JP2004160883A - 光学記録材料 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報をレーザ等による熱的情報パターンとして付与することにより記録する光学記録媒体に使用される光学記録材料に関し、詳しくは、短波長レーザを用いる光学記録媒体の光学記録層の形成に適した、特定のトリアジン化合物を含有する光学記録材料、及び該光学記録材料を用いた光学記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
光学記録媒体は、一般に記録容量が大きく、記録又は再生が非接触で行われる等、優れた特徴を有することから広く普及している。WORM、CD−R、DVD−R等の追記型の光ディスクでは光学記録層の微少面積にレーザを集光させ、光学記録層の性状を変えて記録し、未記録部分との反射光量の違いによって再生を行っている。
【0003】
現在、上記の光ディスクにおいては、記録及び再生に用いる半導体レーザの波長は、CD−Rは750〜830nmであり、DVD−Rは620〜690nmであるが、更なる容量の増加を実現すべく、短波長レーザを使用する光ディスクが検討されており、例えば、記録光及び再生光に380〜420nmの光を用いるものが検討されている。
【0004】
これらの短波長レーザを用いる光学記録媒体に形成される光学記録層には、アゾ化合物の金属錯体、ポルフィリン錯体、トリアゾールヘミポルフィリン錯体等の金属錯体や、アゾ、シアニン等の有機色素化合物が使用されているが、これらの金属錯体や有機色素化合物は、短波長レーザに対して吸収波長が合致するものではなかった。これに対して、特許文献1にトリアジン化合物を用いた光学記録媒体が報告されている。しかし、このトリアジン化合物は、吸光係数が2〜3×104程度と小さいので、光学記録材料として充分な記録感度と再生精度を有するものではない。
【0005】
また、特許文献2及び3には、本発明に係るトリアジン化合物を含む概念のトリアジン化合物が報告されているが、光学記録媒体への応用については何ら記載されていない。
【0006】
従って、本発明の目的は、380〜420nmの記録光、特に405nmのレーザ光を用いる光学記録媒体に合致した吸収波長及び吸光係数を有する光学記録材料を提供することにある。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−160452号公報
【特許文献2】
特開平11−71356号公報
【特許文献3】
特開平5−232630号公報
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、特定の構造を有するトリアジン化合物が、380〜420nmの記録光、特に405nmのレーザ光を用いる光学記録媒体の光学記録層を形成する光学記録材料に適合することを知見した。
【0009】
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、基体上に光学記録層が形成された光学記録媒体における該光学記録層に用いられる、下記一般式(I)で表されるトリアジン化合物を含有してなる光学記録材料、及び、基体上に、該光学記録材料からなる薄膜を形成したことを特徴とする光学記録媒体を提供するものである。
【0010】
【化3】
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0012】
本発明に係る上記一般式(I)で表されるトリアジン化合物において、R1〜R6で表される炭素数18以下のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、へプタデシル、オクタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペプチル、シクロオクチル等が挙げられ、置換や中断を有するものとしては、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−ブトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル、2,3−ジメトキシプロピル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル等が挙げられる。
【0013】
R1〜R6で表される炭素数18以下のアルコキシ基としては、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、2−ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、イソノニルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、へプタデシルオキシ、オクタデシルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロペプチルオキシ、シクロオクチルオキシ等が挙げられ、置換や中断を有するものとしては、クロロメチルオキシ、ジクロロメチルオキシ、トリクロロメチルオキシ、2−ヒドロキシエチルオキシ、2−ヒドロキシプロピルオキシ、3−ヒドロキシプロピルオキシ、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルオキシ、2−メトキシエチルオキシ、2−エトキシエチルオキシ、2−ブトキシエチルオキシ、2−オクチルオキシエチルオキシ、2−メトキシプロピルオキシ、3−メトキシプロピルオキシ、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピルオキシ、2,3−ジメトキシプロピルオキシ、2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ、2−(2−メトキシエトキシ)エチルオキシ、2−ヒドロキシ−3−(2−メトキシエトキシ)プロピルオキシ、2−アセトキシエチルオキシ、2−アセトキシプロピルオキシ、3−アセトキシプロピルオキシ、2−(2−アセトキシエトキシ)エチルオキシ、2−プロピオニルエチルオキシ、2−オクタノイルエチルオキシ、2−ジブチルカルバモイルエチルオキシ等が挙げられる。
