JP2004171326A - ソフトウェアの使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】文字認識ソフトウェアの変更に際して、旧版のソフトウェアによる認識精度を保証しつつ、新版のソフトウェアに変更することができるようにし、文字認識ソフトウェア変更時におけるシステム運用のリスクを低減させる。
【解決手段】旧版の文字認識ソフトウェアから新版の文字認識ソフトウェアに変更するに際し、旧版ソフトウェアから新版ソフトウェアへの移行時における期間、実システムにおいて、新版及び旧版の双方のソフトウェアにより文字の認識を行う。その結果、新版及び旧版双方のソフトウェアの認識精度に関する情報を統計的に収集し、両者の認識精度を比較する。そして新版の精度が旧版の精度よりも高い場合に、新版ソフトウェアの導入を確定するようにするものである。一方、旧版ソフトウェアの認識精度の方が良かった場合には、新版ソフトウェアへの全面的な変更は行わず、旧版及び新版双方のソフトウェアの良い所を用いて並行的に運用することもできる。
【選択図】 図6
【解決手段】旧版の文字認識ソフトウェアから新版の文字認識ソフトウェアに変更するに際し、旧版ソフトウェアから新版ソフトウェアへの移行時における期間、実システムにおいて、新版及び旧版の双方のソフトウェアにより文字の認識を行う。その結果、新版及び旧版双方のソフトウェアの認識精度に関する情報を統計的に収集し、両者の認識精度を比較する。そして新版の精度が旧版の精度よりも高い場合に、新版ソフトウェアの導入を確定するようにするものである。一方、旧版ソフトウェアの認識精度の方が良かった場合には、新版ソフトウェアへの全面的な変更は行わず、旧版及び新版双方のソフトウェアの良い所を用いて並行的に運用することもできる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソフトウェアの使用方法に係り、特にイメージスキャナによって帳票の画像情報を得て、文字認識ソフトウェアによって画像情報から文字認識するシステムにおける文字認識ソフトウェアのバージョンアップ時におけるソフトウェアの運用使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子情報機器のソフトウェアを旧版から新版に変更する場合には、旧版のソフトウェアの記憶されたメモリ領域に新版のソフトウェアをそのままインストールしている。通常、旧版のソフトウェアに新版のソフトエアが上書きされるので、メモリには旧版のソフトウェアは残っておらず、新版のソフトウェアによって以後の情報処理が実行される。
【0003】
一方、旧版のソフトウェアを新版(改良版含む)のソフトウェアに変更する際、新版ソフトウェアへの移行時のリスクを軽減する目的で、旧版のソフトウェアをメモリにそのまま残しておき、新版及び旧版の両方のソフトウェアをメモリに保持する状況を作り、旧版から新版への切り替え時に新版に不具合が発見された場合に管理者の命令によって旧版へ容易に戻すように運用する場合がある。例えば、特開2000−36867号公報(特許文献1)には、交換機システムにおけるプログラムのバージョンアップ方法が開示されている。即ち、新規プログラムを旧プログラムに上書きせずに格納し、この新規プログラムを試験的に運用する。運用の結果、不具合が発生した場合にはバージョンアップ手順を初めに戻すことなく、旧プログラムで運用し、旧プログラムとの入れ替えをスムーズに行おうとするものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−36867号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公知例の技術は、交換機システム装置における制御プログラムのバージョンアップに関するものであり、この公知例の技術が、光学式文字認識(OCR)技術を利用したシステムにそのまま適用できると言う示唆も無く、またOCR利用のシステムに特有の課題或いは構成に言及した記載も見当たらない。
【0006】
通常、OCR技術を利用したソフトウェア(文字認識ソフトウェア)を含む大規模システムにおいてソフトウェアの改良版を適用する場合、業務ソフトウェアやハードウェア制御ソフトウェアとは異なり、ソフトウェアの切り替えに係る運用リスクが相対的に高くなることがある。
【0007】
即ち、文字認識ソフトウェアは、一般的には認識アルゴリズムの改造や認識辞書の最適化により認識精度を高めることができるが、ソフトウェアの改良を目的としてこれらの変更が行われた後には、メーカ側は自社が有する評価用データにより精度の改善効果を評価する。しかしながら、評価用データは対象とする実システムでの運用において入力されるデータを必ずしも網羅したものではなく、メーカ側の過去の知識経験を元にした評価モデルを前提に作成されている。このため、ソフトウェアの改良時に着目した改善対象となるデータ以外のデータに関しては必ずしも改善効果が得られず、逆に旧版よりも新版ソフトウェアの認識精度の方が悪くなると言うこともある。これは、システムが対象とする母集合と評価モデルが対象とする集合に乖離があるためである。実際にシステム開発コストに制約があることを勘案すれば、このような乖離によるズレが文字認識の精度に少なからず影響を与えていると言う事実も認めざるを得ないところである。
【0008】
本発明の目的は、文字認識ソフトウェアの変更に際して、システムの運用のリスクを低減することができる文字認識ソフトウェアの使用方法を提供することにある。
また本発明の目的は、ソフトウェアの変更に際して、実システムにおいて旧版と新版の両方のソフトウェアを運用して文字認識精度を比較することにより、新版のソフトウェアに変更するか否かを判断することができるソフトウェアの使用方法を提供することにある。
本発明の目的は、一般的にはあるソフトウェアから同種の他のソフトウェアに変更するときのソフトウェアの運用使用方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、文字認識ソフトウェアを用いて画像の文字を認識するシステムにおいて、新版のソフトウェアをメモリに格納し、かつ旧版のソフトウェアを実行可能な状態にしてメモリに格納しておき、画像の文字の認識要求があった場合、同じ対象に関して旧版ソフトウェアの実行によって認識処理すると共に、新版のソフトウェアの実行によって認識処理し、双方のソフトウェアの認識結果から認識精度に関する情報を夫々収集して記憶装置に格納し、後に夫々のソフトウェアに対する認識精度に関する情報を参照して、新版のソフトウェアへ移行するか否かを決めるようにするものである。
