【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体露光装置、工作機械、OA機器など高速、高精度の位置、速度制御が求められる分野において、可動体の弾性振動が制御精度に影響を与える場合の弾性振動の制御方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】
可動体の弾性振動を抑制するための従来の技術として、例えば特開平05−225734「磁気ディスク装置」(以下、引例1)がある。本例では、磁気ディスクのスプリングアームに弾性振動の駆動用と弾性振動の検出用に圧電素子を設け、さらに、この圧電素子間に接続する抵抗と、この抵抗の抵抗値を変化させる制御回路を具備する。そして、アームを大きく回転移動させるシーク時と、微小移動させるオントラック時で前記の抵抗値を切り替える。これによって、シーク時はスプリングアームの弾性振動を抑え、オントラック時はスプリングアームを弾性部材として用いる方法を提案している。
【0003】
また、可動体の弾性振動ではないが、梁の弾性振動を抑制する手法として、例えば「圧電フィルムによるはり振動の検出と制御」(日本機械学会論文集C編63巻615号、以下、引例2)などの文献がある。この例でも梁の両面に、前記引例1と同様に圧電素子を貼り付け、検出用の圧電素子の電圧を増幅し、駆動用の圧電素子に入力する方法により梁の弾性振動を抑圧している。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】
引例1および引例2においては、弾性体の弾性振動を検出し、その計測値を弾性振動の駆動手段にフィードバックすることで弾性振動を抑圧する手法を提案している。従って、これらの方法では、フィードバック・ループのゲインをどれだけ高くとれるかにより、減衰特性が決まる。引例1の方式では電力を供給するアンプがないため、あまり高い減衰特性を得ることはできない。また、引例2の手法でも、弾性体に対して圧電素子を貼る位置、圧電素子の特性等により実現可能なフィードバック・ループのゲインには限界があり、得られる減衰性には限界がある。このように、フィードバック制御による減衰性能の改善には、安定性に伴う限界が存在し、必ずしも必要な減衰性能を得られない場合がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記引例の手法はいずれもフィードバック系により振動を抑制する手法である。制御の分野では、応答性を高めるための手法としてフィードフォワード制御が有効であることが知られている。本願はフィードフォワード制御を用いて弾性振動の速やかな抑圧を実現することを目的とする。
【0006】
本発明では、可動体を移動するための外力の大きさ、方向、および可動体への作用点が予め分かっている場合、その力の大きさと可動体への作用位置、可動体の材質等をもとに、可動体の弾性変形を抑える内力を決定し、内力の発生手段に指令する。これによって可動体の弾性振動を抑圧することが可能になる。
【0007】
可動体の弾性振動を抑圧するため、本願では、図1に示すような構成を提案する。可動体1に内力を発生する弾性振動駆動手段2を取り付ける。そして、その弾性振動駆動手段2に発生させる力の大きさは、可動体を移動させる外力を発生する剛体駆動手段への駆動指令値から計算することを特徴とする。
【0008】
このような構成により、外力が印加されると、その外力による変形を、即座に、抑制するフィードフォワード制御が可能になる。このような応答性の高い系を構成することにより、可動体に加えられる外力による弾性変形は小さく抑えることが可能になる。その結果、弾性変形による弾性振動も大幅に低減することが可能になる。また、このような弾性振動を抑圧する構成を内部にもつ、位置制御系を外部に構成することにより、高速かつ高精度な位置制御系を構成することも可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施例1
図7は本願の基本的な構成を示す図1の実施例である。図7で可動体1はステージである。ステージ1はX方向に長い梁構造をしているものとする。このステージの中央下部に剛体駆動手段3であるリニアモータの可動子32と固定子31およびリニアモータに電力を供給するアンプ33を接続し、Z方向に力を発生させるものとする。また、ステージ下部の左右にはステージ重量を鉛直方向(Z方向)に支えるばね25a、25bがある。一方、ステージの上面には弾性振動を抑制するための圧電素子21が貼り付けられているものとする。また圧電素子には圧電素子に電力を供給するアンプ22が接続されている。この圧電素子21およびアンプ22が、図1における弾性振動駆動手段2に相当する。このような系で、リニアモータへの駆動指令値80を指令すると、リニアモータはZ方向にステージ1を移動する外力30を発生し、ステージはZ方向に移動するとともに、主に鉛直方向に弾性振動を発生する。図8(a)は、図7の構成で例えば駆動指令値40を切断してフィードフォワード補償を行わない場合のステージの左右の端のZ方向への振動を表示したものである。ここでz1はステージの左端、z2は右端の速度を表示したものである。一方図8(b)はフィードフォワード補償を行った場合の同じ位置の振動を表示したものである。両者を比較すると、フィードフォワード補償により振動は、ほぼ1/20に振動が減少している。以上のように、本願の構成により、本願の構成を用いない場合に比べ、弾性振動を小さく抑制したままで移動が可能になる。
【0010】
実施例2
実施例1で示した図1の構成は可動体の駆動指令値80に対して発生する弾性振動を抑圧することができるが、他の外乱要因により、可動体に力が加えられた場合の弾性振動は、抑圧することができない。このような場合、図2の構成が有効である。図2の構成で示された弾性振動測定手段5により弾性振動を測定し、弾性振動制御手段6を介して弾性振動駆動手段2によって可動体に内力20を印加することにより、弾性振動を抑圧することが可能になる。
【0011】
図9は、図2の構成(特許請求範囲2)の実施例を示したものである。これは図7のステージに弾性振動計測手段5である圧電素子51を、弾性振動駆動手段2の圧電素子21に重ねて付着し、弾性振動計測手段5の計測値50を弾性振動制御手段6にフィードバックし、弾性振動制御手段6の弾性振動駆動指令値60と弾性振動補償器4の出力値40の和を弾性振動駆動手段2である圧電素子21のアンプ22に指令する。このような構成により、ステージがリニアモータにより駆動される場合の外力と、それ以外の外乱により印加される外力の両方の外力に対して弾性振動を抑圧することが可能になる。
【0012】
実施例3