【0014】
R1〜R6で表される炭素数18以下のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジオクチルアミノ、1−ピペリジル等が挙げられる。
【0015】
R1〜R6で表される炭素数18以下のアルキルカルボニルオキシ基は、R1〜R6が水酸基である場合に、該当する有機カルボン酸から誘導される基であり、これを誘導する有機カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、3−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、2,4−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸等が挙げられ、置換や中断を有するものを導入する有機カルボン酸としては、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0016】
R1〜R6で表される炭素数18以下のアリール基としては、フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−第三ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ第三ブチルフェニル、2,5−ジ第三ブチルフェニル、2,6−ジ−第三ブチルフェニル、2,4−ジ第三ペンチルフェニル、2,5−ジ第三アミルフェニル、2,5−ジ第三オクチルフェニル、ビフェニル、2,4,5−トリメチルフェニル等が挙げられる。R1〜R6で表される炭素数18以下のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル等が挙げられる。
【0017】
R1〜R6で表される炭素数18以下のアリールオキシ基としては、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、2−メチルフェニルオキシ、3−メチルフェニルオキシ、4−メチルフェニルオキシ、4−ビニルフェニルオキシ、4−イソプロピルフェニルオキシ、4−ブチルフェニルオキシ、4−イソブチルフェニルオキシ、4−第三ブチルフェニルオキシ、4−ヘキシルフェニルオキシ、4−シクロヘキシルフェニルオキシ、4−オクチルフェニルオキシ、4−(2−エチルヘキシル)フェニルオキシ、2,3−ジメチルフェニルオキシ、2,4−ジメチルフェニルオキシ、2,5−ジメチルフェニルオキシ、2,6−ジメチルフェニルオキシ、3,4−ジメチルフェニルオキシ、3,5−ジメチルフェニルオキシ、2,4−ジ第三ブチルフェニルオキシ、2,5−ジ第三ブチルフェニルオキシ、2,6−ジ第三ブチルフェニルオキシ、2,4−ジ第三ペンチルフェニルオキシ、2,5−ジ第三アミルフェニルオキシ、2,5−ジ第三オクチルフェニルオキシ、ビフェニルオキシ、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ等が挙げられる。R1〜R6で表される炭素数18以下のアリールアルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、2−フェニルプロパン−2−イルオキシ、ジフェニルメチルオキシ等が挙げられる。
【0018】
R1〜R6で表される炭素数18以下のアリールカルボニルオキシ基は、R1〜R6が水酸基である場合に、該当する有機カルボン酸から誘導される基であり、これを誘導する有機カルボン酸としては、安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、ナフトエ酸、4−メチル安息香酸、4−第三ブチル安息香酸、4−オクチル安息香酸等が挙げられる。
【0019】
上記一般式(I)で表されるトリアジン化合物の中でも、下記一般式(II)で表されるものが、製造が容易であり、低コストであるので好ましい。
【0020】
【化4】
【0021】
上記一般式(II)で表されるトリアジン化合物は、前記一般式(I)において、R1、R3及びR5(或いはR2、R4及びR6)が、4位に位置する、水酸基、炭素数18以下のアルコキシ基、炭素数18以下のジアルキルアミノ基又は炭素数18以下のアルキルカルボニルオキシ基であり、且つ、R2、R4及びR6(或いはR1、R3及びR5)が3位に位置する化合物である。上記一般式(II)におけるR7〜R9で表される炭素数18以下のアルコキシ基、炭素数18以下のジアルキルアミノ基、炭素数18以下のアルキルカルボニルオキシ基としては、R1〜R6で例示したものが挙げられる。上記一般式(II)におけるR10〜R12は、R1〜R6と同様の原子又は基を表し、具体的にはR1〜R6で例示したものが挙げられる。
【0022】
本発明に係る上記一般式(II)で表される好ましいトリアジン化合物の具体例としては、以下に示す化合物No.1〜28が挙げられる。なお、下記化学式において、Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、Amはアミル基、iAmはイソアミル基、Hxはヘキシル基、cyHxはシクロヘキシル基を表す。
