JP2004167080A - 酸素飽和度測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】周波数可変コヒーレント光源1、部分反射ミラー11、参照用ミラー12、光走査系2、検出器3、増幅器4、A/D変換器5、データ解析系6及び計測の対象となる試料7とから構成される。
データ解析系6は、蓄積されたデータをフーリエ解析することにより、測定光14の光線に沿った微小領域における光吸収係数を求める。さらに、測定光14の光線に沿って光線方向の奥行きを漸次増加させながら光吸収係数を1次元的に算定し、続いて、1次元的計算を繰り返して2次元的計算を行うことにより、酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量、および酸素飽和度についての断層像を得る。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体組織の酸素化ヘモグロビン量、還元(遊離)ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量、および酸素飽和度を、生体組織の微小領域毎に測定する酸素飽和度測定方法及び酸素飽和度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体組織に含まれる血液成分の酸素飽和度は、生体組織の活性を測定するための重要な情報であるため、従来から、多くの測定方法が試みられてきている。例えば、酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとでは、光の吸収の度合いである光吸収係数が光の波長に依存して異なることを利用した方法が挙げられる。
【0003】
図8は、光の波長に対する酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの光吸収係数の変化を示す図である。
【0004】
図8に示すように、紫外から、可視光、赤外に至る領域の酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの光吸収係数(モル光吸収係数)の波長依存性には差が見られる。この光吸収係数の波長依存性の差を利用して、複数の波長を用いた光学測定によって、非侵襲的に酸素飽和度を求める方法がいくつか提案されている。
【0005】
このような、光吸収係数の波長依存性の差を利用して、複数の波長を用いた光学測定によって、非侵襲的に酸素飽和度を求める方法において、組織の光散乱能が弱ければ、光は吸収を受けながら直線的に伝播する場合は、入射光に対する透過光の減衰率から光路長当りの光吸収係数を求めることができる。
【0006】
しかし、一般的に、生体組織は光散乱の度合いが強く、光は多重散乱を繰り返しながら広がって全体としては拡散的に生体中を伝播する。このため、検出器で検出される光が経過する光路長は、単一ではなく広がって分布するため、入射光に対する透過光の減衰率から光路長当りの光吸収係数を求めることは困難になる。
【0007】
また、生体組織は光散乱能が強いため、生体組織中を伝播した光の減衰は、光吸収だけでなく、光散乱の寄与も無視できない。散乱による減衰も受けながら、拡散的伝播する光の減衰から、どのように正確に生体組織中の血液成分による光吸収係数を導き出すかが問題となる。
【0008】
一方、光の散乱能は、波長の4乗に逆比例して弱くなる。従って、上記の散乱の影響を少なくするためには、長波長の光が有利である。しかし、波長が約800nmよりも長くなるに従って、生体組織中に含まれる水による光吸収が増大する(図9参照)。
【0009】
そこで、光吸収係数の波長依存性の差を利用して、複数の波長を用いた光学測定によって、非侵襲的に酸素飽和度を求める方法では、波長が約800 nmにおける酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの光吸収係数の交差(図8参照)を利用し、600 nmから1000 nmの、赤から赤外にいたる波長領域が多く使われている。ただし、眼の場合は、透明体に近く散乱能が比較的弱いため、赤外に加えて可視光も使われてきている。
【0010】
光吸収係数の波長依存性の差を利用して、複数の波長を用いた光学測定によって、非侵襲的に酸素飽和度を求める方法の1つとして、パルスオキシメトリーがある。
【0011】
図10(a)は、パルスオキシメトリーの原理図である。
【0012】
パルスオキシメトリーは、動脈の拍動効果を利用し、動脈血の光吸収への寄与を、他の寄与から分離することで、動脈血の光吸収係数を計測するものである。
【0013】
図10(a)に示すように、光源81と検出器の間に指を挟み、光源81から指に光を当て、その透過光を検出器83で検出すると、透過光の強度は図11に示すように、脈拍に対応して少し変動する成分を持つ。この変動成分(AC成分)は、心拍による血圧の増減により血管が膨張収縮することに起因しているので、動脈中の血球による光の吸収度を検出したことになり、他の部分の光の吸収と区別することができる。
【0014】
ここで、図8の光吸収係数の波長依存性を考慮し、光源に、赤色(例えば660nm程度)と赤外(例えば940nm)の2色を使用し、血液中の酸素化ヘモグロビンと遊離(還元)ヘモグロビンとでの各波長の光源における光吸収係数の差を利用すれば、動脈血の、酸素飽和度を求めることができる。パルスオキシメトリーは正確な測定ができる優れた方法であるが、対象が動脈流に限られるという制限がある。
【0015】
光吸収係数の波長依存性の差を利用して、複数の波長を用いた光学測定によって、非侵襲的に酸素飽和度を求める他の1つの方法として、経皮的酸素飽和度濃度測定装置がある、
図10(b)は経皮的酸素飽和度濃度測定装置の原理図である。
【0016】
経皮的酸素飽和度濃度測定装置は、図10(b)に示すように、対象とする生体組織82の測定部位(例えば脳)を定め、光源として2波長(例えば750nmと830nm)を用い、光源81と検出器83からなるプローブ80の構造を測定部位に応じていつも同じにし、プローブ80を皮膚に密着して測定を行い、あらかじめ行っておいた校正値と比較して酸素飽和度を決定する方法である。
【0017】
