JP2004162205A - Sheath/core-type monofilament and fishnet using the same - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は安全性、水中での沈降性、耐久性に優れ、水産資材用として好適に使用することのできるモノフィラメントおよびそれを用いた漁網に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より水産資材用繊維、特に定置網用の漁網に使用される繊維は強伸度特性の他に、海中での沈降が速やかに進み、かつ潮流の影響を受けにくくするために比重が高いことが重要である。また、定置網用の繊維では頻繁な漁獲作業によって早期に強度低下をきたすことのないように耐摩耗性が要求される他、魚に対して警戒感を与えないよう、黒色系の色調が必要とされている。
【0003】
かかる用途に使用される高比重の繊維として従来は塩化ビニリデン繊維が広く用いられていたが、塩化ビニリデン繊維は単独で使用するには強度が低く、また、塩化ビニリデン繊維の強度を補うためにポリエステルやナイロンなどの高強力糸を混繊して使用した際には混繊糸の比重が低くなり網の沈降性が不足するという問題があった。
【0004】
このような問題を解決し、高比重で、耐摩耗性の良い漁網を得る方法として、鞘成分にナイロン、芯成分に鉛金属を用いた複合モノフィラメントが実用化されていた。しかし、ナイロンを鞘、鉛金属を芯成分とする複合モノフィラメントでは2.0を越える比重を得ることができる反面、金属鉛を使用することから使用中および廃棄時の鉛害の可能性があった。
【0005】
鉛害を回避する方法としては、例えば特許文献1〜4等に記載されているように、各種の熱可塑性重合体に二酸化チタン、硫酸バリウム等の高比重物質を混練した組成物を紡糸して繊維化する技術が提言されている。
【0006】
しかしながら、これら従来の技術では、目標とする比重を得るために多量の高比重物質を混練することが必要となり、強度が著しく低下してしまう問題があった。さらに、熱可塑性重合体に高比重物質を混練してなる樹脂を単独で紡糸しているので、繊維表層に一部の高比重物質が露出し、そのために、紡糸引取り時に給油ガイドや集束ガイドの摩耗が促進され、更には延伸工程においてロール表面を摩耗させたり傷つけたりするという弊害が生じ、操業性が極端に悪いという問題も有している。また、繊維全体に高比重粒子が分散しているため、漁網としての耐摩耗性にも問題があった。
【0007】
製糸時にローラーの摩滅を防ぎ、高比重糸の比重・強度・外観・耐摩耗性を両立させるのに有効な手法として、特許文献5〜15等には芯鞘複合糸の芯成分に主に比重を持たせ、鞘成分に主に強度・外観・耐摩耗性を担わせた繊維、あるいはそれを用いた漁網が記載されている。
【0008】
しかし、特許文献5記載の方法では、比重の小さい樹脂を使用して比重1.51以上の高比重繊維を得ようとするため、繊維中の粒子の容積比率が大きくなることから製糸性が著しく悪化し、また、実際に漁網として使用する際には、耐摩耗性が悪いという問題があった。
【0009】
特許文献6、特許文献10記載の方法では、結晶性高分子であることから耐摩耗性が良いといわれているポリエステルを、芯成分、鞘成分共に用いているものの、従来より漁網として使用されているポリアミドと比較すると耐摩耗性が悪い。また、漁網としての比重を高める為に、参考文献6実施例に平均粒径1μm以下のタングステン粒子を用いていた例が記載されているが、平均粒径1μm以下のタングステン粒子は2次凝集を生じやすく、均一分散が困難であり、また、平均粒径が2μm以下のタングステン粒子は自然発火の可能性があることから、その取り扱いには特別の対応が必要であるという課題も有している。
【0010】
特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献16記載の方法では、使用されている粒子もしくは使用が好ましいとされている粒子の比重はいずれも6.5以下であり、かかる比重6.5以下の粒子のみを使用して、実際の漁場で期待されている比重1.5以上の繊維を得ようとする場合には繊維中の粒子の容積比率が大きくなることから、製糸性が著しく悪化し、また、耐摩耗性が悪いという問題があった。
【0011】
さらに、特許文献6、特許文献8、特許文献9、特許文献11、特許文献13、特許文献14の実施例に記載のように、芯鞘型高比重繊維を単独で製網した場合、海水中への沈降速度の速い漁網を得ることは出来るが、芯鞘型高比重繊維はその芯部分に高比重粒子を含有しているため芯部分の耐摩耗性が悪く、薄い鞘部分のみで耐摩耗性を担うことになるため、漁網としての耐摩耗性に問題があった。
【0012】
また、特許文献15に記載のように、芯鞘複合繊維を用いて釣糸のごとき高強度な高比重繊維を得る場合には、芯部の体積を減少させることに起因する紡糸時の複合異常が発生しやすく、また、繊維の比重が低くなる問題を有している。
【0013】
また、元来、高比重で耐摩耗性に優れる樹脂を繊維化する方法が特許文献17〜20等に記載されている。しかし、フッ素系樹脂は値段が高価であり、この樹脂を用いた繊維やその繊維を用いた漁網の値段も高価になるという問題を有している。
【0014】
【特許文献1】
特開昭54−38921号公報
【0015】
【特許文献2】
特開昭59−157312号公報
【0016】
【特許文献3】
特開昭61−613号公報
【0017】
【特許文献4】
特開昭62−57918号公報
【0018】
【特許文献5】
特開平6−133670号公報
【0019】
【特許文献6】
特開平8−144126号公報
【0020】
【特許文献7】
特開平8−214731号公報
【0021】
【特許文献8】
特開平8−256638号公報
【0022】
【特許文献9】
特開平8−284023号公報
【0023】
【特許文献10】
特開平9−23786号公報
【0024】
【特許文献11】
特開平9−294506号公報
【0025】
【特許文献12】
特開平9−59822号公報
【0026】
【特許文献13】
特開平10−60739号公報
【0027】
【特許文献14】
特開平10−273828号公報
【0028】
【特許文献15】
特開2000−139301号公報
【0029】
【特許文献16】
特開2000−265332号公報
【0030】
【特許文献17】
特開平7−54210号公報
【0031】
【特許文献18】
特開平7−54211号公報
【0032】
【特許文献19】
特開平7−138810号公報
【0033】
【特許文献20】
特開平10−18127号公報
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように高比重繊維および漁網を得ようとする試みは多くなされているものの、現在のところ製糸性、比重、耐摩耗性、価格の全てを満足する高比重繊維および漁網が無く、これらの特性をバランス良く満たした高比重繊維および漁網が望まれている。
【0035】
本発明はかかる従来技術の背景に鑑み上述の課題を解決すべく成されたものであり、具体的には鉛害の危険性が無く、高比重で耐摩耗性に優れた高比重繊維たるモノフィラメントとそれを用いた漁網を提供せんとするものである。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明のモノフィラメントは、鞘成分が平均粒径2〜30μmのタングステン金属粒子又はタングステン化合物粒子を含む比重2.5〜12のポリアミド樹脂、鞘成分がポリアミド樹脂もしくはポリエステル樹脂で構成され、強度が1〜4.5cN/dtexで比重が1.8〜5の芯鞘型モノフィラメントであることが必要である。
【0037】
そして、芯または鞘成分の少なくとも一方が、1種類以上の着色剤を含有しており、かつ、着色剤の該成分に対する総含有量が0.01〜4重量%であることを特徴とする芯鞘型モノフィラメントであることが好ましい。
【0038】
また、本発明の漁網は、モノフィラメントとマルチフィラメントを混繊して製網した漁網であって、前記請求項1または2に記載の芯鞘型モノフィラメントと、ポリアミド樹脂もしくはポリエステル樹脂からなるマルチフィラメントの体積比が5:95〜60:40であり、比重が1.5〜3であることを特徴とする。好ましい形態は混繊するマルチフィラメントがポリエステル樹脂であであること。また、混繊するマルチフィラメントが1種類以上の着色剤を含有しており、かつ、着色剤の総含有量が0.01〜4重量%であることである。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明を詳細に説明する。
【0040】
