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JP2004161716A - Jnk阻害剤 - Google Patents

Jnk阻害剤 Download PDF

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JP2004161716A
JP2004161716A JP2002332027A JP2002332027A JP2004161716A JP 2004161716 A JP2004161716 A JP 2004161716A JP 2002332027 A JP2002332027 A JP 2002332027A JP 2002332027 A JP2002332027 A JP 2002332027A JP 2004161716 A JP2004161716 A JP 2004161716A
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phenyl
pyrimido
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thiazin
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Withdrawn
Application number
JP2002332027A
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English (en)
Inventor
Fumio Ito
文雄 伊藤
Hiroyuki Kimura
宏之 木村
Hideki Igata
英樹 井形
Shuji Kitamura
周治 北村
Tomohiro Kawamoto
朋広 河本
Hidenori Abe
秀範 阿部
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】JNK阻害作用を有する新規医薬を提供する。
【解決手段】式(I)
【化1】
Figure 2004161716

(I)
〔式中、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示し、XおよびXはそれぞれ独立して置換されていてもよいC2−4アルキレンを示し、Xは結合手、置換されていてもよいC アルキレンまたは置換されていてもよいC2−4アルケニレンを示し、Yは結合手または置換されていてもよい二価の環状基を示し、Qは結合手、−O−、−S−または−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、Lは結合手または−C(=O)−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を示し、炭素原子はYと、窒素原子はXと結合する。)を示し、環Aは置換されていてもよい含窒素複素環を示し、nは0、1または2を示す。〕で表される化合物若しくはその塩。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は医薬として有用な縮合ピリミジンジオン骨格を有するc−Jun N−端末キナーゼ〔c−Jun N−terminal kinase (JNK)〕阻害剤、ならびにJNK阻害作用を有する新規縮合ピリミジンジオン誘導体、その製造方法及び用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
哺乳類の細胞は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)・ファミリーメンバーを介するシグナルカスケードの活性化により、細胞外の刺激に応答する。MAPKには、c−Jun N−terminal kinase (JNK) (別名:ストレス活性化プロテインキナーゼ(SAPK))、p38MAPキナーゼ、extracellular signal regulated kinase(ERK)の3種があり、成長因子、サイトカイン、紫外線照射、ストレス誘導剤など様々なシグナルにより活性化される。MAPKは、セリン・スレオニンキナーゼであることから、活性化ループにあるThr−X−Tyr配列のスレオニンとチロシンの両方がリン酸化されることによって活性化される。MAPKは、様々な転写因子をリン酸化・活性化することで、特定の遺伝子の発現を調節し、細胞外の刺激に対して特異的な応答を仲介している。
JNKにはjnk1、jnk2およびjnk3の3つの遺伝子が同定されており、哺乳類では少なくとも10種のアイソフォームが存在している(非特許文献1参照)。Jnk1およびjnk2は多くの組織で発現しているが、jnk3は脳で特異的に発現していることから、JNK3は特に神経機能に関与する可能性がある。ストレス応答性MAPキナーゼファミリーのJNKシグナル伝達系は,浸透圧変化、DNA損傷、アニソマイシン、熱ショック、紫外線照射、虚血、炎症性サイトカインなどや、アポトーシス誘導に関わる様々なストレス刺激によって活性化されることから、ストレス応答を担う主要な細胞内情報伝達経路を構成すると考えられている(非特許文献2参照)。活性化されたJNKは、c−Jun,ATF−2,Elk1,p53やcell death domain protein (DENN)など各種転写因子や細胞死(アポトーシス)シグナルを活性化することで、特定遺伝子の転写活性を規制し、あるいはアポトーシスを誘導して、各種ストレスなどの環境変化に応答している(非特許文献3参照)。癌、細胞死、アレルギー、喘息、心疾患、自己免疫性疾患、虚血性疾患、炎症、神経変性疾患など様々な病態や疾患においてJNKの慢性的な活性化が見られることから、JNKの活性化がこれら疾患の発病や増悪に密接に関与していることが示唆されている。〔本明細書中では、このようなJNKの活性化が関与する病態または疾患を「JNK関連病態または疾患」と表す。〕
JNKと各種JNK関連病態または疾患の関係としては、例えば、心筋細胞においては、伸展刺激や虚血によりJNKが活性化し、ストレスシグナルを伝達している事が知られている。JNKは、カテコラミン、アンジオテンシンIIやエンドセリンによっても活性化され、心肥大や線維化に関与する因子(BNP/ANP、TNF−α、TGF−β、MMPsなど)の発現を調節している(非特許文献4〜6参照)。最近になって、心筋梗塞発症後、心不全患者の心臓JNK活性が上昇している事や、MKK7(JNK選択的キナーゼ)心臓過剰発現マウスが心不全を呈する事が報告され、心不全進行過程でのJNKの関与が示唆されている(非特許文献7参照)。また、圧負荷心肥大モデルにおいてドミナントネガティブによるJNK阻害は、血圧に影響することなく心肥大を抑制する事が報告されている(非特許文献8参照)。さらに、虚血・再灌流モデルにおいて、ドミナントネガティブMKK7はJNK活性を低下させ、心筋細胞死を抑制する事が報告されている。このことから、JNKの阻害薬は虚血性心疾患、心不全、心筋梗塞予後ならびに心肥大の治療に有効である可能性がある。
JNKはIL−2のプロモーターを活性化することで、T−細胞活性化に重要な役割を果たしている。また最近のノックアウトマウスを用いた実験から、JNKはTh1とTh2細胞の分化にも重要な役割を果たしていることが報告されている。したがって、JNKの阻害薬は病的免疫疾患の治療に有効である可能性がある(非特許文献9〜13参照)。
リュウマチ患者の滑膜細胞ではJNKが活性化されており、JNKがIL−1刺激滑膜細胞におけるMMP遺伝子の発現を調節していることから、リュウマチ患者の関節破壊にJNKが大きく関与していることが報告されている(非特許文献14参照)。このことから、JNKの阻害薬はリュウマチの治療に有効である可能性がある。
JNK3ノックアウトマウスでは、カイニン酸の多量投与による神経細胞のアポトーシスに抵抗することから、JNK3はグルタメート型の神経毒性発現において重要な役割を果たしている(非特許文献15参照)。また、JNK3は低酸素または虚血状態の神経細胞において活性化されてアポトーシスを引き起こす。これらのことからJNKの阻害薬はアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病のような神経変性疾患または虚血、出血性の脳卒中の治療に有効である可能性がある。
これまで、JNK阻害作用を有する化合物は、例えばインドリノン誘導体が特許文献1、特許文献2及び特許文献3に、ウラシル誘導体が特許文献4に、イソキサゾール誘導体が特許文献5に、チオフェンスルホンアミド誘導体が特許文献6、特許文献7及び特許文献8に、ピラゾロアントロン誘導体が特許文献9に、ピリミジルイミダゾール誘導体が特許文献10にそれぞれ開示されている。しかしながら、これまでJNK阻害作用を有する縮合ピリミジンジオン誘導体は報告されていない。
【0003】
【特許文献1】
国際公開第99/35906号パンフレット
【特許文献2】
国際公開第99/35909号パンフレット
【特許文献3】
国際公開第99/35921号パンフレット
【特許文献4】
国際公開第00/75118号パンフレット
【特許文献5】
国際公開第01/12621号パンフレット
【特許文献6】
国際公開第01/23378号パンフレット
【特許文献7】
国際公開第01/23379号パンフレット
【特許文献8】
国際公開第01/23382号パンフレット
【特許文献9】
国際公開第01/12609号パンフレット
【特許文献10】
国際公開第01/91749号パンフレット
【非特許文献1】
「EMBO ジャーナル(EMBO Journal),1996年,第15巻,p.2760−2770」
【非特許文献2】
「ビオケミカ・エト・ビオフィジカ・アクタ(Biochemica et Biophysica Acta), 1997年,第1333巻,p.F85−F104」
【非特許文献3】
「プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America),1998年, 第95巻,p.2586−2591」
【非特許文献4】
「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry), 第270巻,p.29710−29717」
【非特許文献5】
「FASEB ジャーナル(FASEB Journal), 1996年,第10巻, p.631−636」
【非特許文献6】
「サーキュレーション・リサーチ(Circulation Research), 1997年,第80巻, p.139−146」
【非特許文献7】
「ジャーナル・オブ・モレキュラー・アンド・セルラー・カーディオロジー(Journal of Molecular and Cellular Cardiology), 1999年,第31巻, p.1429−1434」
【非特許文献8】
「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(Journal of Clinical Investigation), 1999年,第104巻, p.391−398」
【非特許文献9】
「ジャーナル・オブ・イムノロジー(Journal of Immunology), 1999年,第162巻,p.3176−3187」
【非特許文献10】
「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イムノロジー(European Journal of Immunology), 1998年,第28巻, p.3867−3877」
【非特許文献11】
「ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディスン(Journal ofExperimental Medicine), 1997年,第186巻, p.941−953」
【非特許文献12】
「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イムノロジー(European Journal of Immunology), 1996年, 第26巻, p.989−994」
【非特許文献13】
「カレント・バイオロジー(Current Biology), 1999年, 第9巻, p.116−125」
【非特許文献14】
「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(Journal of Clinical Investigation), 2001年,第108巻, p.73−81」
【非特許文献15】
「ネイチャー(Nature), 1997年,第389巻, p.865−870」
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記JNK阻害作用を有する化合物は、JNK阻害作用が必ずしも十分ではなく、また他のキナーゼ阻害作用との選択性が不十分であるなど、有効性や副作用の危険性などの安全面で問題が残っている。また、物性(安定性、溶解性など)、経口吸収性やターゲット臓器への移行性などが十分ではないため、医薬として実用上満足な結果が得られているとは言えず、JNK関連病態または疾患に有効な医薬として優れたJNK阻害剤の開発が切望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、JNK関連病態または疾患の予防又は治療薬として、縮合ピリミジンジオン骨格を有する有用でかつ安全なJNK阻害剤を提供するものである。
本発明者らは、種々鋭意研究を重ねた結果、縮合ピリミジンジオン骨格を有する化合物またはその塩がその特異的な化学構造に基づいて、予想外にも優れたJNK特異的阻害活性を有し、更に安定性等の医薬品としての物性においても優れた性質を有しており、哺乳動物のJNK関連病態または疾患の予防ならびに治療薬として安全でかつ有用な医薬となることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は
(1)式(I)
【化6】
Figure 2004161716
Figure 2004161716
〔式中、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示し、XおよびXはそれぞれ独立して置換されていてもよいC2−4アルキレンを示し、Xは結合手、置換されていてもよいC アルキレンまたは置換されていてもよいC2−4アルケニレンを示し、Yは結合手または置換されていてもよい二価の環状基を示し、Qは結合手、−O−、−S−または−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、Lは結合手または−C(=O)−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を示し、炭素原子はYと、窒素原子はXと結合する。)を示し、環Aは置換されていてもよい含窒素複素環を示し、nは0、1または2を示す。〕で表される化合物若しくはその塩又はそのプロドラッグを含有することを特徴とするJNK阻害剤;
(2)式(I)
【化7】
Figure 2004161716
Figure 2004161716
〔式中、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示し、XおよびXはそれぞれ独立して置換されていてもよいC2−4アルキレンを示し、Xは結合手、置換されていてもよいC アルキレンまたは置換されていてもよいC2−4アルケニレンを示し、Yは結合手または置換されていてもよい二価の環状基を示し、Qは結合手、−O−、−S−または−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、Lは結合手または−C(=O)−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を示し、炭素原子はYと、窒素原子はXと結合する。)を示し、環Aは置換されていてもよい含窒素複素環を示し、nは0、1または2を示す。ただし、環Aはイミダゾ[1,2−a]ピリジン、イミダゾ[1,2−c]ピリミジン、5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレンでない。〕で表される化合物またはその塩;
(3)前記(2)記載の化合物のプロドラッグ;
(4)環Aが置換されていてもよい1ないし3環性の含窒素複素環である前記(2)記載の化合物;
(5)環Aが置換されていてもよい縮合ピリジンまたは置換されていてもよい縮合ピリミジンである前記(2)記載の化合物;
(6)環Aが式
【化8】
Figure 2004161716
〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される三環性縮合含窒素複素環である前記(2)記載の化合物;
(7)環Bおよび環Cがそれぞれ独立して、それぞれ置換されていてもよく部分的に飽和していてもよいピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環またはトリアジン環である前記(6)記載の化合物;
(8)式
【化9】
Figure 2004161716
が式
【化10】
Figure 2004161716
〔式中、環B’および環C’はそれぞれ置換されていてもよく、その他の記号は前記と同意義を示す。〕である前記(6)記載の化合物;
(9)Rが水素原子、置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよいC1−6アルキル基である前記(2)記載の化合物;
(10)Xが−(CH−である前記(2)記載の化合物;
(11)nが2である前記(2)記載の化合物;
(12)Lが−C(=O)−NH−(炭素原子はYと、窒素原子はXと結合する。)である前記(2)記載の化合物;
(13)Yが1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、ピリジン−2,5−ジイル基またはチオフェン−2,5−ジイル基である前記(2)記載の化合物;
(14)Yが置換されていてもよい二価の環状基であり、環Aが置換されていてもよい芳香族単環式含窒素複素環である前記(2)記載の化合物;
(15)芳香族単環式含窒素複素環がピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピラゾール、チアゾール、イミダゾールまたはトリアゾールである前記(14)記載の化合物;
(16)Qが−S−である前記(2)記載の化合物;
(17)Qが−S−であり、環Aが置換されていてもよい芳香族二環性縮合含窒素複素環である前記(2)記載の化合物;
(18)2−(キナゾリン−4−イルスルファニル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセタミド、4−(キナゾリン−4−イルスルファニル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、4−[2−(チオフェン−2−イル)キナゾリン−4−イルスルファニル]−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、2−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセタミド、2−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセタミド、4−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、4−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、3−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルスルファニルメチル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(ピラジン−2−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(ピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(ピリジン−4−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、3−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(6−フェニルアセチルアミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(2H−ピラゾール−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(2−アミノチアゾール−4−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、7−[4−(3−メチル−1,4,7b−トリアザ−シクロペンタ[cd]インデン−2−イルスルファニル)ブチル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8−ジオン、4−クロロ−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]−1,7b−ジアザ−シクロペンタ[cd]インデン−3−カルボキサミド、N−[3−(1,1,6,8−テオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]−4−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザ−シクロペンタ[cd]インデン−3−カルボキサミドおよびN−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]−4−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザ−シクロペンタ[cd]インデン−3−カルボキサミドからなる群から選ばれた化合物またはその塩、またはそのプロドラッグ;
(19)前記(2)または(3)記載の化合物を含有することを特徴とする医薬;
(20)JNK関連病態または疾患の予防・治療剤である前記(1)記載の剤;
(21)慢性または急性心不全、心肥大、拡張型、肥大型または拘束型心筋症、急性心筋梗塞、心筋梗塞予後、急性または慢性心筋炎、左心拡張能不全、左心収縮不全、高血圧症とそれに合併した腎症・腎炎、血管内皮機能低下、動脈硬化症または血管形成術後再狭窄の予防・治療剤である前記(1)記載の剤;
(22)慢性関節リュウマチ、変形性関節炎、痛風、慢性閉塞性肺疾患、喘息、気管支炎、嚢胞性線維症、炎症性腸疾患、過敏性大腸症候群、粘液性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、胃炎、食道炎、多発性硬化症、湿疹、皮膚炎、肝炎、糸球体腎炎、糖尿病、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、乾癬または癌の予防・治療剤である前記(1)記載の剤;
(23)アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、てんかん、筋萎縮性側索硬化症、末梢神経障害、神経変性疾患または脊椎損傷の予防・治療剤である前記(1)記載の剤;
(24)脳卒中、脳血管障害、心臓、腎臓、肝臓および脳から選ばれる臓器の虚血障害、虚血再灌流障害、臓器不全、エンドトキシンショックまたは移植時の拒絶の予防・治療剤である前記(1)記載の剤
;などに関するものである。
【0007】
前記式中、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示す。
Rで示される「置換されていてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基などが挙げられる。
該「アルキル基」としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシルなどの「直鎖状または分枝状のC1−15アルキル基」など、好ましくはC1−8アルキル基が用いられ、より好ましくはC1−6アルキル基が用いられ、さらに好ましくはC1−4アルキル基が用いられる。
該「シクロアルキル基」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチルなどの「C3−10シクロアルキル基」などが用いられ、より好ましくはC3−8シクロアルキル基が用いられ、さらに好ましくはC5−7シクロアルキル基が用いられる。
【0008】
該「アルケニル基」としては、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、3−ブテニル、3−オクテニル、9−オクタデセニルなどの「C2−18アルケニル基」などが用いられ、より好ましくはC2−6アルケニル基が用いられ、さらに好ましくはC2−4アルケニル基が用いられる。
該「シクロアルケニル基」としては、例えばシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルなどの「C3−10シクロアルケニル基」などが用いられ、より好ましくはC3−8シクロアルケニル基が用いられ、さらに好ましくはC5−7シクロアルケニル基が用いられる。
該「アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、プロパルギル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニルなどの「C2−8アルキニル基」などが用いられ、より好ましくはC2−6アルキニル基が用いられ、さらに好ましくはC2−4アルキニル基が用いられる。
【0009】
該「アラルキル基」としては、C7−16アラルキル基などが用いられ、具体的には、例えばベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチルなどのフェニル−C1−6アルキル基および、例えば(1−ナフチル)メチル、2−(1−ナフチル)エチル、2−(2−ナフチル)エチルなどのナフチル−C1−6アルキル基などが挙げられる。
該「アリール基」としては、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、フェナントリル、アントリル(anthryl)などの芳香族単環式、2環式または3環式のC6−14アリール基、ビフェニル基、トリル基などが用いられ、好ましくは、フェニル、ナフチルなどC6−10アリール基、より好ましくはフェニルが用いられる。
【0010】
Rで示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基としては、例えば、
(i)ニトロ基、(ii)ヒドロキシ基、オキソ基、(iii)シアノ基、(iv)カルバモイル基、(v)モノ−またはジ−C1−4アルキル−カルバモイル基(例えば、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイルなど;該アルキル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−4アルコキシ基などで置換されていてもよい)、モノ−またはジ−C2−4アルケニル−カルバモイル基(例えば、N−アリルカルバモイルなど;該アルケニル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−4アルコキシ基などで置換されていてもよい)、モノ−またはジ−フェニル−カルバモイル基、モノ−またはジ−ベンジル−カルバモイル基、C1−4アルコキシ−カルボニル−カルバモイル基、C1−4アルキルスルホニル−カルバモイル基、C1−4アルコキシ−カルバモイル基、アミノ−カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−4アルキルアミノ−カルバモイル基、モノ−またはジ−フェニルアミノ−カルバモイル基、(vi)カルボキシル基、(vii)C1−4アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルなど)、(viii)スルホ基、(ix)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、(x)ハロゲン化されていてもよいC1−4アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなど)、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−4アルコキシ基、カルボキシル基で置換されていてもよいC1−4アルコキシ基、C1−4アルコキシ−カルボニル基で置換されていてもよいC1−4アルコキシ基、C1−4アルコキシ−C1−4アルコキシ基、C1−4アルコキシ−C1−4アルコキシ−C1−4アルコキシ基、(xi)フェノキシ基、フェノキシ−C1−4アルキル基、フェノキシ−C1−4アルコキシ基、C1−4アルキルカルボニル−オキシ基、カルバモイルオキシ基、モノ−またはジ−C1−4アルキル−カルバモイルオキシ基、(xii)ハロゲン化されていてもよいフェニル基、ハロゲン化されていてもよいフェニル−C1−4アルキル基、ハロゲン化されていてもよいフェニル−C2−4アルケニル基、ハロゲン化されていてもよいフェノキシ基(例えば、o−,m−またはp−クロロフェノキシ、o−,m−またはp−ブロモフェノキシなど)、ピリジルオキシ基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルキル−C1−4アルコキシ基、C3−10シクロアルキル−C1−4アルキル基、(xiii)ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなど)、ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニルなど)、ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオなど)、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−4アルキル基、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−4アルキルチオ基、(xiv)メルカプト基、チオキソ基、(xv)ハロゲン原子、カルボキシル基およびC1−4アルコキシ−カルボニル基から選ばれる置換基でそれぞれ置換されていてもよいベンジルオキシ基またはベンジルチオ基、(xvi)ハロゲン化されていてもよいフェニルチオ基、ピリジルチオ基、フェニルチオ−C1−4アルキル基、ピリジルチオ−C1−4アルキル基、(xvii) ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニルなど)、フェニルスルフィニル基、フェニルスルフィニル−C1−4アルキル基、(xviii) ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニルなど)、フェニルスルホニル基、フェニルスルホニル−C1−4アルキル基、(xix)アミノ基、アミノスルホニル基、モノ−またはジ−C1−4アルキルアミノスルホニル基(例えば、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル、N,N−ジメチルアミノスルホニル、N,N−ジエチルアミノスルホニルなど;該アルキル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−4アルコキシ基などで置換されていてもよい)、(xx)C1−3アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノなど)、ベンジルオキシカルボニルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシカルボニルアミノ、C1−4アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなど)、ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキル、カルボキシル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基でそれぞれ置換されていてもよいフェニルスルホニルアミノ基、カルバモイルアミノ基、モノ−またはジ−C1−4アルキルカルバモイルアミノ基、(xxi)モノ−またはジ−C1−4アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなど;該アルキル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−4アルコキシ基などで置換されていてもよい)、フェニルアミノ、ベンジルアミノ、(xxii)4ないし6員環状アミノ基(例えば、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、1−ピペラジニルなど)、4ないし6員環状アミノ−カルボニル基(例えば、1−アゼチジニルカルボニル、1−ピロリジニルカルボニル、ピペリジノカルボニル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、1−ピペラジニルカルボニルなど)、4ないし6員環状アミノ−カルボニル−オキシ基(例えば、1−ピロリジニルカルボニルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、チオモルホリノカルボニルオキシ、1−ピペラジニルカルボニルオキシなど)、4ないし6員環状アミノ−カルボニル−アミノ基(例えば、1−ピロリジニルカルボニルアミノ、ピペリジノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、チオモルホリノカルボニルアミノ、1−ピペラジニルカルボニルアミノなど)、4ないし6員環状アミノ−スルホニル基(例えば、1−ピロリジニルスルホニル、ピペリジノスルホニル、モルホリノスルホニル、チオモルホリノスルホニル、1−ピペラジニルスルホニルなど)、4ないし6員環状アミノ−C1−4アルキル基、(xxiii)ハロゲン原子、カルボキシル基およびC1−4アルコキシ−カルボニル基から選ばれる置換基でそれぞれ置換されていてもよいC1−6アシル基(例えば、ホルミル、アセチルなどのハロゲン化されていてもよいC2−6アルカノイルなど)またはベンゾイル基、(xxiv)ハロゲン原子で置換されていてもよいベンゾイル基、(xxv)5ないし10員複素環基(例えば、2−または3−チエニル、2−または3−フリル、3−,4−または5−ピラゾリル、2−,4−または5−チアゾリル、3−,4−または5−イソチアゾリル、2−,4−または5−オキサゾリル、1,2,3−または1,2,4−トリアゾリル、1H−または2H−テトラゾリル、2−,3−または4−ピリジル、2−,4−または5−ピリミジル、3−または4−ピリダジニル、キノリル、イソキノリルインドリルなど;該複素環基はC1−4アルキル基などで置換されていてもよい)、(xxvi)5ないし10員複素環−カルボニル基(例えば、2−または3−チエニルカルボニル、2−または3−フリルカルボニル、3−,4−または5−ピラゾリルカルボニル、2−,4−または5−チアゾリルカルボニル、3−,4−または5−イソチアゾリルカルボニル、2−,4−または5−オキサゾリルカルボニル、1,2,3−または1,2,4−トリアゾリルカルボニル、1H−または2H−テトラゾリルカルボニル、2−,3−または4−ピリジルカルボニル、2−,4−または5−ピリミジルカルボニル、3−または4−ピリダジニルカルボニル、キノリルカルボニル、イソキノリルカルボニル、インドリルカルボニルなど;該複素環基はC1−4アルキル基などで置換されていてもよい)、(xxvii)ヒドロキシイミノ基、C1−4アルコキシイミノ基、アリール基(例えば、1−または2−ナフチルなど)および(xxviii) ハロゲン化されていてもよい直鎖状または分枝状のC1−4アルキレンオキシ基(例えば、メチレンオキシ、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、テトラフルオロエチレンオキシなど)、ハロゲン化されていてもよい直鎖状または分枝状のC1−4アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ、テトラフルオロエチレンジオキシなど)などが用いられる。該「炭化水素基」は、置換可能な位置に、これらの置換基を1ないし5個有していてもよく、2以上を有する場合、置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0011】
Rで示される「置換されていてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例えば、環系を構成する原子(環原子)として、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む芳香族複素環基、飽和あるいは不飽和の非芳香族複素環基(脂肪族複素環基)等が挙げられる。
該「芳香族複素環基」としては、例えばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等の5または6員の芳香族単環式複素環基、および例えばベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、ブテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニル、ベンゾ〔1,2,5〕チアジアゾリル、ベンゾ〔1,2,5〕オキサジアゾリル等の8〜16員(好ましくは、8〜12員)の芳香族縮合複素環基(好ましくは、前記した5または6員の芳香族単環式複素環基1〜2個(好ましくは、1個)がベンゼン環1〜2個(好ましくは、1個)と縮合した複素環または前記した5または6員の芳香族単環式複素環基の同一または異なった複素環2〜3個(好ましくは、2個)が縮合した複素環、より好ましくは前記した5または6員の芳香族単環式複素環基がベンゼン環と縮合した複素環)等が挙げられる。
該「非芳香族複素環基」としては、例えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジニル(好ましくは、4−ピペリジニル)、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等の3〜8員(好ましくは5〜6員)の飽和あるいは不飽和(好ましくは飽和)の非芳香族複素環基(脂肪族複素環基)等、あるいは1,2,3,4−テトラヒドロキノリル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリルなどのように前記した芳香族単環式複素環基又は芳香族縮合複素環基の一部又は全部の二重結合が飽和した非芳香族複素環基等が挙げられる。
該「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」としては、5または6員の芳香族単環式複素環基などが好ましい。該「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」が有していてもよい置換基としては、Rで示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基と同様なものなどが同様の数用いられる。
【0012】
Rとしては、水素原子、置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよいC1−6アルキル基などが好ましく、該フェニル基および該C1−6アルキル基がそれぞれ有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン化されていてもよいC1−4アルコキシ基、カルボキシル基、C1−4アルコキシ−カルボニル基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−4アルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−4アルキル−アミノ基などが好ましい。Rとしては、水素原子、C1−6アルキル基、フェニル基などが特に好ましい。
【0013】
およびXはそれぞれ独立して置換されていてもよいC2−4アルキレンを示す。
およびXで示される「置換されていてもよいC2−4アルキレン」における「C2−4アルキレン」としては、例えば、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH(CH))−、−(CHCH(CH)−などが用いられる。
該「C2−4アルキレン」が有していてもよい置換基としては、Rとしての「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基と同様のものなどが同様の数用いられる。
としては−(CH−などが好ましい。
としては−(CH−、−(CH−および−(CH−などが好ましい。
【0014】
は結合手、置換されていてもよいC アルキレンまたは置換されていてもよいC2−4アルケニレンを示す。
で示される「置換されていてもよいC アルキレン」における「C アルキレン」としては、例えば、−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CH(CH)CH−、−C(CHCH−、−(CH(CH))−、−(CHC(CH−、−CH(CHCHCH)−などが用いられる。
で示される「置換されていてもよいC2−4アルケニレン」における「C2−4アルケニレン」としては、−CH=CH−、−CH−CH=CH−、−CH(CH)−CH=CH−、−CH−C(CH)=CH−、−CH−CH=C(CH)−、−CH=C(CH)−、−C(CH)=C(CH)−、−CH−CH=CH−CH−、−CH−CH−CH=CH−、−CH=CH−CH=CH−などが用いられる。
該「C アルキレン」および「C2−4アルケニレン」が有していてもよい置換基としては、それぞれ、Rとしての「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基と同様のものなどが同様の数用いられる。
【0015】
Yは結合手または置換されていてもよい二価の環状基を示す。
Yで示される「置換されていてもよい二価の環状基」における「二価の環状基」としては、例えば「二価の環状の炭化水素基」および「二価の複素環基」等が挙げられる。
「二価の環状基」の例としての「二価の環状の炭化水素基」としては、前記したRで示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」のうち環状の炭化水素基(例えば、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基など)の任意の水素原子を1個除去して形成される二価の基などが挙げられる。該「二価の環状の炭化水素基」としては2価のアリール基などが好ましく、なかでもフェニレン基などが好ましい。該フェニレン基としては、例えば1,2−フェニレン、1,3−フェニレンまたは1,4−フェニレンなどが挙げられ、なかでも1,4−フェニレンなどが好ましい。
「二価の環状基」の例としての「二価の複素環基」としては、前記したRで示される「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」の任意の水素原子を1個除去して形成される二価の基などが挙げられる。該「二価の複素環基」としては二価の芳香族複素環基が好ましく、なかでも二価の5または6員の芳香族複素環基が好ましい。該二価の5または6員の芳香族複素環基としては、例えばピリジン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイルなどが挙げられる。
で示される「置換されていてもよい二価の環状基」における「二価の環状基」が有していてもよい置換基としては、Rで示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基と同様のものなどが同様の数用いられる。
Yとしては、例えば1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイルまたはチオフェン−2,5−ジイルなどが好ましい。
【0016】
Qは結合手、−O−、−S−または−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を示す。)を示す。
で示される「置換されていてもよい低級アルキル基」における「低級アルキル基」としては、Rで示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」の例としての「アルキル基」のうち炭素数が1ないし6程度のもの(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)などが用いられる。Rで示される「置換されていてもよい低級アルキル基」における「低級アルキル基」が有していてもよい置換基としては、Rで示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基と同様のものなどが同様の数用いられる。
Qとしては、−S−などが好ましい。
【0017】
Lは結合手または−C(=O)−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を示し、炭素原子はYと、窒素原子はXと結合する。)を示す。
で示される「置換されていてもよい低級アルキル基」における「低級アルキル基」としては、Rで示される「置換されていてもよい低級アルキル基」における「低級アルキル基」と同様のものなどが用いられる。Rで示される「置換されていてもよい低級アルキル基」における「低級アルキル基」が有していてもよい置換基としては、Rで示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基と同様のものなどが同様の数用いられる。
Lとしては−C(=O)−NR−が好ましく、なかでも−C(=O)−NH−が好ましい。
【0018】
、Y、QおよびLの組み合わせの例示としては、
i) X、Y、QおよびLが結合手である場合;
ii) X、YおよびLが結合手であり、Qが−S−である場合;
iii) X、YおよびQが結合手であり、Lが−C(=O)−NR−である場合;
iv) Xが置換されていてもよいC アルキレンであり、YおよびQが結合手であり、Lが−C(=O)−NR−である場合;
v) Xが置換されていてもよいC アルキレンであり、Yが結合手であり、Qが−S−であり、Lが−C(=O)−NR−である場合;
vi) Xが置換されていてもよいC アルキレンであり、Yが置換されていてもよい二価の環状基であり、Qが−S−であり、Lが−C(=O)−NR−である場合;
vii) XおよびQが結合手であり、Yが置換されていてもよい二価の環状基であり、Lが−C(=O)−NR−である場合;
viii) Xが結合手であり、Yが置換されていてもよい二価の環状基であり、Qが−S−であり、Lが−C(=O)−NR−である場合;
ix) Xが置換されていてもよいC アルキレンであり、Yが置換されていてもよい二価の環状基であり、Qが結合手であり、Lが−C(=O)−NR−である場合;
x) Xが結合手であり、Yが置換されていてもよい二価の環状基であり、Qが−O−であり、Lが−C(=O)−NR−である場合;
xi) Xが置換されていてもよいC アルキレンであり、Yが置換されていてもよい二価の環状基であり、Qが−O−であり、Lが−C(=O)−NR−である場合;
xii) Xが置換されていてもよいC2−4アルケニレンであり、YおよびQが結合手であり、Lが−C(=O)−NR−である場合;
などが挙げられる。
【0019】
環Aは置換されていてもよい含窒素複素環を示す。
環Aで示される「置換されていてもよい含窒素複素環」における「含窒素複素環」としては、例えば、環系を構成する原子(環原子)として窒素原子を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む芳香族含窒素複素環、飽和あるいは不飽和の非芳香族含窒素複素環(脂肪族含窒素複素環)等が挙げられる。該含窒素複素環としては、1ないし3環性の含窒素複素環が好ましい。