経皮的酸素飽和度濃度測定装置は、特に脳を対象とする場合は、比侵襲式脳血流酸素飽和度モニターとも呼ばれている。この方法も実際の診断において実用化されている。拡散的な透過光を用いるので、光が拡散する領域の平均値は求められるが、測定部位を細かく区分して、各区分それぞれの値を求めることはできない。
【0018】
光吸収係数の波長依存性の差を利用して、複数の波長を用いた光学測定によって、非侵襲的に酸素飽和度を求めるさらに他の1つの方法として、レーザー走査法が研究室レベルでは行われている。
【0019】
レーザー走査法は、眼底網膜を対象として、波長の異なる複数のレーザー光線を照射し、共役光学系を用いて後方散乱光を検出し、レーザー光線に沿った光路でおきる各波長における光の減衰から、酸素飽和度を求める方法である。
【0020】
ここでは、レ−ザー光線を眼底網膜上で走査し、測定を行う。上記の2つの方法に比べ、測定部位は入射光と略垂直な平面において精確に決められるが、入射光路に沿った組織の奥行き方向を微小領域に区分して、それら各区分それぞれの値を求めることはできない。
【0021】
【特許文献1】
特開2002−303576号公報
【0022】
【特許文献2】
特開2002−224088号公報
【0023】
【特許文献3】
特開平11−244268号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来技術において、パルスオキシメトリーの場合は光が照射された指の部分全体、経皮的酸素飽和度濃度測定装置では光が拡散して伝播し検出器に到達する全領域、レーザー走査法では奥行き方向についてすべての組織からの寄与が全て測定されてしまう。従って、従来の技術では、生体組織内部の、1000μm以下の例えば数μmから数十μm程度の各微小領域において、酸素飽和度を決定することができなかった。
【0025】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、血液成分を有する組織を1000μm以下の例えば数μmから数十μm程度の小さな領域に区分して、区分された微小領域の酸素化ヘモグロビン濃度、還元ヘモグロビン濃度、酸素飽和度を決定する酸素飽和度測定方法及び酸素飽和度測定装置の提供を目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る酸素飽和度測定方法及び酸素飽和度測定装置は、相異なる2つ以上の波長領域の光線を血液成分を有する組織に照射し、光線に沿った領域において、照射した光線の後方散乱光(屈折率の急激な変化のために後方に反射的に散乱される場合も含む)の強度を光線方向に1〜1000ミクロン程度の微小領域に弁別して計測するステップと、前記相異なる2つ以上の波長領域の光線について計測した、光線方向における前記微小領域の前後の微小領域からの後方散乱光の強度から、前記微小領域における光の吸収係数を各波長領域毎に求めるステップと、前記微小領域における光吸収係数値から、酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとでは光吸収係数の波長依存性が異なることを利用し、前記微小領域における酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量又は酸素飽和度の少なくとも1つを求めるステップと、を有することを特徴とする
このように、本発明に係る酸素飽和度測定方法及び酸素飽和度測定装置によれば、血液成分を有する組織を微小領域に弁別して、2つ以上の波長領域で後方散乱光強度の測定を行うので、複数の光の波長領域で各微小領域の光吸収係数を求めることが出来る。そして、これらの光吸収係数と酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの光吸収係数の波長依存性の差とを対応させることで、当該組織内の各微小領域における酸素化ヘモグロビン、還元ヘモグロビン、総ヘモグロビン量及び酸化飽和度を決定することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〔発明の原理〕
光線を被測定体に入射し、入射した光に沿った奥行き方向の近接した2つの領域(または複数の領域を用いる場合も含める)からの後方散乱光強度を散乱を受けた場所を弁別して計測する。そして、これらの計測データから、計測した領域間にある微小領域の血液成分による光吸収の影響を評価することで、他の領域の組織の影響をほとんど受けることなく、正確にこの微小領域の血液の光吸収係数を求めることができる。これを、2波長以上の波長を利用して行い、当該微小領域の血液による光吸収係数を求めれば、複数の光の波長で光吸収係数が求まったことになる。これらの光吸収係数と、図8に示す酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの光吸収係数の波長依存性の差とを対応させれば、酸素化ヘモグロビンおよび還元ヘモグロビン各々の量が求められ、酸化飽和度が微小領域に対して決定できる。
【0028】
ここでは、入射した光の光線に沿った数ミクロンから数十ミクロンの領域から後方散乱された光を、後方散乱を受けた場所を弁別して計測する手段として、オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィー(以下OCTと記す)技術を用いることとする。
【0029】
OCTは、後方散乱された光のうち、入射した光と干渉する成分のみ測定する。したがって、拡散的に伝播する多重散乱では光の同位相面が乱れるので干渉が弱まり、多重散乱の影響はほとんどないか、無視できる。このためOCTにおける試料中の光の経路は直線とみなしてよい。以下では、多重散乱成分は干渉に寄与していないものとする。
【0030】
また、OCTでは、波長領域が広がりのある光源を利用するため、光学特性において、厳密には、波長の広がりを考慮しなければならない。しかし、中心波長に比べ波長の広がりの幅は1割程度以下なので、以下の説明においては、中心波長で代表する。
【0031】
図12は、微小領域における光吸収係数の計測原理を示す図である。
【0032】
図12において、測定用の中心波長λの光線が、奥行き方向のZ軸に沿って入射した場合を考える。OCTでは、Z軸上で数ミクロンから数十ミクロンの間隔で、入射光路に沿って入射光線と反対方向に後方散乱される光を計測する。一つの測定点をzとし、これからわずかな距離Δz奥行き方向にある測定点をz+Δzとする。ここで、両点において散乱能が同じであり、光の減衰がヘモグロビンによる吸収のみによって起こっているものとする。