本発明の芯鞘型モノフィラメントは、鞘成分として平均粒径2〜30μmのタングステン金属粒子又はタングステン化合物粒子を含む比重2.5〜12のポリアミド樹脂、鞘成分としてポリアミド樹脂もしくはポリエステル樹脂で構成され、強度1〜4.5cN/dtexで比重1.8〜5の芯鞘型モノフィラメントであることが必要である。
【0041】
ポリアミドは従来より耐摩耗性に優れた樹脂であることが知られており、また、汎用繊維に使用されるポリエステル樹脂と比較して、タングステン金属粒子又はタングステン化合物粒子の分散性に優れ、より多くのタングステン金属を練り込む事が出来る樹脂であるため、本発明においては芯鞘型モノフィラメントの芯成分を構成する樹脂として必須である。芯成分に用いることができるポリアミド樹脂としては、ポリε−カプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリドデカミド、ポリヘキサメチレンイソフタラミド等が用いられ、経済性、加工性、物性等を考慮すると、特にポリε−カプロラクタム樹脂が好ましいが、それに限られるものでは無く、これら2種類以上を共重合もしくは混合したものでもよい。また、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、耐熱剤、耐候剤、安定剤、架橋材等の各種添加剤を含有させてもよい。
【0042】
また、経済性、加工性、物性等を考慮すると、鞘成分にはポリアミド樹脂もしくはポリエステル樹脂を用いることが必須であり、ポリアミド樹脂を用いたときは優れた耐摩耗性を発揮することができるし、ポリエステル樹脂を用いたときは漁網のさらなる高比重化を期待することが出来る。
【0043】
本発明の芯鞘型モノフィラメントの芯成分は、比重2.5〜12であることが必須であり、好ましくは比重3〜10、さらに好ましくは比重3.5〜9.0である。また、芯成分に含有される高比重粒子としては他の非鉛金属と比較して高比重で毒性が少なく、微粉末で取り扱いが容易であることからタングステン金属粒子またはタングステン化合物を用いることが必要である。
【0044】
比重が2.5未満の場合、芯鞘型モノフィラメントに占める芯成分の体積分率が大きくなり、鞘成分の体積分率が下がることから、得られる芯鞘型モノフィラメントの耐摩耗性が悪くなってしまう。また、ポリアミドへのタングステン金属粒子又はタングステン化合物の練りこみ易さや、分散性を考えると比重12.0以下であることが必要である。芯成分に含有するタングステン金属粒子またはタングステン化合物としては、不規則で多面体の形状を有したタングステン金属粉末、タングステン酸カルシウム、タングステン酸バリウム、炭化タングステン、二硫化タングステン、ほう化タングステン、これらを2種以上混合したもの等を用いることが出来る。タングステン化合物としては、環境負荷が小さく本発明の効果が損なわれないものであればよく、これらに限られない。
【0045】
タングステン金属粒子又はタングステン化合物の平均粒径は2〜30μmであることが必須であり、好ましくは2〜20μm、さらに好ましくは2〜15μmである。タングステンの平均粒径が2μm未満の場合、タングステン粒子は2次凝集を生じやすく、均一分散が困難であり、また、平均粒径が2μm以下のタングステン粒子は自然発火の可能性があることから消防法上の危険物に該当し、その取り扱いには特別の対応が必要であり好ましくない。また、タングステンの平均粒径が30μmを超える場合は樹脂中へ均一に分散させることが困難になるとともに、紡糸パックフィルターへのつまりに起因する製糸性の悪化が起こることから好ましくない。また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、タングステン金属粒子またはタングステン化合物に加え、酸化銅、酸化鉄、酸化チタン、硫酸バリウム等の高比重粒子を混ぜても良い。
【0046】
鞘成分に用いることが出来るポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート等の芳香族ポリエステルや、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル、これらを2種以上共重合させた物を用いることができ、ポリアミド樹脂としてはポリε−カプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリドデカミド、ポリヘキサメチレンイソフタラミド、これらを2種以上共重合させたものを用いることができる。また、本発明の効果が損なわれない範囲であれば耐熱剤、耐候剤、安定剤等の各種添加剤を含有させてもよい。漁網としての強度、耐摩耗性を得るために、硫酸相対粘度2.0以上のポリアミド樹脂、もしくは相対粘度0.6以上のポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
【0047】
芯鞘型フィラメントは、芯部分に高比重粒子を含有しているため耐摩耗性が悪くなっており、鞘部分のみがほとんどの耐摩耗性を担うため鞘部分の厚みが厚く、高い耐摩耗性を発現するモノフィラメントであることが必須である。
【0048】
本発明の芯鞘型モノフィラメントの強度は1〜4.5cN/dtexであることが必須であり、好ましくは1〜3cN/dtex、さらに好ましくは1〜2.8cN/dtexである。強度が1.0cN/dtexを下回る場合においては、強度不足による製網時の工程通過性が悪く、強度が4.5cN/dtexを超える場合は、芯部の体積を減少させることに起因する紡糸時の複合異常が発生し生産性が著しく劣ってしまい、また、比重も低くなるため、漁網用としては好適な繊維を得ることが出来ない。
【0049】
水への沈降性等を考慮すると芯鞘型モノフィラメントの比重は1.8〜5であることが必須であり、好ましくは比重2.1〜4.5、さらに好ましくは比重2.2〜4.5である。本来、高い比重の繊維を得るという点では比重に特に上限は無いが、比重の高い芯鞘型モノフィラメントを得るためには、芯部分の体積を増やす、または芯部分に含有させるタングステン量を増やす等の方法をとる必要があり、該方法を採用して芯鞘型モノフィラメントの製糸を行なうと、芯部分の体積が増えたことによる耐摩耗性の低下、タングステンの凝集やフィルターづまりによる製糸性の悪化等の問題が発生することが考えられるため、芯鞘型モノフィラメントの比重は5.0以下であることが必要である。
【0050】
また、本発明の芯鞘型モノフィラメントの芯部分と鞘部分の体積比は特に限定されないが、鞘部分の体積が小さくなると耐摩耗性が悪くなることが考えられるため、鞘部分の体積は40体積%以上、好ましくは50体積%以上、さらに好ましくは60体積%以上である。
【0051】
本発明の芯鞘型モノフィラメントは、芯成分または鞘成分の少なくとも一方に、該成分を基準として着色剤を0.01〜4重量%含有しているることが好ましい。着色剤の添加量が0.01重量%以上であれば色調が不足することもなく、4重量%以下であれば漁網用として必要な強度を得ることができる。着色剤の添加量は、ポリマーに対し0.1〜0.6重量%であることがより好ましく、0.3〜0.5%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0052】
着色剤としては、例えば平均粒径0.1μmのカーボンブラック系顔料などの無機系顔料や、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系着色剤、スチレン系着色剤、およびキナクリドン系着色剤などの有機系着色剤が挙げられるが、特にこれに限定されるものではなく、本発明の目的、効果が損なわれない範囲であれば公知の染料および顔料を使用することができるが、水産資材用として使用する際に魚に対して警戒感を与えないよう、黒色系の顔料を用いることが好ましい。
【0053】
本発明の漁網は、経済性、加工性、物性等を考慮すると、本発明の芯鞘型モノフィラメントとポリアミド樹脂もしくはポリエステル樹脂よりなるマルチフィラメントとを混繊した漁網であることが好ましく、さらに好ましい形態としては、マルチフィラメントがポリエステル樹脂よりなる漁網である。
【0054】
本発明におけるマルチフィラメントに用いられるポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート等の芳香族ポリエステルや、ポリ乳酸の様な脂肪族ポリエステル、これらを2種以上共重合させたものを用いることができ、ポリアミド樹脂としてはポリε−カプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリドデカミド、ポリヘキサメチレンイソフタラミド、これらを2種以上共重合させたものを用いることができる。また、本発明の効果を損なわない範囲であれば耐熱剤、耐候剤、安定剤、架橋剤等の各種添加剤を含有させてもよい。