図3は本願を位置制御系に応用した場合の構成を示す図である。図1の構成の外部に、可動体の剛体位置指令値生成手段9と、可動体の位置を計測する手段7と、目標位置指令値90と計測位置70から剛体駆動手段3への駆動指令値80を生成する剛体振動制御手段8を付加することにより、可動体1の位置を精密に制御することができる。
【0013】
図10は、図7のステージ制御系に対して位置制御系を付加した場合の実施例である。ステージ1のZ方向の位置は、外部基準から例えばレーザ干渉計、リニアエンコーダ等を用いて計測される。この計測位置70と、ステージ位置指令値生成手段9が生成した目標位置指令値90から剛体振動制御手段8は剛体駆動信号80を出力する。剛体駆動信号80は剛体駆動手段であるリニアモータの電力増幅アンプ33と、弾性振動補償器4に入力される。電力増幅アンプ33で増幅された電流がリニアモータの固定子31であるコイルに印加され、可動子32である永久磁石との相互作用により外力がステージに加えられ、Z方向に移動する。また、弾性振動補償器4は、前記のリニアモータによりステージに加えられる外力によって引き起こされるステージの弾性振動を推定し、弾性振動を抑圧するための内力を求め、弾性振動駆動手段である圧電素子21に電力を供給するアンプ22に駆動指令値40を出力する。このような構成により、ステージ1は弾性振動を小さく抑制した状態で、リニアモータにより剛体位置を制御することが可能になる。
【0014】
本願の弾性振動を抑圧する構成をもたない位置制御系では、リニアモータによる駆動力は、ステージの剛体位置を変化させると同時に、ステージの弾性振動も引き起こすため、剛体位置の制御ループの制御帯域は、弾性振動による共振周波数により制約を受ける。このため、高精度な制御を実現することが困難になる。しかし、本願の図4のような系を構成することにより、弾性振動を抑圧することが可能になるため、位置制御系のゲインを高く制御することが可能になり、高速、高精度の位置制御系を実現できる。
【0015】
実施例4
実施例3と同様に、図2の構成の外部に位置制御系を付加することにより、図4のような位置制御系を構成できる。図4の系は、弾性振動計測手段5により弾性振動50を検出して、弾性振動制御手段6を介して弾性振動駆動手段2にフィードバックする制御ループがある。このため、図4の系は、図3の系に比べ、外乱により励起される弾性振動を抑圧する性能の高い位置制御系が実現できる。
【0016】
実施例5
実施例3、4の構成においては、弾性振動補償器4への駆動指令値は剛体駆動手段3への駆動指令値80を用いた、この構成では、実際に可動体に印加される力に近い値を用いているため、弾性振動補償器4の生成する補正値40を正確に求めることが可能である。しかし、この構成では系が不安定になる可能性がある。その理由を実施例3の構成を示す図3を用いて以下に説明する。
【0017】
図3において位置制御系の信号の流れは次のようになる。剛体位置指令値生成手段9が生成する位置指令値90と、剛体振動測定手段7により計測された可動体位置70から剛体振動制御手段8は剛体駆動手段3への駆動指令値80を決定する。駆動指令値80は剛体駆動手段3に入力され外力30が発生し、可動体1を移動させる。このような位置制御系本来の信号のループをループ1と呼ぶことにする。
【0018】
一方、可動体剛体振動制御手段8の出力する指令値80は、弾性振動補償器4にも入力され補正値40を出力する。補正値40は弾性振動駆動手段2に入力され、内力20を発生し、可動体1に弾性変形を引き起こす。このとき、可動体1が弾性変形する結果、剛体振動計測手段7には可動体1の剛体振動のみならず、弾性振動も重なった信号が計測される。計測値70は剛体振動制御手段8に入力され、駆動指令値80を出力する。駆動指令値80は弾性振動補償器4に入力される。このような、副次的なループをループ2と呼ぶことにする。このループ2とループ1が干渉し安定性を損なう場合があり、最悪の場合には系が不安定になる。この問題は実施例4の系でも起こり得る。実施例4の系では、弾性振動計測手段5の計測する弾性変形が弾性振動制御手段6を介して弾性振動駆動手段2にフィードバックするループ3も存在するため、安定性の問題はより複雑である。
【0019】
このように、実施例1の構成の外部に位置制御系を付加した場合には、制御系の安定性の問題が発生する可能性がある。この問題を回避する方法として、図5の構成を提案する。
【0020】
図5では弾性振動補償器4への入力に、剛体振動制御手段8の駆動信号80を用いる代わりに、位置指令値生成手段9に目標位置指令値90に対応する加速度信号91を生成する機能を持たせ、その加速度信号91を目標変換手段93に入力し、目標駆動力92を生成し、弾性振動補償器4の入力とする。ここで、目標変換手段93は剛体への目標加速度91から、剛体駆動手段3が発生するべき力を推定する機能をもつ。目標変換手段93は実施例3の1自由度系では加速度信号91に可動体1の質量を乗ずるだけでよいが、実施例7のような多自由度の系では、剛体への位置に対する指令値から、剛体駆動手段が実際発生する駆動力を推定する演算を行う必要がある。
【0021】
駆動信号80と目標駆動力92は本来異なる値であるが、以下のような条件のもとにはよく似た値になる。
▲1▼可動体に接続する他の部材との結合剛性が低い。
▲2▼可動体を制御する制御系の応答性が十分高い。
例えば、図10の構成では、可動体1を支えるばね23a、23bの剛性を十分低くし、位置制御系の応答性を十分高く設定できるとき、可動体に印加される力は、目標位置指令値に対応する加速度に可動体の質量を掛けた加速力とほぼ一致するため、駆動信号80の代わりに、目標駆動力92を代用可能である。
【0022】
実施例6
一般に重力の働く状態では、可動体の重量を支えるために、何らかのばねにより可動体を支持することが一般的である。例えば実施例1の図7においてもステージの下部にばねを配置している。このような場合、ばねの剛性が高いと、弾性振動がこのばねの影響を大きく受け、弾性振動補償器の補正値の決定が困難になる。従って、この重力を補正するばねの剛性を可能な限り柔らかくすることにより、弾性振動の抑圧性能の高い系を実現できる。また、実施例5で説明した構成に対しても、ばねが柔らかいほど駆動指令値80と目標駆動力92は近い値になるため、弾性振動の抑圧性能の高い系が実現できる。
【0023】
実施例7
図11にはステージの姿勢をステージ重心位置を基準とするZ、X、Θyの3自由度で制御する場合の構成を示す。ステージの剛体3自由度の姿勢を制御するため、ステージにはX方向1個、Z方向2個のリニアモータを付加し、これら3つの力を制御する。リニアモータ1は固定子31a、と可動子32aより構成され、X方向への推力Fxを発生する。またリニアモータ2、3は、各々固定子31b,31c、と可動子32b,32cより構成され、Z方向への推力Fz1、Fz2を発生する。。このときは制御対象である可動体1には複数の方向から外力が印加されることになるため、弾性振動はより発生し易くなる。このとき、弾性振動補償器4は、3個の剛体駆動手段3への3個の駆動指令値から弾性振動駆動手段への駆動指令値を生成することになる。
