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JP2004174485A - 超純水洗浄システム - Google Patents

超純水洗浄システム Download PDF

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JP2004174485A JP2003312991A JP2003312991A JP2004174485A JP 2004174485 A JP2004174485 A JP 2004174485A JP 2003312991 A JP2003312991 A JP 2003312991A JP 2003312991 A JP2003312991 A JP 2003312991A JP 2004174485 A JP2004174485 A JP 2004174485A
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Haruhiro Tokida
晴弘 常田
Norihisa Tsutsui
徳久 筒井
Masaki Nakamura
優樹 中村
Shiro Sato
史朗 佐藤
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Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

【課題】 小型化する。エネルギー効率を向上させる。
【解決手段】 ワークを個別に把持し載置しあるいは吸着する搬送腕を有しワークを所定の位置に搬送する搬送装置と、この搬送装置を中心とした周囲に放射状に配置された複数の洗浄槽とを備える洗浄装置に用いられ、45℃以上に加温された超純水をワークの洗浄に用いるとともに洗浄後の排水を加温された状態のまま再生し循環させる。洗浄後の排水を再生する手段として耐熱性のイオン交換樹脂を使用することが好ましい。また、洗浄に使用される以外の超純水を循環路側に戻すバイパス管19を備えていることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超純水洗浄システムに関する。さらに詳述すると、本発明は、超純水を用いてワークの後洗浄等を行うシステムの構造の改良に関する。
生産設備や生産装置内においてワークを精密洗浄するための装置として、ワークを洗浄液に浸漬させて洗浄した後に超純水ですすぎ洗浄を行う超純水洗浄システムが使用されている(例えば、特開2003−145065号、国際公開WO03/018217号パンフレット参照)。
例えば図7、図8に示す超純水洗浄システムにおいては、市水(本明細書では一般の水道から供給される水のことを指している)タンク113からポンプ114を介して超純水生成装置105に水を供給し、この水から超純水を精製している。超純水は、ヒータ106で60℃〜70℃程度に加温された後、ワークの最終すすぎが行われる第4洗浄槽(仕上げすすぎ槽)104に供給される。この超純水は、第4洗浄槽104をオーバーフローすると第3洗浄槽(すすぎ槽)103に流れ込み第2段階のすすぎに用いられる。さらにこの第3洗浄槽103をオーバーフローした水は、図10に示すようにタンク107、ポンプ108、フィルタ109を通過して(あるいは図8に示すようにこれらを通過せず直接に)第2洗浄槽(粗すすぎ槽)102に流れ込み、第1段階のすすぎ(粗すすぎ)に用いられた後、オーバーフローして排水タンク110に流れ込む。あるいは、超純水生成装置105から第2洗浄槽102へ超純水が直接供給される場合もある(図9参照)。また、このようなすすぎ系とは別に、洗浄剤を用いてワークを洗浄する第1洗浄槽101、ワークの洗浄液(例えば界面活性剤)を循環させるためのポンプ111、あるいはフィルタ112、ヒータ等を備えた洗浄系が構築されている。
このような洗浄システムで使用される超純水生成装置105は、イオン交換樹脂による溶存イオンの除去、逆浸透法や限外濾過法による微粒子除去、真空脱気法による溶存酸素の除去等により所定の水質基準を満たす超純水を精製するものであり、例えばプレフィルタ、活性炭フィルタ、高圧ポンプ、逆浸透装置、マイクロフィルタ、紫外線(UV)殺菌装置、イオン交換樹脂(IE)、ファイナルフィルタ、ユースポイント等を備えている。
しかしながら、上述のような超純水洗浄システムは、市水から精製した超純水をすすぎに用いた後はすべて排水することから、市水タンク113および排水タンク110として一定容量以上のものが求められるため大型化を招きやすいという問題がある。また、特に図示していないが、超純水を殺菌してバクテリアの繁殖防止を図るために設置されるUV(紫外線)殺菌装置が更にシステム全体の大型化を招いているという問題もある。