【0055】
また、本発明の漁網は、それに用いる芯鞘型モノフィラメントとマルチフィラメントの体積比が5:95〜60:40であることが必要であり、好ましくは、5:95〜50:50、さらに好ましくは5:95〜55:45の割合で混繊して製網される。モノフィラメントの体積比が5%未満の場合は比重1.5以上の漁網を得るのが困難となり、体積比が60%より大きいときはモノフィラメントの比率が高く、漁網としての強力低下、製網性の悪化、網のコシが強すぎて漁場から引き揚げ難い、コシが強すぎて嵩高くなる等の問題がある。
【0056】
また、漁網の比重は1.5〜3であることが必要で、さらに好ましくは1.6〜2.5である。漁網の比重が1.5未満では漁網として必要とされる比重を満足せず、比重が3.0以上では含有される芯鞘型繊維、または芯鞘型繊維に含まれる高比重粒子の含有量が多くなるためにコストが高くなる。
【0057】
本発明の漁網は、用いるマルチフィラメントが少なくとも1種類以上の着色剤を0.01〜4重量%含有していることが好ましい。着色剤の添加量が0.01重量%以下の場合は色調が不足し、4重量%を超える場合は漁網用として必要な強度を得ることが困難になる。着色剤の添加量は、ポリマーに対し0.1〜0.6重量%であることがより好ましく0.3〜0.5%の範囲内であることがさらに好ましい。着色剤としては、例えば平均粒径0.1μmのカーボンブラック系顔料などの無機系顔料や、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系着色剤、スチレン系着色剤、およびキナクリドン系着色剤などの有機系着色剤が挙げられるが、特にこれに限定されるものではなく、本発明の目的、効果が損なわれない範囲であれば公知の染料および顔料を使用することができるが、魚に対して警戒感を与えないよう、黒色系の顔料を用いることが好ましい。
【0058】
本発明の漁網に供する芯鞘型モノフィラメントを得るための方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法等を利用することが出来る。
【0059】
例えば、芯部として用いる前述した平均粒径のタングステン金属粒子又はタングステン金属化合物粒子入りポリアミド樹脂は、ポリアミド樹脂と、タングステン金属粒子又はタングステン化合物粒子とを、それぞれ計量し、押出機で溶融混練することによって得られる。これに顔料を含有させる場合、前記タングステン金属粒子又はタングステン化合物粒子含有ポリアミド樹脂を得るときに、顔料も計量し、押出機で溶融混練することもできるし、また、タングステン金属粒子又はタングステン化合物粒子含有ポリアミド樹脂に、予め作成しておいた顔料マスターチップを計量ブレンドすることも可能である。このようにして得られた、タングステン金属粒子又はタングステン化合物粒子さらには顔料を含有するポリアミド樹脂は、一旦チップ化された後そのまま紡糸に供してもよいし、また、必要に応じて再度高重合度化して使用してもよい。該ポリアミド樹脂の比重を2.5〜12にするには、用いるポリアミド樹脂の比重と、タングステン金属粒子またはタングステン化合物粒子の比重から、混練する体積割合を計算することによって達成できる。
【0060】
一方、鞘部として用いるポリアミド樹脂もしくはポリエステル樹脂は、必要に応じて配合される添加剤とともに顔料を計量して添加し溶融混練することもできるし、また、予め作成しておいた顔料マスターチップを計量ブレンドすることも可能であり、芯部の場合と同様に、再度高重合度化して使用してもよい。
【0061】
これら芯部用の重合体組成物、及び、鞘部用の重合体組成物は、それぞれ別々のエクストルーダで溶融された後、複合パックに導かれ、複合紡糸口金内で芯鞘型複合流を形成された後に紡糸口金から吐出される。その複合の形態は、単純芯鞘型、芯複数型、芯異形型、三重、四重といった多重芯鞘型等、特に限定されるものではなく、所望の特性や用途等に応じて選択すればよい。
【0062】
吐出された芯鞘型モノフィラメントは、空冷、液体浴等の方法で冷却する。冷却方法はモノフィラメントの太さ、粘度等の設定条件によって選択すればよい。紡糸速度20〜100m/分で引き取られたモノフィラメントは一旦巻き取った後又は巻き取ることなく連続して延伸される。延伸は、一段又は二段以上の多段で行うことができ、さらに糸条に延伸に必要な熱を与える方法としては、ロール加熱、スチーム加熱、熱液加熱等の公知の手法を用いればよい。
【0063】
以上のような方法により、漁網用に好適な比重を有し、かつ製糸性、耐摩耗性に優れた本発明の芯鞘型モノフィラメントを得ることができる。
【0064】
以下に、本発明の芯鞘型モノフィラメントを用いた漁網の製造方法を説明する。漁網はその網地構成、網糸の結節方法および網の設置場所等によって数種類に分類されるが、本発明の漁網はその種類を特に限定されるものではない。以下に、代表的な漁網である無結節漁網の一般的な編網方法を示すが、漁網には編み方によりいくつかの種類があり、以下の製造方法に限定されるものではない。
【0065】
芯鞘型モノフィラメントと共に製網されるマルチフィラメントとしてポリエチレンテレフタレートを例に取り、製造方法を方法を示すが、繊維を得る方法としてはこれに限られるものでなく、合成繊維の種類によって適宜異なる方法を採用することが出来る。
【0066】
ポリエチレンテレフタレート繊維は、固有粘度1.14のポリエチレンテレフタレート樹脂を原料とした溶融紡糸法により口金より紡出される。このときポリマーの熱による劣化を防ぐために、紡糸機内におけるポリマーの滞留時間は短いほど好ましく、通常10分以内、好ましくは1〜5分とすればよい。紡糸温度は通常290℃であればよいが、共重合成分の有無などにより適宜変更してもよい。
【0067】
さらに口金直下には加熱筒を配し、吐出糸条はこの加熱筒内を通過させることが好ましい。この加熱筒は、一般に5〜100cmの長さで、200〜350℃で温度制御された加熱筒であればよいが、その長さ及び温度条件は得られる糸条の繊度やフィラメント数により適宜変更してもよい。この加熱筒は、溶融ポリマーの固化を遅らせ高強度を発現させるために使用することが好ましい。
【0068】
紡出糸条は上記高温雰囲気中を通過した後、冷風で冷却固化され、ついで油剤が付与された後、紡糸速度を制御する引取りロールで引取られる。
【0069】
引取りロールに引取られた未延伸糸条は、通常連続して延伸されるが、一旦巻取った後に別工程で延伸してもよい。紡糸速度は、通常300〜3000m/分、好ましくは1500m/分以下であればよい。延伸は常法の熱延伸が採用されればよく、2段以上の多段延伸が好ましい。その延伸倍率は未延伸糸の配向度、延伸温度、および多段延伸する際の延伸比配分等によって変化させうるが、1.5〜8.0倍、好ましくは2.5〜7.5倍のような高倍率が好ましい。
【0070】
次いで、この延伸糸は熱固定される。熱固定は糸条を熱ローラーや熱板に接触させたり、また高温気体中を通過させることなどの方法により行えばよく、一般に200〜250℃の熱固定温度をとればよい。熱固定の後には弛緩処理を行い、ここでの張力を変化させることで、乾熱収縮率および初期降伏点強力をコントロールすることが可能である。ここで、弛緩率を高く取るためには、接触型のヒーターあるいは非接触型のヒーター等の糸条加熱手段を併用して弛緩処理を行うことが好ましい。また、工程上の毛羽発生を抑制するため、延伸工程および熱固定工程において、フィラメントに交絡処理を施すことは何ら差し支えない。
【0071】
交絡は、エア交絡などの方法が採用でき、例えばエア交絡の場合、用いる糸条の繊度や張力に応じて、エアの圧力を適宜変更することで目的の交絡度を達成することができる。交絡度(CF値)としては5〜70であることが好ましく、10〜60であることがより好ましい。
【0072】
上記方法で得られたポリエステルよりなるマルチフィラメントを数本引き揃え、網糸として必要な繊度とする。引き揃えた糸は、たとえば下撚りをかけ下撚糸となし、上記方法により巻き取った芯鞘型モノフィラメントと下撚糸を合わせて中撚りをかけ、中撚糸を2本合わせて撚って上撚りをかけることにより網糸を構成しながら、網糸を互いに組み合わせて結節部を形成し、同時に網目を作っていく竪型無結節編網機によって無結節の漁網とする。
【0073】
かくして得られた本発明の漁網は、環境負荷が小さく、水中での沈降性、耐久性に優れている。
【0074】
【実施例】
以下、実施例として、定置網用の芯鞘型モノフィラメントおよび漁網を例として本発明を詳細に説明する。
【0075】