【0024】
図11で駆動信号80は1本の線で表示してあるが、実際はZ、X、Θy方向の3自由度の駆動力を発生させるために、3個リニアモータが発生すべき力を表すベクトルである。例えば(Fz1,Fx,Fz2)のように表示される。弾性振動補償器4はこれらの力がステージ1に印加された場合の弾性振動を推定し、弾性1次振動モードを抑圧するのに適当な内力を求め、弾性振動駆動手段2である圧電素子21およびそれに電力を供給するアンプ22に指令する。
【0025】
実施例8
実施例1、実施例2などではX方向に長い梁上のステージの中央に1個、弾性振動駆動手段2に相当する圧電素子21を貼り付けて弾性振動を制御する方法を示した。梁の弾性振動モードは無限に高い次数の弾性モードをもつが、多くの場合、実際に問題となる振動モードは低い方のいくつかである。図13に梁の低次の弾性振動モードを示す。図13(a)、図13(b)、図13(c)は順に梁の弾性振動モードの低い方から1次、2次、3次のモードである。梁の中央に弾性振動駆動手段2を貼り付けた場合、抑圧可能な弾性振動モードは1次のみで、3次にも多少の減衰効果がある。制御対象に複数個の弾性振動加振手段2を設けることにより、複数の弾性振動モードを抑圧することが可能になる。例えば、図12のように梁の長手方向の3分の1の部分3箇所に弾性振動駆動手段2である圧電素子21a、21b、21cを貼り付けることにより、2次および3次の弾性振動モードも抑圧することが可能になる。図13のステージの位置制御系では、ステージの剛体位置を制御するため、剛体振動駆動手段3として、X方向1個、Z方向に2個のリニアモータを用いている。このため、弾性振動モードとして、1次だけでなく、2次、3次のモードも励振されやすい。弾性振動補償器4は3個のリニアモータへの駆動指令80から、弾性振動駆動手段2である3個の圧電素子への指令値を決定する。
【0026】
実施例9
可動体の特定の位置に特定の力が印加された場合に発生する内力による弾性変形を、他の位置に貼り付けられた駆動手段の内力で打ち消す値を計算することは、可動体の形状、拘束条件が単純な場合には比較的容易であるが、形状、拘束条件が複雑な場合には、計算が困難である。弾性振動補償器4は印加される外力とその外力による弾性変形を打ち消す内力を求める必要がある。弾性振動補償器4の構成は、単純な比例定数で実現可能な場合もあるが、式の決定が困難な場合もある。このような場合、実験あるいはFEM解析を用いて予めその値、式を求めテーブルとして計算機に記憶させて、弾性振動補償器4を実現する方法が有効である。
【0027】
実施例10
実施例5で説明した通り、図3および図4の構成では、系が不安定になる場合がある。実施例5では、この問題への解決策として、弾性振動駆動手段2への指令値として、系の内部信号である剛体振動制御手段8の出力80の代わりに、剛体位置指令値生成手段9の生成する目標駆動力92を代用する方式を提案した。
【0028】
一方、実施例3、4のように、剛体振動制御手段8の出力80を用いたままで系の安定化を図る方法として、例えば高周波遮断フィルタのような動特性を有する補償器を挿入する方法が有効である。実施例5で示したループ1、ループ3の本来の目的とする特性を変えないためには、補償器を挿入する位置として、弾性振動補償器4に直列に入れるのが適当である。
【0029】
実施例11
弾性振動駆動手段2は可動体1に内力を加え弾性変形を引き起こすことが目的である。このため力を発生する手段としては、リニアモータ等の電磁力を使うことも可能であるが、圧電素子がもっとも適当である。本発明の応用では弾性体に変形を発生させることが目的である。従って、変位は小さくてもよいが、大きな力を発生する必要がある。リニアモータに大きな力を発生させるためには大きな電流を流す必要があり、この場合、発熱が大きくなるなどの問題がある。もちろん用途によっては弾性振動駆動手段としてリニアモータ等の電磁力を発生する素子を用いることも可能である。
【0030】
実施例12
ここでは本願の構成図4を半導体露光装置のウエハステージに適用した場合の実施例を示す。図14(a)は本願を適用した半導体露光装置の構成概略図である。また、図14(b)はチルトステージの詳細を示す。なお、以下では基準座標系に対する並進3軸(X,Y,Z)と並進3軸の各軸周りの回転3軸(θx、θy、θz)を合わせて6自由度位置と呼ぶことにする。この例を用いて、高速・高精度の位置制御系の構成とその動作を説明する。
【0031】
図14(a)において、41は定盤で、床49からダンパ47aを介して支持されている。43はYステージで、定盤41に固定された固定ガイド42に沿ってY方向に推力を発生するYリニアモータ34により、定盤41の基準面上をY方向に移動可能である。定盤41および固定ガイド42とYステージ43との間は静圧軸受であるエアパッド44a、44bを介してエアで結合されており非接触である。Yステージ43はX方向のガイドを備えており、Yステージに搭載されたXステージ45をX方向に案内する。また、Yステージ43にはX方向に力を発生するXリニアモータ固定子が設けられ、Xステージに設けられたXリニアモータ可動子と共に、Xステージ45をX方向に駆動させる。定盤41及びXガイドとXステージ45との間は静圧軸受であるエアパッド44cを介してエアで結合されており、非接触である。
【0032】
Xステージ45にはチルトステージ12が搭載されている。なお、ここでは、ステージ基板(天板)、レーザ干渉計用のミラー、微動用のリニアモータなどを含めた全体をチルトステージ12と呼ぶ。チルトステージ12にはウエハチャックを備えたステージ基板11があり、被露光体であるウエハ13を保持する。また、ステージ基板上にはステージの鏡筒定盤48を基準とした6軸方向の位置計測に用いる計測ミラー72a、bが設けられる。鏡筒定盤48は床49から支柱46にダンパ47bを介して支持される。鏡筒定盤48側にはレーザ干渉計71が設けられる。図14(a)では、チルトステージのX方向、Z方向位置を計測するレーザ干渉計71a、71cのみ示しているが、チルトステージの6軸剛体位置を計測するため、最低6個のレーザ干渉計が設けられている。また、Xステージ、Yステージの位置計測のためにも別途レーザ干渉計が用意されているものとする。本実施例では、チルトステージは6軸微動ステージである。Xステージ、Yステージは粗動ステージとして動作する。すなわちX、Yは精度は高くないが、大きなストロークと移動することが目的であり、高精度な動作はチルトステージが行う。
【0033】