このように、実システムの運用に即した評価結果が得られ、その結果として新版ソフトウェアへの移行が行えるため、ソフトウェアの切り替えに関するシステム運用リスクを軽減させることができる。
上記システムにおいて、新版及び旧版のソフトウェアに関連する認識精度に関する情報として、帳票の種類毎の処理頻度、認識精度に関する情報を収集して記憶装置に格納しておき、新版ソフトウェアへの移行の判断に際しては帳票毎の処理頻度、認識精度に関する情報を用いる。
また、新版旧版のソフトウェアによる認識結果によっては、例えば更なる新版のソフトウェアが提供されるまでの期間、前記記憶装置に格納された認識精度の情報に従って、認識精度の高い方の版のソフトウェアに切り替えながら使用する。この方法によれば、旧版ソフトウェアの認識精度を維持しながら、新版ソフトウェアも使用することができる。
【0010】
文字認識ソフトウェアを利用した好ましいシステムは、センタサーバ(第1サーバ)と、これにネットワークを介して接続されるローカルなサーバ装置(第2サーバ装置)と、この第2サーバ装置に接続されるクライアント装置より構成される。通常は、クライアント装置に記憶されている文字認識ソフトウェアにより文字認識が行われるが、ソフトウェアのバージョンアップに際しては、このソフトウェアは第2サーバ装置に移され、このソフトウェアは旧版ソフトウェア(第1のソフトウェア)扱いとなる。一方、クライアント装置には変更対象となる新版の文字認識ソフトウェア(第2のソフトウェア:第1のソフトウェアの改良版或いは新版)がインストールされる。
クライアント装置においては帳票等からの画像データが取得され、この画像情報はクライアント装置だけでなく、第2サーバ装置にも送られる。クライアント装置では新版の文字認識ソフトウェアにより認識が行われ、また第2サーバ装置では旧版の文字認識ソフトウェアによる文字認識が行われる。双方のソフトウェアによる認識結果は統計情報として第1サーバへ送され、記憶装置に格納される。ソフトウェアの移行に際して決められたある期間経過後、第1サーバの記憶装置に蓄積された旧版及び新版の文字認識ソフトウェアによる認識精度の情報が出力され、この情報に従って、新版ソフトウェアへの切り替えるか、即ち新版ソフトウェアによる全面的な運用を行うか否かの判断を行う。この判断は、センタサーバ装置で判断処理されても良いし、判断自体は導入する者によって行なわれても良い。
【0011】
本発明は、広義にはあるソフトウェア(第1)から同種の他のソフトウェア(第2)に変更するときのソフトウェアの運用処理に適用できる。即ち、あるシステムにおいて、ある処理目的のための第1のソフトウェアを実行して処理するステップと、第1のソフトウェアを実行可能な状態でシステムに残したまま、第1のソフトウェアと同種であって最終的には第1のソフトウェアと置き換えられる対象となる第2のソフトウェアをインストールするステップと、第2のソフトウェアを実行して処理するステップと、システムにある処理要求が発生した場合、第1のソフトウェアによる処理と第2のソフトウェアによる処理とを並行的に行うステップと、第1及び第2のソフトウェアによる処理結果から双方のソフトウェアによる実行性能に関する情報を収集するステップと、第2のソフトウェアの実行性能が良いか又は第1のソフトウェアによる実行性能が良いかを判断するために、収集された情報を用いるステップとを有する。
また、上記運用処理において、収集結果に基づき第1のソフトウェアが第2のソフトウェアよりも良いと判断された場合、以後第1のソフトウェアによる処理と第2のソフトウェアによる処理とを併用して処理を行う。これにより双方のソフトウェアの良いところを利用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面により詳細に説明する。
図1は、文字認識ソフトウェアを使用したOCR処理を行うシステムの構成例である。このシステムは、センタ107と、WANのようなネットワーク106を介して接続される営業拠点101とから構成される。一般的にシステム内には複数の営業拠点101が存在すると想定してよい。営業拠点101には、センタ側とのデータの中継を行う営業拠点サーバ105とLAN104を介して複数のクライアント装置102が接続される。また各クライアント装置102には帳票を画像データ化するスキャナ装置103が接続されている。
センタ107には、各営業拠点101からネットワーク106を介して送信されてくる業務データや統計データを統括管理するセンタサーバ108が設置されている。
【0013】
図2は、営業拠点101に設定されているクライアント装置の構成例を示す。クライアント装置201は、外部とのデータ入出力を制御するためのI/O制御部206を備える。このI/O制御部206には、オペレータに指示を促すディスプレイ202、オペレータの指示を入力するキーボード203、帳票を画像データ化するイメージスキャナ204、営業拠点サーバ105とのデータ通信を行うためのLANボード205が接続されている。また、メモリ207には、営業窓口の業務処理を実現する業務ソフトウェア208、各ソフトウェア及びI/O制御部206間のデータ交換を支援する制御ソフトウェア209、イメージスキャナ204で画像データ化された帳票の種別を特定する帳票識別ソフトウェア210、ならびに帳票種が判明した帳票画像データの各フィールドの文字認識を行う文字認識ソフトウェア211が格納されている。ここで、文字認識ソフトウェア211は、改良された認識精度が良くなった新版の文字認識ソフトウェアである。各ソフトウェアに内包されるプログラムの実行命令はCPU212によって実行され、データの入出力が必要な場合にはI/O制御部206を介してディスプレイ乃至LANボード202〜205のような周辺機器を制御する。
【0014】