該「芳香族含窒素複素環」としては、例えばピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、フラザン、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、等の5または6員の芳香族単環式含窒素複素環、および、例えばインドール、イソインドール、1H−インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、1,2−ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、1,2−ベンゾイソチアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、ナフチリジン、プリン、プテリジン、カルバゾール、α−カルボリン、β−カルボリン、γ−カルボリン、アクリジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン、チアントレン、フェナントリジン、フェナントロリン、インドリジン、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジン、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジン、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジン、イミダゾ〔1,2−b〕ピラゾール、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジン、イミダゾ〔4,5−c〕ピリジン、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン、ピラゾロ〔1,5−c〕ピリミジン、ピラゾロ〔3,4−d〕ピリミジン、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン、イミダゾ〔1,5−b〕ピリダジン、ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジン、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジン、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジン、〔1,2,4〕トリアゾロ〔1,2−a〕ピリダジン、〔1,2,3〕トリアゾロ〔1,5−a〕ピリミジン、〔1,2,4〕トリアゾロ〔1,5−c〕ピリミジン、〔1,2,4〕トリアゾロ〔1,5−a〕ピリジン、〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジン、ベンゾ〔1,2,5〕チアジアゾール、ベンゾ〔1,2,5〕オキサジアゾール、ピラゾロ〔5,1−b〕チアゾール、ピロロ〔2,1−f〕〔1,2,4〕トリアジン、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジン、ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、ピロロ〔2,3−b〕ピリジン、チエノ〔3,2−b〕ピリミジン、チエノ〔2,3−b〕ピリジン、チエノ〔2,3−c〕ピリジン、チエノ〔3,2−b〕ピリジン、チエノ〔3,2−c〕ピリジン、ピリド〔2,3−b〕ピラジン、ピリド〔3,4−b〕ピラジン、ピリド〔2,3−d〕ピリミジン、ピリド〔3,2−d〕ピリミジン、ピリド〔4,3−d〕ピリミジン等の8〜16員(好ましくは、8〜12員)の芳香族二環性縮合含窒素複素環などの芳香族縮合含窒素複素環などが挙げられる。該芳香族縮合含窒素複素環としては、ピリジン環が前記した5または6員の芳香族単環式含窒素複素環1〜2個(好ましくは、1個)またはベンゼン環1〜2個(好ましくは、1個)と縮合した縮合ピリジン、およびピリミジン環が前記した5または6員の1〜2個(好ましくは、1個)またはベンゼン環1〜2個(好ましくは、1個)と縮合した縮合ピリミジン等が好ましい。該縮合ピリジンとしては、例えばイミダゾ[1,2−a]ピリジン、イミダゾ[1,5−a]ピリジンなどのイミダゾピリジンなどが挙げられ、なかでもイミダゾ[1,2−a]ピリジンが好ましい。
該「非芳香族含窒素複素環」としては、例えばアゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、チアゾリジン、オキサゾリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン等の3〜8員(好ましくは5〜6員)の飽和あるいは不飽和(好ましくは飽和)の非芳香族含窒素複素環(脂肪族含窒素複素環)等、あるいは1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンなどのように前記した芳香族単環式含窒素複素環又は芳香族縮合含窒素複素環の一部又は全部の二重結合が飽和した非芳香族含窒素複素環等が挙げられる。
環Aで示される「置換されていてもよい含窒素複素環」における「含窒素複素環」の好ましい態様として、式
【化11】
Figure 2004161716
〔式中、B環、C環およびD環はそれぞれ独立して置換されていてもよい単環式含窒素複素環を示す。〕で表される三環性縮合含窒素複素環なども挙げられる。
該三環性縮合含窒素複素環としては、例えば、3H−1,4,8b−トリアザアセナフチレン、1,4,7b−トリアザシクロペンタ[cd]インデン、1,7b−ジアザシクロペンタ[cd]インデン、5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン、1H−1,4,7b−トリアザシクロペンタ[cd]インデン−2−オン、3H−1,3,7b−トリアザシクロペンタ[cd]インデン−4−オン、4,5−ジヒドロ−3H−1,4,8b−トリアザアセナフチレン、4,5−ジヒドロ−1,4,8b−トリアザアセナフチレン−3−オン、1,4,8b−トリアザアセナフチレン−3,5−ジオン、1,2−ジヒドロ−1,4,7b−トリアザシクロペンタ[cd]インデン、3,4−ジヒドロ−1,3,7b−トリアザシクロペンタ[cd]インデン、7,8,9,10−テトラヒドロ−6−チア−2,9,10b−トリアザシクロオクタ[cd]インデン、ピリミド[2,3,4−cd]ピロリジン、ピラジノ[3,4,5−cd]ピロリジン、2a,7−ジアザシクロペンタ[cd]ペンタレン、1,3,6−トリアザシクラ[3.3.3]アジン、1,3,6,7−テトラザシクラ[3.3.3]アジン、1,3,4,7−テトラザシクラ[3.3.3]アジンなどが挙げられる。環Aを構成するBおよびCで示される単環式含窒素複素環としては、それぞれ前記した含窒素複素環のうち単環式の含窒素複素環と同様のもの(芳香族または非芳香族のいずれであってもよい)などが挙げられ、例えば、環Bおよび環Cとしてはそれぞれ、それぞれ部分的に飽和していてもよいピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環またはトリアジン環などが好適な例として挙げられる。なかでも、環Bが置換されていてもよいイミダゾール環であり、環Cが置換されていてもよいピリジン環である三環性縮合含窒素複素環が好ましい。すなわち、
【化12】
Figure 2004161716
〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される三環性縮合含窒素複素環としては、式
【化13】
Figure 2004161716
〔式中、環B’および環C’はそれぞれ置換されていてもよく、その他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される三環性縮合含窒素複素環が好ましく、なかでも、3H−1,4,8b−トリアザアセナフチレン、1,4,7b−トリアザシクロペンタ[cd]インデン、1,7b−ジアザシクロペンタ[cd]インデン、5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレンなど特に好ましい。
環Aで示される「置換されていてもよい含窒素複素環」における「含窒素複素環」が有していてもよい置換基としては、Rで示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基と同様の数の同様なものなどが用いられる。
【0020】
、Y、Q、Lおよび環Aの組み合わせの好ましい態様として、例えば、Yが置換されていてもよい二価の環状基(好ましくは1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイルまたはチオフェン−2,5−ジイルなど)であり、Lが−C(=O)−NR−(好ましくは−C(=O)−NH−)である場合などが挙げられる。Yが置換されていてもよい二価の環状基であり、環Aが置換されていてもよい芳香族単環式含窒素複素環である場合なども好ましい態様として挙げられるが、該芳香族単環式含窒素複素環としてはピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピラゾール、チアゾール、イミダゾールまたはトリアゾールなどが好ましく、なかでも、置換されていてもよいアミノ基で置換されたピリジン、置換されていてもよいアミノ基で置換されたピリミジンまたは置換されていてもよいアミノ基で置換されたチアゾールなどが特に好ましい。
また、Yが結合手または二価の環状基(好ましくはフェニレン)であり、Qが−S−である場合なども好ましい態様として挙げられる。Qが−S−であり、環Aが置換されていてもよい芳香族二環性縮合含窒素複素環である場合なども好ましい態様として挙げられる。
【0021】
環Aが式
【化14】
Figure 2004161716
〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される三環性縮合含窒素複素環であり、Q、XおよびYが結合手である場合;環Aが式
【0022】
【化15】
Figure 2004161716
〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕表される三環性縮合含窒素複素環であり、YおよびLが結合手である場合;なども好ましい態様として挙げられる。
【0023】
前記式中、nは0,1または2(好ましくは2)を示す。
【0024】
上記式(I)で表される化合物としては、2−(キナゾリン−4−イルスルファニル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセタミド、4−(キナゾリン−4−イルスルファニル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、4−[2−(チオフェン−2−イル)キナゾリン−4−イルスルファニル]−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、2−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセタミド、2−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセタミド、4−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、4−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、3−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルスルファニルメチル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(ピラジン−2−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(ピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(ピリジン−4−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、3−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(6−フェニルアセチルアミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(2H−ピラゾール−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(2−アミノチアゾール−4−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、7−[4−(3−メチル−1,4,7b−トリアザ−シクロペンタ[cd]インデン−2−イルスルファニル)ブチル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8−ジオン、4−クロロ−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]−1,7b−ジアザ−シクロペンタ[cd]インデン−3−カルボキサミド、N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]−4−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザ−シクロペンタ[cd]インデン−3−カルボキサミドおよびN−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]−4−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザ−シクロペンタ[cd]インデン−3−カルボキサミドなどがとりわけ好ましく用いられる。
【0025】
上記式(I)で表される化合物またはその塩〔以下、化合物(I)と称することがある〕のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解などを起こして化合物(I)に変化する化合物をいう。化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例えば、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など)、化合物(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例えば、化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など)、あるいは、化合物(I)のカルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、化合物(I)のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。
また化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
【0026】
化合物(I)の塩としては、薬理学的に許容しうる塩等が挙げられ、例えばトリフロロ酢酸、酢酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ホスホン酸、塩酸、硝酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、スルファミン酸、硫酸等の酸との酸付加塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン等の有機塩等が挙げられる。
化合物(I)の光学的に活性な形態が必要とされる場合、例えば、光学的に活性な出発物質を使用して、あるいは自体公知の方法を使用する該化合物のラセミ形態の分割によって得ることができる。
【0027】
化合物(I)は、例えば、以下に示すような方法によって製造することができる。以下の反応式に記載された各化合物は、反応を阻害しないのであれば、塩を形成していてもよく、かかる塩としては、化合物(I)の塩と同様なものなどが挙げられる。
【化16】
Figure 2004161716
Figure 2004161716
Figure 2004161716
Figure 2004161716
【0028】
反応a
化合物(I)のLが−CONR−である場合、式(II)
【化17】
Figure 2004161716
〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化合物(II)と式(III)
【化18】
Figure 2004161716
〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物(III)を反応させることにより化合物(I)を製造することができる。
本アミド結合形成反応は、アミド形成試薬を単独で用いて反応を有利に進めることができる。このようなアミド形成試薬としては、例えば1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド メソ−p−トルエンスルホネート、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ジフェニルリン酸アミド、シアノリン酸ジエチル、1−エチル−3−(3−ジエチルアミノプロピル)カルボジイミド ハイドロクロライド(以下WSCと称する)等が用いられる。アミド形成試薬の使用量は、化合物(II)1当量に対し通常1当量ないし3当量である。
また本アミド結合形成反応は、例えば2,4,5−トリクロロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール等のフェノール類、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンズトリアゾール(以下HOBtと称することがある)、N−ヒドロキシピペリジン、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボジイミド等のN−ヒドロキシ化合物と例えばジシクロヘキシルカルボジイミド等を添加して、化合物(II)を縮合させ活性なエステル体に変換した後、化合物(III)と反応させても有利に進めることができる。フェノール類またはN−ヒドロキシ化合物の使用量は化合物(II)1当量に対し通常1当量ないし3当量である。ジシクロヘキシルカルボジイミドの使用量は化合物(II)1当量に対し通常1当量ないし3当量である。
また本アミド結合形成反応は、化合物(II)を例えばクロロ炭酸エチル、 クロロ炭酸イソブチル、 クロロ炭酸ベンジル等の酸塩化物と反応させ混合酸無水物に変換した後、 化合物(III)と反応させることによっても有利に進めることができる。酸塩化物の使用量は化合物(II)1当量に対し通常1当量ないし3当量である。本アミド結合形成反応は、化合物(II)1当量に対し化合物(III)を通常1当量ないし3当量反応させるのがよい。
また本アミド結合形成反応は、化合物(II)を例えば塩化チオニル、塩化オキサリル、三塩化りん、五塩化りん等を用いて酸ハライドに変換した後、化合物(III)と反応させても有利に進めることができる。
また本反応は、必要に応じて無機ならびに有機塩基、例えば三級アミン類(例えばトリエチルアミン、ピリジン、ジメチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピペリジン等)等を添加して、反応を促進させることができる。
このような反応促進剤の使用量は化合物(II)1当量に対し通常1当量ないし大過剰(好ましくは1当量ないし10当量)である。反応は通常−30℃ないし50℃(好ましくは0℃ないし25℃)の温度範囲で行われる。
本反応は、無溶媒下でも溶媒の存在下でも行うことができる。使用される溶媒は、反応に支障のない限り特に限定されず、例えばエーテル、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、塩化メチレン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等が用いられる。反応時間は通常10分間ないし48時間、好ましくは1時間ないし24時間である。
【0029】
反応b
化合物(I)のQが−O−、−S−または−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を示す。)である場合、式(IV)
【化19】
Figure 2004161716
〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化合物(IV)と式(V)
【化20】
Figure 2004161716
Figure 2004161716
〔式中、Gは脱離基(例えば、ハロゲン原子(例、塩素、臭素、ヨウ素など)、式 R−SO−O− (式中、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基などを示す)で表される基など)を示し、他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物(V)を反応させることにより化合物(I)を製造することができる。
前記式中、Rで示されるハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基における低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等のC1−6アルキル基が挙げられ、中でもメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル等のC1−4アルキル基が好ましい。Rで示されるハロゲン原子で置換された低級アルキル基としては、例えばトリクロロメチル、トリフルオロメチル等が挙げられる。
で示されるフェニル基が有していてもよい置換基としては、例えば低級アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル等)、低級アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ等のC1−6アルコキシ基)、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
本反応は、アルキル化反応であり、一般に溶媒中、塩基の存在下に行われる。
本反応に用いる塩基としては、例えば水素化カリウム、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属類、例えばリチウムエトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の炭素数1ないし6の金属アルコキシド類、例えば水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、例えばトリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチジン、γ−コリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機アミン類、2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−ペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリンならびにその樹脂等が用いられる。
本反応に用いる溶媒としては反応を阻害しない溶媒が適宜選択される。このような溶媒としては例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコール−ジメチルエーテル等のエーテル類、例えばギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、例えばn−ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、例えばホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類等のほか、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホルアミド、水等が単独又は混合溶媒として用いられる。
本反応において、化合物(IV)1モルに対して化合物(V)約1ないし約5モル、好ましくは約1ないし約2モルが用いられる。
反応温度は約−50℃ないし約150℃、好ましくは約−20℃ないし約100℃である。
反応時間は化合物(IV)又は(V)の種類、溶媒及び塩基の種類、反応温度等により異なるが、通常約1分間ないし約100時間、好ましくは約15分間ないし約48時間である。
【0030】
反応c
式(VI)
【化21】
Figure 2004161716
Figure 2004161716
〔式中、Gは水酸基または脱離基を示し、他の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化合物(VI)と式(VII)
【化22】
Figure 2004161716
Figure 2004161716
〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物(VII)を反応させることにより化合物(I)を製造することができる。
前記式中、Gで示される「脱離基」としては、Gで示される「脱離基」と同様のものなどが用いられる。
が水酸基の場合、反応を阻害しない溶媒中、光延反応を利用してアルキル化することができる。
かかる溶媒としては、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のカルボン酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、その他アセトニトリル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等通常用いられる非プロトン性溶媒を用いることが出来る。なかでも、テトラヒドロフランが好ましい。
光延反応においては試薬として、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボン酸ビスジメチルアミド等のアゾジカルボン酸類と、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン等のホスフィン類との組合せが好んで用いられる。また、シアノメチレントリブチルホスホラン等のホスホラン類を単独で用いることもできる。
該反応は化合物(VII)1モルに対して、アルコール類(VI)1〜2モル程度、光延反応試薬1〜3モル程度をテトラヒドロフラン中、通常0℃〜溶媒の沸点程度で5〜40時間、好ましくは0℃〜室温程度で1〜20時間程度行うのがよい。
が脱離基の場合、塩基存在下に溶媒中でアルキル化することができる。
本アルキル化反応で用いる溶媒としては、通常ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、エチルメチルケトン、テトラヒドロフランなどを用いる。
本反応に用いる塩基としては、例えば水素化カリウム、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属類、例えばリチウムエトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の炭素数1ないし6の金属アルコキシド類、例えば水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、例えばトリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチジン、γ−コリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機アミン類、2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−ペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリンならびにその樹脂等が用いられる。
また本反応は、反応促進剤としてヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウム等のヨウ化物を添加することもできる。
本アルキル化反応は、化合物(VII)1モルに対してアルキル化剤(VI)1〜3モル程度、炭酸カリウム1〜3モル程度を用い、ジメチルホルムアミド中、通常0℃〜溶媒の沸点程度で5〜40時間、好ましくは室温〜100℃程度で10〜20時間程度行うのがよい。
【0031】
反応d
反応dは硫黄原子の酸化反応であり、化合物(Ia)を溶媒中、酸化剤と反応させて化合物(Ib)を得るものである。
本反応で用いる溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸、アセトニトリル、酢酸エチルおよび水等を単独あるいは混合溶媒として用いることが出来る。中でも、ハロゲン化炭化水素類が好ましい。
酸化剤としては、m−クロロ過安息香酸等の有機過酸、N−ブロモコハク酸イミド等のN−ハロカルボン酸アミド類、過ヨウ素酸、オキソン、過酸化水素水等があげられる。なかでも、m−クロロ過安息香酸を用いるのが好ましい。また、酸化剤の添加量としては、化合物(Ia)に対して当量よりやや過剰程度用いるのがよい。
本反応は通常、化合物(Ia)の塩化メチレン溶液に氷冷下かきまぜながら、m−クロロ過安息香酸を少量づつ加えた後、氷冷下〜室温で3〜20時間程度撹拌するのが良い。
【0032】
上記反応に用いた化合物(III)および化合物(V)は、例えば以下に示す方法で製造することができる。
【化23】
Figure 2004161716
Figure 2004161716
【0033】
反応e
反応eは、溶媒中で塩基の存在下、化合物(VIIa)を式
【化24】
Figure 2004161716
〔式中、Pはアミノ基の保護基を示し、Gは水酸基または脱離基を示し、その他の記号は前記と同意議を示す。〕で表される化合物と反応させて化合物(VIIIa)を得るものであり、反応cと同様のアルキル化方法などが用いられる。前記式中、Gで示される脱離基としては、Gで示される脱離基と同様のものなどが用いられる。
【0034】
反応f
反応fは硫黄原子の酸化反応であり、反応dと同様の方法などが用いられる。反応g
反応gはアミノ基保護基の脱保護反応であり、自体公知またはそれに準じた方法が用いられるが、例えば、酸、塩基、還元、紫外光、ヒドラジン、ピペリジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウムなどで処理する方法が用いられる。
反応h
反応hは化合物(VIIa)のアルキル化反応であり、反応cと同様の方法が用いられる。
反応i
反応iは硫黄原子の酸化反応であり、反応dと同様の反応が用いられる。
【0035】
化合物(VIIa)は、例えば以下に示す方法で製造することができる。
【化25】
Figure 2004161716
〔式中、Gは脱離基を示し、Bzlはベンジル基を示し、他の記号は前記と同意義を示す。〕
反応j
文献 1)ヘミッシェ ベリヒテ(Chem.Ber.,), 1962年, 95, p.1597、および2)アンナーレン デアヘミー(Ann.Chem.,),1966年, 691,p.142 に記載された方法またはそれらに準じた方法により、バルビツール酸誘導体(IX)をクロロ化することにより化合物(X)を製造することができる。
原料化合物(IX)は、市販化合物の購入またはマロン酸エステル類とベンジル尿素を塩基存在下に縮合環化することにより容易に入手可能である。
反応k
前記式中、Gで示される脱離基としては、Gで示される脱離基と同様のものなどが用いられる。
化合物(X)を種々のアルキルジハライド(例、1−ブロモ−2−クロロエタン、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1−ブロモ−3−クロロ−2−メチルプロパンなど)と、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン極性溶媒中、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下、約50〜約100℃で10〜20時間程度反応させて、容易に化合物(XI)を得ることができる。
反応l
反応lは、化合物(XI)を溶媒中、硫黄試薬と反応させて化合物(XII)を得るものである。
溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のカルボン酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、その他アセトニトリル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等、通常用いられる非プロトン性溶媒を用いることが出来る。なかでも、カルボン酸アミドやスルホキシド類が好ましい。
硫黄試薬としては、水硫化ナトリウム(NaSH)、硫化ナトリウム(NaS)および硫化アンモニウム((NHS)などがあげられるが、水硫化ナトリウムを用いるのが好ましい。又、硫黄試薬の添加量は、化合物(XI)に対し2〜4倍量用いるのがよい。
本反応は、通常氷冷下〜室温程度で0.5〜10時間程度行なう。好ましくは、化合物(XI)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液に氷冷下水硫化ナトリウムを加えた後、室温で1〜2時間程度撹拌するのがよい。
【0036】
反応m
反応mは、化合物(XII)の保護基であるベンジル基を除去する反応であり、溶媒中、化合物(XII)に脱ベンジル化剤を反応させて化合物(VIIa)を得るものである。
溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類およびクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等を用いることが出来る。なかでも、ベンゼン、トルエン、キシレン等が好ましい。
脱ベンジル化剤としては、三臭化ホウ素、金属ナトリウム−液体アンモニアおよび接触還元などが挙げられる。中でも三臭化ホウ素が最も簡便で好ましい。また、脱ベンジル化剤の添加量は化合物(XII)1モルに対して2〜10モル程度、好ましくは2〜5モル程度使用するのが良い。
更に、本反応は通常、化合物(XII)のトルエン溶液に、三臭化ホウ素を加え、5〜40時間程度、約50℃〜溶媒の沸点程度、好ましくは溶媒の沸点程度で10〜20時間程度反応させるのがよい。
【0037】
化合物(II)は例えば以下の方法により製造することができる。
【化26】
Figure 2004161716
〔式中、Rは置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示し、他の記号は前記と同意義を示す。〕
反応n
本反応はエステルからカルボン酸への加水分解反応であり、例えば酸による方法、塩基による方法、還元による方法、紫外光による方法、テトラブチルアンモニウムフルオリドによる方法、酢酸パラジウムによる方法等が挙げられ、これら一般的な方法あるいはその他の公知の手段を適宜選択して用いることができる。
酸による方法は主にt−ブチルエステルの場合に用いられ、使用される酸の好ましい例としては、例えばギ酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸;例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸等が挙げられる。塩基による方法は、通常低級アルキルエステルの場合に用いられ、使用される塩基の好ましい例としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸アルカリ金属、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等のリン酸アルカリ土類金属、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム等のリン酸水素アルカリ金属ならびにアンモニア水等の無機塩基等が挙げられる。還元による方法は、例えばベンジルオキシメチル、ベンジル、p−ニトロベンジル、ベンズヒドリル等で保護されたカルボキシル基等の脱保護に適用される。使用される還元法の好ましい例としては、亜鉛/酢酸による還元、接触還元等が挙げられる。紫外光による方法は、例えばo−ニトロベンジルで保護されたカルボキシル基の脱保護に用いられる。テトラブチルアンモニウムフルオリドによる方法は、例えば2−トリメチルシリルエチル等のシリルエーテル型エステルならびにシリルエステル類から保護基を除去し、カルボキシル基を得る方法として用いられる。酢酸パラジウムによる方法は、例えばアリルエステルから保護基を除去してカルボキシル基を得る方法として用いられる。
本反応は、一般に溶媒中で行うのが有利である。使用される溶媒は、通常水、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、例えばテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、例えばN,N−ジメチルホルムアミドのアミド類、例えばジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等の非プロトン性の極性溶媒、およびこれらの混合溶媒、その他反応に悪影響を及ぼさない溶媒等が用いられる。液状の酸または塩基は溶媒としても使用できる。反応は通常−20℃ないし100℃(好ましくは0℃ないし80℃)の温度範囲で行われる。反応時間は、通常10分間ないし24時間、好ましくは0.5時間ないし6時間である。
反応о
本反応はアルデヒドからカルボン酸への酸化反応であり、酸化剤を用いた自体公知あるいはそれに準じた方法により行うことができる。
酸化剤としては、例えば、過マンガン酸カリウム、クロム酸、ピコリン酸銀(III)、過酸化カリウム、亜塩素酸ナトリウムと過酸化水素等が用いられる。好ましくは、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランとリン酸二水素カリウム水溶液との混合溶媒中において、亜塩素酸ナトリウムおよび過酸化水素を用いる方法であり、過酸化水素の替わりに2−メチル−2−ブテンを用いることもできる。反応は通常0℃ないし100℃(好ましくは0℃ないし室温)の温度範囲で行われる。反応時間は、通常10分間ないし24時間、好ましくは0.5時間ないし6時間である。
【0038】
化合物(XIII)および(XIV)において、それぞれ、XおよびQが結合手であり、Yが2価の芳香族基である化合物(XIIIa)および(XIVa)は、例えば以下の方法により製造することができる。
【化27】
Figure 2004161716
反応pおよび反応q
式(XV)
【化28】
Figure 2004161716
〔式中、Mはヨウ素、臭素、塩素等のクロスカップリング反応可能なハロゲン原子、トリフラート基あるいはクロスカップリング反応可能な原子団基(例えば、ホウ素、スズ、マグネシウム等で結合する原子団基、等)を示し、他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物(XV)又はその塩と、式(XVI)あるいは式(XVII)
【化29】
Figure 2004161716
〔式中、Mはヨウ素、臭素、塩素等のクロスカップリング反応可能なハロゲン原子、トリフラート基あるいはクロスカップリング反応可能な原子団基(例えば、ホウ素、スズ、マグネシウム等で結合する原子団基、等)を表し、Arは例えばフェニル基、ピリジル基、チエニル基等の2価の芳香族基を表し、他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物(XVI)又は化合物(XVII)、またはそれらの塩とを反応させて、化合物(XIIIa)又は化合物(XIVa)を製造することができる。ただし、Mがヨウ素、臭素、塩素等のクロスカップリング反応可能なハロゲン原子あるいはトリフラート基である場合、Mはクロスカップリング反応可能な原子団基(例えば、ホウ素、スズ、マグネシウム等で結合する原子団基、等)を表し、Mがクロスカップリング反応可能な原子団基(例えば、ホウ素、スズ、マグネシウム等で結合する原子団基、等)である場合、Mはヨウ素、臭素、塩素等のクロスカップリング反応可能なハロゲン原子あるいはトリフラート基を表す。
本法は化合物(XV)と化合物(XVI)又は化合物(XVII)とを金属触媒存在下にクロスカップリング反応(例えば、鈴木カップリング反応、Stilleカップリング反応等)させることにより、化合物(XIIIa)又は化合物(XIVa)を製造する方法である。
本反応は通常塩基の存在下に行い、該塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属類、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属類、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化アルカリ土類金属類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸アルカリ金属類、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸水素アルカリ金属、リン酸三カリウムなどの無機塩基類、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド等の炭素数1ないし6の金属アルコキシド類、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機塩基類、メチルリチウム、n−ブチロリチウム、sec−ブチロリチウム、tert−ブチロリチウムなどの有機リチウム類、リチウムジイソプロピルアミド等のリチウムアミド類等が用いられる。
本反応は一般に溶媒中で行われ、反応を阻害しない溶媒が適宜選択される。このような溶媒としては例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコール−ジメチルエーテル等のエーテル類、例えばギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、例えばn−ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、例えばホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類等のほか、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホルアミド、水等が単独又は混合溶媒として用いられる。
本クロスカップリング反応は、一般に金属触媒を用いて反応を促進させることができる。かかる金属触媒としては、さまざまな配位子を有する金属複合体が用いられ、例えばパラジウム化合物〔例、パラジウムアセテート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、酢酸パラジウム(II) と1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンの複合体など〕、ニッケル化合物〔例、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、塩化ビス(トリエチルホスフィン)ニッケル、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルなど〕、ロジウム化合物〔例、塩化トリ(トリフェニルホスフィン)ロジウムなど〕、コバルト化合物、白金化合物などが用いられるが、なかでも、パラジウムやニッケル化合物が好ましい。これらの触媒の使用量は化合物(XV)1モルに対して約1〜0.000001モル、好ましくは約0.1〜0.0001モルである。
本反応において、化合物(XV)1モルに対して化合物(XVI)又は化合物(XVII)約0.8〜10モル、好ましくは約0.9〜2モル、塩基約1〜約20モル、好ましくは約1〜約5モルが用いられる。
反応温度は約−10℃〜約250℃、好ましくは約0℃〜約150℃である。反応時間は化合物(XV)、化合物(XVI)又は化合物(XVII)、金属触媒、塩基又は溶媒の種類、反応温度等により異なるが、通常約1分間〜約200時間、好ましくは約5分間〜約100時間である。
【0039】
化合物(XIII)および(VI)において、それぞれQが−O−、−S−または−NR−である場合は、例えば以下の方法により製造することができる。
【化30】
Figure 2004161716
Figure 2004161716
反応rおよび反応sは反応bと同様の方法が、また反応tは反応aと同様の方法が用いられる。
化合物(IV)は、自体公知の方法(例えば特開平5−051383号公報、特開平5−039221号公報、特開平8−081467号公報、欧州特許出願公開第471236号明細書、国際公開第96/02542号パンフレット、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー・チミカ・セラピューティカ(European Journal of Medicinal Chemistry, Chimica Therapeutica),1978年,第13巻,第3号,p.271−276などに記載の方法)又はそれらに準ずる方法によって製造される。
例えば、イミダゾ[1,2−a]ピリジン環を有する化合物(XXIII)は、2−アミノピリジン誘導体(XXI)とα−ハロケトン類 (XXII) を無溶媒または溶媒の存在下に縮合反応させることにより製造することができる。使用される溶媒は、反応に支障のない限り特に限定されず、使用される溶媒としては、通常水、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、例えばテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、例えばジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等の非プロトン性の極性溶媒等が用いられる。化合物(XXII)は化合物(XXI)1当量に対し通常1当量ないし大過剰(好ましくは1ないし10当量)反応させるのがよい。反応は、通常0℃ないし200℃(好ましくは25℃ないし100℃)の温度範囲で行われる。反応時間は、通常10分間ないし7日間、好ましくは1時間ないし2日間である。また本反応は、必要に応じて塩基の存在下で反応を行ってもよい。このような塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン等の有機塩基等が用いられる。塩基の使用量は化合物(XXI)1当量に対し通常1当量ないし大過剰(好ましくは1当量ないし10当量)である。
化合物(XXIII)に、例えば水酸化ナトリウム、水硫化ナトリウム、アンモニアまたは一級アミン等を反応させることにより化合物(IVa)を製造することができる。
【化31】
Figure 2004161716
〔式中の、RおよびRはそれぞれ水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいフェニル基を表し、HalおよびHal’はそれぞれハロゲン原子を表し、Q’は−O−、−S−または−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を示す。)を示す。〕
【化32】
Figure 2004161716
〔式中の、Rは置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を表し、Rは水素原子またはハロゲン化されていてもよい低級アルキル基を表し、他の記号は前記と同意義を示す。〕
さらに化合物(IVa)の Rが水素原子の場合、反応sで記載したように、化合物(IVb)をブロモ酢酸エステルあるいはクロロ酢酸エステルを用いてアルキル化反応を行って化合物(XIIIc)に変換し、つづいてホルミル化またはアシル化を行った後、閉環反応を行うことにより化合物(XIIId)の三環性縮合含窒素複素環化合物を製造することができる。
本アシル化工程におけるホルミル化剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド−オキシ塩化リン(Vilsmier 試薬)等が挙げられ、ホルミル化剤を1当量ないし50当量、好ましくは1当量ないし10当量使用する。アシル化剤としてはアシル反応性誘導体(例えば、酸ハライド、酸イミダゾリド、活性エステル、酸無水物等)が用いられる。例えば化合物(XIIIc)1当量に対して水素化ナトリウム、水素化カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等の有機塩基、リチウムジイソプロピルアミド等の塩基を1当量ないし3当量反応させた後、ホルムアミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−メチルホルムアニリド等)あるいはギ酸エステル類(ギ酸メチル、ギ酸エチル等)を1当量ないし10当量好ましくは2当量ないし5当量反応させて行うこともできる。該ホルミル化の溶媒としては、例えばエーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等)、炭化水素類(例えば、ヘキサン、ペンタン、ベンゼン、トルエン等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。反応時間は0.5時間ないし48時間、好ましくは1時間ないし24時間である。反応温度は−100℃から50℃好ましくは−80℃ないし30℃で行うことができる。