図14(b)はチルトステージの詳細を示す。図14(b)の上段、下段は各々チルトステージの側面と裏面である。32a〜fはチルトステージを駆動するリニアモータである。32a〜dは水平方向の力を発生し、32e〜fは垂直方向の力を発生する。チルトステージ12はこれらのリニアモータ32a〜fによる推力で水平3軸方向(X,Y,Z)の移動と3軸(θx、θy、θz)方向の回転を行い6軸剛体振動を制御する。また、ステージ基板11を曲げるように力を発生する弾性駆動駆動手段2として圧電素子21a〜dを接続する。また、その駆動用圧電素子21の隣に、曲げ歪を計測する弾性振動計測手段5として圧電素子51a〜dを接続する。6a〜dは各々前記計測手段51a〜dの計測速度を入力とし、その値をもとに、駆動手段21a〜dの発生力を決定する。
【0034】
X,Yステージの位置決め、および、チルトステージの6軸方向への位置決めは各軸にサーボ系を構成することにより達成される。X、Yステージは、レーザ干渉計の位置情報をもとにステージのX方向、Y方向のアクチュエータであるX方向のリニアモータとY方向のリニアモータへの駆動指令値を演算し、各々Xステージ、Yステージを駆動する。また、チルトステージは剛体6軸方向の位置を制御するため、別途、位置制御系が構成される。
【0035】
図4はチルトステージ側の制御系の構成を示す。ステージの位置指令値生成手段9はチルトステージの6軸の目標位置指令90を生成する。この指令値のX、Y成分は、前記のX、Yステージの指令値としても用いられる。目標位置指令90と、レーザ干渉計71により計測されたチルトステージの6軸計測信号70a〜eから剛体振動制御手段8は、剛体振動駆動手段3であるリニアモータ32a〜fへの指令値80を決定する。一方、本願の特徴である弾性振動補償器4は剛体振動制御手段8の出力する駆動信号80を用いて、ステージ基盤11の弾性変形を抑えるように弾性振動駆動手段21に指令値を出力する。また、弾性振動制御手段6は、前述したように、弾性振動の速度成分をフィードバックすることで天板の弾性振動の減衰性が高めることができる。これらの弾性振動を制御する要素の効果により、チルトステージ駆動時の弾性振動が効果的に抑圧できるため、チルトステージの剛体振動を制御する位置制御系は高いサーボ帯域を実現でき、その結果チルトステージの制御精度を向上させることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、弾性振動を制御することにより、従来より高速かつ高精度に可動体の移動が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の基本構成を示す図である。
【図2】本願の第2の構成を示す図である。
【図3】本願の第3の構成を示す図である。
【図4】本願の第4の構成を示す図である。
【図5】本願の第5の構成を示す図である。
【図6】本願の第6の構成を示す図である。
【図7】実施例1の構成を示す図である。
【図8】実施例1の構成における弾性振動の抑圧効果を示す図である。
【図9】実施例2の構成を示す図である。
【図10】実施例3の構成を示す図である。
【図11】実施例4の構成を示す図である。
【図12】実施例5の構成を示す図である。
【図13】梁の弾性振動モードを示す図である。
【図14】実施例12の構成を示す図である。
【符号の説明】1:可動体、ステージ、2:弾性振動駆動手段、20:内力、21、21a〜21d:駆動用圧電素子、22:圧電素子アンプ、25、:25a、25b重力支持ばね、3:剛体駆動手段、30:外力、31、31a〜31f:リニアモータ固定子、32、32a〜32f:リニアモータ可動子、33:リニアモータ・アンプ、4:弾性振動補償器、40:駆動指令値、5:弾性振動計測手段、50:弾性振動測定値、51、51a〜51d:弾性振動測定用圧電素子、6、6a〜6d :弾性振動制御手段、60:弾性振動駆動指令値、7:剛体振動計測手段、70、70a〜70f:剛体振動測定値、8:剛体振動制御手段、80:駆動指令値、9:剛体位置指令値生成手段、90:目標指令値、91:加速力指令値、92:目標駆動力、93:目標変換手段、10:フィルタ。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method of controlling elastic vibration in a case where high-speed, high-precision position and speed control is required, such as in a semiconductor exposure apparatus, a machine tool, and OA equipment, when elastic vibration of a movable body affects control accuracy.
[0002]
[Prior art]
As a conventional technique for suppressing elastic vibration of a movable body, there is, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 05-225734 “Magnetic Disk Device” (hereinafter referred to as Reference 1). In this example, a piezoelectric element is provided on a spring arm of a magnetic disk for driving elastic vibration and detecting elastic vibration, and a resistor connected between the piezoelectric elements and a control circuit for changing the resistance value of the resistor are provided. Have. Then, the resistance value is switched between a seek operation in which the arm is largely rotated and an on-track operation in which the arm is slightly moved. Thus, a method has been proposed in which the elastic vibration of the spring arm is suppressed during seeking and the spring arm is used as an elastic member during on-track.
