JP2004169249A - 不織布及びそれを用いたワイピング材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単糸繊度が0.5〜20dtex、全繊度が1万〜30万dtexである捲縮を有する分割型複合長繊維トウからなる不織布であって、該不織布を構成する繊維同士が三次元交絡していないかまたは三次元交絡していても僅かであり、かつ少なくとも1部分の繊維同士が熱接着され、0.5dtex未満の分割細繊化した繊維が分割率にして少なくとも5%含まれていることを特徴とする不織布およびそれを用いたワイピング材。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は分割型複合長繊維トウを用いた不織布に関する。さらに詳しくはワイピング材に好適に使用できる不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成繊維からなるトウは、棒状や不織布状に加工して、フェルトペン(商標名「マジックインキ」)のインクタンク用詰物やタバコ用のフィルター、更にはワイピング材などに使用されている。分割型複合繊維からなるトウを不織布状に加工したものとして、分割型複合繊維からなるトウを水流交絡させ、極細繊維同士が交絡した不織布が知られている。(例えば特許文献1参照。)しかしこの不織布は繊維が三次元に交絡しており、トウの特徴である繊維の高度な配向が利用できず、また繊維自体の自由度が制限され、例えばワイピング材に用いた場合、通常のステープルファイバーが分割細繊化された不織布となんら変わるものではなく、特に繊維の自由度が小さく制限されるため、比較的大きな塵や髪の毛等を確実に捕捉することが難しく、ワイピング材としては向いていなかった。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−65567号公報(第1頁「特許請求の範囲」、第3頁「実施例」)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、比較的大きなゴミから小さなゴミまで捕捉できる不織布およびこれを用いたワイピング材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、単糸繊度が0.5〜20dtex、全繊度が1万〜30万dtexである捲縮を有する分割型複合長繊維トウからなる不織布であって、該不織布を構成する繊維同士が三次元交絡していないかまたは三次元交絡していても僅かであり、かつ少なくとも1部分の繊維同士が熱接着され、0.5dtex未満の分割細繊化した繊維が分割率にして少なくとも5%含まれた不織布にすることにより、前記課題を解決できることを知り、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った
【0006】
本発明は、以下の構成からなる。
(1)単糸繊度が0.5〜20dtex、全繊度が1万〜30万dtexである捲縮を有する分割型複合長繊維トウからなる不織布であって、該不織布を構成する繊維同士が三次元交絡していないかまたは三次元交絡していても僅かであり、かつ少なくとも1部分の繊維同士が熱接着され、0.5dtex未満の分割細繊化した繊維が分割率にして少なくとも5%含まれていることを特徴とする不織布。
【0007】
(2)不織布の分割型複合長繊維トウは、開繊されて繊維軸方向に配列されている前記(1)項に記載の不織布。
【0008】
(3)不織布の交絡度が30未満である前記(1)項または(2)項のいずれか1項に記載の不織布。
【0009】
(4)前記(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の不織布を用いたワイピング材。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の不織布を構成するトウは、熱可塑性樹脂からなる分割型複合長繊維からなり、該繊維は捲縮を有し、全繊度が1万〜30万dtexであり、該分割型複合長繊維の未分割状態の単糸繊度は0.5〜20dtexからなるものである。本発明のトウに用いる繊維を形成する熱可塑性樹脂は、溶融紡糸工程で繊維成形性を有するものであれば特に限定されない。