図3は、営業拠点101に設定されているサーバ装置105の構成例を示す。サーバ装置301は外部とのデータ入出力を制御するためのI/O制御305を備える。このI/O制御部305には、サーバ装置301の内部状態を表示するディスプレイ部302、クライアント装置102とのデータ通信を行うためのLANボード303、センタサーバとの通信を行うためのモデム304が接続されている。また、メモリ306には、各ソフトウェア及びI/O制御部305間のデータ交換を支援するサーバ制御ソフトウェア307、クライアント装置から送信されてきた帳票画像データの各フィールドの文字認識を行う文字認識ソフトウェア308が格納されている。ここで、この文字認識ソフトウェア308は、改良前の旧版の文字認識ソフトウェアである。各ソフトウェアに内包されるプログラムの実行命令はCPU309によって実行され、データの入出力が必要な場合にはI/O制御部305を介してディスプレイ302〜モデム304の如き周辺機器を制御する。
【0015】
図4は、センタ107に設定されているサーバ装置108の構成例を示す。サーバ装置401は外部とのデータ入出力を制御するためのI/O制御部406を備え、このI/O制御部406には、サーバ装置401の内部状態を表示するディスプレイ402、データを保存するための装置であるハードディスク装置(記憶装置)403、営業拠点サーバ105と通信を行うためのモデム405が接続されている。
【0016】
ハードディスク装置403には、各営業拠点で行われた文字認識処理の結果を日時/帳票毎に編集して記録しておくための統計情報ファイル404が格納される。
図5に、ハードディスク装置における統計情報ファイル404の格納テーブルの概略を示す。図の(5B)及び(5C)に示すものが統計ファイルに格納されるテーブルである。図の(5A)に示すテーブルは各支店の拠点サーバのメモリに記憶されるテーブルでるが、帳票毎、ソフトウェア(プログラム)のバージョン毎に読取り率などの情報が記憶されている。センタサーバ108、401はこの支店テーブル(5A)から関連する情報を取得して、編集して、図(5B)、(5C)に示すようなテーブルを作成して、ファイル404に格納する。(5B)は旧版のソフトウェアによる読取り率などの情報を帳票毎に格納する。(5C)は新版のソフトウェアによる読取り率などの情報を帳票毎に格納する。いずれも同じ期間における集計である。
【0017】
再び説明を図4に戻して、メモリ407には、各ソフトウェア及びI/O制御部406間のデータ交換を支援するサーバ制御ソフトウェア408、営業拠点から送信されてきた統計情報の記録および営業拠点クライアント装置102からの問い合わせ依頼である文字認識ソフトウェアの使用判定依頼(統計情報を元に文字認識ソフトウェアの新版211を使うか、旧版308を使うかを判定する処理依頼)を処理する統計情報記録判定モジュール409が格納されている。各ソフトウェアに内包されるプログラムの実行命令はCPU410によって実行され、データの入出力が必要な場合にはI/O制御部406を介してディスプレイ402〜モデム405の如き周辺機器を制御する。
【0018】
図6は、文字認識ソフトウェアの移行期間中におけるシステム内の認識処理方式の例を示すフローチャートである。以下、具体的な処理の流れを説明する。
まず、イメージスキャナ204によって帳票の画像を光学的に読み取り、画像データとして電子化する(501)。次に、帳票識別ソフトウェア210により帳票の種別を識別する(502)。電子化された画像データは、クライアント装置102と拠点サーバ105の双方で並行して文字認識の処理が行われることになるが、まず営業拠点サーバ105の旧版ソフトウェア308による文字認識処理を行うために、クライアント装置102から営業拠点サーバ105へ文字認識処理を依頼する(503)。認識の対象となる画像データもサーバ105へ送られる。並行してクライアント装置102の新版ソフトウェア211による文字認識処理が行われる。
営業拠点サーバ105では、旧版ソフトウェアによる文字認識処理を行う(505)。その後、文字認識処理の結果をクライアント装置102に連絡する(506)。
【0019】
クライアント装置102では、新版ソフトウェア211による文字認識処理(504)が行われた後、新版ソフトウェアによる認識結果と、サーバ105から送られて来た旧版ソフトウェア308による文字認識処理(505)の結果を不読率に着目して比較する(507)。ここで、不読率とは文字認識処理ソフトウェアによって認識対象文字が正しく認識できなかった文字の総和の全体文字数に対する割合を示すものである。新版ソフトウェア211の不読率が低い場合は、新版ソフトウェアによる文字認識結果をコード化されたデータとして業務処理に採用する(508)。一方、旧版ソフトウェア308の不読率が低い場合は、旧版ソフトウェア308による文字認識結果をコード化されたデータとして業務処理に用いる(509)。
【0020】
営業拠点のクライアント装置102では、不読率の低い処理結果を入力として業務ソフトウェア208により業務処理が行なわれる(510)。そして、帳票種/処理日時/文字認識結果の採用情報(新版と旧版のいずれのソフトウェアを採用したかを示す情報)をセンタサーバ108へ送信する(511)。この通信では、営業拠点サーバ105が中継サーバとして利用される。センタサーバ401ではクライアント装置102から送信されてきた情報を統計情報として処理してハードディスク403に記録する(512)。これにより一連の処理が終わる。
【0021】
図7は、文字認識ソフトウェアの移行期間の経過後、新版の文字認識ソフトウェア211の認識精度が旧版308よりも悪かった場合のソフトウェアの運用方法について説明するものである。本例では、新たな改良版ソフトウェアが提供されるまでの期間、旧版ソフトウェア308に戻すのではなく、新旧両方の文字認識ソフトウェアを併用するやり方で、システムとしての認識能力を低下させないようにするものである。言わばソフトウェアの移行措置における運用方法である。
以下、具体的な処理の流れを説明する。まず、イメージスキャナ204によって帳票の画像を読み取り画像データとして電子化する(601)。次に、帳票識別ソフトウェア210により帳票の種別を識別する(602)。この時点で、帳票の種別と処理日時が確定しているため、当該条件で新旧いずれの文字認識ソフトウェアを使うべきかをセンタサーバ108へ問い合わせる(603)。この問い合わせは、クライアント装置102がセンタサーバ108に対して行うが、営業拠点サーバ105が中継サーバとして利用される。
【0022】