[0003]
As a technique for suppressing the elastic vibration of the beam, not the elastic vibration of the movable body, for example, “Detection and control of beam vibration using a piezoelectric film” (Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers, Vol. 63, No. 615, hereinafter referred to as Reference 2) ). Also in this example, the piezoelectric elements are attached to both surfaces of the beam in the same manner as in Reference 1, and the voltage of the piezoelectric element for detection is amplified, and the elastic vibration of the beam is suppressed by inputting the voltage to the piezoelectric element for driving. .
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
References 1 and 2 propose a method of detecting elastic vibration of an elastic body and suppressing the elastic vibration by feeding back the measured value to an elastic vibration driving unit. Therefore, in these methods, the attenuation characteristic is determined by how high the gain of the feedback loop can be set. In the method of Reference 1, there is no amplifier for supplying power, so that a very high attenuation characteristic cannot be obtained. Also in the method of Reference 2, there is a limit to the gain of the feedback loop that can be realized due to the position where the piezoelectric element is attached to the elastic body, the characteristics of the piezoelectric element, and the like, and there is a limit to the attenuation obtained. As described above, the improvement of the damping performance by the feedback control has a limit associated with stability, and a necessary damping performance may not always be obtained.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
Each of the above cited methods is a method of suppressing vibration by a feedback system. In the field of control, it is known that feedforward control is effective as a technique for improving responsiveness. It is an object of the present application to realize quick suppression of elastic vibration using feedforward control.
[0006]
In the present invention, when the magnitude and direction of the external force for moving the movable body and the point of action on the movable body are known in advance, the magnitude of the force and the position of action on the movable body, the material of the movable body, and the like are determined. Based on this, the internal force for suppressing the elastic deformation of the movable body is determined, and a command is issued to the internal force generating means. This makes it possible to suppress elastic vibration of the movable body.
[0007]
In order to suppress the elastic vibration of the movable body, the present application proposes a configuration as shown in FIG. An elastic vibration driving means 2 for generating an internal force is attached to the movable body 1. The magnitude of the force generated by the elastic vibration driving means 2 is calculated from a drive command value to a rigid driving means for generating an external force for moving the movable body.
[0008]
With this configuration, when an external force is applied, feedforward control that immediately suppresses deformation due to the external force becomes possible. By configuring such a highly responsive system, elastic deformation due to external force applied to the movable body can be reduced. As a result, elastic vibrations due to elastic deformation can be significantly reduced. In addition, a high-speed and high-accuracy position control system can be configured by externally configuring a position control system having such a configuration for suppressing elastic vibration.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Example 1
FIG. 7 is an embodiment of FIG. 1 showing a basic configuration of the present invention. In FIG. 7, the movable body 1 is a stage. The stage 1 has a beam structure that is long in the X direction. A mover 32 of a linear motor, which is a rigid driving means 3, a stator 31 and an amplifier 33 for supplying power to the linear motor are connected to a lower portion of the center of the stage, and a force is generated in the Z direction. Further, springs 25a and 25b supporting the stage weight in the vertical direction (Z direction) are provided on the left and right of the lower part of the stage. On the other hand, it is assumed that a piezoelectric element 21 for suppressing elastic vibration is attached to the upper surface of the stage. An amplifier 22 for supplying power to the piezoelectric element is connected to the piezoelectric element. The piezoelectric element 21 and the amplifier 22 correspond to the elastic vibration driving means 2 in FIG. In such a system, when a drive command value 80 to the linear motor is commanded, the linear motor generates an external force 30 for moving the stage 1 in the Z direction, and the stage moves in the Z direction, and the elastic force mainly moves in the vertical direction. Generates vibration. FIG. 8A shows the vibration in the Z direction of the left and right ends of the stage when the drive command value 40 is cut off and the feedforward compensation is not performed in the configuration of FIG. Here, z1 indicates the speed at the left end of the stage, and z2 indicates the speed at the right end. On the other hand, FIG. 8B shows the vibration at the same position when the feedforward compensation is performed. Comparing the two, the vibration is reduced to almost 1/20 by the feedforward compensation. As described above, according to the configuration of the present application, it is possible to move while suppressing the elastic vibration to be small as compared with the case where the configuration of the present application is not used.
[0010]
Example 2
The configuration of FIG. 1 shown in the first embodiment can suppress the elastic vibration generated with respect to the drive command value 80 of the movable body, but the elasticity when the force is applied to the movable body due to other disturbance factors. Vibration cannot be suppressed. In such a case, the configuration of FIG. 2 is effective. The elastic vibration is measured by the elastic vibration measuring means 5 shown in the configuration of FIG. 2, and the internal vibration 20 is suppressed by applying an internal force 20 to the movable body by the elastic vibration driving means 2 via the elastic vibration control means 6. It becomes possible.
[0011]
FIG. 9 shows an embodiment of the configuration of FIG. 2 (Claim 2). In this case, a piezoelectric element 51 as the elastic vibration measuring means 5 is attached to the stage shown in FIG. Feedback is performed, and the sum of the elastic vibration drive command value 60 of the elastic vibration control means 6 and the output value 40 of the elastic vibration compensator 4 is commanded to the amplifier 22 of the piezoelectric element 21 which is the elastic vibration drive means 2. According to such a configuration, it is possible to suppress the elastic vibration against both the external force when the stage is driven by the linear motor and the external force applied by other disturbances.
[0012]
Example 3
FIG. 3 is a diagram showing a configuration when the present application is applied to a position control system. A rigid body position command value generating means 9 for the movable body, a means 7 for measuring the position of the movable body, a drive command value from the target position command value 90 and the measurement position 70 to the rigid body driving means 3 outside the configuration of FIG. By adding the rigid body vibration control means 8 for generating 80, the position of the movable body 1 can be precisely controlled.