【0033】
入射光線の光線(Z軸)に沿って位置zからz+Δzの微小な領域における光吸収係数を位置zと上記中心波長λの関数としてμ(z,λ)で表すと、位置zでの計測光強度I(z)と、位置z+Δzでの計測光強度I(z+Δz)との比は、光吸収のベア・ランバートの法則によりI(z)/I(z+Δz)=exp[2μ(z,λ)Δz]で表される。ここで、係数2は光がこの経路を往復することによる。この対数を求め2Δzで割り算すれば、微小な領域zからz+Δzの範囲の波長λにおける光吸収係数μ(z、λ)が求められる。
【0034】
従来、OCTは1つの中心波長で行われているが、この発明では、2つ以上の複数の中心波長λ1、λ2、λ3、・・・・で行う。波長の種類を増すと決定できるパラメータの数が増し、精度を上げることができるが、ここでは簡単のため、λ1とλ2の2波長で計測する場合を説明する。酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとでは、光吸収係数の波長依存性が図8のように異なる。例えば、λ1=750nm、λ2=850 nmとすると、λ1=750nmでは還元ヘモグロビンの光吸収係数の方が大きく、ほぼ800 nm で一致し、λ2=850 nmでは酸素化ヘモグロビンの光吸収係数の方が大きい。
【0035】
Z軸上の位置zにおける酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの濃度をそれぞれ計算で求めるべき未知数としてCHbO(z)、CHb(z)で表す。波長λ1とλ2での酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの光吸収係数は図8に与えられており、それぞれ、μHbO (λ1)、μHb (λ1) μHbO (λ2)、μHb (λ2)、で表す。これらの濃度や光吸収係数と、上記実測された光吸収係数μ(z、λ1)、μ(z、λ2)との間には以下の関係式が成り立つ、
μHbO (λ1)・CHbO(z)+μHb (λ1)・CHb (z)=μ(z、λ1) (1)
μHbO (λ2)・CHbO(z)+μHb (λ2)・CHb (z)=μ(z、λ2) (2)
この連立方程式を解いて位置zでの微小領域の酸素化ヘモグロビン濃度CHbO(z)、還元ヘモグロビン濃度CHb(z)がそれぞれもとまり、それらの和から総ヘモグロビン量 [CHbO (z)+CHb (z)] が求まり、酸素飽和度も式、(酸素飽和度)=(酸素化ヘモグロビン量)/[(酸素化ヘモグロビン量)+(還元ヘモグロビン量)]=CHbO (z)/[CHbO (z)+CHb (z)] より求められる。 この方法では、組織内の位置zにおける数ミクロンから数十ミクロンの狭い領域Δzの範囲について、その直前・直後の後方散乱光の強度に基づいて光吸収係数を求め、それらの値から酸素飽和度を決定するため、酸素飽和度の極めて詳細で正確な測定ができる。
【0036】
このようにして、従来技術であるパルスオキシメトリー、経皮的酸素飽和度濃度測定装置、レーザー走査法では不可能であった生体組織内部の微小領域の酸素飽和度の測定が可能となる。
【0037】
例えば、組織の表面近くにある静脈と、組織の奥に存在する動脈とを区別してその血管一本一本における酸素飽和度等を測定することができる。
【0038】
入射光線の光線(Z軸)に沿ってzの値を漸次増加させながら1次元計測(Aスキャンと呼ぶ)を行い、入射光線を走査して次々に1次元計測を繰り返して2次元計測(Bスキャンと呼ぶ)を行えば、酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量、および酸素飽和度についての断層像が得られる。また、2次元計測を走査して複数撮像し、並べて表示すれば、3次元の断層像を立体的に得ることができる。2次元や3次元の断層像の表示は、組織内部の生体活性の解明にとって有用である。
【0039】
以上、吸収が支配的で、散乱による光の減衰が無視でき、散乱強度が一定の組織に対し、2波長の計測を利用する場合について波長を例示して説明したが、血液以外の組織による光吸収の量が無視できない場合や、光散乱による光の減衰が無視できない場合や、後方散乱能が場所によって異なる場合などでは、決定すべきパラメータの数が増える。このような場合は、それらのパラメータを決定するために、測定する波長の種類を増やせば良い。
また、4波長(例えば775nm、810nm、870nm、904nm)を用いて、還元ヘモグロビンと酸素化ヘモグロビンに加えて、チトクロームc・オキシダーゼ(cyt−aa3)の量を同時に決定するアルゴリズムを採用してチトクロ−ムの影響を評価することも出来る。
【0040】
なお、ここでは現在技術が確立されているOCTを例にして発明の原理を説明したが、本発明は、より一般的に光学的断層像を計測する技術に適用可能でありOCTを用いたものに限定されるものではない。
【0041】
また、ここで具体的な波長の値を用いて2つの波長で計測した場合を示したが、これは説明を簡単にするための例示であって、発明の範囲を限定するものではない。
【0042】
さらに、測定を行わず、すでに他で得られている光学的断層画像データを解析することによっても上記と同様な結果が得られる。
次に、本発明の一実施の形態について図1乃至図7を参照して詳細に説明する。
【0043】
本発明の実施は、光学的に、1次元、2次元または3次元で断層的に生体組織を計測する装置すべてで適用可能である。これらの様々な光学的断層像撮像法の中でも、OCTは特に本発明の実施に適した方法であるので、OCTを用いた実施の形態について以下に説明する。
【0044】
〔第1の実施の形態〕
OCTには、主として、i)オプティカル・フリーケンシー・ドメイン・リフレクトメトリ法(OFDR)、ii)オプティカル・コヒーレンス・ドメイン・リフレクトメトリ法(OCDR法)、iii)スペクトラル・インターフェロメータ法(SI法)の3つの方法がある。
【0045】
第1の実施の形態は、光学的に、1次元、2次元または3次元で断層的に生体組織を計測する装置として、上記3つの方法の内からOFDR法(Optical Frequency Domain Reflectometry法)を用いる方法である。
【0046】