例えば、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、プロピレンとエチレンの共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレンと他のαオレフィンとの2〜3元共重合体等をはじめとするチーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒を用いて重合されたポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、酸成分としてテレフタル酸以外にイソフタル酸を併用して共重合した低融点ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド系樹脂、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等のエラストマー系樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネートテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートアジペート等の生分解性樹脂、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリケトン等の樹脂が挙げられる。また前記以外の熱可塑性樹脂としては、例えばビニル系重合体が挙げられ、具体的には、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン無水マレイン酸グラフト共重合体も使用することができる。
【0011】
本発明に使用する熱可塑性樹脂には、本発明の効果を妨げない範囲内でさらに、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核剤、エポキシ安定剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、可塑剤などの添加剤を適宜必要に応じて添加しても良い。
【0012】
本発明の不織布を構成するトウは、分割型複合長繊維から構成され、該分割型複合長繊維の断面構造は、例えば前記熱可塑性樹脂の異なる二成分が交互に配列された断面構造を有する図1〜7に例示した構造を挙げることができる。例えば図1及び図2に例示したように各成分が交互に配列された放射状分割型断面、図3及び4に例示したように各成分が交互に配置された中空状分割型断面、図5及び6に例示したように各成分が交互に層状に配置された層状分割型断面、図7は各成分が交互に配列されて繊維断面が屈曲、湾曲もしくは扁平形状となった分割型断面形状を例示することができる。もちろん、多成分の樹脂から構成される分割型複合長繊維にあっては、同成分が隣り合うことなく多成分が配列した断面構造を形成する。なお図1〜7に例示した該複合繊維の断面構造及び形状はモデル図であり、実際の繊維製造時には、該複合繊維は種々の外部応力を受け断面形状が変形する場合があるが実用上、特に問題はない。
【0013】
前記分割型複合長繊維の樹脂の組み合わせは、前記熱可塑性樹脂の任意の組み合わせが可能であるが、ポリエステル系樹脂/ポリアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂/ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂/ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂が例示されるが、例えば高温条件下で使用する場合は、ポリエチレンテレフタレート樹脂/ナイロン66樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂/ポリプロピレン樹脂等が例示され、また耐薬品性、油吸着が要求される分野には、ポリプロピレン樹脂/ポリエチレン樹脂の組み合わせが例示され、ヒートシール性が求められる場合には、組み合わされる2成分の樹脂の融点差は大きい方が良く、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂/ポリエチレン樹脂等が例示できる。前記分割型複合長繊維において、2成分の熱可塑性樹脂より構成される複合繊維の複合比は、容量比で10/90〜90/10の範囲で、より好ましくは30/70〜70/30である。
【0014】
前記分割型複合長繊維の分割前の単糸繊度は、細すぎると溶融紡糸工程での曳糸性が低下する傾向にある。その観点から、0.5dtex以上の単糸繊度が好ましく、1dtexならばさらに好ましい。また、単糸繊度が太すぎると得られたトウの収束性が低くなって生産性が低下する。その観点から、20dtex以下の単糸繊度が好ましく、10dtexならばさらに好ましい。
【0015】
本発明の不織布を構成するトウの全繊度は、これが大きすぎる場合、小さすぎる場合のいずれもトウの収束性が得られず、トウが細かく割れたり、単糸が過剰に絡みすぎたり、開繊工程での開繊が難しくなる。この観点から、好ましいトウの全繊度は1万dtex以上であり、さらに好ましくは5万dtex以上である。同様に、30万dtex以下が好ましく、20万dtex以下ならばさらに好ましい。
【0016】