加えて、市水から精製した超純水を全て加温し、すすぎに用いた後に全て排水しているのでエネルギー効率に劣るという問題がある。
また、システムにおける超純水の使用流量が少なくても一般的な超純水生成装置105を使用せざるを得ないため、使用流量の割に超純水生成装置105が大型かつ高価となってしまうという点も問題である。
また、純水中において生菌(バクテリア)が生成・増殖する場合があり、これに伴う種々の問題がある。すなわち、純水生成装置と生成された純水を使用する洗浄装置とが、例えば、純水生成装置とは異なる建物に洗浄装置が設置されていると、これら装置間を給水するための配管(以下、「工場配管」という。)が長くなるため、運転休止時間を設けると純水中で生菌が増殖するおそれがあることから、一般に、超純水洗浄システムにおいては運転と休止を繰り返す間欠運転を行うことが困難であるか場合によっては不可能である。また、生菌は一晩放置しただけでも増殖することから日毎の装置立上げの度に薬剤などで処理する必要があり手間がかかっている。さらに、工場配管を利用した超純水供給システムは、工場配管が長く、また、複数のバルブも設けられていることで、工場配管及びバルブ等を殺菌しなければならず、このような復旧処理の煩わしさから簡単には運転を休止することができない。これらの問題に加えて、このような超純水洗浄システムにおいて超純水循環洗浄を行うとポンプの発熱により純水温度が30℃前後となり、生菌が増殖するのに適した環境となってしまうというシステムに起因した根本的な問題もある。このため、超純水洗浄システムにおいては何らかの殺菌処理を行わなければ純水循環洗浄を行うことは不可能となっている。また、このような殺菌処理対策の一つとして上述したようなUV(紫外線)殺菌装置が挙げられるが、UV(紫外線)殺菌装置を通過した水に対する殺菌効力は認められるが、殺菌された水に、工場配管、洗浄装置、超純水生成装置を含め、システム全体についてまで殺菌することが難しい場合もある。
そこで、本発明は、小型化を図ることができ、エネルギー効率に優れる超純水洗浄システムを提供することを目的とする。さらに、本発明は、循環水が常に殺菌されているという効果が得られ殺菌装置を別個に設置する必要のない超純水洗浄システムを提供することも目的とする。
かかる目的を達成するため本願の発明者は種々検討し、超純水を循環させるシステム、すなわちすすぎ洗浄後の(超)純水を排水することなく超純水生成装置に戻し再生して再び洗浄に用いるシステムについて検討を重ねた。このような循環システムによれば、排水とともに棄てられる熱を再利用できるためエネルギー効率に優れ、かつ排水タンク等を省略できる分システム全体の小型化が図れる(図2参照)。
ところが、このような超純水洗浄システムの場合、循環中の水の温度は殆ど下がらない(例えば50℃〜60℃程度)のに対し、逆浸透装置とイオン交換樹脂の耐熱性に劣る超純水生成装置で処理できるのは一般に40℃以下の常温水であり、循環水をそのまま処理することができず、循環させるには循環水を一旦冷却するなどの手間が必要となる。
そこで本発明者は更なる検討を行った結果、温水をそのまま冷却せずに循環させることのできるシステムを実現するための技術を知見するに至った。本願はかかる知見に基づくものであり、請求項1に記載の発明の超純水洗浄システムは、ワークを個別に把持し載置しあるいは吸着する搬送腕を有しワークを所定の位置に搬送する搬送装置と、この搬送装置に近接して配置された複数の洗浄槽とを備える洗浄装置に用いられ、45℃以上に加温された超純水をワークの洗浄に用いるとともに洗浄後の排水を加温された状態のまま再生し循環させる超純水生成装置を備えたことを特徴とするものである。
この超純水洗浄システムでは、すすぎ洗浄に使用された後の水が循環して超純水生成装置に戻され、十分に冷却されない状態のままこの超純水生成装置で再生され再びすすぎ用超純水として使用される。この場合、超純水を連続して循環させるためのシステムが構築され、市水タンクや排水タンク、またこれらのタンクへの流路等が不要となることからシステム全体の小型化が図れる。また、システム全体の小型化により洗浄装置と超純水洗浄システムとのユニット化が可能となるため、ユニットごとの自由な移動が可能になるとともに、ユニットを設置する工場側の配管等のユーティリティ設備が不要となる。