閉環反応はホルミル化の条件下進行させることができる。この際用いる溶媒としては、例えばエーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等)、ハロゲン化炭化水素(例えば、塩化メチレン、クロロホルム等)、炭化水素類(例えば、ヘキサン、ペンタン、ベンゼン、トルエン等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。反応時間は0.5時間ないし48時間、好ましくは1時間ないし24時間である。反応温度は−20℃から150℃好ましくは80℃から120℃で行うことができる。また、得られたホルミル体をさらに1当量ないし大過剰、好ましくは1当量ないし50当量の酢酸等の酸で、0℃ないし150℃好ましくは80℃ないし130℃で1時間ないし24時間好ましくは10時間ないし20時間処理することにより閉環反応を進行させ、化合物(XIIId)を得ることができる。この際用いる溶媒としては、例えばカルボン酸類(例えば、酢酸、ギ酸等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等)、炭化水素類(例えば、ヘキサン、ペンタン、ベンゼン、トルエン等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。
【0040】
化合物(I)のX、X、Q、Yおよび環Aが有する置換基において、その置換基に変換可能な官能基(例えば、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボニル基、チオール基、エステル基、スルホ基、ハロゲン原子など)を有する場合、自体公知の方法又はそれに準ずる方法によって官能基を変換することにより種々の化合物を製造することができる。
例えばカルボキシル基の場合、例えばエステル化、還元、アミド化、保護されていてもよいアミノ基への変換等の反応により変換可能である。アミノ基の場合、例えばアミド化、スルホニル化、ニトロソ化、アルキル化、アリール化、イミド化等の反応により変換可能である。ヒドロキシ基の場合、エステル化、カルバモイル化、スルホニル化、アルキル化、アリール化、酸化、ハロゲン化等の反応により変換可能である。カルボニル基の場合、還元、酸化、イミノ化(オキシム化、ヒドラゾン化を含む)、(チオ)ケタール化、アルキリデン化、チオカルボニル化等の反応により変換可能である。チオール基の場合、アルキル化、酸化等の反応により変換可能である。エステル基の場合、還元、加水分解等の反応により変換可能である。スルホ基の場合、スルホンアミド化、還元等の反応により変換可能である。ハロゲン原子の場合、各種求核置換反応、各種カップリング反応等により変換可能である。
【0041】
前記本発明の各反応によって化合物が遊離の状態で得られる場合には、常法に従って塩に変換してもよく、また塩として得られる場合には、常法に従って遊離体又はその他の塩に変換することもできる。
また、前記した化合物(I)の製造法の各反応および原料化合物合成の各反応において、原料化合物が置換基としてアミノ基,カルボキシル基,ヒドロキシ基を有する場合、これらの基にペプチド化学などで一般的に用いられるような保護基が導入されたものであってもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
アミノ基の保護基としては、例えば、ホルミル、置換基を有していてもよい、C1−6アルキルカルボニル(例えば、アセチル、エチルカルボニルなど)、フェニルカルボニル、C1−6アルキル−オキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)など)、アリルオキシカルボニル(Aloc)、フェニルオキシカルボニル、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、C7−10アラルキル−カルボニル(例えば、ベンジルカルボニルなど)、C7−10アラルキル−オキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Z)など)、C7−10アラルキル(例えば、ベンジルなど)、トリチル、フタロイルまたはN,N−ジメチルアミノメチレンなどが用いられる。これらの置換基としては、フェニル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、置換基を有していてもよい、C1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、tert−ブチルなど)、アリル、ベンジル、フェニル、トリチルまたはトリアルキルシリルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ホルミル、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、エチルカルボニル、ブチルカルボニルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
ヒドロキシ基の保護基としては、例えば、置換基を有していてもよい、C1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、tert−ブチルなど)、C7−10アラルキル(例えば、ベンジルなど)、ホルミル、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、エチルカルボニルなど)、ベンゾイル、C7−10アラルキル−カルボニル(例えば、ベンジルカルボニルなど)、テトラヒドロピラニル、フラニルまたはシリルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピルなど)、フェニル、C7−10アラルキル(例えば、ベンジルなど)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし4個程度である。
また、保護基の除去方法としては、それ自体公知またはそれに準じた方法が用いられるが、例えば酸、塩基、還元、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウムなどで処理する方法が用いられる。
このようにして得られる化合物(I)は、反応混合物から自体公知の手段、例えば抽出、濃縮、中和、濾過、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、分取用高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、中圧分取液体クロマトグラフィー(中圧分取LC)等の手段を用いることによって、単離、精製することができる。
化合物(I)の塩は、それ自体公知の手段に従い、例えば化合物(I)が塩基性化合物である場合には無機酸又は有機酸を加えることによって、あるいは化合物(I)が酸性化合物である場合には有機塩基または無機塩基を加えることによって製造することができる。
化合物(I)に光学異性体が存在し得る場合、これら個々の光学異性体及びそれら混合物のいずれも当然本発明の範囲に包含されるものであり、所望によりこれらの異性体をそれ自体公知の手段に従い光学分割したり、個別に製造することもできる。
また、化合物(I)は水和物であってもよく、水和物及び非水和物のいずれも本発明の範囲に包含されるものである。また、化合物(I)は同位元素(例、H, 14C, 35S,125Iなど)などで標識されていてもよい。
【0042】
本発明のイソキノリノン骨格を有するJNK阻害剤は、JNKを選択的に阻害し、また毒性が低く、かつ、副作用も少ないため、安全な医薬品として有用である。本発明のイソキノリノン骨格を有するJNK阻害剤は、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、優れたJNK選択的阻害作用を示し、(経口)吸収性、(代謝)安定性等にも優れるため、JNK関連疾患、例えば、慢性または急性心不全、心肥大、拡張型、肥大型または拘束型心筋症、急性心筋梗塞、心筋梗塞予後、急性または慢性心筋炎、左心拡張能不全、左心収縮不全、高血圧症とそれに合併した腎症・腎炎、糖尿病性腎症、血管内皮機能低下、動脈硬化症または冠血管形成術後再狭窄などの循環器系疾患、慢性関節リュウマチ、変形性関節炎、痛風、気管支炎、嚢胞性線維症、炎症性腸疾患、過敏性大腸症候群、粘液性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、胃炎、食道炎、多発性硬化症、湿疹、皮膚炎、肝炎、糸球体腎炎などの炎症性疾患、喘息、アレルギー疾患、乾癬、癌、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、てんかん、筋萎縮性側索硬化症、末梢神経障害などの神経変性疾患、脊椎損傷、脳卒中、脳血管障害、心臓、腎臓、肝臓および脳から選ばれる臓器の虚血障害、虚血再灌流障害、自己免疫性疾患、臓器不全、エンドトキシンショックまたは移植時の拒絶などの予防治療剤として用いることができる。好ましくは、慢性または急性心不全、心肥大、心筋梗塞予後、心筋炎、慢性関節リュウマチ、変形性関節炎、炎症性腸疾患、喘息、虚血再灌流障害、臓器不全、脳卒中、脳血管障害、臓器移植後の拒絶等の予防治療剤である。
本発明の化合物を上記各疾患に適用する際には、それら疾患に通常用いられる薬剤または治療法と適宜併用することが可能である。例えば、心不全においては、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、β受容体拮抗薬、利尿薬、ジギタリス製剤、ANPまたはBNP製剤、Ca感受性増強薬、抗凝固薬、抗不整脈薬、PDE阻害薬等と併用可能であり、埋め込み型人工心臓、バチスタ手術や心移植を受けた場合にも適用可能である。また例えば、急性心筋梗塞または心筋梗塞予後においては、抗血栓薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、β受容体拮抗薬、高脂血症治療薬(スタチン製剤など)、糖尿病治療薬、PTCAやCABGなどの冠血管再建術等と併用可能である。また例えば、慢性関節リウマチにおいては、非ステロイド抗炎症薬、免疫調節薬、免疫抑制薬、メトトレキサート、ステロイド(プレドニゾロンなど)、p38MAPキナーゼ阻害薬、抗TNF−α薬、COX−II阻害薬等と併用可能である。
さらに、本発明の化合物を上記各疾患に適用する際に、生物製剤(例:抗体、ワクチン製剤など)と併用することも可能であり、また、遺伝子治療法などと組み合わせて、併用療法として適用することも可能である。抗体およびワクチン製剤としては、例えば、アンジオテンシンIIに対するワクチン製剤、CETPに対するワクチン製剤、CETP抗体、TNFα抗体や他のサイトカインに対する抗体、アミロイドβワクチン製剤、1型糖尿病ワクチン(Peptor社のDIAPEP−277など) 、抗HIV抗体やHIVワクチン製剤などの他、サイトカイン、レニン・アンジオテンシン系酵素およびその産物に対する抗体あるいはワクチン製剤、血中脂質代謝に関与する酵素や蛋白に対する抗体あるいはワクチン製剤、血中の凝固・線溶系に関与する酵素や蛋白に関する抗体あるいはワクチン、糖代謝やインスリン抵抗性に関与する蛋白に対する抗体あるいはワクチン製剤などが挙げられる。その他、GHやIGFなどの成長因子に関わる生物製剤との併用も可能である。また、遺伝子治療法としては、例えば、サイトカイン、レニン・アンジオテンシン系酵素およびその産物、G蛋白、G蛋白共役型受容体およびそのリン酸化酵素に関連する遺伝子を用いた治療法、NFκBデコイなどのDNAデコイを用いる治療方法、アンチセンスを用いる治療方法、血中脂質代謝に関与する酵素や蛋白に関連する遺伝子(例えば、コレステロール又はトリグリセリド又はHDL−コレステロール又は血中リン脂質の代謝、排泄、吸収に関連する遺伝子など)を用いた治療法、末梢血管閉塞症などを対象とした血管新生療法に関与する酵素や蛋白(例えば、HGF,VEGFなどの増殖因子など)に関連する遺伝子を用いた治療法、糖代謝やインスリン抵抗性に関与する蛋白に関連する遺伝子を用いた治療法、TNFなどのサイトカインに対するアンチセンスなどが挙げられる。また、心臓再生、腎再生、膵再生、血管再生など各種臓器再生法や骨髄細胞(骨髄単核細胞、骨髄幹細胞など)を利用した細胞移植療法、組織工学を利用した人工臓器(人工血管や心筋細胞シート)と併用することも可能である。
【0043】
本発明の化合物(I)又はその塩はそのままあるいは薬理学的に許容される担体を配合し、経口的又は非経口的に投与することができる。
化合物(I)又はその塩を含有する本発明の製剤は、経口投与する場合の剤形としては、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等が挙げられ、また、非経口投与する場合の剤形としては、例えば注射剤、注入剤、点滴剤、坐剤等が挙げられる。また、適当な基剤(例、酪酸の重合体、グリコール酸の重合体、酪酸−グリコール酸の共重合体、酪酸の重合体とグリコール酸の重合体との混合物、ポリグリセロール脂肪酸エステル等)と組み合わせ徐放性製剤とすることも有効である。
本発明製剤中の化合物(I)又はその塩の含有量は、製剤の形態に応じて相違するが、通常、製剤全体に対して2ないし85重量%、好ましくは5ないし70重量%である。
【0044】
化合物(I)又はその塩を上記の剤形に製造する方法としては、当該分野で一般的に用いられている公知の製造方法を適用することができる。また、上記の剤形に製造する場合には、必要に応じて、その剤形に製する際に製剤分野において通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤等を適宜、適量含有させて製造することができる。
例えば、化合物(I)又はその塩を錠剤に製する場合には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を含有させて製造することができ、丸剤及び顆粒剤に製する場合には、賦形剤、結合剤、崩壊剤等を含有させて製造することができる。また、散剤及びカプセル剤に製する場合には賦形剤等を、シロップ剤に製する場合には甘味剤等を、乳剤又は懸濁剤に製する場合には懸濁化剤、界面活性剤、乳化剤等を含有させて製造することができる。
【0045】
賦形剤の例としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、でんぷん、蔗糖、微結晶セルロース、カンゾウ末、マンニトール、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
結合剤の例としては、5ないし10重量%デンプンのり液、10ないし20重量%アラビアゴム液又はゼラチン液、1ないし5重量%トラガント液、カルボキシメチルセルロース液、アルギン酸ナトリウム液、グリセリン等が挙げられる。
崩壊剤の例としては、でんぷん、炭酸カルシウム等が挙げられる。
滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製タルク等が挙げられる。
甘味剤の例としては、ブドウ糖、果糖、転化糖、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、単シロップ等が挙げられる。
界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40等が挙げられる。
懸濁化剤の例としては、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ベントナイト等が挙げられる。
乳化剤の例としては、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、ポリソルベート80等が挙げられる。
更に、化合物(I)又はその塩を上記の剤形に製造する場合には、所望により、精製分野において通常用いられる着色剤、保存剤、芳香剤、矯味剤、安定剤、粘稠剤等を適量、適量添加することができる。
【0046】
化合物(I)又はその塩を含有する本発明の製剤は、安定かつ低毒性で安全に使用することができる。その1日の投与量は患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なるが、例えば、心不全(心筋症)、心筋梗塞予後、心筋炎、リウマチなどの患者に経口投与する場合には、成人(体重約60kg)1日当りの投与量は有効成分(化合物(I)又はその塩)として約1ないし1000mg、好ましくは約3ないし300mg、さらに好ましくは約10ないし200mgであり、これらを1回または2ないし3回に分けて投与することができる。
本発明の化合物(I)又はその塩を非経口的に投与する場合は、通常、液剤(例えば注射剤)の形で投与する。その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば注射剤の形にして、通常体重1kgあたり約0.01mg〜約100mg、好ましくは約0.01〜約50mg、より好ましくは約0.01〜約20mgを静脈注射により投与するのが好都合である。注射剤としては、静脈注射剤のほか、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤などが含まれ、また持続性製剤としては、イオントフォレシス経皮剤などが含まれる。かかる注射剤は自体公知の方法、すなわち、本発明の化合物(I)又はその塩を無菌の水性液もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製される。注射用の水性液としては生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール(例えばエタノール)、ポリアルコール(例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例えばポリソルベート80、HCO−50)などと併用してもよい。油性液としては、ゴマ油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)などと配合してもよい。調製された注射液は、通常、アンプルに充填される。
【0047】
本発明の化合物と他の薬剤を併用する場合、本発明の化合物と併用薬剤の投与形態は特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用薬剤とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明の化合物と併用薬剤とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明の化合物と併用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明の化合物と併用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明の化合物と併用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明の化合物と併用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物→併用薬剤の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げられる。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明の化合物と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明の化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01ないし100重量部用いればよい。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明はさらに下記の実施例、製剤例及び実験例で詳しく説明されるが、これらの例は単なる実例であって本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
実施例のカラムクロマトグラフィーにおける溶出はTLC(Thin Layer Chromatography,薄層クロマトグラフィー)による観察下に行なわれた。TLC観察においては、TLCプレートとしてメルク(Merck)社製の60F254または富士シリシア化学社製のNHを、展開溶媒としてはカラムクロマトグラフィーで溶出溶媒として用いられた溶媒を、検出法としてUV検出器を採用した。カラム用シリカゲルは同じくメルク社製のキーゼルゲル60(70ないし230メッシュ)またはキーゼルゲル60(230ないし400メッシュ)を用いた。NMRスペクトルは内部又は外部基準としてテトラメチルシランを用いてバリアンGemini 200型またはMercury300型スペクトロメーターで測定し、化学シフトをδ値で、カップリング定数をHzで示した。IRスペクトルは島津FTIR−8200型スペクトロメーターで測定した。
実施例において、HPLCは以下の条件により測定し、純度等を決定した。
測定機器:島津製作所 LC−10Avpシステム(特記なき場合)またはアジレント1100システム
カラム:CAPSEL PAK C18UG120 S−3 μm, 2.0 X 50mm
溶媒:A液; 0.1% トリフルオロ酢酸 含有水、
B液; 0.1% トリフルオロ酢酸 含有アセトニトリル
グラジエントサイクル:(A法): 0.00分(A液/B液=90/10), 2.00分(A液/B液=5/95), 2.75分(A液/B液=5/95), 2.76分(A液/B液=90/10), 3.45分(A液/B液=90/10)、または(B法): 0.00分(A液/B液=90/10), 4.00分(A液/B液=5/95), 5.50分(A液/B液=5/95), 5.51分(A液/B液=90/10), 8.00分(A液/B液=90/10)
注入量:10 μl、流速:0.5 ml/min、検出法:UV 220nm
実施例において、マススペクトル(MS)は以下の条件により測定した。
測定機器:マイクロマス社 プラットフォームII、ウオーターズ社 ZQ、ウオーターズ社 ZMD、または日本電子株式会社 JMS−AX505W
イオン化法:大気圧化学イオン化法(Atmospheric Pressure Chemical Ionization: APCI)、電子衝撃イオン化法(Electron Spray Ionization : ESI)、または高速原子衝突イオン化法(Fast Atom Bombardment : FAB)
参考例、実施例における化合物の精製はカラムクロマトグラフィーの他、以下に記した分取HPLC機器あるいは中圧分取LC機器を用いた。
1)分取HPLC機器:ギルソン社ハイスループット精製システム
カラム:YMC Combiprep ODS−A S−5 μm, 50 X 20 mmm
溶媒:A液; 0.1% トリフルオロ酢酸 含有水、
B液; 0.1% トリフルオロ酢酸 含有アセトニトリル
グラジエントサイクル: 0.00分(A液/B液=90/10), 1.20分(A液/B液=90/10), 4.75分(A液/B液=0/100), 7.30分(A液/B液=0/100), 7.40分(A液/B液=90/10), 7.50分(A液/B液=90/10)
流速:25 ml/min、検出法:UV 220nm
2)中圧分取LC機器:モリテックス社ハイスループット精製システム(purif 8)カラム:山善株式会社 HI−FLASHTM COLUMN (シリカゲル:40μm、60Å)、26 x 100 mmまたは 20 x 65 mm
流速:20 ml/分
検出法:UV 254nm 混合溶媒において( )内に示した数値は各溶媒の容量混合比である。また溶液における%は溶液100ml中のg数を表わす。また参考例、実施例中の記号は次のような意味である。
s :シングレット(singlet)
d :ダブレット(doublet)
t :トリプレット(triplet)
q :クワルテット(quartet)
dd :ダブルダブレット(double doublet)
m :マルチプレット(multiplet)
br :ブロード(broad)
brs :ブロード シングレット(broad singlet)
J :カップリング定数(coupling constant)
CDCl :重クロロホルム
DMSO−d :重ジメチルスルホキシド
H−NMR :プロトン核磁気共鳴
WSC :水溶性カルボジイミド
THF :テトラヒドロフラン
DMF :ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
本明細書の配列表の配列番号は、以下の配列を示す。
〔配列番号:1〕
プライマーJNK1−Uの塩基配列を示す。
〔配列番号:2〕
プライマーJNK1−Lの塩基配列を示す。
〔配列番号:3〕
プライマーMKK7−Uの塩基配列を示す。
〔配列番号:4〕
プライマーMKK7−Lの塩基配列を示す。
〔配列番号:5〕
プライマーCAM7−Uの塩基配列を示す。
〔配列番号:6〕
プライマーCAM7−Lの塩基配列を示す。
〔配列番号:7〕
プライマーcJUN−Uの塩基配列を示す。
〔配列番号:8〕
プライマーcJUN−Lの塩基配列を示す。
【0049】
【実施例】
参考例1
5−クロロ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン・臭化水素酸塩
【化33】
Figure 2004161716
2−アミノ−6−クロロピリジン19.28g(150ミリモル)のエタノ−ル150ml溶液に、ブロモアセトン25g(180ミリモル)を室温で加え、64時間加熱還流した。冷却後、溶媒を留去した。残留物を再結晶(溶媒:エタノール−酢酸エチル)により精製して、表題化合物20.22g(54.5%,淡茶色結晶)を得た。
H−NMR (DO, 200MHz) δ: 2.52(3H, d, J=0.8Hz), 7.50(1H, dd, J=1.8 ,6.8Hz), 7.73−7.85(2H, m), 7.96(1H, s).
【0050】
参考例2
5−メルカプト−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン
【化34】
Figure 2004161716
窒素雰囲気下、水硫化ナトリウム溶液70mlに、5−クロロ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン・臭化水素酸塩17.33g(70ミリモル)を室温で加え、90℃で24時間撹拌した。冷却後、pH3−4になるまで反応液に濃塩酸を加えた。生じた沈殿を濾取、水で洗浄後、乾燥して、表題化合物12.32g(quant,黄色粉末)を得た。 H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ: 2.42(3H, s), 6.85(1H, d, J=8.4Hz), 6.95(1H, d, J=8.0Hz), 7.28(1H, t, J=8.0Hz),
8.13(1H, s).
【0051】
参考例3
9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化35】
Figure 2004161716
i) ベンジル尿素100g(666ミリモル)とフェニルマロン酸ジエチル156.8g(666ミリモル)のメタノール340ml懸濁液に、4.1Mのナトリウムメチラ−ト溶液164ml(666ミリモル)を室温で加え、16時間加熱還流した。冷却後、溶媒を留去した。残渣を水に溶解し、不溶物を濾過した後、濾液をpH3−4になるまで濃塩酸を加えた。生じた沈澱を濾取し、水、n−ヘキサン−ジエチルエーテルにて洗浄した後、乾燥して3−ベンジル−5−フェニルピリミジン−2,4,6(1H,3H)−トリオン(163.23g、83.3%,白色結晶)を得た。 H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 4.61(1H, s), 5.06(2H, d, J=6.6Hz), 7.14−7.43(10H, m), 8.49(1H, s).
ii) 50%エタノール64mlにオキシ塩化リン300ml(844ミリモル)を、氷冷下で撹拌しながら滴下した。この溶液に3−ベンジル−5−フェニルピリミジン−2,4,6(1H,3H)−トリオン120g(380ミリモル)を少量ずつ加えた。この混合物を50℃で30分撹拌した後、100℃で90分撹拌した。冷却後、反応混合物を氷水中にあけて1時間撹拌した。生じた沈澱を濾取し、水、n−ヘキサンで洗浄、乾燥して、3−ベンジル−6−クロロ−5−フェニルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(112.89g、94.7%,淡白色結晶)を得た。 H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ: 4.98(2H, s), 7.27−7.40(10H, m).
iii) 3−ベンジル−6−クロロ−5−フェニルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン78.19g(250ミリモル)と炭酸カリウム55.3g(400ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド450ml懸濁液に、1−ブロモ−3−クロロプロパン49.4ml(500ミリモル)を室温で加えた。この混合物を80℃で5時間撹拌した。冷却後、反応液を濃縮乾固して得られる残渣をクロロホルム−水に溶解させ、有機層を水洗した後、乾燥した。溶媒を留去して得られる油状物をカラムクロマトグラフィー(溶出液:n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1→2/1)で精製して、3−ベンジル−6−クロロ−1−(3−クロロプロピル)−5−フェニルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(71.89g、73.9%,黄色油状物)を得た。 H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ:2.18−2.30(2H, m), 3.44−3.67(2H, m), 4.29−4.36(2H, m), 5.16(2H, s), 7.28−7.56(10H, m). IR (neat): 3032, 2968, 1711, 1649, 1612, 1431, 1360, 1281, 752, 700, 513 cm−1
iv) 3−ベンジル−6−クロロ−1−(3−クロロプロピル)−5−フェニルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン71.89g(184.7ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド350ml溶液に、水硫化ナトリウム・n水和物29.8gを氷冷下で加え、1時間撹拌した。反応液を濃縮乾固し、残渣を塩化メチレン−水に溶解させ、有機層を水洗・乾燥した。溶媒を留去し、得られた粗結晶をジクロロメタン−ジエチルエーテルから再結晶して7−ベンジル−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン(17.52g、27.1%,白色結晶)を得た。 H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 2.21(2H, quint., J=5.8Hz), 2.94(2H,t, J=6.6Hz), 4.05−4.11(2H, m), 5.17(2H, s), 7.23−7.42(8H, m), 7.53−7.58(2H, m).
v) 7−ベンジル−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド−[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン17.52g(50ミリモル)のトルエン500ml溶液に、三臭化ホウ素25g(100ミリモル)を氷冷下で加え、16時間加熱還流した。冷却後、反応液にメタノール100mlを加え、30分撹拌した。濃縮乾固した後、残渣にメタノール−ジエチルエーテルを加え、析出した沈澱物を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄後、乾燥して、9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン(4.21g、32.4%,淡白色結晶)を得た。 H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ: 2.11(2H, quint., J=6.0Hz), 2.99(2H, t, J=6.6Hz), 3.88−3.93(2H ,m), 7.16−7.21(2H, m), 7.31−7.39(3H, m), 11.37(1H, s).
【0052】
参考例4
種々のマロン酸エステル誘導体を用いて、参考例3と同様の方法にて、以下の化合物を合成した。
i) 9−メチル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化36】
Figure 2004161716
m.p. 196.0−198.0℃; H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ: 2.10(2H, quint., J=6.2Hz), 3.13(2H, t, J=6.6Hz), 3.38(3H, s), 3.81−3.86(2H, m), 11.20(1H, s). IR (KBr): 3151, 3022, 2819, 1687, 1650, 750, 702 cm−1
ii) 9−ベンジル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化37】
Figure 2004161716
m.p. 227.0−229.0℃; H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ: 2.02−2.14(2H, m), 3.10(2H, t, J=6.4Hz), 3.69(2H, s), 3.82−3.88(2H, m), 7.02−7.23(5H, m), 11.33(1H, s). IR (KBr): 1711, 1633, 1551, 1456, 704 cm−1
iii) 9−イソプロピル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化38】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ: 1.20(6H, d, J=6.8Hz), 2.09(2H, quint., J=6.0Hz), 3.02(1H, quint., J=7.0Hz), 3.12(2H, t, J=6.6Hz), 3.84−3.90(2H, m), 11.09(1H, s). IR (KBr): 3016, 1678, 1545, 1452, 685 cm−1
iv) 3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化39】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ: 2.04−2.20(2H, m), 3.07−3.20(2H, m), 3.82(2H, q, J=5.2Hz), 5.51(1H, s), 11.66(1H, s). IR (KBr): 3080, 1738, 1603, 1566, 1327, 1260 ,1142, 962, 824, 608cm−1
【0053】
参考例5
7−(4−クロロブチル)−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化40】
Figure 2004161716
9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン5.28g(20.3ミリモル)と炭酸カリウム2.80g(20.3ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド80ml懸濁液に、1−ブロモ−4−クロロブタン3.46ml(30ミリモル)を室温で加え、60℃で2時間、次いで100℃で3時間撹拌した。冷却後、反応液を濃縮乾固した。残渣を塩化メチレン−水に溶解し、有機層を水洗・乾燥した。溶媒を留去して得られる油状物をカラムクロマトグラフィ−(溶出液:n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1→2/1)で精製して、表題化合物4.58g(64.5%,淡白色粉末)を得た。 H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.73−1.79(4H, m), 2.25(2H, quint., J=6.0Hz), 2.97(2H, t, J=6.6Hz), 3.99−4.23(6H, m), 7.23−7.29(2H, m), 7.36−7.43(3H, m). IR (neat): 2954, 1720, 1687, 1628,1439, 1180, 777, 717, 698, 532 cm−1
【0054】
参考例6
6−(4−クロロブチル)−8−フェニル−2,3−ジヒドロ−5H−チアゾロ[3,2−c]ピリミジン−5,7(6H)−ジオン
【化41】
Figure 2004161716
i) 6−クロロ−3−(4−クロロブチル)−5−フェニルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン2.43g(7.7ミリモル)と炭酸カリウム1.70g(12.3ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド40ml懸濁液に、1−ブロモ−2−クロロエタン1.25ml(15ミリモル)を室温で加え、60℃で2時間、次いで100℃で3時間撹拌した。冷却後、反応液を濃縮乾固した。残渣をジクロロメタン−水に溶解し、有機層を水洗・乾燥した。溶媒を留去して得られる油状物をカラムクロマトグラフィー(溶出液:n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1→2/1)で精製して、6−クロロ−3−(4−クロロブチル)−1−(2−クロロエチル)−5−フェニルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン1.56g(54.5%,白色粉末)を得た。 H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.80−1.88(4H, m), 3.42−3.60(2H, m), 3.54(2H, t, J=7.0Hz), 3.99−4.07(2H, m), 4.51(2H, t, J=6.6Hz), 7.30−7.44(5H, m).
ii) 3−(4−クロロブチル)−6−クロロ−1−(2−クロロエチル)−5−フェニルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン1.56g(4.2ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド15ml溶液に、水硫化ナトリウム・n水和物0.94gを氷冷下で加え、1時間撹拌した。反応液を濃縮乾固し、残渣をジクロロメタン−水に溶解させ、有機層を水洗・乾燥した。溶媒を留去し、得られた粗結晶をジクロロメタン−ジエチルエーテルから再結晶して6−(4−クロロブチル)−8−フェニル−2,3−ジヒドロ−5H−チアゾロ[3,2−c]ピリミジン−5,7(6H)−ジオン1.41g(quant.,無色結晶)を得た。 H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.79−1.88(4H, m), 2.51−2.63(0.8H, m), 3.30(2H, t, J=7.0Hz), 3.54−3.61(1.8H, m), 3.94−4.04(2H, m), 4.44(2H, t, J=7.0Hz), 7.30−7.41(5H, s).
【0055】
参考例7
参考例5と同様の方法にて、以下の化合物を合成した。
i) 7−(4−クロロブチル)−9−メチル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化42】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.76−1.87(4H, m), 1.97(3H, s), 2.17−2.29(2H,m), 3.10(2H, t, J=6.4Hz), 3.41−3.60(2H, m), 3.96−4.06(4H, m). IR (neat): 2954, 1693, 1633, 1579, 1454, 761, 457 cm−1
ii) 9−ベンジル−7−(4−クロロブチル)−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化43】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.78−1.85(4H, m), 2.16−2.26(2H, m), 3.08(2H,t, J=6.8Hz), 3.40−3.59(2H, m), 3.86(2H, s), 3.97−4.07(4H, m), 7.18−7.30(5H, m). IR (neat): 2956, 1693, 1633, 1633, 1571, 1446, 750, 700, 519 cm−1
iii) 7−(4−クロロブチル)−9−イソプロピル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化44】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.28(6H, d, J=6.8Hz), 1.77−1.86(4H, m), 2.15−2.26(2H, m), 3.08(2H, t, J=6.8Hz), 3.13(1H, quint., J=7.0Hz), 3.41−3.60(2H, m), 3.95(2H, t, J=7.2Hz), 4.04−4.10(2H, m). IR (neat): 2956, 1691, 1637, 1560, 1439, 777, 752 cm−1
iv) 7−(4−クロロブチル)−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化45】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.78−1.83(4H, m), 2.21−2.32(2H ,m), 3.08(2H,t, J=6.2Hz), 3.41−3.60(2H, m), 3.92−4.03(4H, m), 5.70(1H, s). IR (KBr):1689, 1645, 1568, 1437, 758cm−1
【0056】
参考例8
7−(4−クロロブチル)−1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化46】
Figure 2004161716
7−(4−クロロブチル)−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン4.58g(13.1ミリモル)の塩化メチレン50ml溶液に、50%m−クロロ過安息香酸3.45g(20ミリモル)を氷冷下で加え、1時間撹拌した。析出した結晶を濾過した後、濾液を水酸化ナトリウム水で洗浄し、乾燥した。溶媒を留去して得られた油状物(1−オキソ体)は精製することなく次の反応に用いた。粗生成物の酢酸10ml溶液に30%過酸化水素水1.25ml(40ミリモル)を室温で加え、100℃で1時間撹拌した。冷却後、反応液を氷水中にあけ、水層を水酸化ナトリウム水で中和した(pH〜8)。析出した結晶を濾取し、水−n−ヘキサンで洗浄後、乾燥して、表題化合物4.376g(87.2%,白色粉末)を得た。 H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.80−1.87(4H, m), 2.50(2H, quint., J=6.6Hz), 3.36(2H, t, J=7.0Hz), 3.40−3.60(2H, m), 3.99−4.06(2H, m), 4.25−4.32(2H, m), 7.29−7.34(2H, m), 7.39−7.44(3H, m).
【0057】
参考例9
参考例8と同様の方法にて、以下の化合物を合成した。
i) 7−(4−クロロブチル)−1,1−ジオキソ−9−メチル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化47】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.78−1.85(4H, m), 2.37(3H, s), 2.51(2H, quint., J=6.2Hz), 3.44−3.52(2H, m), 3.57(2H, t, J=6.4Hz), 4.00(2H, t, J=6.6Hz), 4.11(2H, m). IR (neat): 2960, 1701, 1653, 1486, 1321, 1134, 762, 565, 480 cm−1
ii) 9−ベンジル−7−(4−クロロブチル)−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化48】
Figure 2004161716
m.p. 103.0−105.0℃; H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.72−1.80(4H, m), 2.47(2H, quint., J=6.6Hz), 3.36−3.53(4H, m), 3.94(2H, t, J=7.0Hz), 4.16(2H, t,J=6.2Hz), 4.27(2H, s), 7.17−7.38(5H, m). IR (KBr): 2962, 1705, 1645, 1446, 1319, 1136, 768, 698 ,588, 567, 478 cm−1
iii) 7−(4−クロロブチル)−9−イソプロピル−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化49】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.35(6H, d, J=6.6Hz), 1.78−1.84(4H, m), 2.50(2H, quint., J=6.2Hz), 3.42−3.61(4H, m), 3.83(1H, quint., J=6.6Hz), 3.96(2H, t, J=6.6Hz), 4.06(2H, t, J=6.2Hz). IR (KBr): 1703, 1649, 1439, 1327, 1136 cm−1
iv) 7−(4−クロロブチル)−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化50】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.79−1.85(4H, m), 2.46−2.60(2H, m), 3.41−3.61(4H, m), 3.98(2H, t, J=7.0Hz), 4.15−4.22(2H, m), 6.48(1H, s). IR (KBr):1709, 1666, 1323 ,1146, 760, 592, 469cm−1
v) 6−(4−クロロブチル)−1,1−ジオキソ−8−フェニル−2,3−ジヒドロ−5H−チアゾロ[3,2−c]ピリミジン−5,7(6H)−ジオン
【化51】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.82−1.89(4H, m), 3.51(2H, t, J=6.6Hz), 3.55−3.61(2H, m), 4.02−4.09(2H, m), 4.35(2H, t, J=6.6Hz), 7.46(5H, s).