本実施例における各物性は次のようにして測定した値である。
【0076】
[タングステン平均粒径]
走査型電子顕微鏡観察法を用いて100個のタングステン粒子の最大直径を求め、その平均をタングステンの平均粒径とした。
[比重]
溶媒としてブロモホルムと水を用い、ブロモホルムと水とを混合して所望の密度溶液を作製し、サンプルの浮き沈みにて測定した。
[芯鞘複合体積比]
芯成分または鞘成分の比重と吐出量(重量比)から計算した。
[強度、伸度]
試料を20℃、65%RTの温調室に24時間以上放置した後、(株)オリエンテック社製テンシロン引張試験機を用い、試長25cm、引取速度30cm/分で伸度−強力曲線を求め、強度を算出した。
[粘度]
硫酸相対粘度(ηr):試料1gを98%硫酸100mlに溶解し、オストワルド粘度計で25℃で測定した。
固有粘度(IV):試料8gをオルソクロロフェノール100mlに溶解し、溶液粘度(η)をオストワルド粘度計を用いて25℃で測定し、次の近似式により固有粘度(IV)を算出した。
IV=0.0242η+0.2634
[交絡度(CF値)]
1m試長の試料に100gの荷重をかけ、6gのフックを下降速度1〜2cm/秒で下降させ、式:交絡度(CF値)=100(cm)/下降距離(cm)により計算して求めた。
[製糸安定性]
紡糸連続延伸を行ったときの断糸の発生状況から3段階で評価した。
○:良好で長時間の安定製糸が可能。
△:製糸は可能であるが断糸が発生する
×:不安定で断糸のため長時間の製糸が困難
[網のコシ評価]
作製した漁網のコシを以下の3段階で評価した。
A:実用に供する適度なコシを有する。
B:少しコシが強いが実用に供せる。
C:網が堅く実用に供することができない。
【0077】
[実施例1〜4]
芯成分として硫酸相対粘度2.73のポリε−カプロラクタムに表1に示す平均粒径のタングステン金属紛(比重19.3)を含有させ、表1に示す比重としたポリマーを用い、鞘成分ポリマーとして固有粘度1.14のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。これらをエクストルーダー型紡糸装置を使用し、芯成分ポリマーを250℃、鞘成分ポリマーを290℃の温度で溶融し、290℃に加熱した複合紡糸パックによって紡出した。二成分複合紡糸口金装置を用い、口径1.3mmの紡糸孔から鞘芯複合体積比が表1となるように紡出した。紡出糸を20℃の水浴中で冷却して未延伸糸を得た。この未延伸糸を巻き取ることなく、90℃の温水浴中で2.1倍に第1段延伸し、次いで全延伸倍率が3倍となるように、220℃の加熱ゾ−ンを通過させながら第2段延伸し、さらに230℃の加熱ゾーンを通過させて0.9倍の弛緩熱処理を行い、直径285μmの芯鞘型モノフィラメントを得た。
[実施例5]
鞘成分ポリマーとして硫酸相対粘度3.02のポリε−カプロラクタム(N6)を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
[実施例6]
鞘成分ポリマーチップに平均粒径0.1μmのカーボンブラック(顔料)を20重量%含有するポリエチレンテレフタレートチップをブレンドして表1に示す顔料含有量にしたこと以外は実施例1と同様に行なった。
[比較例1〜3]
タングステン金属粉の平均粒径、芯部ポリマーの比重、芯鞘型モノフィラメントの強度を表2に示すこと以外は実施例1と同様に行なった。
【0078】
実施例1〜6によって得られた芯鞘型モノフィラメントの特性、製糸性を表1に、比較例1〜3の方法によって得られた芯鞘型モノフィラメントの特性、製糸性を表2に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
比較例1に示すように、芯鞘型モノフィラメントの芯部分に含まれるタングステン粒子が大きい場合は製糸製が悪く、低強度の繊維しか得ることができなかった。また、比較例1の繊維を製網に用いた場合には、強度不足のため製網工程での断糸が多く、安定して網を得ることができなかった。比較例2に示すような、芯部分に比重が2.5未満のポリマーを用いた場合は、本発明で規定している比重1.8以上の芯鞘型モノフィラメントを得ることが出来るが、鞘部分の体積%が少なくなることから、耐摩耗性や強度に問題があり、製糸性も比較例1と比較すると良いものの実施例1〜6と比較すると断糸が多いものであった。また、比較例3に示すように、強度が4.5cN/dtexを超えるような繊維を得る場合は、芯部分の体積減少により高比重繊維を得ることが出来なかった。
[実施例7、8]
実施例3記載の高比重繊維と黒原着ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(1100dtex−96フィラメント、強度5.5cN/dtex、CF値37)を漁網とした際に全体の繊度が10000dtexで、表3に記載する体積比となるように、黒原着マルチフィラメントを数本引き揃え、下撚りをかけ下撚糸となし、上記製造方法により巻き取った高比重芯鞘型モノフィラメントと下撚糸合わせて撚って中撚りをかけ、さらに、通常の方法によって、竪型無結節編網機を用いて目合い150mmの無結節定置網を製造した。かくして得られた、無結節定置網の特性について評価し、表2に示した。
[実施例9、10]
実施例1の高比重繊維を用いて表3に記載する体積比で黒原着マルチフィラメントと混繊したこと以外は実施例7と同様に行なった。
[比較例4]
実施例1の高比重繊維のみを用いて、マルチフィラメントと混繊しなかったこと以外は実施例7と同様に行った。
[比較例5]
実施例2の高比重繊維を用いて表3に記載する体積比で黒原着マルチフィラメントと混繊したこと以外は実施例7と同様に行なった。
[比較例6]
実施例1の高比重繊維を用いて表3に記載する体積比で黒原着マルチフィラメントと混繊したこと以外は実施例7と同様に行なった。
【0082】
【表3】
【0083】
表3から明らかなように、本発明の方法を用いて作製した漁網は比重が高く、強力の高いものであった。しかし、本発明の範囲を超える漁網、例えばマルチフィラメントと混繊すること無く漁網とした比較例4は網が堅いだけでなく、強力が弱く、比較例5の方法によって得られた漁網は比重の高い芯鞘複合繊維を使用しているにもかかわらず、漁網の比重が低く、比較例6の方法で得られた漁網は網が堅く、実用に供することが出来ないものであった。
【0084】
【発明の効果】
本発明の芯鞘型モノフィラメントは芯層にタングステンを含有させることにより、少ない含有量で高比重化が可能となり、平均粒径が2〜30μmのタングステンを用いているため、樹脂への分散性に優れ、製糸性良好で高比重の芯鞘型モノフィラメントである。また、本発明の漁網は、比重1.8〜5の芯鞘型モノフィラメントを使用し、ポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂からなるマルチフィラメントを体積比5:95〜60:40の割合で混繊して製網した比重が1.5〜3の漁網であるため、比重が高く海流等によってフカレにくく、優れた耐摩耗性を有している。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a monofilament which is excellent in safety, sedimentation in water, and durability and can be suitably used as a marine material, and a fishing net using the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, fibers for fishery materials, especially fibers used for fishing nets for fixed nets, have a high specific gravity in addition to the high elongation characteristics, because they settle quickly in the sea and are less susceptible to tidal currents. is important. Fibers for fixed nets require abrasion resistance so that the strength does not decrease early due to frequent fishing, and a black color tone is required so as not to give a warning to fish. Have been.