しかも、高温(具体的には45℃以上)を維持したまま水を循環させることによって循環水が常に殺菌されているという効果が得られ、紫外線(UV)殺菌装置を別個に設置する必要がなくなることからその分さらに小型化を図ることができる。また、洗浄後の水を排水せずに再生循環して連続使用するため、排水に伴う熱のロスがなく、熱をそのまま再利用することができる。したがってこの超純水洗浄システムによれば、熱のロスを回収し差分だけ加温すれば済むため優れたエネルギー効率を実現できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超純水洗浄システムにおいて、耐熱性のイオン交換樹脂を使用していることを特徴とするものである。耐熱性イオン交換樹脂は、一旦加温された温水を冷却されるのを待たずに通過させて超純水を精製することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の超純水洗浄システムにおいて、洗浄に使用される以外の超純水を循環路側に戻すバイパス管を備えているものである。この超純水洗浄システムによれば、洗浄に使用される超純水以外は、バイパス管で常に超純水生成装置を循環させることにより超純水の高い水質が維持される。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の超純水洗浄システムにおいて、超純水の水量が減少した場合に減少分を自動補給する補給タンクを備えているものである。循環用タンク等における純水の水量が例えば洗浄槽への供給や蒸発などにより減少した場合、補給タンクが自動供給することによって水量を維持する。
請求項5に記載の超純水洗浄システムは、超純水の水質を検出する水質検出装置を備えるとともに、TOC(全有機炭素)、比抵抗等の水質の悪化があった場合には純水循環用タンク内の純水を排水すると同時に補給タンクより純水を供給して純水の水質を安定させることを特徴とするものである。例えば洗浄剤の混入などによりTOC、比抵抗等の水質が悪化した場合、循環用タンク内の純水を排水すると同時に別の純水を供給することで水質を回復させ、常に安定させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の超純水洗浄システムが洗浄装置と超純水生成装置が一体化されていることを特徴とするものである。この場合、一体化されていない場合と比較して配管長さが短くて済むことに加え、循環中における純水の水質変化が少なくなることから計測器類の点数を削減することが可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の超純水洗浄システムにおいて、洗浄装置を超純水生成装置近傍に配置し、運転と休止とを繰り返す間欠運転を行うというものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の超純水洗浄システムにおいて洗浄槽からの温排水を利用して超純水を加温するというものである。
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の超純水洗浄システムにおいて、超純水を生成する超純水生成装置によってこの超純水を加熱するというものである。
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の超純水洗浄システムにおいて、超純水生成装置の放熱部を遮断して断熱するというものである。
請求項1に記載の超純水洗浄システムによると、すすぎ洗浄に使用された後の排水を高温のまま超純水生成装置に供給して循環再生を行うことができ、市水タンクや排水タンク、またこれらのタンクへの流路等が不要となることからシステム全体の小型化が図れる。また、システム全体の小型化により、洗浄装置、超純水生成装置を含め、超純水洗浄システムのユニット化が可能となるため、ユニットごとの自由な移動が可能になるとともに、ユニットを設置する工場側の配管等のユーティリティ設備が不要になる。しかも、高温を維持したまま水を循環させることによって循環水が常に殺菌されているという効果が得られ、紫外線(UV)殺菌装置を別個に設置する必要がなくなることからその分さらに小型化を図ることができる。また、洗浄後の水を排水せずに再生循環して連続使用することから、排水に伴う熱のロスがなく、優れたエネルギー効率を実現できる。
請求項2に記載の超純水洗浄システムによると、耐熱性のイオン交換樹脂を使用することにより、一旦加温された温水を冷却されるのを待たずに通過させて超純水を精製することができる。
