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JP2004161678A - 抗炎症剤及びサイクリックampホスホジエステラーゼ阻害剤 - Google Patents

抗炎症剤及びサイクリックampホスホジエステラーゼ阻害剤 Download PDF

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JP2004161678A
JP2004161678A JP2002329617A JP2002329617A JP2004161678A JP 2004161678 A JP2004161678 A JP 2004161678A JP 2002329617 A JP2002329617 A JP 2002329617A JP 2002329617 A JP2002329617 A JP 2002329617A JP 2004161678 A JP2004161678 A JP 2004161678A
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JP
Japan
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rhamnopyranoside
cyclic amp
kaempferol
amp phosphodiesterase
extract
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002329617A
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English (en)
Inventor
Enyou Shiyuu
艶陽 周
Daisuke Arao
大介 新穂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruzen Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Maruzen Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Maruzen Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Maruzen Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】従来サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有することが知られていない物質を見出し、それを利用して抗炎症剤、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤、皮膚化粧料及び美容用飲食品を提供する。
【解決手段】ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを、抗炎症剤及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤の有効成分として含有せしめるとともに、皮膚化粧料及び美容用飲食品に配合する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラボノイド配糖体を有効成分とする抗炎症剤及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤、並びにフラボノイド配糖体を配合した皮膚化粧料及び美容用飲食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炎症性の疾患、例えば接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡、その他肌荒れを伴う各種皮膚疾患等の原因や発症機構は多種多様であるが、その原因としてサイクリックAMPホスホジエステラーゼによる血小板凝集によるものが知られている。また、脂肪の代謝促進に関与しているサイクリックAMPを分解する酵素、サイクリックAMPホスホジエステラーゼの作用を抑制することで、細胞内サイクリックAMPの濃度が上昇して脂肪代謝が活発になり、肥満が解消されることが知られている。
【0003】
血小板凝集は、アラキドン酸カスケードのホスホリパーゼAの活性化を招き、それにより放出されたロイコトリエンBやプロスタグランジンE等が炎症反応を引き起こす。このため、血小板の凝集を阻害・抑制する物質によりアレルギー性疾患や炎症性疾患を予防・治療する試みがなされており、そのような血小板凝集阻害物質として、アスピリン、チクロピジン、スルフィピラゾン等が用いられてきた。しかしながら、これらの物質はいずれも副作用があり、安全性の点で問題となっていた。
【0004】
また、血小板の凝集は血小板中のサイクリックAMPの濃度と関係があり、サイクリックAMPホスホジエステラーゼによってサイクリックAMPが分解されてサイクリックAMPの濃度が低下すると、血小板は凝集しやすくなる。従って、サイクリックAMPホスホジエステラーゼの作用を抑制してサイクリックAMP濃度の低下を防止すれば、血小板凝集を防止できるものと考えられる。
【0005】
炎症反応の阻害・抑制による炎症性疾患の予防・治療、又は脂肪代謝の活発化による肥満の解消には、その原因となるサイクリックAMPホスホジエステラーゼによるサイクリックAMPの分解等を阻害・抑制することが有用であると考えられる。
【0006】
従来のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤としては、特開平11−180869号公報(特許文献1)、特開平11−209299号公報(特許文献2)、特開2000−219631号公報(特許文献3)、特開2001−163796号公報(特許文献4)、特開2002−87974号公報(特許文献5)、特開2002−179583号公報(特許文献6)、特開2002−302452号公報(特許文献7)等に開示されているものを例示することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−180869号公報
【特許文献2】
特開平11−209299号公報
【特許文献3】
特開2000−219631号公報
【特許文献4】
特開2001−163796号公報
【特許文献5】
特開2002−87974号公報
【特許文献6】
特開2002−179583号公報
【特許文献7】
特開2002−302452号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有することが知られていない物質を見出し、それを利用して抗炎症剤、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤、皮膚化粧料及び美容用飲食品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを有効成分として含有することを特徴とする抗炎症剤(請求項1)及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤(請求項2)、並びにケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを配合したことを特徴とする皮膚化粧料(請求項3)及び美容用飲食品(請求項4)を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドは、下記構造式(1)
【化1】
Figure 2004161678