前記トウの密度は、小さすぎるとトウの収束性が失われ易い。この観点から、トウの密度は1000dtex/mm以上が好ましく、1500dtex/mm以上ならばさらに好ましい。また、トウの密度が高すぎると、捲縮を均一に付与することが難しくなる傾向にあり、開繊工程での開繊が難しくなる。この観点から、トウの密度は8000dtex/mm以下であることが好ましく、5000dtex/mm以下ならばさらに好ましい。
【0017】
前記トウは捲縮を有するものであるが、この捲縮は顕在捲縮及びまたは潜在捲縮のいずれであっても良く、捲縮形状は山谷状のジグザグ型、U字型、スパイラル型トウのいずれであっても良い。捲縮を付与する方法は、スタッファーボックス型捲縮機を用いる方法や高温高圧蒸気や加熱加圧空気を利用する気体押込みによる方法、更には高速クリンパーのような一対の高速回転体の間にトウを押し込み、捲縮を付与する方法等を挙げることができる。
【0018】
前記トウを構成する繊維の捲縮数は、少なすぎるとトウの収束性が悪くなる。この観点から、トウを構成する繊維が3山/25mm以上の捲縮数を持つことが好ましく、4山/25mm以上であればさらに、また5山/25mm以上であればなおさらに好ましい。また、捲縮数が多すぎると、繊維同士が過度に絡み合い、トウの開繊性が低下する。この観点からは、トウを構成する繊維が30山/25mm以下の捲縮数を持つことが好ましく、25山/25mm以下であればさらに、20山/25mm以下であればなおさらに好ましい。
【0019】
本発明の不織布を構成するトウは、分割型複合長繊維と、1種類以上の前記熱可塑性樹脂からなる別の繊維が併用(混綿、混繊)されていても良い。混綿される熱可塑性樹脂からなる繊維の種類は特に限定されることはなく、例えば成分単一型の繊維、複合型の繊維を例示することができる。接着または溶着成分として混綿する場合には、分割型複合繊維を接着し、不織布とするために、分割型複合長繊維を構成している熱可塑性樹脂と同種類の樹脂を含む繊維であることが好ましい。また混綿した繊維を熱処理により溶融し、接着加工する場合は、該分割型複合長繊維の低融点樹脂よりも低い温度で溶融する樹脂を接着成分とすることにより該分割型複合長繊維の構成成分樹脂が溶融することなく不織布を成形でき分割細繊化も進み易くなる。更に接着繊維として複合型の繊維を用いると不織布の強度を更に高くすることもできる。繊維の断面形状は、円形、異形、また中空形状、中実形状のいずれであっても良く、また複合型の繊維(複合繊維)の断面形状は鞘芯型、偏心鞘芯型、並列型、多層型、海島型、放射状型、中空放射状型等のいずれであっても良い。前記分割型複合長繊維トウの分割率は、ワイピング材の性能向上には高いほど良いが、開繊工程での加工性を考慮すると下記分割率測定方法に準拠して求めたトウの分割率は50%未満であることが好ましい。
【0020】
不織布に親水性を付与させたい場合や、親水性の薬剤を含浸させたい場合には、親水性繊維を混繊しても良いし、親水化剤の樹脂への練り込み、或いは親水性を示す界面活性剤の繊維表面への塗布を利用することもできる。ここで親水性繊維とは、親水性を示す繊維であれば限定されることはなく、例えばレーヨン、キュブラなどの再生繊維、アセテート、トリアセテートなどの半合成繊維、ポリアミド、アクリルなどの合成繊維、綿、羊毛、麻などの天然繊維などが挙げられる。
【0021】
親水化剤とは、ポリオレフィン系樹脂のような疎水性の樹脂に練り込んだ場合にも親水性を付与できるものであれば特に限定されることはないが、例えばアルキルスルフォネートNa塩、フッ素系化合物、脂肪酸グリセリド、アルコキシ化アルキルフェノール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、エチレングリコールのエーテル類等の界面活性剤が例示できる。この場合、界面活性剤は1成分でも良いし、複数の成分を混合したものでも良い。
【0022】
本発明の不織布は、前記トウを更にトウ開繊機等で開繊してウェブとし、少なくとも1部分の繊維同士が熱接着されることにより、不織布の形態は維持しながら繊維個々の自由度を高く維持し、ワイピング材として使用した時の払拭性を高度に発現させることができる。
【0023】
ここで熱接着とは、加熱によりウェブを構成する繊維の低融点成分の1部分が溶融して、それが接着剤となって繊維間が結合された状態をいう。熱接着は従来公知の方法を採用することができるが、例えば、熱風循環法(スルーエアー法)、ポイントボンド法、カレンダー法、ヒートシール法などが挙げられる。
【0024】