請求項3に記載の超純水洗浄システムによると、洗浄に使用される超純水以外の水を超純水生成装置側へ戻すように循環させることによって超純水の高い水質を維持することができる。
請求項4に記載の超純水洗浄システムによると、超純水の水量が減少した場合に減少分を自動補給する補給タンクを備えているので、循環用タンク等における純水の水量が例えば洗浄槽への供給や蒸発などにより減少した場合、補給タンクにより自動供給することによって水量を維持することができる。したがって、水量が極端に少ない状況での運転あるいは純水が無い状況での空運転を防止することができる。
請求項5に記載の超純水洗浄システムによると、例えば洗浄剤の混入などによりTOC、比抵抗等の水質が悪化した場合、循環用タンク内の純水を排水すると同時に別の純水を供給することで水質を回復させ、常に安定させることができる。このため、純水の循環可能な継続時間をより長くすることができる。
請求項6に記載の超純水洗浄システムによると、洗浄装置と超純水生成装置が一体化されていることから配管長さが短くて済み、計測器類の点数の削減が可能となる。これによれば、システムの小型化と低価格化を達成することができる。
請求項7に記載の超純水洗浄システムによると、洗浄装置を超純水生成装置近傍に配置することで、洗浄装置との工場配管を短くすることができ、間欠運転を行うことによりエネルギー効率を向上させることができる。この場合、工場配管を短くし、さらに、洗浄槽からの温排水を利用することで、工場配管、洗浄装置、超純水生成装置を含めた超純水洗浄システム全体を、UV殺菌装置を別個に備えることもなく、高温殺菌状態を維持することができる。また、運転と休止を繰り返す間欠運転をすることも可能となり、省エネルギーを達成することができる。
請求項8に記載の超純水洗浄システムによると、洗浄槽からの温排水を利用して超純水を加温することによりエネルギー効率を向上させることができる。
請求項9に記載の超純水洗浄システムによると、超純水生成装置によってこの超純水を加熱することにより、超純水を必要とする洗浄槽ごとにヒータを備えることがなくなるので、装置の小型化を図ることができる。また、超純水生成装置によって超純水を加熱することで、例えば、複数の洗浄装置を備えた場合でも、簡単に給水することができる。
請求項10に記載の超純水洗浄システムによると、超純水生成装置の放熱部を遮断して断熱することにより熱エネルギーのロスを抑え、エネルギー効率をさらに向上させることができる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図6に本発明の一実施形態を示す。本発明にかかる超純水洗浄システムは、ワーク2を個別に把持し載置しあるいは吸着する搬送腕22を有しワーク2を所定の位置に搬送する搬送装置21と、この搬送装置21に近接して配置された複数の洗浄槽23a〜23dとを備える洗浄装置1に用いられ、加温された超純水をワーク2の洗浄に用いるとともに洗浄後の排水を加温された状態のまま再生し循環させる超純水生成装置20を備えたものである。
本実施形態の超純水生成装置20は、主として超純水を回収する回収系、超純水の減少分を補給する補給系、超純水を精製・循環させる精製循環系等によって構成されている。このうち、回収系は、洗浄後の純水が回収される回収タンク3、回収タンク3中の純水を送り出すポンプ4、純水を濾す前段プレフィルタ5によって構成されている。また補給系は、補給タンク6、補給タンク6中の水を送り出すポンプ7、このポンプ7と循環用タンク9との間に設けられたバルブ8によって構成されている。
精製循環系は、循環用タンク9、レベルセンサ10、ポンプ11、活性炭フィルタ12、マイクロフィルタ13、イオン交換樹脂14,15、ファイナルフィルタ16によって構成されている。このうち、活性炭フィルタ12、マイクロフィルタ13、イオン交換樹脂14,15、ファイナルフィルタ16によって超純水を精製するためのものである。イオン交換樹脂14,15は、イオンの除去率を上げるため同じ樹脂による2段構成とされている。また、ファイナルフィルタ16とヒータ17とを結ぶ流路18の途中には、この流路18から分岐し、超純水を循環用タンク9に直接戻すことができるバイパス管19が設けられている。このバイパス管19によれば、洗浄に使用される以外の超純水を超純水生成装置20内の循環用タンク9に戻すことができる。ファイナルフィルタ16とヒータ17を結ぶ流路18およびこのバイパス管19にはヒータ17側および循環用タンク9側への流量を調節するためのバルブ24〜26が設けられている。