(式中、RhaはL−ラムノピラノシドを示す。)
で示されるフラボノイド配糖体である。
【0011】
このケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドは、常法によって製造することもできるし、ゲンノショウコ(Geranium thunbergii Siebold et Zuccarini)から抽出・精製することによっても製造することができる。
【0012】
ここで、ゲンノショウコは、フウロソウ科に属する多年草であり、北海道南部から本州、四国、九州等に自生しており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0013】
抽出原料として用いるゲンノショウコの構成部位は特に限定されるものではなく、例えば、葉部、枝部、茎部等の地上部、根部、花部、果実等の構成部位を抽出原料として用いることができるが、これらのうち、特に地上部を抽出原料として用いることが好ましい。
【0014】
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドは、例えば、抽出原料としてのゲンノショウコを乾燥した後、そのまま、又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供し、精製することにより得ることができる。この際、抽出原料の乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、上記植物は、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、上記植物からの極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0015】
抽出溶媒としては、極性溶媒を用いることが好ましく、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合液を室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いることが特に好ましい。
【0016】
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0017】
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられる。
【0018】
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水と低級脂肪族アルコールとの混合比を7:3〜2:8(重量比)とすることができる。
【0019】
抽出方法としては特に限定されることなく、室温又は還流加熱下で、任意の装置を用いて抽出を行えばよい。例えば、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、必要に応じて時々攪拌しながら、1〜3時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜15倍量(重量比)であり、抽出温度は、通常、常温〜95℃である。
【0020】
得られた抽出液を、常法に従って濃縮、乾燥させた後、イオン交換樹脂、オクタデシルシリル化シリカゲル(ODS)、デキストランゲル等を使用したカラムクロマトグラフィーを適宜組み合わせて精製することにより、ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを単離することができる。
【0021】
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドは、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有しており、この作用を利用してケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを抗炎症剤又はサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤として使用することができる。
【0022】
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを抗炎症剤又はサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤として使用する場合、その製剤化は常法に従って行うことができる。製剤化する場合、保存や取扱いを容易にするために、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容され得るキャリアーその他任意の助剤をケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドに添加することができ、また、粉末状、顆粒状、錠剤状等、任意の剤形に製剤化することができる。
【0023】
抗炎症剤又はサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤におけるケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドの配合量は、所期の効果が得られる限り特に制限されず、広い範囲から適宜選択することができるが、0.00001〜80重量%程度、特に0.0001〜70重量%程度が好ましい。
【0024】
ここで、ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドの抗炎症作用は、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用に基づいて発揮される。但し、ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドの抗炎症作用は、上記作用に基づいて発揮される抗炎症作用に限定されるわけではない。
【0025】
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドは、炎症性疾患の予防・改善に有用であるとともに、皮膚に適用した場合の使用感と安全性に優れているので、皮膚化粧料に配合するのに好適である。皮膚化粧料には、本発明の抗炎症剤又はサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤を配合してもよい。
【0026】
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを配合し得る皮膚化粧料は特に限定されないが、その具体例としては、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、入浴剤、リップクリーム、口紅等が挙げられる。
【0027】
本発明の皮膚化粧料におけるケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドの配合量は、皮膚化粧料の種類等によって適宜調整することができるが、好適な配合率は約0.0001〜10重量%である。
【0028】
本発明の皮膚化粧料には、ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドが有するサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用の妨げにならない限り、皮膚化粧料の製造に通常使用される各種主剤及び助剤、その他任意の助剤を使用することができる。本発明の皮膚化粧料は、炎症性疾患の予防・治療作用に関し、ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドのみが主剤となるものに限られるわけではない。