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
上記一般式(II)で表されるトリアジン化合物の中でも、R7〜R9が、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されていてもよく、これらの置換及び中断は組み合わされていてもよい、炭素数18以下のアルコキシ基であるものが特に好ましい。
【0028】
前記一般式(I)で表されるトリアジン化合物の合成方法は、特に制限を受けることはなく、トリアジン構造を有する化合物の合成に通常用いられる合成方法を適用することができる。例えば、塩化シアヌルにフェノール誘導体又はレゾルシノール誘導体を三塩化アルミニウムを用いて付加反応させる方法が挙げられる。R1〜R6で表される置換基は、トリアジン構造を形成した後に導入してもよく、トリアジン構造を形成する前に、フェノール誘導体又はレゾルシノール誘導体に導入してもよい。
【0029】
光ディスクに代表される光学記録媒体は、再生モードでは、レーザ光を光学記録媒体に反射させた反射光について、レーザ波長の光量の差で記録の有無を検出するので、反射光の吸収波長が、レーザ光の波長に近いものほど好ましい。波長380〜420nmのレーザ光を用いる光学記録媒体の場合、これに適合する本発明の光学記録材料の光吸収特性は、上記トリアジン化合物の溶液状態の最大吸収波長λmaxが300〜450nmの範囲である。吸収強度は、λmaxのモル吸光係数εが5.0×104より小さいと記録感度と再生精度が低下するおそれがあるので、5.0×104以上が好ましく、大きいほど好ましい。
【0030】
本発明の光学記録材料は、上記トリアジン化合物を含有してなるものであり、本発明の光学記録材料中における上記トリアジン化合物の含有量は、好ましくは50〜100質量%、さらに好ましくは70〜100質量%である。
【0031】
また、本発明の光学記録材料は、上記トリアジン化合物の他に、必要に応じて、シアニン系化合物、アゾ系化合物、フタロシアニン系化合物、金属錯体化合物等の光学記録層に用いられる化合物;ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート等の樹脂類;光増感剤;界面活性剤;帯電防止剤;滑剤;難燃剤;ヒンダードアミン等のラジカル捕捉剤;フェロセン誘導体等のピット形成促進剤;分散剤;酸化防止剤;架橋剤;耐光性付与剤等を含有してもよい。さらに、本発明の光学記録材料は、一重項酸素等のクエンチャーとして芳香族ニトロソ化合物、アミニウム化合物、イミニウム化合物、ビスイミニウム化合物、遷移金属ジチオールキレート化合物等を含有してもよい。これらの成分は、本発明の光学記録材料中において、好ましくは0〜50質量%の範囲で使用される。
【0032】
本発明の光学記録媒体は、基体上に、光学記録層として、上記トリアジン化合物を含有する本発明の光学記録材料からなる薄膜が形成されたものである。
本発明の光学記録材料を用いて光学記録層としての薄膜を形成する方法は、特に制限を受けるものではないが、一般には、メタノール、エタノール等の低級アルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルジグリコール等のエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等のエステル類;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ化アルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の炭化水素類;メチレンジクロライド、ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素類等の有機溶媒に溶解した溶液を、基体上に、スピンコート、スプレー、ディッピング等で塗布する湿式塗布法が用いられる。その他の方法としては、蒸着法、スパッタリング法等が挙げられる。
【0033】
上記光学記録層の厚さは、通常0.001〜10μmであり、好ましくは0.005〜1μmである。
【0034】
このような光学記録層を設層する上記基体の材質は、書き込み(記録)光及び読み出し(再生)光に対して実質的に透明なものであれば特に制限はなく、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の樹脂、ガラス等が用いられる。また、その形状は、用途に応じ、テープ、ドラム、ベルト、ディスク等の任意の形状のものを使用できる。
【0035】
また、本発明の光学記録媒体においては、上記光学記録層上に、金、銀、アルミニウム、銅、或いはこれらの金属を含む合金等を用いて、蒸着法あるいはスパッタリング法により反射膜を形成することもできるし、アクリル樹脂、紫外線硬化性樹脂等による保護層を形成することもできる。
【0036】
上述した本発明の光学記録媒体は、波長が380〜420nm、特に405nmのレーザ光による記録及び再生に好適なものである。
【0037】
【実施例】
以下、製造例及び実施例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
下記製造例1〜3は、本発明の光学記録材料の実施例を示すものであり、下記実施例1〜2は、本発明の光学記録媒体の実施例を示すものである。
【0038】
[製造例1]化合物No.15の製造