【0058】
参考例10
7−(3−アミノプロパン−1−イル)−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,4H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)ジオン・塩酸塩
【化52】
Figure 2004161716
i)6−クロロウラシル14.65g(100ミリモル)、1−ブロモ−3−クロロプロパン47.23g(300ミリモル)と炭酸カリウム55.28g(400ミリモル)とをDMF150mlに加えた混合物を撹拌しながら80℃で2時間加温した。反応後、反応液を氷水中にあけ、この混合物に酢酸エチル250mlを加え抽出した。有機層を精製水200mlで3回水洗し、さらに飽和食塩水200mlで水洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、1,3−ビス(3−クロロプロパン−1−イル)−6−クロロウラシル19.47g(収率65.0%)を無色液体として得た。H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 2.20(4H, m), 3.40−3.66(4H, m), 4.11(2H, m), 4.24(2H, m), 5.94(1H, s). IR (neat): 1712, 1652, 1606, 1437, 1419 cm−1
ii)1,3−ビス(3−クロロプロパン−1−イル)−6−クロロウラシル9.68g(32.31ミリモル)をDMF40mlに溶解させた溶液に0℃で70%水硫化ナトリウム5.23g(64.62ミリモル)を加え、0℃で30分間撹拌した。反応後、反応液を氷水中にあけ、混合物を200mlの酢酸エチルで抽出した。有機層を200mlの精製水で3回洗浄し、さらに飽和食塩水200mlで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、7−(3−クロロプロパン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H,4H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)ジオン5.74g(収率68.1%)を白色固体として得た。 m.p. 87.0−88.0℃; H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 2.13(2H, m), 2.29(2H, m), 3.08(2H, t, J=6.8Hz),3.58(2H, t, J=6.6Hz), 3.98−4.03(4H, m), 5.71(1H, s). IR (KBr): 1707, 1651, 1441, 1239 cm−1
iii)7−(3−クロロプロパン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H,4H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)ジオン14.13g(54.19ミリモル)をDMF100mlに溶かした溶液にフタルイミドカリウム15.05g(81.29ミリモル)とよう化ナトリウム8.12g(54.19ミリモル)とを加え、100℃で90分加温した。反応後、反応液を100mlの氷水中に注ぎ、さらに酢酸エチル250mlを加えて抽出した。有機層を100mlの精製水で3回洗浄し、100mlの飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶出液;酢酸エチル)で精製し、7−(3−フタルイミドプロパン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H,4H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)ジオン12.58g(収率65.0%)を白色固体として得た。 m.p. 185.0−188.0℃; H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.97−2.13(2H, m), 2.18−2.33(2H, m), 3.07(2H, t, J=6.2Hz), 3.76(2H, t, J=7.0Hz), 3.95−4.05(4H, m), 7.68−7.86(4H, m). IR (KBr): 3075, 1719, 1647, 1437, 1397, 897, 720 cm−1
iv)7−(3−フタルイミドプロパン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H,4H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)ジオン3.35g(9.37ミリモル)とヒドラジン・1水和物0.70g(14.06ミリモル)とをエタノ−ル50mlに加え、反応液を1時間加熱還流した。反応後、反応液を室温まで冷却し、析出した沈澱(フタライド)を濾別した。沈澱を少量のエタノ−ルで洗浄し、濾液と洗液とを合わせ減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を再びエタノ−ル20mlに溶かした溶液に、二炭酸−ジ−tert−ブチル6.14g(28.11ミリモル)を加え、室温で1時間撹拌した。反応後、溶媒を減圧下留去し、残渣を酢酸エチル100mlで抽出した。有機層を飽和食塩水100mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−で精製し、7−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロパン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H,4H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)ジオン2.02g(収率63.1%)を無色液体として得た。m.p. 137.0−139.0℃;H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.73−1.88(2H, m), 2.19−2.23(2H, m), 3.03−3.16(4H, m), 3.97−4.03(4H, m), 5.34(1H, brs, NH). IR (KBr): 3295, 2980, 1694, 1671, 1647, 1537, 1370, 1291, 1181, 841, 762 cm−1
v)7−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロパン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H,4H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)ジオン2.02g(5.92ミリモル)をジクロロメタン25mlに溶かした溶液にm−クロロ過安息香酸5.11g(29.6ミリモル)を加え、室温で3時間撹拌した。反応後、析出したm−クロロ安息香酸を濾別し、濾液にジクロロメタン50mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、次いで飽和食塩水50mlで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶出液;酢酸エチル)で精製し、7−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロパン−1−イル)−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,4H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)ジオン1.29g(収率58.2%)を白色固体として得た。 H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.44(9H, s), 1.72−1.88(2H, m), 2.44−2.61(2H, m), 3.03−3.18(2H, m), 3.48(2H, t, J=6.8Hz), 4.02(2H, t, J=6.6Hz), 4.15−4.21(2H, m), 5.09(1H, brs, NH).
vi)7−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロパン−1−イル)−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,4H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)ジオン1.30g(3.48ミリモル)をエタノ−ル10mlに溶かした溶液に濃塩酸1.43m(17.41ミリモル)を加え、室温で一時間撹拌して7−(3−アミノプロパン−1−イル)−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,4H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)ジオン・塩酸塩を合成した。H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ: 1.77−1.97(2H, m), 2.36−2.52(2H, m), 2.69−2.91(2H, m), 3.70−3.77(2H, m), 3.84−3.99(4H, m), 7.96(3H, brs, NH).
【0059】
参考例11
参考例10の方法に準じて、以下の化合物を合成した。
i) 7−(3−アミノプロピル)−1,1−ジオキソ−9−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8−ジオン・塩酸塩
【化53】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d)δ : 1.74−1.96 (2H, m), 2.28−2.48 (2H, m), 2.72−2.90 (2H, m), 3.64 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.91 (2H, t, J = 6.6 Hz), 4.05 (2H, t, J= 6.6 Hz), 7.16−7.30 (2H, m), 7.30−7.42 (3H, m), 7.83 (3H, br).
ii) 7−(3−アミノプロピル)−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8−ジオン・塩酸塩
【化54】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d) δ : 1.76−1.98 (2H, m), 2.06−2.24 (2H, m), 2.68−2.92 (2H, m), 3.01 (2H, t, J = 6.2 Hz), 3.83−4.02 (4H, m), 7.14−7.25 (2H, m), 7.25−7.46 (3H, m), 7.88 (3H, br).
【0060】
参考例12
2−メチル−5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カルボン酸
【化55】
Figure 2004161716
i)5−メルカプト−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン31.2g(190ミリモル)とトリエチルアミン29.1ml(209ミリモル)のエタノ−ル230ml溶液に、ブロモ酢酸エチル23.2ml(209ミリモル)を室温で加え、1時間撹拌した。溶媒を留去した後、残渣をジクロロメタンに溶解した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水で洗浄、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィ−(溶出液:酢酸エチル→酢酸エチル/エタノ−ル=10/1)で精製して、2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ酢酸エチル38.92g(81.8%,淡褐色油状物)を得た。 H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.17(3H, t, J=7.0Hz), 2.49(3H, d, J=0.8Hz), 3.66(2H, s), 4.12(2H, q, J=7.2Hz), 7.00(1H, dd, J=1.4, 7.0Hz), 7.10(1H, dd, J=7.0, 8.8Hz), 7.52(1H, dd, J=1.4, 8.8Hz), 7.65(1H, d, J=0.8Hz). IR (neat): 2981, 1736, 1489, 1321, 1153, 1028, 781, 735 cm−1
ii)オキシ塩化リン46.6ml(500ミリモル)を、氷冷下撹拌しながらN,N−ジメチルホルムアミド100mlに滴下した後、室温で30分撹拌した。次いで、氷冷下、2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ酢酸エチル47.26g(200ミリモル)を加え、80℃で12時間撹拌した。冷却後、反応混合物を氷水中にあけ、50%水酸化ナトリウム水(約90ml)で中和した(pH8−9)後、酢酸エチルで抽出(4回)した。有機層を水洗、乾燥後、溶媒を留去して、2−メチル−5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カルボン酸エチルの粗結晶15.53g(約59.6ミリモル,紫色固体)を得た。 H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.30(3H, t, J=7.0Hz), 2.12(3H, s), 4.22(2H, q, J=7.0Hz), 5.62(1H, dd, J=4.8, 6.0Hz), 6.44−6.57(2H, m), 6.77(1H, s). IR (KBr): 1689, 1605, 1483, 1246, 789, 744 cm−1
iii)2−メチル−5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カルボン酸エチル15.18g(58.3ミリモル)のエタノ−ル100ml溶液に2規定水酸化ナトリウム水60ml(120ミリモル)を加えて、室温で1時間撹拌した。反応液を1規定塩酸で中和した。生成した沈澱を濾取し、水、次いでアセトンで洗浄して目的物を10.49g(77.4%,燈色粉末)得た。 H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ: 2.04(3H, s), 5.89(1H, dd, J=1.0, 6.8Hz), 6.49(1H, dd, J=1.0, 9.2Hz), 6.65(1H, dd, J=7.2, 9.2Hz), 6.82(1H, s). IR (KBr):1635, 1500, 1327, 783, 746, 615 cm−1
【0061】
参考例13
5−ジメチルアミノメチル−3−トリクロロアセチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン
【化56】
Figure 2004161716
i) 5−クロロメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン・塩酸塩0.61g(3.0ミリモル)とジメチルアンモニウムクロリド0.49g(6.0ミリモル)のアセトニトリル30ml溶液に、トリエチルアミン2.51ml(18ミリモル)を室温で加え、1時間加熱還流した。冷却後、生じた沈殿を濾去し、母液を濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水で洗浄、乾燥後、溶媒を留去して5−ジメチルアミノメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン0.54g(quant.,淡燈色油状物)を得た。NMRよりほぼ単一なので、このまま次の反応に用いた。 H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 2.28 (6H, s), 3.65 (2H, s), 6.70 (1H, dd, J = 0.8, 7.0 Hz), 7.14 (1H, dd, J = 6.6, 8.8 Hz), 7.60 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.66 (1H, d, J = 1.4 Hz), 7.84 (1H, d, J = 1.2 Hz). IR (neat) 3388, 2945, 2823, 2773, 1639, 1514, 1300, 1147, 1039, 1017, 845, 785, 746 cm−1
ii) 5−ジメチルアミノメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン0.54g(3ミリモル)と4−ジメチルアミノメチルピリジン2.75g(22.5ミリモル)のクロロホルム30ml溶液にトリクロロアセチルクロリド1.67ml(15ミリモル)を室温で加え、7.5時間加熱還流した。冷却後、反応混合物を氷水中にあけ、飽和炭酸水素ナトリウム水で中和した。ジクロロメタンで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して、目的物250mg(26.0%,黄色粉末)を得た。m.p. 92.0−93.0℃; H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 1.87 (6H, s), 3.74 (2H, s), 7.00 (1H, d, J = 7.0 Hz), 7.47 (1H, dd, J = 7.0, 8.8 Hz), 8.80 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.59 (1H, s). IR (KBr) 1680, 1475, 1292, 1176, 743, 648 cm−1
【0062】
参考例14
3−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザシクロペント[cd]インデン−4−カルボン酸
【化57】
Figure 2004161716
i) イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イル酢酸メチル9.51g(50ミリモル)、トリエチルアミン13.94mL(100ミリモル)、ピリジン8.09mL(100ミリモル)のジクロロメタン200mL溶液にトリフルオロ酢酸無水物を0℃で加えた後、室温で3.5時間撹拌した。反応混合物を氷水中にあけ、飽和炭酸水素ナトリウム水で中和した。混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をジエチルエーテル−ヘキサンで洗浄して、3−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザシクロペント[cd]インデン−4−カルボン酸メチル9.98g(淡茶色粉末,74%)を得た。m.p. 156.5−158.5℃; H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 4.09 (3H, s), 8.22 (1H,m), 8.28 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.59 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.87 (1H, s). IR (KBr) 1730, 1533, 1497, 1155 cm−1
ii)3−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザシクロペント[cd]インデン−4−カルボン酸メチルのエタノール(20mL)−テトラヒドロフラン(30mL)混合溶液に、2規定水酸化ナトリウム水22mL(44ミリモル)を室温で加え、16時間撹拌した。反応混合物を氷令下、濃塩酸を加えて、pH4に調整した。生じた沈殿をろ取し、エタノール−ジエチルエーテルで洗浄、乾燥して目的物2.26g(黄色粉末,89%)を得た。m.p. <250℃; H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ 8.34 (1H, t, J = 8.0 Hz), 8.53 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.65 (1H, d, J = 8.0 Hz), 9.12 (1H, s). IR (KBr) 1709, 1495, 1304, 1169 cm−1
【0063】
参考例15
4−クロロ−1,7b−ジアザシクロペント[cd]インデン−3−カルボン酸
【化58】
Figure 2004161716
i) 5−クロロメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン・塩酸塩19.4g(89.2ミリモル)、ピリジン36.1mL(446ミリモル)のジクロロメタン200mL溶液にトリフルオロ酢酸無水物63.0mL(446ミリモル)を0℃で1時間掛けて加えた後、トリエチルアミン31.1mL(223ミリモル)を加えた。室温で18時間撹拌した後、反応混合物を氷水中にあけ、2規定水酸化ナトリウム水で中和した。混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン)で精製して、4−クロロ−3−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザシクロペント[cd]インデン17.96g(淡黄色固体,82%)を得た。m.p. 108.0−110.0℃(dec.); H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 8.12 (1H, t, J = 7.8 Hz), 8.24 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.30 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.70 (1H,s). IR (KBr) 1527, 1328, 1288, 1178, 1122 cm−1
ii)4−クロロ−3−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザシクロペント[cd]インデン3.11g(12.7ミリモル)と濃塩酸13.5mL(254ミリモル)の混合物を、120−130℃で12時間撹拌した。冷却後、反応混合物を氷水中にあけた。混合物に水酸化ナトリウム水を加えて、pH3−4に調整した。生じた沈殿をろ取し、アセトンおよびジエチルエーテルで洗浄、乾燥して目的物1.96g(暗緑色粉末,70%)を得た。m.p. <240℃(dec.); H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ 8.20 (1H, t, J = 8.0 Hz), 8.42 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.46 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.81 (1H, s). IR (KBr) 1712, 1468, 1282, 1190, 1128 cm−1
【0064】
参考例16
4−(2−アミノチアゾール−4−イル)安息香酸
【化59】
Figure 2004161716
4−(2−ブロモアセチル)安息香酸メチルエステル(0.51g)、チオ尿素(0.15g)及びメタノール(8ml)の混合物を1時間加熱還流した。反応液を冷却後、溶媒を減圧下に留去し、残留物をエタノールで洗浄、乾燥させることにより4−(2−アミノチアゾール−4−イル)安息香酸メチルエステル(0.51g)を結晶として得た。本品に1規定水酸化ナトリウム(5ml)、THF(5ml)及びメタノール(5ml)を加え、30分加熱還流させた。反応液を冷却後、系内に水を加え、1規定塩酸で中和した後、析出する結晶をろ取、乾燥させることにより題記化合物(0.29g)を結晶として得た。H−NMR (DMSO−d) δ : 7.36 (1H, s), 7.89 (2H, d, J = 8.4 Hz), 8.00 (2H, d, J= 8.4 Hz).
【0065】
参考例17
i) 5−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルスルファニル)ペンタン酸
【化60】
Figure 2004161716
5−メルカプトイミダゾ[1,2−a]ピリジン(3.0 g)、炭酸カルシウム (3.0 g)及びDMF (30 ml) の混合物に、室温攪拌下5−ブロモペンタン酸メチル(4.0 g)を加え、同温で18時間攪拌した。溶媒を減圧下に留去し、残渣を酢酸エチルで希釈した。本溶液を水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮することにより5−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルスルファニル)ペンタン酸メチルエステル(3.22 g)を油状物として得た。本品に、1規定水酸化ナトリウム(30 ml)及びエタノール(30 ml) を加え、室温にて2時間攪拌した。溶媒を減圧下に留去し、残渣に水を加え、系内を1規定塩酸により中和した。析出物をろ取した後、水にて洗浄、乾燥させ、表題化合物 (2.1g) を結晶として得た。 H−NMR (DMSO−d) δ: 1.55−1.72 (4H, m), 2.25 (2H, m), 3.17 (2H, m), 7.03 (1H, dd, J=0.8, 7.4Hz), 7.27 (1H, dd, J=7.4, 8.8Hz), 7.53 (1H, dd, J=0.8, 8.8Hz), 7.68 (1H, d, J=1.6Hz), 7.92 (1H, t, J=1.6Hz), 12.07 (1H, br).同様の方法にて、ヘテロ環チオールより以下の化合物を合成した。
ii) 6−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルスルファニル)ヘキサン酸
【化61】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d) δ: 1.30−1.72 (6H, m), 2.20 (2H, t, J=7.0Hz), 3.15 (2H,t, J=7.0Hz), 7.03 (1H, dd, J=0.8, 7.2Hz), 7.27 (1H, dd, J=7.2, 8.8Hz), 7.53 (1H, dd, J=0.8, 8.8Hz), 7.68 (1H, d, J=1.4Hz), 7.92 (1H, t, J=1.4Hz), 12.04 (1H, br).
iii) 4−(ピリジン−4−イルスルファニル)酪酸
【化62】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d) δ: 1.84 (2H, m), 2.39 (2H, t, J=7.0Hz), 3.08 (2H, t, J=7.0Hz), 7.29 (2H, d, J=6.2Hz), 8.37 (2H, d, J=6.2Hz).
iv) 4−(9H−プリン−6−イルスルファニル)酪酸
【化63】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d) δ: 1.95 (2H, m), 2.39 (2H, t, J=7.2Hz), 3.37 (2H, t, J=7.2Hz), 8.45 (1H, s), 8.69 (1H, s), 12.17 (1H, br).
v) 4−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)酪酸
【化64】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d) δ: 1.96 (2H, m), 2.39 (2H, t, J=7.2Hz), 3.40 (2H, t, J=7.2Hz), 8.29 (1H, s), 8.73 (1H, s).
vi) 4−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニル)酪酸
【化65】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d) δ: 1.89 (2H, m), 2.38 (2H, t, J=7.4Hz), 3.27 (2H, t, J=7.0Hz), 6.33 (2H, br s), 7.90 (1H, s).
vii) (7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)酢酸
【化66】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d) δ: 4.15 (2H, s), 6.52 (1H, dd, J = 1.8, 3.6 Hz), 7.50 (1H, dd, J = 2.4, 3.6 Hz), 8.55 (1H, s), 12.20 (1H, br).
viii) 4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)酪酸エチルエステル
【化67】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl) δ: 1.26 (3H, t, J=7.2Hz), 2.06−2.20 (2H, m), 2.52 (2H, t, J=7.2Hz), 3.44 (2H, t, J=7.2Hz), 4.15 (2H, q, J=7.2Hz), 6.55 (1H, dd, J=1.8, 3.6Hz), 7.15 (1H, dd, J=2.4, 3.6Hz), 8.05 (1H, s), 10.16 (1H, brs).
ix) 4−(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イルスルファニル)酪酸
【化68】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d) δ: 1.96 (2H, m), 2.41 (2H, t, J=7.2Hz), 3.39 (2H, t, J=7.0Hz), 3.95 (3H, s), 3.97 (3H, s), 7.19 (1H, s), 7.32 (1H, s), 8.83 (1H, s).
x) 4−(キナゾリン−4−イルスルファニル)酪酸
【化69】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d) δ: 1.98 (2H, m), 2.41 (2H, t, J=7.5Hz), 3.41 (2H, t, J=7.2Hz), 7.74 (1H, m), 7.94−8.04 (2H, m), 8.12 (1H, dd, J=0.9, 8.1Hz), 9.00 (1H, s).
xi) 4−(キノリン−8−イルスルファニル)酪酸
【化70】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d) δ: 1.93 (2H, m), 2.46 (2H, t, J=7.0Hz), 3.07 (2H, t, J=7.0Hz), 7.50−7.63 (3H, m), 7.72 (1H, dd, J=2.2, 7.0Hz), 8.36 (1H, dd, J=1.8, 8.4Hz), 8.89 (1H, dd, J=1.8, 4.4Hz).
xii) 4−(2−チオフェン−2−イルキナゾリン−4−イルスルファニル)酪酸
【化71】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl) δ: 2.24 (2H, m), 2.64 (2H, t, J=7.0Hz), 3.54 (2H, t, J=7.0Hz), 7.18 (1H, dd, J=3.8, 5.0Hz), 7.44−7.55 (2H, m), 7.80 (1H, m), 7.94 (1H, m), 8.02 (1H, m), 8.11 (1H, dd, J=1.4, 3.8Hz).
xiii) 3−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルスルファニルメチル)安息香酸
【化72】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d) δ: 4.50 (2H, s), 6.97 (1H, dd, J=1.2, 7.4Hz), 7.20 (1H, dd, J=7.4, 8.8Hz), 7.40 (1H, t, J=7.4Hz), 7.47−7.58 (2H, m), 7.69 (1H,d, J=1.2Hz), 7.81 (1H, dt, J=1.4, 7.8Hz), 7.68 (1H, d, J=1.4Hz), 7.87 (1H, m), 8.01 (1H, t, J=1.2Hz).
【0066】
参考例18
i) 4−ピリジン−4−イル安息香酸
【化73】
Figure 2004161716
4−ブロモ安息香酸エチル(2.29 g)、4−ピリジルボロン酸(1.23 g)、1 M 炭酸ナトリウム水溶液 (30 ml)及びDME (40 ml) の混合物に、室温攪拌下テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.3 g) を加え、窒素雰囲気下3時間加熱還流した。反応液を冷却後、系内に水を加え酢酸エチルにて分液抽出し、有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/2)にて精製し、4−(4−ピリジル)安息香酸エチルエステル(1.2 g)を結晶として得た。H−NMR (CDCl) δ: 1.43 (3H, t, J=7.0Hz), 4.41 (2H, q, J=7.0Hz), 7.54 (2H, d, J=6.0Hz), 7.70 (2H, d, J=8.8Hz), 8.16 (2H, d, J=8.8Hz), 8.70 (2H, d, J=6.0Hz).本品 (1.0 g) に1規定水酸化ナトリウム (8.8 ml) 及びエタノール (8.8 ml) を加え、室温にて1時間攪拌した。反応液を濃縮後、残留物を水に溶解し、1規定塩酸(8.8 ml)にて中和した。析出物をろ取し、水にて洗浄後、乾燥させ、表題化合物 (0.76 g) を結晶として得た。H−NMR (DMSO−d) δ: 7.75 (2H, d, J=6.2Hz), 7.92(2H, d, J=8.2Hz), 8.07(2H, d, J=8.2Hz), 8.68 (2H, d, J=6.2Hz).
【0067】
同様の方法にて、以下の化合物を合成した。
ii) [2,4’]ビピリジニル−5−カルボン酸
【化74】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d) δ: 8.11 (2H, d, J=6.0Hz), 8.25 (1H, d, J=8.2Hz), 8.41 (1H, dd, J=2.2, 8.2Hz), 8.75 (2H, d, J=6.0Hz), 9.21 (1H, d, J=2.2Hz).
【0068】
iii) 5−ピリジン−4−イルチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
【化75】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1712, 1453, 1417, 1282, 1247 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 3.93 (3H, s), 7.47 (1H, d, J=4.0Hz), 7.50 (2H, d, J=6.2Hz), 7.80 (1H, d, J=4.0Hz), 8.65 (2H, d, J=6.2Hz).
iv) 4−ピリジン−3−イル安息香酸エチルエステル
【化76】
Figure 2004161716
IR (Neat): 1716, 1274 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.43 (3H, t, J=7.0Hz), 4.42 (2H, q, J=7.0Hz), 7.41 (1H, dd, J=4.8, 8.2Hz), 7.66 (2H, d, J=8.8Hz), 7.92 (1H, dt, J=2.0, 8.2Hz), 8.16 (2H, d, J=8.8Hz), 8.65 (1H, dd, J=2.0, 4.8Hz), 8.89 (1H, d, J=2.0Hz).
【0069】
参考例19
4−イミダゾール−1−イル安息香酸
【化77】
Figure 2004161716
4−フルオロ安息香酸エチル(8.4 g)、イミダゾール (4.1 g)、炭酸カリウム(20.7 g)及び DMF (30 ml) の混合物を100 °C にて10 時間攪拌した後、溶媒を減圧下に留去した。残留物を酢酸エチルに溶解し、本溶液を水にて洗浄後、硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧濃縮て4−(1H−イミダゾール−1−イル)安息香酸エチル(1.74 g) を無色固体として得た。H−NMR (CDCl) δ: 1.42 (3H, t, J=7.2Hz),4.42 (2H, q, J=7.2Hz), 7.25 (1H, s), 7.36 (1H, t, J=1.4Hz), 7.48 (2H, d, J=8.8Hz), 7.95 (1H, s), 8.18 (2H, d, J=8.8Hz).本品を加水分解反応に付し、表題化合物を得た。
【0070】
参考例20
4−[1,2,4]トリアゾール−1−イル安息香酸
【化78】
Figure 2004161716
本化合物は、参考例19に示す方法に準じて合成した。IR (KBr): 1722, 1610, 1523, 1440, 1278, 1224, 1106 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.43 (3H, t, J=7.0Hz), 4.42 (2H, q, J=7.0Hz), 7.79 (2H, d, J=8.8Hz), 8.15 (1H, s), 8.20 (2H, d, J=8.8Hz), 8.66 (1H, s).
【0071】
参考例21
4−(3H−イミダゾール−4−イル)安息香酸
【化79】
Figure 2004161716
4−アセチル安息香酸メチル(0.54 g) の酢酸溶液 (9 ml) に、80°C攪拌下、臭素 (0.16 ml) の酢酸溶液 (1 ml)を滴下した。臭素の褐色が消えた後、反応液を室温まで冷却し、系内に水を加えた。析出物をろ取し、水にて洗浄後、乾燥させ4−ブロモアセチル安息香酸メチルエステル(0.77 g)を結晶として得た。 H−NMR (CDCl) δ: 3.97 (3H, s), 4.48 (2H, s), 8.05 (2H, d, J=8.6Hz), 8.16 (2H,d, J=8.6Hz).
本品 (1.2 g) にホルムアミド(12 ml) を加え100°C で20 分、さらに150°C で1時間攪拌した。反応液を冷却後、系内に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をアセトンより再結晶化し、4−(4−イミダゾリル)安息香酸メチルエステル(210 mg) を淡茶色針状晶として得た。
ついで、本品に1規定水酸化ナトリウム (2 ml)及びメタノール (4 ml) を加え、30分加熱還流した。反応液を濃縮後、残留物を水に溶解し、1規定塩酸(2 ml)にて中和した。析出物をろ取し、水にて洗浄後、乾燥させ、表題化合物 (0.16g)を結晶として得た。H−NMR (DMSO−d) δ: 7.74 (1H, s), 7.76 (1H, s), 7.87(2H, d, J=8.6Hz), 7.93 (2H, d, J=8.6Hz).
【0072】
参考例22
4−(2H−ピラゾール−3−イル)安息香酸
【化80】
Figure 2004161716
4−アセチル安息香酸メチル(1.78 g)、N,N’−ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール(4.0 ml) 及びDMF (15 ml) の混合物を100°C にて2.5 時間攪拌した。
反応液を冷却後、系内に水を加えた。析出物をろ取し、水にて洗浄、乾燥させ4−(3−ジメチルアミノプロペノイル)安息香酸メチルエステル(2.1 g) を結晶として得た。H−NMR (CDCl) δ: 2.95 (3H, brs), 3.17 (3H, brs), 3.93 (3H, s), 5.70 (1H, d, J=12.4Hz), 7.82 (1H, d, J=12.4Hz), 7.93 (2H, d, J=8.6Hz), 8.08 (2H, d, J=8.6Hz).
本品 (0.7 g)、ヒドラジン一水和物 (0.18 ml)、酢酸(0.18 ml) 及びメタノール(15 ml) の混合物を30分加熱還流した。溶媒を除去した後、残留物に水を加え、重曹水にて中和した。析出物をろ取し、水にて洗浄、乾燥させ4−(3−ピラゾリル)安息香酸メチルエステル(0.57g) を結晶として得た。H−NMR (CDCl) δ: 3.94 (3H, s), 5.20 (1H, brs), 6.70 (1H, d, J=2.2Hz), 7.65 (1H, d, J=2.2Hz), 7.85 (2H, d, J=8.2Hz), 8.08 (2H, d, J=8.2Hz).
ついで、本品(0.4 g)に1規定水酸化ナトリウム(3 ml)、THF (3 ml) 及びメタノール(6 ml)を加え、30分加熱還流した。反応液を濃縮後、残留物を水に溶解し、1規定塩酸(3 ml)にて中和した。析出物をろ取し、水にて洗浄後、乾燥させ、表題化合物 (0.33g) を結晶として得た。H−NMR (DMSO−d) δ: 6.82 (1H, d, J=2.2Hz), 7.77 (1H, d, J=2.2Hz), 7.92 (2H, d, J=8.2Hz), 7.98 (2H, d, J=8.2Hz).
【0073】
参考例23
4−ピラジン−2−イル安息香酸
【化81】
Figure 2004161716
2−クロロピラジン(11.5 g)、4−ホルミルフェニルボロン酸(15.0 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(5.05 g, 5 mol%)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(100 ml)及びDME (150 ml)の混合物を窒素雰囲気下15時間加熱還流した。
反応液を冷却後、系内に水及び酢酸エチルを加え、不溶物をろ過して除き、ろ液を分液した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1)にて精製し、4−(2−ピラジニル)ベンズアルデヒド(14.4 g)を結晶として得た。H−NMR (CDCl) δ: 8.04 (2H, d, J=8.4Hz), 8.22 (2H, d, J=8.4Hz), 8.61 (1H, d, J=2.4Hz), 8.70 (1H,dd, J=1.2, 2.4Hz), 9.12 (1H, d, J=1.2Hz), 10.12 (1H, s).
本品(6.44 g)、30% 過酸化水素水(3.8 ml)、リン酸二水素カリウム (1.2 g)、水(5 ml), アセトニトリル(50 ml)及びTHF (50 ml) の混合物に、15 °C 攪拌下、亜塩素酸ナトリウム(8.0 g) 水溶液(30 ml)を加えた。反応液を室温にて15時間攪拌後、系内に水を加えて析出する結晶をろ取し、本結晶を水にて洗浄、乾燥させることにより表題化合物(5.80 g)を無色結晶として得た。 H−NMR (DMSO−d) δ: 8.07 (2H, d, J=8.6Hz), 8.23 (2H, d, J=8.6Hz), 8.67 (1H, d, J=2.2Hz), 8.77 (1H, dd, J=1.8, 2.2Hz), 9.32 (1H, d, J=1.8Hz).
【0074】
参考例24
4−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)安息香酸
【化82】
Figure 2004161716
2−アミノ−5−ブロモピリジン(17.3 g)のTHF 溶液(100 ml)に、2M ナトリウムヘキサメチルジシラジドTHF溶液 (100 ml)を加え、室温にて15分攪拌した。ついで、本溶液を0 °Cに冷却後、二炭酸ジ−tert−ブチル(21 g)のTHF溶液(10 ml) を加えた。室温にて15時間攪拌後、反応液を酢酸エチルにて希釈し、0.1規定塩酸にて洗浄した。有機層を水及び飽和食塩水にて洗浄後、硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/2)にて精製し、ヘキサンから再結晶化することにより5−ブロモ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピリジン(17.4 g)を得た。H−NMR (CDCl) δ: 1.54 (9H, s), 7.75 (1H, dd, J=2.4, 8.8Hz), 7.92 (1H, d, J=8.8Hz), 8.00 (1H, br s), 8.32 (1H, d, J=2.4Hz).
本品(9.6g)、4−ホルミルフェニルボロン酸(5.3 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.0 g)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(35 ml, 70 mmol)及びDME (100 ml) の混合物を15時間加熱還流した。反応液を冷却後、析出する結晶をろ取し、水及びイソプロピルエーテルで洗浄、乾燥させ4−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−ピリジニル)ベンズアルデヒド(9.7 g)を淡黄色結晶として得た。H−NMR (CDCl) δ: 1.55 (9H, s), 7.73 (2H, d, J=8.0Hz), 7.90−8.02 (4H, m), 8.09 (1H, d, J=8.4Hz), 8.57 (1H, d, J=2.4Hz), 10.06 (1H, s).