本発明の不織布は、前記分割型複合長繊維及び分割細繊化された繊維同士が三次元交絡していないかまたは三次元交絡していても僅かであって、実質的には三次元交絡しておらず、かつ繊維同士が熱接着されていることが重要である。繊維が短繊維からなる通常のスパンレース不織布のように繊維同士が三次元交絡していると、不織布強度、形態安定性には優れるが、その反面、繊維の自由度は低く、ワイピング材として用いた場合に大きなゴミから小さなゴミまで効率良く掻き取ることが難しくなる。そのため、不織布の形態安定性、不織布の強度は繊維同士の熱接着により確保する。ここで三次元交絡とは、繊維がニードルやステッチ、高圧空気流、高圧水流等により、隣接する繊維同士が上下左右に強固に絡み合った状態をいい、このような交絡のみで不織布の形態を維持できるものを指す。
【0025】
更に詳しくは、不織布の交絡度により三次元交絡の度合を判断できる。繊維の三次元交絡が強固(交絡度が高い)であると細かなゴミなどは払拭できるものの、比較的大きなゴミを確実に払拭することが難しくなる。この場合の交絡度とは以下の評価法で測定される値である。従来、不織布の三次元交絡の様子は、目視または顕微鏡等によって観察することはできたが、これを定量的な値として示すことは困難であった。しかし、この方法で測定される値が、不織布の三次元交絡の度合いと明らかな相関関係があることが判明したので、本発明ではこの値をもって交絡度とした。本発明の場合、この値が30未満であることが好ましく、より好ましくは20未満であり、最も好ましくは15未満である。
不織布の繊維交絡度:不織布をフラジール型通気度試験機に固定し、該不織布に垂直に直径2mmの鉄製円棒を装着したプッシュプルゲージを速度(3mm/秒)で降下させ、不織布を貫通した時の突刺し強度を測定する。以下の式より交絡度を算出する。更に以下のような判断で繊維の交絡度を判断した。
交絡度={突刺し強度(N)/不織布目付(g/m2)}×100
【0026】
本発明の不織布を構成する分割型複合長繊維の分割細繊化法は特に限定されることはないが、例えば捲縮付与時の応力でクリンプエッジ部が部分的に分割しても良いし、マイルドな水流処理により繊維を分割させた後、捲縮を付与してトウとしても良い。またトウまたは不織布を2つのロールで挟み込み、応力を加えて部分的に分割細繊化させることもできる。ロールの組み合わせとしては、例えば金属ロールと金属ロール、金属ロールとゴムロール、ゴムロールとゴムロールが例示できる。またロール表面は、平面であっても、凹凸状であっても良い。凹凸形状には、ロール回転方向に直交した直線状、或いは波線状等の凸部を有するものなどを例示することができる。これらのロールのなかで好ましいものとして、表面が平面である金属ロール同士の組み合わせ、及び一方が平面、他方が凹凸状面の金属ロールの組み合わせを例示できる。
【0027】
前記分割型複合長繊維が分割細繊化した繊維の繊度は0.5dtex未満であることが好ましく、更に好ましくは0.3dtex未満まで分割細繊化されることが好ましい。分割細繊化後の繊度が細いと同一目付における繊維構成本数が多くなり、ゴミの捕集には好ましく作用する。該分割型複合長繊維の分割セグメント数は、分割細繊化されて得られる極細繊維の平均繊度が0.5dtex未満となるように決めればよく、分割型複合長繊維のセグメント数が多ければ分割後の繊度が小さくなる利点があるが、実際には繊維製造上の容易さから4〜32セグメント数とすることが好ましい。また個々のセグメントの繊度は同一である必要はなく、分割型複合長繊維が完全に細繊度まで分割していない場合には、未分割の分割型複合長繊維と完全に分割した極細繊維との中間に複数の異なった繊度の繊維が混在していても良い。本発明において、0.5dtex未満の分割細繊化した繊維が分割率にして少なくとも5%含まれている必要がある。これはワイピング材として用いた時のゴミの捕集効率に影響する。特に細かい部分や凹凸を掃除する掃除用に使用する場合には、本発明の不織布が好適に使用されるが、汚れを掻き取る時に掛かる応力で分割は更に進行し、汚れを掻き取るほど分割は進行し、結果として掻き取り性能は更に向上する。
【0028】
本発明では、例えば水流交絡によりトウ、不織布または不織布を作製する前段階の開繊したウェブ状物を分割細繊化する場合、繊維が三次元交絡することを極力抑える必要がある。そのためには、繊維に張力をかけることが重要である。例えばトウの場合には、繊維に張力をかけた状態でマイルドな水流処理を行う。また不織布の場合には、予め熱接着により繊維間を充分接着してからマイルドな水流処理を行う。更に開繊したウェブ状物の場合にも繊維に張力をかけることにより、繊維同士が交絡していないかまたは交絡していても僅かであり、三次元交絡を抑えて分割細繊化が可能となる。
【0029】