[0003]
Conventionally, vinylidene chloride fiber has been widely used as a high specific gravity fiber used in such applications.However, vinylidene chloride fiber has a low strength when used alone, and polyester is used to supplement the strength of vinylidene chloride fiber. When high strength yarns such as nylon and nylon are mixed and used, there is a problem that the specific gravity of the mixed yarns becomes low and the sedimentation of the net is insufficient.
[0004]
As a method of solving such a problem and obtaining a fishing net having a high specific gravity and excellent wear resistance, a composite monofilament using nylon as a sheath component and lead metal as a core component has been put to practical use. However, while a composite monofilament containing nylon as a sheath and lead metal as a core component can obtain a specific gravity exceeding 2.0, there is a possibility of lead damage during use and disposal when using metal lead. .
[0005]
As a method of avoiding lead damage, for example, as described in Patent Documents 1 to 4, etc., a composition obtained by kneading a high specific gravity substance such as titanium dioxide and barium sulfate to various thermoplastic polymers is spun. Fiber-forming technology has been proposed.
[0006]
However, in these conventional techniques, it is necessary to knead a large amount of a substance having a high specific gravity in order to obtain a target specific gravity, and there is a problem that the strength is significantly reduced. Furthermore, since the resin obtained by kneading the high specific gravity substance into the thermoplastic polymer is spun alone, a part of the high specific gravity substance is exposed on the fiber surface layer. Abrasion is accelerated, and furthermore, there is a problem that the roll surface is worn or damaged in the stretching step, and the operability is extremely poor. In addition, since high specific gravity particles are dispersed throughout the fiber, there is also a problem in abrasion resistance as a fishing net.
[0007]
Patent Literatures 5 to 15 etc. disclose mainly the specific gravity of the core component of the core-sheath composite yarn as an effective method to prevent the abrasion of the roller during yarn production and to balance the specific gravity, strength, appearance and abrasion resistance of the high specific gravity yarn. A fiber in which a sheath component mainly has strength, appearance, and abrasion resistance, or a fishing net using the same is described.
[0008]
However, in the method described in Patent Document 5, in order to obtain a high specific gravity fiber having a specific gravity of 1.51 or more using a resin having a low specific gravity, the volume ratio of particles in the fiber is increased, so that the spinning property is remarkably increased. However, when used as a fishing net, there is a problem that the wear resistance is poor.
[0009]
In the methods described in Patent Documents 6 and 10, polyester, which is said to have good abrasion resistance because it is a crystalline polymer, uses both a core component and a sheath component, but has conventionally been used as a fishing net. Abrasion resistance is lower than that of polyamide. In addition, in order to increase the specific gravity as a fishing net, an example in which tungsten particles having an average particle size of 1 μm or less is used in Example 6 of Reference Document 6, but tungsten particles having an average particle size of 1 μm or less cause secondary aggregation. Tungsten particles having an average particle diameter of 2 μm or less are likely to spontaneously ignite, and therefore have a problem that special handling is required for their handling. .
[0010]
In the methods described in Patent Literature 7, Patent Literature 8, Patent Literature 9, Patent Literature 10, Patent Literature 12, Patent Literature 13, Patent Literature 14, and Patent Literature 16, particles used or particles which are preferably used The specific gravity of each of them is 6.5 or less. If it is intended to obtain fibers having a specific gravity of 1.5 or more expected in an actual fishing ground using only particles having a specific gravity of 6.5 or less, Since the volume ratio of the particles inside becomes large, there is a problem that the spinnability is remarkably deteriorated and the abrasion resistance is poor.
[0011]
Further, as described in Examples of Patent Document 6, Patent Document 8, Patent Document 9, Patent Document 11, Patent Document 13, and Patent Document 14, when the core-sheath type high specific gravity fiber is solely meshed, seawater is used. Although it is possible to obtain a fishing net with a high sedimentation speed, the core-sheath type high specific gravity fiber has high a specific gravity particles in its core part, so the core part has poor abrasion resistance, and only the thin sheath part has abrasion resistance. Therefore, there was a problem in abrasion resistance as a fishing net.
[0012]
Further, as described in Patent Document 15, when a high-strength, high-specific-gravity fiber such as a fishing line is obtained using a core-sheath composite fiber, a composite abnormality at the time of spinning caused by reducing the volume of the core is reduced. It has a problem that it is liable to occur and the specific gravity of the fiber is low.
[0013]
Patent Documents 17 to 20 and the like describe a method of fiberizing a resin having a high specific gravity and excellent wear resistance. However, there is a problem that the price of the fluororesin is high, and the cost of the fiber using this resin and the price of the fishing net using the fiber are also high.
[0014]
[Patent Document 1]
JP-A-54-38921
[0015]
[Patent Document 2]
JP-A-59-157312
[0016]
[Patent Document 3]
JP-A-61-613
[0017]
[Patent Document 4]
JP-A-62-57918
[0018]
[Patent Document 5]
JP-A-6-133670
[0019]
[Patent Document 6]
JP-A-8-144126
[0020]
[Patent Document 7]
JP-A-8-214731
[0021]
[Patent Document 8]
JP-A-8-256638
[0022]
[Patent Document 9]
JP-A-8-284023
[0023]
[Patent Document 10]
JP-A-9-23786
[0024]
[Patent Document 11]
JP-A-9-294506
[0025]
[Patent Document 12]
JP-A-9-59822
[0026]
[Patent Document 13]
JP-A-10-60739
[0027]
[Patent Document 14]
JP-A-10-273828
[0028]
[Patent Document 15]
JP 2000-139301 A
[0029]
[Patent Document 16]
JP 2000-265332 A
[0030]
[Patent Document 17]
JP-A-7-54210
[0031]
[Patent Document 18]
JP-A-7-54211
[0032]
[Patent Document 19]
JP-A-7-138810
[0033]
[Patent Document 20]
JP-A-10-18127
[0034]
[Problems to be solved by the invention]
Although many attempts have been made to obtain high specific gravity fibers and fishing nets as described above, at present there are no high specific gravity fibers and fishing nets that satisfy all of the spinning properties, specific gravity, abrasion resistance, and price. High specific gravity fibers and fishing nets satisfying well-balanced properties are desired.
[0035]
The present invention has been made in view of the background of the prior art and has been made to solve the above-mentioned problems. Specifically, there is no danger of lead damage, and a monofilament as a high specific gravity fiber having high specific gravity and excellent wear resistance is provided. And fishing nets using it.
[0036]
[Means for Solving the Problems]
The monofilament of the present invention has a sheath component composed of a polyamide resin having a specific gravity of 2.5 to 12 containing tungsten metal particles or tungsten compound particles having an average particle diameter of 2 to 30 μm, and a sheath component composed of a polyamide resin or a polyester resin. It is necessary to be a core-sheath type monofilament having a specific gravity of 1.8 to 5 at 4.5 cN / dtex.
[0037]
A core, wherein at least one of the core and the sheath component contains one or more colorants, and the total content of the colorant with respect to the component is 0.01 to 4% by weight. It is preferably a sheath type monofilament.
[0038]
Further, the fishing net of the present invention is a fishing net formed by mixing monofilaments and multifilaments, and comprising a core-sheath type monofilament according to claim 1 or 2 and a multifilament comprising a polyamide resin or a polyester resin. The volume ratio is 5:95 to 60:40, and the specific gravity is 1.5 to 3. Preferably, the multifilament to be mixed is a polyester resin. Further, the multifilament to be mixed contains one or more types of coloring agents, and the total content of the coloring agents is 0.01 to 4% by weight.
[0039]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention will be described in detail.
[0040]
The core-sheath type monofilament of the present invention is composed of a polyamide resin having a specific gravity of 2.5 to 12 containing tungsten metal particles or tungsten compound particles having an average particle diameter of 2 to 30 μm as a sheath component, and a polyamide resin or a polyester resin as a sheath component. It is necessary that the core-sheath monofilament has a strength of 1 to 4.5 cN / dtex and a specific gravity of 1.8 to 5.