本品(9.7 g)、30% 過酸化水素水(3.7 ml)、リン酸二水素カリウム (1.1 g)、水(5 ml), アセトニトリル(50 ml)及びTHF (70 ml) の混合物に、15 °C 攪拌下、亜塩素酸ナトリウム(7.4 g) 水溶液(30 ml)を加えた。反応液を室温にて15時間攪拌後、系内に水を加えて析出する結晶をろ取し、本結晶を水にて洗浄、乾燥させることにより表題化合物(8.0 g)を淡黄色結晶として得た。H−NMR (DMSO−d) δ: 1.49 (9H, s), 7.80 (2H, d, J=8.4Hz), 7.91 (1H, d, J=8.7Hz), 8.01 (2H, d, J=8.4Hz), 8.13 (1H, dd, J=2.4, 8.7Hz), 8.65 (1H, d, J=2.4Hz), 9.99 (1H, s).
【0075】
参考例25
3−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)安息香酸
【化83】
Figure 2004161716
本化合物は、参考例24に示す方法に準じて合成した。3−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−ピリジニル)ベンズアルデヒド:H−NMR (CDCl) δ: 1.55 (9H, s), 7.52 (1H, brs), 7.63 (1H, dd, J=7.8Hz), 7.80−7.88 (3H, m), 8.04−8.09(2H, m), 8.52 (1H, d, J=1.5Hz), 10.10 (1H, s). 3−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)安息香酸: H−NMR (DMSO−d) δ: 1.47 (9H, s), 7.17, 7.41(1H, m), 7.59 (1H, t, J=10.2Hz), 7.91 (3H, m), 8.09 (1H, m), 8.16 (1H, s), 8.59 (1H, s), 9.93 (1H, s).
【0076】
参考例26
4−(6−フェニルアセチルアミノピリジン−3−イル)安息香酸
【化84】
Figure 2004161716
5−ブロモピリジン−2−イルアミン(3.0g)、トリエチルアミン(4.8ml)及びジクロロメタン(30ml)の混合物に、0℃攪拌下フェニルアセチルクロリド(2.8ml)を加え、室温にて3時間攪拌した。反応液を飽和重曹水及び飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/10〜1/1)にて精製し、N−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−フェニルアセトアミド(4.0g)を無色結晶として得た。H−NMR (CDCl) δ:3.76 (2H, s), 7.28−7.46 (5H, m), 7.72−7.86 (2H, m), 8.17 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.24 (1H, d, J = 2.6 Hz).
本品(2.7 g)、4−ホルミルフェニルボロン酸(1.4 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.54 g)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(9.3 ml)及びDME (27 ml) の混合物を15時間加熱還流した。反応液を冷却後、析出する結晶をろ取し、水及びイソプロピルエーテルで洗浄、乾燥させN−[5−(4−ホルミルフェニル)ピリジン−2−イル]−2−フェニルアセトアミド(1.7 g)を黄色結晶として得た。H−NMR (CDCl) δ: 3.80 (2H, s), 7.32−7.46 (5H, m), 7.71 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.88 (1H, br), 7.92−8.00 (3H, m), 8.35 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.49 (1H, m), 10.00 (1H, s).
本品(1.6 g)、2−メチル−2−ブテン(2.4 ml)、リン酸二水素ナトリウム (0.61 g)、水(32ml)、tert−ブタノール(10 ml)及びTHF (32 ml) の混合物に、0 °C 攪拌下、亜塩素酸ナトリウム(1.7 g)をゆっくりと加えた。反応液を室温にて15時間攪拌後、系内を1規定塩酸にてpH6に調整し、不溶物を除去した。ろ液に1規定水酸化ナトリウムを加えて系内をアルカリ性にし、酢酸エチルにて洗浄した。ついで、水層を1規定塩酸にて酸性にした後、酢酸エチルにて抽出し、本酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残留物を水及びジエチルエーテルにて洗浄後、メタノールにより再結晶化させ表題化合物(1.0 g)を無色結晶として得た。HPLC分析(アジレント1100システム): 純度100 % (保持時間: 2.49 min). MS (ESI+): 333.1 (M+H).
【0077】
参考例27
4−(ピリジン−4−イルオキシ)安息香酸
【化85】
Figure 2004161716
4−ニトロピリジン 1−オキシド(2.8 g)、4−ヒドロキシ安息香酸エチル (3.3 g)、炭酸カリウム(2.8 g)及びDMF(50 ml)の混合物を130℃にて2時間攪拌した。反応液を冷却後、不溶物をろ過して除き、ろ液を減圧濃縮した。残留物をジクロロメタン(50 ml)に溶解し、三塩化リン(2.6 ml)をゆっくり滴下した。室温にて30分攪拌した後、減圧濃縮した。残渣を飽和重曹水にて中和し、酢酸エチルにて分液抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1)にて精製し、4−(ピリジン−4−イルオキシ)安息香酸エチルエステル (4.4 g)を油状物として得た。H−NMR (CDCl) δ:1.41 (3H, t, J = 7.0 Hz), 4.40 (2H, q, J = 7.0 Hz), 6.90 (2H, d, J = 6.4 Hz), 7.14 (2H, d, J = 8.6 Hz), 8.12 (2H, d, J = 8.6 Hz), 8.53 (2H, d, J = 6.4 Hz).
本品にエタノール(30 ml)及び1規定水酸化ナトリウム(27 ml)を加え、室温にて3時間攪拌した。反応液に水を加え、1規定塩酸で中和し、析出物をろ取、乾燥させることにより表題化合物(3.3 g)を得た。
【0078】
参考例28
4−[6−(tert−ブトキシカルボニルフェニルアミノ)ピリジン−3−イル]−安息香酸
【化86】
Figure 2004161716
i) 2,5‐ジブロモピリジン(20.4 g)の酢酸(50 ml)縣濁液に氷冷下アニリン(8.62 ml)を加え、酢酸ナトリウム(7.8 g)を添加後、36時間加熱還流した。
溶媒を減圧下留去後、1規定水酸化ナトリウム水溶液を注入し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン/酢酸エチル=30/1→2/1)で精製して(5−ブロモピリジン−2−イル)フェニルアミン(2.8 g, 13%)を得た。H−NMR (CDCl) δ: 6.55 (1H, brs), 6.77 (1H,d, J=8.7 Hz), 7.08 (1H, t, J=6.3 Hz), 7.22−7.38 (4H, m), 7.56 (1H, dd, J=2.4, 8.7 Hz), 8.23(1H, d, J=2.4 Hz).
ii) (5−ブロモピリジン−2−イル)フェニルアミン(2.74 g)のテトラヒドロフラン(30 ml)溶液に氷冷下、水素化ナトリウム(528 mg)を添加後、氷冷下30分間撹拌した。氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(2.62 g)を添加後、室温で10時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、0.1規定塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をn−ヘキサンから再結晶して(5−ブロモピリジン−2−イル)フェニルカルバミン酸tert−ブチルエステル(3.33 g, 87%)を得た。H−NMR (CDCl) δ: 1.44 (9H, s), 7.15−7.40 (5H, m), 7.49 (1H, d, J=8.7 Hz), 7.78 (1H, dd, J=2.4, 8.7 Hz), 8.38 (1H, d, J=2.4 Hz).
iii) (5−ブロモピリジン−2−イル)フェニルカルバミン酸 tert−ブチルエステル(3.30 g)と4−ホルミルフェニルボロン酸(1.41 g)のジメトキシエタン(30 ml)溶液に室温で2規定炭酸ナトリウム水溶液(9.4 ml)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(543 mg)を添加後、3時間加熱還流した。水を加え、酢酸エチルで抽出した抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン/酢酸エチル=4/1〜3/1)で精製後n−へキサン/酢酸エチルから再結晶して[5−(4−ホルミルフェニル)ピリジン−2−イル]フェニルカルバミン酸tert−ブチルエステル(1.87 g, 53 %)を得た。H−NMR (CDCl) δ: 1.49 (9H, s), 7.22−7.46 (5H, m), 7.70−7.76 (3H, m), 7.93−8.01 (3H, m), 8.65 (1H, d, J=2.6 Hz), 10.08 (1H, s).
iv) [5−(4−ホルミルフェニル)ピリジン−2−イル]フェニルカルバミン酸tert−ブチルエステル(1.30 g)とリン酸二水素カリウム(104 mg)のアセトニトリル(4 ml)、テトラヒドロフラン(6 ml)、水(1 ml)混合縣濁液に室温で30%過酸化水素水(0.47 ml)を添加後、氷冷下亜塩素酸ナトリウム(376 mg)の3 ml水溶液を加え、室温で15時間攪拌した。水を加え、析出した固体をろ取して、水、n−へキサンで洗浄することで4−[6−(tert−ブトキシカルボニルフェニルアミノ)ピリジン−3−イル]安息香酸1.25 g, 93%)を得た。H−NMR (CDCl) δ: 1.43 (9H, s), 7.20−7.45 (5H, m), 7.64−7.72 (3H, m), 7.96 (1H, dd, J=2.6, 8.4 Hz), 8.20 (2H, d, J=8.4 Hz), 8.65 (1H, d, J=2.6 Hz).
【0079】
参考例29
4−[6−(tert−ブトキシカルボニルシクロヘキシルアミノ)ピリジン−3−イル]安息香酸
【化87】
Figure 2004161716
参考例28と同様の操作で表題化合物を合成した。
H−NMR (CDCl) δ: 1.00−1.68 (6H, m), 1.44 (9H, s), 1.70−1.86 (2H, m), 1.86−2.00 (2H, m), 4.14 (1H, m), 7.27 (1H, d, J=8.1 Hz), 7.71 (2H, d, J=8.1 Hz), 7.92 (1H, dd, J=2.7, 8.1 Hz), 8.23 (2H, d, J=8.1 Hz), 8.79 (1H, d, J=2.7 Hz).
【0080】
参考例30
(2−フェニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルオキシ)酢酸
【化88】
Figure 2004161716
文献 (Chemical and Pharmaceutical Bulletin,1973年, 21,p.2146) 記載の方法により合成した2−フェニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−オール(0.12 g)のアセトニトリル溶液(5 ml)に、ブロモ酢酸tert−ブチル (0.13 ml)及び炭酸カリウム(0.24 g)を加え40分加熱還流した。反応液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/4)にて精製し、(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルオキシ)酢酸 tert−ブチルエステル(0.18 g)を油状物として得た。H−NMR (CDCl) δ: 1.46 (9H, s), 4.43 (2H, s), 6.69 (1H, dt, J = 1.4, 6.6 Hz), 7.05 (1H, ddd, J = 1.0, 6.4, 8.6 Hz), 3.36−3.54 (2H, m), 4.17 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.32 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.24−7.38 (2H, m), 7.33−7.53 (3H, m), 7.66−7.73 (1H, m), 8.07−8.15 (2H, m), 8.33 (1H, d, J = 7.0 Hz).
本品に6規定塩酸(2 ml)を加え、60℃で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、表題化合物(0.13 g)を無色結晶として得た。
【0081】
参考例31
3−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)アクリル酸 塩酸塩
【化89】
Figure 2004161716
ジメチルホスホノ酢酸メチル(163 g)のTHF溶液(500 ml)に、0℃攪拌下水素化ナトリウム(36 g)を加え、同温にて5分攪拌した。本反応液に5−メチル−1H−イミダゾール−4−カルバルデヒド(66 g)を加え、室温で18時間攪拌した。反応液を塩酸にて中和し、クロロホルムにて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥させた後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて精製し、3−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)アクリル酸メチルエステル(31 g)を無色結晶として得た。ついで、本品に濃塩酸を加え、90℃にて3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、乾燥させることにより表題化合物(34g)を無色結晶として得た。H−NMR (DMSO−d) δ : 2.41 (3H, s), 3.77 (3H, s), 6.72 (1H, d, J = 16.0 Hz), 7.48 (1H, d, J = 16.0 Hz), 9.21 (1H, s).
【0082】
参考例32
3−(5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)プロピオン酸
【化90】
Figure 2004161716
4−フェニルセミカルバジド(6 g)、重曹(4.3 g)、酢酸エチル(80 ml)、THF(40 ml)及び水(80 ml)の混合物に、0℃攪拌下3−クロロカルボニルプロピオン酸エチル(7.9 g)を滴下し、同温にて1時間攪拌した。反応液を濃縮後、残留物を水で洗浄し、乾燥させた。ついで、本残留物に1規定水酸化ナトリウム(200 ml)を加え、1.5時間加熱還流した。反応液を冷却後、系内を6規定塩酸にて酸性にした後、析出物をろ取、乾燥させ、表題化合物(7 g)を無色結晶として得た。H−NMR (DMSO−d) δ : 2.48−2.64 (4H, m), 7.36−7.58 (5H, m), 11.66 (1H,s).
【0083】
参考例33
1−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)ピペリジン−4−カルボン酸 塩酸塩
【化91】
Figure 2004161716
国際公開第98/25617号パンフレット記載の方法に準じて合成した7−クロロ−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.67 g)、ピペリジン−4−カルボン酸tert−ブチル(1.48 g)、トリエチルアミン(0.67 ml)及びエタノール(15 ml)の混合物を60℃にて16時間攪拌した。反応液を冷却後、溶媒を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/2〜酢酸エチル/メタノール=1/20)にて精製し、1−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)ピペリジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.24 g)を無色結晶として得た。ついで、本品のジクロロメタン溶液(10ml)に、4規定塩酸(28 ml)を加え、室温にて16時間攪拌した。析出物をろ取し、ジエチルエーテルで洗浄、乾燥させることにより表題化合物(1.13 g)を無色粉末として得た。
H−NMR (DMSO−d) δ : 1.65−2.15 (4H, m), 2.54 (3H, s), 2.65−2.85 (1H, m), 3.45−3.70 (2H, m), 4.60−4.80 (2H, m), 6.89 (1H, s), 8.70 (1H, s).
【0084】
参考例34
4−[3−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−1−イルメチル]安息香酸
【化92】
Figure 2004161716
独国特許出願公開第2230675号明細書記載の方法に準じて合成した4−ヒドラジノメチルベンゾニトリル(2.9 g)、3−(4−メトキシフェニル)−3−オキソプロピオン酸エチル(4.8 g)及びエタノール(20 ml)の混合物を、室温にて24時間攪拌した。析出物をろ取し、酢酸エチルで洗浄、乾燥させることにより4−[3−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−1−イルメチル]ベンゾニトリル(3.6 g)を無色結晶として得た。ついで、本品(1.7 g)に2規定水酸化ナトリウム(10 ml)及びイソプロパノール(20 ml)を加え、5時間加熱還流した。反応液を冷却後、酢酸にて中和し、析出結晶をろ取、水及びメタノールにて洗浄、乾燥して表題化合物(1.5 g)を無色結晶として得た。H−NMR (90MHz, DMSO−d) δ : 3.81 (3H, s), 5.16 (2H, s), 5.75 (1H, s), 6.90 (2H, d), 7.29 (2H, d), 7.62
(2H, d), 7.91 (2H, d).
【0085】
参考例35
(5−ベンジル−1−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリダジン−3−イルスルファニル)酢酸
【化93】
Figure 2004161716
文献 (Chemical and Pharmaceutical Bulletin,1970年, 18. p.147) 記載の方法に準じて合成した2−ベンジル−4,5−ジクロロ−2H−ピリダジン−3−オン(25.5 g)、メチルヒドラジン(9.22 g)及びエタノール(150 ml)の混合物を30分加熱還流した。反応液を氷水中に加え、析出物をろ取、乾燥させることにより2−ベンジル−4−クロロ−5−(N−メチルヒドラジノ)−2H−ピリダジン−3−オン(20 g)を得た。
本品(7 g)のDMF溶液(70ml)に、室温攪拌下、水素化ナトリウム(60%、2.6 g)を加えた。室温にて40分攪拌後、系内に二硫化炭素(2.1 g)を加え、同温にて2時間攪拌した。ついでブロモ酢酸メチル(4.5 g)を加え、室温でさらに1時間攪拌した。反応液を氷水中に注ぎ、酢酸エチルにて分液抽出した。有機層を水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧濃縮した。残留物をエタノールで洗浄し、アセトン/エタノールから再結晶させることにより(6−ベンジル−1−メチル−5−オキソ−5,6−ジヒドロ−1H−ピリダジノ[4,5−e][1,3,4]チアジアジン−3−イルスルファニル)酢酸 メチルエステル(3.86 g)をオレンジ色結晶として得た。
本品(5.4 g)にDMF(30 ml)を加え、30分加熱還流した。反応液を水中に注ぎ、析出物をろ取した。本析出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=1/100)にて精製し、(5−ベンジル−1−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリダジン−3−イルスルファニル)酢酸 メチルエステル(4.2 g)を無色結晶として得た。
ついで、本品(3.5 g)、1規定水酸化ナトリウム(20 ml)及びメタノール(60 ml)の混合物を70℃で1時間攪拌した。反応液を水中に注ぎ、系内を2規定塩酸で酸性にした。析出物をろ取し、乾燥させることにより表題化合物(3.1 g)を無色結晶として得た。H−NMR (CDCl) δ : 3.92 (2H, s), 4.03 (3H, s), 5.38 (2H, s), 7.20−7.50 (5H, m), 8.09 (1H, s).
【0086】
参考例36
以下の化合物は文献記載の方法に従い合成した。
i) 3−(1H−インドール−3−イル)プロピオン酸
【化94】
Figure 2004161716
本化合物は文献 (Tetrahedron Letters. 1984年, 25. p.3159) 記載の方法に従い合成した。
ii) (1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)酢酸
【化95】
Figure 2004161716
本化合物は文献 (Chemical and Pharmaceutical Bulletin,1968年, 16. p.2167) 記載の方法に従い合成した。
iii) 5−フェニル−5−ピリジン−3−イルペンタ−4−エン酸
【化96】
Figure 2004161716
本化合物は文献 (Journal of Medicinal Chemistry, 1985年, 28, p.287) 記載の方法に従い合成した。
iv) 5−アミノ−1−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸
【化97】
Figure 2004161716
本化合物は文献(European Journal of Medicinal Chemistry, 1989年, 24, p.435) 記載の方法に従い合成した。
v) 4−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)安息香酸
【化98】
Figure 2004161716
本化合物は文献(Chemical and Pharmaceutical Bulletin, 2001年, 49. p.268) 記載の方法に従い合成した。
【0087】
実施例1
i) i) 7−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化99】
Figure 2004161716
水素化ナトリウム0.24g(60%油性,6.0ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド40ml懸濁液に5−メルカプトイミダゾ[1,2−a]ピリジン0.98g(6.0ミリモル)を室温で加え、10分撹拌した。この混合物に、7−(4−クロロブチル)−1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン2.87g(5.97ミリモル)とヨウ化ナトリウム0.90g(6.0ミリモル)を加え、80℃で3時間撹拌した。冷却後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水洗、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィ−(溶出液:酢酸エチル/エタノール=10/1)で精製して、表題化合物1.26g(43.7%,白色泡状物)を得た。 H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.62−1.88(4H, m), 2.50(2H, quint., J=6.4Hz), 3.02(2H,t, J=7.2Hz), 3.99(2H, t, J=7.2Hz), 4.25(2H, t, J=6.4Hz), 6.90(1H, d, J=6.2Hz), 7.14(1H, dd, J=7.0, 9.0Hz), 7.25−7.33(2H, m), 7.40−7.45(3H, m), 7.57(1H, d, J=8.6Hz), 7.68(1H, d, J=1.2Hz), 7.83(1H, s).
【0088】
同様の方法にて、以下の化合物を合成した。
ii)7−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−9−メチル−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化100】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.73−1.83(4H ,m), 2.36(3H, s), 2.42−2.58(2H,m), 3.03(2H, t, J=7.0Hz), 3.50(2H, t, J=6.2Hz), 3.97(2H, t, J=6.6Hz), 4.07(2H, t, J=6.0Hz), 6.92(1H, d, J=7.0Hz), 7.15(1H, dd, J=7.0, 8.8Hz), 7.58(1H, d, J=8.8Hz), 7.69(1H, s), 7.85(1H, s). IR (KBr): 1701, 1649, 1486, 1446, 1321, 762, 567 cm−1
iii)7−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−9−ベンジル−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化101】
Figure 2004161716
m.p. 53.0−54.0℃; H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.58−1.82(4H, m), 2.50(2H,quint., J=6.6Hz), 2.99(2H, t, J=6.6Hz), 3.53(2H, t, J=6.8Hz), 3.92(2H, t, J=7.2Hz), 4.12−4.19(2H, m), 4.28(2H, s), 6.88(1H, dd, J=1.0, 7.0Hz), 7.14(1H, dd, J=7.2, 9.0Hz), 7.18−7.40(5H, m), 7.58(1H, dd, J=1.0, 9.0Hz), 7.69(1H, d, J=1.4Hz), 7.83(1H, d, J=1.0Hz). IR (KBr): 1705, 1651, 1487, 1443, 1324, 1292, 1142, 752, 700, 476 cm−1
iv)7−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−9−イソプロピル−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化102】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.35(6H, d, J=7.0Hz), 1.62−1.84(4H, m), 2.44−2.56(2H, m), 3.03(2H, t, J=6.8Hz), 3.45−3.51(2H, m), 3.83(1H, quint., J=7.0Hz), 3.93(2H, t, J=7.0Hz), 4.02(2H, t, J=6.1Hz), 6.92(1H, dd, J=0.8,7.0Hz), 7.15(1H, dd, J=7.4, 9.2Hz), 7.58(1H, d, J=9.2Hz), 7.70(1H, d, J=1.0Hz), 7.86(1H, s). IR(KBr): 2962, 1703, 1649, 1487, 1441, 1323, 1292,783 cm−1
v)7−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化103】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.64−1.84(4H, m), 2.51(2H, quint., J=6.2Hz),3.03(2H, t, J=7.0Hz), 3.48(2H, t, J=7.0Hz), 3.94(2H, t, J=6.8Hz), 4.14(2H, t, J=6.2Hz), 6.46(1H, m), 6.95(1H, d, J=6.6Hz), 7.16(1H, dd, J=7.4, 9.2Hz), 7.57(1H, d, J=8.8Hz), 7.69(1H, s), 7.85(1H, s). IR (KBr): 1707, 1659, 1485, 1443, 1327, 1146, 756, 592 cm−1
vi)6−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−1,1−ジオキソ−8−フェニル−2,3−ジヒドロ−5H−チアゾロ[3,2−c]ピリミジン−5,7(6H)−ジオン
【化104】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.62−1.92(4H, m), 3.04(2H, t, J=7.0Hz), 3.54(2H, t, J=6.6Hz), 4.01(2H, t, J=7.0Hz), 4.33(2H, t, J=7.0Hz), 6.92(1H, dd, J=1.0, 7.0Hz), 7.14(1H, dd, J=7.0, 9.2Hz), 7.47(5H ,s), 7.57(1H, dd, J=9.2Hz), 7.69(1H, d, J=1.4Hz), 7.85−7.86(1H, m).
vii) 7−[3−(5−イミダゾ[1,2−a]ピリジルチオ)プロパン−1−イル]−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化105】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.97 (2H, m), 2.51 (2H, m), 3.00 (2H, t, J =7.4 Hz), 3.47 (2H, t, J = 7.0 Hz), 4.04−4.16 (4H, m), 6.46 (1H, s), 6.99 (1H, d, J = 7.0 Hz), 7.16 (1H, dd, J = 7.2, 9.0 Hz), 7.59 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.69 (1H, s), 7.87 (1H, s). IR(KBr) 1702, 1657, 1481, 1442, 1326 cm−1
viii) 2−[4−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)ブチルチオ]−3−メチル−1,4,7b−トリアザシクロペント[cd]インデン
【化106】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 1.94−1.97 (4H, m), 2.50 (2H, sept., J = 6.6 Hz), 2.89 (3H, s), 3.37 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.55 (2H, t, J = 6.8 Hz), 4.07 (2H, t, J = 5.4 Hz), 4.26−4.32 (2H, m), 7.29−7.34 (2H, m), 7.39−7.44 (3H, m), 7.66 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.72 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.93 (1H, dd, J = 7.6, 8.0 Hz).
ix) 1−[4−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)ブチル]−1,2−ジヒドロ−3−メチル−1,4,7b−トリアザシクロペント[cd]インデン−2−オン
【化107】
Figure 2004161716
水素化ナトリウム80mg(60%油性,2.0ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド20ml懸濁液に、1,2−ジヒドロ−3−メチル−1,4,7b−トリアザシクロペント[cd]インデン−2−オン346mg(2.0ミリモル)を室温で加え、15分間撹拌した。反応混合物に、7−(4−クロロブチル)−1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン738mg(2.0ミリモル)とヨウ化ナトリウム300mg(2.0ミリモル)を加え、100℃で3時間撹拌した。冷却後、反応混合物を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2→1/4→酢酸エチル→酢酸エチル/エタノール=10/1)で精製して、目的物0.31g(30.0%,淡黄色固体)を得た。
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 1.82−1.88 (4H, m), 2.51 (2H, quint., J = 6.4 Hz), 2.82 (3H, s), 3.39 (2H, t, J = 6.8 Hz), 4.04−4.14 (4H, m), 4.28 (2H, t, J = 6.4 Hz), 6.82 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.29−7.33 (2H, m), 7.42−7.51(4H, m), 7.66 (1H, dd, J = 7.6, 8.6 Hz).
【0089】
実施例2
7−[4−(3−ジメチルアミノメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン・2塩酸塩
【化108】
Figure 2004161716
i)7−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン0.45g(0.93ミリモル)のアセトニトリル10ml溶液にN,N−ジメチルメチレンアンモニウムヨージド(Eschenmoser’s Salt)0.258g(1.4ミリモル)を室温で加え、2時間加熱還流した。冷却後、溶媒を留去した。残留物をジクロロメタンに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水で洗浄、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィ−(溶出液:クロロホルム/メタノール=25/1)で精製して、7−[4−(3−ジメチルアミノメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン0.40g(77.6%,淡黄色油状物)を得た。 H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.62−1.88(4H, m), 2.22(6H, s), 2.51(2H, quint., J=6.4Hz), 3.00(2H, t, J=6.8Hz), 3.39(2H, t, J=6.8Hz), 3.95−4.02(4H, m), 4.25(2H, t, J=6.4Hz), 6.82(1H, dd, J=1.0, 7.0Hz), 7.06(1H, dd, J=7.2, 9.0Hz),7.28−7.33(2H, m), 7.40−7.51(5H, m). IR (neat): 2941, 1707, 1655, 1439, 1333, 1144, 750, 702 cm−1
ii)7−[4−(3−ジメチルアミノメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン0.40g(0.722ミリモル)のメタノ−ル10ml溶液に濃塩酸0.18ml(2.2ミリモル)を加えた。反応液を濃縮乾固し、残渣をジエチルエ−テルで洗浄して、7−[4−(3−ジメチルアミノメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン・2塩酸塩0.36g(79.5%,淡白色泡状物)を得た。 H−NMR (CDOD, 200 MHz) δ: 1.80−1.90(4H, m), 2.42−2.56(2H, m), 2.98(6H, s), 3.29−3.33(2H, m), 3.51(2H, t, J=6.6Hz), 3.98−4.02(2H, m), 4.17(2H, t, J=6.2Hz), 7.24−7.40(5H, m), 7.72(1H, dd, J=1.8, 6.6Hz), 7.89−8.01(2H, m), 8.49(1H, s). Anal. Calcd for C2733Cl・2.8HO: C,47.90; H, 5.75; N, 10.34. Found: C, 48.10; H, 6.11; N, 10.47.
【0090】
実施例3
i)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−酢酸[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド
【化109】
Figure 2004161716
イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−酢酸601mg(2.5ミリモル)とHOBt383mg(2.5ミリモル)のジクロロメタン溶液に、WSC479mg(2.5ミリモル)とトリエチルアミン0.5ml(3.6ミリモル)を加えた。0℃ で 30分間撹拌した後3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピルアミン・塩酸塩1.158g(3ミリモル)とトリエチルアミン0.84ml(6ミリモル)を加え室温で3時間、40℃で14時間撹拌した。混合物に水を加えジクロロメタンで抽出、乾燥後、溶媒を留去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルム→クロロホルム/メタノール=25/1)で精製して表題化合物74.7mg(5.9%,黄色油状物)を得た。 H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.70−1.90(2H, m), 2.40−2.55(2H, m), 3.10−3.25(2H, m), 3.35(2H, t, J=6.9Hz), 3.79(2H, t, J=6.3Hz), 3.85(2H, s), 4.17(2H, t, J=6.3Hz), 6.55−6.70(1H, m), 6.76(1H, d, J=6.6Hz), 7.13(1H, dd, J=6.8, 9.0Hz), 7.20−7.35(2H, m), 7.35−7.50(3H, m), 7.50−7.60(1H, m), 7.60(1H, d, J=1.4Hz),7.65(1H, d, J=1.2Hz). IR (neat): 3060, 2930, 1640, 1450, 1300, 1140, 920, 730 cm−1
【0091】
同様に、WSCおよびHOBtを用いて各種カルボン酸と9−フェニル−3−(1,1,6,8−テトラオキソ−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピルアミン・塩酸塩または3−(1,1,6,8−テトラオキソ−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピルアミン・塩酸塩を縮合して以下の化合物を合成した。
ii) 4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブタン酸[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド
【化110】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.70−1.95(2H, m), 1.95−2.10(2H, m), 2.33(2H,t, J=7.0Hz), 2.45−2.60(2H, m), 3.05(2H, t, J=7.2Hz), 3.15−3.30(2H, m), 3.39(2H, t, J=6.8Hz), 4.02(2H, t, J=6.4Hz), 4.27(2H, t, J=6.8Hz), 6.24(1H, br), 6.92(1H, dd, J=1.0, 7.0Hz), 7.13(1H, dd, J=7.0,9.0Hz), 7.20−7.40(2H, m), 7.40−7.50(3H, m), 7.56(1H, dd, J=1.0, 10.0Hz), 7.67(1H, d, J=1.2Hz), 7.81(1H, d, J=0.8Hz). IR (neat): 3300, 2930, 2360, 1650, 1440, 1330, 1140, 870, 750, 700 cm−1
【0092】
iii) N−[3−(1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン−7−イル)プロピル]−5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カルボキサミド
【化111】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.80−2.00(2H, m), 2.45−2.60(2H, m), 3.20−3.35(2H, m), 3.40(2H, t, J=6.8Hz), 4.08(2H, t, J=6.0Hz), 4.31(2H, t, J=6.3Hz), 5.74(1H, dd, J=2.0, 6.0Hz), 6.50−6.75(3H, m), 6.95(1H, s), 7.25−7.50(6H, m). IR (KBr): 2370, 1660, 1330, 1280, 1140, 730 cm−1
【0093】
iv) N−[3−(1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン−7−イル)プロピル]−2−メチル−5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カルボキサミド
【化112】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.86−2.00(2H, m), 2.05(3H, s), 2.55(2H, quint., J=6.8Hz), 3.26−3.34(2H, m), 3.40(2H, t, J=7.0Hz), 4.09(2H, t, J=6.6Hz), 4.32(2H, t, J=6.2Hz), 5.71(1H, dd, J=2.6, 5.0Hz), 6.55−6.58(2H, m), 6.66(1H, s), 7.29−7.46(5H, m).
【0094】
v) イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ酢酸 [3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド
【化113】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.70−1.84(2H, m), 2.48(2H, quint., J=6.4Hz),3.18(2H, q, J=6.0Hz), 3.36(2H, t, J=6.8Hz), 3.69(2H, s), 3.83(2H, t, J=6.2Hz), 4.17(2H, t, J=6.2Hz), 6.95(1H, dd, J=1.2, 7.2Hz), 7.09(1H, dd, J=7.0, 8.8Hz), 7.14−7.18(1H, m), 7.28−7.31(2H, m), 7.41−7.46(3H, m), 7.56(1H, d, J=8.8Hz), 7.67(1H, d, J=0.8Hz), 7.83(1H, s).