本発明の不織布をワイピング材として使用する場合、特に分割型複合長繊維トウが開繊されて繊維軸方向に配列された状態のものが望ましい。掃除開始時には分割細繊化した繊維の割合が少なく、繊維の自由度も大きいため、比較的大きなゴミを捕捉するのに優れる。更にワイピング材として使用している間に床や壁などの清掃面と繊維軸方向が垂直に作用するので擦り付ける物理的な応力により、分割細繊化はより進行して次第に極細繊維の割合が増えてくる。このように経時的に構成する繊維の繊度が変化するため、大きなごみを捕捉した後に、繊度が細くなるに連れて更に小さなゴミも掻き取ることができる。これに対し始めから極細繊維への分割が進みすぎた不織布では、細かなゴミは捕捉できるものの比較的大きなゴミを捕捉することが難しい。更にトウから構成された不織布の場合には、繊維が連続しているため、起毛処理を行っても不織布からの繊維の脱落は非常に少なく、ワイピング材として好適に使用することができる。
【0030】
本発明の不織布は、前記トウ及び前記トウを開繊してウェブ状にしたものに、他の親水性または撥水性の短繊維または長繊維のいずれかから構成された不織布或いはウェブ状物を積層することもできる。積層は開繊したトウの繊維軸方向でもクロス方向のいずれでも良い。該繊維が長繊維であればスパンボンド法、トウ開繊法、メルトブローン法等で得られた長繊維ウェブ、また短繊維であればカーディング、エアレイ、湿式積層などの方法でウェブを作成し、繊維交点を熱処理により接着することで不織布にすることができる。また、本発明の不織布は他の布帛(織物、編物)などを積層しても良い。
【0031】
本発明の不織布を構成する分割型複合長繊維の製造方法の一例として、ポリプロピレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂の2成分を組み合わせた分割型複合長繊維の製造方法を例示する。
前記2成分を通常の溶融紡糸機により長繊維として紡出する。紡糸に際し、紡糸温度は180〜300℃の範囲で紡糸することが好ましく、引き取り速度は40m/分〜1500m/分程度とするのが良い。延伸は必要に応じて多段延伸を行っても良く、延伸倍率は通常3〜9倍程度とするのが良い。更に得られたトウは必要に応じて捲縮を付与してもよい。分割型複合繊維の分割細繊化は前記工程中の任意の場所でトウに物理的応力を与えることにより行うことができる。またトウを採取後改めて金属ロール等に高圧で挟み込むことにより物理的応力を付与して分割細繊化を行うことができる。
【0032】
かかる工程において、繊維を紡出後、繊維の静電気防止、繊維成形体への加工性向上、平滑性付与、親水性の付与等などを目的として界面活性剤や練り込みの親水化剤を用いることができる。界面活性剤の種類、濃度は用途に合わせて適宜調整する。付着の方法は、ローラ法、浸漬法などを用いることができる。付着は、紡糸工程、延伸工程、捲縮工程のいずれで付着させても差し支えない。さらに紡糸工程、延伸工程、捲縮工程以外の、例えば繊維成形体に成形後、界面活性剤を付着させることもできる。
【0033】
次に本発明の不織布製造方法の一例を示す。前記分割型複合繊維トウを用いて、ピンチロール型開繊機等を用いてウェブ状とし、繊維を構成する低融点樹脂が溶融する温度で熱処理を行い、不織布を作製する。この時にウェブに予めウェブを構成する繊維よりも低融点で融解する樹脂パウダーを混ぜでおき、スライバーにした後、該パウダーが融解する温度で、筒状容器内で熱処理した後、取り出し不織布に成形することもできる。更に不織布加工工程中の任意の場所で高圧水流処理や金属ロール、スクレイパー等の物理的応力を不織布に作用させることにより分割細繊化を行うことができる。
【0034】
更に本発明の不織布に機能剤を付着または包含させることにより前記分割型複合長繊維にさらなる付加的な機能を付与することができる。機能剤としては従来公知のものを使用することがきる。例えば抗菌防臭剤、消臭剤、流動パラフィンなどを例示できる。例えば前記機能剤が溶液の場合は、多孔質基材に含浸して使用しても良いし、直接塗布しても良い。多孔質基材としては、アロフェン、イモゴライト、人工ゼオライト、天然ゼオライト、合成ゼオライト、活性炭等が例示できる。
【0035】
抗菌防臭、防カビ剤としては、銀、銅、亜鉛に代表される無機系抗菌剤、塩化ベンザルコニウム、有機シリコン系第4級アンモニウム塩、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、グルコン酸クロルヘキシジンに代表される有機系抗菌剤、キチンキトサン、ポリリジン、ヒバ油、ユーカリ、カテキン、アロエ等の天然系抗菌剤が例示できる。消臭剤は、ベタイン系両面活性剤、カルボニル系化合物、二酸化チタンに代表される光触媒、活性炭、ゼオライト、カテキン、無機系消臭剤、銅−フタロシアニン、鉄−フタロシアニン、金属イオン等が例示できる。
【0036】
本発明のトウ及び不織布は、分割型複合長繊維トウからなるため、繊維の構成本数を多くすることができ、また繊維同士は交絡していないかまたは交絡していても僅かであるため、繊維の自由度が高く、大きなゴミから小さなゴミ、更には油膜等まで払拭することができ、ワイピング材として好適に使用することができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例、比較例によって説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。尚実施例、比較例における用語と物性の測定方法は以下の通りである。