図1は第1の実施の形態における酸素飽和度測定装置の原理図である。
【0047】
図1に示すように、本実施の形態の酸素飽和度測定装置は、光合分波器としてマイケルソン干渉計を用いたものであり、周波数可変コヒーレント光源1、部分反射ミラー11、参照用ミラー12、光走査系2、検出器3、増幅器4、A/D変換器5、データ解析系6及び計測の対象となる試料7とからなる。
【0048】
周波数可変コヒーレント光源1は、干渉性のある光を発振し、発振した光の波長を離散的あるいは連続的に時間的に変化させることができる。この場合、光の干渉長は、測定する試料全体の長さより長くなければならない。
【0049】
部分反射ミラー11は、光合波手段としての機能を持つ。すなわち、周波数可変コヒーレント光源1から出た光は、部分反射ミラー11により、部分反射ミラー11で反射された参照光13と部分反射ミラー11を透過した測定光14とに分けられる。参照光13は参照用ミラー12で反射され部分反射ミラー11に戻る。測定光14は、光走査系2を経由して試料7に入射され、試料7において入射光の光線上のあらゆる場所で後方散乱された光は逆の経路をたどって部分反射ミラー11に戻る。戻ってきた後方散乱光と参照用ミラー12で反射された参照光13は、部分反射ミラー11で合波され、合波された信号は干渉信号として検出器3に入力される。
【0050】
光走査系2は、試料7に入射した測定光14の光線が一定の面をなすように、少しずつ方向をずらして測定光14を試料7に入射させるものである。このように光走査系2により測定光14の試料7への入射方向を少しずつずらし、各方向毎に入射した光線に沿った後方散乱光のデータを取得することで、試料7の酸素飽和度等についての断層像を得るためのデータを得る。
【0051】
ここで、周波数可変コヒーレント光源1から部分反射ミラー11により反射され、さらに参照用ミラー12に反射されて再び部分反射ミラー11を経由して検出器3に入力されるまでの光路を参照光路といい、周波数可変コヒーレント光源1から部分反射ミラー11を透過し、光走査系2を経由して試料7に入射され、試料7で後方散乱され逆の経路をたどって部分反射ミラー11に戻り、部分反射ミラー11を経由して検出器3に入力されるまでの光路を試料光路という。
【0052】
参照光路及び試料光路を通って部分反射ミラー11で合波された干渉信号は検出器3で検出され、増幅器4で増幅され、A/D変換器5でデジタル信号化され、デジタル化された信号は、データとしてデータ解析系6に遂次蓄積される。
【0053】
データ解析系6は信号解析手段としての機能を持つ。すなわち、蓄積されたデータをフーリエ解析することにより、試料の奥行き方向の深さに対応した形で、試料7からの後方散乱光の強度を試料7に入射した測定光14の光線方向の深さの関数として求める。このようにして求めた後方散乱光の強度から試料7に入射した測定光14の光線に沿った微小領域における光吸収係数を求める。さらに、試料7への測定光14の入射方向を順次変えて得たデータに基づき各方向における測定光14の光線に沿った微小領域における光吸収係数を求め、これらのデータを蓄積することにより、試料7の所定の断面の各微小領域における光吸収係数のデータを得る。
【0054】
さらに、データ解析系6は、2以上の波長領域で得られた上記微小領域における光吸収係数のデータから、前述の発明の原理で述べた方法で、酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量、および酸素飽和度についての断層像を得る。また、試料7の計測断面を少しずつずらしながら2次元計測を繰り返し、並べて表示すれば、3次元の断層像を立体的に得ることができる。
【0055】
次に、データ解析系6において、試料7からの後方散乱光の強度と、試料7に入射した測定光14の光線方向の深さ及び測定光14の波長との関係を求める方法について説明する。
【0056】
説明を簡略にするために、光源の波長の逆数が時系列的に等間隔で、同じ光強度で1/λsから1/λeまで変化させ測定する場合を考える。このとき中心波長はλc=|λs+λe|/2となる。
【0057】
ここで、部分反射ミラー11から参照用ミラー12までの光学距離と、部分反射ミラー11から観測する試料における任意の計測位置までの光学距離との差をZとする。参照用ミラー12の位置は、計測の基準点を定める機能を持つので、例えば、ここで参照用ミラー12の位置を調整すれば、Zは、試料7に測定光14を入射した場合、入射した点から後方散乱させた微小領域までの光学距離とみなすことができる。
【0058】
周波数可変コヒーレント光源1から出力された光の波長がλのときに、試料7において測定光14が入射した点から距離Zにおける後方散乱光と、参照用ミラー12から反射された参照光とが合波されできた干渉信号の強度(以下計測光強度と称す)をAsとするとAsはλとZの関数となり、
As∝cos(4πZ/λ) (3)
で表される。
ここで、周波数可変コヒーレント光源1から出力された光の波長λを、同じ光強度で1/λsから1/λeまで変化させ測定するので、図2(a)に示すように、検出器3は計測光強度を光源λの逆数の関数として計測することができる。
【0059】
ただし、実際に検出器3が計測するのは、測定光14の光線に沿ったあらゆる点からの計測光強度、すなわち式(3)においてZを奥行き方向に連続的に変化させて得た値、を重畳したものとなる。つまり、検出器3により直接計測さ
れる信号には、試料7の奥行き方向の距離Zに関する情報は表面に現れてこない。
【0060】
そこで、試料7からの後方散乱光の強度と試料7に入射した測定光14の光線方向の深さとの関係を求めるため、まず、上記検出器3により計測されたデータに基づき計測光強度Asにcos(4πX/λ)を乗じて(1/λ)について積分すると、X=ZのところでAsに比例した強度のフーリエ成分As’が得られる。これは、試料7の奥行き方向の距離ZがXのときの計測光強度As’と考えて良い。
【0061】
ここで、Xの値を変えて上記積分を行えば、試料7の光線に沿った奥行き方向のあらゆる位置での計測光強度As’が得られることとなる。
【0062】
ただし、ここで得られた値には、測定光14の波長λに関する情報は表面に現れてこない。しかし、ここでは、光の波長λを、同じ光強度で1/λsから1/λeまで変化させ測定した値について、(1/λ)について積分したものであるから、ここで得られた計測光強度As’は、1/λsと1/λeの中心となる値1/λcにおける計測光強度As’と考えて良い。