耐熱性のイオン交換樹脂は、ワーク2のすすぎ洗浄に用いられた後の排水(超純水)を加温された状態のまま再生するための手段として用いられている。イオン交換樹脂としては例えば耐熱アニオン交換樹脂(一例として、商品名「ダイヤイオンTSA1200」、三菱化学株式会社製)が好ましい。この耐熱アニオン交換樹脂をはじめとする耐熱性イオン交換樹脂によれば一旦加温された後の純水を温水のまま通過させて超純水を精製することが可能である。この場合、超純水を高温状態に維持したまま循環させることが可能となり殺菌効果が得られることから、本実施形態の超純水洗浄システムにおいてはUV(紫外線)殺菌装置が不要であり、この分システム全体の小型化を図れる。しかも、加温後の超純水を廃棄することなく循環させることができるため、市水から超純水を精製した後に加温する場合に比べて加温に要するエネルギーが少なくて済む。
第4洗浄槽(仕上げすすぎ槽)23dは超純水によりワーク2の最終すすぎを行う槽で、ヒータ17を通過して加温された超純水が直接この槽に供給されている。第4洗浄槽23dをオーバーフローした純水は第3洗浄槽(第2すすぎ槽)23cに流れ込む。本実施形態では、第3洗浄槽23cをオーバーフローした洗浄水を、回収タンク3に回収した後、ポンプ4と前段プレフィルタ5を通過させて循環用タンク9に戻すが、汚染の度合いが低い場合には図1に実線で示すようにこれら回収系を通過させずに循環用タンク9に直接戻すようにしている。
また、図1では特に図示していないが、第2洗浄槽(粗すすぎ槽)23bの排水はタンク27、ポンプ28、活性炭フィルタ29を循環し再びこの第2洗浄槽23bへ供給される。また本実施形態では、この第2洗浄槽23bに超純水生成装置20から超純水を少量供給し、第2洗浄槽23bからオーバーフローした分は排水することにより、この第2洗浄槽23bにおいて界面活性剤濃度が上昇してしまうのを防止している(図3参照)。なお、第2洗浄槽23bに対し超純水を少量供給する方法としては、例えば第2洗浄槽23bからのワーク2の取り出し時にワーク2をシャワーですすぎながら供給する方法などを採り得る。
第1洗浄槽23aの排水はタンク30、ポンプ31、フィルタ32を循環し再びこの第1洗浄槽23aへ供給される(図2、図3参照)。上述したように、本実施形態の超純水洗浄システムにおいては、第1洗浄槽23aを含む循環路、第2洗浄槽23bを含む循環路、そして第3洗浄槽23c〜第4洗浄槽23dおよび超純水生成装置20を含む循環路の3つの循環路が形成されている(図2参照)。
超純水洗浄システムにおいては、小型化とコスト低減を図る上で配管長さや計測器類の数が少ないことが好ましい。本実施形態では、洗浄装置1と超純水生成装置20とを一体化することにより(より具体的には、洗浄装置1のうちの第3洗浄槽23c〜第4洗浄槽23dと超純水生成装置20とで一体的な循環装置を構成することにより)配管長さを短くできるようにしている。さらに本実施形態では、比抵抗計、TOC(全有機炭素)計等の水質計を超純水生成装置20中にのみ設置し、超純水生成装置20における水質のデータを得、このデータを洗浄槽23d(または23c)における水質データとして用い(あるいはこのデータから洗浄槽23dにおける水質データを推測して)水質を管理するようにしている。この場合、洗浄槽23d(23c)における水質データを直接得た場合と特に変わりないデータが得られることに加え、設置される計測器の点数を削減することができる。また、水質計のみならず、温度計、流量計、圧力計等の各種計測器についても、超純水生成装置20にのみ設置して超純水生成装置20における温度や流量等を計測することで計測器の設置点数を削減することができる。
さらに、本実施形態では、洗浄装置1が超純水生成装置20近傍に配置したので、洗浄装置1との工場配管を短くすることができる。すなわち、図1において、ヒータ17から洗浄槽23dまでの工場配管、洗浄槽23cから回収タンク3(または循環用タンク9)までの工場配管を短くすることができる。
これにより、超純水洗浄システムは、運転と休止を繰り返す間欠運転を行うことができ、間欠運転を行うことによりエネルギー効率を向上させることができる。また、運転と休止を繰り返す間欠運転をすることも可能となり、省エネルギーを達成することができる。
さらに、工場配管を短くし、かつ、洗浄槽からの温排水を利用することで、工場配管、洗浄装置1、超純水生成装置20を含めた超純水洗浄システム全体を、UV殺菌装置を別個に備えることもなく、高温殺菌状態を維持することができる。