センタサーバ108においては、蓄積された統計情報ファイル404を元に認識精度が高い版の文字認識ソフトウェアに関する識別情報が生成され、新版又は旧版いずれの版による文字認識ソフトウェアの認識精度が高いか判定される(604)。その判定結果が営業拠点のクライアント装置102に送信される(605)。
営業拠点クライアント側では、取得した判定結果を元に認識精度が高い文字認識ソフトウェアを使って文字認識処理が行われる(606)。新版のソフトウェア211の精度が高いと判定された場合はクライアント装置102内で文字認識処理を実行する(607)。一方、旧版308のソフトウェアの精度が高いと判定された場合には営業拠点サーバ105に文字認識処理を依頼することになる(608)。
後者の場合、営業拠点サーバ301では、クライアント装置102から送信された帳票画像データに対して旧版の文字認識ソフトウェア308により文字認識処理が行われる(609)。その結果、営業拠点サーバ105からクライアント装置102に対して文字認識結果が連絡される(610)。
【0023】
営業拠点のクライアント装置102は、新版ソフトウェア211または旧版ソフトウェア308のいずれかのソフトウェアによる文字認識処理結果をコード化データとして確定する(611)。その後、コード化されたデータを入力として業務ソフトウェア208により業務処理が行われる(612)。これにより営業拠点における一連の業務処理が終わる。
【0024】
この方法によれば、旧版ソフトウェアの認識精度を維持しながら、新版ソフトウェアの認識精度を算定することができる。このように、実システムの運用に即した評価結果が得られ、その結果として新版ソフトウェアの切り替えが行えるため、ソフトウェア切り替えに関するシステム運用リスクを軽減させることができる。また、移行期間中に新旧両版の文字認識ソフトウェアに対する日時毎/帳票種毎の認識精度の優劣を統計情報として収集することが可能であるため、さらなる改良版ソフトウェアに搭載する認識アルゴリズムを検討する際の参考資料として用いることもできる。
【0025】
以上本発明の実施例について説明したが、上記した例以外にも種々変更したり、応用したりして実施し得る。本発明は文字認識システムにおける認識ソフトウェアのバージョンアップに際して適用できるだけでなく、他のシステム例えば情報検索システム等においても適用できる。情報検索システムに適用した場合でも、実システムにおける新旧の情報検索用のソフトウェアによる運用から、評価の対象となる実行性能に関する情報(この場合は検索精度或いは検索性能、検索スピード等に関する情報)を統計的に収集しておき、その情報の解析結果に基づいて、新版のソフトウェアを採用するか否か判断することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、システムにおけるソフトウェアの変更に際して、実システムにおいて旧版と新版の両方のソフトウェアを実際に運用して、その結果を参照して新版のソフトウェアに変更するか否かの判断を行える。とりわけ文字認識ソフトウェアの変更に際しては、実システムの運用に即した評価結果、即ち文字認識ソフトウェアに特徴的な文字認識精度に基づいて新旧双方のソフトウェアの評価結果を統計的に得ることができ、これに基づいて新版ソフトウェアの切り替えの判断が行えるため、新版ソフトウェアの導入に際してのシステム運用リスクを軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるOCR技術を利用したシステムの構成を示す図。
【図2】営業拠点におけるクライアント装置の構成例を示す図。
【図3】営業拠点におけるサーバ装置の構成例を示す図。
【図4】センタにおけるサーバ装置の構成例を示す図。
【図5】ハードディスク装置における統計情報ファイルの格納テーブルの概略を示す図。
【図6】文字認識ソフトウェアの移行期間中における認識処理の動作を示すフローチャート図。
【図7】文字認識ソフトウェアの移行期間の経過後における認識処理の動作を示すフローチャート図。
【符号の説明】
101 営業拠点、 102、201 クライアント装置
103 イメージスキャナ、 104 LAN、
105、108、301、401 サーバ装置、 106 ネットワーク、
107 センタ、 108 サーバ装置、
202、302、402 ディスプレイ、
203 キーボード、 204 イメージスキャナ、
205、303 LANボード、 206、305、406 I/O制御部、
207、306、407 メモリ、 208 業務ソフトウェア、
209 制御ソフトウェア、 210 帳票識別ソフトウェア、
211 新版の文字認識ソフトウェア、 212、309、410 CPU
307 サーバ制御ソフトウェア、 308 旧版の文字認識ソフトウェア、
403 ハードディスク装置、 404 統計情報ファイル、
408 サーバ制御ソフトウェア、 409 統計情報記録判定モジュール。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソフトウェアの使用方法に係り、特にイメージスキャナによって帳票の画像情報を得て、文字認識ソフトウェアによって画像情報から文字認識するシステムにおける文字認識ソフトウェアのバージョンアップ時におけるソフトウェアの運用使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子情報機器のソフトウェアを旧版から新版に変更する場合には、旧版のソフトウェアの記憶されたメモリ領域に新版のソフトウェアをそのままインストールしている。通常、旧版のソフトウェアに新版のソフトエアが上書きされるので、メモリには旧版のソフトウェアは残っておらず、新版のソフトウェアによって以後の情報処理が実行される。
【0003】