【0063】
このようにして、組織による後方散乱について、入射光線の光線(Z軸)に沿ってzの値を漸次増加させながら計測光強度As’(λc、z)を1次元的に算定することができ、1次元方向の断層信号が中心波長λcで得られる。
【0064】
ここで得られたAs’(λc,z)は、測定光14の波長が中心波長λcの場合の光線上の位置zにおける試料7からの後方散乱強度と考えて良いので、ここでは、試料7に照射した測定光14の後方散乱光の強度を光線方向に微小領域に弁別して計測したことになる。
【0065】
こうして得られたAs’(λc,z)から、前述の発明の原理で述べた手順に従って、zでのAs’(λc,z)と、z+ΔzでのAs’(λc,z+Δz))との比から、光吸収のベア・ランバートの法則により、位置z、幅Δzの領域の、波長λcにおける光吸収係数μ(λc,z)が求められる。
【0066】
酸素飽和度を光吸収係数から求めるためには、2波長以上の複数の波長領域で光吸収係数を求める必要がある。ここでは、一続きの測定の波長領域を分けて解析する。本実施の形態においては、図2(a)及び(b)に示すように、周波数可変コヒーレント光源1から出力される測定光14の波長領域が800 nmの前後に及んでいる場合に、一つの領域はλsからλse(<800 nm)までで、中心波長はλc1=(λse―λs)/2、もう一つはλes(>800 nm)からλeで、中心波長λc2=(λe−λes)/2とする。それぞれの波長領域を分けて解析を行えば、それぞれの波長領域における試料7の位置zでの光吸収係数が得られる。これら2つの波長領域における光吸収係数の測定値と図8に示した光吸収係数の波長依存性から、前述の発明の原理で述べたとおりの手順で、位置zにおける酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、酸素飽和度が求められる。
【0067】
なお、ここでは、800nm付近の光源を用い、波長領域を2つに分けて解析する例を示したが、本発明は、波長領域を紫外から赤外に及ぶどの波長領域で行う場合も含み、また、波長領域の分割の数も、3つ以上の全ての数の場合を含む。
【0068】
また、図1において、参照光路は部分反射ミラー11で、試料光路と分けているが、参照光路の長さと試料光路の長さが異なっていてもよいため、図3に示すように、参照光路を試料光路と分離せず、試料光路の中に部分反射ミラー13を置いても良い。また、図3から反射ミラー13を取り去り、特に反射ミラー13を用いずに、試料の一部の強い反射光を参照光としても良い。あるいは、試料の各部分からの後方散乱光の相互干渉を用いても良い。
【0069】
さらに、別の方法として、図4のように、マッハツェンダー型干渉計を用いることもできる。
【0070】
本実施の形態を構成する光経路及び光学部品は、図1ではそれぞれの部品の機能がわかりやすいように、空気中を光線が伝播し、空気中に配置した光学素子を利用する場合を示しているが、より安定した光学系を組むためには、光ファイバー光学系の方が適している。したがって、図1において、一部または全部に光ファイバー光学系を用いても良いことはいうまでもない。
【0071】
周波数可変コヒーレント光源1としては、外部共振の半導体レーザーや、スーパールミネッセント・ダイオードのような幅広いスペクトルの光源から各種光学フィルターを用いて干渉性のよい光を取り出すなど、様々な光源が利用できる。本実施の形態においては、これらの光源、あるいはこれらを組み合わせた光源の場合など、光源の種類にはよらずに、これら全ての場合を含む。
【0072】
また、周波数可変コヒーレント光源1からの光の照射方法と検出の方法として、細い光線を試料7に照射して、1点の検出器3で受光し1次元計測し、深さ方向の1次元断層像を得、次に光線を走査して次々に1次元断層像を得て、これらを合わせて2次元断層像を得ているが、図5に示すように、光を試料に平面的に照射し、2次元検出器で受光し、2次元の検出器の各ピクセルの受光強度をそれぞれ解析し、3次元の断層像を得ても良い。
【0073】
なお、OFDR法OCT技術に関する文献としては、”Handbook of Optical Coherence Tomography” edited by B. E. Bouma and G. J. Tearney , pp. 359−384などが存在している。
【0074】
このように第1の実施の形態によれば、測定光14の光線に沿った奥行き方向の近接した2つの微小領域(または複数の微小領域を用いる場合も含める)からの後方散乱光強度を散乱を受けた場所を弁別して計測する。そして、これらの計測データから、計測した領域間にある微小領域の血液成分による光吸収の影響を評価するので、他の領域の組織の影響をほとんど受けることなく、正確にこの微小領域の血液の光吸収係数を求めることができる。
【0075】
そして、2以上の波長領域を利用して測定を行い、当該微小領域の血液による光吸収係数を求めるので、複数の波長領域で光吸収係数が求めることができ、これらの光吸収係数と、図8に示す酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの光吸収係数の波長依存性の差とを対応させることで、当該組織内の各微小領域における酸素化ヘモグロビン、還元ヘモグロビン、総ヘモグロビン量及び酸化飽和度を決定することができる。またその結果を、断層像として表示することができる。
【0076】
さらに、周波数可変コヒーレント光源1から出る光の周波数を走査して計測を行うので、本発明の実施に適した波長領域を選んで光を発振させ、発明の最適な実施を行うことができる。
【0077】
また、フーリエ解析の技法を用いて、光線上の特定の位置からの後方散乱光の強度を測定するので、参照用ミラー12を固定して計測することができ、機械的可動部を必要としないので、容易に精密な計測が可能となる。
【0078】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、光学的に、1次元、2次元または3次元で断層的に生体組織を計測する装置として、OCDR法(Optical Coherence Domain Reflectometery法)を用いる方法である。
【0079】
図6は第2の実施の形態における酸素飽和度測定装置の原理図である。