【0029】
本発明の皮膚化粧料において、ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドとともに皮膚化粧料構成成分として利用可能なものとしては、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素消去剤等が挙げられ、ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドとともに上記構成成分を併用した場合、ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドと併用された構成成分との間の相乗作用が、通常期待される以上の優れた使用効果をもたらすことがある。
【0030】
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを配合した皮膚化粧料を製造する場合、他の製造原料の選択が制限されることはほとんどなく、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料等の一般的な基材や助剤はいずれも使用可能である。
【0031】
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドは、消化管で消化されるようなものではないことが確認されているので、任意の飲食品や栄養補助食品に配合するのに好適である。その場合の配合量は、添加対象飲食品の一般的な摂取量を考慮して成人1日当たりの抽出物摂取量が約0.1〜100mgになるようにするのが適当である。
【0032】
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを配合した飲食品には、炎症反応の阻害・抑制による炎症性疾患の予防・治療作用及び脂肪代謝の活発化による肥満の解消作用が付与され、これを美容用飲食品として使用することができる。ここで、「美容用飲食品」とは、美肌、痩身等の美容を目的とした飲食品を意味する。
【0033】
本発明の美容用飲食品は、ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドをその活性を妨げないような任意の飲食品に配合したものであってもよいし、ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを主成分とする栄養補助食品であってもよい。
【0034】
本発明の美容用飲食品を製造する際には、例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類等の任意の助剤を添加して任意の剤形に製剤化することができる。
【0035】
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを配合し得る飲食品は特に限定されないが、その具体例としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物などが挙げられる。
【0036】
以上説明した本発明の抗炎症剤、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤、皮膚化粧料及び美容用飲食品は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【0037】
【実施例】
以下、製造例、試験例及び配合例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記の各例に何ら限定されるものではない。
【0038】
〔製造実施例1〕
ゲンノショウコ地上部の乾燥物600gについて、50%エタノール溶液6000mLで1時間かけて2回還流抽出を行った後、減圧乾固させた。得られた抽出物125gをイオン交換クロマトグラフィー(三菱化学社製,ダイヤイオンHP−20を使用)に付して30%メタノールで溶出し、次いで99%メタノールで溶出した後、減圧乾固させ、21.2gの溶出物を得た。
【0039】
次に、得られた溶出物を、ODSカラムクロマトグラフィー(富士シリカ社製,クロマトレックスを使用)に付して50%メタノールで溶出し、次いでゲル濾過(ファルマシア社製,セファデックスLH−20を使用)に付して99%メタノールで溶出した後、凍結乾燥させ、60mgの凍結乾燥物を得た。
【0040】
得られた乾燥物をC−NMRにより解析したところ、ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドであることが確認された。C−NMRの測定値は以下のとおりである。
C−2:148.7,C−3:137.4,C−4:177.3,C−5:162.2,C−6:99.8,C−7:163.2,C−8:95.2,C−9:157.6,C−10:106.1,C−1’:123.4,C−2’:130.7,C−3’:116.3,C−4’:160.6,C−5’:116.3,C−6’:130.7
【0041】
なお、ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドの色・性状は、黄色粉末であった。
【0042】
〔製造比較例1〕
ゲンノショウコの地上部30kgを、80%エタノール400Lにて70〜80℃で3日間かけて抽出し、加圧濾過した。得られた抽出液370Lを減圧下で70Lまで濃縮した後、不溶化した色素類を珪藻土濾過により濾別した。得られた濾液80kgにエタノールと水を添加してエタノール濃度を50%に調整し、260kgの抽出液とした。この抽出液を、以下「ゲンノショウコ抽出物」という。
【0043】
〔試験例1〕サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害試験
製造実施例1で得られたケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシド、ケンフェロール標準品(和光純薬工業社製,商品名:Kaempferol(ケンフェロール))、製造比較例1で得られたゲンノショウコ抽出物(以下全て「試料」という。)について、下記の試験法によりサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を試験した。
【0044】
5mMの塩化マグネシウムを含有するトリス塩酸緩衝液(pH7.5)0.2mLに胎児血清アルブミン溶液0.1mL及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ溶液0.1mLを加え、さらに試料溶液0.05mLを加え、37℃で5分間プレインキュベーションした。次いで、サイクリックAMP溶液0.05mLを加え、37℃で60分間インキュベーションした。沸騰浴中で3分間煮沸して反応を停止させ、4℃で3500rpm遠心分離し、上清中の反応基質・5’−AMPを高速液体クロマトグラフィーにより定量した。試料溶液を添加せずに同様の酵素反応と反応基質の分析を行い、試料無添加時の反応基質量に対する試料添加時の反応基質量の比率より、試料のサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害率(%)を求めた。
【0045】
試料溶液の試料濃度を段階的に減少させて上記の測定を繰り返し、サイクリックAMPホスホジエステラーゼの活性を50%阻害する試料濃度IC50(ppm;μg/mL)を内挿法により求めた。その結果を表1に示す。
【0046】
Figure 2004161678