【0095】
vi) 4−(イミダゾ[1,2−c]ピリミジン−5−イルチオ)ブタン酸[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド
【化114】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 1.70−2.00 (2H, m), 2.05−2.30 (2H, m), 2.38 (2H, t, J = 7.0 Hz), 2.45−2.60 (2H, m), 3.15−3.30 (2H, m), 3.30−3.50 (4H, m), 4.05 (2H, t, J = 6.5 Hz), 4.27 (2H, t, J = 6.3 Hz), 6.35 (1H, br), 7.25−7.35 (3H, m), 7.35−7.50 (3H, m), 7.50 (1H, s), 7.64 (1H, s,), 7.81 (1H, d, J = 6.4 Hz). IR (neat): 3350, 2930, 2360, 1650, 1460, 1320, 1140,
970, 750, 710 cm−1
【0096】
vii) N−[3−(1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン−7−イル)プロピル]−5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カルボキサミド
【化115】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.81−1.96(2H, m), 2.50−2.65(2H, m), 3.19−3.32(2H, m), 3.50(2H, m, J=6.8Hz), 4.03(2H, t, J=6.0Hz), 4.17−4.24(2H, m), 5.78(1H, dd, J=2.0, 5.6Hz), 6.51(1H, s), 6.60−6.67(3H, m), 6.78(1H, t, NH), 7.04(1H, s).
【0097】
viii)N−[3−(1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン−7−イル)プロピル]−3−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザシクロペント[cd]インデン−4−カルボキサミド
【化116】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 2.10 (2H, m), 2.53 (2H, m), 3.40 (2H, d, J = 7.0 Hz), 3.59 (2H, m), 4.21 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.31 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.15 (1H, brs, NH), 7.30−7.45 (5H, m), 8.08 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.26(1H, d, J = 8.0 Hz), 8.52 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.80 (1H, s). IR (KBr):
1706, 1656, 1525, 1151 cm−1
【0098】
ix)N−[3−(9−フェニル−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン−7−イル)プロピル]−4−クロロ−1,7b−ジアザシクロペント[cd]インデン−3−カルボキサミド
【化117】
Figure 2004161716
m.p. 122.0−124.0℃; H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 2.11 (2H, quint., J = 5.8Hz), 2.53 (2H, quint., J = 6.6 Hz), 3.61 (2H, q, J = 6.2 Hz), 4.22 (2H,t, J = 6.2 Hz), 4.33 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.31−7.46 (5H, m), 7.67 (1H, t, J = 6.2 Hz), 7.99−8.23 (3H, m), 8.87 (1H, s). IR (KBr) 3421, 1705, 1653, 1331, 1144, 783, 704, 478 cm−1
【0099】
x)N−[3−(1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン−7−イル)プロピル]−3−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザシクロペント[cd]インデン−4−カルボキサアミド
【化118】
Figure 2004161716
H−NMR (CDOD, 200 MHz) δ 2.09 (2H, quint., J = 5.8 Hz), 2.49 (2H, quint., J = 6.6 Hz), 2.98 (6H, s), 3.47−3.56 (4H, m), 4.09−4.22 (4H, m), 4.81 (2H, s), 7.19−7.33 (5H, m), 7.84 (1H, dd, J = 2.0, 6.6 Hz), 8.10−8.20 (2H, m), 8.62 (1H, s). Anal. Calcd for C2732ClS・2.0HO: C, 49.17;H, 5.50; N, 12.74. Found: C, 49.22; H, 5.48; N, 12.70.
【0100】
xi)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−カルボン酸[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド
【化119】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 2.00−2.15 (2H, m), 2.45−2.60 (2H, m), 3.40 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.49 (2H, q, J = 6.0 Hz), 4.17 (2H, t, J = 6.1 Hz), 4.31 (2H, t, J = 6.3 Hz), 7.10−7.25 (2H, m), 7.25−7.50 (5H, m), 7.71 (1H,d, J = 1.2 Hz,), 7.75 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.57 (1H, s). IR (neat): 1710, 1660, 1440, 1330, 1290, 1140, 750 cm−1
【0101】
xii)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド
【化120】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 1.95−2.10 (2H,m), 2.45−2.60 (2H,m), 3.40 (2H,t, J = 6.9 Hz), 3.40−3.55 (2H, m), 4.16 (2H, t, J = 6.1 Hz), 4.33 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.25−7.40 (2H,m), 7.40−7.50 (3H, m), 7.54 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.55−7.65 (2H, m), 7.69 (1H, d, J = 1.2 Hz), 8.83 (1H, d, J = 1.0Hz). IR (neat): 3500, 2100, 1710, 1650, 1440, 1310, 1140, 750 cm−1
【0102】
xiii)5−チア−1,8b−ジアザ−アセナフチレン−4−カルボン酸 [3−(6,8−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,8H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド
【化121】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 300 MHz) δ: 1.85 (2H, m), 2.29 (2H, m), 3.10 (2H, t, J=6.6Hz), 3.22 (2H, m), 3.98−4.05 (4H, m), 5.74 (1H, s), 6.54−6.64 (2H, m),6.66 (1H, s), 7.02 (1H, s), 7.24 (1H, m). IR (KBr): 1694, 1645, 1481, 1441, 1281 cm−1
【0103】
xiv) 5−チア−1,8b−ジアザ−アセナフチレン−4−カルボン酸 [3−(1,6,8−トリオキソ−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド
【化122】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.88 (2H, m), 2.29 (2H, m), 3.10−3.30 (4H, m), 3.97−4.10 (4H, m), 5.76 (1H, dd, J=2.0, 6.2Hz), 6.53−6.65 (3H, m), 6.94−7.07 (2H, m).
【0104】
xv)4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルスルファニル)ブタン酸 [3−(1,1,6,8−テトラオキソ−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド
【化123】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.82 (2H, m), 2.03 (2H, m), 2.38 (2H, t, J=7.0Hz), 2.54 (2H, m), 3.08 (2H, t, J=7.0Hz), 3.20 (2H, m), 3.49 (2H, t, J=7.0Hz), 3.97 (2H, t, J=6.4Hz), 4.16 (2H, m), 6.23 (1H, m), 6.47 (1H, s), 6.95 (1H, dd, J=1.2, 7.4Hz), 7.17 (1H, m), 7.57 (1H, dt, J=1.2, 8.0Hz), 7.69 (1H, d, J=1.2Hz), 7.84 (1H, t, J=1.2Hz). IR (KBr): 1711, 1659, 1321, 1148 cm−1
【0105】
xvi)5−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルスルファニル)ペンタン酸 [3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド
【化124】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3266, 2932, 1705, 1651, 1487, 1441, 1333, 1292, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.60−1.92 (6H, m), 2.18 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.47−2.58 (2H, m), 2.99 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.21 (2H, q, J = 6.0 Hz), 3.40 (2H, t,J = 6.9 Hz), 4.01 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.28 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.19 (1H, t, J = 6.0 Hz), 6.88 (1H, dd, J = 0.6, 7.2 Hz), 7.14 (1H, dd, J = 7.2, 9.0 Hz), 7.27−7.36 (2H, m), 7.40−7.48 (3H, m), 7.56 (1H, d, J = 9.0 Hz), 7.68 (1H, d, J = 1.5 Hz), 7.82 (1H, s). HPLC: 96.1% purity (保持時間: 2.57 min). MS (ESI+): 582.2 (M+H).
【0106】
xvii)6−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルスルファニル)ヘキサン酸 [3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド
【化125】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3266, 2932, 1705, 1653, 1487, 1441, 1333, 1292, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.36−1.98 (8H, m), 2.16 (2H, t, J = 7.0 Hz), 2.46−2.62 (2H, m), 2.98 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.21 (2H, q, J = 5.8 Hz), 3.41 (2H, t, J = 7.0 Hz), 4.04 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.28 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.22 (1H, t, J = 5.6 Hz), 6.87 (1H, dd, J = 0.8, 7.0 Hz), 7.15 (1H, dd, J = 7.0, 8.8 Hz), 7.24−7.38 (2H, m), 7.40−7.50 (3H, m), 7.56 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.69 (1H, d, J = 1.0 Hz), 7.82 (1H, s). HPLC: 96.0% purity (保持時間: 2.67 min). MS (ESI+): 596.2 (M+H).
【0107】
xviii)3−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルスルファニルメチル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化126】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3322, 2971, 1705, 1651, 1537, 1487, 1441, 1333, 1292, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.92−2.10 (2H, m), 2.44−2.62 (2H, m), 3.32−3.50 (4H, m), 4.06−4.20 (4H, m), 4.30 (2H, t, J = 6.6 Hz), 6.75 (1H, dd, J = 1.2, 7.0 Hz), 6.94−7.08 (3H, m), 7.14−7.38 (3H, m), 7.38−7.48 (3H, m), 7.55 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.61−7.70 (3H, m), 7.87 (1H, dd, J = 0.8, 1.6 Hz). HPLC: 97.8% purity (保持時間: 2.78 min). MS (ESI+): 616.2 (M+H).
【0108】
実施例4
i) 7−[3−(5−ジメチルアミノメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボキサミド)プロピル]−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化127】
Figure 2004161716
5−ジメチルアミノメチル−3−トリクロロアセチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン250mg(0.78ミリモル)と3−(1,1,6,8−テトラオキソ−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミン・塩酸塩 217mg(0.7ミリモル)のアセトニトリル10ml溶液に、トリエチルアミン0.31ml(2.2ミリモル)を室温で加え、1.5時間加熱還流した。冷却後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルム/メタノール=25/1→20/1)で精製して、目的物150mg(43.5%,淡黄色粉末)を得た。
m.p. 93.0−95.0℃; H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 1.96−2.04 (2H, m), 2.04 (6H, s), 2.54 (2H, quint., J = 6.0 Hz), 3.40−3.52 (4H, m), 3.92 (2H, s), 4.09−4.23 (4H, m), 6.51 (1H, s), 6.75 (1H, t, J = 6.0 Hz), 6.85 (1H, d, J = 6.6 Hz), 7.27 (1H, dd, J = 7.0, 9.0 Hz), 7.63 (1H, dd, J = 1.2, 9.0 Hz), 7.97 (1H, s). IR (KBr) 3404, 1711, 1662, 1523, 1446, 1329, 1146, 756 cm−1
【0109】
同様に、各種トリクロロアセチル誘導体と9−フェニル−3−(1,1,6,8−テトラオキソ−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピルアミン・塩酸塩または3−(1,1,6,8−テトラオキソ−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピルアミン・塩酸塩を縮合して以下の化合物を合成した。
ii) 7−[3−(5−ジメチルアミノメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボキサアミド)プロピル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化128】
Figure 2004161716
m.p. 104.0−106.0℃; H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 1.96−2.10 (2H, m), 2.01 (6H, s), 2.53 (2H, quint., J = 6.2 Hz), 3.39 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.45 (2H, quint., J = 6.6 Hz), 3.91 (2H, s), 4.18 (2H, t, J = 6.4 Hz), 4.31 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.74 (1H, t, J = 5.4 Hz), 6.83 (1H, dd, J = 0.6, 7.0 Hz), 7.36−7.35 (3H, m), 7.43−7.46 (3H, m), 7.62 (1H, dd, J = 1.2, 9.2 Hz), 7.94 (1H, s). IR (KBr) 3413, 1707, 1653, 1443, 1335, 1144, 748, 704, 478 cm−1
【0110】
iii) 7−[3−(5−メチルチオイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボキサミド)プロピル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン
【化129】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 2.04−2.12 (2H, m), 2.49−2.62 (2H, m), 2.57 (3H, s), 3.35−3.54 (4H, m), 4.19 (2H, t, J = 6.6 Hz), 4.30 (2H, t, J = 6.2Hz), 6.83 (1H, dd, J = 0.8, 7.2 Hz), 6.92 (1H, s), 7.30−7.55 (7H, m), 7.96 (1H, s).
【0111】
iv) 7−[3−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボキシアミド)プロパン−1−イル]−3,4−ジヒドロ−2H,4H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)ジオン
【化130】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 2.00 (2H, ,m), 2.55 (2H, m), 3.49 (4H, m), 4.12 (2H, m), 4,24 (2H, m), 6.53 (1H, s), 6.98 (1H, t, J = 6.8 Hz), 7.16 (1H, t, NH, J = 5.6 Hz), 7.36 (1H, m), 7.71 (1H, d, J = 9.0 Hz), 8.18 (1H, s), 9.56 (1H, m). IR(KBr) 1705, 1680, 1531, 1443 cm−1
【0112】
実施例5
i) 7−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン・塩酸塩
【化131】
Figure 2004161716
7−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド−[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン1.26g(2.61ミリモル)のメタノール20ml溶液に濃塩酸0.25ml(3ミリモル)を加えた。反応液を濃縮乾固し、残渣にジエチルエーテルを加えて析出した結晶を濾取・乾燥して、表題化合物1.35g(quant,淡白色結晶)を得た。 m.p. 124.0−125.0℃; H−NMR (CDOD, 200 MHz) δ: 1.80−1.90(4H, m), 2.49(2H, quint., J=6.4Hz), 3.30−3.35(2H, m), 3.50(2H, t, J=6.6Hz), 4.01(2H, t, J=6.6Hz), 4.17(2H, t, J=5.8Hz), 7.22−7.29(2H, m), 7.34−7.38(3H, m), 7.56(1H, dd, J=1.2, 7.0Hz), 7.77−7.90(2H, m), 8.10(1H, d, J=2.6Hz), 8.28(1H,d, J=2.0Hz). Anal.Calcd for C2425ClN・1.0HO: C, 52.31; H, 4.94; N, 10.17. Found: C,52.55; H, 5.14; N, 10.16.
【0113】
同様の方法にて、以下の化合物を合成した。
ii) 7−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−9−メチル−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン・塩酸塩
【化132】
Figure 2004161716
m.p. 192.0−193.0℃; H−NMR (DO, 200 MHz) δ: 1.66−1.86(4H, m), 2.19(3H,s), 2.45−2.58(2H, m), 3.28(2H, t, J=5.8Hz), 3.71−3.77(2H, m), 3.90−4.02(4H, m), 7.46(1H, d, J=7.4Hz), 7.74−7.90(2H, m), 7.99(1H, d, J=2.2Hz), 8.17(1H, d, J=2.2Hz). Anal. Calcd for C1923ClN・0.3HO: C, 47.90; H, 4.99; N, 11.76. Found: C, 47.99; H, 4.99; N, 11.72.
【0114】
iii) 7−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−9−ベンジル−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン・塩酸塩
【化133】
Figure 2004161716
m.p. 96.0−97.0℃; H−NMR (DO, 200 MHz) δ: 1.66−1.80(4H, m), 2.34−2.48(2H, m), 2.98−3.14(2H, m), 3.54−4.24(8H, m), 7.04−7.32(7H, m), 7.69−7.74(2H, m),7.83(1H, s), 7.98(1H, d, J=2.2Hz). Anal. Calcd for C2527ClN・0.5HO: C, 54.00; H, 5.07; N, 10.07. Found: C, 54.02; H, 5.25; N, 9.82.
【0115】
iv) 7−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−9−イソプロピル−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン・塩酸塩
【化134】
Figure 2004161716
m.p. 177.0−180.0℃; H−NMR (DO, 200 MHz) δ: 1.23(6H, d, J=6.6Hz), 1.74−1.84(4H, m), 2.50−2.60(2H, m), 3.30−3.39(2H, m), 3.60−3.79(3H, m), 3.71−4.03(4H, m), 7.49(1H, d, J=7.0Hz), 7.79−7.96(1H, m), 8.06(1H, s), 8.18(1H, m). Anal. Calcd for C2127ClN・1.0HO: C, 48.78; H, 5.65; N, 10.84. Found: C, 48.86; H, 5.61; N, 10.82.
【0116】
v) 7−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン・塩酸塩
【化135】
Figure 2004161716
H−NMR (DO, 200 MHz) δ: 1.68−1.82(4H, m), 2.50−2.62(2H, m), 3.27(2H, t, J=7.0Hz), 3.73(2H, t, J=6.6Hz), 3.90(2H, t, J=7.0Hz), 4.03(2H, t, J=6.8Hz), 6.49(1H, s), 7.52(1H, dd, J=1.6, 7.2Hz), 7.75−7.91(2H, m), 7.96−7.98(1H, m), 8.21−8.23(1H, m). Anal. Calcd for C1821ClN・0.4HO: C, 46.58; H, 4.73; N, 12.07. Found: C, 46.76; H, 4.66; N, 12.01.
【0117】
vi) 6−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−1,1−ジオキソ−8−フェニル−2,3−ジヒドロ−5H−チアゾロ[3,2−c]ピリミジン−5,7(6H)−ジオン・塩酸塩
【化136】
Figure 2004161716
m.p. 119.0−120.0℃; Anal. Calcd for C2323ClN・1.0HO: C, 51.44; H,4.69; N, 10.43. Found: C, 51.76; H, 4.92; N, 10.79.
【0118】
vii) 7−[3−(5−イミダゾ[1,2−a]ピリジルチオ)プロパン−1−イル]−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン・塩酸塩
【化137】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ 1.95 (2H, m), 2.43 (2H, m), 3.29−3.36 (4H, m), 3.72 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.98 (2H, m), 6.23 (1H, s), 7.62 (1H, m), 7.89−7.92 (2H, m), 8.30 (1H, m), 8.36 (1H, s). IR(KBr) 1709, 1653, 1504,
1443, 1329 cm−1
【0119】
viii) 7−[3−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボキサミド)プロパン−1−イル]−3,4−ジヒドロ−2H,4H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)ジオン・塩酸塩
【化138】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ 1.96 (2H, m), 2.42 (2H, m), 3.72−3.81 (6H, m), 4.06 (2H, t), 6.25 (1H, s), 7.93 (1H, dd, J = 7.4, 9.0 Hz), 8.16 (1H, d, J = 7.0 Hz), 8.42 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.71 (1H, s). IR(KBr):1716, 1657, 1447, 1321 cm−1
【0120】
ix) 7−[3−(5−ジメチルアミノメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボキサミド)プロピル]−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン・2塩酸塩
【化139】
Figure 2004161716
H−NMR (CDOD, 200 MHz) δ 2.06 (2H, quint., J = 6.6 Hz), 2.53 (2H, quint., J = 6.2 Hz), 3.09 (6H, s), 3.52 (2H, d, J = 6.2 Hz), 3.62 (2H, t, J = 7.0 Hz), 4.05−4.12 (4H, m), 4.96 (2H, s), 6.33 (1H, s), 7.89 (1H, dd, J = 1.0, 6.2 Hz), 8.12−8.25 (2H, m), 8.66 (1H, s). Anal. Calcd for C2128ClS・2.5HO: C, 42.57; H, 5.61; N, 14.18. Found: C, 42.84; H, 5.48;
N, 14.19.
【0121】
x) 7−[3−(5−ジメチルアミノメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボキサアミド)プロピル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン・塩酸塩
【化140】
Figure 2004161716
H−NMR (CDOD, 200 MHz) δ 2.09 (2H, quint., J = 5.8 Hz), 2.49 (2H, quint., J = 6.6 Hz), 2.98 (6H, s), 3.47−3.56 (4H, m), 4.09−4.22 (4H, m), 4.81 (2H, s), 7.19−7.33 (5H, m), 7.84 (1H, dd, J = 2.0, 6.6 Hz), 8.10−8.20 (2H, m), 8.62 (1H, s). Anal. Calcd for C2732ClS・2.0HO: C, 49.17;H, 5.50; N, 12.74. Found: C, 49.22; H, 5.48; N, 12.70.
【0122】
xi) 7−[3−(5−メチルチオイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボキサミド)プロピル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン・塩酸塩
【化141】
Figure 2004161716
H−NMR (CDOD, 200 MHz) δ 2.04−2.10 (2H, m), 2.48−2.55 (2H, m), 2.74 (3H, s), 3.46−3.60 (4H, m), 4.10−4.24 (4H, m), 6.83 (1H, dd, J = 0.8, 7.2 Hz), 7.30−7.40 (5H, m), 7.56 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.80 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.03 (1H, dd, J = 7.8, 8.8 Hz), 8.40 (1H, s). Anal. Calcd for C2526ClN・2.3HO: C, 48.63; H, 4.99; N, 11.34. Found: C, 48.96; H, 4.84;
N, 10.95.
【0123】
xii) 2−[4−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)ブチルチオ]−3−メチル−1,4,7b−トリアザシクロペント[cd]インデン・塩酸塩
【化142】
Figure 2004161716
m.p. 130.0−132.0℃; H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ 1.84−2.04 (4H, m), 2.47 (2H, quint., J = 6.6 Hz), 3.00 (3H, s), 3.48 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.67 (2H, t, J = 6.8 Hz), 4.05 (2H, t, J = 6.6 Hz), 4.16 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.19−7.24 (2H, m), 7.30−7.35 (3H, m), 8.04 (1H, dd, J = 1.4, 7.6 Hz), 8.43 (1H, t, J = 8.0 Hz). IR (KBr) 1707, 1665, 1437, 1327, 1142, 704 cm−1 Anal. Calcd for C2626ClN・1.5HO: C, 52.12; H, 4.88; N, 11.69. Found: C, 51.85; H, 4.64; N, 11.57.
【0124】
xiii) 1−[4−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)ブチル]−1,2−ジヒドロ−3−メチル−1,4,7b−トリアザシクロペント[cd]インデン−2−オン・塩酸塩
【化143】
Figure 2004161716
m.p. 165.8−168.0℃; H−NMR (CDOD, 200 MHz) δ 1.76−1.90 (4H, m), 2.48 (2H, quint., J = 6.6 Hz), 2.89 (3H, s), 3.49 (2H, t, J = 6.6 Hz), 4.05 (2H, t, J = 6.4 Hz), 4.13−4.25 (4H, m), 7.21−7.26 (2H, m), 7.33−7.38 (3H, m), 7.55 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.75 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.12 (1H, dd, J = 8.2, 8.8 Hz). IR (KBr) 1709, 1649, 1441, 1329, 1142, 785, 704 cm−1 Anal. Calcd for C2626ClNS・1.0HO: C, 54.40; H, 4.92; N, 12.20. Found: C, 54.49; H, 4.83; N, 12.04.
【0125】
xiv) N−[3−(1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン−7−イル)プロピル]−3−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザシクロペント[cd]インデン−4−カルボキサアミド・塩酸塩
【化144】
Figure 2004161716
m.p. 218.0−220.0℃; H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ 1.95 (2H, m), 2.41 (2H,m), 3.63 (2H, t, J = 6.6Hz), 3.98 (2H, m), 4.10 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.22−7.37 (5H, m), 8.30 (1H, t, J = 8.0 Hz), 8.52 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.62 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.73 (1H, t, J = 5.4 Hz, NH), 9.06 (1H, s). IR (KBr) 1705, 1651, 1332, 1146 cm−1
【0126】
xv) N−[3−(1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン−7−イル)プロピル]−3−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザシクロペント[cd]インデン−4−カルボキサアミド・塩酸塩
【化145】
Figure 2004161716
m.p. 162.0−166.0℃; H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ 1.91 (2H, m), 2.44 (2H,m), 3.43 (2H, m), 3.73 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.84 (2H, m), 3.98 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.27 (1H, s), 8.35 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.53 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.66 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.75 (1H, t, J = 5.8 Hz, NH), 9.06 (1H,s). IR (KBr) 1707, 1659, 1325, 1147 cm−1 Anal. Calcd for C2119ClFS・1.5HO: C, 44.02; H, 3.87; N, 12.22. Found: C, 44.11; H, 3.72; N, 12.14.
【0127】
xvi) N−[3−(9−フェニル−1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン−7−イル)プロピル]−4−クロロ−1,7b−ジアザシクロペント[cd]インデン−3−カルボキサアミド・塩酸塩
【化146】
Figure 2004161716
m.p. 182.0−184.0℃; H−NMR (CDOD, 200 MHz) δ 2.09 (2H, quint., J = 6.8Hz), 2.50 (2H, quint., J = 6.4 Hz), 3.51 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.59 (2H, q, J = 7.0 Hz), 4.15−4.24 (4H, m), 7.27−7.36 (5H, m), 8.57−8.66 (3H, m), 8.97 (1H, s). IR (KBr) 1703, 1647, 1325, 1142, 704, 785, 702 cm−1 Anal. Calcd for C2623ClS・2.5HO: C, 49.29; H, 4.45; N, 11.05. Found: C, 49.52; H, 4.22; N, 11.02.
【0128】
xvii) イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−酢酸[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド・塩酸塩
【化147】
Figure 2004161716
m.p. 140.0−141.0℃; H−NMR (DO, 200MHz) δ: 1.80−2.00(2H, m), 2.50−2.65(2H, m), 3.29(2H, t, J=6.2Hz), 3.65(2H, t, J=6.4Hz), 4.00(2H, t, J=6.9Hz), 4.14(2H, t, J=6.1Hz), 4.25(2H, s), 7.25−7.55(6H, m), 7.80−8.00(3H, m), 7.99(1H, d, J=2.6Hz). Anal. Calcd for C2526ClNS・1.0HO: C, 53.43;H, 5.02; N,12.46. Found: C, 53.70; H, 5.47; N, 11.71.
【0129】
xviii) 4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブタン酸[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド・塩酸塩
【化148】
Figure 2004161716
m.p. 113.0−114.0℃; H−NMR (DO, 200 MHz) δ: 1.75−1.90(2H, m), 1.90−2.10(2H, m), 2.41(2H, t, J=7.2Hz), 2.45−2.60(2H, m), 3.15−3.30(4H, m), 3.55−3.70(2H, m), 3.96(2H, t, J=7.1Hz), 4.12(2H, t, J=6.1Hz), 7.15−7.30(2H, m), 7.30−7.50(4H, m), 7.20−7.85(3H,m), 7.94(1H, d, J=2.2Hz), 8.14(1H, d,J=1.8Hz). Anal. Calcd for C2730ClN・2.0HO: C, 50.66; H, 5.35; N,10.94. Found: C, 50.33; H, 5.40; N, 10.57.
【0130】
xix) 7−[4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ)ブチル]−1−オキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン・塩酸塩
【化149】
Figure 2004161716
H−NMR (CDOD, 200 MHz) δ: 1.72−1.90(4H, m), 2.17−2.29(1H, m), 2.58−2.67(1H, m), 3.02(1H, t, J=6.6Hz), 3.33−3.53(3H, m), 3.90−4.08(4H, m), 7.21(1H, d, J=7.6Hz), 7.34−7.60(5H, m), 7.81−7.91(2H, m), 8.08−8.15(1H, m), 8.27−8.30(1H, m). Anal. Calcd for C2425ClN・1.5HO: C, 52.98; H, 5.19; N, 10.30. Found: C, 53.01; H, 5.08; N, 10.39.
【0131】
xx) N−[3−(1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン−7−イル)プロピル]−5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カルボキサミド・塩酸塩
【化150】
Figure 2004161716
m.p. 173.0−174.0℃; H−NMR (DMSO−d, 200MHz) δ: 1.65−1.85(2H, m), 2.30−2.45(2H, m), 3.10−3.25(2H, m), 3.75−3.90(2H, m), 4.06(2H, t, J=6.2Hz), 6.59(1H, d, J=6.8Hz), 6.95(1H, d, J=8.6Hz), 7.02(1H, s), 7.02−7.40(6H, m), 7.63(1H, s), 8.60−8.75(1H, m). Anal. Calcd for C2624ClN・2.0HO:C, 50.20; H, 4.54; N, 11.26.Found: C, 50.19; H, 4.53; N, 11.00.
【0132】
xxi) N−[3−(1,1−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン−7−イル)プロピル]−2−メチル−5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カルボキサミド・塩酸塩
【化151】
Figure 2004161716
m.p. 181.0−183.0℃; H−NMR (CDOD, 200MHz) δ: 1.88−1.96(2H, m), 2.18(3H, s), 2.47−2.54(2H, m), 3.26−3.31(2H, m), 3.47−3.54(2H, m), 4.04(2H, t, J=7.8Hz), 4.19(2H, t, J=6.0Hz), 6.54(1H, d, J=7.6Hz), 6.86−6.92(2H, m), 7.28−7.37(6H, m).
【0133】
xxii) N−[3−(1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,6H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8(7H)−ジオン−7−イル)プロピル]−5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カルボキサミド・塩酸塩
【化152】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d, 200MHz) δ: 1.63−1.84(2H, m), 2.35−2.54(2H, m), 3.10−3.25(2H, m), 3.68−3.99(6H, m), 6.23(1H, s), 6.60(1H, d, J=7.2Hz), 6.94(1H,d, J=9.2Hz), 7.03(1H, s), 7.27(1H, dd, J=7.4, 9.2Hz), 7.64(1H, s), 8.67(1H, t, J=5.6Hz). IR (KBr) 1712, 1668, 1650, 1327cm−1
【0134】
xxiii) イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ酢酸 [3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド・塩酸塩
【化153】
Figure 2004161716
m.p. 165.0−166.0℃; Anal. Calcd for C2526ClN・0.5HO: C, 51.32; H,4.65; N, 11.97. Found: C, 51.08; H, 4.81; N, 12.10.
【0135】
xxiv) イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−カルボン酸[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド・塩酸塩
【化154】
Figure 2004161716
m.p. 116.0−117.0℃; H−NMR (DO, 200 MHz) δ 2.00−2.20 (2H, m), 2.45−2.65 (2H, m), 3.53 (2H, t, J = 6.4 Hz), 3.64 (2H, t, J = 6.5 Hz), 4.05−4.25(4H, m), 7.20−7.35 (2H, m), 7.35−7.55 (3H, m), 7.76 (1H, dd, J = 1.3, 7.2 Hz), 7.91 (1H, d, J = 2.2 Hz), 7.97 (1H, d, J = 7.2 Hz), 8.05 (1H, d,J = 8.0 Hz), 8.39 (1H, d, J = 2.2 Hz). Anal. Calcd for C2424ClNS・1.0HO: C, 52.60; H, 4.78; N, 12.78. Found: C, 52.59; H, 4.91; N, 12.82.
【0136】
xxv) イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド・塩酸塩
【化155】
Figure 2004161716
m.p. 207.0−209.0℃; H−NMR (DO, 200 MHz) δ 2.00−2.10 (2H, m), 2.45−2.60 (2H, m), 3.49 (2H, t, J = 6.4 Hz), 3.63 (2H, t, J = 7.4 Hz), 4.05−4.20 (4H, m), 7.20−7.30 (2H, m), 7.30−7.50 (3H, m), 7.90−8.00 (2H, m), 8.05−8.15 (2H, m), 9.08 (1H, s). Anal. Calcd for C2424ClNS・0.2HO: C, 54.02; H, 4.61; N, 13.12. Found: C, 53.81; H, 4.74; N, 13.05.
【0137】
xxvi) 3−(イミダゾ[1,2−c]ピリミジン−5−イルチオ)ブタン酸[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−2,3,4,8−テトラヒドロピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド ・塩酸塩
【化156】
Figure 2004161716
m.p. 112.0−114.0℃; H−NMR (DO, 200 MHz) δ 1.80−1.90 (2H, m), 2.10−2.20 (2H, m), 2.40−2.60 (4H, m), 3.20−3.30 (2H, m), 3.52 (2H, t, J = 7.1 Hz), 3.62 (2H, t, J = 7.9 Hz), 3.98 (2H, t, J = 6.8 Hz), 4.12 (2H, t, J = 5.9 Hz), 7.20−7.30 (2H, m), 7.40−7.50 (3H, m), 7.65 (1H, d, J = 6.6 Hz),7.95−8.05 (2H, m), 8.36 (1H, d, J = 6.2 Hz). Anal. Calcd for C2629ClN・2.3HO: C, 48.30; H, 5.24; N, 13.00. Found: C, 48.29; H, 5.24; N, 12.63.
【0138】
実施例6
N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]−4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルベンズアミド
【化157】
Figure 2004161716
7−(3−アミノプロピル)−1,1−ジオキソ−9−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8−ジオン塩酸塩(0.20g)、4−[1,2,4]トリアゾール−1−イル安息香酸(0.13g)、トリエチルアミン (0.14 ml)及びDMF (5.0 ml) の混合物に、ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(0.12 g)及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 (WSC)(0.19g) を室温にて加え、同温にて18時間攪拌した。溶媒を減圧下に濃縮し、残渣をジクロロメタンにて希釈した。本溶液を10% 炭酸ナトリウム水溶液にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/MeOH=10/1)にて精製し、表題化合物(0.16 g)を無色結晶として得た。 IR (KBr): 1705, 1651, 1514, 1441, 1333, 1281, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.94−2.14 (2H, m), 2.55 (2H, q, J = 6.4 Hz), 3.41 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.36−3.54 (2H, m), 4.17 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.32 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.24−7.38 (2H, m), 7.40−7.50 (3H, m), 7.76 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.99 (2H, d, J = 8.8 Hz), 8.13 (1H, s), 8.62 (1H, s).
【0139】
実施例6に示す方法に準じて、7−(3−アミノプロピル)−1,1−ジオキソ−9−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8−ジオン塩酸塩と種々のカルボン酸をWSCを用いて縮合して、実施例7−52の化合物を合成した。
【0140】
実施例7
4−(2−アミノチアゾール−4−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化158】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1705, 1651, 1530, 1441, 1333, 1298, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.92−2.12 (2H, m), 2.52 (2H, q, J = 6.4 Hz), 3.38 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.32−3.52 (2H, m), 4.15 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.30 (2H, t, J = 6.2 Hz), 5.06 (2H, s), 6.81(1H, s), 7.10 (1H, t, J = 6.0 Hz), 7.26−7.38 (2H, m), 7.40−7.50 (3H, m), 7.82 (4H, s).