[0013]
FIG. 10 shows an embodiment in which a position control system is added to the stage control system of FIG. The position of the stage 1 in the Z direction is measured from an external reference using, for example, a laser interferometer, a linear encoder, or the like. The rigid body vibration controller 8 outputs a rigid body drive signal 80 based on the measurement position 70 and the target position command value 90 generated by the stage position command value generator 9. The rigid body drive signal 80 is input to the power amplifier 33 of the linear motor as the rigid body drive means and the elastic vibration compensator 4. The current amplified by the power amplifier 33 is applied to the coil, which is the stator 31 of the linear motor, and an external force is applied to the stage by interaction with the permanent magnet, which is the mover 32, to move in the Z direction. The elastic vibration compensator 4 estimates the elastic vibration of the stage caused by the external force applied to the stage by the linear motor, obtains an internal force for suppressing the elastic vibration, and obtains the piezoelectric element 21 as the elastic vibration driving means. The drive command value 40 is output to the amplifier 22 that supplies power to the power supply. With such a configuration, the position of the rigid body can be controlled by the linear motor in a state where the elastic vibration of the stage 1 is suppressed to a small level.
[0014]
In the position control system having no configuration for suppressing the elastic vibration according to the present invention, the driving force of the linear motor changes the rigid position of the stage and also causes the elastic vibration of the stage. Is limited by the resonance frequency due to elastic vibration. For this reason, it becomes difficult to realize highly accurate control. However, by configuring the system as shown in FIG. 4 of the present application, it is possible to suppress elastic vibration, so that the gain of the position control system can be controlled to be high, and high-speed, high-precision position control can be performed. System can be realized.
[0015]
Example 4
As in the third embodiment, a position control system as shown in FIG. 4 can be configured by adding a position control system to the outside of the configuration in FIG. The system shown in FIG. 4 has a control loop in which the elastic vibration 50 is detected by the elastic vibration measuring means 5 and fed back to the elastic vibration driving means 2 via the elastic vibration controlling means 6. For this reason, the system of FIG. 4 can realize a position control system with a higher performance of suppressing elastic vibration excited by disturbance than the system of FIG.
[0016]
Example 5
In the configurations of the third and fourth embodiments, the drive command value to the elastic vibration compensator 4 uses the drive command value 80 to the rigid body driving means 3. In this configuration, the drive command value is close to the force actually applied to the movable body. Since the value is used, the correction value 40 generated by the elastic vibration compensator 4 can be accurately obtained. However, in this configuration, the system may be unstable. The reason will be described below with reference to FIG. 3 showing the configuration of the third embodiment.
[0017]
In FIG. 3, the signal flow of the position control system is as follows. The rigid vibration control means 8 determines a drive command value 80 to the rigid drive means 3 from the position command value 90 generated by the rigid body position command value generating means 9 and the movable body position 70 measured by the rigid body vibration measuring means 7. The drive command value 80 is input to the rigid body driving means 3 to generate an external force 30 to move the movable body 1. Such a loop of the original signal of the position control system is referred to as a loop 1.
[0018]
On the other hand, the command value 80 output from the movable rigid vibration control means 8 is also input to the elastic vibration compensator 4 and outputs the correction value 40. The correction value 40 is input to the elastic vibration driving means 2 and generates an internal force 20 to cause the movable body 1 to elastically deform. At this time, as a result of the movable body 1 being elastically deformed, the rigid body vibration measuring means 7 measures not only the rigid vibration of the movable body 1 but also a signal in which the elastic vibration overlaps. The measurement value 70 is input to the rigid body vibration control means 8 and outputs a drive command value 80. The drive command value 80 is input to the elastic vibration compensator 4. Such a secondary loop is called loop 2. The loop 2 and the loop 1 may interfere with each other and impair stability. In the worst case, the system becomes unstable. This problem can also occur in the system of Example 4. In the system of the fourth embodiment, there is also a loop 3 in which the elastic deformation measured by the elastic vibration measuring means 5 is fed back to the elastic vibration driving means 2 via the elastic vibration controlling means 6, so that the stability problem is more complicated. .
[0019]
As described above, when a position control system is added outside the configuration of the first embodiment, there is a possibility that a problem of stability of the control system occurs. As a method for avoiding this problem, the configuration shown in FIG. 5 is proposed.
[0020]
In FIG. 5, instead of using the drive signal 80 of the rigid vibration control means 8 as an input to the elastic vibration compensator 4, the position command value generating means 9 has a function of generating an acceleration signal 91 corresponding to the target position command value 90. The acceleration signal 91 is input to the target conversion means 93 to generate a target driving force 92, which is input to the elastic vibration compensator 4. Here, the target conversion means 93 has a function of estimating the force to be generated by the rigid body driving means 3 from the target acceleration 91 to the rigid body. In the one-degree-of-freedom system according to the third embodiment, the target conversion unit 93 only needs to multiply the acceleration signal 91 by the mass of the movable body 1. However, in the multi-degree-of-freedom system according to the seventh embodiment, the command value for the position on the rigid body is required. Therefore, it is necessary to perform a calculation for estimating the driving force actually generated by the rigid body driving means.
[0021]
Although the drive signal 80 and the target drive force 92 are originally different values, they have very similar values under the following conditions.
{Circle around (1)} The coupling rigidity with other members connected to the movable body is low.
(2) The responsiveness of the control system for controlling the movable body is sufficiently high.
For example, in the configuration of FIG. 10, when the stiffness of the springs 23a and 23b supporting the movable body 1 can be made sufficiently low and the responsiveness of the position control system can be set sufficiently high, the force applied to the movable body becomes the target position command value. Therefore, the target driving force 92 can be used in place of the driving signal 80 because the acceleration substantially corresponds to the acceleration force obtained by multiplying the acceleration corresponding to the mass of the movable body.
[0022]
Example 6
Generally, in a state where gravity acts, the movable body is generally supported by some kind of spring in order to support the weight of the movable body. For example, in FIG. 7 of the first embodiment, a spring is arranged below the stage. In such a case, if the rigidity of the spring is high, the elastic vibration is greatly affected by the spring, and it becomes difficult to determine the correction value of the elastic vibration compensator. Accordingly, by making the rigidity of the spring for correcting the gravity as soft as possible, it is possible to realize a system having a high elastic vibration suppressing performance. Further, also with respect to the configuration described in the fifth embodiment, the softer the spring, the closer the drive command value 80 and the target drive force 92 become, so that a system with high elastic vibration suppression performance can be realized.