一方、旧版のソフトウェアを新版(改良版含む)のソフトウェアに変更する際、新版ソフトウェアへの移行時のリスクを軽減する目的で、旧版のソフトウェアをメモリにそのまま残しておき、新版及び旧版の両方のソフトウェアをメモリに保持する状況を作り、旧版から新版への切り替え時に新版に不具合が発見された場合に管理者の命令によって旧版へ容易に戻すように運用する場合がある。例えば、特開2000−36867号公報(特許文献1)には、交換機システムにおけるプログラムのバージョンアップ方法が開示されている。即ち、新規プログラムを旧プログラムに上書きせずに格納し、この新規プログラムを試験的に運用する。運用の結果、不具合が発生した場合にはバージョンアップ手順を初めに戻すことなく、旧プログラムで運用し、旧プログラムとの入れ替えをスムーズに行おうとするものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−36867号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公知例の技術は、交換機システム装置における制御プログラムのバージョンアップに関するものであり、この公知例の技術が、光学式文字認識(OCR)技術を利用したシステムにそのまま適用できると言う示唆も無く、またOCR利用のシステムに特有の課題或いは構成に言及した記載も見当たらない。
【0006】
通常、OCR技術を利用したソフトウェア(文字認識ソフトウェア)を含む大規模システムにおいてソフトウェアの改良版を適用する場合、業務ソフトウェアやハードウェア制御ソフトウェアとは異なり、ソフトウェアの切り替えに係る運用リスクが相対的に高くなることがある。
【0007】
即ち、文字認識ソフトウェアは、一般的には認識アルゴリズムの改造や認識辞書の最適化により認識精度を高めることができるが、ソフトウェアの改良を目的としてこれらの変更が行われた後には、メーカ側は自社が有する評価用データにより精度の改善効果を評価する。しかしながら、評価用データは対象とする実システムでの運用において入力されるデータを必ずしも網羅したものではなく、メーカ側の過去の知識経験を元にした評価モデルを前提に作成されている。このため、ソフトウェアの改良時に着目した改善対象となるデータ以外のデータに関しては必ずしも改善効果が得られず、逆に旧版よりも新版ソフトウェアの認識精度の方が悪くなると言うこともある。これは、システムが対象とする母集合と評価モデルが対象とする集合に乖離があるためである。実際にシステム開発コストに制約があることを勘案すれば、このような乖離によるズレが文字認識の精度に少なからず影響を与えていると言う事実も認めざるを得ないところである。
【0008】
本発明の目的は、文字認識ソフトウェアの変更に際して、システムの運用のリスクを低減することができる文字認識ソフトウェアの使用方法を提供することにある。
また本発明の目的は、ソフトウェアの変更に際して、実システムにおいて旧版と新版の両方のソフトウェアを運用して文字認識精度を比較することにより、新版のソフトウェアに変更するか否かを判断することができるソフトウェアの使用方法を提供することにある。
本発明の目的は、一般的にはあるソフトウェアから同種の他のソフトウェアに変更するときのソフトウェアの運用使用方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、文字認識ソフトウェアを用いて画像の文字を認識するシステムにおいて、新版のソフトウェアをメモリに格納し、かつ旧版のソフトウェアを実行可能な状態にしてメモリに格納しておき、画像の文字の認識要求があった場合、同じ対象に関して旧版ソフトウェアの実行によって認識処理すると共に、新版のソフトウェアの実行によって認識処理し、双方のソフトウェアの認識結果から認識精度に関する情報を夫々収集して記憶装置に格納し、後に夫々のソフトウェアに対する認識精度に関する情報を参照して、新版のソフトウェアへ移行するか否かを決めるようにするものである。
このように、実システムの運用に即した評価結果が得られ、その結果として新版ソフトウェアへの移行が行えるため、ソフトウェアの切り替えに関するシステム運用リスクを軽減させることができる。
上記システムにおいて、新版及び旧版のソフトウェアに関連する認識精度に関する情報として、帳票の種類毎の処理頻度、認識精度に関する情報を収集して記憶装置に格納しておき、新版ソフトウェアへの移行の判断に際しては帳票毎の処理頻度、認識精度に関する情報を用いる。
また、新版旧版のソフトウェアによる認識結果によっては、例えば更なる新版のソフトウェアが提供されるまでの期間、前記記憶装置に格納された認識精度の情報に従って、認識精度の高い方の版のソフトウェアに切り替えながら使用する。この方法によれば、旧版ソフトウェアの認識精度を維持しながら、新版ソフトウェアも使用することができる。
【0010】
文字認識ソフトウェアを利用した好ましいシステムは、センタサーバ(第1サーバ)と、これにネットワークを介して接続されるローカルなサーバ装置(第2サーバ装置)と、この第2サーバ装置に接続されるクライアント装置より構成される。通常は、クライアント装置に記憶されている文字認識ソフトウェアにより文字認識が行われるが、ソフトウェアのバージョンアップに際しては、このソフトウェアは第2サーバ装置に移され、このソフトウェアは旧版ソフトウェア(第1のソフトウェア)扱いとなる。一方、クライアント装置には変更対象となる新版の文字認識ソフトウェア(第2のソフトウェア:第1のソフトウェアの改良版或いは新版)がインストールされる。
クライアント装置においては帳票等からの画像データが取得され、この画像情報はクライアント装置だけでなく、第2サーバ装置にも送られる。クライアント装置では新版の文字認識ソフトウェアにより認識が行われ、また第2サーバ装置では旧版の文字認識ソフトウェアによる文字認識が行われる。双方のソフトウェアによる認識結果は統計情報として第1サーバへ送され、記憶装置に格納される。ソフトウェアの移行に際して決められたある期間経過後、第1サーバの記憶装置に蓄積された旧版及び新版の文字認識ソフトウェアによる認識精度の情報が出力され、この情報に従って、新版ソフトウェアへの切り替えるか、即ち新版ソフトウェアによる全面的な運用を行うか否かの判断を行う。この判断は、センタサーバ装置で判断処理されても良いし、判断自体は導入する者によって行なわれても良い。
【0011】
本発明は、広義にはあるソフトウェア(第1)から同種の他のソフトウェア(第2)に変更するときのソフトウェアの運用処理に適用できる。即ち、あるシステムにおいて、ある処理目的のための第1のソフトウェアを実行して処理するステップと、第1のソフトウェアを実行可能な状態でシステムに残したまま、第1のソフトウェアと同種であって最終的には第1のソフトウェアと置き換えられる対象となる第2のソフトウェアをインストールするステップと、第2のソフトウェアを実行して処理するステップと、システムにある処理要求が発生した場合、第1のソフトウェアによる処理と第2のソフトウェアによる処理とを並行的に行うステップと、第1及び第2のソフトウェアによる処理結果から双方のソフトウェアによる実行性能に関する情報を収集するステップと、第2のソフトウェアの実行性能が良いか又は第1のソフトウェアによる実行性能が良いかを判断するために、収集された情報を用いるステップとを有する。