[0041]
Polyamide is conventionally known to be a resin excellent in abrasion resistance, and is superior in dispersibility of tungsten metal particles or tungsten compound particles compared to polyester resin used for general-purpose fibers, and more Is a resin into which the tungsten metal described above can be kneaded, so that it is essential in the present invention as a resin constituting the core component of the core-sheath type monofilament. As the polyamide resin that can be used for the core component, poly ε-caprolactam, polyhexamethylene adipamide, polyhexamethylene sebacamide, polydodecamide, polyhexamethylene isophthalamide, and the like are used. In consideration of physical properties and the like, poly-ε-caprolactam resin is particularly preferable, but is not limited thereto, and a copolymer or a mixture of two or more of these may be used. Further, as long as the effects of the present invention are not impaired, various additives such as a heat-resistant agent, a weather-resistant agent, a stabilizer, and a crosslinking agent may be contained.
[0042]
Further, in consideration of economy, workability, physical properties, etc., it is essential to use a polyamide resin or a polyester resin for the sheath component, and when a polyamide resin is used, it is possible to exhibit excellent wear resistance. When a polyester resin is used, the fishing net can be expected to have a higher specific gravity.
[0043]
It is essential that the core component of the core-sheath type monofilament of the present invention has a specific gravity of 2.5 to 12, preferably 3 to 10, and more preferably 3.5 to 9.0. In addition, it is necessary to use tungsten metal particles or tungsten compounds as the high specific gravity particles contained in the core component because they have high specific gravity and low toxicity compared to other non-lead metals, and are easy to handle with fine powder. It is.
[0044]
When the specific gravity is less than 2.5, the volume fraction of the core component in the core-sheath monofilament is increased, and the volume fraction of the sheath component is reduced, so that the wear resistance of the obtained core-sheath monofilament is deteriorated. I will. Further, it is necessary that the specific gravity be 12.0 or less in consideration of the ease of kneading the tungsten metal particles or the tungsten compound into the polyamide and the dispersibility. Tungsten metal particles or tungsten compounds contained in the core component include irregular and polyhedral tungsten metal powder, calcium tungstate, barium tungstate, tungsten carbide, tungsten disulfide, and tungsten boride. A mixture of the above can be used. The tungsten compound is not limited to these as long as it has a small environmental load and does not impair the effects of the present invention.
[0045]
It is essential that the average particle size of the tungsten metal particles or the tungsten compound is 2 to 30 μm, preferably 2 to 20 μm, and more preferably 2 to 15 μm. When the average particle size of tungsten is less than 2 μm, the tungsten particles are liable to undergo secondary agglomeration and difficult to uniformly disperse. It is a legal hazardous material, and its handling requires special measures, which is not preferable. On the other hand, if the average particle diameter of tungsten exceeds 30 μm, it is difficult to uniformly disperse the resin in the resin, and the yarn forming property is deteriorated due to the clogging of the spin pack filter. As long as the effects of the present invention are not impaired, high specific gravity particles such as copper oxide, iron oxide, titanium oxide, and barium sulfate may be mixed in addition to the tungsten metal particles or the tungsten compound.
[0046]
As the polyester resin that can be used for the sheath component, aromatic polyesters such as polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, and polypropylene terephthalate, and aliphatic polyesters such as polylactic acid, and those obtained by copolymerizing two or more of these can be used. As the polyamide resin, polyε-caprolactam, polyhexamethylene adipamide, polyhexamethylene sebacamide, polydodecamide, polyhexamethylene isophthalamide, or a copolymer of two or more of these can be used. Further, various additives such as a heat-resistant agent, a weather-resistant agent, and a stabilizer may be contained as long as the effects of the present invention are not impaired. In order to obtain strength and abrasion resistance as a fishing net, it is preferable to use a polyamide resin having a sulfuric acid relative viscosity of 2.0 or more, or a polyester resin having a relative viscosity of 0.6 or more.
[0047]
Core-sheath type filaments have high abrasion resistance due to high specific gravity particles in the core part, and only the sheath part is responsible for most of the wear resistance, so the thickness of the sheath part is large, high wear resistance Is essential.
[0048]
It is essential that the core-sheath type monofilament of the present invention has a strength of 1 to 4.5 cN / dtex, preferably 1 to 3 cN / dtex, and more preferably 1 to 2.8 cN / dtex. When the strength is less than 1.0 cN / dtex, the processability at the time of net making is poor due to insufficient strength, and when the strength exceeds 4.5 cN / dtex, the spinning caused by reducing the core volume is performed. When combined abnormalities occur at the time, the productivity is remarkably deteriorated, and the specific gravity becomes low, so that fibers suitable for fishing nets cannot be obtained.
[0049]
In consideration of sedimentation in water and the like, the specific gravity of the core-sheath type monofilament is essential to be 1.8 to 5, preferably 2.1 to 4.5, more preferably 2.2 to 4.0. 5 Originally, there is no particular upper limit on the specific gravity in terms of obtaining a fiber having a high specific gravity, but in order to obtain a core-sheath type monofilament having a high specific gravity, the volume of the core portion is increased or the amount of tungsten contained in the core portion is increased. When the core-sheath type monofilament is produced by using this method, the abrasion resistance decreases due to the increase in the volume of the core portion, and the yarn production deteriorates due to the cohesion of tungsten and clogging of the filter. Therefore, the specific gravity of the core-sheath type monofilament needs to be 5.0 or less.
[0050]
Further, the volume ratio of the core portion and the sheath portion of the core-sheath type monofilament of the present invention is not particularly limited. However, if the volume of the sheath portion is reduced, it is considered that abrasion resistance is deteriorated. %, Preferably 50% by volume or more, more preferably 60% by volume or more.
[0051]
The core-sheath type monofilament of the present invention preferably contains a coloring agent in at least one of the core component and the sheath component in an amount of 0.01 to 4% by weight based on the component. If the amount of the coloring agent is 0.01% by weight or more, the color tone does not become insufficient, and if it is 4% by weight or less, the strength required for fishing nets can be obtained. The addition amount of the coloring agent is more preferably 0.1 to 0.6% by weight, and even more preferably 0.3 to 0.5%, based on the polymer.
[0052]
Examples of the coloring agent include inorganic pigments such as a carbon black pigment having an average particle diameter of 0.1 μm, and organic coloring agents such as a phthalocyanine pigment, an anthraquinone coloring agent, a styrene coloring agent, and a quinacridone coloring agent. Although not particularly limited thereto, known dyes and pigments can be used as long as the objects and effects of the present invention are not impaired. It is preferable to use a black pigment so as not to give a sense of security to the user.
[0053]
The fishing net of the present invention is preferably a fishing net in which the core-sheath type monofilament of the present invention and a multifilament made of a polyamide resin or a polyester resin are mixed, in consideration of economy, processability, physical properties, and the like, and a further preferable form Is a fishing net in which the multifilament is made of a polyester resin.
[0054]
As the polyester resin used for the multifilament in the present invention, aromatic polyesters such as polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, and polypropylene terephthalate, and aliphatic polyesters such as polylactic acid, and those obtained by copolymerizing two or more of these are used. Polyamide resin may be poly-ε-caprolactam, polyhexamethylene adipamide, polyhexamethylene sebacamide, polydodecamide, polyhexamethylene isophthalamide, or a copolymer of two or more of these. it can. Further, various additives such as a heat-resistant agent, a weather-resistant agent, a stabilizer, and a crosslinking agent may be contained as long as the effects of the present invention are not impaired.
[0055]
In addition, the fishing net of the present invention requires that the volume ratio of the core-sheath type monofilament and the multifilament used in the fishing net is 5:95 to 60:40, preferably 5:95 to 50:50, more preferably. The fibers are blended at a ratio of 5:95 to 55:45 to form a net. When the volume ratio of the monofilament is less than 5%, it is difficult to obtain a fishing net having a specific gravity of 1.5 or more, and when the volume ratio is more than 60%, the ratio of the monofilament is high, the strength as the fishing net is reduced, and the net making property is reduced. There are problems such as worsening, the netness of the net is too strong and it is difficult to withdraw from the fishing ground, and the netness is too strong and bulky.
