルスプリング21の内周面に摺動しても小コイルスプリング28は摩耗しにくい。
さらに、覆い部材29は、小コイルスプリング28の外周面を覆い、さらに各コイルの線間に充填されているため、覆い部材29の外周面が摩耗した場合でも、フロート体27全体の強度を高く維持できる。
【0022】
他の実施形態としては、図4に示すフロート体31は、小コイルスプリング32と、そのコイル線間のみならずコイル内側まで充填された覆い部材33とから構成されている。覆い部材33は、弾性樹脂又はゴムからなる円柱形状部材であり、小コイルスプリング32とともに円周方向に圧縮可能である。このフロート体31では、覆い部材33が各コイル間及び内側に充填されているため、圧縮時に小コイルスプリング32の荷重に加えて覆い部材33による荷重を得ることができる。
【0023】
さらに、他の実施形態として、図5に示すフロート体36は、小コイルスプリング37と、その外周面に装着された覆い部材38とから構成されている。覆い部材38は弾性樹脂又はゴムからなる筒状部材であり、小コイルスプリング37とともに円周方向に圧縮可能である。覆い部材38によって、フロート体36が外側のコイルスプリングに摺動しても、小コイルスプリング37が摩耗しない。
【0024】
本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係るスプリングでは、摩耗低減用覆い部材がコイルスプリングの外側面を覆っているため、他の部材に摺動してもコイルスプリングが摩耗しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用されたクラッチディスク組立体の縦断面概略図。
【図2】本発明の一実施形態が採用されたクラッチディスク組立体の平面図。
【図3】図2の部分拡大図であり、スプリング組立体の横断面。
【図4】他の実施形態におけるフロート体の横断面図。
【図5】さらに他の実施形態におけるフロート体の横断面図。
【符号の説明】
27 フロート体(スプリング)
28 小コイルスプリング(コイルスプリング)
29 覆い部材(摩耗低減用覆い部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイルスプリング、特に、捩り振動を吸収・減衰するためのものに関する。本発明は、さらに、コイルスプリングを用いたコイルスプリング組立体及びダンパー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のクラッチディス組立体、フライホイール組立体、トルクコンバータのロックアップクラッチ等のダンパー機構には、捩り振動を吸収・減衰するためにコイルスプリング等のばね部材が用いられている。
コイルスプリングは、入力側回転部材及び出力側回転部材の窓部内に回転方向に長く延びるように配置されている。コイルスプリングは、回転方向両端が窓部の円周方向縁に支持され、さらに半径方向及び軸方向も窓部によって支持されている。したがって、入力側回転部材と出力側回転部材が互いに捩じれると、一方の窓部の回転方向縁と他方の窓部の回転方向縁との間でコイルスプリングは圧縮される。
【0003】
また、コイルスプリングの種類としては、コイルスプリングが二重に配置された親子ばねが知られている。親子ばねの場合は、外周側コイルスプリング内に内周側コイルスプリングが配置されている。両者が圧縮されることによって、単体の場合に比べて剛性が高くなり、発生する荷重も大きくなる。さらに、内周側スプリングの自由長が外周側スプリングの自由長より短い場合は、捩り角度の小さな範囲では外周側スプリングのみが圧縮され、捩じり角度の大きな範囲では外周側スプリングとともに内周側スプリングも圧縮され、高荷重を発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のコイルスプリングでは、コイルスプリングは捩り振動によって圧縮される際に遠心力によって外周側に移動することで、各回転部材の窓部の外周側縁に摺動する。このため、コイルスプリングの外側面が摩耗し、寿命が短くなってしまう。
【0005】
また、親子ばねの場合は、内周側コイルスプリングは、捩り振動によって圧縮される際に遠心力によって外周側に移動することで、外周側コイルスプリングの内周面に摺動する。この摺動抵抗によるヒステリシストルクは、ダンパー機構をソリッドな特性としてしまうため、音振動性能を悪化させる原因となる。
本発明の課題は、捩り振動を吸収・減衰するためのコイルスプリングの他の部材との摺動抵抗を減らし、摩耗や音振性能の悪化を抑制することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のスプリングは、捩り振動を吸収・減衰するためのものであって、コイルスプリングと、コイルスプリングの外側面を覆う摩耗低減用覆い部材とを備えている。
このスプリングでは、摩耗低減用覆い部材がコイルスプリングの外側面を覆っているため、他の部材に摺動してもコイルスプリングが摩耗しにくい。ここでいう他の部材とは、他のコイルスプリング、コイルスプリングを支持する回転部材等である。
【0007】
請求項2に記載のスプリングでは、請求項1において、覆い部材はさらにコイルスプリングの各コイルの線間に充填されている。
このスプリングでは、請求項1の効果に加えてさらに、覆い部材は各コイルの間に充填されているため、覆い部材の外周面が摩耗した場合でも、スプリング全体の強度を高く維持できる。
【0008】
請求項3に記載のスプリングでは、請求項2において、覆い部材はさらにコイルスプリングの各コイルの内部に充填されている。
このスプリングでは、請求項2の効果に加えてさらに、覆い部材が各コイルの内部に充填されているため、圧縮時にコイルスプリングの荷重に加えて覆い部材による荷重を得ることができる。