また、上記運用処理において、収集結果に基づき第1のソフトウェアが第2のソフトウェアよりも良いと判断された場合、以後第1のソフトウェアによる処理と第2のソフトウェアによる処理とを併用して処理を行う。これにより双方のソフトウェアの良いところを利用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面により詳細に説明する。
図1は、文字認識ソフトウェアを使用したOCR処理を行うシステムの構成例である。このシステムは、センタ107と、WANのようなネットワーク106を介して接続される営業拠点101とから構成される。一般的にシステム内には複数の営業拠点101が存在すると想定してよい。営業拠点101には、センタ側とのデータの中継を行う営業拠点サーバ105とLAN104を介して複数のクライアント装置102が接続される。また各クライアント装置102には帳票を画像データ化するスキャナ装置103が接続されている。
センタ107には、各営業拠点101からネットワーク106を介して送信されてくる業務データや統計データを統括管理するセンタサーバ108が設置されている。
【0013】
図2は、営業拠点101に設定されているクライアント装置の構成例を示す。クライアント装置201は、外部とのデータ入出力を制御するためのI/O制御部206を備える。このI/O制御部206には、オペレータに指示を促すディスプレイ202、オペレータの指示を入力するキーボード203、帳票を画像データ化するイメージスキャナ204、営業拠点サーバ105とのデータ通信を行うためのLANボード205が接続されている。また、メモリ207には、営業窓口の業務処理を実現する業務ソフトウェア208、各ソフトウェア及びI/O制御部206間のデータ交換を支援する制御ソフトウェア209、イメージスキャナ204で画像データ化された帳票の種別を特定する帳票識別ソフトウェア210、ならびに帳票種が判明した帳票画像データの各フィールドの文字認識を行う文字認識ソフトウェア211が格納されている。ここで、文字認識ソフトウェア211は、改良された認識精度が良くなった新版の文字認識ソフトウェアである。各ソフトウェアに内包されるプログラムの実行命令はCPU212によって実行され、データの入出力が必要な場合にはI/O制御部206を介してディスプレイ乃至LANボード202〜205のような周辺機器を制御する。
【0014】
図3は、営業拠点101に設定されているサーバ装置105の構成例を示す。サーバ装置301は外部とのデータ入出力を制御するためのI/O制御305を備える。このI/O制御部305には、サーバ装置301の内部状態を表示するディスプレイ部302、クライアント装置102とのデータ通信を行うためのLANボード303、センタサーバとの通信を行うためのモデム304が接続されている。また、メモリ306には、各ソフトウェア及びI/O制御部305間のデータ交換を支援するサーバ制御ソフトウェア307、クライアント装置から送信されてきた帳票画像データの各フィールドの文字認識を行う文字認識ソフトウェア308が格納されている。ここで、この文字認識ソフトウェア308は、改良前の旧版の文字認識ソフトウェアである。各ソフトウェアに内包されるプログラムの実行命令はCPU309によって実行され、データの入出力が必要な場合にはI/O制御部305を介してディスプレイ302〜モデム304の如き周辺機器を制御する。
【0015】
図4は、センタ107に設定されているサーバ装置108の構成例を示す。サーバ装置401は外部とのデータ入出力を制御するためのI/O制御部406を備え、このI/O制御部406には、サーバ装置401の内部状態を表示するディスプレイ402、データを保存するための装置であるハードディスク装置(記憶装置)403、営業拠点サーバ105と通信を行うためのモデム405が接続されている。
【0016】
ハードディスク装置403には、各営業拠点で行われた文字認識処理の結果を日時/帳票毎に編集して記録しておくための統計情報ファイル404が格納される。
図5に、ハードディスク装置における統計情報ファイル404の格納テーブルの概略を示す。図の(5B)及び(5C)に示すものが統計ファイルに格納されるテーブルである。図の(5A)に示すテーブルは各支店の拠点サーバのメモリに記憶されるテーブルでるが、帳票毎、ソフトウェア(プログラム)のバージョン毎に読取り率などの情報が記憶されている。センタサーバ108、401はこの支店テーブル(5A)から関連する情報を取得して、編集して、図(5B)、(5C)に示すようなテーブルを作成して、ファイル404に格納する。(5B)は旧版のソフトウェアによる読取り率などの情報を帳票毎に格納する。(5C)は新版のソフトウェアによる読取り率などの情報を帳票毎に格納する。いずれも同じ期間における集計である。
【0017】
再び説明を図4に戻して、メモリ407には、各ソフトウェア及びI/O制御部406間のデータ交換を支援するサーバ制御ソフトウェア408、営業拠点から送信されてきた統計情報の記録および営業拠点クライアント装置102からの問い合わせ依頼である文字認識ソフトウェアの使用判定依頼(統計情報を元に文字認識ソフトウェアの新版211を使うか、旧版308を使うかを判定する処理依頼)を処理する統計情報記録判定モジュール409が格納されている。各ソフトウェアに内包されるプログラムの実行命令はCPU410によって実行され、データの入出力が必要な場合にはI/O制御部406を介してディスプレイ402〜モデム405の如き周辺機器を制御する。
【0018】
図6は、文字認識ソフトウェアの移行期間中におけるシステム内の認識処理方式の例を示すフローチャートである。以下、具体的な処理の流れを説明する。