反応フラスコに塩化シアヌル65.0mmol、2−メチルレゾルシノール278mmol、及びクロロベンゼン80mlを仕込み、三塩化アルミニウム84.5mmolを徐々に加え、80℃で2時間反応させた。反応系を25℃に冷却し、6mol/リットルの塩酸水溶液を14ml滴下し、1時間撹拌した。得られた結晶を濾取し、水洗した後、ジメチルホルムアミド溶媒を用いて再結晶を行い、化合物No.15の結晶を収率68.0%で得た。得られた結晶について、各種分析を行った。分析結果を以下に示す。
【0039】
(分析結果)
▲1▼元素分析:C/H/N(質量%)
64.2/4.70/9.33
(理論値64.4/4.73/9.39)
▲2▼1H−NMR(ジメチルスルホキシド溶媒)
(1.95〜2.12;s;9)(6.56〜6.69;d;3)(7.68〜7.75;d;3)(10.3〜10.69;br;1.8)(13.5〜13.7;s;3)
▲3▼UVスペクトル測定(クロロホルム溶媒)
λmax;360nm、ε;6.70×104
▲4▼窒素気流下での示差熱分析(TG−DTA)
30%質量減少温度:470℃、吸熱ピーク:292℃
【0040】
[製造例2]化合物No.17の製造
反応フラスコに上記製造例1で得られた化合物No.15を10mmol、炭酸カリウム18.0mmol、及びジメチルホルムアミド25mlを仕込み、90℃まで加温した。これにヨウ化イソアミル33mmolを滴下し、90℃で7.5時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、クロロホルム50ml及び水25mlを加え油水分離して有機相を得た。該有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し固相を得た。該固相をクロロホルム/エタノール(1/4;容積比)溶媒で再結晶を行い、化合物No.17の結晶を収率72.5%で得た。得られた結晶について、各種分析を行った。分析結果を以下に示す。
【0041】
(分析結果)
▲1▼元素分析:C/H/N(質量%)
72.0/7.78/6.36
(理論値72.2/7.81/6.39)
▲2▼1H−NMR(重クロロホルム溶媒)
(0.86〜1.07;t;18)(1.64〜1.78;m;6)(1.80〜1.95;m;3)(2.12〜2.27;s;9)(4.00〜4.14;t;6)(6.45〜6.60;d;3)(7.90〜8.03;d;3)(13.5〜13.6;s;3)
▲3▼UVスペクトル測定(クロロホルム溶媒)
λmax;355nm、ε;6.71×104
▲4▼窒素気流下での示差熱分析(TG−DTA)
50%質量減少温度:467℃、吸熱ピーク(融点):219℃
【0042】
[製造例3]化合物No.18の製造
反応フラスコに上記製造例1で得られた化合物No.15を10mmol、炭酸カリウム18.0mmol、及びジメチルホルムアミド25mlを仕込み、90℃まで加温した。これに臭化ヘキサン33mmolを滴下し、90℃で1時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、クロロホルム50ml及び水25mlを加え油水分離して有機相を得た。該有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し固相を得た。該固相を酢酸エチル溶媒で再結晶を行い、化合物No.18の結晶を収率61.6%で得た。得られた結晶について、各種分析を行った。分析結果を以下に示す。
【0043】
(分析結果)
▲1▼元素分析:C/H/N(質量%)
71.9/8.18/5.98
(理論値72.1/8.21/6.00)
▲2▼1H−NMR(重クロロホルム溶媒)
(0.85〜1.03;t;9)(1.28〜1.68;m+m;18)(1.73〜1.90;m;6)(2.05〜2.23;s;9)(3.91〜4.07;t;6)(6.42〜6.57;d;3)(7.83〜7.97;d;3)(13.4〜13.6;s;3)
▲3▼UVスペクトル測定(クロロホルム溶媒)
λmax;356nm、ε;6.39×104
▲4▼窒素気流下での示差熱分析(TG−DTA)
50%質量減少温度:463℃、吸熱ピーク(融点):145℃
【0044】
[実施例1〜2]光学記録媒体の製造及び評価
直径12cmのガラスディスク基板上に、上記製造例において得られたトリアジン化合物(表1参照)のクロロホルム溶液(濃度1質量%)をスピンコーティング法にて塗布して、厚さ100nmの光学記録層を形成し光学記録媒体を得た。得られた光学記録媒体それぞれについて、入射角5°の反射光のUVスペクトル吸収の測定を行った。λmax、及びλmaxにおける吸光度に対する405nmにおける相対吸光度の結果を表1に記す。
【0045】
【表1】
【0046】
上記表1の結果より明らかなように、実施例1及び2のいずれの光学記録媒体も、405nmのレーザ光を使用する光学記録媒体として好適であることが確認できた。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、短波長の記録光を使用する光学記録媒体の光学記録層の形成に適した、トリアジン化合物を含有してなる光学記録材料を提供することができる。
Claims (5)
- 上記トリアジン化合物の溶液における光吸収において、最大吸収波長λmaxが300〜450nmの範囲に存在し、このλmaxでのモル吸光係数εが5.0×104以上である請求項1又は2記載の光学記録材料。
- 基体上に、請求項1〜3のいずれかに記載の光学記録材料からなる薄膜を形成したことを特徴とする光学記録媒体。
- 波長405nmのレーザ光により記録及び再生が可能である請求項4記載の光学記録媒体。
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