【0009】
請求項4に記載のスプリングでは、請求項1において、覆い部材は、コイルスプリングの外側面に装着された弾性筒状部材である。
このスプリングでは、覆い部材がコイルスプリングの外周面に装着されているため、他の部材に摺動してもコイルスプリングが摩耗しにくい。
請求項5に記載のスプリングでは、請求項1〜4のいずれかにおいて、覆い部材は、弾性樹脂又はゴムからなる。
【0010】
このスプリングでは、覆い部材は、弾性樹脂又はゴムからなるため、コイルスプリングとともにたわみ可能である。
請求項6に記載のスプリング組立体は、外側コイルスプリングと、請求項1〜5のいずれかに記載のスプリングであって、外側コイルスプリング内に配置された内側スプリングとを備えている。
【0011】
このスプリング組立体では、摩耗低減用覆い部材がコイルスプリングの外側面を覆っているため、内側スプリングが外側コイルスプリングに摺動してもコイルスプリングが摩耗しにくい。
請求項7に記載のコイルスプリング組立体では、請求項6において、内側スプリングの自由長は外側コイルスプリングの自由長より短い。
【0012】
このコイルスプリング組立体では、自由状態において、内周側スプリングは外周側スプリング内で自由に移動可能である。しかし、摩耗低減用覆い部材がコイルスプリングの外側面を覆っているため、外周側スプリングとの摺動で生じる音・振動が低減される。
請求項8に記載のダンパー機構は、第1回転部材と、第2回転部材と、請求項7に記載のスプリング組立体とを備えている。スプリング組立体は、第1回転部材と第2回転部材が相対回転すると回転方向に圧縮される。内周側スプリングは、第1回転部材と第2回転部材の捩じり角度が大きくなっていくと、やがて回転方向に圧縮されてストッパートルクを発生させる。
【0013】
このダンパー機構では、内周側スプリングはストッパートルクを発生させるための部材として機能している。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明の一実施形態が採用されたクラッチディスク組立体1を示している。クラッチディスク組立体1は、主に、クラッチ機能とダンパー機能とを有しているが、ここではダンパー機能について主に説明する。
クラッチディスク組立体1は、主に、入力側の一対のプレートであるクラッチプレート11とリティーニングプレート12と、ハブフランジ13と、それらを回転方向に連結するスプリング組立体14とから構成されている。
【0015】
クラッチプレート11及びリティーニングプレート12は、概ね円板状の部材であり、軸線方向に所定間隔を空けて対向している。両プレート11,12の外周部は複数のストッパーピン16によって固定され、これにより一体回転するようになっている。各プレート11,12には、円周方向に並んで複数の(4つの)窓部11a,12aがそれぞれ形成されている。窓部11a,12aは、円周方向に比較的長く延びる孔部であり、その孔の縁には軸方向外側に起こされた支持部が形成されている。
【0016】
ハブフランジ13は、プレート11,12の軸方向間に相対回転可能に配置された概ね円板状の部材である。ハブフランジ13には、プレート11,12の窓部11a,12aに対応した位置に窓孔13aが形成されている。窓孔13aは、円周方向に比較的長く延びる孔部であり、窓部11a,12aに対応した形状である。
【0017】
スプリング組立体14は、プレート11,12とハブフランジ13とを回転方向に弾性的に連結するための部材であり、窓部11a,12a及び窓孔13a内にそれぞれ配置されている。スプリング組立体14は、主に、大コイルスプリング21と、スプリングシート22とから構成されている。大コイルスプリング21はダンパー機構において捩り振動を吸収・減衰するための部材であり、円周方向に延びている。スプリングシート22は、大コイルスプリング21の円周方向両側端部に配置され、さらに窓部11a,12a及び窓孔13aの円周方向端部の縁に当接している。
【0018】
スプリングシート22は、シート本体24から構成されている。シート本体24は、大コイルスプリング21のトルクを受けるための部分であり、高強度材料からなることが好ましく、例えば金属製である。シート本体24は、大コイルスプリング21の円周方向端部を受ける支持部24aと、支持部24aの中心から大コイルスプリング21内に延びる突出部24bと、大コイルスプリング21の円周方向端部のダンパー半径方向内側を覆う第1覆い部24cと、大コイルスプリング21の円周方向端部のダンパー半径方向外側を覆う第2覆い部24dとを有している。第1覆い部24cは座巻き分に対応した長さしか有していないが、第2覆い部24dは、さらに長く延びており、先端が端から2つめのコイルにかかる位置にある。
【0019】
スプリング組立体14は、さらに、フロート体27を有している。フロート体27は、ダンパー機構においてストッパートルクを実現するための部材である。フロート体27は、大コイルスプリング21の内側に配置されており、スプリングシート22の突出部24b間で円周方向に移動可能になっている。フロート体27は、小コイルスプリング28と、それに一体に成形された覆い部材29とから構成されている。覆い部材29は、弾性樹脂又はゴムからなる筒状部材であり、小コイルスプリング28とともに円周方向に圧縮可能である。覆い部材29は、小コイルスプリング28のコイル部分を内部に閉じこめている。
【0020】
このクラッチディスク組立体1にエンジンからのトルク変動が入力されると、プレート11,12とハブフランジ13が相対回転し、その間で大コイルスプリング21が圧縮される。プレート11,12とハブフランジ13の捩じり角度が大きくなると、やがてフロート体27がスプリングシート22同士の間で圧縮される。このとき、小コイルスプリング28のみならず覆い部材29も圧縮されて、大きなトルクを発生する。