補給系における補給タンク6は、超純水洗浄システムにおける超純水の水量(例えば循環用タンク9内の超純水の水量)が減少した場合に減少分を自動補給するように設けられている。超純水の水量は、例えば循環用タンク9等に設置されたレベルセンサ10で監視し検出することができる。また本実施形態では、純水の水質を検出するための水質検出装置(図示省略)を設け、超純水洗浄システムにおける超純水の水質を随時検出するようにしている。本実施形態では、この装置による検出結果から例えば洗浄剤の混入などによるTOC、比抵抗等の水質の悪化が判明した場合、循環用タンク9内の純水を排水すると同時に補給タンク6から純水を供給し、超純水の水質を回復させることによって常に水質が安定するようにしている。なお、補給タンク6の下部に車輪を設けるなどしてこの補給タンク6を移動可能としておくことが好ましい。こうした場合には、洗浄装置1の近傍に水補給用の他のユーティリティを設ける必要がなくなる。
また、補給タンク6内の超純水は、ポンプ7を用いて循環用タンク9内に補給するように構成しているが、作業者がレベルセンサ10を監視し、ポンプ7を用いずに、作業者が循環用タンク9に補給するようにしてもよい。
なお、上述したような構成の超純水洗浄システムにおいては、超純水の使用量等に合わせて洗浄水の流量を適宜減少させることが好ましい。こうした場合、耐熱性イオン交換樹脂を通過する洗浄水の流量が減少することによりイオン交換樹脂の交換頻度を少なくすることが可能となることに加え、目詰まりが少なくなるという理由から前段プレフィルタ5等の目をより細かくして循環水をより清浄にすることによって従来設置されていた逆浸透装置を取り外すことも可能となる。このように逆浸透装置を取り外した場合、その分だけシステムを小型化することができる。
続いて、本発明に係る超純水洗浄システムが適用される洗浄装置1について説明する。本実施形態における洗浄装置1は、洗浄槽23a〜23dの槽内に洗浄液、すすぎ水等の洗浄用液体を保持し、この中にワーク2を浸漬させて洗浄するものである。図4〜図6にこのような洗浄を行う洗浄装置1の一例を図示し説明する。
図4〜図6に示す洗浄装置1は、ワーク2を搬入する搬入装置41と、ワーク2を洗浄する洗浄槽23a〜23dと、洗浄後にワーク2を乾燥させる乾燥槽23e〜23gと、ワーク2を乾燥槽23gから取り出し搬出する搬出装置42と、搬入装置41により搬入されたワーク2を保持して洗浄槽23a〜23d及び乾燥槽23e〜23f内に移動させる搬送装置21とを備えている(図4参照)。図示するように、ここでは6個の槽23a〜23fが周状に等間隔配置されたロータリー式洗浄槽43が構成され、その中心に配置された搬送装置21がワーク2を保持して各槽23a〜23fへ順に搬送するように設けられている。6個の槽23a〜23fをいかなる槽とするかはワーク2の種別等により変わってくるが、例えばここで示す実施形態の場合は1番目の槽23aを第1洗浄槽、2番目から4番目までの槽23b〜23dをすすぎ洗いを行う第2〜第4洗浄槽、5番目と6番目の槽23e〜23fを水切りを行うエアー乾燥槽としている。また、ロータリー式洗浄槽43の近傍に最終乾燥槽として真空乾燥槽23gを設けている。尚、本実施形態では、ロータリー式洗浄槽43とは別に真空乾燥槽23gを設けているが、ワーク2の種別等によっては、真空乾燥槽をロータリー式洗浄槽43に設けてよい。
第1洗浄槽23aは例えば超音波を利用して洗浄を行う槽であり、槽内の水及び水系洗浄剤に浸されたワーク2の付着した汚れを取り除く。水及び水系洗浄剤の代わりとして、準水系洗浄剤、非水系洗浄剤などが洗浄剤として用いられる場合もある。第2洗浄槽23bは第1洗浄槽23aで洗浄されたワーク2を超音波を利用して粗すすぎをする槽である。本実施形態の場合、図示するようにこれら2つの洗浄槽23a,23bと他の洗浄槽23c〜23fの間を通過するように仕切り部材55を設け、洗浄槽23a,23bと他の槽23c〜23fとを仕切っている。また第3洗浄槽23cは超音波で2次すすぎを行う槽、第4洗浄槽23dは超音波で3次すすぎ(最終の仕上げすすぎ)を行う槽である。乾燥槽23e,23fはすすぎ後のワーク2に対しエアーを吹き付けて乾燥させる槽である。さらに乾燥槽23gは、槽内を真空引きしてワーク2の最終乾燥を行う槽である。なお、図5と図6では符号23により各槽23a〜23fのいずれかを示している。
搬入装置41はロータリー式洗浄槽43の手前まで搬送されたワーク2を搬送装置21に受け渡す装置で、例えば旋回可能かつ直線移動可能なアームでワーク2を保持し移動させるワーク搬入ロボットによって構成されている。搬出装置42は、乾燥を終えたワーク2を受け取り搬出側の搬送装置に載せる装置であり、例えば搬入装置41と同様、旋回可能かつ直線移動可能なアームでワーク2を保持し移動させるワーク搬入ロボットからなる。