【0080】
図6に示すように、本実施の形態の酸素飽和度測定装置は、光経路及び光学部品として光ファイバーを用いた用いたものであり、短コヒーレント長光源61、光合分波器64、参照用ミラー12、光走査系62、検出器63、増幅器65、A/D変換器66、データ解析系67及び計測の対象となる試料7とからなる。
【0081】
短コヒーレント長光源61は、短いコヒーレント長(数μmから数十μm)の光を発振する。この場合、光のコヒーレント長は、短いほど計測光の分解能が高まる。
【0082】
すなわち、第2の実施の形態における酸素飽和度測定装置は、短コヒーレント長光源1から光合分波器64により分離され、さらに参照用ミラー12に反射されて再び光合分波器64を経由して検出器63に入力されるまでの参照光路の長さと、短コヒーレント長光源61から光合分波器64を透過し、光走査系62を経由して試料7に入射され、試料7で後方散乱され逆の経路をたどって光合分波器64に戻り、合波されて検出器63に入力されるまでの測定光路の長さとが一致したとき、強く光の干渉が起こるので、光合分波器64で合波された光に施されている強度変調の程度が大きくなることを利用したものである。
【0083】
つまり、参照用ミラー12の位置を変えれば、参照光路の長さが変わるので、試料7の、参照用ミラー12の変化後の位置に対応した特定の位置から後方散乱された光に対して施される変調強度の程度が大きくなる。このようにして、他の位置からの後方散乱光と弁別することができる。また、参照用ミラー12の位置を漸次移動させることにより、試料7の光線方向に沿ったあらゆる位置での後方散乱光の強度を計測することができる。
【0084】
短コヒーレント長光源61から出た光は、光合分波器64に導入され、光合分波器64により参照光13と測定光14とに分離される。参照光13は、試料の測定範囲に応じた距離範囲を参照光の光線方向に前後運動している参照用ミラー12で反射され光合分波器64に戻る。測定光14は、光走査系2を経由して試料7に入射され、試料7において入射光の光線上のあらゆる場所で後方散乱された光は逆の経路をたどって光合分波器64に戻る。戻ってきた後方散乱光と参照用ミラー12で反射された参照光13は、光合分波器64で合波され、合波された信号は干渉信号として検出器63に入力される。
【0085】
ここで、参照用ミラー12の運動パターンとしては、解析系における処理を容易なものにするために、当該距離範囲の始点から終点までを一定速度で運動した後、始点まで高速に戻るといったように、反射器が一定速度で運動する時間帯が存在するパターン(鋸歯状、三角状パターン)を用いる。
【0086】
光走査系62は、試料7に入射した測定光14の光線が一定の面をなすように、少しずつ方向をずらして測定光14を試料7に入射させるものである。このように光走査系62により測定光14の試料7への入射方向を少しずつずらし、各方向毎に入射した光線に沿った後方散乱光のデータを取得することで、取得したデータから試料7の酸素飽和度等についての断層像を得ることが出来る。
【0087】
参照光路及び試料光路を通って光合分波器64で合波された信号は検出器63で検出され、増幅器65で増幅され、A/D変換器66でデジタル信号化され、デジタル化された信号は、データとしてデータ解析系67に入力される。
【0088】
データ解析系67は、光合分波器64で合波された光に施されている強度変調の程度と参照用ミラー12の位置との対応関係を求める処理(測定光が導入されている部分の、光線方向の深さが異なるいくつかの箇所における光学特性データを求める処理)を行い、試料7の光線方向の深さに対応した形で、試料7からの後方散乱光の強度と、光線方向の深さとの関係を求める。このようにして求めた後方散乱光の強度から試料7に入射した測定光14の光線に沿った微小領域における光吸収係数を求め、その結果を記憶する。
【0089】
このように、参照用ミラー12を移動させることによって測定光14の光線に沿って後方散乱光の計測点の位置を光線方向に漸次増加させながら1次元計測を行い、入射光線を走査して、すなわち入射方向を順次変えて、得られた微小領域における光吸収係数のデータから、光吸収係数の断層像を得る。また、試料7の計測断面を少しずつずらしながら2次元計測を繰り返し、並べて表示すれば、3次元の断層像を立体的に得ることができる。
【0090】
さらに、データ解析系67は、2つの中心波長で測定を行い、各波長で試料内部の各微小領域における光吸収係数を求め、前記発明の原理で述べたとおりの手順で、この微小領域おける酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量及び酸素飽和度を決定する。
【0091】
第2の実施の形態においては、短コヒーレント長光を出す光源が使用されるが、この光源のスペクトルは、中心波長λcの約1割近くのスペクトル幅を持っており、スペクトル幅が広いほど、分解能が向上する。本実施の形態においては、例えば800nmよりも短波長(λc 1)と長波長(λc 2)の2つの中心波長で測定を行い、各波長で試料内部の各微小領域における光吸収係数を求め、この微小領域おける酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量及び酸素飽和度を決定する。
【0092】
本実施の形態においては、互いに異なる波長を中心波長とする複数の装置で、それぞれ取得したデータに基づき、微小領域における酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量及び酸素飽和度を求めても良い。
【0093】
また、装置は1台ではあるが、2以上の異なる中心波長を発生する光源を使用し、光源を順次変化して交互に行って微小領域における酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量及び酸素飽和度を求めても良い。
【0094】
さらに、1台の装置で、複数の中心波長において短コヒーレント長光を同時に発生する光源を用いて、変調周波数の違いを利用して検出系で分離して同時に計測し、微小領域における酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量及び酸素飽和度を求めても良い。
【0095】