【0141】
実施例8
2−(キナゾリン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセトアミド
【化159】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3301, 2934, 1705, 1653, 1485, 1441, 1323, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.84 (2H, q, J = 6.2 Hz), 2.47 (2H, q, J = 6.4 Hz), 3.22 (2H, q, J = 6.2 Hz), 3.35 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.91 (2H, t, J = 6.4 Hz), 4.03(2H, s), 4.17 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.20−7.34 (2H, m), 7.36−7.50 (3H, m), 7.50−7.70 (2H, m), 7.84−8.04 (2H, m), 8.09 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.98 (1H, s).
【0142】
実施例9
4−(キナゾリン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド
【化160】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3380, 2934, 1705, 1651, 1563, 1539, 1485, 1441, 1323, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.82−1.98 (2H, m), 2.06−2.24 (2H, m), 2.39 (2H, t, J = 7.0 Hz), 2.52 (2H, q, J = 6.2 Hz), 3.26 (2H, q, J = 6.2 Hz), 3.41 (4H, q, J = 7.0 Hz), 4.06 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.28 (2H, t, J = 6.2 Hz),6.35 (1H, t, J = 6.2 Hz), 7.22−7.38 (2H, m), 7.38−7.50 (3H, m), 7.52−7.64 (1H, m), 7.80−7.90 (1H, m), 7.95 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.08 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.95 (1H, s).
【0143】
実施例10
4−ベンゾイミダゾール−1−イル−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド
【化161】
Figure 2004161716
IR (KBr): 2936, 1705, 1651, 1441, 1333, 1144, 747 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.88 (2H, q, J = 6.2 Hz), 2.08−2.30 (4H, m), 2.52 (2H, q, J = 6.6 Hz), 3.23 (2H, q, J = 6.2 Hz), 3.39 (2H, t, J = 6.8 Hz), 4.04 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.27 (4H, t, J = 6.2 Hz), 6.22 (1H, t, J = 5.6 Hz), 7.20−7.36 (4H, m), 7.38−7.50 (4H, m), 7.74−7.86 (1H, m), 7.91 (1H, s).
【0144】
実施例11
2−(9H−プリン−6−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセトアミド
【化162】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3058, 2975, 1705, 1651, 1568, 1441, 1325, 1144, 920 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.75−1.95 (2H, m), 2.40−2.58 (2H, m), 3.18−3.35 (2H, m),3.64 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.96 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.05 (2H, s), 4.23 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.20−7.32 (2H, m), 7.34−7.48 (3H, m), 7.67 (1H, t, J = 6.0 Hz), 7.99 (1H, s), 8.64 (1H, s), 11.47 (1H, br).
【0145】
実施例12
4−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド
【化163】
Figure 2004161716
IR (KBr): 2926, 1707, 1655, 1561, 1439, 1329, 1142, 936, 855 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.80−1.98 (2H, m), 2.04−2.26 (2H, m), 2.39 (2H, t, J = 6.8Hz), 2.44−2.62 (2H, m), 3.26 (2H, q, J = 5.8 Hz), 3.38 (2H, d, J = 6.8 Hz), 3.46 (2H, d, J = 6.8 Hz), 4.06 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.29 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.30−6.44 (1H, m), 7.22−7.38 (2H, m), 7.38−7.50 (3H, m), 8.10(1H, s), 8.72 (1H, s), 11.49 (1H, brs).
【0146】
実施例13
2−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセトアミド
【化164】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl) δ: 1.75−1.94 (2H, m), 2.50 (2H, q, J = 6.4 Hz), 3.23 (2H, q, J = 6.4 Hz), 3.36 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.93 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.02 (2H, s), 4.22 (2H, t, J = 6.4 Hz), 7.20−7.34 (2H, m), 7.34−7.50 (3H, m), 7.60 (1H, t, J = 5.0 Hz), 8.14 (1H, s), 8.71 (1H, s), 11.47 (1H, br).
【0147】
実施例14
4−(9H−プリン−6−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド
【化165】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1707, 1651, 1566, 1441, 1325, 1238, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.84−1.96 (2H, m), 2.10−2.22 (2H, m), 2.41 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.46−2.58 (2H, m), 3.28 (2H, q, J = 6.0 Hz), 3.34−3.50 (4H, m), 4.07 (2H, t,J = 6.3 Hz), 4.28 (2H, t, J = 6.3 Hz), 6.44−6.58(1H, m), 7.24−7.36 (2H,m), 7.38−7.48 (3H, m), 8.05 (1H, s), 8.66 (1H, s).
【0148】
実施例15
4−(ピリジン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド
【化166】
Figure 2004161716
IR (KBr): 2932, 1705, 1651, 1576, 1441, 1333, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.78−1.96 (2H, m), 1.96−2.14 (2H, m), 2.34 (2H, t, J = 6.6 Hz), 2.44−2.62 (2H, m), 3.02 (2H, t, J = 7.2 Hz), 3.24 (2H, q, J = 5.8 Hz), 3.39 (2H, t, J = 6.8 Hz), 4.05 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.28 (2H, t, J = 6.2 Hz),6.24 (1H, t, J = 6.0 Hz), 7.13 (2H, d, J = 6.2 Hz), 7.24−7.38 (2H, m), 7.40−7.50 (3H, m), 8.37 (2H, d, J = 6.2 Hz). HPLC分析: 純度95% (保持時間:2.41 min). MS (ESI+): 529.2 (M+H).
【0149】
実施例16
N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ− 2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]−4−(2−チオフェン−2−イルキナゾリン−4−イルスルファニル)ブチルアミド
【化167】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3303, 2930, 1707, 1653, 1539, 1530, 1456, 1333, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.76−1.94 (2H, m), 2.14−2.34 (2H, m), 2.36−2.58 (4H, m), 3.23(2H, q, J = 6.2 Hz), 3.37 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.51 (2H, t, J = 7.0 Hz), 4.02 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.22 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.23 (1H, t, J = 6.0 Hz), 7.16 (1H, dd, J = 4.0, 5.0 Hz), 7.23−7.36 (2H, m), 7.38−7.54 (5H, m), 7.80 (1H, dt, J = 1.4, 7.0 Hz), 7.92 (1H, dt, J = 0.6, 8.4 Hz), 8.02 (1H, dt, J = 0.6, 7.6 Hz), 8.09 (1H, dd, J = 1.4, 4.0 Hz). HPLC分析: 純度95% (保持時間:3.89 min). MS (ESI+): 662.2 (M+H).
【0150】
実施例17
N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]−4−(7−トリフルオロメチルキノリン−4−イルスルファニル)ブチルアミド
【化168】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3306, 2932, 1707, 1651, 1441, 1329, 1287, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.78−1.98 (2H, m), 2.06−2.24 (2H, m), 2.44(2H, t, J = 6.2 Hz),2.44−2.62 (2H, m), 3.12−3.32(4H, m), 3.39(2H, t, J = 7.0 Hz), 4.05 (2H,t, J = 6.2 Hz), 4.27 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.20−6.36 (1H, m), 7.20−7.52 (6H, m), 7.70 (1H, dd, J = 1.8, 8.8 Hz), 8.23 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.36 (1H, s), 8.79 (1H, d, J = 4.8 Hz). HPLC分析: 純度95% (保持時間:3.12 min). MS (ESI+): 647.2 (M+H).
【0151】
実施例18
4−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド
【化169】
Figure 2004161716
H−NMR (CDOD) δ: 1.78−1.90 (2H, m), 2.00−2.12 (2H, m), 2.36 (2H, t, J = 6.9 Hz), 2.40−2.52 (2H, m), 3.22 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.26−3.36 (2H, m), 3.48 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.99 (2H, t, J = 6.9 Hz), 4.14 (2H, t, J = 6.3 Hz), 7.22−7.30 (2H, m), 7.30−7.38 (3H, m), 7.87 (1H, s). HPLC分析: 純度93% (保持時間:2.41 min). MS (ESI+): 585.2 (M+H).
【0152】
実施例19
4−(キノリン−8−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド
【化170】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3322, 2932, 1705, 1651, 1537, 1441, 1333, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.89−1.95 (2H, m), 2.07−2.25 (2H, m), 2.28−2.60 (4H, m), 3.13 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.24 (2H, q, J = 6.0 Hz), 3.38 (2H, t, J = 7.0 Hz),4.04 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.27 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.25 (1H, t, J = 5.4 Hz), 7.24−7.38 (2H, m), 7.39−7.62 (7H, m), 8.14 (1H, dd, J = 1.8, 8.4 Hz), 8.94 (1H, dd, J = 1.8, 8.4 Hz). HPLC分析: 純度97% (保持時間:2.75 min). MS (ESI+): 579.2 (M+H).
【0153】
実施例20
4−ピラジン−2−イル−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化171】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3337, 2969, 2932, 1705, 1653, 1541, 1441, 1333, 1298, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.98−2.10 (2H, m), 2.48−2.60 (2H, m), 3.39 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.48 (2H, q, J = 6.0 Hz), 4.17 (2H, t, J = 6.0 Hz), 4.32 (2H, t, J = 6.6 Hz), 7.20−7.28 (1H, m), 7.30−7.38 (2H, m), 7.42−7.48 (3H, m), 7.97 (2H, d, J = 8.4 Hz), 8.09 (2H, d, J = 8.4 Hz), 8.55 (1H, d, J= 2.4 Hz), 8.66 (1H, dd, J = 1.5, 2.4 Hz), 9.06 (1H, d, J = 1.5 Hz).
【0154】
実施例21
4−(2H−ピラゾール−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化172】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1705, 1651, 1549, 1443, 1333, 1296, 1144, 733 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.96−2.10 (2H, m), 2.46−2.58 (2H, m), 3.38 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.47 (2H, q, J = 5.7 Hz), 4.17 (2H, t, J = 6.0 Hz), 4.31 (2H, t, J = 6.0 Hz), 6.67 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.14 (1H, m), 7.28−7.37 (2H, m), 7.41−7.48 (3H, m), 7.63 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.82 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.87 (2H, d, J = 8.1 Hz). HPLC分析: 純度94% (保持時間:2.98 min). MS (ESI+): 520.2 (M+H).
【0155】
実施例22
2−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセトアミド
【化173】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1705, 1651, 1559, 1443, 1333, 733 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.78−1.90 (2H, m), 2.44−2.54 (2H, m), 3.24 (2H, q, J = 6.3 Hz), 3.36 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.95 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.97 (2H, s), 4.24 (2H, t, J =6.3 Hz), 6.56 (1H, dd, J = 2.1, 3.6 Hz), 7.23 (1H, dd, J = 2.7, 3.6 Hz), 7.24−7.34 (2H, m), 7.39−7.46 (3H, m), 7.83 (1H, m), 8.64 (1H, s), 9.34(1H, m). HPLC分析: 純度95% (保持時間:2.88 min). MS (ESI+): 541.2 (M+H).
【0156】
実施例23
4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド
【化174】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1707, 1651, 1557, 1443, 1354, 1333, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.80−1.98 (2H, m), 2.04−2.22 (2H, m), 2.39 (2H, t, J = 6.6 Hz), 2.44−2.60 (2H, m), 3.27 (2H, q, J = 6.6 Hz), 3.40 (4H, dt, J = 2.0, 7.0 Hz),4.06 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.28 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.46−6.58 (2H, m), 7.20 (1H, dd, J = 2.2, 3.4 Hz), 7.24−7.36 (2H, m), 7.38−7.48 (3H, m), 8.61 (1H, s), 9.40−9.62 (1H, br). HPLC分析: 純度98% (保持時間:2.82 min). MS (ESI+): 569.2 (M+H).
【0157】
実施例24
6−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ニコチンアミド
【化175】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3345, 1705, 1651, 1586, 1449, 1333, 1294, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.90−2.06 (2H, m), 2.44−2.62 (2H, m), 3.39 (4H, t, J = 6.8 Hz), 4.10 (2H, t, J = 5.8 Hz), 4.29 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.86 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.20−7.48 (7H, m), 7.64 (2H, s), 7.81(1H, dd, J = 1.4, 8.8 Hz), 7.94 (1H, dd, J = 2.2, 8.6 Hz), 8.80 (1H, d, J = 1.8 Hz). HPLC分析: 純度98% (保持時間:2.59 min). MS (ESI+): 603.2 (M+H).
【0158】
実施例25
6−イミダゾール−1−イル−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ニコチンアミド
【化176】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1705, 1651, 1597, 1489, 1441, 1331, 1300, 1144, 729 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.98−2.10 (2H, m), 2.50−2.61 (2H, m), 3.41 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.47 (2H, q, J = 5.7 Hz), 4.17 (2H, t, J = 5.7 Hz), 4.33 (2H, t, J = 6.3 Hz), 7.22 (1H, s), 7.29−7.50 (7H, m), 7.67 (1H, t, J = 1.5 Hz), 8.29 (1H, dd, J = 2.4, 8.4 Hz), 8.40 (1H, s), 8.93 (1H, d, J = 2.4 Hz). HPLC分析: 純度96% (保持時間:2.38 min). MS (ESI+): 521.2 (M+H).
【0159】
実施例26
4−イミダゾール−1−イルメチル−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化177】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1705, 1651, 1441, 1331, 1144, 729 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.94−2.06 (2H, m), 2.48−2.59 (2H, m), 3.39 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.44 (2H, q, J = 6.0 Hz), 4.13 (2H, t, J = 6.0 Hz), 4.31 (2H, t, J = 6.3 Hz), 5.16(2H, s), 6.89 (1H, t, J = 1.2 Hz), 7.11 (1H, t, J = 1.2 Hz), 7.14 (1H, m), 7.18 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.28−7.36 (2H, m), 7.41−7.48 (3H, m), 7.56(1H, s), 7.81 (2H, d, J = 8.7 Hz). HPLC分析: 純度91% (保持時間:2.42 min). MS (ESI+): 534.2 (M+H).
【0160】
実施例27
[2,4’]ビピリジニル−5−カルボン酸 [3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド
【化178】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1705, 1651, 1593, 1539, 1441, 1333, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 2.00−2.10 (2H, m), 2.50−2.60 (2H, m), 3.41 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.49(2H, t, J = 6.0 Hz), 4.17 (2H, t, J = 6.3 Hz), 4.33 (2H, t, J = 6.3 Hz), 7.28−7.50 (6H, m), 7.86 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.92 (2H, d, J = 6.0 Hz),8.27 (1H, dd, J = 2.4, 8.4 Hz), 8.76 (2H, d, J = 6.0 Hz), 9.17 (1H, d, J = 1.5 Hz). HPLC分析: 純度87% (保持時間:2.42 min). MS (ESI+): 532.2 (M+H).
【0161】
実施例28
4−ピリジン−3−イル−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化179】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1705, 1651, 1539, 1441, 1331, 1300, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.98−2.10 (2H, m), 2.48−2.60 (2H, m), 3.40 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.48(2H, q, J = 6.0 Hz), 4.17 (2H, t, J = 6.3 Hz), 4.33 (2H, t, J = 6.3 Hz), 7.20 (1H, m), 7.30−7.49 (6H, m), 7.64 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.90 (1H, m), 7.94 (2H, d, J = 8.4 Hz), 8.63 (1H, dd, J = 1.8, 4.8 Hz), 8.87 (1H, m). HPLC分析: 純度97% (保持時間:2.50 min). MS (ESI+): 531.2 (M+H).
【0162】
実施例29
5−ピリジン−4−イル−チオフェン−2−カルボン酸 [3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド
【化180】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1705, 1651, 1556, 1541, 1441, 1331, 1296, 1144, 733, 704 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.96−2.08 (2H, m), 2.49−2.61 (2H, m), 3.40 (2H, t, J= 6.9 Hz), 3.38−3.48 (2H, m), 4.16 (2H, t, J = 6.3 Hz), 4.33 (2H, t, J = 6.3 Hz), 7.11 (1H, m), 7.30−7.38 (2H, m), 7.40−7.52 (7H, m), 8.63 (2H,d, J = 6.0). HPLC分析: 純度98% (保持時間:2.51 min). MS (ESI+): 537.2 (M+H).
【0163】
実施例30
4−(ピリジン−4−イルオキシ)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化181】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1705, 1651, 1586, 1493, 1441, 1333, 1265, 1213, 1144, 733, 704cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.96−2.08 (2H, m), 2.49−2.60 (2H, m), 3.40 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.46 (2H, q, J = 6.0 Hz), 4.16 (2H, t, J = 6.0 Hz), 4.32 (2H, t, J = 6.0 Hz), 6.87 (2H, d, J = 6.3 Hz), 7.08−7.17 (3H, m), 7.28−7.36 (2H, m), 7.40−7.48 (3H, m), 7.89 (2H, d, J = 8.4 Hz), 8.50 (2H, d, J = 6.3 Hz). HPLC分析: 純度96% (保持時間:2.54 min). MS (ESI+): 547.2 (M+H).
【0164】
実施例31
N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]−4−[1,2,4]トリアゾール−4−イルベンズアミド
【化182】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1705, 1651, 1522, 1443, 1331, 1300, 1144, 733, 704 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.96−2.10 (2H, m), 2.50−2.61 (2H, m), 3.41 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.47 (2H, q, J = 6.0 Hz), 4.16 (2H, t, J = 6.3 Hz), 4.33 (2H, t, J = 6.3 Hz), 7.30−7.36 (3H, m), 7.42−7.49 (5H, m), 8.02 (2H, d, J = 8.7 Hz), 8.52 (2H, s). HPLC分析: 純度97% (保持時間:2.60 min). MS (ESI+): 521.2 (M+H).
【0165】
実施例32
[5−[4−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピルカルバモイル]フェニル]ピリジン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化183】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d) δ: 1.49 (9H, s), 1.76−1.92 (2H, m), 2.30−2.42 (2H, m),3.24−4.40 (2H, m), 3.61 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.95 (2H, t, J = 6.9 Hz), 4.04 (2H, t, J = 6.3 Hz), 7.16−7.26 (2H, m), 7.30−7.40 (3H, m), 7.79 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.86−7.98 (3H, m), 8.12 (1H, dd, J = 2.4, 8.7 Hz), 8.54 (1H, t, J = 6.0 Hz), 8.64 (1H, d, J = 2.4 Hz), 9.96 (1H, s). HPLC分析:
純度94% (保持時間:3.31 min).
【0166】
実施例33
2−(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルオキシ)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセトアミド
【化184】
Figure 2004161716
IR (KBr): 2928, 1705, 1651, 1537, 1474, 1435, 1335, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.86−2.04 (2H, m), 2.42−2.58 (2H, m), 3.38 (4H, t, J = 6.8 Hz), 4.13 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.29 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.48 (2H, s), 6.64−6.76 (1H, m), 6.92−7.04 (1H, m), 7.28−7.54 (10H, m), 7.99 (2H, dd, J = 2.2, 8.4 Hz), 8.33 (1H, d, J = 7.0 Hz). HPLC分析: 純度85% (保持時間:3.63
min). MS (ESI+): 600.2 (M+H).
【0167】
実施例34
3−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アクリルアミド
【化185】
Figure 2004161716
IR (KBr): 2924, 1705, 1651, 1443, 1331, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.86−2.02 (2H, m), 2.27 (3H, s), 2.42−2.62 (2H, m), 3.37 (4H, t, J = 6.8 Hz), 3.54 (3H, s), 4.09 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.30 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.28−6.38 (1H, m), 6.55 (1H, d, J = 14.6 Hz), 7.20−7.62 (7H, m). HPLC分析:
純度97% (保持時間:2.34 min). MS (ESI+): 498.2 (M+H).
【0168】
実施例35
3−(1H−インドール−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]プロピオンアミド
【化186】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3393, 2930, 1705, 1651, 1441, 1335, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.66−1.82 (2H, m), 2.42−2.62 (4H, m), 3.06−3.22 (4H, m), 3.37 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.82 (2H, t, J = 6.6 Hz), 4.26 (2H, t, J = 6.6 Hz), 6.08 (1H, t, J = 5.6 Hz), 6.98−7.38 (6H, m), 7.40−7.50 (3H, m), 7.61 (1H, dd,J = 0.6, 7.6 Hz), 7.94 (1H, br). HPLC分析: 純度89% (保持時間:3.33 min).
MS (ESI+): 521.2 (M+H).
【0169】
実施例36
3−(5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]プロピオンアミド
【化187】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1709, 1653, 1443, 1333, 1300, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.78−1.96 (2H, m), 2.44−2.62 (4H, m), 2.68−2.80 (2H, m), 3.25 (2H, q, J =6.6 Hz), 3.39 (2H, t, J = 7.0 Hz), 4.06 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.29 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.32−6.46 (1H, m), 7.28−7.38 (4H, m), 7.40−7.56 (6H,m), 8.93 (1H, br). HPLC分析: 純度99% (保持時間:2.78 min). MS (ESI+): 565.2 (M+H).
【0170】
実施例37
2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセトアミド
【化188】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d+DO) δ: 1.60−1.78 (2H, m), 2.28−2.46 (2H, m), 3.11 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.44−3.70 (2H, m), 3.74−3.90 (2H, m), 3.96−4.10 (4H, m), 7.14−7.28 (4H, m), 7.31−7.41 (3H, m), 7.42−7.54 (2H, m). HPLC分析: 純度94% (保持時間:2.67 min). MS (ESI+): 540.2 (M+H).
【0171】
実施例38
5−フェニル−5−ピリジン−3−イルペンタ−4−エン酸 [3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド トリフルオロ酢酸塩
【化189】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3376, 1705, 1653, 1443, 1335, 1120, 1179, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.80−1.96 (2H, m), 2.28−2.42 (2H, m), 2.44−2.62 (4H, m), 3.18−3.32 (2H, m), 3.39 (2H, t, J = 6.8 Hz), 4.03 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.28 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.38 (1H, t, J = 7.2 Hz), 6.45−6.60 (1H, m), 7.07−7.18 (2H, m), 7.24−7.35 (2H, m), 7.35−7.50 (6H, m), 7.63 (1H, dd, J = 5.4, 8.0 Hz), 8.05 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.60 (1H, d, J = 5.4 Hz), 8.73 (1H,s). HPLC分析: 純度91% (保持時間:2.78 min). MS (ESI+): 585.3 (M+H).
【0172】
実施例39
1−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)ピペリジン−4−カルボン酸 [3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド 二トリフルオロ酢酸塩
【化190】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3478, 2934, 1705, 1651, 1593, 1443, 1333, 1198, 1182, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.82−2.14 (6H, m), 2.46−2.64 (3H, m), 2.62 (3H, s), 3.18−3.48 (6H, m), 4.07 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.29 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.58−4.74 (2H, m), 6.27 (1H, s), 6.58−6.70 (1H, m), 7.28−7.38 (2H, m),7.38−7.50 (3H, m), 8.46 (1H, s). HPLC分析: 純度100% (保持時間:2.49 min). MS (ESI+): 593.3 (M+H).
【0173】
実施例40
5−アミノ−1−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸 [3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アミド トリフルオロ酢酸塩
【化191】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3436, 1705, 1651, 1553, 1449, 1333, 1294, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ :1.90−2.08 (2H, m), 2.42−2.64 (2H, m), 3.39 (4H, t, J = 7.0 Hz), 4.15 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.33 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.62−6.76 (1H, m),7.10−7.20 (1H, m), 7.28−7.40 (2H, m), 7.40−7.52 (3H, m), 7.71 (1H, d, J= 0.8 Hz), 7.76−7.94 (2H, m), 8.34−8.40 (1H, m). HPLC分析: 純度97% (保持時間:3.30 min). MS (ESI+): 536.2 (M+H).
【0174】
実施例41
4−[3−(4−メトキシ−フェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−1−イルメチル]−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化192】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1705, 1651, 1441, 1335, 1300, 1256, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.92−2.10 (2H, m), 2.42−2.62 (2H, m), 3.37 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.34−3.52 (2H, m), 3.63 (2H, s), 3.84 (3H, s), 4.13 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.30 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.94 (2H, s), 6.91 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.00−7.14 (1H, m), 7.22−7.38 (2H, m), 7.38−7.50 (5H, m), 7.59 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.80 (2H, d, J = 8.4 Hz). HPLC分析: 純度97% (保持時間:3.25 min). MS (ESI+): 656.3 (M+H).
【0175】
実施例42
2−(5−ベンジル−1−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリダジン−3−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセトアミド
【化193】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3308, 2940, 1707, 1655, 1441, 1333, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.66−1.86 (2H, m), 2.40−2.56 (2H, m), 3.20 (2H, q, J = 6.4 Hz), 3.36(2H, t, J = 7.0 Hz), 3.75 (3H, s), 3.82 (2H, s), 7.86 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.22 (2H, t, J = 6.2 Hz), 5.33 (2H, s), 7.20−7.34 (4H, m), 7.36−7.54(6H, m), 7.83 (1H, s). HPLC分析: 純度90% (保持時間:3.48 min). MS (ESI+): 662.2 (M+H).
【0176】
実施例43
2−(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセトアミド
【化194】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1705, 1651, 1507, 1412, 1343, 1235 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.74−1.92 (2H, m), 2.40−2.58 (2H, m), 3.22 (2H, q, J = 6.2 Hz), 3.63 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.91 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.02 (6H, s), 4.06 (2H, s), 4.23 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.18 (1H, s), 7.22−7.34 (3H, m), 7.34−7.48 (3H, m), 7.56−7.68 (1H, m), 8.84 (1H, s). HPLC分析: 純度96% (保持時間:2.81 min). MS (ESI+): 612.2 (M+H).
【0177】
実施例44
4−(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド
【化195】
Figure 2004161716
IR (KBr): 3387, 2967, 1705, 1651, 1505, 1441, 1341, 1233, 1158 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.80−1.98 (2H, m), 2.04−2.24 (2H, m), 2.39 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.44−2.60 (2H, m), 3.26 (2H, q, J = 6.4 Hz), 3.41 (4H, q, J = 7.0 Hz), 4.03 (3H, s), 4.04 (3H, s), 4.06 (2H, t, J = 6.4 Hz), 4.28 (2H, t, J = 6.4 Hz), 6.32−6.44 (1H, m), 7.20 (1H, s), 7.22−7.36 (3H, m), 7.38−7.48 (3H, m), 8.82 (1H, s). HPLC分析: 純度96% (保持時間:2.85 min). MS (ESI+): 640.2 (M+H).
【0178】
実施例45
4−ピリジン−4−イル−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化196】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1705, 1651, 1441, 1333, 1300, 1144, 768 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.96−2.12 (2H, m), 2.46−2.62 (2H, m), 3.40 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.48(2H, q, J = 5.8 Hz), 4.17 (2H, t, J = 5.8 Hz), 4.32 (2H, t, J = 6.6 Hz), 7.20 (1H, m), 7.26−7.40 (2H, m), 740−7.58 (5H, m), 7.69 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.94 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.94 (2H, d, J = 8.0 Hz), 8.69 (2H, d, J = 5.4 Hz). HPLC分析: 純度92% (保持時間:2.49 min). MS (ESI+): 531.2 (M+H).
【0179】
実施例46
4−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化197】
Figure 2004161716
H−NMR (DMSO−d) δ: 1.74−1.94 (2H, m), 2.26−2.46 (2H, m), 3.20−3.50 (2H, m), 3.62 (2H, t, J = 6.4 z), 3.92 (2H, t, J = 7.0 Hz), 4.04 (2H, t, J = 6.4 Hz), 7.18−7.28 (2H, m), 7.28−7.40 (3H, m), 7.89 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.99 (2H, d, J = 8.8 Hz), 8.67 (1H, t, J = 5.4 Hz). HPLC分析(アジレント1100システム): 純度97% (保持時間:2.39 min). MS(ESI+): 538.2 (M+H).
【0180】
実施例47
4−イミダゾール−1−イル−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化198】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1705, 1651, 1512, 1444, 1333, 1302, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.95−2.12 (2H, m), 2.46−2.64 (2H, m), 3.34−3.54 (4H, m), 4.17 (2H, t, J = 6.0 z), 4.33 (2H, t, J = 6.4 Hz), 7.18−7.28 (2H, m), 7.29−7.39 (3H, m), 7.40−7.50 (5H, m), 7.91 (1H,s), 7.96 (2H, d, J = 8.8 Hz). HPLC分析: 純度98% (保持時間:2.39 min). MS (ESI+): 520.2 (M+H).
【0181】
実施例48
4−(3H−イミダゾール−4−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化199】
Figure 2004161716
H−NMR (CDCl) δ: 1.88−2.07 (2H, m), 2.35−2.52 (2H, m), 3.37−3.51 (4H, m), 4.02−4.20 (4H, m), 7.22−7.39 (4H, m), 7.55 (2H, d, J = 1.2 Hz), 7.73−7.88 (4H, m). HPLC分析(アジレント1100システム): 純度96% (保持時間:1.81 min). MS(ESI+): 520.2 (M+1).
【0182】
実施例49
[5−[3−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピルカルバモイル]フェニル]ピリジン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化200】
Figure 2004161716
HPLC分析: 純度96% (保持時間:3.32 min). MS (ESI+): 646.3 (M+H).
【0183】
実施例50
フェニル−[5−[4−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピルカルバモイル]フェニル]ピリジン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化201】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1703, 1645, 1505, 1441, 1331, 1298, 1146, 910, 841, 733, 702 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.47 (9H, s), 1.94−2.12 (2H, m), 2.44−2.62 (2H, m), 3.39 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.40−3.54 (2H, m), 4.16 (2H, t, J = 6.0 Hz), 4.32 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.10−7.50 (11H, m), 7.54−7.68 (3H, m), 7.84−7.96 (3H, m), 8.59 (1H, d, J = 1.8 Hz). HPLC分析: 純度95% (保持時間:4.01 min). MS (APCI+): 722.4 (M+H).
【0184】
実施例51
4−(6−フェニルアセチルアミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化202】
Figure 2004161716
IR (KBr): 1709, 1651, 1474, 1337, 1302, 1161, 1146 cm−1H−NMR (CDCl)δ: 1.92−2.12 (2H, m), 2.42−2.60 (2H, m), 3.38 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.40−3.53 (2H, m), 3.78 (2H, s), 4.15 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.30 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.19 (1H, m), 7.28−7.49 (10H, m), 7.56 (2H, d, J = 8.2 Hz). 7.84−7.96 (3H, m), 8.06 (1H, s), 8.31 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.44 (1H, d, J =1.8 Hz). HPLC分析: 純度97% (保持時間:3.37 min). MS (APCI+): 664.4 (M+H).
【0185】
実施例52
シクロヘキシル−[5−[4−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピルカルバモイル]フェニル]ピリジン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化203】
Figure 2004161716
IR (KBr): 2934, 1703, 1651, 1476, 1441, 1329, 1294, 1146 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 0.88−2.12 (10H, m), 1.43(9H, s), 2.44−2.62 (2H, m), 3.33−3.55 (6H, m), 4.04−4.22 (3H, m), 4.32 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.15 (1H, m), 7.23(1H, d, J = 8.8 Hz), 7.29−7.40 (2h, m), 7.40−7.50 (3H, m), 7.64 (2H, d,J = 8.6 Hz), 7.86 (1H, dd, J = 2.6, 8.4 Hz), 7.93 (2H, d, J = 8.6 Hz), 8.71 (1H, d, J = 2.2 Hz). HPLC分析: 純度96% (保持時間:4.27 min). MS (APCI+): 728.4 (M+H).
【0186】
実施例53
[5−[4−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピルカルバモイル]フェニル]ピリジン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化204】
Figure 2004161716
実施例6に示す方法に準じて合成した。H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.55 (9H, s), 2.00 (2H, m), 2.55 (2H, m), 3.38−3.55 (4H, m), 4.12 (2H, t, J=6.0Hz), 4.22 (2H, t, J=6.2Hz), 6.53 (1H, s), 7.26 (1H, m), 7.53 (1H, s), 7.64 (2H, d, J=8.6Hz), 7.88−8.07 (4H, m), 8.51 (1H, d, J=1.8Hz). IR (KBr): 1715, 1667, 1537, 1505, 1331, 1157 cm−1
【0187】
実施例54
[5−[4−[3−(6,8−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,8H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピルカルバモイル]フェニル]ピリジン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化205】
Figure 2004161716
実施例6に示す方法に準じて合成した。HPLC分析: 純度80% (保持時間:3.48 min). MS (ESI+): 614.3 (M+H).
【0188】
実施例55
[5−[3−[3−(6,8−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,8H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピルカルバモイル]フェニル]ピリジン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化206】
Figure 2004161716
実施例6に示す方法に準じて合成した。H−NMR (CDCl) δ: 1.55 (9H, s), 1.96−2.08 (2H, m), 2.21−2.33 (2H, m), 2.98 (2H, t, J=6.6 Hz), 3.42−3.50 (2H, m), 4.10−4.20 (4H, m), 7.36−7.50 (5H, m), 7.60−7.70 (2H, m), 7.80−7.99 (3H, m), 8.11 (1H, m), 8.49 (1H, d, J=2.1 Hz).