【0038】
(a)融点:
TAインスツルメント社製熱分析装置DSC Q10を用い、JIS K 7122に準拠して測定を行った。
【0039】
(b)メルトフローレート(MFR):JIS K 7210に準拠して測定した。
原料ポリプロピレン樹脂:該JIS表1の条件14
原料ポリエチレン樹脂:該JIS表1の条件4
【0040】
(c)密度:JIS K 6760に準拠して密度勾配管による測定を行った。
【0041】
(d)ポリエチレンテレフタレートの固有粘度: フェノールと四塩化エタンの等重量混合溶媒を用い、濃度0.5g/100ml、温度20℃で測定した。
【0042】
(e)分割率:不織布をワックスにて包含し、ミクロトームで繊維軸に対して直角にスライスして試料片を作成する。これを顕微鏡で観察し、繊維の断面像を画像処理して、分割型複合繊維の分割可能なセグメントのうち、部分的にでも分割された繊維の総面積(A)と未分割繊維の総断面積(B)を測定し、以下の式で算出した。
分割率(%)={A/(A+B)}×100
【0043】
(f)払拭性能:5人のモニターにより実際に拭き取った時の払拭性能の評価を行う。サンプルとして各実施例で得た不織布を20cm×20cmの正方形に切断したもの及び水分を含ませたもの、更に油状物を付着したものを用意する。正方形のフローリング板(50cm×50cm)の30cm×30cmの正方形のエリアに10cmの毛髪10本と、JIS Z 8901の第7種の試験用ダスト1gを均一に撒き、用意したサンプルで拭き取ってもらう。フローリング上面の払拭状態を優秀、良、普通、やや不良、不良との5段階の基準を設け、これを各モニターの視点で対比判断してもらい、3回の試験を行って5人のモニターの平均値で表し評価した。数値が大きいほど優れており、3点以上を合格とした。尚、水分は不織布重量に対して150重量%、油状物には63mPa・sの鉱物油(流動パラフィン)を用い、付着量は6重量%とした。
【0044】
(g)開繊係数:トウをピンチロール型開繊機で速度60m/分、倍率1.5倍で延伸開繊した時のトウ幅を開繊処理前のトウ幅で除した時の数値を開繊係数とした。開繊係数が3〜25の範囲にあるトウは、開繊性が良好である。開繊係数が3未満の場合は、高速生産における均一開繊性に劣り、一方、開繊係数が25を越える場合は、開繊機で開繊処理をする工程でトウの割れが生じている。
【0045】
(h)トウ収束性:トウ長1m当りのトウ割れの状態と個所を観察した。判断基準は、トウ割れして完全に分離している個所が0〜1個の場合は良好、2個以上ある場合は不良とした。
【0046】
(i)捲縮数:JIS L 1015の方法に準拠して測定した(単位:山/25mm)。
【0047】
(j)不織布の繊維交絡度:不織布をフラジール型通気度試験機(東洋精機製、資料固定台の内径:70mm)に固定する。該不織布に垂直にプッシュプルゲージ(株式会社イマダ、メカニカルフォースゲージ、PS−50N、直径2mmの鉄製円棒を装着)を速度(3mm/秒)で降下させ、不織布を貫通した時の突刺し強度を測定する。以下の式より交絡度を算出する。更に以下のような判断で繊維の交絡度を判断した。
交絡度={突刺し強度(N)/不織布目付(g/m2)}×100
交絡度30未満:実質的に繊維は三次元交絡していない
交絡度30以上:繊維は互いに三次元交絡している
【0048】
実施例1
(トウ製造方法)
ポリプロピレン樹脂(単独重合体、融点163℃、MFR16g/10分)をA成分、高密度ポリエチレン樹脂(融点131℃、MFR16g/10分)をB成分とし、分割型複合繊維用口金を用いて、容積比率50/50、単糸デニール15dtexの未延伸糸を紡糸した。引き取り工程において、アルキルフォスフェートカリウム塩を付着させた。得られた未延伸糸を120℃、5倍で延伸して延伸糸トウを得た。
(不織布製造方法)
トウを開繊機で開繊してウェブとし、同様に開繊したウェブを双方のウェブの繊維軸方向に対して平行に重なる様に並べ、幅20cmのウェブを作製する。該ウェブを表面が平滑な金属ロールを圧力100N/cmで加圧し、分割細繊化を行った。更に繊維並び方向と垂直方向に溶着幅3mmで加工温度145℃、加圧時間0.5sec、加圧3kg重/cm2でヒートシールを行った。同様に5cm間隔でヒートシールを行い不織布を作製した。以下ワイピング材を主体とした評価を行い、結果を表1、表2に示した。
【0049】
実施例2
(トウ製造方法)