また、本実施の形態においても、図6に示したファイバー光学を用いた方法以外に、第1の実施の形態における図1と類似のバルクオプチックスを用いる方法、図4と類似のマッハツェンダー干渉計を用いる方法、図5と類似の2次元検出器を用いる方法などが可能であることはいうまでもない。
【0096】
なお、OCDR法OCTに関する文献としては、D. Huang et al.,“Optical Coherence Tomography”、Science 1991、254、pp.1178−1181などが存在している。
【0097】
このように第2の実施の形態によれば、測定光14の光線に沿った奥行き方向の近接した2つの微小領域(または複数の微小領域を用いる場合も含める)からの後方散乱光強度を散乱を受けた場所を弁別して計測する。そして、これらの計測データから、計測した領域間にある微小領域の血液成分による光吸収の影響を評価するので、他の領域の組織の影響をほとんど受けることなく、正確にこの微小領域の血液の光吸収係数を求めることができる。
【0098】
そして、2以上の波長領域を利用して測定を行い、当該微小領域の血液による光吸収係数を求めるので、複数の波長領域で光吸収係数が求めることができ、これらの光吸収係数と、図8に示す酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの光吸収係数の波長依存性の差とを対応させることで、当該組織内の各微小領域における酸素化ヘモグロビン、還元ヘモグロビン、総ヘモグロビン量及び酸化飽和度を決定することができる。またその結果を、断層像として表示することができる。
【0099】
さらに、短コヒーレント長光源を用いるので、光源の選択範囲が広がる。また、コヒーレント長を短くすることで分解能を上げることができる。
【0100】
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態は、光学的に、1次元、2次元または3次元で断層的に生体組織を計測する装置として、SI(Spectral Interferometer)法を用いる方法である。
【0101】
図7は第3の実施の形態における酸素飽和度測定装置の原理図である。
【0102】
図7に示すように、本実施の形態の酸素飽和度測定装置は、短コヒーレント長光源71、部分反射ミラー11、光走査系72、分光系73、アレイ検出器74、増幅器75、A/D変換器76、データ解析系77及び計測の対象となる試料7とからなる。
【0103】
光源には第2の実施例と同様に短コヒーレント長光源71を用いる。短コヒーレント長光源71から出た光は、部分反射ミラー11を透過して、測定光14として光走査系72を経由して試料7に入射される。測定光14は、試料7において入射光の光線上のあらゆる場所で後方散乱され、逆の経路をたどって部分反射ミラー11に戻る。戻ってきた後方散乱光は部分反射ミラー11で反射され、分光系73に入力される。
【0104】
光走査系72は、試料7に入射した測定光14の光線が一定の面をなすように、少しずつ方向をずらして測定光14を試料7に入射させるものである。このように光走査系2により測定光14の試料7への入射方向を少しずつずらし、各方向毎に入射した光線に沿った後方散乱光のデータを取得するこので、取得したデータから試料7の酸素飽和度等についての断層像を得ることが出来る。
【0105】
短コヒーレント長光は、波長の広がりを持った光であるので、分光系73にて分光すると帯状のスペクトルが観測できる。分光系73で分光された光をアレイ検出器74に当て、同時にスペクトルの全体を計測する。アレイ検出器74の各素子の受光した信号を増幅器75、A/D変換器76を経由してデータ解析系77に転送する。
【0106】
データ解析系77は、第1の実施の形態と同様の手順で、得られたデータをフーリエ解析し、試料7に入射した測定光14の光線に沿った微小領域における光吸収係数の断層像を得る。
【0107】
さらに、2波長以上の波長領域で測定を行い。次々に1次元計測を繰り返して2次元計測を行うことにより、酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量及び酸素飽和度についての断層像を得る。また、試料7の計測断面を少しずつずらしながら2次元計測を繰り返し、並べて表示すれば、3次元の断層像を立体的に得ることができる。
【0108】
なお、図7に点線で示すように、参照用ミラー12を追加し参照光路を用い、ヘテロダイン効果によって信号強度を向上してもよい。
【0109】
また、OFDR法OCT技術に関する文献としては、”Handbook of Optical Coherence Tomography” edited by B. E. Bouma and G. J. Tearney , pp. 359−384などが存在している。
【0110】
このように第3の実施の形態によれば、測定光14の光線に沿った奥行き方向の近接した2つの微小領域(または複数の微小領域を用いる場合も含める)からの後方散乱光強度を散乱を受けた場所を弁別して計測する。そして、これらの計測データから、計測した領域間にある微小領域の血液成分による光吸収の影響を評価するので、他の領域の組織の影響をほとんど受けることなく、正確にこの微小領域の血液の光吸収係数を求めることができる。
【0111】
そして、2以上の波長領域を利用して測定を行い、当該微小領域の血液による光吸収係数を求めるので、複数の波長領域で光吸収係数が求めることができ、これらの光吸収係数と、図8に示す酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの光吸収係数の波長依存性の差とを対応させることで、当該組織内の各微小領域における酸素化ヘモグロビン、還元ヘモグロビン、総ヘモグロビン量及び酸化飽和度を決定することができる。またその結果を、断層像として表示することができる。
【0112】
さらに、異なる複数の中心波長を持つ短コヒーレント長光源から同時に発生される光は、すべて分光系で同時分解できるため、異なる波長での奥行き方向の断層像が、同時に測定できる。
【0113】
【発明の効果】
上記のように、本発明に係る酸素飽和度測定方法及び酸素飽和度測定装置によれば、測定する組織を1000μm以下の例えば数μmから数十μm程度の小さな領域に区分して、区分された微小領域の酸素化ヘモグロビン濃度、還元ヘモグロビン濃度、酸素飽和度を決定することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における酸素飽和度測定装置の原理図である。