【0189】
実施例56
[5−[4−[3−(6,8−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,8H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピルカルバモイル]フェニル]ピリジン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化207】
Figure 2004161716
実施例6に示す方法に準じて合成した。H−NMR (DMSO−d) δ: 1.49 (9H, s), 1.72−1.86 (2H, m), 2.06−2.20 (2H, m), 3.10 (2H, d, J = 6.0 Hz), 3.22−3.38 (2H, m), 3.76−3.92 (4H, m), 5.65 (1H, s), 7.80 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.86−8.04 (3H, m), 8.13 (1H, dd, J = 2.7, 9.0 Hz), 8.52 (1H, t, J = 6.3 Hz), 8.65 (1H, d, J = 1.5 Hz), 9.96 (1H, s). HPLC分析: 純度94% (保持時間:3.03 min). MS (ESI+): 538.3 (M+H).
【0190】
実施例57
4−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド 塩酸塩
【化208】
Figure 2004161716
実施例32で得た[5−[4−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピルカルバモイル]フェニル]ピリジン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(50 mg, 77 mmol)のメタノール溶液 (0.5 mL) に、室温撹拌下、4規定塩酸/酢酸エチル (1.0 mL)を加え、同温にて18時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、乾燥させることにより表題化合物(38 mg, 80%) を黄色粉末として得た。 H−NMR (DMSO−d) δ : 1.72−1.94 (2H, m), 2.28−2.46 (2H, m), 3.20−3.50 (2H, m), 3.54−3.67 (2H, m), 3.85−3.98 (2H, m), 4.04 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.07 (1H, d, J = 9.6 Hz), 7.14−7.28 (2H, m), 7.28−7.40 (3H, m), 7.77 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.94 (2H, d, J = 8.4 Hz), 8.28−8.42 (2H, m), 8.52−8.64 (1H, m). HPLC分析(アジレント1100システム): 純度100% (保持時間:1.41 min). MS (ESI+): 546.0 (M+H).
【0191】
実施例58
4−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド 塩酸塩
【化209】
Figure 2004161716
本化合物は、実施例53で得た化合物を用い、実施例57に示す方法に準じて合成した。H−NMR (DMSO−d, 200 MHz) δ: 1.81 (2H, m), 2.41 (2H, m), 3.31 (2H, m), 3.73 (2H, t, J=6.6Hz), 3.80−4.00 (4H, m), 6.24 (1H, s), 7.10 (1H, d, J=8.8Hz), 7.79 (2H, d, J=8.4Hz), 7.95 (2H, d, J=8.4Hz), 8.14 (2H, br s), 8.30−8.41 (2H, m), 8.60 (1H, t, J=5.8Hz). IR (KBr): 3092 (br), 1709,1667, 1624, 1609, 1329, 1146 cm−1
【0192】
実施例59
4−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[3−(6,8−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,8H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化210】
Figure 2004161716
本化合物は、実施例54で得た化合物を用い、実施例57に示す方法に準じて合成した。IR (KBr): 1690, 1634, 1545, 1491, 1449, 1292 cm−1H−NMR (CDCl) δ: 1.95−2.07(2H, m), 2.12−2.33 (2H, m), 2.98 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.46 (2H, q, J = 6.3 Hz), 4.08−4.20 (4H, m), 4.53 (2H, s), 6.58 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.22−7.30 (2H, m), 7.34−7.58 (6H, m), 7.69 (1H, dd, J = 2.4, 8.7Hz), 7.91 (2H, d, J = 8.7 Hz), 8.35 (1H, d, J = 2.4 Hz). HPLC分析: 純度99% (保持時間:2.79 min). MS (ESI+): 514.2 (M+H).
【0193】
実施例60
4−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[3−(6,8−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H,8H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化211】
Figure 2004161716
本化合物は、実施例56で得た化合物を用い、実施例57に示す方法に準じて合成した。H−NMR (CDCl) δ: 1.70−1.84 (2H, m), 2.08−2.20 (2H, m), 3.10 (2H,t, J = 6.3 Hz), 3.20−3.40 (2H, m), 3.79−3.90 (4H, m), 5.65 (1H, s), 6.17(2H. s), 6.53 (1H,d, J = 8.4 Hz), 7.68 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.77 (1H, dd, J = 2.4, 8.4 Hz), 7.86 (2H, d, J = 8.4 Hz), 8.32 (1H, d, J = 2.4 Hz),8.40−8.48 (1H, m). HPLC分析: 純度99% (保持時間:2.27 min). MS (ESI+): 438.2 (M+H).
【0194】
実施例61
3−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[3−(6,8−ジオキソ−9−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H,8H−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド トリフルオロ酢酸塩
【化212】
Figure 2004161716
実施例55で得られた化合物をトリフルオロ酢酸中室温で1時間撹拌して濃縮することで表題化合物(210mg, 86%)を得た。H−NMR (CDCl) δ: 1.96−2.10 (2H, m), 2.24−2.34 (2H, m), 2.98 (2H, t, J=6.6 Hz), 3.40−3.55 (2H, m), 4.08−4.25 (4H, m), 6.70 (1H, d, J=9.3 Hz), 7.20−7.28 (2H, m), 7.34−7.55 (5H,
m), 7.84−8.00 (6H, m).
【0195】
実施例62
3−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化213】
Figure 2004161716
本化合物は、実施例49で得た化合物を用い、実施例57に示す方法に準じて合成した。無色粉末 (81 %). IR (KBr):3347, 1705, 1651, 1441, 1331, 1144, 735 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.96−2.10 (2H, m), 2.46−2.60 (2H, m), 3.88 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.47 (2H, q, J = 6.6 Hz), 4.16 (2H, t, J = 6.3 Hz), 4.31 (2H, t, J = 6.3 Hz), 4.57 (2H, m), 6.55 (1H, dd, J = 0.9, 8.4 Hz), 7.21 (1H, t, J = 4.8 Hz), 7.29−7.36 (2H, m), 7.38−7.50 (4H, m), 7.59−7.76 (3H, m), 8.01 (1H, m), 8.35 (1H, d, J = 2.7 Hz). HPLC分析(アジレント1100システム): 純度98 % (保持時間:1.96 min). MS(ESI+): 546.3 (M+H).
【0196】
実施例63
4−(6−フェニルアミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化214】
Figure 2004161716
本化合物は、実施例50で得た化合物を用い、実施例57に示す方法に準じて合成した。IR (KBr): 1705, 1651, 1593, 1487, 1441, 1329, 1292, 1144, 733 cm−1H−NMR (CDCl)δ : 1.96−2.10 (2H, m), 2.46−2.59 (2H, m), 3.39 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.47 (2H, q, J = 6.0 Hz), 4.16 (2H, t, J = 6.3 Hz), 4.32 (2H, t, J = 6.3 Hz), 6.71 (1H, s), 6.96 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.04−7.19 (2H, m), 7.28−7.40 (6H, m), 7.40−7.50 (3H, m), 7.58 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.75 (1H, dd, J = 2.4, 8.7 Hz), 7.89 (2H, d, J = 8.4 Hz), 8.48 (1H, d, J =2.4 Hz). HPLC分析: 純度98% (保持時間:3.00 min). MS (APCI+): 622.3 (M+H).
【0197】
実施例64
4−(6−シクロヘキシルアミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化215】
Figure 2004161716
本化合物は、実施例52で得た化合物を用い、実施例57に示す方法に準じて合成した。IR (KBr): 2930, 1705, 1651, 1603, 1539, 1495, 1443, 1333, 1292, 1144 cm−1H−NMR (CDCl) δ : 1.16−1.33 (3H, m), 1.34−1.50 (2H, m), 1.60−1.86 (3H, m), 1.96−2.12 (4H,m), 2.16−2.57 (2H, m), 3.37 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.47 (2H, q, J = 6.0 Hz), 3.58 (1H, m), 4.15 (2H, t, J = 6.3 Hz), 4.30 (2H, t, J = 6.3 Hz), 4.67 (1H, m), 6.44 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.11 (1H, t, J = 6.0 Hz), 7.28−7.36 (2H, m), 7.28−7.36 (2H, m), 7.39−7.48 (3H, m), 7.54 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.66 (1H, dd, J = 2.4, 8.7 Hz), 7.86 (2H, d, J = 8.1 Hz), 8.34 (1H, d, J = 2.4 Hz). HPLC分析: 純度97% (保持時間:3.07 min). MS (APCI+): 628.3 (M+H).
【0198】
実施例65
4−[6−(フェニルアセチルアミノ)ピリジン−3−イル]−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド
【化216】
Figure 2004161716
本化合物は、実施例51の化合物と同様の方法にて合成した。H−NMR (CDCl, 200 MHz) δ: 1.99 (2H, m), 2.54 (2H, m), 3.35−3.52 (4H, m), 3.77 (2H, s),4.10 (2H, t, J=6.0Hz), 4.20 (2H, t, J=6.2Hz), 6.52 (1H, s), 7.25−7.41 (5H, m), 7.61 (2H, d, J=8.4Hz), 7.90−8.00 (3H, m), 8.38−8.43 (2H, m), 10.00 (1H, br s).
【0199】
製剤例1
本発明における式(I)で表される化合物またはその塩を有効成分として含有するJNK阻害剤(例、慢性または急性心不全、心肥大、心筋梗塞予後、心筋炎、慢性関節リュウマチ、変形性関節炎、炎症性腸疾患、喘息、虚血再灌流障害、臓器不全、脳卒中、脳血管障害の治療剤など)は、例えば次のような処方によって製造することができる。
1.カプセル剤
Figure 2004161716
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
2.カプセル剤
Figure 2004161716
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
3.カプセル剤
Figure 2004161716
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
4.錠剤
Figure 2004161716
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
5.錠剤
Figure 2004161716
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
6.錠剤
Figure 2004161716
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
【0200】
製剤例2
日局注射用蒸留水50mlに実施例57で得られた化合物50mgを溶解した後、日局注射用蒸留水を加えて100mlとする。この溶液を滅菌条件下でろ過し、次にこの溶液1mlずつを取り、滅菌条件下、注射用バイアルに充填し、凍結乾燥して密閉する。
【0201】
実験例1
以下の参考例に記載の遺伝子操作法は、成書(Maniatisら、モレキュラー・クローニング、Cold Spring Harbor Laboratory、1989年)に記載されている方法もしくは試薬の添付プロトコールに記載されている方法に従った。
(1)ヒトJNK1遺伝子のクローニングと組換えバキュロウイルスの調製
ヒトJNK1遺伝子のクローニングは、腎臓cDNA(東洋紡,QUICK−Clone cDNA)を 鋳型とし、Derijard,B.らが報告(Cell ,76, 1025−1037(1994))しているJNK1遺伝子の塩基配列を参考に作製したプライマーセット
JNK1−U:
−ACAACTCGAGATAACATATGGCTCATCATCATCATCATCATAGCAGAAGCAAGCGTGACAAC −3(配列番号:1)
JNK1−L:
− TCCCGGGTACCTCACTGCTGCACCTGTGCTAA −3
(配列番号:2)
を用いたPCR法により行った。
PCR 反応は AmpliWax PCR Gem 100(宝酒造)を用いた Hot Start法で行った。下層混液として、10 x LA PCR Buffer 2 μl、2.5 mM dNTP 溶液 3 μl、12.5μM プライマー溶液各 2.5 μl、25mM MgCl溶液2μl、滅菌蒸留水 8 μlを混合した。上層混液としては、鋳型としてヒト腎臓cDNA(1 ng/ml)を1 μl、10 x LA PCR Buffer 3 μl、2.5 mM dNTP 溶液 5 μl、25mM MgCl溶液3μl、TaKaRa LA Taq DNA po1ymerase(宝酒造) 0.5 μl、滅菌蒸留水 17.5 μlを混合した。
調製した下層混液に AmpliWax PCR Gem 100(宝酒造)を 1 個添加し、70℃ で 5分間、氷中で5分間処理後、上層混液を加え PCRの反応液を調製した。反応液の入ったチューブをサーマルサイクラー(パーキンエルマー社)にセットした後、95℃で2分間処理した。さらに、95℃で15秒間、68℃で2分間のサイクルを 35 回繰り返した後、72℃で8分間処理した。得られたPCR産物をアガロースゲル(1%)電気泳動し、JNK1遺伝子を含む1.2 kbのDNA断片をゲルから回収した後、 制限酵素KpnI, XhoI消化し、プラスミドpFASTBAC1 (GIBCO BRL)の4.8kb XhoI−KpnI断片へ挿入したプラスミドpFBJNK1を作製した。プラスミドpFBJNK1とBAC−TO−BAC Baculovirus Expression System (GIBCO BRL)を用いて組換えバキュロウイルスのウイルスストックBAC−HJNK1を調製した。
【0202】
(2)ヒトMKK7遺伝子のクローニングと組換えバキュロウイルスの調製
ヒトMKK7遺伝子のクローニングは、膵臓cDNA(東洋紡,QUICK−Clone cDNA)を 鋳型とし、Foltz,I.N.らが報告(J.Biol.Chem.,273(15),9344−9351 (1998))しているMKK7遺伝子の塩基配列を参考に作製したプライマーセット
MKK7−U:
− ACCAGAATTCATAACATATGGCTCATCATCATCATCATCATGCGGCGTCCTCCCTGGAACAG−3(配列番号:3)
MKK7−L:
− ACCCTCTAGACAAGCAGCTACCTGAAGAAGG −3
(配列番号:4)
を用いたPCR法により行った。
PCR 反応は AmpliWax PCR Gem 100(宝酒造)を用いた Hot Start法で行った。下層混液として、10 x LA PCR Buffer 2 μl、2.5 mM dNTP 溶液 3μl、12.5 μM プライマー溶液各 2.5 μl、25mM MgCl溶液2μl、滅菌蒸留水 8 μlを混合した。上層混液としては、鋳型としてヒト膵臓cDNA(1 ng/ml)を1 μl、10 x LA PCR Buffer 3 μl、2.5 mM dNTP 溶液 5 μl、25mM MgCl溶液3μl、TaKaRa LA Taq DNA po1ymerase(宝酒造) 0.5μl、滅菌蒸留水 17.5μlを混合した。調製した下層混液に AmpliWax PCR Gem 100(宝酒造)を 1 個添加し、70℃ で 5分間、氷中で5分間処理後、上層混液を加え PCRの反応液を調製した。反応液の入ったチューブをサーマルサイクラー(パーキンエルマー社)にセットした後、95℃で2分間処理した。さらに、95℃で15秒間、68℃で2分間のサイクルを 35 回繰り返した後、72℃で8分間処理した。得られたPCR産物をアガロースゲル(1%)電気泳動し、MKK7遺伝子を含む1.3 kbのDNA断片をゲルから回収した後、pT7Blue−T vector(ノバジェン)に挿入し、プラスミドpHMKK7を得た。
Wang,Y.らが報告(J.Biol.Chem.,273(10),5423−5426,1998)している構成的活性型MKK7(271番目のSerをAsp、275番目のThrをAsp)を作製するためにプライマーセット
CAM7−U:
− GGCCGCCTGGTGGACGACAAAGCCAAGGACCGGAGCGCCGGCTG−3
(配列番号:5)
CAM7−L:
− CAGCCGGCGCTCCGGTCCTTGGCTTTGTCGTCCACCAGGCGGCC −3
(配列番号:6)
を用いて、QuikChange Site−Directed Mutagenesis Kit (Stratagene)により変異を導入し、pcaMKK7を得た。
プラスミドpFASTBAC1 (GIBCO BRL)の4.8kb EcoRI−XbaI断片と上記プラスミドpcaMKK7の1.3kb EcoRI−XbaI断片を連結し、プラスミドpFBcaMKK7を作製した。
プラスミドpFBcaMKK7とBAC−TO−BAC Baculovirus Expression System (GIBCO BRL)を用いて組換えバキュロウイルスのウイルスストックBAC−caMKK7を調製した。
【0203】
(3)ヒトcJUN遺伝子のクローニング
ヒトcJUN遺伝子のクローニングは、骨格筋cDNA(東洋紡,QUICK−Clone cDNA)を 鋳型とし、Hattori,K.らが報告(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 85(23), 9148−9152 (1988))しているcJUN遺伝子の塩基配列を参考に作製したプライマーセット
cJUN−U:
− AAAAGAATTCATGACTGCAAAGATGGAAACGACC−3
(配列番号:7)
cJUN−L:
− AAAAGCGGCCGCTCACAGGCGCTCCAGCTCGGGCGACGC −3
(配列番号:8)
を用いたPCR法によりcJUNのN末79アミノ酸をコードする遺伝子の増幅を行った。PCR 反応は AmpliWax PCR Gem 100(宝酒造)を用いた Hot Start法で行った。下層混液として、10 x Pyrobest PCR Buffer 2 μl、2.5 mM dNTP 溶液 3 μl、12.5 μM プライマー溶液各 2.5 μl、滅菌蒸留水 10 μlを混合した。上層混液としては、鋳型としてヒト骨格筋cDNA(1 ng/ml)を1 μl、10 x Pyrobest PCR Buffer 3 μl、2.5 mM dNTP 溶液 2 μl、TaKaRa Pyrobest DNA po1ymerase(宝酒造) 0.5 μl、滅菌蒸留水 24.5 μlを混合した。調製した下層混液に AmpliWax PCR Gem 100(宝酒造)を 1 個添加し、70℃ で 5分間、氷中で5分間処理後、上層混液を加え PCRの反応液を調製した。反応液の入ったチューブをサーマルサイクラー(パーキンエルマー社)にセットした後、95℃で2分間処理した。さらに、95℃で15秒間、68℃で30秒間のサイクルを 35 回繰り返した後、72℃で8分間処理した。得られたPCR産物をアガロースゲル(1%)電気泳動し、cJUN遺伝子を含む240bpのDNA断片をゲルから回収した後、 制限酵素EcoRI, NotI消化し、プラスミドpGEX6P−1 (アマシャム・ファルマシア社)の4.9kb EcoRI−NotI断片へ挿入したプラスミドpGEJUNを作製した。
【0204】
(4)活性型JNK1の調製
Sf−21細胞を1x10 cells/mlとなるように10%牛胎児血清を含む100ml Sf−900 II SFM培地(GIBCOBRL)に播種した後、27℃で24時間培養した。組換えバキュロウイルスのウイルスストックBAC−HJNK1とBAC−caMKK7をそれぞれ0.2ml添加した後、さらに60時間培養した。培養液から遠心分離(3000rpm、10min)により、細胞を分離した後、PBSで細胞を2回洗浄した。細胞を10ml Lysis buffer(25mM HEPES (pH 7.5), 1% TritonX, 130mM NaCl, 1mM EDTA, 1mM DTT, 25mM β−glycerophosphate, 20μM leupeptin, 1mM APMSF, 1mM Sodium orthovanadate)に懸濁した後、ホモジナイザー(POLYTRON)で20000rpm、30秒間処理を4回行うことで細胞を破砕した。遠心分離(40000rpm、45分間)して得た上清からAnti−FLAG M2 Affinity Gel (シグマ社)を用いて、活性型JNK1を精製した。
【0205】
(5)組換え型cJUNの調製
プラスミドpGEJUNを大腸菌JM109(東洋紡)へ形質転換して得られたアンピシリン耐性株pGEJUN/JM109を作製した。pGEJUN/JM109株を50μg/mlアンピシリンを含む150mlのLB培地(10g/lトリプトン, 5g/lイーストエキストラクト, 10g/l 塩化ナトリウム)で一晩、200rpm、37℃で培養した。培養液15ml を新鮮なLB培地150mlに添加し、37℃2時間200rpmで培養し、1mM IPTG (和光純薬)を添加してさらに6時間培養した。培養液を8000rpmで10分間遠心して菌体を回収し、PBSで洗浄後、菌体を−80℃で凍結させた。20mlのLysis buffer(B−PER bacterial protein extraction reagent (ピアス)、Protease inhibitor Complete (ベーリンガー))に懸濁した後、室温10分間振盪した。遠心分離(14000rpm、15分間、4℃)を行い、その上清をRedipack GST Purification Module(アマシャム・ファルマシア社)を用いてGST−cJUN融合蛋白質を精製した。
【0206】
(6)JNK阻害活性の測定
50ng 活性型JNK1と1μg cJUNを含む37.5μl反応溶液(25mM HEPES (pH 7.5)、10 mM酢酸マグネシウム)にDMSOに溶解した供試化合物を2.5 μl添加した後、30℃で5分間保温した。ATP溶液(2.5μM ATP、0.01μCi [γ−32P]ATP)を10μl添加することにより反応を開始した。30℃で60分間反応させた後、20%TCA溶液を50μl添加することで反応を停止した。反応溶液を0℃、20分間放置した後、セルハーベスター(パッカードジャパン)を用いて、GF/C filter(パッカードジャパン)に酸不溶画分をトランスファーし、250mMリン酸で洗浄した。45℃で60分間乾燥させた後、Microscint 0(パッカードジャパン)を40μl添加し、トップカウント(パッカードジャパン)で放射活性を測定した。32P の酸不溶画分への取り込みを50%阻害するのに必要な供試化合物の濃度(IC50値)をPRISM2.01(グラフパッド ソフトウェア社)にて算出した。
【0207】
実験例2
TNFα産生阻害活性の測定
1% 非働化牛胎児血清と10mM HEPES(pH7.5)を含むRPMI1640培地(GIBCO BRL)で培養したTHP−1細胞を96ウェルプレートへ1x10cells/wellとなるように播種した後、DMSOに溶解した供試化合物を1 μl添加した。
37℃で1時間炭酸ガスインキュベーター中で培養した後、LPS(和光純薬)を最終濃度5μg/mlとなるように添加した。37℃で4時間炭酸ガスインキュベーター中で培養した後、遠心分離により上清を得た。上清中のTNFα濃度をELISAキット(ダイアクロン社)により測定した。TNFα産生を50%阻害するのに必要な供試化合物の濃度(IC50値)をPRISM2.01(グラフパッド ソフトウェア社)にて算出した。
【0208】
実験例3
LPS投与後のTNFα測定(ラット)
(1)経口投与:
9−10週齢の雄性Jcl:Wistarラットを用いた。LPS(SIGMA、Derived from E.coli) (生理食塩水に溶解)は5mg/kgで腹腔内投与した。化合物は、0.5%メチルセルロースに懸濁して、LPS投与60分前に行なった。対照群は、同様に0.5%メチルセルロースのみを投与した。LPS投与90分後にペントバルビタール(50mg/kg、腹腔内投与)麻酔下にて腹部大動脈よりアプロチニン・EDTAを含むシリンジで血液を採取し、3000rpm、4℃で10分間遠心することにより血漿を得た。血漿中のTNFαはELISA Kit(GENZYME)を用いて測定した。
(2)静脈内投与:
9−10週齢の雄性Jcl:Wistarラットを用いた。LPS(SIGMA、Derived from E.coli) (生理食塩水に溶解)は5mg/kgで腹腔内投与した。化合物は、DMAA/PEG400(1:1) に溶解して、LPS投与10分前に行なった。対照群は、同様にDMAA/PEG400(1:1)のみを投与した。LPS投与90分後にペントバルビタール(50mg/kg、腹腔内投与)麻酔下にて腹部大動脈よりアプロチニン・EDTAを含むシリンジで血液を採取し、3000rpm、4℃で10分間遠心する事により血漿を得た。血漿中のTNFαはELISA Kit(GENZYME)を用いて測定した。
【0209】
実験例4
LPS投与後の心臓リン酸化c−Junの測定(ラット)
9−10週齢の雄性Jcl:Wistarラットを用いた。LPS(SIGMA、Derived from E.coli) (生理食塩水に溶解)は5mg/kgで腹腔内投与した。化合物は、(1−1)または(1−2)に記載の方法で経口投与または静脈内投与した。LPS投与90分後に心臓を摘出し、氷冷したTBS buffer(50mM Tris−HCl pH7.4、150mM NaCl)中で心拍を停止させ、左心室を採取した。左心室を、5.0mlの氷冷したLysis buffer(20mM Tris−HCl pH7.4、1% NP40、0.1% SDS、150mM NaCl、1mM EDTA 0.1mg/ml PMSF、0.3TIU aprotinin、1mM sodium orthovanadate)中でホモジェネートし、12000rpm (15800g)、4℃で30分間遠心後、上清を採取し、これを組織抽出液とした。
タンパク量はBradford法(BIORAD: Protein assay)を用いて測定した。10mgのタンパクを含む組織抽出液に8μgの抗c−Jun rabbit polyclonal抗体(H79: SANTA CRUZ)および20μlのProtein A−Agarose (SANTA CRUZ)を加えて、4℃で一晩撹拌した。2500rpm、4℃で5分間遠心し、上清除去後、TBS buffer(50mM Tris−HCl pH7.4、150mM NaCl、0.1mg/ml PMSF、0.3TIU aprotinin、1mM sodium orthovanadate)で3回洗浄し、60μlのLaemmli sample buffer(BIORAD)で溶解した。10μlのsampleを10%の分離ゲル(BIORAD)にロードし、150Vで60分間電気泳動した。メタノール処理したPVDFメンブレン(BIORAD)にウェット式ブロッティング法を用いて、100V、1時間で、ゲル上のタンパクを転写した。メンブレンをTBS−T(0.05%Tween20)で洗浄後、5% skim milk/TBS−T (ブロッキングバッファー)で1時間、室温にてブロッキングした。その後、抗リン酸化c−Jun (ser63) mouse monoclonal抗体(KM−1: SANTA CRUZ ; ブロッキングバッファーで250倍に希釈)で、室温にて1.5時間反応させた。メンブレンをTBS−Tで洗浄(5分間、2回)後、ブロッキングバッファーで2000倍に希釈したHRP標識−抗mouse IgG二次抗体(Amersham)で、1時間室温にて反応させ、TBS−T(5分間、3回)およびTBSで洗浄した。メンブレンを2ml のECL反応液(ECL Plus : Amersham)で5分間反応させた後、X線フィルムに1分間感光し、90秒間現像液に浸した後、水洗し、定着液に浸すことでフィルムを現像した。現像したX線フィルムをDeskscanIIで取り込んで自動補正し、さらにPhotoshopで自動補正し色調を反転させた。目的分子量で見られるバンドの濃さをPhotoshopのヒストグラムで数値化した。
【0210】
実験結果
表1にヒトJNK1、p38αおよびERK1の阻害作用を示す。
【表1】
Figure 2004161716
これより、本発明の化合物(I)またはその塩は優れたJNK特異的阻害活性を有することがわかる。
【0211】
【発明の効果】
本発明の化合物(I)またはその塩は、優れたJNK特異的阻害作用を有し、優れた経口吸収性を示すことから、安全かつ有効な医薬としてJNK関連病態または疾患の予防・治療に有利に用いられる。
【0212】
【配列表】
Figure 2004161716
Figure 2004161716
Figure 2004161716

Claims (24)

  1. 式(I)
    Figure 2004161716
    Figure 2004161716
    〔式中、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示し、XおよびXはそれぞれ独立して置換されていてもよいC2−4アルキレンを示し、Xは結合手、置換されていてもよいC アルキレンまたは置換されていてもよいC2−4アルケニレンを示し、Yは結合手または置換されていてもよい二価の環状基を示し、Qは結合手、−O−、−S−または−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、Lは結合手または−C(=O)−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を示し、炭素原子はYと、窒素原子はXと結合する。)を示し、環Aは置換されていてもよい含窒素複素環を示し、nは0、1または2を示す。〕で表される化合物若しくはその塩又はそのプロドラッグを含有することを特徴とするJNK阻害剤。
  2. 式(I)
    Figure 2004161716
    Figure 2004161716
    〔式中、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示し、XおよびXはそれぞれ独立して置換されていてもよいC2−4アルキレンを示し、Xは結合手、置換されていてもよいC アルキレンまたは置換されていてもよいC2−4アルケニレンを示し、Yは結合手または置換されていてもよい二価の環状基を示し、Qは結合手、−O−、−S−または−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、Lは結合手または−C(=O)−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を示し、炭素原子はYと、窒素原子はXと結合する。)を示し、環Aは置換されていてもよい含窒素複素環を示し、nは0、1または2を示す。ただし、環Aはイミダゾ[1,2−a]ピリジン、イミダゾ[1,2−c]ピリミジン、5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレンでない。〕で表される化合物またはその塩。
  3. 請求項2記載の化合物のプロドラッグ。
  4. 環Aが置換されていてもよい1ないし3環性の含窒素複素環である請求項2記載の化合物。
  5. 環Aが置換されていてもよい縮合ピリジンまたは置換されていてもよい縮合ピリミジンである請求項2記載の化合物。
  6. 環Aが式
    Figure 2004161716
    〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される三環性縮合含窒素複素環である請求項2記載の化合物。
  7. 環Bおよび環Cがそれぞれ独立して、それぞれ置換されていてもよく部分的に飽和していてもよいピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環またはトリアジン環である請求項6記載の化合物。

  8. Figure 2004161716
    が式
    Figure 2004161716
    〔式中、環B’および環C’はそれぞれ置換されていてもよく、その他の記号は前記と同意義を示す。〕である請求項6記載の化合物。
  9. Rが水素原子、置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよいC1−6アルキル基である請求項2記載の化合物。
  10. が−(CH−である請求項2記載の化合物。
  11. nが2である請求項2記載の化合物。
  12. Lが−C(=O)−NH−(炭素原子はYと、窒素原子はXと結合する。)である請求項2記載の化合物。
  13. Yが1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイルまたはチオフェン−2,5−ジイルである請求項2記載の化合物。
  14. Yが置換されていてもよい二価の環状基であり、環Aが置換されていてもよい芳香族単環式含窒素複素環である請求項2記載の化合物
  15. 芳香族単環式含窒素複素環がピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピラゾール、チアゾール、イミダゾールまたはトリアゾールである請求項14記載の化合物。
  16. Qが−S−である請求項2記載の化合物。
  17. Qが−S−であり、環Aが置換されていてもよい芳香族二環性縮合含窒素複素環である請求項2記載の化合物。
  18. 2−(キナゾリン−4−イルスルファニル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセタミド、4−(キナゾリン−4−イルスルファニル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、4−[2−(チオフェン−2−イル)キナゾリン−4−イルスルファニル]−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、2−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセタミド、2−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]アセタミド、4−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルスルファニル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、4−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ブチルアミド、3−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルスルファニルメチル)− N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(ピラジン−2−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(ピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(ピリジン−4−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、3−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(6−フェニルアセチルアミノピリジン−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(2H−ピラゾール−3−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、4−(2−アミノチアゾール−4−イル)−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]ベンズアミド、7−[4−(3−メチル−1,4,7b−トリアザ−シクロペンタ[cd]インデン−2−イルスルファニル)ブチル]−1,1−ジオキソ−9−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−6,8−ジオン、4−クロロ−N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]−1,7b−ジアザ−シクロペンタ[cd]インデン−3−カルボキサミド、N−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−9−フェニル−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]−4−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザ−シクロペンタ[cd]インデン−3−カルボキサミドおよびN−[3−(1,1,6,8−テトラオキソ−1,3,4,8−テトラヒドロ−2H−1λ−ピリミド[6,1−b][1,3]チアジン−7−イル)プロピル]−4−トリフルオロメチル−1,7b−ジアザ−シクロペンタ[cd]インデン−3−カルボキサミドからなる群から選ばれた化合物またはその塩、またはそのプロドラッグ。
  19. 請求項2または3記載の化合物を含有することを特徴とする医薬。
  20. JNK関連病態または疾患の予防・治療剤である請求項1記載の剤。
  21. 慢性または急性心不全、心肥大、拡張型、肥大型または拘束型心筋症、急性心筋梗塞、心筋梗塞予後、急性または慢性心筋炎、左心拡張能不全、左心収縮不全、高血圧症とそれに合併した腎症・腎炎、血管内皮機能低下、動脈硬化症または血管形成術後再狭窄の予防・治療剤である請求項1記載の剤。
  22. 慢性関節リュウマチ、変形性関節炎、痛風、慢性閉塞性肺疾患、喘息、気管支炎、嚢胞性線維症、炎症性腸疾患、過敏性大腸症候群、粘液性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、胃炎、食道炎、多発性硬化症、湿疹、皮膚炎、肝炎、糸球体腎炎、糖尿病、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、乾癬または癌の予防・治療剤である請求項1記載の剤。
  23. アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、てんかん、筋萎縮性側索硬化症、末梢神経障害、神経変性疾患または脊椎損傷の予防・治療剤である請求項1記載の剤。
  24. 脳卒中、脳血管障害、心臓、腎臓、肝臓および脳から選ばれる臓器の虚血障害、虚血再灌流障害、臓器不全、エンドトキシンショックまたは移植時の拒絶の予防・治療剤である請求項1記載の剤。
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