固有粘度0.60のポリエチレンテレフタレート(鐘紡(株)製、K101)をA成分、高密度ポリエチレン樹脂(融点131℃、MFR16g/10分)をB成分とし、容積比率50/50、単糸デニール10.5dtexの分割型複合長繊維を紡出した。引き取り工程において、アルキルフォスフェートカリウム塩を付着させた。得られた未延伸糸を120℃、3.5倍で延伸して延伸糸トウを得た。捲縮付与時の応力でクリンプのエッジ部は分割が進行していた。
(不織布製造方法)
実施例1に準拠して作製した。以下ワイピング材を主体とした評価を行い、結果を表1、表2に示した。
【0050】
実施例3
(トウ製造方法)
ポリプロピレン樹脂(単独重合体、融点163℃、MFR16g/10分)をA成分、高密度ポリエチレン樹脂(融点131℃、MFR26g/10分)とエチレン無水マレイン酸グラフト共重合体(密度0.931g/cm3、グラフト率0.15モル/kg、MFR14g/10min)を重量比80/20でブレンドした樹脂をB成分とし、分割型複合繊維用口金を用いて、容積比率50/50、単糸デニール15dtexの未延伸糸を紡糸した。引き取り工程において、アルキルフォスフェートカリウム塩を付着させた。得られた未延伸糸を90℃、5倍で延伸して延伸糸トウを得た。
(不織布製造方法)
実施例1に準拠して作製した。以下ワイピング材を主体とした評価を行い、結果を表1、表2に示した。
【0051】
実施例4
(トウ製造方法)
ポリプロピレン樹脂(単独重合体、融点163℃、MFR16g/10分)をA成分、高密度ポリエチレン樹脂(融点131℃、MFR16g/10分)をB成分とし、分割型複合繊維用口金を用いて、容積比率50/50、単糸デニール90dtexの未延伸糸を紡糸した。引き取り工程において、アルキルフォスフェートカリウム塩を付着させた。得られた未延伸糸を120℃、5倍で延伸し、クリンパーと延伸ロールの間で延伸糸にテンション(1万dtex当り20N)が張られた状態で、水流処理を行い、分割細繊化を促進させ、延伸糸トウを得た。
水流処理は以下の方法で行った。トウの進行方向に対して直角に配列した3列のノズル(ノズル径0.1mm、ノズルピッチ1mm、100ホール)から8MPaの高圧水流を噴射し、30m/分の速度でその直下を通過させて分割細繊化を促進させた。
(不織布製造方法)
トウを開繊機で開繊してウェブとし、同様に開繊したウェブを部分的に重なる様に並べ、幅20cmのウェブを作製する。更に繊維並び方向と垂直方向に溶着幅3mmで加工温度145℃、加圧時間0.5sec、加圧3kg重/cm2でヒートシールを行った。同様に5cm間隔でヒートシールを行い、不織布を作製した。以下ワイピング材を主体とした評価を行い、結果を表1、表2に示した。
【0052】
実施例5
(不織布製造方法)
実施例1で得た延伸糸トウを開繊機で開繊してウェブとし、同様に開繊したウェブを双方のウェブの繊維軸方向に対して平行に重なる様に並べ、幅20cmのウェブを作製する。更に繊維並び方向と垂直方向に1mm幅で加工温度145℃、加圧時間0.5sec、加圧3kg重/cm2でヒートシールを行った。同様に2cm間隔でヒートシールを行い、不織布を作製した。トウのテンション(1万dtex当り20N)を張った状態で、弱い水流処理を行い、分割細繊化を促進させた。水流処理は以下の方法で行った。100メッシュの平織りからなるコンベアーベルト上に載せ、コンベアコンベアネット速度5m/分で、ノズル径0.1mm、ノズルピッチ1mmのノズル直下を通過させ、高圧水流を噴射した。まず、3MPaを1段、5MPaを4段処理した。ここで段とは、ノズル直下を通過した回数のことである。該不織布は水流処理の前段階で熱処理により繊維同士が固定され張力がかかった状態となっている。以下ワイピング材を主体とした評価を行い、結果を表1、表2に示した。
【0053】
実施例6
(不織布製造方法)
実施例1で作製したトウを開繊機で開繊してウェブとし、同様に開繊したウェブを双方のウェブの繊維軸方向に対して平行に重なる様に並べ、幅20cmのウェブを作製する。該ウェブを表面が平滑な金属ロールを圧力100N/cmで加圧し、分割細繊化を行った。更に前記ウェブにポリプロピレンスパンボンド不織布(繊度2.2dtex、目付20g/m2)を積層し、繊維並び方向と垂直方向に溶着幅3mmで加工温度145℃、加圧時間0.5sec、加圧3kg重/cm2でヒートシールを行った。同様に5cm間隔でヒートシールを行い不織布を作製した。作製した不織布の非溶着部分を挟みで切断し、起毛を発現させた。以下ワイピング材を主体とした評価を行い、結果を表1、表2に示した。
【0054】
実施例7
(トウ製造方法)
固有粘度0.60のポリエチレンテレフタレート(鐘紡(株)製、K101)をA成分、高密度ポリエチレン樹脂(融点131℃、MFR16g/10分)に炭素数14のアルキルスルフォネートNa塩を4重量%添加したものをB成分とし、容積比率50/50、単糸デニール10.5dtexの分割型複合長繊維を紡出した。引き取り工程において、アルキルフォスフェートカリウム塩を付着させた。得られた未延伸糸を120℃、3.5倍で延伸して延伸糸トウを得た。捲縮付与時の応力でクリンプのエッジ部は分割が進行していた。