【0047】
表1に示す結果から、ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドは、ケンフェロール標準品及びゲンノショウコ抽出物に比較して高いサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害活性を有することが確認された。
【0048】
〔配合例1〕
下記の組成の乳液を常法により製造した。
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシド 1g
ホホバオイル 4g
オリーブオイル 2g
スクワラン 2g
セタノール 2g
モノステアリン酸グリセリル 2g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0) 2.5g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.0) 2g
1,3−ブチレングリコール 3g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0049】
〔配合例2〕
下記組成の化粧水を常法により製造した。
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシド 2g
グリセリン 3g
1,3−ブチレングリコール 3g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.0) 0.5g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
クエン酸 0.1g
クエン酸ソーダ 0.1g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0050】
〔配合例3〕
下記組成のクリームを常法により製造した。
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシド 1g
流動パラフィン 5g
サラシミツロウ 4g
セタノール 3g
スクワラン 10g
ラノリン 2g
ステアリン酸 1g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.0) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3g
1,3−ブチレングリコール 6g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0051】
〔配合例4〕
下記組成のパックを常法により製造した。
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシド 0.01g
ポリビニルアルコール 15g
ポリエチレングリコール 3g
プロピレングリコール 7g
エタノール 10g
パラオキシ安息香酸エチル 0.05g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0052】
〔配合例5〕
下記の混合物を打錠して、錠剤状健康・栄養補助食品を製造した。
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシド 10g
コラーゲン 30g
ムコ多糖・タンパク(コンドロイチン) 10g
ヒアルロン酸 1g
月桃葉茎抽出物 33g
黒米抽出物 33g
甘草抽出物 10g
ミルク蛋白加水分解物 10g
ビタミンB群混合粉末 4g
ビタミンC 10g
粉糖(ショ糖) 47g
グリセリン脂肪酸エステル 12g
【0053】
〔配合例6〕
下記の混合物を顆粒状に形成して健康・栄養補助食品を製造した。
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシド 2g
真珠蛋白加水分解 15g
シルク蛋白加水分解物 15g
大豆イソフラボン 10g
紫米抽出物 100g
赤ワインエキスパウダー 30g
酵母エキス 10g
ザクロ種子抽出物 10g
小麦胚芽抽出物 10g
DNA 30g
ビートオリゴ糖 1060g
ステビア抽出物 10g
【0054】
〔配合例7〕
下記の混合物をゼラチンカプセル化して、錠剤状健康・栄養補助食品を製造した。
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシド 5g
セラミド 30g
レシチン 10g
ビタミンE 17g
マルチカロチン 10g
赤米抽出物 33g
オクタコサノール 1g
植物ステロール 5g
シソの実油 20g
精製魚油(DHA,EPAを含む) 20g
ゴマ油 20g
オリーブ油 10g
大豆・菜種混合油 62g
グリセリン脂肪酸エステル 12g
【0055】
〔配合例8〕
下記の混合物を常法に従って混合し、清涼飲料水を製造した。
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシド 0.1g
ローヤルゼリー 3g
水溶性コラーゲン 8g
ハトムギエキス 1g
高麗ニンジンエキス 1g
プラセンタエキス 1g
プエラリアエキス 1g
パープルヤムエキス 1g
オリゴ糖 5g
ショ糖 10g
プルーン果汁 2g
ザクロ果汁 5g
グレープフルーツ果汁 10g
ビタミンC 1g
グレープフルーツフレーバー 0.7g
水 残部(全量を100gとする)
【0056】
〔配合例9〕
下記の混合物を常法に従って混合し、キャンディーを製造した。
ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシド 2g
水あめ 30g
甘草エキス 3g
甜茶エキス 1g
ブルーベリーエキス 1g
緑茶エキス 3g
ストロベリー1/5濃縮果汁 1g
赤キャベツ色素 0.05g
レモン果汁 0.5g
水 5g
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、抗炎症剤及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤が提供される。また、本発明によれば、抗炎症作用を有する皮膚化粧料及び美容用飲食品が提供される。
【0058】
本発明の抗炎症剤及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤は、サイクリックAMPホスホジエステラーゼによるサイクリックAMPの分解等が関与する炎症を効果的に予防又は改善するのに有用である。また、本発明の皮膚化粧料は、炎症性疾患を改善するのに有用であり、本発明の美容用飲食品は、美肌、痩身等の美容に有用である。

Claims (4)

  1. ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを有効成分として含有することを特徴とする抗炎症剤。
  2. ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを有効成分として含有することを特徴とするサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害剤。
  3. ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを配合したことを特徴とする皮膚化粧料。
  4. ケンフェロール−7−O−α−L−ラムノピラノシドを配合したことを特徴とする美容用飲食品。
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