まず、イメージスキャナ204によって帳票の画像を光学的に読み取り、画像データとして電子化する(501)。次に、帳票識別ソフトウェア210により帳票の種別を識別する(502)。電子化された画像データは、クライアント装置102と拠点サーバ105の双方で並行して文字認識の処理が行われることになるが、まず営業拠点サーバ105の旧版ソフトウェア308による文字認識処理を行うために、クライアント装置102から営業拠点サーバ105へ文字認識処理を依頼する(503)。認識の対象となる画像データもサーバ105へ送られる。並行してクライアント装置102の新版ソフトウェア211による文字認識処理が行われる。
営業拠点サーバ105では、旧版ソフトウェアによる文字認識処理を行う(505)。その後、文字認識処理の結果をクライアント装置102に連絡する(506)。
【0019】
クライアント装置102では、新版ソフトウェア211による文字認識処理(504)が行われた後、新版ソフトウェアによる認識結果と、サーバ105から送られて来た旧版ソフトウェア308による文字認識処理(505)の結果を不読率に着目して比較する(507)。ここで、不読率とは文字認識処理ソフトウェアによって認識対象文字が正しく認識できなかった文字の総和の全体文字数に対する割合を示すものである。新版ソフトウェア211の不読率が低い場合は、新版ソフトウェアによる文字認識結果をコード化されたデータとして業務処理に採用する(508)。一方、旧版ソフトウェア308の不読率が低い場合は、旧版ソフトウェア308による文字認識結果をコード化されたデータとして業務処理に用いる(509)。
【0020】
営業拠点のクライアント装置102では、不読率の低い処理結果を入力として業務ソフトウェア208により業務処理が行なわれる(510)。そして、帳票種/処理日時/文字認識結果の採用情報(新版と旧版のいずれのソフトウェアを採用したかを示す情報)をセンタサーバ108へ送信する(511)。この通信では、営業拠点サーバ105が中継サーバとして利用される。センタサーバ401ではクライアント装置102から送信されてきた情報を統計情報として処理してハードディスク403に記録する(512)。これにより一連の処理が終わる。
【0021】
図7は、文字認識ソフトウェアの移行期間の経過後、新版の文字認識ソフトウェア211の認識精度が旧版308よりも悪かった場合のソフトウェアの運用方法について説明するものである。本例では、新たな改良版ソフトウェアが提供されるまでの期間、旧版ソフトウェア308に戻すのではなく、新旧両方の文字認識ソフトウェアを併用するやり方で、システムとしての認識能力を低下させないようにするものである。言わばソフトウェアの移行措置における運用方法である。
以下、具体的な処理の流れを説明する。まず、イメージスキャナ204によって帳票の画像を読み取り画像データとして電子化する(601)。次に、帳票識別ソフトウェア210により帳票の種別を識別する(602)。この時点で、帳票の種別と処理日時が確定しているため、当該条件で新旧いずれの文字認識ソフトウェアを使うべきかをセンタサーバ108へ問い合わせる(603)。この問い合わせは、クライアント装置102がセンタサーバ108に対して行うが、営業拠点サーバ105が中継サーバとして利用される。
【0022】
センタサーバ108においては、蓄積された統計情報ファイル404を元に認識精度が高い版の文字認識ソフトウェアに関する識別情報が生成され、新版又は旧版いずれの版による文字認識ソフトウェアの認識精度が高いか判定される(604)。その判定結果が営業拠点のクライアント装置102に送信される(605)。
営業拠点クライアント側では、取得した判定結果を元に認識精度が高い文字認識ソフトウェアを使って文字認識処理が行われる(606)。新版のソフトウェア211の精度が高いと判定された場合はクライアント装置102内で文字認識処理を実行する(607)。一方、旧版308のソフトウェアの精度が高いと判定された場合には営業拠点サーバ105に文字認識処理を依頼することになる(608)。
後者の場合、営業拠点サーバ301では、クライアント装置102から送信された帳票画像データに対して旧版の文字認識ソフトウェア308により文字認識処理が行われる(609)。その結果、営業拠点サーバ105からクライアント装置102に対して文字認識結果が連絡される(610)。
【0023】
営業拠点のクライアント装置102は、新版ソフトウェア211または旧版ソフトウェア308のいずれかのソフトウェアによる文字認識処理結果をコード化データとして確定する(611)。その後、コード化されたデータを入力として業務ソフトウェア208により業務処理が行われる(612)。これにより営業拠点における一連の業務処理が終わる。
【0024】
この方法によれば、旧版ソフトウェアの認識精度を維持しながら、新版ソフトウェアの認識精度を算定することができる。このように、実システムの運用に即した評価結果が得られ、その結果として新版ソフトウェアの切り替えが行えるため、ソフトウェア切り替えに関するシステム運用リスクを軽減させることができる。また、移行期間中に新旧両版の文字認識ソフトウェアに対する日時毎/帳票種毎の認識精度の優劣を統計情報として収集することが可能であるため、さらなる改良版ソフトウェアに搭載する認識アルゴリズムを検討する際の参考資料として用いることもできる。
【0025】
以上本発明の実施例について説明したが、上記した例以外にも種々変更したり、応用したりして実施し得る。本発明は文字認識システムにおける認識ソフトウェアのバージョンアップに際して適用できるだけでなく、他のシステム例えば情報検索システム等においても適用できる。情報検索システムに適用した場合でも、実システムにおける新旧の情報検索用のソフトウェアによる運用から、評価の対象となる実行性能に関する情報(この場合は検索精度或いは検索性能、検索スピード等に関する情報)を統計的に収集しておき、その情報の解析結果に基づいて、新版のソフトウェアを採用するか否か判断することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、システムにおけるソフトウェアの変更に際して、実システムにおいて旧版と新版の両方のソフトウェアを実際に運用して、その結果を参照して新版のソフトウェアに変更するか否かの判断を行える。とりわけ文字認識ソフトウェアの変更に際しては、実システムの運用に即した評価結果、即ち文字認識ソフトウェアに特徴的な文字認識精度に基づいて新旧双方のソフトウェアの評価結果を統計的に得ることができ、これに基づいて新版ソフトウェアの切り替えの判断が行えるため、新版ソフトウェアの導入に際してのシステム運用リスクを軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるOCR技術を利用したシステムの構成を示す図。