【図2】図2(a)は、測定光の周波数を変えて得た後方散乱光強度のデータを示す図である。図2(b)は、これをフーリエ解析して得た後方散乱光強度のデータを示す図である。
【図3】試料光路の中に部分反射ミラー13を置いた酸素飽和度測定装置の原理図である。
【図4】マッハツェンダー型干渉計を用いた酸素飽和度測定装置の原理図である。
【図5】光を試料に平面的に照射する酸素飽和度測定装置の原理図である。
【図6】第2の実施の形態における酸素飽和度測定装置の原理図である。
【図7】第1の実施の形態における酸素飽和度測定装置の原理図である。
【図8】光の波長に対する酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの光吸収係数との関係を示す図である。
【図9】生体組織中に含まれる水による光吸収係数を表す図である。
【図10】図10(b)は経皮的酸素飽和度濃度測定装置の原理図である。図10(a)は、パルスオキシメトリーの原理図である。
【図11】パルスオキシメトリーで計測したときの計測データの一例である。
【図12】微小領域における光吸収係数の計測原理を示す図である。
【符号の説明】
1 周波数可変コヒーレント光源
2 光走査系
3 検出器
4 増幅器
5 A/D変換器
6 データ解析系
7 試料
11 部分反射ミラー
12 参照用ミラー12
13 参照光
14 測定光
Claims (6)
- 相異なる2つ以上の波長領域の光線を血液成分を有する組織に照射し、光線に沿った領域において、照射した光線の後方散乱光の強度を光線方向に1〜1000ミクロン程度の微小領域に弁別して計測するステップと、
前記相異なる2つ以上の波長領域の光線について計測した、光線方向における前記微小領域の前後の微小領域からの後方散乱光の強度から、前記微小領域における光の吸収係数を各波長領域毎に求めるステップと、
前記微小領域における光吸収係数値から、酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとでは光吸収係数の波長依存性が異なることを利用し、前記微小領域における酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量又は酸素飽和度の少なくとも1つを求めるステップと、
を有することを特徴とする酸素飽和度測定方法。 - 相異なる2つ以上の波長領域の光線を用いて、各波長領域ごとに個別に得られた血液成分を有する組織の断層画像データを解析し、前記血液成分を有する組織の特定の微小領域の光線方向における前後の微小領域からの後方散乱光の強度から、前記微小領域における光の吸収係数を各波長領域毎に求めるステップと、
前記微小領域における光吸収係数値から、酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとでは光吸収係数の波長依存性が異なることを利用し、前記微小領域における酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量又は酸素飽和度の少なくとも1つを求めるステップと、
を有することを特徴とする酸素飽和度測定方法。 - 相異なる2つ以上の波長領域の光線を血液成分を有する組織に照射し、光線に沿った領域において、照射した光線の後方散乱光の強度を光線方向に1〜1000ミクロン程度の微小領域に弁別して計測する後方散乱光強度計測手段と、
前記反射光強度計測手段により相異なる2つ以上の波長領域の光線について計測した、光線方向における前記微小領域の前後の微小領域からの後方散乱光の強度から、前記微小領域における光の吸収係数を各波長領域毎に求める光吸収係数算出手段と、
前記光吸収係数算出手段により求めた前記微小領域における光吸収係数値から、酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとでは光吸収係数の波長依存性が異なることを利用し、前記微小領域における酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量又は酸素飽和度の少なくとも1つを算出する酸素飽和度等算出手段と、
を有することを特徴とする酸素飽和度測定装置。 - 前記酸素飽和度等算出手段により求めた酸素化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量、総ヘモグロビン量又は酸素飽和度の少なくとも1つを、前記血液成分を有する組織における断層像として表示する断層像表示手段を有することを特徴とする請求項3に記載の酸素飽和度測定装置。
- 測定する試料の光線方向の長さに比べて長いコヒーレント長を有する光を発生し、その波長を連続的または離散的に変化させる手段を有する光発生手段と、
前記光発生手段からの光を導く光路長の異なる参照光路と試料光路の2つの光路と、
前記参照光路を経由した光と前記試料光路におかれた試料から散乱された光とを合波する光合波手段と、
前記光合波手段によって合波された光の強度を検出する光強度検出手段と、
前記光強度検出手段により得られた光強度信号を解析し当該試料光路におかれた試料の光線上の微小領域毎に光吸収係数を得る信号解析手段と、
を用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の酸素飽和度測定方法。 - 測定する試料の光線方向の長さに比べて長いコヒーレント長を有する光を発生し、その波長を連続的または離散的に変化させる手段を有する光発生手段と、
前記光発生手段からの光を導く光路長の異なる参照光路と試料光路の2つの光路と、
前記参照光路を経由した光と前記試料光路におかれた試料から散乱された光とを合波する光合波手段と、
前記光合波手段によって合波された光の強度を検出する光強度検出手段と、
前記光強度検出手段により得られた光強度信号を解析し当該試料光路におかれた試料の光線上の微小領域毎に光吸収係数を得る信号解析手段と、
を用いることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の酸素飽和度測定装置。
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