【0021】
また、小コイルスプリング28の外周面は覆い部材29によって覆われているため、フロート体7が大コイルスプリング21の内周面に摺動しても小コイルスプリング28は摩耗しにくい。
さらに、覆い部材29は、小コイルスプリング28の外周面を覆い、さらに各コイルの線間に充填されているため、覆い部材29の外周面が摩耗した場合でも、フロート体27全体の強度を高く維持できる。
【0022】
他の実施形態としては、図4に示すフロート体31は、小コイルスプリング32と、そのコイル線間のみならずコイル内側まで充填された覆い部材33とから構成されている。覆い部材33は、弾性樹脂又はゴムからなる円柱形状部材であり、小コイルスプリング32とともに円周方向に圧縮可能である。このフロート体31では、覆い部材33が各コイル間及び内側に充填されているため、圧縮時に小コイルスプリング32の荷重に加えて覆い部材33による荷重を得ることができる。
【0023】
さらに、他の実施形態として、図5に示すフロート体36は、小コイルスプリング37と、その外周面に装着された覆い部材38とから構成されている。覆い部材38は弾性樹脂又はゴムからなる筒状部材であり、小コイルスプリング37とともに円周方向に圧縮可能である。覆い部材38によって、フロート体36が外側のコイルスプリングに摺動しても、小コイルスプリング37が摩耗しない。
【0024】
本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係るスプリングでは、摩耗低減用覆い部材がコイルスプリングの外側面を覆っているため、他の部材に摺動してもコイルスプリングが摩耗しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用されたクラッチディスク組立体の縦断面概略図。
【図2】本発明の一実施形態が採用されたクラッチディスク組立体の平面図。
【図3】図2の部分拡大図であり、スプリング組立体の横断面。
【図4】他の実施形態におけるフロート体の横断面図。
【図5】さらに他の実施形態におけるフロート体の横断面図。
【符号の説明】
27 フロート体(スプリング)
28 小コイルスプリング(コイルスプリング)
29 覆い部材(摩耗低減用覆い部材)
Claims (8)
- 捩り振動を吸収・減衰するためのスプリングであって、
コイルスプリングと、
前記コイルスプリングの外側面を覆う摩耗低減用覆い部材と、
を備えたスプリング。 - 前記覆い部材はさらに前記コイルスプリングの各コイルの線間に充填されている、請求項1に記載のスプリング。
- 前記覆い部材はさらに前記コイルスプリングの各コイルの内部に充填されている、請求項2に記載のスプリング。
- 前記覆い部材は、前記コイルスプリングの外側面に装着された弾性筒状部材である、請求項1に記載のスプリング。
- 前記覆い部材は、弾性樹脂又はゴムからなる、請求項1〜4のいずれかに記載のスプリング。
- 外側コイルスプリングと、
請求項1〜5のいずれかに記載の前記スプリングであって、前記外側スプリング内に配置された内側スプリングと、
を備えたスプリング組立体。 - 前記内側スプリングの自由長は前記外側コイルスプリングの自由長より短い、請求項6に記載のスプリング組立体。
- 第1回転部材と、
第2回転部材と、
請求項7に記載の前記スプリング組立体であって、前記第1回転部材と前記第2回転部材が相対回転すると回転方向に圧縮されるスプリング組立体とを備え、
前記内側スプリングは、前記第1回転部材と前記第2回転部材の捩じり角度が大きくなっていくと、やがて回転方向に圧縮されてストッパートルクを発生させる、
ダンパー機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002355192A JP2004183871A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | スプリング、スプリング組立体、ダンパー機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002355192A JP2004183871A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | スプリング、スプリング組立体、ダンパー機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004183871A true JP2004183871A (ja) | 2004-07-02 |
Family
ID=32755956
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002355192A Pending JP2004183871A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | スプリング、スプリング組立体、ダンパー機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004183871A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006077884A (ja) * | 2004-09-09 | 2006-03-23 | Exedy Corp | スプリング組立体 |
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