JP2004183194A - 炭素繊維束、炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維及びその製造方法 - Google Patents
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湿熱延伸倍率の値を、湿熱延伸糸膨潤度が最大値あるいは飽和に達する延伸倍率以下にすることを特徴とする炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法が提供される。
湿熱延伸倍率の値を、湿熱延伸糸の平均細孔半径が最大値あるいは飽和に達する延伸倍率以下にすることを特徴とする炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法が提供される。
湿熱延伸倍率の値を、乾燥緻密化直後の繊維配向度が最大値あるいは飽和に達する延伸倍率以下にすることを特徴とする炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法が提供される。
膨潤糸を遠心脱水機を用いて付着水を除去した(毎分1800回転を10分間)後の質量(W)と、これを沸水洗浄してから熱風乾燥機で80℃で16時間乾燥した後の質量(Wo)から以下の式で求めた値である。
延伸浴から出た糸条を採取し、t−ブタノールと脱イオン水の混合液でt−ブタノールの濃度を7段階に渡り濃くした溶液に順次浸漬し、繊維構造の変化がないように糸条内の液を全てt−ブタノールに置換する。これを−20℃以下に冷却しながら24時間真空下(3Pa以下)で乾燥する。この乾燥試料を約0.2g精秤し、ディラトメーターに入れる。次に水銀注入装置を用いて容器内を真空(7Pa以下)にし、その後水銀を充填する。そして、ポロシメーターを用いて測定を行う。圧力は最大400MPaまでかける。そして、細孔半径rは下式により算出される。平均細孔半径は、圧入された全水銀量の半分が圧入された時点の圧力から求められる細孔半径とした。
数百本の炭素繊維を酢酸ビニル/メタノール溶液で固め、幅0.5mmほどのサンプルを作製し、サンプルをX線に対して垂直な面上で360°回転させ、(002)反射における最高強度を含む子午線方向のプロファイルの半価幅から下記の式を用いて配向度を算出した。X線源として、リガク社製のCuKα線(Niフィルター使用)X線発生装置を用い、出力は40kV−100mAであった。
前駆体繊維を50mm長に切断し、これを30mg精秤採取し、試料繊維軸が正確に平行になるようにして引き揃えた後、試料調整用治具を用いて巾1mmの厚さが均一な繊維試料束に整えた。この繊維試料束に酢酸ビニル/メタノール溶液を含浸させて形態が崩れないように固定した後、これを広角X線回折試料台に固定した。X線源として、リガク社製のCuKα線(Niフィルター使用)X線発生装置を用い、同じくリガク社製のゴニオメーターにより、透過法によってグラファイトの面指数(100)に相当する2θ=17°近傍の回折ピークをシンチレーションカウンターにより検出した。出力は40kV−100mAにて測定した。回折ピークにおける半値巾から下記の式(2)を用いて、結晶領域サイズLaを求めた。
(ホ)「ストランド強度、弾性率」
JIS R−7601記載の方法で測定した。ストランドの作成は、油化シェル社製「エピコート828(商品名)」(100部)、無水メチルナジック酸(90部)、ジベンジルメチルアミン(2部)、アセトン(50部)を混合した組成の樹脂を炭素繊維に含浸後、50℃で1時間保持し、50℃から130℃に1時間かけて昇温後、130℃で2時間保持し硬化した。
長さ約2mmの単繊維試料の両端を台紙に固定し、この台紙の一端を、単繊維ねじり試験装置の金属フックに取り付けると共に、前記台紙のもう一方の端に金属フックを吊り下げ、溝のついた回転筒にセットし、回転筒を8mg/1回転にて、一定速度で回転させ、単繊維が破断したときのひずみと応力を検出することによって、単繊維ねじり強度(GPa)とねじり弾性率(GPa)を求めた。
アクリロニトリル96%、メタクリル酸1%、アクリルアミド3%で共重合したアクリル系共重合体を、ジメチルアセトアミドに溶解して紡糸原液(重合体濃度21%、原液温度60℃)を調整した。この紡糸原液を、直径0.075mm、孔数6000の口金を用いて、温度40℃、濃度65%のジメチルアセトアミド水溶液に吐出し凝固糸とした。
実施例1と同じ紡糸原液を、直径0.075mm、孔数3000の口金を用いて、温度35℃、濃度60%のジメチルアセトアミド水溶液に吐出し凝固糸とした。
実施例1と同じ紡糸原液を、直径0.075mm、孔数6000の口金を用いて、温度35℃、濃度65%のジメチルアセトアミド水溶液に吐出し凝固糸とした。
実施例1と同じ紡糸原液を、直径0.15mm、孔数1500の口金を用いて、一旦空気中に吐出し約5mmの空気中を通過させた後、温度20℃、濃度80%のジメチルアセトアミド水溶液に導き凝固糸を得た。
アクリロニトリル98%、メタクリル酸2%で共重合したアクリル系共重合体を、ジメチルホルムアミドに溶解して紡糸原液(重合体濃度23%、原液温度60℃)を調整した。この紡糸原液を、直径0.075mm、孔数6000の口金を用いて、温度30℃、濃度50%のジメチルホルムアミド水溶液に吐出し凝固糸とした。
実施例1と同じ紡糸原液を、直径0.045mm、孔数6000の口金を用いて、温度35℃、濃度65%のジメチルアセトアミド水溶液に吐出し凝固糸とした。
Claims (7)
- 単繊維ねじり弾性率(GPa)に対する単繊維ねじり強度(GPa)の比が0.1以上である炭素繊維の単繊維を70質量%以上含むことを特徴とする炭素繊維束。
- 単繊維ねじり弾性率(GPa)に対する単繊維ねじり強度(GPa)の比が0.09以上である炭素繊維の単繊維を90質量%以上含む請求項1記載の炭素繊維束。
- 溶剤と該溶剤に溶解したアクリロニトリル系重合体とを含む紡糸原液を紡糸して凝固糸を得る紡糸工程、該凝固糸を湿熱延伸する湿熱延伸工程、該延伸した糸を油剤処理する油剤処理工程、該油剤処理した糸を乾燥緻密化する乾燥緻密化工程を有する炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法において、
湿熱延伸倍率の値を、湿熱延伸糸膨潤度が最大値あるいは飽和に達する延伸倍率以下にすることを特徴とする炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。 - 溶剤と該溶剤に溶解したアクリロニトリル系重合体とを含む紡糸原液を紡糸して凝固糸を得る紡糸工程、該凝固糸を湿熱延伸する湿熱延伸工程、該延伸した糸を油剤処理する油剤処理工程、該油剤処理した糸を乾燥緻密化する乾燥緻密化工程を有する炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法において、
湿熱延伸倍率の値を、湿熱延伸糸の平均細孔半径が最大値あるいは飽和に達する延伸倍率以下にすることを特徴とする炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。 - 溶剤と該溶剤に溶解したアクリロニトリル系重合体とを含む紡糸原液を紡糸して凝固糸を得る紡糸工程、該凝固糸を湿熱延伸する湿熱延伸工程、該延伸した糸を油剤処理する油剤処理工程、該油剤処理した糸を乾燥緻密化する乾燥緻密化工程を有する炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法において、
湿熱延伸倍率の値を、乾燥緻密化直後の繊維配向度が最大値あるいは飽和に達する延伸倍率以下にすることを特徴とする炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。 - 前記溶剤がジメチルアセトアミドあるいはジメチルホルムアミドであり、前記湿熱延伸を行う際の湿熱延伸糸膨潤度が120%以下であることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
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