[0056]
Moreover, the specific gravity of the fishing net needs to be 1.5 to 3, and more preferably 1.6 to 2.5. When the specific gravity of the fishing net is less than 1.5, the specific gravity required for the fishing net is not satisfied, and when the specific gravity is 3.0 or more, the content of the core-sheath fiber or the high specific gravity particles contained in the core-sheath fiber is contained. Cost increases because of the increase in
[0057]
In the fishing net of the present invention, the multifilament to be used preferably contains at least one or more kinds of coloring agents in an amount of 0.01 to 4% by weight. When the amount of the coloring agent is 0.01% by weight or less, the color tone is insufficient, and when it exceeds 4% by weight, it becomes difficult to obtain the strength required for fishing nets. The amount of the colorant added is more preferably 0.1 to 0.6% by weight, more preferably 0.3 to 0.5% based on the polymer. Examples of the coloring agent include inorganic pigments such as a carbon black pigment having an average particle diameter of 0.1 μm, and organic coloring agents such as a phthalocyanine pigment, an anthraquinone coloring agent, a styrene coloring agent, and a quinacridone coloring agent. Examples include, but are not particularly limited to, the purpose of the present invention, known dyes and pigments can be used as long as the effects are not impaired, but they do not give a warning to fish As described above, it is preferable to use a black pigment.
[0058]
The method for obtaining the core-sheath type monofilament to be provided to the fishing net of the present invention is not particularly limited, and a conventionally known melt spinning method, dry spinning method, wet spinning method and the like can be used.
[0059]
For example, the polyamide resin containing the tungsten metal particles or the tungsten metal compound particles having the above-described average particle diameter used as the core portion is obtained by weighing the polyamide resin and the tungsten metal particles or the tungsten compound particles, and melt-kneading them with an extruder. Obtained by When a pigment is contained therein, when obtaining the tungsten metal particles or the tungsten compound particle-containing polyamide resin, the pigment can also be measured and melt-kneaded with an extruder, or the tungsten metal particles or the tungsten compound particles containing It is also possible to measure and blend a pigment master chip prepared in advance with a polyamide resin. The polyamide resin containing the tungsten metal particles or the tungsten compound particles and the pigment thus obtained may be subjected to spinning as it is once formed into chips, and if necessary, a high degree of polymerization may be performed again. It may be used after conversion. The specific gravity of the polyamide resin can be adjusted to 2.5 to 12 by calculating the kneading volume ratio from the specific gravity of the polyamide resin to be used and the specific gravity of the tungsten metal particles or the tungsten compound particles.
[0060]
On the other hand, the polyamide resin or polyester resin used as the sheath portion can be measured and added and melt-kneaded with an additive compounded as necessary, or a pigment master chip prepared in advance. It is also possible to carry out metered blending, and it is also possible to increase the degree of polymerization again and use the same as in the case of the core.
[0061]
The polymer composition for the core portion and the polymer composition for the sheath portion are melted by separate extruders, respectively, and then guided to a composite pack to form a core-sheath type composite flow in a composite spinneret. Then, it is discharged from the spinneret. The form of the composite is not particularly limited, such as a simple core-sheath type, multiple core types, a core variant type, a triple core-quadruple type such as a quadruple core, etc., provided that it is selected according to desired properties and applications. Good.
[0062]
The discharged core-sheath type monofilament is cooled by a method such as air cooling or a liquid bath. The cooling method may be selected according to setting conditions such as the thickness and viscosity of the monofilament. The monofilament drawn at a spinning speed of 20 to 100 m / min is drawn once or continuously without winding. Stretching can be performed in one step or in two or more steps. Further, as a method of applying heat required for drawing to the yarn, a known method such as roll heating, steam heating, and hot liquid heating may be used.
[0063]
By the method as described above, it is possible to obtain the core-sheath monofilament of the present invention having a specific gravity suitable for fishing nets and having excellent spinning properties and abrasion resistance.
[0064]
Hereinafter, a method for producing a fishing net using the core-sheath type monofilament of the present invention will be described. Fishing nets are classified into several types depending on the net structure, the method of knotting the nets, the location of the nets, and the like, but the types of the fishing nets of the present invention are not particularly limited. Hereinafter, a general knitting method of a knotless fishing net, which is a typical fishing net, is shown. However, there are several types of fishing net depending on the knitting method, and the present invention is not limited to the following manufacturing method.
[0065]
Taking polyethylene terephthalate as an example of a multifilament that is formed together with a core-sheath type monofilament, a method for producing the fiber is shown. Can be adopted.
[0066]
The polyethylene terephthalate fiber is spun from a die by a melt spinning method using a polyethylene terephthalate resin having an intrinsic viscosity of 1.14 as a raw material. At this time, in order to prevent deterioration of the polymer due to heat, the residence time of the polymer in the spinning machine is preferably as short as possible, usually within 10 minutes, preferably 1 to 5 minutes. The spinning temperature is usually 290 ° C., but may be changed as appropriate depending on the presence or absence of a copolymer component.
[0067]
Further, it is preferable that a heating cylinder is disposed immediately below the spinneret, and the discharge yarn passes through the heating cylinder. The heating cylinder may be a heating cylinder generally having a length of 5 to 100 cm and a temperature controlled at 200 to 350 ° C., and the length and temperature conditions may be appropriately changed depending on the fineness of the obtained yarn and the number of filaments. May be. This heating cylinder is preferably used to delay the solidification of the molten polymer and to exhibit high strength.
[0068]
After passing through the high-temperature atmosphere, the spun yarn is cooled and solidified by cold air, and then, after an oil agent is applied, the spun yarn is taken up by a take-up roll that controls the spinning speed.
[0069]
The undrawn yarn taken up by the take-up roll is usually drawn continuously, but may be drawn once and then drawn in another step. The spinning speed is usually 300 to 3000 m / min, preferably 1500 m / min or less. Stretching may be performed by a conventional thermal stretching, and is preferably performed in two or more stages. The stretching ratio can be changed depending on the degree of orientation of the undrawn yarn, the stretching temperature, the distribution of the stretching ratio at the time of multi-stage stretching, and the like, but is 1.5 to 8.0 times, preferably 2.5 to 7.5 times. Such a high magnification is preferred.
[0070]
Next, the drawn yarn is heat-set. The heat setting may be performed by a method such as bringing the yarn into contact with a heat roller or a hot plate, or passing the yarn through a high-temperature gas, and generally, a heat fixing temperature of 200 to 250 ° C. may be used. After heat setting, a relaxation treatment is performed, and by changing the tension at this point, it is possible to control the dry heat shrinkage and the initial yield point strength. Here, in order to increase the relaxation rate, it is preferable to perform the relaxation treatment in combination with a yarn heating means such as a contact type heater or a non-contact type heater. Further, in order to suppress the generation of fluff in the process, there is no problem in performing the entanglement treatment on the filament in the stretching process and the heat setting process.
[0071]
For the confounding, a method such as air confounding can be adopted. For example, in the case of air confounding, a desired degree of confounding can be achieved by appropriately changing the air pressure according to the fineness or tension of the yarn used. The degree of confounding (CF value) is preferably from 5 to 70, and more preferably from 10 to 60.
[0072]
Several polyester multifilaments obtained by the above method are drawn and aligned to obtain the required fineness as a net yarn. The aligned yarn is subjected to, for example, plying to form a ply-twisted yarn. The core-sheath type monofilament wound by the above method and the ply-twisted yarn are combined and twisted, and two plied middle-twisted yarns are twisted and twisted. While knitting, the knots are formed by combining the knits with each other to form knots, and at the same time, a knotless fishing net is formed by a vertical knotless knitting netting machine that forms a mesh.
[0073]
The fishing net of the present invention thus obtained has a small environmental load, and has excellent sedimentation and durability in water.