[0023]
Example 7
FIG. 11 shows a configuration in which the posture of the stage is controlled with three degrees of freedom of Z, X, and と す る y based on the position of the center of gravity of the stage. In order to control the posture of the rigid body with three degrees of freedom, one linear motor in the X direction and two linear motors in the Z direction are added to the stage to control these three forces. The linear motor 1 includes a stator 31a and a mover 32a, and generates a thrust Fx in the X direction. The linear motors 2 and 3 are respectively composed of stators 31b and 31c and movers 32b and 32c, and generate thrusts Fz1 and Fz2 in the Z direction. . At this time, since an external force is applied to the movable body 1 to be controlled from a plurality of directions, elastic vibration is more likely to occur. At this time, the elastic vibration compensator 4 generates a drive command value to the elastic vibration driving means from three drive command values to the three rigid driving means 3.
[0024]
In FIG. 11, the drive signal 80 is represented by one line, but in actuality, in order to generate a drive force of three degrees of freedom in the Z, X, and Θy directions, a vector representing the force to be generated by three linear motors It is. For example, it is displayed as (Fz1, Fx, Fz2). The elastic vibration compensator 4 estimates the elastic vibration when these forces are applied to the stage 1 and obtains an internal force suitable for suppressing the elastic primary vibration mode. And an amplifier 22 for supplying power thereto.
[0025]
Example 8
In the first and second embodiments, the method of controlling the elastic vibration by attaching one piezoelectric element 21 corresponding to the elastic vibration driving means 2 to the center of the stage on the beam long in the X direction has been described. The elastic vibration modes of the beam have infinitely high order elastic modes, but in many cases, the lower vibration modes are actually problematic. FIG. 13 shows a low-order elastic vibration mode of the beam. FIGS. 13A, 13B, and 13C show the primary, secondary, and tertiary modes in order from the lowest of the elastic vibration modes of the beam. When the elastic vibration driving means 2 is attached to the center of the beam, only the first-order elastic vibration mode can be suppressed, and the third-order has some damping effect. By providing a plurality of elastic vibration exciting means 2 on the control object, it is possible to suppress a plurality of elastic vibration modes. For example, as shown in FIG. 12, the piezoelectric elements 21a, 21b, and 21c, which are the elastic vibration driving means 2, are attached to three portions of one third in the longitudinal direction of the beam, so that the secondary and tertiary elastic vibration modes are provided. Can also be suppressed. In the position control system of the stage shown in FIG. 13, one linear motor in the X direction and two linear motors in the Z direction are used as the rigid vibration driving means 3 to control the rigid position of the stage. Therefore, not only the primary mode but also the secondary and tertiary modes are easily excited as the elastic vibration mode. The elastic vibration compensator 4 determines command values for the three piezoelectric elements, which are the elastic vibration driving means 2, from the drive commands 80 for the three linear motors.
[0026]
Example 9
Calculating a value for canceling the elastic deformation due to the internal force generated when a specific force is applied to a specific position of the movable body by the internal force of the driving means attached to another position is based on the shape of the movable body, It is relatively easy when the constraint conditions are simple, but it is difficult to calculate when the shape and the constraint conditions are complicated. The elastic vibration compensator 4 needs to determine the applied external force and the internal force that cancels the elastic deformation due to the external force. The configuration of the elastic vibration compensator 4 can be realized with a simple proportional constant in some cases, but it is sometimes difficult to determine the formula. In such a case, a method of realizing the elastic vibration compensator 4 by obtaining the values and formulas thereof in advance by using an experiment or FEM analysis and storing them in a computer as a table is effective.
[0027]
Example 10
As described in the fifth embodiment, in the configurations of FIGS. 3 and 4, the system may become unstable. In the fifth embodiment, as a solution to this problem, as a command value to the elastic vibration driving means 2, instead of the output 80 of the rigid vibration control means 8 which is an internal signal of the system, the rigid position command value generating means 9 is used. A method of substituting the generated target driving force 92 has been proposed.
[0028]
On the other hand, as in the third and fourth embodiments, as a method for stabilizing the system while using the output 80 of the rigid body vibration control means 8, there is a method of inserting a compensator having dynamic characteristics such as a high-frequency cutoff filter. It is valid. In order not to change the original desired characteristics of the loops 1 and 3 shown in the fifth embodiment, it is appropriate to insert the compensator in series with the elastic vibration compensator 4 as a position where the compensator is inserted.
[0029]
Example 11
The purpose of the elastic vibration driving means 2 is to apply an internal force to the movable body 1 to cause elastic deformation. Therefore, as a means for generating a force, an electromagnetic force such as a linear motor can be used, but a piezoelectric element is most suitable. The purpose of the application of the present invention is to cause deformation of the elastic body. Therefore, the displacement may be small, but a large force needs to be generated. In order to generate a large force in the linear motor, it is necessary to flow a large current, and in this case, there is a problem that heat generation becomes large. Of course, an element that generates an electromagnetic force such as a linear motor can be used as the elastic vibration driving means depending on the application.
[0030]
Example 12
Here, an embodiment in which the configuration shown in FIG. 4 of the present application is applied to a wafer stage of a semiconductor exposure apparatus is shown. FIG. 14A is a schematic configuration diagram of a semiconductor exposure apparatus to which the present invention is applied. FIG. 14B shows details of the tilt stage. Hereinafter, three translational axes (X, Y, Z) and three rotational axes (θx, θy, θz) around each of the three translational axes with respect to the reference coordinate system will be referred to as a six-degree-of-freedom position. The configuration and operation of a high-speed and high-accuracy position control system will be described using this example.