搬送装置21は搬入されたワーク2を保持して洗浄槽23a〜23d及び乾燥槽23e〜23f内を順次移動させるもので、例えばここでは図4に示すように6本の搬送腕22がアーム支持軸44に周状に等間隔配置されている。アーム支持軸44は各槽23a〜23fの中心位置で昇降可能な軸で(図5、図6参照)、6本の洗浄腕22を各槽23a〜23f内で同時に上げ下げしてワーク2の出し入れを行う。アーム支持軸44の昇降は昇降装置45によって行われる。ワーク2は、搬送腕22のワーク載置部である搬送ハンド22aに載置され、洗浄時のワーク2の保持姿勢が一定に保たれる。尚、本実施形態では、搬送ハンド22aに1個のワーク2が載置されるが、洗浄時のワーク2の保持姿勢が一定に保たれるのであれば2個以上のワーク2が載置されてもよい。また、アーム支持軸44の上端に設けられた回転装置54が搬送腕22を回転させる。さらに、本実施形態ではワーク2を載置した際に洗浄面積ができるだけ大きくなるように載置されている。
昇降装置45はその昇降速度の制御が可能となっている。従って、ワーク処理部23に保持される洗浄用液体にワーク2が浸漬される時に昇降装置45の昇降速度を下げることにより、ワーク2の洗浄用液体への浸漬時においても、搬送ハンド22aにワーク2を安定した状態で保持できる。
また、超音波洗浄を行う場合には、超音波の強い位置で昇降装置45の昇降速度を下げることにより、あるいは昇降装置45を一時的に止めることにより、更に効果的な洗浄が可能になる。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では超純水生成装置20の後段にヒータ17が設置されているが循環用タンク9内にヒータを設置することにより純水供給タンクとヒータタンクを兼用するようにしてもよい(図2参照)。こうした場合、(1)ヒータタンクが不要となって削減が可能となる、(2)超純水生成装置20での熱ロス分を考慮して加温温度を高くするためより高い殺菌効果が得られる、(3)加温後の循環水が超純水生成装置20を通過するためヒータタンクによる汚染の影響がなくなる、等の効果が得られる。また、本実施形態では、耐熱性のイオン交換樹脂を用いることにより、イオンの除去を行うと共に純水を温水のまま循環させることを可能としているが、電気泳動による分離方法によっても純水を温水のまま循環させながらイオンの除去を行うことが可能である。
あるいは、超純水を生成する超純水生成装置20自体によって超純水を加熱することも好ましい。特に図示してはいないが、超純水生成装置20にヒータ17を設けることにより、あるいは超純水生成装置20自体に発熱作用を備えさせることにより、超純水生成装置20によって(あるいは超純水生成装置20において)超純水を加熱することが可能となる。またこの場合においては、超純水生成装置20の放熱部を遮断して断熱することが好ましい。こうすることにより、超純水生成装置20における熱エネルギーのロスを抑え、エネルギー効率をさらに向上させることができる。このような形態の具体例としては、例えば循環用タンク9にシリコンラバーヒータを巻き付けたものなどがある。
このように超純水生成装置20で加熱するにせよ、あるいは超純水生成装置20の後段で加熱するにせよ、本発明に係る超純水洗浄システムにおいては超純水への加熱を洗浄装置1の洗浄槽23a〜23dの手前で行っていることが特徴的である。そしてこのような特徴的な構成としたことは、この超純水洗浄システムにおいて温水洗浄に必要な最も高い温度の純水を供給すること、更には、洗浄後に回収された排水(温排水)が超純水生成装置20内で生菌処理に必要な最低限の温度を維持することを可能としている。
また、ここまで超純水を加熱する場合の形態について説明してきたが、これら各加熱形態とは別に、あるいはこれら各加熱形態に加えて、洗浄槽23a〜23dからの温排水を利用して超純水を加温することも好ましい。例えば上述した実施形態では、第3洗浄槽23cをオーバーフローした洗浄水(温排水)を回収タンク3に回収した後、ポンプ4と前段プレフィルタ5を通過させて循環用タンク9に戻すか、あるいは汚染の度合いが低い場合にはこれら回収系を通過させずに循環用タンク9に直接戻すようにしたが(図1参照)、このように洗浄水を回収する際、洗浄水(温排水)が保有している熱により、洗浄に使用される前の超純水を加熱するようにしてもよい。こうした場合、超純水洗浄システム全体として熱効率(エネルギー効率)の更なる向上を図ることが可能となる。このように洗浄水(温排水)によって超純水を加熱するための具体的な構成としては、例えば洗浄水(温排水)の回収用管と超純水の供給管との間に伝熱装置を設けて熱交換できるようにしたものなどがある。