【図2】営業拠点におけるクライアント装置の構成例を示す図。
【図3】営業拠点におけるサーバ装置の構成例を示す図。
【図4】センタにおけるサーバ装置の構成例を示す図。
【図5】ハードディスク装置における統計情報ファイルの格納テーブルの概略を示す図。
【図6】文字認識ソフトウェアの移行期間中における認識処理の動作を示すフローチャート図。
【図7】文字認識ソフトウェアの移行期間の経過後における認識処理の動作を示すフローチャート図。
【符号の説明】
101 営業拠点、 102、201 クライアント装置
103 イメージスキャナ、 104 LAN、
105、108、301、401 サーバ装置、 106 ネットワーク、
107 センタ、 108 サーバ装置、
202、302、402 ディスプレイ、
203 キーボード、 204 イメージスキャナ、
205、303 LANボード、 206、305、406 I/O制御部、
207、306、407 メモリ、 208 業務ソフトウェア、
209 制御ソフトウェア、 210 帳票識別ソフトウェア、
211 新版の文字認識ソフトウェア、 212、309、410 CPU
307 サーバ制御ソフトウェア、 308 旧版の文字認識ソフトウェア、
403 ハードディスク装置、 404 統計情報ファイル、
408 サーバ制御ソフトウェア、 409 統計情報記録判定モジュール。
Claims (8)
- 文字認識ソフトウェアを用いて画像の文字を認識するシステムにおいて、新版のソフトウェアをメモリに格納し、かつ旧版のソフトウェアを実行可能な状態にしてメモリに格納しておき、画像の文字の認識要求があった場合、同じ対象に関して旧版ソフトウェアの実行によって認識処理すると共に、新版のソフトウェアの実行によって認識処理し、双方のソフトウェアの認識結果から認識精度に関する情報を夫々収集して記憶装置に格納し、後に夫々のソフトウェアに対する認識精度に関する情報を参照して、新版のソフトウェアへ移行するか否かを決めることを特徴とするソフトウェアの使用方法。
- 新版及び旧版のソフトウェアに関連する認識精度に関する情報として、帳票の種類毎の処理頻度又は認識精度に関する情報を収集して記憶装置に格納しておき、新版ソフトウェアへの移行の判断に際しては帳票毎の処理頻度又は認識精度に関する情報を用いることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記記憶装置に格納された認識精度の情報に従って、認識精度の高い方の版のソフトウェアに切り替えながら使用することを特徴とする請求項1記載の方法。
- センタにある第1のサーバと、これにネットワークを介して接続されるローカルな第2のサーバ装置と、この第2のサーバ装置に接続されるクライアント装置より構成されるシステムにおいて、
該クライアント装置は、帳票の画像を光学的に読み取るイメージスキャナと、該イメージスキャナにより読まれた画像の文字を認識するための新版のソフトウェアを格納するメモリと、該新版ソフトウェアを実行して文字の認識処理を行うCPUとを有し、
該第2のサーバ装置は、クライアント装置のイメージスキャナにより読まれた画像の文字を認識するための旧版のソフトウェアを格納するメモリと、該旧版ソフトウェアを実行して文字の認識処理を行うCPUを有し、
該第1のサーバは、クライアント装置及び拠点のサーバ装置から送られてくる文字の認識結果から得られる認識精度に関する情報を格納する記憶装置と、該記憶装置に格納される認識精度に関する情報を統計的に処理するためのCPUとを有し、
クライアント装置のイメージスキャナで読まれた画像は、該新版のソフトウェアの実行により認識処理する第1の処理手段と、
該イメージスキャナで読まれた同じ画像は、第2のサーバ装置に送られ、旧版のソフトウェアの実行によって認識処理する第2の処理手段と、
第1のサーバの該記憶装置に格納するために、該第1の処理手段及び第2の処理手段による処理結果から文字の認識精度に関する情報をセンタサーバに送信する手段と、
該新版ソフトウェア及び旧版ソフトウェアの運用状況について評価するに際して、該記憶装置に格納された認識精度に関する情報を出力する手段と、
を有することを特徴とする文字認識処理システム。 - 新版ソフトウェアへの移行のために決められたある期間経過後、クライアント装置毎に前記記憶装置に記憶された新版ソフトウェアによる認識精度と旧版ソフトウェアによる認識精度を比較し、新版ソフトウェアによる認識精度の方が場合に、新版ソフトウェアを該クライアント装置で継続的に使用することを特徴とする請求項4記載のシステム。
- ソフトウェアを実行してある処理を行うシステムにおいて、ある処理目的のための第1のソフトウェアを実行して処理するステップと、該第1のソフトウェアを実行可能な状態にしてシステムに残したまま、該第1のソフトウェアと同種であって最終的には該第1のソフトウェアと置き換えられる対象となり得る第2のソフトウェアをメモリにインストールするステップと、同様の処理目的のために該第2のソフトウェアを実行して処理するステップと、システムにある処理の要求が発生した場合、該第1のソフトウェアによる処理と該第2のソフトウェアによる処理とを並行的に行うステップと、該第1及び第2のソフトウェアによる処理結果から双方のソフトウェアによる実行性能に関する情報を収集するステップと、該第2のソフトウェアの実行性能が良いか又は該第1のソフトウェアによる実行性能が良いかを判断するために、収集された該情報を用いるステップとを有するソフトウェアの運用使用方法。
- 請求項6において、第2のソフトウェアによる実行性能の方が第1のソフトウェアによる実行性能よりも良いと判断された場合、以後該第2のソフトウェアに切り替えて、使用するステップと、有することを特徴とするソフトウェアの運用使用方法。
- 請求項6において、第1のソフトウェアによる実行性能の方が第2のソフトウェアによる実行性能よりも良いと判断された場合、以後第1のソフトウェアによる処理と第2のソフトウェアによる処理とを併用して処理するステップを有するソフトウェアの運用処理方法。
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