[0031]
In FIG. 14A, reference numeral 41 denotes a surface plate which is supported from a floor 49 via a damper 47a. Reference numeral 43 denotes a Y stage, which can be moved in the Y direction on the reference surface of the surface plate 41 by a Y linear motor 34 that generates a thrust in the Y direction along a fixed guide 42 fixed to the surface plate 41. The platen 41, the fixed guide 42, and the Y stage 43 are connected by air via air pads 44a and 44b, which are static pressure bearings, and are not in contact with each other. The Y stage 43 has a guide in the X direction, and guides the X stage 45 mounted on the Y stage in the X direction. The Y stage 43 is provided with an X linear motor stator for generating a force in the X direction, and drives the X stage 45 in the X direction together with the X linear motor movable element provided on the X stage. The platen 41, the X guide, and the X stage 45 are air-coupled via an air pad 44c, which is a static pressure bearing, and are non-contact.
[0032]
The tilt stage 12 is mounted on the X stage 45. Here, the entirety including the stage substrate (top plate), the mirror for the laser interferometer, the linear motor for fine movement, and the like is referred to as the tilt stage 12. The tilt stage 12 includes a stage substrate 11 having a wafer chuck, and holds a wafer 13 which is an object to be exposed. Further, on the stage substrate, measurement mirrors 72a and 72b used for position measurement in six axial directions with reference to the barrel base 48 of the stage are provided. The lens barrel base 48 is supported from the floor 49 to the support 46 via a damper 47b. A laser interferometer 71 is provided on the lens barrel base 48 side. FIG. 14 (a) shows only the laser interferometers 71a and 71c for measuring the positions of the tilt stage in the X and Z directions, but at least six laser interferometers are used for measuring the six-axis rigid body position of the tilt stage. Is provided. It is also assumed that a laser interferometer is separately prepared for measuring the positions of the X stage and the Y stage. In this embodiment, the tilt stage is a six-axis fine movement stage. The X stage and the Y stage operate as coarse movement stages. That is, although X and Y are not high in accuracy, the purpose is to move with a large stroke, and the tilt stage performs high-precision operation.
[0033]
FIG. 14B shows details of the tilt stage. The upper and lower parts of FIG. 14B are the side and back of the tilt stage, respectively. 32a-f are linear motors for driving the tilt stage. 32a-d generate a horizontal force and 32e-f generate a vertical force. The tilt stage 12 controls the six-axis rigid body vibration by moving in the three horizontal axes (X, Y, Z) and rotating in the three axes (θx, θy, θz) by the thrusts of the linear motors 32 a to 32 f. Further, the piezoelectric elements 21a to 21d are connected as the elastic driving means 2 for generating a force to bend the stage substrate 11. Next to the driving piezoelectric element 21, piezoelectric elements 51a to 51d are connected as elastic vibration measuring means 5 for measuring bending strain. 6a to 6d receive the measured speeds of the measuring units 51a to 51d, respectively, and determine the generated force of the driving units 21a to 21d based on the values.
[0034]
The positioning of the X and Y stages and the positioning of the tilt stage in the directions of six axes are achieved by configuring a servo system for each axis. The X and Y stages calculate drive command values to the X-direction linear motor and the Y-direction linear motor as actuators in the X and Y directions of the stage based on the position information of the laser interferometer. , Y stage. In addition, the tilt stage controls a position in the rigid body 6-axis direction, so that a separate position control system is configured.
[0035]
FIG. 4 shows a configuration of a control system on the tilt stage side. The stage position command value generating means 9 generates six axis target position commands 90 for the tilt stage. The X and Y components of the command value are also used as the command values of the X and Y stages. From the target position command 90 and the six-axis measurement signals 70 a to 70 e of the tilt stage measured by the laser interferometer 71, the rigid vibration control means 8 outputs a command value 80 to the linear motors 32 a to 32 f as the rigid vibration driving means 3. decide. On the other hand, the elastic vibration compensator 4, which is a feature of the present invention, outputs a command value to the elastic vibration driving means 21 so as to suppress the elastic deformation of the stage base 11 using the drive signal 80 output from the rigid vibration control means 8. Further, as described above, the elastic vibration control means 6 can increase the attenuation of the elastic vibration of the top plate by feeding back the velocity component of the elastic vibration. Due to the effects of these elastic vibration control elements, the elastic vibration during the tilt stage drive can be effectively suppressed, so that the position control system for controlling the rigid vibration of the tilt stage can realize a high servo band, and as a result, the tilt stage Control accuracy can be improved.
[0036]
【The invention's effect】
As described above, by controlling the elastic vibration, it is possible to move the movable body at higher speed and with higher precision than before.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a basic configuration of the present application.
FIG. 2 is a diagram showing a second configuration of the present application.
FIG. 3 is a diagram showing a third configuration of the present application.
FIG. 4 is a diagram showing a fourth configuration of the present application.
FIG. 5 is a diagram showing a fifth configuration of the present application.
FIG. 6 is a diagram showing a sixth configuration of the present application.
FIG. 7 is a diagram illustrating a configuration of the first embodiment.
FIG. 8 is a diagram illustrating the effect of suppressing elastic vibration in the configuration of the first embodiment.
FIG. 9 is a diagram illustrating a configuration of a second embodiment.
FIG. 10 is a diagram illustrating a configuration of a third embodiment.
FIG. 11 is a diagram illustrating a configuration of a fourth embodiment.
FIG. 12 is a diagram showing a configuration of a fifth embodiment.
FIG. 13 is a diagram showing an elastic vibration mode of a beam.
FIG. 14 is a diagram illustrating a configuration of a twelfth embodiment.
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1: movable body, stage, 2: elastic vibration driving means, 20: internal force, 21, 21a to 21d: driving piezoelectric element, 22: piezoelectric element amplifier, 25: 25a, 25b gravity supporting spring, 3: rigid body driving means, 30: external force, 31, 31a to 31f: linear motor stator, 32, 32a to 32f: linear motor mover, 33: linear motor amplifier, 4: elastic vibration compensator, 40: drive command Value, 5: elastic vibration measuring means, 50: elastic vibration measuring value, 51, 51a to 51d: piezoelectric element for elastic vibration measuring, 6, 6a to 6d: elastic vibration controlling means, 60: elastic vibration driving command value, 7: Rigid body vibration measurement means, 70, 70a to 70f: Rigid body vibration measurement value, 8: Rigid body vibration control means, 80: Drive command value, 9: Rigid body position command value generation means, 90: Target command value, 91: Acceleration force command value , 92 : Target driving force, 93: target conversion means, 10: filter.