[0074]
【Example】
Hereinafter, as an example, the present invention will be described in detail using a core-sheath type monofilament for a fixed net and a fishing net as an example.
[0075]
Each physical property in this example is a value measured as follows.
[0076]
[Tungsten average particle size]
The maximum diameter of 100 tungsten particles was determined using a scanning electron microscope observation method, and the average was defined as the average particle diameter of tungsten.
[specific gravity]
Bromoform and water were used as solvents, and bromoform and water were mixed to prepare a desired density solution, and the solution was measured by ups and downs of the sample.
[Core-sheath composite volume ratio]
It was calculated from the specific gravity of the core component or the sheath component and the discharge amount (weight ratio).
[Strength, elongation]
After the sample was left in a temperature control room at 20 ° C. and 65% RT for 24 hours or more, the elongation-strength curve was measured at a test length of 25 cm and a take-up speed of 30 cm / min using a Tensilon tensile tester manufactured by Orientec Co., Ltd. The strength was calculated.
[viscosity]
Sulfuric acid relative viscosity (ηr): 1 g of a sample was dissolved in 100 ml of 98% sulfuric acid and measured at 25 ° C. with an Ostwald viscometer.
Intrinsic viscosity (IV): 8 g of a sample was dissolved in 100 ml of orthochlorophenol, the solution viscosity (η) was measured at 25 ° C. using an Ostwald viscometer, and the intrinsic viscosity (IV) was calculated by the following approximate formula.
IV = 0.0242η + 0.2634
[Confounding degree (CF value)]
A load of 100 g is applied to a sample having a test length of 1 m, a hook of 6 g is lowered at a descent speed of 1 to 2 cm / sec, and calculated by the formula: Entanglement (CF value) = 100 (cm) / descent distance (cm). I asked.
[Spinning stability]
Evaluation was made in three stages from the state of occurrence of yarn breakage during continuous spinning stretching.
:: Good and long-term stable spinning is possible.
Δ: Yarn production is possible, but yarn breakage occurs
×: It is difficult to spin for a long time due to unstable yarn breakage
[Stiffness evaluation of net]
The stiffness of the produced fishing net was evaluated in the following three stages.
A: It has a moderate stiffness for practical use.
B: Slightly strong but practical.
C: The net is hard and cannot be put to practical use.
[0077]
[Examples 1 to 4]
As a core component, a polymer having a specific gravity shown in Table 1 containing tungsten metal powder (specific gravity 19.3) having an average particle size shown in Table 1 in poly-ε-caprolactam having a sulfuric acid relative viscosity of 2.73 was used. Used was polyethylene terephthalate (PET) having an intrinsic viscosity of 1.14. These were melted at a temperature of 250 ° C. for the core component polymer and 290 ° C. for the sheath component polymer using an extruder type spinning apparatus, and spun out by a composite spinning pack heated to 290 ° C. Using a two-component composite spinneret, spinning was performed from a 1.3 mm diameter spinning hole so that the sheath-core composite volume ratio was as shown in Table 1. The spun yarn was cooled in a water bath at 20 ° C. to obtain an undrawn yarn. Without winding the undrawn yarn, the first stage drawing was performed at 2.1 times in a warm water bath at 90 ° C, and then passed through a heating zone at 220 ° C so that the total drawing ratio became 3 times. While stretching in the second step, the mixture was further passed through a heating zone at 230 ° C. and subjected to a 0.9-fold relaxation heat treatment to obtain a core-sheath monofilament having a diameter of 285 μm.
[Example 5]
The procedure was performed in the same manner as in Example 1 except that poly-ε-caprolactam (N6) having a sulfuric acid relative viscosity of 3.02 was used as the sheath component polymer.
[Example 6]
The procedure was performed in the same manner as in Example 1 except that a polyethylene terephthalate chip containing 20% by weight of carbon black (pigment) having an average particle size of 0.1 μm was blended with the sheath component polymer chip to obtain the pigment content shown in Table 1. .
[Comparative Examples 1 to 3]
The procedure was performed in the same manner as in Example 1 except that the average particle size of the tungsten metal powder, the specific gravity of the core polymer, and the strength of the core-sheath type monofilament are shown in Table 2.
[0078]
Table 1 shows the properties and the spinning properties of the core-sheath type monofilaments obtained by Examples 1 to 6, and Table 2 shows the properties and the spinning properties of the core-sheath type monofilaments obtained by the methods of Comparative Examples 1 to 3.
[0079]
[Table 1]
[0080]
[Table 2]
[0081]
As shown in Comparative Example 1, when the tungsten particles contained in the core portion of the core-sheath type monofilament were large, the spinning was poor and only low-strength fibers could be obtained. Further, when the fiber of Comparative Example 1 was used for the net making, the yarn was frequently broken in the net making process due to insufficient strength, and the net could not be obtained stably. When a polymer having a specific gravity of less than 2.5 is used for the core portion as shown in Comparative Example 2, a core-sheath type monofilament having a specific gravity of 1.8 or more specified in the present invention can be obtained. Since the volume% of the portion was reduced, there was a problem in the abrasion resistance and strength. Further, as shown in Comparative Example 3, when a fiber having a strength exceeding 4.5 cN / dtex was obtained, a high specific gravity fiber could not be obtained due to a decrease in the volume of the core portion.
[Examples 7 and 8]
When the high specific gravity fiber and the black-dipped polyethylene terephthalate multifilament described in Example 3 (1100 dtex-96 filament, strength 5.5 cN / dtex, CF value 37) were used as a fishing net, the overall fineness was 10,000 dtex, and is shown in Table 3. To obtain the volume ratio, a number of black spun multifilaments are aligned, the lower twist is applied to the lower twisted yarn, and the high specific gravity core-sheath type monofilament wound by the above-mentioned manufacturing method is twisted together with the lower twisted yarn to form a medium twist. The knitting was further performed by a usual method using a vertical knotless knitting knitting machine to produce a knotless fixed net having a mesh size of 150 mm. The properties of the thus obtained knotless fixed net were evaluated and are shown in Table 2.
[Examples 9 and 10]
Example 7 was carried out in the same manner as in Example 7, except that the high specific gravity fiber of Example 1 was mixed with the black-colored multifilament at the volume ratio shown in Table 3.
[Comparative Example 4]
The procedure was performed in the same manner as in Example 7 except that only the high specific gravity fiber of Example 1 was used and the fiber was not mixed with the multifilament.
[Comparative Example 5]
Example 7 was carried out in the same manner as in Example 7 except that the high specific gravity fiber of Example 2 was mixed with the black-stained multifilament at the volume ratio shown in Table 3.
[Comparative Example 6]
Example 7 was carried out in the same manner as in Example 7, except that the high specific gravity fiber of Example 1 was mixed with the black-colored multifilament at the volume ratio shown in Table 3.
[0082]
[Table 3]
[0083]
As is clear from Table 3, fishing nets produced using the method of the present invention had high specific gravity and high strength. However, the fishing net exceeding the scope of the present invention, for example, the fishing net obtained by the method of Comparative Example 5 was not only hard but also weak in the fishing net obtained by the method of Comparative Example 5 in which the fishing net was not mixed with the multifilament, and the fishing net had a specific gravity. Despite the use of the high core-sheath composite fiber, the specific gravity of the fishing net was low, and the fishing net obtained by the method of Comparative Example 6 was hard and could not be used practically.
[0084]
【The invention's effect】
The core-sheath type monofilament of the present invention can have a high specific gravity with a small content by containing tungsten in the core layer.Since tungsten having an average particle size of 2 to 30 μm is used, the dispersibility in the resin is improved. It is a core-sheath type monofilament that is excellent, has good spinning properties and has a high specific gravity. In addition, the fishing net of the present invention uses a core-sheath type monofilament having a specific gravity of 1.8 to 5 and is made by mixing multifilaments made of a polyamide resin or a polyester resin at a volume ratio of 5:95 to 60:40. Since the net is a fishing net having a specific gravity of 1.5 to 3, it has a high specific gravity, does not easily drip due to an ocean current or the like, and has excellent wear resistance.
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