(不織布製造方法)
実施例1に準拠して作製した。以下ワイピング材を主体とした評価を行い、結果を表1、表2に示した。
【0055】
比較例1
ポリプロピレン樹脂(単独重合体、融点163℃、MFR16g/10分)をA成分、高密度ポリエチレン樹脂(融点131℃、MFR16g/10分)をB成分とし、芯鞘型複合繊維用口金を用いて、容積比率50/50、単糸デニール15dtexの未延伸糸を紡糸した。引き取り工程において、アルキルフォスフェートカリウム塩を付着させた。得られた未延伸糸を120℃、5倍で延伸して鞘芯型複合繊維の延伸糸トウを得た。
(不織布製造方法)
実施例1に準拠して、分割細繊化処理をしないで作製した。以下ワイピング材を主体とした評価を行い、結果を表1、表2に示した。
【0056】
比較例2
(トウ製造方法)
ポリプロピレン樹脂(単独重合体、融点163℃、MFR16g/10分)をA成分、高密度ポリエチレン樹脂(融点131℃、MFR16g/10分)をB成分とし、分割型複合繊維用口金を用いて、容積比率50/50、単糸デニール10.5dtexの未延伸糸を紡糸した。引き取り工程において、アルキルフォスフェートカリウム塩を付着させた。得られた未延伸糸を90℃、3.5倍で延伸して延伸糸トウを得た。
(不織布製造方法)
実施例1に準拠して、分割細繊化処理をしないで作製した。以下ワイピング材を主体とした評価を行い、結果を表1、表2に示した。
【0057】
比較例3
ポリプロピレン樹脂(単独重合体、融点163℃、MFR16g/10分)をA成分、高密度ポリエチレン樹脂(融点131℃、MFR16g/10分)をB成分とし、分割型複合繊維用口金を用いて、容積比率50/50、単糸デニール200dtexの未延伸糸を紡糸した。引き取り工程において、アルキルフォスフェートカリウム塩を付着させた。得られた未延伸糸を120℃、8.5倍で延伸して延伸糸トウを得た。
(不織布製造方法)
実施例1に準拠して作製した。以下ワイピング材を主体とした評価を行い、結果を表1、表2に示した。
【0058】
比較例4
実施例1で得たトウを開繊機で開繊してウェブとし、同様に開繊したウェブを双方のウェブの繊維軸方向に対して平行に重なる様に並べ、幅20cmのウェブを作製する。更に80メッシュの平織りからなるコンベアーベルト上に載せ、コンベアコンベアネット速度5m/分で、ノズル径0.1mm、ノズルピッチ1mmのノズル直下を通過させ、高圧水流を噴射した。まず、4MPaを1段、8MPaを4段処理した。同様に裏面も処理し、繊維が三次元交絡された不織布を作製した。該不織布に熱処理は一切行わず不織布化した。以下ワイピング材を主体とした評価を行い、結果を表1、表2に示した。
【0059】
以上、実施例1〜8、比較例1〜4からわかるように本発明の不織布は、ワイピング剤に用いた場合に大きなゴミから小さなゴミまで効率良く払拭することができる。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】
本発明の不織布は、分割型複合長繊維トウからなるため、分割細繊化することにより表面積が大きくなり、かつ分割細繊化した繊維の自由度が大きいため、髪の毛等の比較的大きなゴミから小さなゴミまで払拭性に優れ、ワイピング材に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する分割型複合繊維の断面の1模式図である。
【図2】本発明で使用する分割型複合繊維の断面の1模式図である。
【図3】本発明で使用する分割型複合繊維の断面の1模式図である。
【図4】本発明で使用する分割型複合繊維の断面の1模式図である。
【図5】本発明で使用する分割型複合繊維の断面の1模式図である。
【図6】本発明で使用する分割型複合繊維の断面の1模式図である。
【図7】本発明で使用する分割型複合繊維の断面の1模式図である。
【符号の説明】
1:中空部
Claims (4)
- 単糸繊度が0.5〜20dtex、全繊度が1万〜30万dtexである捲縮を有する分割型複合長繊維トウからなる不織布であって、該不織布を構成する繊維同士が三次元交絡していないかまたは三次元交絡していても僅かであり、かつ少なくとも1部分の繊維同士が熱接着され、0.5dtex未満の分割細繊化した繊維が分割率にして少なくとも5%含まれていることを特徴とする不織布。
- 不織布の分割型複合長繊維トウは、開繊されて繊維軸方向に配列されている請求項1に記載の不織布。
- 不織布の繊維交絡度が30未満である請求項1項または2項のいずれか1項に記載の不織布。
- 請求項1項〜3項のいずれか1項に記載の不織布を用いたワイピング材。
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