また、超純水洗浄システムにおいては、単に連続運転するばかりでなく、運転と休止とを繰り返す間欠運転を行うことも好ましい運転形態の一つである。このように運転休止時間を挟んだ間欠運転を行うことは従来の洗浄システムであれば、超純水生成装置と洗浄装置との間に設けた給水するための工場配管が長くなるため、生菌(バクテリア)の繁殖・増殖のおそれがあることから難しいことであったが、洗浄装置を超純水生成装置近傍に設置させることで工場配管を短くすることができ、さらに超純水を冷却することなく高温殺菌状態に維持したままシステム内で循環させるようにした本実施形態の超純水洗浄システムによれば間欠運転が可能であり、こうすることにより超純水供給システム全体におけるエネルギー効率の更なる向上を図ることができる。また、工場配管を利用した超純水供給システムにおいても復旧処理の煩わしさがないことから途中で運転を休止させることが可能となる。
洗浄装置1を3台用意し、実際に運転する実験を行った。洗浄水の流量を0.15L/min(1分あたり0.15リットル)として運転すると、超純水生成装置20において水温が45〜59℃となることを確認した。また、処理された超純水が超純水生成装置20から配送される過程で生菌に汚染されている場合には、洗浄槽23a〜23dの手前で65℃以上に加熱することによって生菌処理を確実に行うことができ、生菌が洗浄槽23a〜23dに持ち込まれないことを確認した。
本発明の一実施形態を示す超純水洗浄システムの構成を表す図である。 本実施形態における洗浄装置の構成の概略を示す図である。 洗浄装置の構成を簡単に示す図である。 槽内の洗浄用液体にワークを浸漬させて洗浄する方式の洗浄装置の一例を示す平面図である。 搬送腕を上昇させた状態における搬送装置の概略図である 搬送腕を下降させた状態における搬送装置の概略図である。 従来の洗浄装置の構成の一例を示す図である。 従来の洗浄装置の構成の一例を簡単に示す図である。 従来の洗浄装置の構成の他の例を簡単に示す図である。 従来の洗浄装置の構成の更に他の例を簡単に示す図である。
符号の説明
1 洗浄装置
2 ワーク
6 補給タンク
9 循環用タンク
19 バイパス管
20 超純水生成装置
21 搬送装置
22 搬送腕
23a〜23d 洗浄槽

Claims (10)

  1. ワークを個別に把持し載置しあるいは吸着する搬送腕を有し上記ワークを所定の位置に搬送する搬送装置と、この搬送装置に近接して配置された複数の洗浄槽とを備える洗浄装置に用いられ、45℃以上に加温された超純水を上記ワークの洗浄に用いるとともに洗浄後の排水を加温された状態のまま再生し循環させる超純水生成装置を備えたことを特徴とする超純水洗浄システム。
  2. 上記洗浄後の排水を再生する手段として耐熱性のイオン交換樹脂を使用していることを特徴とする請求項1に記載の超純水洗浄システム。
  3. 洗浄に使用される以外の超純水を循環路側に戻すバイパス管を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の超純水洗浄システム。
  4. 超純水の水量が減少した場合に減少分を自動補給する補給タンクを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の超純水洗浄システム。
  5. 超純水の水質を検出する水質検出装置を備えるとともに、水質の悪化があった場合には純水循環用タンク内の純水を排水すると同時に上記補給タンクより純水を供給して純水の水質を安定させることを特徴とする請求項4に記載の超純水洗浄システム。
  6. 上記洗浄装置と超純水生成装置が一体化されたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の超純水洗浄システム。
  7. 上記洗浄装置を上記超純水生成装置近傍に配置するとともに、運転と休止とを繰り返す間欠運転を行うことを特徴とする請求項1に記載の超純水洗浄システム。
  8. 上記洗浄槽からの温排水を利用して上記超純水を加温することを特徴とする請求項1に記載の超純水洗浄システム。
  9. 上記超純水を生成する上記超純水生成装置によってこの超純水を加熱することを特徴とする請求項1に記載の超純水洗浄システム。
  10. 上記超純水生成装置の放熱部を遮断して断熱することを特徴とする請求項1に記載の超純水洗浄システム。
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